JP2017151801A - 光透過性導電材料積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶ディスプレイに重ねてもモアレや砂目が発生せず、かつ液晶ディスプレイに表示された画像の鮮明性に優れた光透過性導電材料積層体を提供する。【解決手段】光透過性支持体上に光透過性導電層を有する光透過性導電材料の光透過性導電層上に、粘着剤層および光透過性機能材料を少なくともこの順に有する光透過性導電材料積層体であって、該光透過性導電層がランダムパターンより形成される金属細線パターンを有し、かつ該光透過性機能材料の粘着剤層に接する面における算術平均粗さRaが0.085〜0.23μmである。【選択図】図1
Description
本発明は光透過性導電材料積層体に関し、特に投影型静電容量方式のタッチパネルに好適な光透過性導電材料積層体に関するものである。
パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の電子機器においては、これらのディスプレイに入力手段としてタッチパネルが広く用いられている。
タッチパネルには、位置検出の方法により光学方式、超音波方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式、抵抗膜方式などがある。抵抗膜方式のタッチパネルでは、タッチセンサーとなる光透過性電極として、光透過性導電材料と光透過性導電層付ガラスとがスペーサーを介して対向配置されており、光透過性導電材料に電流を流し光透過性導電層付ガラスにおける電圧を計測するような構造となっている。一方、静電容量方式のタッチパネルでは、タッチセンサーとなる光透過性電極として、基材上に光透過性導電層を有する光透過性導電材料を基本的構成とし、可動部分が無いことを特徴とすることから、高い耐久性および光透過性を有するため、様々な用途において適用されている。更に、投影型静電容量方式のタッチパネルは、多点を同時に検出することが可能であるため、スマートフォンやタブレットPC等に幅広く用いられている。
従来、タッチパネルの光透過性電極に用いられる光透過性導電材料としては、基材上にITO(酸化インジウムスズ)導電膜からなる光透過性導電層が形成されたものが使用されてきた。しかしながら、ITO導電膜は屈折率が大きく、光の表面反射が大きいため、光透過性導電材料の光透過性が低下する問題があった。またITO導電膜は可撓性が低いため、光透過性導電材料を屈曲させた際にITO導電膜に亀裂が生じて光透過性導電材料の電気抵抗値が高くなる問題があった。
ITO導電膜からなる光透過性導電層を有する光透過性導電材料に代わる材料として、光透過性支持体上に光透過性導電層として金属細線パターンを、例えば、金属細線パターンの線幅やピッチ、更にはパターン形状などを調整して網目形状の金属細線パターンを形成した光透過性導電材料が知られている。この技術により、高い光透過性を維持し、高い導電性を有する光透過性導電材料が得られる。網目形状の金属細線パターン(以下、金属パターンとも記載)が有する網目形状に関しては、各種形状の単位図形を利用できることが知られており、例えば特開2013−30378号公報では、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形、(正)十二角形、(正)二十角形などの(正)n角形、円、楕円、星形等の単位図形を繰り返したパターンや、及びこれらの2種類以上の単位図形を組み合わせ、繰り返したパターンが開示されている。
上記した網目形状の金属パターンを有する光透過性導電材料の製造方法としては、支持体上に薄い触媒層を形成し、その上にレジストパターンを形成した後、めっき法によりレジスト開口部に金属層を積層し、最後にレジスト層及びレジスト層で保護された下地金属を除去することにより、金属パターンを形成するセミアディティブ方法が、例えば特開2007−287994号公報、特開2007−287953号公報などに開示されている。
また近年、銀塩拡散転写法を用いた銀塩写真感光材料を導電性材料前駆体として用いる方法が知られている。例えば特開2003−77350号公報、特開2005−250169号公報や特開2007−188655号公報等では、支持体上に物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する銀塩写真感光材料(導電性材料前駆体)に、可溶性銀塩形成剤及び還元剤をアルカリ液中で作用させて、金属(銀)パターンを形成させる技術が開示されている。この方式によるパターニングは均一な線幅を再現することができることに加え、銀は金属の中で最も導電性が高いため、他方式に比べ、より細い線幅で高い導電性を得ることができる。更に、この方法で得られた金属パターンを有する層はITO導電膜よりも可撓性が高く折り曲げに強いという利点がある。
光透過性支持体上にこれらの金属パターンを有する光透過性導電材料は、液晶ディスプレイ上に重ねて配置されるため、金属パターンの周期と液晶ディスプレイ素子の周期とが干渉し合い、モアレが発生するという問題があった。近年では液晶ディスプレイには様々な解像度のものが使用されており、このことは上記した問題を更に複雑にしている。
この問題に対し、例えば特開2011−216377号公報、特開2013−37683号公報、特開2014−17519号公報、特表2013−540331号公報などでは、金属細線のパターンとして、例えば「なわばりの数理モデル ボロノイ図からの数理工学入門」(共立出版 2009年2月)などに記載された、古くから知られているランダムパターンを用いることで、干渉を抑制する方法が提案されている。
これらランダム図形は、パターンが不規則であるため、液晶ディスプレイ素子の周期と干渉を起こすことは原理的にありえず、モアレが発生することはない。しかしながら該ランダムパターンは不規則に金属パターンが粗になる部分と密になる部分が現れ、それが視認される、所謂「砂目」という問題を有していた。
