まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2(ゲージ盤ともいう)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。また、遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には、後述する演出装置400が設けられている。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示すソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。下皿91を形成する部材に取付けられたスティックコントローラ31Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット35Aにて検出され、上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下動作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(ReadOnlyMemory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(RandomAccessMemory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(CentralProcessingUnit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び演出用LED9、プッシュセンサ35B、演出用モータ408L,408R、といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する。次いで、演出制御プロセスフラグの値に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄の変動が開始されるように制御する演出図柄変動開始処理、演出図柄変動開始処理にてセットされたプロセスデータに応じて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等の制御や変動時間の終了を監視するとともに、演出表示装置5の表示制御、スピーカ8L,8Rからの音出力、演出用LED9の発光及び演出装置400の駆動制御等を行う演出図柄変動中処理、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う演出図柄変動停止処理を行う。
大当り表示処理においては、変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。大当り遊技中処理においては、大当り遊技中の制御を行う。大当り終了演出処理においては、演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
尚、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
本実施例では、以下に説明する演出装置400の可動体404による可動体演出や、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作演出といった各種演出が各種予告として実行可能とされている。また、演出制御用CPU120は、上記した演出図柄変動開始処理において、上記した各種演出の実行の有無及び実行する演出の演出パターンや実行タイミングなどを決定する処理を実行する。
次に、図3に基づいて、演出装置400について説明する。図3は、(A)は可動体が第1位置にあるときの演出装置を斜め前から見た状態を示す斜視図、(B)は可動体が第2位置にあるときの演出装置を斜め前から見た状態を示す斜視図である。図4は、演出装置の構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図5は、演出装置の構成を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。
図3〜図5に示すように、演出装置400は、遊技盤2の背面と演出表示装置5との間におけるセンター飾り枠51よりも下方(図1に示す演出表示装置5の表示領域よりも下方)に固定されるベース部材401と、ベース部材401に設けられた前後方向を向く第1回動軸405L,405Rを中心としてその一方端部432L,432Rが回動可能に取付けられる第1アーム402L,402Rと、第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426Rに対し前後方向を向く第2回動軸406L,406Rを中心として一方端部425L,425Rが回動可能に取付けられる第2アーム403L,403Rと、第2アーム403L,403Rの他方端部433L,433Rに後述する第3回動軸407L,407Rを中心として回動可能に連結される可動体404と、から主に構成されている。つまり、演出装置400は、可動体404と、可動体404を上下方向に移動させるための第1アーム402L,402R及び該第1アーム402L,402Rに第2回動軸406L,406Rを中心として回動可能に連結される第2アーム403L,403Rとを有している。
