JP2017156318A - イオン移動度分離部を備える分析装置 - Google Patents

イオン移動度分離部を備える分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン移動度分離部を有する分析装置に高い耐久性とロバスト性を持たせる。
【解決手段】イオン源と、高周波電圧と直流電圧が印加される一対の対向する電極を備えたイオン移動度分離部と、イオン源とイオン移動度分離部との間に設けられ直流電圧が印加される遮蔽電極とを有し、遮蔽電極は、イオン源からのイオンが導入される入口とイオンが排出される出口とをつなぐイオン流路を内部に有し、イオン流路は入口から出口が見通せないように屈曲している。
【選択図】図3

Description

本発明は、イオン移動度分離部を備える分析装置に関する。
イオン移動度によりイオンを分離検出するイオン移動度分離装置(又はイオンモビリティー装置)は、真空ポンプを必要とせず大気圧下でも動作可能な特性から、環境分析、爆発物探知、違法薬物検知、化学剤探知などのオンサイト測定装置として広く活用されている。イオン移動度分離装置では、大気圧下の気相中において、分子イオンの立体構造に依存して気相中でのイオンの移動速度が異なることを利用してイオンを分離している。このため、真空の電界中又は磁界中で分子イオンを分離する質量分析計とは分離方法が大きく異なる。その結果、質量分析計では分離困難な質量電荷比(m/z)が同じ異性体イオンを、イオン移動度分離装置を用いて分離することが期待されている。イオン移動度分離装置で近年よく使われる方法の1つに、非対称電界印加型イオン移動度分離装置(FAIMS(Field asymmetric ion mobility spectrometer)又は微分移動度分離装置(DMS(Differential ion mobility spectrometer))がある。
一方、質量分析計(MS)は、真空中で分子イオンの質量電荷比(m/z)によりイオンを分離することが可能であることから選択性が高く、イオンを高感度かつ高精度に分離・検出することが可能である。質量分析計は、液体クロマトグラフ(LC:liquid chromatograph)やガスクロマトグラフ(GC:gas chromatograph)の検出器として一般的に用いられ、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS:liquid chromatography mass spectrometry)やガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS:gas chromatography mass spectrometry)と呼ばれる分析手法がよく用いられている。LCやGCにより試料と夾雑物やその他の試料を時間分離することで、高感度化や高分解能化を実現している。
また、質量分析計では、測定対象のイオンを分解し、分解されたイオン(フラグメントイオン)を計測することで他の夾雑物イオンとの分離を可能にしたタンデム質量分析法(tandem mass spectrometry)が用いられる。これにより高い質量分離能が得られる。さらに、飛行時間型質量分析計(TOF/MS:Time-of-flight mass spectrometer)やフーリエ変換型質量分析計(FT/MS:Fourier-transform mass spectrometer)、フーリエ変換型イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(FTICR/MS:Fourier-transform ion cyclotron resonance mass spectrometer)、オービトラップ質量分析計(Orbitrap mass spectrometer)などの高分解能を実現した質量分析計、また三連四重極質量分析計(Triple quadrupole mass spectrometer)や四重極質量分析計(Quadrupole mass spectrometer)などの高感度計測が可能な質量分析計の技術が進展し、質量分析計はバイオや医用分野を中心に広く普及が進みつつある。
上記のとおり、イオン移動度分離装置は、質量分析装置と異なる分離性能をもつことから、質量分析装置とイオン移動度分離装置を組み合わせた計測方法も報告されている。特許文献1,2には、イオン源とFAIMSと質量分析計が結合した装置の例が示されている。FAIMSはイオン源の後段に配置され、かつ質量分析計の前段に配置されている。特許文献3には、質量分析計の実施例が示されている。イオン源の後段かつMSの前段に、イオンの流路が曲がった構造を有する。
