JP2017117551A - 燃料電池カートリッジ及び燃料電池モジュール並びに燃料電池セルスタックの冷却方法 - Google Patents

燃料電池カートリッジ及び燃料電池モジュール並びに燃料電池セルスタックの冷却方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コストアップやスペースの拡大、運転・制御の複雑化を招かないようにしながら燃料電池セルスタックの発電部の冷却を促進する。
【解決手段】燃料電池セルスタック101と、酸化性ガスをセルスタック101の周囲に供給する酸化性ガス供給ヘッダ221と、セルスタック101の周囲を通過した酸化性ガスを排出する酸化性ガス排出ヘッダ223とを備え、モジュール容器205内に装備される燃料電池カートリッジ203であって、酸化性ガス排出ヘッダ223の内部空間とモジュール容器205内側でかつ燃料電池カートリッジ203の外外側の空間を連通する連通孔20と、酸化性ガス供給管229から酸化性ガス供給ヘッダ221へ供給される酸化性ガスの流れを利用したエゼクタ作用によって、モジュール容器205内の酸化性ガスを酸化性ガス供給ヘッダ221内に導入する周辺流体吸引具10を装備する。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池カートリッジ、及び、これを備えた燃料電池モジュール、並びに、燃料電池セルスタックの冷却方法に関するものである。
燃料ガスと空気などの酸化性ガスとを化学反応させることにより発電する燃料電池が知られている。このうち、固体酸化物型燃料電池(So1id Oxide Fuel Cell:SOFC)は、電解質としてジルコニアセラミックスなどのセラミックスが用いられ、例えば、水素(H)および一酸化炭素(CO)、メタン(CH)などの炭化水素系ガス、都市ガス,天然ガス,石油,メタノール,石炭ガス化ガスなどの炭素質原料をガス化設備により製造したガスを燃料として運転される燃料電池である。このようなSOFCは、イオン伝導率を高めるために作動温度が約700〜1000℃程度と高く、用途の広い高効率な高温型燃料電池として知られている(特許文献1〜3参照)。
このようなSOFCを、例えばマイクロガスタービン(以下、「MGT」と呼ぶ)等の内燃機関と組み合わせた複合発電システムが開発されている。このMGTでは、圧縮機から吐出される圧縮空気を酸化性ガスとしてSOFCの空気極に供給するとともに、SOFCから排出される高温の排燃料ガスを、ブロワを介してMGTの燃焼器に供給して燃焼させ、燃焼器で発生した燃焼ガスでMGTのタービンを回転させて発電機を回転駆動させることで、発電効率の高い発電が可能とされている。
また、このようなSOFCを、GTCC(ガスタービンコンバインドサイクル)に組み合わせたトリプルコンバインドサイクルの開発も進められている。GTCCは、ガスタービンの高い排ガスエネルギーを排ガスボイラと蒸気タービンで熱回収するシステムを有しており、ガスタービンと排ガスボイラ,蒸気タービンとを組み合わせたコンバインドサイクルがあり、高いプラント効率を達成することが可能とされている。このGTCCのトッピング側(ガスタービン側)にさらにSOFCを組み合わせてトリプルコンバインドサイクルとすることで、より高いプラント効率を達成することが可能とされる。
特開平1−320773号公報 特開2014−164903号公報 特開2014−192123号公報
ところで、SOFCは、通常、断熱材を含むケーシング内に、複数の燃料電池カートリッジを備えた燃料電池モジュールとして構成される。燃料電池カートリッジは、複数の燃料電池セルスタックを燃料ガスや酸化性ガスの供給に対して互いに平行に配列して集合させ、これらの一端側に酸化性ガス供給ヘッダ及び燃料排出ヘッダを設け、他端側に酸化性ガス排出ヘッダ及び燃料供給ヘッダを設けて構成される。燃料を燃料電池セルスタックの内部の他端側から一端側に、酸化性ガスを燃料電池セルスタックの周囲の一端側から他端側に、それぞれ流通させながら、燃料と酸化性ガスとの反応により発電を行なう。
SOFCでは、各燃料電池セルスタックの発電時における発電部の温度は、性能,耐久性の観点から一般的には700〜1000℃程度とされるが、燃料電池の発電反応は発熱反応である。このため、発電出力を向上させようとすれば、燃料電池セルスタックの発電部の温度上昇を更に招きながらセルスタックの各部温度が上昇するため、燃料電池カートリッジの各構成機器の温度が上昇して、各構成機器の破損を生じないように配慮する必要がある。
また、燃料電池カートリッジの各燃料電池セルスタックは、電気化学的な発電反応により発熱が加わり発電部の温度は上昇するが、燃料電池セルスタックの長手軸方向両端部分には発電部が無いために発熱が生じない。また、燃料電池セルスタック端部ほど燃料電池カートリッジの外部へと放熱されやすい。このため、燃料電池セルスタック長手軸方向の中央部は発電反応時の発熱が多く周囲へ放熱されにくいために相対的に高温となりやすく、燃料電池セルスタック長手軸方向で温度差が発生する一要因となる。
更に、燃料電池カートリッジ内では、燃料電池カートリッジの周囲への熱量の放散があるために、燃料電池カートリッジ並面方向中央付近の燃料電池セルスタックは、燃料電池カートリッジ内の周囲にある燃料電池セルスタックに比べると、放熱が少なくなり燃料電池セルスタック間での温度差が生じる一要因となる。
以上のように、燃料電池カートリッジの各燃料電池セルスタック間の温度分布に不均一が生じやすい。一方、燃料電池の電気化学的な発電反応は温度が高い領域の方が低い領域に比べて、内部抵抗が小さくなるために電気化学反応が進み易くなるが、逆に温度の低い領域では電気抵抗も大きくなり電気化学的反応が低下して発電量が減少する。すなわち、燃料電池カートリッジの各燃料電池スタックの温度分布を均一化させることで、発電出力を増加させることができる。
そこで、燃料電池カートリッジの発電出力を向上させつつ過度の温度上昇を防ぐためには、燃料電池カートリッジ内の温度分布の均一化が望まれており、燃料電池セルスタックの発電部の冷却を促進して、その温度を上記温度範囲の上限以内に抑えることが必要になる。
特許文献3には、空気用熱交換器をケーシング内の上部(燃料電池カートリッジの上部)に設置し、この空気用熱交換器により外部から導入した発電用空気(酸化性ガス)と、燃料と反応して高温になった燃焼ガス(排出酸化性ガス)との間で熱交換を行なって、発電用空気を予熱することが記載されている(段落0066等)。
このことから、酸化性ガスや燃焼ガスの熱伝達に着目して、燃料電池セルスタックの発電部を冷却することを想起することができる。
つまり、燃料電池カートリッジにおいて、燃料電池セルスタックに供給される酸化性ガスの温度は、燃料電池セルスタックの発電部の温度よりも低いので、燃料電池カートリッジの発電部に供給される酸化性ガスは、発電反応における発熱を冷却する役割を果たしている。したがって、この酸化性ガスの供給量を増加すれば、発電部をより冷却することができるようになり、発電部の過度の温度上昇を防ぐことができるので、発熱部が所定の管理温度範囲の上限に達するまで燃料電池カートリッジの出力を向上することができ、システム出力及び効率を向上させることができる。
そこで、燃料電池セルスタックへの酸化性ガスの供給量を増加させる手段として、排出酸化性ガスを再循環させて、燃料電池セルスタックの酸化性ガス供給ヘッダに戻す再循環系統を構成することが考えられる。しかし、この場合、再循環用のブロワ等の補機が必要となり、設備コストアップ、ランニングコストの上昇やスペースの拡大、運転・制御の複雑化という新たな課題が発生するので、これらの課題を解決できる発電部の冷却技術の開発が要望されている。
