JP2017136513A - 微細気泡発生装置及び微細気泡発生方法並びに前記微細気泡発生装置を有するシャワー装置及び油水分離装置 - Google Patents

微細気泡発生装置及び微細気泡発生方法並びに前記微細気泡発生装置を有するシャワー装置及び油水分離装置 Download PDF

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Abstract

【課題】加圧液体噴射による旋回流の生成を利用し、かつ、構成及び構造を簡潔にすることにより取扱性、操作性及び耐久性に優れる微細気泡発生装置及び気泡を大量に発生できる微細気泡発生方法、並びに前記微細気泡発生装置を有するシャワー装置と油水分離装置を提供する。【解決手段】本発明の微細気泡発生装置1は、気液旋回室9を内部に有する内筒5と、内筒5を内部に挿入する二重円筒構造の外筒容器3と、外筒容器3に液体を導入する液体導入口6を備えた液体供給円筒2とを有し、内筒5は、液体供給円筒2の側で閉口した端部7と、その反対側で開口した端部8と、液体供給円筒2側の一端から内筒5の長手方向の途中までの間に形成した貫通スリット10又は貫通孔とを備え、かつ、貫通スリット10又は貫通孔を形成した部分の内筒5の外壁と外筒容器3の内壁との間に隙間11を設けて外筒容器3と一体化されている。【選択図】図2

Description

本発明は、浴室や洗面所等で使用するシャワー、水生物の輸送・蓄養、水道水・河川水・池・湖沼・ダム等の水質浄化と水環境の蘇生及び油水分離等に用いられる微細気泡発生装置及び微細気泡発生方法並びに前記微細気泡発生装置を有するシャワー装置及び油水分離装置に関する。
お風呂や洗面所等で使用するシャワーは、お湯や水を出すとき、小さな穴のシャワーヘッドから細いやさしい流れにして、頭や体を洗うことが行われている。泡を使った洗浄は、泡の無いものよりも洗浄効果を高めることができることが知られており、シャワーで泡を作成して洗浄できれば洗浄効率も上がり、かつ皮膚のマッサージ効果や血行を良くする効果等を期待できる。泡を発生するには、お湯だけでなく空気を取り入れなければならない。泡の発生をベンチュリー等の方法で行うことは知られており、管の側面から入れる方法でベンチュリーノズルを有するシャワーが販売されている。旋回孔による旋回流を利用して泡を発生させる方式もシャワーに適用されている。
また、水生物の輸送・蓄養、又は水道水・河川水・池・湖沼・ダム等の水質の浄化及び水環境の蘇生を行う方法として、従来から微細気泡発生装置によるエアフレーションが良く知られている。この微細気泡発生装置としては、前記シャワーで適用されるものと異なる様々な方式が提案されており、例えば、特許文献1〜3には気液旋回流を利用した方式が開示されている。
前記特許文献1に開示されている旋回式微細気泡発生装置は、円錐形又は徳利型のスペースを有する容器と、同スペースの内壁円周面の一部にその接線方向に開設された液体導入口と、前記スペース底部に開設された気体導入孔と、前記スペースの頂部に開設された旋回気液導出口とから構成されるものである。この微細気泡発生装置は、前記液体導入口から前記円錐形又は徳利型のスペース内に加圧液体を圧送することにより、その内部に旋回流が生成し、円錐管軸上に負圧部分が形成されるという機構に基づいて微細な気泡が得られる。
前記特許文献2には、旋回流が生じ得る空間を有する容器と、加圧液体導入口と、気体吸込口と、液体吸込口と、気液混合体吐出口とを備える微細気泡発生装置が開示されており、前記加圧液体導入口は、前記空間内に旋回流を生じさせる加圧液体を前記容器内へ導くように前記容器1の側面に設けられている。
また、前記特許文献3には、気液旋回室内に激しいキャビテーションエロージョンが発生するのを抑制するため、液体導出口から導入された液体によって旋回される気液を整流する予備旋回部と、前記予備旋回部で整流された液体と気体導入口から導入される気体を接触ささせる主旋回部とを備える旋回式微細気泡発生装置が開示されている。
一方、微細気泡発生装置は浮上分離法による油水分離装置にも適用が検討されており、例えば特許文献4〜6には様々な構成と構造が提案されている。それら先行技術による油水分離装置には、前記の旋回式微細気泡発生装置とは異なり、エアブロアーからの気泡をインペラー又はプロペラ翼によって微細化する気泡発生装置(前記特許文献4)、被処理液に溶解した空気を大気泡除去器において減圧処理することにより微細気泡とする気泡発生装置(前記特許文献5)、及び加圧減圧方式の微細気泡発生装置(前記特許文献6)が使用されている。
特開2000−447号公報 特開2007−111616号公報 特開2006−142300号公報 特開平3−229696号公報 特開2005−125167号公報 特開2014−151318号公報
浴室や洗面所等で使用するシャワー、水生物の輸送・蓄養、水質浄化と水環境の蘇生及び油水分離等の用途に適用する微細気泡発生装置としては、従来から、気泡の微細化が可能で、微細気泡を効率的に大量に発生することができ、かつ、長時間運転においても微細気泡の発生が持続できることが求められている。さらに、操作性、耐久性、メンテナンス性及び製造コスト低減の観点から、簡潔でコンパクトな構成及び構造が強く望まれている。
液体と気体を混合する際に管の側面に穴を形成して気体をいれるベンチュリー方式は、シャワーを手で握ったときに水が気体の入口に入り込んでしまい気体の流入が阻害されることがある。そのため、ベンチュリー方式のシャワーは、操作性や取扱い性が劣るという問題がある。
また、前記特許文献1及び2に記載の旋回式微細気泡発生装置は、加圧液体による旋回流の生成という単純な機構で微細気泡を発生できるものであるが、加圧液体を容器の接線方向又は側面に設ける導入口から圧送する方法を採用しており、微細気泡を大量に発生させるためには加圧導入する液体の圧力を高める必要がある。しかしながら、加圧導入する液体の圧力を高めると、キャビテーションエロージョンが発生し、装置が短期間で損耗破壊するという問題が生じる。この問題点は、前記特許文献3にも指摘されている。さらに、前記特許文献1又は2に記載の微細気泡発生装置は、それぞれ気体吸込口及び旋回気液導出口、又は気体吸込口、液体吸込口及び気液混合体導出口を別々に設ける必要があるため構成及び構造がやや複雑となっており、装置の設置性や取扱性の点からより簡潔で、汎用性に優れる装置が求められている。
前記特許文献3に記載の微細気泡発生装置は、キャビテーションエロージョンを抑制するために提案されたものであるが、予備旋回部と主旋回部からなる気液旋回室を備えるだけでなく、該気液旋回室内へ気体を導入するための気体供給円筒が液体供給円筒の下端部壁面の中央に配設されているため、構成及び構造が複雑なものとなっている。特に、液体供給円筒が気体供給円筒の内部を貫通して配設された構造を有しており、各円筒の位置合せ固定及び前記液体供給円筒のシーリング性等を考慮すると製造工程が煩雑であり、耐久性の点で相当の注意を払って製造する必要がある。
一方、前記特許文献4〜6に記載の油水分離装置は、微細気泡の大量発生と耐久性の向上を図るため、インペラー、大気泡除去器、加圧減圧方式の微細泡発生装置等の格別な部品や装置を備える必要があり、構成がやや複雑であるため取扱性や操作性の点で十分に満足できるものではなかった。そのため、より簡単に取扱いができ、操作性と耐久性に優れる汎用性の高い微細気泡発生装置を有する油水分離装置が強く求められている。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、加圧液体の噴射による旋回流の生成という単純な機構によって微細気泡を発生させるともに、従来の装置に比べて、より簡潔な構成及び構造を採用することによって取扱性、操作性及び耐久性に優れるコンパクトな微細気泡発生装置及び大量の微細気泡を発生できる微細気泡発生方法、並びにそのような特徴を有する前記旋回式微細気泡発生装置を使用することによって操作性と耐久性に優れ、汎用性の高いシャワーと油水分離装置を提供することにある。
