JP2017127641A - 家電用品及び家電用品部品 - Google Patents

Abstract

【課題】真空掃除機のような家電用品を作動させかつ作動停止させるための手段を改良すること。【解決手段】家電用品は、電気モータと、モータと電源とを選択的に接続するためのスイッチ組立体と、ハンドルと、動作位置と非動作位置との間でハンドルに対して移動可能である手動動作可能なトリガと、を備える。トリガとスイッチ組立体は、スイッチ組立体がトリガが動作位置にあるときにモータ接続状態にありかつトリガが非動作位置にあるときにモータ接続解除状態にあるように、構成されている。家電用品は、トリガを非動作位置から離間させて動作位置に向けて推進させるように構成された第１付勢部材を備える。【選択図】図５

Description

本発明は、家電用品の分野に関し、特にではあるが排他的ではなく、真空掃除機の用途を有する。

市場では、入手可能な様々なタイプの真空掃除機があり、これら真空掃除機は、一般的に、「シリンダ型」真空掃除機、「アプライト型」真空掃除機、「手持型」真空掃除機及び「スティック型」真空掃除機（「スティックバク(stick-vacs)」としても知られる）に分類され得る。

シリンダ型及びアプライト型の真空掃除機は、一般的に、家中の重負荷(heavy-duty)清掃作業のために家庭の主な真空掃除機として使用される。手持型及びスティック型の真空掃除機は、ほとんどのシリンダ型及びアプライト型の真空掃除機とは異なり、転動組立体によって床で支持されるよりもむしろ手で運ばれるのに十分に軽い点で、携帯性を有する。手持型及びスティック型の真空掃除機は、主として、バッテリで給電され、床、室内装飾品及び車両内部の局所的な清掃のような低負荷(low-duty)清掃任務のためにしばしば使用される。

すべてのタイプの真空掃除機（ひいては実際には多くの他のタイプの家電用品）に共通することは、ユーザがこれら真空掃除機を作動、作動停止させることができる必要であることである。シリンダ型及びアプライト型の真空掃除機が一般的に比較的長期間にわたって使用されるので、これら真空掃除機には、通常、単純なオン／オフボタンが設けられており、このボタンは、押されて機械を作動させ、その後再び押されて機械を作動停止させ得る。手持型及びスティック型の真空掃除機がしばしばその場その場の短い突発的なもので使用されるので、これら真空掃除機には、共通して、トリガが取り付けられており、このトリガは、押下されて機械を作動させ、解放して機械を作動停止させ得る。

本発明は、真空掃除機のような家電用品を作動させかつ作動停止させるための手段における改良に関し、スティックバク及び手持型真空掃除機のような手持型用品に特に適している。

本発明の第１態様によれば、真空掃除機が提供されており、この真空掃除機は、電気モータと、モータと電源とを選択的に接続するためのスイッチ組立体と、
ハンドルと、
動作位置と非動作位置との間でハンドルに対して移動可能である手動動作可能なトリガと、
を備え、
トリガとスイッチ組立体は、スイッチ組立体がトリガが動作位置にあるときにモータ接続状態にありかつトリガが非動作位置にあるときにモータ接続解除状態にあるように、構成されており、
家電用品は、トリガを非動作位置から離間させて動作位置に向けて推進させるように構成された第１付勢部材を備える。

トリガを動作位置に向けて推進させる第１付勢部材があることにより、ユーザがトリガを動作させる前に、トリガがトリガ内に「緩み」または「遊び」を除くことを可能とし得る。これは、順に、トリガが正確に機能することを阻害するまたはトリガがガタつくことを可能とするよりも、製造バラツキによって導入された任意の遊びをバネ及びトリガで対応し得るので、より緩和した製造または品質制御試験許容誤差を利用することを可能とし得る。あまり正確ではない製造許容誤差を使用することができることにより、金型費を低くすることが可能となり得、かつ／または、製造バラツキのために品質制御検査に失敗する機械の数を低減することによって廃品を減らし得る。また、第１付勢部材がトリガの任意の「緩み」を除くことにより、ユーザがトリガを動作させたときにスイッチ組立体がより迅速にモータ接続状態に入ることが可能となり得る。すなわち、第１付勢部材は、トリガをより反応性良くなることを可能とし得る。

理解することは、本明細書で使用するように、物体がある位置「に向けて」移動することへの言及が、物体がその位置への途中までまたはその位置までずっと移動することを意味すると解釈されるべきである。物体がある位置「へ」移動することへの言及は、物体がその位置までずっと移動することを意味することを意図する。

電気モータは、誘導モータまたは同期式モータのようなブラシ付きまたはブラシレスのＤＣモータまたはＡＣモータであり得る。

第１付勢部材は、トリガに直接作用し得る、または、トリガに間接的に作用し得る（例えば別の構成部材を推進させて移動させることによって、その構成部材の移動がトリガを動作位置に向けて移動させる）。

第１付勢部材は、トリガを作動構成までずっと推進させるように構成され得る。

用途「トリガ」は、ユーザのうちハンドルを握っている手によって移動可能でありそれにより制御入力を提供する構成部材に言及するために使用される。この用語は、銃のトリガに形態的にまたは機能的に似ている配置に限定されることを意図していない。例えば、トリガは、適切に位置付けられた押下ボタンまたは親指動作式レバーの形態をとり得る。例として、拳銃の「サムセーフティ」は、本発明の意味内でトリガを構成する。

家電用品は、第２付勢部材をさらに備え得、この第２付勢部材は、トリガを動作位置から離間させるように非動作位置に向けて推進させるように構成されている。これは、ユーザからの入力なく（例えば第１付勢部材の作用を受けて）トリガが動作位置へ移動することを第２付勢部材が防止するように構成され得る点で、有利である。

あるいは、トリガは、手動で、動作位置から離間するように非動作位置に向けて移動可能であり得る。

第２付勢部材は、スイッチ組立体の一部を形成し得る。

第２付勢部材は、トリガに直接作用し得る、または、トリガに間接的に作用し得る（例えば、別の構成部材を推進させて移動させることによって、その構成部材の移動がトリガを動作位置に向けて移動させる）。

第２付勢部材は、トリガを非動作位置までずっと推進させるように構成 され得る。

疑義を避けるために、付勢部材がトリガをある位置からかつ別の位置に向けて「推進させる」ことへの言及は、その付勢部材がトリガに力をかけ、任意の他の要素がないときに、その力がトリガを移動させること、に言及することを意図している。トリガが必ずしもこれら位置間を動かないことを意味することを意図していない。例えば、第１付勢部材は、トリガを非動作位置から動作位置までずっと推進させ得るが、トリガは、第２付勢部材によって（ユーザによりかける力がない場合に）動作位置に到達することが防止され得る。

トリガ及び第２付勢部材は、第２付勢部材の作用を受けて、トリガがユーザによって動作位置で保持されるまで、トリガが動作位置から外れるように非動作位置に向けて移動するように構成され得る。すなわち、トリガは、デッドマン装置として機能するように構成され得る。

