JP2017123061A - 出来形の可視化システム及び出来形の可視化データ生成プログラム - Google Patents

出来形の可視化システム及び出来形の可視化データ生成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、出来形の可視化システム及びの可視化データ生成プログラムにおいて、3次元構造体の出来形形状の良し悪しを直感的に把握可能とする。【解決手段】可視化システム1は、表計算ソフト13a、3次元CADモデル表示ソフト13b及び可視化データ生成プログラム2がインストールされたコンピュータ10を備える。プログラム2は、表計算ソフト13aによるデータ入力表に入力されたデータを基に、3次元構造体上の計測点における座標値d1、設計値d2及び出来形の実測値d3のデータを取得するデータ取得部21と、3次元構造体の表面位置に設計値d2と実測値d3の差分をコンター図として表示するための出来形表示データD2を生成する表示データ生成部22とを備える。コンピュータ10は、表示ソフト13bを動作させ、データD2を用いて出来形のコンター図を3次元表示させる。【選択図】図1

Description

本発明は、出来形管理に用いられる出来形の可視化システム及び出来形の可視化データ生成プログラムに関する。
従来から、出来形管理を容易に行うために、例えば、地中に圧入された杭材の出来形を仮想図形として表示部に表示し、実際にはユーザが目視することができない杭材の根入部分を確認可能とする出来形管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。地中の杭材の姿勢を表す出来形は、地中に圧入される杭材に取り付けた複数個の測標の位置を圧入とともに測定し、その測標の位置データと、既設杭材の天端継手嵌合部の位置データとに基づいて算出されている。
また、掘削用の作業機に計測用のモニタポイントを設定し、作業時にモニタポイントの三次元位置を計測し、その計測結果に基づいて、作業機による掘削によって形成された地形である出来形に関する情報を取得する出来形情報処理装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。この装置は、作業機の外観と出来形とに関するデータに基づいて作業機と出来形とを画像化し、更新された出来形を含む地形の画像を作業機の画像に重ね合わせてモニタに表示する構成とされている。
また、2次元レベルの図面に基づいて低コストの3次元データを作成し利用するために、汎用の2次元または2.5次元のCADソフトと汎用の表計算ソフトとを組み合わせて3次元データを作成するシステムが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2010−261298号公報 特開2006−200185号公報 特開2005−78207号公報
しかしながら、上述した特許文献1,2に示される手法は、出来形を形成する作業に出来形の測定及び評価を連携させて作業効率を上げることができるが、より高精度の出来形管理に適用するには限界がある。例えば、橋梁などの3次元構造体の出来形管理においては、数ミリメートル単位の精度の寸法、捩れ、変形などを、局所的かつ大域的に評価し管理する必要がある。このような橋梁などの計測は高精度に行われているが、その評価には、出来形の測定値をグラフ化したものが用いられており、3次元構造体の出来形形状の良し悪しを直感的に把握できるものではない。
また、上述した特許文献3に示されるシステムは、3次元構造体の3次元データを安価に作成することを目的とし、建築物や工作物を構成する個々の各部材を主要な対象物とするものであり、3次元構造体の全体に関わる出来形に適用できるものではない。
本発明は、上記課題を解消するものであって、3次元構造体の出来形形状の良し悪しを直感的に把握可能とする、出来形の可視化システム及び出来形の可視化データ生成プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明の可視化システムは、3次元構造体の出来形の可視化システムであって、汎用の表計算ソフト及び汎用の3次元CADモデル表示ソフトがインストールされたコンピュータと、コンピュータからの指示により画像を表示するディスプレイと、コンピュータに指示するためユーザにより操作される指示手段と、を備え、コンピュータには、ユーザによる指示手段の操作によって、表計算ソフトによるデータ入力表をディスプレイに表示させ、データ入力表に入力されたデータを用いて、3次元構造体の出来形を表示するためのデータを生成する可視化データ生成プログラムがインストールされており、可視化データ生成プログラムは、データ入力表に入力されたデータを基に、3次元構造体上に設定された計測点の座標値のデータ、計測点における設計値のデータ、及び計測点に対応する位置における出来形に関する実測値のデータを取得するデータ取得部と、データ取得部によって取得されたデータを基に、設計値と実測値の差分を求め、座標値のデータを用いて3次元構造体の表面に対応する位置に差分をコンター図として表示するための出来形表示データを生成する表示データ生成部と、を備え、コンピュータは、3次元CADモデル表示ソフトを動作させ、表示データ生成部が生成した出来形表示データを用いて、ディスプレイにコンター図を3次元表示させることを特徴とする。
この出来形の可視化システムにおいて、データ取得部は、3次元構造体の3次元モデルを表示するためのモデル表示データまたはモデル表示データの所在を示すデータを取得するモデルデータ取得部を有し、表示データ生成部は、3次元CADモデル表示ソフトがディスプレイに3次元モデルと差分のコンター図とを重ねて3次元表示できるように、出来形表示データにモデルデータ取得部が取得した3次元モデルに関するデータを付加する。
この出来形の可視化システムにおいて、データ取得部は、データ入力表に入力される、設計値に対して許容される上限値または下限値のデータを取得し、表示データ生成部は、実測値が上限値または下限値を超えたか否かを明示するように、出来形表示データを生成する。
この出来形の可視化システムにおいて、表示データ生成部は、計測点によって規定される面に補間点を設定し、補間点に実測値または差分の補間による補間値を付与するデータ補間部を有し、設計値のデータ及び実測値のデータに加え、データ補間部が出力する補間点と補間値のデータを用いて、出来形表示データを生成する。
本発明の可視化データ生成プログラムは、汎用の表計算ソフトと組み合わせてコンピュータにインストールされて用いられ、3次元構造体の出来形を3次元CADモデル表示ソフトによって表示させるためのデータを生成する出来形の可視化データ生成プログラムであって、ユーザの操作によって、表計算ソフトによるデータ入力表をコンピュータのディスプレイに表示させ、データ入力表に入力されたデータを基に、3次元構造体上に設定された計測点の座標値のデータ、計測点における設計値のデータ、及び計測点に対応する位置における出来形に関する実測値のデータを取得するデータ取得部と、データ取得部によって取得されたデータを基に、設計値と実測値の差分を求め、汎用の3次元CADモデル表示ソフトに引き渡すためのデータであって差分を3次元構造体の表面に対応する位置にコンター図として3次元表示させるための出来形表示データを、差分と計測点の座標値のデータとを用いて生成する表示データ生成部と、を備えることを特徴とする。
この出来形の可視化データ生成プログラムにおいて、データ取得部は、3次元構造体の3次元モデルを表示するためのモデル表示データまたはモデル表示データの所在を示すデータを取得するモデルデータ取得部を有し、表示データ生成部は、3次元CADモデル表示ソフトが3次元モデルと差分のコンター図とを重ねて3次元表示できるように、出来形表示データにモデルデータ取得部が取得した3次元モデルに関するデータを付加する。
この出来形の可視化データ生成プログラムにおいて、データ取得部は、データ入力表に入力される、設計値に対して許容される上限値または下限値のデータを取得し、表示データ生成部は、実測値が上限値または下限値を超えたか否かを明示するように、出来形表示データを生成する。
この出来形の可視化データ生成プログラムにおいて、表示データ生成部は、計測点によって規定される面に補間点を設定し、補間点に実測値または差分の補間による補間値を付与するデータ補間部を有し、設計値のデータ及び実測値のデータに加え、データ補間部が出力する補間点と補間値のデータを用いて、出来形表示データを生成する。