本発明は、前記特許文献3に記載の旋回式微細気泡発生装置とは異なり、気液旋回室を内部に有する内筒と該内筒を内部に挿入して二重円筒構造を形成する外筒容器とからなる構成とともに、加圧液体を前記内筒の外部から内部に向けて噴射し、気液旋回流が生成できるように形成した貫通スリット又は貫通孔と、前記内筒の内部に気体を導入するための導入口及び前記気液旋回室から気液が突出する気液突出口として機能する開口端部とを備える内筒構造を採用することにより、上記の課題を解決できることを見出して本発明に到った。
すなわち、本発明の構成は以下の通りである。
[1]本発明は、気液の旋回可能な空間である気液旋回室を内部に有する円柱形又は円錐形の内筒と、該内筒を内部に挿入して二重円筒構造を形成する円柱形又は円錐形の外筒容器と、該外筒容器に液体を導入する液体導入口を備えた液体供給円筒とを有し、
前記内筒は、
前記液体供給円筒の側で閉口した端部と、
前記気液旋回室に気体を導入する気体導入口及び前記気液旋回室から気液が突出する気液吐出口として機能するように、前記液体供給円筒の側とは反対側で開口した端部と、
前記液体供給円筒側の一端から前記内筒の長手方向の途中までの間に形成した貫通スリット又は貫通孔とを備え、かつ、
前記貫通スリット又は貫通孔を形成した部分の内筒外壁と前記外筒容器の内壁との間に前記液体を導入するための隙間を設けた形で前記外筒容器と一体化されており、
前記液体供給円筒の液体導入口から供給される液体を、前記貫通スリット又は貫通孔を通して前記内筒内部の気液旋回室に噴射導入することによって生成される気液旋回流を利用して微細気泡を発生させることを特徴とする微細気泡発生装置を提供する。
[2]本発明は、前記貫通スリット又は貫通孔において、前記内筒断面の内壁円半径をrとし、噴射された液体が衝突する前記内筒断面の内壁部分の位置を、液体の噴射方向と平行関係にある前記内壁円の接線に対して引いた垂線上に投影したときの位置をPとしたとき、前記Pの位置が前記垂線上で前記内筒断面の内壁から中心部に向けてr/2以下の距離範囲に含まれるように噴射方向を調製した開口通路を有することを特徴とする前記[1]に記載の微細気泡発生装置を提供する。
[3]本発明は、前記貫通孔が前記内筒の長手方向に複数で配列されて設けられ、前記貫通スリットの長さ又は前記内筒の長手方向に複数で配列された貫通孔において両端の貫通孔の中心間距離をLとし、前記内筒の長手方向に対して垂直方向の前記貫通スリットの幅又は前記貫通孔の径もしくは長さをWとしたときに、LがWより大きいことを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の微細気泡発生装置を提供する。
[4]本発明は、前記貫通スリットの幅又は前記貫通孔の径若しくは長さが、前記内筒の内側直径の1/5以下であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置を提供する。
[5]本発明は、前記貫通スリット又は貫通孔を、前記内筒断面の円周方向に等間隔で複数有することを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置を提供する。
[6]本発明は、前記内筒において、前記液体供給円筒側の閉口された端部は、開口した円筒端部と該円筒端部の開口部を塞ぐ蓋とからなり、前記蓋を用いて、前記開口した円筒端部が圧接成形、加締め成形、接着及び接合の何れかの方法により閉口されたものであることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置を提供する。
[7]本発明は、前記内筒において、前記内筒の内壁の円周面に、複数の小さな凹部を前記気液突出口から前記液体供給円筒に向けて前記内筒の内壁の長手方向の途中まで設けることにより、前記気液旋回室で形成された大きな旋回渦を小さな旋回渦に変化するための小渦分岐壁が前記気液吐出口側に形成されていることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置を提供する。
[8]本発明は、前記気液旋回室を有する前記内筒の内部に気体を導入するための円筒管を備え、該円筒管の一端部を前記気体導入口として使用することを特徴とする前記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置を提供する。
[9]本発明は、前記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置を用いて、
加圧した液体を前記液体供給円筒の液体導入口から供給し、前記内筒に設けた前記貫通スリット又は貫通孔を通して前記円筒内部の気液旋回室に噴射導入するステップと、
該噴射導入するときに発生する遠心力で形成される液体の旋回流の中心部に発生する負圧を利用して前記気体導入口から吸い込まれる気体を、前記貫通スリット又は貫通孔の液体噴射口及びその近傍で前記液体噴射口から噴射される液体と混合するステップと、
前記液体と前記気体との混合によって得られる気液旋回流を、前記気液突出口から前記内筒の内壁面を通して突出するステップ、とを有する微細気泡発生方法を提供する。
[10]本発明は、前記[8]に記載の微細気泡発生装置を液体中に浸漬した状態で微細気泡を発生させる方法であって、加圧した液体を前記液体供給円筒の液体導入口から供給し、前記内筒に設けた前記貫通スリット又は貫通孔を通して前記円筒内部の気液旋回室に噴射導入するステップと、
前記円筒管を通して気体を外部から前記内筒内部の気液旋回室に導入するステップと、
該噴射導入するときに発生する遠心力で形成される液体の旋回流の中心部に発生する負圧を利用して前記円筒管から導入される気体を、前記貫通スリット又は貫通孔の液体噴射口及びその近傍で前記液体と混合するステップと、
前記液体と前記気体との混合によって得られる気液旋回流を、前記内筒の内壁面を通して前記気液突出口から突出するステップ、とを有する微細気泡発生方法を提供する。
[11]本発明は、前記[8]に記載の微細気泡発生装置を液体中に浸漬した状態で微細気泡を発生させる方法であって、
加圧した液体を前記液体供給円筒の液体導入口から供給し、前記内筒に設けた前記貫通スリット又は貫通孔を通して前記円筒内部の気液旋回室に噴射導入するステップと、
前記円筒管を通して、前記微細気泡発生装置が浸漬される前の液体よりも温度が高い暖気又は温度が低い冷気を外部から前記内筒内部の気液旋回室に導入するステップと、
該噴射導入するときに発生する遠心力で形成される液体の旋回流の中心部に発生する負圧を利用して前記円筒管から導入される前記暖気又は冷気を、前記貫通スリット又は貫通孔の液体噴射口及びその近傍で前記液体と混合するステップと、
前記液体と前記気体との混合によって得られる気液旋回流を、前記内筒の内壁面を通して前記気液突出口から突出するステップ、とを有し、
前記暖気又は冷気によって前記微細気泡発生装置を浸漬した液体中の温度を調製することを特徴とする微細気泡発生方法を提供する。
[12]本発明は、前記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置をシャワーノズルとして有し、前記液体供給円筒において前記液体導入口と反対側に位置する開口部から水又は湯水を供給し、該水又は湯水を微細気泡が含まれる状態で前記微細気泡発生装置の気液突出口から噴射して使用することを特徴とするシャワー装置を提供する。
[13]本発明は、前記[8]に記載の微細気泡発生装置と、前記微細気泡発生装置を底部に有し、油水混合液を注入するために使用する油水混合液分離槽と、前記油水混合液分離槽に注入される油水混合液の一部を前記微細気泡発生装置に備わる前記液体供給円筒に供給又は循環するためのポンプと、を有することを特徴とする油水分離装置を提供する。
[14]本発明は、前記[13]に記載の油水分離装置が、前記油水分離装置を用いて分離した油相を前記油水混合液分離槽から個別に回収するための手段を有することを特徴とする油水分離装置を提供する。