US 2009/0294650 A1 WO 2015/111311 A1 US 5,756,994
イオン移動度分離装置において、イオン源で生成したイオンを高精度に分離した後、高感度、高スループットに検出する技術は、アプリケーションの更なる拡大や誤検知の低減のために重要である。しかし、イオン移動度によりイオンを分離検出するイオン移動度分離装置(FAIMS又はDMS)には、現状では以下の課題がある。
特許文献1では、イオン源、カーテンプレート、FAIMS、質量分析計の順に装置が構成されており、カーテンガスでノイズ成分を除去する。カーテンプレート部にカーテンガスを流すことでMS側からイオン源側にガス流を生成し、このガスによってイオン源で生成された帯電液滴、中性分子、クラスターなどのノイズ成分(又は夾雑物成分)が質量分析計に入射するのを低減する。その結果、FAIMSや質量分析計の汚染を低減させる効果がある。しかし、カーテンガスのみではノイズ成分を完全に除去できない。これは、イオン源から、試料や前処理した血液が常時噴霧されているため、イオン源直後のFAIMSは非常に汚染されやすいためである。FAIMSが汚染すれば、電界が乱れることによる感度低下や分離能低下が生じ、またFAIMSがイオンや導電性物質に汚染されたことによりFAIMSの分離電圧が放電しやすくなる、などの課題がある。このように、FAIMSはイオン源の直後にあるために、イオン源で噴霧された液滴や中性分子により汚染されやすく、FAIMSの耐久性やロバスト性が大きな課題となっている。
特許文献2には、イオン源で生成されたイオンがMSの前段にある対向電極を通過し、前段電極と後段電極の間に入り、その後90度曲がりMSの方へ入射する構成が描かれている。この構成により、液滴や中性分子が前段電極と後段電極の部分で低減し、MSの汚染を低減することが記載されている。特許文献3は、イオン源から出たイオンはMSの方へ入射し、その他のガスやノイズが廃棄ポートへ流れる構成である。特許文献2及び3は、質量分析装置の汚染を防止して耐久性を向上することが可能であるが、イオン移動度分離装置に関する記載はなく、本発明の課題であるイオン移動度分離装置への適用には課題がある。
本発明は、このような状況に鑑み、イオン移動度分離装置の耐久性とロバスト性を向上させ、長時間安定して動作するイオン移動度分離装置を提供するものである。
本発明による分析装置は、イオン源と、高周波電圧と直流電圧が印加される一対の対向する電極を備えたイオン移動度分離部と、イオン源とイオン移動度分離部との間に設けられ直流電圧が印加される遮蔽電極とを有し、遮蔽電極は、イオン源からのイオンが導入される入口とイオンが排出される出口とをつなぐイオン流路を内部に有し、イオン流路は入口から出口が見通せないように屈曲している。
本発明によれば、イオン移動度分離装置の耐久性やロバスト性が向上する。
本発明に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
FAIMSの一般的な構成を示す模式図。 FAIMSにおける分離電圧の波形を示す図。 イオン移動度分離部と検出器を結合した分析装置の例を示す断面模式図。 エレクトロスプレーイオン源の詳細を示す模式図。 遮蔽電極のイオン流路の形状例を示す断面模式図。 遮蔽電極とFAIMSの構成例を示す斜視模式図。 FAIMSの断面模式図。 円筒電極によって構成されたFAIMSの例を示す断面模式図。 FAIMSを用いた分析装置の構成例を説明する図。 イオン移動度分離部と質量分析計を結合した分析装置を示す断面模式図。 FAIMSと質量分析計を用いた分析装置の構成例を説明する図。 分析装置の一部分の断面模式図。 分析装置の一部分の断面模式図。 分析装置の一部分の断面模式図。 分析装置の一部分の断面模式図。 分析装置の一部分の断面模式図。 遮蔽電極の別の構成例を示す断面模式図。 分析装置の一部分の模式図。
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、添付図面は本発明の原理に則った具体的な実施例を示しているが、これらは本発明の理解のためのものであり、本発明を限定的に解釈するために用いられるものではない。
