JP2017157693A - 配線基板 - Google Patents

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Koji Kamafuchi
幸司 釜淵
加藤 哲也
Tetsuya Kato
哲也 加藤
市川 順一
Junichi Ichikawa
順一 市川
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Abstract

【課題】ビア導体群を備える配線基板において、クラックの発生を抑制しつつ、ビア導体群を適切に高密度化する。電流の計測に伴うサージ電圧の増加を抑制しつつ、より正確にパワー半導体素子に対する電流経路の電流値を測定する。
【解決手段】配線基板は、セラミック基板部と、表面に配置された第1の配線部と、裏面に配置された第2の配線部と、第1のビア導体を複数本備える第1のビア導体群と、セラミック基板内部に少なくとも一部が埋設され、第1のビア導体群を取囲むロゴスキーコイルとを備え、第1のビア導体は、断面形状が直径Dの略円形であって、0.2mm≦D<0.5mmであり、隣接する第1のビア導体の外周間の距離であって、最も短い距離である最近接距離Lnは、0.25mm≦Ln≦0.50mmであり、第1のビア導体群の電気抵抗Rは、R<1mΩである。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線基板、および配線基板を用いた半導体モジュールに関する。
半導体素子を種々の装置に実装するために、配線基板に半導体素子が接合された半導体モジュールが用いられている。配線基板として、セラミックの両面に配線層が形成され、これら2つの配線層間が、複数のビア導体を備えるビア導体群によって電気的に接続された構成を有する配線基板が提案されている(特許文献1)。ビア導体は、セラミックに形成されたビアホール内に充填された銅、タングステン、モリブデン等の導電性材料により構成される。
また、電力変換機器(インバータやDC−DCコンバータ)などの大電流を流す機器には、パワー半導体素子が用いられている。パワー半導体素子を備えるパワー半導体モジュールにおいて、パワー半導体素子に対する電流経路の電流値を計測する技術が提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
特開2015−76565号公報 特許第5172287号公報 特許第5709161号公報
ビア導体群を備える配線基板において、主電流経路を構成するビア導体群の低抵抗を実現するために、ビア導体の高密度化が検討されている。
ビア導体群を備える配線基板において、ビア導体と未焼成のセラミック層とを同時焼成すると、焼結過程におけるビア導体とセラミック層との収縮率や焼結開始時期等の違いに起因する応力歪み等により、ビア導体間のセラミック層にクラックが発生するおそれがある。特に、ビア導体群を高密度化した場合には、クラックの発生がより懸念される。そのため、クラックの発生を抑制しつつ、ビア導体群を適切な位置に配置することが望まれている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することができる。
(1)本発明の一形態によれば、配線基板が提供される。この配線基板は、表面と裏面とを備える板状のセラミック基板部と、前記表面に配置された第1の配線部と、前記裏面に配置された第2の配線部と、前記表面と前記裏面とを連通する複数の第1の貫通孔内に配置され、前記第1の配線部と前記第2の配線部とを電気的に接続する複数の第1のビア導体を含む第1のビア導体群と、前記セラミック基板部の内部に少なくとも一部が埋設され、前記第1のビア導体群を取囲むロゴスキーコイルと、を備え、前記複数の第1のビア導体は、それぞれ、前記表面に平行な切断面における断面形状が直径Dの略円形であって、0.2mm≦D<0.5mmであり、隣接する前記複数の第1のビア導体の外周間の距離であって、最も短い距離である最近接距離Lnは、0.25mm≦Ln≦0.50mmであり、前記第1のビア導体群の電気抵抗Rは、R<1mΩである。
ここで、取囲むとは、全周を囲む場合に限定されず、半周以上を囲む場合を含む概念である。また、略円形とは、真円、楕円、卵形、オーバル形状や、それらの歪みを含んだ形状を含む概念である。断面形状が歪みを含む場合、円の中心を通り、両端点が円周上にある線分の長さを複数測定し、その長さが最長のものを、直径とする。また、断面形状が、楕円、卵形、オーバル形状の場合には、直径とは長径を意味する。
第1のビア導体が適切な直径で、適切な間隔で配置されているため、複数の第1のビア導体間のセラミック基板部のクラックの発生を抑制することができ、配線基板の信頼性が向上される。また、第1のビア導体群の電気抵抗Rが1mΩより小さいため、低抵抗の配線基板を実現することができる。
(2)上記形態の配線基板において、前記第1のビア導体群の最外周に配置された前記第1のビア導体の外周の最も外側の点を繋ぐことによって得られる仮想図形の面積は、30mm以下でもよい。このようにすると、第1のビア導体群を取囲むロゴスキーコイルの大きさを小さくすることができ、配線基板を小型化することができる。
(3)上記形態の配線基板において、前記セラミック基板部の前記裏面に配置された第3の配線部と、前記表面と前記裏面とを連通する複数の第2の貫通孔内に配置され、前記第1の配線部と前記第3の配線部とを電気的に接続する複数の第2のビア導体を含む第2のビア導体群と、を備えてもよい。このようにすると、配線基板をより小型化することができる。
