JP2017166826A - ガスセンサ - Google Patents

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徹雄 波多
海田 佳生
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【課題】単一の検知素子で、混合ガスのそれぞれの成分の濃度を高精度で検知できるガスセンサを提供する。【解決手段】異なる複数の温度で加熱される検知素子と、可変抵抗器と、前記検知素子と前記可変抵抗器を用いて出力を行うブリッジ回路と、前記出力からガス濃度を算出する演算処理装置を備えたガスセンサであって、前記演算処理装置は、前記検知素子が加熱される温度に応じて前記可変抵抗器を制御することで、前記検知素子の抵抗変化に対する前記ブリッジ回路の出力感度を調整する機能を有している。【選択図】図2

Description

本発明はガスセンサに関するものである。
従来、ガスセンサの検知方式として接触燃焼式、半導体式、熱伝導式などが知られている。これらの方式は、いずれもヒータで加熱された検知素子の電気抵抗が検知対象ガスの存在によって変化することを利用してガス濃度を検知するものである。
また、特許文献1には、異なる温度で発熱する測温体2個を有し、それぞれの水素濃度および湿度に応じた出力を換算することで、水素と水蒸気が混合した環境下でそれぞれの濃度を区別して検出する熱伝導式ガスセンサが開示されている。
特許第4016813号公報
しかしながら、混合ガスのそれぞれの成分を検知するために異なる温度で加熱される複数の検知素子を備えたガスセンサは、検知素子が単一のガスセンサと比べ大型化および消費電力の増大をもたらす。
また、単一の検知素子を異なる温度で加熱することにより同等の機能を実現する方法も考えられるが、通常こうしたガスセンサは検知対象ガスの濃度変化による検知素子の抵抗変化を電気的な出力に変換するために外部の抵抗器と接続したブリッジ回路を用いており、加熱温度の変化による検知素子の抵抗変化のために、検知対象ガスの濃度変化による検知素子の抵抗変化に対する出力感度が変化してしまって出力からガス濃度を算出する際の精度が悪化してしまうという問題がある。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、混合ガスのそれぞれの成分を高精度に検知でき、なおかつ小型で省消費電力のガスセンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のガスセンサは、異なる複数の温度で加熱される検知素子と、可変抵抗器と、前記検知素子と前記可変抵抗器を用いて出力を行うブリッジ回路と、前記出力からガス濃度を算出する演算処理装置を備えたガスセンサであって、前記演算処理装置は、前記検知素子が加熱される温度に応じて前記可変抵抗器を制御することで、前記検知素子の抵抗変化に対する前記ブリッジ回路の出力感度を調整する機能を有していることを特徴とするガスセンサである。
本発明の請求項2に記載のガスセンサは、可変抵抗器としてサーミスタを用い、可変抵抗器の抵抗を調整するため可変抵抗器の加熱温度を制御している。また、本発明の請求項3に記載のガスセンサは、可変抵抗器として複数の固定抵抗器を接続したものを用い、複数の固定抵抗器の中から検知素子の加熱温度に対応したもののみをブリッジ回路に接続することで可変抵抗器の抵抗を制御している。
本発明の請求項4に記載のガスセンサは、検知素子がメンブレン構造を有する薄膜サーミスタであり、検知対象ガスの熱伝導の変化を測定することでガス濃度を算出する。
本発明の請求項5に記載のガスセンサは、検知素子がメンブレン構造を有する酸化スズ薄膜であり、前記検知素子が検知対象ガスと反応して酸素が脱離することで生じる前記検知素子の抵抗変化を測定することで検知対象ガスの濃度を算出する。
本発明の請求項6に記載のガスセンサは、検知素子が感熱層および触媒層からなり、加熱された触媒層上で検知対象ガスが酸化することにより生じた熱を感熱層で測定することで検知対象ガスの濃度を算出する。
本発明により、単一の検知素子であっても複数のガスを高精度で検知できるようになり、従来の混合ガス用ガスセンサよりも小型で省消費電力のガスセンサとなる。