図1は、FAIMSの一般的な構成を示す模式図である。FAIMS50は、金属などの導電体からなる2枚の平板電極51及び52を備える。これら2つの平板電極間距離はおよそ0.1mmから数mm程度であり、この間のイオン透過領域をイオンは飛行する。イオンが飛行する幅と距離にあたる平板電極の幅と長さはどちらもおよそ数mmから数10mm程度である。また、近年はさらに微細化構造をもつFAIMSも存在し、電極間距離が数10μm程度に微細化した構造のものも存在する。
FAIMSは、交流電圧電源53、直流電圧電源54、直流電圧電源57を備える。FAIMSでは、交流電圧電源53を用い、高周波電圧を重ね合わせた分離電圧(又は分散電圧、又はseparation voltage、又はdispersion voltage)を平板電極51に印加することにより、平板電極51と平板電極52の間に高周波電場を印加する。図2に示す分離電圧の一例のように、分離電圧は、高電圧(プラス電圧)と低電圧(マイナス電圧)を一定期間ずつ繰り返し印加し、時間平均すれば0になるように印加される。分離電圧の最大値と最小値の差である電圧振幅は、最大で5kV程度である。また、直流電圧電源54により生成される補償電圧(又は補正電圧、又はcompensation voltage)を平板電極52に印加することで、ある特定のイオン55のイオン軌道56が修正されて、特定のイオン55のみを透過させ、それ以外のイオンを排除することが可能となる。この補償電圧は−100V〜+100V程度であり、透過させるイオンによって補償電圧を変化させる。
図の例とは異なり、交流電圧電源53により生成される分離電圧を平板電極52に印加しても、イオンの分離をすることが可能である。この時、直流電圧電源54は、図のとおりに平板電極52に印加することも可能であるし、平板電極51に印加することも可能である。ただし、印加する平板電極によって、補償電圧の正負符号が逆転する。また測定対象が正イオンの場合、直流電圧電源57により、平板電極51と平板電極52に同じ正の直流電圧を印加し、かつFAIMS50の前段にある電極と比べて同じか低い正電圧を、またFAIMS50の後段の電極と比べて同じか高い正電圧を印加することで、前段からくるイオンがFAIMSへ効率よく導入され、後段へ効率よく排出される。
本発明では、イオン源とイオン移動度分離装置であるFAIMSの間に、汚染物質である液滴や中性分子を遮断するための遮蔽電極を設ける。この遮蔽電極により、FAIMSの汚染は大幅に低減し、FAIMSの耐久性が向上し、長時間安定したデータ取得が可能になる。
[第1実施例]
第1の実施例について説明する。図3は、本実施例のイオン移動度分離部と検出器を結合した分析装置の例を示す断面模式図である。図4は、イオン源1の一例としてエレクトロスプレーイオン源の詳細を示す模式図である。
本実施例では、イオン源1とイオン移動度分離部であるFAIMS7の間に、ほぼ直角に曲がったL字状のイオン流路を持つ遮蔽電極2を挿入した。分析装置の構成要素は、イオン源1、遮蔽電極2、平板電極3,4からなるFAIMS7、検出器32である。イオン源1で生成されたイオン25は、電界及びガスの流れに引き寄せられて、イオンの流れ18に沿って電極29から分析装置に入射する。その後、遮蔽電極2のイオン流路8をイオンの流れ19に沿って通過し、FAIMS7を構成する平板電極3,4の間の空間であるイオン透過領域に入る。イオンはFAIMS7で分離された後、イオン透過領域を透過したイオンのみが検出器32で検出される。
FAIMS7は、分離電極としての平板電極3,4からなり、平板電極3には、交流電圧電源13と直流電圧電源14により、交流電圧と直流電圧が印加される。平板電極4には、直流電圧電源14により平板電極3と同じ直流電圧が印加される。また平板電極4には、それとは別に直流電圧電源15により補償電圧が印加される。この補償電圧を変えることで透過するイオンを選択することができ、また補償電圧を走査(スキャン)することで微分移動度スペクトルを取得することができる。
電極29は、ガス制御部17を有し、ガス制御部17より供給されたガスをイオン源1側に噴き出すガスの流れ30を生成することで、イオン源で生成された液滴や中性分子などのノイズ成分を除去し、FAIMS7へノイズ成分を入りにくくする効果がある。先述のようにこのガスの流れ30により、FAIMSや検出器の汚染は低減されるが、十分ではない。このため、本実施例では遮蔽電極2を用いて、液滴などのノイズ成分のさらなる除去・低減を図っている。
