本発明の前述の特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付図面に示す本発明の実施形態の以下の説明から明らかになる。本明細書に引用され、本明細書の一部をなす添付図面は、本発明の原理を説明し、当業者が本発明を実施し使用することを可能にするために更に役立つ。図面は一定縮尺に従っていない。
ここで、図面を参照しながら本発明の特定の実施形態を記載する。図面において、同様の参照符号は、同一又は機能的に同様の要素を示す。
以下の詳細な説明は、本質的に単なる例示であり、本発明又は本発明の適用及び使用を限定することを意図していない。さらに、前述の技術分野、背景技術、概要、又は以下の詳細な説明において提示されている明示的な又は黙示的な理論によって限定することは意図されていない。さらに、以下の説明はゲーミング機器及びゲーミング機器向けのコントローラーに関するが、その説明は他の触覚フィードバック機器に等しく当てはまることが当業者には認識される。
本発明の実施形態は、触覚フィードバックシステムの触覚周辺装置に関する。この触覚周辺装置は、ハウジングと、ハウジングに対して移動可能であるようにハウジングに結合された変形可能基板と、変形可能基板の表面に結合されたスマート材料アクチュエーターとを備える。スマート材料アクチュエーターは、プロセッサからの制御信号を受信するように構成され、プロセッサからの制御信号に応じて、ハウジングに対し変形可能基板を変形させる力を生成し、それによって触覚周辺装置のユーザーに触覚効果を提供するように構成される。変形可能基板は、ハウジングに対する変形可能基板の変形を増幅又は増大するように構成される。より具体的には、変形可能基板の少なくとも第1の部分は、変形可能基板の第2の部分よりも堅く、それによって、変形可能基板は、ハウジングに対し変形可能基板の変形を増大させるように構成される。このため、触覚周辺装置は、固体基板及びスマート材料アクチュエーターを利用して、増幅された変形及び触覚による知覚を提供する把持可能な装置であり、これによって、バーチャルリアリティー及びビデオゲームインタラクションにおけるユーザー体験の品質が大幅に改善する。本明細書において記載される触覚周辺装置の利点は、変形可能基板が非常に薄く(すなわち、2mm未満の厚み)、軽量であり(すなわち、20グラム未満)、スマート材料の作動が静かであり、スマート材料の作動が低電力であり、スマート材料の作動が広範囲の周波数で動作しており(0.1Khz〜1Khz)、スマート材料の作動が、最大で5mmの滑らかな正弦波的変形及び/又は鋭い変形を伝えることを含む。
より詳細には、図面を参照すると、図1は、触覚周辺装置102と、ホストコンピューター104と、ディスプレイ106とを備える触覚フィードバックシステム100の概略図である。図2は、図1のシステムのブロック図である。触覚周辺装置102は、ビデオ又は視覚ディスプレイ106上でユーザーに対しバーチャル環境を生成するように構成されたホストコンピューター又はコンピューターシステム104と通信する。ホストコンピューター104は、ビデオゲームコンソール、モバイル機器、又はディスプレイ上でユーザーにバーチャル環境を生成するように構成されたプロセッサを含む任意の他のタイプのコンピューターシステムを含むことができる。図2のブロック図に示すように、ホストコンピューター104は、ホストプロセッサ108、メモリ110、及び視覚ディスプレイ106を含む。ホストコンピューター104は、メモリ110に記憶され、ホストプロセッサ108によって実行されるソフトウェアアプリケーションを実行する。ホストプロセッサ108は、任意のタイプの汎用プロセッサとすることができ、又は触覚効果信号を提供するように特に設計されたプロセッサとすることができる。ホストプロセッサ108は、ホストコンピューター104全体を動作させる同じプロセッサとすることができ、又は、別個のプロセッサとすることができる。ホストプロセッサ108は、どのような触覚効果を触覚周辺装置102に送出するか、また、どのような順序で触覚効果を送出するかを決定し得る。メモリ110は、限定はしないが、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)若しくは読出し専用メモリ(ROM)等の、任意のタイプの記憶装置又はコンピューター可読媒体とすることができる。メモリ110は、ホストプロセッサの内部に位置するか、又は、内部メモリと外部メモリとの任意の組合せとすることもできる。
ホストコンピューター104は、有線手段又は無線手段によって視覚ディスプレイ106に結合される。視覚ディスプレイ106は、グラフィカル情報をユーザーに提供する任意のタイプの媒体とすることができる。これは、限定ではないが、モニター、テレビスクリーン、プラズマ、LCD、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、バーチャルリアリティーディスプレイ又は任意の他の表示機器を含む。当技術分野において既知であるように、一実施形態では、ホストコンピューター104はゲーミング機器コンソールであり、視覚ディスプレイ106は、ゲーミング機器コンソールに結合されたモニターである。当業者に既知であるように、別の実施形態では、ホストコンピューター104及び視覚ディスプレイ106は、単一機器になるように組み合わせることができる。
図1及び図2に示す実施形態では、ホストコンピューター104は、有線接続又はUSB接続103を通して触覚周辺装置102と通信状態にある。しかし、他の実施形態では、触覚周辺装置102は、当業者に既知の他の有線通信手段又は無線通信手段を使用して、ホストコンピューター104と通信することができる。これは、限定ではないが、シリアル接続又はBluetooth(登録商標)接続を含むことができる。さらに、ホストコンピューター104は、クラウド内に存在することができ、このため、ローカル形式で有線接続されることも無線接続されることも必要とされない。