(4)上記形態の配線基板において、前記第1のビア導体群、前記第2のビア導体群、および前記ロゴスキーコイルは、タングステンおよびモリブデンのうち、少なくとも一方を含む金属により形成されてもよい。タングステンおよびモリブデンは、高融点金属であるため、セラミック基板部と同時焼成で形成することができ、容易に配線基板を製造することができる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、半導体モジュール、配線基板を備えた装置、配線基板の製造方法、半導体モジュールの製造方法等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての半導体モジュールの構造を模式的に示す平面図である。 半導体モジュールの断面構造を模式的に示す端面図である。 配線基板を分解して示す分解平面図である(第1基板層)。 配線基板を分解して示す分解平面図である(第2基板層)。 配線基板を分解して示す分解平面図である(第3基板層)。 配線基板を分解して示す分解平面図である(第4基板層)。 本実施形態の半導体モジュールにおける電流の流れを示す説明図である。 複数の第1のビア導体の配置を説明するための説明図である。 テストピースの一例を示す平面図である。 電気抵抗の測定方法を説明するための説明図である。 他の例(1)の第1のビア導体群を示す説明図である。 他の例(2)の第1のビア導体群を示す説明図である。
A.第1実施形態:
図1は、本発明の一実施形態としての半導体モジュール1000の構造を模式的に示す平面図であり、図2は、半導体モジュール1000の断面構造を模式的に示す端面図である。図2では、図1におけるA−A切断面を図示している。半導体モジュール1000は、本発明の一実施形態としての配線基板100と、パワー半導体素子200と、放熱基板300と、を備える。本実施形態において、半導体モジュール1000は、いわゆるパワーモジュールであり、電気自動車や電車や工作機械等における電力制御等に用いられる。
図1、2に示すように、配線基板100は、セラミック基板部10と、主電流経路形成部20と、ロゴスキーコイル70と、を備える。セラミック基板部10は、表面11と裏面19とを備える、平面視略矩形状(図1)の板状に形成されている。また、セラミック基板部10は、4枚の薄板状の基板層から成る積層構造である(図2)。本実施形態において、セラミック基板部10は、アルミナ(酸化アルミニウム:Al23)によって形成されている。セラミック基板部10は、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si34)、低温同時焼成セラミックスなどによって形成されてもよい。
主電流経路形成部20は、第1の配線部40と、複数の第1のビア導体31と、複数の第2のビア導体32と、第2の配線部50と、第3の配線部60と、を備え、パワー半導体素子200に対する主電流経路を形成する。以下、複数の第1のビア導体31を第1のビア導体群30Fと称し、複数の第2のビア導体32を第2のビア導体群30Sと称する。
第1の配線部40は、銅の電解メッキによって、セラミック基板部10の表面11に平面視略矩形状の層状に形成されており(図1)、第1のビア導体群30Fおよび第2のビア導体群30Sと、電気的に接続されている。第1の配線部40は、銀、ニッケル、アルミニウム等の任意の導電性材料を用いて形成されてもよい。また、第1の配線部40は、無電解メッキ、印刷等、他の任意の方法によって形成されてもよい。
第1のビア導体31は、セラミック基板部10の表面11と裏面19とを連通する第1の貫通孔21の内部に充填されている。同様に、第2のビア導体32は、セラミック基板部10の表面11と裏面19とを連通する第2の貫通孔22の内部に充填されている。本実施形態では、第1のビア導体31および第2のビア導体32は、タングステンおよびモリブデンを主成分とする材料により形成されている。なお、セラミック基板部10がLTCC(低温同時焼成セラミックス)により形成される場合は、第1のビア導体31と第2のビア導体32とが、銀、銅を主成分とする材料により形成されていてもよい。また、第1のビア導体31および第2のビア導体32のいずれか一方が、タングステンおよびモリブデンのうち、少なくとも一方を含む金属により形成されてもよい。
第2の配線部50は、出力端子と接続されるパッドであって、銅の電解メッキによって、セラミック基板部10の裏面19に、層状に形成されており、第1のビア導体群30Fと、電気的に接続されている。本実施形態において、第2の配線部50は、金属製の導通ブロック306および導通パッド304を介して、出力端子に接続されている。第3の配線部60は、パワー半導体素子200を、配線基板100に搭載するためのパッドであり、銅の電解メッキによって、セラミック基板部10の裏面19に、層状に形成されており、第2のビア導体群30Sと、電気的に接続されている。なお、本明細書中において、「搭載」とは、配線基板100の裏面(図2におけるセラミック基板部10の裏面19側)に実装される形態を含む概念である。第2の配線部50および第3の配線部60は、銀、ニッケル、アルミニウム等の任意の導電性材料を用いて形成されてもよい。また、第2の配線部50および第3の配線部60は、無電解メッキ、印刷等、他の任意の方法によって形成されてもよい。第2の配線部50と第3の配線部60とは、異なる領域に形成されている。
