以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、管理システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
[1.管理システムの構成および機能概要]
(1.1 管理システムの構成および機能)
まず、本発明の一実施形態に係る管理システムの構成および概要機能について、図1から図4を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る管理システム1の概要構成例を示す模式図である。図2から図4は、対象物の一例を示す模式図である。
図1に示すように、管理システム1は、工程毎に設置され、各工程の対象物の画像を撮像し対象物の工程を管理する第1管理装置10と、最終工程に設置される第2管理装置20と、対象物の工程の情報(管理情報の一例)を管理する管理サーバ30と、第1管理装置10が撮像した画像に基づき入力作業をする端末装置40と、を備えている。
第1管理装置10は、顧客から預かった書類等の対象物を受け入れ、画像を撮像して、対象物を振り分ける。なお、適正な対象物として振り分けられた対象物は、保管棚5に保管される。一方、適正で無い対象物として振り分けられた対象物は、自工程を含む以前の工程に戻されるか、または、適正な対象物とは異なる工程に進んでもよい。
第2管理装置20は、例えば、保管棚5に保管されている対象物を受け入れ、機密保持のために振り分けられた対象物を裁断する。なお、第2管理装置20は、第1管理装置10により振り分けられた対象物を、直接受け入れてもよい。
管理サーバ30は、第1管理装置10および第2管理装置20から送信される対象物の工程の情報(管理情報の一例)を管理する。また、管理サーバ30は、対象物に関する対象物情報を管理する。ここで、対象物情報の一例として、対象物の画像データ、対象物の画像データから抽出された特徴量、画像データから作成されたテキストデータ、顧客に納品するための納品用のデータ等の電子データが挙げられる。
端末装置40は、例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォンを含む携帯型無線電話機やタブレット端末等の携帯端末である。端末装置40は、第1管理装置10が撮像した画像を表示する。
第1管理装置10、第2管理装置20、管理サーバ30、および、端末装置40は、ネットワーク3を介して、例えば、通信プロトコルにTCP/IP等を用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワーク3は、例えば、ローカルエリアネットワーク、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網、およびゲートウェイ等により構築されている。
対象物は、例えば、契約書等の申込み書類である。また、本人を確認するための対象物は、住民票、免許証、戸籍票、健康保険証、パスポート、領収書(例えば、電気、ガス等の公共料金の領収書のように氏名、住所が記載されたもの)、納品書等の書類である。なお、対象物は、平面の紙のみならず、立体形状でもよく、対象物の表面に、読み取り可能な情報が記載されていればよい。
図2Aおよび図2Bに示すように、対象物が契約書の場合、書類の表面に、契約内容、氏名、住所、電話番号等が記載されている。同じ形式の契約書の共通領域Cとして、契約内容、氏名の項目、住所の項目、電話番号の項目等が挙げられる。契約書の非共通領域NCとして、個人情報である氏名、住所、電話番号等が挙げられる。
図3Aおよび図3Bに示すように、対象物が住民票の場合、書類の表面に、市町村名、住所、氏名、生年月日、性別等が記載されている。ある市町村の形式の住民票の共通領域Cとして、書類の名称、市町村名、住所の項目、氏名の項目、生年月日の項目、性別の項目等が挙げられる。住民票の非共通領域NCとして、個人情報である住所、氏名、生年月日、性別等が挙げられる。
図3Aおよび図3Bに示すように、対象物が住民票の場合、市町村により記載の形式が異なる。
図4に示すように、対象物が免許証の場合、書類の表面に、氏名、生年月日、住所、写真等が記載されている。免許証の共通領域Cとして、氏名の項目、住所の項目、生年月日の項目、写真欄等が挙げられる。免許証の非共通領域NCとして、個人情報である氏名、生年月日、住所、個人の写真等が挙げられる。
(1.2 第1管理装置10の構成および機能)
次に、第1管理装置10の構成および機能について、図5から図7を用いて説明する。
図5は、第1管理装置10の一例を示す模式図である。図6は、第1管理装置10の概要構成の一例を示すブロック図である。図7は、第1管理装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、第1管理装置10は、対象物の画像を撮像する撮像部11と、撮像した画像を管理サーバ30に出力する通信部12と、対象物を受け入れ搬送する搬送部13と、搬送部13により搬送されている一部の対象物を取り除き保管するリジェクタ15と、搬送されてきた対象物を保管する保管機構16と、第1管理装置10を制御する制御部(図示せず)と、を備えている。また、各第1管理装置10には、装置IDが割り当てられている。
第1管理装置10は、撮像部11および制御部等を含む第1管理装置10の本体と、リジェクタ15と、保管機構16とが、並べられて構成されている。
撮像部11(画像撮像手段の一例)は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を有するスキャナである。撮像部11は、第1管理装置10が受け入れた対象物をスキャニングして撮像する。なお、撮像部11は、デジタルカメラでもよく、対象物全体や、部分的に区切って、対象物を所定のアングルから撮像してもよい。
通信部12(画像出力手段、照合結果取得手段、更新出力手段、および、受入判定結果出力手段の一例)は、ネットワーク3に接続して、管理サーバ30との通信状態を制御したり、第1管理装置10の各部との通信状態を制御したりする。通信部12は、撮像部11が撮像した画像を、管理サーバ30に出力する。また、通信部12は、撮像した画像から抽出された特徴量を照合した照合結果を管理サーバ30から受信する。さらに、通信部12は、対象物の工程の管理情報を更新するために、対象物の工程の情報を管理サーバ30に出力する。
搬送部13(受入手段の一例、振分手段の一例)は、例えば、対象物を受け入れ、搬送する複数のローラRを有する。搬送部13は、対象物を順に振り分ける複数の工程のうち、1の工程として前記対象物を受け入れる対象物を、ローラRにより搬送する。
リジェクタ15(振分手段の一例、第1保管機構または第2保管機構の一例)は、対象物を振り分ける振分機能と、リジェクトされた対象物を保管するトレイとを有する。リジェクタ15は、撮像部11により画像が撮像された対象物で、管理サーバ30における照合結果に応じて、受け入れた対象物を振り分ける。リジェクタ15に振り分けられた対象物は、トレイに保管される。トレイは、引き出し可能である。なお、リジェクタ15は、第1管理装置10のアラート機能により、アラートの対象となった対象物を、リジェクタ15のトレイに振り分けてもよい。