図2のブロック図に示すように、触覚周辺装置102は、接続103を介してホストコンピューター104と通信するローカルプロセッサ112、ローカルメモリ114、スマート材料又は圧電アクチュエーター120、及び汎用触覚出力装置130を備えるが、本明細書においてより詳細に説明されるように、汎用触覚出力装置は全ての実施形態において必要とされるわけではない。動作時に、ローカルプロセッサ112はスマート材料アクチュエーター120及び汎用触覚出力装置130に結合されて、ホストコンピューター104からの高レベルの監視コマンド又はストリーミングコマンドに基づいて両者に制御信号を提供する。例えば、動作時に、電圧の大きさ及び持続時間がホストコンピューター104から触覚周辺装置102にストリーミングされる。ここで、情報はローカルプロセッサ112を介してスマート材料アクチュエーター120及び汎用触覚出力装置130に提供される。ホストコンピューター104は、スマート材料アクチュエーター120及び/又は汎用触覚出力装置130によって出力されるべき触覚効果のタイプ(例えば、振動、ジョルト、デテント、ポップ等)等の高水準コマンドをローカルプロセッサ112に提供することができ、それにより、ローカルプロセッサ112は、出力されるべき触覚効果の特定の特性(例えば、大きさ、周波数、持続時間等)に関してスマート材料アクチュエーター120及び/又は汎用触覚出力装置130に命令する。ローカルプロセッサ112は、ローカルプロセッサ112に結合されたローカルメモリ114(図2のブロック図に示される)から、触覚効果のタイプ、大きさ、周波数、持続時間、又は他の特性を読み出することができる。さらに、ホストコンピューター104のメモリ110と同様に、ローカルメモリ114は、限定ではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読出し専用メモリ(ROM)等の任意のタイプの記憶装置又はコンピューター可読媒体とすることができる。ローカルメモリ114は、ローカルプロセッサの内部に位置するか、又は、内部メモリと外部メモリとの任意の組合せとすることもできる。ホストプロセッサ108と同様に、ローカルプロセッサ112も、どのような触覚効果を送出するか、及びどのような順序で触覚効果を送出するかを決定することができる。さらに、ローカルプロセッサ112は、いずれの触覚出力装置(すなわち、スマート材料アクチュエーター120又は汎用触覚出力装置130)が制御信号を受信するかを決定することができる。本発明の別の実施形態では、触覚周辺装置102は、ローカルプロセッサ112を備えないように構成され、それにより、触覚周辺装置102からの全ての入力/出力信号は、ホストコンピューター104によって直接扱われ処理される。
図1及び図2の実施形態では、触覚周辺装置102は把持可能な装置(すなわち、ユーザーの手又は手のひらで把持されるように構成される装置)である。さらに、触覚周辺装置102は、本明細書においてより詳細に説明されるように、触覚効果を出力するように構成されるが、この実施形態は、アクションを入力するか又は当該技術分野において既知のように他の形でビデオゲームとインタラクトしてバーチャル環境を更新するのに用いられるユーザー入力エレメント又はマニピュランダムを含まない。しかしながら、当業者であれば、触覚周辺装置102は、1つ又は複数のユーザー入力エレメント又はマニピュランダムを備えるように変更することができることを認識するであろう。ユーザー入力エレメント又はマニピュランダムの動きは、ユーザーがホストコンピューター104上で実行されているソフトウェアアプリケーションとインタラクトすることを可能にするユーザーからの入力を表す。これらのソフトウェアアプリケーションは、限定ではないが、ファーストパーソンシューター、サードパーソンキャラクターインタラクション、車両関連ゲーム又はコンピューターシミュレーションを含む。ユーザー入力エレメント又はマニピュランダムの動きにより、カーソル若しくは他の画像等のコンピューターにより生成されたグラフィックオブジェクト、若しくは視覚ディスプレイ106を介してホストコンピューター104によって表示された何らかの他のグラフィックオブジェクトの動きに対応する入力をホストコンピューター104に提供することができるか、又は人物、車両、若しくはゲーム若しくはコンピューターシミュレーションにおいて見られ得る何らかの他のエンティティ等のバーチャルキャラクター若しくはゲーミングアバターを制御することができる。さらに、当業者であれば、触覚周辺装置102は単に触覚周辺装置の例示的な実施形態であり、他の構成、形状及びサイズを有する触覚周辺装置が用いられてもよいことを認識するであろう。例えば、本明細書においてより詳細に説明されるように、触覚周辺装置は、図13〜図15に示すような、ビデオゲームコンソールシステム用に現在入手可能な多くの「ゲームパッド」と同様の形状及びサイズのゲーミングシステム用手持ち式ゲーミングコントローラー1302、図16及び図17に示すような、タブレットコンピューター1604と共に用いることができる触覚周辺装置1602、又は限定ではないが、モバイルフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレット、コンピューター、ゲーミング周辺装置、及び当業者に既知のバーチャルリアリティシステムのための他のコントローラー等の、他のコントローラーであってもよい。
図3は、触覚周辺装置102の内部コンポーネントを示すための触覚周辺装置102の断面図である。より詳細には、触覚周辺装置102は、ハウジング又はケース116、変形可能基板118、及び変形可能基板118に結合されたスマート材料アクチュエーター120を備える。この実施形態では,本明細書においてより詳細に説明されるように、変形可能基板118は、長円形又は楕円形に成形されたストリップ又は平行四辺形であり、変形可能構造が長円形又は楕円形の断面を有するようになっている。変形可能基板118は、ガラス繊維、炭素繊維若しくは他の強化複合材料、又は変形に十分な可撓性も有しながら強度をもたらす比較的高い係数(modulus)を有する他のポリマー若しくは金属材料から形成される。一実施形態では、変形可能基板118は、エンジニアリングポリマー及び/又はナノ複合材料から形成することができる。長円形状が公称の又は第1の高さHO及び公称の又は第1の幅又は長さLOを有する、図4に示す変形可能基板118を、力が加えられていない変形可能基板118の公称の又は予め設定された構成とみなすことができる。
ここで、図10、図10A及び図10Bを参照して、スマート材料又は圧電アクチュエーター120を更に詳細に説明する。図10は、変形可能基板118及びスマート材料アクチュエーター120の一部の分解斜視図である。図10Aは、共に結合された図10のコンポーネントの斜視図であり、図10Bは、印加された電荷又は電界に応じて曲がった後の図10Aの斜視図である。より詳細には、スマート材料又は圧電アクチュエーターは、電荷を受けたときのサイズ及び形状の変化を示す特性を有する。言い換えると、スマート材料又は圧電アクチュエーターは、電気的変化が加えられたときに、機械的変形を呈する。スマート材料アクチュエーター120は、変形可能基板118の少なくとも1つの表面に、接着剤により接合されるか、又は他の方法で結合される。本発明の一実施形態では、スマート材料アクチュエーター120は、マクロファイバー複合体(MFC)材料又は電気活性ポリマー(EAP:electroactive polymer:電場応答性高分子)から形成される。スマート材料アクチュエーター120に電荷が印加されると、スマート材料アクチュエーター120は、図10Bに示すように変形して曲がり、それによって変形可能基板118の一部も曲がる。入力電気信号に基づいて力及び変形を出力するためのスマート材料又は圧電アクチュエーターの動作は、当業者に既知である。圧電材料は、非常に薄く小さくすることができ、それによって、ポータブル電子機器に一般的な、コンパクトなハウジングにおける使用も可能になる。
