JP2017165116A - 船舶推進機用トリム・チルト装置、船舶推進機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一方の端部が船舶推進機本体に取り付けられた棒状のピストンロッド60と、内側シリンダ40と、ピストンロッド60の他方の端部に装着されて内側シリンダ40内に収容され、内側シリンダ40内の空間を一方の端部側の第4室Y4と他方の端部側の第5室Y5とに区画する内側ピストン50と、内側シリンダ40を収容する外側シリンダ20と、外側シリンダ20の一方の端部の開口部を覆うキャップ80と、内側シリンダ40の一方の端部に装着されて外側シリンダ20内の空間を一方の端部側の第2室Y2と他方の端部側の第1室Y1とに区画すると共に、第4室Y4と第2室Y2とを連通する貫通孔32dが形成され、キャップ80に接触して貫通孔32dよりも内側の内側空間と内側空間よりも外側の外側空間とに区画する外側ピストン30と、を備える。
【選択図】図3
Description
例えば、その両端で船体側と船外推進機側を連結する油圧シリンダが、シリンダ本体内にトリムピストンが摺動自在に挿入され、トリムピストン内にチルトピストンが摺動自在に挿入され、チルトピストンのロッドがトリムピストンとシリンダ本体の一端を貫通して外方に突出されていて、トリム操作時にはシリンダ本体内でチルトピストンとトリムピストンを一体的に移動させ、チルト操作時にはシリンダ本体のロッド突出側端部の側に位置したトリムピストン内でチルトピストンを移動させるように構成されていて、トリム操作時にはチルトピストンとトリムピストンを連動させ且つチルト操作時にはトリムピストンをシリンダ本体にロックする手段を設ける。
本発明は、異なるピストンが移動することにより生じる誤動作を簡易な構成で抑制できる船舶推進機用トリム・チルト装置、船舶推進機を提供することを目的とする。
前記第2シリンダの一方の端部の開口部を覆う覆い部材と、前記第1シリンダの一方の端部に装着されて前記第2シリンダ内の空間を一方の端部側の第3空間と他方の端部側の第4空間とに区画すると共に、前記第1空間と前記第3空間とを連通する連通孔が形成され、前記覆い部材に接触して前記連通孔よりも内側の内側空間と前記内側空間よりも外側の外側空間とに区画する第2ピストンと、を備える船舶推進機用トリム・チルト装置である。
図1は、本発明の実施の形態に係るトリム・チルト装置1が適用される船舶推進機10の概略構成図である。
船舶推進機10は、船舶の船体2に対して推進力を発生する船舶推進機本体10aと、船体2に対する船舶推進機本体10aの傾斜角度θを調整するトリム・チルト装置1とを備えている。
船舶推進機本体10aは、クランク軸(不図示)の軸方向が水面に対して垂直方向(図1では上下方向)に向くように置かれたエンジン(不図示)と、そのクランク軸の下端に回転一体に連結されて鉛直下方に延びるドライブ軸(不図示)とを有する。また、船舶推進機本体10aは、このドライブ軸とべべルギヤ機構を介して連結されたプロペラ軸11と、このプロペラ軸11の後端に装着されたプロペラ12とを有する。
図2は、トリム・チルト装置1の外観図である。
図3は、シリンダ装置100の部分断面図である。
トリム・チルト装置1は、図2、図3に示すように、作動流体の一例であるオイルの供給、排出によって伸縮するシリンダ装置100と、シリンダ装置100にオイルを供給したりシリンダ装置100からオイルを排出したりする給排油装置200とを備えている。
また、トリム・チルト装置1は、船舶推進機本体10aのスイベルケース15を船体2に接続するスターンブラケット16(図1参照)を備えている。スターンブラケット16は、後述する外側シリンダ20のピン孔24aとピン(不図示)により連結される。
シリンダ装置100は、軸心CL方向に延びたシリンダを有する外側シリンダ20と、外側シリンダ20の内部に配置されて、外側シリンダ20の内部空間を区画する外側ピストン30とを備えている。また、シリンダ装置100は、外側シリンダ20の内部に配置された内側シリンダ40と、内側シリンダ40の内部に配置されて、内側シリンダ40の内部空間を区画する内側ピストン50とを備えている。また、シリンダ装置100は、内側ピストン50を軸心CL方向の一端部に保持して、内側ピストン50とともに、内側シリンダ40に対して軸心CL方向に移動するピストンロッド60を備えている。また、シリンダ装置100は、内側シリンダ40内を軸心CL方向に移動するフリーピストン70と、外側シリンダ20の開口部を覆うキャップ80とを備えている。
