JP2017125576A - スプールバルブ及び油圧供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】油圧供給装置の小型化を図ること。【解決手段】筒状のスプール孔(11)を有するバルブ本体(10)と、バルブ本体(10)に設けられる、入口ポート(12a)、第一出口ポート(12b)及び第二出口ポート(12c)と、スプール孔(11)の内部を摺動するスプール(20)と、スプール(20)の外周に形成される油溝(21)と、を備え、油溝(21)には、軸方向(X)に摺動可能なスリーブ部材(30)が外嵌し、スリーブ部材(30)の第一出口ポート(12b)側端部には弁部(31)が形成され、弁部(31)は、スプール(20)の移動により、油溝(21)が第一出口ポート(12b)と連通した状態から第二出口ポート(12c)と連通した状態に切り替わる場合に、スプール孔(11)の内径を塞ぐことを特徴とするスプールバルブ(1)。【選択図】図2
Description
本発明は、バルブハウジングのスプール孔内に摺動自在に挿入したスプールを備えるスプールバルブ及び油圧供給装置に関する。
油圧供給装置において、低圧及び高圧の2種類のポンプを用いて油圧を制御するものがある。低圧と高圧の2種類のポンプを用いると、圧力の低い間は2つのポンプにより油圧を供給することにより高速で油圧を供給することができる。そして、圧力が高くなったら、高圧ポンプのみで圧力を供給し、低圧ポンプ側をアンロードすることにより低圧ポンプを無負荷運転させることができる。
このように、2種類のポンプを用いて油圧を供給する場合、従来は、高圧ポンプと低圧ポンプの回路の間に逆止弁を配置し、高圧ポンプと油タンク及び低圧ポンプと油タンクのそれぞれの間にリリーフ弁等の開閉弁を配設する必要があった(例えば、特許文献1参照)。このように、2種類のポンプを用いた油圧供給装置を構成する場合、逆止弁や開閉弁を配設する必要があるため、油圧供給装置の小型化に限界があるという問題があった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、油圧供給装置の小型化を図ることにある。
上記課題を解決するため本発明にかかるスプールバルブ(1)は、筒状のスプール孔(11)を有するバルブ本体(10)と、バルブ本体(10)に設けられスプール孔(11)に作動油を流入させる入口ポート(12a)と、バルブ本体(10)に設けられスプール孔(11)から作動油を流出させる第一出口ポート(12b)及び第二出口ポート(12c)と、スプール孔(11)の内部でスプール孔(11)の軸方向(X)に摺動するスプール(20)と、スプール(20)の外周に形成され、入口ポート(12a)から第一出口ポート(12b)へ又は入口ポート(12a)から第二出口ポート(12c)へ選択的に連通する油溝(21)と、を備え、油溝(21)には、軸方向(X)に摺動可能なスリーブ部材(30)が外嵌し、スリーブ部材(30)の第一出口ポート(12b)側の端部には、スプール孔(11)の内径を塞ぐ形状の弁部(31)が形成され、弁部(31)は、スプール(20)の移動により、油溝(21)が第一出口ポート(12b)と連通した状態から第二出口ポート(12c)と連通した状態に切り替わる場合に、スプール孔(11)の内径を塞ぐことを特徴とする。
このように、スプール(20)の移動により、第一出口ポート(12b)と第二出口ポート(12c)との間で作動油の流出方向を切り替える方向切替弁の機能を有する。また、切り替え時に弁部(31)がスプール孔(11)の内径を塞ぐ構成とすることで、弁部(31)が第一出口ポート(12b)からの逆流を防ぐ逆止弁の機能をも有する。また、スリーブ部材(30)は、スプール(20)に形成される流路としての油溝(21)に対して外嵌するものであるため、スプールバルブ(1)全体の大きさを径方向にも軸方向にも拡大しない。したがって、通常の方向切替弁の大きさで、方向切替弁の機能と逆止弁の機能の両方を持つことになり、方向切替弁の他に逆止弁を配設する必要がなくなり、スプールバルブ(1)を用いる油圧供給装置の小型化を図ることができる。
また、上記スプールバルブ(1)において、スリーブ部材(30)は、油溝(21)の軸方向(X)の溝幅(L21)よりも短い軸方向長さ(L30)を有し、スリーブ部材(30)は、油溝(21)内の圧力に応じて軸方向(X)に移動することを特徴としてもよい。
