JP2017139860A - ブラシレス励磁同期機の界磁異常監視装置および界磁異常監視方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ブラシを用いない簡易な構成で同期機の界磁巻線の状態を監視できるようにすること。【解決手段】 実施形態に係るブラシレス励磁同期機の界磁異常監視装置は、ブラシレス励磁同期機の界磁巻線の状態を監視するものであって、前記界磁巻線の両端に電気的に接続される2つの回転リングならびに前記ブラシレス励磁同期機の回転子シャフトとそれぞれ静電結合する電極から得られる電気信号から前記界磁巻線のインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段と、前記インピーダンス計測手段により計測される前記界磁巻線のインピーダンスの変化に基づき、当該界磁巻線の異常な状態を検出する監視手段と、を具備する。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、ブラシレス励磁同期機の界磁異常監視装置および界磁異常監視方法に関する。
発電所において同期機を運転するに際し、当該同期機の界磁巻線の温度や異常な状態を監視することは重要である。
従来、ブラシレス励磁同期機の故障等を監視するためには、界磁巻線の設けられた回転子の外部より検出用ブラシを接触させて回転子側の電気信号を取得する方式(接触方式)を採用するのが一般的である。
検出用ブラシを用いる接触方式では、運用時間が経過するにつれブラシの摩耗が進行し、定期点検時にブラシを交換する必要があるため、保守に手間や時間、コストがかかる。そのため、ブラシを用いない方式(非接触方式)でブラシレス励磁同期機の界磁巻線の異常の有無や温度などの状態を監視できるようにすることが望まれる。
なお、従来の技術において、回転部に各種センサおよび送信機を設けて計測情報を外部へ送信することにより界磁巻線の故障を検出する手法がある。しかし、遠心力による送信機への悪影響やコスト面を考慮するとそのような手法は望ましくない。
本発明が解決しようとする課題は、ブラシを用いない簡易な構成で、同期機の界磁巻線の状態を監視することができるブラシレス励磁同期機の界磁異常監視装置および界磁異常監視方法を提供することにある。
実施形態に係るブラシレス励磁同期機の界磁異常監視装置は、ブラシレス励磁同期機の界磁巻線の状態を監視するものであって、前記界磁巻線の両端に電気的に接続される2つの回転リングならびに前記ブラシレス励磁同期機の回転子シャフトとそれぞれ静電結合する電極から得られる電気信号から前記界磁巻線のインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段と、前記インピーダンス計測手段により計測される前記界磁巻線のインピーダンスの変化に基づき、当該界磁巻線の異常な状態を検出する監視手段と、を具備する。
本発明によれば、ブラシを用いない簡易な構成で同期機の界磁巻線の状態を監視することができる。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
[全体の構成]
図1は、一実施形態に係る界磁異常監視装置を備えたブラシレス励磁同期機の概略構成を示す図である。
図1は、一実施形態に係る界磁異常監視装置を備えたブラシレス励磁同期機の概略構成を示す図である。
ブラシレス励磁同期機は、例えばブラシレス励磁方式の発電機として実現される。このブラシレス励磁同期機は、固定子1Aおよび回転子1Bを有する。回転子1B側には、発電機界磁巻線2、励磁機電機子巻線3、整流器4、スリップリング(回転リング)5,6、回転子シャフト7、電極8A,8B,8Cが備えられる。また、固定子1A側には、励磁機界磁巻線9が備えられる。
固定子1A側の励磁機界磁巻線9および回転子1B側の励磁機電機子巻線3、ならびに回転子1B側の整流器4は、当該発電機の励磁を行う交流励磁機を構成する。この交流励磁機において、励磁機界磁巻線9に界磁電流Iefが流れると、励磁機電機子巻線3から交流電流が出力され、整流器4により整流が行われ、生成された直流電流が界磁電流Ifとして発電機界磁巻線2に供給され、発電機の励磁が行われるようになっている。