以下では、外側シリンダ20の軸心CL方向における方向を示す場合には、図3中下方を「下方」と称し、図3中上方を「上方」と称する場合もある。
外側シリンダ20は、円筒状でそれぞれ内径及び外径が互いに異なる第1円筒状部21及び第2円筒状部22を有している。また、外側シリンダ20は、第2円筒状部22における下端部を塞ぐ底部23と、底部23から下方に突出した突出部24とを有している。
第1円筒状部21の外径は第2円筒状部22の外径よりも大きく、第1円筒状部21の内径は第2円筒状部22の内径よりも大きい。第1円筒状部21は第2円筒状部22の上方に設けられている。第1円筒状部21の上端部は、内径が外側ピストン30の後述するOリング33が接触する領域の内径よりも大きくなっているとともに、内周面にはキャップ80に形成された雄ねじ81が締め付けられる雌ねじ21aが形成されている。
突出部24には、船舶推進機本体10aのスターンブラケット16に接続するためのピン(不図示)が挿入されるピン孔24aが形成されている。
図4は、外側ピストン30の斜視図である。
外側ピストン30は、円筒状の円筒状部31と、円筒状部31における上端部を塞ぐ頂部32とを有している。また、外側ピストン30は、外側シリンダ20の内周面との間に配置されたOリング33と、内側シリンダ40の外周面との間に配置されたOリング34と、キャップ80の下端面との間に配置されたOリング35と、ピストンロッド60の外周面との間に配置されたOリング36とを有している。
また、円筒状部31の内周面であって溝31bの上方には、内側シリンダ40の上端部に形成された後述する雄ねじ41aに締め付けられる雌ねじ31cが形成されている。外側ピストン30は、円筒状部31に形成された雌ねじ31cが内側シリンダ40に形成された雄ねじ41aに締め付けられることで内側シリンダ40に保持される。
頂部32における突部32bの周囲には、軸心CL方向の貫通孔32dが周方向に等間隔に複数(例えば8つ)形成されている。貫通孔32dは、円筒状部31よりも内側に形成されている。また、貫通孔32dは、少なくとも一部が外側ピストン30を保持する内側シリンダ40よりも内側に位置するように形成されている。
貫通孔32aを形成する頂部32の内周面には全周に渡って凹んだ溝32eが形成されている。溝32eにOリング36が嵌め込まれている。
内側シリンダ40は、円筒状の円筒状部41と、円筒状部41における下端部を塞ぐ底部42と、外側シリンダ20の内周面との間に配置されたOリング43とを有している。
円筒状部41の上端部の外周面には、外側ピストン30の円筒状部31に形成された雌ねじ31cが締め付けられる雄ねじ41aが形成されている。また、円筒状部41の下端部の外周面には、全周に渡って凹んだ溝41bが形成されている。溝41bにOリング43が嵌め込まれている。
底部42の中央部には、軸心CL方向の貫通孔42aが形成されている。
内側ピストン50は、円筒状のピストン本体51と、外側シリンダ20の内周面との間に配置されたOリング52とを有している。また、内側ピストン50は、後述する第4室Y4から後述する第5室Y5へのオイルの流入を許容するとともに第5室Y5から第4室Y4へのオイルの流入を抑制するリリーフ弁装置53を有している。また、内側ピストン50は、後述する第5室Y5から後述する第4室Y4へのオイルの流入を許容するとともに第4室Y4から第5室Y5へのオイルの流入を抑制するリターン弁装置54(図5参照)を有している。また、内側ピストン50は、リリーフ弁装置53、リターン弁装置54の脱落を抑制する抑制部材55を有している。
また、ピストン本体51には、下端面から軸心CL方向に円柱状に凹んだ凹部51cと、凹部51cとピストン本体51の上方とを連通する軸方向の連通孔51dとが形成されている。凹部51c及び連通孔51dは、周方向に等間隔に複数(例えば4つ)形成されている。凹部51cにリリーフ弁装置53が収容され、凹部51cの下端側の開口部に抑制部材55が嵌め込まれている。
また、ピストン本体51には、上端面から軸心CL方向に円柱状に凹んだ凹部(不図示)と、この凹部とピストン本体51の下方とを連通する軸方向の連通孔(不図示)とが形成されている。凹部及び連通孔は、周方向に少なくとも1つ形成されているとよい。凹部にリターン弁装置54が収容され、凹部の下端側の開口部に抑制部材55が嵌め込まれている。
抑制部材55は、円盤状の部材であるとともに、軸心CL方向の貫通孔が複数形成されている。
リターン弁装置54は、球状の弁体を有している。