スマート材料アクチュエーター120に電荷を印加するために、触覚フィードバックシステム100は、電気信号をスマート材料アクチュエーター120に提供する制御ハードウェア及びソフトウェアを含む。この電気信号は、スマート材料アクチュエーター120に、ユーザーに対し触覚フィードバック又は効果を生成するための変形可能基板の所望の運動を生じさせる。より詳細には、触覚フィードバックシステム100は、スマート材料アクチュエーター120に電荷を供給するための電源を備え、触覚フィードバックシステム100は、電源を制御し、これにより印加される電荷の大きさ及び周波数を決定するホストプロセッサ108及び/又はローカルプロセッサ112も備える。したがって、電源は、ホストプロセッサ108及び/又はローカルプロセッサ112からの制御信号を受信するように構成され、ホストプロセッサ108及び/又はローカルプロセッサ112から受信した制御信号に従って、スマート材料アクチュエーターに電荷を印加するように構成される。電源は、触覚周辺装置102又はホストコンピューター104内に位置することができる。スマート材料アクチュエーター120は、電源からの印加された電荷に応じて変形するか又は曲がる。変形可能基板118がスマート材料アクチュエーター120に結合されると、スマート材料アクチュエーター120によって生成される任意の力及び/又は変形が変形可能基板118に直接加えられる。スマート材料アクチュエーター120に結合された変形可能基板118の一部も、スマート材料アクチュエーター120と併せて曲げられるか又は変形される。スマート材料アクチュエーター120が変形可能基板118内又は変形可能基板118上に統合されると、これにより変形可能基板118は電力を消費することなく変形する。このため、スマート材料アクチュエーター120は、ホストプロセッサ108及び/又はローカルプロセッサ112からの制御信号に応じてハウジング116に対して変形可能基板118を変形させ、これによって、触覚周辺装置102のユーザーに触覚効果を提供する。
触覚効果、すなわち、変形可能基板118の変形は、変形触覚効果とみなすことができる。本明細書において用いられるとき、「変形」触覚効果は、スマート材料アクチュエーターが変形可能基板に直接力を加えて変形可能基板を曲げるか、変形させるか、又は他の形で動かし、それによって、結果としてユーザーが感じる変形触覚効果を生じる効果を含む。本明細書の実施形態によって生成される変形触覚効果は、スマート材料アクチュエーターが、ユーザーと直接接触する変形可能基板を直接駆動するか、変形させるか又は他の形で動かすことに起因して、ユーザーによって感じられる。変形触覚効果の例は、バーチャルボタン押下若しくはバーチャルエレメント間の衝突と併せた単一の比較的大きな変形によるジョルト、又はスクリーンにわたるバーチャルエレメントの移動若しくは他のタイプのスクリーン移動と併せた複数の比較的小さな変形による振動を含む。変形触覚効果の更なる例は、スマート材料アクチュエーター120及び変形可能基板118の変形が、大きさ及び周波数の双方において心拍信号のパターンを辿る心拍触覚効果、及び/又はスマート材料アクチュエーター120及び変形可能基板118の変形が、バーチャルリアリティー環境においてユーザーの手の中で呼吸している、生きている小動物のパターンを辿る呼吸触覚効果を含む。そのような触覚フィードバック又は効果は、触覚フィードバックシステム100のユーザーのためのより直感的で、魅力的で自然な体験を可能にし、このため、ユーザーと触覚フィードバックシステム100との間のインタラクションは、触覚効果によって提供される触知性フィードバックを通じて大幅に向上する。
変形可能基板118は、スマート材料アクチュエーター120による力の出力を最大にするか又は利用し、変形可能基板118の変形を増幅するか又は増大させるように構成される。より詳細には、変形可能基板118の断面図である図4に最も良好に示すように、変形可能基板118は、変形可能基板118の変形を増幅させる非線形動力学設計を通じて構成された変動する剛性を有する一連の一体の又は連続した部分を含むか又はこの部分から作製される。図5は、変形可能基板118の概ね半分の斜視図である。図4及び図5の実施形態では、変形可能基板118は、本明細書においてまとめてユーザー接触部分122と呼ばれる2つの対向するユーザー接触部分122A、122Bを含む。ユーザー接触部分122はそれぞれ、ユーザーに接触するように構成される。すなわち、ユーザー接触部分122A、122Bは、それぞれハウジング116の窓又は開口部117A、117Bを通じて延在し、触覚周辺装置102がユーザーによって把持又は保持されるときにユーザーの手に接触するように位置決めされる。変形可能基板118は、本明細書においてまとめてヒンジ124と呼ばれる、2つの対向する丸められた角又はヒンジ124A、124Bも備える。ヒンジ124はそれぞれ、対向するユーザー接触部分122A、122B間に位置決めされる。変形可能基板118は、まとめて剛性アーム126と呼ばれる、4つの剛性アームl26A、126B、126C、l26Dも備える。剛性アーム126Aは、ユーザー接触部分122A及びヒンジ124A間に延在し、剛性アーム126Bは、ユーザー接触部分122A及びヒンジ124B間に延在し、剛性アーム126Cは、ユーザー接触部分122B及びヒンジ124A間に延在し、剛性アーム126Dは、ユーザー接触部分122B及びヒンジ124B間に延在する。ユーザー接触部分122、ヒンジ124及び剛性アーム126は、説明の目的のみのために、本明細書において別個に説明されているが、これらは単一のコンポーネント、すなわち変形可能基板118の連続した一体部分であり、まとめて変形可能基板118の長円形形状を形成する。
