JP2017126435A - コイン形電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイン形電池の誤飲による生体への危害を低減する。【解決手段】【請求項1】底板部および前記底板部の周縁から立ち上がる側部を有するケースと、天板部および前記天板部から前記側部の内側へ延びる周縁部を有する封口板と、前記側部と前記周縁部との間に圧縮されて介在するガスケットと、前記ケースと前記封口板により密閉された発電要素と、前記ケースおよび前記封口板の少なくとも一方が、外面側に設けられた第1導電層と、前記第1導電層よりも内面側に設けられた第2導電層と、を具備し、前記第1導電層が、炭窒化チタンおよび炭化チタンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、コイン形電池。【選択図】図1

Description

本発明は、コイン形電池に関し、さらに詳しくは、誤飲に対する安全性を高めたコイン形電池に関する。
コイン形電池は、小型機器やメモリバックアップなどの電源として広く用いられている。コイン形電池の用途は拡大の一途にあるが、これに伴い、コイン形電池の誤飲に対する対策の重要性が増している。コイン形電池が生体内に取り込まれると、コイン形電池のケースおよび封口板のそれぞれの端子面が体液と接触し、水の電気分解が進行する。体液のpHは概ね中性であるが、水の電気分解が進行すると、負極端子側の体液はアルカリ性に変化し、正極端子側の体液は酸性に変化する。そのため、生体に危害を及ぼす。
そこで、特許文献1は、誤飲を防止する観点から、電池の表面に苦味物質を含有する導電性被膜を形成することを提案している。
一方、特許文献2は、錆を抑制する観点から、電池容器の外表面に窒化チタンをコーテイングすることを提案している。
特開平4−312762号公報 特開昭59−151750号公報
しかし、特許文献1の方法では、生体がコイン形電池を吐き出さずに飲み込んでしまった場合には、上記危害を避けることができない。
上記に鑑み、本発明は、誤飲による生体への危害を低減することができる、安全性の高いコイン形電池を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、底板部および前記底板部の周縁から立ち上がる側部を有するケースと、天板部および前記天板部から前記側部の内側へ延びる周縁部を有する封口板と、前記側部と前記周縁部との間に圧縮されて介在するガスケットと、前記ケースと前記封口板により密閉された発電要素と、前記ケースおよび前記封口板の少なくとも一方が、外面側に設けられた第1導電層と、前記第1導電層よりも内面側に設けられた第2導電層と、を具備し、前記第1導電層が、炭化チタンおよび炭窒化チタンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、コイン形電池に関する。
本発明によれば、コイン形電池の誤飲による生体への危害を低減することができる。
本発明の実施形態に係るコイン形電池の縦断面図である。
本発明の実施形態に係るコイン形電池は、発電要素と、発電要素を密閉収容する外装体とで構成されている。外装体は、開口を有する有底のケースと、ケースの開口を塞ぐ封口板と、ケースの側部の端部(開口端部)と封口板の周縁部との間に介在するガスケットとを具備している。発電要素は、第一電極と、第二電極と、これらの間に介在するセパレータと、電解液とを具備する。ケースと封口板とで形成される空間に発電要素を充填した後、ケースの開口端部を、ガスケットを介して封口板の周縁部にかしめることで、発電要素が外装体の内部に密閉収容される。
コイン形電池には、ボタン形も含まれる。すなわち、コイン形電池の形状および直径は特に限定されない。例えば、電池の厚さが直径よりも大きいボタン形電池もコイン形電池に包含されるものとする。
より詳細には、ケースは、底板部および底板部の周縁から立ち上がる側部を有する。底板部は、通常、円形であるが、円形に近い形状(例えば楕円形)でもよい。封口板は、天板部および天板部からケースの側部の内側へ延びる周縁部を有する。天板部は、底板部の形状に対応しており、通常、底板部より直径の小さい円形である。コイン形電池の厚さTは、底板部の直径Dより小さい場合が多く(T<D)、例えば1.2mm≦T≦5.0mm、9mm≦D≦24.5mmである。ケースの側部と封口板の周縁部との間には、ガスケットが圧縮されて介在している。ここで、ケースおよび封口板の少なくとも一方は、外面側に設けられた第1導電層と、第1導電層よりも内面側に設けられた第2導電層とを具備し、第1導電層は炭化チタンおよび炭窒化チタンからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいる。
