JP2017156616A - 蛍光ホイール、光源装置およびプロジェクタ - Google Patents

蛍光ホイール、光源装置およびプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】装置の大型化やコスト増を招くことがなく、蛍光体が形成された部分の温度上昇を抑制することができる蛍光ホイールを提供する。
【解決手段】蛍光ホイールは、回転可能な基板10と、基板10上に形成された蛍光層22と、蛍光層22と基板10との間に設けられた色分離膜21と、蛍光層22の基板10側とは反対側の面に設けられた色分離膜23と、を有する。蛍光層22は、励起光により励起されて複数の色成分を含む蛍光を発光する蛍光体を含む。色分離膜21、23は、一方の膜が、複数の色成分のうち所定の色成分を反射し、所定の色成分以外を透過し、他方の膜が、複数の色成分のうち所定の色成分を透過し、所定の色成分以外を反射するように構成されている。色分離膜21は、励起光を反射し、色分離膜23は、励起光を透過する。
【選択図】図2

Description

本発明は、蛍光ホイール、光源装置およびプロジェクタに関する。
回転機構を備えた円板上に蛍光体層を設けた蛍光ホイールを2次光源として用いたプロジェクタが知られている。
例えば、1−Chip DLPに代表される、単一の表示素子を備えた単板型のプロジェクタにおいては、複数の色光を順次射出する蛍光ホイールが用いられ、蛍光ホイールからの各色光が表示素子に順次照射される。
単板型のプロジェクタに適用可能な蛍光ホイールとして、例えば、特許文献1に記載された蛍光ホイールがある。この蛍光ホイールは、周方向に第1乃至第3のセグメントに区画された回転可能な基板を備える。基板面には、可視光を反射する反射膜が形成されている。赤色の蛍光を発する赤色蛍光体が第1のセグメントに形成され、緑色の蛍光を発する緑色蛍光体が第2のセグメントに形成されている。第3のセグメントには、蛍光体が形成されておらず、反射膜が露出している。基板を回転させて青色レーザー光を各セグメントに照射することで、赤色蛍光、緑色蛍光、青色光を順次発生することができる。
一般に、赤色、緑色、青色、黄色など、様々な色の蛍光体があるが、これら蛍光体のうち、赤色蛍光体の発光効率は他の色の蛍光体に比べて低い。このため、上記の蛍光ホイールにおいて、第1乃至第3のセグメントの周方向における面積の割合を同じにすると、赤色光、緑色光および青色光を時間的に順次重ねて合成したときの色味が白色にならない。そこで、上記の蛍光ホイールでは、赤色蛍光体が形成される第1のセグメントの周方向における面積の割合を他のセグメントよりも大きくすることで白色を得ている。
しかし、発光効率の低い赤色蛍光体を基準にして各セグメントの周方向の面積の割合を設定した蛍光ホイールにおいて、赤色光、緑色光および青色光を時間的に順次重ねて合成したときのカラーブライトネスを高くすることは困難である。
そこで、カラーブライトネスを大きくするために、赤色蛍光体に代えて発光効率の良い黄色蛍光体を備えた蛍光ホイールが提案されている。この黄色蛍光体を備えた蛍光ホイールを用いる場合は、黄色蛍光体が発した黄色蛍光の赤色成分光のみを透過する色分離膜が用いられる。
例えば、黄色蛍光体を備えた蛍光ホイールと、この蛍光ホイールと連動して回転する、赤色フィルタを備えたカラーホイールとを組み合わせる方法が知られている(特許文献2参照)。蛍光ホイールからの黄色蛍光、緑色蛍光、青色光が順次、カラーホイールに照射される。黄色蛍光は赤色フィルタに入射し、黄色蛍光の赤色成分のみが赤色フィルタを通過する。緑色蛍光および青色光は、そのまま赤色フィルタ以外の領域を透過する。
別の方法として、蛍光ホイールの黄色蛍光体が形成されたセグメント上に、黄色蛍光の赤色成分光を取り出すための色分離膜を形成する方法が知られている(特許文献2参照)。色分離膜は、励起光である青色光を透過し、黄色蛍光のうち赤色成分を透過し、赤色成分以外の色成分(緑色成分など)を反射する。黄色蛍光体からの黄色蛍光は色分離膜に入射する。黄色蛍光は赤色成分及び緑色成分を含む。赤色成分の光は、色分離膜を透過するが、緑色成分の光は、色分離膜によって反射される。
特開2012−133337号公報 特開2014−160277号公報
しかしながら、蛍光ホイールとカラーホイールとを組み合わせる方法においては、蛍光ホイールとは別に、カラーホイールとカラーホイールを回転させるモーターとを設ける必要があるため、装置が大型化し、コストも増大する。
また、黄色蛍光体が形成されたセグメント上に色分離膜を形成する方法においては、黄色蛍光の緑色成分(不要光)が、色分離膜と基板側の反射膜との間で反射を繰り返す。この不要光の多重反射過程において、色分離膜、反射膜及び黄色蛍光体は不要光の一部を吸収して発熱し、その結果、セグメント部の温度上昇により黄色蛍光体の発光効率が低下する温度消光が生じる。
本発明の目的は、装置の大型化やコスト増を招くことがなく、蛍光体が形成された部分の温度上昇を抑制することができる蛍光ホイール、およびそれを用いた光源装置およびプロジェクタを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、
回転可能な基板と、
前記基板上に形成された第1の蛍光体部と、
前記第1の蛍光体部と前記基板との間に設けられた第1の色分離膜と、
前記第1の蛍光体部の前記基板側とは反対側の面に設けられた第2の色分離膜と、を有し、
前記第1の蛍光体部は、励起光により励起されて複数の色成分を含む第1の蛍光を発光する第1の蛍光体を含み、
前記第1および第2の色分離膜は、一方の膜が、前記複数の色成分のうち所定の色成分を反射し、前記所定の色成分以外を透過し、他方の膜が、前記複数の色成分のうち前記所定の色成分を透過し、前記所定の色成分以外を反射するように構成され、
前記第1の色分離膜は、前記励起光を反射し、
前記第2の色分離膜は、前記励起光を透過する、蛍光ホイールが提供される。
本発明の別の態様によれば、上記蛍光ホイールと、
励起光を出力する励起光源と、を有し、
前記蛍光ホイールは、回転した状態で用いられて色光を射出する、光源装置が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、上記光源装置と、
前記光源装置より出力された色光に基づく画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で形成された画像をスクリーン上に投射する投射光学系と、を有するプロジェクタが提供される。