ピストンロッド60は、円柱状の第1円柱状部61と、第1円柱状部61の下方に設けられて第1円柱状部61の径よりも小さな径の円柱状の第2円柱状部62と、第1円柱状部61の上方に設けられて船舶推進機本体10aのスイベルケース15に接続する接続部63とを有している。
第2円柱状部62の径は、内側ピストン50の貫通孔51aの内径よりも小さい。第2円柱状部62の下端部には雄ねじ62aが形成されている。ピストンロッド60は、第2円柱状部62を内側ピストン50の貫通孔51aに挿入した状態で雄ねじ62aにフランジナット64が締め付けられることにより内側ピストン50を保持する。内側ピストン50は、第1円柱状部61の下端面に突き当たることで軸心CL方向の位置が定まる。
接続部63には、船舶推進機本体10aのスイベルケース15に接続するためのピン(不図示)が挿入されるピン孔63aが形成されている。
フリーピストン70は、円筒状の円筒状部71と、円筒状部71における下端部を塞ぐ円柱状の底部72と、内側シリンダ40の内周面との間に配置されたOリング73とを有している。
円筒状部71の外周面には、全周に渡って凹んだ溝71aが形成されている。溝71aにOリング73が嵌め込まれている。円筒状部71の内周面は、フランジナット64のフランジ部及び六角部の形状に沿うように段付状に形成されている。そして、図3に示すように、内側ピストン50の下端面がフリーピストン70の円筒状部71の上端面に接触した状態で、円筒状部71の内部にフランジナット64を収容する。
底部72の径は、内側シリンダ40の底部42の中央部に形成された貫通孔42aよりも小さく、円筒状部71の下端面が内側シリンダ40の底部42の上端面に接触した状態で、底部72が内側シリンダ40の底部42に形成された貫通孔42aに嵌る。
キャップ80は、中央部にピストンロッド60を通すための軸心CL方向の貫通孔が形成された円筒状の部材であるキャップ本体81を有している。また、キャップ80は、外側シリンダ20の内周面との間に配置されたOリング82と、ピストンロッド60の外周面との間に配置されたOリング83と、Oリング83の上方に設けられたオイルシール84とを有している。キャップ本体81の外周面には、外側シリンダ20の第1円筒状部21に形成された雌ねじ21aに締め付けられる雄ねじ81aが形成されている。
外側ピストン30のOリング33が外側シリンダ20の第1円筒状部21の内周面に接触して外側ピストン30と外側シリンダ20との間の隙間をシールすることで、外側シリンダ20の内部であって内側シリンダ40及び外側ピストン30の外部の空間を区画する。
また、外側ピストン30のOリング34が内側シリンダ40の円筒状部41の外周面に接触して外側ピストン30と内側シリンダ40との間の隙間をシールする。また、内側シリンダ40のOリング43が外側シリンダ20の第2円筒状部22の内周面に接触して内側シリンダ40の円筒状部41の外周面と外側シリンダ20の第2円筒状部22の内周面との間の隙間をシールする。
以下では、外側ピストン30のOリング33、Oリング34、内側シリンダ40のOリング43、外側ピストン30の円筒状部31、外側シリンダ20の内面、内側シリンダ40の外面にて囲まれた空間を、第1室Y1と称す。
以下では、外側ピストン30のOリング33、Oリング36、キャップ80のOリング82、Oリング83、外側ピストン30の外面、外側ピストン30の頂部32の内周面、外側シリンダ20の内面、ピストンロッド60の外面、キャップ80にて囲まれた空間を、第2室Y2と称す。
以下では、内側シリンダ40のOリング43、フリーピストン70のOリング73、外側シリンダ20の内面、内側シリンダ40、フリーピストン70の外面にて囲まれた空間を、第3室Y3と称す。
以下では、内側シリンダ40の内部の空間であって、内側ピストン50のOリング52、外側ピストン30のOリング36、内側シリンダ40の内面、外側ピストン30の内面、ピストンロッド60の外面、内側ピストン50の外面にて囲まれた空間を、第4室Y4と称す。
以下では、内側シリンダ40の内部の空間であって、内側ピストン50のOリング52、フリーピストン70のOリング73、内側シリンダ40の内面、内側ピストン50、フランジナット64、ピストンロッド60、フリーピストン70にて囲まれた空間を、第5室Y5と称す。
外側ピストン30のOリング35がキャップ80のキャップ本体81の下端面に接触している場合、Oリング35が外側ピストン30の上端面とキャップ80との間の隙間をシールする。そして、Oリング35がシールすることで、外側シリンダ20の内面、外側ピストン30の外面、キャップ80、ピストンロッド60などにて囲まれた第2室Y2を、Oリング35よりも内側(中心側)の空間である第6室Y6(図6(c)参照)と、Oリング35よりも外側の空間である第7室Y7(図6(c)参照)とに区画する。