本発明は、このような課題に鑑みて創案されたもので、コストアップやスペースの拡大、運転・制御の複雑化をできるだけ招かないようにしながら燃料電池セルスタックの発電部の冷却を促進することができるようにした、燃料電池カートリッジ、及び、これを備えた燃料電池モジュール、並びに、燃料電池セルスタックの冷却方法を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明の燃料電池カートリッジは、燃料電池セルスタックと、複数の前記燃料電池セルスタックの一端側に配置され、酸化性ガス供給管から供給された酸化性ガスを前記燃料電池セルスタックの周囲に供給する酸化性ガス供給ヘッダと、前記燃料電池セルスタックの他端側に配置され、前記燃料電池セルスタックの周囲を通過した酸化性ガスを排出する酸化性ガス排出ヘッダと、を備え、モジュール容器内に装備される燃料電池カートリッジであって、前記酸化性ガス排出ヘッダの内部空間と、前記モジュール容器内側でかつ前記燃料電池カートリッジの外側の空間とを連通する連通孔と、前記酸化性ガス供給管から前記酸化性ガス供給ヘッダへ供給される酸化性ガスの流れを利用したエゼクタ作用によって、前記モジュール容器内の酸化性ガスの少なくとも一部を前記酸化性ガス供給ヘッダ内に導入する周辺流体吸引具とが装備されていることを特徴としている。
(2)前記周辺流体吸引具は、前記酸化性ガス供給管と前記酸化性ガス供給ヘッダとの間に装備されていることが好ましい。
(3)前記酸化性ガス供給ヘッダは、前記酸化性ガス供給管が接続された酸化性ガス供給ダクトと、前記酸化性ガス供給ダクトに形成され、前記酸化性ガス供給ダクト内に供給された酸化性ガスを吹き出す複数の吹出孔と、前記吹出孔から排出された酸化性ガスを、前記酸化性ガス供給隙間に通じる酸化性ガス供給空間に案内する案内面を有する壁部と、を備え、前記周辺流体吸引具は、前記酸化性ガス供給管と前記酸化性ガス供給ダクトとの間に装備されていることが好ましい。
(4)前記酸化性ガス供給ヘッダは、前記酸化性ガス供給管が接続された酸化性ガス供給ダクトと、前記酸化性ガス供給ダクトに形成され、前記酸化性ガス供給ダクト内に供給された酸化性ガスを吹き出す複数の吹出孔と、前記吹出孔から吹き出された酸化性ガスを、前記酸化性ガス供給隙間に通じる酸化性ガス供給空間に案内する案内面を有する壁部と、を備え、前記周辺流体吸引具は、前記複数の吹出孔の内の少なくとも一部の吹出孔と前記酸化性ガス供給空間との間に装備されていることが好ましい。
(5)前記案内面を有する壁部には、前記モジュール容器内の酸化性ガスの少なくとも一部を前記酸化性ガス供給ヘッダの内部に酸化性ガスを導入する導入口が設けられていることが好ましい。
(6)前記周辺流体吸引具は、前記酸化性ガス供給管から供給された酸化性ガスを噴射するノズル部と、前記ノズル部の下流側に設けられ噴射された酸化性ガスが導入される開口を有するデュフューザ部と、前記デュフューザ部の開口に前記モジュール容器内の酸化性ガスの少なくとも一部を吸入させる吸入室と、を有することが好ましい。
(7)本発明の燃料電池モジュールは、モジュール容器内に、(1)〜(6)の何れか一項に記載の燃料電池カートリッジを複数備えたことを特徴としている。
(8)本発明の燃料電池セルスタックの冷却方法は、燃料電池セルスタックと、複数の前記燃料電池セルスタックの一端側に配置され、酸化性ガス供給管から供給された酸化性ガスを前記燃料電池セルスタックの周囲に供給する酸化性ガス供給ヘッダと、前記燃料電池セルスタックの他端側に配置され、前記燃料電池セルスタックの周囲を通過した酸化性ガスを排出する酸化性ガス排出ヘッダと、を備え、モジュール容器内に装備される燃料電池カートリッジにおいて、前記燃料電池セルスタックを冷却する方法であって、前記酸化性ガス排出ヘッダの内部の酸化性ガスの一部を前記モジュール容器内側でかつ前記燃料電池カートリッジの外側の空間に排出させ、前記酸化性ガス供給管から前記酸化性ガス供給ヘッダへ供給される酸化性ガスの流れを利用するエゼクタ作用によって、前記モジュール容器内に排出された酸化性ガスの少なくとも一部を前記酸化性ガス供給ヘッダ内に導入し、前記燃料電池セルスタックへ供給する前記酸化性ガスの流量を増加することを特徴としている。
本発明によれば、酸化性ガス排出ヘッダの内部の酸化性ガスの一部がモジュール容器内に排出され、酸化性ガス供給管から酸化性ガス供給ヘッダへ供給される酸化性ガスの流れを利用するエゼクタ作用によって、モジュール容器内に排出された酸化性ガスが酸化性ガス供給ヘッダ内に導入されるため、燃料電池セルスタックの周囲に供給される酸化性ガスの量を増加させることができ、酸化性ガスによって燃料電池セルスタックの発電部の冷却を促進することができる。
第1,2実施形態に係る燃料電池モジュールを示す分解斜視図である。 第1,2実施形態に係る燃料電池カートリッジを示す断面図である。 第1,2実施形態に係る燃料電池セルスタックを示す断面図である。 第1,2実施形態に係る燃料電池カートリッジの燃料電池セルスタックの冷却手法の概念を説明する燃料電池モジュールの模式的断面図である。 第1実施形態に係る酸化性ガス供給ヘッダを示す斜視図である。 第1実施形態に係る酸化性ガス供給ヘッダを示す図であり、(a)はその平面図、(b)はその側面図〔一部は図6(a)のD−D矢視断面図〕、(c)はその横面図〔図6(a)のC−C矢視断面図〕である。 第1,2実施形態に係る酸化性ガス排出ヘッダを示す斜視図である。 第2実施形態に係る酸化性ガス供給ヘッダを示す斜視図である。 第2実施形態に係る酸化性ガス供給ヘッダを示す図であり、(a)はその平面図、(b)はその側面図である。 第2実施形態に係る酸化性ガス供給ヘッダを示す断面図であり、(a)は図9(a)のA−A矢視断面図、(b)は図9(a)のB−B矢視断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
ここでは、第1実施形態及び第2実施形態の2つの実施形態を説明するが、はじめに図1〜図3を参照して、各実施形態に共通する燃料電池モジュール,燃料電池カートリッジ及び燃料電池セルスタックについて説明する。その後、図2,図4を参照して、第1,2実施形態に共通する燃料電池カートリッジの燃料電池セルスタックの冷却手法の概念を説明し、更に、図5〜図7を参照して第1実施形態に係る酸化性ガス供給ヘッダの構成を、図8〜図10を参照して第2実施形態に係る酸化性ガス供給ヘッダの構成を、それぞれ説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態に共通な構成の説明では、各実施形態を区別せずに、単に、実施形態と言う。
また、以下においては、固体酸化物形燃料電池(SOFC)について、燃料電池セルをSOFCセルと、燃料電池セルスタックをセルスタックと、燃料電池カートリッジをSOFCカートリッジと、燃料電池モジュールをSOFCモジュールとも言う。
[1.各実施形態のSOFCモジュール,SOFCカートリッジ,セルスタック]
以下においては、説明の便宜上、紙面を基準として「上」及び「下」の表現を用いて各構成要素の位置関係を特定するが、鉛直方向に対して必ずしもこの限りである必要はない。例えば、紙面における上方向が鉛直方向における下方向に対応してもよい。また、紙面における上下方向が鉛直方向に直行する水平方向に対応してもよい。
また、以下においては、固体酸化物形燃料電池(SOFC)のセルスタックとして円筒形を例として説明するが、必ずしもこの限りである必要はなく、例えば平板形のセルスタックであってもよい。
(円筒形セルスタックの構造)
まず、図3を参照して各実施形態に係る円筒形セルスタックについて説明する。ここで、図3は、各実施形態に係るセルスタックの一態様を示すものである。セルスタック101は、円筒形状の基体管103と、基体管103の外周面に複数形成された燃料電池セル105と、隣り合う燃料電池セル105の間に形成されたインターコネクタ107とを有する。燃料電池セル105は、燃料極109と固体電解質111と空気極113とが積層して形成されている。また、セルスタック101は、基体管103の外周面に形成された複数の燃料電池セル105の内、基体管103の軸方向において最も端に形成された燃料電池セル105の空気極113に、インターコネクタ107を介して電気的に接続されたリード膜115を有する。
