JP2017137464A - 精製したオレフィンによるオレフィンの重合方法 - Google Patents

精製したオレフィンによるオレフィンの重合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】オレフィン原料から不純物の二酸化炭素を除去する際に、経済的で、簡易かつ効率的に行なえ、オレフィン重合に十分精製したモノマー原料を供給し得る、オレフィン原料における二酸化炭素の除去精製方法を用いて、オレフィンの重合において高い生産性で安定的に重合体を得る【解決手段】二酸化炭素を不純物として含有する原料オレフィンを活性アルミナとゼオライトの混合物からなるハイブリッド系吸着剤と接触させ、原料オレフィンを精製した後に、精製オレフィンを遷移金属錯体触媒に接触させて重合する【選択図】なし

Description

本発明は、精製したオレフィンによるオレフィンの重合方法に関し、詳しくは、遷移金属錯体触媒によるオレフィンの重合において、原料オレフィン中に不純物の二酸化炭素を含有する場合に、ハイブリッド系吸着剤にて精製したオレフィンを用いて、触媒活性の低下を十分に抑止し、重合体を高収率で得る、オレフィンの重合方法に係るものである。
一般に、チーグラー・ナッタ触媒を用いてオレフィンの単独重合又はオレフィン間の共重合を行うと、分子量分布や組成分布が広い(共)重合体が得られる特徴を呈する。オレフィンの単独重合の場合には低分子量成分を多く含み広い分子量分布を有する重合体が得られ、オレフィン間の共重合の場合には広い分子量分布に加えて、低結晶性成分を多く含み広い組成分布の共重合体が得られる。
かかる特異性において、これらの成分は物性低下や成形加工上の問題を引き起こし、また、該低分子量成分や低結晶性成分の成分量が多くなると臭気、外観の劣化、触感(ベタツキ等)等の問題が発生し、品質に悪影響を及ぼす。
更に、チーグラー・ナッタ触媒は後述するメタロセン触媒と異なり、連鎖移動剤である水素との反応性が低いために、分子量が低い(共)重合体を製造するためには大量の水素を供給することが必要となり、またそれにより重合活性も低下する。
近年、これらの欠点が少ないメタロセン触媒が開発されており、メタロセン触媒は連鎖移動剤である水素との反応性がよく、重合活性を低下させるほどの水素を供給しなくても分子量が低い(共)重合体を重合することが可能である。また、メタロセン触媒は、チーグラー・ナッタ触媒に較べて活性点が均質であるため、分子量分布や組成分布が狭くてベタツキ成分の少ない良好なオレフィン(共)重合体を与えることが知られており、更に立体規則性の高い、プロピレン系重合体等をも製造できる特徴も呈している。
その一方で、メタロセン触媒は原料オレフィン中の不純物に対して極めて敏感であり、重合活性や重合体の品質が原料オレフィンの純度に大きく左右され、不純物により生産性が低下することで、メタロセン触媒を用いてオレフィン(共)重合体を工業的に生産するには難点が多かった。
更に近年、石油化学工業の基礎原料として、オレフィンにおいて、特にポリエチレンとポリプロピレン製造用のモノマー等として、エチレンとプロピレンの需要が急速に高まり、エチレンとプロピレンプラントのロードアップや重質油の流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking Process)等によって工業用エチレンやプロピレンの確保が行われている。
工業用エチレンやプロピレンは、ナフサ、原油、天然ガス等を用いて得られるが、例えばクラッキング等の高温反応工程においては、希釈剤として添加される水等との副反応により微量の一酸化炭素及び二酸化炭素が副産物として発生し、一般に製造直後のエチレンやプロピレン中には微量の一酸化炭素や二酸化炭素及びその他の不純物が含まれる。次いで、エチレン等の留分の分離のために、蒸留塔等の分離装置を用いて精製を行なう工程で、メタン等と共に一酸化炭素は充分に除去され得る。
しかし、二酸化炭素は充分に除去することが難しく、エチレンやプロピレン中には数ppm(容量)〜数百ppm(容量)程度の二酸化炭素が含まれる。原料のエチレンやプロピレン中の不純物は、オレフィン重合用触媒に対する触媒毒であることが多く、種々の精製が行われている。
また、工業用プロピレンについて、近年プロピレンを選択的に製造する有効な方法として、メタノール及び/又はジメチルエーテルを反応させてプロピレンを製造する方法、いわゆるMTOプロセス(メタノールからオレフィンを製造するプロセス)が注目を浴びている。一方で、メタノールを製造する方法としては、天然ガス由来の炭化水素を用いてメタノールを製造する方法が主流であるが、天然ガスに変えて、石炭ガス、石炭コークス炉ガス等の石炭由来のガスを用いてメタノールを製造する方法がある。石炭由来のガスを用いて得られるプロピレンは、石炭由来のガスから生成される合成ガス中の二酸化炭素等の不純物を微量含んでしまう可能性があり、こういったプロピレンを少量でも混合して使用した場合にもオレフィンの重合においては種々の問題が懸念されるため、不純物を極力少なくする必要性と要求が高まってきている。
かかる現状においては、エチレンやプロピレンに代表されるオレフィンのメタロセン触媒の重合において、触媒毒として悪影響をもたらす、工業用オレフィン原料中の二酸化炭素等の不純物を、効率的にかつ経済的にできるだけ除去する必要性が非常に高くなっている。
なお、従来においては、オレフィン中の一酸化炭素など低分子量の不純物は、原料精製の工程において軽沸除去塔での分離除去を行うが、二酸化炭素はプロピレンとの分子量が近く軽沸除去塔での分離が困難であることから、精製触媒(吸着剤)を用い除去する必要があった。
一般的に、混合ガス中に不純物として含まれる微量な有害成分を選択的に除去する方法としては、大別すると、化学反応により除去する方法(「化学的除去法」という)と、物理吸着による方法(「物理的除去法」という)とに分けられる。
工業用オレフィンにおける不純物の二酸化炭素の除去方法としては、具体的には、以下のような除去方法が提案されている。
最も一般的な二酸化炭素を除去する精製触媒(吸着剤)として、活性アルミナが知られており(特許文献1を参照)、現在はオレフィン精製への適用が進んでいる。
また、活性アルミナの性能改良の検討も進められており、例えば、活性アルミナにアルカリ金属酸化物、水酸化物、硝酸塩、酢酸塩等を担持してなる吸着剤の開発が進められている(特許文献2を参照)。
しかしながら、活性アルミナによる吸着は主に化学反応を伴う化学的除去法であるため、使用に伴い比較的短期間で吸着剤中の活性点が変質し、再生しても性能が回復しなくなる、いわゆる寿命が短い事が難点であった。
また、物理的除去法による、二酸化炭素を除去する方法としては、例えば、ゼオライト(モレキュラーシーブ)を主成分とした触媒(例えば、ゼオライト、アルミナ、金属前駆体を含有)による除去方法が挙げられる(特許文献3,4を参照)が、除去効率は必ずしも十分ではなかった。
