JP2017127085A - 電力デマンドレスポンス管理装置、電力デマンドレスポンス管理方法および電力デマンドレスポンス管理システムならびに電力需要管理装置。 - Google Patents

電力デマンドレスポンス管理装置、電力デマンドレスポンス管理方法および電力デマンドレスポンス管理システムならびに電力需要管理装置。 Download PDF

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Abstract

【課題】送配電事業者よりの節電要請を受信した電力デマンドレスポンス管理装置が、当該要請に適した節電要請先を選択することで、電力供給の逼迫時、発電量を増やさず地域電力量のバランス維持に寄与する。
【解決手段】送配電事業者は、節電要請を電力デマンドレスポンス管理装置に送信する。電力デマンドレスポンス管理装置は、節電要請先選定処理を行い、選定された節電要請先(単数若しくは複数)に対して節電要請を送信する。電力デマンドレスポンス管理装置から節電要請を受信した需要家は、自己の管理設備である機器に制御指示を行い、制御指示を受信した機器は、当該指示に基づき節電を実施する。節電実施の後、需要家は電力検針値を収集し、検針値を電力デマンドレスポンス管理装置に送信する。電力デマンドレスポンス管理装置は、需要家より受信した検針値を送配電事業者に送信する。
【選択図】図17

Description

本発明は、電力デマンドレスポンス管理技術に関する。
近年は、地球環境の保護の観点から再生可能エネルギの利用が期待されている。一方、電力料金の内外格差を是正すると共に、電力需給の逼迫を回避するために、電力市場の自由化が求められている。このため、太陽光発電装置、風力発電装置などの電源で作った電力を需要家に小売りする電力小売業者などが出現している。
ところで、電力需要家に安定した電力を供給するためには、送配電網の電圧および周波数などが適切な範囲に収まるように制御する必要がある。電力需給を調整するために蓄電装置を用いることは知られている(特許文献1〜3)。
なお、移動体通信の基地局での電力制御は知られているが(特許文献4,5)、基地局内部での送信電力の調整に関するもので、送配電網の安定化に寄与するものではない。
特開2012−23948号公報 特開平9−130846号公報 特開2002−330095号公報 特開2007−311950号公報 特開2010−239407号公報
自由な電力市場の進展につれて多くの電力小売業者が出現すると、需給見込みの誤りなどによって電力需給に変動が発生するため、電力品質が低下したり、余剰電力が無駄になったりするおそれがある。また、デマンドレスポンス(Demand Response 以下DRと称する)において、需要卸市場価格の高騰時または系統信頼性の低下時に、需要家側が電力の使用を抑制するよう、電力会社あるいは電力DRアグリゲータ(以下アグリゲータと称する)から節電(電力消費抑制)を要請されたり、需要家側の企業内で電力需要を抑制したりするようなケースもある。さらには、地域によっては再生可能エネルギが増加し、その地域の電力供給が過剰になり、需給のバランスをとるために需要家に充電などの電力消費を促すことも考えられる。
より具体的に説明すると、DRとは、電力需要のピークや電力需給のバランスに対応して需要家が行った充放電に対するインセンティブ(協力金)や電力価格の変更を電力(送配電)事業者やアグリゲータから需要家に通知し、需要家に電力消費を控えさせたり、余剰電力を吸収させたりする手法である。
現在は、節電量に応じた協力金が支払われるDRサービスとして、電力会社と契約している大口需要家に対して、電話やメールで電力使用の削減を依頼することが行われているが、今後は対象が一般家庭などの需要家に拡大すると考えられている。
そうなった場合、送配電事業者が多数需要家との節電契約または充放電契約、節電要請または充放電要請を行うことが実質的に困難となるため、送配電事業者の代わりに、それを生業とするアグリゲータが存在する。
アグリゲータとは、複数の需要家(一般家庭、工場、通信事業者など)を束ねて、協力金の支払いなどによって電力の消費パターンを制御することによる需要抑制量または充放電量を送配電事業者と取引をする事業者のことである。
そこで、本発明の目的は、送配電事業者よりの節電要請または充放電要請を受信したアグリゲータが運用・保守を行う電力デマンドレスポンス管理装置が、当該要請に適した要請先を選択することで、電力供給の地域電力量のバランス維持に寄与する電力デマンドレスポンス管理装置、常時作動する所定の設備に設けられる蓄電装置を利用することで電力需給を安定化できるようにした電力需要管理装置および、電力デマンドレスポンス管理方法ないしシステムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の電力デマンドレスポンス管理装置は、第一の充放電要請を受信する充放電要請受信部と、第一の充放電要請に含まれる情報に基づき、配下の複数の需要家のうち充放電要請を送信する一以上の需要家を選定する需要家選定部と、需要家選定処理部にて選定した需要家に第二の充放電要請を送信する充放電要請送信部と、第二の充放電要請の反応時間の終了後、第二の充放電要請を送信した需要家から反応時間の充放電量に関する情報を収集して各需要家の充放電量を算出し、算出した各需要家の充放電量を送配電事業者若しくは電力取引所宛てに送信する充放電量計算部と、を備えるようにしたものである。
また、本発明の電力デマンドレスポンス管理システムは、第一の充放電要請を受信し、
充放電要請に基づき、配下の複数の需要家のうち充放電要請を送信する一以上の需要家を選定し、選定した需要家に第二の充放電要請を送信するとともに、第二の充放電要請の反応時間の終了後、第二の充放電要請を送信した需要家から反応時間の電力消費に関する情報を収集して各需要家の充放電量を算出し、算出した各需要家の充放電量を送配電事業者若しくは電力取引所宛てに送信する電力デマンドレスポンス管理装置と、電力デマンドレスポンス管理装置より第二の充放電要請を受信し、自己の管理設備である機器に付帯する蓄電装置の充放電を実施し、第二の充放電要請の反応時間の終了後、第二の充放電要請の反応時間の電力消費に関する情報を電力デマンドレスポンス管理装置に送信するようにしたものである。
また、本発明の。管理装置は、第一のネットワークを介して充放電要請を受信し、該充放電要請に基づいて、第二のネットワークを介して接続される一以上の蓄電池の充放電制御を行う管理装置であって、充放電要請に基づき前記一以上の蓄電池の充放電制御を行う充放電制御部と、充放電要請に基づく充放電の終了後に前記蓄電池から充放電要請に対する充放電履歴情報を取得して管理する充放電履歴情報管理部と、蓄電池から取得した充放電履歴情報を蓄電池毎に格納する充放電履歴管理テーブルと、充放電履歴情報を前記第一のネットワークを介して送信する送信部とを有するようにしたものである。
本発明によれば、送配電事業者の充放電要請に応じて、アグリゲータ(電力デマンドレスポンス管理装置)が実際に充放電を行う需要家を適切に選定することで、電力の消費パターンを変化させ、効率的な電力システムを提供することができる。
また、アグリゲータ配下の需要家のひとつに電力需要管理装置を置くので、常時作動する所定の設備に設けられる蓄電装置に充放電させることができるため、電力の需給状態の調整の自由度が格段に向上する。
電力需要管理装置を含む電力管理システムの全体概要を示す説明図。 電力小売事業の概略を示す説明図。 電力需要管理装置の構成図。 基地局管理テーブルおよびESS管理テーブルの構成図。 選択基準管理テーブルの構成図。 基地局の構成図。 所定時間内で電力の需給を均衡させる様子を示す説明図。 電力供給の計画値と電力需要値とに差が生じる様子を示すグラフ。 充放電の基準値を満充電量よりも低く設定する様子を示す説明図。 電力需要を管理する処理を示すフローチャート。 放電指示処理を示すフローチャート。 充電指示処理を示すフローチャート。 充放電制御の指示に使用するデータの構成例。 蓄電装置(ESS)での充放電処理を示すフローチャート。 第2実施例に係る電力需要管理方法を示すフローチャート。 第3実施例に係るインセンティブ型DR方法を示すフローチャート。 アグリゲータ(電力デマンドレスポンス管理装置)2の構成例。 アグリゲータ2により実行される節電要請先選定処理フローチャート。 需要家選択基準管理テーブルT14の例。 需要家管理テーブルT15の例。 電力需要管理装置1により実行される、電力需要制御処理フローチャート。 第4実施例に係る電力管理システムの構成例。 第4実施例に係る基地局管理テーブルおよびESS管理テーブルの構成図。 第4実施例に係る選択基準管理テーブルの構成図。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。以下に述べるように、本実施形態では、需要家の電力需要(消費電力量)を効率的に管理する。需要家には、一般需要家3(1)〜3(3)のほかに、基地局4(1),4(2)を含めることもできる。本実施形態に係る電力需要管理装置1は、一つまたは複数の電力小売業者2(1),2(2)に対して、電力需要を管理するためのサービスを提供する。
電力小売業者には、一般的に、電力系統の安定に参画する責任がある。このため、電力小売業者は、電力の調達量と実際の販売量(需要量)を均衡させる。もしも、電力の需要量の方が調達した電力量(電力供給量)よりも大きい場合、足りない電力を発電所から新たに購入しなくてはならない。この場合、電力小売業者には、その需給見通しの甘さに対して、例えばペナルティ料金が課せられる。電力小売業者が電力市場から購入した電力の料金は、通常料金よりも高い割増料金となる場合がある。
上記とは逆にもしも、電力の需要量の方が調達した電力量よりも少ない場合、余剰電力が生じる。送配電事業者がその余剰電力を安価または無料で引き取るとすると、電力小売業者には経済的損失が発生し、事業の安定性にも影響を与えかねない。