保管機構16(第1保管機構または第2保管機構の一例)は、対象物を保管するトレイを有する。トレイは、引き出し可能である。リジェクタ15の中に取り込まれなかった対象物を保管する。
これらのトレイには、コードが付されていたり、RFID(radio frequency identifier)タグが付されていてもよい。
なお、保管機構16は顧客毎に複数あってもよい。
制御部(消去手段および受入判定手段の一例)は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを有する。制御部は、CPUが、ROMや、RAMに記憶された各種制御プログラムを読み出して実行する。制御部が、第1管理装置10の各部(撮像部11、通信部12、搬送部13、リジェクタ15等)を制御する。なお、これらのプログラムを記憶した記録媒体等を制御部が読み出し実行してもよい。
図6に示すように、撮像部11と、リジェクタ15と、保管機構16とは、通信部12を介して接続されている。図示されていないが、制御部は、搬送部13および通信部12等と接続されている。
図5および図6に示すように、対象物は、搬送部13のローラRに取り込まれ、撮像部11に搬送される。次に、撮像部11に画像が撮像された対象物は、搬送部13のローラRにより、リジェクタ15に搬送される。リジェクタ15における搬送部13の振分機能により振り分けられ、リジェクタ15においてリジェクトされた対象物は、リジェクタ15のトレイに貯められる。リジェクタ15によりリジェクトされなかった対象物は、搬送部13のローラRにより、保管機構16に搬送され、保管機構16のトレイに貯められる。
図7に示すように、第1管理装置10は、受入機能と、搬送機能と、トラブル判定機能と、撮像機能と、振分機能と、アラート機能と、通信機能と、保管機構と、データ消去機能と、を有する。
撮像部11が、撮像機能を有する。通信部12が、通信機能を有する。搬送部13が、受入機能、搬送機能および振分機能を有する。リジェクタ15が、振分機能および保管機能を有する。保管機構16が、保管機能を有する。制御部が、トラブル判定機能、アラート機能、および、データ消去機能等を有する。
なお、図7は、工程Pnにおける第1管理装置10を示している。工程Pnにおける第1管理装置10は、工程Pn−1における第1管理装置10から直接の対象物または、工程Pn−1を終えた保管棚5からの対象物を受け入れる。対象物は、工程Pn+1における処理のため、工程Pn+1の第1管理装置10または保管棚5に搬送される。
(1.3 第2管理装置20の構成および機能)
次に、第2管理装置20の構成および機能について、図8から図10を用いて説明する。
図8は、第2管理装置20の一例を示す模式図である。図9は、第2管理装置20の概要構成の一例を示すブロック図である。図10は、第2管理装置20を含む管理システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
なお、第1管理装置10と異なる構成および機能について、主に説明する。
図8に示すように、第2管理装置20は、対象物の画像を撮像する撮像部21と、撮像した画像を管理サーバ30に出力する通信部22と、対象物を受け入れ搬送する搬送部23と、搬送部23により搬送されている一部の対象物を取り除き保管するリジェクタ25と、搬送されてきた対象物を保管する保管機構26と、顧客から裁断するように指示がある対象物を裁断する裁断機24を有するシュレッダ27と、第1管理装置20を制御する制御部(図示せず)と、を備えている。また、第2管理装置20には、装置IDが割り当てられている。
第2管理装置20は、撮像部21および制御部等を含む第2管理装置20の本体と、リジェクタ25と、保管機構26と、シュレッダ27が、並べられて構成されている。
撮像部21(画像撮像手段の一例)は、撮像部11と同様の構成および機能を有する。通信部22(画像出力手段、照合結果取得手段、更新出力手段、および、受入判定結果出力手段の一例)は、通信部12と同様の構成および機能を有する。搬送部23(受入手段の一例、振分手段の一例)は、搬送部13と同様の構成および機能を有する。リジェクタ25(振分手段の一例、保管機構の一例)は、リジェクタ15と同様の構成および機能を有する。保管機構26(返却保管機構の一例)は、保管機構16と同様の構成および機能を有する。なお、保管機構26は顧客毎に複数あってもよい。
第2管理装置20の制御部(画像消去手段および受入判定手段の一例)は、第1管理装置20の制御部と同様の構成および機能を有する。第2管理装置20の制御部は、第2管理装置20の各部を制御する。
裁断機24(裁断機構の一例)は、対象物を裁断する刃を有する。裁断機24は、保管機構26のローラRにより搬送された対象物を裁断して破棄する。なお、裁断機構の一例である裁断機24が、立体的な対象物を、ハンマーやローラ等で潰してもよい。
シュレッダ27(振分手段の一例、裁断機構の一例)は、裁断機24と、裁断された対象物を貯蔵するトレイと、を有する。トレイは、裁断された対象物を廃棄するように、引き出し可能である。
図9に示すように、撮像部21と、リジェクタ25と、保管機構26、シュレッダ27とは、通信部22を介して接続されている。図示されていないが、制御部は、搬送部23および通信部22等と接続されている。
図8および図9に示すように、対象物は、搬送部23のローラRに取り込まれ、撮像部21に搬送される。次に、撮像部21に画像が撮像された対象物は、搬送部23のローラRにより、リジェクタ25に搬送される。リジェクタ25によりリジェクトされた対象物は、リジェクタ25のトレイに貯められる。リジェクタ25によりリジェクトされなかった対象物は、搬送部23のローラRにより、保管機構26に搬送される。
顧客から電子化の後に裁断する指示が無い対象物が搬送されてきた場合、保管機構26における搬送部23の振分機能により、保管機構26に振り分けられた対象物は、保管機構16のトレイに貯められる。この対象物は、顧客に返却する対象物である。顧客から電子化の後に裁断する指示がある対象物が搬送されてきた場合、保管機構26に振り分けされず、シュレッダ27に搬送される。
シュレッダ27に搬送された種類等の対象物は、シュレッダ27の裁断機24により裁断される。裁断の屑は、シュレッダ27のトレイに蓄えられる。
図10に示すように、第2管理装置20は、受入機能と、搬送機能と、トラブル判定機能と、撮像機能と、振分機能と、アラート機能と、通信機能と、保管機構と、データ消去機能と、裁断機能と、を有する。
撮像部21が、撮像機能を有する。通信部22が、通信機能を有する。搬送部23が、受入機能、搬送機能および振分機能を有する。リジェクタ25が、振分機能および保管機能を有する。保管機構26が、振分機能および保管機能を有する。シュレッダ27が、裁断機能を有する。制御部が、トラブル判定機能、アラート機能、および、データ消去機能等を有する。
図10は、最終工程Pmにおける第2管理装置20を示している。第2管理装置10は、工程Pm−1における第1管理装置10から直接の対象物または、工程Pm−1を終えた保管棚5からの対象物を受け入れる。
