JP2017106049A - バラスト水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バラスト水処理装置における金属製フィルタの防食に流電陽極方式の電気防食を適用した場合に、電極の溶融により生じる沈殿物による弊害を抑制することが可能なバラスト水処理装置を提供する。
【解決手段】金属製のフィルタ52を収納するケーシング51の内側でフィルタ52の外側の処理水流出空間27に配置されフィルタ52に防食電流を供給する陽極材81と、処理水流出空間27の下部に残留する二次側残留水W4を系外へ排出する二次側残留水排出手段91(二次側残留水ラインL3、二次側残留水バルブV3)と、二次側残留水排出手段91を制御する制御部9と、を備え、制御部9は、フィルタ52による濾過処理工程の前に、沈殿物が含まれる二次側残留水W4を系外へ排出するように二次側残留水排出手段91を制御するバラスト水処理装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部に流入したバラスト水を濾過して外部へ流出させる筒状のフィルタを備えるバラスト水処理装置に関する。
タンカー等の船舶において、積み荷の原油等を降ろした後、再度目的地に向けて航行する際、航行中の船舶のバランスを取るため、一般的に、船舶に設けられたバラストタンク内にバラスト水と呼ばれる水を貯留する。バラスト水は、基本的に荷上港で取水されて、荷積港で排出される。そのため、それらの場所が異なっていれば、バラスト水中に含まれるプランクトンや細菌類の微生物が世界中を移動することになる。従って、荷上港と異なる海域の荷積港でバラスト水を排出すると、その港に別の海域の微生物を放出することになり、その海域の生態系を破壊するおそれがある。
バラスト水中に含まれる微生物の含有量を低減するために、バラスト水を濾過するフィルタを備えるバラスト水処理装置が用いられている。バラスト水処理装置のフィルタにおいては、高度の微生物除去性能が要求されているため、極小目開の金網などによる濾過体を必要としている。そのため、目詰まりが激しく、恒常的なフィルタの洗浄(逆洗)が重要とされている。
フィルタとして金属メッシュフィルタ等の金属製のフィルタを備えるバラスト水処理装置が提案されている(下記特許文献1参照)。特許文献1には、この金属製フィルタとして、海水に対して耐蝕性の高い耐蝕金属製のものを用いることや、フッ素樹脂コーティングしたものを用いることが提案されている。
一方、海洋の鋼構造物(被防食体)や船舶の防食には、電気防食が普及している。電気防食の方式として、アルミニウム又はその合金製の陽極を用いた流電陽極方式が多用される。流電陽極方式では、被防食体に対しそれよりも卑な金属を陽極材として電気的に接続し、両者間の電位差を利用して防食電流を流す。この陽極材自体についても種々提案がなされている(下記特許文献2参照)。
特開2014−166611号公報 特許第5752285号公報
本発明者は、金属製フィルタを備えるバラスト水処理装置においても、フィルタの防食に流電陽極方式の電気防食を適用することが有効であることに想到し、種々の実験及び考察を行った。この結果、次のような知見を得た。
即ち、流電陽極に、例えばアルミニウム電極を用い、金属製フィルタを収容するケーシング内が海水で略満たされた状態を長期間維持した場合には、アルミニウム電極が溶融し、水酸化アルミニウムの沈殿物が金属製フィルタの二次側に現れる。この沈殿物により、フィルタの通水や濾過作用が阻害されるおそれがある。更に、フィルタの二次側の下流には、殺菌のための紫外線リアクタが設けられており、紫外線リアクタの紫外線ランプは、保護管(石英ガラス管)に収容されているが、この保護管に沈殿物が付着するおそれがある。このような種々の弊害が生じるおそれがある。
本発明は、バラスト水処理装置における金属製フィルタの防食に流電陽極方式の電気防食を適用した場合に、電極の溶融で生じる沈殿物に起因する弊害を抑制することが可能なバラスト水処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、内部に流入した被処理水としてのバラスト水を濾過して濾過処理水として外部へ流出させる筒状で金属製のフィルタと、前記フィルタを収納するケーシングと、前記フィルタの内部に向けて被処理水が流通する被処理水導入ラインと、前記フィルタで濾過された濾過処理水が、濾過処理水を貯留するバラストタンクへ向けて流通する処理水ラインと、前記ケーシングの内側で前記フィルタの外側の処理水流出空間に配置され、前記フィルタを構成する金属と異なる金属で構成される陽極材であって、前記フィルタと陽極材との間の電位差により前記フィルタに防食電流を供給する陽極材と、前記処理水流出空間の下部に残留する二次側残留水を系外へ排出する二次側残留水排出手段と、前記二次側残留水排出手段を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記フィルタによる濾過処理工程の前に、二次側残留水を系外へ排出するように前記二次側残留水排出手段を制御する、バラスト水処理装置に関する。
また、前記制御部は、前記フィルタによる濾過処理工程の前に、前記処理水流出空間が加圧環境下において、二次側残留水を系外へ排出するように前記二次側残留水排出手段を制御することが好ましい。
また、前記フィルタの外周面に向かって逆洗水を噴射する逆洗水噴射ノズルを更に備え、前記逆洗水噴射ノズルからの逆洗水の噴射は、前記フィルタの内部に実質的にバラスト水が存在しない状態で行われ、前記制御部は、前記逆洗水噴射ノズルからの逆洗水の噴射が行われるときにおいても、二次側残留水を系外へ排出するように前記二次側残留水排出手段を制御することが好ましい。
本発明のバラスト水処理装置によれば、バラスト水処理装置における金属製フィルタの防食に流電陽極方式の電気防食を適用した場合に、電極の溶融で生じる沈殿物に起因する弊害を抑制することが可能なバラスト水処理装置を提供することができる。