図1に示すように、ロゴスキーコイル70は、セラミック基板部10内に埋設され、第1のビア導体群30Fを取囲む、環状の戻り線78と、戻り線78の周りに螺旋状に巻いたコイル部71とを備えている。コイル部71は、複数の第1コイル要素72と、複数の第2コイル要素76と、第1コイル要素72と第2コイル要素76とを繋ぐ複数の第3ビア導体74とから構成され、それぞれが第1コイル要素72、第3ビア導体74、第2コイル要素76、第3ビア導体74の順で配置されている。さらに、コイル部71の一端が端子接続部86を構成するビア導体を介してセラミック基板部の表面11の上の計測端子82と接続され、戻り線78の一端が端子接続部88を構成するビア導体を介してセラミック基板部の表面11の上の計測端子84と接続されている。コイル部71の他端と戻り線78の他端とは、ビア導体を介して接続されている。ここで、略環状とは、一部が切り欠かれた環状を意味する。
本実施形態において、第1のビア導体群30Fが、ロゴスキーコイル70のコイル部71がなす環の内側に配置されている。言い換えれば、第1のビア導体群30Fの中心とロゴスキーコイル70の環の中心とが略一致していなくても、ロゴスキーコイル70のコイル部71がなす環を第1のビア導体群30Fが貫通するように配置されていればよい。ここで、第1のビア導体群30Fの中心とは、第1のビア導体群30Fの最外周に位置する複数の第1ビア導体を結んだ仮想線により形成された仮想図形V(後述する図8において破線で示す)の中心である。また、略一致とは、完全に一致する場合に加え、製造公差の範囲内のずれを含む概念である。
パワー半導体素子200は、電力の変換を目的とする半導体素子である。本実施形態において、パワー半導体素子200は、SiC(Silicon carbide、炭化ケイ素)製のダイオードを用いている。パワー半導体素子200の材料として、Si(Silicon、シリコン),GaN(Gallium Nitride、窒化ガリウム)等を用いてもよい。また、パワー半導体素子200として、パワーMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、サイリスタなどを用いてもよい。パワー半導体素子200は、一方の面にカソード電極201が形成されており、第3の配線部60と接合材210にて電気的に接続されている(図2)。ここで、接合材210は、例えば、はんだバンプ等である。また、パワー半導体素子200は、銅製の導通パッド302を介して放熱基板300に熱的に接続されている。
図3は、配線基板100を分解して示す分解平面図である。図3は第1基板層12、図4は第2基板層14、図5は第3基板層16、図6は第4基板層18、それぞれを、ビアパターン、表面に形成された配線パターンと共に平面視して示す。以下、第1〜4基板層を区別しないときは、単に基板層とも称する。図3〜6では、各基板層を図2における上側から見た平面図を示している。以下、図2におけるセラミック基板部の表面11側の面を上面、図2におけるセラミック基板部の裏面19側の面を下面と称する。なお、図2において、第1コイル要素72,第2コイル要素76,および戻り線78は、図示の都合上、各基板層の表面より内側(層内)に図示されているが、各基板層の表面に層状に形成されている。
図3〜6に示すように、第1基板層12〜第4基板層18には、それぞれ、複数の貫通孔(ビアホール)が設けられると共に、全ての貫通孔にはビア導体が充填されている。そして、上面および下面の少なくともいずれか一方に、金属材料で構成される導体パターンが形成されている。詳細を以下に説明する。本実施形態において、配線基板100は、20個の第1のビア導体31と、20個の第2のビア導体32とを備える。
図3の上段に示すように、第1基板層12の上面121には、第1の配線部40と、計測端子82、84と、が配置されている。計測端子82、84は、第1の配線部40と同様に、銅の無電解メッキによって層状に形成されている。図3の下段に示すように、第1基板層12の下面122には、コイル部71を構成する複数の第1コイル要素72が略周回状に形成されている。なお、第1コイル要素72は、第1基板層12の下面122に形成されているため、点線で図示し、1つの第1コイル要素72に符号を付して、他の符号の図示を省略している。以下、同様に、基板層の下面に形成されているパターンは、点線で図示する。
図3の下段に示すように、第1基板層12には、端子接続部86(図1)を構成するビア導体862、端子接続部88(図1)を構成するビア導体882、複数の第1のビア導体31(図2)を構成する複数のビア導体312、複数の第2のビア導体32(図2)を構成する複数のビア導体322が形成されている。図3の下段において、複数のビア導体312、および複数のビア導体322については、破線で囲んで、符号を付して示している。以下に説明する図4〜6についても、同様に符号を付して示している。複数のビア導体312は、第1基板層12の上面121側において第1の配線部40と接続されており、第1基板層12の下面122側において、複数の第1コイル要素72で形成される環の内側に配置されている。複数のビア導体322は、第1基板層12の上面121側において第1の配線部40と接続されている。ビア導体862およびビア導体882は、第1基板層12の上面121側において、それぞれ、計測端子82および計測端子84と接続されている。
図4の上段に示すように、第2基板層14には、端子接続部86を構成するビア導体864、端子接続部88を構成するビア導体884、複数の第1のビア導体31を構成する複数のビア導体314、複数の第2のビア導体32を構成する複数のビア導体324、複数の第3のビア導体74を構成する複数のビア導体744が形成されている。複数のビア導体744は、大きさの異なる2つの環が同一中心に配置されたように配置されている。ビア導体744は、第2基板層14の上面141側で第1コイル要素72と接続されている。図4の下段に示すように、第2基板層14の下面142には、戻り線78が層状に形成されている。戻り線78は、複数のビア導体744で形成される2つの環の間に配置されている。戻り線78は、複数のビア導体744のうち、ビア導体884の隣のビア導体744Pと接続されている。これにより、戻り線78とコイル部71とが接続されている。
