JP2017142382A - 電極付きカラーフィルタ基板および液晶ディスプレイ - Google Patents

電極付きカラーフィルタ基板および液晶ディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】煩雑なプロセスを回避し歩留まりよく、特に液晶セル厚の薄型化に対応可能な構造を提供し、安定に動作する主にタッチセンサ機能に向けた電極付きカラーフィルタ基板、およびタッチセンサ機能を内蔵した液晶ディスプレイを提供する。
【解決手段】少なくとも透明基材1、第一電極2、透明絶縁層3、カラーフィルタ層150をこの順に備え、カラーフィルタ層150は黒色樹脂4、第二電極5、着色樹脂6、保護層7を含み、カラーフィルタ基板100の透明基材1と反対側に位置する表面は一部を除いて保護層7に覆われており、第一電極2および第二電極5は互いが直交する方向に延伸する複数のパターン化された電極からなり、第一電極2は一部を除いて第一透明絶縁層3に覆われており、第二電極5は黒色樹脂4のパターンと重なる位置に配置され、保護層7は第一電極2または第二電極5を覆わない開口部を有する電極付きカラーフィルタ基板。
【選択図】図4

Description

本発明は、電極付きカラーフィルタ基板、およびそれを用いた液晶ディスプレイに関する。本発明の電極付きカラーフィルタの電極は静電容量式タッチセンサの電極として作用し、タッチセンサ内蔵型液晶ディスプレイを提供する。
近年、様々な電子機器のディスプレイ上に、入力デバイスとして透明なタッチパネルが用いられている。タッチパネルの方式としては、抵抗膜式、静電容量式などが挙げられる。抵抗膜式では上下の電極が接触することでタッチ位置を検出する。また静電容量式では指先などが触れた際の表面の静電容量の変化でタッチ位置を検出する。
静電容量式タッチパネルのセンサーはPETフィルムなどの樹脂基板やガラス基板に電極パターンとして作製し、ディスプレイ構造の外側に配置されるアウトセル構造が一般的に用いられている。(例えば、特許文献1参照)
一方、近年ではタッチセンサをディスプレイ構造に組み込むインセル構造やオンセル構造が採用され始めており、タッチセンサ付きディスプレイをより薄型・軽量化する取り組みがなされている。(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)
特開2007−178758号公報 特許第4816668号 特許第4584342号 特開2014−063484号公報 特開2015−111318号公報 特開平6−273936号公報 特開平10−98266号公報 特開2003−122004号公報 特開昭48−89003号公報 特開昭60−3625号公報 特開昭63−27829号公報
しかしながら、インセル構造はディプレイ表示の駆動回路であるTFT基板にタッチセンサの回路を組み込む必要があり、従来から設計やプロセスの煩雑さとそれに伴う良品収率の悪化が伴うことが指摘されていた(特許文献3、5)。またオンセル構造は、特に液晶ディスプレイの場合、液晶を封入したセルの状態でタッチセンサを形成するため、熱などのプロセス条件による液晶へのダメージを考慮したプロセス設計に課題があり、また薄型化した液晶セルに対し、複雑なタッチセンサ形成工程を経ることで良品収率の悪化が生じていた(特許文献2および特許文献4参照)。
そこで本発明は、煩雑なプロセスを回避し歩留まりよく、特に液晶セル厚の薄型化に対応可能な構造を提供し、安定に動作する主にタッチセンサ機能に向けた電極付きカラーフィルタ基板、およびタッチセンサ機能を内蔵した液晶ディスプレイを提供するものである。
本発明の電極付きカラーフィルタ基板は、少なくとも透明基材、第一電極、第一透明絶縁層、カラーフィルタ層をこの順に備え、
前記カラーフィルタ層は黒色樹脂、第二電極、着色樹脂、保護層を含み、
前記カラーフィルタ基板の前記透明基材と反対側に位置する表面は一部を除いて前記保護層に覆われており、
前記第一電極および前記第二電極は互いが直交する方向に延伸する複数のパターン化された電極からなり、
前記第一電極は一部を除いて前記第一透明絶縁層に覆われており、
前記第二電極は前記黒色樹脂のパターンと重なる位置に配置され、
前記保護層は前記第一電極または前記第二電極を覆わない開口部を有することを特徴とする。
本発明の一実施態様において、第一透明絶縁層は厚さが1〜25μmであることが好ましく、比誘電率が3.3以下であり、の屈折率が1.60以上2.00以下であってもよい。
また、本発明の他の実施態様において、第一電極の複数のパターン化された電極は、電極間に電気的に接続されていないダミーパターンを有し、該第一電極およびダミーパターンは、第一電極が延伸する方向に連続する形状が、黒色樹脂の前記第一電極が延伸する方向に連続する形状とピッチが一致する。
本発明の一実施態様において、第一透明絶縁層は、第一電極を覆わない開口部を有してもよく、また、第一透明絶縁層の第一電極を覆わない開口部が、保護層の第二電極を覆わない開口部と同じ位置に配置されていてもよい。さらに、第一透明絶縁層の第一電極を覆わない開口部は、その上に第二電極と同じ材料で構成された第一導電層が形成されていてもよい。
本発明の他の実施態様において、保護層は、第一導電層を覆わない開口部を有してもよく、また、保護層の第一電極または第二電極または第一導電層を覆わない開口部は、第一導電層の上部にさらに第二導電層が積層されており、第二導電層は第一電極または第二電極または第一導電層と電気的に接続することができる。
また、本発明の一実施態様では、保護層上にさらにスペーサが形成されており、スペーサは黒色樹脂と重なる位置に配置され、透明基材の保護層と反対側の表面からスペーサの頂点までの距離は、保護層の透明基材と反対側の面から第二導電層の頂点までの距離と一致するか、または短くてもよい。
さらに本発明は、上記電極付きカラーフィルタ基板を用いた表示装置に関する。本発明の一実施態様において、表示装置は液晶ディスプレイであり、(i)少なくとも共通電極と画素電極を有し、表示の点灯をする薄膜トランジスタを有するTFT基板と、(ii)電極付きカラーフィルタ基板と、(iii)TFT基板の画素電極上および電極付きカラーフィルタ基板の保護層上に形成された配向膜と、(iv)液晶とを含み、電極付きカラーフィルタ基板の第一電極および第二電極がタッチセンサとして作用するタッチパネル内蔵液晶ディスプレイを提供する。好ましくは、TFT基板の画素電極とカラーフィルタ基板の第二電極とが、透明基材から該基板の積層方向に向かって観察した際に重なり合わない位置に存在する。また、第一電極または第二電極がTFT基板上に形成された配線と電気的に接続されていてもよい。