なお、励磁機界磁巻線9に流れる界磁電流Iefは、図示しない電流検出器により検出され、検出された界磁電流Iefの情報が後述する界磁異常監視装置10に伝えられるようになっている。界磁異常監視装置10に伝えられた界磁電流Iefの情報は、発電機界磁巻線2の温度異常の判定などに利用される。
スリップリング5は、整流器4の負極側と発電機界磁巻線2とに電気的に接続される。一方、スリップリング6は、整流器4の正極側と発電機界磁巻線2とに電気的に接続される。回転子シャフト7は電気的に接地されている。
電極8A,8B,8Cは、スリップリング5、スリップリング6、回転子シャフト7にそれぞれ対向するように非接触に設置され、これらスリップリング5、スリップリング6、回転子シャフト7と静電結合してそれらから電気信号を得る。
当該ブラシレス励磁同期機には、界磁異常監視装置10が備えられる。この界磁異常監視装置10は、発電機界磁巻線2の状態を監視し、発電機界磁巻線2のレイヤーショート(コイルのレイヤー間に生じる層間短絡)を検出したり、発電機界磁巻線2の地絡(発電機界磁巻線2と回転子シャフト7との間の絶縁層の異常による地絡)を検出したり、発電機界磁巻線2の温度異常を検出したり、あるいは発電機界磁巻線2の温度を測定したりする機能を有する。
[界磁異常監視装置10の構成]
界磁異常監視装置10は、インピーダンスメータ(インピーダンス計測手段)11、監視装置(監視手段)12、記憶装置(記憶手段)13、および出力装置(出力手段)14を含む。なお、上記電極8A,8B,8Cは、当該界磁異常監視装置10の一部を構成するものとしてもよい。さらに、スリップリング5、スリップリング6も当該界磁異常監視装置10の一部を構成するものとしてもよい。また、上記監視装置12、記憶装置13、および出力装置14は、例えばコンピュータなどの情報機器により実現することができる。
界磁異常監視装置10は、インピーダンスメータ(インピーダンス計測手段)11、監視装置(監視手段)12、記憶装置(記憶手段)13、および出力装置(出力手段)14を含む。なお、上記電極8A,8B,8Cは、当該界磁異常監視装置10の一部を構成するものとしてもよい。さらに、スリップリング5、スリップリング6も当該界磁異常監視装置10の一部を構成するものとしてもよい。また、上記監視装置12、記憶装置13、および出力装置14は、例えばコンピュータなどの情報機器により実現することができる。
インピーダンスメータ11は、電極8A,8B,8Cを通じて入力される電気信号から発電機界磁巻線2のインピーダンスを計測する機器であり、具体的には発電機界磁巻線2のインピーダンスを構成する抵抗、インダクタンス、キャパシタンスのそれぞれの変化を観測することができる。
ここで、インピーダンスメータ11と電極8A,8B,8Cと発電機界磁巻線2とを接続した電気的な等価回路の例を図2に示す。図2中、Rは発電機界磁巻線2に相当する各種導体を模した抵抗を表し、Lは発電機界磁巻線2に相当する各種導体を模したインダクタンスを表し、Cは発電機界磁巻線2と回転子シャフト7との間にある絶縁層によるキャパシタンスを表している。すなわち、発電機界磁巻線2は、L,R,Cを含む分布定数回路とみなすことができる。
図2に示す等価回路において、ブラシレス励磁同期機が通常運転されている間は、インピーダンスメータ11で計測されるインピーダンスは変化しない(但し、励磁機界磁巻線9に流れる界磁電流Iefを変化させていれば、発電機界磁巻線2に流れる界磁電流Ifも変化し、インピーダンスは変化する)。このような等価回路において、発電機界磁巻線2におけるレイヤーショートや地絡とは、回路定数の変化であると解釈できる。すなわち、図2に示す等価回路を用いて電気的に説明すれば、発電機界磁巻線2のレイヤーショートとは、複数のインダクタンスLのうち少なくとも1つの値が減少することと解釈することができる。また、発電機界磁巻線2の地絡とは、複数のキャパシタンスCのうち少なくとも1つが短絡することと解釈することができ、いずれの場合も、回路の構成が変わるため、インピーダンスが変化する。このようなインピーダンスの変化を非接触式の電極8A,8B,8Cを通じてインピーダンスメータ11により計測することにより、発電機界磁巻線2のレイヤーショートや地絡を検出することが可能となる。
監視装置12は、インピーダンスメータ11により計測されるインピーダンスの変化に基づき、発電機界磁巻線2の状態を監視するものである。この監視装置12は、発電機界磁巻線2のレイヤーショートを検出する機能や、発電機界磁巻線2の地絡を検出する機能、発電機界磁巻線2の温度異常を検出する機能、発電機界磁巻線2の温度を測定する機能等を備えている。