上記した「砂目」を改善するための手段としては、例えば特開2015−210615号公報(特許文献1)には、ランダムパターンを形成するボロノイ辺を得るための母点の配置方法を工夫することで得られた金属パターンや、単位図形が規則的に配置された網目図形に対し、各繰り返し単位の頂点を不規則にずらすことで得られたランダムパターンを、光透過性支持体上の光透過性導電層面内で少なくとも2方向に繰り返して得られた金属パターンを利用する方法が提案されている。しかしこのようにして得られた金属パターンを有する光透過性導電材料であっても、液晶ディスプレイ上に装着し、濃淡の少ない均一な緑色の画像が表示された際には、モアレや砂目が視認される場合があり、更なる改良が求められている。
特表2006−521634号公報(特許文献2)では、ランダムに配置された空隙を有する透明導電層を用いたタッチセンサーによって高い透明性と高シート抵抗を有するタッチセンサーが得られることが提案され、タッチ面を形成する上部基板の双方の面に追加層を設けることで耐引掻き性が改善されることが記載されている。また追加層の例として反射防止またはぎらつき防止コーティング層が記載されている。
特開2013−152578号公報(特許文献3)では、透明導電層が存在する箇所と、透明導電層が存在しない箇所とで生じる光学特性差の改善を目的に、表面を有する基材と、表面に平面的に交互に並べられた透明導電部および透明絶縁部とを備えた透明導電性素子であって、透明絶縁部は複数の島部からなる透明導電層であり、透明導電部および透明絶縁部の平均境界線長さが20mm/mm2以下である透明導電性素子が提案されている。また透明導電性素子の両主面のうち、透明導電層が設けられる側とは反対側の主面に反射防止層を設けた一例が記載されている。
また特開2005−38288号公報(特許文献4)では、タッチパネル用ガラスのガラス基板上の一方に形成された透明層の表面における十点平均粗さRzを0.5〜6.0μmとすることで、透明性や耐磨耗性、および指先が接触した時の指滑り性等に優れ、さらにアンチグレア機能を有するタッチパネル用ガラスを得られることが提案され、該透明層の算術平均粗さRaは0.05〜0.20μmであることが記載されている。しかし特許文献4は、該タッチパネル用ガラスによって、ランダムパターンにより形成された金属細線パターンを有する光透過性導電材料を液晶ディスプレイ上に装着した際のモアレや砂目を改善できることを、何ら示唆しない。
本発明の課題は、液晶ディスプレイに重ねてもモアレや砂目が発生せず、かつ液晶ディスプレイに表示された画像の鮮明性に優れた光透過性導電材料積層体を提供することである。
上記の課題は、以下の発明によって解決される。
(1)光透過性支持体上に光透過性導電層を有する光透過性導電材料の光透過性導電層上に、粘着剤層および光透過性機能材料を少なくともこの順に有する光透過性導電材料積層体であって、該光透過性導電層がランダムパターンより形成される網目形状の金属細線パターンを有し、かつ該光透過性機能材料の粘着剤層に接する面における算術平均粗さRaが0.085〜0.23μmであることを特徴とする光透過性導電材料積層体。
(1)光透過性支持体上に光透過性導電層を有する光透過性導電材料の光透過性導電層上に、粘着剤層および光透過性機能材料を少なくともこの順に有する光透過性導電材料積層体であって、該光透過性導電層がランダムパターンより形成される網目形状の金属細線パターンを有し、かつ該光透過性機能材料の粘着剤層に接する面における算術平均粗さRaが0.085〜0.23μmであることを特徴とする光透過性導電材料積層体。
本発明により、液晶ディスプレイに重ねてもモアレや砂目が発生せず、かつ液晶ディスプレイに表示された画像の鮮明性に優れた光透過性導電材料積層体を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明するにあたり、図面を用いて説明する。本発明はその技術的範囲を逸脱しない限り様々な変形や修正が可能であり、以下の実施形態に限定されないことは言うまでもない。
図1は本発明の光透過性導電材料積層体の一例を示す概略断面図である。図1において本発明の光透過性導電材料積層体aは、光透過性支持体2上に金属細線パターン3を有する光透過性導電材料1と、光透過性支持体2上に金属細線パターン3を有する別の光透過性導電材料1′とが、粘着剤層4を介して積層されており、別の光透過性導電材料1′は粘着剤層4を介して、光透過性機能材料5と積層されている。
光透過性導電材料積層体aにおける金属細線パターン3は、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、およびこれらの複合材からなることが好ましい。これら金属細線パターン3を形成する方法としては、銀塩感光材料を用いる方法、同方法を用いて更に得られた銀画像に無電解めっきや電解めっきを施す方法、スクリーン印刷法を用いて銀ペーストなどの導電性インキを印刷する方法、銀インクなどの導電性インクをインクジェット法で印刷する方法など、公知の方法を用いることができる。中でも得られる金属パターンの厚みが薄くでき、さらに極微細な金属パターンも容易に形成できる銀塩拡散転写法を用いることが好ましい。銀塩拡散転写法としては、例えば特開2003−77350号公報や特開2005−250169号公報に記載されている。