ところで一方、移動体通信の基地局は、需要家の存在するところには必ずと言っていいほど設置されており、全国各地域を網羅している。さらに基地局は、保守点検時を除いて24時間365日の連続稼働するものであり、かつ、通信機能をユーザへ提供するために種々の電気的負荷42(1),42(2)を作動させている。
そこで、本実施形態では、基地局4(1),4(2)の有する上記の性質に着目し、蓄電装置43(1),43(2)を設ける。電力需要管理装置1は、調達した電力供給量が需要量に足りないと判定した場合、蓄電装置43(1),43(2)から電気的負荷42(1),42(2)へ電力を供給させる。蓄電装置の電力を使用する分だけ、基地局は電力系統PLから電力を購入する必要がなくなるため、電力需要が低下する。従って、電力不足が解消または軽減する。
これに対し、電力需要管理装置1は、調達した電力供給量が需要量を上回ると判定した場合、余剰電力を利用して蓄電装置43(1),43(2)へ充電する。そして、上述の通り、蓄電装置43(1),43(2)に蓄えた電力を、電力不足時に使用する。
このように本実施形態の電力需要管理装置1は、基地局4(1),4(2)が蓄電装置を備えているという性質を利用して、電力需給の均衡を図ることができる。電力小売業者2(1),2(2)は、自前の蓄電システムを用意する必要がなく、電力需要管理装置1のサービスを利用するだけで効率的に電力を小売することができる。なお、電力小売事業者が電力販売予定量に責任を持ち、発電事業者が発電予定量に責任を持つという、いわゆる計画値同時同量の考え方がある。計画値同時同量の考え方が導入された場合でも、これらの予定量に対して余剰や不足が発生した場合は、インバランスの発生についての対価を支払うことになる。このため、経済性損失を低減する手法として、本実施形態を利用可能である。
本説明における電力需要管理装置1は需要家3のひとつである通信事業者の設備でもよく、アグリゲータや電力小売業者の設備でもよく、所有者は問わない。
図1〜図14を用いて第1実施例を説明する。図1は、電力管理システムの全体概要を示す構成説明図である。電力管理システムは、例えば、電力需要管理装置1と、一つまたは複数の小売業者2(1),2(2)と、複数の需要家3(1)〜3(3)と、一つまたは複数の移動体通信の基地局4(1),4(2)とを備える。電力小売業者2(1),2(2)は、発電事業者5(1),5(2)の発電した電力を送配電事業者6を介して、需要家3(1)〜3(3)や基地局4(1),4(2)へ供給する。
ここで、電力小売業者2(1),2(2)、需要家3(1)〜3(3)、発電事業者5(1),5(2)、送配電事業者6は、その文脈に応じて、自然人または法人等として扱う場合もあるし、装置等として扱う場合もある。
例えば、電力小売業者2(1),2(2)は、電力取引所や発電事業者5(1),5(2)で調達した電力を需要家3(1)〜3(3)へ販売する法人である。しかし、実際の電力小売に伴う情報処理は、電力小売業者2(1),2(2)が運用するコンピュータにより実行される。また例えば、需要家3(1)〜3(3)は、電気を消費する自然人または法人等であるが、実際に電力を使用するのは家庭電化製品やエレベータなどの電気的負荷である。
また、発電事業者5(1),5(2)は、発電装置を管理し運用する法人であるが、実際に電力を供給するのは発電装置である。従って、発電装置5(1),5(2)または発電所5(1),5(2)と呼ぶこともできる。
また、送配電事業者6は、発電事業者5(1),5(2)の発電した電力を需要家3(1)〜3(3)や基地局4(1),4(2)へ送配電する法人である。しかし、電力の送配電に伴う情報処理は、送配電事業者6の運用するコンピュータシステムで行う。
なお、以下では、特に区別しない場合、符号に添えたかっこ付き数字を取り除いて説明する場合がある。例えば、電力小売業者2(1),2(2)を電力小売業者2と、需要家3(1)〜3(3)を需要家3と、基地局4(1),4(2)を基地局4と、発電事業者5(1),5(2)を発電事業者5と、表現する。後述する他の構成についても同様に、特に区別しない場合はかっこ付き数字を省略することとする。
電力需要管理装置1は、電力小売業者2に対して、需要調整サービスを提供するシステムである。電力需要管理装置1は、電力小売業者2からの要求(節電要請および充放電要請を含む)に応じて、電力系統PLに接続された需要家3および基地局4の電力需要を調整する。その詳細は後述するが、電力需要管理装置1は、需要家3での電力需要が、計画値WPを中心とする上限値HLと下限値LLの範囲に収まるように、基地局4の蓄電装置43の充放電を制御する。
電力需要管理装置1の内部構成は後述し、先に通信接続の構成を説明する。電力需要管理装置1は、通信ネットワークCN1を介して電力小売業者2のシステムに通信可能に接続されており、通信ネットワークCN2を介して基地局4のスマートメータ41に通信可能に接続されている。さらに、電力需要管理装置1は、通信ネットワークCN3を介して、基地局4に設置された蓄電装置43とも通信可能に接続されている。
電力小売業者2は、電力取引市場や発電事業者5(1),5(2)で調達した電力を需要家3(1)〜3(3)へ販売する。そのビジネス形態については後述する。
需要家3は、例えば、個人住宅、集合住宅、商業施設、ビルディング、ホテル、病院、工場、遊園地などである。需要家3は、例えば照明装置、冷蔵庫、洗濯機、空調装置、エレベータ、エスカレータ、自動ドア、電動モータ、音響装置などの各種電気的負荷を備えている。基地局4も電力を消費する需要家の一種であるため、基地局4と特に区別する場合は、一般需要家3と呼ぶ。
ここで、需要家3に設置されるスマートメータ31は、需要家3の消費電力を所定時間ごとに検針し、送配電事業者6のシステムへ送信する。送配電事業者6のシステムは、通信ネットワークCN4を介して電力小売業者2のシステムに接続されており、需要家3の消費電力に関する情報を通信ネットワークCN4を介して電力小売業者2のシステムへ送信する。なお、需要家3のスマートメータ31が電力小売業者2のシステムへ直接的に検針値を送信できる場合は、そのようにしてもよい。図1では、電力小売業者2のシステムが需要家3のスマートメータ31から直接検針値を読み取れるかのように示すが、その構成に限らない。
基地局4は、「所定の設備」の例である。基地局4は、電気的負荷42と蓄電装置43を有する。蓄電装置43を以下、ESS(Energy Storage System)43と呼ぶ。基地局4の構成は後述する。
発電事業者5は、例えば、太陽光発電装置、風力発電装置、太陽熱発電装置、潮力発電装置、ガスタービン発電装置、地熱発電装置などを用いて発電する。発電事業者5は、火力発電所、水力発電所、原子力発電所を用いることもできる。発電事業者5のシステムは、一つまたは複数の電力小売業者2のシステムと通信ネットワークCN5を介して通信可能に接続されている。
送配電事業者6は、発電事業者5から独立した事業主体であり、電力系統PLを構成する送配電網を通じて、需要家3や基地局4へ電力を供給する。送配電事業者6のシステムは、通信ネットワークCN4を介して、電力小売業者2のシステムと通信可能に接続されている。
通信ネットワークCN1〜CN5は、それぞれの目的に応じた通信方式を採用することができる。例えば、無線通信、有線通信のいずれでもよい。また、公衆回線、専用線、LAN(Local Area Network)、インターネットなどの中から適切なものを使用することができる。
図2は、電力小売業者2のビジネス形態の概略を示す。電力取引所7は、電力の売買を仲介する。発電事業者5のシステムは、電力取引所7のシステムに対して、電力の売り注文を出す。電力小売業者2のシステムは、電力取引所7のシステムに対して、電力の買い注文を出す。この売買によって、電力小売業者2と発電事業者5の間に卸売り契約が成立する。
電力小売業者2は、複数の需要家3と電力売買の小売契約を結ぶことができる。電力小売業者2と小売契約を結んだ複数の需要家3は、需要家グループUGを構成する。電力小売業者2は、基地局4を運営する通信事業者との間で、ESS43の使用に関する契約を結ぶこともできる。ESS43の使用契約とは、需要家グループにおける電力需給を均衡させるためにESS43を使用することについての契約である。ここでは、電力小売業者2が通信事業者と直接的に使用契約を結ぶ場合を述べるが、電力需要管理装置1の運営者を介して電力小売業者2と通信事業者とが使用契約を結んでもよい。
電力小売業者2は、使用契約と関係して、または使用契約とは無関係に、通信事業者との間で電力小売契約を結ぶこともできる。電力小売業者2と通信事業者とが直接または関節に小売契約を結んだ場合、その通信事業者の管理する基地局4は、需要家として需要家グループUGに加わる。
図3は、電力需要管理装置1の構成例を示す。電力需要管理装置1は、例えば、マイクロプロセッサ(図中CPU)11と、メモリ12と、記憶装置13と、通信インターフェース部14〜16と、ユーザインターフェース部(図中UI)17とを備える。
マイクロプロセッサ11は、記憶装置13に格納されているコンピュータプログラムP11〜P15と管理テーブルT11〜T13とを用いて、後述のように、電力需給を調整する機能を実現する。メモリ12は、コンピュータプログラムや変数、中間演算結果などの格納場所としてマイクロプロセッサ11に使用される。なお、図3では、オペレーティングシステム、デバイスドライバなどのコンピュータプログラムは省略している。
通信インターフェース部14〜16は、外部の装置と通信するための装置である。第1の通信インターフェース部14は、通信ネットワークCN1を介して、電力小売業者2のシステムや情報サーバ8と通信する。情報サーバ8とは、例えば、気象情報、災害情報などを配信するサーバである。