本発明のバラスト水処理装置の実施形態を示すフロー図である。 本発明の実施形態における制御部によるバルブ及びポンプの制御に関するタイミングチャートである。
〔実施形態〕
本発明のバラスト水処理装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のバラスト水処理装置の実施形態を示すフロー図である。
図1に示すように、実施形態のバラスト水処理装置1は、バラスト水濾過装置2と、紫外線リアクタ61と、第1逆洗水供給手段7と、第2逆洗水供給手段41と、制御部9と、を備える。制御部9は、制御対象の各機器を制御可能に、各機器に信号線(不図示)により接続されている。バラスト水処理装置1には、その外部構成として、バラストタンク62と、清浄水タンク65とが接続されている。
実施形態のバラスト水処理装置1は、ラインとして、被処理水導入ラインL1と、被処理水排出ラインL2と、処理水ラインL11と、貯留処理水排出ラインL12と、第1逆洗水流通ラインL21と、第2逆洗水流通ラインL22と、エア抜きラインL31と、を備える。「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
実施形態のバラスト水処理装置1は、圧縮空気供給ラインL41と、第2逆洗汚水ラインL42と、二次側残留水ラインL3と、を更に備える。
バラスト水濾過装置2は、ケーシング51と、フィルタ52と、フィルタ回転手段3と、吸引ノズル4と、第1逆洗水噴射ノズル6と、逆洗水噴射ノズルとしての第2逆洗水噴射ノズル40と、逆洗汚水排出手段5と、差圧検出手段8と、を備える。
ケーシング51は、円筒状であり、その内部にフィルタ52を収納する。フィルタ52は、全体視で円筒状であり、内部に流入した被処理水(バラスト水)W1(主に海水)を濾過してバラスト水(濾過処理水)W2として外部へ流出させる。フィルタ回転手段3は、フィルタ52を、その軸心を中心に回転させる。吸引ノズル4は、フィルタ52の一次側に設けられ、フィルタ52の内周面に向かって開口する。吸引ノズル4は、第1逆洗水噴射ノズル6から噴射され且つフィルタ52を外周面から内周面に向けて通過した逆洗水である逆洗汚水W11を、吸引する。
上述の逆洗汚水W11は、後述する第2逆洗汚水W12と区別する意味で、適宜、第1逆洗汚水W11と称する。
本実施形態におけるフィルタ52は、内部に流入した被処理水としてのバラスト水W1を濾過して濾過処理水W2として外部へ流出させる筒状で金属製のフィルタである。後述するように、このフィルタ52には電気防食が施される。
第1逆洗水噴射ノズル6は、第2逆洗水噴射ノズル40とは別にフィルタ52の二次側に設けられ、フィルタ52の外周面に向かって、バラスト水処理運転中に第1逆洗水を噴射する。第1逆洗水噴射ノズル6からの第1逆洗水の噴射は、ケーシング51及びフィルタ52の内部にバラスト水(W2,W1)が存在する(満たされる)状態で行われる。
第2逆洗水噴射ノズル40は、第1逆洗水噴射ノズル6とは別にフィルタ52の二次側に設けられ、フィルタ52の外周面に向かって第2逆洗水を噴射する。第2逆洗水噴射ノズル40からの第2逆洗水の噴射は、ケーシング51及びフィルタ52の内部に実質的にバラスト水(W2,W1)が存在しない状態(第2逆洗水噴射ノズル40からの第2逆洗水が(水中ではなく)フィルタ52に直接当たる状態)で行われる(空間洗浄)。
逆洗汚水排出手段5は、吸引ノズル4で吸引された逆洗汚水W11をケーシング51の内部から外部へ排出する。差圧検出手段8は、フィルタ52の一次側と二次側との差圧を検出する。制御部9は、差圧検出手段8により検出された差圧などに基づいて、逆洗水の噴射の有無、第1逆洗水噴射ノズル6と第2逆洗水噴射ノズル40との切り換え、逆洗水の噴射時の噴射圧力などを制御する。
バラスト水濾過装置2の詳細については後述する。
紫外線リアクタ61は、バラスト水濾過装置2のフィルタ52により濾過されたバラスト水(濾過処理水)W2に対して紫外線の照射を行う。
バラストタンク62は、紫外線リアクタ61により紫外線の照射が行われたバラスト水(濾過処理水)W2を、貯留処理水W3として貯留する。
また、紫外線リアクタ61は、バラストタンク62に貯留されるバラスト水(貯留処理水)W3を船外へ排出する際に、貯留処理水W3に対して紫外線の照射を行う。
清浄水タンク65は、バラスト水とは別に用意された清浄水W5を貯留する。
次に、各ラインについて詳述する。被処理水導入ラインL1は、一端部から被処理水W1(主に海水)が導入され、他端部において被処理水導入口20に接続しており、被処理水W1がバラスト水濾過装置2の被処理水導入口20に向けて流通するラインである。被処理水導入ラインL1には、汲み上げポンプP1、バルブV1、接続部J1、被処理水導入口20がこの順で接続されている。
被処理水排出ラインL2は、一端部において被処理水導入ラインL1の接続部J1に接続しており、他端部からフィルタ52内の水(バラスト水W1)が排出されるラインである。
処理水ラインL11は、一端部においてバラスト水濾過装置2の処理水流出口26に接続しており、他端部においてバラストタンク62に接続しており、バラスト水濾過装置2で濾過処理されたバラスト水(濾過処理水)W2がバラストタンク62に向けて流通するラインである。処理水ラインL11には、処理水流出口26、接続部J21、バルブV11、接続部J11、紫外線リアクタ61、バルブV12、バラストタンク62がこの順で設けられている。
貯留処理水排出ラインL12は、一端部において処理水ラインL11の接続部J11に接続しており、他端部からバラスト水(貯留処理水)W3を排出するラインである。貯留処理水排出ラインL12には、接続部J11、バルブV13、被処理水排出ポンプP11がこの順で設けられている。