本発明において光透過性導電材料は、光透過性支持体上に光透過性導電層を有する。図2は、本発明の光透過性導電材料積層体が有する光透過性導電材料の一例を示す概略図であり、静電容量方式を用いたタッチパネルの光透過性電極の例を示した。図2において光透過性導電材料1は、光透過性支持体2上の少なくとも一方に、金属パターンからなるセンサー部11、ダミー部12、周辺配線部14、端子部15と、金属パターンがない非画像部13を有する。ここで、センサー部11及びダミー部12はランダムパターンより形成される網目形状の金属細線から構成されるが、便宜上、それらの範囲を輪郭線で示している。センサー部11は周辺配線部14を介して端子部15に電気的に接続しており、この端子部15を通して外部に電気的に接続することで、センサー部11で感知した静電容量の変化を捉えることができる。本発明において、センサー部11は端子部15と直接に接することで電気的に接続されていてもよいが、図2に示すように、複数の端子部15を近傍に集めるために、周辺配線部14を介してセンサー部11が端子部15と電気的に接続されていることは好ましい。一方、端子部15に電気的に接続していない金属パターンは本発明では全てダミー部12となる。周辺配線部14、端子部15は特に光透過性を有する必要はないためベタパターン(光透過性を有さないパターン)でも良く、あるいはセンサー部11やダミー部12などのように光透過性を有していても良い。
図2において光透過性導電材料1が有するセンサー部11は、光透過性導電層面内のx方向に伸びた列電極であり、ダミー部12を挟んで、光透過性導電層面内でx方向と垂直な方向であるy方向に複数列が並んでいる。本発明において、センサー部11は図2にあるように、y方向に任意の周期をもって並んでいることが好ましい。センサー部11の周期は、タッチセンサーとしての分解能を保つことができる範囲で任意に設定することができる。センサー部11は一定の幅であっても良いが、図2に示すようにx方向にパターン周期を持つことが好ましい。また、センサー部11の幅も、タッチセンサーとしての分解能を保つことができる範囲で任意に設定することができ、それに応じてダミー部12の幅や形状も設定できる。
本発明において光透過性導電層はランダムパターンより形成される網目形状の金属細線パターンを有する。ランダムパターンより形成される金属細線パターンは、センサー部および/またはダミー部の何れに適用されていても良いが、センサー部に適用されていることが好ましく、センサー部およびダミー部に適用されていることが好ましい。以下に、本発明においてランダムパターンより形成される金属細線パターンについて説明する。
本発明において、光透過性導電層を構成する金属細線パターンは、下記のa、b、cの何れかの方法によって得られた網目形状を有する金属細線パターンからなる単位パターン領域を、光透過性支持体上の光透過性導電層面内で少なくとも2方向に繰り返して有することが好ましい。これにより砂目の視認性(難視認性)をより向上させることができる。
<a:ボロノイ図形タイプ>
本発明で用いる網目形状の金属細線パターンの中で最も好ましいものは、以下に示す方法によって得られたボロノイ図形による金属細線パターンである。ボロノイ図形とは、情報処理などの様々な分野で応用されている公知の図形であり、これを説明するために図3を用いる。図3はタイプaの網目形状を有する金属細線パターンを説明するための概略図である。図3の(3−a)において、平面20上に複数の母点211が配置されている時、一つの任意の母点211に最も近い領域21と、他の母点に最も近い領域21とを境界線22で区切ることで、平面20を分割した場合に、各領域21の境界線22をボロノイ辺と呼び、ボロノイ辺を集めてできる図形をボロノイ図形と呼ぶ。
本発明で用いる網目形状の金属細線パターンの中で最も好ましいものは、以下に示す方法によって得られたボロノイ図形による金属細線パターンである。ボロノイ図形とは、情報処理などの様々な分野で応用されている公知の図形であり、これを説明するために図3を用いる。図3はタイプaの網目形状を有する金属細線パターンを説明するための概略図である。図3の(3−a)において、平面20上に複数の母点211が配置されている時、一つの任意の母点211に最も近い領域21と、他の母点に最も近い領域21とを境界線22で区切ることで、平面20を分割した場合に、各領域21の境界線22をボロノイ辺と呼び、ボロノイ辺を集めてできる図形をボロノイ図形と呼ぶ。
図3の(3−b)は母点の配置方法を説明するための図である。平面20は12個の四角形23で隙間無く平面充填されており、四角形23の中には常に一つの母点211が配置されている。図3においては平面を充填する多角形として四角形を用いたが、本発明においては、四角形以外に三角形や六角形を用いても良く、また複数の種類、複数の大きさの多角形を用いても良い。それらの選択の中では、単一の形状で、単一の大きさの多角形による平面充填が好ましい。なお、多角形の一辺の長さは好ましくは100〜2000μm、より好ましくは150〜800μmである。前述の通り、母点は多角形内に一点のみ配置される。その位置としては図3の(3−b)、あるいはその拡大図である(3−c)を用いて説明する。四角形23の重心24と四角形23の各頂点を結んだ直線において、その重心24から各頂点までの距離の、重心から90%の位置251、252、253、254を結んでできる縮小多角形である縮小四角形25内の任意の位置に母点は配置される。なお、本発明においてボロノイ辺は直線であることが最も好ましいが、曲線、波線、ジグザグ線などを用いることもできる。
<b:非周期充填図形タイプ>
本発明に用いる別の網目形状を有する金属細線パターンとして、複数の多角形を用いて非周期平面充填した非周期充填図形(タイプb)が挙げられる。非周期充填図形の形成方法としては公知の方法を用いることができ、例えばロジャー・ペンローズが考案した、鋭角72°、鈍角108°の菱形と、鋭角36°、鈍角144°の菱形の2種類の菱形を組み合わせて用いるペンローズタイルや、その他にも正方形、正三角形、30°と150°の角を持つ平行四辺形の3つの多角形による非周期平面充填図形、中世イスラムでデザインとして用いられた「ギリー」パターンなどが挙げられる。これらの図形の辺は直線であることが好ましいが、曲線、波線、ジグザグ線などを用いることもできる。非周期平面充填図形に用いられる全ての多角形が有する辺の内で最も長い辺の長さ(波線、曲線などを用いる場合は頂点間の距離を辺の長さとする)は、第二の方向に並ぶセンサー部間の周期の1/3以下であり、好ましくは100〜1000μm、より好ましくは150〜500μmである。