記憶装置13は、発電機界磁巻線2のレイヤーショート・地絡・温度異常の検出や、温度の測定を行う際に使用される各種の情報を予め記憶した記憶媒体を備えている。
出力装置14は、監視装置12により検出される発電機界磁巻線2の異常や温度を示す情報の表示を行う表示装置や印刷を行うプリンタもしくは記録を行う記録装置等に相当する。
[監視装置12と記憶装置13の内部構成]
監視装置12は、図3に示されるように、各種の機能として、レイヤーショート検出部21、地絡検出部22、判定部23、温度測定部24、および温度異常検出部25を有する。また、記憶装置13は、図4に示されるように、各種の記憶領域として、レイヤーショート変化パターン記憶部31、地絡変化パターン記憶部32、および温度情報記憶部33を有する。
監視装置12は、図3に示されるように、各種の機能として、レイヤーショート検出部21、地絡検出部22、判定部23、温度測定部24、および温度異常検出部25を有する。また、記憶装置13は、図4に示されるように、各種の記憶領域として、レイヤーショート変化パターン記憶部31、地絡変化パターン記憶部32、および温度情報記憶部33を有する。
記憶装置13の中のレイヤーショート変化パターン記憶部31は、発電機界磁巻線2のレイヤーショート発生時のインピーダンスの変化パターンを示す情報(例えばインダクタンスがある閾値まで下がる変化を示した情報(もしくは、インダクタンスと抵抗とを合わせた値がある閾値まで下がる変化を示した情報))を記憶する領域である。
地絡変化パターン記憶部32は、発電機界磁巻線2の地絡発生時のインピーダンスの変化パターンを示す情報(例えばキャパシタンスが0になる変化を表した情報)を記憶する領域である。
温度情報記憶部33は、発電機界磁巻線2の温度の測定や温度異常の検出を行うために使用される情報を記憶する領域である。この領域には、例えば、発電機界磁巻線2の正常時における抵抗R、温度T、界磁電流Ief、界磁電流Ifのそれぞれの関係を示す情報が記憶される。
発電機界磁巻線2の温度を測定するために使用される情報の例としては、例えば図5(a)に示す発電機界磁巻線2における抵抗Rと温度Tとの関係を示す情報が挙げられる。
また、発電機界磁巻線2の温度異常を検出するために使用される情報の例としては、発電機界磁巻線2における抵抗Rと励磁機界磁巻線9における界磁電流Iefとの関係を示す情報が挙げられる。あるいは、図5(a)に示す発電機界磁巻線2における抵抗Rと温度Tとの関係を示す情報に加え、図5(b)に示す発電機界磁巻線2における温度Tと発電機界磁巻線2における界磁電流Ifとの関係を示す情報、および、図5(c)に示す発電機界磁巻線2における界磁電流Ifと励磁機界磁巻線9における界磁電流Iefとの関係を示す情報を記憶させるようにしてもよい。この場合、図5(b)に示す情報および図5(c)に示す情報を、発電機界磁巻線2の温度Tと励磁機界磁巻線9の界磁電流Iefとの関係を示す情報に代えてもよい。
一方、監視装置12の中のレイヤーショート検出部21は、インピーダンスメータ11により計測されるインピーダンス中のインダクタンスの変化に基づき、当該発電機界磁巻線2のレイヤーショートを検出する機能である。
例えば、インピーダンスメータ11により計測されるインダクタンスがある閾値まで下がった場合に(もしくは、インダクタンスと抵抗とを合わせた値がある閾値まで下がった場合に)、発電機界磁巻線2のある層間で短絡が生じたものとみなすことができる。当該インダクタンスをL1とすると、このインダクタンスはL1=N・Φ/If(但し、Nは発電機界磁巻線2のターン数、Φは磁束を示す)で表わされる。発電機界磁巻線2のある層間においてレイヤーショートが生じた場合、ターン数Nが減少したと解釈することができる。ターン数Nが減少すると、インダクタンスLもその分下がる。よって、このときに発電機界磁巻線2のレイヤーショートが生じたとみなすことができる。
なお、当該レイヤーショートの検出は、後述する判定部23での判定結果に基づいて行うようにしてもよい。
地絡検出部22は、インピーダンスメータ11により計測されるインピーダンス中のキャパシタンス変化に基づき、発電機界磁巻線2の地絡を検出する機能である。
