JP2017133448A - ディーゼルエンジンシステム - Google Patents

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翔 松山
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Ryoichi Shimamura
遼一 島村
哲郎 大西
Tetsuro Onishi
哲郎 大西
谷口 昌司
Masashi Taniguchi
昌司 谷口
上西 真里
Mari Uenishi
真里 上西
田中 裕久
Hirohisa Tanaka
裕久 田中
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Abstract

【課題】低出力状態においても効率よくDPFを再生でき、また、エンジンオイルの希釈を抑制でき、さらには、失火を抑制できるディーゼルエンジンシステムを提供すること。【解決手段】ディーゼルエンジンシステム1は、複数の気筒11を備えるディーゼルエンジン2と、吸気部3と、燃料供給部4と、排気部5と、排気部5に介在されるDPF6と、排気部5においてDPF6よりも排ガスの流れ方向上流側に配置される酸化触媒7と、ディーゼルエンジンの出力を検知する出力センサ9と、出力センサ9により検知されるディーゼルエンジン2の出力に応じて、燃料供給部4の作動を制御し、DPF6を再生可能とする制御ユニット10とを備える。制御ユニット10は、出力センサ9によりディーゼルエンジン2が比較的低出力状態であると検知される場合に、少なくとも1つの気筒11に対して燃料を噴射せず、その他の気筒11に対して燃料を噴射し、DPF6を再生する噴射制御を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジンシステムに関し、詳しくは、ディーゼルエンジンおよび微粒子捕集フィルタを備えるディーゼルエンジンに関する。
従来、ディーゼルエンジンの排気経路には、排ガスに含まれる排気微粒子(PM;Particulate matter)を捕集および除去するため、ディーゼルパティキュレートフィルター(DPF;Diesel particulate filter)が設けられている。
具体的には、ディーゼルエンジンにおいては、排ガスに含まれるPMがDPFにおいて捕集され、PMが除去された排ガスが外部に放出されている。一方、DPFは、PMを捕集するにしたがって、吸気および排気における圧損が上昇し、破損を生じる場合があり、また、捕集されたPMを放置すると、DPFがPMにより詰まる。
そこで、DPFに堆積したPMを燃焼させることも検討されるが、DPF上に大量に蓄積したPMが燃焼すると、連鎖的な燃焼反応が生じ、過剰な燃焼熱によりDPFが破損する場合がある。
そのため、DPFは、PMが過剰に堆積される前に、所定のタイミングで加熱され、DPF上に捕集されたPMが燃焼される。これにより、DPFが再生される。
DPFの再生方法としては、例えば、前段酸化触媒(DOC)を用いてDPFを加熱する方法が知られている。
より具体的には、例えば、排気通路に前段酸化触媒(DOC)および排気微粒子(PM)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)を備え、DPFの再生時期に、燃料噴射弁を用いてレイトポスト噴射を行うことで、DPFに捕集されたPMを再生処理するDPFの噴射制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような噴射制御装置では、ディーゼルエンジンにレイトポスト噴射された燃料が、排気通路に供給され、その排気通路内の前段酸化触媒(DOC)において酸化(燃焼)される。そして、このような酸化(燃焼)により排ガスが加熱され、加熱された排ガスがDPFに供給されることにより、DPFに堆積したPMが燃焼される。
特開2011−132906号公報