本発明の他の実施態様において、本発明は、上記電極付きカラーフィルタ基板を用いた液晶ディスプレイであり、少なくとも共通電極と画素電極を有し、表示の点灯をする薄膜トランジスタを有するTFT基板と、前記電極付きカラーフィルタ基板と、前記TFT基板の画素電極上および前記電極付きカラーフィルタ基板の保護層上に形成された配向膜と、液晶を含み、前記電極付きカラーフィルタ基板の第一電極および第二電極がタッチセンサとして作用するタッチパネル内蔵液晶ディスプレイであって、第一電極または第二電極が第二導電層を経由してTFT基板上に形成された配線と電気的に接続されており、第二導電層が銀ペーストまたは金属層を表面に有するポリマー微粒子を混入させた接着剤であることを特徴とする。
好ましくは、本発明の液晶は横電界またはフリンジ電界により配向方向を制御するIPS液晶またはFFS液晶であり、また負の誘電率異方性を有してもよい。
本発明の他の実施態様において、タッチセンサおよびTFTの駆動回路がいずれもTFT基板上の配線を経由してTFT基板上に実装されたドライバLSIに接続されており、ドライバLSIは液晶表示およびタッチセンサ駆動のそれぞれを動作させる統合型ドライバLSIであってもよい。
また、本発明において、透明基材またはTFT基板に用いた基材のいずれかの厚みは150μm未満であることができる。
本発明によれば、煩雑なプロセスを回避し歩留まりよく、特に液晶セル厚の薄型化に対応可能な構造を提供し、安定に動作する主にタッチセンサ機能に向けた電極付きカラーフィルタ基板、およびタッチセンサ機能を内蔵した液晶ディスプレイを提供する。
本発明の実施例における電極付きカラーフィルタ基板の電極配置を模式的に表した平面図の一例を示す。 本発明の実勢例における電極付きカラーフィルタ基板の図1の点線Aに対応する箇所の断面図の一例を示す。 本発明の実勢例における電極付きカラーフィルタ基板の図1の点線Bに対応する箇所の断面図の一例を示す。 本発明の実施例における液晶セルの模式的な断面図の例を示す。 本発明の実施例における電極付きカラーフィルタ基板の第一電極を第二導電層と電気的に接続した構造を表す模式的な部分断面図の例を示す。 本発明の実施例における電極付きカラーフィルタ基板の第二電極を第二導電層と電気的に接続した構造を表す模式的な部分断面図の例を示す。 本発明の実施例における電極付きカラーフィルタ基板の第一電極を第二導電層経由でTFT基板上の第一配線と電気的に接続した構造を表す模式的な部分断面図の例を示す。 本発明の実施例における電極付きカラーフィルタ基板の第二電極を第二導電層経由でTFT基板上の第二配線と電気的に接続した構造を表す模式的な部分断面図の例を示す。 本発明の実施例における液晶ディスプレイの模式的な断面図の例を示す。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の単なる一例であって、当業者であれば、適宜設計変更可能である。
[電極付きカラーフィルタ基板]
本発明の電極付きカラーフィルタ基板100は、第一透明基材1、第一電極2、第一透明絶縁層3、黒色樹脂4、第二電極5、着色樹脂6、保護層7を備え、着色樹脂に対応する色の光を透過するカラーフィルタとして機能する(図1〜3参照)。さらに、本発明の電極付きカラーフィルタ基板100は、図4のように液晶17およびTFT基板200と組み合わせることで表示セル300を提供できる。
<透明基材>
第一透明基材1および第二透明基材16は、成膜工程および後工程において十分な強度があり、優れた透明性を有し、表面の平滑性が良好であれば特に限定されない。第一透明基材1および第二透明基材16として、ガラスまたはプラスチックフィルムを用いることができる。ガラスとしてはディスプレイ用途の無アルカリガラスが好適に使用される。プラスチックフィルムとしては例えば、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリアリレートフィルム、環状ポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。また、第一透明基材1および第二透明基材16は、典型的には表示装置のカラーフィルタおよびTFT基板に用いられるため、高い透明性を有する。好ましくは、全光透過率が85%以上のものが使用される。また非常に低いリタデーションを持つことが好ましく、深さ方向のリタデーションRthが10nm以下であるものが好適に使用される。第一透明基材1および第二透明基材16は、各層との密着性を改善するために、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理などを施してもよい。
<第一電極>
第一電極2は、後述する第二電極5と共にタッチセンサ部の電極を形成する。第一電極2には、実質的に透明な導電材を用いることができる。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)のような薄膜をパターニングしたもの、銀ナノワイヤーのように塗工したのちパターニングしたもの、あるいは銅や銀のような金属材料をメッシュ状にパターニングしたものを使用することができる。その他の材料としては酸化錫や酸化亜鉛にドープ材料を添加したもの、カーボンナノチューブや導電性高分子なども使用することができる。また、銀薄膜の上下をITOのような金属酸化物で挟んだ積層構造も用いることができる。ITOを第一電極2として用いる場合、酸化インジウムにドープされる酸化スズの含有比はデバイスに求められる仕様に応じて、任意の割合を選択してもよい。例えば、機械強度を高める目的で薄膜を結晶化させる場合、用いるスパッタリングターゲット材料は、酸化スズの含有比が10重量%未満であることが好ましい。一方、薄膜をアモルファス化しフレキシブル性を持たせるためには、酸化スズの含有比は10重量%以上が好ましい。また、薄膜に低抵抗が求められる場合は、酸化スズの含有比は2重量%から20重量%の範囲が好ましい。
第一電極2としてITOのような薄膜を用いる場合の製造方法としては、膜厚の制御が可能であればいかなる成膜方法でもよく、中でも乾式の真空蒸着法、スパッタリングなどの物理的気相析出法やCVD法のような化学的気相析出法を好適に用いることができる。特に大面積に均一な膜質の薄膜を形成するために、プロセスが安定し、薄膜が緻密化するスパッタリング法が好ましい。