変形可能基板118は、スマート材料アクチュエーター120のみの変形に対して少なくとも100倍まで表面上の変形を増幅させるように設計又は構成される。より詳細には、剛性アーム126は、ユーザー接触部分122及びヒンジ124よりも相対的に堅く、それによって、剛性アーム126は、スマート材料アクチュエーター120(本明細書において更に詳細に説明されるように、変形可能基板118の1つ又は複数の表面上に位置決めされる)による最大力出力を利用又は生成し、ハウジング116に対する変形可能基板118の変形を増大させるように構成される。ユーザー接触部分122及びヒンジ124に対する剛性アーム126の剛性を変えるために、剛性アーム126の形状及び/又はヤング率若しくは弾性係数が変えられる。図4に最も良好に示される一実施形態では、剛性アーム126をユーザー接触部分122及びヒンジ124よりも相対的に堅くするために、剛性アーム126の形状は、ユーザー接触部分122及びヒンジ124の厚みと比較して剛性アーム126の厚みを増大させることによって変えられる。図4及び図5の実施形態では、ユーザー接触部分122は、0.5mm〜1.5mmの範囲とすることができる厚みT1を有し、ヒンジ124は、0.5mm〜1.5mmの範囲とすることができる厚みT2を有し、剛性アーム126は、1mm〜2mmの範囲とすることができる厚みT3を有する。別の実施形態では、剛性アーム126は、ユーザー接触部分122及びヒンジ124の各々よりも少なくとも30%厚い。しかしながら、特定の寸法は、材料選択、作動タイプ及び変形可能基板の形状に応じて変えることができる。
本明細書の別の実施形態では、剛性アーム126の形状を変えることに対する代替として、又はそれに加えて、剛性アーム126のヤング率が、剛性アーム126をユーザー接触部分122及びヒンジ124よりも比較的堅くするために変えられる。一実施形態では、剛性アーム126は、ユーザー接触部分122及びヒンジ124の第2の又は異なる材料よりも堅い第1の材料から形成することができる。例えば、剛性アーム126は炭素繊維から形成することができる一方、変形可能基板118の残りの部分、すなわち、ユーザー接触部分122及びヒンジ124は、炭素繊維よりも低い剛性を有するガラス繊維から形成される。したがって、この実施形態では、変形可能基板118はマルチコンポジット基板である。剛性アーム126が、変形可能基板118の残りの材料よりも高い剛性を有する異なる材料から形成されるとき、剛性アーム126は、ユーザー接触部分122及びヒンジ124よりも厚いか、薄いか、又はユーザー接触部分122及びヒンジ124と同じ厚みとすることができる一方、異なる材料特性に起因して、依然としてより堅い。別の実施形態では、剛性アーム126、ユーザー接触部分122及びヒンジ124は全て同じ材料から形成されるが、剛性アーム126のみがその剛性を増大させるための処理ステップを経る。例えば、剛性アーム126は、そのヤング率及び剛性を増大させるために、ヒートテアリング(heat tearing)等の熱処理を受ける場合がある。
ユーザー接触部分122及びヒンジ124に対する剛性アーム126の増大した剛性、並びに変形可能基板118の全体的な形状及び剛性に起因して、スマート材料アクチュエーター120を介したハウジング116に対するユーザー接触部分122の変形は、(スマート材料アクチュエーター120のみの変形と比較して、)少なくとも100:1の比で増大する。より詳細には、図6〜図8に関して本明細書において説明したように、スマート材料アクチュエーター120がユーザー接触部分122の1つ又は複数の表面に結合されるとき、変形可能基板118は、ユーザー接触部分122の変形を増幅又は増大させるように構成される。上記で説明されるように、変形可能基板118は、上記で説明したようなユーザー接触部分122及びヒンジ124よりも相対的に堅い、剛性アーム126を備える。したがって、変形可能基板118の剛性は、スマート材料アクチュエーター120による最大力出力を利用又は生成することが望ましい変形可能基板118の一部分に沿って相対的に増大し、変形可能基板118の剛性は、スマート材料アクチュエーター120によって生じる最大変形を利用又は生成することが望ましい変形可能基板118の一部分に沿って相対的に減少する。さらに、変形可能基板118全体の効果的な剛性は、ユーザー接触部分122の変形を増幅又は増大させるように構成される。より詳細には、剛性アーム126及びヒンジ124は、それらの最大の変形又は偏向がユーザー接触部分122(カンチレバービームの自由端に配置される)で生じるように、カンチレバービームと同様に動作する。剛性アーム126は、(変形可能基板118の他の部分よりも相対的に堅いことに起因して)スマート材料アクチュエーター120による最大力出力を利用又は生成し、最大力をヒンジ124に送信する。ヒンジ124及びユーザー接触部分122は、(剛性アーム126よりも比較的堅くないことに起因して)スマート材料アクチュエーター120による最大変形を利用又は生成する。ヒンジ124は、上記で説明したように、カンチレバービームに対応し、カンチレバービームと同様に動作するように成形されるか又は湾曲させられ、このため、ユーザー接触部分122において最大又は最高の量の変形/偏向が生じる。換言すれば、変形可能基板118の長円形状全体が、これらのユーザー接触部分122において増大した又は増幅された変形が生じることを意味する。
本明細書では、それぞれハウジング116の窓又は開口部117A、117Bを通って延在し、触覚周辺装置102がユーザーによって把持又は保持されるときにユーザーの手と接触するように位置決めされた2つの対向するユーザー接触部分122について説明されているが、ハウジング116は、ユーザーが変形可能基板の1つのユーザー接触部分122のみに接触するようにユーザー接触部分のうちの1つを覆うか又はこの上に延在するように変更されてもよい。例えば、触覚周辺装置102は、表面上に平坦に置かれるように変更されてもよく、ユーザーの手(すなわち、指又は手のひら)は、単一の露出したユーザー接触部分を有する触覚周辺装置の「上面」の上に延在するか、又はこの「上面」に接触する。このため一実施形態では、変形可能基板118の長円形状の「上」半分のみが露出され、ユーザーにアクセス可能となるのに対し、変形可能基板118の長円形状の「下」半分は覆われるか又はハウジング内に配置され、このためユーザーにアクセス可能でない。別の実施形態では、変形可能基板は、長円形状に成形されるのではなく、図5に示す形状に類似した曲線に成形された平行四辺形とすることができ、曲線全体を触覚周辺装置の外面から離れるよう延在するように触覚周辺装置上に組み込むことができる。言い換えると、変形可能基板は、長円形の断面を有することを必要とされず、触覚周辺装置の外側表面から離れるよう延在する湾曲した基板とすることができる。