第2の通信インターフェース部15は、通信ネットワークCN2を介して、基地局4のスマートメータ41と通信し、検針値を取得する。第3の通信インターフェース部16は、通信ネットワークCN3を介して、ESS43と通信する。
情報収集部P11は、外部から各種の情報を収集する機能である。情報収集部P11は、スマートメータ41から検針値を、ESS43から充放電の結果を、取得する。情報収集部P11は、電力小売業者2のシステムから、需要家3に設置されたスマートメータ31の検針値、計画する電力供給量などを取得する。さらに、情報収集部P11は、情報サーバ8から気象情報などを取得する。
電力需要予測部P12は、需要家グループUG内の各需要家3(および基地局4)の電力消費量の瞬時値に基づいて、現在よりも先の所定の制御区間における電力需要を予測する機能である。
充放電制御部P13は、電力需要予測部P12の予測結果と、電力小売業者2のシステムから取得する電力供給量の計画値とを比較し、両者の差異を算出する。そして、充放電制御部P13は、算出した差異を低減または解消すべく、ESS43に充電するか、またはESS43から放電させるかを決定する。充放電制御部P13の決定は、制御指示を伝えるためのデータに格納されて、通信インターフェース部16から所定のESS43へ送信される。
実績確認部P14は、ESS43の充放電により、需要家グループUGでの電力需給の結果を確認する。実績確認部P14は、例えば、電力小売業者2のシステムおよび基地局4のスマートメータ41から取得する情報に基づいて、需給調整の結果を確認することができる。
履歴管理部P15は、例えば、ESS43の充放電の履歴、基地局4の作動状態、需要家グループUGの電力需給状態などを管理する。管理テーブルT11〜T13については図を改めて後述する。
図4は、基地局管理テーブルT11およびESS管理テーブルT12の例を示す。基地局管理テーブルT11から先に説明する。
基地局管理テーブルT11は、基地局4を管理するためのテーブルであり、例えば、基地局ID C110、タイプC111、位置C112、トラヒック量C113、停電回数C114、周囲環境の予測C115、基本消費電力C116を対応付けて管理する。
基地局ID C110は、各基地局4を識別するための情報である。タイプC111は、基地局4のタイプを示す。基地局のタイプには、例えば、マクロセル、マイクロセル、ピコセル、スモールセル、フェムトセルがある。位置C112は、基地局4の設置場所を特定する情報である。位置情報は、例えば市街地図上での住所でもよいし、緯度・経度でもよい。
トラヒック量C113は、基地局4を流れる通信量である。トラヒック量は、所定時間ごとに計測して記録することができる。停電回数C114は、基地局4が停電した回数を示す。周囲環境の予測C115は、例えば、天気や温度などの基地局4の周囲環境が悪化するか否かを予測した情報である。周囲環境の予測処理は、例えば、履歴管理部P15で実行してもよいし、他のコンピュータプログラムで実行してもよい。台風が近づいてきたり、温度が急激に低下したりする基地局4のESS43を、需給調整用ESSとして選択しないためである。基本消費電力C116は、例えば、基地局4で消費する電力の基準値である。基本消費電力の値は、基地局4のタイプC111によりおおむね定まる。
ESS管理テーブルT12を説明する。ESS43を管理するテーブルT12は、例えば、基地局ID C120、ESS ID C121、状態C122、容量C123、SOC(State of charge) C124、充放電回数C125、温度C126、BCP状態C127を対応付けて管理する。
基地局ID C120は、各基地局4を識別する情報であり、基地局管理テーブルT11の基地局ID C110と共通の値が使用される。ESS ID C121は、ESS43を識別する情報である。ESS ID C121の下にさらに、モジュールやセル、バンクなどの単位で蓄電池を識別するための情報を設けてもよい。
状態C122は、ESS43の状態を示す。ESSの状態には、例えば、通常(充電も放電もしていない状態)、充電中、放電中、停電中などがある。容量C123は、ESS43の定格容量である。SOC C124は、ESS43の残容量である。
充放電回数C125は、充放電の回数の積算値である。温度C126は、ESS43の温度である。基地局4内の温度をESS43の温度として使用してもよい。BCP状態C127は、BCP用蓄電池44(図6参照)の状態を示す。BCPとは、Business continuity planningの略であり、BCP用蓄電池44とは、停電時などでも、基地局としての機能を継続するために使用する電力を蓄える装置である。もちろんBCP用蓄電池をESS43で賄っても構わない。つまり、ESS43の蓄電量の一部を、停電時などに基地局4の機能を維持するために用いる構成としてもよい。
図5は、選択基準管理テーブルT13の例を示す。選択基準とは、各ESS43の中から、電力の需給ギャップを埋めるために使用する所定のESS43を選択するための基準である。電力需要管理装置1の充放電制御部P13は、管理テーブルT13に登録されている各選択基準の中から少なくとも一つの選択基準を用いて、充放電させるESS43を選択する。
以下、選択基準の例を説明する。第1の選択基準は、基地局4の停電回数の統計値に基づいてESS43を選択する。第1の選択基準では、停電回数が所定の停電基準値よりも少ない基地局4を選択したり、または、停電回数が所定の停電基準値よりも多い基地局4を選択対象から除外したりする。
第2の選択基準は、SOCに基づいてESS43を選択する。第2の選択基準では、所定の放電基準値よりも大きいSOCを有するESS43を放電対象として選択したり、所定の充電基準値よりも小さいSOCを有するESS43を充電対象として選択する。逆に、第2の選択基準では、所定の放電基準値よりも小さいSOCを有するESS43を放電対象から除外したり、所定の充電基準値よりも大きいSOCを有するESS43を充電対象から除外したりすることもできる。
第3の選択基準は、劣化状態に基づいてESS43を選択する。劣化状態は、例えば充放電回数から求めることができる。第3の選択基準では、所定の充放電基準値よりも少ない充放電回数のESS43を選択したり、逆に、所定の充放電基準値よりも多い充放電回数のESS43を選択対象から除外したりする。劣化状態は、ESS43の充放電特性の変化から求めることもできる。
第4の選択基準は、基地局4の周囲環境に基づいてESS43を選択する。第4の選択基準では、例えば、台風が近づいている地域のESS、気温が所定温度以下に低下している地域のESS、災害発生地域のESSを選択対象から除外する。
第5の選択基準は、ESS43と同じ基地局4に設置されているBCP用蓄電池44の作動状態に基づいて、ESS43を選択する。第5の選択基準では、BCP用蓄電池44へ充電している場合、ESS43を充電対象から除外する。BCP用蓄電池44への充電中にESS43まで充電を開始すると、その基地局4へ電力系統PLから供給される電力量が増大し、契約値を超えたり、受電設備に負担がかかったりするためである。
図6は、基地局4の構成例を示す。基地局4は、例えば、基地局装置42A、ESS43、空調装置42B、監視装置42C、BCP用蓄電池44などを備える。なお、図6では、BCP用蓄電池44とESS43を別々に設ける場合を示しているが、これに限らず、ESS43がBCP用蓄電池の代わりを務める構成でもよい。この場合、別体のBCP用蓄電池44を基地局4内に設ける必要がない。
基地局装置42Aは、空調装置42Bおよび監視装置42Cと共に、電気的負荷の例を示している。図1で負荷42と示した内容の一例が、基地局装置42A、空調装置42B、監視装置42Cである。
基地局装置42Aは、例えば、増幅装置421、変復調装置422、呼処理装置423、基地局制御装置424などを備える。空調装置42Bは、基地局4の中を所定の温度および湿度に保つための環境維持装置である。監視装置42Cは、基地局4の内部または周辺に異常が生じたりしていないかを遠隔監視するための保安装置である。これら各装置42A〜42Cは、保守点検時などの特別な場合を除いて、基本的に24時間365日稼働し、その稼働に応じて電力を消費する。なお、基地局4は、上述の装置42A〜42C以外の電気的負荷を備えてもよい。
ESS43は、需要家グループUG内の電力需給を調整するために基地局4内に設置された蓄電装置(蓄電システム)である。ESS43は、例えば、蓄電池431と、制御部432と、通信部433を備える。
蓄電池431は、多数のバッテリセルを直列または並列に接続することで構成されており、電力系統PLからの電力を蓄積したり、蓄積した電力を各装置42A〜42Cへ供給したりする。蓄電池431には、例えば、リチウムイオンバッテリのように大容量かつ高性能の蓄電池が使用される。
蓄電池431に複数のバンク431を設定し、バンクごとに分けて使用することもできる。図6では、一例として3つのバンク431A〜431Cを挙げる。バンク数は2でも4以上でもよい。区別しない場合はバンク431と呼ぶ。例えば、バンク431Aの充放電能力は、ある電力小売業者2の需要家グループUGに割り当て、バンク431Bの充放電能力は、それとは異なる電力小売業者2の需要家グループUGに割り当てることができる。これにより、同一のESS43を、それぞれ異なる電力小売業者2が使用することができる。さらに、各電力小売業者2をランク分けし、ランクの高い電力小売業者2には多くのバンク431を割り当て、ランクの低い電力小売業者2には少ないバンク431を割り当てることもできる。
BCP用蓄電池44は、上述のように、基地局4の機能を継続して提供するための電力を貯蔵する。BCP用蓄電池44には、例えば、鉛蓄電池のように安価な蓄電池が使用される。BCP用蓄電池44の作動を制御するコントローラ441は、常時一定値以上のSOCを維持するように、BCP用蓄電池44のSOCを制御する。そして、コントローラ441は、基地局4が停電したことを検知すると、BCP用蓄電池44を放電させて、各装置42A〜42Cへ非常用電力を供給する。