一方、ディーゼルエンジンは、アイドリングなどの低出力状態時には、燃料の噴射量が少なくなる。そして、ディーゼルエンジンにおいて、燃料の噴射量が少ないと、燃焼により生じる排ガスの温度が低くなる。そのような場合、燃料をレイトポスト噴射し、前段酸化触媒(DOC)により排ガスを加熱しても、排ガスがPM燃焼温度(例えば、600℃)に到達せず、PMを燃焼できない場合がある。
また、低出力状態時において、排ガスの温度が低いと、レイトポスト噴射した燃料がエンジン内に残留しやすく、エンジンオイルが希釈されやすいという不具合がある。
この点、例えば、低出力状態時に、ディーゼルエンジンに導入する空気量を低減することにより、空気による熱の持ち去りを抑制し、排ガスの温度を上昇させることも検討される。
しかし、空気量を低減することで、排ガスをPM燃焼温度(例えば、600℃)に到達させるためには、空気量を大幅に低減する必要がある。一方、空気量は調整が困難であるため、空気を過剰に低減すると、ディーゼルエンジン中の空気が欠乏し、失火を惹起するという不具合がある。
本発明の目的は、低出力状態においても効率よくDPFを再生でき、また、エンジンオイルの希釈を抑制でき、さらには、失火を抑制できるディーゼルエンジンシステムを提供することにある。
本発明[1]は、複数の気筒を備えるディーゼルエンジンと、前記気筒に空気を導入する吸気手段と、前記気筒に燃料を供給する燃料供給手段と、前記気筒から排ガスを排出する排気手段と、前記排気手段に介在され、排ガス中の微粒子を捕集する微粒子捕集フィルタと、前記排気手段において、前記微粒子捕集フィルタよりも前記排ガスの流れ方向上流側に配置される酸化触媒と、前記ディーゼルエンジンの出力を検知する検知手段と、前記検知手段により検知されるディーゼルエンジンの出力に応じて、前記燃料供給手段の作動を制御し、前記微粒子捕集フィルタを再生可能とする制御手段とを備えており、前記制御手段は、前記検知手段により前記ディーゼルエンジンが比較的低出力状態であると検知される場合に、少なくとも1つの前記気筒に対して燃料を噴射せず、その他の前記気筒に対して燃料を噴射することにより、前記微粒子捕集フィルタを再生する噴射制御を実行する、ディーゼルエンジンシステムを含んでいる。
また、本発明[2]は、さらに、前記ディーゼルエンジンを冷却水により冷却する冷却システムを備えており、前記制御手段は、前記冷却水の温度が40℃以下である場合に、前記噴射制御を実行する、上記[1]に記載のディーゼルエンジンシステムを含んでいる。
本発明のディーゼルエンジンシステムによれば、ディーゼルエンジンが比較的低出力状態である場合に、少なくとも1つの気筒に対して燃料を噴射せず、その他の気筒に対して燃料を噴射する。
そのため、本発明のディーゼルエンジンシステムによれば、ディーゼルエンジンが比較的低出力状態である場合、燃料は、限られた気筒に対して集中的に噴射され、1気筒あたりの燃料噴射量が増加する。そのため、空気量を大幅に低減しなくとも、各気筒における排ガス温度を上昇することができ、効率よく微粒子捕集フィルタを再生することができる。また、空気量を大幅に低減しないため、失火を抑制することができる。
さらに、本発明のディーゼルエンジンシステムでは、各気筒における排ガス温度の温度を比較的高くできるため、気筒内における燃料の残留を抑制し、エンジンオイルの希釈を抑制することができる。
図1は、本発明のディーゼルエンジンシステムの一実施形態を示す概略図である。
1.ディーゼルエンジンシステムの構成
図1は、本発明のディーゼルエンジンシステムの一実施形態を示す概略構成図である。
図1において、ディーゼルエンジンシステム1は、ディーゼルエンジン2と、吸気手段としての吸気部3と、燃料供給手段としての燃料供給部4と、排気手段としての排気部5と、排ガスから微粒子を除去するためのDPFユニット8と、ディーゼルエンジン2の出力を検知する検知手段としての出力センサ9と、燃料供給部4における燃料噴射弁19(後述)の作動を制御する制御手段としての制御ユニット10とを備えている。