変形可能基板118の変形方向、したがってユーザーに出力される触覚効果は、スマート材料アクチュエーター120の配置に依拠して変わる。本発明の一実施形態では、第1のスマート材料アクチュエーター120Aは、ユーザー接触部分122Aに結合され、第2のスマート材料アクチュエーター120Bはユーザー接触部分122Bに結合される。例えば、図6は、スマート材料アクチュエーター120A、120Bがそれぞれ変形可能基板118のユーザー接触部分122A、122Bの外面128A上に位置決めされているときの変形可能基板118の変形(変形可能基板の変形は破線で示される)の概略図である。スマート材料アクチュエーター120が電荷を発生し(develop)、それに応じて曲がるとき、変形可能基板118の高さは、公称の又は第1の高さHO(図4を参照)から、拡大した又は第2の高さHE(図6を参照)まで拡大し、変形可能基板118の幅又は長さは、公称の又は第1の幅又は長さLO(図4を参照)から収縮した又は第2の幅又は長さLC(図6を参照)まで収縮する。換言すれば、変形可能基板の外部に結合されたスマート材料アクチュエーター120A、120Bが曲がるか又は変形するとき、変形可能基板118の高さは、方向矢印121Aによって示されるように拡大し、変形可能基板118の幅/長さは、方向矢印121Bによって示されるように収縮する。図6は、スマート材料アクチュエーター120A、120Bの双方の同時の作動を示すが、各スマート材料アクチュエーターは、変形可能基板118の一部のみの指向性の独立した変形を選択的に提供するように独立して作動されるように構成される。上記で説明されたように、変形可能基板118の相対的により堅い剛性アーム126に起因して、ユーザー接触部分122の変形は、変形可能基板のユーザー接触部分と接触するユーザーに触覚効果を与えるように増幅又は増大される。
別の例として、図7は、スマート材料アクチュエーター120C、120Dが、それぞれ変形可能基板118のユーザー接触部分122A、122Bの内面128B上に位置決めされているときの変形可能基板118の変形(変形可能基板の変形は破線で示される)の概略図である。スマート材料アクチュエーター120が電荷を発生し、それに応じて曲がるとき、変形可能基板118の高さは、公称の又は第1の高さHO(図4を参照)から、収縮した又は第3の高さHC(図7を参照)まで収縮し、変形可能基板118の幅又は長さは、公称の又は第1の幅又は長さLo(図4を参照)から拡大した又は第3の幅又は長さLE(図7を参照)まで拡大する。換言すれば、変形可能基板の内部に結合されたスマート材料アクチュエーター120C、120Dが曲がるか又は変形するとき、変形可能基板118の高さは、方向矢印121Cによって示されるように収縮し、変形可能基板118の幅/長さは、方向矢印121Dによって示されるように拡大する。図7は、スマート材料アクチュエーター120C、120Dの双方の同時の作動を示すが、各スマート材料アクチュエーターは、変形可能基板118の一部のみの指向性の独立した変形を選択的に提供するよう独立して作動されるように構成される。上記で説明されたように、変形可能基板118の相対的により堅い剛性アーム126に起因して、ユーザー接触部分122の変形は、変形可能基板のユーザー接触部分と接触するユーザーに触覚効果を与えるように増幅又は増大される。
さらに、変形可能基板118の高さは、選択的に、図6に示すように拡大し、図7に示すように収縮するように構成することができる。言い換えると、図6及び図7の実施形態は、相互に排他的ではない。例えば、図8は、スマート材料アクチュエーター120A、120B、120C、120Dが、それぞれ変形可能基板118のユーザー接触部分122A、122Bの外面128A及び内面128Bの双方に位置決めされるときの変形可能基板118の概略図である。各スマート材料アクチュエーターは、変形可能基板118の一部分のみの指向性の独立した変形を選択的に提供するよう独立して作動されるように構成され、各ユーザー接触部分122A、122Bが選択的に拡張及び収縮され得るようにする。上記で説明されたように、変形可能基板118の相対的により堅い剛性アーム126に起因して、ユーザー接触部分122の変形は、変形可能基板のユーザー接触部分と接触するユーザーに触覚効果を与えるように増幅又は増大される。
上記の実施形態は、変形可能基板118のユーザー接触部分122に沿って、又はその上に位置決めされたスマート材料アクチュエーター120を示すが、本発明の別の実施形態では、1つ又は複数のスマート材料アクチュエーター120が変形可能基板118のヒンジ124に沿って又はヒンジ124上に位置決めされてもよい。例えば、図9は、スマート材料アクチュエーター120A、120B、120C、120Dが、それぞれ変形可能基板118のヒンジ124A、124Bの外面128A及び内面128Bの双方に位置決めされているときの変形可能基板118の概略図である。各スマート材料アクチュエーターは、変形可能基板118の一部のみの指向性の独立した変形を選択するように独立して作動されるように構成され、各ヒンジが選択的に拡張及び収縮され得るようにする。スマート材料アクチュエーター120A、120B、120C、120Dをユーザー接触部分122ではなくヒンジ124上に位置決めすることによって、結果として、スマート材料アクチュエーター120によって出力される触覚効果の様々な特性(例えば、大きさ、周波数、持続時間等)が得られる。ユーザー接触部分122ではなくヒンジ124にスマート材料アクチュエーター120A、120B、120C、120Dを位置決めすることによって、ヒンジ124のアーク又は曲率の調節が必要となる場合がある。
図3を参照すると、変形可能基板118の各ヒンジ124は、変形可能基板がハウジングに対し移動可能となり、このため、上記で説明したスマート材料の作動に応じて変形することが可能になるように、変形可能基板をハウジングに結合するように構成された結合メカニズム135を介してハウジング116に結合される。図11は、結合メカニズム135の分解斜視図を示す。各結合メカニズム135は、ロッド132と、ロッド132の周囲を取り囲む圧縮可能な物質136と、複数のワッシャー134とを備える。ワッシャー134は、ロッドがハウジングに対して移動可能でないように、ロッド132をハウジング116に取り付ける。ロッド132は、ロッド132がヒンジ124に隣接するか又は横に並ぶが、ヒンジ124と直接接触しないように変形可能基板118内に延在する。より詳細には、ロッド132は、或る間隙又は距離138だけ変形可能基板118の内面128Bから離間される。間隙138は圧縮可能な物質136によって満たされ、圧縮可能な物質136がヒンジ124とロッド132との間に延在するようになっている。圧縮可能な物質136は、変形可能基板118の移動及び変形を可能にする。より詳細には、スマート材料アクチュエーター120が電荷を発生し、それに応じて曲がるとき、図6〜図9に関して上記で説明したように、変形可能基板118もそれに応じて変形し、圧縮可能な物質136が変形可能基板118の変形を可能にするように圧縮又は拡大する。圧縮可能な物質136は、例えば、限定ではないが、シリコーンフォーム、シリコーンスポンジ、シリコーンゴム、PORON(登録商標)(ポリウレタン)又はBuna−N等のゲル又は発泡材料とすることができる。一方、変形可能基板118に力が加えられていないとき(すなわち、スマート材料アクチュエーター120が曲げられていないとき、)変形可能基板118は、図4に示すようにその公称の又は予め設定された構成又は位置に弾性的に戻る弾性特性を有する。換言すれば、変形可能基板118は、スマート材料アクチュエーター120を介して変形可能基板に力が加えられていないとき、その公称の又は予め設定された長円形状を取り戻す。