ESS43の制御部432は、コントローラ441を通じて、BCP用蓄電池44の状態(例えば通常、充電中、放電中)を取得し、その取得した情報を電力需要管理装置1へ送信する。
図7は、所定時間ST内で電力の需給を均衡させる様子を示す。例えば、電力小売業者2は、30分間程度の所定時間ST内で、電力の供給と需要とを均衡させるという責任を負う場合がある。同一時間ST内で、電力供給量(計画値)と電力需要量とを等しくさせるという責任は、例えば、同時同量の原則と呼ばれる。
図8は、図1でも言及した通り、需要家グループでの電力需要を、電力供給の計画値WPを中心とする上限値HLと下限値LLの範囲に収まるように、制御する様子を示す。上限値HLは例えば3%であり、下限値LLは例えば−3%である。以下、WPを電力供給量、計画した供給量などと呼ぶ場合がある。
契約の内容によるが、計画した供給量WPから下限値LL以下、余剰電力が生じた場合、その余剰電力は無料で送配電事業者6が引き取る場合がある。計画した供給量WP(以下、計画値とも呼ぶ)から上限値HL以上の電力不足が生じた場合、電力小売業者2にはペナルティが課せられる。ペナルティとしては、不足した電力を調達するための費用を通常費用よりも高くすることなどが考えられる。
図9は、ESS43のSOCを制御する様子を示す。本実施例のESS43は、所定の最低充電量Cc%だけは充電でき、かつ、所定の最低放電量Cd%だけは放電できるように、SOCの基準値CS%を設定している。
最低充電量Cc%は保証充電量と呼ぶこともでき、例えば、所定係数K1に最大充電可能量Cmax(Cmax=100%−CS%)を乗じた値として算出できる(Cc=K1・Cmax)。ここで、所定係数K1は、仕様上の制約で、例えば0.9程度に設定される場合がある。
最低放電量Cd%は、保証放電量と呼ぶこともでき、例えば、所定係数K2に最大放電可能量Dmax(Dmax=CS%)を乗じた値として算出できる(Cd=K2・Dmax)。所定係数K2も、仕様上の制約で、例えば0.9程度に設定される場合がある。
本実施例のESS43では、充電終了時のSOCは、(CS+Cc)%となる。放電終了時のSOCは、(CS−Cd)%となる。このように、ESS43のSOCを中間程度の値(例えば40〜60%)を基準として制御することで、常にある程度の電力を充電したり放電したりすることができる。従って、ESS43を需要家グループUGでの電力需給の調整に使用することができる。
図10は、電力需要管理装置1により実行される、電力需要を管理する処理を示すフローチャートである。
電力需要管理装置1は、需給調整対象の需要家グループUG内の各需要家3および基地局4の瞬時電力値(例えば1分値)を取得する(S10)。電力需要管理装置1が各需要家3のスマートメータ31から瞬時電力値を直接取得できない場合は、電力小売会社から需要家3のスマートメータ31の検針値を間接的に取得する。電力需要管理装置1が各需要家3の瞬時電力値を直接、間接いずれも取得出来ない場合は、ステップS10では、各需要家3の瞬時電力値を検針値(30分値)の履歴から推定することができる。
電力需要管理装置1は、ステップS10で取得した瞬時電力値に基づいて、次の需給調整対象時間ST(例えば30分値)における電力需要を予測する(S11)。電力需要の変化にはパターンがあるため、今の瞬時電力値(推定値を含んでもよい)に基づいて、将来の電力需要を予測することができる。予測アルゴリズムは一次直線の外挿補間等でよい。
電力需要管理装置1は、予測した電力需要WEと電力小売業者2が計画している電力供給量WPとの差が所定の閾値Th1以上であるか判定する(S12)。電力需要管理装置1は、電力需要WEと計画供給量WPの差が閾値Th1以上であると判定すると(S12:YES)、所定のESS43から基地局4内の負荷42へ電力を供給させるための放電指示処理を実行する(S13)。閾値Th1は、所定のESS43から放電を開始させるための放電開始用閾値である。放電指示処理については図11で後述する。
電力需要管理装置1は、予測した電力需要WEと計画供給量WPの差が閾値Th1以上ではない場合(S12:NO)、その差(=WE−WP)が他の閾値Th2未満であるか判定する(S14)。電力需要管理装置1は、その差(=WE−WP)が閾値Th2未満であると判定すると(S14:YES)、電力系統PLからの電力で所定のESS43を充電させるための充電指示処理を実行する(S15)。他の閾値Th2は、所定のESS43への充電を開始させるための充電開始用閾値である。充電指示処理については図12で後述する。
所定のESS43による放電処理または充電処理が終了すると、電力需要管理装置1は、各スマートメータ31、41が検針する時刻かどうかを確認する(S16)。例えば、時刻t=0分、t=30分。そして、電力需要管理装置1は、時刻tが各スマートメータ31、41が検針する時刻tと判定したときに、各スマートメータ31,41の検針値(例えば、30分値)を取得し、需給調整後の実績値WRを算出する(S17)。
上述のように、電力需要管理装置1が需要家3のスマートメータ31の検針値を直接取得できない場合は、電力小売会社から需要家3のスマートメータ31の検針値を間接的に取得する。
電力需要管理装置1は、ESS43の充放電により達成した電力需要の実績値WRと、計画供給量WPの差が修正用閾値Th3以上であるか判定する(S18)。その差(=WR−WP)が修正用閾値Th3以上の場合(S18:YES)、電力需要管理装置1は、需給調整用の係数を修正する(S19)。
ここで、需給調整用の係数としては、例えば、放電開始用閾値Th1、充電開始用閾値Th2である。さらに、放電開始時刻と放電終了時刻の時間差、充電開始時刻と充電終了時刻の時間差なども、ステップS19の対象とする係数に加えてもよい。つまり、ステップS19では、ESS43による電力需給調整が十分に働いていない場合に、需給調整に使用する係数を修正する。例えば、放電開始のタイミングを早めることで電力不足をさらに抑制したり、充電を終了するまでの時間を短縮することで余剰電力をさらに多く吸収したりする。ステップS19では、ステップ11における電力需要WEを予測する予測アルゴリズムを変更してもよい。
図11は、放電指示処理を示すフローチャートである。電力需要管理装置1は、各ESS43の中から、放電対象のESS43を選択する(S30)。放電対象として選択されるESS43が「所定の蓄電装置(ESS)」に対応する。電力需要管理装置1は、図5に示した選択基準の一つまたは複数を用いて、放電対象のESS43を選択することができる。
電力需要管理装置1は、放電対象のESS43から放電させる電力量である放電指示値を算出する(S31)。さらに、電力需要管理装置1は、放電対象のESS43から基地局4内の電気的負荷42A〜42Cへ電力を供給させるための放電タイミングを決定する(S32)。放電指示値と放電タイミングは、電力不足が上限値HLを上回らないように設定される。
電力需要管理装置1は、放電指示用のデータ(図13で後述)を生成し、放電対象のESS43へ送信する(S33)。放電対象のESS43が放電して、基地局4の負荷42(例えば42A〜42C)に電力を供給すれば、その分だけ基地局4は電力系統7から電気を購入する必要がないため、全体としての電力需要が低減する。
図12は、充電指示処理を示すフローチャートである。電力需要管理装置1は、各ESS43の中から、充電対象のESS43を選択する(S40)。充電対象として選択されるESS43が「所定の蓄電装置(ESS)」に対応する。電力需要管理装置1は、図5に示した選択基準の一つまたは複数を用いて、充電対象のESS43を選択する。
ここで、充電対象のESS43は、複数選択されるのが好ましい。できるだけ多くのESS43で分散して余剰電力を吸収すれば、一台あたりのESS43への充電量を少なくできる。これにより、電力系統PLから基地局4へ多量の電力が流入するのを防止でき、受電設備に過大な負担がかかるのを防止できる。同様の理由で、BCP用蓄電池44への充電が行われていないESS43を充電対象として選択するのが好ましい。
なお、放電対象のESS43も複数選択するのが好ましいが、その数は充電対象ESS43よりも少なくてもよい。
電力需要管理装置1は、充電対象のESS43に充電させる電力量である充電指示値を算出する(S41)。さらに、電力需要管理装置1は、充電対象のESS43へ充電するための充電タイミングを決定する(S42)。充電指示値と充電タイミングは、余剰電力が下限値LLを下回らないように設定される。
電力需要管理装置1は、充電指示用のデータ(図13で後述)を生成し、充電対象のESS43へ送信する(S43)。
図13は、放電指示または充電指示に使用するデータD1の構成例を示す。指示用データD1は、例えば、基地局ID DF10、ESS ID DF11、充放電の区別DF12、目標電力量DF13、開始時刻DF14、終了時刻DF15を含むことができる。
基地局ID DF10は、指示用データの宛先であるESS43を有する基地局4を特定する情報である。ESS ID DF11は、指示先のESS43を特定する情報である。充放電の区別DF12は、この指示用データが充電を指示するのか、それとも放電を指示するのかを区別するための情報である。
目標電力量DF13は、目標の充電量、または目標の放電量を示す。開始時刻DF14は、充電または放電を開始する時刻である。終了時刻DF15は、充電または放電を終了する時刻である。
充放電の実行時期を指定するのは、複数のESS43を使用して電力需給を調整する場合に、タイミングを合わせるためである。例えば、電力需要管理装置1とESS43とを繋ぐ通信ネットワークCN3に遅延が生じた場合、選択した各ESS43の充放電開始時期が異なり、所望の効果を奏しない可能性がある。つまり、各ESS43が指定した時刻で動作すれば、余剰電力や電力不足を十分に抑制できるが、各ESS43の動作時期がずれると、抑制できないおそれがある。