第1逆洗水流通ラインL21は、一端部において処理水ラインL11の接続部J21に接続しており、他端部において第1逆洗水噴射ノズル6に接続しているラインである。第1逆洗水流通ラインL21には、バラスト水(濾過処理水)W2が第1逆洗水噴射ノズル6に向けて流通する。第1逆洗水流通ラインL21には、接続部J21、バルブV21、第1逆洗水加圧ポンプP21がこの順で設けられている。
第2逆洗水流通ラインL22は、一端部において清浄水タンク65に接続しており、他端部において第2逆洗水噴射ノズル40に接続しているラインである。第2逆洗水流通ラインL22には、清浄水タンク65に貯留される清浄水W5が、第2逆洗水として、第2逆洗水噴射ノズル40に向けて流通する。第2逆洗水流通ラインL22には、バルブV22及び第2逆洗水加圧ポンプP22がこの順で設けられている。
ラインの各所には、各種のバルブ及びポンプが設けられている。具体的には、被処理水導入ラインL1における接続部J1よりも上流側には、汲み上げポンプP1が設けられている。汲み上げポンプP1は、被処理水導入ラインL1の一端部から被処理水W1(主に海水)を汲み上げる。被処理水導入ラインL1における汲み上げポンプP1と接続部J1との間には、バルブV1が設けられている。被処理水排出ラインL2には、バルブV2が設けられている。
処理水ラインL11における処理水流出口26と紫外線リアクタ61との間(詳細には、接続部J21と接続部J11との間)には、バルブV11が設けられている。処理水ラインL11における紫外線リアクタ61とバラストタンク62との間には、バルブV12が設けられている。貯留処理水排出ラインL12には、バルブV13及び被処理水排出ポンプP11が設けられている。被処理水排出ポンプP11は、貯留処理水排出ラインL12を流通する水を吸引し、加圧する(吐出する)
第1逆洗水流通ラインL21における接続部J21と第1逆洗水加圧ポンプP21との間には、バルブV21が設けられている。第1逆洗水流通ラインL21におけるバルブV21と第1逆洗水噴射ノズル6との間には、第1逆洗水加圧ポンプP21が設けられている。第1逆洗水加圧ポンプP21は、第1逆洗水流通ラインL21を流通する水を吸引し、加圧する(吐出する)。
第2逆洗水加圧ポンプP22は、第2逆洗水流通ラインL22を流通する水を吸引し、加圧する(吐出する)。
次に、バラスト水濾過装置2の詳細について説明する。ケーシング51は、上部開口部及び下部開口部を有する円筒状に形成されており、上部開口部が蓋部10で密閉され、下部開口部が底部11で密閉されている。蓋部10には、エア抜きラインL31が接続されている。エア抜きラインL31には、ケーシング51の内部のエアを抜くためのエア抜きバルブV31が設けられている。
より詳細には、図示のように、エア抜きラインL31は、圧縮空気導入手段71の圧縮空気供給ラインL41と部分的に共通のラインにより構成され、この共通のライン部分の一端側で蓋部10に接続されている。そして、エア抜きバルブV31は、この共通のライン部分から分岐したライン部分に設けられている。
圧縮空気供給ラインL41の他端側は、バルブV41を介して圧縮空気供給源72としての、例えば、コンプレッサ等に接続されている。
圧縮空気導入手段71は、フィルタ52の内部に圧縮空気を導入する手段であり、圧縮空気供給ラインL41、バルブV41、及び、圧縮空気供給源72を含んで構成される。
フィルタ52は、上部開口部及び下部開口部を有し、全体視で円筒状に形成されている。フィルタ52の詳細については後述する。ケーシング51とフィルタ52との間には、処理水流出空間27が形成される。上部開口部は、上閉止部13で密閉されている。下部開口部は、下閉止部14及び後述する下部回転軸部材16とで密閉されている。
フィルタ回転手段3は、上部回転軸部材15と、下部回転軸部材16と、上部回転軸部材15を回転させるモータ17とで構成されている。上部回転軸部材15は、フィルタ52の上閉止部13に、フィルタ52の軸心位置に軸心方向上向きに突設して設けられている。下部回転軸部材16は、フィルタ52の下閉止部14に、フィルタ52の軸心位置に軸心方向下向きに突設して設けられている。
上部回転軸部材15は、ケーシング51の蓋部10を貫通し且つシーリングされた軸受部材18を介して、蓋部10に回転自在に且つ液密に支持されている。下部回転軸部材16は、ケーシング51の底部11を貫通し且つシーリングされた軸受部材19を介して、底部11に回転自在に且つ液密に支持されている。下部回転軸部材16は、フィルタ52の内部と連通する管状体となっており、ケーシング51の底部11からケーシング51の外部に突出する。下部回転軸部材16には、ケーシング51への被処理水導入口20が接続されている。
被処理水導入口20には、被処理水導入ラインL1が接続されている。ケーシング51の側部には、処理水流出口26が設けられている。処理水流出口26には、処理水ラインL11が接続されている。
被処理水導入ラインL1を流通し且つ被処理水導入口20から導入された被処理水W1は、下部回転軸部材16を通ってフィルタ52の内部に入る。その被処理水W1は、フィルタ52を通過して濾過されて、ケーシング51とフィルタ52との間に形成される処理水流出空間27に入り、処理水流出口26から流出する。
本実施形態のバラスト水処理装置1は、陽極材81及び二次側残留水排出手段91を更に備える。
陽極材81は、ケーシング51の内側でフィルタ52の外側の処理水流出空間27に配置されている。陽極材81は、フィルタ52を構成する金属と異なる金属で構成され、フィルタ52と陽極材81との間の電位差(この電位差を与える手段は図示省略)によりフィルタ52に防食電流を供給する。フィルタ52を構成する金属及び陽極材81を構成する金属の例としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム又はこれらの1種以上を含む合金等が挙げられる。