第一電極2として銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、グラフェン、導電性高分子のような材料を用いる場合は、これらを有機溶剤やアルコール、水などに溶解あるいは分散させることで、塗工、乾燥により所望の形状を有する電極を形成することができる。詳細には、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコートなど公知の塗布方法を用いることができる。形成した銀ナノワイヤーは互いに絡み合って網の目状となることで、少ない量の導電性物質であっても良好な電気伝導経路を形成することができ、抵抗値をより低下させることができる。さらにこのような網の目状を形成した場合、網の目の隙間部分の開口が大きいので、たとえ繊維状の導電性物質そのものが透明でなかったとしても、塗膜として良好な透明性を達成することが可能である。
また、第一電極2として銅や銀のような金属材料をメッシュ状にパターニングして用いる場合は、予めスパッタリングなどで成膜するか金属箔を貼り合わせたものをエッチングにより開口の大きなメッシュ状にパターニングすることで形成することができる。銅や銀の代わりに、その他の材料としてアルミニウムも好適に使用される。メッシュの線幅や開口率は透過率やパターンの露出に影響するため、線幅は5μm以下、開口率は透過率が90%以上になるように設定することが好ましい。また金属メッシュの最表面は光の反射により視認されやくなるため、反射防止層や遮光層を設けてもよい。好ましくは、第一電極2の表面反射率が20%以下になるように設けることができる。
第一電極2の膜厚は薄すぎると導体としての十分な導電性が達成出来なくなる傾向にあり、厚すぎるとヘイズ値の上昇、全光線透過率の低下等で透明性が損なわれる傾向にある。例えば、10nm〜500nmの膜厚で形成されるが、これらに限定されるものではない。第一電極2の材料が金属ナノワイヤーのように透明でない場合には、膜厚の増加によって透明性が失われやすく、より薄い膜厚の導電層が形成されることが好ましい。この場合開口部の面積を大きくする一方、接触式の膜厚計で測定したときに平均膜厚として10nm〜500nmの膜厚範囲が好ましく、30nm〜300nmがより好ましく、50nm〜150nmが最も好ましい。
<第一透明絶縁層>
第一透明絶縁層3は第一電極2と第二電極5に挟まれた位置に形成され、第一電極2および第二電極5を静電容量式のタッチセンサとして用いる場合、電極間の容量を決める層の一つとなる。
電極間容量は静電容量式タッチセンサの重要なパラメータであり、電極の重なり面積、電極間距離、電極間絶縁層の誘電率により決定される値である。電極間容量が大きくなりすぎるとタッチセンシング感度が悪化することから第一透明絶縁層3の比誘電率は3.3以下であることが好ましい。また、第一電極2のパターンの露出を抑制し、十分な光の透過率を得るために第一透明絶縁層3の屈折率は1.60以上2.00以下であることが好ましい。
第一透明絶縁層3には透明で絶縁性に優れ、パターニング可能で表面の平坦性に優れる材料が使用できる。
樹脂材料を用いる場合、例えば感光性樹脂を露光して硬化させ、形成してもよい。感光性樹脂は、ネガ型感光性樹脂であっても、ポジ型感光性樹脂であってもよい。ネガ型感光性樹脂は、一般的に、バインダー材料、光重合性材料、光重合開始剤を少なくとも含有する材料から構成されるが、特に限定されない。ネガ型感光性樹脂として、例えば特許文献6〜8に記載の材料を用いることができる。また、ポジ型感光性樹脂は、一般的に、アルカリ可溶性樹脂材料、光酸発生材料、酸分解性官能基含有化合物等を含有する材料から形成されるが、特に限定されない。ポジ型感光性樹脂として、例えば特許文献9〜11に記載の材料を用いることができる。
感光性樹脂は、ダイコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター、マイクログラビアコーターなどの公知の塗布方法で上記材料を塗布した後、乾燥することで膜形成できる。さらに、フォトマスクを介した光照射により、現像液に可溶な部分と不溶な部分ができる。感光性樹脂の現像液に可溶な部分は現像により溶解し、不溶な部分からなるパターンを形成できる。現像液は感光性樹脂またはその材料の種類により適宜選択でき、一般的にアルカリ水溶液または有機溶剤とすることができる。
第一透明絶縁層3に無機材料を用いる場合、例えば窒化珪素、酸窒化珪素、酸化アルミを用いることができる。これら無機材料を用いた第一透明絶縁層3の形成には乾式の真空蒸着法、スパッタリングなどの物理的気相析出法やCVD法のような化学的気相析出法を好適に用いることができる。特に絶縁性に優れ、平坦性の高い緻密な薄膜を形成することが可能なCVD法が好適に使用されるが、近年開発が進んだ原子層堆積法(ALD法)を使用してもよい。これらの無機材料のパターニングには、これらに限定されないが、CF4やCl2など腐食性のガスを含むプラズマを用いるドライエッチング法を用いることができる。
また、本発明の電極付きカラーフィルタ基板を液晶ディスプレイとして用いる場合、第一透明絶縁層3は第一電極2と液晶配向を決めるTFT基板上の画素電極13との間の距離を決定する。電極間距離を決定する構成は黒色樹脂4、着色樹脂6、保護層7、液晶17なども存在するが、これらの形状は液晶表示の透過率、色度、画素間の混色、視野角の最適化により決定されており、柔軟に層厚の変更ができない。そこで本発明では、第一透明絶縁層3によって第一電極2と画素電極13の間の距離を調整する。
第一透明絶縁層3の厚さは、誘電率等の形成する材料の性質にもよるが、1〜25μmが好ましく、より好ましくは1〜10μmである。第一透明絶縁層3が薄すぎるとTFT基板上の電極とのカップリングにより寄生容量が大きくなり、タッチセンサおよび液晶駆動が制御困難になる他、画素電極とコモン電極間で生じる電界を乱すため液晶の配向制御が難しくなる。また、厚すぎるとカラーフィルタ基板の層厚が厚くなり、またパターニングおよび位置合わせプロセスに困難が生じる。
<カラーフィルタ層>