本発明に用いる別の網目形状を有する金属細線パターンとして、複数の多角形を用いて非周期平面充填した非周期充填図形(タイプb)が挙げられる。非周期充填図形の形成方法としては公知の方法を用いることができ、例えばロジャー・ペンローズが考案した、鋭角72°、鈍角108°の菱形と、鋭角36°、鈍角144°の菱形の2種類の菱形を組み合わせて用いるペンローズタイルや、その他にも正方形、正三角形、30°と150°の角を持つ平行四辺形の3つの多角形による非周期平面充填図形、中世イスラムでデザインとして用いられた「ギリー」パターンなどが挙げられる。これらの図形の辺は直線であることが好ましいが、曲線、波線、ジグザグ線などを用いることもできる。非周期平面充填図形に用いられる全ての多角形が有する辺の内で最も長い辺の長さ(波線、曲線などを用いる場合は頂点間の距離を辺の長さとする)は、第二の方向に並ぶセンサー部間の周期の1/3以下であり、好ましくは100〜1000μm、より好ましくは150〜500μmである。
<c:ランダム網目タイプ>
本発明に用いるまた別の網目形状を有する金属細線パターンとして、一般的に使われている規則的な網目の頂点を不規則にずらしたランダム網目(タイプc)が挙げられる。以下、図4を用いてランダム網目について説明する。図4はタイプcの網目形状を有する金属細線パターンを説明するための概略図である。当該説明において、不規則に頂点をずらす前の図形を原図形と呼び、図4の(4−a)における31がこれにあたる。原図形31は原単位図形32(説明のため太線で図示している)を繰り返すことにより構成されている。原単位図形32としては公知の形状を用いることができ、例えば正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、六角形、八角形、十二角形、二十角形などのn角形、円、楕円、星形などが挙げられ、これらの形状を単独で繰り返して形成した原図形、あるいは2種類以上を組み合わせて形成した原図形などを用いることができる。また、辺が直線でなくとも例えばジグザグ線、波線などで構成されていても良い。更に特開2002−223095号公報で開示されているような、煉瓦積み模様状のパターンも用いることができる。本発明では、これらのいずれの形状の原単位図形も用いることができるが、好ましくは正方形あるいは菱形であり、より好ましくは鋭角が30〜70°の菱形である。原単位図形32の辺の長さは(波線、曲線などを用いる場合は頂点間の距離を長さとする)好ましくは1000μm以下、より好ましくは150〜500μmである。
本発明に用いるまた別の網目形状を有する金属細線パターンとして、一般的に使われている規則的な網目の頂点を不規則にずらしたランダム網目(タイプc)が挙げられる。以下、図4を用いてランダム網目について説明する。図4はタイプcの網目形状を有する金属細線パターンを説明するための概略図である。当該説明において、不規則に頂点をずらす前の図形を原図形と呼び、図4の(4−a)における31がこれにあたる。原図形31は原単位図形32(説明のため太線で図示している)を繰り返すことにより構成されている。原単位図形32としては公知の形状を用いることができ、例えば正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、六角形、八角形、十二角形、二十角形などのn角形、円、楕円、星形などが挙げられ、これらの形状を単独で繰り返して形成した原図形、あるいは2種類以上を組み合わせて形成した原図形などを用いることができる。また、辺が直線でなくとも例えばジグザグ線、波線などで構成されていても良い。更に特開2002−223095号公報で開示されているような、煉瓦積み模様状のパターンも用いることができる。本発明では、これらのいずれの形状の原単位図形も用いることができるが、好ましくは正方形あるいは菱形であり、より好ましくは鋭角が30〜70°の菱形である。原単位図形32の辺の長さは(波線、曲線などを用いる場合は頂点間の距離を長さとする)好ましくは1000μm以下、より好ましくは150〜500μmである。
原図形から頂点をずらす方法について説明する。図4の(4−b)において、原単位図形32を破線で示した。原単位図形32の4つの頂点321、322、323、324がそれぞれずれた頂点331、332、333、334を結ぶことで、実線で示した新たな図形33ができている。頂点321から頂点331のズレ距離zは、原単位図形の重心と、それに最も近い頂点(図4の場合、321あるいは323)の間の距離の1/2より小さくなっている。言い換えると、ズレ距離zは、原単位図形の重心を中心とし、その半径が、中心から最も近い頂点(図4の場合、321あるいは323)までの距離に等しい円34の半径rの1/2より小さくなっており(理解し易くするため、図4の(4−b)においては頂点321、322、323、324を中心とする半径r/2の円を図示しておいた。)、その方向については、任意の方向である。他の頂点332、333、334のズレ距離及び方向も同様である。
原単位図形32の頂点を図4の(4−b)のようにずらし、その各頂点を結んだ図形が図4の(4−c)であり、これが本発明で用いるタイプcの網目形状の一例となる。(4−c)のランダム網目35では原図形31の84個の交点の内、81個(96%)の交点が原図形の元の位置からずれている。本発明においてはこのように一部の交点が原図形と同じ位置にあっても良いが、少なくとも個数で50%以上の交点が原図形の交点の位置からずれており、75%以上の交点が原図形の交点の位置からずれていることが好ましい。