トリガは、第１及び第２付勢部材双方がトリガを推進させる位置へ移動可能であり得、その位置において、第２付勢部材によるトリガへの影響は、第１付勢部材によるトリガへの影響よりも大きくなり得る。これは、死角がないことを保証する点で、有益であり、この死角内では、いずれかの付勢部材によってもトリガが作動されない、または、トリガがこの死角内の位置間でガタつき得る。

第１及び第２付勢部材双方がトリガを推進させる位置は、動作位置、非動作位置及び／または別の位置であり得る。

トリガへの付勢部材の影響は、その付勢部材によるトリガへの効果の大きさを意味すると解釈すべきである。例えば、トリガが線形移動する場合に、トリガへの付勢部材の影響は、トリガの移動方向と平行な方向におけるその付勢部材によってトリガにかけた力の成分である。別の例において、トリガが回動可能である場合に、トリガへの付勢部材の影響は、付勢部材によってトリガに（直接的にまたは間接的に）かけたモーメントである。

好ましくは、用品は、第１及び第２付勢部材双方がトリガを推進させる位置にトリガがあるときに、モータ接続解除状態にあるように構成されている。

選択的に：
第１付勢部材は、動作位置までずっとトリガを推進させるように構成されており；そして、
第２付勢部材は、第１付勢部材の付勢に抗して動作及び非動作位置間の中間位置へトリガを推進させるように構成されている。

中間位置は、第１及び第２付勢部材双方がトリガを推進させる位置の例である。

電源は、バッテリであり得、バッテリ及びスイッチ組立体は、主本体に取り外し可能に装着されたバッテリパックに設けられ得る。

より緩和した許容誤差を使用することができることに関する本発明の利点は、上述のように、このような用品に特に有益であり得る。取外し可能なバッテリパックに必要な結合するまたは協働する構成部材は、製造バラツキ（例えば用品の複雑さが増加したために及びこれら構成部材間に多量の機能的相互作用が必要とされるために）に起因して特に問題の影響を受けやすいことがあり得る。したがって、製造バラツキにより耐性がある用品は、特に有益であり得る。

主本体は、ハンドルを備え得、バッテリパックは、ハンドルに取り外し可能に装着され得る。

バッテリパックは、任意の適切な機構によって主本体に取り外し可能に装着され得る。例えば、バッテリパックは、例えば（充電のように）バッテリパックがユーザによって頻繁に取り外されることを意図している場合に、１以上のキャッチを用いて主本体に取り外し可能に装着され得る。別の例として、バッテリパックは、例えばバッテリパックを取り外すことが比較的頻繁ではなさそうである場合に、ネジ部品を用いて取外し可能に装着され得る。

代替例として、電源は、バッテリパックには設けられていないかつ／もしくはスイッチ組立体を備えないバッテリ、または、主本体に恒久的に装着されたバッテリパックに設けられたかつ／もしくはスイッチ組立体を備えないバッテリ、であり得る。別の代替例として、電源は、用品を家庭の壁にあるソケット内にプラグ接続することによってアクセス可能な電気の幹線であり得る。

疑義を避けるために、用語「バッテリ」は、単一のセルを含むことを意図する。

トリガは、ユーザの指を受けるように位置する接触面を有し得、接触面は、トリガが非動作位置にあるときにトリガが動作位置にあるときよりもハンドルから間隔を開け得る。このようなトリガは、トリガが銃のトリガと同じ一般的な方法で動作する点で、有利であり得、これは、特に人間工学的であり、潜在的なユーザによって例外なく理解される。

トリガの一部は、ハンドル内に受けられ得、トリガの一部は、トリガが非動作位置にあるときにハンドルから突出し得る。これは、ハンドルがトリガのうちユーザの入力を受けることを意図していない部分を隠し得る点で、有利であり、これにより、強打することによってうっかりトリガを動作させる危険性を低減する。

接触面は、トリガが動作位置にあるときに、ハンドルの外面とほぼ面一であり得る。これにより、１以上の指（例えば「トリガ指」がより伸ばされるまたは他の指よりもよりしっかりと握り締めることを必要とする本体よりも、ほぼ連続的な表面を有する本体を把持することがより自然に感じかつ疲れにくいので、ユーザの疲労を低減し得る。

トリガは、ハンドルに対して回動可能であり得る。

より緩和した許容誤差を使用できることに関する本発明の利点は、上述のように、このような用品において特に有益であり得る。回動式トリガは、トリガの挙動がより多量の要因による影響を受けるので、製造許容誤差に起因した問題の影響を特に受けやすいことがあり得る。トリガにかけた力及びこれら力の方向による影響を受けた回動可能なトリガは、スライド式トリガのようではあるがスライド式トリガとは異なり、これら力からトリガの回動軸までの垂直距離による影響も受ける。回動可能なトリガが用品の正確な幾何形状にさらに依存することは、回動可能なトリガが上記要因におけるさまざまな製造バラツキに関するより大きな機会を有し、トリガの挙動における変化と複合させてこの変化を増幅させること、を意味する。したがって、回動式トリガを有しかつ製造バラツキにより大きな耐性がある用品は、特に有益であり得る。

また、回動式トリガを使用することは、スライド移動を使用するトリガと比較して、有利である低い内部摩擦、ひいては、有利である軽量なトリガ、を提供し得る。回動式トリガは、トリガが受ける摩擦抵抗のほとんどまたはすべてが回動軸で起こるように構成され得る一方で、スライド式トリガは、一般的に、トリガをレールなどの上でスライドさせるための必要性に起因したより大きな摩擦を受ける。

第２付勢部材は、第１付勢部材がトリガに作用する点よりもトリガの回動軸から離れた点でトリガに作用するように構成され得る。これは、第２付勢部材が第１付勢部材によりも機械的利点を有することを可能とし得、それにより、（必要ならば）必ずしも強化する必要なく、第２付勢部材が第１付勢部材の影響を克服することを可能とする。

第２付勢部材は、０．４Ｎｍ以下、例えば０．３Ｎｍ以下のモーメントをトリガにかけるように構成され得る。好ましくは、第２付勢部材は、０．２５Ｎｍ、例えば０．１Ｎｍ以下または０．０５Ｎｍ以下のモーメントをトリガにかけるように構成されている。

第２付勢部材は、０．０１Ｎｍ以上、例えば０．０２Ｎｍ以上のモーメントをトリガにかけるように構成され得る。

第１付勢部材は、０．１Ｎｍ以下、例えば０．０８Ｎｍ以下のモーメントをトリガにかけるように構成され得る。好ましくは、第１付勢部材は、０．０６Ｎｍ以下、例えば０．０３Ｎｍ以下または０．０１Ｎｍ以下のモーメントをトリガにかけるように構成されている。