本発明の微細気泡発生装置は、加圧液体の噴射による旋回流の生成という単純な機構によって微細気泡を発生させるため、気泡の微細化が可能で、微細気泡を効率的に大量に発生することができ、かつ、長時間運転においても微細気泡の発生を持続できる。また、従来の旋回流微細気泡発生装置と比べてより簡潔な構成及び構造であるため、取扱性、操作性及び耐久性に優れ、コンパクトな装置を構築することができる。さらに、微細気泡発生装置に備わる内筒の内壁の円周面に、複数の小さな凹部を前記気液突出口から前記液体供給円筒に向けて前記内筒の内壁の長手方向の途中まで設け、前記気液旋回室で形成された大きな旋回渦を小さな旋回渦に変化するための小渦分岐壁を形成することにより、気液吐出口側に微細気泡を大量に発生させることが可能になる。
本発明の微細気泡発生装置は、ベンチュリー方式等とは異なり、外筒容器の側面に気体注入管等を有しない簡潔な構造であるため、操作性と取扱性に優れる。さらに、本発明の微細気泡発生装置を使用することにより、効率的に、かつ、長期にわたって安定した微細気泡を大量に発生し続ける微細気泡発生方法を確立することができる。そのため、本発明の微細気泡発生装置をシャワー装置に適用する場合は、高い洗浄効率だけでなく、皮膚のマッサージ効果や血行を良くする効果が得られる。また、生物の輸送・蓄養並びに水道水・河川水・池・湖沼・ダム等に水質浄化及び水環境の蘇生のために適用する場合には、生物の生命維持と生育及び環境保全等に大きく寄与する。
一方、本発明の旋回流微細気泡発生装置を油水分離装置の構成部品として適用するときは、構成及び構造が簡単であるため、操作性と耐久性に優れ、汎用性の高い油水分離装置を得ることができる。加えて、効率的な油水分離性能が長期間にわたって維持されるため、従来の油水分離装置と比べて、製造、設置及びメンテナンスのためのコストを低減することが可能になる。
本発明の微細気泡発生装置の一例を示す平面図及び正面図である。 図1に示す微細気泡発生装置のA−A位置の断面及び液体と気体の流れと混合状態を示す図である。 図1に示す微細気泡発生装置のB−B位置の断面図である。 図1に示す微細気泡発生装置のC−C位置の断面及び回転力を有する流体の流れを模式的に示す図である。 本発明の微細気泡発生装置において液体と気体が入るときの状態を模式的に示す斜視図である。 本発明の微細気泡発生装置で起こる液体の流れと渦の発生状態を模式的に示す図である。 本発明の微細気泡発生装置において、貫通スリットを接線方向とは異なる位置に設けた内筒の例を示す図である。 本発明の微細気泡発生装置において、貫通スリットを接線方向及び接線方向とは異なる位置に同時に設けた内筒の別の例を示す断面図である。 本発明の微細気泡発生装置において貫通孔を設けた内筒の変形例を示す図である。 水中に入れて作動させるときに使用する本発明の微細気泡発生装置を示す平面図及び正面図である。 図10に示す気泡発生装置を水中で動作させるときの断面図である。 図11に示す微細機構発生装置において気体流量調整弁を有する微細機構発生装置の変形例を示す断面図である。 図10及び図11に示す微細気泡発生装置の別の変形例を示す図である。 本発明の微細気泡発生装置を有する油水分離装置を示す断面図である。 本発明の油水分離装置の変形例を示す断面図である。
以下、本発明による微細気泡発生装置の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の微細気泡発生装置の一例を示す正面図及び上面図である。図1において、1は微細気泡発生装置の本体である。微細気泡発生装置1は、液体供給円筒2及び外筒容器3から構成されており、液体供給円筒2の一端開口部から液体を供給することにより、微細気泡発生装置1の内部で気液旋回流が生成され、外筒容器3の先端で開口している気液突出口4から気液が突出する。図1に示す微細気泡発生装置1の内部構造を、断面A−A、断面B−B及び断面C−Cの各位置の断面図を用いて詳細に説明する。また、これらの断面図を参照して、本発明による気液旋回流の生成機構及びそれによって奏する効果を合わせて説明する。
図2は、図1に示す微細気泡発生装置1のA−A位置の断面を示す図である。図2に示すように、微細気泡発生装置1は、内部構造として、円柱形の内筒5と、内筒5を内部に挿入して二重円筒構造を形成する円柱形の外筒容器3と、外筒容器3に液体を導入する液体導入口6を備えた液体供給円筒2とを有する。内筒5は、液体供給円筒2の側で閉口した端部7と、液体供給円筒2の側とは反対側で開口した端部8を有しており、その内部に気液の旋回可能な空間である気液旋回室9を有する。さらに、内筒5は、液体供給円筒2の側の一端から内筒5の長手方向の途中までの間に貫通スリット10(又は貫通孔でもよい)が形成されている。貫通スリット10(又は貫通孔)は1個またはそれ以上の数で形成されるが、その形状及び位置については後述の図4において詳細に説明する。さらに、内筒5は、貫通スリット10(又は貫通孔)を形成した部分の外壁と外筒容器3の内壁との間に加圧液体を導入するための隙間11を設けた形で外筒容器3と一体化されている。
液体供給円筒2の一端開口部から供給された加圧液体2aは、液体供給円筒2の液体導入口6から外筒容器3の内部に導入される。この加圧液体が、液体の流れ2bで示すように、内筒5の外壁と外筒容器3の内壁との間に設けた隙間11に別れて入り、内筒5に形成した貫通スリット10(または貫通孔でも良い)を通して内筒5の管内周に回転するように噴射される。隙間11は、液体導入口6から導入される加圧液体が貫通スリット10(又は貫通孔)を通して内筒5の管内周から均一に噴射されるように、少なくとも内筒5において貫通スリット10(又は貫通孔)を形成した部分まで設ける必要がある。
このようにして噴射された加圧液体は、円筒5の内部の気液旋回室9で液体が遠心力で内壁面に押付けられながら回転し始める。回転を開始した液体は旋回渦の中心部ほど圧力が低くなるため、大気圧の状態にある内筒5の開口した端部8の先に存在する空気12が吸い込まれる。このとき、気体12は軽いので、気液旋回室9の中央に向って吸い込まれ、12aのように液体供給円筒2の側で閉口した端部7の方へ移動し、内筒5の内壁面で加圧液体と混合され、気液旋回室9で一緒に旋回しながら見かけ上白濁した状態で加圧液体の中に気泡となって混合される。そして、気液旋回室9で生成される気液旋回流は、次第に内筒5の開口した端部8へ進行し、端部8の円外周部から吐出される形で微細気泡を含む液体が噴射される。このように、内筒5の開口した端部8は、気液旋回室9に気体を導入する気体導入口13及び気液旋回室9から気液が突出する気液吐出口4として機能しており、一つの開口部で異なる場所、すなわち中央部(気体導入口13として機能する部分)及び周辺部(気液吐出口4として機能する部分)においてそれぞれ異なる機能を発揮することができる。
図3は、図1に示す微細気泡発生装置1のB−B位置の断面図であり、開口した端部8から見た図である。図3に示すように、開口した端部8の内壁の円周面には、半円形状の凹部14が、気液突出口4から液体供給円筒2に向けて内筒5の長手方向の途中まで複数個形成されている。この半円の凹部14により、遠心力で気液旋回室9の外壁に沿って出てきた空気を混合した液体を、その部分で分解し、回転渦を小さな渦に変換して吐出させるようにすることができる。半円の凹み14は端部8の内壁円周面に複数で均等に設けることにより、小渦分岐壁15として機能する。
このように、微細気泡発生装置1の内筒5の内壁面に遠心力で押し付けられて液が回転するので、シャワーノズルの液が接触している面を荒らすことで液体と気体の混合がよりスムーズになる。それによって、気泡をより微細にできるだけでなく、大量の微細気泡を発生させることができる。本実施形態においては、小渦分岐壁15の他にも、例えば、内筒3の内壁円周面と小渦分岐壁15を構成する半円の凹部14との間に縦方向で筋目(凸、凹)を入れること、回転方向に逆らうような突起、水が回転する方向と逆のねじった凸や凹みを設けることで、発生する気泡をより細かな粒子の泡とすることができる。