外面側に設けられた第1導電層とは、コイン形電池が誤飲されたときに、最初もしくは初期段階で体液と接触する導電層である。すなわち、第1導電層と第2導電層に加え、更に第3導電層が少なくとも1層存在してもよいが、第3導電層は第1導電層より内面側に設ける必要がある。一方、第2導電層は、第1導電層よりも内面側に設けられていればよく、第3導電層より外面側であってもよい。
第1導電層は、純粋な炭化チタンで形成してもよく、炭窒化チタンで形成してもよく、これらの組み合わせで形成してもよい。また、第1導電層は、単層構造でもよく、2層以上の構造でもよく、厚さ方向に沿って徐々に炭素と窒素の組成比が変化する傾斜材料で形成してもよい。
なお、第1導電層の更に外面側に、微量の金属が付着していても、誤飲が発生したときの第1導電層の作用は阻害されない。また、第1導電層の外面が、生体内で溶解する材料で覆われていてもよい。例えば、第1導電層の更に外面に、厚さ5μm以下、好ましくは1μm以下のニッケル層が施されていてもよい。ニッケル層は、生体内のアルカリ性または酸性の環境下で容易に溶解するため、第1導電層の作用は阻害されない。
第一電極と第二電極とは、互いに異なる極性を有する。すなわち、第一電極が正極(または負極)である場合、第二電極は負極(または正極)である。コイン形電池がリチウム電池である場合、正極はケースの底板部に対向するように収容され、負極は封口板の天板部に対向するように外装体内に収容されることが一般的である。ただし、正負極の配置は、これに限定されない。ケースおよび封口板のうち、一方は正極端子となり、他方は負極端子となる。
電池の外面側の第1導電層は、コイン形電池が誤飲され、体液がケースおよび/または封口板と接触した際に、体液のpHが大きく変化するのを抑制する作用を有する。第1導電層に含まれる炭化チタンまたは炭窒化チタンは、強酸環境下となる正極端子側で溶解しにくく、酸化反応が進行して緻密な酸化物層を形成する。その結果、正極端子側の抵抗値が高くなり、それ以上の酸化反応が抑制されるものと考えられる。また、炭化チタンまたは炭窒化チタンは、強アルカリ環境下となる負極端子側でも溶解しにくく、かつ水素過電圧が非常に高いため、水の電気分解による水素発生反応も抑制される。
窒化チタンは、炭化チタンまたは炭窒化チタンと同様の作用を奏することが期待されるが、コイン形電池のケースおよび封口板の素材としては強度が不十分である。ケースまたは封口板の形状に加工された状態の素材に窒化チタンをコーテイングした場合でも、ケースの開口端部を封口板の周縁部にかしめる場合のように加工率が高くなると、割れが発生しやすい。割れにより母材(例えばステンレス鋼)が露出すると、母材の露出部が基点となって腐食が加速する。一方、炭化チタンおよび炭窒化チタンは、窒化チタンよりも強度を向上させることが可能であり、高い加工率にも耐えることができる。ケースまたは封口板の形状に加工される前の母材に炭化チタンまたは炭窒化チタンをコーテイングした場合でも、条件を適切に選択することでプレス加工や絞り加工にも耐えることができ、工業的価値も高い。
炭化チタンまたは炭窒化チタンを含む第1導電層は、物理蒸着(PVD:physical vapor deposition)法、化学蒸着(CVD:chemical vapor deposition)法などの手法により形成することができる。
CVD法では、第1導電層を形成する原子を含むガスの化学反応が利用され、化学反応の生成物が第1導電層の表面に堆積して薄膜状の第1導電層が形成される。化学反応は、加熱、プラズマ、レーザ照射などにより進行させてもよい。一方、PVD法では、減圧雰囲気中で、第1導電層の原料を気化させ、第2導電層(母材)の表面に堆積させて薄膜状の第1導電層が形成される。原料を気化させる方法は、特に限定されないが、真空蒸着、分子線蒸着、イオンプレーティング、イオンビーム蒸着、マグネトロンスパッタリング、イオンビームスパッタリングなどの手法が挙げられる
薄膜状の炭化チタンの形成は、公知の方法で行えばよく、特に限定されないが、例えば、塩化チタンのようなチタン源と、メタン、エチレンなどの炭素源との気相反応で形成される。
薄膜状の炭窒化チタンの形成は、公知の方法で行えばよく、特に限定されないが、例えば、塩化チタンのようなチタン源と、メタン、エチレンなどの炭素源と、アンモニアガスなどの窒素源との気相反応で形成される。