したがって、これら公知の精製触媒によるオレフィン中の二酸化炭素等の不純物の除去は、一定の効果を示すものの、その吸着性能には未だ改善の余地が多々認められる。
特開昭63−240915号公報 米国特許明細書第4,493,715号 特開2002−253959号公報 特表2010−505033号公報
従来においては、種々の方法により製造された工業用オレフィン原料中には、通常、二酸化炭素を始め、アセチレンや硫黄系不純物等が含有されている。この工業用オレフィンを、ポリマー製造用の原料モノマーとして使用するためには、触媒毒として悪影響をもたらすところの、工業用オレフィン原料中に含有されている二酸化炭素を5volppmよりも下の濃度レベル、時には1volppmよりも下のレベルにまで除去して、メタロセン触媒に代表される遷移金属錯体触媒の被毒を防止する必要がある。
そして、背景技術において前述したように、従来の二酸化炭素の除去方法は、精製触媒として活性アルミナやゼオライト(モレキュラーシーブ)を使用するが、二酸化炭素等の不純物の影響を受け易い遷移金属錯体触媒に対しては十分な精製ができているとはいえなかった。
そこで、本発明は、工業用オレフィン原料から二酸化炭素を除去する際に、経済的で、簡易かつ効率的に行え、オレフィン重合に十分精製したモノマー原料を供給し得て、かかるオレフィンの重合において高い生産性で安定的に重合体を得ることができるオレフィンの重合方法を開発することを、発明が解決すべき課題とするものである。
本発明者らは、上記の発明の課題を解決するために、種々の精製触媒(吸着剤)による、オレフィン原料からの二酸化炭素の除去精製方法を勘案試行して、経済的で、簡易かつ効率的に行なえ、オレフィン重合に十分精製したモノマー原料を供給し得る、二酸化炭素の除去精製方法を求めた結果、特定の吸着剤を採用することにより、本発明の課題を解決し得ることを見い出して、遷移金属錯体触媒、特にメタロセン触媒を活用する本発明のオレフィン重合方法を創出するに至った。
本発明では、発明の主要な特徴として、活性アルミナとゼオライトの混合物からなるハイブリッド系吸着剤(以下、単に「ハイブリッド系吸着剤」ともいう)を用いることで、オレフィン原料、特にプロピレンとエチレン中の、触媒被毒の原因となる不純物としての二酸化炭素、更にはアセチレン系化合物等、を従来よりも効率的かつ確実に除去して触媒活性の低下を大幅に抑止させる手法を、オレフィン重合に利用するものである。
よって、本発明の第一の発明(基本発明;請求項1)は、二酸化炭素を不純物として含有する原料オレフィンを、活性アルミナとゼオライトの混合物からなるハイブリッド系吸着剤と接触させ、原料オレフィンを精製した後に、精製オレフィンを遷移金属錯体触媒に接触させて重合することを特徴とする、オレフィンの重合方法となる。
本発明の基本発明に付随する付帯発明又は実施の態様発明(従属請求項の各発明)としては、第二の発明として、原料オレフィンが、更に5volppm以下のアセチレン系化合物を不純物として含有することを特徴とする、第一の発明におけるオレフィンの重合方法であり、第三の発明として、遷移金属錯体触媒がメタロセン触媒であることを特徴とする、第一又は第二の発明におけるオレフィンの重合方法であり、第四の発明として、メタロセン触媒がイオン交換性層状珪酸塩に担持されたものであることを特徴とする、第三の発明におけるオレフィンの重合方法である。
第五の発明として、ハイブリッド系吸着剤を100〜650℃の温度で予め前処理することを特徴とする、第一から第四の発明におけるオレフィンの重合方法であり、第六の発明として、活性アルミナの細孔径が1〜100nmであり、ゼオライトの平均細孔径が0.2〜1nmであるとを特徴とする、第一から第五の発明におけるオレフィンの重合方法であり、第七の発明として、二酸化炭素を不純物として含有する原料オレフィンとハイブリッド吸着剤との接触温度が0〜100℃であることを特徴とする、第一から第六の発明におけるオレフィンの重合方法である。
更に、第八の発明として、原料オレフィンが二酸化炭素を不純物として100volppm以下を含有することを特徴とする、第一から第七の発明におけるオレフィンの重合方法であり、第九の発明として、二酸化炭素を不純物として含有する原料オレフィンとハイブリッド系吸着剤と接触させる前後に、下記(1)〜(3)の少なくとも1つと接触させることを特徴とする、第一〜第八の発明におけるオレフィンの重合方法である。
(1)ゼオライト(2)金属酸化物又は金属酸化物の複合酸化物(3)活性アルミナ
なお更に、第十の発明として、原料オレフィンがエチレン及び/又はプロピレンであることを特徴とする、第一から第九の発明におけるオレフィンの重合方法であり、第十一の発明として、前記オレフィン重合体が、エチレン含有量が6wt%以下のエチレン/プロピレン共重合体であることを特徴とする、第十の発明におけるオレフィンの重合方法が提供される。
本発明は、オレフィン原料から不純物の二酸化炭素を除去する際に、従来の精製触媒を用いず、その除去を経済的で、簡易かつ効率的に行なえ、十分に精製した原料オレフィンを供給し得て、それにより、メタロセン触媒等の遷移金属錯体触媒によるオレフィン重合において、不純物による触媒活性の低下を十分に抑止でき、高い生産性で重合体を、工業的に安定して生産することが可能となる。
本発明の基本的な構成は、不純物として二酸化炭素を含有する原料オレフィンを、活性アルミナとゼオライトの混合物からなるハイブリッド系吸着剤と接触させた後に、メタロセン触媒等の遷移金属錯体触媒に接触させて重合することを特徴とする、オレフィンの重合方法である。
以下においては、本発明の各請求項に係る、本発明のオレフィンの重合方法について詳細に説明する。
〔I〕原料オレフィン
本発明において原料として使用されるオレフィンは、種々の方法によって製造された、二酸化炭素を含有する工業用オレフィンを用いることができるが、特にエチレンプラントのロードアップや重質油の接触分解生成物から得られる、C2,3留分の分離等によって製造される工業用エチレン、及びFCCプロピレン(FCC;Fluid Catalytic Cracking Process)を用いる場合に好適に適用される。
なお、かかる工業用オレフィン原料には、更に5volppm以下のアセチレン系化合物等を不純物として含有していてもよい。
これら原料オレフィン中に含有される二酸化炭素は、好ましくは100volppm以下の場合に適用され、特に10volppm以下であることがより好ましい。仮に、原料オレフィン中に100volppmを超える濃度で二酸化炭素が含有されている場合には、濃度が高過ぎて吸着剤による処理能力が効率的でなくなるので、予め蒸留やPSA(Pressure Swing Adsorption)法などの他の手段にて二酸化炭素の濃度を100volppm以下に予め低下させておくことが望ましい。