このように、スリーブ部材(30)は、油溝(21)に対して外嵌するのみならず、油溝(21)の軸方向(X)の溝幅(L21)よりも短い軸方向長(L30)を有するため、スリーブ部材(30)は、油溝(21)の溝幅(L21)の内部で摺動可能に構成される。また、スリーブ部材(30)が油溝(21)内を摺動する際、スリーブ部材(30)は、油溝(21)の圧力に応じて軸方向(X)に移動する構成であるため、スプール(20)の移動から独立して、スリーブ部材(30)が油溝(21)内を移動することとなる。これにより、1つのスプールバルブ(1)の構成内において、スプール(20)とスリーブ部材(30)とを独立した自由度で移動させることができる。
また、上記スプールバルブ(1)において、油溝(21)の軸方向(X)の一方端部には、弁部(31)が当接可能な弁部当接面(21a)が形成され、油溝(21)の軸方向(X)の他方端部には、スリーブ部材(30)の突当部(32)が当接可能な突当部当接面(21b)が形成されることを特徴としてもよい。
このように、油溝(21)内においてスプール(20)の移動から独立してスリーブ部材(30)を移動可能に構成しながらも、スリーブ部材(30)の軸方向(X)の両端部において当接している場合には、スプール(20)の移動に伴ってスリーブ部材(30)を移動させることも可能となる。これにより、スプール(20)とスリーブ部材(30)を状況に応じて適切に移動させることができ、方向切替弁の方向切替えの機能を有する油溝(21)の位置と、逆止弁の機能を有する弁部(31)の位置を、適切に制御することができる。
また、上記スプールバルブ(1)において、弁部(31)と弁部当接面(21a)との間には、当接時に外周側から作動油が入り込むための隙間(S)が形成されることを特徴としてもよい。このように、弁部(31)と弁部当接面(21a)との間に隙間(S)が形成されると、弁部(31)と弁部当接面(21a)との当接時に、作動油がスプール(20)外周側から隙間(S)へ入り込みやすくなり、弁部(31)を弁部当接面(21a)から離間させやすくなる。これにより、円滑に弁部(31)を移動させることが可能となる。
また、上記スプールバルブ(1)において、弁部(31)の最外径(D31)は、突当部(32)の最外径(D32)よりも大きく形成されることを特徴としてもよい。このように構成すると、弁部(31)の表面積が、突当部(32)の表面積よりも大きくなり、油溝(21)内の圧力が高くなったときに、スリーブ部材(30)を弁部(31)側に移動させやすくなる。これにより、弁部(31)の機能を確実に発揮させることができる。
また、上記スプールバルブ(1)において、弁部(31)は、油溝(21)が第二出口ポート(12c)と連通した状態から第一出口ポート(12b)と連通した状態に切り替わる場合、第一出口ポート(12b)と対向する位置に移動することを特徴としてもよい。このように、第二出口ポート(12c)から第一出口ポート(12b)への切り替え時に、弁部(31)が第一出口ポート(12b)と対向する位置に移動すると、弁部(31)により第一出口ポート(12b)からの作動油の流出を妨げることがない。このため、作動油の流出方向の切替えを円滑に行うことができる。
また、上記スプールバルブ(1)において、バルブ本体(10)には、調圧用の作動油をスプール孔(11)に流入させる調圧ポート(12d)が形成されることを特徴としてもよい。これにより、調圧ポート(12d)に調圧回路を接続させれば、スプール20の軸方向(X)の移動を制御することができる。
また、2つのポンプ(PH,PL)を有し油圧を供給する油圧供給装置(50)であって、上記スプールバルブ(1)と、入口ポート(12a)に接続され作動油を圧送する第一ポンプ(PL)と、第一出口ポート(12b)に接続される高圧回路(51H)と、高圧回路(51H)に作動油を圧送する第二ポンプ(PH)と、第二出口ポート(12c)に接続される低圧回路(51L)と、を備えることを特徴としてもよい。
このように、油圧供給装置(50)において、1つのスプールバルブ(1)を配設することのみで、逆止弁と方向切替弁の2つの機能を付与することができる。このため、逆止弁と方向切替弁を別々に配設する必要がなくなり、油圧供給装置の小型化を図ることができる。