本発明によれば、装置の大型化やコスト増を招くことがなく、蛍光体が形成された部分の温度上昇を抑制することができる。
本発明の第1の実施形態による蛍光ホイールの構成を示す模式図である。 図1に示す蛍光ホイールの赤セグメントの断面構造を示す模式図である。 図1に示す蛍光ホイールの緑セグメントの断面構造を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態による蛍光ホイールの構成を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態による蛍光ホイールの構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態による光源ユニットの構成を示す模式図である。 本発明の別の実施形態による光源ユニットの構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態によるプロジェクタの構成を示す模式図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による蛍光ホイールの構成を示す模式図である。
図1を参照すると、蛍光ホイール1は、回転可能な円形基板10と、円形基板10上に形成された、赤セグメント11R、緑セグメント11G及び青セグメント11Bとを有する。赤セグメント11R、緑セグメント11G及び青セグメント11Bは、周方向に沿って隣接して設けられている。
円形基板10は、赤、緑、青の各色の波長域の光を透過する透過特性を有する材料(例えばサファイヤやガラス素材など)より形成される。図1には示されていないが、蛍光ホイール1には、円形基板10の中心部を支持し、中心部を回転中心として円形基板10を回転する回転モーターが設けられている。
青セグメント11Bには、蛍光体は形成されておらず、円形基板10の基板面が露出している。なお、青セグメント11Bにおいて、露出した基板面に、少なくとも青色の波長域の光を反射する反射膜が形成されてもよい。
図2に、赤セグメント11Rの断面構造を模式的に示す。図2に示すように、赤セグメント11Rは、円形基板10の一方の面である第1の面上に、接着層20、色分離膜21、黄色蛍光層22、色分離膜23をこの順番で積層した構造を有する。青色励起光L1は、色分離膜23側から赤セグメント11Rに入射する。
黄色蛍光層22は、青色励起光L1により励起されて黄色の蛍光を放出する蛍光体(黄色蛍光体)を含む。黄色蛍光層22では、青色励起光L1により励起された蛍光体より全方位方向に黄色の蛍光が放出される。黄色の蛍光は、2つ以上の色光に分離可能な蛍光であって、赤色成分と緑色成分を含む。図2中、赤色成分の光を符号L2で示し、緑色成分の光を符号L3で示している。青色励起光L1の一部は、黄色蛍光体の励起には寄与せず、黄色蛍光層22を透過して色分離膜21に入射する。
色分離膜21は、黄色蛍光層22の円形基板10側の面(裏面)に形成されている。色分離膜21は、緑色の波長域の光を透過し、青色の波長域の光および赤色の波長域の光を反射する透過/反射特性を有する。例えば、色分離膜21は、ダイクロイックミラーより構成されてもよい。
色分離膜23は、黄色蛍光層22の円形基板10側とは反対側の面(表面)に形成されている。色分離膜23は、緑色の波長域の光を反射し、青色の波長域の光および赤色の波長域の光を透過する透過/反射特性を有する。例えば、色分離膜23は、ダイクロイックミラーより構成されてもよい。
接着層20は、色分離膜21を円形基板10の第1の面に接着固定させるためのものである。接着層20は、可視光のうちの少なくとも緑色の波長域の光を透過する透過特性を有する接着材料よりなる。
上記の赤セグメント11Rにおいて、青色励起光L1は、色分離膜23を透過して黄色蛍光層22に入射する。黄色蛍光層22では、青色励起光L1によって励起された黄色蛍光体より、赤色成分光L2および緑色成分光L3を含む黄色の蛍光が全方位方向に放出される。
黄色蛍光層22の表面側に向かう赤色成分光L2および緑色成分光L3は、色分離膜23に入射する。赤色成分光L2は色分離膜23を透過し、緑色成分光L3は色分離膜23によって黄色蛍光層22側に向けて反射される。
黄色蛍光層22の裏面側に向かう赤色成分光L2および緑色成分光L3は、色分離膜21に入射する。緑色成分光L3は色分離膜21を透過し、赤色成分光L2は色分離膜21によって黄色蛍光層22側に向けて反射される。色分離膜21を透過した緑色成分光L3は、接着層20および円形基板10をそれぞれ透過する。
青色励起光L1の一部は、黄色蛍光体の励起には寄与せず、黄色蛍光層22を透過して色分離膜21に入射する。青色励起光L1は、色分離膜21によって黄色蛍光層22側に向けて反射される。色分離膜21からの青色反射光によって黄色蛍光体が励起される。なお、色分離膜21からの青色反射光の一部が、黄色蛍光体の励起には寄与せず、黄色蛍光層22を透過して色分離膜31より射出される場合もある。
図3に、緑セグメント11Gの断面構造を模式的に示す。図3に示すように、緑セグメント11Gは、円形基板10の第1の面上に、接着層30、色分離膜31、黄色蛍光層32、色分離膜33をこの順番で積層した構造を有する。青色励起光L1は、色分離膜33側から緑セグメント11Gに入射する。
黄色蛍光層32は、青色励起光L1により励起されて黄色の蛍光を放出する黄色蛍光体を含む。黄色蛍光層22と同様、黄色蛍光層32においても、青色励起光L1により励起された蛍光体より全方位方向に黄色の蛍光が放出される。黄色の蛍光は、赤色成分と緑色成分を含む。図3中、赤色成分の光を符号L4で示し、緑色成分の光を符号L5で示している。青色励起光L1の一部は、黄色蛍光体の励起には寄与せず、黄色蛍光層32を透過して色分離膜31に入射する。なお、黄色蛍光層22、32は、黄色蛍光体が形成された単一の蛍光層であってもよい。
色分離膜31は、黄色蛍光層32の円形基板10側の面(裏面)に形成されている。色分離膜31は、赤色の波長域の光を透過し、青色の波長域の光および緑色の波長域の光を反射する透過/反射特性を有する。例えば、色分離膜31は、ダイクロイックミラーより構成されてもよい。
色分離膜33は、黄色蛍光層22の円形基板10側とは反対側の面(表面)に形成されている。色分離膜33は、赤色の波長域の光を反射し、青色の波長域の光および緑色の波長域の光を透過する透過/反射特性を有する。例えば、色分離膜33は、ダイクロイックミラーより構成されてもよい。