そこで、本実施例では、所定のESS43に対し、実行時刻を指定して充放電を指示している。これにより、充放電を実際に必要とする時刻よりも前に、所定のESS43に対して指示を与えておくことができる。なお、例えば一定値以上の通信品質が保たれているような場合、充放電の実行時刻を指定せずに、充放電を必要とするタイミングで所定のESS43へ指示してもよい。
図14は、ESS43の充放電処理を示すフローチャートである。電力需要管理装置1により選択されたESS43は、電力需要管理装置1からの指示用データD1を受信すると(S50)、制御部432内の記憶領域に一時保存する。
ESS43は、指示用データD1で指定された開始時刻が到来したか監視しており(S51)、開始時刻になると(S51:YES)、指示用データD1で指示された内容に従って、充電または放電する(S52)。
ESS43は、指示用データD1で指定された終了時刻が到来したか監視しており(S53)、終了時刻になると(S53:YES)、ステップS52の結果を電力需要管理装置1へ送信する(S54)。例えば、指示された充電または放電を正常に終了した場合、ESS43は、ACKを電力需要管理装置1へ送信する。正常に終了しなかった場合、ESS43は、NAKを電力需要管理装置1へ送信する。
このように構成される本実施例によれば以下の作用効果を奏する。本実施例の電力需要管理装置1は、基地局4の性質を利用して、需要家グループUG内での電力需給の均衡を図ることができる。従って、電力小売業者2は、自前の蓄電システムを用意する必要がなく、電力需要管理装置1のサービスを利用するだけで、効率的に電力を小売することができる。
特定の電気的負荷に対応付けられていない蓄電システムを設けて、電力需給の均衡を図る場合、いったん満充電になった蓄電システムには、それ以上充電することができないため、余剰電力を抑制できず、無駄にしてしまうおそれがある。また、蓄電システムを設置するための土地や建物も必要になるため、投資コストが大きい。
電気自動車のバッテリを用いて電力需給の均衡を図る場合も、停止中の電気自動車に電気的負荷が接続されているとは限らない。もしも、停車中の電気自動車が電的負荷に接続可能であるとしても、充電するための空き容量を用意できるほど消費電力が大きいとは限らない。
逆に、電気自動車は、目的地まで走行するための手段であるから、車載バッテリには走行という目的を達成するために必要な電力を常に残しておく必要がある。停車中の電気自動車が消費電力の大きい電気的負荷に接続されると、必要なときに走行することができず、電気自動車としての目的を達成できない。
停車中の電気自動車は、走行に備えて十分に充電されていることが望ましいため、余剰電力を吸収する余地が少ない。同様に、走行に備えて十分に充電されていることが望ましいため、電力不足解消のために多量の電力を放電させるのは難しい。
そもそも電気自動車は、自由に走行できるため、停車位置もまちまちであり、その時々の使用目的も異なるため、安定した蓄電システムとして期待することはできない。
これに対し、本実施例では、常時稼働する特定の電気的負荷42A〜42Cに対応付けられるESS43を用いるため、常に充電可能であり、余剰電力の抑制に使用することができる。そして、蓄えた余剰電力を使って、電力不足に対応できる。
また、基地局4は、需要家3の存在するところであればどこにでも存在するため、必要な場所にESS43を設置しやすい。ESS43を設置するための土地や建物を確保する必要はない。従って、投資コストを低減できる。
通信事業者にとっては、基地局4内の空いた空間を利用してESS43を設置することができ、ESS43を介して各負荷42A〜42Cへ電力を供給することで、ESS43をBCP用蓄電池43の代わりに、または既存のBCP用蓄電池43の補強用に、使用することができる。
本実施例では、充放電を複数のESS43に分散して実行させると共に、各ESS43には実行時期を指定して充放電を指示する。従って、特定の少数のESS43を偏って使用するのを抑制し、かつ、決まった時間に充放電を行うことができる。この結果、複数のESS43を用いて効果的に電力需給の差を抑制できる。
図15を用いて、第2実施例を説明する。本実施例は、第1実施例の変形例に該当するため、第1実施例との差異を中心に説明する。本実施例では、電力需要管理装置1が各ESS43に需給調整への参加の是非を問合せ、参加可能と回答したESS43の中から選択基準に従ってESS43を選択する。
図15は、本実施例に係る電力需要管理方法を示すフローチャートである。電力需要管理装置1は、需要家グループUG内の各需要家3および基地局43から瞬時電力値を取得する(S60)。
電力需要管理装置1は、電力需要WEを予測する(S61)。電力需要管理装置1は、充電させるのか放電させるのかを判別し、さらに、電力の需給調整に必要な充電量または放電量を算出する(S62)。
電力需要管理装置1は、その管理下にあるESS43の中から、候補となるESS43を抽出する(S63)。例えば、電力需要管理装置1は、各ESS43のうち、通常状態にあるESS43を候補として選択する。
電力需要管理装置1は、候補の各ESS43に対し、電力需給の調整に参加できるかを問い合わせる(S64)。各ESS43は、その問合せに対して参加の可否を判定し、その結果を返信する(S65,S66)。
電力需要管理装置1は、問合せ先からの返信を受信すると(S67)、参加可能と回答したESS43の中から、充放電対象のESS43を決定する(S68)。電力需要管理装置1は、決定したESS43に対して指示用データD1を送信し、充電または放電を指示する(S69)。指示用データD1を受信した各ESS43は、その指示内容に従って充電または放電を行い、その結果を返信する。
電力需要管理装置1は、充電または放電の結果を各ESS43から受信すると(S71)、第1実施例で述べたように、検針値を収集して実績値を確認したり、係数を修正したりする(S72)。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、充放電対象のESS43を決定するに際して、電力需要管理装置1と各ESS43とが処理を分担するため、電力需要管理装置1の処理負荷を軽減できる。
図16ないし図21を用いて、第3実施例を説明する。本実施例は、システムの構成的には第1実施例の変形例に該当するため、第1実施例との差分を中心に説明する。本実施例では、需要家の電力使用の抑制量に応じてインセンティブが支払われるインセンティブ型デマンドレスポンス(DR)をベースとしている。
図16は、本実施例に係るインセンティブ型DR方法を示すフローチャートである。
システム構成は図1とほぼ同じであるが、DR事業者であるアグリゲータが存在する。このアグリゲータは図1の電力小売業者2、特定の需要家3若しくはDR事業を生業とする専門の事業者が行ってもよいが、本説明においては電力小売業者2がアグリゲータの役割を果たすものとして説明を行う。
インセンティブ型DRの仕組みは以下の通り。送配電事業者6よりの節電要請(電力消費抑制要請)を受信したアグリゲータ2(アグリゲータは複数存在してもよい)は、配下の複数の需要家3に対して節電要請を行う。この要請において節約できた電力量に対して、送配電事業者6がアグリゲータ2にインセンティブ、すなわち協力金を支払い、需要家3はアグリゲータ2より協力金の一部を得るものである。
まず、送配電事業者6よりの節電要請(電力消費抑制要請)が、アグリゲータ2に送信される(S100)。節電要請を受信したアグリゲータ2は、図18にて後述する節電要請先選定処理を行い(S101)、当該選定処理によって選定された節電要請先(単数若しくは複数)に対して節電要請を送信する(S102)。
アグリゲータ2よりの節電要請を受信した需要家3(SM31を含む、HEMS/BEMSなど)は、自身の設備である機器に制御指示(S103)を行い、制御指示を受信した各需要家3の機器3−1は、当該指示に基づき節電を実施する(電源off、温度、光度調整など)(S104)。
節電実施の後、需要家3が電力検針値を収集し、そのデータをアグリゲータ2に送信する(S105)。
S101による節電要請は、一般家庭などの需要家宛てと同じタイミング、若しくは、選択的に需要家3のひとつである電力需要管理装置1に送信される。節電要請102が電力需要管理装置1に伝達されると、電力需要管理装置1は図21にて後述する電力需要制御(S106)を行う。
電力需要制御処理実施の後、電力需要管理装置1が電力検針値を収集し、そのデータをアグリゲータ2に送信する(S107)。
アグリゲータ2は、S105やS107により受信した検針値を集計し、検針値に基づいて算出したDR実施時間中の電力消費量とベースラインとに基づいてDR実施時間中に節約できた電力量を算出し、送配電事業者6に送信する(S108)。
送配電事業者6は、節約できた発電量に応じて、所定の協力金をアグリゲータ2に支払い(S109)、アグリゲータ2は節電量に応じ按分し需要家に支払う(S110)。
本説明における電力需要管理装置1は需要家3のひとつである通信事業者の設備、商業施設でもよく、アグリゲータや電力小売業者の設備でもよく、所有者は問わない。
図17は、アグリゲータ(電力デマンドレスポンス管理装置)2の構成例を示す。
アグリゲータ2は、例えば、マイクロプロセッサ(図中CPU)200と、メモリ201と、記憶装置204と、通信インターフェース部203(1)〜203(4)と、ユーザインターフェース部(図中UI)202とを備える。
マイクロプロセッサ200は、記憶装置204に格納されているコンピュータプログラムP210〜P212と管理テーブルT14〜T15とを用いて、後述のように、送配電事業者6より行われる節電要請に基づき、節電要請先を選択する機能などを実現する。メモリ201は、コンピュータプログラムや変数、中間演算結果などの格納場所としてマイクロプロセッサ200に使用される。
