JP2017118717A - ゲートドライブ回路、インバータ回路、及びモータ制御装置 - Google Patents

ゲートドライブ回路、インバータ回路、及びモータ制御装置 Download PDF

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川波 靖彦
Yasuhiko Kawanami
靖彦 川波
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Abstract

【課題】半導体スイッチング素子に対する過電流保護の安全性を向上する。
【解決手段】バイポーラ型トランジスタで構成するアームスイッチング素子Q1の導通または遮断を制御するように構成されたゲートドライブ回路22であって、上位制御装置から入力されたPWM制御信号に基づいて、アームスイッチング素子Q1のベース電極に対し当該アームスイッチング素子Q1のコレクタ電極とエミッタ電極の間の導通または遮断を制御するベース制御信号を出力するドライブIC59と、アームスイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間電圧VCEが所定値以上に上昇した場合にベース−エミッタ間電流IBEを低減するベース電流低減回路部54と、を有する。
【選択図】図7

Description

開示の実施形態は、ゲートドライブ回路、インバータ回路、及びモータ制御装置に関する。
特許文献1には、トランジスタのコレクタ−エミッタ間の電圧が所定値以上に上昇した場合にベース電流を遮断することで、コレクタ−エミッタ間の過電流の流通を完全に遮断して当該トランジスタを保護する過電流保護回路の構成が開示されている。
特開平5−276649号公報
しかしながら上記従来技術では、コレクタ−エミッタ間の過電流そのものを急激に止めることになるため、エミッタ電極及びコレクタ電極の周囲の配線に潜在するインダクタンスにより過大なサージ電圧が発生してトランジスタを損傷させてしまう恐れがある。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、半導体スイッチング素子に対する過電流保護の安全性を向上できるゲートドライブ回路、インバータ回路、及びモータ制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、バイポーラ型トランジスタで構成する半導体スイッチング素子の導通または遮断を制御するように構成されたゲートドライブ回路であって、上位制御装置から入力された駆動制御信号に基づいて、前記半導体スイッチング素子のベース電極に対し当該半導体スイッチング素子のコレクタ電極とエミッタ電極の間の導通または遮断を制御するベース制御信号を出力するベース制御部と、前記半導体スイッチング素子のコレクタ−エミッタ間電圧が所定値以上に上昇した場合にベース−エミッタ間電流を低減するベース電流低減回路部と、を有するゲートドライブ回路が適用される。
また、本発明の別の観点によれば、モータへ電力を給電するインバータ回路であって、前記半導体スイッチング素子を2つ直列に接続した組を直流母線間に複数並列に接続したブリッジ回路と、前記ブリッジ回路における複数の前記半導体スイッチング素子の導通または遮断をそれぞれ制御するように構成された請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゲートドライブ回路と、を有するインバータ回路が適用される。
また、本発明の別の観点によれば、モータを駆動するモータ制御装置であって、請求項9に記載のインバータ回路と、交流電源からの交流電圧を直流電圧に整流して前記直流母線に給電するように構成された整流部と、前記整流部で整流された前記直流母線間の直流電圧を平滑するように構成された平滑コンデンサと、を有するモータ制御装置が適用される。
本発明によれば、半導体スイッチング素子に対する過電流保護の安全性を向上できる。
実施形態に係るモータ制御装置全体の回路構成を概略的に表す図である。 実施形態のゲートドライブ回路の回路構成を表す図である。 過電流保護を行う比較例のゲートドライブ回路の回路構成を表す図である。 バイポーラ型トランジスタのアームスイッチング素子におけるコレクタ−エミッタ間電圧、コレクタ−エミッタ間電流、及びベース−エミッタ間電流の関係特性を表す図である。 実施形態のゲートドライブ回路においてベースON直後の状態を表す図である。 実施形態のゲートドライブ回路において定常ベースONで検知線が導通した状態を表す図である。 実施形態のゲートドライブ回路においてベースON中に過電流が検知された状態を表す図である。
以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
<1:モータ制御装置の概略構成>
まず、図1を用いて、本実施形態に係るゲートドライブ回路及びインバータ回路を備えたモータ制御装置全体の回路構成について説明する。図1に示すように、モータ制御装置100は、3相交流電源1に接続するコンバータ2と、モータ3に接続するとともに直流母線4を介してコンバータ2にも接続するインバータ5を備える。
コンバータ2は、整流部11と、平滑コンデンサ12とを備えている。整流部11は、6つのダイオード13からなるダイオードブリッジであり、3相交流電源1からの交流電力を全波整流して直流母線4に出力する。平滑コンデンサ12は、直流母線4間を渡すように接続され、上記整流部11が全波整流した直流電力を平滑する。以上の構成によって、コンバータ2は、3相交流電源1から供給される交流電力を整流、平滑して直流電力に変換し、正極側のP線及び負極側のN線の2本1組からなる直流母線4に直流電力を出力する。
インバータ5は、ブリッジ回路21と、ゲートドライブ回路22と、制御電源23と、制御回路24と、I/O25とを備えている。なお、このインバータ5が、各請求項記載のインバータ回路に相当する。