なお、不純物の二酸化炭素を高濃度で含む工業用オレフィン原料を、仮にポリオレフィン製造プラントに受け入れたとしても、本発明のハイブリッド系吸着剤処理により、遷移金属錯体触媒による重合において大幅な触媒活性低下が無く、高品質のポリマーを高収率で製造することが可能となる。
〔II〕ハイブリッド系吸着剤
(1)吸着剤の組成
本発明で用いられるハイブリッド系吸着剤は、活性アルミナ及びゼオライトの混合物からなり、活性アルミナ及びゼオライトの合計100重量%中、通常、活性アルミナ20〜80重量%及びゼオライト80〜20重量%、好ましくは活性アルミナ30〜70重量%及びゼオライト70〜30重量%の混合物からなる。
本発明においては、オレフィン原料の精製において、ハイブリッド系吸着剤は、不純物の二酸化炭素のみならずアセチレン系不純物も除去し得る特徴を有している。
なお、かかるハイブリッド系吸着剤は、従来から知られた吸着剤であり、ハイブリッド系吸着剤は、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、UOP社/ユニオン昭和製のAZ−300が知られている。
ハイブリッド系吸着剤を構成する活性アルミナとは、水酸化アルミナを結晶性の低い多孔質の酸化アルミニウムに転移させて吸着能力を持たせたものをいい、比表面積及び細孔容積が高く、優れた吸着能力を有する。活性アルミナは、市販品を用いてもよいし、公知の方法により製造してもよい。
上記の活性アルミナの細孔径は通常1〜100nm、好ましくは1〜80nmである。活性アルミナの平均粒径は特に制限はなく、平均細孔径が上記の範囲であると、水やアルコール等の極性の高い不純物を効率的に吸着させることができるので好ましい。
好ましい活性アルミナとしては特に制限されるものではないが、γ−アルミナなどが挙げられる。
ハイブリッド系吸着剤を構成するゼオライトは、市販品を用いてもよく、公知の方法により製造することもできる。
上記ゼオライトの平均細孔径は、通常0.2〜1nm、好ましくは0.5〜1nmである。ゼオライトの平均粒径は特に制限はなく、平均細孔径が上記の範囲であると、二酸化炭素を含む種々の不純物を効率的に吸着させることができるので好ましい。
好ましいゼオライトとしては特に制限されるものではないが、ゼオライトX、Y及びA等が挙げられ、特に好ましくはゼオライトXが挙げられる。(なお、これらの各種ゼオライトは、ゼオライトの種類としての通称であり周知のものである。)
なお、オレフィン中に水及びアルコールなどの極性を有する不純物が多く含まれていると、これらの不純物が二酸化炭素よりも優先してハイブリッド系吸着剤に吸着されるので、ゼオライト(モレキュラーシーブ)等の吸着剤をハイブリッド系吸着剤の前段に併用することが好ましい。
ハイブリッド系吸着剤と併用される単独のゼオライトの平均粒径は特に制限はないが、平均細孔径は0.5〜1nmのものを使用するのが好ましい。
(2)吸着剤の形状
本発明において用いられるハイブリッド系吸着剤の形状は、特に制限は無く、ペレット状、粉末状、粒状の他、円滴状、円盤状などに成形されたものでもよい。吸着剤の形状は、使用態様に応じて適宜選択すればよく、その大きさも、使用条件に応じて適宜選択できる。
〔III〕処理条件
(1)ハイブリッド系吸着剤の前処理(活性化処理)
本発明のハイブリッド系吸着剤は前処理として加熱活性化処理されていることが好ましい。
本発明におけるハイブリッド系吸着剤の前処理(活性化処理)は熱処理であり、その温度は、不活性ガス流通下、100〜650℃であり、好ましくは200〜600℃、より好ましくは300〜600℃、最も好ましくは400〜600℃である。前処理温度がこの範囲であると、ゼオライト結晶の崩れが激しくなく、かつ除去効率が適正となる。不活性ガスとしては窒素、アルゴン、ヘリウム等が使用でき、窒素の使用が経済的で好ましい。
本発明の前処理(活性化処理)時間は、0.1〜100時間、好ましくは0.5〜50時間、より好ましくは1〜25時間である。
(2)多段処理
本発明においては、オレフィン原料をハイブリッド系吸着剤にて吸着処理する際に、複数回の吸着処理、すなわち多段処理を行うことも好ましい。
(3)オレフィンとハイブリッド系吸着剤の接触温度
本発明の接触温度は、好ましくは0〜100℃であり、より好ましくは10〜60℃であり、更に好ましくは20〜50℃の範囲である。処理(接触)温度がこの範囲であると、液化オレフィンの場合には気化せず処理操作が効率的となる。また、気体オレフィンの場合には副反応が生じる懸念がない。処理温度が低過ぎると除去効率が低くなる。
(4)オレフィンとハイブリッド系吸着剤の接触時間
本発明の接触時間としては、オレフィン中の二酸化炭素濃度、ハイブリッド系吸着剤量、接触温度、接触圧力等に応じて適宜選択される。通常は1分〜100時間、好ましくは5分〜80時間である。
(5)オレフィンとハイブリッド系吸着剤の接触圧力
本発明の接触圧力としては、常圧で行なうことができるが、0.2〜5MPa、好ましくは、0.5〜4MPaの圧力下においても行なうことができる。
(6)オレフィンとハイブリッド系吸着剤の接触方法
本発明の接触方法としては、通常はオレフィンをガス状で流通接触させるが、これに限定されるものではなく、プロピレンの場合には液状で接触させてもよい。
ハイブリッド系吸着剤の充填態様としては、接触塔の形状に応じて適宜選択すればよく、一般的には固定床が用いられるが、移動床、流動床等として充填することもできる。
(7)他の吸着剤による補足処理
通常、工業用オレフィン原料は二酸化炭素以外の不純物(例えば、HO,CO、COS、アセチレン系化合物等)も含んでいるため、ハイブリッド系吸着剤処理に先立つ予備処理と事後処理を行うことが好ましい。ハイブリッド系吸着剤と併用する、追加可能な精製触媒としては、合成ゼオライト(例えば、モレキュラーシーブ(MS)3A,4A,5A,13X)及び活性アルミナ、若しくは酸化銅、酸化亜鉛、酸化パラジウム、酸化ニッケル等の金属酸化物が挙げられる。
例えば、ハイブリッド系吸着剤を充填した吸着カラムの前後に別途、(イ)ゼオライト(モレキュラーシーブ)、(ロ)金属酸化物、或いは(ハ)活性アルミナ等を充填した吸着カラムを併用し、上記の不純物を除去することができる。
即ち、メタロセン触媒等の不純物の影響を受け易い触媒によるオレフィンの重合では、二酸化炭素濃度を下げるために、オレフィンを、本発明の活性アルミナとゼオライトの混合物からなるハイブリッド系吸着剤で接触処理することが非常に有用であるが、更に、原料オレフィンと、各種の慣用の追加可能な精製触媒部分による接触といえる、上記の(イ)〜(ハ)との併用接触をすることにより、二酸化炭素以外のその他多種の不純物を除去することが可能となり有益である。これらの併用接触は1つ以上で、任意に組み合わせてもよい。
