JP2017120595A - 化粧料の塗布状態の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】化粧料の塗布状態をアンケートで評価する場合に回答者の負担を軽減し、回答精度を向上させる。【解決手段】化粧料の塗布状態を次の(a)〜(e)のステップを含む方法で評価する。(a)化粧料の塗布状態の評価用語を3つ以上含む評価用語群と、これらの評価用語を統計的手法により分類して得られる総称的評価用語分類を取得するステップ、(b)評価対象とする化粧料に対して、(a)で取得した評価用語群の中から回答者が任意に少なくとも1つの評価用語を選択し、該評価用語に対して評価値を与える形式を含むアンケートを作成するステップ、(c)(b)で作成したアンケートを回答者に問い、回答データを取得するステップ、(d)(c)のアンケートで回答のあった評価用語及び評価値を含む回答データに基づいて評価得点を算出し、総称的評価用語分類ごとに集計するステップ、(e)(d)で得られた集計結果を含む評価結果を出力するステップ。【選択図】図1

Description

本発明は、アンケート調査を用いた化粧料の塗布状態の評価方法及び評価システムに関する。
化粧料等の使用感は感覚的なものであるため、多くの場合、アンケート調査に基づく評価が行われている。アンケート調査としては、自由筆記やインタビューに対する口頭回答といった自由回答形式のものと、所定の評価用語に対する設問に対して、「良い」、「悪い」といった選択回答形式のものが利用されている。
自由回答形式のアンケート調査では、回答者が評価用語に対してより自由に反応でき、本音を聞き出しやすい反面、回答者の作業負担が大きく、十分な回答時間が確保できない場合には回答がなされない場合がある。また、得られた回答の表現形式が統一されていないため、回答データの集計や分析が難しく、自由回答計式による回答データの解析は実験者の勘も含めて定性的な方法に頼りがちであった。
一方、選択回答形式のアンケート調査では、回答が選択式であることから、回答者の負担が少なく、集計や分析が容易である。しかし、評価用語の選定によっては、偏った結果や不適切な結果となり、目的とする評価情報を得ることができない場合がある。
そこで、アンケート結果の偏りや不適切な評価用語の選定を防ぐ目的で、多くの評価用語を類似する範疇ごとに分類し、評価目的に適合する分類に対して各分類を代表する評価用語を設定し、その代表する評価用語でアンケートを行う方法が提案されている(特許文献1、非特許文献1)。
特開2011−38959号公報
有村ら、"ファンデーションの化粧もちの解析と評価方法"JSCCJ、22(3)、pp.149-154、1988
しかしながら、特許文献1に記載される、各分類を代表する評価用語を用いて質問を行うアンケート調査では、評価用語の表現によっては、回答者の表現の理解、肌状態、心理状態等の影響から、本来評価用語の状態に該当するのに、該当しないと回答されてしまうなど、回答者が自己の心証を上手く評価できない場合があり、アンケートの回答データが回答者の心証を正確に反映したものとはならず、回答精度が低下することが懸念される。
本発明は、化粧料の仕上がり、化粧崩れ等の化粧料の塗布状態を、化粧料の使用者にアンケートを用いて評価する場合に、アンケートの回答者の負担を軽減しつつ、化粧料の使用者の実際の使用実感に近い評価結果が得られ、かつ、アンケートの回答データを容易に集計し、詳細な分析を可能とすることを課題とする。
本発明者は、(i)化粧料の使用者が化粧料の塗布状態を評価する際に利用しうる多彩な表現の評価用語を含む評価用語群と、各評価用語を統計的手法により分類することで得られる総称的評価用語分類とを予め取得しておき、評価対象とする化粧料に対して、評価用語群を用いて回答者にアンケートを行い、任意回答させると、回答者は自己の心証に近く回答しやすい評価用語についてのみ選択的に回答できること、(ii)これにより、回答者は評価用語の理解に悩まなくなること、(iii)アンケートの回答データは回答者の心証を正確に反映したものとなり、回答精度を向上させることができること、(iv)アンケートの回答データの集計に総称的評価用語分類を用いると、化粧料の塗布状態の特徴を容易にかつ正確に把握できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、化粧料の塗布状態を、次の(a)〜(e)のステップを含む方法で評価する評価方法を提供する。
(a)化粧料の塗布状態の評価用語を3つ以上含む評価用語群と、これらの評価用語を統計的手法により分類して得られる総称的評価用語分類を取得するステップ、
(b)評価対象とする化粧料に対して、ステップ(a)で取得した評価用語群の中から、回答者が任意に評価用語を選択し、該評価用語に対して評価値を与える形式を含むアンケートを作成するステップ、
(c)ステップ(b)で作成したアンケートを回答者に問い、回答データを取得するステップ、
(d)ステップ(c)のアンケートで回答のあった評価用語及び評価値を含む回答データに基づいて、評価得点を算出し、前記総称的評価用語分類ごとに集計するステップ、
(e)ステップ(d)で得られた集計結果を含む評価結果を出力するステップ。
また、本発明は、上述の評価方法を実施するシステムであって、演算装置に次の(A)データベース及び(B)〜(E)の手段が備えられている化粧料の塗布状態を評価する評価システムを提供する。
(A)化粧料の塗布状態の評価用語を3以上含む評価用語群と、これらの評価用語を統計的手法により分類して得られる総称的評価用語分類を記録したデータベース、
(B)評価対象とする化粧料に対して、化粧料の塗布状態を問う評価用語群を、データベース(A)に収録されている評価用語群から抽出し、該評価用語群に含まれる評価用語を用いて、回答者が任意に少なくとも1つの評価用語を選択して該評価用語に対して評価値を与える形式を含むアンケートを作成するアンケート作成手段、
(C)手段(B)で作成したアンケートを回答者に提示するアンケート提示手段、及び回答者からの回答データを取り込む回答取込手段、
(D)手段(C)で取り込んだ回答データに含まれる評価値を前記総称的評価用語分類ごとに集計するアンケート集計手段、
(E)手段(D)の集計結果を含む評価結果を出力する出力手段。