ブリッジ回路21は、バイポーラ型トランジスタの半導体スイッチング素子で構成する6つのアームスイッチング素子31をブリッジ接続したデバイスである。詳しくは、アームスイッチング素子31を2つ直列に接続して1組とし、上記直流母線4に対して3組並列に接続している。そのうち、以下では、直流母線4の正極側(P線側)に接続するアームスイッチング素子31を上アームスイッチング素子Qといい、負極側(N線側)に接続するアームスイッチング素子31を下アームスイッチング素子Qという。3組それぞれにおける上アームスイッチング素子Qと下アームスイッチング素子Qの間の中間点が、各相に対応してモータ3に接続されている。各アームスイッチング素子31は、それぞれのベース−エミッタ間電流IBEをゲートドライブ回路22により制御されることでその導通状態(ON状態)と遮断状態(OFF状態)を切り替える。なお、この例に示す各アームスイッチング素子はいずれもNPN型トランジスタであり、ベース−エミッタ間電流IBEが流通している間だけコレクタ電極とエミッタ電極の間が導通するノーマリオフタイプである。
ゲートドライブ回路22は、後述の制御回路24から入力されるPWM制御信号に基づき、ブリッジ回路21の各アームスイッチング素子31に対しそれぞれのベース−エミッタ間電流IBEをベース制御信号として出力し制御することでそのON状態とOFF状態を切り替える。なお、本実施形態が備えるゲートドライブ回路22の具体的な回路構成については後に図2を用いて詳述する。
制御回路24は、電力制御用のソフトウェアを実行するCPU等で構成されており、図示しない上位制御装置からI/O25や図示しない信号入力回路等を介して入力されるモータ制御指令に基づいて、モータ3に所望の電力を供給するようゲートドライブ回路22にPWM制御信号(駆動制御信号)を出力する。このPWM制御信号は上記モータ制御指令に対応するPWM制御により出力されるものであり、ブリッジ回路21の各アームスイッチング素子31に対してそれぞれ直流母線4間の直流電力を各組の中間接続位置から3相交流モータ3の各相に対応して出力させるようゲートドライブ回路22を制御する。ブリッジ回路21の各組においては、同じ組の上アームスイッチング素子Qと下アームスイッチング素子Q,Qを同時に導通させると上アームスイッチング素子Qと下アームスイッチング素子Qに大電流が流れて両アームスイッチング素子31を損傷させてしまう。このような直流母線4間の短絡を防ぐために上記PWM制御では、同じ組の上アームスイッチング素子Qと下アームスイッチング素子Qを同時に導通させることがないようPWM制御信号を出力する。
制御電源23は、例えば3相交流電源1の2相に接続してインバータ5内の各部に電力を供給する。
<2:実施形態のゲートドライブ回路>
図2は、本実施形態において、各アームスイッチング素子に対応して接続されるゲートドライブ回路22の詳細な回路構成を示している。なお、ブリッジ回路21における6つのアームスイッチング素子31のそれぞれ個別に接続するゲートドライブ回路22はいずれも構成が共通しており、この図2ではその共通する回路構成を示している(以下、対応する各図において同様)。
図示するゲートドライブ回路22は、給電端子61、制御端子62、及び接地端子63を備えたドライブIC51(ベース制御部)と、制御端子62とアームスイッチング素子Q1(上記図1中のアームスイッチング素子31に相当)のベース電極を接続する電極線71とを有する。またゲートドライブ回路22は、給電端子61と接地端子63を接続する第1接続線74と、この第1接続線74上の第1接続点81(接続点)とアームスイッチング素子Q1のエミッタ電極を接続する第2接続線75(接続線)と、第1接続線74と並列に給電端子61と接地端子63の間に接続されるよう設けられたノイズ除去用のパスコンC1とを有する。
またゲートドライブ回路22は、電極線71上に設けられた第1ベース抵抗R1と、同じ電極線71上で第1ベース抵抗R1と直列に接続されたベース充電用コンデンサC3と、これら第1ベース抵抗R1とベース充電用コンデンサC3の直列回路の両端子間に並列に接続する第2ベース抵抗R2とを有する。またゲートドライブ回路22は、第1接続線74上で給電端子61と第1接続点81の間に設けられた負バイアス制限抵抗R3と、第1接続線74上で第1接続点81と接地端子63の間に設けられた負バイアス用ツェナーダイオードZD1と、この負バイアス用ツェナーダイオードZD1の両端子間に並列に接続する負バイアス用コンデンサC2とを有する。
またゲートドライブ回路22は、駆動用電源+Vcc2(検知用電源)とアームスイッチング素子Q1のコレクタ電極を接続する第3接続線76と、この第3接続線76上の第2接続点82と第1接続点81とを接続する検知線72と、第3接続線76上で第2接続点82からアームスイッチング素子Q1のコレクタ電極へ向かう方向を順方向として設けられた第1検知用ダイオードD1(検知ダイオード)とを有する。またゲートドライブ回路22は、電極線71上で第1ベース抵抗R1、ベース充電用コンデンサC3、及び第2ベース抵抗R2の並列回路よりアームスイッチング素子Q1のベース電極側に位置する第3接続点83と第1接続点81を接続する第4接続線77(制御線)とを有する。またゲートドライブ回路22は、電極線71と第2接続線75の間に接続されるよう設けられた第1プルダウン抵抗R12と、第2接続線75上で第1プルダウン抵抗R12より第1接続点81側に設けられたベース電流制限抵抗R11と、このベース電流制限抵抗R11の両端子間に並列に接続する並列線73とを有する。