本発明においては前述の通り、上記説明したタイプa、タイプb、タイプcのいずれかの網目形状を有する金属細線パターンからなる単位パターン領域を、光透過性導電層面内で少なくとも2方向に繰り返すことで、図3におけるセンサー部11とダミー部12を形成することが好ましい。図5はこの金属細線パターン領域を説明するための概略図である。(5−a)は、左からタイプa、タイプb、タイプcの網目形状を有する単位パターン領域の例である。例えば、この内のタイプaの網目形状を有する単位パターン領域41を繰り返した例が(5−b)になる。単位パターン領域41の網目形状は、四角44で囲まれた単位パターン領域の範囲内で周期の無いランダムなパターンである。この単位パターン領域41(x方向の長さが42、y方向の長さが43)が、x方向に繰り返し周期42、y方向に繰り返し周期43で繰り返されて、一連の大きな金属細線パターンを形成している。ランダムな網目形状を有する単位パターン領域をこのように繰り返した場合、隣り合う単位パターン領域との境界部で金属細線同士が繋がらず、特にセンサー部11においては断線してしまうことがあるので、単位パターン領域41の四角44上に位置する金属細線の位置は、繰り返した際に隣り合う単位パターン領域の金属細線と繋がるように、元の図形から修正することが好ましい。
図5の(5−b)では、正方形の単位パターン領域41を光透過性導電層面内で直交する2方向に繰り返してセンサー部11とダミー部12を形成しているが、単位パターン領域の範囲の輪郭形状は、それを用いて平面充填できる形状であれば、例えば正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、正六角形、及びこれらや他の形状との2種類以上の組み合わせなど、どのような形状でも構わない。また、繰り返す方向も単位パターン領域の範囲の輪郭形状に合わせて、光透過性導電層面内における少なくとも二方向を選択することができる。本発明においては、図5の(5−b)に示すように、範囲の輪郭形状が正方形の単位パターン領域を光透過性導電層面内で直交する2方向に繰り返して、センサー部11および/またはダミー部12を形成することが好ましい。
図2の説明において述べたように、センサー部とダミー部の間には電気的接続はない。図6は光透過性導電材料のセンサー部とダミー部の一例を示す概略図である。図6の(6−a)において、センサー部11とダミー部12はタイプaの網目形状を有する金属細線パターンからなる単位パターン領域によって形成され、センサー部11は周辺配線14と電気的に接続している。センサー部11とダミー部12の境界に仮の境界線Rを図示しており(実際には、境界線Rが示す線は金属パターンではない。)、この仮の境界線Rの位置で、センサー部11とダミー部12の間には、電気的接続を断つための断線部が設けられている。断線部の長さ(金属細線が途切れている長さ)は好ましくは3〜100μm、より好ましくは5〜20μmである。図5では断線部は仮の境界線Rに沿った位置にのみ設けているが、それ以外にも、必要に応じてダミー部内などに単数あるいは複数設けることもできる。図6の(6−a)から仮の境界線Rを消し、実際の金属パターンのみを図示したのが図6の(6−b)である。
図7は単位パターン領域の繰り返し周期を説明するための図である。四角44(実際には、四角44が示す線は金属パターンでは無く、説明のために図示している。)で囲まれた不規則な網目形状を有する金属細線パターンからなる単位パターン領域41を繰り返して配置することにより、センサー部11とダミー部12が構成されている。センサー部11とダミー部12の境界には仮の境界線Rを図示しており、このRの位置に断線部が設けられ、センサー部11とダミー部12の間では電気的接続が断たれている。単位パターン領域41はx方向に繰り返し周期42、y方向に繰り返し周期43で繰り返して配置され、全体が敷き詰められている。図7において、繰り返し周期43はセンサー部11がy方向に並んだ列周期63と同じになっている。繰り返し周期43と列周期63の関係は、繰り返し周期43が列周期63の整数倍になっているか、もしくは列周期63が繰り返し周期43の整数倍になっていることが好ましく、図6のように同じであることがより好ましい。更に、繰り返し周期43は好ましくは1mm以上、あるいは、タッチパネルとするとき光透過性電極と貼り合わせるディスプレイの素子にy方向の周期がある場合は、その周期の5倍以上であり、より好ましくは10倍以上である。繰り返し周期43の最大値は、列周期63の10倍以下であることが好ましい。
図7において、繰り返し周期42はセンサー部11のx方向におけるパターン周期62と同じになっている。繰り返し周期42とパターン周期62との関係は、周期42がパターン周期62の整数倍になっているか、もしくはパターン周期62が繰り返し周期42の整数倍になっていることが好ましく、同じであることがより好ましい。更に、繰り返し周期42は好ましくは1mm以上、あるいは、タッチパネルとするとき光透過性電極と貼り合わせるディスプレイの素子にx方向の周期がある場合は、その周期の5倍以上であり、より好ましくは10倍以上である。繰り返し周期42の最大値は、パターン周期62の10倍以下であることが好ましい。
ここまでの説明ではx方向に伸びたセンサー部を有する光透過性導電材料のみについて説明しているが、実際のタッチパネルの光透過性電極では、この光透過性導電材料と対になるy方向に伸びたセンサー部を有する光透過性導電材料を重ねて用いるため、このy方向に伸びたセンサー部はx方向に任意の周期を保って並ぶことが好ましい。前述の図1に示した光透過性導電材料積層体の一例では、光透過性導電材料1が有する金属細線パターン3がx方向に伸びたセンサー部に相当し、別の光透過性導電材料1′が有する金属細線パターン3がy方向に伸びたセンサー部に相当する。仮にこのx方向の列周期を64とすると、列周期64は図7におけるセンサー部11のx方向におけるパターン周期62と同じであることが好ましく、単位パターン領域の繰り返し周期42と同じであることが好ましい。