また、2つのポンプ(PH,PL)を有し油圧を供給する油圧供給装置(50−2)であって、上記スプールバルブ(1)と、入口ポート(12a)に接続され作動油を圧送する第一ポンプ(PL)と、第一出口ポート(12b)に接続される高圧回路(51H)と、高圧回路(51H)に作動油を圧送する第二ポンプ(PH)と、第二出口ポート(12c)に接続される低圧回路(51L)と、を備え、高圧回路(51H)に調圧ポート(12d)が接続され、低圧回路(51L)に油タンク(T)が接続されることを特徴としてもよい。
これによれば、油圧供給装置(50−2)において、1つのスプールバルブ(1)を配設することのみで、逆止弁と方向切替弁の2つの機能を付与することができ、油圧供給装置の小型化を図ることができる。また、調圧ポート(12d)を高圧回路(51H)に接続することとすれば、高圧回路(51H)が所定圧になったときに、作動油の流出方向が第一出口ポート(12b)から第二出口ポート(12c)に切り替わり、作動油が、第二出口ポート(12c)に接続される低圧回路(51L)を経由して油タンク(T)に導かれることとなる。このため、スプールバルブ(1)に、方向切替弁の機能と逆止弁の機能のみならず、安全弁(リリーフ弁)の機能をも付与することができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかるスプールバルブ及び油圧供給装置によれば、油圧供給装置の小型化を図ることができる。
〔第1実施形態〕
以下、添付図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態のスプールバルブ1及び油圧供給装置50の全体概略図である。本実施形態の油圧供給装置50は、スプールバルブ1を用いるため、まずスプールバルブ1の概略を説明する。スプールバルブ1は、筒状のスプール孔11を有するバルブ本体10と、スプール孔11の内部でスプール孔11の軸方向Xに摺動するスプール20とを有する。本実施形態のバルブ本体10には、作動油をスプールバルブ1内に導入するための複数のポートが設けられる。具体的には、スプール孔11に作動油を流入させる入口ポート12a、スプール孔11から作動油を流出させる第一出口ポート12b及び第二出口ポート12c、調圧用の作動油をスプール孔11に流入させる調圧ポート12d、油タンクTに接続されるドレンポート12eである。
以下、添付図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態のスプールバルブ1及び油圧供給装置50の全体概略図である。本実施形態の油圧供給装置50は、スプールバルブ1を用いるため、まずスプールバルブ1の概略を説明する。スプールバルブ1は、筒状のスプール孔11を有するバルブ本体10と、スプール孔11の内部でスプール孔11の軸方向Xに摺動するスプール20とを有する。本実施形態のバルブ本体10には、作動油をスプールバルブ1内に導入するための複数のポートが設けられる。具体的には、スプール孔11に作動油を流入させる入口ポート12a、スプール孔11から作動油を流出させる第一出口ポート12b及び第二出口ポート12c、調圧用の作動油をスプール孔11に流入させる調圧ポート12d、油タンクTに接続されるドレンポート12eである。
油圧供給装置50は、油タンクTに収納される作動油を取り込み、作動油を供給する2種類のポンプを有する。本実施形態では、相対的に低い油圧で作動油を圧送する低圧ポンプPL(第一ポンプ)と、相対的に高い油圧で作動油を供給する高圧ポンプPH(第二ポンプ)を有する。
油圧供給装置50は、高圧ポンプPHから作動油が圧送され制御対象の装置に接続される高圧回路51Hを有する。高圧回路51Hの一部は、スプールバルブ1の第一出口ポート12bが接続される。また、油圧供給装置50は、スプールバルブ1の第二出口ポート12cに一方端部が接続され他端部が油タンクTに接続される低圧回路51Lを有する。本実施形態では、低圧回路51Lの他端部が油タンクTに接続されるが、これに限るものではなく、高圧回路51Hの油圧と比較して低圧回路51Lの油圧が低ければよい。
その他、本実施形態では、スプールバルブ1の調圧ポート12dが不図示の調圧回路に接続され、ドレンポート12eがドレン回路51Dに接続され、ドレン回路51Dは油タンクTに作動油を導く構成としている。また、スプールバルブ1のスプール20を軸方向Xに移動させるため、バルブ本体10の台座部13に付勢部材22が設置される。