図4に示すように、イオン源1であるエレクトロスプレーイオン源では、液体試料は配管27の内部を通過してスプレーされる。配管27には、直流電圧電源11により1kVから5kV程度の高電圧を印加され、電極29との間に電界を生成する。電極29には数百V程度の電圧が印加されている。その電界により静電噴霧によるスプレーを発生させ、液体試料を微粒子化して電荷反発によりイオン25が生成される。スプレーでは、液体の脱溶媒と微量化の促進のため、管28と配管27の間にネブライザーガスや加熱ガスなどのガス26を流す。ガス26や30には、窒素ガスや空気などがよく用いられる。配管27にはガラス配管、ガラスキャピラリ、金属キャピラリなどが用いられる。
本実施例の遮蔽電極2は、例えば金属などの導電体からなり、そのイオン流路8はほぼ直角に屈曲した部分、すなわち90度±10度に曲がった部分を有する構成である。図の例では、イオン導入の入口とイオン排出の出口は1つずつである。すなわち、本実施例の遮蔽電極は、イオン源からのイオンが導入される入口とイオンが排出される出口とをつなぐイオン流路を内部に有し、イオン流路は入口から出口が見通せないように屈曲している。イオン流路を90度曲げて重い液滴や中性分子などノイズ成分を流路内の衝突箇所9に衝突させることにより、後段のFAIMS7を構成する平板電極3,4のノイズによる汚染を低減することが可能である。
図5は、遮蔽電極2のイオン流路の形状例を示す断面模式図である。遮蔽電極2のイオン流路の形状は、円筒状の流路であって、その断面形状は、典型的には直径0.01mmから10mm程度の円形である。イオン流路の形状は角筒形状でもよく、その断面は一辺が0.01mmから10mm程度の正方形又は長方形であってもよい。さらにイオン流路の断面形状は、楕円形、多角形、それらに類似した形状でもかまわない。
遮蔽電極2には、直流電圧電源12により直流電圧が印加される。それ以外にも、電極29、平板電極3、平板電極4の各電極には、イオン源1で生成されたイオンが検出器32の方へスムーズに流れるように直流電圧が印加される。複数の電極にそれぞれ異なる電圧を印加するため、電極間にスペーサとして絶縁物21,22,23を挿入した構成になっている。検出するイオンが正イオンの場合、典型的にはおよそ、電極29、遮蔽電極2、平板電極3、平板電極4の順に電圧が低くなるように設定され、各電極には0Vから1000V程度の間の電圧が印加される。本実施例の遮蔽電極2は導電体であり、直流電圧電源12から直流電圧が印加されているのみであるため、遮蔽電極2の全体が同電位であり、イオン流路8内には電界は発生しない。ところが衝突箇所9に汚れが蓄積した場合に、衝突箇所9には蓄積した汚れや試料イオンや夾雑イオンにより多少(数V程度)異なる電位がかかる。しかし、遮蔽電極2の内部のイオンの流れはガスの気流に支配されているため、その衝突箇所9の電位を感じることはほとんど無く、イオンは損失無く遮蔽電極2を透過可能である。
次に、液滴、クラスター、中性分子などのノイズ成分の遮蔽電極2による除去方法を説明する。遮蔽電極2内部のイオン流路8のガス流速は、例えば0.1L/分から10L/分程度である。遮蔽電極2の断面積は、例えば0.1mm2から100mm2程度である。一方、イオンの質量は10Daから1000Da程度、液滴はおよそ100万Daから1000万Da程度であり、イオンの質量に対する液滴の質量の比は、1000〜100万である。一方でイオンの衝突断面積は約10-182、液滴の衝突断面積はおよそ10-162であり、イオンの断面積に対する液滴の断面積の比は100である。
物質がガスの流れによる気流から受ける抗力Fは、定数A、物質の質量m、物質の断面積Sを用いて以下のように表すことができる。
F=A×S/m
液滴の抗力F1に対する、イオンの抗力F2は、液滴の質量をm1、断面積をS1、イオンの質量をm2、断面積をS2として
2/F1=(S2*m1)/(S1*m2)=10〜10000
となる。この結果は、単位質量あたりにおいて、イオンは液滴に比べておよそ10〜10000倍の抗力を受けることを示している。
すなわち、イオンは90度曲がった流路をガスの気流に沿って曲がりやすく、遮蔽電極2の流路内壁に衝突することなくFAIMSや検出器の方へ導入される。逆に液滴などのノイズ成分は曲がりにくいので衝突箇所9付近で遮蔽電極のイオン流路内壁に衝突する可能性が高く、FAIMSや検出器の方へ導入されない。従って、FAIMSや検出器は汚染されにくくなって耐久性やロバスト性が向上する。
遮蔽電極2は100℃から200℃程度に加熱されているため、遮蔽電極2の衝突箇所9に衝突した液体試料の溶媒はすぐに揮発する。一方で、夾雑物は遮蔽電極2の衝突箇所9に汚れとして付着し、遮蔽電極2が加熱されていることにより徐々に気化していく。気化した夾雑物がFAIMSや検出器に導入されたとしても、イオンとは導入時間にずれがあるため、イオンの分析の障害になることはない。