接着層30は、色分離膜31を円形基板10の第1の面に接着固定させるためのものである。接着層30は、可視光のうちの少なくとも赤色の波長域の光を透過する透過特性を有する接着材料よりなる。接着層30は、接着層20と同じ材料で形成されてもよい。この場合は、接着層20、30はいずれも可視光のうち少なくとも赤色の波長域の光および緑色の波長域の光を透過する。
上記の緑セグメント11Gにおいて、青色励起光L1は、色分離膜33を透過して黄色蛍光層32に入射する。黄色蛍光層32では、青色励起光L1によって励起された黄色蛍光体より、赤色成分光L4および緑色成分光L5を含む黄色の蛍光が全方位方向に放出される。
黄色蛍光層32の表面側に向かう赤色成分光L4および緑色成分光L5は、色分離膜33に入射する。緑色成分光L5は色分離膜33を透過し、赤色成分光L4は色分離膜33によって黄色蛍光層32側に向けて反射される。
黄色蛍光層32の裏面側に向かう赤色成分光L4および緑色成分光L5は、色分離膜31に入射する。赤色成分光L2は色分離膜31を透過し、緑色成分光L5は色分離膜31によって黄色蛍光層32側に向けて反射される。色分離膜31を透過した赤色成分光L2は、接着層30および円形基板10をそれぞれ透過する。
青色励起光L1の一部は、黄色蛍光体の励起には寄与せず、黄色蛍光層32を透過して色分離膜31に入射する。青色励起光L1は、色分離膜31によって黄色蛍光層32側に向けて反射される。色分離膜31からの青色反射光によって黄色蛍光体が励起される。なお、色分離膜21からの青色反射光の一部が、黄色蛍光体の励起には寄与せず、黄色蛍光層32を透過して色分離膜33より射出される場合もある。
本実施形態の蛍光ホイール1によれば、青色励起光L1が赤セグメント11Rに照射されると、黄色蛍光層22において、青色励起光L1によって励起された黄色蛍光体より、赤色成分光L2および緑色成分光L3を含む黄色蛍光が全方位方向に放出される。
赤色成分光L2は、直接、または、色分離膜21にて反射された後、色分離膜23を透過する。色分離膜23を透過した赤色成分光L2が、赤セグメント11Rの出力光である。
一方、緑色成分光L3は、赤セグメント11Rの出力光として用いることができない不要光である。緑色成分光L3は、直接、または、色分離膜23にて反射された後、色分離膜21、接着層20および回転基板10をそれぞれ透過する。この場合、緑色成分光L3の多重反射は生じない。よって、色分離膜21、23、黄色蛍光層22、接着層20および回転基板10からなる部分が、緑色成分光L3をわずかに吸収するとしても、その吸収によって生じる発熱量は僅かである。
青色励起光L1が緑セグメント11Gに照射されると、黄色蛍光層32において、青色励起光L1によって励起された黄色蛍光体より、赤色成分光L4および緑色成分光L5を含む黄色蛍光が全方位方向に放出される。
緑色成分光L5は、直接、または、色分離膜31にて反射された後、色分離膜33を透過する。色分離膜33を透過した緑色成分光L5が、緑セグメント11Gの出力光である。
一方、赤色成分光L4は、緑セグメント11Gの出力光として用いることができない不要光である。赤色成分光L4は、直接、または、色分離膜33にて反射された後、色分離膜31、接着層30および回転基板10をそれぞれ透過する。この場合、赤色成分光L4の多重反射は生じない。よって、色分離膜31、33、黄色蛍光層32、接着層30および回転基板10からなる部分が、赤色成分光L4をわずかに吸収するとしても、その吸収によって生じる発熱量は僅かである。
青色励起光L1が青セグメント11Bに照射されると、青セグメント11Bでは、青色励起光L1は、回転基板10を透過する。この回転基板10を透過した青色光が、青セグメント11Bの出力光である。なお、青セグメント11Bに反射膜が形成されている場合は、青色励起光L1は反射膜によって反射される。この場合は、反射膜からの青色反射光が青セグメント11Bの出力光である。
(第2の実施形態)
第1の実施形態の蛍光ホイールは反射型のものであるが、本実施形態の蛍光ホイールは透過型のものである。本実施形態の蛍光ホイールは、第1の実施形態の蛍光ホイールと同様の構造であるが、色分離膜21、23、31、33および接着層20、30の透過/反射特性が第1の実施形態と異なる。
本実施形態では、赤セグメント11Rにおいて、色分離膜21は、赤色の波長域の光を透過し、青色の波長域の光および緑色の波長域の光を反射する透過/反射特性を有する。色分離膜23は、青色の波長域の光および緑色の波長域の光を透過し、赤色の波長域の光を反射する透過/反射特性を有する。接着層20は、可視光のうちの少なくとも赤色の波長域の光を透過する透過特性を有する接着材料よりなる。
緑セグメント11Gにおいて、色分離膜31は、緑色の波長域の光を透過し、青色の波長域の光および赤色の波長域の光を反射する透過/反射特性を有する。色分離膜33は、青色の波長域の光および赤色の波長域の光を透過し、緑色の波長域の光を反射する透過/反射特性を有する。接着層30は、可視光のうちの少なくとも緑色の波長域の光を透過する透過特性を有する接着材料よりなる。接着層30は、接着層20と同じ材料で形成されてもよい。この場合は、接着層20、30はいずれも可視光のうち少なくとも緑色の波長域の光および赤色の波長域の光を透過する。
本実施形態の蛍光ホイールによれば、青色励起光L1が赤セグメント11Rに照射されると、黄色蛍光層22において、青色励起光L1によって励起された黄色蛍光体より、赤色成分光L2および緑色成分光L3を含む黄色蛍光が全方位方向に放出される。
赤色成分光L2は、直接、または、色分離膜23にて反射された後、色分離膜21を透過する。色分離膜21を透過した赤色成分光L2は、接着層20および回転基板10を透過する。接着層20および回転基板10を透過した赤色成分光L2が、赤セグメント11Rの出力光である。
一方、赤セグメント11Rの出力光として用いることができない不要光である緑色成分光L3は、直接、または、色分離膜21にて反射された後、色分離膜23を透過する。この場合、緑色成分光L3の多重反射は生じない。よって、色分離膜21、23、黄色蛍光層22、接着層20および回転基板10からなる部分が、緑色成分光L3をわずかに吸収するとしても、その吸収によって生じる発熱量は僅かである。
青色励起光L1が緑セグメント11Gに照射されると、黄色蛍光層32において、青色励起光L1によって励起された黄色蛍光体より、赤色成分光L4および緑色成分光L5を含む黄色蛍光が全方位方向に放出される。