この構成により、スプール20は、付勢部材22の弾性力により図中左方向に移動し、調圧回路からの油圧により弾性力に抗して図中右方向に移動しうる。スプール20の調圧ポート12d側の端部にはテーパ部20aが形成されることにより、スプール20が図中最左端に移動した場合でも調圧ポート12dからの作動油の圧力を受けやすくしている。
なお、本実施形態では、油圧と弾性部材によりスプール20を軸方向Xに移動させることを例示したが、スプール20の移動方法はこれに限るものではない。このため、電磁弁など、通常用いられる他の移動方法を用いてよい。
次に、図2及び図3を用いてスプールバルブ1の詳細な構成を説明をする。図2は、スプールバルブ1の詳細構成図である。また、図3は、油溝21とスリーブ部材30の関係を示すスプール20の部分拡大図である。図2に示すように、スプールバルブ1は、バルブ本体10と、バルブ本体10のスプール孔11内を摺動するスプール20と、スプール20に形成される油溝21に外嵌するスリーブ部材30とを有する。
油溝21は、スプール20の外周に形成される。油溝21は、スプール20の移動に応じて、連通するポートを選択的に変える。すなわち、スプール20が図中左方に移動した場合、入口ポート12aから流入した作動油がスプール孔11を通って第一出口ポート12bから排出するように、入口ポート12aと第一出口ポート12bとを連通する。また、スプール20が図中右方に移動した場合、入口ポート12aから流入した作動油がスプール孔11を通って第二出口ポート12cから排出するように、入口ポート12aと第二出口ポート12cとを連通する。
スリーブ部材30は、図3に示すように、油溝21の軸方向Xの溝幅L21よりも短い軸方向長さL30を有し、油溝21内の圧力に応じて軸方向Xに移動可能に構成される。スリーブ部材30の第一出口ポート12b側の端部(図中左端部)には、スプール孔11の内径を塞ぐ形状の弁部31が形成される。一方、スリーブ部材30の第一出口ポート12b側の端部(図中右端部)は、スプール孔11の内径を塞がない形状の突当部32となっている。このため、弁部31の最外径D31の大きさは、突当部32の最外径D32の大きさよりも大きく構成されることになる。なお、弁部31は、スプール孔11の内径を塞ぐような外径となっている。
このスリーブ部材30の構成に対応して、油溝21の軸方向Xの一方端部(図中左端部)には、弁部31が当接可能な弁部当接面21aが形成される。一方、油溝21の軸方向Xの他方端部(図中右端部)には、スリーブ部材30の突当部32が当接可能な突当部当接面21bが形成される。このため、スリーブ部材30は、油溝21内においてスプール20の動きと独立して移動可能であるが、油溝21の弁部当接面21a又は突当部当接面21bから押圧される場合には、スリーブ部材30がスプール20の移動と一体的に移動することになる。
また、弁部31と弁部当接面21aとの間には、弁部31と弁部当接面21aの当接時に外周側から作動油が入り込むための隙間Sが形成される。本実施形態では、隙間Sは、弁部当接面21aの外周に形成される切欠21cと弁部31の外周に形成される切欠31cとが合わさることにより形成される。ただし、弁部31と弁部当接面21aの当接時に隙間Sが形成されればよく、必ずしも弁部当接面21aの外周と弁部31の外周の双方に切欠を形成する必要はない。このため、弁部31と弁部当接面21aのいずれか一方に切欠を形成することとしてもよい。
この構成により、スプールバルブ1の動作を説明する。まずは、高圧側から低圧側への切り替え時の動作を説明する。図4及び図5は、スプールバルブ1の高圧側から低圧側への切り替え時の動作を示す説明図である。なお、以下のスプールバルブ1の動作の説明においては、各動作説明に直接関係する符号のみを付すこととする。
図4(a)に示すように、スプール20が図中左端にある場合には、油溝21が、入口ポート12aと第一出口ポート12bとをスプール孔11を介して連通する位置となる。この場合、入口ポート12aから流入した作動油はスプール孔11を通って第一出口ポート12bから流出することになる。なお、この場合、スリーブ部材30も、油溝21において図中左端にあり、弁部31が弁部当接面21aに当接している。
図4(b)に示すように、スプール20を図中右方に移動させると、油溝21が、入口ポート12aと第一出口ポート12bとをスプール孔11を介して連通する位置であることは変わらないものの、油溝21の左端が第一出口ポート12bと連通する部分を狭める。この場合、入口ポート12aから流入した作動油はスプール孔11を通って第一出口ポート12bから流出するが、流出量は少なくなる。なお、この場合も、スリーブ部材30も図中左端にあり、弁部31が弁部当接面21aに当接している。