例えば、インピーダンスメータ11により計測されるキャパシタンスが0になった場合に、発電機界磁巻線2と回転子シャフト7との間の絶縁層の異常により地絡が生じたものとみなすことができる。
なお、当該地絡の検出は、後述する判定部23での判定結果に基づいて行うようにしてもよい。
判定部23は、記憶装置13の中のレイヤーショート変化パターン記憶部31に記憶されている情報(発電機界磁巻線2のレイヤーショート発生時のインピーダンスの変化パターンを示す情報)や、地絡変化パターン記憶部32に記憶されている情報(発電機界磁巻線2の地絡発生時のインピーダンスの変化パターンを示す情報)を用いることにより、当該発電機界磁巻線2のレイヤーショートもしくは地絡の発生の有無を判定する機能である。当該機能は必ずしも使用されるものではない。
例えば、インピーダンスメータ11により計測されるインピーダンスの変化パターンが、レイヤーショート変化パターン記憶部31に記憶されているインピーダンスの変化パターンと略一致する場合に(例えば、乖離が一定未満である場合に)、レイヤーショートが生じたものとみなすことができる。また、インピーダンスメータ11により計測されるインピーダンスの変化パターンが、地絡変化パターン記憶部32に記憶されているインピーダンスの変化パターンと略一致する場合に(例えば、乖離が一定未満である場合に)、地絡が生じたものとみなすことができる。
温度測定部24は、インピーダンスメータ11により計測されるインピーダンス中の抵抗に基づき、発電機界磁巻線2の温度を測定する機能である。例えば、温度情報記憶部33に記憶されている情報(例えば図5(a)に示す発電機界磁巻線2における抵抗Rと温度Tとの関係を示す情報)を用いることにより、発電機界磁巻線2の温度を知得することができる。
温度異常検出部25は、インピーダンスメータ11により計測されるインピーダンス中の抵抗とある抵抗基準値との差に基づき、当該発電機界磁巻線2の温度異常を検出する機能である。
例えば、インピーダンスメータ11により計測される抵抗と抵抗基準値との差が一定でなく、所定の範囲を超えて変化または変動する場合に、発電機界磁巻線2に温度異常が生じたとみなすことができる。あるいは、温度情報記憶部33に記憶されている情報(例えば抵抗Rと励磁機界磁巻線9の界磁電流Iefとの関係を示す情報)を用いることにより、現在の界磁電流Iefの値から発電機界磁巻線2の抵抗を導き出し、この抵抗と、インピーダンスメータ11により計測される抵抗との差が一定でなく、所定の範囲を超えて変化または変動する場合に、発電機界磁巻線2に温度異常が生じているとみなすようにしてもよい。
[作用]
(レイヤーショートの検出)
例えば、発電機界磁巻線2においてレイヤーショートが生じたものとする。この場合、図2の等価回路においては複数のインダクタンスLのうち少なくとも1つの値が減少すると解釈できる。このとき、インピーダンスメータ11側では、インピーダンス中のインダクタンス(もしくはインダクタンス及び抵抗)がある値まで低下する現象が観測される。
(レイヤーショートの検出)
例えば、発電機界磁巻線2においてレイヤーショートが生じたものとする。この場合、図2の等価回路においては複数のインダクタンスLのうち少なくとも1つの値が減少すると解釈できる。このとき、インピーダンスメータ11側では、インピーダンス中のインダクタンス(もしくはインダクタンス及び抵抗)がある値まで低下する現象が観測される。
監視装置12は、インピーダンスメータ11により計測されるインダクタンスがある閾値まで下がった場合に(もしくは、インダクタンスと抵抗とを合わせた値がある閾値まで下がった場合に)、あるいは、インピーダンスメータ11により計測されるインピーダンスの変化パターンが記憶装置13のレイヤーショート変化パターン記憶部31に記憶されているインピーダンスの変化パターンと略一致する場合に(例えば、乖離が一定未満である場合に)、発電機界磁巻線2のレイヤーショートを検出する。
すると、出力装置14は、発電機界磁巻線2にレイヤーショートが発生したことを示す情報を出力する。
(地絡の検出)
例えば、発電機界磁巻線2において地絡が生じたものとする。この場合、図2の等価回路においては複数のキャパシタンスCのうち少なくとも1つが短絡したと解釈できる。このとき、インピーダンスメータ11側では、インピーダンス中のキャパシタンスが0になる現象が観測される。