上述したように、触覚周辺装置102は、スマート材料アクチュエーター120に加えて、汎用触覚出力装置130を備える。図3の断面図に示すように、汎用触覚出力装置130はハウジング116内に位置決めされ、スマート材料アクチュエーター120によって提供される変形触覚効果に加えて、ユーザーに振動触覚効果を提供するように構成される。汎用触覚出力装置130は、触覚周辺装置102のハウジング全体に汎用又はランブル(rumble)触覚フィードバックを提供する役割を果たす。このため、汎用触覚出力装置130は、ホストプロセッサ108及び/又はローカルプロセッサ112から第2の制御信号を受信し、第2の制御信号に応答してハウジング116に第2の触覚効果を出力するように構成されたランブルアクチュエーターとみなすことができる。汎用触覚出力装置130は、ホストコンピューター104からの高レベルの監督コマンド又はストリーミングコマンドに基づいて、ホストプロセッサ108及び/又はローカルプロセッサ112からの制御信号を受信する。例えば、動作時に、電圧の大きさ及び持続時間がホストコンピューター104から触覚周辺装置102にストリーミングされ、ここで、情報は、ローカルプロセッサ112を介して汎用触覚出力装置130に提供される。ホストコンピューター104は、汎用触覚出力装置130によって出力されるべき触覚効果のタイプ(例えば、振動、ジョルト、デテント、ポップ等)等の高レベルのコマンドをローカルプロセッサ112に提供することができ、それによって、ローカルプロセッサ112は、汎用触覚出力装置130に、出力されるべき触覚効果の特定の特性(例えば、大きさ、周波数、持続時間等)に関して命令する。汎用触覚出力装置130は、電磁モーター、モーターによって偏心質量体が動かされる偏心回転質量(「ERM」)アクチュエーター、ばねに取り付けられた質量体が往復して駆動されるリニア共振アクチュエーター(「LRA」)、振動触覚アクチュエーター、他の適切なタイプの作動装置を含んでもよい。汎用触覚出力装置130は、慣性アクチュエーターとして実施され、振動触覚フィードバックをユーザーに提供する。このため、スマート材料アクチュエーター120は、汎用触覚出力装置130によって生成される汎用又はランブル触覚フィードバックから独立し、これを補う、多岐にわたる変形触覚効果又は感覚をユーザーに提供する。
図12は、本発明の実施形態において利用することができる変形可能基板の別の実施形態を示す。変形可能基板1218は、長円形状に成形されたストリップ又は平行四辺形ではなく、長円形の断面を有する卵型又は3次元長円形状である。変形可能基板118は、2つの対向するユーザー接触部分又は変形領域のみを含むが、変形可能基板1218の卵型形状は、複数の又は3つ以上の変形領域を提供する。
上述したように、触覚周辺装置102は触覚周辺装置の例示的な実施形態にすぎず、他の構成、形状及びサイズを有する触覚周辺装置を用いることができる。例えば、図13〜図15は、本発明の実施形態において用いることができる触覚周辺装置1302の別の実施形態を示す。図13及び図14は、触覚周辺装置1302の異なる斜視図であり、触覚周辺装置は手持ち式ゲーミングコントローラーである一方、図15は、ホストコンピューター104を更に備えるゲーミングシステム1300において用いられる触覚周辺装置1302のブロック図を示す。触覚周辺装置1302のハウジング1316は、左利きユーザーによっても右利きユーザーによっても、装置を把持する両手に容易に適合する形状になっており、スマート材料アクチュエーター1320が結合された変形可能基板1318(図15のブロック図に示される)が、ユーザーの手又は手のひらが通常位置する場所においてハウジング1316内に組み込まれ、ユーザーに変形触覚効果を提供する。変形可能基板1318は、上記で説明した変形可能基板118に類似した長円形状に成形された平行四辺形であり、変形可能基板1318の長円形状の「上」半分のみが露出され、ユーザーにアクセス可能であるのに対し、変形可能基板1318の長円形状の「下」半分は覆われるか又はハウジング1316内に配置され、このためユーザーにアクセス可能でない。別の実施形態では、変形可能基板1318は、図5に示す形状に類似した曲線に成形された平行四辺形であり、曲線全体を触覚周辺装置1302の外面から離れるよう延在するように触覚周辺装置1302上に組み込むことができる。当業者であれば、触覚周辺装置1302は、現在ビデオゲームコンソールシステムのために利用可能な多くの「ゲームパッド」と同様の形状及びサイズのコントローラーの例示的な実施形態にすぎず、ユーザー入力エレメントの他の構成、形状及びサイズを有するコントローラーを用いることができることを認識するであろう。これらのコントローラーは、限定ではないが、Wii(登録商標)リモートコントローラー又はWii(登録商標)Uコントローラー、ソニー(登録商標)SixAxis(登録商標)コントローラー又はソニー(登録商標)Wandコントローラー、Xbox(登録商標)コントローラー又は同様のコントローラー等のコントローラー、並びに実在の物体(テニスラケット、ゴルフクラブ、野球のバット等)の形状及び他の形状に成形されたコントローラーを含む。
触覚周辺装置1302は、ジョイスティック1340、ボタン1342、及びトリガー1346を含む、いくつかのユーザー入力エレメント又はマニピュランダムを備える。本明細書で用いられるとき、ユーザー入力エレメントとは、ユーザーによって操作されてホストコンピューター104と相互作用する、トリガー、ボタン、ジョイスティック等のインターフェース装置を指す。図13〜図15において見て取ることができるとともに当業者に既知であるように、各ユーザー入力エレメント及び追加のユーザー入力エレメントの2つ以上を触覚周辺装置1302上に備えてもよい。したがって、例えば、トリガー1346の本説明は、触覚周辺装置1302を単一のトリガーに限定しない。さらに、図15のブロック図は、ジョイスティック1340、ボタン1342、及びトリガー1346のそれぞれを1つのみ示している。しかし、上述したように、複数のジョイスティック、ボタン、及びトリガー並びに他のユーザー入力エレメントを用いてもよいことが当業者には理解される。