負極端子として機能するケースまたは封口板には、第2導電層としてステンレス鋼の代わりに安価な普通鋼や炭素鋼を使用してもよい。普通鋼とは、JISに規定されるSS材、SM材、SPCC材のような鋼材である。炭素鋼は、S10C、S20C、S30C、S45C、S55Cのような鋼材であり、機械構造用合金鋼に属する。ただし、普通鋼や炭素鋼を第2導電層に用いる場合には、電池の内部側に錆止め用のめっき層(例えばニッケルめっき層)が形成される。めっき層の厚さは1〜5μmが望ましい。
第1導電層の厚さT1は、0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。これにより、第1導電層が高強度となり、第1導電層の剥離や傷などの損傷を抑制することができる。一方、第2導電層の厚さT2は、150〜300μmが好ましく、200〜250μmがより好ましい。これにより、外装体としての十分な強度を確保しやすくなる。このとき、厚さの比:T2/T1を15〜600とすることが好ましく、40〜500とすることがより好ましい。
生体に対する影響は、体液が酸性になるよりもアルカリ性になるときに、より大きくなる。また、一般的には、封口板が負極端子となる。よって、少なくとも封口板は、第1導電層と第2導電層とを具備することが望ましく、ケースと封口板の両方が第1導電層と第2導電層とを具備することがより望ましい。ただし、ケースだけが、第1導電層と第2導電層とを具備する場合でも、生体に対する影響を緩和できることに変わりはない。
第2導電層の材料は、耐食性と強度を有する限り、特に限定されないが、ステンレス鋼が好ましい。また、チタン、アルミニウムとステンレス鋼とのクラッド材などを用いることができる。
ケースが第1導電層と第2導電層とを具備する場合には、ケースの側部の端部(開口端部)を絶縁材料で被覆することが望ましい。第1導電層をケースの外面側に配置しても、開口端部のエッジ面では内面側の第2導電層が露出しているためである。誤飲が発生したときに第1導電層の作用を高める観点からは、第2導電層と体液との接触を極力避けることが望ましい。このとき、絶縁材料としては、特に限定されないが、ゴム系材料、フッ素樹脂などの樹脂材料、グリース、ワックス、アスファルトなどを用いることができる。なお、封口板の周縁部は、そのエッジ面も含めてケースの側部の内側に配置されるため、外部に露出しない。
ゴム系材料としては、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、イソブチレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴムなどが好ましい。
樹脂材料の中では、撥水性が高く、剥離しにくい点でフッ素樹脂が好ましい。フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、PVDFの変性体、ポリフッ化ビニル(PVF)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などを用いることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るコイン形電池について説明する。ただし、以下の実施形態は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、本実施形態に係るコイン形電池の一例の断面図である。
コイン形電池10は、ケース1と、封口板6と、ガスケット5とで構成される外装体を具備する。ケース1は、底板部1aおよび底板部1aの周縁から立ち上がる側部1bを有する円筒型で底浅の電池缶である。封口板6は、天板部6aおよび天板部6aからケース1の側部1bの内側へと延びる周縁部6bを有する。ガスケット5の一部は、ケース1の側部1bと封口板6の周縁部6bとの間に介在することにより、ケース1と封口板6との隙間を封止している。
外装体の内部には発電要素が収容されている。発電要素は、正極2、負極3、セパレータ4および電解液(図示せず)を含む。図示例では、正極2はケース1の底板部1aと対向するように配置されている。ケース1は正極端子として機能する。一方、負極3は封口板6の天板部6aと対向するように配置される。封口板6は負極端子として機能する。
図示例では、ケース1の素材として、炭窒化チタン(TiCN)で形成された第1導電層11とステンレス鋼で形成された第2導電層12とを具備する2層構造素材が用いられている。コイン形電池10において、第1導電層11は外面側に、第2導電層12は内面側に配置されている。ただし、ケース1の側部1bの端部1tには、第2導電層12の少なくともエッジ面が露出する。そのため、端部1tは、絶縁材料を含む絶縁被膜8で覆われている。