そして、本実施の形態に係るシリンダ装置100においては、第7室Y7のオイルからの圧力を受ける、外側ピストン30の受圧面積よりも内側ピストン50の受圧面積の方が大きくなるように、Oリング35の位置が設定されている。
図5は、給排油装置200の油圧回路の概略図である。
給排油装置200は、オイルを吐出するポンプ装置210と、ポンプ装置210を駆動するモータ220と、ポンプ装置210とシリンダ装置100との間に形成された流路を切り替えるシャトル式切替弁230と、逆止弁241,242とを備える。
ポンプ装置210は、オイルを貯留するタンク211(図2参照)と、タンク211に配置されるとともにタンク211に貯留されたオイルを吐出するポンプ212とを備えている。
タンク211は、図2に示すように、ハウジング211aと、ハウジング211aとモータ220とによって囲まれた空間であるタンク室(不図示)とを有している。
ハウジング211aは、上方が開口した有底円筒状であり、シリンダ装置100の外側シリンダ20にボルトにて締め付けられている。そして、ハウジング211aと外側シリンダ20とには、ポンプ212と、シリンダ装置100の第1室Y1及び第3室Y3とを接続する第1流路201を構成する孔が形成されている。また、ハウジング211aと外側シリンダ20とには、ポンプ212と、シリンダ装置100の第2室Y2とを接続する第2流路202を構成する孔が形成されている。第2流路202における第2室Y2の開口部は、外側ピストン30のOリング35がキャップ80のキャップ本体81の下端面に接触している場合に、上述した第7室Y7にオイルを供給する位置に形成されている。
ポンプ212は、正転及び逆転する可逆式のギヤポンプである。
なお、タンク211は、シリンダ装置100の外側シリンダ20と一体的に形成されていてもよい。
モータ220は、正転及び逆転する可逆式のモータである。
モータ220は、ポンプ装置210のハウジング211a(図2参照)の上部の開口部を液密に塞ぐようにハウジング211aに固定されている。モータ220は、駆動軸がタンク室に配置されたポンプ212に連結されており、回転駆動することによりポンプ212を回転駆動する。
シャトル式切替弁230は、シャトルピストン231と、シャトルピストン231の両側に配置された第1チェック弁232aおよび第2チェック弁232bとを有している。そして、シャトル式切替弁230には、シャトルピストン231の第1チェック弁232a側に第1シャトル室233aが形成され、シャトルピストン231の第2チェック弁232b側に第2シャトル室233bが形成されている。
第2チェック弁232bは、ポンプ212と、シリンダ装置100の第2室Y2とを接続する第2流路202上に配置され、ポンプ212の逆転によって第2シャトル室233bに加えられる送油圧力によって第2流路202を開く。
逆止弁241,242は、ポンプ212とタンク211とを接続する接続流路の中間部に配置されて、ポンプ212がタンク211に貯留されたオイルを吸入することを許容するとともにポンプ212から排出されたオイルがタンク211に至るのを防止する弁である。
(トリムアップ・チルトアップ)
図6(a)は、シリンダ装置100が最も縮んだ状態を示す図である。図6(b)は、シリンダ装置100が少しトリムアップした状態を示す図である。図6(c)は、シリンダ装置100が最大トリムアップした状態を示す図である。図6(d)は、シリンダ装置100が少しチルトアップした状態を示す図である。図6(e)は、シリンダ装置100が最大チルトアップした状態を示す図である。
なお、図6(a)に示したシリンダ装置100が最も縮んだ状態から、図6(c)に示した、外側ピストン30、内側シリンダ40、フリーピストン70、内側ピストン50及びピストンロッド60が一体となって外側シリンダ20に対して移動して外側ピストン30がキャップ80に突き当たった状態までがトリム域である。
なお、図6(c)に示した、外側ピストン30、内側シリンダ40、フリーピストン70、内側ピストン50及びピストンロッド60が一体となって外側シリンダ20に対して移動して外側ピストン30がキャップ80に突き当たった状態から、図6(e)に示したシリンダ装置100が最も伸びた状態までがチルト域である。