第１付勢部材は、０．００１Ｎｍ以上、例えば０．００３Ｎｍ以上または０．００５Ｎｍ以上のモーメントをトリガにかけるように構成され得る。

第２付勢部材は、１５Ｎ以下、例えば１０Ｎ以下の付勢力をトリガにかけるように構成されている。好ましくは、第２付勢部材は、８Ｎ以下、例えば４Ｎ以下または２Ｎ以下の付勢力をトリガにかけるように構成され得る。

第２付勢部材は、０．１Ｎ以上、例えば０．４Ｎ以上または０．８Ｎ以上の付勢力をトリガにかけるように構成され得る。

第１付勢部材は、１０Ｎ以下、例えば８Ｎ以下の付勢力をトリガにかけるように構成され得る。好ましくは、第１付勢部材は、６Ｎ以下、例えば４Ｎ以下または２Ｎ以下の付勢力をトリガにかけるように構成されている。

第１付勢部材は、０．１Ｎ以上、例えば０．３Ｎ以上または０．５Ｎ以上の付勢力をトリガにかけるように構成され得る。

トリガ及び第２付勢部材は、第２付勢部材の付勢に抗してトリガを動作位置へ移動させることがトリガの移動方向において１５Ｎ以下、例えば１０Ｎ以下の力をトリガにかける必要があるように構成され得る。好ましくは、トリガ及び第２付勢部材は、第２付勢部材の付勢に抗してトリガを動作位置へ移動させることがトリガの移動方向において８Ｎ以下、例えば５Ｎ以下または３Ｎ以下の力をトリガにかける必要があるように構成されている。

トリガ及び第２付勢部材は、第２付勢部材の付勢に抗してトリガを動作位置へ移動させることがトリガの移動方向において０．１Ｎ以上、例えば０．４Ｎ以上または０．８Ｎ以上の力をトリガにかける必要があるように構成され得る。

付勢部材または付勢部材のうちの少なくとも一方は、弾性部材であり得る。弾性部材は、有利には単純であり、安価でありかつ／または信頼性がある形態の付勢部材であり得る。弾性部材は、例えばコイルバネ、板バネ、渦巻バネまたはさらバネの積層体のような任意の適切な形態をとり得る。

あるいはまたはさらに、付勢部材のうちの少なくとも一方が、ソレノイドのようなアクチュエータであり得る。

選択的に：
スイッチ組立体は、可逆性作動部材を備え；
作動部材は、トリガによって第１位置から第２位置へ移動可能であり；そして、
スイッチ組立体は、作動部材が第１位置にあるときにモータ接続解除状態にあり、作動部材が第２位置にあるときにモータ接続状態にある。

第２付勢部材は、作動部材を第１位置へ推進させ得、それにより、トリガを非動作位置に向けて付勢させる。

作動部材は、押下ボタンであり得、作動部材を第１位置から第２位置へ移動させることは、ボタンを押すことを伴い得る。

スイッチ組立体は、トリガによって動作されるスイッチを備え得、スイッチ組立体は、スイッチが開いているとモータ接続状態にあり、スイッチが閉じているとモータ接続解除状態にある。

これが有利であり得ることは、スイッチ組立体がスイッチにかけられるトリガの非常に小さい量の移動がスイッチアセンブリをモータ接続状態に入れさせ得ること、である。したがって、用品は、トリガを動作させるとすぐに外見的には瞬時に動作し始め得る。

また、この配置により、（例えばユーザがトリガ上で指の位置をずらしたことに起因した）トリガのわずかな移動がスイッチ組立体をモータ接続解除状態に入れさせないとすぐに、スイッチ組立体がモータ接続状態に入る点を越えてトリガが移動することを可能とし得る。したがって、用品は、使用中に偶発的に作動停止しない傾向があり得る。

選択的に：
トリガは、スイッチ組立体に作用するように構成された動作部分を有し、それにより、トリガを非動作位置から動作位置へ移動させることは、スイッチ組立体をモータ接続解除状態からモータ接続状態へ移動させ；そして、
第１付勢部材がトリガを動作位置へ推進させることは、スイッチ組立体の一部に当接させて動作部分を推進させるように作用する。

あるいは、スイッチ組立体の一部（例えばスイッチ組立体の電気接点）は、トリガに設けられ得る、または、トリガは、トリガの運動を検知してこれに応じてスイッチ組立体の状態を変化させる制御器によって監視され得る。

スイッチ組立体の上記部分は、作動部材であり得る。

家電用品は、トリガの動作部分がスイッチ組立体の作動部材と接触している状態で、第１付勢部材の影響に起因して動作部分によって作動部材にかけた力が第２付勢部材の影響に起因して作動部材により動作部分にかけた力以下であるように、構成され得る。

家電用品は、真空掃除機であり得、電気モータは、吸引発生器の一部であり得る。例えば、モータは、ファンを駆動させて吸引力を発生させる。

本発明の第２態様によれば、本発明の第１態様にかかる家電用品の部品を提供し、上記部品は、少なくともハンドル、トリガ及び第１付勢部材を備える。

本発明の第２態様にかかる主本体は、本発明の第１態様に関して上述した利点のうちの１以上を提供し得る。

この部品は、（例えば家電用品が手持型真空掃除機またはスティック型真空掃除機であるいくつかの場合において）モータ及びサイクロン式分離装置を有する主本体であり得る。あるいは、この部品は、主本体に接続可能なワンド組立体またはホース組立体であり得、この主本体は、（例えば家電用品がシリンダ型真空掃除機またはアプライト型真空掃除機であるいくつかの場合において）モータ及びサイクロン式分離装置を備える。

添付の図面を参照しながら、本発明の形態をここで単なる例として説明する。

本発明の一実施形態にかかるスティック型真空掃除機を示す斜視図である。 図１の真空掃除機の真空ユニットを示す斜視図である。 図２の真空ユニットの主本体を示す横断側面図である。 図２の真空ユニットのバッテリパックを示す横断側面図である。 図２の真空ユニットを示す横断側面図である。 注釈付きの図５の部分を示す拡大図である。 図４のバッテリパックの作動部材及びスイッチを示す横断側面図であってアクチュエータが第１位置にある、横断側面図である。 図４のバッテリパックの作動部材及びスイッチを示す横断側面図であってアクチュエータが第２位置にある、横断側面図である。

図１は、本発明の一実施形態にかかる真空掃除機を示す。この実施形態の真空掃除機２は、ほぼ従来の構造からなるスティック型真空掃除機である。この真空掃除機は、図２で別個に示す真空ユニット４を有し、この真空ユニットは、ワンド８によってブラシツール６に接続されている。注目すべきことは、この特有の実施形態において、真空掃除機２は、ワンド８を取り除いてブラシツール６を真空ユニット４に直接接続することによって、スティックバクから手持型の機械に単純に変換され得る。