本発明における実施形態1を説明するための断面構造図である。 本発明における実施形態1を説明するための回路構成図である。 本発明における実施形態1の動作を説明するためのタイミング図である。 本発明における実施形態2を説明するための断面構造図である。 本発明における実施形態2を説明するための回路構成図である。 本発明における実施形態3を説明するための断面構造図である
(実施形態1)
図1は、実施形態1のガスセンサを説明するための断面構造図である。本実施形態によるガスセンサは、検知素子1および可変抵抗器2が同一の基板3上に形成されている。
検知素子1は、絶縁膜4、マイクロヒータ5、マイクロヒータ保護膜6、薄膜サーミスタ7、薄膜サーミスタ電極8、薄膜サーミスタ保護膜9を備える。
可変抵抗器2は、薄膜サーミスタ電極8の間隔が異なる以外は検知素子1と同じ構成である。このような構成にすることで、検知素子1と可変抵抗器2を同一の工程で製造することができる。また、検知素子1と可変抵抗器2の特性が揃ったものを作ることができ、特性の揃ったものを組み合わせる選別工程もなくすことができる。
基板3としては、適度な機械的強度を有し、且つエッチングなどの微細加工に適した材質であれば、特に限定されるものではない。例えば、シリコン単結晶基板、サファイア単結晶基板、セラミック基板、石英基板、ガラス基板などが好適である。基板の表面および裏面には、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜などの絶縁膜4が形成される。絶縁膜4として、例えばシリコン酸化膜を形成するには、熱酸化法やCVD(Chemical Vapor Deposition)による成膜法を適用すればよい。膜厚は、絶縁膜4上に形成する膜と基板との絶縁がとれ、且つキャビティ10を形成する際のエッチング停止層として機能すればよい。通常0.1〜1.0μm程度が好適である。
基板3には、マイクロヒータ5を高温動作させた時に、熱が基板へ伝導するのを抑制するためにマイクロヒータ5の位置に対応して基板の一部を薄肉化したキャビティ10を有している。このキャビティ10により基板が取り除かれた部分はメンブレン11と呼ばれる。メンブレン11では基板を薄肉化した分だけ熱容量が小さくなるため、非常に少ない消費電力でマイクロヒータ5を高温にすることができる。また、基板3への伝導経路が数μmの薄膜部分のみで形成された断熱構造であるため、基板3への熱伝導が小さく、効率よくマイクロヒータ5を高温にすることができる。
マイクロヒータ5の材質としては、薄膜サーミスタ7の成膜工程および熱処理工程などのプロセスに耐えうる導電性物質で比較的高融点の材料からなる金属層であって、例えば、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)又はこれら何れか2種以上を含む合金などが好適である。また、イオンミリングなどの高精度なドライエッチングが可能である導電材質であることが好ましく、さらに耐腐食性が高い、Ptなどがより好適である。また絶縁膜4との密着性を向上させるためにはPtの下部にはチタン(Ti)などの密着層を形成するのが好ましい。
図1において、ガスによるマイクロヒータ5の温度検出用の感熱素子として、薄膜サーミスタ7が形成されている。薄膜サーミスタ7は薄膜サーミスタ電極8を備え、マイクロヒータ5を覆うように形成される。これによりマイクロヒータ5の温度を直接検出することができる。
薄膜サーミスタ7を形成するサーミスタの材質としては、複合金属酸化物、アモルファスシリコン、ポリシリコン、ゲルマニウムなどの負の温度抵抗係数を持つ材料をスパッタ法、CVDなどの薄膜プロセスを用いて形成する。膜厚は目標とするサーミスタ抵抗値に応じて調整すればよく、例えばMnNiCo系酸化物を用いて室温での抵抗値(R25)を140kΩ程度に設定するのであれば、素子の電極間の距離にもよるが0.2〜1μm程度の膜厚に設定すればよい。
なお、マイクロヒータ5の温度検出用の感熱素子としては薄膜サーミスタ7が好適である。まず、薄膜の積層構造であるために、マイクロヒータ5の発熱を直上にて直接検出することができる。また、白金測温体などに比べて抵抗温度係数が大きいために、検出感度を大きくすることができるためである。
薄膜サーミスタ7の電気信号を取り出す為に、薄膜サーミスタ電極8が形成される。薄膜サーミスタ電極8の材質としては、薄膜サーミスタ7の成膜工程および熱処理工
程などのプロセスに耐えうる導電性物質で比較的高融点の材料、例えば、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)又はこれら何れか2種以上を含む合金などが好適である。