緑色成分光L5は、直接、または、色分離膜33にて反射された後、色分離膜31を透過する。色分離膜31を透過した緑色成分光L5は、接着層30および回転基板10を透過する。接着層30および回転基板10を透過した緑色成分光L5が、緑セグメント11Gの出力光である。
一方、緑セグメント11Gの出力光として用いることができない不要光である赤色成分光L4は、直接、または、色分離膜31にて反射された後、色分離膜33を透過する。この場合、赤色成分光L4の多重反射は生じない。よって、色分離膜31、33、黄色蛍光層32、接着層30および回転基板10からなる部分が、赤色成分光L4をわずかに吸収するとしても、その吸収によって生じる発熱量は僅かである。
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態による蛍光ホイールの構成を示す模式図である。
本実施形態の蛍光ホイールは、緑セグメント11Gに代えて、緑セグメント11G−1を備える点が第1の実施形態のものと異なる。緑セグメント11G−1以外の構成は、第1の実施形態と同様のものであり、同じ符号を付している。
図4に示すように、蛍光ホイール1aは、円形基板10の第1の面上に赤セグメント11R、緑セグメント11G−1および青セグメント11Bが周方向に沿って形成されている。赤セグメント11Rおよび青セグメント11Bは、第1の実施形態で説明したものと同じである。
緑セグメント11G−1は、円形基板10の第1の面上に、緑色の蛍光を放出する蛍光体を含む緑色蛍光層を形成したものである。青色励起光によって励起された緑色蛍光体より緑色の蛍光が全方位方向に放出される。緑色蛍光層と第1の面の間に、青色の波長域の光および緑色の波長域の光を反射する反射膜が形成されてもよい。
緑色蛍光体の発光効率は、黄色蛍光体の発光効率より良いので、緑セグメント11G−1より射出される緑色光の輝度は、図1に示した蛍光ホイール1の緑セグメント11Gより射出される緑色光の輝度よりも高い。よって、第1の実施形態と比較して、蛍光ホイール1aからの赤色光、緑色光および青色光を時間的に順次重ねて合成したときのカラーブライトネスを高くすることが可能である。
なお、本実施形態の蛍光ホイール1aにおいて、第2の実施形態で説明した透過型の構造を適用することができる。この場合、緑セグメント11G−1において、緑色蛍光層の基板側とは反対側の面(表面)に、青色の波長域の光を透過し、緑色の波長域の光を反射する色分離膜が形成されてもよい。
(第4の実施形態)
図5は、本発明の第4の実施形態による蛍光ホイールの構成を示す模式図である。
図5を参照すると、蛍光ホイール1bは、円形基板10の第1の面上に赤セグメント11R、黄色セグメント11Y、緑セグメント11G−2および青セグメント11Bが周方向に沿って形成されている。赤セグメント11Rおよび青セグメント11Bは、第1の実施形態で説明したものである。
緑セグメント11G−2は、図1に示した緑セグメント11Gと同じ構造であるが、周方向の長さが緑セグメント11Gよりも短い。
黄色セグメント11Yは、円形基板10の第1の面上に、黄色の蛍光を放出する蛍光体を含む黄色蛍光層を形成したものである。黄色蛍光層の円形基板10側の面(裏面)には、可視光を反射する反射膜(または金属の反射面)が形成されている。黄色蛍光層の円形基板10側とは反対側の面(表面)には、反射防止膜(ARコート)が形成されている。
青色励起光が黄色セグメント11Yに照射されると、青色励起光によって励起された黄色蛍光体より黄色の蛍光が全方位方向に放出される。黄色の蛍光は、黄色蛍光層の表面より射出される。
本実施形態の蛍光ホイール1bによれば、回転基板10を回転した状態で青色励起光が赤セグメント11R、黄色セグメント11Y、緑セグメント11G−2および青セグメント11Bに順次照射される。蛍光ホイール1bから、赤色光、黄色光、緑色光および青色光が順次射出される。これら赤色光、緑色光および青色光に黄色光を加えることで、第1の実施形態と比較して、カラーブライトネスを高くすることができる。
なお、本実施形態の蛍光ホイール1bにおいて、緑セグメント11G−2に、第3の実施形態で説明した緑セグメント11G−1の構成を適用してもよい。
また、本実施形態の蛍光ホイール1bにおいて、第2の実施形態で説明した透過型の構造を適用することができる。この場合は、黄色セグメント11Yは、黄色蛍光層と、黄色蛍光層の表面に形成された第1の色分離膜と、黄色蛍光層の裏面に形成された第2の色分離膜とを有する。第1の色分離膜は、黄色の波長域の光を反射し、青色の波長域の光を透過する透過/反射特性を有する。第2の色分離膜は、黄色の波長域の光を透過し、青色の波長域の光を反射する透過/反射特性を有する。
(光源装置)
次に、本発明の蛍光ホイールを備えた光源装置について説明する。
図6は、本発明の一実施形態による光源ユニットの構成を示す模式図である。
図6を参照すると、光源ユニットは、蛍光ホイール1、光源部100、レンズ103、104、106、107、109、110、112、114、116、117、ダイクロイックミラー105および反射ミラー111、113、115を有する。蛍光ホイール1は、第1の実施形態で説明した蛍光ホイールである。
光源部10は、複数のレーザー光源101と複数のコリメートレンズ102を備える。コリメートレンズ102は、レーザー光源101毎に設けられている。レーザー光源101は、例えば、青色レーザー光を出力する半導体レーザーである。この半導体レーザーの波長は、例えば440nm〜460nmの範囲である。レーザー光源101は、蛍光体を励起するための励起光源としての役割と、表示パネルに照明光(青色光)を供給する照明用光源としての役割を兼ねている。レーザー光源101の波長は、プロジェクタの輝度や色再現性の目標に応じて適宜に変更可能である。
レーザー光源101からの青色レーザー光は、広がりを持った発散光である。コリメータレンズ102は、レーザー光源101からの青色レーザー光を平行光束に変換する。コリメータレンズ102には、光学ガラスの他、光学樹脂などを使用することができる。コリメータレンズ102は、複数のレンズよりなるが、その枚数は適宜に変更可能である。なお、レーザー光源101からの青色レーザー光の広がり角が十分に小さい場合は、コリメータレンズ102を取り除いてもよい。
光源部100を構成するレーザー光源101の数は1以上であればよい。一般に、レーザー光源101の数を増加すると、蛍光体の励起のための出力が増加するので、プロジェクタの高輝度化に有利である。プロジェクタの輝度の目標値に応じて、レーザー光源101の数を適宜に設定可能である。