真空ユニット４は、主本体１０及びバッテリパック１１を有する。主本体１０は、チャンバ１２を有しており、このチャンバは、バッテリパック１１からの電力を受けるモータ（図示略）を収容する。チャンバ１２のほぼ下方には、ハンドル１４があり、チャンバ１２及びハンドル１４のほぼ前方には、サイクロン式分離装置１６がある。サイクロン式分離装置１６は、モータによって駆動されるファンによって真空ユニット４内に引き込まれたゴミ含有気流からゴミ、塵及び他の破片を取り除くように機能する。

この点において留意すべきことは、本明細書で説明する分離装置がサイクロン式であるが、これが必須ではなく、例えば気流から汚染物質を分離するために渦流室内にある繊維フィルタを特徴とする他の無袋タイプの分離装置や、技術的に一般的な袋付タイプの分離装置など、他の分離装置が実行可能であること、である。サイクロン式分離装置の詳細な構成は、本発明に重要ではなく、そのため、本明細書で詳細には説明しない。しかしながら、適切なサイクロン式分離装置の特有の構成は、本出願人の英国特許出願公開第２４７５３１２号明細書で説明されており、参考として本明細書に組み込む。

真空ユニット４の前端部は、ノズル１８を有しており、このノズルを通して、ゴミ含有気流は、サイクロン式分離装置１６に入る。ノズル１８は、コネクタ２０で終端しており、このコネクタは、ワンド８の相補的なコネクタ２２と係合する。キャッチ２４は、この場合においてワンド８に設けられており、コネクタ２０、２２を共に解放可能に固定する。ワンド８の前端部は、さらなるコネクタ２４を有しており、このさらなるコネクタは、ブラシツール６にある相補的なコネクタ２６と係合する。同じく、コネクタは、キャッチ２８によって所定位置で固定される（このコネクタは、この特有の実施形態において、ブラシツール６に設けられている）。

真空掃除機２の一般的な清掃動作は、本発明に重要ではなく、したがって、本明細書で詳細には説明しない。手短に言うと、バッテリパック１１から給電されると、モータによって駆動されるファンは、ブラシツール６を通し、ワンド８を通し、そして、サイクロン式分離装置１６内へ空気を引き上げる。サイクロン式分離装置１６は、空気からゴミ及び塵を分離し、歩見及び塵を保持する。ファンは、サイクロン式分離装置１６から清浄にした空気を引き込み、１組の排気孔３０を通して真空掃除機２から排出させる。

図２により明確に示すように、特有の実施形態において、この実施形態にかかるハンドル１４は、「ピストルグリップ」の形態をとる。この場合において、ピストルグリップ１４は、（図２の斜視図から）ほぼ垂直に延在するが、前方に若干曲がっており、これは、人間工学的に有利である。この場合において、ハンドル１４は、約１０°だけ傾けられているが、０°から約２０°の間の任意の角度は、適切であると考えられる。この実施形態において、バッテリパック１１は、ハンドル１４のほぼ下において主本体１０に装着されている。ハンドル１４の両側に位置するバッテリパック１１とモータ及びファン（図示略）とは、真空ユニット４にひいては真空掃除機２に、全体として特有の人間工学的な重量バランスを形成する。

ハンドル１４は、トリガ３２を備え、このトリガは、この場合において、銃のトリガに似ており、このトリガによって、ユーザは、真空掃除機２を選択的に動作させる。ハンドル１４は、同様に、指置部３４を有しており、この指置部は、この実施形態において、トリガの直下でハンドル１４から前方に突出するほぼ水平な棚状体の形態をとる。指置部３４があることにより、ユーザによってより容易に真空掃除機を支持して運ぶことが可能となる。例えば、ユーザは、ハンドル１４を比較的緩く把持し得、真空ユニットの重量の一部は、ユーザの中指で支持されている指置部３４によって支持される。トリガに隣接して（この場合ではトリガの下方で）突出する指置部３４は、ユーザの指がトリガからうっかりと滑り落ちることを指置部が防止し得るというさらなる利点を有する。他の実施形態において、指置部３４は、棚状体でなくてもよいが、ピンあるいは杭体のようなまたはトリガにある指扇形体(finger scallop)とハンドルにある隣接する指扇形体との間の尖端(peak)のようなテーパ状突起でのような他の適切な形態を取り得る。

トリガが図示した位置にある状態で、トリガの一部分は、ハンドル１４内に受けられており、一部分は、開口部３５を通してハンドルから突出する。トリガを「引く」と、トリガの接触面３６（すなわちユーザが指を置く表面）は、後方に押され、ハンドル１４の前外面３７と面一になる。すなわち、トリガ３２を引くと、トリガ及びハンドル１４は、（この場合において指置部３４を除いて）ほぼ連続的な本体を形成し、ユーザによって把持される。これにより、より複雑な形状を把持することよりも連続的な本体（例えばユーザの指をほぼ一直線上にすることが可能である連続的な本体）を把持することを一般的により自然に感じかつ疲れにくいので、ユーザの疲労を低減し得る。例えば、トリガを引くときにハンドル１４の残りの部分に替えてトリガ３２の接触面３６を引く場合、ユーザは、ハンドルを把持しつつユーザの人差し指を部分的に伸ばしたままとする必要がある。後者は、配置（後述するように本実施形態を含む）において特に落ち着きがないことがあり、トリガは、装置を動作させ続けるために押下し続けなければならない「デッドマン装置」の形態を取る。この場合において、ハンドル１４の接触面及び前外面３７双方は、ハンドルの長手方向軸に沿ってほぼ連続的な形状を有する凸状であるが、他の実施形態において、それぞれは、任意の他の適切な形態をとり得る。

主本体１０の横断面図を図３に示す。この図において、トリガ３２を動作位置、すなわち、チャンバ１２内のモータ４２に電力を送達してそれにより真空掃除機２を動作させ得る位置（この場合において、トリガをユーザによって「引く」と、達成する位置）で示す。後述するように、トリガ３２は、同様に、非動作位置、すなわち、電力をモータ４２に送達させずにそれにより真空掃除機２が動作していない位置へ移動可能である。この場合において、トリガ３２が非動作位置にあるとき、トリガの接触面は、さらに前方に（すなわち、ハンドル１４の開口部３５からさらに）突出する。したがって、理解することは、トリガ３２を「引く」ことによってトリガを動作位置に向けて推進させること、である。

図３に示すように、この実施形態にかかるトリガ３２は、ハンドル１４に対して回動式に装着されており、ハンドルは、ほぼ中空であり、トリガの一部分を収容する。この場合において、トリガ３２は、ピン４０を受ける開口部３８を有し、このピンは、ハンドル１４を横切って横方向に（すなわち図３の斜視図からページ内に）延在する。開口部３８は、ピン４０回りに回動可能であり、ピンが軸を形成することを可能とし、トリガ３２は、この軸回りにハンドル１４に対して回動し得る。この特有の場合において、トリガ３２が（図３に示すような）動作位置から非動作位置に向けて移動させることは、トリガを回動軸４０回りに時計回りに回転させることを伴い、同様にトリガ３２を非動作位置から動作位置に向けて移動させることは、トリガを回動軸４０回りに反時計回りに回転させることを伴う。