図5の上段に示すように、第3基板層16には、端子接続部86を構成するビア導体866、複数の第1のビア導体31を構成する複数のビア導体316、複数の第2のビア導体32を構成する複数のビア導体326、複数の第3のビア導体74を構成する複数のビア導体746が形成されている。図5の下段に示すように、第3基板層16の下面162には、コイル部71を構成する複数の第2コイル要素76が、略周回状に形成されている。複数の第2コイル要素76は、それぞれ、層状に形成されている。第2コイル要素76は、ビア導体746と接続されている。複数の第2コイル要素76のうちの1つの第2コイル要素76Pは、ビア導体866と接続されている。これにより、計測端子82がコイル部71と接続されている。
図6の上段に示すように、第4基板層18には、複数の第1のビア導体31を構成する複数のビア導体318、複数の第2のビア導体32を構成する複数のビア導体328が形成されている。図6の下段に示すように、第4基板層18の下面182には、第2の配線部50および第3の配線部60が配置されている。第2の配線部50は、複数のビア導体318と接続され、第3の配線部60は複数のビア導体328と接続されている。第2の配線部50および第3の配線部60は、第1の配線部40と同様に、銅の無電解メッキによって層状に形成されている。
このように、配線基板100は、4枚の基板層が積層された構成を有しており、ビア導体312(図3下段)、ビア導体314(図4上段)、ビア導体316(図5上段)、およびビア導体318(図6上段)から第1のビア導体31が構成され、ビア導体322(図3下段)、ビア導体324(図4上段)、ビア導体326(図5上段)、およびビア導体328(図6上段)から第2のビア導体32が構成されている。また、第1コイル要素72(図3中段)、ビア導体744(図4上段)、ビア導体746(図5上段)、および第2コイル要素76(図5下段)から、ロゴスキーコイル70のコイル部71が構成されている。
本実施形態におけるロゴスキーコイル70の環の中心とは、表面11と垂直方向から平面視でロゴスキーコイル70の最内周に位置する複数の第3のビア導体74を結ぶ仮想線で囲んだ図形の中心である。
また、計測端子82(図3上段)は、ビア導体862(図3下段)、ビア導体864(図4上段)、およびビア導体866(図5上段)を介して、コイル部71の一端となる第2コイル要素76と接続され、計測端子84(図3上段)は、ビア導体882(図3下段)、ビア導体884(図4上段)、を介して、戻り線78の一端と接続されている。計測端子82、84には、積分器(不図示)を含む信号処理回路が接続されており、後述するようにロゴスキーコイル70を用いて、主電流経路形成部20を流れる電流の電流値を計測することができる。
図7は、本実施形態の半導体モジュール1000における電流の流れを示す説明図である。図7では、電流の流れを明確に示すために、ハッチングを省略している。パワー半導体素子200がオン状態のとき、導通パッド302を介してパワー半導体素子200に供給された電流は、第3の配線部60、複数の第2のビア導体32、第1の配線部40、複数の第1のビア導体31,第2の配線部50の順に、主電流経路形成部20を流れ、導通ブロック306および導通パッド304を介して、出力端子に流れ込む。パワー半導体素子200をオンオフすると、第1のビア導体群30Fを流れる電流が変化する。本実施形態において、第1のビア導体群30Fは、ロゴスキーコイル70の環を貫通しているため(換言すると、ロゴスキーコイル70は第1のビア導体群30Fを取囲んでいるため)、第1のビア導体群30Fを流れる電流の変化量に相当する電圧信号が計測端子82、84を介して出力される。したがって、上述の通り、計測端子82、84に、積分器(不図示)を含む信号処理回路を接続して、パワー半導体素子200に対する主電流経路形成部20を流れる電流の電流値を計測することができる。
本実施形態において、配線基板100は、以下のように製造されている。まず、焼成前の以下の4種類の基板層を用意する。図3上段に示す第1の配線部40、計測端子82,84が形成されていない状態の第1基板層12(以下、この状態の第1基板層12を、第1基板層12Aと称する。)と、第2基板層14(図4)と、第3基板層16(図5)と、図6下段に示す第2の配線部50および第3の配線部60が形成されていない状態の第4基板層18(以下、この状態の第4基板層18を、第4基板層18Aと称する。)。
具体的には、以下の工程により、各基板層を作製する。アルミナ粉末を主成分とするセラミック材料を用いてグリーンシートを複数枚形成する。グリーンシートは、予め形成されていてもよい。グリーンシートに対し、レーザ加工を行って、所定の位置に複数の貫通孔を形成する。本実施形態では、以下の4種類の貫通孔形成パターンでレーザ加工が行われる。
[1]ビア導体862、ビア導体882、複数のビア導体312、複数のビア導体322(図3下段)が形成される複数の貫通孔
[2]ビア導体864、ビア導体884、複数のビア導体314、複数のビア導体324、複数のビア導体744(図4上段)が形成される複数の貫通孔
[3]ビア導体866、複数のビア導体316、複数のビア導体326、複数のビア導体746(図5上段)が形成される複数の貫通孔
[4]複数のビア導体318、複数のビア導体328(図6上段)が形成される複数の貫通孔
なお、貫通孔の形成は、パンチング加工、ドリル加工等によって行ってもよい。