第一透明絶縁層3の上部には、カラーフィルタ層150が形成されている。カラーフィルタ層150は、黒色樹脂4からなるブラックマトリクスと、赤、緑および青色の各色の着色樹脂6を少なくとも含む層をいう。カラーフィルタ層150はブラックマトリクスにより区分され、ブラックマトリクスの開口部のそれぞれが着色樹脂6を保持する副画素41を形成する。
カラーフィルタ層150を構成する各樹脂は、例えば、スピンコート、スピンレスコート、インクジェット等の方式で着色感光性インキを塗工した後、露光、焼成することにより形成することができる。黒色樹脂4は、例えば黒色顔料を分散させた厚み0.5〜3.0μmのアクリル系樹脂により形成される。着色樹脂6は、例えば赤、緑および青、各色の顔料を分散させた厚み0.5〜3.0μmのアクリル系樹脂により形成してもよい。着色樹脂6には、黄色、シアン、マゼンダ、あるいは白色(無色)層を用いてもよい。
また、カラーフィルタ層150上には、平坦化や保護を目的に保護層7を形成する。さらにブラックマトリクスおよび着色樹脂層を覆うように透明電極が形成されていてもよい。
<第二電極>
第二電極5は、第一電極2と共にタッチセンサ部の電極を形成する。第二電極5は、電極として十分な導電性を有するものであれば、特に限定されない。
具体的には、第二電極5には、導電性に優れた金属材料を用いることができ、例えば銅、銀、金、アルミニウム、モリブデン、またはこれらに異種元素を添加した合金等を数十nm〜1μm厚の薄膜にして用いることができる。第二電極5の形成方法は、第一電極2と同様に膜厚の制御が可能であればいかなる成膜方法でもよく、なかでも乾式の薄膜形成法が好ましい。これには真空蒸着法、スパッタリングなどの物理的気相析出法やCVD法のような化学的気相析出法を用いることができる。特に大面積に均一な膜質の薄膜を形成するために、プロセスが安定し、薄膜が緻密化するスパッタリング法が好ましい。
また、第二電極5は、金属材料の前駆体を導電性処理することにより形成してもよい。金属材料の前駆体は、粒子径100nm以下、例えば粒子径60nmの金属ナノ粒子、あるいは金属酸化物ナノ粒子、あるいはサブミクロンから数μmサイズ、あるいはフレーク状、繊維状、粉状の粒子を主原料としたインク、ペーストあるいは分散液、または金属錯体を含むインク、溶液等を用いることができる。金属材料の前駆体のインク等の濃度(固形分濃度)は、前駆体材料を基準として10wt%以上90wt%以下、例えば50wt%である。金属としては、好ましくは金、銀、銅、アルミニウム、鉄、チタン、モリブデン、インジウム、錫、およびニオブからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を用いることができる。金属酸化物を用いる場合、酸化インジウムスズが好適に使用され、他に酸化スズ、酸化亜鉛等を用いることができる。
金属材料の前駆体のインク等は、ダイコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター、マイクログラビアコーターなどの公知の塗布方法で塗布した後、焼成により導電性となり、第二電極5を形成する。焼成方法は、前駆体の材料や性質に応じて適宜選択できる。熱焼成には熱風オーブン、IRヒータ、ホットプレートなどを用いることができ、光焼成としてはキセノンフラッシュランプを用いることが一般的である。また、薬液処理により導電性を付与してもよい。
また、金属材料の前駆体のインク等はスクリーン印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷など公知の方法でパターン形成した後、焼成して導電性とすることができる。
第二電極5はまた、第一電極2のようにITOなどを用いた、いわゆる薄膜透明電極であってもよい。薄膜透明電極は、第一電極2と同様に形成することができる。
第二電極5は複数の導電材料を積層して用いてもよく、例えばMo/Al/MoやITO/Cu/ITOなどを用いることができる。
上述したように、第一電極2および第二電極5は、一方向に複数形成された第一電極2と、これと交差する方向に形成された第二電極5とを対にして、静電容量式タッチセンサの電極として用いることができる。
典型的には、第一電極2をタッチ検知電極、第二電極5を駆動電極として用いる。
図1に示した例の場合、第一電極2および第二電極5は矩形パターンをベースとした電極形状であるが、これらに限定されない。例えば、第一電極2および第二電極5のパターンは、黒色樹脂4の形状に合わせて梯子状やメッシュ状など、適宜変形してもよい。
本発明の一実施態様において、第一電極2および第二電極5は、平面視でダイヤモンドパターンの形状を黒色樹脂4の形状をなぞる様に組み替えることで擬似ダイヤモンドパターンとすることができる。この時、これらの電極を金属材料で形成する場合は、擬似ダイヤモンドパターン内部が黒色樹脂4と同じかそれ以下の線幅の細線状電極により構成される。
このように、第一電極2および第二電極5の形状は黒色樹脂4と重ねたり、ピッチを合わせたりすることで電極のパターンの露出や黒色樹脂4のパターンとの干渉で生じるモアレなどの外観不具合を回避することができる。
また、第一電極2および第二電極5は電極パターンの間に電気的に接続されていないダミーパターンを有していてもよい。ダミーパターンも電極と同様に黒色樹脂4の形状に応じた形状やピッチを選択することで電極パターンの露出やモアレ等の外観不具合を回避することができる。
本発明の一実施態様において、任意の方向に延伸する複数のパターンを有する第一電極2は、電極間に電気的に接続されていないダミーパターンを有し、これらの第一電極2およびダミーパターンの上記延伸する方向に連続する形状が、黒色樹脂4が該方向に連続する形状とピッチが一致する。例えば、図1において、Y方向に延伸する第一電極2のパターン形状は、Y方向に延伸する黒色樹脂4のパターン形状とピッチが一致する。
本発明の一実施態様において、図3に示すように、第二電極5はカラーフィルタ層150の一部を構成する。第二電極5は、黒色樹脂4の形状と一致またはそれ以下の線幅であれば、黒色樹脂4の上側(保護層7側)であっても、下側(第1透明基板1側)のいずれに設置されてもよい。第二電極5が金属材料で形成されている場合、金属反射による外観不具合を回避するため、黒色樹脂4の上側に設置するか、または反射防止処置を施すことが好ましい。第二電極5が透明薄膜電極で形成されている場合には、黒色樹脂4の上側でも下側でもいずれに設置されてもよい。
<保護層>