この実施形態にかかるトリガ３２は、ほぼ釣鐘クランクの形態を有し、２つの腕体４４、４５は、回動軸４０回りの角度を画成する。この特有の場合において、角度は、約１００°であり、腕体４４は、ほぼ水平に延在し、腕体４５は、ハンドルとほぼ一致して（上述のように、垂直から約１０°で）延在する。腕体４５には、突起部分４７が設けられており、この突起部分は、トリガが第１位置にあるとハンドル１４の開口部３５を通って延在し、この突起部分には、接触面３６が設けられている。腕体４４は、スイッチ組立体を動作させるように構成されており、それにより、（以下で詳述するように）真空掃除機２を作動させる。したがって、腕体４４は、トリガの動作部分を構成する。

図３は、同様に、モータ４２に取り付けられるファン４３を示す。この場合において、ファン４３は、モータ４２と同様にチャンバ１２内に位置する。この図は、同様に、モータ４２に電気的に接続された一対の接点４１（一方のみが図３において視認可能である）と、バネ４６と、を示す。バネ４６は、この場合において、螺旋状の圧縮バネであり、この圧縮バネは、ハンドル１４のトリガ３２から及び装着***５２から各別に延在するほぼ対向する突起４８、５０間で所定位置に保持されている。バネ４６からの復元力は、トリガ３２を推進させて図３の斜視図から反時計回りに回動させる。バネ４６は、トリガ３２を非動作位置から離間して動作位置に向かうように推進させ、したがって、本発明の意味における「第１付勢部材」を構成する。この特有の実施形態において、バネ４６は、トリガ３２を動作位置までずっと推進させるように構成されており、真空掃除機２の主本体１０は、トリガを動作位置から外れるように移動させ得る構成部材を備えていない。したがって、この実施形態において、主本体１０を真空掃除機２の他の構成部材から隔離すると、トリガ３２は、バネ４６の作用を受けて動作位置にある。

真空ユニット４のバッテリパック１１を図４において隔離して（横断面で）示す。バッテリパック１１は、出願人の国際公開第２０１３／１１７９０１号パンフレットで説明したものと同じ概略形態を有し、この公報を参考として本明細書に組み込む。バッテリパック１１は、アレイ状のセル５６及び回路基板５８を収容する厚板状部分５４と、厚板状部分５４から突出する柱体６０と、を有する。この特有の実施形態において、バッテリパック１１は、主本体１０に装着されており、厚板状部分５４は、（図１及び図２に示すように）ハンドル１４からか下方で延在し、柱体６０は、ハンドル１４のキャビティ内に受けられている。

柱体６０は、位置合プロング６２と、作動部材６４と、バネ６６と、スイッチ６８と、一対の接点７０と、を有する。作動部材６４、バネ６６及びスイッチ６８は、厚板状部分５４の回路基板５８と協働して、スイッチ組立体７２を形成する。スイッチ組立体７２は、後述するように、セル５６から接点７０へ、ひいてはモータへ電力を供給するように動作可能である。この特有の実施形態において、スイッチ６８は、Micro-Switch（登録商標）として公知の小型のスナップ作動スイッチであるが、他の実施形態において、スイッチ６８は、任意の他の適切な形態を取り得る。

この実施形態にかかるスイッチ組立体は、図４に示すような第１位置から第２位置まで作動部材６４を移動させることによって、動作される。この実施形態において、作動部材６４は、往復移動可能なプッシュボタンの形態を取り、作動部材は、プッシュボタンを押下する（この場合において図４の斜視図からほぼ下方に移動させる）、すなわちボタンを「押す」ことによって第２位置へ移動される。作動部材６４が第１位置にあると、スイッチ組立体７２は、「モータ接続解除状態」にあり、この状態において、セル５６は、接点７０に電気的に接続されておらず、それにより、（後述するように主本体１０を組み立ててモータ４２を接点に接続すると）モータ４２は、セル５６から電力を受け得ない。作動部材６４が第２位置にあると、スイッチ組立体７２は、「モータ接続状態」にあり、この状態において、接点７０は、セルに電気的に接続され、それにより、モータ４２を接点７０に接続すると、モータは、セルから電力を受け得る。この場合において、バネ６６は、螺旋状圧縮バネであり、作動部材６４を第２位置から第１位置へ（すなわち図４の斜視図からほぼ上方に）推進させるように構成されている。

図５は、真空ユニット４全体、すなわち主本体１０及びバッテリ１１の横断面図を示す。この図に示すように、本実施形態において、バッテリパック１１の柱体６０は、中空ハンドル１４内に受けられており、厚板状部分５４は、ハンドル１４の底部に当接し、位置合プロング６２は、ハンドルのほぼ全高にわたって（この場合においてハンドル１４の後部にほぼ沿って）延在する。バッテリ１１及び主本体１０を互いに装着すると、これら接点７０、４１それぞれは、触れる。したがって、スイッチ組立体７２によってセル５６をバッテリパック１１の接点７０に接続すると、電力は、主本体１０の接点４１を介して、接点７０からモータ４２に送達される。

注目すべきことは、図５において、トリガ３２が動作位置と非動作位置との間の中間位置にあること、である。トリガ３２をこの中間位置から動作位置へ移動させることは、トリガを回動軸４０回りに反時計回りに回転させることを必要とし、トリガを中間位置から非動作位置へ移動させることは、トリガを時計回りに回転させることを必要とする。

主本体１０及びバッテリパック１１を組み立てて真空ユニット４を形成すると、トリガ３２の腕体４４及びスイッチ組立体７２の作動部材６４は、相互に作用し得る。トリガ３２が中間位置にあると、作動部材６４は、第１位置にあり、したがって、スイッチ組立体７２は、モータ接続解除状態にある。トリガ３２を（バネ４６の付勢に抗して）中間位置から非動作位置まで時計回りに移動させることにより、腕体４４を作動部材６４から上昇させ、その結果、スイッチ組立体７２の状態を変化させない。しかしながら、トリガ３２をこの中間位置から動作位置へ反時計回りに移動させる（すなわち、トリガを「引く」）ことにより、その腕体４４を下方に移動させる。このため、腕体４４は、作動部材６４を押し下げ、スイッチ組立体７２をモータ接続状態へ移動させる。したがって、電力は、セル５６からモータ４２へ供給される。

トリガ３２を動作位置に向けて移動させることによって作動部材６４を第２位置に向けて押し下げると、バネ６６は、上述のように、作動部材を第１位置に向けて戻るように推進させる。これは、トリガ３２を動作位置から離間させて非動作位置に向けて推進させる作用を有する。したがって、バネ６６は、本発明の意味において「第２付勢部材」を構成する。