このような、いわゆる併用接触による実施態様の例を示すと以下のとおりになる。
(1)モレキュラーシーブ等の合成ゼオライトとの接触後に、ハイブリッド系吸着剤による併用接触
(2)金属酸化物接触後に、ハイブリッド系吸着剤による併用接触
(3)ハイブリッド系吸着剤接触後に、金属酸化物又は金属酸化物の複合酸化物による併用接触
(4)金属酸化物又は金属酸化物の複合酸化物による接触後に、ハイブリッド系吸着剤接触、次いで金属酸化物又は金属酸化物の複合酸化物による多段併用接触
(5)活性アルミナ接触後に、ハイブリッド系吸着剤による併用接触
以上のハイブリッド系吸着剤、及び追加可能な精製触媒による接触処理は、オレフィンの性状、品質を考慮して種々の組み合わせの変更が可能であり、回数なども、任意に多段に設定できる。というのも、活性アルミナとゼオライトの混合物からなるハイブリッド系吸着剤による接触は、専ら、二酸化炭素の含有量を順次低下させるのに対して、この追加可能な精製触媒はそれ以外の触媒毒となり得る不純物の含有量を順次低下させることにも有益である。
具体的には、例えば、エチレン、プロピレンを重合に供する場合に、あらゆる触媒毒を無害化することにより、遷移金属錯体触媒の活性を全体的に維持するという点で顕著に有用である。
このように、エチレン、プロピレンに代表されるオレフィンを、予めモレキュラーシーブ接触、金属酸化物又は金属酸化物の複合酸化物接触などの追加可能な汎用の各種の精製触媒部分と接触後、ハイブリッド系吸着剤により接触する併用接触も有益である。ハイブリッド系吸着剤処理を二段、三段にすることも可能であり、また追加可能な精製触媒部分を任意に多段に併設すること、その接触前後を任意に変えるいずれの態様も本発明の技術範囲に含まれる。
(8)その他
原料のオレフィン中に二酸化炭素が残存すると、任意成分としてトリイソブチルアルミニウムを重合系内に供給する場合に、トリイソブチルアルミニウムと反応してイソ吉草酸が副生成物として発生し、ポリマー製品の異臭の発生の原因となる。本発明においては、二酸化炭素を十分に除去するので、かかる異臭の発生が無く、高品質のポリマー製品を供給できる。そして製品ポリマーの臭覚による異臭の官能試験により、オレフィン原料中の二酸化炭素不純物の存否も検証できる。
また、遷移金属錯体触媒による重合におけるオレフィン原料の精製技術の確立により、ポリオレフィン製造プラントの安定生産を保証し得ることとなる。
〔IV〕二酸化炭素の濃度測定
ガスの濃度測定として一般に使用されるGC/MS分析(ガスクロ/マス分析)にて行う。
〔V〕メタロセン触媒
本発明においては、遷移金属錯体触媒は後周期遷移金属錯体の配位触媒も包摂するが、遷移金属錯体触媒の代表例であるメタロセン触媒の例としては、一般に、共役五員環配位子を有する周期表第4〜6族の遷移金属化合物からなるメタロセン錯体(W)と助触媒(X)を含む触媒が挙げられる。
(1)メタロセン錯体
メタロセン錯体(W)としては、代表的なものとして共役五員環配位子を有する周期表第4〜6族の遷移金属化合物のメタロセン錯体が挙げられ、これらのうち、下記一般式(1)で表される架橋メタロセン錯体であることが好ましい。
Figure 2017137464
式(1)中、Mは、周期表第4〜6族から選ばれる遷移金属の金属原子である。F及びGは、補助配位子であり、助触媒(X)と反応してオレフィン重合能を有する活性なメタロセンを生成させるものである。E及びE‘は、置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基である。Qは、EとE‘を架橋する基である。E及びE‘は、更に副環上に置換基を有していてもよい。
E及びE‘としては、インデニル基又はアズレニル基が好ましく、特にアズレニル基が好ましい。
Qは、二つの共役五員環等の配位子間を任意の位置で架橋する結合性基を表し、アルキレン基、シリレン基又はゲルミレン基であるのが好ましい。
Mは、周期表第4〜6族から選ばれる遷移金属の金属原子、好ましくは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等である。ジルコニウム又はハフニウムが好ましい。
F及びGは、補助配位子であり、助触媒(X)と反応して、オレフィン重合能を有する活性なメタロセンを生成させ、したがって、この目的が達成される限りF及びGは、配位子の種類が制限されるものではなく、各々水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ原子を有する炭化水素基等が例示できる。これらのうち好ましいものは炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子である。
ここで、代表的なメタロセン錯体を例示すると、シクロペンタジエニル配位子を2個有し、それらが架橋されている構造のメタロセン錯体において、更にシクロペンタジエニル環が縮環している、アズレン系のものとしては、
ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−イソプロピル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、が挙げられ、アズレン系であって、他の共役多員環配位子がインデニル等異なるものとしては、
ジメチルシリレン[1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル}][1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)インデニル}]ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ハフニウムジクロリドなどが挙げられ、インデニル配位子を2個有し、それらが架橋されている構造のメタロセン錯体としては、
ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ハフニウムジ
クロリド、
ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ハフニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}]ハフニウムジクロリド、などが挙げられる。
(2)助触媒
助触媒(X)は、メタロセン錯体(W)を活性化する成分で、メタロセン錯体の補助配位子と反応して当該錯体を、オレフィン重合能を有する活性種に変換させ得る化合物であり、具体的には、下記(X−1)〜(X−4)のものが挙げられる。
(X−1)アルミニウムオキシ化合物
