JP2017127932A - ロボット装置、ロボット制御方法、部品の製造方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】コスト及び設置スペースの増加を抑制する。【解決手段】ロボット装置100は、ロボット2001,2002と、ロボット2001に支持された被ガイド部材250と、ロボット2002に支持され、被ガイド部材250を案内するガイド部材260と、ロボット2001,2002の動作を制御する制御部を有する制御装置300と、を備えている。制御部は、ロボット2002の動作を制御して、被ガイド部材250を案内する位置姿勢にガイド部材260を位置決めし、ロボット2001の動作を制御して、ガイド部材260に案内された状態でロボット2001にて作業対象に作業を施す。【選択図】図2
Description
本発明は、作業ロボットを有するロボット装置、ロボット制御方法、部品の製造方法、プログラム及び記録媒体に関する。
一般に、多関節のロボットアームの先端にロボットハンドを取り付けて構成されたロボットを用いて、組付ワークを被組付ワークに組付ける組付作業を行っている。例えば、被組付ワークの上方の作業開始位置に組付ワークを移動させた後、組付ワークを作業開始位置から下方に移動させて、組付作業を行っている。
この組付作業の際、ロボットを高速で動作させると、ロボットの振動によりロボットのロボットハンドが目標軌跡から位置ずれする。このロボットハンドの位置ずれにより、ロボットハンドが把持した組付ワークが、被組付ワークの面取り部分に接触する。
ロボットハンドを更に下降させると、コンプライアンス制御によって、面取り部分の斜面から組付ワークが受ける力によってロボットハンドの位置が修正され、組付ワークが被組付ワークに組み付けられる。この面取りが大きければ、ロボットハンドの目標軌跡からのずれを許容できるが、製品の機能・形状の制約から、部品に面取り部分を十分に確保できないことがある。
これに対し、別途設置されたガイドレールに、ロボットハンドに取り付けたガイドフックを押し付けて案内されることによって、組付作業を行う方法が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1の方法では、作業箇所に対して固有のガイドレールが必要となる。そのため、作業ロボットが複数箇所で組付作業を行う場合、作業箇所分のガイドレールが必要になってしまい、コスト及び設置スペースが増加するという問題があった。このような問題は、組付作業以外の作業、例えばツールを用いてねじ止めをする作業などでも生じ得る。
そこで、本発明は、コスト及び設置スペースの増加を抑制することを目的とする。
本発明のロボット装置は、作業ロボットと、前記作業ロボットに支持された被ガイド部材と、前記被ガイド部材を案内するガイド部材と、前記ガイド部材を支持し、前記ガイド部材の位置姿勢を設定する駆動機構と、前記作業ロボット及び前記駆動機構の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記作業ロボットの動作を制御して、前記作業ロボットにて作業対象に作業を施す作業処理と、前記作業処理に先立ち、前記駆動機構の動作を制御して、前記作業処理時に前記被ガイド部材を案内する位置姿勢に、前記ガイド部材を位置決めするガイド位置決め処理と、を実行する。
本発明によれば、駆動機構によりガイド部材の位置姿勢を変更することができるので、ガイド部材を複数の位置に各々設置する必要が無くなり、コスト及び設置スペースの増加を抑制することができる。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るロボット装置の作業ロボットを示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係るロボット装置全体の説明図である。なお、作業対象であるワークW1は、例えばリング状の部材であり、作業対象であるワークW2は、例えばリング状の部材が嵌る突起部を有する部材である。
図1は、第1実施形態に係るロボット装置の作業ロボットを示す斜視図である。図2は、第1実施形態に係るロボット装置全体の説明図である。なお、作業対象であるワークW1は、例えばリング状の部材であり、作業対象であるワークW2は、例えばリング状の部材が嵌る突起部を有する部材である。
ロボット装置100は、作業ロボットとしてのロボット2001と、駆動機構(補助ロボット)としてのロボット2002と、ロボット2001,2002の動作を制御する制御装置300と、を備えている。即ち、ロボット装置100は、双腕ロボットを備えている。また、ロボット装置100は、計測部としての撮像装置400及び画像処理装置500と、教示部としてのティーチングペンダント700と、を備えている。なお、図1では、双腕ロボットの一方のみを図示している。ロボット2001,2002は、同様の構成であり、以下ロボット2001の構成について説明し、ロボット2002の構成の説明は省略する。
ロボット2001は、垂直多関節のロボットアーム201と、ロボットアーム201の先端に取り付けられた、ロボット2001の手先であるエンドエフェクタとしてのロボットハンド202と、を有している。
また、ロボット2001は、ロボットアーム201の先端とロボットハンド202との間に配置された、検知部としての力覚センサ203を有している。よって、ロボットハンド202は、ロボットアーム201の先端に力覚センサ203を介して取り付けられることになる。
ロボットアーム201は、架台150に固定されるベース部(基端リンク)210と、変位や力を伝達する複数のリンク211〜216とが関節J1〜J6で揺動(旋回)又は回転可能に連結されている。第1実施形態では、ロボットアーム201は、揺動する3軸と回転する3軸の6軸の関節J1〜J6で構成されている。ここで、揺動する関節を揺動部、回転する関節を回転部と呼ぶ。ロボットアーム201は、6つの関節J1〜J6から構成され、関節J1,J4,J6が回転部、関節J2,J3,J5が揺動部である。
ロボットアーム201の各関節J1〜J6には駆動装置が設けられている。各関節J1〜J6の駆動装置は、必要なトルクの大きさに合わせて適切な出力のものが用いられる。