二次側残留水排出手段91は、処理水流出空間27の下部に残留する二次側残留水W4(この二次側残留水W4には、陽極材81の溶融で生じる沈殿物が含まれる)を系外へ排出する。二次側残留水排出手段91は、二次側残留水ラインL3と二次側残留水バルブV3とを備えている。二次側残留水ラインL3は、一端部がケーシング51の底部11に接続され、他端部が被処理水排出ラインL2における接続部J1とバルブV2との間の接続部J2に接続されるラインである。二次側残留水バルブV3は、二次側残留水ラインL3に設けられ、制御部9の管理下で作動する。
逆洗汚水排出手段5は、逆洗汚水集合管28と、逆洗汚水排出管29と、バルブV32とを備える。逆洗汚水集合管28は、複数の吸引ノズル4に接続する。逆洗汚水集合管28には、複数の吸引ノズル4で吸引された逆洗汚水W11が集合して、下方に向けて流通する。逆洗汚水排出管29は、逆洗汚水集合管28の下端部に接続し、逆洗汚水W11を外部へ排出する。バルブV32は、逆洗汚水排出管29に設けられている。
逆洗汚水排出管29は、吸引ノズル4により吸引された第1逆洗汚水W11が流通するラインであり、適宜「第1逆洗汚水ライン29」ともいう。バルブV32を適宜「第1逆洗汚水バルブV32」ともいう。
逆洗汚水集合管28においては、上端部が閉鎖し、下端部が開口している。逆洗汚水集合管28は、フィルタ52の軸心に配置されている。逆洗汚水集合管28の上端部は、フィルタ52の上閉止部13の中央に設けられた孔に、嵌合して支持されている。逆洗汚水集合管28の下端部は、フィルタ52の下閉止部14の下部回転軸部材16の内部を、フィルタ52の回転を妨げないように通り、ケーシング51の被処理水導入口20に固定されて支持されている。
吸引ノズル4は、逆洗汚水集合管28に接続し、フィルタ52の内周面に向かって開口する。吸引ノズル4は、フィルタ52の軸方向全域から吸引可能であることが好ましい。なお、吸引ノズル4の構成は特に限定されるものではない。例えば、吸引ノズル4を、フィルタ52の軸方向に直線状及び/又は周方向に角度を変えて複数配置することができる。周方向に角度を変えて複数配置される吸引ノズル4は、同じ高さに配置してもよく、或いは高さを変えて配置してもよい。
本実施形態においては、複数の吸引ノズル4は、フィルタ52の軸方向(上下方向)に直線状に配置されて、逆洗汚水集合管28と接続している。また、フィルタ52の内周面に対向した位置でフィルタ52に向かって開口している吸引ノズル4の開口部は、フィルタ52の内周面に摺動可能に密着している。
上下方向に配置されている複数の吸引ノズル4の間の未吸引部を無くすため、フィルタ52の軸方向に2列に配置され、一方の列の吸引ノズル4の間に他方の列の吸引ノズル4が位置している。具体的には、複数の吸引ノズル4は、逆洗汚水集合管28の左右側に、高さ方向に交互に配置されている。なお、吸引ノズル4をフィルタ52の軸方向に配置する他の例として、複数の吸引ノズル4をフィルタ52の軸方向に、吸引ノズル4の間に未吸引部が存在しない間隔で螺旋状に配置してもよい。
吸引ノズル4の開口部がフィルタ52の内周面に摺動可能に密着した状態で、複数の吸引ノズル4は、フィルタ52の軸方向に直線状に配置されて逆洗汚水集合管28に接続している。上下方向に配置されている複数の吸引ノズル4は、各吸引ノズル4の間の未吸引部を無くすため、逆洗汚水集合管28の左右側に、高さ方向に交互に配置されている。そのため、フィルタ52の1回の回転でフィルタ52の内周面全域からの吸引を行うことができる。
第1逆洗水噴射ノズル6は、ケーシング51の側部に設けられており、ケーシング51の内部に開口している。第1逆洗水噴射ノズル6は、フィルタ52の軸方向全域に第1逆洗水を噴射できることが好ましい。第1逆洗水噴射ノズル6の構成は特に限定されるものではない。例えば、第1逆洗水噴射ノズル6を、フィルタ52の軸方向に直線状及び/又は周方向に角度を変えて複数配置することができる。周方向に角度を変えて複数配置される第1逆洗水噴射ノズル6は、同じ高さに配置してもよく、或いは高さを変えて配置してもよい。本実施形態においては、第1逆洗水噴射ノズル6は、複数配置された各吸引ノズル4と同周上に位置し、且つ、フィルタ52の回転方向に対向する方向に向かって、吸引ノズル4の前に位置するように設けられている。なお、第1逆洗水噴射ノズル6は、各吸引ノズル4と対向するそれぞれの位置に設けられていてもよく、或いは、フィルタ52の回転方向に対向する方向に向かって、吸引ノズル4の後に位置するように設けられていてもよい。
第1逆洗水供給手段7は、フィルタ52で濾過処理された濾過処理水W2を加圧して、第1逆洗水W2として第1逆洗水噴射ノズル6に供給する。第1逆洗水供給手段7は、第1逆洗水加圧ポンプP21、バルブV21などから構成される。
第1逆洗水噴射ノズル6は、フィルタ52の外周面(二次側)に第1逆洗水W2を噴射して、フィルタ52の一次側に堆積した異物を剥離する。剥離した直後に吸引ノズル4による吸引が行われる。第1逆洗水噴射ノズル6から噴射された第1逆洗水W2によりフィルタ52から剥離した異物は、逆洗汚水排出管29に設けられたバルブV32を開くことにより、吸引ノズル4により効果的に吸引される。バルブV32の二次側の圧力は大気圧に開放されているため、逆洗汚水集合管28の内部の圧力がフィルタ52の二次側の圧力よりも低くなり、フィルタ52の二次側にある濾過処理水W2の一部及び第1逆洗水噴射ノズル6から噴射した第1逆洗水W2は、逆洗汚水W11となって逆洗汚水集合管28の内部を流通し、逆洗汚水排出管29から外部へ排出される。
差圧検出手段8は、フィルタ52の一次側と二次側との差圧を検出する。差圧検出手段8は、フィルタ52の内部に配置される一次側圧力センサ37と、処理水流出空間27に配置される二次側圧力センサ38と、を備える。差圧検出手段8は、一次側圧力センサ37によりフィルタ52の一次側の圧力を検知し、二次側圧力センサ38によりフィルタ52の二次側の圧力を検知して、フィルタ52の一次側と二次側との差圧を検出する。フィルタ52の一次側と二次側との差圧に基づいて、フィルタ52の汚れ具合を判断できる。差圧が大きい場合は、フィルタ52への異物の堆積量が多くなっていることを示し、差圧が小さい場合は、フィルタ52が初期状態に近い状態(異物の堆積量が少ない状態)であることを示している。
