JP2017133106A - 溶融亜鉛浴設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融亜鉛浴設備を提供する。
【解決手段】質量%でC:0.10〜0.30%、Si:0.05%以下、Mn:0.20〜2.0%を含有し、P:0.015%以下、S:0.030%以下、Al:0.070%以下に制限し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、圧延方向に平行、且つ、板面に垂直な板厚断面において、板厚方向で板面からt/4部までの表層の金属組織のうち、面積率で70%以上がベイナイト組織であり、残部がフェライト組織である鋼板を用いて構成される溶融亜鉛浴設備。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶融亜鉛浴設備に関するものである。
従来より、鉄鋼材料に施す経済的な防錆処理方法として、一般に溶融亜鉛めっき法が広く用いられている。このような溶融亜鉛めっき法は、溶融亜鉛が入れられた鋼製の浴槽に、めっきを施す鋼材を浸漬して行なわれる。
上述のような鋼製の浴槽は、溶融亜鉛と接触する界面において、溶融亜鉛と浴槽の鉄とが反応し、鉄−亜鉛合金層を形成するため、腐食が進行してしまう。この際の腐食速度は、溶融亜鉛の温度が500℃近傍である場合に非常に大きくなるので、浴槽の温度管理が適切でないと、短期間で減肉による破損が生じたり、穴あきが生じたりすることにより、浴槽が使用できなくなるという問題がある。
上述のような腐食の問題に対し、浴槽をなす鋼の化学成分組成において、Cの含有量を高め、且つ、Si及びPの含有量を抑えることにより、溶融亜鉛の温度が500℃近傍である場合の腐食速度を低減させた鋼材が提案されている(例えば、特許文献1〜4を参照)。特許文献1〜4に記載の鋼材によれば、鋼成分を上記組成とすることにより、溶融亜鉛による腐食作用に対して優れた耐食性を有し、浴槽の減肉や穴あき等を抑制することが可能となる。
特開昭49−130310号公報 特開昭53−8314号公報 特開昭54−99031号公報 特開2002−241888号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載の鋼材では、浴槽の減肉や穴あき等を抑制できる一方で、亜鉛の作用による割れが生じ、浴槽の寿命が短くなる場合があった。本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、溶融亜鉛浴設備を提供することを目的とする。
本発明者等は、溶融亜鉛腐食性に優れる化学成分の鋼を用いて、亜鉛割れ性に及ぼす金属組織の影響について鋭意検討を行なった。その結果、金属組織の70%以上(面積率)をベイナイト組織にすることにより、耐溶融亜鉛腐食性のみならず、耐亜鉛割れ性にも優れた鋼材が得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであり、その要旨とするところは以下の通りである。
[1] 質量%でC:0.10〜0.30%、Si:0.05%以下、Mn:0.20〜2.0%を含有し、P:0.015%以下、S:0.030%以下、Al:0.070%以下に制限し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、圧延方向に平行、且つ、板面に垂直な板厚断面において、板厚方向で板面からt/4部までの表層の金属組織のうち、面積率で70%以上がベイナイト組織であり、残部がフェライト組織である鋼板を用いて構成される溶融亜鉛浴設備。
[2] 前記鋼板が、さらに、質量%で、Nb:0.003〜0.050%、V:0.01〜0.10%、Ti:0.005〜0.050%のうちの1種または2種以上を含有する上記[1]に記載の溶融亜鉛浴設備。
[3] 前記鋼板が、さらに、質量%で、Cu:0.1〜0.5%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:0.1〜2.0%、Mo:0.02〜1.0%のうちの1種または2種以上を含有する上記[1]または[2]に記載の溶融亜鉛浴設備。