本発明の評価方法によれば、化粧料の塗布状態のアンケートにおいて、多彩な表現の評価用語を用いているため、アンケートにおいて回答者が評価用語の理解に悩むという負担を軽減することができる。
また、回答者は多彩な表現の評価用語の中から任意に評価用語を選択して回答できるので、回答者は自己の心証に近く回答しやすい評価用語に対してのみ回答することができる。したがって、アンケートの回答データは回答者の心証を正確に反映したものとなり、回答精度が向上すると共に、回答者の作業負担も低減されうる。
さらに、本発明の評価方法によれば、予め、アンケートの設問で使用する評価用語と、それらの総称的評価用語分類が関連づけられているため、アンケートの設問に多彩な表現の評価用語を多数用いても、アンケートの回答データは総称的評価用語分類を利用して容易に集計することができ、化粧料ごとのアンケート結果を詳細に比較、検討することが可能となる。
図1は、実施例の評価方法の工程説明図である。 図2は、本発明のアンケートの具体例である。 図3は、本発明のアンケートの回答欄の具体例である。 図4は、実施例1のデータ群をクラスター分析することにより得られたデンドログラムである。 図5は、通常の下地を用いた場合と化粧持続性の高い下地を用いた場合の、総称的評価用語分類の出現確率を顔模式図上に表したマッピング図である。 図6は、通常の下地を用いた場合と化粧持続性の高い下地を用いた場合の、総称的評価用語分類のうち、「皮脂浮き」、「粉感」、「不均一性」に関する出現確率を顔模式図上に表したマッピング図である。 図7は、通常の下地を用いた場合と化粧持続性の高い下地を用いた場合の、代表的化粧崩れ評価用語の「テカっている」、「毛穴にファンデーションがたまり、毛穴が目立つ」、「ファンデーションがよれている」の出現確率を顔模式図上に表したマッピング図である。 図8は、通常の下地を用いた場合と化粧持続性の高い下地を用いた場合の、総称的評価用語分類のうち、「皮脂浮き」、「粉感」、「不均一性」の出現確率を表した棒グラフである。 図9は、通常の下地を用いた場合と化粧持続性の高い下地を用いた場合の、代表的化粧崩れ評価用語の「テカっている」、「毛穴にファンデーションがたまり、毛穴が目立つ」、「ファンデーションがよれている」の出現確率を表した棒グラフである。
以下、図面を参照しつつ、本発明を具体的に説明する。
<本発明の評価方法の概要>
本発明の評価方法は、化粧料の塗布状態をアンケートにより評価する方法である。本発明の化粧料の塗布状態には、塗布した化粧料の仕上がり状態、化粧崩れ状態、洗浄後の化粧残り状態等の塗布された化粧料の状態を評価対象とするものであり、アンケートの評価項目としては、毛穴の目立ち、色の変化、しわ等外観から観察される状態や、べたつき感、さっぱり感、皮膜感、乾燥感等の塗布された化粧料による使用感触を含むものである。なお、本発明においては、これらの評価項目を具体的な用語として表したものを評価用語という。
化粧料としては、化粧下地、リキッドファンデーション、パウダーファンデーション、クリームファンデーション、ムースファンデーション、ルースパウダー、プレストパウダー、コンシーラー等のベースメイクアップ化粧料、口紅、リップグロス、リップライナー、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、眉ずみ、マスカラ、マニキュア、ネイルグロス等のポイントメイクアップ化粧料、ヘアスプレー、ヘアムース、ヘアワックス、染毛剤等の毛髪化粧料などを挙げることができる。
また、化粧料の被塗布部としては、***を含む顔、首、手、足、背中、胸等の肌、唇、睫毛、眉毛、頭髪等の毛髪、爪などを挙げることができる。
化粧料の塗布状態のうち、化粧料の仕上がり状態とは化粧料の塗布直後の塗布状態をいい、化粧崩れ状態とは、化粧料の塗布直後から経時変化した塗布状態をいい、洗浄後の化粧残り状態とは、化粧料を塗布した被塗布部の洗浄後の塗布状態をいう。
また、化粧料の塗布直後から経時変化した塗布状態には、汗、皮脂などの皮膚からの分泌物に起因する塗布状態の変化、化粧料が塗布された部位が他の物と接触することによる化粧料の剥離に起因する塗布状態の変化、まばたきや表情変化に伴う化粧料の流動に起因する塗布状態の変化等が含まれる。
図1は、本発明の一実施例の評価方法の工程説明図である。
この評価方法は、次の(a)〜(e)のステップを有する。
(a)化粧料の塗布状態の評価用語を3個以上含む評価用語群と、これらの評価用語を統計的手法により分類して得られる総称的評価用語分類を取得するステップ、
(b)評価対象とする化粧料に対して、ステップ(a)で取得した評価用語群の中から、回答者が任意に評価用語を選択し、該評価用語に対して評価値を与える形式を含むアンケートを作成するステップ、
(c)ステップ(b)で作成したアンケートを回答者に問い、回答データを取得するステップ、
(d)ステップ(c)のアンケートで回答のあった評価用語及び評価値を含む回答データに基づいて、評価得点を算出し、前記総称的評価用語分類ごとに集計するステップ。
(e)ステップ(d)で得られた集計結果を含む評価結果を出力するステップ。
<ステップ(a)>
化粧料の塗布状態の評価用語は数多く存在し、内容的に類似したものが多く含まれるため、各評価用語の特徴を把握するために、まず評価用語を統計的手法により分類する。個々の分類の名称は、統計的手法により分類された評価用語の内容を踏まえて、適宜定義されるものであり、定義された分類の名称を本発明では総称的評価用語分類と言う。
ステップ(a)で取得する、評価用語とその総称的評価用語分類は、次の(a1)〜(a3)のステップで取得することができる。
(a1)化粧料の塗布状態の評価用語を収集し、評価用語を3つ以上含む評価用語群を作成するステップ
(a2)(a1)の評価用語群から選択した評価用語、及び該評価用語に対する評価値を複数の回答者から取得し、評価用語と評価値からなる1対の回答データを含むデータ群を作成するテップ、
(a3)(a2)のデータ群に対して統計的手法を用いて分類を行い、総称的評価用語分類を定義するステップ。