図3に示す半円形状の凹部14からなる小渦分岐壁15は、より大量の微細気泡を発生させるために有効な構成であるが、本発明の微細気泡発生装置は小渦分岐壁15を有しなくても微細気泡の発生という本発明の効果を奏することができる。そのため、微細気泡発生装置を製造するときにコスト低減を第1に考える場合は、気液吐出口4として機能する端部8において開口部内壁周辺が平滑な表面を有するような簡潔な構造を採用してもよい。
図4は、図1に示す微細気泡発生装置1のC−C位置の断面及び回転力を有する流体の流れを模式的に示す図である。図4に示すように、本実施形態の微細気泡発生装置1は、貫通スリット10が内筒5の接線方向に4箇所で形成されており、内筒5の円周方向に等間隔で配置されている。貫通スリットを通して内筒5の内壁に噴射された加圧液体は、16に示すように渦となり回転することにより、渦16の中心部の圧力が低下して大気圧よりも圧力が低い状態が造られる。そして、内筒5の開口した端部8において気体導入口13から吸い込まれた気体と混合することにより気液混合液が作成される。その状態を図5及び図6に示す。図5は、本発明の微細気泡発生装置において液体と気体が入るときの状態を模式的に示す斜視図である。また、図6は、本発明の微細気泡発生装置で起こる液体の流れと渦の発生状態を模式的に示す図である。
図5に示すように、加圧液体は回転しながら渦を形成するので、大気12が回転中心部に向って吸い込まれていく。気体と液体の混合においては、液体は気体よりも重いので遠心力で内筒5の内部に存在する気液旋回室9の壁面に押し付けられる一方で、気体の方は軽いので気液旋回室9の中央に向かって吸い込まれ、2aのように気液旋回室9の底、すなわち内筒5において液体供給円筒2の側で閉口した端部7の方に吸い込まれてから液体と混合する。そのような気体と液体が入り混じった状態で複雑に気液の混合が十分に行われる条件は、内筒及び貫通スリットの形状及び構造を最適化することにより得られる。
図6に示す液体の流れと渦の発生状態から分かるように、加圧液体2aは勢いよく供給され2bに分流し、2cで示す渦回転を行った後、図3に示す小渦分岐壁15によって2dの渦に変化して小さな渦に分岐する。ここで、2cで示す渦の中心は負圧となるため、気体が渦の中心の負圧の部分に吸い込まれることで、気体が液体に混合され気泡が発生する。
以上のように、本実施形態による微細気泡発生装置1を用いて微細気泡を発生させる方法は、加圧した液体2aを液体供給円筒5の液体導入口6から供給し、内筒5に設けた貫通スリット10(又は貫通孔)を通して円筒5の内部の気液旋回室9に噴射導入するステップと、噴射導入するときに発生する遠心力で形成される液体の旋回流の中心部に発生する負圧を利用して気体導入口13から吸い込まれる気体12を、貫通スリット10(又は貫通孔)の液体噴射口及びその近傍で前記液体噴射口から噴射される液体と混合するステップと、前記液体と気体12aとの混合によって得られる気液旋回流を、内筒5の内壁面を通して気液突出4口から突出するステップとを基本的に有する。
次に、本実施形態による微細気泡発生装置1の内筒5に設けられる貫通スリット10の形状(長さと幅)について説明する。
貫通スリット10は、内筒5の長手方向の長さをLとし、長手方向に対して垂直方向の幅をWとしたときに、LがWより大きいことが好ましく、さらにLがWの2倍以上であることがより好ましい。内筒5の長手方向に長辺を有する長方形状で形成された貫通スリット(又は長軸を有する楕円形状で形成された貫通孔)は、高速の気液旋回流を生成するために有効である。一方、奥行きの長さは内筒3の厚さによって決まる。
また、図2及び図4に示す貫通スリット10の幅(W)は、内筒5の内径の1/5以下であることが必要であり、好ましくは1/8〜1/20の範囲である。貫通スリット10の幅(W)を1/5以下と狭くする方向で規定することにより貫通スリット10から噴射するときの液体の速度が大きく増し、液体導入口6から導入される加圧液体に比べて液体の圧力をさらに上げることができるようになる。従来技術では微細気泡を大量に発生させるために加圧導入するときの液体の圧力を高める必要があったが、本実施の形態による微細気泡発生装置は、加圧導入する液体の圧力をそれほど高めなくても貫通スリット10によって液体の圧力を高めることができるため、大量の微細気泡を発生させるに十分な気液旋回流の生成が可能になる。それにより、従来技術で問題となっていた前記キャビテーションエロージョンの発生を抑制できるという効果が得られる。さらに、貫通スリット10の幅(W)を1/8以下に設定すれば、より高速の気液旋回流が生成でき、微細の気泡を大量に発生させる効果が高くなる。しかしながら、逆に、貫通スリット10の幅(W)が狭すぎると、気液旋回室9に噴射できる液体の量が少なくなって気液旋回流の生成能力が低下する傾向にあるため、貫通スリット10の幅は1/20以上にするのが実用的である。
なお、貫通スリット10から噴射する液体の速度は、貫通スリット10の幅の絶対値だけでなく、圧力差の関係から内筒5の内容積によっても影響を受ける。そのため、本発明の効果を得るために設ける貫通スリット10の幅は、内筒5の内径に対する比率で規定することが好ましい。
また、貫通スリット10は、図4に示すように、内筒5の断面円周方向に等間隔で複数有することが好ましい。その場合は、貫通スリットの1個だけを有する装置よりも、高速で、且つ、気液旋回流の大きな渦を生成することができる。さらに、複数の貫通スリット10を内筒5の断面円周方向に等間隔で設けることにより、乱流によって起きやすい気液旋回流の速度低下を抑制できるため、微細気泡の大量発生に有効である。このように本実施の形態においては貫通スリット10を内筒5の断面円周方向に複数設けることが好ましいが、1箇所だけに形成する場合であっても本発明の効果を奏することができる。
本実施形態のように貫通スリット10を内筒5の接線方向に設ける場合は、次の2通りの形成方法がある。一つは、一方が閉口された端部と他方が開口された端部とを有するようにあらかじめ成形加工された内筒を用いて、閉口された端部側に貫通スリットを形成する方法である。もう一つは、両端が開口した端部を有する円筒を用いて、どちら一方の端部内壁円周の接線方向に貫通スリットを形成した後、貫通スリットを形成した側の端部開口部を蓋で塞ぐことにより両者を一体化する方法である。ここで、蓋の取付方法としては、圧接成形、加締め成形、接着及び接合の何れかの方法を採用することができる。また、両者の形成方法で使用する内筒又は円筒としては、貫通スリットを形成する端部とは反対側の端部内周面に、半円の凹部14からなる小渦分岐壁15を形成したものを使用してもよい。
前記2通りの形成方法の中で、本実施形態においては、貫通スリット10の形成が容易で、貫通スリット10の幅や長さを高精度で形成することができることから後者の方法が好ましい。すなわち、液体供給円筒2の側に位置する閉口された端部は開口円筒端部と該円筒端部の開口部を塞ぐ蓋とからなり、前記蓋を用いて、前記開口部を圧接成形、加締め成形、接着及び接合の何れかの方法により閉口したものを内筒5として使用する。なお、後述するように、貫通スリット10を内筒5の接線方向に設けない場合には、前記2通りの形成方法において優劣の差はほとんど見られず、製造工程の簡略化及びコスト低減等の状況に応じて、どちらかの方法を採用することができる。