(X−2)メタロセン錯体(W)と反応して、メタロセン錯体(W)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物又はルイス酸
(X−3)固体酸
(X−4)イオン交換性層状珪酸塩
助触媒(X)は、pKaが−8.2以下の酸点を持ち、その量がそれを中和するために助触媒(X)1g当たり、2,6−ジメチルピリジンを0.001ミリモル以上要するものであることが好ましく、更に好ましくは0.01ミリモル以上のものである。
pKaが−8.2以下の酸点の量は、特開2002−53609号公報に記載の方法で測定する。
ここで、酸とは、物質の分類のカテゴリーの一つであり、ブレンステッド酸又はルイス酸である物質を指すと定義する。また、酸点とはその物質が酸としての性質を示す構成単位であると定義し、その量は、滴定法等の分析手段により、単位重量当たりの中和に要する2,6−ジメチルピリジン量のモル量で把握される。pKaが−8.2以下の酸点は、「強酸点」と呼ばれる。
本発明で用いる助触媒(X)は、強い酸点を特定量以上含有することによって重合活性が格段に向上する。
(X−1)のアルミニウムオキシ化合物がメタロセン錯体を活性化できることは、周知であり、そのような化合物としては、具体的には次の一般式(2)〜(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2017137464
上記の(2)〜(4)の各一般式中、Rは、水素原子又は炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10、中でも炭素数1〜6の炭化水素基を示す。また、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。また、pは0〜40、好ましくは2〜30の整数を示す。
上記一般式のうち、(2)及び(3)で表される化合物は、アルミノキサンとも称される化合物であって、これらの中では、メチルアルミノキサン又はメチルイソブチルアルミノキサンが好ましい。上記のアルミノキサンは、各群内及び各群間で複数種併用することも可能である。そして、上記のアルミノキサンは、公知の様々な条件下に調製することができる。
上記一般式(4)で表される化合物は、一種類のトリアルキルアルミニウム又は二種類以上のトリアルキルアルミニウムと、一般式:RB(OH)で表されるアルキルボロン酸との10:1〜1:1(モル比)の反応により得ることができる。一般式中、R及びRは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基を示す。
(X−2)の化合物は、メタロセン錯体(W)と反応して、メタロセン錯体(W)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物又はルイス酸であり、このようなイオン性化合物としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオン等の陽イオンと、トリフェニルホウ素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等の有機ホウ素化合物との錯化物等が挙げられる。
また、上記のようなルイス酸としては、種々の有機ホウ素化合物、例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等が例示される。更に、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム等の金属ハロゲン化物等が例示される。
なお、上記のルイス酸のある種のものは、メタロセン錯体(W)と反応して、メタロセン錯体(W)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物として把握することもできる。
(X−3)の固体酸としては、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、モリブデン酸、ニオブ酸、チタン酸、タングステン酸やこれらの複合酸、ヘテロポリ酸等が挙げられる。
(X−4)のイオン交換性層状化合物は、粘土鉱物の大部分を占めるものであり、好ましくはイオン交換性層状珪酸塩である。
イオン交換性層状珪酸塩(以下、単に「珪酸塩」と略記する場合がある。)は、イオン結合等によって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、かつ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライト等)が含まれることが多いが、それらを含んでいてもよい。
珪酸塩は、各種公知のものが使用できる。具体的には、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が挙げられる。モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族;バーミキュライト等のバーミキュライト族;雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族;パイロフィライト、タルク等のパイロフィライト−タルク族;Mg緑泥石等の緑泥石族;セピオライト、パリゴルスカイト等である。
珪酸塩は、上記の混合層を形成した層状珪酸塩であってもよい。主成分の珪酸塩が2:1型構造を有する珪酸塩であるのが好ましく、スメクタイト族であることがより好ましく、モンモリロナイトが特に好ましい。
珪酸塩については、天然品又は工業原料として入手したものは、特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、化学処理を施すのが好ましい。具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が挙げられる。好ましくは酸処理である。これらの処理を互いに組み合わせて用いてもよい。これらの処理条件には特に制限はなく、公知の条件が使用できる。
また、これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常、吸着水及び層間水が含まれるため、不活性ガス流通下で加熱脱水処理する等して、水分を除去してから使用するのが好ましい。なお、これらの化学処理の程度によってはイオン交換性が小さくなっている場合があるが、化学処理前の原料がイオン交換性層状珪酸塩であれば、特に問題ない。
(3)担体
メタロセン触媒は、担体に担持して用いることができる。メタロセン触媒において用いられる担体としては、各種公知の無機又は有機の微粒子状固体を挙げることができる。
無機固体の例示としては、多孔質酸化物が挙げられ、必要に応じて100〜1,000
℃、好ましくは150〜700℃で焼成して用いられる。