レンズ103、104、106、107は、光源部100からの青色レーザー光を集光するための集光レンズ系である。レンズ103、106、107はいずれも凸レンズであり、レンズ104は凹レンズである。この集光レンズ系では、レンズ103、104が光源部100からの青色レーザー光の光束径を一旦小さくした上で、レンズ106、107がその青色レーザー光を集光する。光源部100のレーザー光源101の数が増えると、離散的とは言え、光源部100が射出する光束径が大きくなり、その結果、集光光学系も大型化する。レンズ103に凸レンズを用い、レンズ104に凹レンズを用いていることで、集光光学系の大型化を抑制することができる。
ダイクロイックミラー105は、レンズ106とレンズ104の間に配置されている。ダイクロイックミラー105のミラー面と集光レンズ系の光軸とのなす角度は約45°である。ダイクロイックミラー105は、可視光のうち、青色波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を反射する透過特性を有する。光源部10からの青色レーザー光は、ダイクロイックミラー105を透過する。
蛍光ホイール1は、蛍光層表面が集光レンズ系の集光点付近に位置するように配置されている。ここでは、蛍光ホイール1は、蛍光体が形成された面がレンズ107側に位置するように配置されている。
赤セグメント11Rでは、赤色光がレンズ107に向けて射出され、緑色光がレンズ107側とは反対側に向けて射出される。赤セグメント11Rからの赤色光は、レンズ107、106を通過した後、ダイクロイックミラー105で反射される。ダイクロイックミラー105で反射された赤色光は、レンズ117を通過する。
緑セグメント11Gでは、緑色光がレンズ107に向けて射出され、赤色光がレンズ107側とは反対側に向けて射出される。緑セグメント11Gからの緑色光は、レンズ107、106を通過した後、ダイクロイックミラー105で反射される。ダイクロイックミラー105で反射された緑色光は、レンズ117を通過する。
青セグメント11Bにおいては、光源部100からの青色レーザー光は回転基板10を透過する。回転基板10を透過した青色レーザー光は、レンズ109、110を通過した後、反射ミラー111で約45°の角度で反射される。反射ミラー111からの反射光(青色レーザー光)は、反射ミラー113で約45°の角度で反射される。反射ミラー113からの反射光(青色レーザー光)は、レンズ114を通過した後、反射ミラー115で約45°の角度で反射される。反射ミラー115からの反射光(青色レーザー光)は、レンズ116を通過し、ダイクロイックミラー105を透過する。ダイクロイックミラー105を透過した青色レーザー光は、レンズ117を通過する。
レンズ109、110、112、114、116および反射ミラー111、113、115は、青セグメント11Bを透過した青色レーザー光を、赤セグメント11Rからの赤色光または緑セグメント11Gからの緑色光と同じ経路に結合するための光学系である。ダイクロイックミラー105は、赤色光と緑色光と青色レーザー光とを合成する。ダイクロイックミラー105からの赤色光、緑色光および青色レーザー光は、光源ユニットの出力光としてレンズ117より順次射出される。
なお、レンズ117は、必ずしも必要ではないが、光源ユニットからの出力光を集光してライトトンネルなどに入射させたい場合には有効である。
また、赤セグメント11Rより射出した緑色光(不要光)と緑セグメント11Gより射出した赤色光(不要光)はいずれも、青セグメント11Bを透過した青色レーザー光と同じ経路でダイクロイックミラー105に入射する。ダイクロイックミラー105は、緑色光(不要光)および赤色光(不要光)をレンズ104に向けて反射するため、これら緑色光(不要光)および赤色光(不要光)が光源部100に戻り、その結果、レーザー光源101の温度が上昇する。レーザー光源101の温度が上昇すると、レーザー光源101の出力が低下する。これを防止するため、レンズ109、110、112、114、116および反射ミラー111、113、115からなる光路中に、青色の波長域の光を透過し、赤色の波長域の光および緑色の波長域の光を吸収する、または、当該光路から外れる方向に反射するミラーを設けてもよい。
上述した光源ユニットにおいて、以下のような変形を適用することができる。
蛍光ホイール1に代えて、第3の実施形態で説明した反射型の蛍光ホイール1aや第4の実施形態で説明した反射型の蛍光ホイール1bを用いてもよい。ただし、反射型の蛍光ホイール1bを用いる場合は、ダイクロイックミラー105は、可視光のうち、青色の波長域の光を透過し、それ以外の波長域の光を反射する特性を有する。
また、蛍光ホイール1に代えて、第2の実施形態で説明した透過型の蛍光ホイール、第3の実施形態で説明した透過型の蛍光ホイール1a、第4の実施形態で説明した透過型の蛍光ホイール1bなどを用いてもよい。透過型の蛍光ホイールを用いる場合は、レンズ112、114、116および反射ミラー111、113、115を削除し、レンズ109、110を通過した光の進行方向にレンズ117を配置する。
上記の場合、赤セグメント11Rでは、赤色光がレンズ109に向けて射出され、緑色光がレンズ107に向けて射出される。赤セグメント11Rからの赤色光は、レンズ109、110、107を順次通過する。赤セグメント11Rからの緑色光(不要光)は、レンズ107、106を通過した後、ダイクロイックミラー105で反射される。
緑セグメント11Gでは、緑色光がレンズ109に向けて射出され、赤色光がレンズ107に向けて射出される。緑セグメント11Gからの緑色光は、レンズ109、110、107を順次通過する。緑セグメント11Gからの赤色光(不要光)は、レンズ107、106を通過した後、ダイクロイックミラー105で反射される。
青セグメント11Bにおいては、光源部100からの青色レーザー光は回転基板10を透過する。回転基板10を透過した青色レーザー光は、レンズ109、110、107を順次通過する。
(光源装置の別の実施形態)
次に、本発明の別の実施形態による光源ユニットについて説明する。
図7は、本発明の別の実施形態による光源ユニットの構成を示す模式図である。