このうち、ステップ(a1)では、評価用語のバリエーションを確保する観点から、評価目的の化粧料の塗布状態を表す評価用語を、ホームユーステストでの回答や、ホームページ、SNS等インターネット上の化粧料に対するコメント等から、網羅的に収集することが好ましい。評価用語の収集は、同様の観点から、外観(キメ、光沢等)、物性(固さ、粘性等)、感触(透明感、しっとり感等)など幅広い観点から収集することが好ましく、類似する表現の評価用語が網羅できていることがより好ましい。これらの収集には、テキストマイニング手法を用いても良い。
ファンデーションの化粧崩れ状態を評価目的とする場合、類似する表現の評価用語の一例として、「テカる」、「ファンデーションがよれる」等のファンデーションに関する化粧崩れ状態を表す評価用語をすでに抽出しており、「テカる」を評価用語に含める際には、テカるという現象の主要因は皮脂であることから、この現象に併発すると思われる「皮脂が浮く」なども、「テカる」の類似表現として評価用語に含め、これらを化粧崩れの評価用語群を構成する評価用語とすることが好ましい。また、「ファンデーションがよれる」を評価用語群に含める際には、よれから派生する現象と思われる、「ファンデーションがムラになる」、「ファンデーションがダマになる」、「ファンデーションがしわに入り込む」といった表現も含め、これらを化粧崩れの評価用語群を構成する評価用語とすることが好ましい。
評価用語の数は、下記で説明する統計的手法による分類を実施するため、少なくとも3個以上必要であり、評価用語の表現の多彩性を確保するため、10以上が好ましく、15以上がより好ましい。また、回答者の作業負担を低減するため、100以下が好ましく、50以下がより好ましい。
ファンデーションの化粧崩れ状態を評価目的とする場合の一例として、ファンデーションの化粧崩れ状態についての評価用語群を構成する評価用語としては、以下に示すものを挙げることができる。
(ファンデーションの化粧崩れ状態についての評価用語群)
ファンデーションが浮いている、
ファンデーションがダマになっている、
ファンデーションがムラになっている、
ファンデーションがよれている、
ファンデーションの密着感がない、
ファンデーションのカバー力が低くなった、
ファンデーションがなくなった、
ファンデーションがしわに入り込んでいる、
毛穴のファンデーションが抜けて毛穴が目立つ、
毛穴にファンデーションがたまり、毛穴が目立つ、
ファンデーションの色が変化している、
ファンデーションがくすんでいる、
ファンデーションがたまっている、
皮脂が浮いている、
粉っぽい、
かさついている、
テカっている、
色むらが目立つ、
素肌っぽい、
シワっぽくなった。
本発明の別の態様として、ファンデーション以外の化粧崩れ状態を評価目的にする場合、化粧料の種類ごとに評価用語群を作成すれば良く、評価目的の化粧料の塗布状態を、ファンデーションの仕上がり状態とする場合、化粧崩れ状態を評価する場合に準じてファンデーションの仕上がり状態についての評価用語群を作成すれば良く、評価目的ごとに評価用語群を収集し、化粧料の塗布状態ごとに評価用語群を作成することが好ましい。
ステップ(a2)では、上述のようにステップ(a1)で得た評価用語群から選択した評価用語、及び該評価用語に対する評価値を複数の回答者から取得し、評価用語と評価値からなる1対の回答データを含むデータ群を作成する。
ステップ(a2)のデータ群を得る場合における回答者しては、評価目的により異なるが、分類の偏りを防ぐため、様々な年代、肌色、肌質を有する回答者を用意することが好ましい。また、回答者の総数は、評価用語群に含まれる評価用語の数よりも多くすることが好ましい。
ステップ(a2)のデータ群を得る場合における化粧料としては、評価目的により異なるが、一般的には分類の偏りを防ぐため、化粧料の所定の塗布状態を評価するという目的に沿った化粧料の範疇であれば特に制限されず、剤形、色、使用方法等の要素にバリエーションがある方が好ましい。一例として、化粧料としてファンデーションを評価する場合は、ファンデーションの範疇に含まれるものであれば特に制限されず、剤型(液状/固形、水性/油性など)、色(明るさ、色相、彩度など)、使用方法(塗布方法など)等の要素の異なるファンデーションを選択することができる。
ステップ(a2)のデータ群を得る場合における各評価用語における評価値は、各データ群で共通の評価方法で、統一した基準で評価する必要があるが、評価方法の種類は、評価目的により適宜設定することができる。
具体的な評価方法の種類としては、定基準法、SD法、リッカート法、一対比較法、順位法、採点法、マグニチュード推定等を挙げることができる。また、評価値の基準も、評価目的により適宜設定できるが、ある/ない、0/1といった2段階評価から、より細かく基準を分けて3段階以上の多段階評価とすることができる。評価のしやすさ、評価結果の程度を把握しやすくする観点から、評価値の基準は、5段階若しくは7段階の奇数段階で設けることが好ましい。
評価方法及び評価基準の一例として、化粧料の塗布状態として、化粧崩れ状態を評価する場合、設問として評価用語の「化粧崩れが気になる度合い」として、リッカート法により、評価基準を「少し気になる」場合を1点、「非常に気になる」場合を5点とする5段階評価や、「直すほどはない」場合を1点、「今すぐ直したい」場合を5点とする5段階評価が挙げられる。
また、ステップ(a2)のデータ群を得る場合に、個々の回答者は、必ずしも評価用語群に含まれる全ての評価用語に評価値を与えなくても良いが、統計処理を適切に行うため、全データ群を通して評価されなかった評価用語が存在する場合は、当該評価用語を評価用語群から除外することが好ましい。
ステップ(a3)では、(a2)のデータ群に対して統計的手法を用いて分類を行い、総称的評価用語分類を定義する。総称的評価用語分類の数や名称は、適宜定義することができるが、総称的評価用語分類により、アンケート結果の集計や分析を行う観点から、総称的評価用語分類の数や名称は、当該分類中に含まれる評価用語に共通する要素や性質から決定することが好ましい。また、この分類は、評価目的とする化粧料の塗布状態ごとに行うことが好ましい。例えば、後述する図4は、ファンデーションの化粧崩れ状態の評価用語及び評価値に基づく、クラスター分析でのユークリッド距離の分割数を6とした場合であるが、(1)くすみにおいては、「ファンデーションの色が変化している」、「ファンデーションがくすんでいる」が同一の分類に含まれていることから、これらの色ぐすみという共通の性質を上位概念化して、「くすみ」を総称的評価用語分類の名称としている。このように、クラスター分析では、評価用語の総称的評価用語分類は、評価用語の上位概念となるように設定することが好ましい。