電極29、遮蔽電極2、平板電極3,4などの電圧を印加する電極の間及び検出器32の間には、絶縁物21,22,23が挿入されている。これは各電極に異なる電圧を印加するためである。特に、FAIMS7の平板電極3には交流電圧電源13により、交流電圧が印加されるが、この交流電圧は、1kVppから5kVpp程度の高電圧が印加されるため、周りの電極へ放電しないようにする必要がある。例えば、圧力や距離と印加可能な電圧の関係(パッシェンの法則)により、印加したい電圧から放電する電極間距離がわかる。例えば、1atmで3kVから5kV程度の電圧を印加したいのであれば、電極間距離は1mm程度にすればよいことがわかる。FAIMSのような交流電圧印加では、さらに放電しやすくなるため、より安全に設計するために電極間距離を1.5mm等にする必要がある。すなわち、遮蔽電極2と平板電極3の間には、およそ1.5mm程度の距離を設ける必要がある。一方で、この電極間距離が長くなれば、イオンが軌道拡散し電極等に衝突して消滅することで感度低下する確率が高まるため、電極間距離はなるべく短くすることが望まれる。このため、遮蔽電極2と平板電極3の距離は放電限界距離よりも長く、かつできるだけ短い方がよく、絶縁物22の厚みは放電しない電極間距離である約1.5mmにすることが望ましい。平板電極3と後段の検出器32の間の距離も同様に考えることができ、絶縁物23の厚みはおよそ1.5mm程度であることが望ましい。
続いて、遮蔽電極2の出口と平板電極3,4との位置関係について説明する。図6は遮蔽電極2とFAIMS7の構成例を示す斜視模式図、図7は図6に示した平面38におけるFAIMSの断面模式図である。図示するように、遮蔽電極2の出口36は、平板電極3及び4の間に形成される断面37の内部にある必要がある。すなわち、遮蔽電極の内部に設けられたイオン流路の出口は、FAIMS(イオン移動度分離部)の一対の対向する電極間のイオン透過領域内に位置する必要がある。これは、FAIMS7においてイオンを分離する空間が断面37の領域であるため、この断面37の内部に遮蔽電極2の出口36が配置されていることで、イオンが損失無く効率よく遮蔽電極2からFAIMS7の方へ導入されるからである。
遮蔽電極2の素材は、金属などの導電体であることが望ましい。これは、遮蔽電極2が絶縁体である場合には、イオンや帯電液滴などによりその絶縁体がチャージアップして、チャージ反発によりイオンの透過が困難になるためである。遮蔽電極2の素材は、例えばステンレス、鉄、金、銅、アルミなどの金属やその他の導電体であればよい。また、遮蔽電極2は全体が金属でなくても良く、本体をプラスチック、セラミック、べスペルなどの絶縁物又は電気伝導度が低い材料で製作し、遮蔽電極2に設けられるイオン流路8の内面を金属などの導電体でメッキ又はコーティングして導電性を持たせても良い。このように遮蔽電極2は、少なくともイオンが通過するイオン流路8の内面が導電体であれば良い。
FAIMSは、これまで対向して配置された2つの平板電極によって構成する例で説明したが、対向して配置された2つの円筒電極の間でイオンを分離することも可能である。図8は、円筒電極によって構成されたFAIMSの例を示す断面模式図である。このFAIMSは電極39及び電極39の内部に同軸に配置された電極40を有し、また交流電圧電源13、直流電圧電源14、直流電圧電源15を有する。電圧の印加方法と動作に関しては図3の例と同様である。図示の例では、電極39を中空の円筒電極、電極40を中実の円柱電極としたが、電極40も中空の円筒電極としてもよい。このような円筒電極を備えるFAIMSあるいは公知の他のFAIMSに対しても本実施例は同様に適用可能である。
イオン源1で実施されるイオン化方法は、例えばエレクトロスプレーイオン化(ESI)、大気圧化学イオン化(APCI)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)、大気圧光イオン化(APPI)など、質量分析計で通常用いられるイオン化法である。
図9は、イオン移動度分離部であるFAIMS7を用いた分析装置の構成例を説明する図である。イオン源1で生成されたイオンは、イオン移動度分離部であるFAIMS7においてイオン分離された後に検出器でイオン検出される。制御部35は、FAIMS7の各構成要素を制御するものであり、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成されている。制御部35は、中央演算処理装置と、主記憶装置と、補助記憶装置とを備え、入力部34及び表示部33に接続されている。中央演算処理装置は、例えばCPUなどのプロセッサ(又は演算部ともいう)で構成されている。補助記憶装置は、例えばハードディスクであり、主記憶装置はメモリである。表示部33は、ディスプレイなどであり、分析スペクトルや結果の表示や、分析条件が表示される。入力部34は、キーボード、ポインティングデバイス(マウスなど)などであり、分析条件などの入力が可能である。