この出来形の可視化データ生成プログラムにおいて、汎用の表計算ソフトが有する図形描画機能を用いてコンター図の斜視図をディスプレイに表示させるため、出来形表示データから斜視図のデータを生成するプレビューデータ生成部をさらに備える。
本発明の出来形の可視化システム及び出来形の可視化データ生成プログラムによれば、出来形の形状のずれ量を3次元構造体の表面にコンター図として3次元表示して可視化するので、出来形形状の良し悪しを直感的に把握可能とすることができる。
本発明の一実施形態に係る出来形の可視化システムの構成図。 (a)は同可視化システムによって表示された出来形の3次元コンター図、(b)は同可視化システムに入力された出来形に関するデータを示す図。 図2(b)の出来形に関するデータを従来のグラフ化による方法で表示した出来形管理図。 本発明の一実施形態に係る出来形の可視化データ生成プログラムの構成図。 同可視化システム及び同可視化データ生成プログラムによる出来形の可視化動作の概念図。 (a)は出来形の可視化の対象となる鈑桁橋梁の例を示す3次元モデルの図、(b)は(a)のA矢視による鈑桁橋梁の斜視図、(c)は同鈑桁橋梁の鈑桁の断面図。 (a)は図6の鈑桁橋梁の出来形に関するデータ例を示す図、(b)は(a)の出来形のデータを従来のグラフ化による方法で表示した出来形管理図。 同可視化システム及び同可視化データ生成プログラムによる出来形の可視化動作の概念図。 一実施形態に係る出来形の可視化システムの動作のフローチャート。 (a)は同可視化データ生成プログラムの一実施形態に係るデータ補間と色属性付加とを行うデータ生成のフローチャート、(b)は同可視化データ生成プログラムの一実施形態に係るデータ補間と等値線設定とを行うデータ生成のフローチャート。 (a)はデータ補間の説明図、(b)は(a)のコンター図の基になったデータを示す図、(c)はグレースケールの凡例を説明する図。 箱桁橋梁についての出来形の可視化の説明図。 (a)は同可視化システムによって表示された箱桁橋梁の出来形の3次元コンター図、(b)は同可視化システムに入力された出来形に関するデータを示す図。 図13(b)の出来形に関するデータを従来のグラフ化による方法で表示した出来形管理図。 一実施形態に係る出来形の可視化データ生成プログラムによって動作する表計算ソフトにより表示される表計算シートのシート名表示部分の図。 (a)は同表計算ソフトの座標値シートの図、(b)〜(d)は同座標値シートの各部の拡大図。 同座標値シートに入力されたデータの全体を表示した座標値シートの図。 (a)(b)(c)は同表計算ソフトの出来形シートとその各部の図。 同表計算ソフトの設定シートの図。 同設定シートにおける出力コントロール等に関する入力欄の図。 同設定シートにおけるコンター図条件とプレビューに関する入力欄の図。 グレースケールの説明図。 同設定シートにおける動作制御ボタンの図。 同設定シートにおける動作結果表示欄の図。 (a)は同表計算ソフトの予備計算シートと計算結果シートの図、(b)は同シートのシート名を示す図。 同表計算ソフトのプレビューシートの図。 同可視化データ生成プログラムによって生成されたデータに基づいて出来形の3次元コンター図を表示する画面の一例を示す図。 (a)(b)は図27の3次元コンター図の諸元を示す図。
以下、本発明の一実施形態に係る出来形の可視化システム及び出来形の可視化データ生成プログラムについて、図面を参照して説明する。図1に示すように、本発明の可視化システム1は、各種の周辺機器を有しソフトウエア(以下、ソフトと記す)がインストールされた汎用のコンピュータ10と、ディスプレイ11と、指示手段12と、メモリ13とを備えたコンピュータシステムであって、3次元構造体の出来形の可視化データを生成し、出来形をディスプレイ11に3次元表示するシステムである。可視化システム1は、例えば、橋梁などの3次元構造体の出来形の3次元表示に適用される。
ディスプレイ11は、コンピュータ10からの指示により画像を表示する。指示手段12は、コンピュータ10に指示するためユーザにより操作される機器及びソフトであり、例えば、キーボード、マウス、トラックボール、マウスパッドなどである。メモリ13には、コンピュータ10が使用するデータやコンピュータ10にインストールされて実行されるソフトが記憶されている。メモリ13には、汎用のOSソフト(例えばWindows(登録商標))やドライバソフトなどの他に、汎用の表計算ソフト13aと、汎用の3次元CADモデル表示ソフト13bと、可視化データ生成プログラム2とが記憶されている。
表計算ソフト13aは、例えばExcel(登録商標)を用いることができる。3次元CADモデル表示ソフト13bは、例えば3次元CADモデルを表示して視点操作をすることができる3次元CADビュアーを用いることができ、また、作図や印刷機能を備えた3次元CAD(例えばAutoCAD(登録商標)、Civil 3D(登録商標)等)を用いることができる。可視化データ生成プログラム2は、VBA(Visual Basic for Application)言語で記述されたプログラムであり、表計算ソフト13aに組み込まれて、表計算ソフト13aの動作によって実行されるプログラムである。可視化データ生成プログラム2は、表計算ソフト13aが処理する1つのファイルとして、所定のファイル名でメモリ13に格納されている。
可視化データ生成プログラム2は、データ取得部21と、表示データ生成部22と、を備えている。データ取得部21は、ユーザによる指示手段12の操作によって、表計算ソフト13aによるデータ入力表をディスプレイ11に表示させ、データ入力表に入力されたデータを基に、3次元構造体上に設定された計測点の座標値d1のデータ、計測点における設計値d2のデータ、及び計測点に対応する位置における出来形に関する実測値d3のデータを取得する。表示データ生成部22は、データ取得部21によって取得されたデータD1を基に、設計値d2と実測値d3の差分を求め、座標値d1のデータを用いて3次元構造体の表面に対応する位置に差分をコンター図として表示するための出来形表示データD2を生成する。
<用語の説明>
出来形は、例えば、橋梁などの建築物、堤防や道路などの建設地形などの3次元構造体において、その構造体の設計形状に対し、その構造体を得るための工事施工の途中段階や完了時の構造体の形状を表現する用語として用いられる。出来形管理は、出来形が許容範囲の寸法でできているか、契約図書等に基づいて作られているかなどを検査し、工事施工の管理や評価を行うものであり、出来形の形状の把握は、出来形管理に含まれる重要な作業である。
コンター図は、面分布した注目量の値が同じであるような点を結んだ線である等値線を注目量の一定値ごとに描いた図である。可視化システム1において、コンター図に表示される注目量の値は出来形に関する測定値であり、例えば、橋梁の橋桁における、たわみ、反り、ウエブ高などの測定値であり、一般に、面分布した測定値の分布を表示できる。コンター図は、測定値の変化を見やすくするために、各等値線の間の帯ごとに段階的に変化する色彩や濃淡を施すグレースケール表示(カラースケール表示を含む概念とする)などが行われる。
サーフェスモデルは、3次元コンピュータグラフィックスにおいて、表面を有する3次元構造体の外観を表示するモデルであり、表面のみによってすなわち内部が空洞の面の集合によって3次元構造を表示する。可視化システム1は、出来形を可視化するために、出来形をサーフェスモデルによって表現し、そのサーフェスモデルの表面にコンター図を表示して出来形の可視化を実現する。
<動作概念>
図2(a)(b)は、可視化システム1の動作の一例を示し、3次元表示された出来形のコンター図30と可視化システム1に入力され取得されたデータD1を示す。本例の3次元構造体は、両端を橋台に支持されたウエブ高Hを有する2つの鈑桁G1,G2であり、出来形に関する注目量は反り量である。各鈑桁G1,G2の上部と下部には、その長手方向(図中のx方向)に沿って、部材と部材との交点や節点である格点の位置に、点P1〜P22が設定されている。各鈑桁G1,G2の各々の上部の点P1〜P22は上下方向(図中のz方向)の反り量を計測する計測点である。