保管機構26の対象物は、顧客に返却のため、保管棚5に一時保管されてもよい。
(1.4 管理サーバ30の構成および機能)
次に、管理サーバ30の構成および機能について、図7、図9、図10、図11から図13を用いて説明する。
図11から図13は、図1の管理サーバにおけるデータベースのデータの一例を示す模式図である。
図7または図9に示すように、コンピュータである管理サーバ30は、管理サーバ30を制御する制御部と、データベース32(DB32)と、各第1管理装置10および第2管理装置20と通信する通信部33と、管理情報等を表示する出力部34と、を備えている。
制御部31(対象物情報消去手段の一例)は、例えば、CPUと、ROMと、RAMと、を有する。制御部31は、CPUが、ROMや、RAMに記憶された各種制御プログラムを読み出して実行する。制御部31が、管理サーバ30の各部(データベース32、通信部33、出力部34等)を制御する。なお、これらのプログラムを記憶した記録媒体等を制御部31が読み出し実行してもよい。
データベース32(記憶手段の一例)は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。データベース32には、図11に示すように、顧客に関するデータベース、図12に示すように、対象物の工程を管理するためのデータベース、図13に示すように、対象物の画像データおよび顧客に納品するための納品用のデータのデータベース等が構築されている。
顧客に関するデータベースには、顧客IDに関連付けて、顧客名、および、対象物を裁断してよいか否かの情報等が記憶されている。
対象物の工程を管理するためのデータベースには、対象物IDに関連付けて、顧客ID、抽出した特徴量(対象物情報の一例)、対象物の現在の工程(管理情報の一例)、および、対象物に対して次に行う適切な工程(管理情報の一例)等が記憶されている。
このように、データベース32は、前記対象物の各工程における管理情報を記憶した記憶手段の一例として機能する。
対象物の画像データおよびテキストデータのデータベースには、対象物IDに関連付けて、画像データ(対象物情報の一例)、および、端末装置40のオペレータが画像データを見て入力したテキストデータ(対象物情報の一例)等が記憶されている。
このように、データベース32は、前記対象物の各工程における管理情報、および、前記対象物に関する対象物情報を記憶した記憶手段の一例として機能する。また、データベース32は、前記撮像した画像から読み取られた対象物情報を記憶する記憶手段の一例として機能する。
また、データベース32には、オペレーティングシステムおよびサーバプログラム等の各種プログラムが記憶されていてもよい。なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ等からネットワーク3を介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
通信部33は、ネットワーク3に接続して、第1管理装置10、第2管理装置20、および、端末装置40との通信を制御する。
出力部34は、例えば、液晶表示素子またはEL(Electro Luminescence)素子等によって構成されている。
図10に示すように、管理サーバ30は、消去判定機能と、データ消去機能と、成果物の顧客への完納を判定する完納判定機能と、を有する。
図10に示すように、管理サーバ30は、テキスト化されたデータを、顧客に暗号化して送信する。記録媒体で納品する場合は、管理サーバ30または専用の端末がDVD等の記録媒体にテキスト化されたデータを暗号化して記録する。記録媒体が顧客に納品される。
A社の場合、対象物を返却する必要があるので、保管機能の保管機構26または保管棚5から、対象物が取り出され、対象物も納品される。B社の場合、対象物を返却する必要が無いので、管理サーバ30は、第2管理装置20からの裁断完了情報に基づき、裁断が終わった旨の裁断通知も行う。
顧客からの完納通知を受けて(完納判定機能)、管理サーバ30は、納品したデータを消去する(データ消去機能)。管理サーバ30は、消去通知としてデータを消去した旨を顧客に通知する。なお、端末装置40におけるテキストデータ化が終了したときに(消去判定機能)、管理サーバ30は、画像データを消去してもよい(データ消去機能)。なお、顧客との契約内容によっては、完納後に一定期間経過してからデータを消去してもよい。
[2.管理システムの動作]
次に、本発明の1実施形態に係る管理システムの動作について図を用いて説明する。
(2.1 対象物およびデータのフロー)
まず、顧客から預かった対象物を電子データ化して、顧客に納品するまでの工程を、図14を用いて説明する。
図14は、管理システム1における対象物およびデータのフローの一例を示す模式図である。
まず、図14に示すように、対象物を処理する工程P1から工程P6に対して、対象物に関するデータに対する処理の工程M1から工程M6がある。工程P1から工程P5に対してそれぞれ第1管理装置10が設置され、工程P6に対して第2管理装置20が設置されている。各第1管理装置10の装置IDおよび第2管理装置20の装置IDが、各工程(工程P1から工程P6)に対応する。
なお、工程P1から工程P5に対して、1台の第1管理装置10で行ってもよい。
顧客(例えば、カード会社、保険会社等)から、複数の対象物が組まれた対象物のセットが、まとめて送られてくる。例えば、対象物の一例である書類のセットが同封された封筒が詰められた段ボール箱が、顧客から送られてくる。なお、紙の書類でなく、電子データ(例えば、記録媒体に記録された電子データ、ネットワークを介して送信されてきた電子データ)が送付されてきてもよい。
複数の対象物のセットは、例えば、顧客の各ユーザ(例えば、カード会社、保険会社等に申し込みをする個人や法人)から顧客に申し込まれた書類のセットである。書類のセットは、申込書類(例えば、契約書、申込用紙)および本人確認用の書類等である。本人確認用の書類として2通必要な場合、例えば、住民票および免許証、住民票および健康保険証等である。なお、法人の場合、法人確認用の書類として、代表取締役の印が押された書類である。
なお、複数の対象物のセット用に、フロントページが作成されてもよい。フロントページには、顧客名、対象物のセットを特定するためのフロントページID、対象物の数、受け付け日付、工程番号等が記載される。このフロントページを対象物のセットに含めてもよいし、電子データ上存在し対象物のセットに含めなくてもよい。データベース32には、フロントページIDに関連付けられ、各対象物の対象物IDが記憶される。また、データベース32には、フロントページの管理情報のため、フロントページIDに関連付けられ、工程番号も記憶される。
工程P1において、書類等の対象物毎に、一連の対象物IDが付与される。例えば、届けられた段ボールが開けられ、書類のセットが同封された封筒が取り出される。そして、封筒が開封されて、書類のセットが取り出される。対象物の一例の各書類にコード等の各書類を識別するための対象物IDが付与される。ここで、付与されるコードの一例として、バーコードや3次元コード等が挙げられる。