ディーゼルエンジン2は、多気筒型のディーゼルエンジンである。ディーゼルエンジン2の気筒数は、複数(2つ以上)であれば、特に制限されず、例えば、2〜6つなどが挙げられる。ディーゼルエンジン2として、具体的には、2気筒型ディーゼルエンジン、3気筒型ディーゼルエンジン、4気筒型ディーゼルエンジン、6気筒型ディーゼルエンジンなどが挙げられる。図1では、3気筒型ディーゼルエンジンについて、詳述する。
ディーゼルエンジン2は、複数(3つ)の気筒11を備えている。以下において、3つの気筒11を区別する必要がある場合には、図1の紙面上から順に、気筒11a、気筒11bおよび気筒11cと称する。
各気筒11では、ピストン(図示せず)の昇降運動が繰り返されており、例えば、吸気工程、圧縮工程、爆発工程、排気工程が順次実施される。これにより、各気筒11において燃料が燃焼され、クランクシャフト(図示せず)が回転することにより、動力が出力されている。
吸気部3は、気筒11に空気を導入するためのユニットであり、具体的には、吸気マニホールド13およびコンプレッサ16を備えている。
吸気マニホールド13は、ディーゼルエンジン2の各気筒11へ空気を導入するために設けられる吸気多岐管であって、上流側が外部(外気)に開放される吸気側単管15と、吸気側単管15の下流側から分岐し、各気筒11の吸気ポート(図示せず)に接続される複数(3つ)の吸気分岐管14とを備えている。なお、複数の吸気分岐管14を区別する必要がある場合には、図1の上側から順に、吸気分岐管14a、吸気分岐管14bおよび吸気分岐管14cと称する。
コンプレッサ16は、吸気側単管15の流れ方向途中に介装されている。
コンプレッサ16は、空気を外部から吸気側単管15に吸入するための装置であって、公知のコンプレッサを用いることができる。
また、詳しくは図示しないが、吸気側単管15の流れ方向途中には、必要に応じて、空気から不純物を除去するためのエアクリーナー(図示せず)、空気を冷却するためのエアクーラー(図示せず)などが介装されている。
なお、吸気側単管15の流れ方向途中に、空気量を調整するスロットル弁が介装されていてもよいが、ディーゼルエンジン2においては、ガソリンエンジンとは異なり、スロットル弁が介装されていなくともよい。
燃料供給部4は、気筒11に燃料を供給するユニットであり、具体的には、燃料タンク17と、燃料供給管18と、燃料噴射弁19とを備えている。
燃料タンク17は、ディーゼルエンジン用の燃料(例えば、軽油など)を貯留するタンクであって、例えば、耐熱耐圧容器などから形成されている。
燃料供給管18は、燃料を、燃料タンク17から各気筒11に供給するための管であって、上流側端部が燃料タンク17に接続される燃料単管22と、燃料単管22の下流側から分岐し、各気筒11の燃料噴射弁19に接続される複数(3つ)の燃料分岐管21とを備えている。なお、複数(3つ)の燃料分岐管21を区別する必要がある場合には、図1の右側から順に、燃料分岐管21a、燃料分岐管21bおよび燃料分岐管21cと称する。
また、燃料単管22には、図示しない燃料ポンプなどが介装されており、その駆動により、燃料タンク17内の燃料を、燃料噴射弁19に供給可能としている。
燃料噴射弁19は、各気筒11へ燃料を噴射するための噴射弁であり、各気筒11に対応するように、それぞれ1つ設けられている。すなわち、燃料供給部4は、複数(3つ)の燃料噴射弁19を備えている。なお、複数の燃料噴射弁19を区別する必要がある場合には、図1の右側から順に、燃料噴射弁19a、燃料噴射弁19bおよび燃料噴射弁19cと称する。
また、各燃料噴射弁19は、制御ユニット10(後述)と電気的に接続されており、制御ユニット10(後述)からの電気信号に応じて、燃料を気筒11内に噴射可能としており、また、その噴射量を弁開度により調節可能としている。
排気部5は、気筒11において生じる排ガス(燃料の燃焼ガス)を、気筒11から排出するユニットであり、具体的には、排気マニホールド23を備えている。