第2逆洗水噴射ノズル40は、ケーシング51の側部に設けられており、ケーシング51の内部に開口している。第2逆洗水噴射ノズル40は、フィルタ52の軸方向全域に第2逆洗水を噴射できることが好ましい。第2逆洗水噴射ノズル40の構成は特に限定されるものではない。例えば、第2逆洗水噴射ノズル40を、フィルタ52の軸方向に直線状及び/又は周方向に角度を変えて複数配置することができる。周方向に角度を変えて複数配置される第2逆洗水噴射ノズル40は、同じ高さに配置してもよく、或いは高さを変えて配置してもよい。
第2逆洗水供給手段41は、清浄水タンク65に貯留される清浄水W5を加圧して、第2逆洗水W5として第2逆洗水噴射ノズル40に供給する。第2逆洗水供給手段41は、バルブV22、第2逆洗水加圧ポンプP22などから構成される。
第1逆洗水噴射ノズル6に供給される第1逆洗水としては、本実施形態においては、フィルタ52で濾過処理された濾過処理水W2が用いられる。第2逆洗水噴射ノズル40に供給される第2逆洗水としては、本実施形態においては、清浄水タンク65に貯留される清浄水W5が用いられる。なお、フィルタ52への第1逆洗水として、清浄水タンク65に貯留されている清浄水W5などを使用することもできる。
第2逆洗水噴射ノズル40は、バラスト水処理運転の終了後、ケーシング51の内部の水が排出された状態(フィルタ52の内部に実質的にバラスト水W1が存在しない状態)で、フィルタ52の外周面(二次側)に第2逆洗水W5を噴射して、フィルタ52の内周面(一次側)に堆積した異物を強力に剥離する。
第2逆洗水噴射ノズル40からは、フィルタ52の内部に実質的にバラスト水W1が存在しない状態で、第2逆洗水W5が、回転しているフィルタ52の外周面に噴射される。
本実施形態のバラスト水処理装置1は、第2逆洗水噴射ノズル40による逆洗浄後の第2逆洗汚水W12が流通する第2逆洗汚水ラインL42を更に備える。この第2逆洗汚水ラインL42の一端側は、被処理水導入口20の側方に接続される。第2逆洗汚水ラインL42の他端側から、第2逆洗汚水W12が排出される。第2逆洗汚水ラインL42には、第2逆洗汚水バルブV42が設けられている。
次に、本実施形態のバラスト水処理装置1の主な動作について簡単に説明する。
(1)バラスト水濾過装置2による被処理水W1の濾過処理
バルブV1、バルブV11及びバルブV12を開き、バルブV2、バルブV13、バルブV21、バルブV31及びバルブV32を閉じる。この状態で、汲み上げポンプP1を駆動させる。これにより、被処理水導入ラインL1の一端部から流入した被処理水W1は、被処理水導入ラインL1を流通する。被処理水導入口20から導入された被処理水W1は、フィルタ52で濾過処理され、濾過処理水W2として処理水流出口26から排出される。濾過処理水W2は、処理水ラインL11を流通し、紫外線リアクタ61により紫外線処理され、バラストタンク62に貯留処理水W3として貯留される。
特に本実施形態では、制御部9は、上述のバラスト水濾過装置2による被処理水W1の濾過処理の前に、即ち、フィルタ52による濾過処理工程の前に、既述の二次側残留水W4を系外へ排出するように二次側残留水排出手段91を制御する。この制御については、後にタイミングチャートを参照して更に詳述する。
(2)第1逆洗水噴射ノズル6によるフィルタ52の逆洗処理(バラスト水処理運転中の逆洗)
バルブV1、バルブV11、バルブV12、バルブV21及びバルブV32を開き、他のバルブを閉じて、濾過処理水W2が第1逆洗水噴射ノズル6に向けて流通する状態とする。そして、ケーシング51及びフィルタ52の内部にバラスト水(W2,W1)が存在する状態で、第1逆洗水加圧ポンプP21及び吸引ノズル4の吸引を稼働させる。これにより、第1逆洗水噴射ノズル6からの第1逆洗水W2は、フィルタ52に向けて噴射され、吸引ノズル4により吸引されて、逆洗が行われる。
(3)第2逆洗水噴射ノズル40によるフィルタ52の逆洗処理(空間洗浄)
被処理水W1の濾過処理終了後、被処理水排出ラインL2のバルブV2及びエア抜きラインL31のバルブV31を開き、他のバルブを閉じて、フィルタ52内の水を排出する。そして、ケーシング51及びフィルタ52の内部に実質的にバラスト水(W2,W1)が存在しない状態で、逆洗汚水排出管29に設けられたバルブV32及び第2逆洗水流通ラインL22に設けられたバルブV22を開き、第2逆洗水加圧ポンプP22を稼働させる。これにより、清浄水タンク65に貯留される清浄水W5は、第2逆洗水流通ラインL22を流通し、第2逆洗水加圧ポンプP22により加圧され、第2逆洗水W5として、第2逆洗水噴射ノズル40からフィルタ52に向けて噴射され、逆洗が行われる。
第2逆洗水噴射ノズル40によるフィルタ52の逆洗処理(空間洗浄)へ移行する制御については、後にタイミングチャートを参照して更に詳述する。
(4)バラストタンク62から外部への貯留処理水W3の排水処理
バルブV12及びバルブV13を開き、他のバルブを閉じる。この状態で貯留処理水排出ラインL12に設けられた被処理水排出ポンプP11を稼働させる。これにより、バラストタンク62に貯留される貯留処理水W3は、紫外線リアクタ61により紫外線処理され、処理水ラインL11の一部及び貯留処理水排出ラインL12を介して外部に排出される。
次に、図面を参照して、制御部9による各バルブ及びポンプの制御について詳細に説明する。図2は、本発明の実施形態における制御部によるバルブ及びポンプの制御に関するタイミングチャートである。
図2では、図1のバラスト水処理装置1に備えられた各バルブV1、V2、V3、V11、V12、V13、V21、V22、V31、V32、V41及びV42について、それらの開閉のタイミングを表している。また、バラスト水処理装置1に備えられた各ポンプP1、P11、P21及びP22について、それらの稼働/停止のタイミングを表している。