ロボットハンド202は、ハンド本体220と、ハンド本体220に開閉可能に支持された複数のフィンガー221とを有している。ハンド本体220は、複数のフィンガー221を駆動する不図示の駆動装置と、不図示の駆動装置の回転角度を検出する不図示のエンコーダと、回転を把持動作に変換する不図示の機構とを有している。この不図示の機構は、カム機構やリンク機構などで必要な把持動作に合わせて設計される。なお、ロボットハンド202に用いる不図示の駆動装置に必要なトルクは、ロボットアーム201の関節用と異なるが、基本構成は同じである。
複数のフィンガー221を閉動作させることにより、組付ワーク(第1のワーク)であるワークW1を把持することができ、複数のフィンガー221を開動作させることにより、ワークW1を把持解放することができる。ロボットハンド202は、複数のフィンガー221を用いてワークW1を把持することにより、ワークW1を被組付ワーク(第2のワーク)であるワークW2に組付ける組付作業を行うことができる。組付作業により、組立てられた部品W0が製造される。
力覚センサ203は、ロボット2001の手先(つまりロボットハンド202)にかかる力を検知する。力覚センサ203は、6軸力覚センサであり、検知する力は、X軸、Y軸、Z軸の3軸の力成分と、各軸まわりのモーメント成分からなる。
撮像装置400は、デジタルカメラである。撮像装置400は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像センサ401を有する。撮像装置400は、架台150(ロボットアーム201のベース部210)に対して移動しないように、架台150に固定されている。撮像装置400は、撮像範囲内(画角内)の被写体を撮像する。第1実施形態では、ロボットハンド202及びロボットハンド202に把持されたワークW1が被写体となる。画像処理装置500は、撮像装置400により撮像された画像を処理して、ロボットハンド202に対するワークW1の位置姿勢を求める。第1実施形態では、撮像装置400及び画像処理装置500により、計測部である計測装置600が構成されている。つまり、計測装置600は、ロボットハンド202に対し、ロボットハンド202に把持されたワークW1の位置姿勢を計測する。
ティーチングペンダント700は、制御装置300に接続可能に構成され、制御装置300に接続された際に、ロボットアーム201やロボットハンド202を駆動制御する駆動指令や教示点のデータを制御装置300に送信可能に構成されている。
ロボットアーム201は、各関節J1〜J6に関節を駆動する駆動装置が設けられている。以下、ロボットアーム201において、関節J2を例に代表して説明し、他の関節J1,J3〜J6については、サイズや性能が異なる場合もあるが、同様の構成であるため、説明を省略する。
図3は、ロボットアーム201の関節J2を示す部分断面図である。駆動装置10は、電動モータである回転モータ(以下、「モータ」という)141と、モータ141の回転軸142の回転を減速する減速機143と、を有している。
モータ141は、サーボモータであり、例えばブラシレスDCサーボモータやACサーボモータである。
モータ141の回転軸142(即ち、減速機143の入力軸)には、モータ141の回転角度を検出するエンコーダ161が配置されている。減速機143の出力軸には、減速機143の出力軸の回転角度、即ち関節J2の角度を検出するエンコーダ162が配置されている。
エンコーダ161は、アブソリュート型のロータリーエンコーダが望ましく、1回転の絶対角度エンコーダ、絶対角度エンコーダの回転総数のカウンタ、及びカウンタに電力を供給するバックアップ電池を有して構成される。ロボットアーム201への電源の供給がオフになっても、このバックアップ電池が有効であれば、ロボットアーム201への電源供給のオン/オフに関係なく、カウンタにおいて回転総数が保持される。したがって、ロボットアーム201の姿勢が制御可能となる。
エンコーダ162は、隣り合う2つのリンク間の相対角度を検出するロータリーエンコーダである。関節J2においては、エンコーダ162は、リンク211とリンク212との間の相対角度を検出するロータリーエンコーダである。エンコーダ162は、リンク211にエンコーダスケールを設け、リンク212に検出ヘッドを設けた構成、或いは逆の構成となる。
また、リンク211とリンク212とは、クロスローラベアリング147を介して揺動自在に連結される。
減速機143は、例えば小型軽量で減速比の大きい波動歯車減速機である。減速機143は、モータ141の回転軸142に結合された、入力軸であるウェブジェネレータ151と、リンク212に固定された、出力軸であるサーキュラスプライン152と、を備えている。なお、サーキュラスプライン152は、リンク212に直結されているが、リンク212に一体に形成されていてもよい。
また、減速機143は、ウェブジェネレータ151とサーキュラスプライン152との間に配置され、リンク211に固定されたフレクスプライン153を備えている。フレクスプライン153は、ウェブジェネレータ151の回転に対して減速比Nで減速され、サーキュラスプライン152に対して相対的に回転する。従って、モータ141の回転軸142の回転は、減速機143で1/Nの減速比で減速されて、フレクスプライン153が固定されたリンク211に対してサーキュラスプライン152が固定されたリンク212を相対的に回転運動させ、関節J2を揺動させる。
各関節J1〜J6に配置されたエンコーダ161及びエンコーダ162のうち少なくとも一方で、位置検出部が構成されている。即ち、各関節J1〜J6のエンコーダ161又はエンコーダ162の値により、ロボットの手先の位置姿勢を計算(検出)することができる。
図4は、第1実施形態に係るロボット装置の制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置300は、制御部(処理部)としてのCPU(Central Processing Unit)301を備えている。また、制御装置300は、記憶部として、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304を備えている。また、制御装置300は、記録ディスクドライブ305及び各種のインタフェース311〜314を備えている。