対象物IDとして、各書類にコード等が付される。第1管理装置10の受け入れ口に各書類を入れて、コードが付されるようにしてもよいし、人手によってコードを貼ってもよい。また、書類の画像の特徴量により、各書類に対象物IDが割り振られてもよい。
次に、工程M1において、各書類の特徴量が、管理サーバ30のデータベース32に保存される。具体的には、管理サーバ30が、第1管理装置10から送信されてくる各書類の画像から特徴量を抽出し、データベース32に保存する。
例えば、第1管理装置10が、各書類を順に受け入れ、書類の画像を撮像し、画像データを管理サーバ30に送信する。管理サーバ30は、画像データから、対象物ID用の特徴量(対象物を特定するための特徴量の一例)を抽出する。対象物ID用の特徴量は、各書類にコードが付されている場合は、コードの部分の特徴量(コード番号)、コードが付されていない場合は、各書類の画像の全体またはある部分の特徴量(例えば、ベクトル量)である。
なお、各書類にコードが付されている場合、コード読取装置がコードを読み込み、コードの情報を管理サーバ30に送信されるようにしてもよい。コード読取装置が第1管理装置10に接続されていてもよいし、内蔵されていてもよい。
また、第1管理装置10が、工程P1において対象物を受け入れたときや、画像を撮像したときや、画像を解析したときに、トラブルを検出した場合、対象物を、リジェクタ15のトレイに振り分ける。
次に、工程P2において、対象物の不備の確認作業が行われる。対象物IDが決まった対象物が、工程P2の場所に運ばれ、対象物のセットが全て揃っているか、対象物の毀損が無いか等のチェックが行われる。
具体的には、IDが付与された対象物が、工程P2の場所に運ばれ、第1管理装置10に挿入される。第1管理装置10が書類の撮像を行い、管理サーバ30に送信する。管理サーバ30が、画像データより対象物が、工程P2用の対象物であるか否かの判定を行い、判定結果(照合結果の一例)を第1管理装置10に送信する。第1管理装置10が、判定結果に応じて、対象物を、リジェクタ15のトレイか保管機構16のトレイかに振り分ける。第1管理装置10は、対象物がどちらに振り分けられたかの対象物の工程の情報を、管理サーバ30に送信する。
保管機構16のトレイの対象物に対して、各封筒に同封されていた書類が、一式揃っているか等の不備の確認作業が行われる。
確認の結果が、第1管理装置10または端末装置40に入力される。例えば、コード読取装置により、書類のコードが読み取られた後に、第1管理装置10または端末装置40の画面に入力画面が表示されて、不備の確認結果が入力される。
なお、第1管理装置10が、書類の画像を撮像し管理サーバ30に送信し、管理サーバ30が、申込書類、本人確認用の書類等を画像認識して、規定の枚数があるか否か、申込書類および本人確認用の書類が一式揃っているか等を判定してもよい。
なお、第1管理装置10が、工程P1と工程P2とを同時に行ってもよい。
次に、工程M2において、管理サーバ30が、第1管理装置10からの対象物の工程の情報に基づき、進捗ステータスを更新する。
具体的には、管理サーバ30が、第1管理装置10から送信されて来た対象物の画像に基づき、対象物ID用の特徴量を抽出し、BD32を参照して、対象物を特定する。管理サーバ30が、対象物IDに基づき、特定された対象物の進捗ステータスを更新する。
なお、管理サーバ30が、工程M1と工程P2とを同時に行ってもよい。
次に、工程P3において、第1管理装置10が、納品用データを作成するために、対象物の画像データ化を行う。
具体的には、対象物が、工程P3の場所に運ばれ、第1管理装置10に挿入される。第1管理装置10が書類の撮像を行い、管理サーバ30に送信する。管理サーバ30が、画像データより対象物が、工程P3用の対象物であるか否かの判定を行い、判定結果(照合結果の一例)を第1管理装置10に送信する。第1管理装置10が、判定結果に応じて、対象物を、リジェクタ15のトレイか保管機構16のトレイかに振り分ける。第1管理装置10は、対象物がどちらに振り分けられたかの対象物の工程の情報を、管理サーバ30に送信する。
例えば、トレイに入った複数の書類のセットが、第1管理装置10に取り入れられて、1枚1枚の書類が順に画像が撮像されて、書類が画像データ化される。第1管理装置10は、納品用データの作成に必要な部分、および、書類の対象物IDを特定するために必要な部分を撮像する。なお、第1管理装置10は、書類全体を撮像してもよし、解像度を上げるため、複数のカメラで部分的に区切って、書類を所定のアングルから撮像してもよい。また、第1管理装置10は、複数の書類を並べて、一度に撮像してもよい。
第1管理装置10が、画像データを管理サーバ30に送信する。
次に、工程M3において、管理サーバ30が、画像データを保存する。具体的には、管理サーバ30が、第1管理装置10から受信した画像データから、画像処理により対象物IDを特定する。管理サーバ30が、対象物IDに基づき、画像データをデータベース32に保存する。進捗ステータスも更新される。
ここで、電子化された対象物の画像データは、各端末装置40に送信され、各端末装置40において、画像のテキスト化等の作業が行われる。各端末装置40が、画像のテキスト化されたテキストデータが、管理サーバ30に送信する。管理サーバ30が、各端末装置40からのテキストデータをまとめて、顧客に納品するための納品用データとして、データベース32に保存する。
このように、管理サーバ30は、前記撮像した画像から読み取られた対象物情報を記憶する記憶手段の一例として機能する。
次に、工程P4において、作業工程が実行される。例えば、作業として、法人用の書類に、個人用の書類が混ざっていないかの確認作業が挙げられる。
具体的には、画像データ化が終了した対象物が、工程P4の場所に運ばれ、第1管理装置10に挿入される。第1管理装置10が書類の撮像を行い、管理サーバ30に送信する。管理サーバ30が、画像データより対象物が、工程P4用の対象物であるか否かの判定を行い、判定結果(照合結果の一例)を第1管理装置10に送信する。第1管理装置10が、判定結果に応じて、対象物を、リジェクタ15のトレイか保管機構16のトレイかに振り分ける。第1管理装置10は、対象物がどちらに振り分けられたかの対象物の工程の情報を、管理サーバ30に送信する。
保管機構16のトレイの対象物に対して、例えば、法人用の書類と個人用の書類とが混ざっていないかの確認作業が行われる。
確認の結果が、第1管理装置10または端末装置40に入力される。例えば、コード読取装置により、書類のコードが読み取られた後に、第1管理装置10または端末装置40の画面に入力画面が表示されて、確認結果が入力される。
なお、第1管理装置10が、法人用の書類と個人用の書類との差別ポイント(書類名や形式の違い等)のところを撮像して、管理サーバ30が、個人用の書類と個人用の書類とが混ざっていないかの確認作業を行ってもよい。
次に、工程M4において、管理サーバ30が、第1管理装置10からの対象物の工程の情報に基づき、工程M2のように、進捗ステータスを更新する。