例えば、発電機界磁巻線2において地絡が生じたものとする。この場合、図2の等価回路においては複数のキャパシタンスCのうち少なくとも1つが短絡したと解釈できる。このとき、インピーダンスメータ11側では、インピーダンス中のキャパシタンスが0になる現象が観測される。
監視装置12は、インピーダンスメータ11により計測されるキャパシタンスが0になった場合に、あるいは、インピーダンスメータ11により計測されるインピーダンスの変化パターンが記憶装置13の地絡変化パターン記憶部32に記憶されているインピーダンスの変化パターンと略一致する場合に(例えば、乖離が一定未満である場合に)、発電機界磁巻線2の地絡を検出する。
すると、出力装置14は、発電機界磁巻線2に地絡が発生したことを示す情報を出力する。
(温度異常の検出)
例えば、発電機界磁巻線2において温度が異常に上昇したものとする。この場合、図2の等価回路においては複数の抵抗Rのうち少なくとも1つの値が増大したと解釈できる。このとき、インピーダンスメータ11側では、インピーダンス中の抵抗が上昇する現象が観測される。
例えば、発電機界磁巻線2において温度が異常に上昇したものとする。この場合、図2の等価回路においては複数の抵抗Rのうち少なくとも1つの値が増大したと解釈できる。このとき、インピーダンスメータ11側では、インピーダンス中の抵抗が上昇する現象が観測される。
監視装置12は、インピーダンスメータ11により計測される抵抗と抵抗基準値との差が一定でなく、所定の範囲を超えて変化または変動する場合に、あるいは、温度情報記憶部33に記憶されている情報(例えば抵抗Rと励磁機界磁巻線9の界磁電流Iefとの関係を示す情報)を用いることにより、現在の界磁電流Iefの値から発電機界磁巻線2の抵抗を導き出し、この抵抗と、インピーダンスメータ11により計測される抵抗との差が一定でなく、所定の範囲を超えて変化または変動する場合に、発電機界磁巻線2の温度異常を検出する。
すると、出力装置14は、発電機界磁巻線2に温度異常が発生したことを示す情報を出力する。
(温度の測定)
発電機界磁巻線2の温度は運転状態に応じて変化する。図2の等価回路においては複数の抵抗Rのうち少なくとも1つの値が変化すると解釈できる。このとき、インピーダンスメータ11側では、インピーダンス中の抵抗が変化する現象が観測される。
発電機界磁巻線2の温度は運転状態に応じて変化する。図2の等価回路においては複数の抵抗Rのうち少なくとも1つの値が変化すると解釈できる。このとき、インピーダンスメータ11側では、インピーダンス中の抵抗が変化する現象が観測される。
監視装置12は、温度情報記憶部33に記憶されている情報(例えば抵抗Rと発電機界磁巻線2の温度Tとの関係を示す情報)を用いることにより、インピーダンスメータ11により計測される抵抗から、発電機界磁巻線2の温度を知得する。
すると、出力装置14は、発電機界磁巻線2の温度を示す情報を出力する。
[効果]
上述した実施形態によれば、ブラシを用いない簡易な構成で、ブラシレス励磁同期機の界磁巻線におけるレイヤーショートの検出、地絡の検出、温度異常の検出、温度の測定等を行うことができる。
上述した実施形態によれば、ブラシを用いない簡易な構成で、ブラシレス励磁同期機の界磁巻線におけるレイヤーショートの検出、地絡の検出、温度異常の検出、温度の測定等を行うことができる。
また、上述した実施形態によれば、回転部に各種センサや送信機を設ける必要がないため、遠心力による送信機への悪影響やコスト高を回避することができる。
また、上述した実施形態によれば、ブラシを用いない非接触方式のため、摩耗の問題が生じず、定期点検時のブラシ交換等を行う必要がなく、保守にかかる手間や時間、コストを低減することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1A…固定子、1B…回転子、2…発電機界磁巻線、3…励磁機電機子巻線、4…整流器、5…スリップリング(A)、6…スリップリング(B)、7…回転子シャフト、8A,8B,8C…電極、9…励磁機界磁巻線、10…界磁異常監視装置、11…インピーダンスメータ、12…監視装置、13…記憶装置、14…出力装置。
Claims (7)
- ブラシレス励磁同期機の界磁巻線の状態を監視する界磁異常監視装置であって、