総称的評価用語分類の数は、特に限定されるものではないが、アンケート結果の集計や分析を簡易に行う観点から、評価用語群内の評価用語数の1/2〜1/6が好ましく、1/3〜1/5がより好ましい。
例えば化粧料の塗布状態として、化粧崩れ状態を評価する場合と化粧料の仕上がり状態を評価する場合、それぞれ化粧崩れ状態の評価用語及び化粧料の仕上がり状態の評価用語を選別し、総称的評価用語分類を定義することが好ましい。
より具体的には、
評価用語群をX={X1,X2,・・,Xi,・・Xn│Xiは各評価用語を表す。nは評価用語の数を表す。}、
評価用語群に対する評価値群をx={x1,x2,・・,xi,・・,xn│xiは各評価値を表す。nは評価値の数を表す。}、
総称的評価用語分類群Y={Y1,Y2, ・・,Yj,・・,Ym│Yjは各総称的評価用語分類を表す。mは総称的評価用語分類の数を表す。}、
総称的評価用語分類群に対する評価得点群をy={y1,y2, ・・,yj,・・,ym│yjは各評価得点を表す。mは評価得点の数を表す。}、
分類関係を示す係数マトリクスW={wij│i=1,2,・・・,n, j=1,2,・・・,m}
とすると、これらは表1に示す分類表のように表現することができる。
表1のような分類表を得るための統計的手法としては、クラスター分析(階層型又は非階層型)、主成分分析、因子分析などを用いることができる。
予め総称的評価分類の数を特定できない場合、階層型クラスター分析を用いることが好ましい。階層型クラスター分析であれば、予め総称的評価用語分類の数(クラスター数)を決める必要がなく、結果として出力されるデンドログラムから、分類の過程でできるクラスターがどのように結合されていくかを一つひとつ確認しながら、評価目的に適した総称的評価用語分類の数を後から決めることができる。クラスター分析に用いる距離(類似度)としては、ユークリッド距離、標準ユークリッド距離、マハラノビス距離、マンハッタン距離、チェビシェフ距離、ミンコフスキー距離、コサイン類似度、ピアソンの相関関数等を用いることができるが、評価用語間の相関関係が明確でない場合が多いため、ユークリッド距離を用いることが好ましい。また、クラスター間の距離測定方法は、ウォード法、群平均法、最短距離法、最長距離法等の種々の方法を用いることができるが、分類感度が高いウォード法を用いることが好ましい。
一例として、クラスター分析(階層型)を用いた場合、次式(1)により分類表を得ることができる。
ここでaijは、評価用語Xiと総称的評価用語分類Yjの関連性の深さを示す定数であり、本発明においてはステップ(d)の評価得点の算出における重みづけパラメータとして利用するものである。ステップ(d)の評価得点の算出において、重みづけを行わず、各評価用語を等しく扱う場合はaij=1とおき、重みづけを行う場合にはaijに任意の実数を設定する。
別の態様において、統計的手法として主成分分析や因子分析を用いる場合は、固有ベクトルや因子負荷量から分類表を得ることができる。この際、固有ベクトルや因子負荷量を参考として、各評価用語Xiの総称的評価用語分類Yjの具体的な名称を定義し、前述の式(1)に従って分類表を作成することができる。また、固有ベクトルや因子負荷量をそのまま係数マトリクスwijに用いることもできる。
また、評価目的とする化粧料の塗布状態ごとに、評価用語群と、各評価用語に対応する総称的評価用語分類を関連づけたデータベースを構築しておくことが好ましい。
本発明では、一旦、特定の化粧料の塗布状態を評価するための評価用語群と各評価用語に対応する総称的評価用語分類を作成すれば、以降同一の化粧料の塗布状態を評価する場合は、これらを取得するための前述の(a1)〜(a3)のステップは、スキップすることができ、以前作成した評価用語群と総称的評価用語群を用いることができる。
<ステップ(b)>
ステップ(b)では、評価対象とする化粧料について、前記塗布状態をステップ(a)で取得した評価用語群を用いて回答者に回答してもらうアンケートを作成する。本発明では、このアンケートにおける設問が、ステップ(a)で取得した評価用語に対して、回答者自身が任意に評価用語を選択し、選択した評価用語に対して評価値を与える形式を含む。
アンケートにおいて回答者が与える評価値は、ステップ(a2)と同様の基準により評価値を回答できるようにしたものが好ましい。
このようなアンケートの具体的態様の一例として、化粧料の塗布状態としてファンデーションの化粧崩れ状態を評価する場合、ファンデーションの塗布後、所定時間経過後のファンデーションの化粧崩れ状態について、任意の評価用語に対してリッカート法による、評価用語の示す心証を全く感じない場合を0点、はっきりと感じる場合を4点とする5段階評価で評価値を選択する設問内容とするアンケートを挙げることができる。
また、アンケートでは、評価用語と評価値以外に、化粧料の塗布状態をより詳細に把握するために、評価用語に該当する状態となっている評価部位、その大きさや形状等を回答データとして合わせて取得することが好ましい。評価部位の回答形式としては、額全体、ほうれい線付近等の文章による記述形式や、顔の模式図等に該当範囲を記入する図示方式が挙げられる。
このようなアンケートの具体的態様の一例として、化粧料の塗布状態としてファンデーションの化粧崩れ状態を評価する場合、図2に示す評価用語(化粧くずれワード)の中から、回答者が自己の心証に該当すると考える評価用語を任意に選択し、選択した評価用語について「化粧くずれが気になる度合い」の数値1〜5を回答する形式の設問とする。評価基準としてはリッカート法による、「少し気になるが直すほどではない」場合を1点、「非常に気になる。今すぐに直したい」場合を5点とする5段階評価とし、図3に示す顔の模式図上に、回答者が特定の評価用語に関して評価する部位を図示(斜線表示等)し、前記図示した部位に引き出し線等で関連付けて、2の評価用語の符号(A〜T)と評価基準に基づく評価値(1〜5)を記入して回答する形式のアンケートを挙げることができる。
さらに、本発明のアンケートには、年齢、肌の色、肌タイプ(脂性、乾燥性等)、日焼けのしやすさ、アレルギーの有無、食事や喫煙等の習慣、普段使用している化粧品の種類等の化粧料の塗布状態以外の設問を使用することを含み得る。
