JP2017157801A - 光電変換素子および光電変換素子の製造方法ならびに固体撮像装置 - Google Patents

光電変換素子および光電変換素子の製造方法ならびに固体撮像装置 Download PDF

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陽介 齊藤
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Hideki Ono
秀樹 小野
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Harunori Shiomi
治典 塩見
典一 中山
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典一 中山
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Nobuyuki Matsuzawa
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Abstract

【課題】S/N比および応答性を向上させることが可能な光電変換素子および固体撮像装置を提供する。
【解決手段】本開示の一実施形態の光電変換素子の製造方法は、第1電極を形成する工程と、第1電極の上にラテント色素を含む溶液を用いて塗布により有機光電変換層を形成する工程と、有機光電変換層の上に第2電極を形成する工程とを含む。
【選択図】図2

Description

本開示は、有機半導体材料を用いた光電変換素子およびその製造方法ならびにこれを備えた固体撮像装置に関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像装置には、高い感度および高い解像度(偽色が目立たない)が求められている。
これに対して、例えば、特許文献1では、青色光(B)に感度を持つ有機光電変換膜、緑色光(G)に感度を持つ有機光電変換膜、赤色光(R)に感度を持つ有機光電変換膜が順次積層された多層構造の有機光電変換膜を用いたイメージセンサが開示されている。このイメージセンサでは、1画素から、B/G/Rの信号を別々に取り出すことで、感度の向上が図られている。特許文献2では、1層の有機光電変換膜を形成し、この有機光電変換膜で1色の信号を取り出し、シリコン(Si)バルク分光で2色の信号を取り出す撮像素子が開示されている。
上記特許文献1,2に開示された撮像素子では、入射光がほとんど光電変換されて読みだされるため、可視光の利用効率は100%に近い。また、各受光部でR,G,Bの3色の色信号が得られるため、高感度で高解像度な画像が生成できる。
特開2003−234460号公報 特開2005−303266号公報
ところで、撮像装置には、高いセンシング感度およびレスポンスの速さが求められるが、これらを実現するためには、光電変換素子のS/N比および応答性が重要となる。しかしながら、一般的な光電変換素子では、十分なS/N比および応答性は得られておらず、S/N比および応答性の向上が求められている。
S/N比および応答性を向上させることが可能な光電変換素子および光電変換素子の製造方法ならびに電子機器を提供することが望ましい。
本開示の一実施形態の光電変換素子の製造方法は、第1電極を形成する工程と、第1電極の上にラテント色素を含む溶液を用いて塗布により有機光電変換層を形成する工程と、有機光電変換層の上に第2電極を形成する工程とを含む。
本開示の一実施形態の光電変換素子は、対向配置された第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極との間にラテント色素を用いて形成されている有機光電変換層とを備えたものである。
本開示の一実施形態の固体撮像装置は、各画素が1または複数の有機光電変換部を含み、有機光電変換部として、上記本開示の光電変換素子を有するものである。
本開示の一実施形態の光電変換素子および一実施形態の光電変換素子の製造方法ならびに一実施形態の固体撮像装置では、有機光電変換層を、ラテント色素を含む溶液を用いて塗布によって形成するようにした。これにより、平坦性の高い光電変換層を形成することが可能となる。
本開示の一実施形態の光電変換素子および一実施形態の光電変換素子の製造方法ならびに一実施形態の固体撮像装置によれば、ラテント色素を含む溶液用いて塗布によって有機光電変換層を形成するようにしたので、膜表面の平坦性の高い有機光電変換層が形成され、S/N比および応答性を向上させることが可能となる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果であってもよい。
本開示の一実施の形態に係る光電変換素子の概略構成を表す断面図である。 有機光電変換層の製造工程を表す流れ図である。 有機光電変換層、保護膜(上部電極)およびコンタクトホールの形成位置関係を表す平面図である。 無機光電変換部の一構成例を表す断面図である。 図3Aに示した無機光電変換部の他の断面図である。 有機光電変換部の電荷(電子)蓄積層の構成(下部側電子取り出し)を表す断面図である。 図1に示した光電変換素子の製造方法を説明するための断面図である。 図6Aに続く工程を表す断面図である。 図6Bに続く工程を表す断面図である。 図7Aに続く工程を表す断面図である。 図7Bに続く工程を表す断面図である。 図8Aに続く工程を表す断面図である。 図8Bに続く工程を表す断面図である。 図1に示した光電変換素子の作用を説明する要部断面図である。 図1に示した光電変換素子の作用を説明するための模式図である。 本開示の変形例に係る光電変換素子の概略構成を表す断面図である。 図1あるいは図11に示した光電変換素子を画素として用いた固体撮像装置の機能ブロック図である。 図12に示した固体撮像装置を用いた電子機器の概略構成を表すブロック図である。
以下、本開示における一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.実施の形態(1層の有機光電変換部および2つの無機光電変換部を備えた例)
1−1.光電変換素子の構成
1−2.製造方法
1−3.作用・効果
2.変形例(複数の有機光電変換部を備えた例)
3.適用例
4.実施例
<1.実施の形態>
図1は、本開示の一実施の形態の光電変換素子(光電変換素子10)の断面構成を表したものである。光電変換素子10は、例えば、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ等の撮像装置(固体撮像装置1)において1つの画素(単位画素P)を構成するものであり、図1では、2つの光電変換素子10が隣接配置された例を示している(いずれも図12参照)。光電変換素子10は、半導体基板11の表面(受光面(面S1)とは反対側の面S2)側に、画素トランジスタ(後述の転送トランジスタTr1〜3を含む)が形成されると共に、多層配線層(多層配線層51)を有するものである。
光電変換素子10は、それぞれ異なる波長域の光を選択的に検出して光電変換を行う1つの有機光電変換部11Gと、2つの無機光電変換部11B,11Rとが縦方向に積層された構造を有するものである。本実施の形態では、有機光電変換部11Gは、一対の電極(下部電極15aおよび上部電極18)の間に塗布法を用いて形成された有機光電変換層17を有する。
(1−1.光電変換素子の構成)
光電変換素子10は、上記のように、1つの有機光電変換部11Gと、2つの無機光電変換部11B,11Rとの積層構造を有しており、これにより、1つの素子で赤(R),緑(G),青(B)の各色信号を取得するようになっている。有機光電変換部11Gは、半導体基板11の裏面(面S1)上に形成され、無機光電変換部11B,11Rは、半導体基板11内に埋め込み形成されている。以下、各部の構成について説明する。
(有機光電変換部11G)
有機光電変換部11Gは、有機半導体材料を用いて、選択的な波長域の光(ここでは緑色光)を吸収して、電子−正孔対を発生させるものである。有機光電変換部11Gは、信号電荷を取り出すための下部電極15aと上部電極18との間に有機光電変換層17を挟み込んだ構成を有している。下部電極15aおよび上部電極18は、後述するように、配線層やコンタクトメタル層20を介して、半導体基板11内に埋設された導電性プラグ120a1,120b1に電気的に接続されている。
具体的には、有機光電変換部11Gでは、半導体基板11の面S1上に、層間絶縁膜12,14が形成され、層間絶縁膜12には、後述する導電性プラグ120a1,120b1のそれぞれと対向する領域に貫通孔が設けられ、各貫通孔に導電性プラグ120a2,120b2が埋設されている。層間絶縁膜14には、導電性プラグ120a2,120b2のそれぞれと対向する領域に、配線層13a,13bが埋設されている。この層間絶縁膜14上に、下部電極15aが設けられると共に、この下部電極15aと絶縁膜16によって電気的に分離された配線層15bが設けられている。これらのうち、下部電極15a上に、有機光電変換層17が形成され、有機光電変換層17を覆うように上部電極18が形成されている。詳細は後述するが、上部電極18上には、その表面を覆うように保護層19が形成されている。保護層19の所定の領域にはコンタクトホールHが設けられ、保護層19上には、コンタクトホールHを埋め込み、かつ配線層15bの上面まで延在するコンタクトメタル層20が形成されている。
導電性プラグ120a2は、導電性プラグ120a1と共にコネクタとして機能すると共に、導電性プラグ120a1および配線層13aと共に、下部電極15aから後述する緑用蓄電層110Gへの電荷(電子)の伝送経路を形成するものである。導電性プラグ120b2は、導電性プラグ120b1と共にコネクタとして機能すると共に、導電性プラグ120b1、配線層13b、配線層15bおよびコンタクトメタル層20と共に、上部電極18からの電荷(正孔)の排出経路を形成するものである。導電性プラグ120a2,120b2は、遮光膜としても機能させるために、例えば、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)およびタングステン(W)等の金属材料の積層膜により構成されることが望ましい。また、このような積層膜を用いることにより、導電性プラグ120a1,120b1をn型またはp型の半導体層として形成した場合にも、シリコンとのコンタクトを確保することができるため望ましい。
層間絶縁膜12は、半導体基板11(シリコン層110)との界面準位を低減させると共に、シリコン層110との界面からの暗電流の発生を抑制するために、界面準位の小さな絶縁膜から構成されることが望ましい。このような絶縁膜としては、例えば、酸化ハフニウム(HfO2)膜と酸化シリコン(SiO2)膜との積層膜を用いることができる。層間絶縁膜14は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンおよび酸窒化シリコン(SiON)等のうちの1種よりなる単層膜、あるいはこれらのうちの2種以上よりなる積層膜により構成されている。