封口板6の素材としては、炭窒化チタンで形成された第1導電層61と、ステンレス鋼、普通鋼、炭素鋼などで形成された第2導電層62とを具備する2層構造素材が用いられている。コイン形電池10において、第1導電層61は外面側に、第2導電層62は内面側に配置されている。封口板6の周縁部6bの端部6tは、ケース1の側部1bの内側に配置されるため、第2導電層62のエッジ面は外部に露出することがない。
ケース1の第2導電層を構成するステンレス鋼は、正極電位で耐腐食性を有することが望ましい。例えば、リチウム電池のケース1には、SUS430、SUS444、SUS329Jなどのステンレス鋼を用いることが望ましい。
封口板6の第2導電層を構成するステンレス鋼は、リチウム金属に対して安定であることが望ましい。例えば、リチウム電池の封口板6には、SUS304、SUS316、SUS430などのステンレス鋼を用いることが望ましい。また、普通鋼または炭素鋼を用いてもよい。
次に、リチウム電池を例にとって、コイン形電池の製造方法について説明する。
コイン形電池は、発電要素を準備する工程(i)と、ケース1を準備する工程(ii)と、封口板6を準備する工程(iii)と、ガスケット5を準備する工程(iv)と、ケース1に発電要素を収容した後、封口板6でケース1の開口を塞ぎ、ケース1の開口端部を、ガスケット5を介して封口板6の周縁部に加締める工程(v)と、ケース1の側部1bの端部1tを絶縁被膜8で覆う工程(vi)とを具備する。ケース1および/または封口板6に用いる素材(例えば既述の2層構造素材)の厚さは、例えば0.1〜0.4mmである。
工程(ii)では、例えば、既述の2層構造素材を絞り加工して、有底の円筒状に成形することにより、ケース1が作製される。2層構造素材の電池の外面側に対応する表面には第1導電層が配され、内面側に対応する表面には第2導電層が配される。
工程(iii)では、例えば、既述の2層構造素材をプレス加工することにより、所定形状の封口板が形成される。2層構造素材の電池の外面側に対応する表面には第1導電層が配され、内面側に対応する表面には第2導電層が配される。
工程(iv)では、封口板6の周縁部に勘合する環状の溝部を有するガスケット5が準備される。ガスケット5は、予め封口板6の周縁部に装着させてもよい。ガスケット5の材質としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などを用いることができる。
工程(v)では、ケース1の内部に発電要素を収容し、ケース1の開口を塞ぐように封口板6を配置する。その後、ケース1の側部の端部(開口端部)を内側に折り曲げる。これにより、ガスケット5が圧縮され、ガスケット5の下端部はケースの底板部に密着する。また、ガスケット5の上端部は、封口板6の周縁部に密着する。
工程(vi)では、ケース1の側部1bの端部1tが覆われるように、例えばゴム系材料などの絶縁材料を溶解または分散させた溶液または分散液を塗布し、乾燥させて、絶縁被膜8を形成すればよい。これにより、端部1tにおける第2導電層12の露出が抑制される。
次に、リチウム電池を例にとって、コイン形電池の発電要素について説明する。
正極2は、正極合剤をコイン形に加圧成形することにより形成される。正極合剤は、正極活物質、導電助剤およびバインダーを含む。正極活物質の種類は、特に限定されないが、マンガン、コバルト、ニッケル、マグネシウム、銅、鉄、ニオブ、バナジウムなどの遷移金属よりなる群から選択される少なくとも1種を含む酸化物(例えば二酸化マンガン)または複合酸化物を用いることができる。リチウムを含み、マンガン、コバルト、ニッケル、マグネシウム、銅、鉄、ニオブなどの金属よりなる群から選択される少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばLiCoO2)も用いることができる。また、フッ化黒鉛を用いることもできる。正極活物質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電助剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、人造黒鉛などの黒鉛類を使用できる。導電助材は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