またゲートドライブ回路22は、並列線73上に設けられた第1補助スイッチング素子Q2(第1補助素子)と、並列線73と並列な領域の第2接続線75上でベース電流制限抵抗R11よりアームスイッチング素子Q1のエミッタ電極側に設けられた第2補助スイッチング素子Q3(第2補助素子)とを有する。これら第1補助スイッチング素子Q2と第2補助スイッチング素子Q3はそれぞれバイポーラ型トランジスタで構成する半導体スイッチング素子であり、それぞれのコレクタ電極をアームスイッチング素子Q1のエミッタ電極側に接続し、それぞれのエミッタ電極を第1接続点81側に接続している。また第1補助スイッチング素子Q2と第2補助スイッチング素子Q3のそれぞれのベース電極(第1補助ベース電極、第2補助ベース電極)は、第3ベース抵抗R7、第4ベース抵抗R8を介して検知線72に接続するとともに、第2プルダウン抵抗R9、第3プルダウン抵抗R10を介して第1接続点81側の第2接続線75に接続している。なお、第1補助スイッチング素子Q2はPNP型のノーマリオンタイプであり、第2補助スイッチング素子Q3はNPN型のノーマリオフタイプである。
またゲートドライブ回路22は、検知線72上で第2接続点82から第1接続点81へ向かう順に検知制限抵抗R6と、第2検知用ダイオードD2と、フォトカプラ52と、第3補助スイッチング素子Q4(第3補助素子)とを設けている。なお、第2検知用ダイオードD2は、第2接続点82から第1接続点81へ向かう方向を順方向として設けられている。また、第1補助スイッチング素子Q2と第2補助スイッチング素子Q3のそれぞれのベース電極は、第2検知用ダイオードD2とフォトカプラ52の間の検知線72に接続している。第3補助スイッチング素子Q4はバイポーラ型トランジスタで構成するNPN型ノーマリオフタイプの半導体スイッチング素子であり、そのコレクタ電極を第2接続53点側に、そのエミッタ電極を第1接続点81側に接続している。
またゲートドライブ回路22は、第4接続線77上で第3接続点83から第1接続点81へ向かう順に時定数抵抗R4と、時定数コンデンサC4とを設けている。時定数コンデンサC4の両端子間に並列に閾値用ツェナーダイオードZD2と第4プルダウン抵抗R5の直列回路が設けられている。この直列回路では、閾値用ツェナーダイオードZD2が第3接続点83側で、第4プルダウン抵抗R5が第1接続点81側にそれぞれ配置され、それらの間に第3補助スイッチング素子Q2のベース電極が接続されている。なお、ここでの「配置」とは、実基板上での要素部品間の物理的な配置ではなく、回路上における接続関係としての配置を意味する(以下同様)。また閾値用ツェナーダイオードZD2は、第1接続点81から第3接続点83へ向かう方向を順方向として設けられている。
以上の構成において、時定数抵抗R4、時定数コンデンサC4、閾値用ツェナーダイオードZD2、第4プルダウン抵抗R5、検知制限抵抗R6、第2検知用ダイオードD2、フォトカプラ52、第3補助スイッチング素子Q4、第1検知用ダイオードD1、第1補助スイッチング素子Q2、第3ベース抵抗R7、第2プルダウン抵抗R9、第2補助スイッチング素子Q3、第4ベース抵抗R8、第3プルダウン抵抗R10、ベース電流制限抵抗R11、及びこれらを接続する第2接続線75、第3接続線76、第4接続線77、検知線72が、ベース電流低減回路部53を構成する。またそのうちの時定数抵抗R4、時定数コンデンサC4、閾値用ツェナーダイオードZD2、第4プルダウン抵抗R5、フォトカプラ52、第3補助スイッチング素子Q4、及びこれらを接続する第4接続線77、検知線72が、報知回路部54を構成する。また、電極線71と第2接続線75と並列線73が各請求項記載のベース−エミッタ間電流IBEの通電経路に相当する。
ドライブIC51は、絶縁型ドライブICであり、PWM制御信号の入力側である1次側とベース制御信号の出力側である2次側との間で電気的絶縁を維持しつつ作動信号の送受を行う。当該ドライブIC51自体は、基本的に1次側のドライブ用電源+Vcc1(接地GND1)で作動し、また2次側の給電端子61には駆動用電源+Vcc2が接続され、この駆動用電源+Vcc2に対応する略0電位の駆動用接地点GND2が接地端子63に接続されている。1次側でPWM制御信号がOFF出力されている場合には、ドライブIC51内部で2次側の制御端子62が接地端子63に接続されて電極線71が接地電位となり、ベースOFF状態(特に図示せず)となる。また、1次側でPWM制御信号がON出力された場合には、ドライブIC51内部で2次側の制御端子62が給電端子61に接続されて電極線71に駆動用電源+Vcc2の電位が付加され、後述するベースON状態(後述の図5、図6、図7参照)となる。
負バイアス用ツェナーダイオードZD1は、逆方向電圧が所定の降伏電圧を超えた際に導通状態となるいわゆる定電圧ダイオードであり、この例では接地端子63から給電端子61へ向かう方向を順方向として第1接続線74上に配置されている。これにより、降伏電圧を超える正電圧+Vcc2が給電端子61から給電されることで、負バイアス用ツェナーダイオードZD1に並列接続されている負バイアス用コンデンサC2には降伏電圧と同等の電圧だけ充電され、その結果、負バイアス用ツェナーダイオードZD1の両端端子間には常に降伏電圧と同等の電位差(+Vzd)が維持される。つまり、ゲートドライブ回路22においては、第2接続線75が接続する第1接続点81には常に+Vzdの負バイアス電位が付加されている。なおこの際には、負バイアス制限抵抗R3によって負バイアス用ツェナーダイオードZD1に流れる電流が適宜制限される。また負バイアス電位+Vzdは、ベース制御信号の最低電位(略0電位)と最高電位(+Vcc2)の間の電位に設定されている。
第2検知用ダイオードD2は、短絡検出の閾値を調整するためのであり、当該第2検知用ダイオードD2の両端子間における順方向電圧が閾値電圧Vfを越えた場合に初めて検知線72を介してフォトカプラ52に電流を流す。
フォトカプラ52は、外部の弱電部に対して電気的絶縁を維持しつつ光伝達によって信号を出力するものであり、検知線72に電流が流れた際には外部の上位制御装置に対して過電流報知信号を出力する。
また、第1ベース抵抗R1、第2ベース抵抗R2、第1プルダウン抵抗R12、第3ベース抵抗R7、第4ベース抵抗R8、第2プルダウン抵抗R9、第3プルダウン抵抗R10、及び第4プルダウン抵抗R5は、それぞれアームスイッチング素子Q1、第1補助スイッチング素子Q2、第2補助スイッチング素子Q3、第3補助スイッチング素子Q4を適切に作動させるための適宜の抵抗値を有する。