具体的には、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等、又はこれらの混合物、例えばSiO−MgO、SiO−Al、SiO−TiO、SiO−V、SiO−Cr、SiO−TiO−MgO等が挙げられる。これらのうち、SiO又はAlを主成分とするものが好ましい。
また、上記助触媒(X)が固体のものであれば、担体兼助触媒として使用することが可能であり、かつ好ましい。担体兼助触媒の具体例としては、(X−3)固体酸や(X−4)イオン交換性層状珪酸塩等が挙げられる。共重合体の粒子性状を向上させるためには、各種公知の造粒を行うのが好ましい。
有機の微粒子状固体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体、ビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体等の固体を例示することができる。
担体の平均粒径は、通常5〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好ましくは30〜100μmである。担体の比表面積は、通常50〜1,000m/g、好ましくは100〜500m/gである。担体の細孔容積は、通常0.1〜2.5cm/g、好ましくは0.2〜0.5cm/gである。
また、担体兼助触媒として使用する助触媒(X)についても上記と同じ範囲の平均粒径及び比表面積のものが好ましい。
(4)触媒成分の接触
メタロセン錯体(W)と助触媒(X)と担体の接触において、接触順番に制限は無いが、例えば、下記のような方法がある。
(i)メタロセン錯体(W)と助触媒(X)を接触させた後に、担体を接触させる。
(ii)メタロセン錯体(W)と担体を接触させた後に、助触媒(X)を接触させる。
(iii)担体と助触媒(X)を接触させた後に、メタロセン錯体(W)を接触させる
(なお、イオン交換性層状珪酸塩等の固体の助触媒を担体兼助触媒として使用する場合、担体と助触媒(X)は、もともと接触担持されていることになるため、この接触順番となる)。
(iv)メタロセン錯体(W)と助触媒(X)と担体を、同時に接触させる。
この中で好ましいのは(iii)の順番である。
(5)その他の成分
また、必要に応じて、有機アルミニウム化合物を使用することができる。有機アルミニウム化合物を使用する場合についても、上記のいずれの段階で有機アルミニウム化合物を接触させてもよい。好ましくは、担体と助触媒(X)を接触させた後に、有機アルミニウム化合物を接触させ、その後、メタロセン錯体(W)を接触させる方法である。
メタロセン錯体(W)と有機アルミニウム化合物を接触させる(その場合、助触媒(X)が存在していてもよい)温度は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜80℃、特に好ましくは30〜60℃である。この温度範囲であると、反応が遅くなることやメタロセン錯体(W)の分解反応が進行することはない。
また、メタロセン錯体(W)と有機アルミニウム化合物を接触させる(その場合、助触媒(X)が存在していてもよい)場合には、有機溶媒を溶媒として存在させるのが好ましい。この場合のメタロセン錯体(W)の有機溶媒中での濃度は、高い方が良く、好ましくは3mM以上、より好ましくは4mM以上、特に好ましくは6mM以上である。
(6)成分量
上記の触媒成分のうちメタロセン錯体(W)と助触媒(X)の使用量は、それぞれの組み合わせの中で最適な量比で用いられる。
助触媒(X)がアルミニウムオキシ化合物の場合は、Al/遷移金属のモル比は、通常10〜100,000、好ましくは100〜20,000、より好ましくは100〜10
,000である。一方、助触媒(X)としてイオン性化合物又はルイス酸を用いた場合は、対遷移金属のモル比は、0.1〜1,000、好ましくは1〜100、より好ましくは2〜10である。
(7)予備重合
遷移金属錯体触媒は、(共)重合体の粒子性状の改良のために、予めオレフィンを接触させて少量重合されることからなる予備重合して用いることが好ましい。予備重合に使用するオレフィンは、特に限定はないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレン等を使用することが可能であり、特にプロピレンを使用するのが好ましい。
予備重合時のオレフィンの供給方法は、オレフィンを反応槽に定速的に又は定圧状態になるように維持する供給方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせる等、任意の方法が可能である。
予備重合時間は、特に限定されないが、5分〜24時間であるのが好ましい。また、予備重合量は、予備重合ポリマー量が触媒1重量部に対し、好ましくは0.01〜100重量部、より好ましくは0.1〜50重量部である。予備重合を終了した後に、触媒の使用形態に応じ、そのまま使用することが可能であるが、必要ならば乾燥を行ってもよい。
予備重合温度は、特に制限されないが、通常0℃〜100℃、好ましくは10〜70℃
、より好ましくは20〜60℃、である。この範囲内であると反応速度が低下したり、活性化反応が進行しないという弊害が生じる可能性が無く、予備重合ポリマーが溶解したり、予備重合速度が速すぎて粒子性状が悪化したり、副反応のため活性点が失活するという弊害が生じる可能性もない。
予備重合時には、有機溶媒等の液体中で予備重合を実施することもでき、むしろそうするのが好ましい。予備重合時の固体触媒の濃度は、特に制限されないが、好ましくは50g/L以上、より好ましくは60g/L以上、特に好ましくは70g/L以上である。濃度が高い方が触媒の活性化が進行し、高活性触媒となる。
更に、上記各成分の接触の際、又は接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の重合体やシリカ、チタニア等の無機酸化物固体を共存させることも可能である。
〔VI〕オレフィンの重合
本発明のオレフィンの重合は、遷移金属錯体触媒とモノマーが効率良く接触するならば、あらゆる様式の方法を採用することができる。具体的な重合形態として、炭化水素溶媒を用いるスラリー重合、液化させたモノマー中でのバルク重合、又は実質的に溶媒を用いない気相重合等に適用される。
スラリー重合の場合、重合溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン等の炭化水素溶媒が用いられる。
重合反応は連続式重合、半連続式重合、回分式重合に適用される。更に、重合反応は反応条件の異なる二段以上に分けて行う多段重合法も可能である。
本発明において、精製オレフィンと遷移金属錯体触媒とを接触するに際して、トリイソブチルアルミニウムが存在してもよい。