(セルスタックの各構成要素の材料と機能の説明)
基体管103は、多孔質材料からなり、例えば、CaO安定化ZrO(CSZ)、又はY安定化ZrO2(YSZ)、又はMgAlとされる。この基体管103は、燃料電池セル105とインターコネクタ107とリード膜115とを支持すると共に、基体管103の内周面に供給される燃料ガスを基体管103の細孔を介して基体管103の外周面に形成される燃料極109に拡散させるものである。
燃料極109は、Niとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物で構成され、例えば、Ni/YSZが用いられる。この場合、燃料極109は、燃料極109の成分であるNiが燃料ガスに対して触媒作用を有する。この触媒作用は、基体管103を介して供給された燃料ガス、例えば、メタン(CH)と水蒸気との混合ガスを反応させ、水素(H)と一酸化炭素(CO)に改質するものである。また、燃料極109は、改質により得られる水素(H)及び一酸化炭素(CO)と、固体電解質111を介して供給される酸素イオン(O2−)とを固体電解質111との界面付近において電気化学的に反応させて水(HO)及び二酸化炭素(CO)を生成するものである。なお、燃料電池セル105は、この時、酸素イオンから放出される電子によって発電する。
固体電解質111は、ガスを通しにくい気密性と、高温で高い酸素イオン導電性とを有するYSZが主として用いられる。この固体電解質111は、空気極で生成される酸素イオン(O2−)を燃料極109に移動させるものである。
空気極113は、例えば、LaSrMnO系酸化物、又はLaCoO系酸化物で構成される。この空気極113は、固体電解質111との界面付近において、供給される空気等の酸化性ガス中の酸素を解離させて酸素イオン(O2−)を生成するものである。
インターコネクタ107は、SrTiO系などのM1−xTiO(Mはアルカリ土類金属元素、Lはランタノイド元素)で表される導電性ペロブスカイト型酸化物から構成され、燃料ガスと酸化性ガスとが混合しないように緻密な膜となっている。また、インターコネクタ107は、酸化雰囲気と還元雰囲気との両雰囲気下で安定した電気導電性を有する。このインターコネクタ107は、隣り合う燃料電池セル105において、一方の燃料電池セル105の空気極113と他方の燃料電池セル105の燃料極111とを電気的に接続し、隣り合う燃料電池セル105同士を直列に接続するものである。
リード膜115は、電子伝導性を有すること、及びセルスタック101を構成する他の材料との熱膨張係数が近いことが必要であることから、Ni/YSZ等のNiとジルコニア系電解質材料との複合材で構成されている。このリード膜115は、インターコネクタにより直列に接続される複数の燃料電池セル105で発電された直流電力をセルスタック101の端部付近まで導出すものである。
(SOFCモジュールの構造と各要素の機能の説明)
次に、図1と図2とを参照して各実施形態に係るSOFCモジュール及びSOFCカートリッジについて説明する。
SOFCモジュール201は、図1に示すように、例えば、複数のSOFCカートリッジ203と、これら複数のSOFCカートリッジ203を収納する圧力容器(モジュール容器)205とを有する。また、SOFCモジュール201は、燃料ガス供給主管207と複数の燃料ガス供給枝管207aとを有する。また、SOFCモジュール201は、燃料ガス排出主管209と複数の燃料ガス排出枝管209aとを有する。また、SOFCモジュール201は、酸化性ガス供給主管(不図示)と酸化性ガス供給枝管220aとを有する。図2には酸化性ガス供給枝管220aの端部のみを示すが、ここでは、酸化性ガス供給主管と酸化性ガス供給枝管220aとを合わせたものを酸化性ガス供給管220とする。また、SOFCモジュール201は、酸化性ガス排出主管(不図示)と複数の酸化性ガス排出枝管(本発明の酸化性ガス排出管)222aとを有する。図2には酸化性ガス排出枝管222aの端部のみを示すが、ここでは、酸化性ガス排出主管と酸化性ガス排出枝管222aとを合わせたものを酸化性ガス排出管222とする。
燃料ガス供給主管207は、圧力容器205の外部に設けられ、SOFCモジュール201の発電量に対応して所定ガス組成と所定流量の燃料ガスを矢印Gで示すように供給する燃料ガス供給部に接続されると共に、複数の燃料ガス供給枝管207aに接続されている。この燃料ガス供給主管207は、上述の燃料ガス供給部から供給される所定流量の燃料ガスを、複数の燃料ガス供給枝管207aに分岐して導くものである。また、燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給主管207に接続されると共に、複数のSOFCカートリッジ203に接続されている。この燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給主管207から供給される燃料ガスを複数のSOFCカートリッジ203に略均等の流量で導き、複数のSOFCカートリッジ203の発電性能を略均一化させるものである。
燃料ガス排出枝管209aは、複数のSOFCカートリッジ203に接続されると共に、燃料ガス排出主管209に接続されている。この燃料ガス供給枝管209aは、SOFCカートリッジ203から排出される排燃料ガスを燃料ガス排出主管209に導くものである。また、燃料ガス排出主管209は、複数の燃料ガス供給枝管209aに接続されると共に、一部が圧力容器205の外部に配置されている。この燃料ガス排出主管209は、燃料ガス排出枝管209aから略均等の流量で導出される排燃料ガスを圧力容器205の外部に導くものである。
圧力容器205は、内部の圧力が0.1MPa〜約1MPa、内部の温度が大気温度〜約550℃で運用されるので、耐力性と酸化性ガス中に含まれる酸素などの酸化剤に対する耐食性を保有する材質が利用される。例えばSUS304などのステンレス系材が好適である。
ここで、各実施形態においては、複数のSOFCカートリッジ203が集合化されて圧力容器205に収納される態様について説明しているが、これに限られず例えば、SOFCカートリッジ203が集合化されずに圧力容器205内に収納される態様とすることもできる。
SOFCカートリッジ203は、図2に示す通り、複数のセルスタック101と、発電部215と、燃料ガス供給ヘッダ(燃料ガス供給室)217と、燃料ガス排出ヘッダ(燃料ガス排出室)219と、酸化性ガス供給ヘッダ(酸化性ガス供給室)221と、酸化性ガス排出ヘッダ(酸化性ガス排出室)223とを有する。複数のセルスタック101は並列に集合され装備される。また、SOFCカートリッジ203は、上部管板225aと、下部管板225bと、上部断熱体227aと、下部断熱体227bとを有する。なお、各実施形態においては、SOFCカートリッジ203は、燃料ガス供給ヘッダ217と燃料ガス排出ヘッダ219と酸化性ガス供給ヘッダ221と酸化性ガス排出ヘッダ223とが図2に示すように配置されることで、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れる構造となっているが、必ずしもこの必要はなく、例えば、セルスタックの内側と外側とを平行して流れる、または酸化性ガスがセルスタックの長手方向と直交する方向へ流れるようにしても良い。
発電部215は、上部断熱体227aと下部断熱体227bとの間に形成された領域である。この発電部215は、セルスタック101の燃料電池セル105が配置され、燃料ガスと酸化性ガスとを電気化学的に反応させて発電を行なう領域である。また、この発電部215のセルスタック101の長手方向の中間部分が発電を行なう発電部となり、セルスタック101の長手方向の中央部付近での温度は、発電による発熱によって、SOFCモジュール201の定常運転時に、およそ700〜1000℃程度の高温雰囲気となる。