以上説明したように、入口から出口が見通せないように屈曲したイオン流路を内部に設けた遮蔽電極をFAIMSの前に設置することで、液滴・クラスター・中性分子などの分析に用いないノイズ成分を除去・低減することができ、後段にあるFAIMSなどのイオン移動度分離部や検出器の汚染は大幅に低減し、FAIMSの耐久性・ロバスト性は向上する。この結果、感度低下、イオン移動度分離部の分離能低下、イオン移動度分離装置の放電の問題が解決し、長時間メンテナンス不要になるメリットがある。
[第2実施例]
第2の実施例について説明する。図10は、本実施例のイオン移動度分離部と質量分析計を結合した分析装置を示す断面模式図である。
実施例1との違いは、イオン25は、FAIMS7を通過後、質量分析計10の内部を真空に保つための真空隔壁である第1細孔電極5をイオンの流れ20に沿って通過して、質量分析部6へ入る点である。質量分析部6では、イオンはイオン分離分析部31で分離され、検出器32で検出される。第1細孔電極5には直流電圧電源16から直流電圧が印加されており、FAIMS7の平板電極3,4と第1細孔電極5の間及び第1細孔電極5と質量分析部6の間には絶縁物23,24が配置されている。
FAIMSやDMSを含めたイオン移動度分離部は、大気圧下又は準大気圧下で動作可能である。遮蔽電極2及びFAIMS7の部分は、高い感度を維持する観点からガスに対する機密性が高いため、FAIMS7部分の気圧は、遮蔽電極2のイオン流路のコンダクタンス、第1細孔電極5のイオン流路のコンダクタンス、質量分析部6の真空ポンプの排気速度によって決まる。例えば、イオン移動度分離部を大気圧下又は準大気圧下で動作させるためには、遮蔽電極2のイオン流路8のコンダクタンスを第1細孔電極5のイオン流路のコンダクタンスに対して、およそ5倍以上とすることが望ましい。
質量分析計10は、公知の質量分析計であればよい。例えば、3次元イオントラップやリニアイオントラップなどのイオントラップ質量分析計、四重極フィルター、3連四重極質量分析計、飛行時間型質量分析計、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計、オービトラップ質量分析計、磁場型質量分析計などである。また、上記した質量分析計以外の既知の質量分析計でもよい。
図11は、イオン移動度分離部であるFAIMS7と質量分析計10を用いた分析装置の構成例を説明する図である。イオン源1で生成されたイオンは、イオン移動度分離部であるFAIMS7においてイオン分離した後に、質量分析計10で分離・分析されイオン検出される。制御部35は、FAIMS7や質量分析計の各構成要素を制御するものであり、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成されている。制御部35、表示部33及び入力部34の構成は実施例1と同様であるため詳細な説明を省略する。
[第3実施例]
第3の実施例について説明する。図12は、本実施例の分析装置の一部分の断面模式図である。前段のイオン源及び後段のFAIMSや検出器あるいは質量分析計は、第1の実施例あるいは第2の実施例と同様な構成、動作でよいため、図示及び説明を省略する。
本実施例が第1の実施例と異なるのは、遮蔽電極42の形状である。本実施例の遮蔽電極42は、図示するように、L字状に曲がったパイプ状の電極である。遮蔽電極42は、イオン源1と平板電極3,4から構成されるFAIMS7の間に配置される。遮蔽電極42の入口、出口、イオン流路は実施例1で説明した遮蔽電極2と同じであり、イオン流路はイオンが導入される入口からイオンが排出される出口が見通せないように屈曲している。本実施例の場合、イオン流路は途中でほぼ直角に屈曲した部分を有する。本実施例の遮蔽電極42は、例えば、金属のパイプあるいはセラミックのパイプの内面を金属コーティングした部材からなる。
ただし、本実施例の遮蔽電極の構成は図示したものに限定されず、イオン流路の内面が導電体でコーティングされているものであれば、その他の既知の構成・形態でもよい。
上記以外のイオン流路の流路形状、断面形状、寸法などはこれまでの実施例と同様である。
[第4実施例]