その後、周知のペースト印刷装置を用い、各グリーンシートの貫通孔に導電性ペースト(本実施形態では、例えばタングステンペースト、モリブデンペースト)を充填し、上述の複数のビア導体となる未焼成のビア導体部を形成する。次に、各層の導体パターン72(図3中段)、78(図4下段)、76(図5下段)を形成し、焼成前の第1基板層12A、第2基板層14、第3基板層16、第4基板層18Aが作製される。
焼成前の第1基板層12A、第2基板層14、第3基板層16、第4基板層18Aを積層し、積層方向に押圧力を付与することにより、各基板層を圧着し、一体化された積層体を形成する。その後、積層体を脱脂し、さらに所定温度(例えば、約1400〜1600℃)で所定時間焼成を行う。その結果、グリーンシートのアルミナ及びペースト中のタングステンおよびモリブデンが同時焼成し、第1のビア導体群30F、第2のビア導体群30S、およびセラミック基板部10(図1,2)が形成される。その後、第1基板層12Aの上面121に図3上段に示す第1の配線部40、計測端子82、84を、電解メッキによって形成し、第4基板層18Aの下面182に図6下段に示す第2の配線部50および第3の配線部60を、電解メッキによって形成する。これにより、配線基板100が完成する。なお、電解メッキに換えて、銅ペーストの印刷をし加熱することによって形成する手法を採用してもよい。また、タングステン、モリブデン等の高融点の導電性ペーストの印刷後、グリーンシートと同時焼成させてもよい。本実施形態の配線基板100の製造方法として、配線基板100が複数繋がった多数個取り基板を作製し、最後に各配線基板100に分割する方法を採用してもよい。本実施形態では、4枚の基板層を積層して配線基板100を構成しているため、パワー半導体素子200に対する主電流経路形成部20と、ロゴスキーコイル70とを一体的に備える配線基板を容易に製造することができる。
図8は、複数の第1のビア導体31の配置を説明するための説明図である。第1のビア導体群30Fを構成する複数の第1のビア導体31は、5行×4列の格子状となるように配置されている。換言すると、複数の第1のビア導体31は、4行×3列の2次元正方格子の格子点に配置されている。本実施形態において。Y軸方向の格子点間隔La1、X軸方向の格子点間隔La2は、例えば、La1=La2=0.5mmである。
第1のビア導体31は、配線基板100の表面11に平行な断面形状が、直径Dの略真円形状を成す。上述の通り、第1のビア導体31は、第1の貫通孔21に充填されて形成されており、第1の貫通孔21は、レーザ加工により形成されているため、真円に対して少し歪みを有する場合がある。そのため、第1のビア導体31の断面形状を「略」真円形状と表現する。そして、円の中心を通り、両端点が円周上にある線分の長さを複数測定し、その長さが最長のものを、直径Dとする。図8では、第1のビア導体31の断面形状が真円の例を図示している。
本実施形態において、第1のビア導体31の直径Dは0.2mmである。第1のビア導体群30Fに含まれる20本の第1のビア導体31のうち、図面左上に配置されている第1のビア導体311に注目して、隣接する第1のビア導体31との距離について説明する。第1のビア導体31aの外周と、第1のビア導体31aとY軸マイナス方向に隣接する第1のビア導体31bの外周との距離L1は、格子点間隔La1−直径Dであり、0.3mmである。同様に、第1のビア導体31aの外周と、第1のビア導体31aとX軸プラス方向に隣接する第1のビア導体31cの外周との距離L2は、格子点間隔La2−直径Dであり、0.3mmである。また、第1のビア導体31aの外周と、第1のビア導体31aと単位格子の対角上にあり隣接する第1のビア導体31dの外周との距離L3は、格子点間隔La1/cos(45°)−直径Dであり、約0.5mmである。したがって、隣接する第1のビア導体31の外周間の距離であって、最も短い距離である最近接距離Lnは、Ln=L1=L2=0.3mmである。
第1のビア導体群30Fを構成する20本の第1のビア導体31の最外周に配置された第1のビア導体31の外周の最も外側の点を繋ぐことによって得られる仮想図形V(図8において破線で図示する)の面積は、約3.73mmである。
半導体モジュールを構成する配線基板では、半導体素子に対する主電流経路を構成するビア導体群の電気抵抗を小さくすることが要求される。ビア導体群の電気抵抗を小さくするためには、ビア導体群の断面積を大きくすることが考えられる。ロゴスキーコイルの環の中にビア導体群を配置する場合、ビア導体群が配置される面積も概ね定められるため、ビア導体群の低抵抗化のためにビア導体群の高密度化が望まれている。しかしながら、ビア導体群を高密度化すると、セラミック基板部とビア導体群とを同時焼成する場合には、セラミックとビア導体との収縮率や焼結開始時期等の違いから生じる応力歪み等によって、クラックが生じるおそれがある。これに対し、本実施形態の配線基板100では、第1のビア導体群30Fにおいて、適切な直径のビア導体が、適切な間隔を空けて配置されているため、セラミック基板部10と第1のビア導体31との同時焼成時の第1のビア導体31間のクラックの発生を抑制することができる。また、第2のビア導体群30Sを構成する複数の第2のビア導体32も、同様の直径Dおよび最近接距離Lnであり、同様に、同時焼成時の第2のビア導体32間のクラックの発生を抑制することができる。また、本実施形態における第1のビア導体群30Fの電気抵抗は、0.8mΩであり、低抵抗が実現されたといえる。なお、ビア導体の直径、および最近接距離と、クラックの発生の有無の関係を調べる評価試験について、後述する。
また、第1のビア導体31、第2のビア導体32、およびロゴスキーコイル70が、全て、タングステンおよびモリブデンを主成分とする高融点金属により形成されているため、アルミナ製のセラミック基板部10と同時焼成で形成することができ、容易かつ低コストで製造することができる。