次に、本実施形態の微細気泡発生装置に備わる内筒5及び内筒5を内部に挿入して二重円筒構造を形成する外筒容器3の形状について説明する。図1及び図2に示す内筒5及び外筒容器3の形状はどちらも円柱状であるが、本実施形態においては、必ずしも円柱形状に限定されるものではなく、円錐形状であってもよい。例えば、液体導入口6から気体導入口13及び液体突出口4を兼ねる円筒の開口された端部8に向けて断面内径が徐々に広くなる形状(開口された端部8の側が底面となる円錐形状)、又は、徐々に狭くなる形状(液体導入口6の側が底面となる円錐形状)のどちらも採用することができる。前者の場合は、気体導入口13から導入する気体の量が多くなる効果、また、後者の場合は、気液旋回流の速度が液体突出口4に向けて徐々に高速になっていくという効果が得られる。しかしながら、円錐形状を使用する場合は稜線の底面に対する傾斜角度が小さくなるに伴い、前者において液体吐出口4が広くなりすぎるため気液旋回流の速度が液体突出口4に向けて急激な低下がおこること、また、後者においては気体導入口13が狭くなりすぎるため導入する気体の量が少なくなること、等の問題が顕著になることがある。そのため、円錐稜線の底面に対する傾斜角度は、60度以上90度未満の範囲に設定し、円柱形状に近いものとすることが好ましい。
以上のように、本実施の形態による微細気泡発生装置は、ベンチュリー方式とは異なり、外筒容器の側面に気体注入管等を形成する必要がない。さらに、前記特許文献3に記載の微細気泡発生装置のように、予備旋回部を設ける必要がなく、また、気液旋回室内へ気体を導入するための気体供給円筒を液体供給円筒の下端部壁面の中央に配設する必要もない。このように、本発明の微細気泡発生装置は、内筒5の構成と構造が従来の微細気泡発生装置と異なる点で大きな特徴を有しており、装置の取扱い性や操作性に優れ、信頼性が高く耐久性向上を図ることができる。
本実施形態による微細気泡発生装置1は簡潔な装置構成で、且つ、気泡を含む小さな液体の回転渦を生成できることから、例えば、シャワー装置に適用することができる。具体的には、微細気泡発生装置1をシャワーノズルとして使用し、液体供給円筒2において液体導入口6とその反対側に位置する一端開口部から水又は湯水を供給し、該水又は温水に微細気泡が含まれる状態で微細気泡発生装置1の気液突出口4から人体の所望の箇所(例えば皮膚など)に噴射するシャワー装置である。加圧液体として湯水を使用する場合は、噴射に伴い、液体と空気と混合した気液が回転しながら皮膚にあたるので、気泡の破裂による刺激と回転するお湯のマッサージする力とシャワーの水圧が加わり、血行を促進することができる。それにより、効率的な洗浄とマッサージの効果を得ることができる。また、このシャワー装置は、シャワーノズルの出口から吐出される水が水玉となって出てくるため、従来にない新感覚の洗浄効果を生み出すことができる。
<第2の実施形態>
前記第1の実施形態においては、貫通スリット10を内筒3の接線方向に設けた微細気泡発生装置の例を示したが、本発明は、貫通スリットを設ける位置は内筒の接線方向に限定されない。図7に、本発明の微細発生装置において、貫通スリットを接線方向と異なる位置に設けた内筒の例を示す。図7において、(a)、(b)、(c)及び(d)は、それぞれ内筒17の平面図、正面図、(a)に示すD−D位置の断面図及び(b)に示すE−E位置の断面図である。
図7に示すように、本実施形態による内筒17は、貫通スリット18の形成位置が異なるだけで、半円形状の凹部19が、開口した端部21の開口部(気液突出口に相当する部分)から内筒17の閉口した端部22に向けて内壁の長手方向の途中まで複数個形成されている。半円の凹み19は、前記第1の実施形態でも説明したように、回転渦を小さな渦に変換して吐出させる小渦分岐壁20として機能する。
図7の(b)及び(d)に示すように、本実施形態の内筒17は閉口した端部22の近くの2箇所に設けた貫通スリット18を有する。本実施形態による内筒17は、この貫通スリット18が形成されている位置に特徴を有する。すなわち、図7の(d)に示すように、貫通スリット18は、内筒17の断面の内壁円半径をrとし、噴射された液体が衝突する内筒17の断面内壁部分の位置を、液体の噴射方向(→で示す部分)と平行関係にある前記内壁円の接線Mに対して引いた垂線Nの上に投影したときの位置をPとしたとき、前記Pの位置が垂線Nの上で内筒17の断面の内壁から中心部に向けてr/2以下の距離範囲に含まれるように噴射方向を調製した開口通路を有するように形成することが好ましい。それにより、内筒17の内部の気液旋回室で気液旋回流による渦23を生成することができる。仮に、図7に示す位置Pがr/2を超えると、貫通スリット18から噴射された液体は、内筒17の内壁面で衝突した後に反射又は散乱され、気液旋回流を生成する液体量が少なくなったり、気液旋回流の流れが大きく乱されるため、渦23の生成が困難になる。
実際に、貫通スリット18を断面内壁から中心部に向けてr/4の距離に2箇所で設けた内筒17を、図1に示す微細気泡発生装置に組み込んで気泡の発生状況を定性的に調べた。また、比較例として、貫通スリットを3r/4の距離に2箇所で設けた別の内筒を用いて、同じように図1に示す微細気泡発生装置に組み込んだ後、気泡の発生状況を調べた。気泡の発生状況について両者を対比した結果、本実施形態である前者の場合は微細気泡の大量発生を確認できたのに対し、後者の比較例では気泡の発生が少なく、両者には大きな差異があることが分かった。
本実施形態で規定するPの位置は、前記第1の実施形態で使用する内筒3のように、貫通スリット10を接線方向に設ける場合でも同じ範囲で規定することができる。すなわち、前記第1の実施形態においては本実施形態で規定するPの位置が、内筒5の断面の内壁から中心部に向けて0(ゼロ)となる位置であり、r/2以下の距離範囲に含まれるものである。したがって、本実施形態で使用する内筒の変形例として、図8の断面図に示すように、貫通スリットを接線方向及び接線方向とは異なる位置に同時に設ける内筒を使用してもよい。図8に示す内筒24には、内壁接線方向及び接線方向とは異なる方向にそれぞれ貫通スリット25及び26が2個ずつ形成されている。そこで、図8に示す内筒24を、図1に示す微細気泡発生装置に組み込んで気泡発生状況を観測したところ、定性的ではあるが、図7に示す内筒18を使用する場合よりも微細気泡の大量発生が観測できた。
本実施形態において、図7及び図8に示す円筒17及び24に設ける貫通スリット18及び25と26は、長さ(L)と幅(W)について前記第1の実施形態において規定された範囲で同じように規定できる。これは、貫通スリットの形成位置が異なるだけで、貫通スリットの形状には大きな違いがないためである。すなわち、図7の(b)に示す貫通スリットの長さ(L)及び幅(W)において、LがWより大きく、また、Wが、内筒17又は24の内径の1/5以下であることが好ましく、より好ましくは1/8〜1/20の範囲である。
<第3の実施形態>
図9は、本発明の微細発生装置において、貫通スリットに代えて貫通孔を設けた内筒の別の変形例を示す図である。図9において、(a)及び(b)は、内筒27において、それぞれ正面図及び(a)に示すF−F位置の断面図である。図9に示す内筒27は、図2に示す内筒5と同じように、内筒27の開口した端部28の内壁の円周面に複数の半円形状の凹部からなる小渦分岐壁を有する。
本実施形態の内筒27は、図9の(a)に示すように、閉口した端部29の近くの2箇所に、一直線上に複数個で配列されて設けた貫通孔30を有する。本実施形態の内筒27は、図7に示す内筒17に設けた貫通スリット18に代えて、複数の貫通孔30が形成されている点が異なるだけで、貫通孔30の形成位置は図7に示す内筒17の場合とほぼ同じである(図9の(b)を参照)。そして、内筒27の長手方向に複数で配列された貫通孔30は、両端の貫通孔の中心間距離をLとし、内筒27の長手方向に対して垂直方向の貫通孔30の径もしくは長さをWとしたときに、LをWより大きくした形状で設けられる。それにより、前記第1の実施形態で説明した貫通孔スリットの場合と同じ機能が発揮され、微細気泡を大量に発生させるために十分な気液旋回流の渦31を形成することができる。この効果を十分に得るためには、さらにL≧2×Wの関係にあるのが好ましく、貫通孔30の数もその関係を満たすように調整して決める。