トリイソブチルアルミニウムの使用量は、mol比でオレフィンに対して5ppm〜500ppmである。
重合時の条件としては、重合温度は、通常、30〜150℃、好ましくは50〜10
0℃である。また、重合圧力は、常圧〜5MPa、好ましくは常圧〜4MPaである。本発明の重合時にはポリマーの分子量を調節する目的で水素を用いることができる。
また、用いられるモノマーとしては、エチレン、プロピレン単独の場合だけでなく、エチレン及びプロピレンと共重合可能なモノマー、例えば共重合において、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等も使用することができる。
本発明のオレフィンからなる単独重合体若しくは該オレフィンと他のオレフィン(例えば、エチレンとプロピレン)からなる共重合体成分としては、分子量に代わる加工する際の目安として有用なメルトフローレート(MFR)(g/10min)で示すと、MFRは0.1〜1,000程度のものが任意に重合できる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の実施例と比較例との対照において、本発明の構成要件の合理性と有意性及び本発明の有用性と卓越性を実証するものである。
本発明によって得られた重合体の物性測定は次の方法で実施した。
(1)13C−NMRによるエチレン含有量
エチレン含有量は、プロトン完全デカップリング法により、以下の条件に従って、13C−NMRスペクトルを解析することにより求める値である。
機種:日本電子(株)製・GSX−400又は同等の装置(炭素核共鳴周波数100MHz以上) 溶媒:o−ジクロロベンゼン+重ベンゼン(4:1(体積比)) 濃度:100mg/mL 温度:130℃ パルス角:90° パルス間隔:15秒 積算回数:5,000回以上
スペクトルの帰属は、例えば、Macromolecules 17,1950(19
84)等を参考に行えばよい。上記条件により測定されたスペクトルの帰属は、表1の通りである。表1中Sαα等の記号はCarmanら(Macromolecules 10,536(1977))の表記法に従い、Pはメチル炭素、Sはメチレン炭素、Tはメチン炭素をそれぞれ表わす。
Figure 2017137464
以下、「P」を共重合体連鎖中のプロピレン単位、「E」をエチレン単位とすると、連鎖中にはPPP、PPE、EPE、PEP、PEE、及びEEEの6種類のトリアッドが存在し得る。Macromolecules 15,1150 (1982)等に記されているように、これらトリアッドの濃度と、スペクトルのピーク強度とは、以下の(1)〜(6)の関係式で結び付けられる。
[PPP]=k×I(Tββ) …(1)
[PPE]=k×I(Tβδ) …(2)
[EPE]=k×I(Tδδ) …(3)
[PEP]=k×I(Sββ) …(4)
[PEE]=k×I(Sβδ) …(5)
[EEE]=k×{I(Sδδ)/2+I(Sγδ)/4} …(6)
ここで、[ ]はトリアッドの分率を示し、例えば[PPP]は全トリアッド中のPPPトリアッドの分率である。
したがって、
[PPP]+[PPE]+[EPE]+[PEP]+[PEE]+[EEE]=1 …(7)
である。
また、kは定数であり、Iはスペクトル強度を示し、例えば、I(Tββ)はTββに帰属される28.7ppmのピークの強度を意味する。上記(1)〜(7)の関係式を用いることにより、各トリアッドの分率が求まり、更に下式により、エチレン含有量が求まる。
エチレン含有量(モル%)=([PEP]+[PEE]+[EEE])×100
なお、少量のプロピレン異種結合(2,1−結合及び/又は1,3−結合)が含まれ、それにより、微小なピークを生じる場合がある。正確なエチレン含有量を求めるにはこれら異種結合に由来するピークも考慮して計算に含める必要があるが、異種結合由来のピークの完全な分離・同定が困難であり、また異種結合量が少量であることから、本発明のエチレン含有量は実質的に異種結合を含まない場合の解析と同じく式(1)〜(7)の関係式を用いて求めることとする。
エチレン含有量のモル%から重量%への換算は以下の式を用いて行う。
エチレン含有量(重量%)=[(28×X/100)/{28×X/100+42×(1−X/100)}]×100 ここで、Xはモル%表示でのエチレン含有量である。
(2)メルトフローレート(MFR):JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して求めた。
(3)イソ吉草酸の含有量の定量
原料のオレフィン中に二酸化炭素が残存すると、重合系に任意成分として添加するトリイソブチルアルミニウムの存在よりイソ吉草酸が副生成物として発生し、ポリマー製品の異臭の発生の原因となる。そして製品ポリマーの臭覚による異臭の官能試験により、オレフィン原料中の二酸化炭素不純物の存否も検証できる。
イ)イソ吉草酸の定量
試料1gをヘッドスペースガスクロ用のバイアルに量り取り、175℃のオーブンで30分間加熱した。次に固相マイクロ抽出用ファイバーを挿入し、試料から発生した揮発成分をファイバーに捕集し、捕集した成分をGC/MSにより測定した。一方、イソ吉草酸の標準溶液を調製し、上記同様に測定を行いイソ吉草酸検量線を作成し試料中のイソ吉草酸定量に用いた。
ロ)官能試験方法
80℃、3時間、窒素気流中で乾燥した重合体の粉体10gを速やかに100ccのすり栓付きガラス容器に入れ、喫煙の嗜好を持たない検定員10名によって臭気の程度を以下の判定基準で評価した。
○:不快臭を申告した検査員が0名
△:不快臭を申告した検査員が1〜2名
×:不快臭を申告した検査員が3〜10名
[実施例1]
[固体触媒の製造]
(i)珪酸塩の化学処理
3リットルの撹拌翼の付いたガラス製セパラブルフラスコを使用し、蒸留水1,130ml、続いて濃硫酸(96%)750gをゆっくりと添加し、更にモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL;平均粒径25μm,粒度分布10〜60μm,組成(重量%):Al8.45、Mg2.14、Fe2.34、Si32.8、Na2.62)を300g分散させ、90℃まで1時間かけ昇温し、5.5時間その温度を維持した後、1時間で50℃まで冷却した。このスラリーを減圧濾過し、ケーキを回収した。更に、このケーキを蒸留水で最終洗浄液のpHが3.5を越えるまで洗浄し、窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。
(ii)固体触媒の調製
以下の操作は、不活性ガス下、脱酸素、脱水処理された、溶媒及びモノマーを使用して実施した。先に化学処理したモンモリロナイトを減圧下、200℃で、2時間乾燥を実施した。内容積500mlのガラス製反応器に上記で得た化学処理モンモリロナイト20.