CPU301には、ROM302、RAM303、HDD304、記録ディスクドライブ305及び各種のインタフェース311〜314が、バス310を介して接続されている。ROM302には、BIOS等の基本プログラムが格納されている。RAM303は、CPU301の演算処理結果等、各種データを一時的に記憶する記憶装置である。
HDD304は、CPU301の演算処理結果や外部から取得した各種データ等を記憶する記憶装置であると共に、CPU301に、後述する各種演算処理を実行させるためのプログラム340を記録するものである。CPU301は、HDD304に記録(格納)されたプログラム340に基づいてロボット制御方法(部品W0の製造方法)の各工程を実行する。
記録ディスクドライブ305は、記録ディスク341に記録された各種データやプログラム等を読み出すことができる。
ロボット2001はインタフェース311に接続され、ロボット2002はインタフェース312に接続されている。これにより、CPU301は、各ロボット2001,2002に駆動指令(関節指令)を出力して各ロボット2001,2002の動作を制御することができ、各ロボット2001,2002から各種センサの検知信号を取得することができる。
画像処理装置500は、インタフェース313に接続され、撮像装置400の撮像画像を画像処理して、ロボット2001のロボットハンド202に対するワークW1の位置姿勢(把持位置及び把持姿勢)を計測し、その計測結果をCPU301に出力する。
教示部であるティーチングペンダント700は、インタフェース314に接続されている。ティーチングペンダント700は、ユーザの入力操作により、ロボット(ロボットアーム201)を教示する教示点のデータを指定することができる。教示点のデータは、インタフェース314及びバス310を通じてCPU301又はHDD304に出力される。CPU301は、ティーチングペンダント700又はHDD305から教示点のデータの入力を受ける。
バス310には、不図示のインタフェースを介して、書き換え可能な不揮発性メモリや外付けHDD等の不図示の外部記憶装置が接続されていてもよい。
なお、第1実施形態では、コンピュータ読み取り可能な記録媒体がHDD304であり、HDD304にプログラム340が格納される場合について説明するが、これに限定するものではない。プログラム340は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であれば、いかなる記録媒体に記録されていてもよい。例えば、プログラム340を供給するための記録媒体としては、図4に示すROM302や、記録ディスク341、不図示の外部記憶装置等を用いてもよい。具体例を挙げて説明すると、記録媒体として、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、USBメモリ等の不揮発性メモリ、ROM等を用いることができる。
ここで、ロボット200の手先、つまりロボットハンド202には、ツールセンターポイント(TCP)が設定されている。TCPは、位置を表す3つのパラメータ(x,y,z)と、姿勢を表す3つのパラメータ(Rx,Ry,Rz)、即ち6つのパラメータ(x,y,z,Rx,Ry,Rz)で表され、タスク空間上では、1つの点としてみなすことができる。つまり、タスク空間は、これら6つの座標軸で規定された空間である。このTCPで教示点を指定することができる。
また、教示点を関節角度(コンフィグレーション)で指定することもできる。第1実施形態では、ロボットアーム201の関節が6つあるので、教示点は、関節角度を表す6つのパラメータを示すコンフィグレーション(θ1,θ2,θ3,θ4,θ5,θ6)で表され、関節空間上では、1つの点とみなすことができる。つまり、関節空間は、これら6つの座標軸で規定された空間である。
教示点は、タスク空間又は関節空間で指定される。CPU301は、ロボットプログラムで指定された補間方法に従い、教示点間を補間するロボットアーム201の経路(補間経路)データを生成する。ここで、教示点間を補間する補間方法としては、直線補間、円弧補間、関節補間、Spline補間、B−Spline補間、ベジェ曲線など、種々の方法がある。経路データとは、タスク空間におけるロボットアーム201のTCPの軌跡、又は関節空間におけるロボットアーム201のコンフィグレーションの軌跡である。
そして、CPU301は、ロボットアーム201の動作を規定する軌道データを計算する。ロボットアーム201の軌道データとは、時間をパラメータとして経路データを表したものである。第1実施形態では、時刻毎(例えば1ms毎)のTCPの位置指令、又はコンフィグレーションの関節指令の集合である。位置指令は、6つのパラメータ(x,y,z,Rx,Ry,Rz)で表され、関節指令は、6つのパラメータ(θ1,θ2,θ3,θ4,θ5,θ6)で表される。
軌道データが位置指令の場合、CPU301は、最終的には位置指令を各関節J1〜J6の関節角度を示す関節指令に逆運動学に基づき変換する。関節指令を各関節J1〜J6の関節駆動装置の制御装置に出力することで、ロボットアーム201の動作を制御する。軌道データが関節指令の場合、CPU301は、関節指令を各関節J1〜J6の駆動装置の制御装置に出力することで、ロボットアーム201の動作を制御する。
このように、CPU301は、駆動指令(関節指令)からなる軌道データを用いてロボットアーム201の制御を行う。このロボットアーム201の制御の際、CPU301は、セミクローズドループ制御と、フルクローズドループ制御とのいずれかを選択的に行う。セミクローズドループ制御は、各関節J1〜J6のエンコーダ(入力軸エンコーダ)161の検出角度を目標とする角度(関節指令を減速機143の減速比で補正した指令)に近づけるフィードバック制御である。また、フルクローズドループ制御は、各関節J1〜J6のエンコーダ(出力軸エンコーダ)162の検出角度を目標とする角度(関節指令)に近づけるフィードバック制御である。各関節J1〜J6には、減速機143等の撓み部材が存在するため、セミクローズドループ制御よりもフルクローズドループ制御の方が精度が高いが、応答性はセミクローズドループ制御の方が高く高速動作が可能である。