カラーフィルタ層150は、黒色樹脂4、着色樹脂6、および第二電極5の上部に設置された保護層7を含む(図2および図3参照)。保護層7には透明で絶縁性に優れ、パターニング可能で表面の平坦性に優れる材料が使用できる。保護層7は、上述した第一透明絶縁層3と同様に形成することができる。保護層7の膜厚は、0.1μm以上25μm以下であることが好ましい。
保護層7は、後述するように、該カラーフィルタ基板を用いて表示装置を組み立てた際に第一電極2および/または第二電極5を上部層と電気的に接合するため、第一電極2または第二電極5を覆わない開口部を有する。
<第一導電層、第二導電層>
第一導電層8および第二導電層9は第一電極2または第二電極5と電気的に接合し、該カラーフィルタ基板を用いて表示装置を組み立てた際にコンタクトホールを通じて上部層に導電経路を形成するための導電層である。
コンタクトホールは第一電極2あるいは第二電極5の一部を露出するように、第一透明絶縁層3、黒色樹脂4、着色樹脂6、保護層7などをパターニングすることで開口させて作製する。
第一導電層8および第二導電層9は、コンタクトホールを通じて第一電極2や第二電極5と同様の材料を同様の手法で形成およびパターニングすることで作製できる。第一導電層8は第二電極5と同時に形成してもよい。第一導電層8および第二導電層9は図2、図3に示したように1段階で保護層7上部まで導電経路を形成しても構わないし、図5に示したように、黒色樹脂上の第一導電層8を経由して第二導電層9を経由するように2段階以上の階層を経て保護層7上部まで導電経路を形成してもよい。
第二導電層9は、図5あるいは図6に示した9bのように樹脂成分を含んだ銀ペーストまたは金属層を表面に有するポリマー微粒子(ミクロパール(積水化学工業)など)を混入させた接着ペーストなどのような導電性ペーストを用いて保護層7の上面より突出した部分を含んで形成できる。第二導電層9は導電性ペースト9bのみから構成されてもよいし(図5(b)および図6(b)参照)、導電性の薄膜層である9aとその上部に形成された9bから構成されてもよい(図5(a)および図6(a)参照)。
以上のとおり作製した電極付きカラーフィルタ基板100は、1枚のガラス基板上に複数面付けしていてもよい。この場合、電極付きカラーフィルタ基板100、またはこれとTFT基板200とを貼り合せた状態のものを断裁して個片化することで、効率的に複数製造することができる。個片化の手法としては、ダイヤカッタースクライブ加工、ダイシング加工、ウォータージェット加工、エッチング加工、レーザー加工等が挙げられる。
後述するように、電極付きカラーフィルタ基板100上の第一電極2および第二電極5はそれぞれ対向基板上の配線と電気的に接続されることにより、対向基板上で駆動IC等に接続し、静電容量式タッチパネルとして動作させることができる。また、対向基板上の配線は対向基板上で異方導電性フィルム(ACF)を介してFPCに接続し、FPC経由で駆動IC等に接続することができる。
[表示装置]
本発明の電極付きカラーフィルタ基板100は、対向基板と組み合わせることにより表示セル300を形成する。これを組み込むことにより、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、MEMSディスプレイ、反射型または半透過型液晶ディスプレイなどの表示装置を形成することができる。
図4は、本発明による表示セル300の一実施態様を示したものである。図4の表示セル300においては、電極付きカラーフィルタ基板100とTFT基板200との間に液晶17が設置されている。一般的にはカラーフィルタ基板100とTFT基板200の液晶側表面には配向膜が形成されるが、図4では省略した。
<TFT基板>
TFT基板200には、複数の走査線が一定間隔を隔てて形成されている。また、走査線の上には、複数の信号線が一定間隔を隔てて形成されている(走査線および信号線は図示せず)。走査線と信号線とは、絶縁膜を介して交差するよう配置されている。そして、走査線と信号線との交差点の近傍にスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT)が配置される(TFTは図示せず)。このTFTを介して、画素電極に信号線から表示信号が供給される。
画素電極13は、例えばITOなどの透明導電膜から形成される。本発明の表示セル300は、典型的には横電界またはフリンジ電界により配向方向を制御するIPS液晶またはFFS液晶を用いるため、図4に示したような櫛歯状のITO電極を画素電極13として形成することが好ましい。図4に示した画素電極13の場合、コモン電極15と画素電極13の間に電界が形成され液晶層はフリンジ電界により配向制御される。本発明では、フリンジ電界を利用するFFS液晶を用いることが、画素電極上の液晶配向を利用できることから、透過率、コントラストに優れ、より好ましい。
第二透明絶縁層14は透明で絶縁性に優れ、パターニング可能で表面の平坦性に優れる材料が使用できる。第二透明絶縁層14は、上述した第一透明絶縁層3と同様に形成することができる。第二透明絶縁層14の膜厚は、0.1μm以上25μm以下であることが好ましい。
液晶表示素子の表示領域は複数の画素により構成される。表示領域は通常、矩形に近い形状で形成される。さらに表示素子には、表示領域を囲むように設けられた額縁領域が配置される。
TFT基板200上には、電極付きカラーフィルタ基板100上の電極に接続するため第一配線10および第二配線11が形成されている(図7および8参照)。また、TFTに用いる半導体は低温ポリシリコン、微結晶シリコン、アモルファスシリコン、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物(IGZO)に代表される酸化物半導体、有機半導体など一般に知られる半導体のいずれを用いてもよい。
<液晶>
液晶17は、公知の材料を用いて形成でき、電極付きカラーフィルタ基板100とTFT基板200との間に封入される。例えば、電極付きカラーフィルタ基板100の保護層7およびTFT基板30の表面に対してフレキソ印刷等の方法により配向膜(図示せず)を形成し、ラビング処理を行った後にシール剤18をディスペンサ等で塗布し、液晶17を滴下後、電極付きカラーフィルタ基板100とTFT基板200を真空熱ラミネートで貼り合わせ、同時に液晶封入することで、表示セル300内で液晶分子を一定方向に配列することができる。