図7(a)は、シリンダ装置100が最大限にチルトアップした状態を示す図である。図7(b)は、シリンダ装置100が少しチルトダウンした状態を示す図である。図7(c)は、シリンダ装置100が最大限にチルトダウンした状態を示す図である。図7(d)は、シリンダ装置100が少しトリムダウンした状態を示す図である。図7(e)は、シリンダ装置100が最大限にトリムダウンした状態を示す図である。
図8(a)は、外側ピストン30がトリム域内の位置に停止している状態を示す図である。図8(b)は、衝撃力を吸収開始した初期の状態を示す図である。図8(c)は、衝撃力を、ピストンロッド60及び内側ピストン50の内側シリンダ40に対する移動で吸収しきれなかった場合の状態を示す図である。図8(d)は、主に外側ピストン30にて衝撃力を吸収している状態を示す図である。
それゆえ、外側ピストン30が第6室Y6と第7室Y7とに区画しない構成と比較すると、シリンダ装置100が最大限にチルトアップした状態(最も伸びた状態)からチルトダウンさせる際に外側ピストン30が移動する誤動作が抑制される。つまり、外側ピストン30が第6室Y6と第7室Y7とに区画することで、シリンダ装置100が最大限にチルトアップした状態でポンプ212から吐出され第2流路202を介して第2室Y2(第7室Y7)に流入したオイルの圧力を受ける受圧面積が小さくなる。これにより、本実施の形態に係る外側ピストン30は、例えば第6室Y6と第7室Y7とに区画せずに第2流路202を介して第2室Y2に流入したオイルの圧力を上端面全てで受けるピストンと比較して、最大限にチルトアップした状態からのチルトダウン時に下方へ移動し難くなる。その結果、本実施の形態に係るトリム・チルト装置1によれば、シリンダ装置100が最大限にチルトアップした状態からチルトダウンさせる際に内側ピストン50の代わりに外側ピストン30が移動する誤動作を抑制することができる。しかも、外側ピストン30が、キャップ80と対向する部位にキャップ80と接触したときにキャップ80との間の隙間をシールするシール部材の一例としてのOリング35を有するという簡易な構成で上記効果を奏している。
Claims (5)
- 一方の端部が船舶推進機本体に取り付けられた棒状のロッドと、
第1シリンダと、
前記ロッドの他方の端部に装着されて前記第1シリンダ内に収容され、前記第1シリンダ内の空間を前記一方の端部側の第1空間と前記他方の端部側の第2空間とに区画する第1ピストンと、
前記第1シリンダを収容する第2シリンダと、
前記第2シリンダの一方の端部の開口部を覆う覆い部材と、
前記第1シリンダの一方の端部に装着されて前記第2シリンダ内の空間を一方の端部側の第3空間と他方の端部側の第4空間とに区画すると共に、前記第1空間と前記第3空間とを連通する連通孔が形成され、前記覆い部材に接触して前記連通孔よりも内側の内側空間と前記内側空間よりも外側の外側空間とに区画する第2ピストンと、
を備える船舶推進機用トリム・チルト装置。 - 前記第2ピストンは、前記外側空間の圧力を受ける受圧面積が前記第1ピストンにおける前記外側空間の圧力を受ける受圧面積よりも小さい
請求項1に記載の船舶推進機用トリム・チルト装置。 - 前記第2ピストンは、前記覆い部材と対向する部位に前記覆い部材と接触したときに前記覆い部材との間の隙間をシールして前記第3空間を区画するシール部材を有する
請求項1又は2に記載の船舶推進機用トリム・チルト装置。 - 前記第2ピストンが前記覆い部材に接触しているときに、前記第4空間内の流体を吸入すると共に前記外側空間に向けて流体を吐出するポンプ装置を備える
請求項1から3のいずれか1項に記載の船舶推進機用トリム・チルト装置。 - 船体に対して推進力を与える船舶推進機本体と、
一方の端部が前記船舶推進機本体に取り付けられた棒状のロッドと、
第1シリンダと、
前記ロッドの他方の端部に装着されて前記第1シリンダ内に収容され、前記第1シリンダ内の空間を前記一方の端部側の第1空間と前記他方の端部側の第2空間とに区画する第1ピストンと、
前記第1シリンダを収容する第2シリンダと、
前記第2シリンダの一方の端部の開口部を覆う覆い部材と、
前記第1シリンダの一方の端部に装着されて前記第2シリンダ内の空間を一方の端部側の第3空間と他方の端部側の第4空間とに区画すると共に、前記第1空間と前記第3空間とを連通する連通孔が形成され、前記覆い部材に接触して前記連通孔よりも内側の内側空間と前記内側空間よりも外側の外側空間とに区画する第2ピストンと、
を備える船舶推進機。
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