排気マニホールド23は、ディーゼルエンジン2の各気筒11から排ガスを外部へ排出するために設けられる排気多岐管であって、各気筒11の排気ポート(図示せず)に接続される複数(3つ)の排気分岐管24と、それら排気分岐管24の下流側において、各排気分岐管24を1つに統合する排気側単管25とを備えている。なお、複数(3つ)の排気分岐管24を区別する必要がある場合には、図1の上側から順に、排気分岐管24a、排気分岐管24bおよび排気分岐管24cと称する。
また、排気側単管25の流れ方向途中には、排ガスを動力に変換するためのターボチャージャー30が介装されている。ターボチャージャー30は、公知のターボチャージャーでよく、例えば、排ガスの流れにより回転するタービン(図示せず)と、タービン(図示せず)の回転を伝達するシャフト(図示せず)などを備えるターボチャージャーなどが挙げられる。
また、排気側単管25の流れ方向途中、具体的には、ターボチャージャー30よりも下流側には、DPFユニット8が介装されている。
DPFユニット8は、排ガスから微粒子(PM;Particulate matter(詳しくは後述))を除去するための装置であって、排気側単管25に介装されるケース26と、そのケース26内に配置される微粒子捕集フィルタ(DPF;Diesel particulate filter)6および酸化触媒7とを備えている。
ケース26は、特に制限されないが、例えば、排気側単管25よりも広径の耐熱耐圧容器であって、排気側単管25に介在されている。また、ケース26には、必要により、その内部温度を検知する温度センサ(図示せず)が設けられている。
DPF6は、排ガス中の微粒子を捕集するためのフィルタであって、排気部5の排気側単管25に介在されている。具体的には、DPF6は、多孔円筒状に形成されており、排気側単管25中の排ガスの流れ方向途中において、ケース26中に配置されている。
酸化触媒7は、燃料(未燃焼ガス)が接触したときに、その燃料を酸化(燃焼)させる触媒であって、金属酸化物など、公知の酸化触媒が用いられる。
このような酸化触媒7は、例えば、ハニカム状の触媒担体などにコーティングされ、ケース26中において、上記のDPFよりも排ガスの流れ方向上流側に配置されている。
また、排気側単管25には、必要により、ターボチャージャー30およびDPFユニット8の下流側において、マフラー(図示せず)などが介装されていてもよい。
出力センサ9は、ディーゼルエンジン2の出力(負荷)を検知するセンサであって、特に制限されないが、例えば、ディーゼルエンジン2のトルク、回転数などを測定する公知のセンサが採用される。
制御ユニット10は、ディーゼルエンジンシステム1における電気的な制御を実行するユニット(例えば、ECU:Electronic Control Unit)であり、CPU、ROMおよびRAMなどを備えるマイクロコンピュータから構成されている。
制御ユニット10は、図1において破線で示されるように、出力センサ9および燃料噴射弁19に電気的に接続されており、詳しくは後述するが、出力センサ9により検知されるディーゼルエンジン2の出力に応じて、燃料噴射弁19の作動を制御可能としている。これにより、後述するように、DPF6を再生可能としている。
また、好ましくは、ディーゼルエンジンシステム1は、冷却システム31を備えている。
冷却システム31は、ディーゼルエンジン2を冷却水により冷却するシステムであって、例えば、冷却水を貯留する水タンク32と、冷却水をディーゼルエンジン2の外周に沿って循環させる水循環ライン(図1の矢印W参照)と、ディーゼルエンジン2を冷却した後の(すなわち、加温された)水を冷却するラジエータ(図示せず)とを備えている。
また、冷却システム31は、冷却水の温度を検知する水温センサ33を備えている。水温センサ33は、例えば、水タンク32内において、冷却水の温度を検知可能に配置されている。また、水温センサ33は、図1において破線で示すように、制御ユニット10に電気的に接続されており、冷却水の温度を制御ユニット10に入力可能としている。