前記界磁巻線の両端に電気的に接続される2つの回転リングならびに前記ブラシレス励磁同期機の回転子シャフトとそれぞれ静電結合する電極から得られる電気信号から前記界磁巻線のインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段と、
前記インピーダンス計測手段により計測される前記界磁巻線のインピーダンスの変化に基づき、当該界磁巻線の異常な状態を検出する監視手段と、
を具備することを特徴とするブラシレス励磁同期機の界磁異常監視装置。 - 前記監視手段は、前記インピーダンス計測手段により計測される前記界磁巻線のインピーダンス中のインダクタンスの変化に基づき、当該界磁巻線のレイヤーショートを検出する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のブラシレス励磁同期機の界磁異常監視装置。
- 前記監視手段は、前記インピーダンス計測手段により計測される前記界磁巻線のインピーダンス中のキャパシタンスの変化に基づき、当該界磁巻線の地絡を検出する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のブラシレス励磁同期機の界磁異常監視装置。
- 監視手段は、前記インピーダンス計測手段により計測される前記界磁巻線のインピーダンス中の抵抗に基づき、当該界磁巻線の温度を測定する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のブラシレス励磁同期機の界磁異常監視装置。
- 前記監視手段は、前記インピーダンス計測手段により計測される前記界磁巻線のインピーダンス中の抵抗とある基準値との差に基づき、当該界磁巻線の温度異常を検出する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のブラシレス励磁同期機の界磁異常監視装置。
- 当該界磁巻線のレイヤーショート発生時のインピーダンスの変化を示す情報と、当該界磁巻線の地絡発生時のインピーダンスの変化を示す情報とを、予め記憶する記憶手段をさらに具備し、
前記監視手段は、前記記憶手段に記憶されている情報を用いて、当該界磁巻線のレイヤーショートもしくは地絡の発生の有無を判定する手段を有することを特徴とする請求項1に記載のブラシレス励磁同期機の界磁異常監視装置。 - ブラシレス励磁同期機の界磁巻線の状態を監視する界磁異常監視方法であって、
インピーダンス計測手段により、前記界磁巻線の両端に電気的に接続される2つの回転リングならびに前記ブラシレス励磁同期機の回転子シャフトとそれぞれ静電結合する電極から得られる電気信号から前記界磁巻線のインピーダンスを計測し、
監視手段により、前記計測された前記界磁巻線のインピーダンスの変化に基づき、当該界磁巻線の異常な状態を検出する、
ことを含むことを特徴とするブラシレス励磁同期機の界磁異常監視方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016017997A JP2017139860A (ja) | 2016-02-02 | 2016-02-02 | ブラシレス励磁同期機の界磁異常監視装置および界磁異常監視方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021151007A (ja) * | 2020-03-17 | 2021-09-27 | 株式会社東芝 | 層間短絡検知装置および層間短絡検知方法 |
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2016
- 2016-02-02 JP JP2016017997A patent/JP2017139860A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
JP2021151007A (ja) * | 2020-03-17 | 2021-09-27 | 株式会社東芝 | 層間短絡検知装置および層間短絡検知方法 |
JP7247134B2 (ja) | 2020-03-17 | 2023-03-28 | 株式会社東芝 | 層間短絡検知装置および層間短絡検知方法 |
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