なお、本実施形態の例では、ドライブIC51を作動させるために給電するドライブ用電源+Vcc1(接地GND1)と、アームスイッチング素子Q1を駆動するために給電する駆動用電源+Vcc2(接地GND2)がそれぞれ個別に用意されている。これらドライブ用電源+Vcc1と駆動用電源+Vcc2はそれぞれ異なる電圧で上記制御電源23から給電された電源であり、上記制御回路24とゲートドライブ回路22の内部との間が電気的に絶縁されている。
<3:過電流保護機能について>
上記図1に示したゲートドライブ回路22は、上述したように制御回路から入力されるPWM制御信号に基づき、バイポーラ型トランジスタで構成するアームスイッチング素子Q1のベース−エミッタ間電流IBEを制御することでその導通と遮断を切り替える。ベース−エミッタ間電流IBEは、エミッタ電極電位よりベース電極電位が高い場合の相対電位差であるベース−エミッタ間電圧VCEにより流れる。このベース−エミッタ間電流IBEが流れた場合には、当該アームスイッチング素子Q1がコレクタ電極とエミッタ電極を導通し、ベース−エミッタ間電流IBEが流れない場合には、当該アームスイッチング素子Q1がコレクタ電極とエミッタ電極を遮断する。
このようなアームスイッチング素子Q1においては、外部負荷の不具合や配線の短絡などにより過大なコレクタ−エミッタ間電流IBEが流れる場合があり、ゲートドライブ回路22にはこの過電流からアームスイッチング素子Q1を保護するための過電流保護機能が求められている。
<4:過電流保護の比較例>
このようにアームスイッチング素子Q1を過電流から保護する1つの対策として、従来では過大なコレクタ−エミッタ間電流ICEが流れることによるコレクタ−エミッタ間電圧VCEの所定値以上の上昇を検知した際に、直ちにベース−エミッタ間電流IBEの流通を完全に止めて当該アームスイッチング素子Q1を遮断する手法が提案されていた。この手法を実現する比較例としてのゲートドライブ回路22Eの回路構成を図3に示す。
図示する比較例のゲートドライブ回路22Eは、PWM制御信号によりドライブ用電源+Vccの給電とその停止を切り替えるフォトカプラUeと、このフォトカプラUeの出力電流を制限してアームスイッチング素子Qe1のベース電極に供給するベース抵抗Re1と、アームスイッチング素子Qe1のベース電極とエミッタ電極の間に設けられたプルダウン抵抗Re2と、フォトカプラUeの出力と接続点91の間に設けられた電流制限抵抗Re3と、接続点91からアームスイッチング素子Qe1のコレクタ電極へ向かう方向を順方向として設けられた検知用ダイオードDeと、接続点91とアームスイッチング素子Qe1のエミッタ電極との間に設けられた時定数コンデンサCe1と、補助スイッチング素子Qe2と、接続点91と補助スイッチング素子Qe2のベース電極との間に設けられた補助ベース抵抗Re4と、補助スイッチング素子Qe2のベース電極とアームスイッチング素子Qe1のエミッタ電極の間に設けられたプルダウン抵抗Re5とを有している。なお、補助スイッチング素子Qe2のコレクタ電極はベース抵抗Re1とアームスイッチング素子Qe1のベース電極との間に接続され、補助スイッチング素子Qe2のエミッタ電極はアームスイッチング素子Qe1のエミッタ電極に接続されている。
このような構成のゲートドライブ回路22Eにおいては、PWM制御信号のON/OFFによりベース抵抗Re1を介して流れるアームスイッチング素子Qe1のベース−エミッタ間電流IBEの流通と遮断が切り替えられ、すなわちアームスイッチング素子Qe1のON/OFFが切り替えられる。アームスイッチング素子Qe1のコレクタ−エミッタ間電流ICEが通常の大きさであればコレクタ電極の電位よりも接続点91の電位(+Vcc)の方が高いため、電流制限抵抗Re3を介して流れる電流は検知用ダイオードDeを通じてアームスイッチング素子Qe1のコレクタ電極側に流れる。このため、補助ベース抵抗Re4に阻まれて補助スイッチング素子Qe2にはベース−エミッタ間電流IBEが流れず、当該補助スイッチング素子Qe2が遮断状態となる。
これに対し、アームスイッチング素子Qe1に過電流が流れてコレクタ−エミッタ間電圧VCEが上昇した場合には、接続点91の電位よりもコレクタ電極の電位の方が高くなり、電流制限抵抗Re3を介して流れる電流は検知用ダイオードDeを介さずに補助ベース抵抗Re4を介して補助スイッチング素子Qe2にベース−エミッタ間電流IBEとして流れる。これにより、補助スイッチング素子Qe2のコレクタ電極とエミッタ電極が導通状態となり、アームスイッチング素子Qe1のベース−エミッタ間電流IBEが短絡されて当該アームスイッチング素子Qe1が遮断状態となる。
以上のようにして比較例のゲートドライブ回路22Eでは、過大なコレクタ−エミッタ間電流ICEが流れることによるコレクタ−エミッタ間電圧VCEの所定値以上の上昇を検知した際に、直ちにベース−エミッタ間電流IBEの流通を完全に止めてアームスイッチング素子Qe1を遮断する。しかしながらこの構成の場合には、コレクタ−エミッタ間の過電流そのものを急激に止めることになるため、エミッタ電極及びコレクタ電極の周囲の配線に潜在するインダクタンスにより過大なサージ電圧が発生して当該アームスイッチング素子Qe1を損傷させてしまう恐れがある。
<5:本実施形態の特徴>
これに対し本実施形態のゲートドライブ回路22では、アームスイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間電圧VCEが所定値以上に上昇した場合に、まずベース−エミッタ間電流IBEを低減する段階を経てからアームスイッチング素子Q1を遮断するという2段階の動作を行う。