可視化システム1には、x,y,z軸における各計測点の3次元空間位置を規定する座標値d1、各計測点における設計値d2、実測値d3、及び管理値d4が入力される。ここで、上下方向の反り量の設計値d2は0、すなわち反りなしである。実測値d3は、上下方向の反り量をあらわす値、すなわち各計測点に対応する出来形上の点の上下方向の座標値である。管理値d4は、設計値d2からの実測値d3の変動量の許容される上限値と下限値である。本例では、ウエブ高Hの値を可視化システム1に入力することにより、各鈑桁G1,G2の各々の下部の点P1〜P22についての座標値d1が自動で計算される。また、各々の下部の点P1〜P22についての設計値d2、実測値d3、及び管理値d4は、各々の上部の点P1〜P22についての値がそのまま用いられる。
可視化データ生成プログラム2は、データ取得部21によってデータD1を取得し、表示データ生成部22は、データD1を基に、設計値d2と実測値d3の差分を求め、座標値d1のデータを用いて3次元構造体の表面に対応する位置に差分をコンター図として表示するための出来形表示データD2を生成する。本例の場合、設計値d2と実測値d3の差分は、実測値d3そのものである。コンター図の色彩や濃淡の階調の変化は、管理値d4として入力された上限値と下限値の間を適宜個数に分割して決定される。出来形表示データD2は、3次元CADモデル表示ソフト13bが3次元サーフェスモデルによって3コンター図を画面に表示することができる態様で生成され出力される。
各鈑桁G1,G2において、鋼製の鈑桁が一般に平面板材からなることにより、上下の点P1〜P22は平面または平面の集合を形成する。そこで、その平面上に、反り量の実測値がコンター図30として表示される。本例の場合、コンター図30は、上下の実測値d3が同じ値とされているので、各鈑桁G1,G2の長手方向に濃淡が変化する縦縞状の模様となる。コンター図30は、3次元CADモデル表示ソフト13bによってディスプレイ11の画面3に、濃淡スケール等の凡例30aとともに表示される。ユーザは、指示手段12を操作することにより、3次元CADモデル表示ソフト13bによる表示視点を変化させて、コンター図30を様々な方向から、鈑桁G1,G2の形状を認識しつつ、出来形の形状を検査することができる。なお、図3は、従来の出来形管理における出来形の表示例を示す。この従来表示方法では、出来形の3次元形状を想起することが難しく出来形の直感的な把握が難しい。
本実施形態の出来形の可視化システム1及び出来形の可視化データ生成プログラム2によれば、出来形の形状のずれ量を3次元構造体の表面にコンター図として3次元表示して可視化するので、出来形形状の良し悪しを直感的に把握することができる。また、汎用の表計算ソフト13aと汎用の3次元CADモデル表示ソフト13bを用いることができるので、3次元構造体の出来形を安価に可視化することができる。また、本実施形態の可視化システム1及び可視化データ生成プログラム2を用いる出来形の可視化は、計測点の座標値のデータ、及び計測点における設計値と実測値のデータがあれば、出来形を3次元可視化することができる。従って、従来の出来形について行われている計測方法を変更する必要はない。また、計測方法や計測機器に制約はなく、テープ計測、カメラ計測、トータルステーションによる計測などの計測方法を用いることができる。
<可視化データ生成プログラム>
次に、図1、図4を参照して、他の実施形態に係る出来形の可視化データ生成プログラム2を説明する。この可視化データ生成プログラム2は、図1に示した可視化システム1において、汎用の3次元CADモデル表示ソフト13bがインストールされていない場合に実行することができるものである。可視化データ生成プログラム2は、汎用の表計算ソフト13aと組み合わせてコンピュータ10にインストールされて用いられ、3次元構造体の出来形を3次元CADモデル表示ソフト13bによって表示させるためのデータD2を生成するプログラムである。可視化データ生成プログラム2は、データ取得部21と、表示データ生成部22とを備えている。
データ取得部21は、ユーザの操作によって、表計算ソフト13aによるデータ入力表をコンピュータ10のディスプレイ11に表示させ、データ入力表に入力されたデータD1を基に、3次元構造体上に設定された計測点の座標値d1のデータ、計測点における設計値d2のデータ、及び計測点に対応する位置における出来形に関する実測値d3のデータを取得する。また、データ取得部21は、3次元構造体の3次元モデルを表示するためのモデル表示データD3(図5参照)またはモデル表示データD3の所在を示すデータを取得するモデルデータ取得部21aを有している。
表示データ生成部22は、データ取得部21によって取得されたデータD1を基に、設計値d2と実測値d3の差分を求め、汎用の3次元CADモデル表示ソフト13bに引き渡すためのデータであって差分を3次元構造体の表面に対応する位置にコンター図として3次元表示させるための出来形表示データD2を、差分と計測点の座標値d1のデータとを用いて生成する。また、表示データ生成部22は、3次元CADモデル表示ソフト13bが3次元モデルと差分のコンター図とを重ねて3次元表示できるように、出来形表示データD2にモデルデータ取得部が取得した3次元モデルに関するデータ(モデル表示データD3またはその所在を示すデータ)を付加する。
また、表示データ生成部22は、データ補間部22aと、色属性付加部22bと、等値線付加部22cとを有している。データ補間部22aは、計測点によって規定される面に補間点を設定し、補間点に実測値または差分の補間による補間値を付与する。表示データ生成部22は、設計値d2のデータ及び実測値d3のデータに加え、データ補間部22aが出力する補間点と補間値のデータを用いて、出来形表示データD2を生成する(図11等を参照)。
また、色属性付加部22bは、3次元CADモデル表示ソフト13bが差分の大きさに応じてコンター図30を色分け表示するように、出来形表示データD2に色属性データを付加する。等値線付加部22cは、3次元CADモデル表示ソフト13bが差分の大きさに応じてコンター図30を等値線表示するように、出来形表示データD2に等値線データを付加する(図11等を参照)。
また、可視化データ生成プログラム2は、汎用の表計算ソフト13aが有する図形描画機能を用いてコンター図30の斜視図をディスプレイ11に表示させるため、出来形表示データD2から斜視図のデータを生成するプレビューデータ生成部23をさらに備えている(図26等を参照)。
<実施例1>
図5は、モデルデータ取得部21aを有する可視化データ生成プログラム2によって生成された出来形表示データD2を用いた出来形表示の例を示す。本例における3次元構造体及び出来形は、図2に示した3次元構造体及び出来形と同じものである。可視化データ生成プログラム2は、データ取得部21によって、入力されたデータD1を取得し、表示データ生成部22によって、データD1に基づいて出来形表示データD2を生成する。また、可視化データ生成プログラム2は、データ取得部21のモデルデータ取得部21aによってモデル表示データD3を取得し、表示データ生成部22によって、出来形表示データD2にモデル表示データD3を付加する。
3次元CADモデル表示ソフト13bは、モデル表示データD3を付加された出来形表示データD2を受け取ると、ディスプレイの画面3に、出来形のコンター図30と3次元モデル31とを表示する。コンター図30は、3次元モデル31の各面上に、透過状態または非透過状態で重ねて表示される。また、ユーザは、CADデータのレイヤ構造に基づいて、3次元モデル31のみ、またはコンター図30のみを表示させることもできる。3次元モデルをCADの機能で透過表示させ、その上にコンター図を重ね合わせることにより、3次元モデルの全体ととコンター図とを同時にとらえることが可能となる。
<実施例2>
図6、図7、図8は実施例2を示す。図6(a)(b)(c)に示すように、本実施例の3次元構造体32は、橋梁における鋼製I型の5つの鈑桁G1〜G5であり、ウエブ高Hを有して互いに並列され、両端の橋台と2つの橋脚とによって支持されている。出来形の計測点は、鈑桁G1〜G5の長手方向(図中x方向)に沿って、鈑桁G1〜G5の上部G1U〜G5Uと下部G1L〜G5Lのそれぞれにおける名称S1,SW1,・・,S2を付した29の格点に設定されている。
図7(a)に示すように、出来形に関するデータは、d0欄に示す名称で識別される格点について、d2欄の設計値,d4欄の管理値(許容値上限と許容値下限)、及びd3欄の実測値である。ここで、出来形の評価項目は、計測点に対応する出来形上の点の位置の上下方向の変化量であり、計測点の位置の設計値d2を0に設定して、実測値d3がそのまま出来形の各計測点における評価値とされている。この出来形に関するデータは、図7(b)に示すように、従来の出来形管理図にグラフ表示される。この従来の出来形管理図には、計測点の座標の情報が含まれていないので、出来形の3次元形状を想起することが難しく出来形の直感的な把握が難しい。