<ステップ(c)>
ステップ(c)では、ステップ(b)で作成したアンケートを回答者に問い、回答者から回答データを取得する。ステップ(b)で作成したアンケートは、多彩な表現の評価用語で問いが作成されており、回答者は自己が回答しやすい評価用語について選択的に回答でき、アンケートにおいて回答者が用語の理解に悩むということがなく、さらにアンケートの回答は回答者の心証を正確に反映したものとなり、回答精度を向上させることができる。
<ステップ(d)>
ステップ(d)は、ステップ(c)のアンケートの回答データから評価得点を算出し、総称的評価用語分類ごとに集計するステップである。このステップでは、ステップ(c)でアンケートに対する回答として得た評価用語及び評価値を含む回答データに基づいて、評価得点を算出し、前記総称的評価用語分類ごとに集計する。
評価得点の算出方法は、前述のステップ(a3)で総称的評価用語分類を導出した統計的手法と同様の手法により得ることができる。即ち、評価用語群をX={X1,X2,・・,Xi,・・Xn│Xiは各評価用語を表す。nは評価用語の数を表す。}、評価用語群に対する評価値群をx={x1,x2,・・,xi,・・,xn│xiは各評価値を表す。nは評価値の数を表す。}、総称的評価用語分類群Y={Y1,Y2, ・・,Yj,・・,Ym│Yjは各総称的評価用語分類を表す。mは各総称的評価用語分類の数を表す。}、総称的評価用語分類群に対する評価得点群をy={y1,y2, ・・,yj,・・,ym│yjは各評価得点を表す。mは評価得点の数を表す。}、分類関係を示す係数マトリクスW={wij│i=1,2,・・・,n, j=1,2,・・・,m}、回答者が選択した評価用語をXs∈X、Xsに対する評価値をxs∈xとおく。ここで回答者が選択しなかった評価用語の評価値は0とする(x−xs={0})。
評価得点yを得る方法としては、例えば、主成分分析や因子分析による場合には、式(2)のように積和を採用する方法があり、クラスター分析による場合には、分類ごとに、式(3)のように最大評価得点を採用する方法や、式(4)のように重み付き平均を採用する方法や式(5)のように所定の評価値(k)での二値化(a,bは定数。wijの重み付けはなし)、又は2値以上の多値化を採用する方法が挙げられる。






また、ステップ(b)で作成したアンケートにおいて、評価用語と評価値以外に、その評価用語に該当する状態となっている評価部位も合わせて回答させるようにした場合、評価部位ごとに評価得点を算出することができる。
算出された評価得点の集計方法としては、総称的評価用語分類ごとに評価得点の平均値、中央値、最頻値等を取得する方法が挙げられる。集計区分としては、総称的評価用語分類以外に、回答者の性別、年代、地域(出生地、所在地等)、肌性(乾燥肌、油性肌等)、生活習慣、化粧料の使用履歴や、評価を行った時期、場所や、評価条件(評価サンプル、評価部位等)等の区分を用い、前記総称的評価用語区分と共に集計を行うことができる。
算出された評価得点の集計方法の一例として、総称的評価用語分類ごとの平均評価得点を棒グラフ、折れ線グラフ、チャート図等でグラフ表示して集計する方法がある。また、評価部位も合わせて回答させた場合には、総称的評価用語分類ごとに評価部位を含む化粧料の被塗布部を表した模式図を示し、模式図上に該当する評価部位の中心に、評価得点に基づく所定の大きさ、色分けされた円をマッピング表示させても集計しても良い。また、模式図上を予め所定の領域に分割しておき、領域ごとの平均評価得点を算出し、平均評価得点に基づく色分けを行い、マッピング表示させて集計しても良い。
このようにアンケートの評価結果を集計することにより、アンケート結果を容易に比較、検討することが可能となる。一例として、化粧品の塗布状態として、ファンデーションの化粧崩れ状態を評価した場合、複数のファンデーションの化粧崩れ防止効果の比較や、経時観察することで化粧崩れの発生要因の把握等が容易に検討することができる。
<ステップ(e)>
ステップ(e)では、算出された集計結果を含む評価結果を出力する。出力方法は特に制限されない。例えば、前記集計結果を特定のコンピューターや携帯電話等の画面に表示させてもよく、あるいは出力して紙面で出力させても良い。回答者、測定者又は第三者がその内容を把握する。
出力する評価結果には、算出された集計結果以外に、評価用語、評価用語群、評価値、評価値群、総称的評価用語分類、総称的評価用語分類群、更に評価部位を取得した場合にはその評価部位、その他評価において取得した情報を適宜選択して含めることができる。
本発明の化粧料の塗布状態の評価システムは、上述した本発明の化粧料の塗布状態の評価方法の実施に有用な装置である。演算装置に、次の(A)データベース及び(B)〜(E)の手段が備えられている。
(A)化粧料の塗布状態の評価用語を3以上含む評価用語群と、これらの評価用語を統計的手法により分類して得られる総称的評価用語分類を記録したデータベース、
(B)評価対象とする化粧料に対して、化粧料の塗布状態を問う評価用語群を、データベース(A)に収録されている評価用語群から抽出し、該評価用語群に含まれる評価用語を用いて、回答者が任意に評価用語を選択して該評価用語に対して評価値を与える形式を含むアンケートを作成するアンケート作成手段、
(C)手段(B)で作成したアンケートを回答者に提示するアンケート提示手段、及び回答者からの回答データを取り込む回答取込手段、
(D)手段(C)で取り込んだ回答データに含まれる評価値を、前記総称的評価用語分類ごとに集計するアンケート集計手段、
(E)手段(D)の集計結果を含む評価結果を出力する出力手段。
前記(A)データベース、(B)アンケート作成手段、(C)アンケート提示手段及び回答取込手段、(D)アンケート集計手段は、一つの演算装置に搭載されたものとしてもよく、別個の演算装置に搭載され、通信手段で接続されたものとしてもよい。
(A)データベースは、前述のステップ(a)により構築されるものである。このデータベースでは、ファンデーション、口紅などの化粧料の種類ごと、化粧料の仕上がり状態、化粧崩れ状態などの評価目的とする塗布状態ごとに、それぞれ評価用語群に含まれる評価用語とその総称的評価用語が関連づけられて登録されていることが好ましい。