各バルブV1、V2、V3、V11、V12、V13、V21、V22、V31、V32、V41及びV42の開閉は、制御部9からの制御信号により行うように構成できる。なお、一部のバルブについてそれらの開閉を制御部9の管理下で行うようにする一方、他のバルブについては手動操作により開閉するように構成することもできる。
また、各ポンプP1、P11、P21及びP22についても、それらの稼働と停止を制御部9からの制御信号により行うように構成できる。なお、一部のポンプについてそれらの稼働と停止を制御部9の管理下で行うようにする一方、他のポンプについては手動により稼働と停止の操作を行うように構成することもできる。
但し、以下に説明する例では、各バルブV1、V2、V3、V11、V12、V13、V21、V22、V31、V32、V41及びV42、並びに、各ポンプP1、P11、P21及びP22は、制御部9の管理下で、その作動が制御される。
図2では、フィルタ52による濾過処理工程の前に二次側残留水W4を系外へ排出する二次側残留水排出工程の開始直前から、第2逆洗水噴射ノズル40によるフィルタ52の逆洗処理(空間洗浄)が終了するまでの期間における、各バルブV1、V2、V3、V11、V12、V13、V21、V22、V31、V32、V41及びV42、並びに、各ポンプP1、P11、P21及びP22に対する制御部9による制御を表している。
図2における最下行に表記された時間軸上のt1は、バラスト水処理装置1の休止を終了し、二次側残留水排出工程を開始する時刻である。
図2の例では、二次側残留水排出工程の開始時刻t1の直前までは、各バルブV1、V2、V3、V11、V12、V13、V21、V22、V31、V32、V41及びV42は閉じられ、各ポンプP1、P11、P21及びP22は停止して、バラスト水処理装置1は休止しており、且つ、ケーシング51内は、休止前に汲み上げられた被処理水W1及びフィルタ52の二次側の処理水流出空間27に残留する二次側残留水W4により、略満水状態にある。また、このようにバラスト水処理装置1が休止している期間に、陽極材81による電気防食が行われている。
制御部9は、時刻t1で、被処理水排出ラインL2のバルブV2、及び、二次側残留水ラインL3の二次側残留水バルブV3を開き、更に、エア抜きラインL31のエア抜きバルブV31を既定時間Tp(時刻t1から時刻t2まで)の間開くように、各部を制御する。
エア抜きバルブV31が開くことに伴い、ケーシング51内の二次側残留水W4の一部は、自重(水頭圧)によって、二次側残留水ラインL3及び被処理水排出ラインL2をこの順に流通して、系外に排出される。
制御部9は、時刻t2で、エア抜きバルブV31を閉じると共に、圧縮空気供給ラインL41のバルブV41を開くように制御する。
バルブV41が開くと、圧縮空気は、圧縮空気導入手段71の圧縮空気供給源72から圧縮空気供給ラインL41を通してケーシング51内に供給される。
上述のように圧縮空気が供給されると、ケーシング51内は加圧状態になり、従って、フィルタ52の二次側の処理水流出空間27が加圧環境となる。
制御部9は、圧縮空気供給ラインL41のバルブV41が開いた状態を時間T1(時刻t2から時刻t3まで)の間維持するように、バルブV41を制御する。時間T1の間では、処理水流出空間27が加圧環境となっており、処理水流出空間27の下部に残留する二次側残留水W4は、処理水流出空間27内の圧力により系外へ排出される。これが二次側残留水排出工程である。
処理水流出空間27の下部に残留する二次側残留水W4には、フィルタ52に防食電流を供給する陽極材81が溶融することにより生じる沈殿物が含まれている。この沈殿物は、フィルタ52における被処理水の濾過機能を阻害する。しかしながら、本実施形態のバラスト水処理装置1では、処理水流出空間27の加圧環境下において、沈殿物を含む二次側残留水W4が系外に排出されるため、バラスト水処理装置における金属製のフィルタ52の防食に流電陽極方式の電気防食を適用した場合に、電極の溶融により生じる沈殿物による弊害を抑制することができる。
制御部9は、時刻t3で二次側残留水排出工程を終了させ、続いて、フィルタ52による濾過処理工程に移行するように、各部を制御する。即ち、制御部9は、時刻t3で、被処理水排出ラインL2のバルブV2、及び、二次側残留水ラインL3の二次側残留水バルブV3、並びに、圧縮空気供給ラインL41のバルブV41を閉じるように制御する。
また、制御部9は、時刻t3で、被処理水導入ラインL1のバルブV1、処理水ラインL11のバルブV11及びバルブV12を開き、汲み上げポンプP1を稼働させるように、各部を制御する。
これにより、被処理水導入ラインL1を通して、被処理水W1は、被処理水導入口20からフィルタ52の一次側に導入される。導入された被処理水W1は、フィルタ52で濾過処理される。即ち、時刻t3からフィルタ52による濾過処理工程が開始する。
この濾過処理工程を時間T2(時刻t3から時刻t4まで)継続すると、制御部9は、フィルタ52による濾過処理を継続しつつ、第1逆洗水噴射ノズル6によるフィルタ52の逆洗処理を行うように、各部を制御する。即ち、制御部9は、濾過処理工程の継続中に差圧検出手段8によるフィルタ52の一次側と二次側との差圧が既定値以上になったとき(本例では時刻t4)、或いは、濾過処理工程の継続時間が既定値以上になったとき(本例では時刻t4)に、これらを契機として、第1逆洗水噴射ノズル6によるフィルタ52の逆洗処理を起動させる。
通常、時間T2(時刻t3から時刻t4まで)は相対的に長時間であるため、図2においては、時間T2における時間軸の中間部分を破断して短縮して表記してある。
本実施形態では、時刻t4で、第1逆洗水噴射ノズル6によるフィルタ52の逆洗処理が起動するが、フィルタ52による濾過処理自体は時刻t4以後も継続的に行われる。