マイクロヒータ5及び絶縁膜4を覆うようにマイクロヒータ保護膜6が形成される。マイクロヒータ保護膜6としては、絶縁膜4と同じ材料であることが望ましい。マイクロヒータ5は数百度にまで上昇し、次に常温へ下がるという熱ストレスを繰り返し受ける。この熱ストレスを継続的に受けると層間剥離やクラックといった破壊につながる。同じ材料同士は、異種材料を積層した場合に比べて材料特性が同じであり密着性が強固で機械的強度も強い。このため、マイクロヒータ5の熱ストレスに対しても破壊を防止することができる。マイクロヒータ保護膜6として、例えばシリコン酸化膜を形成するには、熱酸化法やCVDによる成膜法を適用すればよい。膜厚は、マイクロヒータ5を確実に覆うことができ層間絶縁ができる厚みが良い。通常0.1〜3.0μm程度が好適である。
また、薄膜サーミスタ7に、複合金属酸化物等を利用する場合においては、マイクロヒータ保護膜6は、絶縁性を有する酸化膜であることが望ましく、例えばシリコン酸化膜等が望ましい。マイクロヒータ保護膜6の上には薄膜サーミスタ7および薄膜サーミスタ電極8が形成される。マイクロヒータ保護膜6は、マイクロヒータ5の保護膜であると同時に、薄膜サーミスタ7の下地層でもあり、薄膜サーミスタ7と直接接触する。
一般的に、複合金属酸化物を利用したサーミスタは、高温で還元劣化があるためサーミスタ全体を耐還元材料でコーティングする方法が知られている。即ち、サーミスタを還元性を持つ材料と接触させて高温状態にすると、サーミスタから酸素を奪って還元を引き起こし、サーミスタ特性に影響を与えてしまう。よって薄膜サーミスタ保護膜9においてもシリコン酸化膜等の絶縁性を有する酸化膜であることが望ましい。
また、同様な理由により、薄膜サーミスタ電極8は薄膜サーミスタ7の基板側に形成されていることが望ましい。すなわち、マイクロヒータ5上に、絶縁層であるマイクロヒータ保護膜6を介して、薄膜サーミスタ電極8、薄膜サーミスタ7の順に積層し形成されている。つまり、薄膜サーミスタ電極8の上に薄膜サーミスタ7が形成される。一般的に、薄膜電極は、電極材料と下地との密着力を上げるために密着層が形成される。例えばクロム(Cr)やチタン(Ti)等が数nm程度の膜厚で形成される。薄膜サーミスタ7上に薄膜サーミスタ電極8が形成された場合、この密着層が直接薄膜サーミスタと接触し、サーミスタからの酸素を奪う等により酸化することで、界面抵抗が上昇し薄膜サーミスタ7の検出特性が変動してしまい好ましくない。
薄膜サーミスタ電極8、マイクロヒータ5はメンブレン11の外で、電極パッド12と接続される。電極パッド12は、ワイヤーボンドなどで外部の回路と電気的接続され、例えばアルミニウム(Al)や金(Au)などの材料で形成され、必要に応じて積層してもよい。
続いて、図2および3を用いてガス検知の動作について説明する。まず、マイクロプロセッサ16は、検知素子1のマイクロヒータ5にパルス電圧を印加する。パルス電圧は一定の間隔をあけて印加され、検知対象ガスが2種類ある場合はVm1、Vm2の2つの異なる電圧を印加する。Vm1、Vm2はあらかじめ設定された電圧であり、乾燥空気雰囲気中において検知素子1の薄膜サーミスタ7を所定の加熱温度Tm1、Tm2に加熱するのに必要な電圧である。
これと同時に、マイクロプロセッサ16は、可変抵抗器2のマイクロヒータ5にもパルス電圧を印加する。検知対象ガスが2種類ある場合は検知素子1と同じくVc1、Vc2の2つの異なる電圧が印加され、検知素子1にVm1が印加されているタイミングではVc1、検知素子1にVm2が印加されているタイミングではVc2と対応したパルス電圧が印加される。Vc1、Vc2はあらかじめ設定された電圧であり、可変抵抗器2の薄膜サーミスタ7を所定の加熱温度Tc1、Tc2に加熱するのに必要な電圧である。以上のそれぞれの印加電圧の関係を示したタイミング図が図3である。
ここで、温度Tにおける検知素子1の薄膜サーミスタ7の抵抗値をRm(T)、同じく温度Tにおける可変抵抗器2の薄膜サーミスタ7の抵抗値をRc(T)と表すと、以下の関係を満たしている。
Rm(Tm1)=Rc(Tc1)
Rm(Tm2)=Rc(Tc2)
すなわち、検知素子1が乾燥空気雰囲気中にある時は、検知素子1の薄膜サーミスタ7と可変抵抗器2の薄膜サーミスタ7の抵抗値が等しくなり、ブリッジ回路の出力VdがVccとグラウンドの中点となる。これにより、雰囲気の変化による検知素子1の薄膜サーミスタ7の抵抗値変化に対する出力Vdの感度も一定となる。