また、一旦、特定の化粧料の塗布状態を評価するための評価用語群と対応する総称的評価用語分類が関連づけられて登録されているデータベースが構築できれば、以降同一の化粧料の塗布状態を評価する場合は、新たにデータベースを構築せずに、既存のデータベースを用いることができる。
(B)アンケートの作成手段は、評価対象とする化粧料の塗布状態について、前述のステップ(c)で使用するアンケートを作成する手段である。このアンケートの作成手段では、評価対象とする化粧料に対して、化粧料の塗布状態を問う評価用語群を、データベース(A)に収録されている評価用語群から抽出し、該評価用語群に含まれている評価用語を用いて回答者が任意に評価用語を選択して評価用語に対して評価値を与える形式を含むアンケートを作成する。
このようなアンケートの具体的態様の一例としては、ステップ(b)で述べたアンケートが挙げられる。
アンケートの作成手段は、文書作成機能及び描画挿入機能等を備えたアプリケーションを演算装置に組み込むことにより形成でき、さらに、容易にアンケートを作成できるように上述のデータベースからデータを取り込めるようにしたものが好ましい。この場合、評価目的とする化粧料の塗布状態ごとに、アンケートの設問で使用する評価用語群、総称的評価用語分類群を上述のデータベースから適宜取り込めるようにすることが好ましく、化粧料の種類ごと、評価する塗布状態の種類ごとに取り込めるようにすることがより好ましい。
さらに、アンケート作成手段では、年齢、肌の色、肌タイプ(脂性、乾燥性等)、日焼けのしやすさ、アレルギーの有無、食事や喫煙等の習慣、普段使用している化粧品の種類等の化粧料の塗布状態以外の設問を作成できるようにしてもよい。
(C)アンケート提示手段及び回答取込手段は、アンケートを実施する手段である。すなわち、アンケート提示手段は、手段(B)で作成したアンケートを回答者に提示し、回答取込手段は、アンケートの回答データとして、回答者が任意に選択した評価用語と、その評価用語に対する評価値を取り込む。
アンケート提示手段が、アンケートを回答者に提示する方法は特に制限されず、例えば、特定の回答者が操作するコンピューターや携帯電話等の画面でアンケートを閲覧できるように、そのパソコンや携帯電話等の端末機械に、アンケート画面を公開するURLを案内するものでもよく、アンケート画面を送信してもよく、インターネット上の特定のホームページに掲載されたアンケートを、不特定多数の回答者又は特定の回答者が通信回線を介して閲覧できるようにしてもよい。あるいはアンケートを紙面として出力するものでもよい。
回答者によるアンケートへの回答形態としては、例えば、回答者が通信回線を通してアンケートを取得した場合、その通信回線で取得したアンケート上で、評価用語群の中から任意の少なくとも1つの評価用語を選択し、該評価用語に対する評価値を入力する。入力は、コンピューター等のキーボード、タッチパネル、マウス等を用いた入力や、音声による口頭入力や、紙面への筆記回答をスキャナーやカメラで取り込こむ方法などが利用できる。そこで、回答取込手段としては、回答者によって入力された回答データを通信回線を通して取り込む手段等を挙げることができる。
(D)アンケート集計手段では、手段(C)で取り込んだ回答データに基づいて、前記総称的評価用語分類の評価得点を算出する。この評価得点の算出は、ステップ(d)で説明した統計的手法により行われる。したがって、アンケート集計手段は、この統計的手法を行うことのできる表計算ソフトを搭載したパーソナルコンピュータ等の演算装置等により構成することができる。
また、(B)アンケートの作成手段において、評価部位も合わせて回答させるアンケートを作成した場合には、アンケートの集計手段として、総称的評価用語分類ごとに評価部位を含む化粧料の被塗布部を表した模式図を示し、模式図上に該当する評価部位の中心に、評価得点に基づく所定の大きさ、色分けされた円をマッピング表示する機能を備えたものを使用することができる。また、模式図上を予め所定の領域に分割しておき、領域ごとの平均評価得点を算出し、平均評価得点に基づく色分けを行い、マッピング表示させる機能を有するものとしても良い。これにより、化粧崩れの種類と発生部位を視覚的に容易に把握することができる。
(E)アンケート出力手段では、算出された集計結果を含む評価結果を出力する。出力手段は特に制限されない。例えば、集計結果をコンピューターや携帯電話等の画面に表示させてもよく、あるいは出力して紙面で出力させても良い。回答者、測定者又は第三者が、評価結果の内容を把握する。
以下、図面に基づいて本発明を具体的に説明する。
ファンデーション使用後の経時に伴う化粧崩れ状態の評価を、化粧下地を変えて行った。
(評価用語の抽出)
まず、ホームユーステストでの自由回答形式のアンケート結果、ホームページ、SNS上での化粧料に関する評価コメント等を参考に、ファンデーションに関する化粧崩れ状態を表す評価用語を抽出し、表2に示す評価用語群を作成した。
(総称的評価分類の定義)
事前に下記の化粧崩れ状態の評価試験を実施し、評価用語及び該評価用語に対する評価値を複数の回答者から取得し、評価用語と評価値からなる1対の回答データを含むデータ群を統計的手法を用いて分類し、総称的評価用語分類を定義した。
(評価サンプル)
化粧下地として3品(被膜形成剤を含むタイプ2種、被膜形成剤を含まないタイプ)使用し、ファンデーションとして6品(パウダータイプ、リキッドタイプ、クリームタイプ等の剤形違いを含む)を使用した。
(評価方法)
被験者(成人女性、N=97(一部重複あり))に対象の化粧下地の使用後、対象のファンデーションを使用してもらい、評価時間としてファンデーションの使用開始後4時間後、8時間後、10時間後に、回答者が鏡を用いて回答者自身の化粧崩れ状態を目視で評価を行い、化粧崩れ状態に関するアンケート調査を実施した。評価試験について、同一回答者に対して、複数の化粧下地又はファンデーションを評価してもらう場合、日を変えて、異なる化粧下地又はファンデーションを使用してもらい、評価を行った。なお、化粧下地及びファンデーションは回答者自身が普段の使用態様で顔に使用してもらい、評価中は対象の化粧下地及びファンデーション以外のすべてのメイク化粧料の使用を禁止し、ファンデーション使用後の化粧直しも禁止した。