図8に示すように、可視化システム1に図4の可視化データ生成プログラム2を用いることにより、計測点と出来形に関するデータD1から生成した出来形表示データD2に基づいてコンター図30によって出来形を可視化することができる。さらに、モデルデータ取得部21aによって取得した3次元モデル31のデータD3を用いて3次元モデル31を表示し、出来形のコンター図30を3次元モデル31に重ねて画面3に表示することができる。
<出来形の可視化表示方法>
図9は、一実施形態に係る出来形の可視化表示方法の手順を示す。この可視化表示方法は、例えば、図1に示した可視化システム1を用いて出来形表示データD2を生成し、出来形を3次元可視化して表示する方法である。汎用の表計算ソフト13aを起動し(#1)、可視化データ生成プログラム2を起動する(#2)。これらは、ほぼ同時に起動するようにすることもできる。これは、可視化データ生成プログラム2と表計算ソフト13aに密接な関係があることによる。
可視化データ生成プログラム2が起動されると、データ入力表がディスプレイ11に表示される(#3)。データ入力表は、表計算ソフト13aの機能に基づいて提供される適宜選択可能な複数の表形式のシート(表計算シート)に加工を加えたものである。データ入力表の構成情報は、可視化データ生成プログラム2によって保存されている。まずデフォルトとして、計測点の座標値d1を入力するための座標値シート4(図15参照)が表示される。ユーザが計測点の座標値d1を入力することにより、データ取得部21が座標値d1のデータを読み込んで取得する(#4)。
次に、ユーザが指示手段12を操作して、所定の手順に従って他のデータ入力表を選択することにより、設計値d2と出来形の実測値d3とを入力するための出来形シート5(図17参照)が表示される。ユーザが設計値d2と実測値d3を入力することにより、データ取得部21がこれらのデータを読み込んで取得する(#5)。
同様に、ユーザがさらに他のデータ入力表である設定シート6(図18参照)を選択する。設定シート6は、出来形をどのような色彩や濃淡のコンター図として表示するかについて、すなわち出力コントロールについて設定するためのデータ入力用シートである。データ取得部21は、出力コントロールについての設定を読み込んで取得する(#6)。上記の各ステップ#4,#5,#6における各シートへのデータ入力は、任意にシートを選択して任意の順に行うことができる。
ユーザが、データ入力表への入力が完了したと判断して、設定シート6に備えられている操作ボタンを、指示手段12の例えばマウスポインタによって押下することにより、表示データ生成部22が出来形表示データD2を生成し、適宜のファイル名を付けてメモリ13に保存する(#7)。
ユーザは、3次元CADモデル表示ソフト13bを起動し(#8)、メモリ13に保存された出来形表示データD2を3次元CADモデル表示ソフト13bに読み込ませることにより、出来形のコンター図をディスプレイ11の画面に表示させる(#9)。ユーザは、3次元CADモデル表示ソフト13bを操作することにより、出来形のコンター図を3次元空間の任意の方向や位置から観察し検査することができる。
<実測値補間とコンター図>
図10、図11は、出来形表示データD2を生成する工程(#7)の実施形態を示す。図10(a)に示す工程(#7)は、補間点設定工程(#71)と、実測値補間工程(#72)と、RGB値設定工程(#73)と、データ出力工程(#74)とを備えている。補間点設定工程(#71)と実測値補間工程(#72)は、データ補間部22aによって実行され、RGB値設定工程(#73)は、色属性付加部22bによって実行される。データ出力工程(#74)は、表示データ生成部22によって実行される。
補間点設定工程(#71)では、計測点によって規定される面に補間点を設定する。ここで、3点または4点が内部に他の点を含むことなく形成する平面多角形をパネルと称することとする。説明の簡単のために、4つの計測点がパネルを形成し、出来形上の全ての計測点が何れかのパネルに属するものとする。計測点は、いずれも、1つ以上4つ以下のパネルに属することになる。補間点は、所定の大きさより大きなパネルを複数の小パネルに分割するため、パネルの辺と内部すなわち計測点によって規定される面に設定される。なお、4点が同一平面にないときは、4点による2つの三角形に分解して処理すればよい。
図11(a)に示すコンター図において、計測点P1〜P24が碁盤目状に設定されている。計測点P1,P2,P7,P8は、直交四角形のパネルPNを形成しており、計測点P1,P2間を13分割し、計測点P7,P8間を16分割して、各分割点と交点に補間点piが設定されている。これにより、大きなパネルPNは、13×16=208個の小さなパネルpnに分割されている。
補間点の設定方法を台形等を含む一般的な平面四角形について表現すると、例えば、次のようになる。パネルPNを成す平面四角形の一対の対向2辺を各々同数に分割して分割点に補間点piを設定し、他の一対の対向2辺についても補間点piを設定し、互いに対向する辺上の互いに対応する補間点間を直線で結び、結ばれた直線間の交点にパネルPN内の補間点piを設定する。いずれか一対の対向2辺に補間点piが設定されない場合、パネルPNの内部に補間点は発生しない。
実測値補間工程(#72)では、補間点において実測値または差分を補間して補間点に補間値を付与する。実測値から設計値を差し引いた値が差分であり、設計値が0に設定されている場合は、実測値と差分は同じであり、また、データ取得部21によって取得される実測値が予め設計値を引いた値として入力される場合も同様に実測値と差分は同じである。補間点piにおける補間値は、例えば、各計測点の実測値または差分に計測点から補間点piまでの距離に応じて設定した重みを付けて平均した重み付け平均値によって求められる。平均値に実測値または差分を算入する計測点の範囲は、例えば、パネルPN内部の補間点piについてはそのパネルPNを形成する全ての計測点とし、パネルPNの辺上の補間点piについてはその辺の両端の計測点とすればよい。重みは、距離の逆数や距離の逆数の二乗などが用いられる。
RGB値設定工程(#73)では、3次元CADモデル表示ソフト13bが差分の大きさに応じてコンター図30を色分け表示するように、表示データ生成部22の色属性付加部22bが出来形表示データD2に色属性データを付加する。3次元CADモデル表示ソフト13bは、階層的な所定のレイヤ構造を有するデータを処理して、3次元CADモデルを表示する。レイヤ構造は、任意に付与される属性(例えばサーフェスの色属性)毎に区分された個々のデータ集合によって形成される構造である。従って、パネルpnまたはPN毎に色属性データを付加することにより、コンター図が色分け表示される。
色属性データの付加は、例えば、他の計測点や補間点を内部に含んでいないパネルpn,PNの各々に、それぞれRGB値の組を1つずつ設定するように行われる。色属性データは、例えば、RGBディジタル表示におけるRGB値の組である。RGB値の各々は0〜255の値であり、例えば(R,G,B)=(255,0,0)は赤色、(0,255,0)は緑色、(0,0,0)は白色となる。各パネルのRGBの値は、パネルを形成する計測点の実測値や補間点の補間値に基づいて、所定の方式により決定される。
RGB値は、図11(c)の凡例30a(グレースケール)に示すように、設計値に対する出来形の実測値の差分が、差分の管理値すなわち差分の許容値上限である上限値と許容値下限である下限値との間にあるか否かが明確になるように設定される。例えば、上限値と下限値の中央に設計値がある場合、上限値と下限値の間の数値幅Wを、一定数値幅で21分割し、各分割帯に色属性を付与する。例えば、上限値を超えて上がった差分に青色、下限値を超えて下がった差分に赤色が設定され、中央の設計値に黄色が設定される。上限値と下限値の間の各分割帯の色属性は、例えば、次のように設定される。RGB空間において、青色点から黄色点を経て赤色点に至る経路を21の分割経路に分割する。この場合、黄色点が中央すなわち11番目の分割経路に含まれるようにする。他の各分割経路の中央点のRGB値が各分割帯の色属性データとされる。