絶縁膜16は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンおよび酸窒化シリコン等のうちの1種よりなる単層膜か、あるいはこれらのうちの2種以上よりなる積層膜により構成されている。絶縁膜16は、例えば、その表面が平坦化されており、下部電極15aとほぼ段差のない形状およびパターンを有している。この絶縁膜16は、光電変換素子10が、固体撮像装置の画素として用いられる場合に、各画素の下部電極15a間を電気的に分離する機能を有している。具体的には、図1に示したように、隣接配置された2つの光電変換素子10の下部電極15aの間に絶縁膜16が配置された構造となっている。
下部電極15aは、半導体基板11内に形成された無機光電変換部11B,11Rの受光面と正対して、これらの受光面を覆う領域に設けられている。この下部電極15aは、光透過性を有する導電膜により構成され、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)により構成されている。但し、下部電極15aの構成材料としては、ITOの他にも、ドーパントを添加した酸化スズ(SnO2)系材料、あるいはアルミニウム亜鉛酸化物(ZnO)にドーパントを添加してなる酸化亜鉛系材料を用いてもよい。酸化亜鉛系材料としては、例えば、ドーパントとしてアルミニウム(Al)を添加したアルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム(Ga)添加のガリウム亜鉛酸化物(GZO)、インジウム(In)添加のインジウム亜鉛酸化物(IZO)が挙げられる。また、この他にも、CuI、InSbO4、ZnMgO、CuInO2、MgIN24、CdO、ZnSnO3等が用いられてもよい。なお、本実施の形態では、下部電極15aから信号電荷(電子)の取り出しがなされるので、光電変換素子10を画素として用いた後述の固体撮像装置では、図1に示したように、下部電極15aは画素毎に分離されて形成される。
本実施の形態の有機光電変換層17は、選択的な波長域の光を光電変換する一方、他の波長域の光を透過させるものである。有機光電変換層17を構成する材料としては、有機p型半導体および有機n型半導体のうちの一方または両方を含むことが好ましい。具体的には、少なくとも、正孔輸送性を有する顔料系有機半導体材料を用いることが好ましい。顔料とは、水や有機溶剤に溶解しにくい性質を有する色素材料の総称である。顔料系有機半導体材料は、分子間相互作用による強い凝集力を有し、顔料分子の反応を抑えることができるため、優れた耐熱性、耐候性、耐溶剤性等を持つ。顔料系有機半導体材料の特徴としては、「ファインケミカルシリーズ 機能性色素の合成と応用技術」監修:松井正樹、出版社:シーエムシー出版、発行日:2007年10月、ISBNコード:978−4−88231−981−8の165頁から167頁を参照されたい。このような材料としては、例えば、下記一般式(1)で表わされるキナクリドン誘導体が挙げられる。
Figure 2017157801

(R1、R2は、各々独立して水素原子、アルキル基、アリール基、または複素環基である。R3、R4はいかなるものでもよく、特に制限はないが、例えば、各々独立してアルキル鎖、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、シリル基であり、2つ以上のR3もしくはR4が共同して環を形成してもよい。n1,n2は、各々独立した0または1以上整数である。)
具体的なキナクリドン誘導体としては、例えば、下記式(1−1)〜(1−6)に示した化合物が挙げられる。
Figure 2017157801
更に、有機光電変換層17は、所望の波長範囲(例えば、500nm以上600nm以下)において極大吸収波長を有する有機半導体材料(光吸収体)を含むことが好ましい。これにより、有機光電変換部11Gにおいて緑色光を選択的に光電変換することが可能となる。このような有機半導体材料としては、例えば、下記一般式(2)に示したサブフタロシアニン誘導体が挙げられる。
Figure 2017157801
(R5〜R16は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選択され、且つ、隣接した任意のR5〜R16は縮合脂肪族環または縮合芳香環の一部であってもよい。前記縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。M1はホウ素または2価あるいは3価の金属である。Xは、ハロゲン、ヒドロキシ基、チオール基、イミド基、置換または未置換のアルコキシ基、置換または未置換のアリールオキシ基、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアルキルチオ基、置換または未置換のアリールチオ基からなる群より選択されるいずれかの置換基である。)
具体的なサブフタロシアニン誘導体としては、例えば、下記式(2−1)〜(2−3)に示した化合物が挙げられる。
Figure 2017157801
有機光電変換層17は、さらに、電子移動度の高い材料を用いることが好ましい。電子移動度の高い材料としては、少なくとも光吸収体と同様もしくはそれ以下の最低空分子軌道(Lowest unoccupied molecular orbital;LUMO)準位、具体的には、−4.0eV以上−7.0eV以下のエネルギー準位を有することが好ましい。このような材料としては、例えば、下記一般式(4)に示したC60フラーレンまたはその誘導体、あるいは、下記一般式(5)に示したC70フラーレンまたはその誘導体が挙げられる。フラーレン60,フラーレン70またはそれらの誘導体を少なくとも1種用いることによって、光電変換効率がさらに向上すると共に、暗電流を低減することが可能となる。
Figure 2017157801

(R35,R36は、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐または環状のアルキル基、フェニル基、直鎖または縮環した芳香族化合物を有する基、ハロゲン化物を有する基、パーシャルフルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、シリルアルキル基、シリルアルコキシ基、アリールシリル基、アリールスルファニル基、アルキルスルファニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルフィド基、アルキルスルフィド基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、カルボニル基、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基、ニトロ基、カルコゲン化物を有する基、ホスフィン基、ホスホン基あるいはそれらの誘導体である。n,mは、各々独立して2以上の整数である。)
具体的なC60フラーレンまたはその誘導体としては、昇華温度よりも分解温度の方が低いものであることが好ましく、例えば、下記式(4−1),(4−2)に示した化合物が挙げられる。具体的な、C70フラーレンまたはその誘導体としては、C60フラーレンおよびその誘導体と同様に、昇華温度よりも分解温度の方が低いものであることが好ましく、例えば、下記式(5−1)に示した化合物が挙げられる。
Figure 2017157801
また、有機光電変換層17は、上記フラーレン60,フラーレン70またはそれらの誘導体の代わりに、例えば、ポリマー化合物を用いてもよい。ポリマー化合物の分子量は、例えば、1,000以上500,000以下であることが好ましい。分子量1,000以下であると、電子移動度が十分な速度が得られない虞がある。500,000以下であると、先にあげたp型有機半導体および(または)有機n型半導体と十分に混じり合った光電変換層の形成ができなくなる虞があり、結果的に高い光電変換特性が得られなくなる虞がある。このようなポリマー化合物の具体例としては、下記式(6−1)〜(6−4)に示した化合物が挙げられる。
Figure 2017157801
更にまた、有機光電変換層17は、例えば、上記キナクリドン誘導体よりも浅い最高被占分子軌道(Highest occupied molecular orbital;HOMO)準位を示す正孔輸送性を有する有機半導体材料を用いることが好ましい。これにより、応答性をさらに向上させることが可能となる。具体的な、正孔輸送性を有する有機半導体材料としては、例えば、分子量5,000以上500,000以下のポリマー化合物であり、例えば、下記式(7−1)〜(7−5)に示した化合物が挙げられる。
Figure 2017157801
上記キナクリドン誘導体、サブフタロシアニンまたはその誘導体、フタロシアニンまたはその誘導体、フラーレン60,フラーレン70またはそれらの誘導体およびポリマー材料は、組み合わせる材料によってp型半導体またはn型半導体として機能する。有機光電変換層17の積層方向の膜厚(以下、単に厚みという)は、例えば50nm以上500nm以下である。
本実施の形態の有機光電変換層17は、塗布法を用いて形成することが好ましい。詳細は後述するが、一般的な光電変換素子では、所望の波長域の光を選択的に吸収することはできても高い明電流が得られてない。これは、光電変換層を形成する方法として、一般的に光電変換層を構成する材料に対してプロセス負荷の高い蒸着法を用いることによると推察される。よって、本実施の形態では、上記した有機光電変換層17を構成する有機半導体材料に対して、プロセス負荷の低い塗布法を用いて形成する。但し、上記キナクリドン誘導体に代表される顔料系有機半導体材料は、溶剤への溶解度が低く、塗布工程において用いられるインク溶液を調整することが難しい。そこで、本実施の形態では、ラテント色素を用いて有機光電変換層17を塗布法によって形成するようにした。ここで、ラテント色素とは、顔料系有機半導体材料の母骨格に保護基が導入された、所謂顔料系有機半導体材料の前駆体のことである。この保護基は、顔料系有機半導体材料の極性を低減して溶剤への溶解性を向上、即ち、溶媒可溶性を促進させるものであり、化学処理、光分解的処理、熱処理等によって容易に脱離可能なものである。顔料系有機半導体材料の前駆体は、保護基が脱離することによって本来の顔料系有機半導体となる。
保護基の具体例としては、例えば、置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基またはアラルキル基等が挙げられる。中でも、tert-ブトキシカボニル基(Boc基)は、容易にアミノ基(NH基)を有する顔料系有機半導体材料を置換しやすく、容易に脱離することが可能な保護基である。具体的には、Boc基で修飾された顔料系有機半導体材料は、180℃前後の加熱でBoc基が二酸化炭素(CO2)とイソブテンとに分解され、元のNH基を有する顔料系有機半導体材料に戻る。顔料系有機半導体材料への保護基の導入は、例えば顔料系有機半導体材料の極性官能基を化学修飾することによって行われる。ラテント色素の具体例としては、例えば、上記キナクリドン誘導体の具体例として挙げた式(1−1)〜(1−6)に示した化合物のラテント化体(式(1−1’)〜(1−6’))が挙げられる。
Figure 2017157801