図4(c)に示すように、さらにスプール20を図中右方に移動させると、油溝21が、図中左端部において、第一出口ポート12bに対向する部分がほとんどなくなる。そして、油溝21が、図中右端部において、入口ポート12aと第二出口ポート12cとをスプール孔11を介して連通する位置となり、高圧側から低圧側への切り替えが行われる。この場合、入口ポート12aから流入した作動油はスプール孔11を通って第二出口ポート12cから流出するが、流出量は少ない。
この切替え時において、スプール20とは独立して移動するスリーブ部材30は、まだ油溝21の図中左端にある。そして、スリーブ部材30の弁部31は、スプール孔11の内径を塞ぐような外径となっているため、第一出口ポート12bからスプール孔11への逆流を防ぐ。このように、スリーブ部材30の弁部31は、逆止弁の役割を担っている。
図5(a)に示すように、高圧側から低圧側への切り替えが行われると、作動油の流出方向が第二出口ポート12cへ変わり、且つ、高圧側からの油圧が第一出口ポート12bから弁部31に対してかかるため、スリーブ部材30が図中右方に移動する。この状態においても、弁部31の外径はスプール孔11の内径に当接しているため、逆止弁の役割を継続している。
図5(b)に示すように、さらにスリーブ部材30が図中右方に移動すると、スリーブ部材30はその突当部32が、油溝21の突当部当接面21bに当接する。この状態においても、弁部31の外径はスプール孔11の内径に当接しているため、逆止弁の役割を継続している。
図5(c)に示すように、スプール20を図中右方に移動させると、油溝21が、第一出口ポート12bに対向する位置から完全に退避する。そして、油溝21が、入口ポート12aと第二出口ポート12cとをスプール孔11を介して連通する位置となる。この場合、入口ポート12aから流入した作動油はスプール孔11を通って第二出口ポート12cから流出することになる。なお、スリーブ部材30は、油溝21内の圧力方向が変わらないためスプール20に対しては相対的には移動しないが、油溝21の圧力により、スリーブ部材30も、突当部32を油溝21の突当部当接面21bに当接させつつ図中右方に移動する。
次に、低圧側から高圧側への切り替え時の動作を説明する。図6及び図7は、スプールバルブの低圧側から高圧側への切り替え時の動作を示す説明図である。
図6(a)に示すように、スプール20が図中右端にある場合には、油溝21が、入口ポート12aと第二出口ポート12cとをスプール孔11を介して連通する位置となる。この場合、入口ポート12aから流入した作動油はスプール孔11を通って第二出口ポート12cから流出することになる。なお、この場合、スリーブ部材30も、油溝21において図中右端にあり、突当部32が突当部当接面21bに当接している。
図6(b)に示すように、スプール20を図中左方に移動させると、油溝21が、入口ポート12aと第二出口ポート12cとをスプール孔11を介して連通する位置であることは変わらないものの、油溝21の右端が第二出口ポート12cと連通する部分が狭める。この場合、入口ポート12aから流入した作動油はスプール孔11を通って第二出口ポート12cから流出するが、流出量は少なくなる。なお、スリーブ部材30は、スプール20に対しては相対的には移動しないが、油溝21の突当部当接面21bから突当部32を押圧されるため、スリーブ部材30も図中右方に移動する。ここで、油溝21の図中左端は、既に第一出口ポート12bと対向しているが、弁部31が第一出口ポート12bからの逆流を防止している。
図6(c)に示すように、さらにスプール20を図中左方に移動させると、油溝21が、第二出口ポート12cに対向する部分から退避する。一方、油溝21の図中左端は第一出口ポート12bと対向する位置にあるため、スリーブ部材30は図中左方に移動可能である。このため、油溝21の油圧によって、スリーブ部材30が、図中左方に移動する。
図7(a)に示すように、スリーブ部材30が図中左方に移動すると、弁部31が、油溝21の弁部当接面21aに当接する。この場合、入口ポート12aから流入した作動油はスプール孔11を通って第一出口ポート12bから流出する。