データ出力工程(#74)では、各パネルを規定する座標値とRGB値のデータが、表示データ生成部22によって出来形表示データD2として出力される。この出来形表示データD2は、設計値d2のデータ及び実測値d3のデータに加え、データ補間部22aが出力する補間点と補間値のデータを用いて生成されたデータである。
次に、補間点を設定することの効果を説明する。計測点は、例えば、3次元構造体が橋梁である場合、橋梁を構成する部材と部材との交点や節点である格点の位置に設定される。格点は、通常、CAD図面において座標値が付与された点であり、出来形における視認性も良く計測点としての利便性も良いことから、計測点として重用される。計測点は、格点に限らず出来形上の任意の位置に設定することができるが、計測点の数は、計測時間の短縮などの要請により、抑制される。
また、格点が平面四角形のパネルを形成する場合、そのパネルを要素としてCAD図面が描かれ、パネル毎に3次元CADにおけるサーフェスが定義され、各パネル単位でCADのレイヤ構造が割り当てられてカラー表示される。また、通常のCAD図面において、構造上の意味を有していない測標点をパネル内に記述することはなされない。そして、標本のサンプリング間隔が広い場合に、より直感的にデータ変化を把握し易いように、データ補間を行うことは周知である。図11(a)において、補間点を設定することなく計測点P1〜P24のみを用いて表示するコンター図を想定すると、補間点設定の効果が理解される。
次に、図11(b)に示す他の実施形態に係る工程(#7)を説明する。この実施形態において、補間点設定工程(#71)と実測値補間工程(#72)は図11(a)の実施形態と同じであり、等値線設定工程(#75)と、データ出力工程(#76)とが図11(a)の実施形態と異なる。等値線設定工程(#75)は、等値線付加部22cによって実行され、データ出力工程(#76)は、表示データ生成部22によって実行される。
等値線設定工程(#75)では、3次元CADモデル表示ソフト13bが差分の大きさに応じてコンター図30に等値線を表示するように、表示データ生成部22の等値線付加部22cが出来形表示データD2に等値線データを付加する。等値線は、例えば、パネルpnの4辺上に存在する2点であって所定の同じ値を有する2点(等値点)を両端とする線分として設定される。等値線付加部22cは、各パネルpnについて等値点の有無を検査し、等値点が検出されれば等値線を設定し、等値線のデータを等値線データとして各パネルに付加する。等値線は、通常、差分の上限値と下限値、及び設計値についても設定される。
データ出力工程(#76)では、各パネルを規定する座標値と等値線データが、表示データ生成部22によって出来形表示データD2として出力される。この出来形表示データD2は、設計値d2のデータ及び実測値d3のデータに加え、データ補間部22aが出力する補間点と補間値のデータを用いて生成されたデータである。
等値線設定工程(#75)と上述のRGB値設定工程(#73)とは、互いに前後して実行することができ、表示データ生成部22は、各パネルを規定する座標値、RGB値のデータ、及び等値線データを含めたデータを出来形表示データD2として生成することができる。図11(a)は、RGB値によって差分を色分けして表示したコンター図に、差分を等値線データで表示した等値図を重ねて表示して、可視化をより高めた図とされている。
<実施例3>
図12は、2本の並列する箱桁Gbxについて、出来形のコンター表示による可視化の実施例を示す。この実施例3は、図4の可視化データ生成プログラム2を用いるものである。箱桁Gbxの格点における計測点P1〜P8に注目すると、計測点P1,P2,P6,P5によって規定される平面S1の如く、計測点P1〜P8が4つの平面S1,S2,S3,S4を規定し、これらの平面S1〜S4すなわちパネルが箱桁Gbxの外周面を形成している。箱桁Gbxの出来形の計測点によって規定される各パネルについて、上述のデータ補間部22a等を実行することにより、計測点の分布よりも精細に生成された出来形のコンター図30を各箱桁Gbxの表面に表示することができる。
この実施例3に示すように、計測点における実測値に基づいて、出来形のコンター図を表示して出来形を可視化する方法は、空間に分散している点である計測点における実測値を面に置き換えて可視化するものである。点から面への置き換えに際し、補間点の設定と補間点への補間値の付与を行うことにより、計測していない範囲の出来形を推定することができる。
<実施例4>
図13、図14は、他の実施例4を示す。図13(a)には、1本の箱桁の出来形が、箱桁橋梁の3次元CADモデル31に重ねて、コンター表示して可視化されている。計測点は、箱桁の長手方向に沿う左右2本の計測点列G1L,G1R上に、点S1,D1,・・,D20の如く設定されている。また、箱桁の下面稜線の位置には、箱桁橋梁の設計図に基づいて、計測点列G1L,G1R上の各点S1〜D20を各々所定量ずつ下方(図中−z方向)に移動させた位置に、仮想の計測点が設定されている。仮想の計測点には、対応する各点S1〜D20における実測値が割り当てられている。出来形のコンター図30は、出来形の計測点および仮想の計測点によって規定される各パネルについて、上述の補間点設定工程(#71)等を実行することにより、箱桁の表面に表示されている。
図13(b)には、設計値d2のデータ、実測値d3のデータ、及び管理値d4である上限値と下限値のデータが、各計測点について記されている。本例では、設計値は全て0であり、実測値の設計値に対する差分は、実測値そのものとなっている。図13(a)のコンター図は、この設計値d2、実測値d3、及び管理値d4のデータに、計測点及び仮想の計測点の座標値のデータを加えたデータに基づいて、3次元表示されている。3次元CADモデル表示ソフト13bによって表示されたコンター図30は、3次元CADモデル31とともに、任意の視点方向から観察できる。図14に示すグラフ表示による従来の出来形管理図では、出来形の直感的な把握が難しい。
<実施例5:可視化データ生成プログラムの動作画面>
図15乃至図26は、可視化データ生成プログラム2の動作画面を示す。これらの動作画面は、可視化データ生成プログラム2によって動作する表計算ソフト13aによって表示される表計算シートの画面である。本実施例5は、可視化データ生成プログラム2が、鈑桁や箱桁を構成要素とする橋梁を処理対象の3次元構造体とし、橋梁の出来形を可視化するためのデータを生成する場合の実施例である。
図15に示すように、表計算シートには、ユーザがデータ入力表として用いる3種類の入力シート、及びユーザが関与することなく可視化データ生成プログラム2が用いる作業シートなどがある。入力シートは、座標値のタブ40a、出来形のタブ50a、設定のタブ60aで示されるシートであり、作業シートは、予備計算1のタブ70a,予備計算2のタブ70b、計算結果のタブ70cで示されるシートである。これらの表計算シートは、表計算ソフト13aのカスタマイズ機能を用いて、汎用の表計算シートを、使用目的ごとにカスタマイズして専用表計算シートとしたものである。データ入力表として用いる3種類の入力シートについての動作は、主としてデータ取得部21によって実行され、作業シートについての動作は、主として表示データ生成部22によって実行される。以下、各表計算シートを説明する。
<座標値シート>
図16(a)〜(d)、図17は、計測点の座標値等のデータ入力表である座標値シート4を示す。座標値シート4は、「計測点の座標値の入力シート」と記載された表題部40と、橋梁の形式記入欄41と、形式凡例図42と、データ記入欄43とを有している。本実施例のプログラムは、形式凡例図42に示されるように、3種類の桁の形式(形式:鈑桁42a、形式:箱桁42b、及び形式:平板42c)の橋梁に適用される。
橋梁の形式記入欄41は、入力手順を示す凡例部41aと入力用セルを有する記入部41bとを有している。記入部41bには、ユーザによって、桁本数について2と記入され(5本まで指定できる)、桁種類が2本とも箱桁とされ、桁名称1としてG1L,G2Lが記入され、桁名称2としてG1R,G2Rが記入されている。
データ記入欄43には、格点名称欄4a(表計算シートのA欄)が設定されており、ユーザによって、各セルの下方向に向けて格点名称がC6,C7,・・と記入されている。また、計測点のxyz座標値を記入する欄が、セルの右方向に向けて、欄4b(同B,C,D欄)、欄4c(同F,G,H欄)、欄4d(同J,K,L欄)、欄4e(同N,O,P欄)と設定されている。箱桁の断面における4つの頂点に位置する4つの計測点(形式:箱桁42bにおける、1上側、2下側、3上側、4下側)のxyz座標値が、ユーザによって4つの欄4b,4c,4d,4eに記入されている。また、2本目の箱桁については、さらに右方の4つの欄4f,4g,4h,4iに記入されている(図17参照)。