本実施の形態の有機光電変換層17は、例えば、図2に示した製造工程を経て形成することができる。まず、正孔輸送性を有する顔料系有機半導体材料(正孔輸送性材料)として、例えば、キナクリドン誘導体をラテント化する(ステップS101)。続いて、ラテント化されたキナクリドン誘導体(ラテント色素)と、光吸収体として、例えばサブフタロシアニン誘導体とを溶剤に溶解してインク溶液を調整する(ステップS102)。このとき、キナクリドン誘導体およびサブフタロシアニン誘導体の他に、適宜、C60またはC70フラーレン誘導体あるいは、ポリマー化合物、さらに、キナクリドン誘導体よりも浅いHOMO準位を有する正孔輸送性材料を加えてもよい。次に、このインク溶液を、例えば、下部電極15a上に塗布する(ステップS103)。こののち、例えば180℃で加熱処理する(ステップS104)。これにより、ラテント化されたキナクリドン誘導体から保護基が脱離して有機光電変換層17が形成される。
有機光電変換層17の下部電極15aとの間、および上部電極18との間には、図示しない他の層が設けられていてもよい。例えば、下部電極15a側から順に、下引き膜、正孔輸送層、電子ブロッキング膜 、有機光電変換層17、正孔ブロッキング膜、バッファ膜、電子輸送層および仕事関数調整膜が積層されていてもよい。電子ブロッキング膜、正孔ブロッキング膜、電子輸送層および正孔輸送層には、上記化合物を用いることができる。
上部電極18は、下部電極15aと同様の光透過性を有する導電膜により構成されている。光電変換素子10を画素として用いる固体撮像装置では、この上部電極18が画素毎に分離されていてもよいし、各画素に共通の電極として形成されていてもよい。上部電極18の厚みは、例えば、10nm以上200nm以下である。
保護層19は、光透過性を有する材料により構成され、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンおよび酸窒化シリコン等のうちのいずれかよりなる単層膜、あるいはそれらのうちの2種以上よりなる積層膜である。この保護層19の厚みは、例えば、100nm以上30000nm以下である。
コンタクトメタル層20は、例えば、チタン、タングステン、窒化チタンおよびアルミニウム等のいずれか、あるいはそれらのうちの2種以上よりなる積層膜により構成されている。
上部電極18および保護層19は、例えば、有機光電変換層17を覆うように設けられている。図3は、有機光電変換層17、保護層19(上部電極18)およびコンタクトホールHの平面構成を表したものである。
具体的には、保護層19(上部電極18も同様)の周縁部e2は、有機光電変換層17の周縁部e1よりも外側に位置しており、保護層19および上部電極18は、有機光電変換層17よりも外側に張り出して形成されている。詳細には、上部電極18は、有機光電変換層17の上面および側面を覆うと共に、絶縁膜16上まで延在するように形成されている。保護層19は、そのような上部電極18の上面を覆って、上部電極18と同等の平面形状で形成されている。コンタクトホールHは、保護層19のうちの有機光電変換層17に非対向の領域(周縁部e1よりも外側の領域)に設けられ、上部電極18の表面の一部を露出させている。周縁部e1,e2間の距離は、特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜500μmである。なお、図3では、有機光電変換層17の端辺に沿った1つの矩形状のコンタクトホールHを設けているが、コンタクトホールHの形状や個数はこれに限定されず、他の形状(例えば、円形、正方形等)であってもよいし、複数設けられていてもよい。
保護層19およびコンタクトメタル層20上には、全面を覆うように、平坦化層21が形成されている。平坦化層21上には、オンチップレンズ22(マイクロレンズ)が設けられている。オンチップレンズ22は、その上方から入射した光を、有機光電変換部11G、無機光電変換部11B,11Rの各受光面へ集光させるものである。本実施の形態では、多層配線層51が半導体基板11の面S2側に形成されていることから、有機光電変換部11G、無機光電変換部11B,11Rの各受光面を互いに近づけて配置することができ、オンチップレンズ22のF値に依存して生じる各色間の感度のばらつきを低減することができる。
なお、本実施の形態の光電変換素子10では、下部電極15aから信号電荷(電子)を取り出すことから、これを画素として用いる撮像素子においては、上部電極18を共通電極としてもよい。この場合には、上述したコンタクトホールH、コンタクトメタル層20、配線層15b,13b、導電性プラグ120b1,120b2からなる伝送経路は、全画素に対して少なくとも1箇所に形成されればよい。
半導体基板11は、例えば、n型のシリコン(Si)層110の所定の領域に、無機光電変換部11B,11Rと緑用蓄電層110Gとが埋め込み形成されたものである。半導体基板11には、また、有機光電変換部11Gからの電荷(電子または正孔(正孔))の伝送経路となる導電性プラグ120a1,120b1が埋設されている。本実施の形態では、この半導体基板11の裏面(面S1)が受光面となっていえる。半導体基板11の表面(面S2)側には、有機光電変換部11G,無機光電変換部11B,11Rのそれぞれに対応する複数の画素トランジスタ(転送トランジスタTr1〜Tr3を含む)が形成されると共に、ロジック回路等からなる周辺回路が形成されている。
画素トランジスタとしては、例えば、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタおよび選択トランジスタが挙げられる。これらの画素トランジスタは、いずれも例えば、MOSトランジスタにより構成され、面S2側のp型半導体ウェル領域に形成されている。このような画素トランジスタを含む回路が、赤、緑、青の光電変換部毎に形成されている。各回路では、これらの画素トランジスタのうち、例えば、転送トランジスタ、リセットトランジスタおよび増幅トランジスタからなる、計3つのトランジスタを含む3トランジスタ構成を有していてもよいし、これに選択トランジスタを加えた4トランジスタ構成であってもよい。ここでは、これらの画素トランジスタのうち、転送トランジスタTr1〜Tr3についてのみ図示および説明を行っている。また、転送トランジスタ以外の他の画素トランジスタについては、光電変換部間あるいは画素間において共有することもできる。また、フローティングディフージョンを共有する、所謂画素共有構造を適用することもできる。
転送トランジスタTr1〜Tr3は、ゲート電極(ゲート電極TG1〜TG3)と、フローティングディフージョン(FD113,114,116)とを含んで構成されている。転送トランジスタTr1は、有機光電変換部11Gにおいて発生し、緑用蓄電層110Gに蓄積された、緑色に対応する信号電荷(本実施の形態では電子)を、後述の垂直信号線Lsigへ転送するものである。転送トランジスタTr2は、無機光電変換部11Bにおいて発生し、蓄積された、青色に対応する信号電荷(本実施の形態では電子)を、後述の垂直信号線Lsigへ転送するものである。同様に、転送トランジスタTr3は、無機光電変換部11Rにおいて発生し、蓄積された、赤色に対応する信号電荷(本実施の形態では電子)を、後述の垂直信号線Lsigへ転送するものである。
無機光電変換部11B,11Rはそれぞれ、pn接合を有するフォトダイオード(Photo Diode)であり、半導体基板11内の光路上において、面S1側から無機光電変換部11B,11Rの順に形成されている。これらのうち、無機光電変換部11Bは、青色光を選択的に検出して青色に対応する信号電荷を蓄積させるものであり、例えば、半導体基板11の面S1に沿った選択的な領域から、多層配線層51との界面近傍の領域にかけて延在して形成されている。無機光電変換部11Rは、赤色光を選択的に検出して赤色に対応する信号電荷を蓄積させるものであり、例えば、無機光電変換部11Bよりも下層(面S2側)の領域にわたって形成されている。なお、青(B)は、例えば、400nm以上480nm以下の波長域、赤(R)は、例えば、600nm〜700nmの波長域にそれぞれ対応する色であり、無機光電変換部11B,11Rはそれぞれ、各波長域のうちの一部または全部の波長域の光を検出可能となっていればよい。
図4(A)は、無機光電変換部11B,11Rの詳細構成例を表したものである。図4(B)は、図4(A)の他の断面における構成に相当するものである。なお、本実施の形態では、光電変換によって生じる電子および正孔の対のうち、電子を信号電荷として読み出す場合(n型半導体領域を光電変換層とする場合)について説明を行う。また、図中において、「p」「n」に上付きで記した「+(プラス)」は、p型またはn型の不純物濃度が高いことを表している。また、画素トランジスタのうち、転送トランジスタTr2,Tr3のゲート電極TG2,TG3についても示している。
無機光電変換部11Bは、例えば、正孔蓄積層となるp型半導体領域(以下、単にp型領域という、n型の場合についても同様。)111pと、電子蓄積層となるn型光電変換層(n型領域)111nとを含んで構成されている。p型領域111pおよびn型光電変換層111nはそれぞれ、面S1近傍の選択的な領域に形成されると共に、その一部が屈曲し、面S2との界面に達するように延在形成されている。p型領域111pは、面S1側において、図示しないp型半導体ウェル領域に接続されている。n型光電変換層111nは、青色用の転送トランジスタTr2のFD113(n型領域)に接続されている。なお、p型領域111pおよびn型光電変換層111nの面S2側の各端部と面S2との界面近傍には、p型領域113p(正孔蓄積層)が形成されている。
無機光電変換部11Rは、例えば、p型領域112p1,112p2(正孔蓄積層)間に、n型光電変換層112n(電子蓄積層)を挟み込んで形成されている(p−n−pの積層構造を有する)。n型光電変換層112nは、その一部が屈曲し、面S2との界面に達するように延在形成されている。n型光電変換層112nは、赤色用の転送トランジスタTr3のFD114(n型領域)に接続されている。なお、少なくともn型光電変換層111nの面S2側の端部と面S2との界面近傍にはp型領域113p(正孔蓄積層)が形成されている。
図5は、緑用蓄電層110Gの詳細構成例を表したものである。なお、ここでは、有機光電変換部11Gによって生じる電子および正孔の対のうち、電子を信号電荷として、下部電極15a側から読み出す場合について説明を行う。また、図5には、画素トランジスタのうち、転送トランジスタTr1のゲート電極TG1についても示している。
緑用蓄電層110Gは、電子蓄積層となるn型領域115nを含んで構成されている。n型領域115nの一部は、導電性プラグ120a1に接続されており、下部電極15a側から導電性プラグ120a1を介して伝送される電子を蓄積するようになっている。このn型領域115nは、また、緑色用の転送トランジスタTr1のFD116(n型領域)に接続されている。なお、n型領域115nと面S2との界面近傍には、p型領域115p(正孔蓄積層)が形成されている。
導電性プラグ120a1,120b1は、後述の導電性プラグ120a2,120b2と共に、有機光電変換部11Gと半導体基板11とのコネクタとして機能すると共に、有機光電変換部11Gにおいて生じた電子または正孔の伝送経路となるものである。本実施の形態では、導電性プラグ120a1は、有機光電変換部11Gの下部電極15aと導通しており、緑用蓄電層110Gと接続されている。導電性プラグ120b1は、有機光電変換部11Gの上部電極18と導通しており、正孔を排出するための配線となっている。