さらに、ディーゼルエンジンシステム1は、燃費の向上を図る観点などから、必要に応じて、排気再循環(EGR; Exhaust Gas Recirculation)流路28(図1破線参照)を備えることができる。
EGR流路28は、排気側単管25の流れ方向途中部分(ターボチャージャー30およびDPFユニット8の間)と、吸気側単管15の流れ方向途中部分(コンプレッサ16の下流側)とを連結するバイパス管であって、その流れ方向途中には、図示しない開閉制御弁を備えている。このようなEGR流路28が備えられている場合には、排気側単管25中の排ガスが、EGR流路28を介して、吸気側単管15に循環可能とされ、その結果、排ガスが、再度、ディーゼルエンジン2に供給可能とされる。
2.ディーゼルエンジンシステムの駆動
ディーゼルエンジンシステム1では、各気筒11において、ピストンの昇降運動が繰り返され、吸気工程、圧縮工程、爆発工程および排気工程が順次実施される。
具体的には、コンプレッサ16が駆動され、また、気筒11の吸気ポート(図示せず)が開状態とされることにより、空気が吸気側単管15および吸気分岐管14を順次通過して、各気筒11に供給される(吸気工程)。
その後、気筒11の吸気ポート(図示せず)が閉状態とされ、各気筒11中を昇降運動するピストンによって、空気が圧縮される(圧縮工程)。
そして、気筒11内のピストンの昇降運動に応じた所定のタイミング(すなわち、空気圧縮率が所定値に至ったタイミング)で、燃料タンク17中の燃料が、燃料供給管18および燃料噴射弁19を介して、各気筒11に供給される。これにより、圧縮された高温高圧状態の空気に燃料が自然着火し、爆発する(爆発工程)。
また、これにより、燃料が燃焼され、気筒11内に排ガスが生じる。
その後、気筒11の排気ポート(図示せず)が開状態とされることにより、気筒11内の排ガスが、排気分岐管24および排気側単管25を順次通過して、外部に排出される(排気工程)。
この排気工程において、排ガスは、排気側単管25に介装されるターボチャージャー30を通過する。これにより、排ガスの流れが動力に変換され、ディーゼルエンジンシステム1から出力される。
一方、排ガスは、通常、微粒子(PM)を含んでいる。PMは、例えば、黒煙、可溶有機分(SOF)、燃料に含まれる硫黄分が化学変化した硫酸塩などを含んでいる。
このようなPMは、外気へ解放することが制限されている。そのため、上記のディーゼルエンジンシステム1では、排ガスが排気側単管25を通過するときに、PMがDPF6において捕集される。つまり、DPF6を通過した後の排ガスは、PMの含有量が低下している。そのため、DPF6を通過した後の排ガスを、外気に解放することができる。
3.DPFの再生
上記のように、DPF6は、PMを捕集する。しかし、DPF6は、PMを捕集するにしたがって、目詰まりを惹起し、捕集性能が低下する。また、DPF6が目詰まりすると、ディーゼルエンジンシステム1の運転効率の低下や、ディーゼルエンジンシステム1の損傷を惹起する場合がある。
そこで、ディーゼルエンジンシステム1では、所定のタイミングでDPF6が加熱される。これにより、DPF6上に捕集されたPMが燃焼され、DPF6が再生される。
具体的には、PMは、例えば、550℃以上、好ましくは、600℃以上において、燃焼される。すなわち、DPF6を、好ましくは、600℃以上に加熱することにより、DPF6に堆積したPMを燃焼し、DPF6を再生できる。
例えば、爆発工程において生じる排ガスの温度が、所定温度(好ましくは、600℃)以上であれば、排気工程において、排ガスが排気側単管25を通過するときに、DPF6が加熱される。
その結果、DPF6が所定温度(好ましくは、600℃)以上に昇温され、DPF6において捕集されたPMが、燃焼される。
一方、例えば、ディーゼルエンジンシステム1の駆動条件によっては、爆発工程において生じる排ガスの温度が、所定温度(好ましくは、600℃)未満である場合がある。
このような場合には、排ガスが排気側単管25を通過するときに、DPF6を所定温度(好ましくは、600℃)以上に加熱することができず、PMを燃焼できない場合がある。