燃料ガス供給ヘッダ217は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aとに囲まれた領域である。また、燃料ガス供給ヘッダ217は、上部ケーシング229aに備えられた燃料ガス供給孔231aによって、燃料ガス供給枝管207aと連通されている。また、燃料ガス供給ヘッダ217には、セルスタック101の一方の端部が、セルスタック101の基体管105の内部が燃料ガス排出ヘッダ219に対して開放して配置されている。この燃料ガス供給ヘッダ217は、燃料ガス供給枝管207aから燃料ガス供給孔231aを介して供給される燃料ガスを、複数のセルスタック101の基体管105の内部に略均一流量で導き、複数のセルスタック101の発電性能を略均一化させるものである。
燃料ガス排出ヘッダ219は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bとに囲まれた領域である。また、燃料ガス排出ヘッダ219は、下部ケーシング229bに備えられた燃料ガス排出孔231bによって、燃料ガス排出枝管209aと連通されている。また、燃料ガス排出ヘッダ219には、セルスタック101の他方の端部が、セルスタック101の基体管105の内部が燃料ガス排出ヘッダ219に対して開放して配置されている。この燃料ガス排出ヘッダ219は、複数のセルスタック101の基体管105の内部を通過して燃料ガス排出ヘッダ219に供給される排燃料ガスを集約して、燃料ガス排出孔231bを介して燃料ガス排出枝管209aに導くものである。
SOFCモジュール201の発電量に対応して所定ガス組成と所定流量の酸化性ガスを酸化性ガス供給枝管220aへと分岐して、複数のSOFCカートリッジ203へ供給する。酸化性ガス供給ヘッダ221は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bと下部支持体227bとに囲まれた領域である。また、酸化性ガス供給ヘッダ221は、下部ケーシング229bに備えられた酸化性ガス供給孔233aによって、酸化性ガス供給管220の酸化性ガス供給枝管と連通されている。この酸化性ガス供給ヘッダ221は、酸化性ガス供給管220から酸化性ガス供給孔233aを介して供給される所定流量の酸化性ガスを、後述する酸化性ガス供給隙間235aを介して発電部215に導くものである。
酸化性ガス排出ヘッダ223は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aと上部支持体227aとに囲まれた領域である。また、酸化性ガス排出ヘッダ223は、上部ケーシング229aに備えられた酸化性ガス排出孔233bによって、酸化性ガス排出管222の酸化性ガス排出枝管222aと連通されている。この酸化性ガス排出ヘッダ223は、発電部215から、後述する酸化性ガス排出隙間235bを介して燃料ガス排出ヘッダ223に供給される排酸化性ガスを、酸化性ガス排出孔233bを介して酸化性ガス排出管222の酸化性ガス排出枝管222aに導くものである。
上部管板225aは、上部ケーシング229aの天板と上部断熱体227aとの間に、上部管板225aと上部ケーシング229aの天板と上部断熱体227aとが略平行になるように、上部ケーシング229aの側板に固定されている。また、上部管板225aは、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応した複数の孔を有し、該孔にはセルスタック101が夫々挿入されている。この上部管板225aは、複数のセルスタック101の一方の端部をシール部材及び接着部材のいずれか一方又は両方を介して気密に支持すると共に、燃料ガス供給ヘッダ217と酸化性ガス排出ヘッダ223とを隔離するものである。
下部管板225bは、下部ケーシング229bの底板と下部断熱体227bとの間に、下部管板225bと下部ケーシング229bの底板と下部断熱体227bとが略平行になるように下部ケーシング229bの側板に固定されている。また下部管板225bは、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応した複数の孔を有し、該孔にはセルスタック101が夫々挿入されている。この下部管板225bは、複数のセルスタック101の他方の端部をシール部材及び接着部材のいずれか一方又は両方を介して気密に支持すると共に、燃料ガス排出ヘッダ219と酸化性ガス供給ヘッダ221とを隔離するものである。
上部断熱体227aは、上部ケーシング229aの下端部に、上部断熱体227aと上部ケーシング229aの天板と上部管板225aとが略平行になるように配置され、上部ケーシング227aの側板に固定されている。また、上部断熱体227aには、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応して、複数の孔が設けられている。この孔の直径はセルスタック101の外径よりも大きく設定されている。上部断熱体227aは、この孔の内面と、上部断熱体227aに挿通されたセルスタック101の外面との間に形成された酸化性ガス排出隙間235bを有する。
この上部断熱体227aは、発電部215と酸化性ガス排出ヘッダ223とを仕切るものであり、上部管板225aの周囲の雰囲気が高温化し強度低下や酸化性ガス中に含まれる酸化剤による腐食が増加することを抑制する。上部管板225a等はインコネルなどの高温耐久性のある金属材料から成るが、上部管板225a等が発電部215内の高温に晒されて上部管板225a等内の温度差が大きくなることで熱変形することを防ぐものである。また、上部断熱体227aは、発電部215を通過して高温に晒された排酸化性ガスを、酸化性ガス排出隙間235bを通過させて酸化性ガス排出ヘッダ223に導くものである。
本実施形態によれば、上述したSOFCカートリッジ203の構造により、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。このことにより、排酸化性ガスは、基体管105の内部を通って発電部105に供給される燃料ガスとの間で熱交換がなされ、金属材料から成る上部管板225a等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて酸化性ガス排出ヘッダ223に供給される。また、燃料ガスは、発電部215から排出される排酸化性ガスとの熱交換により昇温され、発電部215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に適した温度に予熱昇温された燃料ガスを発電部215に供給することができる。
下部断熱体227bは、下部ケーシング229bの上端部に、下部断熱体227bと下部ケーシング229bの底板と下部管板225bとが略平行になるように配置され、上部ケーシング227aの側板に固定されている。また、下部断熱体227bには、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応して、複数の孔が設けられている。この孔の直径はセルスタック101の外径よりも大きく設定されている。下部断熱体227bは、この孔の内面と、下部断熱体227bに挿通されたセルスタック101の外面との間に形成された酸化性ガス供給隙間235aを有する。