[4] 前記鋼板が、さらに、質量%で、Ca:0.0002〜0.0030%、Mg:0.0002〜0.0030%、REM:0.0002〜0.0030%のうちの1種または2種以上を含有する上記[1]から[3]のいずれか一項に記載の溶融亜鉛浴設備。
[5] 前記鋼板が、さらに、質量%で、B:0.0002〜0.0010%を含有する上記[1]から[4]のいずれか一項に記載の溶融亜鉛浴設備。
本発明の耐溶融亜鉛腐食性および耐亜鉛割れ性に優れた溶融亜鉛浴設備用鋼板を用いて溶融亜鉛浴用釜(浴槽)を構成することにより、腐食や割れ等が生じにくく、長寿命の溶融亜鉛浴用釜が得られるので、産業上の効果は極めて大きく、また、構造物の安全性の観点から社会に対する貢献も計り知れない。
本発明に係る溶融亜鉛浴設備用鋼板の一例を模式的に説明するための図であり、金属組織の形態と溶融亜鉛腐食量との関係を示すグラフである。 本発明に係る溶融亜鉛浴設備用鋼板の一例を模式的に説明するための図であり、金属組織の形態とSLM−400値との関係を示すグラフである。
以下、本発明の耐溶融亜鉛腐食性および耐亜鉛割れ性に優れた溶融亜鉛浴設備用鋼板(以下、単に溶融亜鉛浴設備用鋼板と略称することがある)とその製造方法の実施の形態について、図面を適宜参照しながら説明する。
なお、この実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために詳細に説明するものであるから、特に指定の無い限り、本発明を限定するものではない。
また、以下の説明において、化学成分組成における各成分の含有量を示す「%」は、特に指定の無い限り「質量%」を示す。
[溶融亜鉛浴設備用鋼板]
本発明の耐溶融亜鉛腐食性および耐亜鉛割れ性に優れた溶融亜鉛浴設備用鋼板は、質量%でC:0.10〜0.30%、Si:0.05%以下、Mn:0.20〜2.0%を含有し、P:0.015%以下、S:0.030%以下、Al:0.070%以下に制限し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、圧延方向に平行、且つ、板面に垂直な板厚断面において、板厚方向で板面からt/4部までの表層の金属組織のうち、面積率で70%以上がベイナイト組織とされ、概略構成される。
<化学成分組成>
本発明の溶融亜鉛浴設備用鋼板は、C:0.10〜0.30%、Si:0.05%以下、Mn:0.2〜2.0%、P:0.015%以下、S:0.030%以下、Al:0.070%以下の各成分を必須元素(あるいは不可避的元素)として含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。
また、本発明の溶融亜鉛浴設備用鋼板では、さらに、質量%で、Nb:0.003〜0.050%、V:0.01〜0.10%、Ti:0.005〜0.050%、Cu:0.1〜0.5%、Ni:0.1〜2.0%、Cr:0.1〜2.0%、Mo:0.02〜1.0%、Ca:0.0002〜0.0030%、Mg:0.0002〜0.0030%、REM:0.0002〜0.0030%、B:0.0002〜0.0010%のうちの1種または2種以上を、適宜選択して含有する構成とすることができる。
以下に、本発明における鋼材の化学成分組成の限定理由を説明する。
「C:炭素」0.10〜0.30質量%
Cは、鋼板の強度向上のために重要な元素であり、ベイナイトの生成にも寄与する。Cの含有量が0.10質量%未満になると、鋼板の耐溶融亜鉛腐食性が大きく低下し、ベイナイトの生成が不十分になって耐溶融亜鉛割れ性も低下することから、0.10質量%以上のCを添加する必要がある。また、良好な焼入れ性を確保する観点から、0.12質量%超の添加がより好ましい。但し、Cを0.30質量%以上添加すると、鋼板の溶接性が劣化するため、0.30質量%を上限とした。
「Si:ケイ素」0.05質量%以下
Siは、脱酸作用を有するが、強力な脱酸元素であるAlが十分に添加されている場合には不要である。Siは、母材を強化する作用もあるが、他の元素に比べるとその効果は相対的に小さい。また、Siは、耐溶融亜鉛腐食性を大きく低下させることから、その含有量が少ない方が好ましく、操業上安定して低減可能な0.05質量%を上限とする。また、製鋼上の制限もあるが、Siの含有量を0.02質量%以下とすることがより好ましい。
「Mn:マンガン」0.20〜2.0質量%