<出来形シート>
図18(a)(b)(c)は、出来形に関するデータ入力表である出来形シート5を示す。出来形シート5は、「計測点の設計値、出来形、許容値を入力」と記載された表題部50と、記入例を示す凡例図51と、データ記入欄52とを有している。凡例図51には、出来形について可視化表示したい注目量(評価量)として、「ウエブ高」と「そり量」の記入数値例が示されている。ウエブ高の例1は、設計値、実測値、許容値上限、許容値下限を絶対寸法で記入する例を示し、ウエブ高の例2は、これらの数値を設計値を基準にした相対寸法で記入する例を示している。例2の場合、実測値が設計値と実測値の差分になる。
データ記入欄52には、格点名称欄5a(表計算シートのA欄)が設定されている。この格点名称欄5aには、座標値シート4における格点名称欄4aの記載内容が自動的に複写されている。また、設計値、実測値、許容値上限、許容値下限の各値を記入する欄が、セルの右方向に向けて、欄5b(同B,C,D,E欄)、欄5c(同F,G,H,I欄)、欄5d(同J,K,L,M欄)、欄5e(同N,O,P,Q欄)に設定されている。これらの4つの記入欄5b,5c,5d,5eは、箱桁の断面における4つの計測点に対応している。また、2本目の箱桁の欄5f,5g,・・についても同様である。
本実施例における出来形データの記入は、凡例図51の例2に沿っており、例えば、格点C6について欄5bでは、設計値=0、実測値=2、許容値上限=10、許容値下限=−10と記入されている。本例では、設計値、許容値上限、及び許容値下限の値は、全格点について同じ値とされている。また、本実施例では、下側の格点についての欄5cには、上側の格点についての欄5bのデータがユーザによって複写されており、同様に欄5eには欄5dのデータが複写されている。また、2本目の箱桁の欄5f,5g,・・への記入についても同様である。
<設定シート>
図19乃至図24は、出来形の表示の仕方などを設定するためのデータ入力表である設定シート6を示す。設定シート6は、出力コントロール設定部61と、コンター図条件設定部62と、操作部63と、操作記録部64とを有している。
出力コントロール設定部61は、図20に示すように、出力コントロール61a、許容値コントロール61b、及び実行シート選択61cの各項目について、それぞれ数値記入または項目選択の操作を行うためのセルが設定された欄61d(表計算シートのE欄)を有している。
出力コントロール61aには、出来形を3次元可視化表示し出来形の視覚効果を強化するための諸量として、モデル6a、計測点マーク6b、格点名称6c、凡例6d、出力範囲6e、及び出力条件6fに関する出力設定項目がある。モデル6aの「メッシュサイズ」は、大きなパネルPNを小さなパネルpnにメッシュ分割する際に(図11(a)参照)、パネルの一片の長さの上限を設定するためのものである。本例の欄61dに記入されているメッシュサイズ500の場合、例えば、パネルPNの一辺の長さを500mmで割って商を算出し、その商の小数点以下を切り上げた数によってパネルPNの一辺を分割することになる。
モデル6aの「スムージング」は、例えば、直線上に並んだ計測点における実測値のデータ列のグラフに対し、3点の実測値を変数とした3次曲線公式によるフィッティングを行い、得られた曲線上に補間点を設定することで、よりなめらかな色変化にする操作である。欄61dへの記入値が0なら補間せず、1なら補間する。「変形方法」は、出来形の3次元モデルをx、y、zのいずれかの特定方向に変形するか否かを設定するための項目である。「変形スケール」は、「変形方法」で変形させる場合の変形倍率を設定するためのものである。「変形 将来OP」は、例えば、3次元構造体の3次元CADモデルと、出来形とを重ねて3次元表示する場合に、いずれか一方を表示または非表示にするためのスイッチである。これらの「変形方法」、「変形スケール」、「変形 将来OP」は、出来形のモデルを変形、強調、拡大などして3次元表示することにより、視覚効果を高めるものである。
計測点マーク6bは、出来形の3次元表示の際に、3次元構造体の3次元CADモデルに付随させて表示する計測点と、コンター図に付随させて表示する実測点とを色付き球体で表示する場合の、球体の直径と色とを設定する項目である。格点名称6cは、3次元表示される計測点に計測点の名称(格点名称)を表示するか否か、表示する際の文字サイズを設定するラベリングに関する項目である。
凡例6dは、実測値またはその差分をグレースケールによってコンター図として表示する際に、スケールを何段階に分割して表示するかについて、「分割数」を設定する項目である。欄61dにおいて記入されているように分割数を10とすると、設計値と許容上限値との間を10.5等分し、設計値と許容下限値との間を同じく10.5等分し、許容上限値と許容下限値との間を11分割することになる。コンター図は、分割された各数値範囲毎にRGB値や色黒の濃淡値を色属性として段階的に付与されて表示される(図21参照)。
出力範囲6eは、出来形のコンター図による可視化表示に際して、設計値と実測値の差分すなわち誤差が大きい部分を、出来形の注目部分として認識し易くしたり、強調したりするために、表示範囲を制限するために用いられる。欄61dにおいて出力範囲が1に設定されるとコンター図が凡例6dで設定したグレースケールによって制限なく表示され、0.1〜0.9(単位%)の値に設定されるとその設定値より大きい誤差のコンター図部分のみ表示される。設定値以下の誤差部分は、例えば、設計値のRGB値と同じRGB値によって表示される。
出力条件6fの「コンター図RGB」は、コンター図をRGBによるカラースケール表示する際のRGBの組合せを、上限値や下限値などの色の設定を登録した組合せ(Type、図21参照)の中から選択して設定するためのものである。欄61dのセルに設定されたプルダウンによって選択設定することができる。
「プレビュー」は、本実施例の可視化データ生成プログラム2が有する表示機能であり、表計算ソフトの表計算シートに、出来形の3次元コンター図を指定した視点方向から見た斜視図として表示する機能である。出力条件6fにおいて、プレビュー機能についての設定がなされる。出力条件6fの「プレビュー」は、斜視図の視点方向を設定するものであり、等角投影(アイソメビュー)によって表示する4種の方向(北東、北西、南東、南西)、及び任意に設定したベクトル方向の5種類の中から、欄61dのセルに設定されたプルダウンによって選択して設定することができる。具体的なベクトル方向は、図21のコンター図条件設定部62における、「プレビュー(オートシェイプ描画)」の「ベクトル指定」欄において、設定することができる。
「プレビュー制限」は、欄61dに入力された入力値(本例では、10000)以上のメッシュ数(パネル数)のときは、プレビュー表示をしない旨、表示機能を制限するものである。これにより、可視化データ生成プログラム2が動作するコンピュータの描画性能が低い場合に、コンピュータが描画作業に占有されないようにすることができる。
許容値コントロール61bは、欄61dに入力された「目標値係数」の値を許容値(上限許容値と下限許容値)に掛けることにより、厳しめに、または緩めに、出来形管理を行うために用いられる。例えば、厳しめに50%管理を行うとき、入力値を0.5とする。
実行シート選択61cは、座標値シート、及び出来形シートの増設、切り替え等の操作を行うためのものである。可視化データ生成プログラム2において、座標値シートと出来形シートは、それぞれ「座標値」または「出来形」の語句を冠した名称を有する複数のシートを設定することができる。また、出来形表示データD2は、複数の座標値シートと出来形シートの中から選択して指定した座標値シートと出来形シートを実行シートとして用いて生成され出力される。
座標値シート名選択6gと出来形シート名選択6hは、欄61dのセルに設定されたプルダウンの中から、各シートを選択するために用いられる。また、シート名変更6iは、操作ボタンである。表計算シートを増設、削除、名称変更などの操作を行った場合、操作ボタンをマウスのポインタ等で押下することにより、シートに関する操作結果を、欄61dのプルダウンに反映させることができる。