検知素子1と可変抵抗器2のそれぞれが加熱されているタイミングでブリッジ回路の出力Vdを測定する。検知素子1にVm1、可変抵抗器2にVc1が印加されているタイミングの出力をVd1、同じく検知素子1にVm2、可変抵抗器2にVc2が印加されているタイミングの出力をVd2とする。出力Vd1、Vd2は雰囲気ガスの影響を含んだものである。ガスの熱伝導率はガスの種類、温度により異なるため、検知素子1の加熱制御温度が異なるとガスの検出感度もそれぞれ異なる。測定対象ガスが二酸化炭と水蒸気の2種類である場合、以下のような近似が成り立つ。
a(Tm1)X+b(Tm1)Y=Vd1
a(Tm2)X+b(Tm2)Y=Vd2
ここで、X、Yはそれぞれ二酸化炭素と水蒸気の濃度、a(T)、b(T)はそれぞれ温度Tにおける二酸化炭素と水蒸気の検出感度とする。a(Tm1)、b(Tm1)、a(Tm2)、b(Tm2)はあらかじめマイクロプロセッサ16に入力された定数であり、これらの定数と出力の値を用いて上記の連立方程式を解くことにより、二酸化炭素濃度X、水蒸気濃度Yを求めることができる。
なお、上述したようにあらかじめ検知対象ガスのそれぞれの温度と検出感度を求めておく必要がある。二酸化炭素検出感度は、乾燥空気と二酸化炭素の混合ガス雰囲気中に本実施形態のガスセンサを入れ、二酸化炭素濃度と出力Vdの関係から得る。また、水蒸気検出感度も同様に乾燥空気と水蒸気の混合ガス雰囲気中に本実施形態のガスセンサを入れて測定する。検知素子1の薄膜サーミスタ7の加熱温度Tmを変えて測定することで温度と検出感度の関係を求めることができる。
また、本実施形態では検知対象ガスを二酸化炭素と水蒸気の2種類としたが、検知可能なガスはこの2つに限るものではない。他の例を挙げると、水素やメタンといった空気と熱伝導率が十分異なるガスであれば同様の原理で検知可能である。
(実施形態2)
図4は、実施形態2のガスセンサを説明するための断面構造図である。以下、符号
は実施形態1と共通である。本実施形態によるガスセンサは、可変抵抗器2が外部の回路となっているため、基板3上には検知素子1のみが形成されている。検知素子1の構成は実施形態1と同様である。
図5の回路構成図を用いてガス検知の動作について説明する。検知素子1のマイクロヒータ5は実施形態1と同様に2つの異なる電圧を印加され、薄膜サーミスタ7は2つの異なる温度Tm1、Tm2に加熱される。
可変抵抗器2は、2個の固定抵抗器17とスイッチング素子18からなる。2個の固定抵抗器17の抵抗は、それぞれRm(Tm1)、Rm(Tm2)と等しい。マイクロプロセッサ16はスイッチング素子18を制御し、2個の固定抵抗器17のうち、薄膜サーミスタ7の加熱温度に対応したものをブリッジ回路に接続する。
これにより、検知素子1の駆動温度がTm1の時とTm2の時の場合のいずれも、雰囲気中に検知対象ガスが存在しない場合のブリッジ回路の出力VdはVccとグラウンドの中点となり、検知素子1の薄膜サーミスタ7の抵抗変化に対する出力Vdの変化も一定となる。
以降の測定動作は実施形態1と同様であり、それぞれの加熱温度に対するブリッジ回路の出力から測定対象ガスの濃度を算出する。
(実施形態3)
図6は、実施形態3のガスセンサを説明するための断面構造図である。実施形態1および2のガスセンサは、空気と検知対象ガスの熱伝導率の違いを利用して検知対象ガスの濃度を求める方式であるのに対し、本実施形態のガスセンサは、検知対象ガスがヒータで加熱された触媒層と接触酸化することにより生じた熱を感熱部で検知して検知対象ガスの濃度を求める方式である。検知素子の構成としては、表面に触媒層19を備えている点が実施形態1および2の検知素子と異なる。可変抵抗器、ブリッジ回路、演算処理装置を含む他の部分については実施形態1または実施形態2と同様である。
触媒層19の材質は、白金(Pt)またはパラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の貴金属からなる多孔質体、あるいはこれらの貴金属の粒子を担持した多孔質セラミックが好適である。
ガス検知の動作は実施形態1または2と同様である。ガス種により触媒層と接触酸化するのに必要なヒータ加熱温度が異なることを利用し、複数の温度で検知素子を加熱することでそれぞれのガス種の濃度を算出する。
なお、本実施形態のガスセンサは実施形態1および2のガスセンサでは検知できない、熱伝導率が空気と近い一酸化炭素等が検知可能である。