ここで、ロボット2001は、ワークW1をワークW2に組付ける(嵌合する)組付作業(嵌合作業)を実施する。ロボット2002は、ロボット2001の作業を補助するものである。第1実施形態ではロボット装置100は、図2に示すように、作業ロボットであるロボット2001に支持された被ガイド部材250と、補助ロボットであるロボット2002に支持されたガイド部材260と、を備えている。つまり、ロボット2002は、ガイド部材260を支持しており、ガイド部材260の位置姿勢を設定(変更)することができる。
被ガイド部材250は、ロボット2001の手先、即ちロボット2001のロボットハンド202に固定されている。ガイド部材260は、ロボット2002の手先、即ちロボット2002のロボットハンド202に固定されている。ガイド部材260は、接触した被ガイド部材250を直線的に案内する形状に形成されている。
第1実施形態ではロボット2001が力覚センサ203を有しているので、組立作業時にロボット2001のコンプライアンス制御が可能となっている。なお、ロボット2001及びロボット2002のうち、少なくとも一方が力覚センサ203を有していればよく、ロボット2002の力覚センサ203によりロボット2001のコンプライアンス制御を行うことも可能である。
図5(a)は、第1実施形態に係るロボット装置のガイド部材、被ガイド部材及び組付ワークを把持したロボットハンドを示す斜視図である。図5(b)は、図5(a)中、矢印D方向に見た、ロボット装置のガイド部材、被ガイド部材及び組付ワークを把持したロボットハンドを示す平面図である。
被ガイド部材250は、ガイド部材260に接触し得る接触面が球面に形成された、球体である。第1実施形態では、被ガイド部材250は、力覚センサ203の検出値のFyの検出軸上に球形状の被ガイド部材250の中心が位置するように、ロボットハンド202のハンド本体220に固定されている。
ガイド部材260は、被ガイド部材250と2か所で接触するよう断面がL字形状に形成されている。そして、ガイド部材260は、被ガイド部材250を組付位置に直線的に案内するよう、断面に垂直な案内方向(長手方向)に延びて形成されている。即ち、ガイド部材260は、V溝形状に形成されている。
被ガイド部材250がガイド部材260に誘い込まれるために必要なV溝の角度θは、被ガイド部材250とガイド部材260との摩擦係数から以下のように決定される。μは被ガイド部材250とガイド部材260との摩擦係数である。
tanθ<1/μ
tanθ<1/μ
V溝の短手方向の幅Hは球径、及びロボット2001の位置ずれを考慮し決定される。V溝の長手方向の長さLはワークに合わせて組付時に軌跡の精度が必要になる距離以上する。
図5(a)中、一点鎖線Aは、ワークW2に対して、ワークW1を組み付ける際の理想的なワークW1の軌跡である。図5(a)中、一点鎖線Cは、ガイド部材260に被ガイド部材250が案内されながら動作した場合の被ガイド部材250の軌跡である。
次に、第1実施形態の部品W0の製造方法(ロボット制御方法)について説明する。まず、実際の組付作業に先立つ各ロボット2001,2002のティーチングについて説明する。図6は、第1実施形態に係る部品の製造方法の一部の工程(具体的にはティーチング工程)を示すフローチャートである。
ここで、ロボット2001,2002に対してロボット座標系ΣRが設定されているものとする。そして、ワークW2は、架台150つまりロボット座標系ΣRにおいて高精度に位置決めされるものとする。ロボットプログラムには、作業開始位置の教示点と作業完了位置の教示点とが含まれ、これら教示点のデータを以下のティーチングにより設定する。なお、作業開始位置の教示点と作業完了位置の教示点との間の軌道は、直線補間により作成する。
まずCPU301は、ロボット2001のロボットハンド202に対して基準となる位置姿勢でワークW1を把持させる(S1)。つまり、ロボットハンド202のフィンガー221の基準となる位置にワークW1が位置するようにロボットハンド202にワークW1を把持させる。例えば、一旦ロボットハンド202に把持させたワークW1を平面に把持解放して、再度ロボットハンド202にワークW1を把持させる。
そして、CPU301は、ティーチングペンダント700を用いたティーチングにより、ワークW1とワークW2との組付中心が同一となり、かつワークW1とワークW2とが接触しない作業開始位置にロボット2001を動作させる。つまり、CPU301は、ロボット2001の動作を制御して、ロボット2001のロボットハンド202に対して基準の位置姿勢で把持されたワークW1を、ロボット座標系ΣRにおける作業開始位置に位置決めさせる(S2)。そして、ワークW1を位置決めしたときの作業開始位置における教示点のデータを設定する。これにより、作業開始位置のティーチングが完了する。また、作業完了位置についても同様にティーチングする。
ここで、作業開始位置における被ガイド部材250の中心を基準点とする座標をツール座標S0とする。ツール座標S0は、理想の軌跡Aと平行な方向にZ軸、案内軌跡Cに垂直な方向で、且つロボットハンド202の中心に向かう方向をY軸としている。このティーチング時の作業開始位置のロボット2001の位置姿勢を、基準の位置姿勢とする。ワークW1がこの作業開始位置からワークW2に直線的に組付方向(Z方向)に辿る軌跡が理想の軌跡Aである。
次に、CPU301は、軌跡Cが理想の軌跡Aと平行となり、かつガイド部材260が被ガイド部材250と2点(2か所)で接触する基準の位置姿勢となるように、ガイド部材260側のロボット2002をユーザのティーチングに基づき動作させる(S3)。このとき、ガイド部材260のV溝の中心と、力覚センサ203のY軸が交差する状態にロボット2002をティーチングするのが望ましい。この状態において、ガイド部材260に対して設定した、ツール座標S0と一致する基準点の座標を、ツール座標T0とする。
次に、実際にワークW1をワークW2に組付ける組付作業を行う場合について説明する。図7は、第1実施形態に係る部品の製造方法の一部の工程(具体的には組付作業)を示すフローチャートである。
まず、CPU301は、ロボット2001の動作を制御してロボット2001のロボットハンド202にワークW1を把持させる(S11:把持処理、把持工程)。このとき、ワークW1は、ロボットハンド202に対して基準となる位置姿勢でロボットハンド202に把持させる。例えば、山積みされた複数のワークW1の中から1つのワークW1をロボットハンド202に把持させた後、一旦ロボットハンド202に把持させたワークW1を平面に把持解放して、再度ロボットハンド202にワークW1を把持させる。このように、1つのワークW1に対して少なくとも2回のピッキング作業が必要となるが、ロボットハンド202に対して毎回同じ位置姿勢でワークW1を把持することができる。