なお、この作業工程が不要な場合、工程P4および工程M4は省略してもよい。一方、作業工程が複数ある場合、工程P4および工程M4のような工程が複数回行われる。
次に、工程P5において、工程P4の作業が終わった対象物が保管棚5に保管される。
具体的には、工程P5の場所、すなわち、保管棚5の場所に、対象物が運ばれ、第1管理装置10に挿入される。第1管理装置10が書類の撮像を行い、管理サーバ30に送信する。管理サーバ30が、画像データより対象物が、工程P5用の対象物であるか否かの判定を行い、判定結果(照合結果の一例)を第1管理装置10に送信する。第1管理装置10が、判定結果に応じて、対象物を、リジェクタ15のトレイか保管機構16のトレイかに振り分ける。対象物が入った保管機構16のトレイが取り出され、トレイが保管棚5の所定位置に保管される。第1管理装置10は、対象物がどちらに振り分けられたかの対象物の工程の情報および保管棚5における保管場所を、管理サーバ30に送信する。
例えば、トレイに入った複数の書類のセットが、第1管理装置10に取り入れられて、工程P5用の書類か否かを判定される。工程P5用の書類として判定された、リジェクタ15のトレイの書類が、トレイごと保管棚5の所定位置に保管される。
次に、工程M5において、管理サーバ30が、第2管理装置20からの対象物の工程の情報に基づき、工程M2のように、進捗ステータスを更新する。なお、管理サーバ30が、対象物が保管された保管棚5の保管場所を、データベース32に記憶してもよい。
次に、工程P6において、テキストデータ化が終わり、納品用データが完成した対象物に対して、第2管理装置20が、顧客に返却する対象物か、裁断する対象物かに振り分ける。第2管理装置20が、裁断する対象物に振り分けられた対象物を裁断する。
具体的には、テキストデータ化が終了した対象物が、保管棚5から工程P6の場所に運ばれ、第2管理装置20に挿入される。第2管理装置20が書類の撮像を行い、管理サーバ30に送信する。管理サーバ30が、画像データより対象物が、工程P6用の対象物であるか否かの判定、および、顧客に返却する対象物か、裁断する対象物かを判定する。管理サーバ30が、判定結果(照合結果の一例)を第2管理装置20に送信する。第2管理装置20が、判定結果に応じて、対象物を、リジェクタ25のトレイか、保管機構26のトレイか、または、シュレッダ27かに振り分ける。第2管理装置20は、対象物がどこに振り分けられたかの対象物の工程の情報を、管理サーバ30に送信する。シュレッダ27が、対象物を裁断した場合は、第2管理装置20は、裁断完了情報を管理サーバ30に送信する。
次に、工程M6において、管理サーバ30が、第2管理装置20からの対象物の工程の情報と、顧客からの納品用データの完納通知に基づき、納品用データを消去する。
(2.2 第1管理装置および管理サーバの動作例)
次に、工程P1から工程P5における第1管理装置10の動作例、および、工程M1から工程M5における管理サーバ30の動作例について、図15を用いて説明する。
図15は、第1管理装置および管理サーバの動作例を示すシーケンス図である。
図15に示すように、第1管理装置10は、対象物を受け入れる(ステップS1)。具体的には、第1管理装置10の搬送部13が、工程P1から工程P5のいずれか1つの工程において、対象物を順に受け入れる。工程P2から工程P5においては、トレイに入れられた書類等を順に受け入れる。
このように、第1管理装置10は、対象物を順に振り分ける複数の工程のうち、1の前記工程として前記対象物を受け入れる受入手段の一例として機能する。
次に、第1管理装置10は、トラブルがあるか否かを判定する。(ステップS2)。具体的には、第1管理装置10の制御部が、対象物を受け入れたときに、紙詰まりがあったか否か、書類の枚数が所定の枚数であるか否か等の受け入れた対象物の状態を判定する。紙詰まりがある場合、搬送部13から制御部に紙詰まりの信号が送信される。書類の枚数が所定の枚数であるか否かを判定する場合、制御部が、トレイのコードやRFIDタグ等を読み取り、トレイにある書類の所定の枚数を管理サーバ30に問い合わせる。制御部が、書類の枚数をカウントして、所定の枚数であるか否かを判定する。
このように、第1管理装置10は、前記受入手段が受け入れた前記対象物の状態を判定する受入判定手段の一例として機能する。
トラブルがある場合(ステップS2;YES)、第1管理装置10は、アラームを通知する(ステップS3)。例えば、第1管理装置10が、アラート機能として、音や光の点滅等により通知を行ったり、第1管理装置10が、アラート信号を管理サーバ30に送信して管理サーバ30の出力部34や端末に画面にアラートを表示させたりする。なお、第1管理装置10等が、受け入れた対象物の数を表示してもよい。
このように、第1管理装置10は、前記受入判定手段の判定結果を出力する受入判定結果出力手段の一例として機能する。
トラブルが無い場合(ステップS2;NO)、第1管理装置10は、対象物の画像を撮影する(ステップS4)。具体的には、第1管理装置10の撮像部11が、搬送部13により搬送された対象物を撮像する。対象物が書類の場合、搬送部13のローラRにより搬送されている書類を、撮像部11によりスキャニングして撮像し、画像データを取り込む。第1管理装置10の制御部が撮像した画像データを、制御部のRAM等のキャッシュメモリに保管する。
なお、工程P1では、画像データは、対象物IDと対応付ける特徴量を抽出するための画像データである。例えば、対象物を特定できるコードの部分の画像データや、対象物を特定できる画像の全体またはある部分の画像データである。工程P2、P3、P4、P5、P6では、画像データは、対象物IDと対応付ける特徴量のための画像データである。さらに、工程P3では、画像データは、納品用データを作成するために必要な対象物の画像データである。例えば、契約書の非共通領域NC、住民票の非共通領域NC、免許証の非共通領域NC等を含む画像データである。
このように、第1管理装置10は、前記受け入れた対象物の画像を撮像する画像撮像手段の一例として機能する。
なお、電子データが送られてきた場合、第1管理装置10は、ステップS1の対象物受け入れの処理では、電子データを受け入れ、ステップS2のトラブル判定の処理、ステップS3のアラーム通知の処理、および、ステップS5の撮像の処理を省略してもよい。
次に、第1管理装置10は、撮像した画像を送信する(ステップS5)。具体的には、第1管理装置10の制御部が、通信部12を介して、撮像部11により取り込まれた画像データを、第1管理装置10の装置IDおよび工程ID(例えば、工程P1等の工程名や工程番号)と共に、管理サーバ30に送信する。
このように、第1管理装置10は、前記対象物を特定するための特徴量を前記撮像した画像から抽出するために、前記撮像した画像を出力する画像出力手段の一例として機能する。また、第1管理装置10は、前記撮像した画像を登録するために、前記撮像した画像を出力する画像出力手段の一例として機能する。
次に、管理サーバ30は、画像を受信する(ステップS6)。具体的には、管理サーバ30の制御部31が、工程M1から工程M5のいずれか1つの工程において、第1管理装置10からの画像データを、通信部33を介して受信する。制御部31が、受信した画像データを、制御部31のRAM等のキャッシュメモリに保管する。