ここで、上記アームスイッチング素子Q1として用いるバイポーラ型トランジスタには、一般的にベース−エミッタ間電流IBEが低減した場合に、コレクタ−エミッタ間電流ICEも低減するという特性を有している。具体的には、図4に示すように、ベース−エミッタ間電流IBEが十分大きい(例えば図中のIBE=250mA)場合、コレクタ−エミッタ間電圧VCEにほぼ比例する大きさでコレクタ−エミッタ間電流ICEが流れる。しかし、ベース−エミッタ間電流IBEが小さくなるに従い、コレクタ−エミッタ間電圧VCEの大きさにかかわらずコレクタ−エミッタ間で流通可能な最大電流値となる飽和電流も低減する(例えば図中のIBE=50mAの場合、コレクタ−エミッタ間飽和電流値=2.9A)。そして、ベース−エミッタ間電流IBEが流れない(IBE=0mA)場合、コレクタ−エミッタ間電流ICEが完全に遮断される。これは、アナログ増幅用に用いられるトランジスタと同様の特性である。
本実施形態のゲートドライブ回路22では、上記のバイポーラ型トランジスタの特性を利用してアームスイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間電流ICEを段階的に遮断する。これにより、アームスイッチング素子Q1を完全に遮断した際に発生するサージ電圧を低減できる。
<6:本実施形態の具体的な動作工程>
本実施形態のゲートドライブ回路22では、PWM制御信号がON出力された直後、すなわちベースON直後のタイミングには、図5に示すような状態となる。なお、ここでは負バイアス用コンデンサC1及びベース充電用コンデンサC3があらかじめ充電状態となっており、時定数コンデンサC4があらかじめ放電状態となっているとする。図5において、PWM制御信号がON出力されることによりドライブIC51の制御端子62には駆動電位+Vcc2が付加され、第1ベース抵抗R1とベース充電用コンデンサC3を介してアームスイッチング素子Q1にベース−エミッタ間電流IBEが流れる。この際、ベース充電用コンデンサC3の充電電力がアームスイッチング素子Q1のベース−エミッタ間の浮遊容量を急速に充電するため迅速にON状態に移行できる。
また、後述するようにこの時点では検知線72に電流が流れないため、ノーマリオンタイプの第1補助スイッチング素子Q2が導通状態(以下、ON状態という)となり、アームスイッチング素子Q1のエミッタ電極が並列線73を経由した第2接続線75を介して第1接続点81まで無負荷で接続される。逆にノーマリオフタイプの第2補助スイッチング素子Q3は遮断状態(以下、OFF状態という)となり、ベース電流制限抵抗R11には電流が流れない。
以上のようにしてベースON直後のタイミングでは、アームスイッチング素子Q1にベース−エミッタ間電流IBEが流れることで当該アームスイッチング素子Q1がON状態となり、コレクタ−エミッタ間電流ICEが流れる。なおこの時点において、電極線71上及び第2接続線75上のベース−エミッタ間電流IBEを制限する抵抗は第1ベース抵抗R1だけとなり、比較的大きなベース−エミッタ間電流IBEを流すことができる。このため上記図4に示した特性から、アームスイッチング素子Q1の飽和電流が高いまま維持され、アームスイッチング素子Q1に流れるコレクタ−エミッタ間電流ICEは何ら制限を受けずにコレクタ−エミッタ間電圧VCEに応じた大きさのまま流れる。この場合には、アームスイッチング素子Q1のコレクタ電極の電位よりも駆動用電源+Vcc2の方が電位が高く、駆動用電源+Vcc2から流れる検知電流は第1検知用ダイオードD1を介してコレクタ電極に流れるだけとなり、逆に検知線72には検知制限抵抗R6と第2検知用ダイオードD2に阻まれて検知電流が流れない。
また、このベースON直後の時点においては、ベース−エミッタ間電流IBEの一部が切替電流として第4接続線77上の時定数抵抗R4と時定数コンデンサC4を介して第1接続点81へ流れる。これにより閾値用ツェナーダイオードZD2と第4プルダウン抵抗R5の直列回路には電流が流れないため、ノーマリオフタイプの第3補助スイッチング素子Q4はOFF状態となり、検知線72が遮断されて検知電流を流せない状態となる。
そして上記のベースON直後から所定時間経過した時点で、ゲートドライブ回路22は図6に示すような定常のベースON状態となる。すなわち、ベース充電用コンデンサC3が完全充電状態となり、このベース充電用コンデンサC3と第1ベース抵抗R1の直列回路における両端子間電圧が大きくなることから、電極線71上のベース−エミッタ間電流IBEは第2ベース抵抗R2を経由して流れることになる。第2ベース抵抗R2の抵抗値は、この際に流れるベース−エミッタ間電流IBEによってアームスイッチング素子Q1の飽和電流が最適(例えば図4中のIBE=250mAに対応する飽和電流)となるよう設定される。
また一方、図6において時定数コンデンサC4が完全充電状態となり、その両端子間電圧の分圧が閾値用ツェナーダイオードZD2の降伏電圧を超えることで第4接続線77上の切替電流は閾値用ツェナーダイオードZD2と第4プルダウン抵抗R5の直列回路を経由して流れるようになる。このためノーマリオフタイプの第3補助スイッチング素子Q4がON状態となり、検知線72が導通された状態となる。ただし、図6に示す定常ベースON状態では、まだアームスイッチング素子Q1のコレクタ電極の電位よりも駆動用電源+Vcc2の方が電位が高いため、検知電流は第1検知用ダイオードD1に流れるだけであり、逆に検知制限抵抗R6と第2検知用ダイオードD2に阻まれて検知線72には検知電流が流れない。このため第1補助スイッチング素子Q2のON状態と第2補助スイッチング素子Q3のOFF状態が維持され、アームスイッチング素子Q1には比較的大きなベース−エミッタ間電流IBEが流れ続けてその飽和電流が高いまま維持される。