この下部断熱体227bは、発電部215と酸化性ガス供給ヘッダ221とを仕切るものであり、下部管板225bの周囲の雰囲気が高温化し強度低下や酸化性ガス中に含まれる酸化剤による腐食が増加することを抑制する。下部管板225b等はインコネルなどの高温耐久性のある金属材料から成るが、下部管板225b等が高温に晒されて下部管板225b等内の温度差が大きくなることで熱変形することを防ぐものである。また、下部断熱体227bは、酸化性ガス供給ヘッダ233に供給される酸化性ガスを、酸化性ガス供給隙間235aを通過させて発電部215に導くものである。
本実施形態によれば、上述したSOFCカートリッジ203の構造により、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。このことにより、基体管105の内部を通って発電部215を通過した排燃料ガスは、発電部215に供給される酸化性ガスとの間で熱交換がなされ、金属材料から成る下部管板225b等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて燃料ガス排出ヘッダ219に供給される。また、酸化性ガスは排燃料ガスとの熱交換により昇温され、発電部215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に必要な温度に昇温された酸化性ガスを発電部215に供給することができる。
発電部215で発電された直流電力は、複数の燃料電池セル105に設けたNi/YSZ等からなるリード膜115によりセルスタック101の端部付近まで導出した後に、SOFCカートリッジ203の集電棒(不図示)に集電板(不図示)を介して集電して、各SOFCカートリッジ203の外部へと取り出される。前記集電棒によってSOFCカートリッジ203の外部に導出された電力は、各SOFCカートリッジ203の発電電力を所定の直列数および並列数へと相互に接続され、SOFCモジュール201の外部へと導出されて、図示しないインバータなどにより所定の交流電力へと変換されて、電力負荷へと供給される。
[2.各実施形態のSOFCカートリッジのセルスタックの冷却手法]
次に、各実施形態のSOFCカートリッジにおけるセルスタックの冷却手法の概念を説明する。
図2,図4に示すように、SOFCカートリッジ203において、酸化性ガス排出ヘッダ223には、酸化性ガス排出孔233bとは別に、酸化性ガス排出ヘッダ223の内部と外部とを連通する連通孔20が短辺部60Sの外周壁67の開口ジョイント部61の付近に設けられている。また、酸化性ガス供給ヘッダ221の外部又は内部には、酸化性ガス供給管220から酸化性ガス供給ヘッダ221へ供給される酸化性ガスの流れを利用して、酸化性ガス排出ヘッダ223から連通孔20を通じて圧力容器205内に排出された酸化性ガス(排酸化性ガス)を酸化性ガス供給ヘッダ221内に導入する周辺流体吸引具10が装備されている。
この周辺流体吸引具10は、酸化性ガス供給管220から供給された酸化性ガスを噴射するノズル部11と、ノズル部11の下流側に設けられ噴射された酸化性ガスが導入される入口側の開口12aを有するディフューザ部12と、デュフューザ部12の開口12aに圧力容器205内の酸化性ガスを吸入させる吸入室13とをそなえた、いわゆるエゼクタである。周辺流体吸引具10は、供給する酸化性ガスが自ら保有する圧力エネルギを利用するものであり、ポンプなど動力の付与が不要である。吸入室13にはSOFCカートリッジ203の外部の流体である酸化性ガスを吸入室13内に導入する導入口13aが設けられている。ここでいう外部とは、断熱材やケーシングなどで囲まれたSOFCカートリッジ203の外部側空間であるとともに、圧力容器205内部側である空間をいう。 本実施形態における「外部の流体」の具体的事例は、例えば、排出される排酸化性ガスにSOFCカートリッジ203に供給される酸化性ガスの一部が漏れ出したものが混在する気体であり、酸素を含む再循環する酸化性ガスとして使用可能な気体である。
図2ならびに図6に示すように、周辺流体吸引具10のノズル部11は、噴射口11aに向かって流路断面積が次第に小さくなる先細り状に形成されているので、酸化性ガス供給管220から供給されてノズル部11の内部を流通する酸化性ガスが高速で噴射される。このノズル部11から噴射された流体は、吸入室13内で、その外部(圧力容器205内の吸入室13外部)から再循環して導入された酸化性ガスを同伴混合し、速度を減じながらディフューザ部12に進入する。ディフューザ部12は、開口12a付近は上流側に向けてやや拡径し噴射口11aから噴射される流体及び吸入室13内の流体を吸引しやすくなっているが、この部分よりも下流側は、下流に向かって流路断面積が次第に大きくなっている。このため、酸化性ガスは、ディフューザ部12内で流速を減少されながら、ほとんど損失なく圧力エネルギを回復してディフューザ部12から下流に流出される。なお、図2,図4において、実線矢印は圧力容器205の外側から導入された酸化性ガスを示し、破線矢印は外部(圧力容器205の内側)で再循環する酸化性ガスを示す。
この結果、吸入室13で同伴混合した再循環の酸化性ガス(排酸化性ガス)の流量増加により分だけ、酸化性ガス供給ヘッダ221から酸化性ガス供給隙間235aを介して発電部215内の各セルスタック101の周囲に導入される酸化性ガスの流量が増加する。セルスタック101の周囲に供給される酸化性ガスの温度は、セルスタック101の発電部の温度よりも低いので、発電部に供給される酸化性ガスは、発電反応における発熱を冷却する役割を果たし、特にセルスタック101の軸方向中間部付近の相対的に温度が高い領域は酸化性ガスとの温度差がおおきいことから、冷却効果が大きくなる。すなわち、酸化性ガスの流量増加分によりセルスタック101の冷却効果を高めることに有効となる。酸化性ガスの流量増加により、セルスタック101の軸方向中央部の温度の高い領域の冷却量が増加し、発電部における温度分布の均等化を促進される。
以下、この周辺流体吸引具10を備えた酸化性ガス供給ヘッダ221及び連通孔220を有する酸化性ガス排出ヘッダ223の具体的な構成例を、第1実施形態及び第2実施形態として説明する。なお、第1実施形態では、周辺流体吸引具10が酸化性ガス供給ヘッダ221に外付けされ、第2実施形態では、周辺流体吸引具10が酸化性ガス供給ヘッダ221に内蔵される。
[3.第1実施形態]
(構成)
第1実施形態にかかる酸化性ガス供給ヘッダ221は、図5,図6に示すように、酸化性ガス供給ダクト50を備えている。この酸化性ガス供給ダクト50は、酸化性ガスをSOFCカートリッジ203の周方向に均一に分配化させた後に各酸化性ガス供給隙間235aに供給して、発電部215へ略均一に吹出して、供給する酸化性ガスを均一化させるためのものである。
図6に示すように、酸化性ガス供給ダクト50は、酸化性ガス供給ヘッダ221の外周部分に配置され、酸化性ガス供給ヘッダ221の平面視の外周形状に沿うように、長辺部50L,50Lと短辺部50S,50Sとからなる長方形のフレーム形状に形成される。各短辺部50S,50Sには、周辺流体吸引具10に接続される接続管14が連通接続される開口ジョイント部51がそれぞれ2つ設けられている。
酸化性ガス供給ダクト50は、この開口ジョイント部51が設けられている部分を除けば、長手方向に垂直方向の何れの横断面も図6(c)に示すように形成される。つまり、酸化性ガス供給ダクト50の内部には横断面が矩形の空間52があり、この空間52内を酸化性ガスが流通して充満する。空間52の底壁58には空間52内の酸化性ガスを鉛直方向の下方側に吹き出す吹出孔53が穿設されている。
この吹出孔53は、図6(a)に示すように、長辺部50L,50L及び短辺部50S,50Sの各底壁58に、直列状に配置して並んで多数形成されている。吹出孔53は、ここでは、長辺部50L,50L及び短辺部50S,50Sの各端部近傍において密となり、長辺部50L,50L及び短辺部50S,50Sの中間部に向かって疎となるように配置されている。このような吹出孔53の配置により、酸化性ガスをSOFCカートリッジ203の周方向に均一に分配化させた後に、各酸化性ガス供給隙間235aに供給して、各セルスタック101への吹出し量を均一に最適化することができる。