図7を参照すると、光源ユニットは、蛍光ホイール1、光源部71、レンズ701、702、705、706、707、クロスダイクロイックプリズム703および位相差板704を有する。蛍光ホイール1は、第1の実施形態で説明した蛍光ホイールであるが、青セグメント11Bに、青色レーザー光を反射するミラーが形成されている。
光源部71は、複数のレーザー光源と複数のコリメートレンズを備える。これらレーザー光源およびコリメートレンズは、図6に示したものと同じであるので、その説明は省略する。レンズ701、702も、図6に示したレンズ103、104と同じであるので、その説明は省略する。
レンズ701、702を通過した青色レーザー光の進行方向には、クロスダイクロイックプリズム703、位相差板704、レンズ705、レンズ706がこの順番で配置されている。
クロスダイクロイックプリズム703は、可視光のうち、青色の波長域以外の波長域の光を反射し、かつ、青色の波長域において、P偏光光を透過し、S偏光光を反射する特性を有する。クロスダイクロイックプリズム703も周知のものであるので、その詳細な説明は省略する。
光源部71は、クロスダイクロイックプリズム703に対してP偏光の青色レーザー光が入射するように配置されている。レンズ701、702を通過した青色レーザー光(P偏光)は、クロスダイクロイックプリズム703を透過し、位相差板704に入射する。
位相差板704は、入射した光と射出した光の間に90°の位相差を与えるものであって、直線偏光を円偏光に変換することでき、また逆に円偏光を直線偏光に変換することができる。位相差板704は、クロスダイクロイックプリズム703からのP偏光の青色レーザー光を円偏光に変換する。
レンズ705、706は、位相差板704より射出した円偏光の青色レーザー光を所定の集光サイズで蛍光ホイール1の蛍光体層表面の近傍に集光結像する。位相差板704より射出した円偏光の青色レーザー光は、レンズ705、706を介して、蛍光ホイール1の赤セグメント11R、緑セグメント11Gおよび青セグメント11Bに順次照射される。
赤セグメント11Rでは、赤色光がレンズ706に向けて射出され、緑色光がレンズ706側とは反対側に向けて射出される。赤セグメント11Rからの赤色光は、レンズ706、705および位相差板704を順次通過した後、クロスダイクロイックプリズム703にてレンズ707に向けて反射される。クロスダイクロイックプリズム703で反射された赤色光は、レンズ707を通過する。
緑セグメント11Gでは、緑色光がレンズ706に向けて射出され、赤色光がレンズ706側とは反対側に向けて射出される。緑セグメント11Gからの緑色光は、レンズ706、705および位相差板704を順次通過した後、クロスダイクロイックプリズム703にてレンズ707に向けて反射される。クロスダイクロイックプリズム703で反射された緑色光は、レンズ707を通過する。
青セグメント11Bでは、青色レーザー光(円偏光)はミラーにてレンズ706に向けて反射される。青セグメント11Bからの青色レーザー光(円偏光)は、レンズ706、705を通過して位相差板704に入射する。青色レーザー光(円偏光)は、位相差板704にて直線偏光に変換される。位相差板704は、S偏光の青色レーザー光を射出する。位相差板704より射出したS偏光の青色レーザー光はクロスダイクロイックプリズム703に入射する。クロスダイクロイックプリズム703は、位相差板704からのS偏光の青色レーザー光をレンズ707に向けて反射する。
クロスダイクロイックプリズム703は、蛍光ホイール1からの赤色蛍光、緑色蛍光および青色レーザー光を順次、レンズ707に向けて射出する。よって、レンズ707からは、赤色蛍光、緑色蛍光および青色レーザー光が順次射出される。このレンズ707より時分割で射出した黄色蛍光、緑色蛍光および青色レーザー光が、光源ユニットの出力光である。
なお、レンズ707は、必ずしも必要ではないが、光源ユニットからの出力光を集光してライトトンネルなどに入射させたい場合には有効である。
また、P偏光とS偏光の対応関係を逆にしてもよい。この場合、クロスダイクロイックプリズム703は、可視光のうち、青色の波長域以外の波長域の光を反射し、かつ、青色の波長域において、S偏光光を透過し、P偏光光を反射する特性を有する。
上述した光源ユニットにおいて、蛍光ホイール1に代えて、第3の実施形態で説明した反射型の蛍光ホイール1aや第4の実施形態で説明した反射型の蛍光ホイール1bを用いてもよい。
(プロジェクタ)
次に、本発明の蛍光ホイールを用いたプロジェクタについて説明する。
図8は、本発明の一実施形態によるプロジェクタの構成を示す模式図である。
図8を参照すると、プロジェクタは、単板型のプロジェクタであって、光源装置61を有する。図8において、光源装置61は、図6または図7に示した構成を有するが、便宜上、光源装置61の各部は図示されていない。ここでは、光源装置61は、赤色光、緑色光および青色光を順次出力するように構成されているものとする。
光源装置61の出力光は、ライトトンネル602に入射する。ライトトンネル602では、入射光が内部で多重反射し、その結果、輝度が均一な光が射出される。ライトトンネル602は、赤色光、緑色光および青色光を順次出力する。ライトトンネル601より射出した光(赤色光、緑色光および青色光)は、レンズ603、604および反射ミラー605を介してTIR(Total Internal Reflection)プリズム606に入射する。
TIRプリズム606は、内部に全反射面を備えた全反射プリズムアセンブリであって、2個の三角プリズムを含む。一方の三角プリズムは、直角プリズムであって、直角をなす辺を構成する第1及び第2の面と斜辺を構成する第3の面とを有する。他方の三角プリズムは、三角形の各線分を構成する第1乃至第3の面を有する。直角プリズムの第3の面は、他方の三角プリズムの第1の面と対向するように配置されている。直角プリズムの第1の面がTIRプリズム606の入射面であり、表示パネル607が、直角プリズムの第2の面と対向するように配置されている。他方の三角プリズムの第2の面は、TIRプリズム606の出射面であり、直角プリズムの第2の面と平行である。この出射面側に、投射レンズ608が配置されている。表示パネル607として、DMD(デジタルミラーデバイス)や液晶表示パネルを用いてもよい。ここでは、表示パネル607はDMDより構成されているものとする。
表示パネル607は、マトリクス状に配置された複数の微小ミラーからなる画像形成領域を有する。微小ミラーは、駆動電圧に応じて角度が変化するように構成されており、オン状態を示す駆動電圧が供給された場合とオフ状態を示す駆動電圧が供給された場合とで反射角度が異なる。映像信号に応じて各微小ミラーをオンオフ制御することで、入射光束を空間的に変調して画像を形成する。