Mnは、母材強度およびベイナイトを確保する観点から添加する元素であり、母材強度および耐溶融亜鉛割れ性に寄与するためには0.20質量%以上の添加が必要である。また、同時に添加するCの添加量が0.12質量%以下と低い場合には、目標となる組織を安定的に得るため、Mnを0.5質量%超で添加することが好ましい。但し、2.0質量%以上のMnの添加は、溶接性を大きく劣化させることから、Mnの添加範囲を0.20〜2.0質量%とした。
「P:リン」0.015質量%以下
Pは、不純物元素であり、不可避的に鋼板中に含有されるが、Siと同様に耐溶融亜鉛腐食性を大きく低下させ、溶接性にも悪影響を及ぼすことから、その含有量は少ない方が好ましく、操業上安定して低減可能な0.015質量%を上限とした。また、製鋼上の制限もあるが、Pの含有量は0.008質量%以下とすることがより好ましい。
「S:硫黄」0.030質量%以下
Sも、上記Pと同様、鋼板中に不可避的に含有される元素であるが、Sは母材靭性や溶接性を低下させるため、少ない方が好ましいことから、操業上安定して低減可能な0.030質量%を上限とした。
「Al:アルミニウム」0.070質量%以下
Alは、脱酸に用いられる元素であり、その脱酸効果を得るためには0.015質量%以上の添加が好ましい。しかしながら、0.070質量%以上のAlの添加は、鋼中に粗大な介在物を多く存在させ、靭性を低下させることから、その上限を0.070質量%とした。
「Nb:ニオブ」0.003〜0.050質量%
「V:バナジウム」0.01〜0.10質量%
「Ti:チタン」0.005〜0.050質量%
Nb、V、Tiは、本発明における選択的元素であり、母材強度を確保させるために必要に応じて添加するが、ともに多く添加すると母材靭性や溶接性を劣化させることから、Nbを0.003〜0.050質量%、Vを0.01〜0.10質量%、Tiを0.005〜0.050質量%の添加量とした。また、これらの各元素は、母材強度確保の観点から、それぞれ単独で添加しても、複合添加しても良い。
「Cu:銅」0.1〜0.5質量%
「Ni:ニッケル」0.1〜2.0質量%
「Cr:クロム」0.1〜2.0質量%
「Mo:モリブデン」0.02〜1.0質量%
Cu、Ni、Cr、Moも、本発明における選択的元素であり、上述したNb、V、Tiと同様に、母材強度を確保させるために必要に応じて添加するが、ともに多く添加すると母材靭性や溶接性を劣化させることから、Cuを0.1〜0.5質量%、Niを0.1〜2.0質量%、Crを0.1〜2.0質量%、Moを0.02〜1.0質量%の添加量とした。また、これらの各元素は、母材強度確保の観点から、それぞれ単独で添加しても、複合添加しても良い。
「Ca:カルシウム」0.0002〜0.0030質量%
「Mg:マグネシウム」0.0002〜0.0030質量%
「REM:希土類元素(ランタノイド系元素)」0.0002〜0.0030質量%
Ca、Mg、REMも、本発明における選択的元素であり、大入熱溶接熱影響部の靭性を確保するために必要に応じて添加するが、大量に添加すると鋼中に粗大介在物が残留して母材や溶接熱影響部の靭性を低下させることから、Caを0.0002〜0.0030質量%、Mgを0.0002〜0.0030質量%、REMを0.0002〜0.0030質量%の添加量とした。また、これらの各元素は、母材強度確保の観点から、それぞれ単独で添加しても、複合添加しても良い。
「B:ボロン(ホウ素)」0.0002〜0.0010質量%
Bも、本発明における選択的元素であり、鋼板の母材強度を確保するために必要に応じて添加する。その母材強度効果は、Bの0.0002%以上の添加から発現するが、大量に添加すると母材靭性や溶接性を劣化させることがあることから、0.0002〜0.0010質量%の添加量とした。
<金属組織>
本発明の溶融亜鉛浴設備用鋼板は、圧延方向に平行、且つ、板面に垂直な板厚断面において、板厚方向で板面からt/4部までの表層の金属組織のうち、面積率で70%以上がベイナイト組織として構成されている。なお、本発明では、光学顕微鏡によって金属組織を観察し、ラス状の組織をベイナイト組織(ベイナイト相とも称する)と判定する。ベイナイト組織の残部は、フェライト組織(フェライト相とも称する)である。