次にCPU301は、次の作業処理に先立ち、ロボット2002の動作を制御して、作業処理時(作業工程時)に被ガイド部材250を組付方向に案内する位置姿勢に、ガイド部材260を位置決めする(S12:ガイド位置決め処理、ガイド位置決め工程)。この組付方向は、ロボット座標系ΣRのZ軸方向である。
具体的に説明すると、CPU301は、ステップS3で予めティーチングされた位置姿勢にロボット2002を動作させる。この位置決め時において、CPU301は、ガイド部材260がガイド位置に移動する動作中、ロボット2002に対してフルクローズドループ制御を行う。これにより、ガイド部材260を、ティーチングしたガイド位置に精度よく位置決めすることができる。なお、ガイド部材260がガイド位置に近づくまではセミクローズドループ制御を行い、ガイド位置近傍でフルクローズドループ制御に切り替えてもよい。
また、位置決め後は、CPU301は、ロボット2002の各関節J1〜J6のエンコーダ162が一定の値となるようにフルクローズドループ制御を行う。これにより、ロボット2002に外力が働いても、ロボット座標系ΣRにおけるガイド部材260の位置姿勢が保たれる。
次に、CPU301は、作業処理として、ロボット2001の動作を制御して、ロボットハンド202に把持させたワークW1を作業開始位置に位置決めする(S13:ワーク位置決め処理、ワーク位置決め工程)。この位置決め時において、CPU301は、ワークW1が作業開始位置に近づくまではセミクローズドループ制御を行い、作業開始位置近傍でフルクローズドループ制御に切り替える。セミクローズドループ制御は応答性が高いため、ロボット2001の動作を高速化することができる。
なお、第1実施形態では、ロボット2001のロボットハンド202に把持されたワークW1が作業開始位置に移動完了する前に、予めロボット2002をステップS3でティーチングした位置姿勢に動作させておく。
次に、CPU301は、ロボット2001の動作を制御して、ガイド部材260に案内された状態でロボット2001により作業対象に作業を施す(S14:作業処理、作業工程)。具体的に説明すると、CPU301は、ロボット2001の動作を制御して、ワークW1を作業開始位置から作業完了位置まで組付方向(座標系ΣRのZ軸方向)に直線的に移動させてワークW1をワークW2に組み付ける(組付処理、組付工程)。この組付処理中、被ガイド部材250はガイド部材260に組付方向に案内される。
このステップS14において、CPU301は、被ガイド部材250をガイド部材260に押し付けた状態で、ワークW1をワークW2に組付ける。具体的に説明すると、CPU301は、ロボットハンド202、即ち被ガイド部材250を図5(b)の+Y軸方向から−Y軸方向へ移動させながら、組付方向であるZ軸方向に下降させてワークW1をワークW2に組付ける。このように、ワークW1を移動させる組付方向と交差(直交)する方向に被ガイド部材250をガイド部材260に押し付けながら、ワークW1を組付方向に移動させる。
このときの押し付け力(与圧)は一定値とするのが好ましい。即ち、第1実施形態ではCPU301は、ロボット2001の力覚センサ203に検知される力が一定値に近づくように被ガイド部材250をガイド部材260に押し付けるよう、ロボット2001を制御する。
このように被ガイド部材250をガイド部材260に押し付けることによって、被ガイド部材250がガイド部材260のV溝中心に誘い込まれ、ワークW1とワークW2の組付中心が同一の状態になる。このロボット2001のコンプライアンス制御機能によって組付処理を実行することにより、高速にワークW1をワークW2に組付けることができる。
図8は、組付作業を行った際の力覚センサ値を示すグラフである。図8において、時間T1は、被ガイド部材250がガイド部材260に接触して作業開始位置から組付処理を開始するタイミングを示している。時間T2は、組付ワークW1が被組付ワークW2に接触するタイミングを示している。時間T3は、ワークW1が作業完了位置に到達したタイミングを示している。また、図8中、実線は、コンプライアンス制御を行った場合の力覚センサ203の値を示し、破線は、コンプライアンス制御を行わなかった場合の力覚センサ203の値を示している。
組付処理中、組付ワークW1が被組付ワークW2に接触してからは特にワークW1の高い位置精度が要求される。したがって、少なくとも時間T2から時間T3までの間は、図8の実線に示すように、力覚センサ203の値が一定値(正の値)に近づくようにフィードバック制御するのが好ましい。力覚センサ203の目標値は、前回の組付動作時の力覚センサ値に基づいて設定してもよいし、予め行った実験結果に基づいて設定してもよい。
このように、ワークW1を理想の軌跡Aに沿って動作させる場合、被ガイド部材250とガイド部材260との間に一定の与圧がかかるようにしたため、組付処理中、被ガイド部材250がガイド部材260に接触している状態を維持することができる。
つまり、力覚センサ203の値が正の値をとるようにフィードバックして被ガイド部材250のガイド部材260への押し込み量を制御することで、被ガイド部材250がガイド部材260に接触していることが保証される。これにより、ロボットアーム201の振動等によって被ガイド部材250がガイド部材260から離れてワークW1が理想の軌跡Aから外れるのを防止することができる。よって、組付処理中、ワークW1とワークW2との中心が同一の状態が保証され、高精度な組付作業が保証される。
以上、第1実施形態によれば、ガイド部材260に沿ってロボット2001の手先を動作させるため、高速動作でも高精度な動作が可能になる。また、高速でロボット2001を動作させた場合の手先の振動を、被ガイド部材250をガイド部材260に押し付けることによって低減することができ、高精度な組付作業を実現することができる。
また、ガイド部材260の位置姿勢を変更することができるので、複数の箇所で組付作業をする場合、ガイド部材を複数の箇所に各々設置する必要が無くなり、コスト及び設置スペースの増加を抑制することができる。