0gを秤量し、ヘプタン73.7ml、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液126.3ml(50.0mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。その後、ヘプタンで洗浄し、最後にスラリー量を200.0mlに調製した。
次に、特開平11−240909号公報の実施例1と同様の合成法に従って合成したrac−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウム218mg(0.3mmol)に混合ヘプタンを87ml添加し、充分撹拌した後に、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.706M)を4.25ml加え、室温にて1時間反応させた。その後、先に調製した珪酸塩スラリーに加え、1時間攪拌後、混合ヘプタンを追加して500mlに調製した。
続いて、予備重合として、窒素で充分置換を行った内容積1.0リットルの攪拌式オートクレーブに、先に調製した珪酸塩/メタロセン錯体スラリーを導入した。温度が40℃に安定したところで、不純物除去後の精製プロピレンを10g/時間の速度で供給し、温度を維持した。4時間後、プロピレンの供給を停止し、50℃に昇温後、更に2時間維持した。サイホンにて予備重合触媒スラリーを回収し、上澄みを約300ml除き、45℃にて減圧下乾燥した。この操作により触媒1g当たりポリプロピレンが1.9gを含む予備重合触媒が得られた。
[エチレンのハイブリッド系吸着剤処理]
内径78mm、高さ1,300mmの充填塔に、平均細孔径1〜100nmの活性アルミナと平均細孔径0.9nmのゼオライトから成る、ハイブリッド系吸着剤であるAZ−300(#7×14 1.4−2.8nmφ UOP社/ユニオン昭和製)を4kg充填した。
次に、この充填塔を250℃、窒素流通下で6時間乾燥を行った。そして、この充填塔に二酸化炭素100volppmを含有するエチレンを400g/時の流速で、20℃の温度にて流通させエチレン・プロピレンの共重合に用いた。プロピレンも同様にハイブリッド系吸着剤処理を行ったものを用いた。
[エチレン・プロピレンの共重合]
内容積3Lの攪拌式オートクレーブ内を二酸化炭素含有量が検出限界以下の別途精製したプロピレンで充分置換した後に、室温下、トリイソブチルアルミニウム・ヘプタン溶液(2.02M)2.81mlを添加し、水素25ml、精製エチレン16.5g、続いて精製液体プロピレン750gを導入し、槽内温度を70℃に昇温した。槽内温度を70℃で維持したまま、上記で得られた予備重合触媒のノルマルヘプタンスラリー(10mg−触媒/ml)を1ml、即ち触媒として10mg(予備重合ポリマーの重量は除く)をアルゴンにて圧入し、70℃にて1時間重合した。規定時間重合後、オートクレーブ内にエタノール10mlをアルゴンにて圧入し、残ガスをパージした。得られたポリマーは、110℃にて1時間乾燥した。
その結果、約186gのポリマーが得られた。MFRは3.3(g/10分)、エチレン含有量は1.9(重量%)であった。重合結果を表2に示した。
[実施例2]
水素を100mlに変更したこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。
[比較例1]
実施例1のエチレン(及びプロピレン)の精製工程において、用いる吸着剤をSelexsorb COS(アルミナ系吸着剤/BASF社)に変更以外、実施例2と同様に実験を行った。
[比較例2]
エチレンとプロピレンを一切の精製触媒処理を行わないこと以外は、実施例1と同様に実験を行った。
[比較例3]
エチレンとプロピレンを一切の精製触媒処理を行わないこと以外は、実施例2と同様に実験を行った。
Figure 2017137464
[実施例と比較例の結果の対照による考察]
以上の結果、上記表2から明らかなように、本発明のオレフィンの重合方法を用いた実施例1,2では、本発明のオレフィンと吸着剤との接触条件を満足しているため、オレフィン重合用触媒の重合活性が増大し、触媒コストの低減が期待できる。更に、トリイソブチルアルミニウムと二酸化炭素との反応生成物である特定悪臭物質に指定のイソ吉草酸の発生もごく少量に抑えることが可能である。
一方、二酸化炭素の除去を行わず、本発明の接触条件を満たさない比較例2,3においてはエチレン中の二酸化炭素の影響で重合活性が低く、イソ吉草酸についても不快臭を呈する結果となり本発明の実施例に劣るものであった。
比較例1は、導入した吸着剤により二酸化炭素は一定量除去は出来ているものの十分では無く、実施例1,2に比べると、重合活性は良好としてもイソ吉草酸濃度は十分に低下しているとはいえず、二酸化炭素の影響が示唆される。
以上、本発明の実施例と比較例との対照において、本発明の構成要件の合理性と有意性及び本発明の有用性と卓越性が実証されている。
本発明のオレフィンの重合方法は、原料のオレフィンが触媒を被毒する不純物の二酸化炭素を含有した場合であっても、メタロセン触媒を用いたオレフィンの重合において重合活性が非常に高く発現する。更に、トリイソブチルアルミニウムとの反応で生成し得るイソ吉草酸もごく少量に抑えることが可能である。そのため、高品質の重合体を高収率で安定的に製造することが可能となり、商業的に非常に価値がある技術といえる。

Claims (11)

  1. 二酸化炭素を不純物として含有する原料オレフィンを活性アルミナとゼオライトの混合物からなるハイブリッド系吸着剤と接触させ、原料オレフィンを精製した後に、精製オレフィンを遷移金属錯体触媒に接触させて重合することを特徴とする、オレフィンの重合方法。
  2. 原料オレフィンが、更に5volppm以下のアセチレン系化合物を不純物として含有することを特徴とする、請求項1に記載のオレフィンの重合方法。
  3. 遷移金属錯体触媒がメタロセン触媒であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のオレフィンの重合方法。
  4. メタロセン触媒がイオン交換性層状珪酸塩に担持されたものであることを特徴とする、請求項3に記載のオレフィンの重合方法。
  5. ハイブリッド系吸着剤を100〜650℃の温度で前処理することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のオレフィンの重合方法。
  6. 活性アルミナの平均細孔径が1〜100nmであり、ゼオライトの平均細孔径が0.2〜1nmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のオレフィンの重合方法。
  7. 二酸化炭素を不純物として含有する原料オレフィンとハイブリッド系吸着剤との接触温度が0〜100℃であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のオレフィンの重合方法。
  8. 原料オレフィンが二酸化炭素を不純物として100volppm以下を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のオレフィンの重合方法。
  9. 二酸化炭素を不純物として含有する原料オレフィンとハイブリッド系吸着剤とを接触させる前後に、下記(1)〜(3)の少なくとも1つと接触させることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のオレフィンの重合方法。
    (1)ゼオライト
    (2)金属酸化物又は金属酸化物の複合酸化物
    (3)活性アルミナ
  10. 原料オレフィンが、エチレン及び/又はプロピレンであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のオレフィンの重合方法。
  11. オレフィン重合体が、エチレン含有量が6wt%以下のプロピレン/エチレン共重合体であることを特徴とする、請求項10に記載のオレフィンの重合方法。

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