上述の通り、第1のビア導体31および第2のビア導体32と、セラミック基板部10は同時焼成されており、焼成温度は、約1400〜1600℃である。上記実施形態において、セラミック基板部10と第1のビア導体31および第2のビア導体32の焼成収縮率の差は、1〜3%程度であり、さらに焼成開始温度の差は、200℃程度であるので、第1のビア導体31および第2のビア導体32と、セラミック基板部10とを同時焼成すると、その収縮率や焼結開始時期等の違いにより、クラックが生じる可能性がある。そのため、ビア導体の直径、および最近接距離と、クラックの発生の有無の関係を調べる評価試験を行った。ここで、焼成開始温度は、それぞれが収縮を開始した温度をいう。
[1]テストピース
図9は、テストピースTPの一例を示す平面図である。テストピースTPは、平面形状(XY平面)が略矩形状のセラミック基板部10Tと、複数(図9の例では、41本)のビア導体31Tで構成されるビア導体群30Tと、セラミック基板部10Tの表面に配置されている第1の配線部40Tと、セラミック基板部10Tの裏面に配置されている第2の配線部50T(不図示)と、を備える。ビア導体31Tの平面形状(XY平面)は、略真円計である。
図9において、破線で示す配置領域AT内に、ビア導体の直径Dと中心間距離Lcを変えて、複数のビアを配置して、14種類のテストピースを作製した(表1)。配置領域ATは、X軸方向の長さAWが4mm、Y軸方向の長さAHが7mmである。図9に示す例では、ビア導体31Tは、2次元正三角格子の格子点に配置されている。ビア導体31Tの中心間距離Lcは、格子点間距離La1と一致する。なお、格子点間距離La1=La2=La3である。テストピースTPでは、ビア導体31Tが格子点に配置されているため、格子の方向に隣接するビア導体31T間の距離は、等しい(L2=L3=L4)。Y軸方向に隣接するビア導体31T間の距離L1は、2×La1×cos(30°)−直径Dであり、L3より大きい。そのため、テストピースTPにおける最近接距離Lnは、格子の方向に隣接するビア導体31T間の距離となる。
表1は、ビア導体の直径D(mm)と中心間距離Lc(mm)の値を変えた際の最近接距離Ln(mm)との関係を示している。
Figure 2017157693
セラミック基板部10Tとビア導体31Tは、実施形態と同様の材料により形成されている。すなわち、セラミック基板部10と第1のビア導体31および第2のビア導体32の焼成収縮率の差は、1〜3%程度であり、さらに焼成開始温度の差は、200℃程度である。
テストピースTPは、配線基板100の製造方法と同様の方法で作製されている。すなわち、セラミック層とビア導体31Tは、焼成温度約1400〜1600℃で同時焼成されている。また、セラミック基板部10Tは、4枚の基板層が積層されて成る積層基板である。
[2.1]評価方法(クラック有無)
焼成後(第1の配線部40T,第2の配線部50Tの形成前)に、蛍光探傷法によりクラックの有無を確認した(表2)。ここで、蛍光探傷法とは以下の方法である。テストピースTPを、蛍光探傷液の入った容器に浸漬し、容器ごと真空脱泡装置中で10Pa以下に減圧し、数分間放置する。放置の後、テストピースTPを蛍光探傷液より取り出し、その表面のみをエタノールのついた布にて拭取る。得られたテストピースTPをUVライトの元で光学顕微鏡を用いて20倍にて観察し、クラックに進入した蛍光探傷液の発光の有無を確認する。蛍光探傷液の発光がある場合は、クラック有とした。
Figure 2017157693
中心間距離Lcが同じでも、直径Dによって最近接距離Lnは異なる。クラックの発生の有無は、最近接距離Lnと関係があると考え、表1と表2に示した結果を、直径Dと最近接距離Lnとの関係に整理した(表3)。
Figure 2017157693
表3に示すように、0.2mm≦直径D<0.5mm、かつ0.2mm<最近接距離Ln≦0.5mmの範囲では、クラックの発生が認められなかった。その範囲を、表3において、二重線枠で囲んで示す。
この評価結果から、ビア導体31Tの直径Dが、0.2mm≦直径D<0.5mmであり、かつ最近接距離Lnが、0.25mm≦Ln≦0.50mmの場合に、同時焼成後のクラックの発生を抑制することができると考えられる。
[2.2]評価方法(電気抵抗)
次に、上述のテストピースTPを用いて、電気抵抗[mΩ]を測定した。
図10は、電気抵抗の測定方法を説明するための説明図である。図10では、テストピースTPとして、図9に表示したテストピースTPのA−A切断面を図示している。テストピースTPにおいて、セラミック基板部10Tの厚さ(Z軸方向)は、1mm,第1の配線部40Tおよび第2の配線部50Tの厚さ(Z軸方向)は、それぞれ、0.1mmである。また、ビア導体31Tは、配置領域ATの中に、表2に示した直径Dおよび中心間距離Lcで形成されており、その本数は、表4に示す通りである。
ミリオームテスターMT(日置電気製 ミリオームハイテスタ3227)を用いて、電流印加プローブP1およびプローブP2を介して、第1の配線部40T,第2の配線部50T間に0.1A(アンペア)の電流を印加して、抵抗値(mΩ)を測定した(表5)。
Figure 2017157693
Figure 2017157693
表4,5に示すように、ビア導体31Tの本数が同じでも、直径Dが大きいほど、電気抵抗が小さい。また、ビア導体31Tの直径が同じでも、最近接距離Lnが大きいほど抵抗が大きくなる。これは、最近接距離Lnを大きくすると、配置領域AT内に配置されるビア導体31Tの本数が減るため、ビア導体群30Tの断面積が小さくなるからである。表5に示すように、配置領域AT内に、ビア導体31Tの直径Dが、0.2mm≦直径D<0.5mmであり、かつ最近接距離Lnが、0.25mm≦Ln≦0.50mmでビア導体31Tを配置した場合のビア導体群30Tの電気抵抗は1mΩより小さい。半導体が実装される配線基板は、配線の電気抵抗が小さい方が好ましい。電気抵抗の要求値は、製品によって異なるものの、1つのビア導体群の電気抵抗は、1mΩ未満が好ましい。