これらの導電性プラグ120a1,120b1はそれぞれ、例えば、導電型の半導体層により構成され、半導体基板11に埋め込み形成されたものである。この場合、導電性プラグ120a1はn型とし(電子の伝送経路となるため)、導電性プラグ120b1は、p型とする(正孔の伝送経路となるため)とよい。あるいは、導電性プラグ120a1,120b1は、例えば、貫通ビアにタングステン等の導電膜材料が埋設されたものであってもよい。この場合、例えば、シリコンとの短絡を抑制するために、酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコン(SiN)等の絶縁膜でビア側面が覆われていることが望ましい。
半導体基板11の面S2上には、多層配線層51が形成されている。多層配線層51では、複数の配線51aが層間絶縁膜52を介して配設されている。このように、光電変換素子10では、多層配線層51が受光面とは反対側に形成されており、所謂裏面照射型の撮像素子を実現可能となっている。この多層配線層51には、例えば、シリコンよりなる支持基板53が貼り合わせられている。
(1−2.製造方法)
光電変換素子10は、例えば、次のようにして製造することができる。図6A〜図8Cは、光電変換素子10の製造方法を工程順に表したものである。なお、図8A〜図8Cでは、光電変換素子10の要部構成のみを示している。
まず、半導体基板11を形成する。具体的には、シリコン基体1101上にシリコン酸化膜1102を介して、シリコン層110が形成された、所謂SOI基板を用意する。なお、シリコン層110のシリコン酸化膜1102側の面が半導体基板11の裏面(面S1)となる。図6A,図6Bでは、図1に示した構造と上下を逆転させた状態で図示している。続いて、図6Aに示したように、シリコン層110に、導電性プラグ120a1,120b1を形成する。この際、導電性プラグ120a1,120b1は、例えば、シリコン層110に貫通ビアを形成した後、この貫通ビア内に、上述したような窒化シリコン等のバリアメタルと、タングステンを埋め込むことにより形成することができる。あるいは、例えば、シリコン層110へのイオン注入により導電型不純物半導体層を形成してもよい。この場合、導電性プラグ120a1をn型半導体層、導電性プラグ120b1をp型半導体層として形成する。この後、シリコン層110内の深さの異なる領域に(互いに重畳するように)、例えば、図4Aに示したようなp型領域およびn型領域をそれぞれ有する無機光電変換部11B,11Rを、イオン注入により形成する。また、導電性プラグ120a1に隣接する領域には、緑用蓄電層110Gをイオン注入により形成する。このようにして、半導体基板11が形成される。
次いで、半導体基板11の面S2側に、転送トランジスタTr1〜Tr3を含む画素トランジスタと、ロジック回路等の周辺回路を形成したのち、図6Bに示したように、半導体基板11の面S2上に、層間絶縁膜52を介して複数層の配線51aを形成することにより、多層配線層51を形成する。続いて、多層配線層51上に、シリコンよりなる支持基板53を貼り付けたのち、半導体基板11の面S1側から、シリコン基体1101およびシリコン酸化膜1102を剥離し、半導体基板11の面S1を露出させる。
次に、半導体基板11の面S1上に、有機光電変換部11Gを形成する。具体的には、まず、図7Aに示したように、半導体基板11の面S1上に、上述したような酸化ハフニウム膜と酸化シリコン膜との積層膜よりなる層間絶縁膜12を形成する。例えば、ALD(原子層堆積)法により酸化ハフニウム膜を成膜した後、例えば、プラズマCVD(ChemicalVapor Deposition:化学気相成長)法により酸化シリコン膜を成膜する。この後、層間絶縁膜12の導電性プラグ120a1,120b1に対向する位置に、コンタクトホールH1a,H1bを形成し、これらのコンタクトホールH1a,H1bをそれぞれ埋め込むように、上述した材料よりなる導電性プラグ120a2,120b2を形成する。この際、導電性プラグ120a2,120b2を、遮光したい領域まで張り出して(遮光したい領域を覆うように)形成してもよいし、導電性プラグ120a2,120b2とは分離した領域に遮光層を形成してもよい。
続いて、図7Bに示したように、上述した材料よりなる層間絶縁膜14を、例えば、プラズマCVD法により成膜する。なお、成膜後、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)法により、層間絶縁膜14の表面を平坦化することが望ましい。次いで、層間絶縁膜14の導電性プラグ120a2,120b2に対向する位置に、コンタクトホールをそれぞれ開口し、上述した材料を埋め込むことにより、配線層13a,13bを形成する。なお、この後、例えば、CMP法等を用いて、層間絶縁膜14上の余剰の配線層材料(タングステン等)を除去することが望ましい。次いで、層間絶縁膜14上に下部電極15aを形成する。具体的には、まず、層間絶縁膜14上の全面にわたって、例えば、スパッタ法により、上述した透明導電膜を成膜する。この後、フォトリソグラフィ法を用いて(フォトレジスト膜の露光、現像、ポストベーク等を行い)、例えば、ドライエッチングまたはウェットエッチングを用いて、選択的な部分を除去することにより、下部電極15aを形成する。この際、下部電極15aを、配線層13aに対向する領域に形成する。また、透明導電膜の加工の際には、配線層13bに対向する領域にも透明導電膜を残存させることにより、正孔の伝送経路の一部を構成する配線層15bを、下部電極15aと共に形成する。
続いて、絶縁膜16を形成する。この際、まず半導体基板11上の全面にわたって、層間絶縁膜14、下部電極15aおよび配線層15bを覆うように、上述した材料よりなる絶縁膜16を、例えば、プラズマCVD法により成膜する。この後、図8Aに示したように、成膜した絶縁膜16を、例えば、CMP法により研磨することにより、下部電極15aおよび配線層15bを絶縁膜16から露出させると共に、下部電極15aおよび絶縁膜16間の段差を緩和する(望ましくは、平坦化する)。
次に、図8Bに示したように、下部電極15a上に有機光電変換層17を形成する。この際、上述したように塗布法を用いて形成する(図2参照)。なお、上述のように、有機光電変換層17の上層または下層に、他の有機層(電子ブロッキング層等)を形成する際には、各層を同一のメタルマスクを用いて、真空工程において連続的に(真空一貫プロセスで)形成することが望ましい。また、有機光電変換層17の成膜方法としては、必ずしも上記のようなメタルマスクを用いた手法に限られず、他の手法、例えば、プリント技術等を用いても構わない。
続いて、図8Cに示したように、上部電極18および保護層19を形成する。まず、上述した透明導電膜よりなる上部電極18を基板全面にわたって、例えば、真空蒸着法またはスパッタ法により、有機光電変換層17の上面および側面を覆うように成膜する。なお、有機光電変換層17は、水分、酸素、水素等の影響を受けて特性が変動し易いため、上部電極18は、有機光電変換層17と真空一貫プロセスにより成膜することが望ましい。この後(上部電極18をパターニングする前に)、上部電極18の上面を覆うように、上述した材料よりなる保護層19を、例えば、プラズマCVD法により成膜する。次いで、上部電極18上に保護層19を形成した後、上部電極18を加工する。
この後、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより、上部電極18および保護層19の選択的な部分を一括除去する。続いて、保護層19に、コンタクトホールHを、例えば、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより形成する。この際、コンタクトホールHは、有機光電変換層17と非対向の領域に形成することが望ましい。このコンタクトホールHの形成後においても、上記と同様、フォトレジスト膜を剥離して、薬液を用いた洗浄を行うため、コンタクトホールHに対向する領域では、上部電極18が保護層19から露出することになる。このため、上述したようなピン正孔の発生を考慮すると、有機光電変換層17の形成領域を避けて、コンタクトホールHが設けられることが望ましい。続いて、上述した材料よりなるコンタクトメタル層20を、例えば、スパッタ法等を用いて形成する。この際、コンタクトメタル層20は、保護層19上に、コンタクトホールHを埋め込み、かつ配線層15bの上面まで延在するように形成する。最後に、半導体基板11上の全面にわたって、平坦化層21を形成した後、この平坦化層21上にオンチップレンズ22を形成することにより、図1に示した光電変換素子10を完成する。
上記のような光電変換素子10では、例えば、固体撮像装置の画素として、次のようにして信号電荷が取得される。即ち、図9に示したように、光電変換素子10に、オンチップレンズ22(図9には図示せず)を介して光Lが入射すると、光Lは、有機光電変換部11G、無機光電変換部11B,11Rの順に通過し、その通過過程において赤、緑、青の色光毎に光電変換される。図10に、入射光に基づく信号電荷(電子)取得の流れを模式的に示す。以下、各光電変換部における具体的な信号取得動作について説明する。
(有機光電変換部11Gによる緑色信号の取得)
光電変換素子10へ入射した光Lのうち、まず、緑色光Lgが、有機光電変換部11Gにおいて選択的に検出(吸収)され、光電変換される。これにより、発生した電子−正孔対のうちの電子Egが下部電極15a側から取り出された後、伝送経路A(配線層13aおよび導電性プラグ120a1,120a2)を介して緑用蓄電層110Gへ蓄積される。蓄積された電子Egは、読み出し動作の際にFD116へ転送される。なお、正孔Hgは、上部電極18側から伝送経路B(コンタクトメタル層20、配線層13b,15bおよび導電性プラグ120b1,120b2)を介して排出される。
具体的には、次のようにして信号電荷を蓄積する。即ち、本実施の形態では、下部電極15aに、例えば、所定の負電位VL(<0V)が印加され、上部電極18には、電位VLよりも低い電位VU(<VL)が印加される。なお、電位VLは、例えば、多層配線層51内の配線51aから、伝送経路Aを通じて、下部電極15aへ与えられる。電位VLは、例えば、多層配線層51内の配線51aから、伝送経路Bを通じて、上部電極18へ与えられる。これにより、電荷蓄積状態(図示しないリセットトランジスタおよび転送トランジスタTr1のオフ状態)では、有機光電変換層17で発生した電子−正孔対のうち、電子が、相対的に高電位となっている下部電極15a側へ導かれる(正孔は上部電極18側へ導かれる)。このようにして、下部電極15aから電子Egが取り出され、伝送経路Aを介して緑用蓄電層110G(詳細には、n型領域115n)に蓄積される。また、この電子Egの蓄積により、緑用蓄電層110Gと導通する下部電極15aの電位VLも変動する。この電位VLの変化量が信号電位(ここでは、緑色信号の電位)に相当する。
そして、読み出し動作の際には、転送トランジスタTr1がオン状態となり、緑用蓄電層110Gに蓄積された電子Egが、FD116に転送される。これにより、緑色光Lgの受光量に基づく緑色信号が、図示しない他の画素トランジスタを通じて後述の垂直信号線Lsigに読み出される。この後、図示しないリセットトランジスタおよび転送トランジスタTr1がオン状態となり、n型領域であるFD116と、緑用蓄電層110Gの蓄電領域(n型領域115n)とが、例えば、電源電圧VDDにリセットされる。