なお、ロボット2001の動作は遅くなるが、作業開始位置へのワークW1の位置決めの際にワークW1を作業開始位置近傍に移動させる場合においても、フルクローズドループ制御で行ってもよい。その際にはロボット2001の振動が軽減されるため、被ガイド部材250がガイド部材260に接触していることが保証されるのであれば、組付処理時に上述したコンプライアンス制御を行わなくてもよい。
また、第1実施形態では、被ガイド部材250とガイド部材260がそれぞれ1つの場合について説明したが、1つのガイド部材260に対して複数の被ガイド部材250があってもよく、また、ガイド部材260と被ガイド部材250とが複数対あってもよい。
また、図7において、ステップS12(ガイド位置決め処理)の次にステップS13(ワーク位置決め処理)を実行する場合について説明したが、この順番に限定するものではない。ステップS13の次にステップS12を行ってもよく、ステップS12,S13を同時に行ってもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るロボット装置による部品の製造方法(ロボット制御方法)について説明する。図9は、第2実施形態に係るロボット装置のガイド部材、被ガイド部材及び組付ワークを把持したロボットハンドを示す斜視図である。なお、第2実施形態のロボット装置の構成は、第1実施形態のロボット装置の構成と同様であるため、ロボット装置の構成の説明は省略する。
次に、本発明の第2実施形態に係るロボット装置による部品の製造方法(ロボット制御方法)について説明する。図9は、第2実施形態に係るロボット装置のガイド部材、被ガイド部材及び組付ワークを把持したロボットハンドを示す斜視図である。なお、第2実施形態のロボット装置の構成は、第1実施形態のロボット装置の構成と同様であるため、ロボット装置の構成の説明は省略する。
また、図10は、第2実施形態に係る部品の製造方法の一部の工程(具体的には組付作業)を示すフローチャートである。なお、ティーチング工程は第1実施形態で説明した図6と同様であるため、その説明は省略する。
第1実施形態では、ロボット2001のロボットハンド202がフィンガー221において毎回同じ位置でワークW1を把持する場合について説明した。第2実施形態では、ロボットハンド202がフィンガー221においてランダムな位置姿勢でワークW1を把持する場合(いわゆるランダムピッキング)について説明する。
ランダムに山積みされた複数のワークW1の中から1つをロボットハンド202に把持させる場合、図9に示すように、ロボットハンド202に対するワークW1の位置姿勢は基準とする位置姿勢(ティーチングした時の位置姿勢)とは毎回異なる。
まずCPU301は、ロボット2001の動作を制御してロボット2001のロボットハンド202にワークW1を把持させる(S21:把持処理、把持工程)。このとき、ワークW1は、ロボットハンド202に対してランダムな位置姿勢でロボットハンド202に把持される。第2実施形態では、第1実施形態のようにワークW1を持ち替える作業を行う必要がないため、第1実施形態よりも組付作業を高速化することができる。
次に、CPU301は、計測部である計測装置600に、ロボットハンド202に対するワークW1の位置姿勢を計測させる(S22:計測処理、計測工程)。具体的に説明すると、CPU301は、ロボット2001を制御してワークW1を把持したロボットハンド202を撮像装置400の画角内に移動させ、撮像装置400にロボットハンド202及びワークW1を撮像させる。画像処理装置500は、撮像画像を画像処理してロボットハンド202に対するワークW1の位置姿勢を求め、その計測結果を制御装置300のCPU301に送る。これによりCPU301は、画像処理装置500からロボットハンド202に対するワークW1の位置姿勢を取得する。
CPU301は、計測装置600の計測結果に応じてロボット2001の動作を補正して、ワークW1を作業開始位置に位置決めする(S23:ワーク位置決め処理、ガイド位置決め工程)。詳述するとCPU301は、ロボットハンド202に対するワークW1の基準の位置姿勢からの位置姿勢ずれに基づき、ロボット座標系ΣRにおいてワークW1がステップS2でティーチングしたときの位置姿勢となるロボットハンド202の位置姿勢を求める。つまり、計測装置600の計測結果により作業開始位置(及び作業完了位置)のロボット2001の教示点のデータを補正する。そして、補正した教示点のデータに基づき軌道データを生成する。このように、ワークW1がロボット座標系ΣRにおいて基準(理想)の軌跡Aを辿るようにロボット2001の軌道データを生成する。そして、CPU301は、軌道データに従ってロボット2001を動作させて、ワークW1を作業開始位置に位置決めする。図9は、ワークW1を作業開始位置に位置決めした状態を図示している。
この位置決め時において、CPU301は、ワークW1が作業開始位置に近づくまではセミクローズドループ制御を行い、作業開始位置近傍でフルクローズドループ制御に切り替える。セミクローズドループ制御は応答性が高いため、ロボット2001の動作を高速化することができる。
ここで、ワークW1を基準にロボット2001の位置姿勢だけを補正すると、ロボットハンド202及び被ガイド部材250と、ガイド部材260との位置姿勢関係が、図5(a)の状態と異なる。そのため、ガイド部材260がロボット2002をティーチングしたときの理想の位置姿勢のままでは、ガイド部材260と被ガイド部材250とが接触しなくなる。つまり、被ガイド部材250をガイド部材260で案内できなくなる。
そこでCPU301は、計測装置600の計測結果に応じてロボット2002の動作を補正して、次の組付処理時に被ガイド部材250を組付方向に案内する位置姿勢に、ガイド部材260を位置決めする(S24:ガイド位置決め処理、ガイド位置決め工程)。
具体的に説明すると、まず、CPU301は、ロボット2001をティーチングしたときの作業開始位置における被ガイド部材250の基準の位置姿勢(ツール座標)S0を算出する。また、CPU301は、計測装置600で計測されたロボットハンド202に対するワークW1の実位置姿勢に基づき、ワークW1を作業開始位置に位置決めしたと想定したときの被ガイド部材250の実位置姿勢(ツール座標)S1を算出する。そして、CPU301は、基準の位置姿勢S0と実位置姿勢S1との偏差ΔSを求める。