そして上記の定常ベースON状態の間に、外部負荷の不具合や配線の短絡などによってアームスイッチング素子Q1に過大なコレクタ−エミッタ間電流ICEが流れた場合には、ゲートドライブ回路22は図7に示すような過電流検知状態となる。すなわち、アームスイッチング素子Q1の飽和電流に応じた抵抗値に対してコレクタ−エミッタ間電圧VCEが上昇し、駆動用電源+Vcc2の電位よりもコレクタ電極の電位の方が電位が高くなるため、第1検知用ダイオードD1に検知電流が流れなくなる。逆に、上述したように第3補助スイッチング素子Q4がON状態となって検知線72が導通しており、第2検知用ダイオードD2の両端子間電圧が閾値電圧Vfを越えることで、駆動用電源+Vcc2からの検知電流が検知線72全体に流れるようになる。
このため、検知線72にベース電極を接続したノーマリオフタイプの第1補助スイッチング素子Q2がOFF状態となり、同じく検知線72にベース電極を接続したノーマリオンタイプの第2補助スイッチング素子Q3がON状態となる。これにより、アームスイッチング素子Q1のベース−エミッタ間電流IBEは、並列線73を経由せずにベース電流制限抵抗R11を経由した経路(第2接続線75全体)で流れるようになる。このような過電流検知状態では、電極線71上及び第2接続線75上に流れるベース−エミッタ間電流IBEは第2ベース抵抗R2に加えてベース電流制限抵抗R11によっても制限されることになり、上記定常ベースON状態と比較してベース−エミッタ間電流IBEが低減される。このため上記図4に示した特性から、アームスイッチング素子Q1の飽和電流が低減され、アームスイッチング素子Q1に流すことができるコレクタ−エミッタ間電流ICEも低減される。
また検知線72に検知電流が流れることで、フォトカプラ52が作動し、外部の上位制御装置に対して過電流報知信号が出力される。上位制御装置は、この過電流報知信号の入力に基づく過電流保護処理としてインバータ5の全てのアームスイッチング素子Q1を遮断するよう上記制御回路にモータ制御指令を出力する。これにより、PWM制御信号がOFF出力されてベース−エミッタ間電流IBEの流通が完全に遮断され(ベースOFF状態)、すなわちアームスイッチング素子Q1が完全にOFF状態となってコレクタ−エミッタ間電流ICEの流通が完全に遮断される(特に図示せず)。
以上のようにして本実施形態のゲートドライブ回路22では、過電流検知時のベース電流低減回路部53によるコレクタ−エミッタ間電流ICEの低減動作と、過電流報知信号を介した上位制御装置の過電流保護処理によるアームスイッチング素子Q1の完全遮断の2段階を経てコレクタ−エミッタ間過電流の流通を低減、遮断する。これにより、アームスイッチング素子Q1を完全に遮断した際の瞬時電流変化(dICE/dt)を抑えることができ、発生するサージ電圧を低減してアームスイッチング素子Q1を保護できる。
また特に図示しないが、通常動作としてPWM制御信号がOFF出力されているベースOFF状態の間にコレクタ−エミッタ間電流ICEが過大になった場合には、第4接続線77に切替電流が流れていないため第3補助スイッチング素子Q4がOFF状態となって検知線72が遮断されている。これにより、検知線72に検知電流が流れることがないため、フォトカプラ52が誤って過電流報知信号を出力することはない。
なお、上記図5、図6に示したように、ベースONに切り替えたタイミングから所定時間遅延して第3補助スイッチング素子Q4をON状態にすることには以下のような理由がある。すなわち、アームスイッチング素子Q1がOFF状態(図示省略)の間には、過電流状態でなくとも通常のコレクタ−エミッタ間電流ICEが遮断されていることでエミッタ−コレクタ間電圧VCEが駆動用電源電圧+Vcc2よりも高くなる場合がある。そして、アームスイッチング素子Q1がON状態に切り替えられた直後(図5のベースON直後の状態)では、まだアームスイッチング素子Q1のエミッタ−コレクタ間電圧VCEが大きく残っている可能性がある。
このため、アームスイッチング素子Q1と第3補助スイッチング素子Q4を完全に同時にON状態とすると、アームスイッチング素子Q1のエミッタ−コレクタ間電流ICEが通常の大きさであっても検知線72に検知電流が流れ、フォトカプラ52が誤って過電流報知信号を出力してしまう可能性がある。このような報知回路部54の誤動作を防ぐために、アームスイッチング素子Q1のベースONから所定時間遅延して第3補助スイッチング素子Q4をON状態にしている。なお、この遅延時間は、時定数抵抗R4及び時定数コンデンサC4の時定数により、アームスイッチング素子Q1のベースON時におけるエミッタ−コレクタ間電圧VCEの立ち下がり時間に十分に余裕を持った時間で設定すればよい。
また、同じベースOFF状態の間に同相の他のアームスイッチング素子32(Q又はQ)がON状態に切り替えられることで、当該アームスイッチング素子Q1のベース電極にミラー効果によるセルフターンオン電位が発生し、強制的に当該アームスイッチング素子Q1もON状態となるいわゆるセルフターンオン現象が生じる可能性がある。しかし、本実施形態のゲートドライブ回路22では、第1接続点81に接続されているアームスイッチング素子Q1のエミッタ電極が常に負バイアス電位+Vzdを付加されているため、この負バイアス電位+Vzdがベース電極に対し逆バイアスとなって上記セルフターンオン電位を相殺し、セルフターンオン現象を防ぐことができる。
<7:本実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のゲートドライブ回路22、インバータ5、及びモータ制御装置100によれば、アームスイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間電圧VCEが所定値(駆動用電源+Vcc2の電圧値)以上に上昇した場合にベース−エミッタ間電流IBEを低減するベース電流低減回路部53を備えている。このベース電流低減回路部53が、アームスイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間電圧VCEが駆動用電源+Vcc2以上に上昇した場合にベース−エミッタ間電流IBEを低減(完全な遮断ではなくあくまでも減少流通)することで、当該アームスイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間に流れる過電流も低減させることができる。そして、その後に別途適宜の回路や手法によってベース−エミッタ間電流IBEの流通を完全に止めることで、コレクタ−エミッタ間における過電流の流通を完全に遮断できる。つまり本実施形態では、上記ベース電流低減回路部53を有していることで、コレクタ−エミッタ間の過電流を段階的に低減し遮断できる。これにより、アームスイッチング素子Q1を完全に遮断した際に発生するサージ電圧を低減することができ、その結果、アームスイッチング素子Q1に対する過電流保護の安全性を向上できる。