次に、管理サーバ30は、所定の画像が撮像されているか否かを判定する(ステップS7)。制御部31が対象物の写りが悪い等を判定する。例えば、画像の撮像場所を誤った(例えば、共通領域Cが撮像されていない、非共通領域NCが撮像されていない等)、画像が暗すぎる、受信した画像データにおける黒の割合が所定値以上である、または、画像のコントラストが悪い等の場合、制御部31が,所定の画像が撮像されていないと判定する。
なお、工程M1の場合、コードの部分が撮像されていなかったか否か、コードの部分の写りが悪いか否か等を制御部31が判定してもよい。また、工程M3の場合、画像のテキスト化等の作業のための画像領域が適切に撮像されているか否かを制御部31が判定してもよい。
所定の画像が撮像されていない場合(ステップS7;NO)、管理サーバ30は、ステップS11の処理を行う。
所定の画像が撮像されている場合(ステップS7;YES)、管理サーバ30は、特徴量を抽出する(ステップS8)。具体的には、制御部31が、画像処理をして、対象物を特定するための特徴量を画像データから抽出する。
このように、管理サーバ30は、前記対象物を特定するための特徴量を前記撮像した画像から抽出する。
次に、管理サーバ30は、特徴量を照合する(ステップS9)。具体的には、制御部31が、特徴量に基づき、データベース32を参照して、対象物IDを特定する。制御部31が、装置IDおよび特定された対象物IDに基づき、対象物の工程IDと照合して、対象物の工程が適切な工程であるか否かを判定する。さらに具体的には、制御部31が、装置IDに対応した工程と、適切な工程とが一致するか否かを判定して特定結果を求める。
このように、管理サーバ30は、前記対象物の各工程における管理情報を記憶した記憶手段を参照して、前記撮像した画像から抽出された前記特徴量を照合する。
なお、工程M3において、適切な工程であると判定された場合、図13に示すように、制御部31が、特定された対象物IDと関連付けて、納品用データを作成するための画像データを保存する。
このように、管理サーバ30は、前記対象物に関する対象物情報を記憶した記憶手段の一例として機能する。
また、工程M1においては、制御部31が、特徴量を照合する代わりに、図12に示すように、抽出された特徴量を、割り当てられた対象物IDと共に、データベース32に記憶する。
このように、管理サーバ30は、前記対象物に関する対象物情報を記憶した記憶手段の一例として機能する。
次に、管理サーバ30は、画像データを消去する(ステップS10)。具体的には、制御部31が、一時的に保管されている画像データを消去する。例えば、制御部31が、特徴量の抽出等に利用されて、不要になった画像データを、RAMやデータベース32等の管理サーバ30内部から消去する。なお、ステップS8の特徴量の抽出の直後に、制御部31が、画像データを消去してもよい。
なお、工程P3において、納品用データを作成するための画像データは、ステップS10では、消去されない。
次に、管理サーバ30は、結果を送信する(ステップS11)。具体的には、制御部31が、通信部33を介して、第1管理装置10に、結果を送信する。例えば、ステップS9の照合結果として、適切な工程であったか否かの情報、および、ステップS7の照合結果として、所定の画像が撮像されていたか否かの情報を、制御部31が、第1管理装置10に送信する。
次に、第1管理装置10は、結果を受信する(ステップS12)。具体的には、第1管理装置10の制御部は、通信部12を介して、管理サーバ30から結果を受信する。
このように、第1管理装置10は、前記対象物の各工程における管理情報を記憶した記憶手段を参照して、前記撮像した画像から抽出された前記特徴量を照合した照合結果を取得する照合結果取得手段の一例として機能する。
次に、第1管理装置10は、画像データを消去する(ステップS13)。具体的には、第1管理装置10の制御部が、一時的に保管されている画像データを消去する。管理サーバ30に画像データが利用され、不要になった画像データを、制御部が第1管理装置10内部から消去する。なお、ステップS5の画像データ送信の直後に、制御部が、画像データを消去してもよい。
このように、第1管理装置10は、前記照合結果を取得するために前記撮像した画像を利用した後、当該画像を装置内部から消去する消去手段の一例として機能する。
次に、第1管理装置10は、対象物を振り分ける(ステップS14)。具体的には、第1管理装置10の制御部が、管理サーバ30から結果に基づき、搬送部13およびリジェクタ15が、対象物を振り分ける。
例えば、図5に示すように、撮像部11により撮像された書類が、搬送部13のローラRによりリジェクタ15まで搬送される。ステップS7で所定の画像が撮影されていない場合、または、ステップS9の照合結果で、対象物の工程が適切な工程で無いと判定された場合、リジェクタ15が、リジェクタ15のトレイに書類を取り込む。一方、ステップS7で所定の画像が撮影されている場合、かつ、ステップS9の照合結果で、対象物の工程が適切な工程であると判定された場合、搬送部13が、保管機構16まで書類を搬送する。
なお、顧客毎に保管機構16が複数ある場合、特徴量から求められた対象物IDに対応した顧客IDに基づき、第1管理装置10は、各保管機構に対応する対象物を振り分けてもよい。この場合、顧客毎に一連の工程を連続して行わなくても、混合して処理できるので、作業効率が高くなる。
このように、第1管理装置10は、前記照合結果に応じて、前記受け入れた対象物を、第1保管機構または第2保管機構に振り分ける振分手段の一例として機能する。また、第1管理装置10は、前記画像撮像手段の撮像が適切に行われたか否かの判定結果に基づき、前記受け入れた対象物を、第1保管機構または第2保管機構に振り分ける振分手段の一例として機能する。
次に、第1管理装置10は、振分結果を送信する(ステップS15)。具体的には、第1管理装置10の制御部が、通信部12を介して、第1管理装置10の装置IDおよび対象物IDと共に、対象物の振分結果を管理サーバ30に送信する。なお、振分結果は、例えば、搬送部13およびリジェクタ15の作動情報である。
このように、第1管理装置10は、前記振分手段の振り分け結果に基づき前記対象物の工程の前記管理情報を更新するために、前記対象物の工程の情報を出力する更新出力手段の一例として機能する。
次に、管理サーバ30は、管理情報を更新する(ステップS16)。具体的には、制御部31が、装置ID、対象物ID、対象物の振分結果を受信する。対象物がリジェクタ15に割り振られなかった場合、図12に示すように、制御部31が、対象物IDに基づき、データベース32の現在の工程欄に装置IDに対応した工程番号を、適切な工程欄に次の工程の工程番号を記憶する。対象物がリジェクタ15に割り振られた場合、制御部31が、対象物IDに基づき、現在の工程欄に装置IDに対応した工程番号を、データベース32の適切な工程欄に、前の工程等の対象物が処理されるべき工程番号を記憶する。
このように、管理サーバ30は、前記振分手段の振り分け結果に基づき前記対象物の工程の前記管理情報を更新して、進捗ステータスを更新する。