上述のような化学成分組成を有する鋼は、例えば、上記鋼成分とされた鋼塊を真空溶解炉で溶製することによって得られる。また、金属組織は、詳細を後述する製造方法において、鋼塊から鋼板を製造する際の圧延温度と冷却条件を変えることで変化させることができる。これにより、表層の金属組織が、ベイナイト相単独か、または、フェライト相とベイナイト相とが混合するものとなる鋼板を製造することができる。
本発明者等は、上記組成とされた溶融亜鉛浴設備用鋼板を用いて、溶融亜鉛腐食と亜鉛割れ試験を行い、この結果を図1及び図2のグラフに示した。ここで、溶融亜鉛腐食は、鋼板から採取した試験片を溶融した純亜鉛に浸漬し、単位面積当たりの重量の変化で耐溶融亜鉛腐食性を評価する試験である。また、亜鉛割れ試験は、切欠付き丸棒引張り試験の切欠きに溶融亜鉛を付着させ、高温で荷重を負荷する試験である。
図1は、金属組織形態と溶融亜鉛腐食量との関係を示すグラフであり、金属組織形態の違いによる腐食速度の変化は認められなかった。
図2は、金属組織形態とSLM−400値(%)の関係を示すグラフである。SLM−400値は耐溶融亜鉛割れ性の指標で、SLMとは、試験片に溶融亜鉛めっきを施した場合の、NBT試験(切欠付き丸棒引張り試験)を試験温度500℃で行い、破断強度を、めっきを施さない場合の破断強度で除した値であり、SLM−400値は、破断時間が400秒の際のSLMを表し、この数値が大きいほど耐亜鉛割れ性が高いことを示す。
本発明者等は、図2のグラフに示すように、鋼板の耐亜鉛割れ性は、金属組織中にベイナイト組織を含む方が高くなることを見出した。また、本発明者等は、耐亜鉛割れ性は、粒状のフェライトが少ない方が高く、ベイナイト組織を70%以上含むことで耐亜鉛割れ性が向上することを見出した。さらに、ベイナイト組織を80%以上含む金属組織とすることで、耐亜鉛割れ性が大きく向上することを見出した。本発明の溶融亜鉛浴設備は、上述のような知見に基づいてなされたものであり、非常に優れた耐溶融亜鉛腐食性および耐亜鉛割れ性を同時に実現できるものである。
以上説明したように、本発明の耐溶融亜鉛腐食性および耐亜鉛割れ性に優れた溶融亜鉛浴設備用鋼板を用いて溶融亜鉛浴用釜(浴槽)を構成することにより、腐食や割れ等が生じにくく、長寿命の溶融亜鉛浴用釜が得られるので、産業上の効果は極めて大きく、また、構造物の安全性の観点から社会に対する貢献も計り知れない。
[溶融亜鉛浴設備用鋼板の製造方法]
本発明の耐溶融亜鉛腐食性および耐亜鉛割れ性に優れた溶融亜鉛浴設備用鋼板の製造方法は、上述した化学成分組成を有する鋼を鋳造してスラブとし、該スラブをそのままか、あるいは、冷片とした後、950℃以上に加熱し、板表面温度が、Ar点+150℃以下、且つ、Ar点以上の温度域で仕上げ圧延を行い、直ちに、水冷する方法である。
Ar(℃)=910−310C−80Mn−20Cu−15Cr−55Ni−80Mo−0.35(t−8) ・・・・・ (1)
但し、上記(1)式において、tは仕上げ圧延後の板厚(mm)であり、各成分は質量%である。
以下に、本発明の溶融亜鉛浴設備用鋼板の製造方法における限定理由について説明する。
「圧延前の鋳片の加熱温度」
本発明の製造方法においては、圧延前の鋳片の加熱温度を950℃以上とする。本発明では、規定の化学成分組成を有した鋼を鋳造して鋳片(スラブ)とした後、この鋳片をそのままか、あるいは冷片とした後、950℃以上に加熱し、圧延前の鋳片全体が950℃以上となるように、炉内に保持する。
このような圧延前の鋳片の加熱温度が低くなり過ぎると、鋳片の圧延時に、圧延機にかかる負荷が大きくなることから、下限温度を950℃とした。また、この加熱温度は、好ましくは1000℃以上、より好ましくは1100℃以上とする。加熱温度の上限は、特に制限しないが、生産性を考慮すると、1250℃が好ましい。金属組織の粗大化を抑制するために、より好ましくは加熱温度の上限を1150℃とする。
「仕上げ圧延温度」
本発明の製造方法においては、上述したように、仕上げ圧延温度について、鋼板表面温度が、Ar点+150℃以下、且つ、Ar点以上の温度域としている。仕上げ圧延を行なう際の温度域をこの範囲とし、直ちに水冷することで、鋼板の表層、つまり、板面からt/4部までの層域における金属組織の70%以上(面積率)をベイナイト組織とすることが可能となる。
なお、鋼板表面温度は、放射温度計で測定できる。