また、本実施形態では特に、アームスイッチング素子32を2つ直列に接続しているブリッジ回路21においては、外部負荷の不具合や配線の短絡、またはノイズやセルフターンオン現象による誤動作によりアームスイッチング素子32のコレクタ−エミッタ間の過電流が生じやすい。このため、アームスイッチング素子Q1に対する過電流保護を安全に行える本実施形態のゲートドライブ回路22の適用が特に有用である。
また、本実施形態では特に、ベース電流低減回路部53は、アームスイッチング素子Q1のベース−エミッタ間電流IBEの通電経路中におけるベース電流制限抵抗R11の接続と短絡を切り替えてベース−エミッタ間電流IBEの低減を制御する。これにより、簡易な回路構成でベース−エミッタ間電流IBEの低減制御が可能となる。
また、本実施形態では特に、ベース電流低減回路部53は、第1検知用ダイオードD1と、検知線72と、第2接続線75と、ベース電流制限抵抗R11と、並列線73と、第1補助スイッチング素子Q2と、第2補助スイッチング素子Q3と、を有し、第1補助スイッチング素子Q2は、そのベース電極が検知線72に接続されたノーマリオフタイプであって、第2補助スイッチング素子Q3は、そのベース電極が検知線72に接続されたノーマリオンタイプである。ベース電流低減回路部53がこのような回路構成であることにより、上記図7に示した動作でベース−エミッタ間電流IBEの低減制御を実現できる。
また、本実施形態では特に、ベース電流低減回路部53は、ベース−エミッタ間電流IBEを低減した場合に上位制御装置へ過電流報知信号を出力する報知回路部54を有する。これにより、ベース−エミッタ間電流IBEが低減(コレクタ−エミッタ間電流ICEが低減)されるとともに過電流報知信号が出力される。その後に、これを入力した上位制御装置がPWM制御信号を介してベース制御信号を制御しアームスイッチング素子Q1におけるベース−エミッタ間電流IBEの流通を完全に止めることで、コレクタ−エミッタ間における過電流の段階的な低減と遮断が可能になる。
また、本実施形態では特に、報知回路部54は、検知線72の入力に応じて過電流報知信号の出力を切り替えるフォトカプラ52を有する。これにより、上位制御装置との間の電気的絶縁を図りつつ、簡易な回路構成でコレクタ−エミッタ間の過電流検出時における過電流報知信号の出力制御が可能となる。
また、本実施形態では特に、報知回路部54は、ベース制御信号に応じて、検知線72の導通または遮断を制御するように構成された第3補助スイッチング素子Q4を有する。これにより、ベース制御信号が略0電位である場合、つまりアームスイッチング素子Q1が遮断状態(図示しないベースOFF状態)である間にコレクタ−エミッタ間の過電流が発生しても、誤った過電流報知信号の出力を防ぐことができる。
また、本実施形態では特に、報知回路部54は、第4接続線77と、時定数抵抗R4及び時定数コンデンサC4と、閾値用ツェナーダイオードZD2と、を有し、第3補助スイッチング素子Q4は、そのベース電極が閾値用ツェナーダイオードZD2の第1接続点81側の端子に接続されたノーマリオフタイプである。このような回路構成とすることにより、ベースONの開始タイミングに対して時定数抵抗R4と時定数コンデンサC4で決定される時定数で遅延して第3補助スイッチング素子Q4が検知線72を導通させ、フォトカプラ52による過電流報知信号の出力制御を許容する。これにより、ベースON直後におけるアームスイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間電圧VCEの残留電圧による報知回路54の誤動作を防ぐことができる。
また、本実施形態では特に、第1接続点81の電位は、ベース制御信号の最低電位(略0電位)と最高電位(+Vcc2)の間の電位である。これにより、他のアームスイッチング素子32(Q又はQ)のスイッチングに起因したミラー効果によって当該アームスイッチング素子Q1のベース電極に生じるセルフターンオン電位を相殺可能な負バイアス電位+Vzdを付加することができ、当該アームスイッチング素子Q1の縦短絡を防ぐことができる。
なお、上記実施形態では、過電流検知時にベース電流低減回路部53がベース−エミッタ間電流IBEを一度だけ所定の値まで低減させて、それから完全にアームスイッチング素子Q1を遮断(ベースOFF)させていた。しかしこれに限られず、他にも完全遮断までの間にベース−エミッタ間電流IBEを複数段階で離散的に低減させてもよいし、連続的に漸次低減させてもよい。この場合には、アームスイッチング素子Q1の飽和電流低減時(コレクタ−エミッタ間電流ICEの低減時)におけるサージ電圧の発生も低減でき、より安全性を向上できる。
また、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
また、以上既に述べた以外にも、上記各実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。その他、一々例示はしないが、上記各実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 3相交流電源
2 コンバータ
3 モータ
4 直流母線
5 インバータ(インバータ回路)
11 整流部
12 平滑コンデンサ
21 ブリッジ回路
22 ゲートドライブ回路
23 制御電源