次に、CPU301は、ステップS3でティーチングしたときにガイド部材260に対して設定したツール座標T0を、偏差ΔSに基づき補正し、補正したツール座標T1に基づき、ロボット2002のガイド位置における教示点のデータを補正する。そして、CPU301は、教示点のデータを用いて軌道データを生成し、軌道データに従ってロボット2002(つまりガイド部材260)がガイド位置に移動するように動作させる。これにより、ガイド部材260の位置姿勢が、計測結果に基づき作業開始位置に位置決めしたときの被ガイド部材250の位置姿勢に倣って補正されることになる。
更に詳述すると、CPU301は、偏差ΔSのうち(x,y,z,tz)成分により、ティーチングしたときのガイド部材260のツール座標T0を補正する。この補正後のツール座標T1は以下のようになる。
T1=T0(x0,y0,z0,tx0,ty0,tz0)+ΔS(x,y,z,0,0,tz)
T1=T0(x0,y0,z0,tx0,ty0,tz0)+ΔS(x,y,z,0,0,tz)
つまり、第2実施形態では、作業開始位置から作業完了位置までワークW1を直線的に移動させる。したがって、CPU301は、ステップS24において、被ガイド部材250がいかなる位置姿勢であっても、ガイド部材260の案内方向(長手方向)が組付方向と平行となる状態にガイド部材260を位置決めする。
なお、第2実施形態では、ロボットハンド202の位置姿勢、つまり被ガイド部材250の位置姿勢がワークW1の把持位置によって変わるため、ロボット2002に設けられる被ガイド部材250の数は1つである。
図11は、ガイド部材と被ガイド部材との位置関係を説明するための斜視図であり、図12は、図11の矢印E方向に見たガイド部材及び被ガイド部材を示す側面図である。
図11及び図12に示すように、ガイド部材260側のロボット2002を動作させてガイド部材260を補正したガイド位置に位置決めすることにより、被ガイド部材250とガイド部材260とが接触する。
この位置決め時において、CPU301は、ガイド部材260がガイド位置に移動する動作中、ロボット2002に対してフルクローズドループ制御を行う。これにより、ガイド部材260を、ティーチングした位置に精度よく位置決めすることができる。なお、ガイド部材260がガイド位置に近づくまではセミクローズドループ制御を行い、ガイド位置近傍でフルクローズドループ制御に切り替えてもよい。
次に、CPU301は、ロボット2001の動作を制御して、作業対象に作業を施す(S24:作業処理、作業工程)。具体的に説明すると、CPU301は、ロボット2001の動作を制御して、ワークW1を作業開始位置から作業完了位置まで組付方向(座標系ΣRのZ軸方向)に直線的に移動させてワークW1をワークW2に組み付ける(組付処理、組付工程)。
このステップS24において、CPU301は、被ガイド部材250をガイド部材260に押し付けた状態で、ワークW1をワークW2に組付ける。このときの押し付け力(与圧)は一定値とするのが好ましい。
このように、被ガイド部材250がガイド部材260に一定の余圧をかけながら組付方向であるZ軸方向に下降することで、被ガイド部材250が案内軌跡C’上を動作し、ワークW1が理想の軌跡Aに沿って動作する。
このとき、CPU301は、偏差ΔSのうちの(tx,ty)成分に基づき、以下の式のように力覚センサ203の検出値を補正し、Fy方向の値が一定の与圧がかかるように押し込み量を制御する。
Fy=fy×cos(tx)+fz×sin(tx)>0
Fy=fy×cos(tx)+fz×sin(tx)>0
このように制御することによって、ロボット2001の姿勢によらず、ロボット2001を高速に動作させた場合でも、ロボット2001の振動を抑制することができ、高精度な組付動作が可能となる。
なお、ロボット2001の動作は遅くなるが、作業開始位置へのワークW1の位置決めの際にワークW1を作業開始位置近傍に移動させる場合においても、フルクローズドループ制御で行ってもよい。その際にはロボット2001の振動が軽減されるため、被ガイド部材250がガイド部材260に接触していることが保証されるのであれば、組付処理時に上述したコンプライアンス制御を行わなくてもよい。
また、図10において、ステップS23(ワーク位置決め処理)の次にステップS24(ガイド位置決め処理)を実行する場合について説明したが、この順番に限定するものではない。ステップS24の次にステップS23を行ってもよく、ステップS23,S24を同時に行ってもよい。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、上述の実施形態では、1つのコンピュータ(CPU)で制御部が構成されている場合について説明したが、複数のコンピュータ(CPU)で制御部が構成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、ロボットアームが垂直多関節のロボットアームの場合について説明したが、これに限定するものではない。ロボットアームが、例えば、水平多関節のロボットアーム、パラレルリンクのロボットアーム、直交ロボット等、種々のロボットアームであってもよい。
また、上述の実施形態では、計測部が撮像装置と画像処理装置とで構成される場合について説明したが、ロボットハンドに対するワークの位置姿勢を計測できれば、いかなる計測装置であってもよい。例えば、計測部がレーザ変位計であってもよい。
また、上述の実施形態では、作業ロボットが力の検知部である力覚センサを有する場合について説明したが、補助ロボットが力の検知部を有していてもよい。この場合、作業ロボットに力の検知部が必須ではなくなるため、作業ロボットのロボットハンドの重量が軽くなり、作業ロボットの動作速度を更に向上させることが可能となり、サイクルタイムの短縮効果がある。また、ロボットハンドの重量が軽くなるため、より重いワークを搬送することが可能になる。
また、上述の実施形態では、作業ロボットに行わせる作業が組付作業である場合について説明したが、組付作業に限定するものではなく、例えば作業ロボットにツール(例えばドライバ)を用いて行わせる作業であってもよい。また、組付作業が嵌合作業である場合について説明したが、これに限定するものではなく、例えば作業ロボットにラベル貼りを行わせるラベリング作業であってもよい。この場合、組付ワークがラベルであり、作業ロボットは、被組付ワークにラベルを貼ることになる。