バインダーとしては、例えば、フッ素樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)、変性アクリロニトリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。結着剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極3は、例えば、コイン形に成形されたリチウム金属またはリチウム合金である。リチウム合金としては、Li−Al合金、Li−Sn合金、Li−Si合金、Li−Pb合金などが挙げられる。負極3は、負極活物質およびバインダーを含む負極合剤をコイン形に加圧成形したものでもよい。負極活物質の種類は、特に限定されないが、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化性炭素などの炭素材料、酸化珪素、チタン酸リチウム、五酸化ニオブ、二酸化モリブデンなどの金属酸化物を用いることができる。バインダーとしては、例えば、正極に用い得る材料として例示した材料を任意に用いることができる。負極合剤に導電助剤を含ませてもよい。
電解液は、非水溶媒と、これに溶解する溶質(塩)とを含む。電解液中の溶質濃度は0.3〜2.0mol/Lが好ましい。非水溶媒としては、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、鎖状エーテル、環状エーテルなどを用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。溶質としては、LiBF4、LiPF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiC49SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22などが用いられる。
セパレータ4は、正極2と負極3との短絡を防止できる材料であればよい。例えば、ポリオレフィン、ポリエステルなどで形成された織布、不織布、微多孔フィルムなどが挙げられる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を限定するものではない。なお、本実施例では、図1に示すような構造のコイン形電池を作製した。
《実施例1》
(i)ケース
炭窒化チタン(TiCN)で形成された厚さ3μmの第1導電層と、ステンレス鋼(SUS430)で形成された厚さ200μmの第2導電層とを具備する2層構造素材を準備した。この2層構造素材を第1導電層が外側面になるように絞り加工して、底板部の直径が20mm、側部1bの高さが2.8mmのケース1を作製した。
(ii)封口板
炭窒化チタン(TiCN)で形成された厚さ3μmの第1導電層と、ステンレス鋼(SUS430)で形成された厚さ250μmの第2導電層とを具備する2層構造素材を準備した。この2層構造素材を第1導電層が外側面になるようにプレス加工して、天板部6aの直径が17mmの封口板6を作製した。
(iii)発電要素
正極活物質である二酸化マンガン100質量部と、導電助剤である黒鉛7質量部と、結着剤であるポリテトラフルオロエチレン5質量部とを混合して、正極合剤を調製した。正極合剤を直径15mm、厚さ2mmのコイン形に成形して正極2を作製した。一方、厚さ0.6mmの金属リチウム箔を直径16mmの円形に打ち抜いて負極3を作製した。電解液には、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとを体積比2:1で混合した非水溶媒に、溶質としてLiClO4を濃度1.0mol/Lで溶解させた有機電解液を用いた。
(iv)コイン形電池の組み立て
ケース1の側部1bの内側に、ブロンアスファルトと鉱物油からなる封止剤を塗布したポリプロピレン製のガスケット5を配置するとともに、底板部1aにSUS430製の集電体(図示せず)を配置し、その上に、正極2を載置した。次に、正極2の上に、厚さ300μmのポリプロピレン製の不織布をセパレータ4として載置した。その後、有機電解液をケース1内に注液した。負極3は、封口板6の天板部6aの内側に貼り付けた。次に、ケース1の開口を塞ぐように封口板6を配置し、ケース1の側部1bの端部を、ガスケット5を介して封口板6の周縁部6bにかしめた。次に、ケース1の側部1bの端部1tが覆われるように、トルエンに溶解させたスチレンブタジエンゴムを塗布し、乾燥させて絶縁被膜8を形成した。
これにより、直径20mm、厚さ3.2mm、電気容量225mAhのコイン形電池A1を完成させた。
《比較例1》
ケースおよび封口板の素材として上記2層構造素材を用いず、ケースの素材には外面側に厚さ2μmのニッケルめっき層を形成した厚さ200μmのステンレス鋼板(SUS430)を用い、封口板の素材には外面側に厚さ2μmのニッケルめっき層を形成した厚さ250μmのステンレス鋼板(SUS430)を用いたこと以外、実施例1と同様に、コイン形電池B1を完成させた。