ロゴスキーコイルを備える配線基板の場合、ロゴスキーコイルの環の大きさによって、ビアを配置できる面積が決まる。そのため、その面積内に、ビア導体の直径Dを0.2mm≦D<0.5mmとし、かつ最近接距離Lnを、0.25mm≦Ln≦0.50mmとし、ビア導体群の電気抵抗Rは、R<1mΩとなるように、ビア導体の本数を決定すると、セラミック基板部のクラックの発生を抑制すると共に、低抵抗化を実現することができる。すなわち、第1のビア導体31の本数は、上記実施形態に限定されない。但し、第1のビア導体31の本数は、20本以上が好ましい。
以下、図11、12を参照して、第1のビア導体群30Fの他の例について説明する。
図11は、他の例(1)の第1のビア導体群30FAを示す説明図である。
第1のビア導体群30FAを構成する複数の第1のビア導体31は、5行×4列の格子状となるように配置されている。換言すると、複数の第1のビア導体31は、4行×3列の2次元矩形格子の格子点に配置されている。図11の例では、例えば、Y軸方向の格子点間隔La1は、0.45mm、X軸方向の格子点間隔La2は、0.5mmである。
図11では、第1のビア導体31の断面形状が真円の例を図示している。図11の例において、第1のビア導体31の直径D=0.2mmである。第1のビア導体群30FAに含まれる20本の第1のビア導体31のうち、図面左上に配置されている第1のビア導体31aに注目して、隣接する第1のビア導体31との距離について説明する。第1のビア導体31aの外周と、第1のビア導体31aとY軸マイナス方向に隣接するビア導体31bの外周との距離L1は、格子点間隔La1−直径Dであり、0.25mmである。同様に、第1のビア導体31aの外周と、第1のビア導体31aとX軸プラス方向に隣接する第1のビア導体31cの外周との距離L2は、格子点間隔La2−直径Dであり、0.3mmである。また、第1のビア導体31aの外周と、第1のビア導体31aと単位格子の対角上にあり隣接する第1のビア導体31dの外周との距離L3は、距離L1および距離L2より長い。したがって、隣接する第1のビア導体31の外周間の距離であって、最も短い距離である最近接距離Lnは、L1であり、0.25mmである。このようにしても、セラミック基板部とビア導体との同時焼成時のセラミック基板部のクラックの発生を抑制することができる。
図12は、他の例(2)の第1のビア導体群30FBを示す説明図である。
第1のビア導体群30FBを構成する複数の第1のビア導体31Bは、第1のビア導体群30Fと同様に、5行×4列の格子状となるように配置されている。換言すると、複数の第1のビア導体31Bは、4行×3列の2次元正方格子の格子点に配置されている。格子点間隔は、第1のビア導体群30Fと同一である。
図12の例では、第1のビア導体31Bの断面形状が、楕円の例を図示している。第1のビア導体群30FBに含まれる20本の第1のビア導体31Bのうち、図面左上に配置されている第1のビア導体31aBに注目して、隣接する第1のビア導体31Bとの距離について説明する。第1のビア導体31aBの外周と、第1のビア導体31aBとY軸マイナス方向に隣接するビア導体31bBの外周との距離L1は、格子点間隔La1−長径D1である。同様に、第1のビア導体31aBの外周と、第1のビア導体31aBとX軸プラス方向に隣接する第1のビア導体31cBの外周との距離L2は、格子点間隔La2−短径D2である。また、第1のビア導体31aBの外周と、第1のビア導体31aBと単位格子の対角上にあり隣接する第1のビア導体31dBの外周との距離L3は、L1,L2より長い。すなわち、異なる方向に隣接する第1のビア導体31Bの外周間の距離は、L1<L2<L3である。したがって、隣接する第1のビア導体31Bの外周間の距離であって、最も短い距離である最近接距離Lnは、L1である。この例の場合にも、0.2mm≦長径<0.5mmであり、0.25mm≦最近接距離Ln≦0.50mmにすると、セラミック基板部とビア導体との同時焼成時のセラミック基板部のクラックの発生を抑制することができる。なお、図12の例では、第1のビア導体31Bの本数が20本の例を図示しているが、第1のビア導体31Bの本数は、第1のビア導体群30FBの電気抵抗RがR<1mΩになるように適宜変更可能である。なお、この例において、第1のビア導体31Bの断面形状の楕円の長径D1が、請求項における直径に相当する。
B.変形例:
本発明は、例えば、次のような変形も可能である。
(1) 上記実施形態において、パワー半導体素子200と、出力端子間に配置される主電流経路形成部20を備える配線基板100を例示したが、主電流経路形成部20は、パワー半導体素子200に対する主電流経路を形成すればよい。例えば、2つのパワー半導体素子間の主電流経路を形成する主電流経路形成部を備える配線基板として構成してもよい。
(2) 上記実施形態において、1つのパワー半導体素子200に対する1つの主電流経路形成部20と、主電流経路形成部20を流れる電流の電流値を計測するためのロゴスキーコイル70を1つ備える配線基板を例示したが、複数のパワー半導体素子に対する複数の主電流経路形成部を備える構成にしてもよい。主電流経路形成部を複数備える場合に、主電流経路形成部を流れる電流の電流値を計測するためのロゴスキーコイルを複数備える構成にしてもよい。