上述のように、この実施形態において、バネ４６は、非動作位置から動作位置までずっとトリガ３２を推進させる（すなわち、任意の他の力がなくてもトリガを非動作位置から動作位置までずっと移動させる力をかける）。一方、この実施形態において、バネ６６は、トリガ３２を中間位置へ（すなわち、非動作位置への途中のみ）推進させる。したがって、トリガ３２が非動作位置または非動作及び中間位置間の任意の位置にあると、トリガは、バネ４６によってのみ作動される。しかしながら、トリガが動作位置、中間位置またはこれら間の任意の位置にあると、バネ４６及びバネ６６は、トリガ３２を反対方向に推進させる。この実施形態において、トリガ３２、バネ４６及びバネ６６は、バネ６６がバネ４６の付勢に抗してトリガを中間位置へ移動させ得るように構成されている。この特有の場合において、バネ６６は、バネ６６がバネ４６よりも強い（すなわち、バネ６６がトリガ３２により大きな力をかける）ので、かつ、バネ６６がトリガの回動軸４０からより大きな距離でトリガに作用する（これはバネ６６が機械的優位性を有することを意味する）ので、バネ４６からの力を圧倒する。

トリガ３２が（バネ４６の作用を受けて）非動作位置から中間位置へ移動するようにかつ（バネ４６の付勢に抗したバネ６６の作用を受けて）動作位置から中間位置へ移動するように構成されているので、トリガは、中間位置に関して「自動中心合せ(self-centering)」作用を示し、この作用において、トリガは、中間位置から乱れた後に中間位置に復帰する。さらに、スイッチ組立体７２がモータ接続解除状態（すなわち、電力をモータ４２に送達していない）にあるので、トリガ３２が中間位置にあると、この形態にかかるトリガ３２は、「デッドマン装置」の形態をとり、この装置は、真空掃除機を動作させるために押下げられなければならない。

トリガが中間位置にあると、バネ４６は、トリガを反時計回りに（すなわち動作位置に向けて）推進させ続けるが、バネ６６は、トリガが中間位置を越えて移動することを防止する。したがって、トリガ３２の腕体４４は、トリガをユーザが作動させるまで、（作動部材が第１位置にある状態で）作動部材６４上にある。腕体４４がスイッチ上にあると、トリガ３２は、ユーザがトリガを引くと特にすぐに反応し、作動部材６４は、腕体４４の影響を受けて移動し始める。対照的に、トリガがさらに時計回り方向の位置にあるように構成されている場合、ユーザは、トリガを腕体４４は、作動部材６４に接触する位置まで引っ張り、そして腕体４４が作動部材を移動させるように引っ張り続けなければならない。したがって、この配置は、トリガ作用に反応しにくく、ユーザの疲労を増加させ得るより長いトリガ引きを有する。

また、（本発明の様々な他の実施形態と同様に）本実施形態では、より緩和した製造許容誤差を利用することが可能となり得、この許容誤差は、順に、金型費及び廃品（例えば許容可能な許容誤差外にあることに起因して廃棄される部品）を低減し得る。本実施形態において、トリガ３２を腕体４４が作動部材６４に接触する位置に推進させると、トリガにおける任意の「緩み状態」を除き、これは、トリガが反応性良くガタつかないことを意味する。この反応性及びガタつかないことは、（理にかなった範囲で）製造バラツキに関係なくもたらされ得、このようなバラツキは、トリガ３２の正確な待機位置を変化させ得るが、バネ４６に起因して、トリガは、それにもかかわらず、その腕体４４が作動部材に接触した状態で静止する。

これは、図５に示す装置がバネ４６を利用しないという条件で設けられた配置であってそれにより腕体４４を作動部材６４に対して保持しないがその替わりにトリガの移動限界が腕体４４及び作動部材６４が触れる位置であるように設計された配置のような、本発明を利用しない配置に関する状況と対照をなす。これは、例えば、トリガがその位置にあるときにトリガ３２の表面に接触するように位置する表面をハンドル１４に設けることによって、実現され得る。この配置において、製造バラツキに起因した幾何形状における若干の偏差は、いくつかの場合において、腕体４４が作動部材６４に触れる位置よりも時計回り方向にまたは反時計回り方向にトリガ３２がある状態でこれら表面が互いに接触すること、を意味する。前者の場合において、トリガは、トリガ３２の表面がハンドル１４の表面に接触する位置と腕体４４が作動部材に接触する位置との間でガタつく。後者の場合において、トリガは、腕体４４が作動部材を押下する位置で保持され、これは、真空掃除機２のスイッチを切り得ないこと、を意味する。

本実施形態にかかる上記説明から理解することは、トリガ３２が取る態様の大部分がトリガへのバネ４６、６６の影響によって決定されること、である。バネ４６、６６及びトリガ３２には、複数の設計的制限が同時に発生する。例えば、本実施形態において、バネ６６からの影響は、（少なくともトリガが動作位置にあるときに）バネ４６からの影響を越えるべきであり、バネ６６がバネ４６に克服するのに十分な強度を有さないことを引き起こす製造許容誤差における偏差を回避するのにかつトリガがトリガ自体の重量または慣性を受けて動作位置へ移動可能となることを回避するのに十分な量だけ、バネ４６からの影響を越えるべきである。しかしながら、バネ６６は、ユーザがトリガを引いてそのバネ６６の付勢に抗してトリガを動作位置へ移動させることを困難にするまたは疲れさせるのには十分強力ではないべきである。また、この実施形態において望ましいことは、バネ４６が比較的弱く、それにより、バネを支持する構成部材に不要な応力を導入することを回避するが、トリガがガタつき得るとトリガ単独の重量または慣性によって克服されるようなほどには弱くないこと、である。理解されることは、トリガ性能への要件が、本発明を適用する特有の装置に応じて変化すること、である。しかしながら、例として、この実施形態にかかる特有の構成のトリガ３２及びバネ４６、６６を図６を参照して説明し、この図６は、（トリガが中間位置にある状態での）トリガ３２及びバネ４６、６６の拡大横断面図である。

上述したように、この実施形態にかかるトリガ３２は、軸４０回りに回動する。したがって、バネ４６、６６の相対的影響は、これらバネがトリガ３２にかけたモーメントの強度によって決定される。初期点において、理解を容易にするために以下の状況を簡素化した。例えば、バネ４６、６６によってかけられた力が通常（バネの正確な変位に影響を及ぼす）トリガ３２の正確な位置に応じて変化するが、これらバネが受ける変位にわたってこれらバネが一定の力をかけるとして説明される。同様に、バネ４６、６６からの力がある領域にわたって広げられるが、簡素化する目的で、これら力を点荷重であるとみなす。