従って、制御部9は、時刻t4では、被処理水導入ラインL1のバルブV1、処理水ラインL11のバルブV11及びバルブV12を開き、且つ、汲み上げポンプP1を稼働させている状態を維持するように、各部を制御する。
制御部9は、時刻t4ではこの状態を維持して、第1逆洗水流通ラインL21のバルブV21を開き、第1逆洗水加圧ポンプP21を稼働させると共に、第1逆洗汚水バルブV32を開くように、各部を制御する。
第1逆洗水噴射ノズル6によるフィルタ52の逆洗処理は、時間T3(時刻t4から時刻t5まで)継続される。時間T3の終端時点である時刻t5は、バラストタンク62へのバラスト水の供給が完了した時刻であり、この時刻で逆洗処理も終了する。
制御部9は、上述の時刻t5に到ると、被処理水導入ラインL1のバルブV1、処理水ラインL11のバルブV11及びバルブV12を閉じ、且つ、汲み上げポンプP1を停止させるように、各部を制御する。また、制御部9は、第1逆洗水加圧ポンプP21を停止させると共に、第1逆洗汚水バルブV32を閉じるように、各部を制御する。
時刻t5で、バラストタンク62へのバラスト水の供給が完了し、バラスト水処理運転中の逆洗処理が終了すると、制御部9は、被処理水排出ラインL2のバルブV2、二次側残留水ラインL3の二次側残留水バルブV3、及び、エア抜きラインL31のバルブV31を既定時間Tp(時刻t5から時刻t6まで)の間開き、他のバルブを閉じて、先ず、ケーシング51及びフィルタ52内の水をその自重(水頭圧)を利用して排出するように、各部を制御する。
既定時間Tpの間に、ケーシング51内の水が被処理水排出ラインL2から排出され、時刻t6に到ると、制御部9は、エア抜きラインL31のバルブV31を閉じるように制御する。これと共に、制御部9は、圧縮空気供給ラインL41のバルブV41を開き、このように開いた状態を既定の時間T4(時刻t6から時刻t7まで)維持するように、バルブV41を制御する。また、制御部9は、バルブV2及びバルブV3について上記既定時間Tpから引き続いて時間T4の間も開いた状態を維持し、その他のバルブについては閉じた状態を維持させるように制御する。
上述のように圧縮空気供給ラインL41のバルブV41が開かれると、圧縮空気は、圧縮空気供給源72から圧縮空気供給ラインL41を通してケーシング51内に、延いては、フィルタ52内に供給される。
圧縮空気の供給は、バルブV41が開かれている時間T4の間維持され、この間に、ケーシング51内の水が排出される。
時間T4の終端時点である時刻t7に到ると、制御部9は、圧縮空気供給ラインL41のバルブV41を閉じ、また、被処理水排出ラインL2のバルブV2及び二次側残留水ラインL3の二次側残留水バルブV3を閉じるように制御する。
この時刻t7における状態では、フィルタ52内を含むケーシング51内の被処理水W1は、実質的に全量排出される。
時刻t7以降(図示の例では時刻t7の直後)に、制御部9は、第2逆洗汚水ラインL42の第2逆洗汚水バルブV42及び第2逆洗水流通ラインL22のバルブV22を開くように制御する。また、これと共に、制御部9は、第2逆洗水加圧ポンプP22を稼働させるように制御する。
これにより、清浄水タンク65に貯留されている清浄水W5は、第2逆洗水流通ラインL22を流通し、第2逆洗水加圧ポンプP22により加圧され、第2逆洗水W5として、第2逆洗水噴射ノズル40からフィルタ52に向けて噴射され、清浄水W5による逆洗(空間洗浄)が行われる。
即ち、逆洗水噴射ノズル40からの逆洗水の噴射は、フィルタ52の内部に実質的にバラスト水が存在しない状態で行われ、空間洗浄が行われる。
一方、制御部9は、逆洗水噴射ノズル40からの逆洗水(第2逆洗水W5)の噴射が行われるときにおいても、二次側残留水W4を系外へ排出するように二次側残留水排出手段91を制御する。
即ち、制御部9は、既述のように時刻t7に先立つ時刻t5で、被処理水排出ラインL2のバルブV2、及び、二次側残留水ラインL3の二次側残留水バルブV3を開くように制御する。これにより、処理水流出空間27の加圧環境下において、二次側残留水W4は系外へ継続的に排出される。
換言すれば、制御部9は、逆洗水噴射ノズル40からの逆洗水(2逆洗水W5)の噴射が行われるときにおいても、二次側残留水W4を系外へ排出するように二次側残留水排出手段91を制御する。
制御部9は、清浄水W5による逆洗(空間洗浄)を既定の時間T5(時刻t7から時刻t8まで)の間継続するように、各部を制御する。時間T5の終端時点である時刻t8に到ると、制御部9は、第2逆洗汚水ラインL42の第2逆洗汚水バルブV42及び第2逆洗水流通ラインL22のバルブV22を閉じ、第2逆洗水加圧ポンプP22を停止させて、清浄水W5による逆洗を終了するように、各部を制御する。
なお、図示は省略するが、時刻t8以降に、ケーシング51内は、汲み上げポンプP1により汲み上げられた海水により満水状態にされ、電気防食が有効に機能する。
以上を総じて、本実施形態のバラスト水処理装置1では、制御部9は、フィルタ52による濾過処理工程の前に、電極の溶融により生じる沈殿物が含まれる二次側残留水W4を系外へ排出するように二次側残留水排出手段91(二次側残留水バルブV3等)を制御する。
従って、バラスト水処理装置における金属製フィルタの防食に流電陽極方式の電気防食を適用した場合に、電極の溶融により生じる沈殿物による弊害を抑制することが可能となる。
以上、本発明の実施形態としてのバラスト水処理装置1について詳述した。
ここに、バラスト水処理装置1の構成は次のように総括できる。