このように、油溝21が第二出口ポート12cと連通した状態から第一出口ポート12bと連通した状態に切り替わる場合、弁部31が第一出口ポート12bと対向する位置に移動することで、入口ポート12aと第一出口ポート12bとを連通する。これにより、油溝21が第二出口ポート12cと連通した状態から第一出口ポート12bと連通した状態に切り替わる場合、入口ポート12aから流入した作動油の出力先がない状態を回避することができる。
図7(b)に示すように、スプール20を図中左方に移動させると、油溝21が、第二出口ポート12cの全体と対向する位置になる。この場合、入口ポート12aから流入した作動油はスプール孔11を通って第二出口ポート12cから流出する。
以上のように、本実施形態のスプールバルブ1においては、スプール20の移動により、第一出口ポート12bと第二出口ポート12cとの間で作動油の流出方向を切り替える方向切替弁の機能を有する。そして、切り替え時に弁部31がスプール孔11の内径を塞ぐ構成により、弁部31が第一出口ポート12bからの逆流を防ぐ逆止弁の機能をも有する。また、スリーブ部材30は、スプール20に形成される流路としての油溝21に対して外嵌するものであるため、スプールバルブ1全体の大きさを径方向にも軸方向にも拡大しない。したがって、通常の方向切替弁の大きさで、方向切替弁の機能と逆止弁の機能の両方を持つことになり、方向切替弁の他に逆止弁を配設する必要がなくなり、スプールバルブ1を用いる油圧供給装置の小型化を図ることができる。
また、上記スプールバルブ1において、スリーブ部材30が、油溝21に対して外嵌するのみならず、その軸方向長L30を油溝21の軸方向Xの溝幅L21よりも短く構成する。これにより、スリーブ部材30は、油溝21の溝幅L21の内部で摺動可能に構成される。
また、スリーブ部材30が油溝21内を摺動する際、油溝21の圧力に応じてスリーブ部材30が軸方向Xに移動する構成とすると、スプール20の移動から独立して、スリーブ部材30が油溝21内を移動することとなる。これにより、1つのスプールバルブ1の構成内において、スプール20とスリーブ部材30とを独立した自由度で移動させることができる。
また、上記スプールバルブ1において、油溝21の軸方向Xの一方端部には、弁部31が当接可能な弁部当接面21aが形成され、油溝21の軸方向Xの他方端部には、スリーブ部材30の突当部32が当接可能な突当部当接面21bが形成されることにしてもよい。このように、油溝21内においてスプール20の移動から独立してスリーブ部材30を移動可能に構成しながらも、スリーブ部材30の軸方向Xの両端部において当接している場合には、スプール20の移動に伴ってスリーブ部材30を移動させることも可能となる。これにより、スプール20とスリーブ部材30を状況に応じて適切に移動させることができ、方向切替弁の方向切替えの機能を有する油溝21の位置と、逆止弁の機能を有する弁部31の位置を、適切に制御することができる。
また、上記スプールバルブ1において、弁部31と弁部当接面21aとの間には、当接時に外周側から作動油が入り込むための隙間Sが形成されることとしてもよい。このように、弁部31と弁部当接面21aとの間に隙間Sが形成されると、弁部31と弁部当接面21aとの当接時に、作動油がスプール20外周側から隙間Sへ入り込みやすくなり、弁部31を弁部当接面21aから離間させやすくなる。これにより、円滑に弁部31を移動させることが可能となる。
また、上記スプールバルブ1において、弁部31の最外径D31は、突当部32の最外径D32よりも大きく形成される。このように構成すると、弁部31の表面積が、突当部32の表面積よりも大きくなり、油溝21内の圧力が高くなったときに、スリーブ部材30を弁部31側に移動させやすくなる。これにより、弁部31の機能を確実に発揮させることができる。
また、上記スプールバルブ1において、弁部31は、油溝21が第二出口ポート12cと連通した状態から第一出口ポート12bと連通した状態に切り替わる場合、第一出口ポート12bと対向する位置に移動することとしてもよい。このように、第二出口ポート12cから第一出口ポート12bへの切り替え時に、弁部31が第一出口ポート12bと対向する位置に移動すると、弁部31により第一出口ポート12bからの作動油の流出を妨げることがない。このため、作動油の流出方向の切替えを円滑に行うことができる。
また、上記スプールバルブ1において、バルブ本体10には、調圧用の作動油をスプール孔11に流入させる調圧ポート12dが形成されることとしてもよい。これにより、調圧ポート12dに調圧回路を接続させれば、スプール20の軸方向Xの移動を制御することができる。