コンター図条件設定部62は、図21に示すように、コンター図条件62aと、プレビュー(オートシェイプ描画)62bの設定項目を有している。後者のプレビュー(オートシェイプ描画)62bは、一部上述したように、「ベクトル指定」欄にXYZ値を記入してベクトル方向を指定し、そのベクトルによってプレビュー画像の視点方向を設定するものである。
コンター図条件62aでは、コンター図のカラースケール表示における4種類のRGB値の組の設定を、設定6v,6w,6x,6y(Type−1からType−4)において行うことができる。各組において、RGB値は、図22の凡例30aに示すように、コンター図及び凡例30aにおける特徴的な4色と非表示の1色から成る5色についてが設定される。すなわち特徴的な4色は(a)許容値上限のRGB、(b)設計値(規定)のRGB、(c)許容値下限のRGB、(d)上限オーバーのRGB、(e)下限オーバーのRGBであり、他の1色は非表示のRGBである。
設定6v(Type−1)では、それぞれ、設計値が黄色、上限オーバーが青、下限オーバーが赤、非表示が白にRGB値が設定され、許容値上限は青みがかった色、許容値下限は赤みがかった色にRGB値が設定されている。許容値上限と設計値の間の色、及び設計値と許容値下限の間の色は、RGB空間において許容値上限の点と設計値の点と許容値下限値の点とを結ぶ経路上のRGB値によって設定される。他の設定6w,6x,6yについても同様である。
ところで、本実施例の可視化データ生成プログラム2においては、データ取得部21は、データ入力表(出来形シート5)に入力される設計値d2に対して許容される上限値と下限値のデータを取得し、表示データ生成部22は、実測値d3が上限値または下限値を超えたか否かを明示するように、出来形表示データD2を生成する。実測値が設計値との差分で与えられるとき、上限値と下限値も設計値との差分で与えられる。本実施例の可視化データ生成プログラム2では、実測値d3が上限値または下限値を超えたか否かを明示するために、コンター図条件62aにおいて、(d)上限オーバーのRGBと、(e)下限オーバーのRGBとを明示して設定する構成とされている。
可視化データ生成プログラム2は、各設定6v,6w,6x,6yについてデフォルトの設定を有しており、ユーザは各設定を変更することもでき、また、デフォルトの設定に復帰させることもできる。RGB色チェック6zは、操作ボタンであり、各設定6v,6w,6x,6yにおけるRGB値を変更した際に、このボタンを押下することにより、欄Pにおける表示色を最新の状態に更新して、設定した色を確認することができる。
操作部63は、図23に示すように、予備計算1のボタンBT1、予備計算2のボタンBT2、予備計算3のボタンBT3、AutoCADのボタンBT4、DXF出力のボタンBT5、及びオートシェイプ描画のボタンBT6を有している。これらのボタンを操作することにより、図24に示すように、操作記録部64に操作の履歴が記録され表示される。操作部63と操作記録部64の説明は、次の作業シート7の説明と合わせて行う。
<作業シート>
図25(a)(b)は、作業シート7を示す。作業シート7は、予備計算1のシート71、予備計算2のシート72、計算結果のシート73を有し、それぞれ表計算シートのシート名タブ70a,70b,70cを押下することにより、記載内容を確認することができる。次に、上述の操作部63、操作記録部64とともに、作業シート7を説明する。
座標値シート4、出来形シート5、設定シート6における各データ入力や設定が完了した後に、予備計算1のボタンBT1を押下すると、表示データ生成部22による予備計算1の処理が行われる。予備計算1は、出来形表示の対象となる3次元構造体の全体の計測点から四角形のパネルPNを構成する4点をことごとく抽出し、パネルPNを形成する4点組として計測点をグループ化するために計測点データの並べ替えを行う計算処理である。予備計算1の処理が完了すると、処理履歴が操作記録部64に記録され、処理結果が予備計算1のシート71に書き出される。
予備計算1の完了後、予備計算2のボタンBT2を押下すると、予備計算2の処理が行われる。予備計算2は、予備計算1の結果に基づいて、各パネルPNをより小さなパネルpnに分解する(メッシュ分解という)。メッシュ分解は、データ補間部22aによって行われ、計測点の補間と実測値(または差分)の補間が行われる。メッシュ分解が完了すると、色属性付加部22bによって、各パネルPNまたはpnにRGB値が設定され色属性が付加される。予備計算2の処理が完了すると、処理履歴が操作記録部64に記録され、処理結果が予備計算2のシート72に書き出される。
予備計算2の完了後、予備計算3のボタンBT3を押下すると、予備計算3の処理が行われる。予備計算3は、予備計算2の結果に3次元CAD表示のための文字列や凡例のデータを付加する処理を行う。予備計算3の処理が完了すると、処理履歴が操作記録部64に記録され、処理結果が計算結果のシート73に書き出される。
予備計算3の完了後、AutoCADのボタンBT4、DXF出力のボタンBT5、またはオートシェイプ描画のボタンBT6のいずれか1つまたは複数のボタンを押下すると、所定の出力処理の後、出来形表示データD2が出力され、ユーザ指定のファイル名またはデフォルトのファイル名を付与されて保管される。所定の出力処理は、計算結果のシート73に書き出されたデータを、AutoCAD用のデータ、DXF形式のデータ、またはプレビュー用のデータに変換する処理であり、出来形表示データD2を各出力先に応じた所定のフォーマットに組み替える処理である。
<プレビューシート>
図26は、プレビューシート8を示す。オートシェイプ描画のボタンBT6を押下すると、表計算ソフト13aにおける新たな表計算シートがプレビューシート8として設定され、プレビューシート8にコンター図30が表示される。このコンター図30は、3次元画像ではなく、設定シートにおける出力条件6fの「プレビュー」(図20参照)で指定した視点方向から見た斜視図である。
プレビューで表示される斜視図のデータは、表計算ソフト13aが有する図形描画機能を用いて出来形表示データD2から、プレビューデータ生成部23によって生成される。表計算ソフト13aの図形描画機能は、例えば、表計算ソフトExcel(登録商標)を用いる場合、オートシェイプによる描画機能を用いることができる。オートシェイプは、節点で規定される閉曲面を定義でき、その閉曲面に、閉曲面を任意の色で塗りつぶすための色属性を付与することができる。オートシェイプ描画のボタンBT6を押下することにより、プレビューデータ生成部23が動作し、指定された視点方向から見えるパネルをオートシェイプに変換してプレビュー用のデータが生成される。
<実施例6>
図27、図28は、実施例6を示す。本実施例6で示すコンター図30は、実施例5で説明した各動作の結果生成された出来形表示データD2を用いて、3次元CADモデル表示ソフト13bがインストールされたコンピュータによって、ディスプレイ画面3上に出来形を3次元可視化して表示された画像である。本例における出来形管理の対象である設計値は、ウエブ高である。出来形のコンター図30は、2本の箱桁Gbxの各々の上面の計測点列G1L,G1R、及びG2L,G2Rにおける実測値を用いてコンター表示されている。
図中に破線で示す直線L1は、箱桁Gbxの計測点列G2Rに沿った直線である。出来形におけるウエブ高は、点g0の位置で設計値通りであり、矢印a1で示す部位のウエブ高は設計値より低く、矢印a2で示す部位のウエブ高は設計値より高い。このコンター図30は、設定シート6における出力コントロール61aのモデル6aの項目において、変形スケールが200と設定されたものである(図20参照)。このことにより、矢印a1,a2で示すように出来形における変形が強調されて表示され、可視化の視覚効果が高められている。
また、ディスプレイ画面3には、カラースケールの凡例30aとともに、座標値シート4、出来形シート5、設定シート6において設定された出来形表示に関連する諸元が、画面表示30b,30cとして文字列表示されている。これらの凡例30a及び画面表示30b,30cは、ボタンBT3を押下して実行された予備計算3の処理において3次元CAD表示のために文字列や凡例のデータを付加した結果である。画面表示30b,30cの詳細を、図28(a)(b)に示す。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、上述した各実施形態の構成を互いに組み合わせた構成とすることができる。上記において、計測点や補間点が形成するパネルPNやパネルpnが四角形平面であるとして説明したが、四角形平面とならない場合に、周知の三角形要素を用いる方法によって、データ補間部22aを実行させることができる。また、本発明は、橋梁などの3次元構造体に限られず、任意の3次元構造体に適用することができる。コンター図の表示は、平面的な表示に限られず、等値線を等高線として、3次元構造体の表面に等高線の値に応じて立体的に凹凸表示させることができる。