バネ４６に関して、このバネは、約０．７５Ｎの力７４をトリガにかける。（バネ４６の中心点にかかるとみなされる）この力から回動軸４０までの垂直距離７６は、約９ｍｍであり、したがって、トリガ３２へのバネ４６の影響は、約０．００７Ｎｍのモーメントである。バネ６６に転じると、このバネ６６は、約１Ｎの力７８をかける。（作動部材６４の中心にかかるとみなされる）この力と回動軸４０との間の垂直距離８０は、約３０ｍｍであり、したがって、トリガ３２へのこのバネ６６の影響は、約０．０３Ｎｍのモーメントである。

トリガ３２が中間位置にあると、バネ４６、６６によってトリガ３２にかかるモーメントは、釣り合っており、バネ６６は、その全力をかけない。しかしながら、十分な力でトリガ３２を動作位置に向けて推進させると、バネ６６の全力をその後かける。その時点で、バネ４６、６６によって生成されたモーメントは、互いに対向しているが、時計回りの約０．０２３Ｎｍの合成モーメントを出す。このモーメントを克服してトリガを動作位置へ移動させるため、ユーザは、トリガ３２の接触面３６に対して後方力をかける必要があり、この後方力は、同じ強度のモーメントをかける。接触面３６の中心から回動軸４０までの垂直距離８４が約２３ｍｍであるので、約１Ｎの力８２は、トリガを動作位置へ移動させるのに十分である。比較する目的で、拳銃のトリガを引くのに必要な力は、一般的に、２０Ｎから６０Ｎの範囲にある。

本実施形態にかかる特有な配置のスイッチ組立体７２をここで図７Ａ及び図７Ｂを参照しながら説明する。図７Ａは、作動部材６４及びスイッチ６８の拡大図であってアクチュエータが第１位置にある拡大図を示し、図７Ｂは、第２位置にある作動部材を示す。これら図面を組み合わせて参照すると、分かることは、作動部材６４が第１位置にあると、作動部材の腕体８６がスイッチ６８に接触する一方、第２位置において、作動部材６４の腕体８６がスイッチ６８に接触していないこと、である。

予想に反して、この実施形態において、スイッチ６８は、スイッチ組立体７２がモータ接続状態にあるときに開いており、スイッチ組立体がモータ接続解除状態にあるときに閉じている。セル５６と接点７０との間を直接ワイヤ接続されずに、スイッチ６８は、回路基板５８にワイヤ接続されている。回路基板５８は、スイッチの開閉を検出し、これに応じて、スイッチ組立体をモータ接続状態またはモータ接続解除状態に入れさせる。より具体的には、作動部材６４を第１位置から第２位置へ移動させることによって、スイッチ６８を解放してスイッチの接点を開く。これは、回路基板５８によって検出され、これにより、トランジスタのような第２スイッチ（図示略）を作動させ、それにより、スイッチ組立体７２は、モータ接続状態に入り、（接点４１、７０を介して）セル５６をモータ４２に接続する。同様に、作動部材６４を第２位置から第１位置へ移動させることにより、スイッチ６８を押してその接点に接触させる。これは、回路基板５８によって検出され、これにより、さらなるスイッチ（図示略）を作動させ、それにより、スイッチ組立体７２は、モータ接続解除状態に入り、セル５６をモータ４２から接続解除させる。

この配置は、作動部材６４が第１位置（すなわちスイッチ６８が閉じてスイッチ組立体７２がモータ接続解除状態にある）ときに、作動部材６４が非常に小さい量だけ移動する結果として、スイッチ６８が開き始める（ひいてはスイッチ組立体７２がモータ接続状態に入る）、という利点がある。トリガ３２を移動させることによって作動部材６４を第１位置から第２位置へ移動させるので、これは、トリガ３２の非常に小さな量の移動と等価であり、その結果、電力をモータ４２に送達する。したがって、真空掃除機２は、トリガ３２を引くと外見的には瞬時に動作し始め得る。すなわち、この配置は、中間位置から作動位置へのトリガ３２の移動がほとんど瞬時に発生するので、真空掃除機２が特に反応性を有するトリガを有すること、を可能とする。

さらに、上記配置は、スイッチ６８が開いてスイッチ組立体７２がモータ接続状態に入る位置を越えて作動部材６４が移動し続けることを可能とする。この特有な実施形態において、作動部材６４は、スイッチ６８が開いた後に約５ｍｍまたは１０ｍｍさらに移動し得る。このさらなる移動中に、スイッチ６８の状態ひいてはスイッチ組立体７２の状態は、影響を受けない。したがって、トリガの最終位置は、ユーザによって押下されつつも、スイッチ組立体７２がモータ接続状態とモータ接続解除状態との間で移動する位置からある程度の距離を開けている。これは、順に、例えばトリガ３２にあるユーザの指の位置を調整するときに、スイッチ組立体７２がモータ接続解除位置に入って真空掃除機２を動作停止させることがないように、ユーザがトリガ３２の一部の圧力を解放する（ひいては作動部材６４が第１位置に向けていくらかの距離戻るように移動することを可能とする）こと、を意味する。

理解されることは、添付の特許請求の範囲で規定されたような発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態にさまざまな改変をし得ること、である。例えば、上記実施形態において、その移動範囲におけるすべての点でバネ４６及びバネ６６のうちの少なくとも一方（すなわち、第１及び第２付勢部材のうちの少なくとも一方）によって作動させるが、他の実施形態において、いずれの付勢部材によってもトリガを作動させないトリガの位置または位置範囲があり得る。いずれの付勢部材によってもトリガを作動させないトリガの位置範囲がある実施形態の場合において、トリガは、この範囲にある位置間でガタつき得る。それにもかかわらず、例えばトリガの反応性を増加させていることまたはトリガのガタツキを低減させる（そうではあるが排除しない）ことに起因して、このような実施形態は、既知の配置に対して有益であり得る。

さらに、上記実施形態において、スイッチ組立体は、取外可能なバッテリパックに設けられているが、他の場合において、取外可能なバッテリが設けられているか否かにかかわらず、他の適切な場所に設けられ得る。

実施形態では、動作位置、非動作位置及び中間位置間で移動可能なトリガに関して説明した。しかしながら、第１付勢部材（バネ４６）がトリガを中間位置から離間させて動作位置に向けて推進させるので、かつ、トリガが中間位置にあるときにスイッチ組立体がモータ接続解除状態にあるので、代替的に考えられ得ることは、中間位置として上述した位置は、実際には非動作位置である。

上記実施形態が手持型真空掃除機であるが、理解することは、アプライト型及びシリンダ型の真空掃除機のような他のタイプの真空掃除機に本発明を適用し得ること、である。さらに、本発明は、同様に、（例えば蒸気送達デバイスまたは給水ポンプを駆動させる電気モータを有する）スチームクリーナやフロアポリッシャ及びヘアドライヤのような他の家電用品に適用され得る。