アンケート調査は、図2に示す評価用語(化粧くずれワード)及び評価基準(化粧くずれが気になる度合い)を用い、図3に示す顔の模式図上に回答者が評価部位を図示(斜線表示部分)し、該当する評価用語の符号(A〜T)と評価基準に基づく評価値(1〜5)を記入するものとした。
(分類方法)
前記評価試験によって得られたアンケートの回答結果をまとめ、各回答者、各評価時間毎に、評価用語及び評価値が対になったデータからなるデータ群を取得した。評価用語によって出現頻度にばらつきはあったが、全回答結果中には、すべての評価用語が用いられていたことを確認した。なお、回答者に選択されなかった評価用語の評価値は0と置き、評価値の欠損の無いデータ群を構築した。
得られたデータ群に対して階層クラスター分析(距離としてユークリッド距離を用い、分類手法はウォード法を用いた)を適用したところ、図4に示すデンドログラムが得られた。デンドログラムより閾値を手動で設定して6つのクラスターに分け、クラスター内の評価用語の内容をもとに、図4の図中に示す総称的評価分類として、くすみ、皮脂浮き、粉感、うすれ、シワ、不均一性を定義した。各評価用語の重み付けは行わず(前述の式(1)においてaij=1とおく場合)、表3の総称的評価分類への分類表を得た。
(化粧崩れ状態の評価)
前記の表2評価用語及び表3の総称的評価分類表を用いて、皮膜形成剤を含有していないW/O乳化型化粧下地(以下、通常の下地と言う)を使用した場合と、化粧の持続性が高いとされる皮膜形成剤を含有するW/O乳化型化粧下地(以下、化粧持続性の高い下地と言う)を使用した場合とで、同一のパウダータイプファンデーションの使用後の経時に伴う化粧崩れ状態の評価を行った。
評価方法としては、前記の評価方法と同様に、成人女性10名に、対象の化粧下地の使用後、対象のファンデーションを使用してもらい、評価時間としてファンデーションの使用開始後4時間後、8時間後、10時間後に、回答者が鏡を用いて回答者自身の化粧崩れ状態を目視で評価を行い、化粧崩れ状態に関するアンケート調査を実施した。同一回答者に対して、日を変えて、前回使用した化粧下地とは異なる化粧下地を使用してもらい、同様に評価を行った。
なお、化粧下地及びファンデーションは回答者自身が普段の使用態様で顔に使用してもらい、評価中は対象の化粧下地及びファンデーション以外のすべてのメイク化粧料の使用を禁止し、ファンデーション使用後の化粧直しも禁止した。
アンケート調査は、図2に示す評価用語(化粧くずれワード)に対する「化粧崩れがきになる度合い」を設問として、評価基準をリッカート法による、「少し気になるが直すほどではない」場合を1点、「非常に気になる。今すぐに直したい」場合を5点とする5段階評価とし、図3に示す顔の模式図上に回答者が評価部位を図示(斜線表示領域)し、該当する評価用語の符号(A〜T)と評価値(1〜5)を記入するものとした。
(アンケート結果の集計)
アンケートの回答において、図示されている化粧崩れ状態の評価部位を、手動で頬、眼尻、瞼、鼻筋、目下、鼻、鼻下、小鼻、頬、ほうれい線、口横、顎、フェースラインの13領域に当てはめ(評価部位が複数の領域にまたがる場合は、複数の領域に当てはめる)、各領域で挙げられた評価用語を用いて、各領域における総称的評価用語分類の出現確率を算出した。
具体的には、各評価用語に対する評価得点yが0/1(評価用語が出現した/していない)となるように、式(5’)を用いて2値化を行った(式(5)において、k=1、a=0、b=1としたもの)。また、wijに重み付けを行っていないので、aij=1となる。
続いて、総称的評価用語分類及び領域ごとに、平均評価得点を算出し、各領域における総称的評価用語分類の出現確率を得た。なお、これらの出現確率は、ファンデーションの使用開始後4時間後、8時間後、10時間後のそれぞれの回答データを含む、評価時間全体における出現確率である。
それぞれの化粧下地について、総称的評価用語分類の出現確率を各領域ごとに算出して顔の模式図上にマッピングした。この結果を図5に示す。
図5に示すように、化粧持続性が高い下地を使用した場合、通常の下地使用した場合と比べて、特に「皮脂浮き」の出現確率が大きく減少していることが分かる。また、「うすれ」の出現確率も減少している。一方、「粉感」や「不均一性」の出現確率が若干増加していることが分かる。
これは、皮膜形成剤を含有する化粧下地を用いたことで、化粧下地の塗膜が強固になり、化粧下地中に配合される粉体に皮脂がしっかりと固着され、皮脂が表面に露出するのが抑制され、同時にファンデーションの皮脂による乱れが抑えられたため、「皮脂浮き」、「うすれ」という回答が減少したものと考えられる。逆に、ファンデーションがしっかりと残っているため、まばたきや表情変化に伴い、ほうれい線や目尻等にファンデーションが流動してしまい、見え方に関する「粉感」や「不均一性」が目立ちやすくなり、これらの回答が若干増加したものと思われる。
化粧崩れ状態の評価を、本発明の方法でアンケート調査を行った場合と、従来の一般的なアンケートのように、相関する評価用語のうち、代表的な評価用語のみでアンケート調査を行った場合とで、どのように評価に違いがでるかを確認した。
具体的には、本発明の方法でアンケート調査を行った場合としては、総称的評価用語分類のうち、「皮脂浮き」、「粉感」、「不均一性」に関する以下の評価用語を用いて、実施例1と同様にアンケート調査を実施した。
(評価用語)
「皮脂浮き」:
<A>ファンデーションが浮いている
<E>ファンデーションの密着感がない
<N>皮脂が浮いている
<Q>テカっている
「粉感」:
<B>ファンデーションがダマになっている
<J>毛穴にファンデーションがたまり、毛穴が目立つ
<O>粉っぽい
<P>かさついている
<R>色むらが目立つ
「不均一性」:
<C>ファンデーションがムラになっている
<D>ファンデーションがよれている
<M>ファンデーションがたまっている
また、代表的な評価用語のみでアンケート調査を行った場合としては、実施例1の評価試験の回答データにおいて、「皮脂浮き」、「粉感」、「不均一性」の各総称的評価用語分類の中で、回答数が最も多かった評価用語を代表的評価用語として以下の評価用語を選び出した。この代表的評価用語を用い、実施例1と同様にアンケート調査を実施した。
(代表的評価用語)
「皮脂浮き」:
<Q>テカっている
「粉感」:
<J>毛穴にファンデーションがたまり、毛穴が目立つ
「不均一性」:
<D>ファンデーションがよれている