(無機光電変換部11B,Rによる青色信号,赤色信号の取得)
続いて、有機光電変換部11Gを透過した光のうち、青色光は無機光電変換部11B、赤色光は無機光電変換部11Rにおいて、それぞれ順に吸収され、光電変換される。無機光電変換部11Bでは、入射した青色光に対応した電子Ebがn型領域(n型光電変換層111n)に蓄積され、蓄積された電子Edは、読み出し動作の際にFD113へと転送される。なお、正孔は、図示しないp型領域に蓄積される。同様に、無機光電変換部11Rでは、入射した赤色光に対応した電子Erがn型領域(n型光電変換層112n)に蓄積され、蓄積された電子Erは、読み出し動作の際にFD114へと転送される。なお、正孔は、図示しないp型領域に蓄積される。
電荷蓄積状態では、上述のように、有機光電変換部11Gの下部電極15aに負の電位VLが印加されることから、無機光電変換部11Bの正孔蓄積層であるp型領域(図3のp型領域111p)の正孔濃度が増える傾向になる。このため、p型領域111pと層間絶縁膜12との界面における暗電流の発生を抑制することができる。
読み出し動作の際には、上記有機光電変換部11Gと同様、転送トランジスタTr2,Tr3がオン状態となり、n型光電変換層111n,112nにそれぞれ蓄積された電子Eb,Erが、FD113,114に転送される。これにより、青色光Lbの受光量に基づく青色信号と、赤色光Lrの受光量に基づく赤色信号とがそれぞれ、図示しない他の画素トランジスタを通じて後述の垂直信号線Lsigに読み出される。この後、図示しないリセットトランジスタおよび転送トランジスタTr2,3がオン状態となり、n型領域であるFD113,114が、例えば、電源電圧VDDにリセットされる。
このように、縦方向に有機光電変換部11Gを、無機光電変換部11B,11Rを積層することにより、カラーフィルタを設けることなく、赤、緑、青の色光を分離して検出すし、各色の信号電荷を得ることができる。これにより、カラーフィルタの色光吸収に起因する光損失(感度低下)や、画素補間処理に伴う偽色の発生を抑制することができる。
(1−3.作用・効果)
近年、CCDイメージセンサ、あるいはCMOSイメージセンサ等に用いられる光電変換素子(撮像素子)には、高感度および低ノイズ、ならびに高い色再現性が求められている。これらを実現する光電変換素子の1つとして、前述した、例えば緑色光を検出してこれに応じた信号電荷を発生する有機光電変換部と、赤色光および青色光をそれぞれ検出するフォトダイオード(無機光電変換部)とが積層された撮像素子が開発されている。この撮像素子では、1画素において3色(R,G,B)の信号を得ることから、可視光の利用効率は100に近く、また、1画素における光電変換効率および感度の向上が図られている。
また、CCDイメージセンサ、あるいはCMOSイメージセンサ等の撮像装置には、高いセンシング感度と、レスポンスの速さが求められている。センシング感度は光のオンオフ時の電流差によって決定される。このため、撮像装置の各画素に配置されている光電変換素子に光が当たった時に生じる明電流と、光が当たらないときの暗電流との差、即ち、S/N比が大きいほどセンシング感度は向上する。S/N比は、上記のように明電流と暗電流との差によって決まる。よって、暗電流が低いほど、照射される光の強度が低くても明瞭に明電流として認識できるようになる。このように、高いセンシング感度を実現するためには、暗電流は明電流以上に重要な因子となる。一方、レスポンスは光のオンオフに伴う光電流の立ち上がりあるいは立ち下がり速度であり、優れたレスポンスを得るためには、撮像装置を構成する光電変換素子に高い応答性が求められる。
上記のことから、撮像装置を構成する光電変換素子には、大きなS/N比および高い応答性が求められており、光電変換層の構成材料として、さまざまな材料の組み合わせが検討されている。一般的な光電変換素子では、緑色の光(例えば、500nm〜560nmの波長域の光)を選択的に吸収することはできても、暗電流が十分に低い状態で高い明電流が得られていない。このため、結果的に高いS/N比が得られず、また、光オンオフ時の応答性も十分とは言えず、さらなる改善が課題となっている。
この一般的な光電変換素子におけるS/N比の低さおよび光オンオフ時の応答性の低さは、詳細は明らかではないが、例えば、蒸着法を用いて光電変換層を形成することが原因と考えられる。一般的な光電変換素子では、光電変換層は、構成する有機半導体材料の特性から蒸着法を用いて成膜される。蒸着時には、真空中において、例えば250℃以上の高温が有機半導体材料に加わる。このとき、有機半導体材料から少量の分解物が生じ、この分解物が光電変換層中において中間準位を形成する。この分解物によって形成される中間電位が暗電流の流れ道となり、暗電流の増大に繋がると推察される。また、応答性の低下に関しては、分解物によって形成される中間電位がトラップとなってキャリアが保持され、このキャリアが、光のオンオフに追従できないキャリアとして光電変換層中に残存してしまうためであると推察される。
有機半導体材料へのプロセス負荷の低い製造方法としては、塗布法が考えられる。しかしながら、例えば、キナクリドンに代表される正孔輸送性を有する顔料系有機半導体材料は、一般的な塗布工程において用いられるインクの溶剤に対する溶解性が低い。このため、インク溶液を調製することが難しい。また、一部溶解する有機半導体材料もあるが、塗布後に得られる光電変換層の平坦性は低く、光電変換層として用いるのに十分な厚みに成膜することが困難であった。
これに対して、本実施の形態では、有機光電変換層17を構成する顔料系有機半導体材料をラテント化し、このラテント化された顔料系有機半導体材料(ラテント色素)を用いて有機光電変換層17を塗布法によって形成するようにした。顔料系有機半導体材料をラテント化することによって溶剤に対する溶解性が向上し、塗布に用いるインク溶液を調製することが可能となる。これにより、顔料系有機半導体材料の分解物が少なく、平坦性の高い有機光電変換層17を形成することが可能となる。
以上、本実施の形態では、有機光電変換層17を、ラテント化された色素を用いて塗布法により形成するようにした。これにより、有機半導体材料の分解が低減され、平坦性の高い有機光電変換層17が成膜される。よって、高いS/N比および高い応答性を有する光電変換素子を提供することが可能となる。
次に、上記実施の形態の変形例について説明する。なお、上記実施の形態の光電変換素子10に対応する構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
<2.変形例>
図11は、本開示の変形例に係る光電変換素子(光電変換素子30)の断面構成を表したものである。光電変換素子30は、上記実施の形態の光電変換素子10と同様に、例えば、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ等の固体撮像装置1において1つの画素を構成するものである。光電変換素子30は、シリコン基板61上に絶縁層62を介して赤色光電変換部40R、緑色光電変換部40Gおよび青色光電変換部40Bがこの順に積層された構成を有する。
赤色光電変換部40R、緑色光電変換部40Gおよび青色光電変換部40Bは、それぞれ一対の電極、第1電極41R(,41G,41B)と第2電極43R(,43G,43B)との間に有機光電変換層42R(,42G,41B)を有する。有機光電変換層42R(,42G,41B)は、それぞれラテント化された顔料系有機半導体材料を用いて塗布法によって形成されたものである。
光電変換素子30は、上記のように、シリコン基板61上に絶縁層62を介して赤色光電変換部40R、緑色光電変換部40Gおよび青色光電変換部40Bがこの順に積層された構成を有する。青色光電変換部40B上には、保護層19および平坦化層21を介してオンチップレンズ22が設けられている。シリコン基板61内には、赤色蓄電層310R、緑色蓄電層310Gおよび青色蓄電層310Bが設けられている。オンチップレンズ22に入射した光は、赤色光電変換部40R、緑色光電変換部40Gおよび青色光電変換部40Bで光電変換され、赤色光電変換部40Rから赤色蓄電層310Rへ、緑色光電変換部40Gから緑色蓄電層310Gへ、青色光電変換部40Bから青色蓄電層310Bへそれぞれ信号電荷が送られるようになっている。信号電荷は、光電変換によって生じる電子および正孔のどちらであってもよいが、以下では、電子を信号電荷として読み出す場合を例に挙げて説明する。
シリコン基板61は、例えばp型シリコン基板により構成されている。このシリコン基板61に設けられた赤色蓄電層310R、緑色蓄電層310Gおよび青色蓄電層310Bは、各々n型半導体領域を含んでおり、このn型半導体領域に赤色光電変換部40R、緑色光電変換部40Gおよび青色光電変換部40Bから供給された電子(信号電荷)が蓄積されるようになっている。赤色蓄電層310R、緑色蓄電層310Gおよび青色蓄電層310Bのn型半導体領域は、例えば、シリコン基板61に、リン(P)またはヒ素(As)等のn型不純物をドーピングすることにより形成される。なお、シリコン基板61は、ガラス等からなる支持基板(図示せず)上に設けるようにしてもよい。
シリコン基板61には、赤色蓄電層310R、緑色蓄電層310Gおよび青色蓄電層310Bそれぞれから電子を読み出し、例えば垂直信号線(後述の図12の垂直信号線Lsig)に転送するための画素トランジスタが設けられている。この画素トランジスタのフローティングディフージョンがシリコン基板61内に設けられており、このフローティングディフージョンが赤色蓄電層310R、緑色蓄電層310Gおよび青色蓄電層310Bに接続されている。フローティングディフージョンは、n型半導体領域により構成されている。
絶縁層62は、例えば、酸化シリコン,窒化シリコン,酸窒化シリコンおよび酸化ハフニウム等により構成されている。複数種類の絶縁膜を積層させて絶縁層62を構成するようにしてもよい。有機絶縁材料により絶縁層62が構成されていてもよい。この絶縁層62には、赤色蓄電層310Rと赤色光電変換部40R、緑色蓄電層310Gと緑色光電変換部40G、青色蓄電層310Bと青色光電変換部40Bをそれぞれ接続するためのプラグおよび電極が設けられている。
赤色光電変換部40Rは、シリコン基板61に近い位置から、第1電極41R、有機光電変換層42Rおよび第2電極43Rをこの順に有するものである。緑色光電変換部40Gは、赤色光電変換部40Rに近い位置から、第1電極41G、有機光電変換層42Gおよび第2電極43Gをこの順に有するものである。青色光電変換部40Bは、緑色光電変換部40Gに近い位置から、第1電極41B、有機光電変換層42Bおよび第2電極43Bをこの順に有するものである。赤色光電変換部40Rと緑色光電変換部40Gの間には絶縁層34が、緑色光電変換部40Gと青色光電変換部40Bとの間には絶縁層35が設けられている。赤色光電変換部40Rでは赤色(例えば、波長600nm以上700nm未満)の光が、緑色光電変換部40Gでは緑色(例えば、波長480nm以上600nm未満)の光が、青色光電変換部40Bでは青色(例えば、波長400nm以上480nm未満)の光がそれぞれ選択的に吸収され、電子・正孔対が発生するようになっている。