(2.3 第2管理装置および管理サーバの動作例)
次に、工程P6における第2管理装置20の動作例、および、工程M6における管理サーバ30の動作例について、図16を用いて説明する。なお、第1管理装置10と異なる動作について、主に説明する。
図16は、第2管理装置20および管理サーバ30の動作例を示すシーケンス図である。
図16に示すように、第2管理装置20は、ステップS1のように、対象物を受け入れる(ステップS21)。
このように、第2管理装置20は、顧客から預かった対象物を、順に振り分ける複数の工程のうち、1の前記工程として受け入れる受入手段の一例として機能する。
次に、第2管理装置20は、ステップS2のように、トラブルがあるか否かを判定する(ステップS22)。
このように、第2管理装置20は、前記受入手段が受け入れた前記対象物の状態を判定する受入判定手段の一例として機能する。
トラブルがある場合(ステップS22;YES)、第2管理装置20は、ステップS3のように、アラームを通知する(ステップS23)。
このように、第2管理装置20は、前記受入判定手段の判定結果を出力する受入判定結果出力手段の一例として機能する。
トラブルが無い場合(ステップS22;NO)、第2管理装置20は、ステップS4のように、対象物の画像を撮影する(ステップS24)。
このように、第2管理装置20は、前記受け入れた対象物の画像を撮像する画像撮像手段の一例として機能する。
次に、第2管理装置20は、ステップS5のように、撮像した画像を送信する(ステップS25)。
このように、第2管理装置20は、前記対象物を特定するための特徴量を前記撮像した画像から抽出するために、前記撮像した画像を出力する画像出力手段の一例として機能する。また、第2管理装置20は、前記撮像した画像を登録するために、前記撮像した画像を出力する画像出力手段の一例として機能する。
次に、管理サーバ30は、ステップS6のように、画像を受信する(ステップS26)。
次に、管理サーバ30は、ステップS7のように、所定の画像が撮像されているか否かを判定する(ステップS27)。
所定の画像が撮像されていない場合(ステップS27;NO)、管理サーバ30は、ステップS30の処理を行う。
所定の画像が撮像されている場合(ステップS27;YES)、管理サーバ30は、ステップS8のように、特徴量を抽出する(ステップS28)。
このように、管理サーバ30は、前記対象物を特定するための特徴量を前記撮像した画像から抽出する。
次に、管理サーバ30は、特徴量を照合する(ステップS29)。具体的には、制御部31が、特徴量に基づき、データベース32を参照して、対象物IDを特定する。制御部31が、装置IDおよび特定された対象物IDに基づき、対象物の工程IDと照合して、対象物の工程が適切な工程であるか否かを判定する。さらに具体的には、制御部31が、装置IDに対応した工程と、適切な工程とが一致するか否かを判定して特定結果を求める。
さらに、制御部31が、データベース32を参照して、対象物IDに対応する顧客IDに基づき、対象物を裁断するか否かの判定をする。
このように、管理サーバ30は、前記撮像した画像から抽出された前記特徴量に基づき、前記記憶手段を参照して前記受け入れた対象物を特定した特定結果から、前記対象物を裁断するか否かを判定する。
次に、管理サーバ30は、ステップS10のように、画像データを消去する(ステップS30)。
次に、管理サーバ30は、結果を送信する(ステップS31)。具体的には、制御部31が、通信部33を介して、第1管理装置10に、結果を送信する。例えば、ステップS9の照合結果として、適切な工程であったか否かの情報、対象物を裁断または返却か否かの情報(対象物を裁断するか否かの裁断情報の一例)、および、ステップS7の照合結果として、所定の画像が撮像されていたか否かの情報を、制御部31が、第1管理装置10に送信する。
次に、第2管理装置20は、ステップS12のように、結果を受信する(ステップS32)。
このように、第2管理装置20は、前記撮像した画像から抽出された前記特徴量に基づき、前記記憶手段を参照して前記受け入れた対象物を特定した特定結果から、前記対象物を裁断するか否かの裁断情報を前記記憶手段から取得する裁断情報取得手段の一例として機能する。
次に、第2管理装置20は、ステップS13のように、画像データを消去する(ステップS33)。
このように、第2管理装置20は、前記裁断情報を取得するために前記撮像した画像を利用した後、当該画像を装置内部から消去する画像消去手段の一例として機能する。
次に、第2管理装置20は、対象物を振り分ける(ステップS34)。具体的には、第2管理装置20の制御部が、管理サーバ30から結果に基づき、搬送部13、リジェクタ25、および、シュレッダ27が、対象物を振り分ける。
例えば、図8に示すように、撮像部21により撮像された書類が、搬送部23のローラRによりリジェクタ25まで搬送される。ステップS27で所定の画像が撮影されていない場合、対象物の画像データからのテキスト化が終了していない場合、または、ステップS29の照合結果で、対象物の工程が適切な工程で無いと判定された場合、リジェクタ25が、リジェクタ25のトレイに書類を取り込む。一方、ステップS27で所定の画像が撮影されている場合、かつ、ステップS29の照合結果で、対象物の工程が適切な工程であると判定された場合、搬送部13が、保管機構26まで書類を搬送する。
そして、ステップS29の照合結果で、対象物を顧客に返却すると判定された場合、保管機構26が、返却用に保管機構26のトレイに書類を取り込む。一方、ステップS29の照合結果で、対象物を裁断すると判定された場合、搬送部13が、シュレッダ27まで書類を搬送する。
なお、顧客毎に保管機構26が複数ある場合、特徴量から求められた対象物IDに対応した顧客IDに基づき、第1管理装置20は、各保管機構に対応する対象物を振り分けてもよい。この場合、顧客毎に一連の工程を連続して行わなくても、混合して処理できるので、作業効率が高くなる。
このように、第2管理装置20は、前記管理情報および裁断情報に基づき、前記受け入れた対象物を、当該対象物を前記顧客に返却するために保管する返却保管機構、または、当該対象物を裁断する裁断機構に振り分ける振分手段の一例として機能する。また、第2管理装置20は、前記画像撮像手段の撮像が適切に行われたか否かの判定結果に基づき、前記返却保管機構、または、前記画像撮像手段の撮像が適切で無かった対象物を保管する保管機構に、前記受け入れた対象物を、振り分ける振分手段の一例として機能する。
シュレッダ27まで対象物が搬送された場合、第2管理装置20は、対象物を裁断する(ステップS35)。具体的には、シュレッダ27の裁断機24が、搬送部23より搬送されてきた書類等の対象物を裁断して、裁断の屑を、シュレッダ27のトレイに落とす。
次に、第2管理装置20は、処理結果を送信する(ステップS36)。具体的には、第2管理装置20の制御部が、通信部22を介して、第2管理装置20の装置IDおよび対象物IDと共に、対象物の振分結果、および、裁断結果を管理サーバ30に送信する。