遮蔽電極の他の形状について、以後の実施例で説明する。図13は、第4の実施例の分析装置の一部分の断面模式図である。前段のイオン源及び後段のFAIMSや検出器あるいは質量分析計は、第1の実施例あるいは第2の実施例と同様な構成、動作でよいため、図示及び説明を省略する。
本実施例がこれまでの実施例と異なるのは、遮蔽電極43の内部に形成されたイオン流路41の形状が直線の組み合わせではなく曲線になっている点である。曲線のイオン流路41は、イオンが導入される入口からイオンが排出される出口が見通せないように屈曲している。イオン流路を角の無い曲線形にしたことにより、これまでの実施例と異なりイオンの乱流が発生しににくくなると予想されるため、イオンの透過効率の向上が見込める。
上記以外のイオン流路の流路形状、断面形状、寸法などはこれまでの実施例と同様である。
[第5実施例]
第5の実施例について説明する。図14は、第5の実施例の分析装置の一部分の断面模式図である。前段のイオン源及び後段のFAIMSや検出器あるいは質量分析計は、第1の実施例あるいは第2の実施例と同様な構成、動作でよいため、図示及び説明を省略する。
本実施例がこれまでの実施例と異なるのは、遮蔽電極44の内部に形成されたイオン流路45の液滴の衝突箇所9が凹状に窪んでいることである。すなわち、イオン流路45は入口から出口が見通せないように屈曲していると同時に、屈曲した部分が凹状に窪んでいる。液滴の衝突箇所9が凹状に窪んでいることで、液滴に含まれる汚染物質がその窪みに蓄積しても、イオンの流れやイオンとのチャージ反発への影響が低減し、遮蔽電極44自身の耐久性が向上することが期待される。凹状の窪みの深さは、0.1mm以上であればよい。
液滴の衝突箇所9が凹状に窪んでいること以外のイオン流路の流路形状、断面形状、寸法などはこれまでの実施例と同様である。
[第6実施例]
第6の実施例について説明する。図15は、第6の実施例の分析装置の一部分の断面模式図である。前段のイオン源及び後段のFAIMSや検出器あるいは質量分析計は、第1の実施例あるいは第2の実施例と同様な構成、動作でよいため、図示及び説明を省略する。
本実施例がこれまでの実施例と異なるのは、遮蔽電極46の内部に形成されたイオン流路47がほぼ直角に2回屈曲していることである。すなわち、イオン流路47は入口から出口が見通せないように2回屈曲している。2回屈曲することにより多くの液滴を除去することが可能となり、FAIMSの耐久性がより向上することが期待される。イオン流路が屈曲する回数は2回以上であってもよい。また、流路の曲がり角が曲線状であっても良い。
屈曲回数以外のイオン流路の流路形状、断面形状、寸法などはこれまでの実施例と同様である。
[第7実施例]
第7の実施例について説明する。図16は、第7の実施例の分析装置の一部分の断面模式図である。前段のイオン源及び後段のFAIMSや検出器あるいは質量分析計は、第1の実施例あるいは第2の実施例と同様な構成、動作でよいため、図示及び説明を省略する。
本実施例がこれまでの実施例と異なるのは、遮蔽電極48の内部に形成されたイオン流路49が、入口60から見通すことのできない位置に第1の出口36を有すると共に、入口60から直進方向に貫通する出口62、すなわち入口60から見通すことのできる位置に第2の出口62を有することである。分析の実行中、第2の出口62は着脱自在な板部材63によって塞がれている。本実施例では、イオン流路49の入口から導入された液滴は直進して第2の出口62の方向へ進むことで排除される。第2の出口の方に進んだ液滴は、第2の出口62を塞いでいる板部材63に衝突して板部材63を汚す。板部材63は遮蔽電極48とは別部材であって取り外し可能であるため、定期的に取り外して洗浄すればよい。一方で、イオンは気流に沿って第1の出口36の方へ流れ、FAIMS7と検出器あるいは質量分析計へ進むことが可能である。板部材63は表面の汚れを洗浄しやすいような素材、例えば金属、プラスチック、ガラス、セラミックなどで構成することができる。
図17は、遮蔽電極48の別の構成例を示す断面模式図である。遮蔽電極48に設けたイオン流路49の第1の出口36に対向する位置に新たに電極61を設ける。検出するイオンが正イオンであれば直流電圧電源70から電極61に+数Vから+数百V程度の電圧を印加することで、入口60から入ったイオンを第1の出口36に向けて押し出すことが可能となり、感度向上が可能となる。検出するイオンが負イオンの場合には、直流電圧電源70から電極61に印加する電圧の正負が反転し、−数Vから−数百V程度の電圧を印加する。
上記以外のイオン流路の流路形状、断面形状、寸法などはこれまでの実施例と同様である。