そこで、ディーゼルエンジンシステム1では、ディーゼルエンジン2の駆動中において、DPF6を所定温度(好ましくは、600℃)以上に加熱するため、燃料を気筒11にポスト噴射する。
ポスト噴射とは、燃料を上記した爆発工程に供するためではなく、燃料を排気側単管25に供給するための噴射である。具体的には、ポスト噴射では、上記した爆発工程ではなく、上記した排気工程において、燃料が気筒11に噴射される。
気筒11にポスト噴射された燃料は、爆発工程において生じた排ガスと混合される。そして、燃料は、排気工程において、排ガスとともに、排気側単管25に供給される。
排気側単管25に供給された燃料は、DPFユニット8の酸化触媒7に接触し、酸化(燃焼)される。そして、燃料の酸化(燃焼)により排ガスが加熱され、その加熱された排ガスがDPFユニット8に充填され、DPF6に供給される。その結果、DPFユニット8内の温度が上昇し、DPF6に堆積したPMが燃焼される。
このようにして、燃料を気筒11にポスト噴射することにより、排ガスを加熱し、DPF6を所定温度(好ましくは、600℃)以上に加熱して、PMを燃焼させることができる。
しかし、ディーゼルエンジン2は、低出力状態時(例えば、アイドリング状態など)には、空気の吸入量に対して、燃料の噴射量が少なくなる。
そして、ディーゼルエンジン2において、燃料の噴射量が少ないと、燃焼により生じる排ガスの温度が低くなる。そのような場合、燃料を上記のようにポスト噴射し、酸化触媒7により排ガスを加熱しても、排ガスが所定温度(好ましくは、600℃)に到達せず、PMを燃焼できない場合がある。
また、低出力状態時において、排ガスの温度が低いと、ポスト噴射した燃料が気筒11内に残留しやすく、エンジンオイルが希釈されやすいという不具合がある。
この点、例えば、吸気側単管15にスロットルバルブなどを設け、低出力状態時に、ディーゼルエンジン2に導入する空気量を低減することにより、空気による熱の持ち去りを抑制し、排ガスの温度を上昇させることも検討される。
しかし、空気量を低減することで、排ガスをPM燃焼温度(例えば、600℃)に到達させるためには、空気量を大幅に低減する必要がある。一方、空気量は調整が困難であるため、空気を過剰に低減すると、ディーゼルエンジン2中の空気が欠乏し、失火を惹起するという不具合がある。
このような不具合を解決するため、上記のディーゼルエンジンシステム1では、低出力状態時には、制御ユニット10により、以下の噴射制御が実行される。
より具体的には、まず、出力センサ9が、ディーゼルエンジン2の出力状態(例えば、トルクおよび/または回転数)を検知し、その検知信号が制御ユニット10に送信される。そして、ディーゼルエンジン2の出力状態が比較的低出力状態であるか否かが、制御ユニット10により判断される。
比較的低出力状態は、例えば、ディーゼルエンジン2のトルクおよび/または回転数が、所定値以下の場合として、予め設定される。
より具体的には、例えば、ディーゼルエンジン2のトルクが、例えば、10Nm以下、好ましくは、3Nm以下である場合に、比較的低出力状態であると判断される。
なお、比較的低出力状態におけるトルクは、通常、0Nmを超過する。
また、例えば、ディーゼルエンジン2の回転数が、例えば、1000rpm以下、好ましくは、1200rpm以下である場合に、比較的低出力状態であると判断される。
なお、比較的低出力状態における回転数は、通常、600prm以上である。
そして、上記の基準によって、ディーゼルエンジン2が比較的低出力状態であると検知された場合、制御ユニット10により、少なくとも1つの気筒11に対する燃料の噴射(爆発工程における噴射)が停止される。
つまり、爆発工程において、少なくとも1つの気筒11に対して燃料を噴射せず、その他の気筒11に対して燃料を噴射する。
より具体的には、例えば、爆発工程において、図1における気筒11aに対する燃料の噴射を停止する。このとき、燃料の噴射が停止される気筒11aの吸気ポート(図示せず)および排気ポート(図示せず)は、閉状態とされる。