図15のブロック図において見て取ることができるように、触覚周辺装置1302は、自身のユーザー入力エレメントのそれぞれを直接駆動するターゲットアクチュエーター又はモーターと、ハウジング1316に結合される1つ又は複数の汎用又はランブル触覚出力装置1330とを備える。より詳細には、ジョイスティック1340は、自身に結合されたターゲットアクチュエーター又は触覚出力装置1350を備え、ボタン1342は、自身に結合されるターゲットアクチュエーター又は触覚出力装置1352を備え、トリガー1346は、自身に結合されるターゲットアクチュエーター又は触覚出力装置1356を備える。複数のターゲットアクチュエーターに加えて、触覚周辺装置1302は、自身のユーザー入力エレメントのそれぞれに結合された位置センサーを備える。より詳細には、ジョイスティック1340は、自身に結合された位置センサー1341を備え、ボタン1342は、自身に結合された位置センサー1343を備え、トリガー1346は、自身に結合された位置センサー1347を備える。ローカルプロセッサ1312が、ターゲット触覚出力装置1350、1352、1356と、ジョイスティック1340、ボタン1342、及びトリガー1346それぞれの位置センサー1341、1343、1347とに結合される。当業者に理解されるように、位置センサー1341、1343、1347から受信される信号に応答して、ローカルプロセッサ1312は、ターゲット触覚出力装置1350、1352、1356に、指示された又はターゲットにされた効果を、それぞれジョイスティック1340、ボタン1342、及びトリガー1346に直接提供するように命令する。このようなターゲットにされた効果は、汎用触覚出力装置1330によって触覚周辺装置1302の本体全体を伝って生成される汎用又はランブル触覚効果と弁別可能又は区別可能である。ローカルプロセッサ1312は、ローカルプロセッサ1312に結合されたメモリ1314から触覚効果のタイプ、大きさ、周波数、持続時間又は他の特性を読み出すことができる。複数の種類の感覚(multiple modalities)、例えば、映像、音声、及び触覚が同時に関与するとき、総合した触覚効果は、ゲームへのより高い没入感をユーザーにもたらす。
図16及び図17は、触覚周辺装置がタブレットコンピューター1604と共に用いることができるゲーミングタブレットコントローラー1602である本発明の別の実施形態を示す。タブレットコンピューター1604は、Razer社から入手可能なもののように、ゲーミングアクティビティに向けて特に設計されてもよいし、Apple(登録商標)、Ipad(登録商標)、Kindle(登録商標)Fire(登録商標)、及びSamsung(登録商標)Galaxy Tab(登録商標)等の既知の市販されているタブレットコンピューターとしてもよい。ゲーミングタブレットコントローラー1602は、タブレットコンピューター1604を収めるように構成されたドッキング部1660と、ハンドル1662、1664とを有し、ハンドル1662、1664上には、ユーザーがタブレットコンピューター1604上のゲームの制御に用いるユーザー入力エレメントが配置される。ドッキング部1660は、ゲーミングタブレットコントローラー1602をタブレットコンピューター1604に接続し、例えば、ボタンを押す、ジョイスティックを動かす、トリガーを押す等のハンドル1662、1664上でのユーザーによる動作が、タブレットコンピューター1604上でプレイされているゲーム上でのアクションを生じるようになっている。触覚周辺装置1602のハンドル1662、1664は、左利きユーザーによっても右利きユーザーによっても、装置を把持する両手に容易に適合する形状になっており、スマート材料アクチュエーター1620が結合された変形可能基板1618(図17のブロック図に示される)が、ユーザーの手又は手のひらが通常位置する場所においてハンドル1662、1664内に組み込まれ、ユーザーに変形触覚効果を提供する。変形可能基板1618はそれぞれ、上記で説明した変形可能基板118に類似した長円形状に成形された平行四辺形であり、各変形可能基板1618の長円形状の「上」半分のみが露出され、ユーザーにアクセス可能であるのに対し、各変形可能基板1618の長円形状の「下」半分は覆われるか又はハンドル1662、1664内に配置され、このためユーザーにアクセス可能でない。別の実施形態では、各変形可能基板1618は、図5に示す形状に類似した曲線に成形された平行四辺形であり、曲線全体を触覚周辺装置1602の外面から離れるよう延在するように触覚周辺装置1602のハンドル1662、1664上に組み込むことができる。
ハンドル1662、1664は、コントローラー上にある通常のユーザー入力エレメントを備える。ユーザー入力エレメントはハンドル1664に関して記載される。しかし、同じ又は同様のユーザー入力エレメントをハンドル1662において用いてもよいことが当業者には理解される。特に、ハンドル1664は、ジョイスティック1640、ボタン1642、及びトリガー1646を備える。図16に見て取ることができるとともに当業者に既知であるように、これらのユーザー入力エレメントのそれぞれの2つ以上を、各ハンドル1662、1664上に備えてもよい。さらに、ハンドル1664は、ハンドル1664に取り付けられ、汎用又はランブル触覚出力装置1630に関して上記で説明したように、汎用又はランブル触覚効果をゲーミングタブレットコントローラー1602に提供する、汎用又はランブル触覚出力装置1630を備える。
図17は、一実施形態による図16のゲーミングタブレットコントローラーのブロック図を示している。図17に示されているように、ゲーミングタブレットコントローラー1602は、ドッキング部1660を介してタブレットコンピューター1604と通信するローカルプロセッサ1612を備える。ドッキング部1660の代わりに、有線接続又は無線接続等の他の接続を用いてもよい。この実施形態のタブレットコンピューター1604はディスプレイスクリーンを備える。代替的には、ゲーミングタブレットコントローラー1602は、ローカルプロセッサ1612を備えないように構成されてもよく、それにより、ゲーミングタブレットコントローラー1602からの全ての入力/出力信号はタブレットコンピューター1604によって直接ハンドリング及び処理される。