第1電極41Rは有機光電変換層42Rで生じた信号電荷を、第1電極41Gは有機光電変換層42Gで生じた信号電荷を、第1電極41Bは有機光電変換層42Bで生じた信号電荷をそれぞれ取り出すものである。第1電極41R,41G,41Bは、例えば、画素毎に設けられている。この第1電極41R,41G,41Bは、例えば、光透過性の導電材料、具体的にはITOにより構成される。第1電極41R,41G,41Bは、例えば、酸化スズ系材料または酸化亜鉛系材料により構成するようにしてもよい。酸化スズ系材料とは酸化スズにドーパントを添加したものであり、酸化亜鉛系材料とは例えば、酸化亜鉛にドーパントとしてアルミニウムを添加したアルミニウム亜鉛酸化物,酸化亜鉛にドーパントとしてガリウムを添加したガリウム亜鉛酸化物および酸化亜鉛にドーパントとしてインジウムを添加したインジウム亜鉛酸化物等である。この他、IGZO,CuI,InSbO4,ZnMgO,CuInO2,MgIn24,CdOおよびZnSnO3等を用いることも可能である。第1電極41R,41G,41Bの厚みは、例えば50nm〜500nmである。
第1電極41Rと有機光電変換層42Rとの間、第1電極41Gと有機光電変換層42Gとの間、および第1電極41Bと有機光電変換層42Bとの間には、それぞれ例えば、電子輸送層が設けられていてもよい。電子輸送層は、有機光電変換層42R,42G,42Bで生じた電子の第1電極41R,41G,41Bへの供給を促進するためのものであり、例えば、酸化チタンまたは酸化亜鉛等により構成されている。酸化チタンと酸化亜鉛とを積層させて電子輸送層を構成するようにしてもよい。電子輸送層の厚みは、例えば0.1nm〜1000nmであり、0.5nm〜300nmであることが好ましい。
有機光電変換層42R,42G,42Bは、選択的な波長域の光を吸収して光電変換し、他の波長域の光を透過させるものである。ここで、選択的な波長域の光とは、有機光電変換層42Rでは、例えば、波長600nm以上700nm未満の波長域の光、有機光電変換層42Gでは、例えば、波長480nm以上600nm未満の波長域の光、有機光電変換層42Bでは、例えば、波長400nm以上480nm未満の波長域の光である。
有機光電変換層42R,42G,42Bを構成する材料としては、有機p型半導体および有機n型半導体のうちの一方または両方を含むことが好ましい。具体的には、上記実施の形態と同様に、少なくとも、正孔輸送性を有する顔料系有機半導体材料を用いることが好ましい。このような材料としては、例えば、上記一般式(1)で表わされるキナクリドン誘導体が挙げられ、具体的なキナクリドン誘導体としては、例えば、上記式(1−1)〜(1−6)に示した化合物が挙げられる。これら顔料系有機半導体材料は、有機光電変換層42R,42G,42Bの成膜時には、上記実施の形態と同様に、塗布時に用いるインクの溶剤への溶解性の高い化学修飾された状態で用いることが好ましい。具体的には、例えば、キナクリドンの分子骨格内のアミノ基が、例えば、Boc基で修飾された所謂、ラテント色素として用いることが好ましい。
更に、有機光電変換層42R,42G,42Bは、それぞれ上記選択的な波長域において極大吸収波長を有する有機半導体材料(光吸収体)を含むことが好ましい。このような有機半導体材料としては、これにより、有機光電変換層42R,42G,42Bにおいてそれぞれ、赤色光、緑色光および青色光を選択的に光電変換することが可能となる。このような材料としては、例えば、有機光電変換層42Rでは、下記一般式(3)で表わされるサブナフタロシアニン誘導体や下記一般式(8)で表わされるフタロシアニン誘導体が挙げられる。有機光電変換層42Gでは、上記一般式(2)に示したサブフタロシアニン誘導体が挙げられ、具体的には、上記式(2−1)〜(2−3)に示した化合物が挙げられる。有機光電変換層42Bでは、下記一般式(9)で表わされるフタロシアニン誘導体が挙げられる。
Figure 2017157801

(R17〜R34は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、フェニル基、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基からなる群から選択され、且つ、隣接した任意のR17〜R34は縮合脂肪族環または縮合芳香環の一部であってもよい。前記縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。M2はホウ素または2価あるいは3価の金属である。Yは、ハロゲン、ヒドロキシ基、チオール基、イミド基、置換または未置換のアルコキシ基、置換または未置換のアリールオキシ基、置換または未置換のアルキル基、置換または未置換のアルキルチオ基、置換または未置換のアリールチオ基からなる群より選択されるいずれかの置換基である。)
Figure 2017157801

(R37〜R52は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、アリール基、パーシャルフルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、シリルアルキル基、シリルアルコキシ基、アリールシリル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基である。隣り合う任意のR37〜R52は、互いに結合して縮合脂肪族環または縮合芳香環を形成していてもよい。縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。Z4〜7は、各々独立して窒素原子、R53は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、アリール基、パーシャルフルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、シリルアルキル基、シリルアルコキシ基、アリールシリル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基である。M3はホウ素または2価あるいは3価の金属である。)
Figure 2017157801



(R54〜R65は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖,分岐,または環状アルキル基、アリール基、パーシャルフルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、シリルアルキル基、シリルアルコキシ基、アリールシリル基、チオアルキル基、チオアリール基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、カルボキシ基、カルボキソアミド基、カルボアルコキシ基、アシル基、スルホニル基、シアノ基およびニトロ基である。隣り合う任意のR58〜R65は、互いに結合して縮合脂肪族環または縮合芳香環を形成していてもよい。縮合脂肪族環または縮合芳香環は、炭素以外の1または複数の原子を含んでいてもよい。M4は、金属、金属ハロゲン化物、金属酸化物、金属水素化物、または2個の水素のいずれかである。)
具体的なサブナフタロシアニン誘導体としては、例えば、下記式(3−1)および式(3−2)に示した化合物が挙げられる。具体的なフタロシアニン誘導体としては、例えば、下記式(8−1)に示した化合物が挙げられる。
Figure 2017157801
具体的なポルフィリン誘導体としては、例えば、下記式(9−1)〜式(9−3)に示した化合物が挙げられる。
Figure 2017157801
有機光電変換層42R,42G,42Bには、さらに、電子移動度の高い材料を用いることが好ましい。電子移動度の高い材料としては、少なくとも光吸収体と同様もしくはそれ以下のLUMO準位、具体的には、−4.0eV以上−7.0eV以下のエネルギー準位を有することが好ましい。このような材料としては、例えば上記一般式(4)に示したC60フラーレンまたはその誘導体、あるいは、上記一般式(5)に示したC70フラーレンまたはその誘導体が挙げられる。フラーレン60,フラーレン70またはそれらの誘導体を少なくとも1種用いることによって、光電変換効率がさらに向上すると共に、暗電流を低減されてS/N比および応答性を改善することが可能となる。具体的なC60フラーレンまたはその誘導体およびC70フラーレンまたはその誘導体としては、例えば、上記式(4−1),(4−2)および式(5−1)に示した化合物が挙げられる。
また、有機光電変換層42R,42G,42Bは、上記フラーレン60,フラーレン70またはそれらの誘導体の代わりに、例えば、上式(6−1)〜(6−4)に示したポリマー化合物を用いてもよい。
更にまた、有機光電変換層42R,42G,42Bは、さらに、例えば、上記キナクリドン誘導体よりも浅いHOMO準位を有する正孔輸送性を有する有機半導体材料を用いることが好ましい。これにより、応答性がさらに向上する。具体的な、正孔輸送性を有する有機半導体材料としては、例えば、上記式(7−1)〜(7−5)に示した化合物が挙げられる。
上記キナクリドン誘導体、サブフタロシアニンまたはその誘導体、ナフタロシアニンまたはその誘導体、フタロシアニンまたはその誘導体、フラーレン60,フラーレン70またはそれらの誘導体およびポリマー材料は、組み合わせる材料によってp型半導体またはn型半導体として機能する。有機光電変換層42R,42G,42Bの積層方向の膜厚(以下、単に厚みという)は、例えば50nm以上500nm以下である。
有機光電変換層42Rと第2電極43Rとの間、有機光電変換層42Gと第2電極43Gとの間、および有機光電変換層42Bと第2電極43Bとの間には、それぞれ、例えば正孔輸送層が設けられている。正孔輸送層は、有機光電変換層42R,42G,42Bで生じた正孔の第2電極43R,43G,43Bへの供給を促進するためのものであり、例えば酸化モリブデン,酸化ニッケルあるいは酸化バナジウム等により構成されている。PEDOT(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene))およびTPD(N,N'-Bis(3-methylphenyl)-N,N'-diphenylbenzidine)等の有機材料により正孔輸送層を構成するようにしてもよい。正孔輸送層の厚みは、例えば0.5nm以上100nm以下である。
第2電極43Rは有機光電変換層42Rで発生した正孔を、第2電極43Gは有機光電変換層42Gで発生した正孔を、第2電極43Bは有機光電変換層42Gで発生した正孔をそれぞれ取りだすためのものである。第2電極43R,43G,43Bから取り出された正孔は各々の伝送経路(図示せず)を介して、例えばシリコン基板61内のp型半導体領域(図示せず)に排出されるようになっている。第2電極43R,43G,43Bは、例えば、金,銀,銅およびアルミニウム等の導電材料により構成されている。第1電極41R,41G,41Bと同様に、透明導電材料により第2電極43R,43G,43Bを構成するようにしてもよい。光電変換素子30では、この第2電極43R,43G,43Bから取り出される正孔は排出されるため、例えば、後述する固体撮像装置1において複数の光電変換素子30を配置した際には、第2電極43R,43G,43Bを各光電変換素子30(画素P)に共通して設けるようにしてもよい。第2電極43R,43G,43Bの厚みは例えば、0.5nm以上100nm以下である。