ライトトンネル601より射出した赤色光、緑色光および青色光が順にTIRプリズム606を介して表示パネル607に照射される。表示パネル607は、赤色光に基づく赤色画像、緑色光に基づく緑色画像、および青色光に基づく青色画像を順に形成する。表示パネル607上に時分割で形成された赤色画像、緑色画像および青色画像は、TIRプリズム606を介して投射レンズ608によりスクリーン上に投射される。投射レンズ608は、複数のレンズからなる拡大投射光学系である。
以上説明した各実施形態の蛍光ホイールは、本発明の一例であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で当業者が理解し得る変更や改善を適用することができる。
例えば、第1乃至第4の実施形態において、蛍光体粉末を有機バインダに混ぜたものを蛍光層として形成してもよいが、これに代えて、セラミックス材料やガラス材料に蛍光体を混ぜて焼き固めたセラミック蛍光体やガラス蛍光体で蛍光層を形成してもよい。この構成によれば、蛍光層の表面および裏面に色分離膜を容易に形成することができる。
また、第1乃至第4の実施形態において、青セグメントに、青色の蛍光を発光する青色蛍光体が形成されてもよい。励起光として、青色の波長より短い波長の光、例えば、発振波長が400nm以下のUV(Ultraviolet)レーザー光が使用される。この場合、蛍光層の表裏面に形成された色分離膜の透過/反射特性も、励起光波長に合わせて変更する。例えば、表面および裏面の色分離膜は、一方の膜が、蛍光に含まれている複数の色成分のうち所定の色成分を反射し、所定の色成分以外を透過し、他方の膜が、蛍光に含まれている複数の色成分のうち上記所定の色成分を透過し、上記所定の色成分以外を反射するように構成する。そして、表面の色分離膜が、励起光を透過し、裏面の色分離膜が、励起光を反射する。
本発明は、以下の付記1〜18に記載の形態を取り得るが、これら形態に限定されない。
[付記1]
回転可能な基板と、
前記基板上に形成された第1の蛍光体部と、
前記第1の蛍光体部と前記基板との間に設けられた第1の色分離膜と、
前記第1の蛍光体部の前記前記基板側とは反対側の面に設けられた第2の色分離膜と、を有し、
前記第1の蛍光体部は、励起光により励起されて複数の色成分を含む第1の蛍光を発光する第1の蛍光体を含み、
前記第1および第2の色分離膜は、一方の膜が、前記複数の色成分のうち所定の色成分を反射し、前記所定の色成分以外を透過し、他方の膜が、前記複数の色成分のうち前記所定の色成分を透過し、前記所定の色成分以外を反射するように構成され、
前記第1の色分離膜は、前記励起光を反射し、
前記第2の色分離膜は、前記励起光を透過する、蛍光ホイール。
[付記2]
付記1に記載の蛍光ホイールにおいて、
前記基板上に形成された第2の蛍光体部と、
前記第2の蛍光体部と前記基板との間に設けられた第3の色分離膜と、
前記第2の蛍光体部の前記基板側とは反対側の面に設けられた第4の色分離膜と、をさらに有し、
前記第2の蛍光体部は、前記励起光により励起されて複数の色成分を含む第2の蛍光を発光する第2の蛍光体を含み、
前記第3および第4の色分離膜は、一方の膜が、前記第2の蛍光の前記複数の色成分のうち所定の色成分を反射し、前記所定の色成分以外を透過し、他方の膜が、前記第2の蛍光の前記複数の色成分のうち前記所定の色成分を透過し、前記所定の色成分以外を反射するように構成され、
前記第3の色分離膜は、前記励起光を反射し、
前記第4の色分離膜は、前記励起光を透過する、蛍光ホイール。
[付記3]
付記2に記載の蛍光ホイールにおいて、
前記第1および第2の蛍光体が、赤色成分と緑色成分を含む黄色の蛍光を発光する蛍光体であり、
前記第1および第2の色分離膜は、一方の膜が、前記赤色成分を反射し、前記緑色成分を透過し、他方の膜が、前記緑色成分を透過し、前記赤色成分を反射するように構成され、
前記第3および第4の色分離膜は、一方の膜が、前記緑色成分を反射し、前記赤色成分を透過し、他方の膜が、前記緑色成分を透過し、前記赤色成分を反射するように構成されている、蛍光ホイール。
[付記4]
付記3に記載の蛍光ホイールにおいて、
前記第1および第2の蛍光体部は、黄色の蛍光を発する蛍光体が形成された単一の蛍光層よりなる、蛍光ホイール。
[付記5]
付記2乃至4のいずれか一つに記載の蛍光ホイールにおいて、
前記基板は、周方向に第1乃至第3のセグメントに区画されており、前記第1の蛍光体部と前記第1および第2の色分離膜とが前記第1のセグメントに形成され、前記第2の蛍光体部と前記第3および第4の色分離膜とが前記第2のセグメントに形成され、前記第3のセグメントには、蛍光体が形成されていない、蛍光ホイール。
[付記6]
付記5に記載の蛍光ホイールにおいて、
前記第3のセグメントに前記励起光を反射するミラーが形成されている、蛍光ホイール。
[付記7]
付記2乃至4のいずれか一つに記載の蛍光ホイールにおいて、
前記前記基板上に形成された、前記励起光により励起されて第3の蛍光を発光する第3の蛍光体を含む第3の蛍光体部を、をさらに有する、蛍光ホイール。
[付記8]
付記7に記載の蛍光ホイールにおいて、
前記基板は、周方向に第1乃至第3のセグメントに区画されており、前記第1の蛍光体部と前記第1および第2の色分離膜とが前記第1のセグメントに形成され、前記第2の蛍光体部と前記第3および第4の色分離膜とが前記第2のセグメントに形成され、前記第3の蛍光体部が前記第3のセグメントに形成されている、蛍光ホイール。
[付記9]
付記8に記載の蛍光ホイールにおいて、
前記第3の蛍光が青色の蛍光である、蛍光ホイール。
[付記10]
付記7に記載の蛍光ホイールにおいて、
前記基板は、周方向に第1乃至第4のセグメントに区画されており、前記第1の蛍光体部と前記第1および第2の色分離膜とが前記第1のセグメントに形成され、前記第2の蛍光体部と前記第3および第4の色分離膜とが前記第2のセグメントに形成され、前記第3の蛍光体部が前記第3のセグメントに形成され、前記第4のセグメントには、蛍光体が形成されていない、蛍光ホイール。
[付記11]
付記10に記載の蛍光ホイールにおいて、
前記第4のセグメントに前記励起光を反射するミラーが形成されている、蛍光ホイール。
[付記12]
付記7に記載の蛍光ホイールにおいて、