本発明の液晶ディスプレイに用いる液晶は、横電界またはフリンジ電界により配向方向を制御するIPS液晶またはFFS液晶を用いることが好ましく、フリンジ電界を利用するFFS液晶を用いることが、画素電極上の液晶配向を利用できることから、透過率、コントラストに優れ、より好ましい。また、本発明の液晶ディスプレイに用いる液晶は、より好ましくは負の誘電率異方性を持つ液晶を用いる。負の誘電率異方性を持つ液晶を用いることで、液晶を挟む基板間の電界によって液晶分子の長軸方向が基板間を結ぶ方向に配向することを回避するので、電極付きカラーフィルタ基板100に内蔵するタッチセンサを動作させる時の液晶表示不良を防止することができる。
<表示セル>
本発明の表示セル300では、カラーフィルタ基板100の第二電極5とTFT基板200の画素電極13とが、カラーフィルタの透明基材から該基板の積層方向(厚み方向)に向かって観察した場合に重ならないように、カラーフィルタ基板100とTFT基板200とが張り合わされる(図4参照)。
本発明の表示セル300はシールド層を有しないため、画素電極13から発生するフリンジ電界はカラーフィルタ層150を突き抜けると考えられる。しかしながら、本発明では、上述するようにカラーフィルタ基板100の第二電極5とTFT基板200の画素電極13とが重なり合わないように配置されているため、第二電極5は画素電極13からのフリンジ電界の影響を受けない。したがって、本発明では、シールド層を設けなくとも、タッチセンサ部とTFT部との電界の干渉が回避され、誤作動や誤表示を抑制することができる。
さらに本発明は、カラーフィルタ基板100の第一透明絶縁層3の厚さを調整することによっても第一電極2と画素電極13またはコモン電極15との電界の干渉を回避でき、より安定した表示を提供することができる。
表示セル300において、第二導電層9は、図7または図8に示したように、対向基板上に形成された配線とコンタクトホールを通じて導電経路を形成する。本発明において、対向基板は典型的にはTFT基板である。
電極付きカラーフィルタ基板100とTFT基板200の距離は保護層7上に形成されたスペーサ12の高さに規定される。予めスペーサ12よりわずかに高い位置まで形成された第二導電層9は、TFT基板200との貼り合わせ時に掛かる熱と圧力によってTFT基板200上の第一配線10あるいは第二配線11と電気的に接続される。貼り合わせ時にはシール剤18も同時に形成する。この時、シール剤18と第二導電層9は同一かつ一体で形成されてもよい。その際には金属層を表面に有するポリマー微粒子を混入させた接着ペーストを用いて基板間の方向のみに導通する導電異方性を利用して第一電極2と第一配線10、あるいは第二電極5と第二配線11を電気的に接続することができる。
<液晶ディスプレイ>
上記のようにして本発明により製造された表示セル300は表示装置に組み込まれる。本発明の表示装置の一例として、液晶ディスプレイ400が挙げられる(図9参照)。図9の液晶ディスプレイ400においては、電極付きカラーフィルタ基板100とTFT基板200との間に液晶17が形成されている。一般的にはカラーフィルタ基板とTFT基板の液晶側表面には配向膜が形成されるが、図9では省略した。電極付きカラーフィルタ基板100の液晶17と反対側の面に、偏光板50およびカバーガラス70が順に形成されている。TFT基板200の液晶17と反対側の面には偏光板50およびバックライト60が順に形成されている。一般的には液晶表示品質を高めるため、光学補償板や位相差板が形成されるが、図9では省略した。
電極付きカラーフィルタ基板100およびTFT基板200を貼り合わせ、同時に液晶17を封入した表示セル300は、第一透明基材1および第二透明基材16としてガラスを用いた場合、それらをフッ酸等の薬液により化学研磨することでより薄い液晶セルを提供することができる。本発明の液晶ディスプレイは、表示セル300に対して特許文献2のように後から電極形成する必要が無いことから表示セル300をより薄型にすることができる点で優れている。化学研磨により表示セル300の厚みは任意に設定することが可能で、好適には500μm以下とし、より好適には300μm以下とする。第一透明基材1および第二透明基材16の厚さは異なっていてもよく、好適にはいずれかの基材厚が150μm未満である。
表示セル300を所望の厚さにした後、ダイヤカッタースクライブ加工、ダイシング加工、ウォータージェット加工、エッチング加工、レーザー加工等の方法により表示セル300を個片化することができる。
続いて表示セル300に偏光板50を形成する。表示セル300の両面に配置される偏光板50は、それぞれほぼ直交する方向に吸収軸を有している。液晶によって制御された直線偏光の向きによって各画素の点灯、グレースケール、消灯が決定される。TFT基板200上の配線はTFT基板上に実装されたドライバLSIに接続されている。また、前記ドライバLSIとして液晶表示およびタッチセンサ駆動のそれぞれを動作させる統合型ドライバLSIを用いることができる点は本発明の優れた点である。液晶表示駆動およびタッチセンサ駆動は1フレームに対応する画像書込みの時間を分割し、交互に駆動することで画像表示とタッチセンシングを両立する。典型的には1フレームは60Hzに相当し、タッチセンシングのリフレッシュレートは60Hzあるいは120Hzとする。
バックライト60は、反視認(背面)側の偏光板50に接着材などにより取り付けられている。バックライト60は、偏光板50に対して面状の光を照射する。バックライト60としては、例えば、光源、導光板、プリズムシートなどを備えた一般的な構成のものを用いる。
カバーガラス70は、視認側の偏光板50の四辺またはディスプレイ筐体の四辺に両面テープなどにより接着してもよいし、透明光学粘着を用いて液晶ディスプレイの表示部を含めた全面を貼り合せてもよい。カバーガラス70は、化学強化したガラスや透明樹脂により形成される。これにより、液晶ディスプレイ400が完成する。
液晶ディスプレイ400を製造する際には、例えば電極付きカラーフィルタ基板100、TFT基板200、および液晶層17とから形成された表示セル300を偏光板50で挟み込む。その後、裏面にバックライト60、表示面にカバーガラス70を配置することで、静電容量式タッチセンサ内蔵液晶ディスプレイを提供することができるが、これに限定されない。
以下、具体的な実施例によって本発明を詳細に説明する。実施例は説明を目的としたもので、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