絶縁層44は第2電極43Rと第1電極41Gとを絶縁するためのものであり、絶縁層45は第2電極43Gと第1電極41Bとを絶縁するためのものである。絶縁層44,45は、例えば、金属酸化物,金属硫化物あるいは有機物により構成されている。金属酸化物としては、例えば、酸化シリコン,酸化アルミニウム,酸化ジルコニウム,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化タングステン,酸化マグネシウム,酸化ニオブ,酸化スズおよび酸化ガリウム等が挙げられる。金属硫化物としては、硫化亜鉛および硫化マグネシウム等が挙げられる。絶縁層44,45の構成材料のバンドギャップは3.0eV以上であることが好ましい。絶縁層44,45の厚みは、例えば2nm以上100nm以下である。
第2電極43Bを覆う保護層19は、赤色光電変換部30R、緑色光電変換部30Gおよび青色光電変換部30Bへの水分等の浸入を防ぐためのものである。保護層19は光透過性を有する材料により構成されている。このような保護層19には、例えば窒化シリコン,酸化シリコンおよび酸窒化シリコン等の単層膜あるいはこれらの積層膜が用いられる。
平坦化層21を間にして保護層19上にはオンチップレンズ22が設けられている。平坦化層21には、アクリル系樹脂材料,スチレン系樹脂材料またはエポキシ系樹脂材料等を用いることができる。平坦化層21は、必要に応じて設けるようにすればよく、保護層19が平坦化層21を兼ねるようにしてもよい。オンチップレンズ22は、その上方から入射した光を赤色光電変換部30R、緑色光電変換部30Gおよび青色光電変換部30Bそれぞれの受光面に集光させるものである。
以上のように、有機光電変換層42R(,42G,42B)を、それぞれ、上記実施の形態と同様に、ラテント化された正孔輸送性を有する顔料系有機半導体材料(ラテント色素)を用いて塗布法により形成することにより、高いS/N比および高い応答性を有する光電変換素子を提供することが可能となる。
<3.適用例>
(適用例1)
図12は、上記実施の形態において説明した光電変換素子10,30を各画素に用いた撮像装置(固体撮像装置1)の全体構成を表したものである。この固体撮像装置1は、CMOSイメージセンサであり、半導体基板11上に、撮像エリアとしての画素部1aを有すると共に、この画素部1aの周辺領域に、例えば、行走査部131、水平選択部133、列走査部134およびシステム制御部132からなる周辺回路部130を有している。
画素部1aは、例えば、行列状に2次元配置された複数の単位画素P(例えば、光電変換素子10に相当)を有している。この単位画素Pには、例えば、画素行ごとに画素駆動線Lread(具体的には行選択線およびリセット制御線)が配線され、画素列ごとに垂直信号線Lsigが配線されている。画素駆動線Lreadは、画素からの信号読み出しのための駆動信号を伝送するものである。画素駆動線Lreadの一端は、行走査部131の各行に対応した出力端に接続されている。
行走査部131は、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成され、画素部1aの各画素Pを、例えば、行単位で駆動する画素駆動部である。行走査部131によって選択走査された画素行の各画素Pから出力される信号は、垂直信号線Lsigの各々を通して水平選択部133に供給される。水平選択部133は、垂直信号線Lsigごとに設けられたアンプや水平選択スイッチ等によって構成されている。
列走査部134は、シフトレジスタやアドレスデコーダ等によって構成され、水平選択部133の各水平選択スイッチを走査しつつ順番に駆動するものである。この列走査部134による選択走査により、垂直信号線Lsigの各々を通して伝送される各画素の信号が順番に水平信号線135に出力され、当該水平信号線135を通して半導体基板11の外部へ伝送される。
行走査部131、水平選択部133、列走査部134および水平信号線135からなる回路部分は、半導体基板11上に直に形成されていてもよいし、あるいは外部制御ICに配設されたものであってもよい。また、それらの回路部分は、ケーブル等により接続された他の基板に形成されていてもよい。
システム制御部132は、半導体基板11の外部から与えられるクロックや、動作モードを指令するデータ等を受け取り、また、固体撮像装置1の内部情報等のデータを出力するものである。システム制御部132はさらに、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータを有し、当該タイミングジェネレータで生成された各種のタイミング信号を基に行走査部131、水平選択部133および列走査部134等の周辺回路の駆動制御を行う。
(適用例2)
上述の固体撮像装置1は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、撮像機能を有する携帯電話等、撮像機能を備えたあらゆるタイプの電子機器に適用することができる。図13に、その一例として、電子機器2(カメラ)の概略構成を示す。この電子機器2は、例えば、静止画または動画を撮影可能なビデオカメラであり、固体撮像装置1と、光学系(光学レンズ)310と、シャッタ装置311と、固体撮像装置1およびシャッタ装置311を駆動する駆動部313と、信号処理部312とを有する。
光学系310は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置1の画素部1aへ導くものである。この光学系310は、複数の光学レンズから構成されていてもよい。シャッタ装置311は、固体撮像装置1への光照射期間および遮光期間を制御するものである。駆動部313は、固体撮像装置1の転送動作およびシャッタ装置311のシャッタ動作を制御するものである。信号処理部312は、固体撮像装置1から出力された信号に対し、各種の信号処理を行うものである。信号処理後の映像信号Doutは、メモリ等の記憶媒体に記憶されるか、あるいは、モニタ等に出力される。
<4.実施例>
次に、本開示の実施例について詳細に説明する。
(実験例1)
[塗付用インク溶液の調製]
(ラテント化工程(Boc−BQD(式(1−2’))の合成))
まず、溶媒としてtert-ブタノールに、tert-ブチルキナクリドン(BQD)(式(1−2))、二炭酸ジ−tert-ブチルおよび塩基であるトリエチルアミンを溶解させ、加熱還流を行った。次いで、ロータリーエバポレータで溶媒(tert-ブタノール)、トリエチルアミンおよび未反応の二炭酸ジ−tert-ブチルを取り除くことによって、ラテント化されたBQDであるBoc−BQD(式(1−2’))を得た。
(インク調製工程)
続いて、クロロホルム(関東化学社製 アミレン含有、高速液体クロマトグラフィー用)に、先に合成したBoc−BQD(式(1−2’))、F6−SubPc−OC65(式(2−2))およびPCBM(式(4−2))を、重量比で3:3:2の割合で混合溶解させて塗付用のインク溶液Aを調製した。インク溶液Aの濃度は、全ての材料を合計して、35mg/mlとした。
[光電変換素子の製造]
まず、下部電極として有機絶縁膜でパターニングしたITO電極を有するガラス基板をUV/オゾン(O3)洗浄を行ったのち、この基板をグローブボックス内に移動した。続いて、先に調製したインク溶液Aを基板に50μl滴下し、回転数1,500rpmで回転させ、60秒間、スピンコーティング法による塗布製膜を行った。次に、ホットプレート上に置いて180℃、10分の加熱処理を行い、残留したインク溶液Aの溶剤を乾燥除去するとともに、Boc−BQDから保護基(Boc基)を除去した。これにより形成された有機光電変換層の厚みは150nmであった。続いて、ガラス基板を蒸着室に移動し、室内を1×10-5Pa以下に減圧した。次に、基板ホルダーを回転させながら、LiF(高純度化学社製)を、0.2Å/secの成膜レートで、0.5nm積層した。続いて、上部電極としてAl−Si−Cu合金を、5Å/secの成膜レートで、厚み100nmとなるように蒸着製膜することで、1mm×1mmの光電変換領域を有する光電変換素子(実験例1)を作製した。
(実験例2〜8)
この他、実験例2として、PCBMの代わりにpolyNDI(式(6−4))を用いた以外は、実験例1と同様の方法を用いて光電変換素子を作製した。また、実験例3,4として、有機光電変換層をBoc−BQDおよびF6−SubPc−OC65の2種類の材料から構成し、各材料の比率をそれぞれ、5:5(実験例3)および2:8(実験例4)とした以外は、実験例1と同様の方法を用いて光電変換素子を作製した。更に、実験例5,6として、Boc−BQD、F6−SubPc−OC65およびPCBMに、それぞれpolyTPD(式(7−3))、TFB(式(7−1))を加え、各材料の比率を共に、3:3:2:0.1とした以外は、実験例1と同様の方法を用いて光電変換素子を作製した。更にまた、実験例7,8として、ラテント化していないBQD(式(2−1))およびF6−SubPc−OC65の2種類の材料から構成し、各材料の比率をそれぞれ、5:5(実験例7)および2:8(実験例8)として蒸着法を用いて成膜した。これ以外は、実験例1と同様の方法を用いて光電変換素子を作製し、実験例1〜6の比較例とした。
これら実験例1〜8について、暗電流、外部量子効率(EQE)および応答性を以下のように評価した。表1は、実験例1〜8の有機光電変換層の構成および製造方法ならびにEQE、暗電流および残像特性(応答性)の評価結果をまとめたものである。
[暗電流および外部量子効率の評価]
加熱前後の実験例1〜8について、半導体パラメータアナライザを用いて暗電流および光電変換効率(外部量子効率)について評価した。暗電流は、フィルタを介して光源から光電変換素子に照射される光の光量を0.0μW/cm2(光を照射しない状態)として測定した。外部量子効率は、フィルタを介して光源から光電変換素子に照射される光の光量を1.62μW/cm2として明電流を測定し、電極間に印加されるバイアス電圧を−2.6Vとした場合の明電流値および暗電流値から算出した。
[応答性の評価]
応答性の評価は、半導体パラメータアナライザを用いて光照射時に観測される明電流値が、光照射を止めてから立ち下がる速さを測定することによって行った。具体的には、フィルタを介して光源から光電変換素子に照射される光の光量を1.62μW/cm2とし、電極間に印加されるバイアス電圧を−2.6Vとした。この状態で定常電流を観測した後、光照射を止めて、電流が減衰していく様子を観測した。続いて、得られた電流―時間曲線から暗電流値を差し引いた。これによって得られる電流―時間曲線を用い、光照射を止めてからの電流値が、定常状態において観測される電流値が3%にまで減衰するのに要する時間を応答性の指標とした。
Figure 2017157801
実験例3,4と実験例7,8とを比較すると、BQDをラテント化して塗布によって有機光電変換層を形成した実験例3,4では、暗電流が1桁〜3桁、残像特性も1桁〜2桁改善することがわかった。また、実験例1,2の結果からわかるように、有機光電変換層を、さらにフラーレン誘導体またはポリマー材料を加えた3元系で構成することによって、暗電流および残像特性がさらに向上した。更に、実験例5,6の結果から、有機光電変換層を、さらにTFB等のキナクリドン誘導体よりもHOMO準位の浅い正孔輸送性材料を加えた4元系で構成することによって、さらに残像特性が向上することがわかった。なお、実験例3,4と実験例7,8におけるEQEの特性の逆転は、詳細は明らかではないが、有機光電変換層を塗布または蒸着で形成することよる各材料の混ざり具合の変化によって最適比率が変化したものと推測される。