なお、振分結果は、例えば、搬送部23、リジェクタ25、および、保管機構26の作動情報である。裁断結果は、例えば、シュレッダ27の裁断機24の作動結果である。裁断機24が正常に作動した場合、裁断結果は、裁断が完了したことを示す情報である。紙詰まり等で裁断機24が正常に作動しなかった場合、裁断結果は、裁断が未完了であることを示す情報である。
次に、管理サーバ30は、管理情報を更新する(ステップS37)。具体的には、制御部31が、装置ID、対象物ID、対象物の振分結果、裁断結果を受信する。
対象物がリジェクタ25に割り振られた場合、図12に示すように、制御部31が、対象物IDに基づき、現在の工程欄に装置IDに対応した工程番号を、適切な工程欄に、前の工程等の対象物が処理されるべき工程番号を記憶する。
対象物が保管機構26に割り振られた場合、制御部31が、対象物IDに基づき、現在の工程欄に装置IDに対応した工程番号を、データベース32の適切な工程欄に工程の終了を示す情報を記憶する。
対象物がシュレッダ27に割り振られ、裁断された場合、制御部31が、対象物IDに基づき、データベース32の適切な工程欄等に裁断の完了を示す情報を記憶する。裁断に失敗した場合、裁断が未完了であることを示す情報が記録される。
このように、管理サーバ30は、前記振分手段の振り分け結果に基づき前記対象物の工程の前記管理情報を更新して、進捗ステータスを更新する。
次に、管理サーバ30は、画像データを消去する(ステップS38)。具体的には、制御部31が、第2管理装置20からの対象物の工程の情報と、顧客からの納品用データの完納通知に基づき、納品用データを作成するための画像データをデータベース32から消去する。なお、制御部31が、納品用データもデータベース32から消去してもよい。
このように、管理サーバ30は、前記対象物情報を前記顧客に納品した後、当該対象物情報を前記記憶手段から消去する対象物情報消去手段の一例として機能する。
以上、本実施形態によれば、撮像した画像の電子データが装置内部から消去され、照合結果に応じて、対象物を振り分け、対象物の工程の管理情報を更新するので、セキュリティを向上して、電子データと対象物自体とを連動して管理できる。また、電子データと対象物自体とを連動して、対象物のトレーサビリティが向上する。
また、撮像が適切に行われたか否かの判定結果に基づき、受け入れた対象物を、第1保管機構または第2保管機構(例えば、リジェクタ15と保管機構16、リジェクタ25と保管機構26とシュレッダ27)に振り分ける場合、撮像が上手くできなかった対象物の混入を防止できる。
また、撮像した画像を登録するために、撮像した画像を出力する場合、画像の特徴量の抽出や、画像を登録等の撮像した画像を利用するため、画像を撮像して出力するが、撮像した画像を装置内部から消去するので、セキュリティを向上できる。
また、受け入れた対象物の状態を判定し、受入の判定結果を出力する場合、アラートのように通知することで、対象物受け入れが上手くできなかった対象物の混入を防止でき、判定結果を出力して管理できる。
(データベースの変形例)
次に、対象物の画像データおよび顧客に納品するための納品用のテキストデータのデータベースの変形例について、図17Aから図17Cを用いて説明する。
図17Aから図17Cは、管理サーバ30のデータベースの変形例を示す模式図である。
図17Aから図17Cに示すように、図13のデータベースの代わりに、氏名用の画像のデータベース、性別用の画像のデータベース、住所用の画像のデータベース等に分かれて、納品用のテキストデータを作成するためのデータベースが、データベース32に構築されてもよい。
工程P3において、制御部31が、特定された対象物IDと関連付けて、納品用データを作成するための各画像データを保存する。制御部31が、書類の画像データから、氏名用の画像データ、性別用の画像データ、住所用の画像データ等に分割してもよい。また、撮像部11が、書類の画像データから、氏名用の画像データ、性別用の画像データ、住所用の画像データ等に、別々に撮像してもよい。
氏名用の画像データ、性別用の画像データ、住所用の画像データ等が別々の端末装置40において、表示される。端末装置40が、画像を見ているユーザから、テキストデータの入力を受け付け、テキストデータを管理サーバ30に送信する。管理サーバ30は、各端末装置40からのテキストデータを、図17Aから図17Cに示すように、データベース32に保存する。
このように、管理サーバ30は、前記撮像した画像から読み取られた対象物情報を記憶する記憶手段の一例として機能する。
なお、ステップS2またはステップS22においてトラブルが発生した場合、ステップS14またはステップS34において、対象物がリジェクタ15またはリジェクタ25に振り分けられた時、フロントページの有無等により、管理サーバ30が、対象物のトレーサのため、対応の指示を出力してもよい。
例えば、フロントページが無い場合において、管理サーバ30が、初期受入確認の情報と照合して、書類の不足は無いとき、最初の工程P1にミスあると判定し、書類を探すか、または、フロントページを再作成するかの指示を主強くする。また、フロントページが無い場合において、管理サーバ30が、初期受入確認の情報と照合して、書類の不足するとき、1つ前の工程以前の工程にミス(封筒の開封作業等の工程P1も含む)を探すように指示を出力する。
フロントページのみがある場合(すなわち、顧客からの書類が全て欠損)において、管理サーバ30が、フロントページの工程履歴を辿る(フロントページのバーコード等の記号で紐付された電子データから探る)ように指示を出力する。
フロントページがあるが、対応する書類の一部が無い場合において、管理サーバ30が、フロントページの工程履歴を辿るように指示を出力する。
フロントページも、対応する書類も無い場合において、最終工程(工程P6)の納品時に発覚する場合、納品用データはあるが書類が無いとき、電子化されたフロントページから工程履歴を辿るように指示を出力し、電子化されたフロントページも納品用データも無いとき、初期受入確認の調査をするように指示を出力する。
これらのように、電子データと対象物自体とを連動して、対象物のトレーサビリティが向上する。
第1管理装置10および第2管理装置20が、画像処理を行って、対象物の画像から特徴量を抽出してもよい。この場合、画像出力手段は、撮像部11から第1管理装置10の制御部に、撮像した画像を出力し、撮像部21から第2管理装置20の制御部に、撮像した画像を出力する。そして、抽出した特徴量を、1管理装置10および第2管理装置20が、管理サーバ30に出力する。
なお、リジェクタ15および保管機構16の配置の順序は、図5の配置と逆でもよい。また、リジェクタ25、保管機構26、シュレッダ27の配置の順序は、図8の配置順でなくてもよい。シュレッダ27が最終の位置で無い場合、搬送部23により、シュレッダ27に取り込まれて、裁断機24で裁断される対象物と、次のリジェクタ25または保管機構26に搬送される対象物とに振り分けられる。
さらに、本発明は、上記各実施形態に限定されるものでは無い。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。