なお、図17では、オペレーティングシステム、デバイスドライバなどのコンピュータプログラムは省略している。
通信インターフェース部203は、外部の装置と通信するための装置である。第1の通信インターフェース部203(1)は、通信ネットワークCN1を介して、電力需要管理装置1と通信する。
第2の通信インターフェース部203(2)は、需要家3のスマートメータ(SM)31と通信し、検針値を取得する。
第3の通信インターフェース部203(3)は、通信ネットワークCN4を介して、送配電事業者6と、第4の通信インターフェース部203(4)は、通信ネットワークCN5を介して、発電事業者5と通信する。
電力売買処理部P210は、図2の説明の通り送配電事業者6との卸売契約や需要家3との小売契約に基づき、電力の売買を行う機能である。
節電要請処理部P211は、送配電事業者6からの節電要請を受信し(節電要請受信部P211a)、その要請を解析し、要請に応じた節電要請先(需要家3や電力需要管理装置1)を選定し(需要家選定部P211b)、選定した先に節電要請を送信する(節電要請受信部P211c)機能である。
検針処理部P212は、節電要請先の節電状況を把握するための需要家3のベースラインを保持するとともに電力量使用実績値を収集及び集計し、送配電事業者6に送信する機能である。ベースラインを求めるために、アグリゲータは、電力会社から各需要家の検針値を取得し、取得した検針値に基づいて決められた方法で各需要家のベースラインを算出する。
図示しない送配電事業者6からの協力金支払いに関する機能は、各需要家の節電量に応じて行うのものとする(電力売買処理部P210にて処理してもよい)。
管理テーブルT14〜T15については図を改めて後述する。
図18は、アグリゲータ2により実行される節電要請先選定処理を示すフローチャートである。
アグリゲータ2は、送配電事業者6より節電要請を受信する(S110)と、節電要請の電力量や節電要請の時間帯(○○時○○分より○○分間、又は ○○時○○分より□□時□□分迄など)の情報に基づき、配下の需要家3のうち節電要請の依頼先の選定(S111)を後述する図19及び図20の情報を用いて行う。
アグリゲータ2は、S111の選定の結果、送配電事業者6の節電要請に応じられるか否かの判定(S112)を行い、要請に応じられない場合は送配電事業者6に「要請に応じられない」旨を、若しくは「要請に応じられる電力量、時間帯情報」を送信する(S116)。
S112の判断は、契約にもとづき予め節電量や時間帯情報が登録されているような場合は、送配電事業者6がアグリゲータ2の節電可能な能力を認識しているので、アグリゲータ2の能力以上の要請がないという前提であれば省略してもよい。
但し、緊急事態(契約において節電可能な量や時間帯でないにもかかわらず、送配電事業者6の電力供給が逼迫した時など)を想定するような場合は、アグリゲータ2が送信する「要請に応じられる電力量、時間帯情報」は有用であり、可能な限りの節電が可能となる。
アグリゲータ2は、S112により送配電事業者6の節電要請に応じられる場合は、選定した需要家3宛てに節電要請を送信する(S113)。
その後、所定の時間経過後に、前記選定した需要家の検針値を収集してベースラインに基づいて、節約できた発電量を算出し(S114)、送配電事業者6(電力取引所の場合もあり)へ節約できた発電量を送信する(S115)。
図示してはいないが、アグリゲータ2は、S112において、節電要請に応じられる場合に、送配電事業者6へ「要請に応じられる」旨を送信してもよい。
次に、送配電事業者6からの節電要請に基づき、節電を行わせる需要家3を選定する方法(図18のS111)を図19及び図20を用いて詳細に説明する。
図19は、需要家選択基準管理テーブルT14の例を示す。選択基準とは、各需要家3の中から、節電要請に応じられる需要家3を選択するための基準である。
需要家選択基準管理テーブルT14に登録されている各選択基準の中から少なくとも一つの選択基準を用いて需要家3を選択する。
以下、選択基準の例を説明する。第1の選択基準は、アグリゲータ2と需要家3との間での節電契約(時間帯(分単位、時間単位)毎の節電可能容量、日時毎の節電可能容量(電力量)など)であり、アグリゲータ2は、送配電事業者6よりの節電要請に応じるため、複数の需要家3の節電契約情報に基づいて節電要請をまかなえる分の需要家を選定する。
第2の選択基準は、予め設定された優先順位であり、アグリゲータ2は予め設定された優先順位に基づいて需要家3を選定する。選定する需要家3は要請された節電量に応じて単数でも複数でもよい。例えば、優先順位付けを第一の節電契約料金(第一の節電契約ランク)により行い、ランクの高い需要家3に優先的に節電要請を行うことが可能となる。
第3の選択基準は、過去のデマンドレスポンスの対応状況(対応率)であり、アグリゲータ2は、過去のデマンドレスポンスの対応状況(対応率)に基づいて需要家3を選定する(対応率の高い需要家3より順に選定する)。この基準は、第1、第2の選択基準の登録がなされていない場合に有効な基準であるが、第1、第2の選択基準との組み合わせでもよい。
例えば、第2の選択基準により特定の需要家3を選定し、要請不足分を第3の選択基準を用いて、他の需要家3を選定するなどの処理ができる。
その他の選定基準は、運用に応じて適宜追加可能としている。例えば、即時性(1〜2分後など)を求める節電要請向けの優先順位などを追加してもよい。即時性を求める節電要請の場合には協力金の支払い金額の高騰が予想(ペナルティ額も高騰)されるので、第二の節電契約料金(第二の節電契約ランク)により、優先的に節電要請に応じることのできるサービスメニューとすることもできる。
図20は、需要家管理テーブルT15の例を示す。
需要家管理テーブルT15は、需要家3を管理するためのテーブルであり、例えば、需要家ID C150、契約電力量C151、契約節電量C152、契約節電時間帯C153、DR要請対応率C154、優先順位C155、その他C156を対応付けて管理する。
需要家ID C150は、各需要家3を識別するための情報である。後に続く契約電力量C151、契約節電量C152、契約節電時間帯C153、DR要請対応率C154、優先順位C155は、需要家ID C150毎に登録されており、例えば、ひとつの需要家IDに契約節電時間帯C135情報が複数登録あれば、需要家IDの段は複数段登録される。(需要家管理テーブルT15を、需要家ID毎に複数設けてもよい。)契約電力量C151は、需要家3が日常使用する契約アンペア(A)数の情報であり、契約電力量が大きな需要家3にターゲットを絞り(契約電力量が大きいと節電可能電力量も大きいと推定できる場合)節電要請を行う場合に利用する。契約節電量C152は、契約時に予め登録した節電可能な電力量情報である。契約節電時間帯C153は、契約時に予め登録した節電可能な時間帯情報である。(C153とC152とは組み合わせ自由であり、複数の登録が可能)DR要請対応率C154は、過去の統計情報であり、アグリゲータ2よりの節電要請への対応率の情報であり、季節、日にち、時間帯毎に格納してある。優先順位C155は、アグリゲータ2が独自に節電要請順位を決めた順位情報である。
その他C156は、需要家3が実際に使用している電力量などでよく、契約電力量C151との差分(C151−C156)で、節電要請先を決める値に使用してもよい。
図21は、電力需要管理装置1により実行される、電力需要制御処理を示すフローチャートである。
電力需要管理装置1は、需給調整対象の需要家グループUG内の各需要家3および基地局4の瞬時電力値(例えば1分値)を取得する(S120)。電力需要管理装置1が各需要家3のスマートメータ31から瞬時電力値を直接取得できない場合は、電力小売会社から需要家3のスマートメータ31の検針値を間接的に取得する。電力需要管理装置1が各需要家3の瞬時電力値を直接、間接いずれも取得出来ない場合は、ステップS120では、各需要家3の瞬時電力値を検針値(30分値)の履歴から推定することができる。
電力需要管理装置1は、ステップS120で取得した瞬時電力値に基づいて、次の需給調整対象時間ST(例えば30分値)における電力需要を予測する(S121)。電力需要の変化にはパターンがあるため、今の瞬時電力値(推定値を含んでもよい)に基づいて、将来の電力需要を予測することができる。予測アルゴリズムは一次直線の外挿補間等でよい。
次に電力需要管理装置1は、アグリゲータ2より送信されてきた節電要請値WXの有無を確認し(S122)、節電要請を受信していなければS120に遷移する。S122において節電要請を受信した場合は、予測した電力需要WEとアグリゲータ2より送信されてきた節電要請値WXを比較し、アグリゲータ2の節電要請値WXとの差が所定の閾値Th4以上であるか判定する(S123)。
電力需要管理装置1は、節電要請値WXと電力需要WEとの差が閾値Th4以上であると判定すると(S123:YES)、所定のESS43から基地局4内の負荷42へ電力を供給させるための放電指示処理を実行する(S125)。この放電処理により節電要請値の確保を行うものである。閾値Th4は、所定のESS43から放電を開始させるための放電開始用閾値である。放電指示処理については図11の処理と類似するが、節電要請値WXを考慮している点が異なる。
電力需要管理装置1は、節電要請値WXを考慮し、各ESS43の中から、放電対象のESS43を選択する。電力需要管理装置1は、図5に示した選択基準の一つまたは複数を用いて、放電対象のESS43を選択することができる。
電力需要管理装置1は、放電対象のESS43から放電させる電力量である放電指示値を算出する。さらに、電力需要管理装置1は、放電対象のESS43から基地局4内の電気的負荷42A〜42Cへ電力を供給させるための放電タイミングを決定する。放電指示値と放電タイミングは、契約条件や節電要請に基づき行われる。電力不足が上限値HLを上回らないように設定されるのはいうまでもない。