アンケート結果につき、実施例1と同様に、「皮脂浮き」、「粉感」、「不均一性」の部位毎の出現確率を算出し、顔の模式図上にマッピングした。本発明の方法によるアンケート結果をマッピングしたものを図6に、代表的な評価用語のみによるアンケート結果をマッピングしたものを図7に示す。なお、図6においては、代表的評価用語のみによるアンケート結果であることを明確にするため、分類名称をそれぞれ代表的評価用語で記載している。
また、本発明の方法によるアンケート結果と、代表的な評価用語のみによるアンケート結果とにつき、「皮脂浮き」、「粉感」、「不均一性」の全領域の出現確率の平均値を算出し、プロットした結果をそれぞれ図8及び図9に示す。同様に、図8においては、代表的評価用語のみによるアンケート結果であることを明確にするため、分類名称をそれぞれ代表的評価用語で記載している。
本発明の方法によるアンケート結果について、図6より、化粧の持続性が高い下地は、皮脂浮きが抑えられている一方で、粉感、不均一性が増加していることが分かる。また図8の各総称的評価用語分類の平均出現確率でも同様の傾向が表れている。これらの結果は前述したように処方特徴から考えて妥当な結果であるといえる。
一方、代表的な評価用語のみによるアンケート結果につき、図7より、「皮脂浮き」、「粉感」と同様の傾向を示しているが、「不均一性」で見ると鼻筋は化粧持続性の高い下地の方が出現確率が高いが、「ファンデーションがよれている」で見ると通常の下地の方が出現確率が高くなり、「ファンデーションがよれている」と、その総称的評価用語分類である「不均一性」とでは、部位によって出現傾向が異なり、出現傾向が読み取りづらいことが分かる。
また、図9の平均出現確率から、「ファンデーションがよれている」は通常の下地を用いた方が、皮膜形成剤を含有する化粧下地よりも出現確率は高いという結果になっている。これは図8の「不均一性」の結果と逆の傾向である。
今回のアンケート結果では、「不均一性」に含まれる評価用語群のうち「ファンデーションがムラになっている」の回答において、化粧持続性が高い下地を用いた方の回答数が、通常の下地を用いた方の回答数よりも大きく上回っていた(化粧持続性の高い下地:10.0%、通常の下地:4.9%)。総称的評価用語分類である「不均一性」ではこの結果が強く反映され、総合的に「不均一性」は、化粧持続性が高いとされる化粧持続性の高い下地を用いた方が高くなるという結果になっていることが分かる。
このように、化粧崩れ状態を表す評価用語のわずかな表現の違いによって回答が大きく異なる可能性がある。しかしながら、その可能性を考慮して多数の評価用語について回答を求めるのは回答者に大きな負担となる。
以上の理由より、本発明が提案する化粧料の塗布状態の評価方法は少ない負担で精度のよいアンケートの集計結果を得られる手法であるといえる。
本発明の化粧料の塗布状態の評価方法及び評価システムは、化粧料の開発において、化粧料の使用者の心証を把握しつつ化粧料の設計をする上で有用である。

Claims (7)

  1. 化粧料の塗布状態を、次の(a)〜(e)のステップを含む方法で評価する評価方法。
    (a)化粧料の塗布状態の評価用語を3つ以上含む評価用語群と、これらの評価用語を統計的手法により分類して得られる総称的評価用語分類を取得するステップ、
    (b)評価対象とする化粧料に対して、ステップ(a)で取得した評価用語群の中から、回答者が任意に評価用語を選択し、該評価用語に対して評価値を与える形式を含むアンケートを作成するステップ、
    (c)ステップ(b)で作成したアンケートを回答者に問い、回答データを取得するステップ、
    (d)ステップ(c)のアンケートで回答のあった評価用語及び評価値を含む回答データに基づいて、評価得点を算出し、前記総称的評価用語分類ごとに集計するステップ。
    (e)ステップ(d)で得られた集計結果を含む評価結果を出力するステップ。
  2. ステップ(a)の評価用語を含む評価用語群及び総称的評価用語分類を、次の(a1)〜(a3)により取得する請求項1記載の評価方法。
    (a1)化粧料の塗布状態の評価用語を収集し、評価用語群を作成するステップ
    (a2)(a1)の評価用語群から選択した評価用語、及び該評価用語に対する評価値を複数の回答者から取得し、評価用語と評価値からなる1対の回答データを含む回答データ群を作成するテップ、
    (a3)(a2)のデータ群に対して統計的手法を用いて分類を行い、総称的評価用語分類を定義するステップ。
  3. ステップ(a3)の統計的手法として、クラスター分析を用いる請求項2に記載の評価方法。
  4. ステップ(b)のアンケートが、評価用語、評価値及び該評価用語に該当する状態となっている評価部位を問うものである請求項1〜3のいずれかに記載の評価方法。
  5. ステップ(d)において、評価部位を含む化粧料の被塗布部を表した模式図に、評価得点をマッピング表示する請求項4記載の評価方法。
  6. 塗布状態が化粧料の仕上がり状態、化粧崩れ状態及び洗浄後の化粧残り状態から選択されるいずれか1種である請求項1〜5のいずれかに記載の評価方法。
  7. 演算装置に、次の(A)データベース及び(B)〜(E)の手段が備えられている、化粧料の塗布状態を評価する評価システム。
    (A)化粧料の塗布状態の評価用語を3以上含む評価用語群と、これらの評価用語を統計的手法により分類して得られる総称的評価用語分類を記録したデータベース、
    (B)評価対象とする化粧料に対して、化粧料の塗布状態を問う評価用語群を、データベース(A)に収録されている評価用語群から抽出し、該評価用語群に含まれる評価用語を用いて、回答者が任意に少なくとも1つの評価用語を選択して該評価用語に対して評価値を与える形式を含むアンケートを作成するアンケート作成手段、
    (C)手段(B)で作成したアンケートを回答者に提示するアンケート提示手段、及び回答者からの回答データをを取り込む回答取込手段、
    (D)手段(C)で取り込んだ回答データに含まれる評価値を前記総称的評価用語分類ごとに集計するアンケート集計手段、
    (E)手段(D)の集計結果を含む評価結果を出力する出力手段。
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