また、上述の実施形態では、補助ロボットのロボットハンドにガイド部材が固定されている場合について説明したが、これに限定するものではなく、補助ロボットのロボットハンドにガイド部材を把持させておいてもよい。
また、上述の実施形態では、駆動機構が補助ロボットである場合について説明したが、ロボットに限定するものではなく、ガイド部材を支持してガイド部材の位置姿勢を変更できるものであれば、いかなる機構のものでもよい。
100…ロボット装置、2001…ロボット(作業ロボット)、2002…ロボット(駆動機構、補助ロボット)、250…被ガイド部材、260…ガイド部材、301…CPU(制御部)、W1…ワーク(組付ワーク)、W2…ワーク(被組付ワーク)
Claims (17)
- 作業ロボットと、
前記作業ロボットに支持された被ガイド部材と、
前記被ガイド部材を案内するガイド部材と、
前記ガイド部材を支持し、前記ガイド部材の位置姿勢を設定する駆動機構と、
前記作業ロボット及び前記駆動機構の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記作業ロボットの動作を制御して、前記作業ロボットにて作業対象に作業を施す作業処理と、
前記作業処理に先立ち、前記駆動機構の動作を制御して、前記作業処理時に前記被ガイド部材を案内する位置姿勢に、前記ガイド部材を位置決めするガイド位置決め処理と、を実行するロボット装置。 - 前記作業ロボットは、ロボットアーム、及び前記ロボットアームの先端に取り付けられたロボットハンドを有し、
前記制御部は、
前記作業ロボットの動作を制御して、前記ロボットハンドに把持させた組付ワークを作業開始位置に位置決めするワーク位置決め処理を更に実行し、
前記作業処理として、前記作業ロボットの動作を制御して、前記組付ワークを前記作業開始位置から組付方向に移動させて被組付ワークに組み付ける組付処理を実行する請求項1に記載のロボット装置。 - 前記制御部は、前記組付処理において、前記被ガイド部材を前記ガイド部材に押し付けた状態で、前記組付ワークを前記被組付ワークに組付ける請求項2に記載のロボット装置。
- 前記ロボットハンドに対する前記組付ワークの位置姿勢を計測する計測部を更に備え、
前記制御部は、前記ワーク位置決め処理において、前記計測部の計測結果に応じて前記作業ロボットの動作を補正して、前記組付ワークを前記作業開始位置に位置決めする請求項2又は3に記載のロボット装置。 - 前記制御部は、前記ガイド位置決め処理において、前記計測部の計測結果に応じて前記駆動機構の動作を補正して、前記組付処理時に前記被ガイド部材を前記組付方向に案内する位置姿勢に、前記ガイド部材を位置決めする請求項4に記載のロボット装置。
- 前記制御部は、前記ワーク位置決め処理に先立ち、前記作業ロボットの動作を制御して、前記ロボットハンドに前記組付ワークを把持させる把持処理を更に実行する請求項2乃至5のいずれか1項に記載のロボット装置。
- 前記駆動機構は、前記ガイド部材を支持した補助ロボットである請求項2乃至6のいずれか1項に記載のロボット装置。
- 前記補助ロボットの手先に前記ガイド部材が固定されている請求項7に記載のロボット装置。
- 前記作業ロボットの手先に前記被ガイド部材が固定されている請求項7又は8に記載のロボット装置。
- 前記補助ロボット又は前記作業ロボットは、手先にかかる力を検知する検知部を有しており、
前記制御部は、前記検知部に検知される力が一定値に近づくように前記被ガイド部材を前記ガイド部材に押し付ける請求項7乃至9のいずれか1項に記載のロボット装置。 - 前記ガイド部材は、前記被ガイド部材と2か所で接触するよう断面がL字形状に形成されており、
前記制御部は、前記ガイド位置決め処理において、前記断面に垂直な方向が前記組付方向と平行となる状態に前記ガイド部材を位置決めする請求項2乃至10のいずれか1項に記載のロボット装置。 - 前記被ガイド部材は、前記ガイド部材と接触し得る接触面が球面に形成されている請求項11に記載のロボット装置。
- 前記作業ロボットには、前記被ガイド部材が1つ設けられている請求項11又は12に記載のロボット装置。
- 被ガイド部材が取り付けられた作業ロボットと、前記被ガイド部材を案内するガイド部材を支持し、前記ガイド部材の位置姿勢を変更する駆動機構との動作を制御部によって制御するロボット制御方法であって、
前記制御部が、前記作業ロボットの動作を制御して、前記作業ロボットにて作業対象に作業を施す作業工程と、
前記制御部が、前記作業工程に先立ち、前記駆動機構の動作を制御して、前記作業工程時に前記被ガイド部材を案内する位置姿勢に、前記ガイド部材を位置決めするガイド位置決め工程と、を備えたロボット制御方法。 - 被ガイド部材が取り付けられた作業ロボットと、前記被ガイド部材を案内するガイド部材を支持し、前記ガイド部材の位置姿勢を変更する駆動機構との動作を制御部によって制御し、前記作業ロボットの作業により部品を製造する製造方法であって、
前記制御部が、前記作業ロボットの動作を制御して、前記作業ロボットにて作業対象に作業を施す作業工程と、
前記制御部が、前記作業工程に先立ち、前記駆動機構の動作を制御して、前記作業工程時に前記被ガイド部材を案内する位置姿勢に、前記ガイド部材を位置決めするガイド位置決め工程と、を備えた部品の製造方法。 - コンピュータに請求項14に記載のロボット制御方法の各工程を実行させるためのプログラム。
- 請求項16に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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US12030147B2 (en) | 2018-03-27 | 2024-07-09 | Fanuc Corporation | Robot machining system |
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2016
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