内部に流入した被処理水としてのバラスト水W1を濾過して濾過処理水W2として外部へ流出させる筒状で金属製のフィルタ52と、フィルタ52を収納するケーシング51と、フィルタ52の内部に向けて被処理水W1が流通する被処理水導入ラインL1と、フィルタ52で濾過された濾過処理水W2が、濾過処理水W2を貯留するバラストタンク62へ向けて流通する処理水ラインL11と、ケーシング51の内側でフィルタ52の外側の処理水流出空間27に配置され、フィルタ52を構成する金属と異なる金属で構成される陽極材81であって、フィルタ52と陽極材81との間の電位差によりフィルタ52に防食電流を供給する陽極材81と、処理水流出空間27の下部に残留する二次側残留水W4を系外へ排出する二次側残留水排出手段91と、二次側残留水排出手段91を制御する制御部9と、を備え、制御部9は、フィルタ52による濾過処理工程の前に、二次側残留水W4を系外へ排出するように二次側残留水排出手段91を制御する、バラスト水処理装置。
また、バラスト水処理装置の一つの態様は次のように総括できる。
制御部9は、フィルタ52による濾過処理工程の前に処理水流出空間27が加圧環境下(圧縮空気導入手段71の圧縮空気供給源72から導入される圧縮空気により、処理水流出空間27の内圧が高まる状態)において、二次側残留水W4を系外へ排出するように二次側残留水排出手段91(二次側残留水バルブV3等)を制御する、バラスト水処理装置。
また、バラスト水処理装置の一つの態様は次のように総括できる。
フィルタ52の外周面に向かって逆洗水W5を噴射する逆洗水噴射ノズル40を更に備え、逆洗水噴射ノズル40からの逆洗水の噴射は、フィルタ52の内部に実質的にバラスト水W1が存在しない状態で行われ、制御部9は、第2逆洗水噴射ノズル40からの逆洗水W5の噴射が行われるときにおいても、二次側残留水W4を系外へ排出するように二次側残留水排出手段91(二次側残留水バルブV3等)を制御する。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
既述の実施形態では、制御部9は、被処理水排出ラインL2のバルブV2及び二次側残留水ラインL3の二次側残留水バルブV3を開けて、処理水流出空間27の下部に残留する二次側残留水W4を系外へ排出するに際し、次のような2段階のステップを踏んでいる。即ち、先ず、エア抜きバルブV31を既定時間Tp(時刻t1から時刻t2まで)の間開いて二次側残留水W4の一部を自重(水頭圧)によって排出する。次いで、エア抜きバルブV31を閉じ、圧縮空気供給ラインL41のバルブV41を開いて圧縮空気をケーシング51内に導入し、処理水流出空間27を加圧環境にする。自重で系外に排出されなかった残りの二次側残留水W4は、この加圧環境下で、系外に排出される。この態様の制御を行う場合には、二次側残留水W4の一部を自重によって排出するため、圧縮空気供給源72の負担が相対的に軽くなり、省エネルギーの見地からは優れたものになる。
しかしながら、処理水流出空間27の下部に残留する二次側残留水W4を系外へ排出するには、上述のように2段階のステップを踏むことは必須ではない。
即ち、二次側残留水W4の系外への排出に際しては、被処理水排出ラインL2のバルブV2及び二次側残留水ラインL3の二次側残留水バルブV3を開け、エア抜きバルブV31については閉じたままで、圧縮空気供給ラインL41のバルブV41を開いて圧縮空気をケーシング51内に導入し、処理水流出空間27を加圧環境にして、二次側残留水W4を系外へ排出するようにしてもよい。後者の態様の制御では、二次側残留水W4の系外への排出がより速やかに行われる。
1 バラスト水処理装置
6 第1逆洗水噴射ノズル
9 制御部
27 処理水流出空間
29 逆洗汚水排出管、第1逆洗汚水ライン(逆洗汚水ライン)
40 第2逆洗水噴射ノズル(逆洗水噴射ノズル)
51 ケーシング
52 フィルタ
62 バラストタンク
71 圧縮空気導入手段
72 圧縮空気供給源
81 陽極材
91 二次側残留水排出手段
L1 被処理水導入ライン
L3 二次側残留水ライン
L11 処理水ライン
L42 第2逆洗汚水ライン
V3 二次側残留水バルブ
V32 第1逆洗汚水バルブ
V42 第2逆洗汚水バルブ
W1 被処理水(バラスト水)
W2 濾過処理水、第1逆洗水(逆洗水)
W4 二次側残留水
W5 第2逆洗水(清浄水)
W11 第1逆洗汚水(逆洗汚水)

Claims (3)

  1. 内部に流入した被処理水としてのバラスト水を濾過して濾過処理水として外部へ流出させる筒状で金属製のフィルタと、
    前記フィルタを収納するケーシングと、
    前記フィルタの内部に向けて被処理水が流通する被処理水導入ラインと、
    前記フィルタで濾過された濾過処理水が、濾過処理水を貯留するバラストタンクへ向けて流通する処理水ラインと、
    前記ケーシングの内側で前記フィルタの外側の処理水流出空間に配置され、前記フィルタを構成する金属と異なる金属で構成される陽極材であって、前記フィルタと陽極材との間の電位差により前記フィルタに防食電流を供給する陽極材と、
    前記処理水流出空間の下部に残留する二次側残留水を系外へ排出する二次側残留水排出手段と、
    前記二次側残留水排出手段を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記フィルタによる濾過処理工程の前に、二次側残留水を系外へ排出するように前記二次側残留水排出手段を制御する、
    バラスト水処理装置。
  2. 前記制御部は、前記フィルタによる濾過処理工程の前に、前記処理水流出空間が加圧環境下において、二次側残留水を系外へ排出するように前記二次側残留水排出手段を制御する、
    請求項1に記載のバラスト水処理装置。
  3. 前記フィルタの外周面に向かって逆洗水を噴射する逆洗水噴射ノズルを更に備え、
    前記逆洗水噴射ノズルからの逆洗水の噴射は、前記フィルタの内部に実質的にバラスト水が存在しない状態で行われ、
    前記制御部は、前記逆洗水噴射ノズルからの逆洗水の噴射が行われるときにおいても、二次側残留水を系外へ排出するように前記二次側残留水排出手段を制御する、
    請求項1又は2に記載のバラスト水処理装置。
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