また、本実施形態のスプールバルブ1を用いた油圧供給装置50においては、2つのポンプPH,PLを有し油圧を供給する油圧供給装置50であって、上記スプールバルブ1と、入口ポート12aに接続され作動油を圧送する低圧ポンプPLと、第一出口ポート12bに接続される高圧回路51Hと、高圧回路51Hに作動油を圧送する高圧ポンプPHと、第二出口ポート12cに接続される低圧回路51Lと、を備える。このように、油圧供給装置50において、1つのスプールバルブ1を配設することのみで、逆止弁と方向切替弁の2つの機能を付与することができる。このため、逆止弁と方向切替弁を別々に配設する必要がなくなり、油圧供給装置の小型化を図ることができる。
〔第2実施形態〕
以下、添付図面を参照して本発明の第2実施形態を説明する。前述の実施形態と同様の構成については、同一符合を付すことで説明を省略する。図8は、第2実施形態のスプールバルブ1及び油圧供給装置50−2の全体概略図である。本実施形態の油圧供給装置50−2は、第1実施形態と同様、スプールバルブ1と、これに接続される高圧回路51H及び低圧回路51Lと、低圧ポンプPL及び高圧ポンプPHと、を具備する。
以下、添付図面を参照して本発明の第2実施形態を説明する。前述の実施形態と同様の構成については、同一符合を付すことで説明を省略する。図8は、第2実施形態のスプールバルブ1及び油圧供給装置50−2の全体概略図である。本実施形態の油圧供給装置50−2は、第1実施形態と同様、スプールバルブ1と、これに接続される高圧回路51H及び低圧回路51Lと、低圧ポンプPL及び高圧ポンプPHと、を具備する。
そして、本実施形態の油圧供給装置50−2においては、スプールバルブ1の調圧ポート12dが高圧回路51Hに接続され、低圧回路51Lに油タンクTが接続される。この構成においても、油圧供給装置50−2において、1つのスプールバルブ1を配設することのみで、逆止弁と方向切替弁の2つの機能を付与することができ、油圧供給装置の小型化を図ることができる。
また、調圧ポート12dを高圧回路51Hに接続することとすれば、高圧回路51Hが所定圧になったときに、作動油の流出方向が第一出口ポート12bから第二出口ポート12cに切り替わり、作動油が、第二出口ポート12cに接続される低圧回路51Lを経由して油タンクTに導かれることとなる。このため、スプールバルブ1に、方向切替弁の機能と逆止弁の機能のみならず、安全弁(リリーフ弁)の機能をも付与することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
1…スプールバルブ
10…バルブ本体
11…スプール孔
12a…入口ポート
12b…第一出口ポート
12c…第二出口ポート
12d…調圧ポート
20…スプール
21…油溝
21a…弁部当接面
21b…突当部当接面
21c…切欠
30…スリーブ部材
31…弁部
31c…切欠
32…突当部
50,50−2…油圧供給装置
51H…高圧回路
51L…低圧回路
PH…高圧ポンプ
PL…低圧ポンプ
S…隙間
10…バルブ本体
11…スプール孔
12a…入口ポート
12b…第一出口ポート
12c…第二出口ポート
12d…調圧ポート
20…スプール
21…油溝
21a…弁部当接面
21b…突当部当接面
21c…切欠
30…スリーブ部材
31…弁部
31c…切欠
32…突当部
50,50−2…油圧供給装置
51H…高圧回路
51L…低圧回路
PH…高圧ポンプ
PL…低圧ポンプ
S…隙間
Claims (9)
- 筒状のスプール孔を有するバルブ本体と、
前記バルブ本体に設けられ前記スプール孔に作動油を流入させる入口ポートと、
前記バルブ本体に設けられ前記スプール孔から作動油を流出させる第一出口ポート及び第二出口ポートと、
前記スプール孔の内部で前記スプール孔の軸方向に摺動するスプールと、
前記スプールの外周に形成され、前記入口ポートから前記第一出口ポートへ又は前記入口ポートから前記第二出口ポートへ選択的に連通する油溝と、を備え、
前記油溝には、前記軸方向に摺動可能なスリーブ部材が外嵌し、
前記スリーブ部材の前記第一出口ポート側の端部には、前記スプール孔の内径を塞ぐ形状の弁部が形成され、
前記弁部は、前記スプールの移動により、前記油溝が前記第一出口ポートと連通した状態から前記第二出口ポートと連通した状態に切り替わる場合に、前記スプール孔の内径を塞ぐ