また、図6(c)に示すように、酸化性ガス供給ダクト50の鉛直方向で下方の、吹出孔53から酸化性ガスが吹き出される空間55には、横断面がL字型の壁部54が酸化性ガス供給ダクト50に沿って形成されている。この壁部54の内面54aは、吹出孔53から吹き出された酸化性ガスを酸化性ガス供給ヘッダ221の内部空間56に案内する案内面となっている。なお、内部空間56は、図2に示すように酸化性ガス供給隙間235aを介して発電部215と連通している。
また、図6(c)には、酸化性ガス供給ダクト50を酸化性ガス供給ヘッダ221として設置した際に周辺に位置する部材を二点鎖線で示しており、酸化性ガス供給ダクト50は、下部断熱体227bと下部管板225bとの間に、下部ケーシング229bの側壁部に沿うように設置される。下部断熱体227bには、挿通されたセルスタック101の外面(リード部115)との間に酸化性ガス供給隙間235aが形成されている(図2参照)。
本実施形態では、周辺流体吸引具10は、酸化性ガス供給ダクト50の各短辺部50S,50Sにおいて、SOFCカートリッジ203に接続される酸化性ガス供給管220の酸化性ガス供給枝管220aと、酸化性ガス供給ダクト50の開口ジョイント部51との間に介装されている。なお、開口ジョイント部51は各短辺部50S,50Sにそれぞれ2つ設けられているが、周辺流体吸引具10は下流側が二股に分岐した接続管14を介して各開口ジョイント部51と接続されるので、周辺流体吸引具10は各短辺部50S,50Sに1つのみ設置されている。なお、開口ジョイント部51の数量は2つに限るものでなく、1つでも3つ以上でも良い。開口ジョイント部51の数量に併せて分岐数を合わせた接続管14を準備して接続する。
周辺流体吸引具10は、既に説明したように、ノズル部11と、ディフューザ部12と、吸入室13とをそなえ、ノズル部11の上流端が酸化性ガス供給枝管220aの下流端と接続され、ディフューザ部12の下流端(出口側の開口端)が、接続管14の上流端と連通接続されている。接続管14の2つに分岐した各下流端は、それぞれ対応する開口ジョイント部51に接続されている。なお、図5では吸入室13の表示を省略している。
ノズル部11は、噴射口11aに向かって流路断面積が次第に小さくなる先細り状に形成されている。ディフューザ部12は、開口12a付近は上流側に向けてやや拡径し噴射口11aから噴射される流体及び吸入室13内の流体(酸化性ガス)を吸引しやすくなっているが、この部分よりも下流側は、下流に向かって流路断面積が次第に大きくなっている。また、吸入室13には外部の流体(酸化性ガス)を吸入室13内に導入する導入口13aが設けられている。
また、第1実施形態にかかる酸化性ガス排出ヘッダ223は、図7に示すように、排酸化性ガス排出ダクト60を備えている。この排酸化性ガス排出ダクト60は、各酸化性ガス排出隙間235bから排酸化性ガスを周方向から均一化させて排出することにより、酸化性ガスの流れを整流化して、各セルスタック101へ供給する酸化性ガスの流量を均一化させるためのものである。
排酸化性ガス排出ダクト60は、酸化性ガス排出ヘッダ223の外周部分に配置され、酸化性ガス排出ヘッダ223の平面視の外周形状に沿うように、長辺部60L,60Lと短辺部60S,60Sとからなる長方形のフレーム形状に形成される。各短辺部60S,60Sには、酸化性ガス排出管222の酸化性ガス排出枝管222aと接続される開口ジョイント部61がそれぞれ設けられている。
排酸化性ガス排出ダクト60は、この開口ジョイント部61が設けられている部分を除けば、何れの横断面も図7(b)に示すように形成される。つまり、排酸化性ガス排出ダクト60の内部には横断面が矩形の空間62があり、排酸化性ガス排出ダクト60の内側壁67には、酸化性ガス排出ヘッダ223の内部空間65と連通する排出孔63が穿設されている。なお、内部空間65は、酸化性ガス排出隙間235bを介して発電部215と連通している。
この排出孔63は、図7(a)に示すように、長辺部60L,60L及び短辺部60S,60Sの各内側壁67に、列状に並んで多数形成されている。ここでは、排出孔63は、長辺部60L,60L及び短辺部60S,60Sにほぼ等間隔に配置されているが、酸化性ガスの周方向における均一化をより最適化する上でより好ましい配置間隔があれば、それに応じて排出孔63を配置すれば良い。
例えば、図6(a)で説明した酸化性ガス供給ダクト50での吹出孔53のように、排酸化性ガス排出ダクト60においても排出孔63を長辺部60L,60L及び短辺部60S,60Sの各端部近傍において密となり、長辺部60L,60L及び短辺部60S,60Sの中間部に向かって疎となるように配置することで、排酸化性ガスの排出量の周方向における均一化を最適化してもよい。
なお、図7(b)には、排酸化性ガス排出ダクト60を排酸化性ガス排出ヘッダ223として設置した際に周辺に位置する部材を二点鎖線で示しており、排酸化性ガス排出ダクト60は、上部断熱体227aとか上部管板225aとの間に、上部ケーシング229aの側壁部に沿うように設置される。上部断熱体227aには、挿通されたセルスタック101の外面との間に酸化性ガス排出隙間235bが形成されている(図2参照)。
これにより、発電部215で発電に供された後の酸化性ガスは、酸化性ガス排出隙間235bを介して内部空間65に導入され、さらに、排出孔63を介して空間62内に導入されて、開口ジョイント部61から酸化性ガス排出管222を経て圧力容器205の外部に排出される。開口ジョイント部61は、内部空間65に直接開口しておらず、内部空間65は、排出孔63及び排酸化性ガス排出ダクト60を介して開口ジョイント部61と連通しているので、各酸化性ガス排出隙間235bから酸化性ガスが周方向に均一化されて排出される。
そして、図7(a)に示すように、排酸化性ガス排出ダクト60の外側壁67には、排酸化性ガス排出ダクト60の内部の空間62と、外部(圧力容器205内部側でSOFCカートリッジ203の外部側)の空間とを連通する連通孔20が穿設されている。この連通孔20は、ここでは、短辺部60S,60Sの各外側壁67に、各1箇所形成されていて、多数設けられた排出孔63の合計した排気面積と同等若しくはこれよりも少し大きくなるように径サイズが形成され、酸化性ガス排出ヘッダ223の内部空間65からの均一な排気が行なわれるようにしている。
つまり、排酸化性ガス排出ダクト60の空間62内では、排出孔63から導入された酸化性ガスが、主として開口ジョイント部61から酸化性ガス排出管222を経て圧力容器205の外部に排出されるが、その一部が連通孔20を経て酸化性ガス排出ヘッダ223の外部に導出されるようになっている。この連通孔20から導出された酸化性ガス(排酸化性ガス)の一部は、圧力容器205内で周辺流体吸引具10の吸入室13へ流入し、再びSOFCカートリッジ203の外部から内部に流入するように再循環するため、この再循環を円滑に行なえるように、連通孔20を周辺流体吸引具10の上方の短辺部60S,60Sのみに排出場所を制限するように設けられている。
(作用及び効果)
第1実施形態に係るSOFCカートリッジ203は、このように、酸化性ガス供給ヘッダ221の入口部分に、周辺流体吸引具10が装備されているので、周辺流体吸引具10により、酸化性ガス供給ヘッダ221へ導入される酸化性ガスの流量が増大し、発電部215内の各セルスタック101の周囲に導入される酸化性ガスの流量が増加する。セルスタック101の周囲に供給される酸化性ガスの温度は、セルスタック101の発電部の温度よりも低いので、発電部に供給される酸化性ガスは、発電反応における発熱を冷却する役割を果たし、酸化性ガスの流量増加分によりセルスタック101の発電部の冷却効果が高められる。また流量増加によりセルスタック101の軸方向中央部の温度の高い領域の冷却量が増加し、発電部における温度分布の均等化を促進される。