本発明の製造方法では、鋼板の金属組織に占めるベイナイト組織の割合を上記範囲とするため、オーステナイト域の温度で仕上げ圧延を終え、水冷する必要があることから、仕上げ圧延温度の下限を、上記(1)式によって規定されるAr点の温度とした。また、仕上げ圧延温度が高過ぎると、後工程の水冷の際に冷却不足や冷却むらが生じ、不均一な組織になることから、仕上げ圧延温度の上限をAr点+150℃とした。
なお、Ar点を求めるための上記(1)式としては、参考文献{「制御圧延・制御冷却」小指軍夫著、地人書館(1997)}p.26に記載の式(2−3)を用いた。
また、仕上げ圧延後の板厚は、鋼板を溶融亜鉛浴用釜に用いる場合、通常、例えば、6mm〜70mm程度の板厚とすることができ、また、この際の総圧延率は、80〜98%程度とすれば、鋼板特性を損なうことなく、且つ、高い生産性で溶融亜鉛浴設備用鋼板を製造することが可能となり、望ましい。
「水冷条件」
本発明の製造方法においては、上記温度領域において仕上げ圧延を行なった後、直ちに鋼板を水冷手段によって冷却することが好ましい。このように、仕上げ圧延後、直ちに水冷を開始する目的は、フェライト組織の生成を抑制し、ベイナイト組織の面積率を70%以上にすることであり、圧延機から水冷装置まで搬送する間の空冷は許容される。また、水冷の停止温度は、特に制限しないが、過剰な硬化を抑制して靱性を確保する必要がある場合は、450〜700℃が好ましい。なお、冷却速度は板厚によって変化するため、予備試験等を行い、所望の金属組織が得られるように、水冷の水量密度を制御すればよい。
以下、本発明に係る耐溶融亜鉛腐食性および耐亜鉛割れ性に優れた溶融亜鉛浴設備用鋼板およびその製造方法の実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、もとより下記実施例に限定されるものではなく、前、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
[サンプルの製造]
製鋼工程において溶鋼の脱酸・脱硫と化学成分を制御し、連続鋳造によって下記表1に示す化学成分のスラブを製造した。この際、加熱温度は、下記表2に示す温度とした。次いで、下記表2及び表3に示す製造条件で前記スラブを再加熱(仕上げ圧延温度)し、仕上げ圧延することで板厚32〜70mmに仕上げ、直ちに水冷による加速冷却を行い、溶融亜鉛浴設備用鋼板を製造した。なお、一部の鋼板は、比較のために、仕上げ圧延後、空冷した(下記表2中における圧延条件B1「圧延後水冷:無し」)。
[評価試験]
上記方法によって製造した溶融亜鉛浴設備用鋼板について、以下のような評価試験を行った。
金属組織の評価については、鋼板の板面からt/4部の表層を顕微鏡で観察し、100倍で撮影した写真から、表層の金属組織においてベイナイト組織が占めている割合を画像解析にて調査した。そして、鋼板表層の金属組織におけるベイナイト組織が70%以上のものを「○」とし、70%未満のものを「×」として評価した。
また、耐溶融亜鉛腐食性の評価については、鋼板の表層から採取した40mm×25mm×4mmの試験片を、温度が500℃とされた純度99.99%の亜鉛中に24時間浸漬させた。そして、24時間浸漬後の腐食が200mg/cm以下であるものを「○」とし、200mg/cm超であるものを「×」として評価した。
また、耐亜鉛割れ性の評価については、NBT試験(切欠付き丸棒引張り試験)で評価した(新日鉄技報348号、1993年、p.63−70を参照)。そして、試験片の切欠に亜鉛線材を巻き付けて加熱し、溶融亜鉛を付着させ、試験温度を500℃として、破断時間400秒におけるSLM値(SLM−400値)が80%以上であるものを「○」とし、80%未満のものを「×」として評価した。
また、溶接性の試験として、y型溶接割れ試験(JIS Z3158)により断面割れの発生の有無で評価した。すなわち、それぞれの最終板厚のもので、ルート間隔1.0mmとして、開先を用意し、溶接材料としてYGW15(JIS Z3312)規格のソリッドワイヤ材を用いて、入熱量30〜36kJ/cmで、MAG溶接による多層盛溶接を行って、y型溶接試験片を作製し、y型溶接部の各5断面の鏡研磨面において、断面割れの有無を肉眼で確認した。各5断面で断面割れが、肉眼で全く観察されなかったものを「○」とし、1断面以上で断面割れが肉眼で確認されたものは「×」として評価した。