ことを特徴とするスプールバルブ。 - 前記スリーブ部材は、前記油溝の前記軸方向の溝幅よりも短い軸方向長さを有し、
前記スリーブ部材は、前記油溝内の圧力に応じて前記軸方向に移動する
ことを特徴とする請求項1に記載のスプールバルブ。 - 前記油溝の前記軸方向の一方端部には、前記弁部が当接可能な弁部当接面が形成され、
前記油溝の前記軸方向の他方端部には、前記スリーブ部材の突当部が当接可能な突当部当接面が形成される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスプールバルブ。 - 前記弁部と前記弁部当接面との間には、当接時に外周側から作動油が入り込むための隙間が形成される
ことを特徴とする請求項3に記載のスプールバルブ。 - 前記弁部の最外径は、前記突当部の最外径よりも大きく形成される
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のスプールバルブ。 - 前記弁部は、前記油溝が前記第二出口ポートと連通した状態から前記第一出口ポートと連通した状態に切り替わる場合、前記第一出口ポートと対向する位置に移動する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のスプールバルブ(1)。 - 前記バルブ本体には、調圧用の作動油を前記スプール孔に流入させる調圧ポートが形成される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のスプールバルブ。 - 2つのポンプを有し油圧を供給する油圧供給装置であって、
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のスプールバルブと、
前記入口ポートに接続され作動油を圧送する第一ポンプと、
前記第一出口ポートに接続される高圧回路と、
前記高圧回路に作動油を圧送する第二ポンプと、
前記第二出口ポートに接続される低圧回路と、を備える
ことを特徴とする油圧供給装置。 - 2つのポンプを有し油圧を供給する油圧供給装置であって、
請求項7に記載のスプールバルブと、
前記入口ポートに接続され作動油を圧送する第一ポンプと、
前記第一出口ポートに接続される高圧回路と、
前記高圧回路に作動油を圧送する第二ポンプと、
前記第二出口ポートに接続される低圧回路と、を備え、
前記高圧回路に前記調圧ポートが接続され、
前記低圧回路に油タンクが接続される
ことを特徴とする油圧供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016005462A JP2017125576A (ja) | 2016-01-14 | 2016-01-14 | スプールバルブ及び油圧供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016005462A JP2017125576A (ja) | 2016-01-14 | 2016-01-14 | スプールバルブ及び油圧供給装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017125576A true JP2017125576A (ja) | 2017-07-20 |
Family
ID=59364102
Family Applications (1)
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JP2016005462A Pending JP2017125576A (ja) | 2016-01-14 | 2016-01-14 | スプールバルブ及び油圧供給装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017125576A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018194103A (ja) * | 2017-05-18 | 2018-12-06 | 株式会社Subaru | 油圧供給機構及びオイルポンプ装置 |
-
2016
- 2016-01-14 JP JP2016005462A patent/JP2017125576A/ja active Pending
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