また、上記はESS43の選定について述べたが、ESS43内の蓄電池431に複数のバンク431を設定し、バンクを指定して選択してもよい。
図6で示したように、バンク431A〜431Cの3つ(複数)のバンクを設定し、例えば、バンク431Aの放電能力は、あるアグリゲータ2に割り当て、バンク431Bの放電能力は、それとは異なるアグリゲータ2に割り当てることができる。これにより、同一のESS43を、それぞれ異なるアグリゲータ2が使用することができるようになる。
S123の判定においてNOの場合は、S120へ遷移する。
通常状態においてS123において、NOの判定を行うことがない。その理由としては、電力需要管理装置1がアグリゲータ2と契約の際に最低限確保できる節電用量を把握していることと、多数のESS43を備えていることがあげられる。
仮に、S123において、NOの判定をするような事態に陥った場合(節電要請に応じられない場合)はアグリゲータ2に「要請に応じられない」旨を、若しくは「要請に応じられる電力量、時間帯情報」を送信すればよい。
所定のESS43による放電処理が終了すると、電力需要管理装置1は、各スマートメータ31、41が検針する時刻かどうかを確認する(S126)。例えば、時刻t=0分、t=30分。そして、電力需要管理装置1は、時刻tが各スマートメータ31、41が検針する時刻tと判定したときに、各スマートメータ31,41の検針値(例えば、30分値)を取得し、需給調整後の実績値WRを算出し(S127)、その後、実績値WRをアグリゲータ2へ送信する。
また、ESS43の充電処理について述べると、電力需要管理装置1は、自身が管理する基地局やESS43の状況、能力をT11,T12で管理しているので、アグリゲータ2との契約時に、契約節電量C152、契約節電時間帯C153を適切に登録できるので、節電要請時間内に充電の必要となるESS43を選択するようなことはない。
本実施例においては、電力小売業者2がアグリゲータ(電力デマンドレスポンス管理装置)の役割をすることで説明を行ったが、電力小売業者2とアグリゲータは別事業体(別業種)でもよく、電力小売業者2より節電要請を受信する構成としても、効果的にはなんら変わるものではない。
更に、電力需要管理装置が移動体通信の基地局に設けられている蓄電装置や24時間営業を行っている商業施設(たとえばコンビニエンスストア)を用いることで、時間帯を問わずに多量の電力を吸収することができ、電力系統の安定に効果的に寄与することができる。
次に、図22ないし図24を用いて、第4実施例を説明する。
本実施例は、第3実施例の変形例である。第1ないし第3実施例においては、アグリゲータは、需要家のスマートメータの検針値を取得し、取得したスマートメータの検針値と、充放電指示の履歴に基づいて蓄電池の充放電量を推定していた。本実施例では、ESSは、蓄電池の充放電を制御する構成を有していることから、実際の充放電量に基づいて、インセンティブ型デマンドレスポンス(DR)対する充放電量を計算する。本実施例のDRは、節電だけでなく、電力供給が過剰になった場合の余剰電力の吸収を依頼する充電要請も含まれる。そのため、本実施例においては、図17に示すアグリゲータ(電力デマンドレスポンス管理装置)2の節電要請処理部P211、節電要請受信部P211a 、節電要請送信部P211は、それぞれ節電要請に加え、充放電要請の処理および送受信を行う機能も有するものとする。
以下、第4実施例を、第3実施例との差分を中心に説明する。
図22に本実施例の電力管理システムの一部の構成を示す。
本実施例においては、電力管理システムに需要家エネルギ管理装置9を有する点を特徴とする。需要家エネルギ管理装置9は、電力需要管理装置1に需要家のエネルギを管理するためのコンピュータプログラムおよびテーブルを追加したものである。
需要家エネルギ管理装置9の記憶装置904に格納されているコンピュータプログラムおよび管理テーブルのうち、コンピュータプログラムP11〜15と管理テーブルT11〜13は、第1ないし第3実施例で説明したものである。需要家エネルギ管理装置9のマイクロプロセッサ900は、これらのコンピュータプログラムP11〜15と管理テーブルT11〜13とを用いて、アグリゲータ2からの要請に応じて需要家の設備が有するESS430の電力需要を調整する。本実施例においては、需要家エネルギ管理装置9に、コンピュータプログラム充放電履歴管理部P910と、拠点管理テーブルT16と、充放電履歴管理テーブルT17を追加している。
ESS430は、第1実施例の図6に示したESS43の構成に加え、充放電履歴管理部(ESS)434と、記憶装置435と、記憶装置435に格納した充放電履歴管理テーブル(ESS)T18を有する。
図22には、ESSはひとつしか図示していないが、需要家エネルギ管理装置9は、通信インターフェース903を介して複数のESSと接続されていてもよい。
次に第4実施例におけるインセンティブ型DR時の動作を説明する。以下の説明におけるインセンティブ型DRは、節電要請も含め充放電要請のDRとして説明する。
送配電事業者6よりの充放電要請を受信したアグリゲータ2は、実施例3で説明した充放電要請先選定処理を行う。充放電要請先(単数若しくは複数)のひとつとして、需要家エネルギ管理装置9を選択したアグリゲータ2は、需要家エネルギ管理装置9に充放電要請を送信する。アグリゲータ2よりの充放電要請を受信した需要家エネルギ管理装置9は、自身の設備が有するESS430に充放電の指示を行う。
ESS430が、需要家エネルギ管理装置9から充放電指示を受信すると、充放電履歴管理部(ESS)434が、当該指示に基づきESS430の蓄電池431を充放電する。充放電履歴管理部(ESS)434は、蓄電池の充電量および放電量を管理し、その履歴情報を時刻情報と対応づけて充放電履歴管理テーブル(ESS)T18に格納している。充放電履歴管理テーブル(ESS)T18の格納情報については図示しないが、充放電履歴管理部(ESS)434が、蓄電池431の放電量、蓄電量、SOCを管理しており、それらの情報を時刻情報と対応づけて充放電履歴管理テーブル(ESS)T18に格納する。需要家エネルギ管理装置9から受信した充放電指示には、少なくとも充放電量または充放電持続時間が指定されており、充放電履歴管理部(ESS)434は、指示された充放電量または充放電持続時間充放電を行う。指示された充放電量または充放電持続時間充放電を行った後、充放電履歴管理部(ESS)434は、充放電履歴情報を、通信部433を介して需要家エネルギ管理装置9に送信する。充放電履歴情報は、予め決められたタイミングで、またはアグリゲータ2や需要家エネルギ管理装置9から要求があった場合に送信してもよい。
需要家エネルギ管理装置9の充放電履歴管理部P910は、ESS430から充放電履歴情報を受信すると、充放電履歴管理テーブルT17に格納する。需要家エネルギ管理装置9が複数のESS430を管理下に有している場合には、充放電履歴管理部P910は、複数のESS430からそれぞれ充放電履歴情報を受信し、充放電履歴管理テーブルT17に、ESS毎に設備(例えば基地局)IDなどの情報と関係づけて、充放電履歴情報を格納する。需要家エネルギ管理装置9は、各ESSから収集した充放電履歴情報に基づいて、各ESSの実際の充放電量を算出し、ネットワークを介してアグリゲータ2に送信する。
需要家エネルギ管理装置9の拠点管理テーブルT16は、ESSが現在位置する拠点の情報(例えば基地局ID)をESSIDと対応づけて管理するテーブルである。ESSが位置する拠点の情報は、需要家エネルギ管理装置9の管理者が作成し、ESSの設置拠点を変更した場合には、この管理者がテーブルを更新する。
図23は、本実施例における基地局管理テーブルおよびESS管理テーブルの構成を説明する図である。
本実施例において、需要家エネルギ管理装置9が有する基地局管理テーブルT11は、実施例1で説明した電力需要管理装置1の基地局管理テーブルT11と同様である。ESS管理テーブルT12‘は、本実施例では、ESS430が移動の可能性があるため、ESSID C121を基準とし、ESSIDに、該当ESSが設置されている基地局のIDC120、その他ESSの属性情報を対応付けて格納する。ESS430を移動し、別の基地局に設置した場合には、ESSIDに対応付けられている基地局IDが更新される。
図24は、本実施例における選択基準管理テーブルの構成図の構成を説明する図である。
本実施例においては、ESSの移動により、ESSIDと基地局IDの対応付けが変化するため、予め選択基準毎に、どちらのIDを基準として、基地局管理テーブルやESS管理テーブルの情報を参照するかの情報をテーブルに対応づけておく。
本実施例では、ESSの充放電履歴管理部が蓄電池の充電量および放電量の履歴を管理し、その充放電履歴情報を需要家エネルギ管理装置9に送信するため、需要家エネルギ管理装置9が充放電要請に対し実際にESSが充放電した電力量を把握することができる。そのため、スマートメータの検針値とベースラインから節電量を推定する方法よりも、正確に実際に節約できた電力量を求めることができる。
また、本実施例では、需要家エネルギ管理装置9において、ESSの拠点を管理しているため、図22に示すように、ESS430AをA地区からB地区に移した場合には、需要家エネルギ管理装置9の拠点管理テーブルT16のESS430Aに対応づけられた拠点情報もA地区からB地区に更新され、ESS430Aの充放電履歴情報他の情報も引き継がれ、B地区のESS430Aの情報として引き続き管理される。
以上説明した実施例によれば、インセンティブ型DRの場合に、蓄電池の実際の充電量および放電量に基づいて、協力金を按分することができる。