実施形態1に基づくガスセンサの出力特性を下記に示す。二酸化炭素10000ppm、水蒸気15600ppm(25℃、50%RH相当)を混合した雰囲気下で、Tm1を75℃、Tm2を175℃に設定して測定した。事前の測定による二酸化炭素の検出感度はTm1で−0.299μV/ppm、Tm2で−0.370μV/ppmとなり、水蒸気の検出感度はTm1で0.058μV/ppm、Tm2で0.333μV/ppmとなった。前記の雰囲気下における出力はVd1が−1.638mV、Vd2が2.205mVであった。
以上を用いて連立方程式を立てると、次のようになる。
−0.299X+0.058Y=−1638
−0.370X+0.333Y=2205
この連立方程式を解くことにより、X=8621ppm、Y=16200ppmと求まった。
比較例として、前記実施例と同じ検知素子を用いて可変抵抗器2の抵抗値を制御せず固定して測定した場合の検出精度を以下に示す。前記実施例と同じく、測定雰囲気は二酸化炭素10000ppm、水蒸気15600ppmで、Tm1を75℃、Tm2を175℃に設定して測定した。事前の測定による二酸化炭素の検出感度はTm1で−0.082μV/ppm、Tm2で−0.370μV/ppmとなり、水蒸気の検出感度はTm1で0.088μV/ppm、Tm2で0.341μV/ppmとなった。前記の雰囲気下における出力はVd1が0.027mV、Vd2が3.384mVであった。
以上を用いて連立方程式を立てると、次のようになる。
−0.082X+0.088Y=27
−0.370X+0.341Y=3384
この連立方程式を解くと、X=−62763ppm、Y=−58117ppmとなる。この測定方法では全くガスセンサの用をなしていないことがわかる。
1 検知素子
2 可変抵抗器
3 基板
4 絶縁膜
5 マイクロヒータ
6 マイクロヒータ保護膜
7 薄膜サーミスタ
8 薄膜サーミスタ電極
9 薄膜サーミスタ保護膜
10 キャビティ
11 メンブレン
12 電極パッド
13 アナログデジタルコンバータ
14 増幅回路
15 デジタルアナログコンバータ
16 マイクロプロセッサ
17 固定抵抗器
18 スイッチング素子
19 触媒層

Claims (6)

  1. 異なる複数の温度で加熱される検知素子と、可変抵抗器と、前記検知素子と前記可変抵抗器を用いて出力を行うブリッジ回路と、前記出力からガス濃度を算出する演算処理装置を備えたガスセンサであって、前記演算処理装置は、前記検知素子が加熱される温度に応じて前記可変抵抗器を制御することで、前記検知素子の抵抗変化に対する前記ブリッジ回路の出力感度を調整する機能を有していることを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記可変抵抗器は異なる複数の温度で加熱されるサーミスタであることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記可変抵抗器は複数の固定抵抗器からなり、前記演算処理装置は、前記複数の固定抵抗器のうち前記検知素子が加熱される温度に対応したものを前記ブリッジ回路に接続するよう前記可変抵抗を制御する機能を有していることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  4. 前記検知素子はメンブレン構造を有する薄膜サーミスタであり、検知対象ガスの熱伝導の変化を測定することでガス濃度を算出することを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載のガスセンサ。
  5. 前記検知素子はメンブレン構造を有する酸化スズ薄膜であり、前記検知素子が検知対象ガスと反応して酸素が脱離することで生じる前記検知素子の抵抗変化を測定することで検知対象ガスの濃度を算出することを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載のガスセンサ。
  6. 前記検知素子は感熱層および触媒層からなり、加熱された触媒層上で検知対象ガスが酸化することにより生じた熱を感熱層で測定することで検知対象ガスの濃度を算出することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載のガスセンサ。
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