(3) 上記実施形態では、配線基板100が第1のビア導体群30Fと第2のビア導体群30Sとを備える例を示したが、第2のビア導体群30Sを備えない構成にしてもよい。その場合、例えば、第2の配線部50にパワー半導体素子200が接合され、第1の配線部40が外部端子と接続されてもよい。
(4) 上記実施形態では、配線基板100として、4層から成る積層基板(多層基板)を例示したが、5層以上の層を有する積層基板であってもよい。
(5) ロゴスキーコイル70は、少なくとも一部がセラミック基板部10に埋設されていればよい。例えば、第1コイル要素72がセラミック基板部10の表面11に形成されてもよいし、第2コイル要素76がセラミック基板部10の裏面19に形成されてもよい。
(6) セラミック基板部10、第1のビア導体31、および第2のビア導体32を形成する材料は、上記実施形態に限定されない。セラミック基板部10を形成する材料の熱膨張係数がビア導体31,32を形成する材料の焼成収縮率や焼結開始温度が異なる(例えば、焼成収縮率の差が、1〜3%、焼結開始温度の差が200℃)場合に、ビア導体の直径(または長径)Dを、0.2mm≦D<0.5mmとし、複数のビア導体間の最近接距離Lnを、0.25mm≦Ln≦0.50mmとすると、同時焼成時のクラックを抑制することができる。
(7)第1のビア導体群30Fの最外周に位置する複数の第1ビア導体を結んだ仮想線により形成された仮想図形Vの形状は、長方形に限定されず、正方形、平行四辺形等他の矩形(角丸を含む)、円形(楕円,オーバル形状を含む)等、種々の形状に変更可能である。また、仮想図形Vの面積は、上記実施形態に限定されない。但し、30mm以下にすると、第1のビア導体群を取囲むロゴスキーコイルの大きさを小さくすることができ、配線基板を小型化することができる。
(8)第1のビア導体群30Fを構成する第1のビア導体31の配置は上記実施形態に限定されない。例えば、斜方格子、平行体格子の格子点、等間隔の同心円状等に配置されてもよい。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10,10T…セラミック基板部
11…表面
12…第1基板層
14…第2基板層
16…第3基板層
18…第4基板層
19…裏面
20…主電流経路形成部
21…第1の貫通孔
22…第2の貫通孔
30F,30FA,30FB…第1のビア導体群
30S…第2のビア導体群
30T…ビア導体群
31,31B…第1のビア導体
31T…ビア導体
32…第2のビア導体
40…第1の配線部,40T…第1の配線部
50…第2の配線部,50T…第2の配線部
60…第3の配線部
70…ロゴスキーコイル
71…コイル部
72…第1コイル要素
74…第3のビア導体
76…第2コイル要素
76P…第2コイル要素
78…戻り線
82…計測端子
84…計測端子
86…端子接続部
88…端子接続部
100…配線基板
200…パワー半導体素子
201…カソード電極
210…接合材
300…放熱基板
302…導通パッド
304…導通パッド
306…導通ブロック
311,311B…第1のビア導体
312,314,316,318,322,324,326,328,744,744P,746,862,864,866,882,884…ビア導体
1000…半導体モジュール
MT…ミリオームテスター
P1,P2…電流印加プローブ
R…電気抵抗
TP…テストピース
V…仮想図形

Claims (5)

  1. 表面と裏面とを備える板状のセラミック基板部と、
    前記表面に配置された第1の配線部と、
    前記裏面に配置された第2の配線部と、
    前記表面と前記裏面とを連通する複数の第1の貫通孔内に配置され、前記第1の配線部と前記第2の配線部とを電気的に接続する複数の第1のビア導体を含む第1のビア導体群と、
    前記セラミック基板部の内部に少なくとも一部が埋設され、前記第1のビア導体群を取囲むロゴスキーコイルと、
    を備え、
    前記複数の第1のビア導体は、それぞれ、前記表面に平行な切断面における断面形状が直径Dの略円形であって、0.2mm≦D<0.5mmであり、
    隣接する前記複数の第1のビア導体の外周間の距離であって、最も短い距離である最近接距離Lnは、0.25mm≦Ln≦0.50mmであり、
    前記第1のビア導体群の電気抵抗Rは、R<1mΩである、配線基板。
  2. 請求項1に記載の配線基板において、
    前記第1のビア導体群の最外周に配置された前記第1のビア導体の外周の最も外側の点を繋ぐとこによって得られる仮想図形の面積は、30mm以下である、配線基板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の配線基板において、
    前記セラミック基板部の前記裏面に配置された第3の配線部と、
    前記表面と前記裏面とを連通する複数の第2の貫通孔内に配置され、前記第1の配線部と前記第3の配線部とを電気的に接続する複数の第2のビア導体を含む第2のビア導体群と、
    を備える、配線基板。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の配線基板において、
    前記第1のビア導体群および前記ロゴスキーコイルは、タングステンおよびモリブデンのうち、少なくとも一方を含む金属により形成されている、配線基板。
  5. 請求項3に記載の配線基板において、
    前記第1のビア導体群、前記第2のビア導体群、および前記ロゴスキーコイルは、タングステンおよびモリブデンのうち、少なくとも一方を含む金属により形成されている、配線基板。
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