また、ESSとESSが存在する拠点を対応づけて管理していることで、特定の地域で再生可能エネルギが増加した場合に、アグリゲータが地域を特定した充電要請を行い、需要家エネルギ管理装置が、充電要請に含まれる地域を特定する情報に基づいて、特定の地域のESSに対して充電を指示することが可能となる。
1:電力需要管理装置、2:電力小売業者(若しくは、アグリゲータ:電力デマンドレスポンス管理装置)、3:需要家、3−1:需要家の機器、4:基地局、5:発電事業者、6:送配電事業者、9:需要家エネルギ管理装置、31,41:スマートメータ、42:電気的負荷、43:ESS、CN1〜CN5:通信ネットワーク、PL:電力系統

Claims (17)

  1. 第一の充放電要請を受信する充放電要請受信部と、
    前記第一の充放電要請に含まれる情報に基づき、配下の複数の需要家のうち充放電要請を送信する一以上の需要家を選定する需要家選定部と、
    前記需要家選定処理部にて選定した需要家に第二の充放電要請を送信する充放電要請送信部と、
    前記第二の充放電要請の反応時間の終了後、前記第二の充放電要請を送信した需要家から反応時間の充放電量に関する情報を収集して各需要家の充放電量を算出し、算出した各需要家の充放電量を送配電事業者若しくは電力取引所宛てに送信する充放電量計算部と、
    を備えたことを特徴とする電力デマンドレスポンス管理装置。
  2. 請求項1に記載の電力デマンドレスポンス管理装置であって、
    予め需要家の選択基準に関する情報が登録された需要家選択基準管理テーブルを有し、
    前記需要家選択基準管理テーブルに登録された選択基準に関する情報に基づいて、前記第二の充放電要請を送信する需要家を選定することを特徴とする電力デマンドレスポンス管理装置。
  3. 請求項2に記載の電力デマンドレスポンス管理装置であって、
    前記選択基準に関する情報は、前記複数の需要家が予め時間帯毎の充放電可能量を登録したものであり、
    前記需要家選定部は、前記各需要家の時間帯毎の充放電可能量を参照して第一の節電要請を満たすように一以上の需要家を選択し、選択した一以上の需要家に前記第二の節電要請を送信することを特徴とする電力デマンドレスポンス装置。
  4. 請求項2に記載の電力デマンドレスポンス管理装置であって、
    前記選択基準に関する情報として、予め前記複数の需要家に対して第二の充放電要請を送信する優先順位を設定しておき、
    前記需要家選定部は、前記優先順位に従って第一の充放電要請を満たすように一以上の需要家を選択し、選択した一以上の需要家に前記第二の充放電要請を送信することを特徴とする電力デマンドレスポンス装置。
  5. 請求項2に記載の電力デマンドレスポンス管理装置であって、
    前記選択基準に関する情報として、過去の第二の充放電要請に対する対応の有無および有の場合には充放電量を格納しておき、
    前記需要家選定部は、前記過去の第二の充放電要請に対する対応の有無および充放電量に従って第一の充放電要請を満たすように一以上の需要家を選択し、選択した一以上の需要家に前記第二の充放電要請を送信することを特徴とする電力デマンドレスポンス装置。
  6. 第一の充放電要請を受信するステップと、
    前記第一の充放電要請に含まれる情報に基づき、配下の複数の需要家のうち第二の充放電要請を送信する需要家を選定するステップと、
    前記需要家選定処理部にて選定した需要家に第二の充放電要請を送信するステップと、
    前記充放電要請の反応時間の終了後、前記第二の充放電要請を送信した需要家のから反応時間の電力消費に関する情報を収集して各需要家の充放電量を算出し、算出した需要家の充放電量を、送配電事業者若しくは電力取引所宛てに送信するステップと、
    を備えたことを特徴とする電力デマンドレスポンス管理方法。
  7. 請求項6に記載の電力デマンドレスポンス管理方法であって、
    予め需要家の選択基準に関する情報を需要家選択基準管理テーブルに登録しておき、
    前記需要家を選定するステップにおいては、前記需要家選択基準管理テーブルに登録された選択基準に関する情報に基づいて、前記第二の充放電要請を送信する需要家を選定することを特徴とする電力デマンドレスポンス管理方法。
  8. 請求項7に記載の電力デマンドレスポンス管理方法であって、
    前記選択基準に関する情報は、前記複数の需要家が予め時間帯毎の充放電可能量を登録したものであり、
    前記需要家を選定するステップにおいては、前記各需要家の時間帯毎の充放電可能量を参照して第一の充放電要請を満たすように一以上の需要家を選択し、選択した一以上の需要家に前記第二の充放電要請を送信することを特徴とする電力デマンドレスポンス管理方法。
  9. 請求項7に記載の電力デマンドレスポンス管理方法であって、
    前記選択基準に関する情報として、予め前記複数の需要家に対して第二の充放電要請を送信する優先順位を設定しておき、
    前記需要家を選定するステップにおいては、前記優先順位に従って第一の充放電要請を満たすように一以上の需要家を選択し、選択した一以上の需要家に前記第二の充放電要請を送信することを特徴とする電力デマンドレスポンス管理方法。
  10. 請求項7に記載の電力デマンドレスポンス管理方法であって、
    前記選択基準に関する情報として、過去の第二の充放電要請に対する対応の有無および有の場合には充放電量を格納しておき、
    前記需要家を選定するステップにおいては、前記過去の第二の充放電要請に対する対応の有無および充放電量に従って第一の充放電要請を満たすように一以上の需要家を選択し、選択した一以上の需要家に前記第二の充放電要請を送信することを特徴とする電力デマンドレスポンス管理方法。
  11. 第一の充放電要請を受信し、
    前記充放電要請に基づき、配下の複数の需要家のうち充放電要請を送信する一以上の需要家を選定し、選定した需要家に第二の充放電要請を送信するとともに、前記第二の充放電要請の反応時間の終了後、前記第二の充放電要請を送信した需要家から反応時間の電力消費に関する情報を収集して各需要家の充放電量を算出し、算出した各需要家の充放電量を送配電事業者若しくは電力取引所宛てに送信する電力デマンドレスポンス管理装置と、
    前記電力デマンドレスポンス管理装置より第二の充放電要請を受信し、自己の管理設備である機器に付帯する蓄電装置の充放電を実施し、前記第二の充放電要請の反応時間の終了後、前記第二の充放電要請の反応時間の電力消費に関する情報を前記電力デマンドレスポンス管理装置に送信する需要家とを含むことを特徴とする電力デマンドレスポンス管理システム。
  12. 請求項11に記載の電力デマンドレスポンス管理システムであって、
    前記需要家は、該需要家の消費電力を検針するスマートメータを備え、
    前記電力デマンドレスポンス管理装置は、第二の充放電要請の反応時間の終了後、反応時間の電力消費に関する情報として、前記需要家のスマートメータの検針値を収集し、予め電力デマンドレスポンス管理装置内に保持していたベースラインと、前記検針値に基づいて、各需要家の充放電量を算出し、算出した各需要家の充放電量を送配電事業者若しくは電力取引所宛てに送信することを特徴とする電力デマンドレスポンス管理システム。
  13. 請求項11に記載の電力デマンドレスポンス管理システムであって、
    前記需要家は、該需要家の電力需給を調整するための蓄電装置と、該蓄電装置の充放電履歴を管理する充放電履歴管理部と、該充放電履歴情報を保持する充放電履歴管理テーブルを有し、
    前記需要家は、第二の充放電要請の反応時間の終了後、反応時間の電力消費に関する情報として、前記需要家の蓄電装置の充放電履歴情報を前記電力デマンドレスポンス管理装置に送信し、
    電力デマンドレスポンス管理装置は、各需要家が前記反応時間に充放電した充放電量を送配電事業者若しくは電力取引所宛てに送信することを特徴とする電力デマンドレスポンス管理システム。
  14. 請求項13に記載の電力デマンドレスポンス管理システムであって、
    前記需要家は、前記各蓄電装置から収集した充放電履歴情報を前記蓄電装置の識別子および前記蓄電装置が設置されている拠点の情報と対応づけて格納することを特徴とする電力デマンドレスポンス管理システム。
  15. 請求項14に記載の電力デマンドレスポンス管理システムであって、
    前記第一の充放電要請は、地域情報を含むものであり、前記電力デマンドレスポンス管理装置は、前記第二の充放電要請に前記地域情報を含めて選択した需要家に送信し、
    前記需要家は、前記拠点の情報に基づいて、前記第二の充放電要請に含まれる地域情報に対応する拠点の蓄電装置の充放電を制御することを特徴とする電力デマンドレスポンス管理システム。
  16. 第一のネットワークを介して充放電要請を受信し、該充放電要請に基づいて、第二のネットワークを介して接続される一以上の蓄電池の充放電制御を行う管理装置であって、
    前記充放電要請に基づき前記一以上の蓄電池の充放電制御を行う充放電制御部と、
    前記充放電要請に基づく充放電の終了後に前記蓄電池から前記充放電要請に対する充放電履歴情報を取得して管理する充放電履歴情報管理部と、
    前記蓄電池から取得した充放電履歴情報を前記蓄電池毎に格納する充放電履歴管理テーブルと、
    前記充放電履歴情報を前記第一のネットワークを介して送信する送信部とを有することを特徴とする管理装置。
  17. 請求項16に記載の管理装置であって、
    前記蓄電池と該蓄電池が設置されている地域を対応づけて管理する拠点管理テーブルをさらに有し、
    また、前記第一のネットワークを介して受信する充放電要請は、地域情報を含み、
    前記充放電制御部は、前記拠点管理テーブルを参照して前記充放電要請に含まれる地域情報に基づいて、充放電制御対象の蓄電池を選択することを特徴とする管理装置。
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