図1の光透過性導電材料積層体aにおける光透過性導電材料を構成する光透過性支持体2としては、ガラスやあるいはポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等などの公知の光透過性を有するシートを用いることが好ましい。ここで光透過性とは全光線透過率が60%以上であることを意味し、光透過性支持体の全光線透過率は85%以上であることが好ましい。光透過性支持体2の厚みは50μm〜5mmであることが好ましい。また光透過性支持体2には指紋防汚層、ハードコート層、反射防止層、防眩層などの公知の層を付与することもできる。
本発明の光透過性導電材料積層体が有する粘着剤層4は、粘着性を有する材料から構成される層であることを意味し、公知の材料を用いることができる。一般的に粘着性を有する材料としては、アクリル系樹脂が好ましく用いられる。
粘着剤層4を構成するアクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体と多官能性架橋剤を含む混合物の重合体を例示できる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体の種類は特に限定されなく、例えば、アルキル(メタ)アクリレートを使用できる。この場合、構造中に含まれるアルキル鎖が長すぎると、硬化物の凝集力が低下し、ガラス転移温度や粘着性の調節が困難になる虞があるため、炭素数が1〜14、好ましくは炭素数が1〜8のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを使用できる。このような単量体の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート又はイソノニル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、本発明では前記の一種又は二種以上の混合を使用することができる。
前記した多官能性架橋剤は、その使用量によって前記したアクリル系樹脂の硬化物の凝集力又は粘着特性を調節できる。多官能性架橋剤の種類は特に限定されなく、例えば、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物及び金属キレート系化合物のような一般的な多官能性架橋剤を使用できる。前記において、イソシアネート系化合物の例としては、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート及び前記の一つ以上のイソシアネート化合物とポリオール(例えばトリメチロールプロパン)との反応物からなる群から選ばれた一つ以上を挙げることができ;エポキシ系化合物の例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、N,N,N′,N′−テトラグリシジルエチレンジアミン及びグリセリンジグリシジルエーテルからなる群から選ばれた一つ以上を挙げることができ;アジリジン系化合物の例としては、N,N′−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、N,N′−ジフェニルメタン−4,4′−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソプロタロイル−1−(2−メチルアジリジン)及びトリ−1−アジリジニルホスフィンオキシドからなる群から選ばれた一つ以上を挙げることができる。また、前記金属キレート系化合物の例としては、アルミニウム、鉄、亜鉛、スズ、チタン、アンチモン、マグネシウム及び/又はバナジウムのような多価金属がアセチルアセトン又はアセト酢酸エチル等に配位している化合物を使用できるが、これに制限されるものではない。
また粘着剤層4の形成に用いられる市販品としては、例えばリンテック(株)製静電容量方式フィルムセンサー用光学用粘着シートMOseriesや日栄化工(株)製高透明基材レス両面粘着シートMHM−FWDなどが例示される。
本発明の光透過性導電材料積層体が有する光透過性機能材料5としては、例えばカバーガラス、ハードコートフィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、光透過性導電フィルム、偏光フィルムなど各種公知の光透過性機能材料が使用可能であり、本発明の効果を得るためには光透過性機能材料の粘着剤層に接する面の算術平均粗さRaが0.085〜0.23μmであることが必要である。光透過性機能材料の算術平均粗さRaが0.085μm未満であれば、「モアレ」や「砂目」が視認され、また算術平均粗さRaが0.23μmを超えるものであれば、液晶ディスプレイに表示される画像の鮮明性に劣る。本発明では、光透過性機能材料の粘着剤層に接する面の算術平均粗さRaが0.11〜0.23μmであることがより好ましく、これにより「モアレ」や「砂目」の視認性(難視認性)にとりわけ優れた光透過性導電材料積層体を得ることが可能である。
なお、本発明において光透過性機能材料5の粘着剤層に接しない面における算術平均粗さは特に規定されるものではなく、例えば光透過性機能材料の粘着剤層に接する面と同じように算術平均粗さRaが0.085〜0.23μmであっても良い。
本発明の効果を得るための光透過性機能材料として、例えばカバーガラスを例に、その製造方法を以下に示す。
まず、ガラス基板を準備する。ガラス基板の種類は特に限定されない。ガラス基板としては、例えば、ソーダライムガラス、ソーダライムシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、ボレートガラス、リチウムアルミノシリケートガラス、石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、およびその他の各種ガラスからなる透明ガラス基板を用いることができる。
次に、ガラス基板の表面を粗くすることで表面に凹凸を形成する。このような表面に凹凸を形成する処理は、例えば、ブラスト処理、湿式処理、または型押し処理によって実施される。