[第8実施例]
第8の実施例について説明する。図18は、本実施例の分析装置の一部分の模式図である。前段のイオン源及び後段のFAIMSや検出器あるいは質量分析計は、第1の実施例あるいは第2の実施例と同様な構成、動作でよいため、図示及び説明を省略する。
本実施例がこれまでの実施例と異なるのは、遮蔽電極64の内部に形成されたイオン流路が第1の入口67及び第2の入口68からなる2つの入口と1つの出口69を有することである。イオン流路は屈曲した形状を有するため、出口69は第1の入口67からも第2の入口68からも見通すことはできない。また、第1の入口67から始まるイオン流路と第2の入口68から始まるイオン流路は途中で、1つの出口69で終わる一本の流路に合流している。分析装置には第1のイオン源65と第2のイオン源66の2つのイオン源を備え、それぞれ第1の入口67と第2の入口68からイオンを導入することが可能である。一方、イオンは共通の出口69から出てFAIMS7の方へ移動する。本実施例によると、異なる2つのイオン源65,66により生成されるイオンを計測することができる。
第1のイオン源65と第2のイオン源66で実施されるイオン化方法は、例えばエレクトロスプレーイオン化(ESI)、大気圧化学イオン化(APCI)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)、大気圧光イオン化(APPI)など、質量分析計で通常用いられる既知のイオン化法で実施可能である。図示はしていないが、第1のイオン源65を使用して分析しているときは入口67を開放し、使用していない第2のイオン源66の入口68を閉鎖するのが望ましい。第2のイオン源66を使用するときは入口68を開放し、入口67を閉鎖する。入口の閉鎖は、例えばバルブなどにより行う。
上記以外のイオン流路の流路形状、断面形状、寸法などはこれまでの実施例と同様である。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 イオン源
2 遮蔽電極
3,4 平板電極
5 第1細孔電極
6 質量分析部
7 FAIMS
8 イオン流路
9 衝突箇所
10 質量分析計
17 ガス制御部
21,22,23,24 絶縁物
32 検出器

Claims (11)

  1. イオン源と、
    高周波電圧と直流電圧が印加される一対の対向する電極を備えたイオン移動度分離部と、
    前記イオン源と前記イオン移動度分離部との間に設けられ直流電圧が印加される遮蔽電極とを有し、
    前記遮蔽電極は、前記イオン源からのイオンが導入される入口と前記イオンが排出される出口とをつなぐイオン流路を内部に有し、
    前記イオン流路は前記入口から前記出口が見通せないように屈曲している、分析装置。
  2. 前記イオン流路はほぼ直角に屈曲した部分を有する、請求項1に記載の分析装置。
  3. 前記遮蔽電極の前記出口と前記一対の対向する電極の間の距離が、放電限界距離より長い、請求項1に記載の分析装置。
  4. 前記遮蔽電極の前記出口が、前記イオン移動度分離部の前記一対の対向する電極間のイオン透過領域内に位置する、請求項1に記載の分析装置。
  5. 前記遮蔽電極は、少なくとも前記イオン流路の内面が導電性を有する、請求項1に記載の分析装置。
  6. 前記イオン流路は前記屈曲した部分が凹状に窪んでいる、請求項1に記載の分析装置。
  7. 前記イオン移動度分離部の後段に質量分析計が接続されている、請求項1に記載の分析装置。
  8. 前記質量分析計は、前記イオン移動度分離部に面して当該質量分析計の内部を真空に保つための第1細孔電極を有し、
    前記遮蔽電極のコンダクタンスが前記第1細孔電極のコンダクタンスよりも大きい、請求項7に記載の分析装置。
  9. 前記イオン流路は前記入口から見通すことのできる位置に第2の出口を有し、前記第2の出口を塞ぐ着脱自在な板部材を備える、請求項1に記載の分析装置。
  10. 前記イオン源として第1のイオン源と第2のイオン源を備え、
    前記遮蔽電極は前記入口として前記第1のイオン源に対応する第1の入口と前記第2のイオン源に対応する第2の入口を有し、
    前記第1の入口から始まるイオン流路と前記第2の入口から始まるイオン流路は途中で、前記出口で終わる一本の流路に合流している、請求項1に記載の分析装置。
  11. 前記イオン流路は前記出口を見通せる位置に電極が設けられている、請求項1に記載の分析装置。
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