なお、図9には、内筒27において複数の貫通孔30を設けた例を示したが、貫通孔30が楕円形状を有する場合は、長軸(前記Lに相当する軸)が短軸(前記Wに相当する軸)よりも長く、LがWよりも2倍以上にすることにより単数の一個を設けた構造を有する内筒の構造としてもよい。ここで、貫通孔30において矩形状を有し、Wに対するLの比率が大きいものは、貫通スリットとみなすこともできる。
本実施形態及び前記第2の実施形態による内筒を微細気泡発生装置に組み込むことにより、前記第1の実施形態による微細気泡発生装置と同じように、シャワー装置のノズルとして適用することができる。したがって、そのシャワー装置からも効率的な洗浄とマッサージの効果を得ることができる。
<第4の実施形態>
前記第1の微細気泡発生装置及び前記第2及び3の内筒を有する微細気泡発生装置は、主にシャワーノズルとして使用できるものであるが、これらの微細気泡発生装置を変形又は大型化して水生物の輸送・蓄養、水質浄化と水環境の蘇生等に使用することも可能である。つまり、気泡発生装置で発生させた空気等の気体の泡を、水槽や湖沼等の汚れた水の中に大量に入れることが可能となる。
図10は、水中に入れて作動させるときの本発明の微細気泡発生装置を示す平面図及び正面図である。図10において、32は微細気泡発生装置の本体であり、液体供給円筒33及び外筒容器34から構成されており、外気の気体を吸い込めるように、外筒容器34の先端で開口している端部から挿入した円筒管35を有する。図10に示す微細気泡発生装置32を実際に水に入れた状態において、G−G位置の断面図を図11に示す。
図11に示すように、円筒管35は、図1に示すものと同じ構成と構造を有する微細発生装置を使用し、内筒36において開口した端部37から気液旋回室38を通り、気液旋回室管38の底、すなわち閉口した端部39の方まで挿入し、端部39から少し浮かした状態でセットする。円筒管35は水中から大気のあるところまで出してあり、大気の気体40を吸い、気体40を内筒36の内部に位置する液旋回室38にまで吹い込めるようにするために設けるものであり、ストロー管と同じような機能を有する。ここで、内容34の閉口した端部39の近くには、前記第1〜3の実施形態でも説明したように、加圧液体41を内筒34の内部に噴射するために貫通スリット42(又は貫通孔)が設けられている。
図11に示す微細気泡発生装置をノズルとして使用するときの動作について説明する。
図11に示すように、微細気泡発生装置32を気泡発生用ノズルとして水中に沈めた後、水量と水圧を調整した水を外部から導入することによって内筒34の内部に貫通スリット42(又は貫通孔)を通して噴射される液体の回転力を調整する。その液体の回転力により液体の旋回流が生成し、円筒管35から吸い込まれる気体40が強制的に旋回流の中心に供給されて気体を含んだ気液旋回流が生成される、それによって形成される渦回転の気液旋回流を内筒36の開口した端部37から突出させることにより水中で気泡43を発生させることができる。また、微細気泡発生装置32の本体を水中に沈めるときに沈める深さを浅くして、後から円筒管35を微細気泡発生装置32の本体に挿入するような形で配置してもよい。その場合でも、渦回転で作成する負圧で気体40をこの円筒管35から吸い込めるようにすることができるので、水中での気泡発生が可能となる。
また、ポンプなどを用いて液体41を液体供給円筒33の開口部から勢いよく押し込み、前記で説明したような渦を作成し、円筒管35の先端開口部から気体40を負圧で吸い込むか、または、気体40をあらかじめ圧力をかけて押し込むと水深の深いところにノズルをセットしても泡を作成することができる。これを使った比較的大きな泡の作用で水槽や湖沼等の水中を撹拌することができる。この作用は、例えば、図12に示す微細機構発生装置の構成によって実現することができる
図12は、図11に示す微細機構発生装置において気体流量調整弁を有する微細気泡発生装置の変形例を示す断面図である。図12に示す微細気泡発生装置44は、図11に示す微細気泡発生装置32と同じ構成と構造を有する装置を水中に入れ、気体40を入れるときに気体流量調整弁45を使い、気泡の大きさを調整することができるようにしたものである。気体流量調整弁45は円筒管35の入口又は途中に設けられる。この微細機構発生装置44は気体流量調整弁45によって気体40の圧力調整ができるため、前記で述べたように、より深い水中に沈めて使用する場合でも、大きな泡の作用で気液旋回流の生成による渦の発生を促進し、大量の微細気泡43を発生させることができる。
図10及び図11に示す微細気泡発生装置32は、円筒管35を内筒36の閉口した端部39の方まで挿入し、端部39から少し浮かした状態でセットするものであるが、本実施形態は、この構造には限定されない。例えば、円筒管を内筒の開口した端部に接続するものも含まれる。その例を図13に示す。図13は、図10及び図11に示す微細気泡発生装置の別の変形例を示す図であり、(a)、(b)、(c)及び(d)は、それぞれ平面図、斜視図、正面図及び(a)に示すH−H位置の断面図である。
図13に示す微細気泡発生装置46は、外筒47に挿入された内筒48の閉口した端部49に円筒管50が接続又は接合されており、円筒管50には閉口した端部49の近傍に気体導入用貫通孔51が形成されている。気体導入用貫通孔51は、円筒管50から吸い込まれる気体52を内筒48の内部にある気液旋回室53に導入するために設けるものである。この気体導入用貫通孔51は、円囲方向に等間隔で2つ以上設けることが好ましい。また、内筒48には、図11に示す貫通スリットに代えて、貫通孔54が設けられている。
図13に示すように、加圧液体55を液体供給円筒56から供給し、液体導入口57から外筒47の内部に導入した後、内筒48に設けた貫通孔54を通して気液旋回室53へ噴射させる。気液旋回室53の中では噴射された液体が旋回することにより内筒48の中心が負圧になるため、円筒管50から吸い込まれた気体52が気体導入用貫通孔51から気液旋回室53に入いる。そして、気液旋回室53で噴射された液体と吸い込まれた気体とが混合することにより小さな気泡を含む液が形成され、気液突出口57から吐出する。円筒48には、気液突出口57を形成する開口した端部の内壁円周面に複数の半円形状の凹部からなる小渦分岐壁58が形成されているため、気液突出口57から吐出された気液は微細な気泡を含んでいる。このように、図13に示す微細気泡発生装置は、円筒管の構造を除き、他の構成及び構造は図10及び図11に示す装置と基本的に同じであり、微細気泡を大量に発生させることができる。
以上のように、本実施形態による微細気泡発生装置を用いて液体中に浸漬した状態で微細気泡を発生させる方法は、例えば、図10及び図11において、加圧した液体を液体供給円筒33の液体導入口から供給し、内筒36に設けた貫通スリット42(又は貫通孔)を通して円筒36の内部の気液旋回室38に噴射導入するステップと、円筒管35を通して気体40を外部から内筒36の内部の気液旋回室38に導入するステップと、該噴射導入するときに発生する遠心力で形成される液体の旋回流の中心部に発生する負圧を利用して円筒管35から導入される気体40を、貫通スリット42(又は貫通孔)の液体噴射口及びその近傍で液体41と混合するステップと、液体41と気体40との混合によって得られる気液旋回流を、内筒36の内壁面を通して気液突出口として機能する開口した端部37から突出するステップ、とを基本的に有する
また、本実施形態による微細気泡発生装置は、次の方法により微細気泡発生装置を浸漬した液体中の温度を調整することができる。具体的には、図11において、加圧した液体を前記液体供給円筒の液体導入口から供給し、内筒36に設けた貫通スリット42(又は貫通孔)を通して円筒36の内部の気液旋回室38に噴射導入するステップと、円筒管35を通して、微細気泡発生装置32が浸漬される前の液体よりも温度が高い暖気又は温度が低い冷気を外部から内筒36の内部の気液旋回室38に導入するステップと、該噴射導入するときに発生する遠心力で形成される液体の旋回流の中心部に発生する負圧を利用して円筒管35から導入される前記暖気又は冷気を、貫通スリット42(又は貫通孔)の液体噴射口及びその近傍で液体41と混合するステップと、液体41と気体40との混合によって得られる気液旋回流を、内筒36の内壁面を通して気液突出口として機能する開口した端部37から突出するステップ、とを基本的に有する微細気泡発生方法である。