以下の方法に基づき、図9の液晶ディスプレイ400に対応するタッチセンサ内蔵型液晶ディスプレイを作製した。
第一透明基材1として0.5mm厚のアルミノ珪酸ガラスを使用し、一方面上に、ITOをスパッタリング法により40Ω/□で形成し、フォトリソグラフィーで塩酸と硝酸の混合水溶液でエッチングすることによりパターンを有する第一電極2を作製した。電極の間は電気的に接続していないダミーパターンとした。続いて感光性透明組成物をスピンコーターにて塗布し、ホットプレートにて100℃で5分間乾燥を行い、塗膜を乾燥した。その後、得られた塗膜に光源として高圧水銀ランプを用いて100mJ/cm2でITO電極パッドの一部を開口部とするパターンをフォトマスクを介して露光を実施した後、0.2質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液にて、30秒間シャワー現像を実施し、パターンされた第一透明絶縁層3を膜厚5μmで形成した。さらに感光性黒色組成物を上記と同様に塗布し、画素部とITO電極パッドの一部を開口部とするパターンを形成し、水洗後、熱風循環式オーブンにて230℃で30分間加熱処理を実施して、ブラックマトリクスパターンを形成した。
続いて、ブラックマトリクスパターン上からスパッタリング法によりITO/Cu/ITOをシート抵抗0.2Ω/□となるように形成し、フォトリソグラフィーで硫酸と過酸化水素の混合溶液でエッチングすることにより、ブラックマトリクスパターンと重なる位置に梯子状のパターンを有する第二電極5を作製した。
その後、感光性着色組成物の種類を変更した以外は感光性黒色組成物と同様に、赤色、緑色、青色パターンを順次形成し、カラーフィルタ層150を形成した。さらに感光性透明組成物を用いて保護層7およびスペーサ12を同様に形成し、透明基材1とITO電極2およびITO/Cu/ITO電極5、カラーフィルタ層150とを含む電極付きカラーフィルタ基板100を形成した。この時、ITO電極およびITO/Cu/ITO電極の一部は最上層から電気的にコンタクトできるようなパッド部が形成された。また、保護層7の厚さは1.5μmであった。
続いて、カラーフィルタ基板の保護層7およびTFT回路が形成されたTFT基板の表面に対して印刷により配向膜を形成した後、230℃で焼成し、その後ラビング処理を行った。電極付きカラーフィルタ基板100の電極パッド部に熱可塑性樹脂を含む銀ペーストをディスペンサにより形成した。その後、カラーフィルタ基板100とTFT基板200を、カラーフィルタ基板100の第二電極5とTFT基板の画素電極13が垂直に重なり合わないような位置でシール材により貼り合せ、同時に負の誘電異方性を持つFFS液晶を滴下して液晶層17を形成し、表示セル300を作製した。この時、電極パッド部は銀ペーストを介してTFT基板200側の配線パッドに接続するようにした。得られた表示セル300は周囲をテフロンシールで保護して35℃のフッ酸水溶液に浸漬することにより、ガラス部分を化学研磨し、トータル厚みを250μmとした。
続いて、表示セル300の上面と下面に偏光板を、それぞれ粘着材を用いて貼り付けた。TFT基板の端部には、FPCと液晶駆動LSIを接続した。この時、LSIは液晶駆動とタッチセンサ駆動を統合したドライバを用いることもできる。さらに、反視認(背面)側の偏光板にバックライトを取り付け、視認側(上面)偏光板の上にカバーガラスとして化学強化ガラスを光学粘着剤を用いて貼り合わせた。以上により非常に薄型の静電容量式タッチセンサ内蔵型液晶ディスプレイ400を作製した。
液晶表示とタッチセンシングを時間分割で駆動することにより、表示は良好でタッチセンサを良好に動作させることができた。
<比較例1>
実施例1の方法において、第一透明絶縁層3の厚さを0.8μmとした以外は同様に液晶ディスプレイ400を作成した。
得られたディスプレイは、液晶層の透過率が低下することによりコントラストが低く、表示が不鮮明で、タッチセンシングの反応が不十分で、タッチ検出しない場合や直線性良く反応しない場合があった。
<比較例2>
実施例1の方法において、第一透明絶縁層3の厚さを28μmとした以外は同様に液晶ディスプレイ400を作成した。
得られたディスプレイは、タッチセンシングが反応しない箇所があった。第一透明絶縁層3の開口部に樹脂残渣が残るか、第一導電層8による層間の導通が断線することにより、第一電極2が駆動ICに接続できていないためであった。
なお、本発明は、上記された実施形態および実施例に限定されない。配線層、電極層、樹脂層等の形状も図示されたものに限定されない。本発明は、当業者の知識に基づいて適宜設計変更可能である。ある図面に記載された構成要素を、他の図面に記載された構成要素に替えて、あるいは他の図面に記載された構成要素に追加して採用できる。特に限定されない限りにおいて、任意の2層の間または外にさらなる層を追加してもよい。
本発明の電極付きカラーフィルタ基板は、例えばカラーフィルタを用いる液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイと、静電容量式タッチセンサとが一体化したタッチパネルディスプレイとして用いることができる。またさらにスマートフォンやタブレット、ノートPCなどのディスプレイおよびユーザーインターフェースとして利用可能である。
1 第一透明基材
2 第一電極
3 第一透明絶縁層
4 黒色樹脂
5 第二電極
6 着色樹脂
7 保護層
8 第一導電層
9 第二導電層
10 第一配線
11 第二配線
12 スペーサ
13 画素電極
14 第二透明絶縁層
15 コモン電極
16 第二透明基材
17 液晶
18 シール材
41 黒色樹脂開口部、副画素
50 偏光板
60 バックライト
70 カバーガラス
100 電極付きカラーフィルタ基板
101 電極付きカラーフィルタ基板A部断面
102 電極付きカラーフィルタ基板B部断面
150 カラーフィルタ層
200 TFT基板
300 表示セル
400 液晶ディスプレイ

Claims (20)

  1. 少なくとも透明基材、第一電極、第一透明絶縁層、カラーフィルタ層をこの順に備える電極付きカラーフィルタ基板であって、
    前記カラーフィルタ層は黒色樹脂、第二電極、着色樹脂、保護層を含み、
    前記カラーフィルタ基板の前記透明基材と反対側に位置する表面は一部を除いて前記保護層に覆われており、