また、ここでは示していないが、ラテント化したキナクリドン誘導体を単体で塗布法を用いて成膜した場合、塗布膜の表面は粗くなり、光電変換層としての性能は著しく低下した。このことから、ラテント化した正孔輸送性を有する顔料系有機半導体材料と、光吸収体(例えば、式(2−2)に示した化合物)とを混合した溶液を用いて塗布法によって形成することで、表面が平坦な塗布膜(有機光電変換層)が得られ、光電変換層としても優れた性能が得られるものと推察される。
以上、実施の形態および変形例を挙げて説明したが、本開示内容は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、光電変換素子として、緑色光を検出する有機光電変換部11Gと、青色光,赤色光をそれぞれ検出する無機光電変換部11B,11Rとを積層させた構成としたが、本開示内容はこのような構造に限定されるものではない。即ち、有機光電変換部において赤色光あるいは青色光を検出するようにしてもよいし、無機光電変換部において緑色光を検出するようにしてもよい。
また、これらの有機光電変換部および無機光電変換部の数やその比率も限定されるものではなく、2以上の有機光電変換部を設けてもよいし、有機光電変換部だけで複数色の色信号が得られるようにしてもよい。更に、有機光電変換部および無機光電変換部を縦方向に積層させる構造に限らず、基板面に沿って並列させてもよい。
更にまた、上記実施の形態等では、裏面照射型の撮像素子(光電変換素子)の構成を例示したが、本開示内容は表面照射型の撮像素子にも適用可能である。また、本開示の光電変換素子では、上記実施の形態で説明した各構成要素を全て備えている必要はなく、また逆に他の層を備えていてもよい。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
なお、本開示は、以下のような構成であってもよい。
[1]
電極を形成する工程と、
前記第1電極の上にラテント色素を含む溶液を用いて塗布により有機光電変換層を形成する工程と、
前記有機光電変換層の上に第2電極を形成する工程と
を含む光電変換素子の製造方法。
[2]
前記ラテント色素は、正孔輸送性を有する有機半導体材料である、前記[1]に記載の光電変換素子の製造方法。
[3]
前記ラテント色素は、下記式(1)に示したキナクリドン誘導体のR1,R2のうちの少なくとも一方に保護基を有するものである、前記[1]または[2]に記載の光電変換素子の製造方法。
(化1)
Figure 2017157801
(R1、R2は各々独立して水素原子、アルキル基、アリール基、または複素環基である。R3、R4はいかなるものでもよく、特に制限はないが、例えば、各々独立してアルキル鎖、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、シリル基であり、2つ以上のR3もしくはR4が共同して環を形成してもよい。n1,n2は、各々独立した0または1以上整数である。)
[4]
前記保護基は、置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基またはアラルキル基のうちのいずれかである、前記[3]に記載の光電変換素子の製造方法。
[5]
前記保護基は、tert−ブトキシカルボニル基である、前記[4]に記載の光電変換素子の製造方法。
[6]
前記溶液は、さらにサブフタロシアニンまたはサブフタロシアニン誘導体、サブナフタロシアニンまたはサブナフタロシアニン誘導体、フタロシアニンまたはフタロシアニン誘導体およびポルフィリンまたはポルフィリン誘導体のうちの少なくとも1種を含む、前記[1]乃至[5]のうちのいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
[7]
前記溶液は、さらにフラーレンまたはフラーレン誘導体およびポリマー化合物を少なくとも1種含む、前記[1]乃至[6]のうちのいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
[8]
前記溶液は、さらに前記ラテント色素よりも浅いHOMO準位を有する有機半導体材料を含む、前記[1]乃至[7]のうちのいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
[9]
前記ラテント色素よりも浅いHOMO準位を有する前記有機半導体材料は、ポリマー化合物である、前記[8]に記載の光電変換素子の製造方法。
[10]
前記溶液を塗布したのち、加熱処理を行う、前記[1]乃至[9]のうちのいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
[11]
対向配置された第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間にラテント色素を用いて形成されている有機光電変換層と
を備えた光電変換素子。
[12]
各画素が1または複数の有機光電変換部を含み、
前記有機光電変換部は、
対向配置された第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間にラテント色素を用いて形成されている光電変換層と
を備えた固体撮像装置。
[13]
各画素では、1または複数の前記有機光電変換部と、前記有機光電変換部とは異なる波長域の光電変換を行う1または複数の無機光電変換部とが積層されている、前記[12]に記載の固体撮像装置。
[14]
前記無機光電変換部は、半導体基板内に埋め込み形成され、
前記有機光電変換部は、前記半導体基板の第1面側に形成されている、前記[13]に記載の固体撮像装置。
[15]
前記半導体基板の第2面側に多層配線層が形成されている、前記[14]に記載の固体撮像装置。
[16]
前記有機光電変換部が緑色光の光電変換を行い、
前記半導体基板内に、青色光の光電変換を行う無機光電変換部と、赤色光の光電変換を行う無機光電変換部とが積層されている、前記[14]または[15]に記載の固体撮像装置。
[17]
各画素では、互いに異なる波長域の光電変換を行う複数の前記有機光電変換部が積層されている、前記[12]乃至[16]のうちのいずれかに記載の固体撮像装置。
1…固体撮像装置、10,30…光電変換素子、11…半導体基板、11G…有機光電変換部、11B,11R…無機光電変換部、12,14…層間絶縁膜、13a,13b,15b…配線層、15a…下部電極、16,16a…絶縁膜、17…有機光電変換層、18…上部電極、19…保護層、20…コンタクトメタル層、21…平坦化層、22…オンチップレンズ、110…シリコン層、110G,110G1,110G2…緑用蓄電層、120a1,120a2,120b1,120b2…導電性プラグ、51…多層配線層、53…支持基板。

Claims (17)

  1. 第1電極を形成する工程と、
    前記第1電極の上にラテント色素を含む溶液を用いて塗布により有機光電変換層を形成する工程と、
    前記有機光電変換層の上に第2電極を形成する工程と
    を含む光電変換素子の製造方法。
  2. 前記ラテント色素は、正孔輸送性を有する有機半導体材料である、請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
  3. 前記ラテント色素は、下記式(1)に示したキナクリドン誘導体のR1,R2のうちの少なくとも一方に保護基を有するものである、請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
    Figure 2017157801
    (R1、R2は各々独立して水素原子、アルキル基、アリール基、または複素環基である。R3、R4はいかなるものでもよく、特に制限はないが、例えば、各々独立してアルキル鎖、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ニトロ基、シリル基であり、2つ以上のR3もしくはR4が共同して環を形成してもよい。n1,n2は、各々独立した0または1以上整数である。)
  4. 前記保護基は、置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基またはアラルキル基のうちのいずれかである、請求項3に記載の光電変換素子の製造方法。
  5. 前記保護基は、tert−ブトキシカルボニル基である、請求項4に記載の光電変換素子の製造方法。
  6. 前記溶液は、さらにサブフタロシアニンまたはサブフタロシアニン誘導体、サブナフタロシアニンまたはサブナフタロシアニン誘導体、フタロシアニンまたはフタロシアニン誘導体およびポルフィリンまたはポルフィリン誘導体のうちの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
  7. 前記溶液は、さらにフラーレンまたはフラーレン誘導体およびポリマー化合物を少なくとも1種含む、請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
  8. 前記溶液は、さらに前記ラテント色素よりも浅いHOMO準位を有する有機半導体材料を含む、請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
  9. 前記ラテント色素よりも浅いHOMO準位を有する前記有機半導体材料は、ポリマー化合物である、請求項8に記載の光電変換素子の製造方法。
  10. 前記溶液を塗布したのち、加熱処理を行う、請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
  11. 対向配置された第1電極および第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間にラテント色素を用いて形成されている有機光電変換層と
    を備えた光電変換素子。
  12. 各画素が1または複数の有機光電変換部を含み、
    前記有機光電変換部は、
    対向配置された第1電極および第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間にラテント色素を用いて形成されている光電変換層と
    を備えた固体撮像装置。
  13. 各画素では、1または複数の前記有機光電変換部と、前記有機光電変換部とは異なる波長域の光電変換を行う1または複数の無機光電変換部とが積層されている、請求項12に記載の固体撮像装置。
  14. 前記無機光電変換部は、半導体基板内に埋め込み形成され、
    前記有機光電変換部は、前記半導体基板の第1面側に形成されている、請求項13に記載の固体撮像装置。
  15. 前記半導体基板の第2面側に多層配線層が形成されている、請求項14に記載の固体撮像装置。
  16. 前記有機光電変換部が緑色光の光電変換を行い、
    前記半導体基板内に、青色光の光電変換を行う無機光電変換部と、赤色光の光電変換を行う無機光電変換部とが積層されている、請求項14に記載の固体撮像装置。
  17. 各画素では、互いに異なる波長域の光電変換を行う複数の前記有機光電変換部が積層されている、請求項12に記載の固体撮像装置。
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