SOFCカートリッジ203は、温度が高い領域では内部抵抗が小さくなるために電気化学反応が進み易くなるが、逆に温度の低い領域では電気抵抗も大きくなり電気化学的反応が低下して発電量が減少するため、SOFCカートリッジ203の各SOFCスタック101の発電部の温度分布をより均一化させることで、発電出力をより増加させることができる。
周辺流体吸引具10は、供給する酸化性ガスが自ら保有する圧力エネルギを利用するものであり、ポンプなど動力の付与が不要であり、再循環用のブロワ等の補機も不要であるうえ、構造もシンプルで且つ僅かなスペースに設置することができる。したがって、コストアップやスペースの拡大、運転・制御の複雑化という新たな課題を招くことなく、セルスタック101の発電部の冷却効果を高めることができる。
つまり、SOFCモジュール201外から供給する酸化性ガスの圧力エネルギによる流れを利用して圧力容器205内の排酸化性ガスを引き込むものであるため、発電部と圧力容器205内との温度差の伴う対流が小さく、SOFCカートリッジ203の鉛直方向下部から上部へと向かう煙突効果が小さい時でも、酸化性ガスの逆流を確実に防止できるので発電部の冷却効果が促進される。
また、酸化性ガス供給ヘッダ221により酸化性ガスをSOFCカートリッジ203下部からセルスタック101へと均等に供給し、酸化性ガス排出ヘッダ223により発電部215から酸化性ガスを均等に排出するので発電部における温度分布の均等化を図ることができる効果があるが、これに加えて、酸化性ガス排出ヘッダ223の連通孔20から酸化性ガスを圧力容器205内に排酸性化ガスとして吐き出すことで、再びSOFCカートリッジ203の外部から内部に流入するように再循環するため、発電部における酸性化ガスの流れが均一化され、発電部における温度分布の均等化を促進できる効果もある。
また、本実施形態の周辺流体吸引具10は、酸化性ガス供給管220の酸化性ガス供給枝管220aと、酸化性ガス供給ダクト50の開口ジョイント部51との間、即ち、酸化性ガス供給ヘッダ221の外部に、外付けされて装備されるので、既存のSOFCカートリッジ203に僅かな変更をするだけで実施することができ、コストアップを抑制できる。
[4.第2実施形態]
(構成)
第2実施形態にかかる酸化性ガス供給ヘッダ221も、図8〜図10に示すように、第1実施形態の酸化性ガス供給ダクト50と同様な酸化性ガス供給ダクト50Aを備えている。図8〜図10において、図5,図6と同様な符号は同様な部材を示しているので、これらについては説明を簡略化し、本実施形態の酸化性ガス供給ダクト50Aに特有な構成を中心に説明する。
図8,図9に示すように、酸化性ガス供給ダクト50Aは、酸化性ガス供給ヘッダ221の外周部分に配置され、酸化性ガス供給ヘッダ221の平面視の外周形状に沿うように、長辺部50L,50Lと短辺部50S,50Sとからなる長方形のフレーム形状に形成される。
各短辺部50S,50Sには、酸化性ガス供給管220の酸化性ガス供給枝管220aがそれぞれ連通接続される開口ジョイント部51が2つずつ設けられている。なお、酸化性ガス供給枝管220aが各短辺部50S,50Sに1本だけ配管される場合には、第1実施形態と同様に、下流が分岐した接続管14を介して、酸化性ガス供給枝管220aと開口ジョイント部51とを接続する。
酸化性ガス供給ダクト50Aも、図10(a),(b)に示すように、その内部には横断面が矩形の空間52があり、この空間52内を酸化性ガスが流通する。また、空間52の底壁58には空間52内の酸化性ガスを下方に吹き出す吹出孔53が穿設されている。
この吹出孔53は、図9(a),図10(a),(b)に示すように、長辺部50L,50L及び短辺部50S,50Sの各底壁58に、直列状に設置して並んで多数形成されている。吹出孔53は、ここでは、長辺部50L,50L及び短辺部50S,50Sの各端部近傍において密となり、長辺部50L,50L及び短辺部50S,50Sの中間部に向かって疎となるように配置されている。このような吹出孔53の配置により、酸化性ガスをSOFCカートリッジ203の周方向に均一に分配化させた後に、各酸化性ガス供給隙間235aに供給して、各セルスタック101への吹出し量の均一性を最適化することができる。
図10に示すように、酸化性ガス供給ダクト50Aの下方の、吹出孔53から酸化性ガスが吹き出される空間55に、横断面がL字型の壁部54が酸化性ガス供給ダクト50に沿って形成されている。この壁部54の内面54aは、吹出孔53から吹き出された酸化性ガスを酸化性ガス供給ヘッダ221の内部空間56に案内する案内面となっている。なお、内部空間56は、酸化性ガス供給隙間235aを介して発電部215と連通している。
本実施形態では、図8〜図10に示すように、空間55内において、一部の吹出孔53に対応する位置に、周辺流体吸引具10Aが装備され、出口側の開口12bへと酸化性ガスの気流が流れるようになっている。
周辺流体吸引具10Aは、既に説明したように、ノズル部11Aと、ディフューザ部12Aと、吸入室13Aとをそなえている。
図10(a),(b)に示すように、ノズル部11Aは、その上流端が吹出孔53と連通するように接続され、中間部は屈曲されて噴射口11aが酸化性ガス供給ヘッダ221の内部空間56の方向に向けられている。ディフューザ部12は、噴射された酸化性ガスが導入される位置に入口側の開口12aが配置され、拡径する下流側が内部空間56に向けられ、出口側の開口12bが内部空間56に開口している。また、空間55と内部空間56との間は、ディフューザ部12の下流側開口以外の箇所を仕切る壁部59が設けられている。この壁部59で仕切られると共に図示しない壁部で空間55内が長手方向(図10の紙面と直交する方向)にも仕切られて、吸入室13Aが形成されている。
吹出孔53から出口側の開口12bへと流通する酸化性ガスが、酸化性ガス供給ダクト50Aで均一に噴出して流通するように、吹出孔53および出口側の開口12bは細長いスリット状に形成されていてもよい。また吹出孔53および出口側の開口12bの配置も必ずしも等間隔である必要は無く、疎な部分と密な部分の配置を保有させて均一性を向上させてもよい。
また、空間55を区画する壁部54の側壁部の一部には、外部(圧力容器205内のSOFCカートリッジ203の外部)の酸化性ガスを吸入室13A内に導入する導入口15が設けられている。ここでは、図10(a)に示すように、開口ジョイント部51の紙面で下部に対応して設けられた周辺流体吸引具10Aのディフューザ部12Aの軸線上に導入口15が設けられている。したがって、導入口15は、各短辺部50S,50Sに2つずつ設けられる。
一方、各長辺部50L,50Lに設けられた周辺流体吸引具10Aは、図10(b)に示すように、導入口15が付近に直接設けられていないが、酸化性ガス供給ダクト50Aの内側にある空間55が長手方向に延在して連通しており、導入口15から導入された排酸化性ガスが、周辺流体吸引具10Aの全周にわたり、導入が可能となっている。
また、第2実施形態にかかる酸化性ガス排出ヘッダ223は、図7に示す第1実施形態にかかる酸化性ガス排出ヘッダ223と同様に排酸化性ガス排出ダクト60を備えており、ここでは、説明を簡略化するが、酸化性ガス排出ヘッダ223の内部空間(排酸化性ガス排出ダクト60の空間62)と外部(圧力容器205内部側で、SOFCカートリッジ203の外部側)の空間とを連通する連通孔20が穿設されている。
(作用及び効果)