一方、気筒11bおよび気筒11cに対しては、燃料を噴射する。
つまり、燃料は、限られた気筒11(気筒11bおよび気筒11c)に対して集中的に噴射される。これによって、気筒11bおよび気筒11cに対しては、より多くの燃料が噴射される。
そして、気筒11bおよび気筒11cにおいて、吸気工程、圧縮工程、爆発工程および排気工程が順次実施される。
また、この噴射制御では、制御ユニット10により、少なくとも1つの気筒11に対する燃料のポスト噴射(排気工程における噴射)が停止される。
つまり、排気工程において、少なくとも1つの気筒11に対して燃料をポスト噴射せず、その他の気筒11に対して燃料をポスト噴射する。
より具体的には、上記のとおり燃料の噴射(爆発工程における噴射)が停止された気筒11と同じ気筒11(例えば、図1における気筒11a)に対して、燃料のポスト噴射(排気工程における噴射)を停止する。このとき、気筒11aの吸気ポート(図示せず)および排気ポート(図示せず)は閉状態とされる。
一方、気筒11bおよび気筒11cに対しては、燃料をポスト噴射(排気工程における噴射)する。
つまり、燃料は、限られた気筒11(気筒11bおよび気筒11c)に対して集中的にポスト噴射される。これによって、気筒11bおよび気筒11cに対しては、より多くの燃料がポスト噴射される。
そして、ポスト噴射された燃料は、気筒11bおよび気筒11cを介して、排気側単管25に供給され、DPFユニット8の酸化触媒7に接触し、酸化(燃焼)される。そして、燃料の酸化(燃焼)により排ガスが加熱され、その加熱された排ガスがDPFユニット8に充填され、DPF6に供給される。その結果、DPFユニット8内の温度が上昇し、DPF6に堆積したPMが燃焼される。
このような噴射制御によれば、ディーゼルエンジン2が比較的低出力状態である場合、燃料は、限られた気筒11に対して集中的に噴射され、1気筒あたりの燃料噴射量が増加する。そのため、空気量を大幅に低減しなくとも、各気筒11における排ガス温度を上昇することができ、効率よくDPF6を再生することができる。また、空気量を大幅に低減しないため、失火を抑制することができる。
さらに、上記のディーゼルエンジンシステム1では、各気筒11における排ガス温度の温度を比較的高くできるため、気筒11内における燃料の残留を抑制し、エンジンオイルの希釈を抑制することができる。
また、好ましくは、上記の噴射制御は、冷却システム31の冷却水の温度が、所定温度以下の場合に実行される。例えば、上記の噴射制御は、ディーゼルエンジン2の冷機運転時に、実行される。
より具体的には、ディーゼルエンジン2において上記の噴射制御を実行する場合、ディーゼルエンジン2による振動が増加する場合がある。
一方、上記の噴射制御を実行しない場合、ディーゼルエンジン2の振動は、通常、冷機運転時には比較的大きく、暖機運転時には比較的小さくなる。
そのため、振動が比較的小さい暖機運転時に、上記の噴射制御を実行すると、噴射制御に由来する振動が際立つ場合がある。
一方、振動が比較的大きい冷気運転時に、上記の噴射制御を実行すると、噴射制御に由来する振動は、冷機運転に由来する振動に吸収される。
そのため、上記の噴射制御を冷機運転時に実行すれば、ディーゼルエンジン2の振動を、上記の噴射制御を実行しない場合の冷機運転時と同程度とすることができる。
このような場合、冷機運転時の冷却水の温度は、例えば、50℃以下、好ましくは、40℃以下であり、通常、5℃以上である。
そして、このようなディーゼルエンジンシステム1によれば、ディーゼルエンジン2が比較的低出力状態である場合に、少なくとも1つの気筒11に対して燃料を噴射せず、その他の気筒11に対して燃料を噴射する。
そのため、このようなディーゼルエンジンシステム1によれば、ディーゼルエンジン2が比較的低出力状態である場合、燃料は、限られた気筒11に対して集中的に噴射され、1気筒あたりの燃料噴射量が増加する。そのため、空気量を大幅に低減しなくとも、各気筒11における排ガス温度を上昇することができ、効率よくDPF6を再生することができる。また、空気量を大幅に低減しないため、失火を抑制することができる。