２ 真空掃除機（家電用品）、１０ 主本体、１１ バッテリパック，バッテリ、１４ 中空ハンドル，ハンドル，ピストルグリップ、３２ トリガ、３６ 接触面、３７ 前外面（外面）、４２ モータ（電気モータ）、４６ バネ（第１付勢部材，弾性部材）、６４ 作動部材、６６ バネ（第２付勢部材，弾性部材）、６８ スイッチ、７２ スイッチ組立体

Claims (24)

1. 家電用品であって、
   電気モータと、
   前記モータと電源とを選択的に接続するためのスイッチ組立体と、
   ハンドルと、
   動作位置と非動作位置との間で前記ハンドルに対して移動可能である手動動作可能なトリガと、
   を備え、
   前記トリガと前記スイッチ組立体が、前記スイッチ組立体が前記トリガが前記動作位置にあるときにモータ接続状態にありかつ前記トリガが前記非動作位置にあるときにモータ接続解除状態にあるように、構成されており、
   当該家電用品が、前記トリガを前記非動作位置から離間させて前記動作位置に向けて推進させるように構成された第１付勢部材を備えることを特徴とする家電用品。
2. 前記トリガを前記動作位置から離間させて前記非動作位置に向けて推進させるように構成された第２付勢部材をさらに備えることを特徴とする請求項１に記載の家電用品。
3. 前記トリガが、前記第１及び第２付勢部材双方が前記トリガを推進させる位置へ移動可能であり、
   前記位置において、前記第２付勢部材による前記トリガへの影響が、前記第１付勢部材による前記トリガへの影響よりも大きいことを特徴とする請求項２に記載の家電用品。
4. 前記第１付勢部材が、前記動作位置までずっと前記トリガを推進させるように構成されており、
   前記第２付勢部材が、前記第１付勢部材の付勢に抗して前記動作及び非動作位置間の中間位置へ前記トリガを推進させるように構成されていることを特徴とする請求項３に記載の家電用品。
5. 前記電源が、バッテリであり、
   前記バッテリ及び前記スイッチ組立体が、主本体に取り外し可能に装着されたバッテリパックに設けられていることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の家電用品。
6. 前記トリガが、ユーザの指を受けるように位置する接触面を有し、
   前記接触面が、前記トリガが前記非動作位置にあるときに前記トリガが前記動作位置にあるときよりも前記ハンドルから間隔を開けていることを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載の家電用品。
7. 前記トリガの一部が、前記ハンドル内に受けられており、
   前記トリガの一部が、前記トリガが前記非動作位置にあるときに前記ハンドルから突出することを特徴とする請求項１から６のいずれか１項に記載の家電用品。
8. 前記接触面が、前記トリガが前記動作位置にあるときに前記ハンドルの外面とほぼ面一であることを特徴とする請求項６に従属する請求項７に記載の家電用品。
9. 前記トリガが、前記ハンドルに対して回動可能であることを特徴とする請求項１から８のいずれか１項に記載の家電用品。
10. 前記第２付勢部材が、前記第１付勢部材がトリガに作用する点よりも前記トリガの回動軸から離れた点で前記トリガに作用するように構成されていることを特徴とする請求項２を組み込んだ請求項９に記載の家電用品。
11. 前記第２付勢部材が、０．２５Ｎｍ以下のモーメントを前記トリガにかけるように構成されていることを特徴とする請求項２を組み込んだ請求項９、または、請求項１０に記載の家電用品。
12. 前記第１付勢部材が、０．０６Ｎｍ以下のモーメントを前記トリガにかけるように構成されていることを特徴とする請求項９から１１のいずれか１項に記載の家電用品。
13. 前記第２付勢部材が、８Ｎ以下の付勢力を前記トリガにかけるように構成されていることを特徴とする請求項２、または、請求項２を組み込んだ請求項３から１２のいずれか１項に記載の家電用品。
14. 前記第１付勢部材が、６Ｎ以下の付勢力をかけるように構成されていることを特徴とする請求項１から１３のいずれか１項に記載の家電用品。
15. 前記トリガ及び前記第２付勢部材が、前記第２付勢部材の付勢に抗して前記トリガを前記動作位置へ移動させることが前記トリガの運動方向に８Ｎ以下の力をかけることを必要とするように構成されていることを特徴とする請求項２、または、請求項２を組み込んだ請求項３から１４のいずれか１項に記載の家電用品。
16. 前記付勢部材または前記付勢部材のうちの少なくとも一方が、弾性部材であることを特徴とする請求項１から１５のいずれか１項に記載の家電用品。
17. スイッチ組立体が、可逆性作動部材を備え、
    前記作動部材が、前記トリガによって第１位置から第２位置へ移動可能であり、
    前記スイッチ組立体が、前記作動部材が前記第１位置にあるときに前記モータ接続解除状態にあり、前記作動部材が前記第２位置にあるときに前記モータ接続状態にあることを特徴とする請求項１から１６のいずれか１項に記載の家電用品。
18. 前記第２付勢部材が、前記作動部材を前記第１位置へ推進させ、それにより、前記トリガを前記非動作位置に向けて付勢させることを特徴とする請求項２を組み込んだ請求項１７に記載の家電用品。
19. 前記作動部材が、押下ボタンであり、
    前記作動部材を前記第１位置から前記第２位置へ移動させることが、前記ボタンを押すことを伴うことを特徴とする請求項１７または１８に記載の家電用品。
20. 前記スイッチ組立体が、前記トリガによって動作されるスイッチを備え、
    前記スイッチ組立体が、前記スイッチが開いていると前記モータ接続状態にあり、前記スイッチが閉じていると前記モータ接続解除状態にあることを特徴とする請求項１から１９のいずれか１項に記載の家電用品。
21. 前記トリガが、前記スイッチ組立体に作用するように構成された動作部分を有し、それにより、前記トリガを前記非動作位置から前記動作位置へ移動させることが、前記スイッチ組立体を前記モータ接続解除状態から前記モータ接続状態へ移動させ、
    前記第１付勢部材が前記トリガを前記動作位置へ移動させることが、前記スイッチ組立体の一部に当接させて前記動作部分を推進させることを特徴とする請求項１から２０のいずれか１項に記載の家電用品。
22. 当該家電用品が、前記トリガの前記動作部分を前記スイッチ組立体の前記作動部材に接触させた状態で、前記第１付勢部材の影響に起因して前記動作部分によって前記作動部材にかけた力が、前記第２付勢部材の影響に起因して前記作動部材により前記動作部分にかけた力以下であるように、構成されていることを特徴とする請求項１８を組み込んだ請求項２１に記載の家電用品。
23. 当該家電用品が、真空掃除機であり、
    前記電気モータが、吸引発生器の一部であることを特徴とする請求項１から２２のいずれか１項に記載の家電用品。
24. 請求項１から２３のいずれか１項に記載の家電用品の部品であって、
    当該部品が、少なくともハンドル、トリガ及び第１付勢部材を備えることを特徴とする部品。

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