この方法によれば、例えば、エアコンからの暖気やヒータからの熱風を円筒管から導入することにより、本発明の微細気泡発生装置を浸漬した液体中に温かい気体が送られるため、時間をかければ加熱用ヒータを使用しなくても液体全体の温度を上げることができる。また、温度が上がりすぎる場合は、微細気泡発生装置の稼働を停止するだけで容易に対応することができる。逆に、液体の温度を下げたい場合は、エアコンや外気からの冷気を導入することにより、部屋全体を冷やさなくても液体全体の温度を下げることができる。この方法は大容量の容器に保管してある大量の水や液体、例えば養殖用の水又は食品用の液体等の温度を適度に調整する場合には、液体の内部からの気泡発生により容易に温度調整ができることから、従来にない大きな省エネ効果が得られる。
<第5の実施形態>
図14は、本発明の微細気泡発生装置を有する油水分離装置を示す断面図である。図14に示す油水分離装置59は、前記第4の実施形態と同じ構成と構造を有する微細気泡発生装置60と、微細気泡発生装置60を底部に有し、油水混合液を注入して分離するために使用する油水混合液分離槽61と、油水混合液分離槽61に注入される油水混合液の一部を微細気泡発生装置60に備わる液体供給円筒62に供給又は循環するためのポンプ63を基本的に有する。油水混合液分離槽61とポンプ63との間、及びポンプ63と液体供給円筒62との間の配管には、液量を調整するための調整弁64が64a及び64bとしてそれぞれ設けられる。
また、本実施形態の油脂分離装置59は、それ以外にも、油水混合液とは別に、油を含まない純水を溜めるための貯水槽65を具備してもよい。貯水槽65から純水を液体供給円筒62に供給し、微細気泡発生装置60によって発生させた気泡とともに純水を油水混合液分離槽61の底部から導入させることにより、油水混合液だけを循環する方法よりも油水分離を速めることができる。これは、純水の導入により油水混合液分離槽61の底部及び下部に存在する油水混合液中の水の比率が高くなり、油相と水相との分離が促進されるためである。貯水槽65を備える場合も、貯水槽65と液体供給円筒62との間には、純水を供給するためのポンプ66及び調整弁67が67a及び67bとしてそれぞれ設けられる。
図14に示す油水分離装置の動作原理を説明する。気泡が媒質(水)中の分散質(油のコロイド粒子)の分離を促進するメカニズムは、気泡が水中を上昇する過程で水中に分散する油のコロイド粒子又は不純物粒子を接触してこれらを吸着して浮力を増大させるのが主な作用である。その場合、気泡の粒子径が大きいと、気泡の上昇速度が過大となって油のコロイド粒子又は不純物粒子を吸着することが不十分となり、分離が容易に進行しない。そのため、油水混合液中においては小さい粒子径を有する微細気泡の発生が必要である。
本実施形態の油水分離装置59で使用する微細気泡発生装置60は、微細気泡を大量に発生できるという効果を有することから、油水分離を効率的に行うために非常に有効である。さらに、微細気泡発生装置60は、気泡の発生が旋回流の生成による渦の形成を利用するという単純なメカニズムで動作し、加えて、外気からの気体の導入を円筒管68の取付けだけで行うことができるため、気泡発生に必要な気体を送るための高圧エアポンプを使用する必要がない。仮に、高圧エアポンプによって気体を送り出す場合は、装置の停止時であっても、逆流防止のために高圧エアポンプを常時稼働する必要があり、取扱い性やメンテナンス性が劣る。
このように、本実施形態の油水分離装置59は簡潔な構成を有するため、取り扱性と操作性に優れ、耐久性の向上も図れる。また、仮に不具合や天災等によって装置の交換を行う事態が発生しても、交換作業が容易でありメンテナンス性にも優れる。
図14には、油水分離装置59の可動により油水混合液から油相だけが分離され、油水混合液の上面に浮上した状態の油相69を示している。この浮上した油相69は、油水混合液分離槽61から個別に回収して取り除く必要があるため、本実施形態においては油相69を個別に回収するための手段を有することが好ましい。
油相69を個別に回収するための手段としては、例えば、油相69を吸引して回収するためのバキュームカーや真空吸引装置、又は従来から使用されている油吸着材が挙げられる。油吸着材としては、公知のフレーク状又は粒状の形状を有する天然由来の油吸着材を使用することができる。それら以外の方法としては、例えば、図15に示すような方法で油相69を個別に回収してもよい。
図15は、本発明の油水分離装置の変形例を示す断面図である。図15に示す油水分離装置70は、図14に示す油水分離装置59と基本的に構成と構造は同じであるが、、上部に浮上した油相69だけを外部へ取り出すための排出口71と、排出口71から流れ出た油相69を回収するための油貯蔵槽72と、それらを繋ぐ配管及びその途中に調整弁73を付加して設けた点で異なる。
油相69を個別に回収する方法を図15の(a)及び(b)を用いて説明する。図15の(a)及び(b)は、それぞれ浮上した油相69の回収前及び回収途中の状態を示す図である。まず、微細気泡発生装置60の稼働を継続することにより、油水混合液から分離された油が油水混合液分離槽61の上部に徐々に浮上し、最終的に最上部に油相69が形成される(図15の(a))。次いで調整弁64bを閉じ、その後、貯水槽65から純水を微細気泡発生装置60の底部に位置する液体供給円筒62の内部に供給する。そうすると、純水の導入により気泡発生が継続的に行われるだけでなく、油水混合液の液位(液面の位置)が上昇し、油相69が排出口71の位置まで移動し、その時点で油相69の排出が開始され、油相69が油貯蔵槽72に流れ込む(図15の(b))。そのとき、油相69の下部に存在していた水も合わせて流出させれば、油相69の除去をほぼ完全に行うことができる。そして、油水混合液分離槽61の最上部から油相69が完全に取り除かれたことを確認した後、貯水槽65からの純水の供給を停止するか、又は、分離処理によって成分のほとんどが水に変換した油水混合液の一部をポンプ66によって貯水槽65へ逆流させ、液面を下げる。逆流によって貯水槽65に戻した水は、次の油水分離処理に使用する純水の一部として再利用することができる。
このように、本実施形態の油水分離装置70は、油水混合液分離槽61の内部で分離処理を行う油水混合液の液位を上下に移動することにより、油相69だけを油水混合液分離槽61から外部へ容易に取り出すことができる。そのため、バキュームカーや真空吸引装置又は油吸着材等を使用する場合と比べて、油相69の回収処理作業が簡便となり、処理コストの低減を図ることができる。
以上のように、本発明の微細気泡発生装置は、旋回流の生成という単純な機構を使用し、且つ、従来の旋回流微細気泡発生装置と比べてより簡潔な構成及び構造で微細気泡を大量に長時間にわたって発生できるため、取扱性、操作性及び耐久性に優れる。そのため、本発明の微細気泡発生装置をシャワー装置に適用する場合は、高い洗浄効率だけでなく、皮膚のマッサージ効果や血行を良くする効果が得られる。また、生物の輸送・蓄養並びに水道水・河川水・池・湖沼・ダム等に水質浄化及び水環境の蘇生のために適用する場合には、生物の生命維持と生育及び環境保全等に大きく寄与する。さらに、本発明の旋回流微細気泡発生装置を油水分離装置の構成部品として適用するときは、効率的な油水分離性能が長期間にわたって維持されるだけでなく、構成及び構造が簡単であるため、操作性と耐久性に優れ、汎用性の高い油水分離装置を得ることができる。
1,32,44,46,60・・・微細気泡発生装置
2,33,56,62・・・液体供給円筒
3,34,47・・・外筒容器
4,57・・・気液突出口
5,17,24,27,36,48・・・内筒
6,57・・・液体導入口
7,22,29,39,49・・・閉口した端部