ローカルプロセッサ1612は、ジョイスティック1640、ボタン1642、及びトリガー1646と、位置センサー1641、1643、及び1647とに結合される。位置センサー1641、1643、及び1647はそれぞれ、ジョイスティック1640、ボタン1642、及びトリガー1646に結合されることができる。図17のブロック図は、ジョイスティック1640、ボタン1642、及びトリガー1646のそれぞれ1つのみを示している。しかし、上述したように、複数のジョイスティック、ボタン、及びトリガー、並びに他のユーザー入力エレメントを用いてもよいことが当業者には理解される。ターゲットアクチュエーター又は触覚出力装置1650、1652、1656はそれぞれ、ジョイスティック1640、ボタン1642及びトリガー1646に結合される。また、ターゲット触覚出力装置1650、1652、1656、及び汎用触覚出力装置1630は、ローカルプロセッサ1612に結合される。ローカルプロセッサ1612は、タブレットコンピューター1604からの高水準監視コマンド又はストリーミングコマンドに基づき、制御信号を触覚出力装置1650、1652、1656、1630に提供する。ストリーミングの実施形態において、電圧の大きさ及び持続時間がゲーミングタブレットコントローラー1602にストリーミングされ、この場合、タブレットコンピューター1604によってアクチュエーターに情報が提供される。動作時に、タブレットコンピューター1604は、1つ又は複数の選択されたアクチュエーターによって出力されるべき触覚効果のタイプ(例えば、振動、ジョルト、デテント、ポップ等)等の高水準コマンドをローカルプロセッサ1612に提供することができ、それにより、ローカルプロセッサ1612は、出力されるべき触覚効果の特定の特徴(例えば、大きさ、周波数、持続時間等)に関してアクチュエーターに命令する。ローカルプロセッサ1612は、ローカルプロセッサ1612に結合されたメモリ1614から、触覚効果のタイプ、大きさ、周波数、持続時間、又は他の特徴を読み出すことができる。複数の種類の感覚、例えば、映像、音声、及び触覚が同時に関与するとき、触覚効果は、ゲームへのより高い没入感をユーザーにもたらす。
図13〜図15のゲームパッド構成、及び図16及び図17のタブレット構成に加えて、本明細書において説明されるようなスマート材料アクチュエーターが結合された変形可能基板は、ユーザーの手又は指が通常位置する場所において任意のタイプの触覚周辺装置内に組み込まれ、ユーザーに変形触覚効果を提供することができる。さらに、本明細書において説明されるようなスマート材料アクチュエーターが結合された変形可能基板は、タッチスクリーン(複数の場合もある)上に組み込まれ、ユーザーに変形触覚効果を提供することができ、電子機器のボタンに組み込まれ、ユーザーの指に変形触覚効果を提供することができ、マウス又はタッチパッド等のコンピューター入力装置に組み込まれ、ユーザーの手のひら又は指に変形触覚効果を提供することができ、又はウェアラブルな周辺機器に組み込まれ、ユーザーの身体に変形触覚効果を提供することができる。変形可能基板のスケール及び相対的な寸法は、用途に応じて、すなわち、変形可能基板が、ユーザーの指と接触するように構成されるか、ユーザーの手のひらと接触するように構成されるか、又はユーザーの身体の異なる部分と接触するように構成されるかに応じて変わることになる。一実施形態では、本明細書において説明されるようなスマート材料アクチュエーターが結合された変形可能基板は、動くように及び/又はユーザーからの入力を受けるように構成されたユーザー入力装置、すなわち、トリガー、ボタン又はジョイスティック上に組み込まれる。例えば、図18の触覚周辺装置1802上に示されるように、本明細書において説明されるようなスマート材料アクチュエーターが結合された変形可能基板1818は、トリガー1846上に組み込まれ、ユーザーがトリガー1846を引いたときに変形触覚効果をユーザーに出力することができる。変形可能基板1818は、上記で説明した変形可能基板118に類似した長円形状に成形された平行四辺形であり、変形可能基板1818の長円形状の「上」半分のみが露出され、ユーザーにアクセス可能であるのに対し、変形可能基板1818の長円形状の「下」半分は覆われるか又はトリガー1846内に配置され、このためユーザーにアクセス可能でない。別の実施形態では、変形可能基板1818は、図5に示す形状に類似した曲線に成形された平行四辺形であり、曲線全体を触覚周辺装置1802の外面から離れるよう延在するように触覚周辺装置1802のトリガー1846上に組み込むことができる。
本明細書において説明されるようなスマート材料アクチュエーターが結合された変形可能基板が、ユーザー入力装置、すなわち、トリガー、ボタン又はジョイスティック上に組み込まれるとき、変形触覚効果は、個々のユーザー入力エレメントに結合された、上記で説明された位置センサー1341、1343、1347、1641、1643、1647等のセンサーからの入力に従って変えるか又は変更することができる。位置センサー又は圧力センサーは、ユーザー入力エレメントに対して加えられる入力された力又は圧力を測定するように構成することができ、ローカルプロセッサ及び/又はホストプロセッサは、センサー入力に従って、変形触覚効果を変えることができる。例えば、変形触覚効果は、ユーザーがユーザー入力エレメントをより強く押していることをセンサー入力が示すか又は検出する場合、より強くするか又は相対的に増大させることができる。別の例では、ユーザーは、ユーザー入力エレメントに力又は圧力を加え、力又は圧力が様々な閾値を超えるときに変形触覚効果を受けることができる。
上記で本発明による様々な実施形態が説明されたが、これらは説明及び例示のためにのみ提示されており、限定ではないことが理解されるべきである。例えば、本明細書において、スマート材料アクチュエーターを有する変形可能基板が説明されているが、この実施形態は、変形可能基板を曲げて変形するための電磁アクチュエーターを利用することができる。利用されるアクチュエーターのタイプにかかわらず、変形可能基板は、アクチュエーターのみの変形に対して少なくとも100倍まで表面上での変形を増幅させるように設計又は構成される。関連技術分野における当業者には、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細における様々な変化を行うことができることが明らかであろう。例えば、汎用又はランブルアクチュエーターを有するコントローラーと併せた使用について説明されたが、当業者であれば、本明細書において説明されるような、ターゲットにされた又は指示された触覚効果をユーザー入力エレメントに出力するためのターゲットアクチュエーター又はモーターを、コントローラーのハウジングに触覚効果を出力するための汎用又はランブルアクチュエーターを備えないコントローラーにおいて用いることができることが理解されよう。このため、本発明の広さ及び範囲は、上記で説明した例示的な実施形態のうちのいずれによっても限定されるべきでなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきである。本明細書において検討される各実施形態の各特徴と、本明細書において引用した各参考文献の各実施形態の各特徴とは、任意の他の実施形態の特徴と組み合せて用いることができる。本明細書において検討される全ての特許及び刊行物は、本明細書に引用することにより、その全体が本明細書の一部をなす。