本実施例における鋼板(本発明鋼および比較鋼)の化学成分組成の一覧を下記表1に示すとともに、仕上げ圧延前の加熱温度、仕上げ圧延温度および水冷の有無の圧延条件一覧を下記表2に示す。また、下記表1に示す化学成分組成を有する鋼の各々と製造条件の組み合わせの一覧、及び、各評価結果の一覧を下記表3に示す。
Figure 2017133106
Figure 2017133106
Figure 2017133106
[評価結果]
表1〜表3に示すように、本発明で規定する化学成分組成を有し、本発明で規定する製造条件によって作製した溶融亜鉛浴設備用鋼板(本発明鋼)は、鋼板の表層における金属組織の70%以上をベイナイト組織が占めており、また、耐溶融亜鉛腐食性、耐亜鉛割れ性及び耐溶接割れ性の評価が何れも○の評価であり、耐溶融亜鉛腐食性および耐亜鉛割れ性に優れていることが明らかとなった。
これに対し、比較鋼である鋼板記号C1およびC2はC量が少ないため、鋼板表層の金属組織に占めるベイナイト組織が少なく、耐溶融亜鉛腐食性および耐亜鉛割れ性の何れもが劣っている。また、C3およびC10はSi量が多いため、耐溶融亜鉛腐食性が劣っている。また、C4はP量が多いため、耐溶融亜鉛腐食性および溶接性が劣っている。
また、比較鋼である鋼板記号C5〜C8は、化学成分組成は本発明で規定する範囲に含まれているものの、何れも仕上げ圧延後の水冷を行なわなかった例であり、製造条件が本発明で規定する範囲に含まれていないため、鋼板表層の金属組織に占めるベイナイト組織が少なく、耐溶融亜鉛腐食性は良好であるものの、耐亜鉛割れ性が劣っている。
また、比較鋼である鋼板記号C9はC量が多く、C11はMn量が多いため、耐溶接割れ性が劣っている。また、C12はMn量が少ないため、鋼板表層の金属組織に占めるベイナイト組織が少なく、耐亜鉛割れ性が劣っている。
また、比較鋼である鋼板記号C15は、仕上げ圧延温度が低いため、鋼板表層の金属組織に占めるベイナイト組織が少なく、耐亜鉛割れ性の評価が劣っている。
以上説明した実施例の結果より、本発明の耐溶融亜鉛腐食性および耐亜鉛割れ性に優れた溶融亜鉛浴設備用鋼板が、溶融亜鉛による腐食に対して優れた耐食性を有し、且つ、溶融亜鉛に起因した割れが生じにくく、優れた鋼板特性を有していることが明らかである。

Claims (5)

  1. 質量%で
    C :0.10〜0.30%、
    Si:0.05%以下、
    Mn:0.20〜2.0%
    を含有し、
    P :0.015%以下、
    S :0.030%以下、
    Al:0.070%以下
    に制限し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
    圧延方向に平行、且つ、板面に垂直な板厚断面において、板厚方向で板面からt/4部までの表層の金属組織のうち、面積率で70%以上がベイナイト組織であり、残部がフェライト組織である鋼板を用いて構成される溶融亜鉛浴設備。
  2. 前記鋼板が、さらに、質量%で、
    Nb:0.003〜0.050%、
    V :0.01〜0.10%、
    Ti:0.005〜0.050%
    のうちの1種または2種以上を含有する請求項1に記載の溶融亜鉛浴設備。
  3. 前記鋼板が、さらに、質量%で、
    Cu:0.1〜0.5%、
    Ni:0.1〜2.0%、
    Cr:0.1〜2.0%、
    Mo:0.02〜1.0%
    のうちの1種または2種以上を含有する請求項1または請求項2に記載の溶融亜鉛浴設備。
  4. 前記鋼板が、さらに、質量%で、
    Ca:0.0002〜0.0030%、
    Mg:0.0002〜0.0030%、
    REM:0.0002〜0.0030%
    のうちの1種または2種以上を含有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の溶融亜鉛浴設備。
  5. 前記鋼板が、さらに、質量%で、
    B:0.0002〜0.0010%
    を含有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の溶融亜鉛浴設備。
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