本実施形態に係るSOFCカートリッジ203は、このように、酸酸化性ガス供給ヘッダ221の内部に、周辺流体吸引具10Aが装備されているので、周辺流体吸引具10により排酸化性ガスの一部を再循環として取り込むことで、発電部215内の各セルスタック101の周囲に導入される酸化性ガスの流量が増加する。セルスタック101の周囲に供給される酸化性ガスの温度は、セルスタック101の発電部の温度よりも低いので、発電部215に供給される酸化性ガスは、発電反応における発熱を冷却する役割を果たし、酸化性ガスの流量増加分によりセルスタック101の発電部の冷却効果を高めることができる。また流量増加によりセルスタック101の軸方向中央部の温度の高い領域の冷却量が増加し、発電部における温度分布の均等化を促進される。SOFCカートリッジ203は、各SOFCスタック101の発電部の温度分布をより均一化させることで、発電出力をより増加させることができる。
第1実施形態と同様に、周辺流体吸引具10は、自ら保有する圧力エネルギを利用するものであり、ポンプなど動力の付与は不要であり、再循環用のブロワ等の補機も不要であるうえ、構造もシンプルで僅かなスペースに設置することができる。したがって、コストアップやスペースの拡大、運転・制御の複雑化という新たな課題招くことなく、セルスタック101の発電部の冷却効果を高めることができる。
また、本実施形態の周辺流体吸引具10は、酸化性ガス供給ヘッダ221の内部に装備させることができるので、セルスタック101の外形を特別に大型化させることなく、セルスタック101の発電部の冷却効果を高め、複数のセルスタック101の温度分布を改善し、発電出力を増加することができる。
[5.その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施形態を適宜変更して実施することができる。
例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせて実施することも有効である。
また、周辺流体吸引具は、酸化性ガス供給管から酸化性ガス供給ヘッダへ供給される酸化性ガスの流れを利用したエゼクタ作用によって周辺流体である排酸化性ガスを吸引して酸化性ガス供給ヘッダ内に導入できるものであればよく、上記実施形態のものに限定されない。
また、周辺流体吸引具の配置個所も、上記実施形態のものに限定されない。
また、例えば第2実施形態のように酸化性ガス供給ダクトを利用して、周辺流体吸引具を設置する場合を除いて、酸化性ガス供給ヘッダにおける酸化性ガス供給ダクトや酸化性ガス排出ヘッダにおける排酸化性ガス排出ダクトも必須ではなく、省略可能である。
10 周辺流体吸引具
11 ノズル部
11a ノズル部11
12 デュフューザ部
12a デュフューザ部12の入口側の開口
12b 出口側の開口
13 吸入室
13a 導入口
14 接続管
15 導入口
20 連通孔
50,50A 酸化性ガス供給ダクト
53 吹出孔
54 案内面54aを有する壁部
54a 案内面
56 酸化性ガス供給空間
60 排酸化性ガス排出ダクト
101 燃料電池セルスタック(セルスタック)
201 燃料電池モジュール(SOFCモジュール)
203 燃料電池カートリッジ(SOFCカートリッジ)
205 圧力容器(モジュール容器)
215 発電部
220 酸化性ガス供給管
220a 酸化性ガス供給枝管
221 酸化性ガス供給ヘッダ(酸化性ガス供給室)
222 酸化性ガス排出管
222a 酸化性ガス排出枝管
223 酸化性ガス排出ヘッダ(酸化性ガス排出室)
235a 酸化性ガス供給隙間
235b 酸化性ガス排出隙間

Claims (8)

  1. 燃料電池セルスタックと、
    複数の前記燃料電池セルスタックの一端側に配置され、酸化性ガス供給管から供給された酸化性ガスを前記燃料電池セルスタックの周囲に供給する酸化性ガス供給ヘッダと、
    前記燃料電池セルスタックの他端側に配置され、前記燃料電池セルスタックの周囲を通過した酸化性ガスを排出する酸化性ガス排出ヘッダと、
    を備え、モジュール容器内に装備される燃料電池カートリッジであって、
    前記酸化性ガス排出ヘッダの内部空間と、前記モジュール容器内側でかつ前記燃料電池カートリッジの外側の空間とを連通する連通孔と、
    前記酸化性ガス供給管から前記酸化性ガス供給ヘッダへ供給される酸化性ガスの流れを利用したエゼクタ作用によって、前記モジュール容器内の酸化性ガスの少なくとも一部を前記酸化性ガス供給ヘッダ内に導入する周辺流体吸引具とが装備されている
    ことを特徴とする燃料電池カートリッジ。
  2. 前記周辺流体吸引具は、前記酸化性ガス供給管と前記酸化性ガス供給ヘッダとの間に装備されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池カートリッジ。
  3. 前記酸化性ガス供給ヘッダは、
    前記酸化性ガス供給管が接続された酸化性ガス供給ダクトと、
    前記酸化性ガス供給ダクトに形成され、前記酸化性ガス供給ダクト内に供給された酸化性ガスを吹き出す複数の吹出孔と、
    前記吹出孔から排出された酸化性ガスを、前記酸化性ガス供給隙間に通じる酸化性ガス供給空間に案内する案内面を有する壁部と、を備え、
    前記周辺流体吸引具は、前記酸化性ガス供給管と前記酸化性ガス供給ダクトとの間に装備されていることを特徴とする請求項2記載の燃料電池カートリッジ。
  4. 前記酸化性ガス供給ヘッダは、
    前記酸化性ガス供給管が接続された酸化性ガス供給ダクトと、
    前記酸化性ガス供給ダクトに形成され、前記酸化性ガス供給ダクト内に供給された酸化性ガスを吹き出す複数の吹出孔と、
    前記吹出孔から吹き出された酸化性ガスを、前記酸化性ガス供給隙間に通じる酸化性ガス供給空間に案内する案内面を有する壁部と、を備え、
    前記周辺流体吸引具は、前記複数の吹出孔の内の少なくとも一部の吹出孔と前記酸化性ガス供給空間との間に装備されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池カートリッジ。
  5. 前記案内面を有する壁部には、前記モジュール容器内の酸化性ガスの少なくとも一部を前記酸化性ガス供給ヘッダの内部に酸化性ガスを導入する導入口が設けられていることを特徴とする請求項4記載の燃料電池カートリッジ。
  6. 前記周辺流体吸引具は、
    前記酸化性ガス供給管から供給された酸化性ガスを噴射するノズル部と、
    前記ノズル部の下流側に設けられ噴射された酸化性ガスが導入される開口を有するデュフューザ部と、
    前記デュフューザ部の開口に前記モジュール容器内の酸化性ガスの少なくとも一部を吸入させる吸入室と、
    を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の燃料電池カートリッジ。
  7. モジュール容器内に、請求項1〜6の何れか一項に記載の燃料電池カートリッジを複数備えたことを特徴とする燃料電池モジュール。
  8. 燃料電池セルスタックと、
    複数の前記燃料電池セルスタックの一端側に配置され、酸化性ガス供給管から供給された酸化性ガスを前記燃料電池セルスタックの周囲に供給する酸化性ガス供給ヘッダと、
    前記燃料電池セルスタックの他端側に配置され、前記燃料電池セルスタックの周囲を通過した酸化性ガスを排出する酸化性ガス排出ヘッダと、
    を備え、モジュール容器内に装備される燃料電池カートリッジにおいて、前記燃料電池セルスタックを冷却する方法であって、
    前記酸化性ガス排出ヘッダの内部の酸化性ガスの一部を前記モジュール容器内側でかつ前記燃料電池カートリッジの外側の空間に排出させ、
    前記酸化性ガス供給管から前記酸化性ガス供給ヘッダへ供給される酸化性ガスの流れを利用するエゼクタ作用によって、前記モジュール容器内に排出された酸化性ガスの少なくとも一部を前記酸化性ガス供給ヘッダ内に導入し、前記燃料電池セルスタックへ供給する前記酸化性ガスの流量を増加する
    ことを特徴とする燃料電池セルスタックの冷却方法。
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