このうち、ブラスト処理は、ガラス基板の表面にアルミナ等を衝突させて表面を粗くする処理(例えば、サンドブラスト処理、ウオータブラスト処理、およびドライアイスブラスト処理等)の総称を意味する。また湿式処理は、ガラス基板を各種溶液中に浸漬させて表面を粗くする処理の総称を意味する。さらに、型押し処理は、型板ガラスのようにガラス基板の表面に凹凸パターンを有する型を押し付けて、ガラス基板にパターンを転写させる処理の総称を意味する。
なお前項では、ガラス基板の表面を処理することにより、ガラス基板の表面を粗くし、凹凸を形成する方法について説明したが、本発明では前記した方法以外にも、例えばコーティングによって、あるいは前記した処理とコーティングを組み合わせて、算術平均粗さRaを0.085〜0.23μmに調整することも可能である。
本発明における算術平均粗さRaは、JIS B0601(2001)の測定方法に準拠しており、例えば(株)東京精密製表面粗さ測定機サーフコム1400Dなどによって測定することができる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<光透過性導電材料積層体1の作製>
光透過性支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。なおこの光透過性支持体の全光線透過率は91%であった。
光透過性支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。なおこの光透過性支持体の全光線透過率は91%であった。
次に下記処方に従い、物理現像核層塗液を作製し、上記光透過性支持体上に塗布、乾燥して物理現像核層を設けた。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層塗液の調製>銀塩感光材料の1m2あたりの量
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%グリオキザール水溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%SP−200水溶液 0.5mg
((株)日本触媒製ポリエチレンイミン;平均分子量10,000)
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%グリオキザール水溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 50mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%SP−200水溶液 0.5mg
((株)日本触媒製ポリエチレンイミン;平均分子量10,000)
続いて、光透過性支持体に近い方から順に下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層、及び保護層を上記物理現像核液層の上に塗布、乾燥して、銀塩感光材料を得た。ハロゲン化銀乳剤は、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀95モル%と臭化銀5モル%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い、金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀1gあたり0.5gのゼラチンを含む。
<中間層組成>銀塩感光材料の1m2あたりの量
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 50mg
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 50mg
<ハロゲン化銀乳剤層組成>銀塩感光材料の1m2あたりの量
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<保護層組成>銀塩感光材料の1m2あたりの量
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
このようにして得た銀塩感光材料に、図2のパターンの画像を有する透過原稿を密着し、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介して露光した。なお、透過原稿の一部を拡大したのが図8の(8−a)である。更に、実際には画像は無いが、理解のため、センサー部とダミー部の仮の境界線Rと、単位パターン領域の輪郭44を加筆したのが図8の(8−b)である。単位パターン領域のx方向の繰り返し周期はセンサー部のx方向のパターン周期と等しく5mmであり、単位パターン領域のy方向の繰り返し周期はセンサー部のy方向の列周期と等しく5mmである。単位パターン領域を構成している網目形状はタイプaのボロノイ図形によるものである。ボロノイ図形の母点は、x方向の一辺の長さが0.6mm、y方向の一辺の長さが0.4mmである長方形をx方向、y方向に並べて平面充填し、その長方形の重心から各頂点までの距離の80%の位置を結んでできる縮小長方形の中に不規則に配置した。ボロノイ辺の形状を有する細線画像の線幅は4μmとした。センサー部とダミー部との境界(仮の境界線Rの位置)にある全ての細線画像には長さ20μmの断線部を設けている。センサー部の全光線透過率は89.5%、ダミー部の全光線透過率は89.5%である。
その後、下記拡散転写現像液中に20℃で60秒間浸漬した後、続いてハロゲン化銀乳剤層、中間層、および保護層を40℃の温水で水洗除去し、乾燥処理した。こうして光透過性導電層として、図8の形状を有する金属銀画像を有する光透過性導電材料1を得た。得られた光透過性導電材料が有する光透過性導電層の金属銀画像は、図8の形状を有する透過原稿と同じ形状、同じ線幅であった。また金属銀画像の膜厚は共焦点顕微鏡(レーザーテック社製、オプテリクスC130)で調べ、0.1μmであった。