    前記第一電極および前記第二電極は互いが直交する方向に延伸する複数のパターン化された電極からなり、
    前記第一電極は一部を除いて前記第一透明絶縁層に覆われており、
    前記第二電極は前記黒色樹脂のパターンと重なる位置に配置され、
    前記保護層は前記第一電極または前記第二電極を覆わない開口部を有することを特徴とする電極付きカラーフィルタ基板。
  2. 前記第一透明絶縁層の厚さが1〜25μmであることを特徴とする請求項1に記載の電極付きカラーフィルタ基板。
  3. 前記第一透明絶縁層の比誘電率が3.3以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電極付きカラーフィルタ基板。
  4. 前記第一透明絶縁層の屈折率が1.60以上2.00以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電極付きカラーフィルタ基板。
  5. 前記第一電極の複数のパターン化された電極は、電極間に電気的に接続されていないダミーパターンを有し、前記第一電極および前記ダミーパターンは、前記第一電極が延伸する方向に連続する形状が、前記黒色樹脂の前記第一電極が延伸する方向に連続する形状とピッチが一致することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電極付きカラーフィルタ基板。
  6. 前記第一透明絶縁層は、前記第一電極を覆わない開口部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電極付きカラーフィルタ基板。
  7. 前記第一透明絶縁層の前記第一電極を覆わない開口部が、前記保護層の前記第二電極を覆わない開口部と同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電極付きカラーフィルタ基板。
  8. 前記第一透明絶縁層の前記第一電極を覆わない開口部は、その上に前記第二電極と同じ材料で構成された第一導電層が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電極付きカラーフィルタ基板。
  9. 前記保護層は、前記第一導電層を覆わない開口部を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電極付きカラーフィルタ基板。
  10. 前記保護層の前記第一電極または前記第二電極または前記第一導電層を覆わない開口部は、前記第一導電層の上部にさらに第二導電層が積層されており、前記第二導電層は前記第一電極または前記第二電極または前記第一導電層と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電極付きカラーフィルタ基板。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の電極付きカラーフィルタ基板の、前記保護層上にさらにスペーサが形成されており、前記スペーサは前記黒色樹脂と重なる位置に配置され、前記透明基材の前記保護層と反対側の表面から前記スペーサの頂点までの距離は、前記保護層の透明基材と反対側の面から前記第二導電層の頂点までの距離と一致するか、または短いことを特徴とする電極付きカラーフィルタ基板。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の電極付きカラーフィルタ基板を用いた表示装置。
  13. 請求項12に記載の前記表示装置が液晶ディスプレイであり、(i)少なくとも共通電極と画素電極を有し、表示の点灯をする薄膜トランジスタを有するTFT基板と、(ii)前記電極付きカラーフィルタ基板と、(iii)前記TFT基板の画素電極上および前記電極付きカラーフィルタ基板の保護層上に形成された配向膜と、(iv)液晶とを含み、前記電極付きカラーフィルタ基板の第一電極および第二電極がタッチセンサとして作用するタッチパネル内蔵液晶ディスプレイ。
  14. 前記画素電極と前記第二電極とが、前記透明基材から前記基板の積層方向に向かって観察した際に重なり合わない位置に存在することを特徴とする請求項13に記載のタッチパネル内蔵液晶ディスプレイ。
  15. 前記第一電極または前記第二電極が前記TFT基板上に形成された配線と電気的に接続されていることを特徴とする請求項13または14に記載のタッチパネル内蔵液晶ディスプレイ。
  16. 請求項10または11に記載の電極付きカラーフィルタ基板を用いた液晶ディスプレイであり、少なくとも共通電極と画素電極を有し、表示の点灯をする薄膜トランジスタを有するTFT基板と、前記電極付きカラーフィルタ基板と、前記TFT基板の画素電極上および前記電極付きカラーフィルタ基板の保護層上に形成された配向膜と、液晶を含み、前記電極付きカラーフィルタ基板の第一電極および第二電極がタッチセンサとして作用するタッチパネル内蔵液晶ディスプレイであって、前記第一電極または前記第二電極が前記第二導電層を経由して前記TFT基板上に形成された配線と電気的に接続されており、前記第二導電層が銀ペーストまたは金属層を表面に有するポリマー微粒子を混入させた接着剤であることを特徴とするタッチパネル内蔵液晶ディスプレイ。
  17. 前記液晶は横電界またはフリンジ電界により配向方向を制御するIPS液晶またはFFS液晶であることを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載のタッチパネル内蔵液晶ディスプレイ。
  18. 前記液晶は負の誘電率異方性を持つことを特徴とする請求項13〜17のいずれかに記載のタッチパネル内蔵液晶ディスプレイ。
  19. 前記タッチセンサおよび前記TFTの駆動回路がいずれも前記TFT基板上の配線を経由して前記TFT基板上に実装されたドライバLSIに接続されており、前記ドライバLSIは液晶表示およびタッチセンサ駆動のそれぞれを動作させる統合型ドライバLSIであることを特徴とする請求項13〜18のいずれかに記載のタッチパネル内蔵液晶ディスプレイ。
  20. 前記透明基材または前記TFT基板に用いた基材のいずれかの厚みが150μm未満であることを特徴とする請求項13〜19のいずれかに記載のタッチパネル内蔵液晶ディスプレイ。
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