本発明は、3次元構造体の出来形に関する合意形成や意思決定の支援システムの用途に適用できる。例えば、橋梁の製作や架設に際し、橋梁部材の製作精度、仮組立て検査成績表、現場架設の出来形寸法などの3次元可視化の用途に適用できる。綱橋の完成までのフローにおいて、「部材検査」は数m〜10数mの長さのブロックの出来形を計測するものであり、次工程の「仮組検査」は数台〜数十台のブロックを工場内の敷地にて組み立てて、橋梁全体としての出来形を確認して、許容範囲を満たしているか判定するものである。従来、仮組検査の結果は表計算ソフトを用いてグラフなどに表示してわかりやすくまとめられていたが、橋梁全体での把握は頭のなかで評価することとなっていた。本発明によれば、出来形の検査結果をコンター図として3次元表示したり、橋梁の3次元モデルに合成表示したりすることにより、だれでも直観的に出来形をとらえることができる。
1 可視化システム
11 ディスプレイ
12 指示手段
13a 表計算ソフト
13b 3次元CADモデル表示ソフト
2 可視化データ生成プログラム
21 データ取得部
21a モデルデータ取得部
22 表示データ生成部
22a データ補間部
22b 色属性付加部
22c 等値線付加部
23 プレビューデータ生成部
30 コンター図
31 3次元モデル
32 3次元構造体
4 座標値シート(データ入力表)
5 出来形シート(データ入力表)
d1 座標値(計測点の座標のデータ)
d2 設計値
d3 実測値
pi 補間点
D1 入力データ(データ取得部によって取得されたデータ)
D2 出来形表示データ
D3 モデル表示データ
G1〜G5 鈑桁(3次元構造体)
Gbx 箱桁(3次元構造体)

Claims (9)

  1. 3次元構造体の出来形の可視化システムであって、
    汎用の表計算ソフト及び汎用の3次元CADモデル表示ソフトがインストールされたコンピュータと、
    前記コンピュータからの指示により画像を表示するディスプレイと、
    前記コンピュータに指示するためユーザにより操作される指示手段と、を備え、
    前記コンピュータには、ユーザによる前記指示手段の操作によって、前記表計算ソフトによるデータ入力表を前記ディスプレイに表示させ、前記データ入力表に入力されたデータを用いて、前記3次元構造体の出来形を表示するためのデータを生成する可視化データ生成プログラムがインストールされており、
    前記可視化データ生成プログラムは、
    前記データ入力表に入力されたデータを基に、前記3次元構造体上に設定された計測点の座標値のデータ、前記計測点における設計値のデータ、及び前記計測点に対応する位置における前記出来形に関する実測値のデータを取得するデータ取得部と、
    前記データ取得部によって取得されたデータを基に、前記設計値と実測値の差分を求め、前記座標値のデータを用いて前記3次元構造体の表面に対応する位置に前記差分をコンター図として表示するための出来形表示データを生成する表示データ生成部と、を備え、
    前記コンピュータは、前記3次元CADモデル表示ソフトを動作させ、前記表示データ生成部が生成した出来形表示データを用いて、前記ディスプレイに前記コンター図を3次元表示させることを特徴とする出来形の可視化システム。
  2. 前記データ取得部は、前記3次元構造体の3次元モデルを表示するためのモデル表示データまたは前記モデル表示データの所在を示すデータを取得するモデルデータ取得部を有し、
    前記表示データ生成部は、前記3次元CADモデル表示ソフトが前記ディスプレイに前記3次元モデルと前記差分のコンター図とを重ねて3次元表示できるように、前記出来形表示データに前記モデルデータ取得部が取得した前記3次元モデルに関するデータを付加することを特徴とする請求項1に記載の出来形の可視化システム。
  3. 前記データ取得部は、前記データ入力表に入力される、前記設計値に対して許容される上限値または下限値のデータを取得し、
    前記表示データ生成部は、前記実測値が前記上限値または下限値を超えたか否かを明示するように、前記出来形表示データを生成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の出来形の可視化システム。
  4. 前記表示データ生成部は、
    前記計測点によって規定される面に補間点を設定し、前記補間点に前記実測値または前記差分の補間による補間値を付与するデータ補間部を有し、
    前記設計値のデータ及び前記実測値のデータに加え、前記データ補間部が出力する前記補間点と補間値のデータを用いて、前記出来形表示データを生成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の出来形の可視化システム。
  5. 汎用の表計算ソフトと組み合わせてコンピュータにインストールされて用いられ、3次元構造体の出来形を3次元CADモデル表示ソフトによって表示させるためのデータを生成する出来形の可視化データ生成プログラムであって、
    ユーザの操作によって、前記表計算ソフトによるデータ入力表を前記コンピュータのディスプレイに表示させ、前記データ入力表に入力されたデータを基に、前記3次元構造体上に設定された計測点の座標値のデータ、前記計測点における設計値のデータ、及び前記計測点に対応する位置における前記出来形に関する実測値のデータを取得するデータ取得部と、
    前記データ取得部によって取得されたデータを基に、前記設計値と実測値の差分を求め、前記汎用の3次元CADモデル表示ソフトに引き渡すためのデータであって前記差分を前記3次元構造体の表面に対応する位置にコンター図として3次元表示させるための出来形表示データを、前記差分と前記計測点の座標値のデータとを用いて生成する表示データ生成部と、を備えることを特徴とする出来形の可視化データ生成プログラム。
  6. 前記データ取得部は、前記3次元構造体の3次元モデルを表示するためのモデル表示データまたは前記モデル表示データの所在を示すデータを取得するモデルデータ取得部を有し、
    前記表示データ生成部は、前記3次元CADモデル表示ソフトが前記3次元モデルと前記差分のコンター図とを重ねて3次元表示できるように、前記出来形表示データに前記モデルデータ取得部が取得した前記3次元モデルに関するデータを付加することを特徴とする請求項5に記載の出来形の可視化データ生成プログラム。
  7. 前記データ取得部は、前記データ入力表に入力される、前記設計値に対して許容される上限値または下限値のデータを取得し、
    前記表示データ生成部は、前記実測値が前記上限値または下限値を超えたか否かを明示するように、前記出来形表示データを生成することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の出来形の可視化データ生成プログラム。
  8. 前記表示データ生成部は、
    前記計測点によって規定される面に補間点を設定し、前記補間点に前記実測値または前記差分の補間による補間値を付与するデータ補間部を有し、
    前記設計値のデータ及び前記実測値のデータに加え、前記データ補間部が出力する前記補間点と補間値のデータを用いて、前記出来形表示データを生成することを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の出来形の可視化データ生成プログラム。
  9. 前記汎用の表計算ソフトが有する図形描画機能を用いて前記コンター図の斜視図を前記ディスプレイに表示させるため、前記出来形表示データから前記斜視図のデータを生成するプレビューデータ生成部をさらに備えることを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載の出来形の可視化データ生成プログラム。
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