前記前記基板上に形成された、前記励起光により励起されて第4の蛍光を発光する第4の蛍光体を含む第4の蛍光体部を、をさらに有する、蛍光ホイール。
[付記14]
付記12に記載の蛍光ホイールにおいて、
前記基板は、周方向に第1乃至第4のセグメントに区画されており、前記第1の蛍光体部と前記第1および第2の色分離膜とが前記第1のセグメントに形成され、前記第2の蛍光体部と前記第3および第4の色分離膜とが前記第2のセグメントに形成され、前記第3の蛍光体部が前記第3のセグメントに形成され、前記第4の蛍光体部が前記第4のセグメントに形成されている、蛍光ホイール。
[付記15]
付記14に記載の蛍光ホイールにおいて、
前記第3の蛍光が青色の蛍光であり、前記第4の蛍光が黄色の蛍光である、蛍光ホイール。
[付記16]
付記15に記載の蛍光ホイールにおいて、
前記第1、第2、第4の蛍光体部は、黄色の蛍光を発する蛍光体が形成された単一の蛍光層よりなる、蛍光ホイール。
[付記17]
付記1乃至16のいずれか一つに記載の蛍光ホイールと、
励起光を出力する励起光源と、を有し、
前記蛍光ホイールは、回転した状態で前記励起光が照射されることで色光を射出する、光源装置。
[付記18]
付記17に記載の光源装置と、
前記光源装置より出力された色光に基づく画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で形成された画像をスクリーン上に投射する投射光学系と、を有するプロジェクタ。
1 蛍光ホイール
10 円形基板
11R 赤セグメント
11G 緑セグメント
11B 青セグメント
20 接着層
21、23 色分離膜
22 黄色蛍光層
L1 青色励起光
L2 赤色成分光
L3 緑色成分光

Claims (10)

  1. 回転可能な基板と、
    前記基板上に形成された第1の蛍光体部と、
    前記第1の蛍光体部と前記基板との間に設けられた第1の色分離膜と、
    前記第1の蛍光体部の前記基板側とは反対側の面に設けられた第2の色分離膜と、を有し、
    前記第1の蛍光体部は、励起光により励起されて複数の色成分を含む第1の蛍光を発光する第1の蛍光体を含み、
    前記第1および第2の色分離膜は、一方の膜が、前記複数の色成分のうち所定の色成分を反射し、前記所定の色成分以外を透過し、他方の膜が、前記複数の色成分のうち前記所定の色成分を透過し、前記所定の色成分以外を反射するように構成され、
    前記第1の色分離膜は、前記励起光を反射し、
    前記第2の色分離膜は、前記励起光を透過する、蛍光ホイール。
  2. 請求項1に記載の蛍光ホイールにおいて、
    前記基板上に形成された第2の蛍光体部と、
    前記第2の蛍光体部と前記基板との間に設けられた第3の色分離膜と、
    前記第2の蛍光体部の前記基板側とは反対側の面に設けられた第4の色分離膜と、をさらに有し、
    前記第2の蛍光体部は、前記励起光により励起されて複数の色成分を含む第2の蛍光を発光する第2の蛍光体を含み、
    前記第3および第4の色分離膜は、一方の膜が、前記第2の蛍光の前記複数の色成分のうち所定の色成分を反射し、前記所定の色成分以外を透過し、他方の膜が、前記第2の蛍光の前記複数の色成分のうち前記所定の色成分を透過し、前記所定の色成分以外を反射するように構成され、
    前記第3の色分離膜は、前記励起光を反射し、
    前記第4の色分離膜は、前記励起光を透過する、蛍光ホイール。
  3. 請求項2に記載の蛍光ホイールにおいて、
    前記第1および第2の蛍光体が、赤色成分と緑色成分を含む黄色の蛍光を発光する蛍光体であり、
    前記第1および第2の色分離膜は、一方の膜が、前記赤色成分を反射し、前記緑色成分を透過し、他方の膜が、前記緑色成分を透過し、前記赤色成分を反射するように構成され、
    前記第3および第4の色分離膜は、一方の膜が、前記緑色成分を反射し、前記赤色成分を透過し、他方の膜が、前記緑色成分を透過し、前記赤色成分を反射するように構成されている、蛍光ホイール。
  4. 請求項2または3に記載の蛍光ホイールにおいて、
    前記基板は、周方向に第1乃至第3のセグメントに区画されており、前記第1の蛍光体部と前記第1および第2の色分離膜とが前記第1のセグメントに形成され、前記第2の蛍光体部と前記第3および第4の色分離膜とが前記第2のセグメントに形成され、前記第3のセグメントには、蛍光体が形成されていない、蛍光ホイール。
  5. 請求項2または3に記載の蛍光ホイールにおいて、
    前記基板上に形成された、前記励起光により励起されて第3の蛍光を発光する第3の蛍光体を含む第3の蛍光体部を、をさらに有する、蛍光ホイール。
  6. 請求項5に記載の蛍光ホイールにおいて、
    前記基板は、周方向に第1乃至第3のセグメントに区画されており、前記第1の蛍光体部と前記第1および第2の色分離膜とが前記第1のセグメントに形成され、前記第2の蛍光体部と前記第3および第4の色分離膜とが前記第2のセグメントに形成され、前記第3の蛍光体部が前記第3のセグメントに形成されている、蛍光ホイール。
  7. 請求項5に記載の蛍光ホイールにおいて、
    前記基板は、周方向に第1乃至第4のセグメントに区画されており、前記第1の蛍光体部と前記第1および第2の色分離膜とが前記第1のセグメントに形成され、前記第2の蛍光体部と前記第3および第4の色分離膜とが前記第2のセグメントに形成され、前記第3の蛍光体部が前記第3のセグメントに形成され、前記第4のセグメントには、蛍光体が形成されていない、蛍光ホイール。
  8. 請求項5に記載の蛍光ホイールにおいて、
    前記基板上に形成された、前記励起光により励起されて第4の蛍光を発光する第4の蛍光体を含む第4の蛍光体部を、をさらに有する、蛍光ホイール。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の蛍光ホイールと、
    励起光を出力する励起光源と、を有し、
    前記蛍光ホイールは、回転した状態で前記励起光が照射されることで色光を射出する、光源装置。
  10. 請求項9に記載の光源装置と、
    前記光源装置より出力された色光に基づく画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部で形成された画像をスクリーン上に投射する投射光学系と、を有するプロジェクタ。
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