8,21,28,37・・・開口した端部
9,38,53・・・気液旋回室
10,18,25,26,42・・・貫通スリット
11・・・隙間
12・・・空気
13・・・気体導入口
14,19・・・半円形状の凹部
15,20,58・・・小渦分岐壁
16,23,31・・・渦
30,54・・・貫通孔
35,50,68・・・円筒管
40,52・・・気体
41,55・・・加圧液体
43・・・気泡
45・・・気体流量調整弁
51・・・気体導入用貫通孔
59,70・・・油水分離装置
61・・・油水混合液分離槽
63,66・・・ポンプ
64,67,73・・・調整弁
65・・・貯水槽
69・・・油相
71・・・排出口
72・・・油貯蔵槽

Claims (14)

  1. 気液の旋回可能な空間である気液旋回室を内部に有する円柱形又は円錐形の内筒と、該内筒を内部に挿入して二重円筒構造を形成する円柱形又は円錐形の外筒容器と、該外筒容器に液体を導入する液体導入口を備えた液体供給円筒とを有し、
    前記内筒は、
    前記液体供給円筒の側で閉口した端部と、
    前記気液旋回室に気体を導入する気体導入口及び前記気液旋回室から気液が突出する気液吐出口として機能するように、前記液体供給円筒の側とは反対側で開口した端部と、
    前記液体供給円筒側の一端から前記内筒の長手方向の途中までの間に形成した貫通スリット又は貫通孔とを備え、かつ、
    前記貫通スリット又は貫通孔を形成した部分の内筒外壁と前記外筒容器の内壁との間に前記液体を導入するための隙間を設けた形で前記外筒容器と一体化されており、
    前記液体供給円筒の液体導入口から供給される液体を、前記貫通スリット又は貫通孔を通して前記内筒内部の気液旋回室に噴射導入することによって生成される気液旋回流を利用して微細気泡を発生させることを特徴とする微細気泡発生装置。
  2. 前記貫通スリット又は貫通孔は、前記内筒断面の内壁円半径をrとし、噴射された液体が衝突する前記内筒断面の内壁部分の位置を、液体の噴射方向と平行関係にある前記内壁円の接線に対して引いた垂線上に投影したときの位置をPとしたとき、前記Pの位置が前記垂線上で前記内筒断面の内壁から中心部に向けてr/2以下の距離範囲に含まれるように噴射方向を調製した開口通路を有することを特徴とする請求項1に記載の微細気泡発生装置。
  3. 前記貫通孔が前記内筒の長手方向に複数で配列されて設けられ、前記貫通スリットの長さ又は前記内筒の長手方向に複数で配列された貫通孔において両端の貫通孔の中心間距離をLとし、前記内筒の長手方向に対して垂直方向の前記貫通スリットの幅又は前記貫通孔の径もしくは長さをWとしたときに、LがWより大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の微細気泡発生装置。
  4. 前記貫通スリットの幅又は前記貫通孔の径若しくは長さが、前記内筒の内側直径の1/5以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置。
  5. 前記貫通スリット又は貫通孔を、前記内筒断面の円周方向に等間隔で複数有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置。
  6. 前記内筒において、前記液体供給円筒側の閉口された端部は、開口した円筒端部と該円筒端部の開口部を塞ぐ蓋とからなり、前記蓋を用いて、前記開口した円筒端部が圧接成形、加締め成形、接着及び接合の何れかの方法により閉口されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置。
  7. 前記内筒は、前記円筒の内壁の円周面に、複数の小さな凹部を前記気液突出口から前記液体供給円筒に向けて前記内筒の内壁の長手方向の途中まで設けることにより、前記気液旋回室で形成された大きな旋回渦を小さな旋回渦に変化するための小渦分岐壁が前記気液吐出口側に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置。
  8. 前記気液旋回室を有する前記内筒の内部に気体を導入するための円筒管を備え、該円筒管の一端部を前記気体導入口として使用することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置を用いて、
    加圧した液体を前記液体供給円筒の液体導入口から供給し、前記内筒に設けた前記貫通スリット又は貫通孔を通して前記円筒内部の気液旋回室に噴射導入するステップと、
    該噴射導入するときに発生する遠心力で形成される液体の旋回流の中心部に発生する負圧を利用して前記気体導入口から吸い込まれる気体を、前記貫通スリット又は貫通孔の液体噴射口及びその近傍で前記液体噴射口から噴射される液体と混合するステップと、
    前記液体と前記気体との混合によって得られる気液旋回流を、前記気液突出口から前記内筒の内壁面を通して突出するステップ、とを有する微細気泡発生方法。
  10. 請求項8に記載の微細気泡発生装置を液体中に浸漬した状態で微細気泡を発生させる方法であって、
    加圧した液体を前記液体供給円筒の液体導入口から供給し、前記内筒に設けた前記貫通スリット又は貫通孔を通して前記円筒内部の気液旋回室に噴射導入するステップと、
    前記円筒管を通して気体を外部から前記内筒内部の気液旋回室に導入するステップと、
    該噴射導入するときに発生する遠心力で形成される液体の旋回流の中心部に発生する負圧を利用して前記円筒管から導入される気体を、前記貫通スリット又は貫通孔の液体噴射口及びその近傍で前記液体と混合するステップと、
    前記液体と前記気体との混合によって得られる気液旋回流を、前記内筒の内壁面を通して前記気液突出口から突出するステップ、とを有する微細気泡発生方法。
  11. 請求項8に記載の微細気泡発生装置を液体中に浸漬した状態で微細気泡を発生させる方法であって、
    加圧した液体を前記液体供給円筒の液体導入口から供給し、前記内筒に設けた前記貫通スリット又は貫通孔を通して前記円筒内部の気液旋回室に噴射導入するステップと、
    前記円筒管を通して、前記微細気泡発生装置が浸漬される前の液体よりも温度が高い暖気又は温度が低い冷気を外部から前記内筒内部の気液旋回室に導入するステップと、
    該噴射導入するときに発生する遠心力で形成される液体の旋回流の中心部に発生する負圧を利用して前記円筒管から導入される前記暖気又は冷気を、前記貫通スリット又は貫通孔の液体噴射口及びその近傍で前記液体と混合するステップと、
    前記液体と前記気体との混合によって得られる気液旋回流を、前記内筒の内壁面を通して前記気液突出口から突出するステップ、とを有し、
    前記暖気又は冷気によって前記微細気泡発生装置を浸漬した液体中の温度を調製することを特徴とする微細気泡発生方法。
  12. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の微細気泡発生装置をシャワーノズルとして有し、前記液体供給円筒において前記液体導入口と反対側に位置する開口部から水又は湯水を供給し、該水又は湯水を微細気泡が含まれる状態で前記微細気泡発生装置の気液突出口から噴射して使用することを特徴とするシャワー装置。
  13. 請求項8に記載の微細気泡発生装置と、
    前記微細気泡発生装置を底部に有し、油水混合液を注入するために使用する油水混合液分離槽と、
    前記油水混合液分離槽に注入される油水混合液の一部を前記微細気泡発生装置に備わる前記液体供給円筒に供給又は循環するためのポンプと、
    を有することを特徴とする油水分離装置。
  14. 請求項13に記載の油水分離装置は、前記油水分離装置を用いて分離した油相を前記油水混合液分離槽から個別に回収するための手段を有することを特徴とする油水分離装置。
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