24 制御回路
32 アームスイッチング素子
51 ドライブIC(ゲート制御部)
52 フォトカプラ
53 ベース電流低減回路部
54 報知回路部
71 電極線
72 検知線
73 並列線
74 第1接続線
75 第2接続線(接続線)
76 第3接続線
77 第4接続線(制御線)
81 第1接続点(接続点)
82 第2接続点
83 第3接続点
100 モータ制御装置
上アームスイッチング素子
下アームスイッチング素子
Q1 アームスイッチング素子(半導体スイッチング素子)
Q2 第1補助スイッチング素子(第1補助素子)
Q3 第2補助スイッチング素子(第2補助素子)
Q4 第3補助スイッチング素子(第2補助素子)
R1 第1ベース抵抗R1
R2 第2ベース抵抗R2
R3 負バイアス制限抵抗
R4 時定数抵抗
R5 第4プルダウン抵抗
R6 検知制限抵抗
R7 第3ベース抵抗
R8 第4ベース抵抗
R9 第2プルダウン抵抗
R10 第3プルダウン抵抗
R11 ベース電流制限抵抗
R12 第1プルダウン抵抗
C1 パスコン
C2 負バイアス用コンデンサ
C3 ベース充電用コンデンサ
C4 時定数コンデンサ
D1 第1検知用ダイオード(検知ダイオード)
D2 第2検知用ダイオード
ZD1 負バイアス用ツェナーダイオード
ZD2 閾値用ツェナーダイオード
+Vcc1 ドライブ用電源
+Vcc2 駆動用電源(検知用電源)

Claims (10)

  1. バイポーラ型トランジスタで構成する半導体スイッチング素子の導通または遮断を制御するように構成されたゲートドライブ回路であって、
    上位制御装置から入力された駆動制御信号に基づいて、前記半導体スイッチング素子のベース電極に対し当該半導体スイッチング素子のコレクタ電極とエミッタ電極の間の導通または遮断を制御するベース制御信号を出力するベース制御部と、
    前記半導体スイッチング素子のコレクタ−エミッタ間電圧が所定値以上に上昇した場合にベース−エミッタ間電流を低減するベース電流低減回路部と、
    を有することを特徴とするゲートドライブ回路。
  2. 前記ベース電流低減回路部は、
    前記半導体スイッチング素子のベース−エミッタ間電流の通電経路中におけるベース電流制限抵抗の接続と短絡を切り替えて前記ベース−エミッタ間電流の低減を制御することを特徴とする請求項1記載のゲートドライブ回路。
  3. 前記ベース電流低減回路部は、
    前記所定値の電圧を供給する検知用電源から前記半導体スイッチング素子のコレクタ電極に向けて順方向に接続する検知ダイオードと、
    前記検知用電源と所定電位の接続点を接続する検知線と、
    前記半導体スイッチング素子のエミッタ電極と前記接続点を接続する接続線と、
    前記接続線上に配置された前記ベース電流制限抵抗と、
    前記ベース電流制限抵抗の両端子間を接続する並列線と、
    前記並列線の導通または遮断を制御する第1補助素子と、
    前記並列線と並列な領域の前記接続線上における前記ベース電流制限抵抗の接続または遮断を制御する第2補助素子と、
    を有し、
    前記第1補助素子は、第1補助ベース電極が前記検知線に接続されたノーマリオフタイプの半導体スイッチング素子であって、
    前記第2補助素子は、第2補助ベース電極が前記検知線に接続されたノーマリオンタイプの半導体スイッチング素子である
    ことを特徴とする請求項2記載のゲートドライブ回路。
  4. ベース電流低減回路部は、
    ベース−エミッタ間電流を低減した場合に前記上位制御装置へ過電流報知信号を出力する報知回路部を有することを特徴とする請求項3記載のゲートドライブ回路。
  5. 前記報知回路部は、
    前記検知線の入力に応じて前記過電流報知信号の出力を切り替えるフォトカプラを有することを特徴とする請求項4記載のゲートドライブ回路。
  6. 前記報知回路部は、
    前記ベース制御信号に応じて、前記検知線の導通または遮断を制御するように構成された第3補助素子を有することを特徴とする請求項5記載のゲートドライブ回路。
  7. 前記報知回路部は、
    前記ベース電極に接続する電極線と前記接続点を接続する制御線と、
    前記制御線上で直列に配置された時定数抵抗及び時定数コンデンサと、
    前記時定数コンデンサと並列に配置され、前記接続点から前記電極線へ向かう方向を順方向として所定の降伏電圧を有する閾値用ツェナーダイオードと、
    を有し、
    前記第3補助素子は、第3補助ベース電極が前記閾値用ツェナーダイオードの前記接続点側の端子に接続されたノーマリオフタイプの半導体スイッチング素子であることを特徴とする請求項6記載のゲートドライブ回路。
  8. 前記接続点の電位は、前記ベース制御信号の最低電位と最高電位の間の電位であることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載のゲートドライブ回路。
  9. モータへ電力を給電するインバータ回路であって、
    前記半導体スイッチング素子を2つ直列に接続した組を直流母線間に複数並列に接続したブリッジ回路と、
    前記ブリッジ回路における複数の前記半導体スイッチング素子の導通または遮断をそれぞれ制御するように構成された請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゲートドライブ回路と、
    を有することを特徴とするインバータ回路。
  10. モータを駆動するモータ制御装置であって、
    請求項9に記載のインバータ回路と、
    交流電源からの交流電圧を直流電圧に整流して前記直流母線に給電するように構成された整流部と、
    前記整流部で整流された前記直流母線間の直流電圧を平滑するように構成された平滑コンデンサと、
    を有することを特徴とするモータ制御装置。
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