《比較例2》
ケースおよび封口板を形成する2層構造素材において、炭窒化チタン(TiCN)を窒化チタン(TiN)に変更したこと以外、実施例1と同様に、コイン形電池B2を完成させた。
《実施例2》
封口板の素材には実施例1と同じ2層構造素材を用い、ケースの素材には比較例1と同じく外面側に厚さ2μmのニッケルめっき層を有するステンレス鋼板を用いたこと以外、実施例1と同様に、コイン形電池A2を完成させた。
《実施例3》
ケースの素材には実施例1と同じ2層構造素材を用い、封口板の素材には比較例1と同じく外面側に厚さ2μmのニッケルめっき層を有するステンレス鋼板を用いたこと以外、実施例1と同様に、コイン形電池A3を完成させた。
[評価]
実施例1〜3および比較例1、2のコイン形電池を、それぞれ10個準備した。
深さ15mmのシャーレの底部に豚肉を原料とする加工食肉(ハム)を載置し、続いて体液の代わりに生理食塩水をシャーレに注ぎ、ハムを完全に生理食塩水に浸した。次に、評価用の電池を、封口板がハムに接触するようにハムの上に載置した。このとき、電池が浮かないように電池のケース底面(底板部の外面)を生理食塩水の液面より僅かに下にして、ケース底面に食塩水の膜が形成される状態にした。この状態で、25℃で30分間放置した。その後、封口板と接触していたハムの状態を目視で観察したところ、実施例1〜3の電池を載置したハムには、ほとんど変色が見られなかった。比較例2の電池を載置したハムには、僅かに変色が見られた。これは、絞り加工、プレス加工、もしくはケース1の側部1bの端部を封口板6の周縁部6bにかしめる加工の際に、窒化チタンを含む第1導電層に複数の亀裂が発生したことによるものと考えられる。一方、比較例1の電池を載置したハムには、激しい変色がみられた。各例の10個の電池は、いずれも同じ傾向を示した。
次に、電池を取り除いた後のハムの表面のpHを測定し、それぞれ10個の平均値を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2017126435
以上より、本発明によれば、生体によるコイン形電池の誤飲が生じた場合でも、生体に対する危害を大きく低減できることが明らかとなった。
上記実施例では、第1導電層を炭窒化チタンで形成したが、炭化チタンで形成する場合でも、同様にコイン形電池の安全性を高めることができるものと考えられる。
本発明は、リチウム電池、リチウムイオン電池、アルカリ電池、アルカリ蓄電池など、一次電池および二次電池を含む様々な電池に適用できるが、電池電圧が3.0Vを超える電池(例えばリチウム電池)において特に有用である。
1:ケース、1a:底板部、1b:側部、1t:端部、2:正極、3:負極、4:セパレータ、5:ガスケット、6:封口板、6a:天板部、6b:周縁部、6t:端部、8:絶縁被膜、10:コイン形電池、11,61:第1導電層、12,62:第2導電層

Claims (6)

  1. 底板部および前記底板部の周縁から立ち上がる側部を有するケースと、
    天板部および前記天板部から前記側部の内側へ延びる周縁部を有する封口板と、
    前記側部と前記周縁部との間に圧縮されて介在するガスケットと、
    前記ケースと前記封口板により密閉された発電要素と、
    前記ケースおよび前記封口板の少なくとも一方が、外面側に設けられた第1導電層と、前記第1導電層よりも内面側に設けられた第2導電層と、を具備し、
    前記第1導電層が、炭化チタンおよび炭窒化チタンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、コイン形電池。
  2. 前記第2導電層が、ステンレス鋼を含む、請求項1に記載のコイン形電池。
  3. 少なくとも前記封口板が、前記第1導電層と前記第2導電層とを具備する、請求項1または2に記載のコイン形電池。
  4. 少なくとも前記ケースが、前記第1導電層と前記第2導電層とを具備し、前記側部の端部が、絶縁材料で被覆されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコイン形電池。
  5. 前記第1導電層の厚さは、0.5〜10μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコイン形電池。
  6. 前記第2導電層の厚さは、200〜250μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコイン形電池。
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