次に、図2のパターンの画像を有する透過原稿において、センサー部が伸びる方向をx方向からy方向に変更した以外は同様の透過原稿を準備し、該透過原稿を用いて露光した以外は光透過性導電材料1の作製と同様にして、光透過性導電材料2を得た。なお、光透過性導電材料2の金属メッシュパターン部とトレース部の細線幅、および細線間隔は、光透過性導電材料1と同様であった。
<拡散転写現像液組成>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する。
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する。
次に、得られた光透過性導電材料2の金属細線パターン面と光透過性導電材料1の支持体側の面とを、MHM−FW175(日栄化工(株)製光学用透明粘着シート)を用いて、互いの光透過性導電材料のセンサー部が直交するように貼合した。続けて、光透過性導電材料1の金属細線パターンを有する側の面と、光透過性機能材料としてGs50%品(フィグラ(株)製AGガラス)を、MHM−FW175(日栄化工(株)製光学用透明粘着シート)を用いて貼合して、光透過性導電材料積層体1を得た。なお、Gs50%品のMHM−FW175に接する面の算術平均粗さを(株)東京精密製表面粗さ測定機サーフコム1400Dで測定したところ0.18μmであった。
<光透過性導電材料積層体2の作製>
光透過性機能材料としてGs65%品(フィグラ(株)製AGガラス)を用いる以外は光透過性導電材料積層体1の作製と同様にして、光透過性導電材料積層体2を得た。なお、Gs65%品のMHM−FW175に接する面の算術平均粗さは0.12μmであった。
光透過性機能材料としてGs65%品(フィグラ(株)製AGガラス)を用いる以外は光透過性導電材料積層体1の作製と同様にして、光透過性導電材料積層体2を得た。なお、Gs65%品のMHM−FW175に接する面の算術平均粗さは0.12μmであった。
<光透過性導電材料積層体3の作製>
光透過性機能材料としてGs85%品(フィグラ(株)製AGガラス)を用いる以外は光透過性導電材料積層体1の作製と同様にして、光透過性導電材料積層体3を得た。なお、Gs85%品のMHM−FW175に接する面の算術平均粗さは0.09μmであった。
光透過性機能材料としてGs85%品(フィグラ(株)製AGガラス)を用いる以外は光透過性導電材料積層体1の作製と同様にして、光透過性導電材料積層体3を得た。なお、Gs85%品のMHM−FW175に接する面の算術平均粗さは0.09μmであった。
<光透過性導電材料積層体4の作製>
光透過性機能材料としてGs110%品(フィグラ(株)製AGガラス)を用いる以外は光透過性導電材料積層体1の作製と同様にして、光透過性導電材料積層体4を得た。なお、Gs110%品のMHM−FW175に接する面の算術平均粗さは0.08μmであった。
光透過性機能材料としてGs110%品(フィグラ(株)製AGガラス)を用いる以外は光透過性導電材料積層体1の作製と同様にして、光透過性導電材料積層体4を得た。なお、Gs110%品のMHM−FW175に接する面の算術平均粗さは0.08μmであった。
<光透過性導電材料積層体5の作製>
光透過性機能材料としてGs35%品(フィグラ(株)製AGガラス)を用いる以外は光透過性導電材料積層体1の作製と同様にして、光透過性導電材料積層体5を得た。なお、Gs35%品のMHM−FW175に接する面の算術平均粗さは0.27μmであった。
光透過性機能材料としてGs35%品(フィグラ(株)製AGガラス)を用いる以外は光透過性導電材料積層体1の作製と同様にして、光透過性導電材料積層体5を得た。なお、Gs35%品のMHM−FW175に接する面の算術平均粗さは0.27μmであった。
得られた光透過性導電材料積層体1〜5のそれぞれについて、視認性、表示画像の鮮明性を評価した。結果を表1に示す。なお視認性については、得られた光透過性導電材料積層体を、全面緑ベタ画像を表示したFlatron23EN43V−B2 23型ワイド液晶モニター(LG Electronics社製)の上に載せ、目視で観察し、モアレ、あるいは砂目がはっきり視認されるものを×、モアレ、あるいは砂目がよく見れば視認されるものを△、モアレ、あるいは砂目が全くわからないものを○と評価した。表示画像の鮮明性については、同モニターに画像(草原の風景画)を表示させた際の画像の鮮明さについて、鮮明さに劣ると判断したものを×、鮮明であると判断したものを○とした。この結果を表1に示す。
以上の結果から明らかなように、本発明によって液晶ディスプレイに重ねてもモアレや砂目が発生せず、かつ液晶ディスプレイに表示された画像の鮮明性に優れた光透過性導電材料積層体が得られることがわかる。
a 光透過性導電材料積層体
1 1′ 光透過性導電材料
2 光透過性支持体
3 金属細線パターン
4 粘着剤層
5 光透過性機能材料
11 センサー部
12 ダミー部
13 非画像部
14 周辺配線部
15 端子部
1 1′ 光透過性導電材料
2 光透過性支持体
3 金属細線パターン
4 粘着剤層
5 光透過性機能材料
11 センサー部
12 ダミー部
13 非画像部
14 周辺配線部
15 端子部
Claims (1)
- 光透過性支持体上に光透過性導電層を有する光透過性導電材料の光透過性導電層上に、粘着剤層および光透過性機能材料を少なくともこの順に有する光透過性導電材料積層体であって、該光透過性導電層がランダムパターンより形成される網目形状の金属細線パターンを有し、かつ該光透過性機能材料の粘着剤層に接する面における算術平均粗さRaが0.085〜0.23μmであることを特徴とする光透過性導電材料積層体。
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