さらに、本発明のディーゼルエンジンシステム1では、各気筒11における排ガス温度の温度を比較的高くできるため、気筒11内における燃料の残留を抑制し、エンジンオイルの希釈を抑制することができる。
そのため、このようなディーゼルエンジンシステム1は、例えば、車両(自動車、二輪車など)、船舶、航空機などの動力システムなどとして用いることができる。好ましくは、自動車の動力システムとして用いられる。
なお、上記した説明では、噴射制御において、1つの気筒に対する燃料の噴射を停止しているが、噴射制御では、1つ以上の気筒11に対して燃料が噴射されていればよく、燃料の噴射が停止される気筒11の数は、特に制限されない。例えば、2つ以上の気筒11に対する燃料の噴射を停止してもよい。また、そのような場合、停止される気筒11の数および位置は、ディーゼルエンジンシステム1の運転状況などに応じて、適宜選択される。
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。
比較例1
ディーゼルエンジン(3気筒型)を、回転数850rpm、トルク0Nmの低出力状態となるように0.5時間駆動した。
そして、駆動の前後における各気筒のエンジンオイルの希釈量(すなわち、エンジンオイルの増加量)を求めた。その結果、駆動前のエンジンオイル量に比べ、駆動後のエンジンオイル量は、0.083L増加していた。
また、上記の駆動に要した燃料の総量は、0.33Lであった。
実施例1
ディーゼルエンジン(3気筒型)を、回転数850rpm、トルク0Nmの低出力状態となるように0.5時間駆動した。
このとき、1つの気筒に対する燃料の噴射(燃焼用の噴射、および、ポスト噴射)を停止し、その他(2つ)の気筒に燃料を噴射した。
そして、駆動の前後における各気筒のエンジンオイルの希釈量(すなわち、エンジンオイルの増加量)を求めた。その結果、駆動前のエンジンオイル量に比べ、駆動後のエンジンオイル量は、0.036L増加していた。これは、比較例1の増加量に対して、0.43倍であった。
また、上記の駆動に要した燃料の総量は、0.275Lであった。これは、比較例1の燃料の総量に対して、0.83倍であった。
1 ディーゼルエンジンシステム
2 ディーゼルエンジン
3 吸気部
4 燃料供給部
5 排気部
6 微粒子捕集フィルタ
7 酸化触媒
9 出力センサ
10 制御ユニット

Claims (2)

  1. 複数の気筒を備えるディーゼルエンジンと、
    前記気筒に空気を導入する吸気手段と、
    前記気筒に燃料を供給する燃料供給手段と、
    前記気筒から排ガスを排出する排気手段と、
    前記排気手段に介在され、排ガス中の微粒子を捕集する微粒子捕集フィルタと、
    前記排気手段において、前記微粒子捕集フィルタよりも前記排ガスの流れ方向上流側に配置される酸化触媒と、
    前記ディーゼルエンジンの出力を検知する検知手段と、
    前記検知手段により検知されるディーゼルエンジンの出力に応じて、前記燃料供給手段の作動を制御し、前記微粒子捕集フィルタを再生可能とする制御手段と
    を備えており、
    前記制御手段は、
    前記検知手段により前記ディーゼルエンジンが比較的低出力状態であると検知される場合に、少なくとも1つの前記気筒に対して燃料を噴射せず、その他の前記気筒に対して燃料を噴射することにより、前記微粒子捕集フィルタを再生する噴射制御
    を実行する
    ことを特徴とする、ディーゼルエンジンシステム。
  2. さらに、前記ディーゼルエンジンを冷却水により冷却する冷却システムを備えており、
    前記制御手段は、
    前記冷却水の温度が40℃以下である場合に、前記噴射制御を実行する
    ことを特徴とする、請求項1に記載のディーゼルエンジンシステム。
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