第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rは、演出用モータ408L,408Rの駆動により相対的に回動して屈曲動作及び延伸動作を行うようになっており、可動体404は、第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rの屈曲状態時においてセンター飾り枠51よりも下方の第1位置(特定位置)に配置され、前記延伸状態時に演出表示装置5における表示領域の前面側に重畳する第2位置(所定位置)に出現するようになっている。
また、本実施例では、第1位置において可動体404の一部が演出表示装置5と重畳しているが、演出表示装置5と重畳していなくてもよい。また、第2位置において可動体404の全てが演出表示装置5と重畳するが、一部が演出表示装置5と重畳するようにしてもよい。つまり、第1位置では、第2位置にあるときよりも演出表示装置5との重畳面積が小さければよい。
可動体404は、頭部409と、胴部410と、胴部410の左右にそれぞれ配置される腕部411L,411Rと、胴部410の左右下部にそれぞれ配置される脚部412L,412Rと、を備え、本実施例では、当該パチンコ遊技機1の演出等に登場するキャラクタの模型とされている。胴部410は、図示しない揺動軸により頭部409に対して揺動可能に取付けられており、頭部409に設けられた図示しない胴部駆動モータにより頭部409に対し揺動するようになっている。また、腕部411L,411R及び脚部412L,412Rは、図示しない各揺動軸により胴部410に対して揺動可能に取付けられており、腕部411L,411Rは、頭部409に設けられた図示しない腕部駆動モータにより胴部410に対しそれぞれ揺動するようになっている。
このように可動体404は、胴部駆動モータ及び腕部駆動モータ等の重量物を有する構造物であるとともに、第2アーム403L,403Rの前方側に配置されているため、第2アーム403L,403Rの前方側に可動体404の荷重がかかるようになっている。
第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426Rと、第2アーム403L,403Rの一方端部425L,425Rとは、第2回動軸406L,406Rを介して相対的に回動可能に連結されている。尚、左右の第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rは、略同一構成であるため、ここでは、左側の第1アーム402L及び第2アーム403Lのみを例示して説明し、右側の第1アーム402R及び第2アーム403Rの説明を省略する。
詳しくは、図10(A)に示すように、第2アーム403Lの一方端部425Lは、その後方に配される第1アーム402Lの他方端部426Lと、第2回動軸406Lを有する軸カバー部材427Lと、により前後で挟まれており、軸カバー部材427Lから第1アーム402Lの他方端部426Lに渡って延びる第2回動軸406Lに対して軸支されている。また、第2アーム403Lの一方端部425Lは、軸カバー部材427Lと第1アーム402Lの他方端部426Lとの間にそれぞれ隙間を空けて(遊びを設けて)配置されている。つまり、一方端部425Lの板厚寸法L10は、軸カバー部材427Lと第1アーム402Lの他方端部426Lとの間の離間寸法L11よりも小寸とされている(L10<L11)。
このように、第2アーム403Lの一方端部425Lは、第1アーム402Lの他方端部426Lと軸カバー部材427Lとの間にそれぞれ隙間を空けて(遊びを設けて)配置されていることにより、第1アーム402Lと第2アーム403Lとが接触しにくくなるため、第1アーム402Lと第2アーム403Lとの相対的な回動をスムーズに行うことができるようになっている。一方、第2アーム403Lは、可動体404を第1位置と第2位置との間で移動させる際に、可動体404の荷重により第1アーム402Lに対し前後方向(回動方向に対し交差する方向)に傾倒しやすくなっている。
また、図11に示すように、第2アーム403Lの一方端部425Lの先端部は、第2回動軸406Lの軸心から該第2アーム403Lの長手方向に沿って他方端部433Lと反対側へ向けて所定寸法L1よりも長い寸法L2分突出しているとともに、第2アーム403Lの長手方向に対し直交する方向にも、第2回動軸406Lの軸心から所定寸法L1よりも長い寸法L3分突出している。尚、所定寸法L1は、第2回動軸406Lの軸心から第2アーム403Lの周縁のうち第2回動軸406Lの軸心に最も近い位置までの離間寸法である。
一方端部425Lにおいて、図11(A)の下図における仮想線(2点鎖線)で示す部分から突出する部分は余地部434L(被当接部)とされており、この余地部434Lの一部には、第1アーム402Lと第2アーム403Lとが相対的に回動する範囲において、第1アーム402Lの他方端部426L及び軸カバー部材427L(当接部)が常に前後に重畳する(図11の網点部分参照)。
詳しくは、図11(A)の下図に示すように、余地部434Lは、その先端側の所定領域である第1被当接部452L(斜線で示す領域)と、第1被当接部452Lに隣接する所定領域である第2被当接部453L(網線で示す領域)と、第2被当接部453Lの第2アーム403Lの他方端部433L側に隣接する第3被当接部454L(白地で示す領域)と、を備えている。
図11(A)の上図に示すように、第1アーム402L及び第2アーム403Lが屈曲限度まで屈曲した状態にあっては、第1アーム402Lの他方端部426L及び軸カバー部材427Lが第3被当接部454Lに重畳し、第1被当接部452L及び第2被当接部453Lには重畳しない。また、図11(B)に示すように、図11(A)の状態から第1アーム402L及び第2アーム403Lが略45度延伸した状態にあっては、第1アーム402Lの他方端部426L及び軸カバー部材427Lが第2被当接部453Lと第3被当接部454Lの一部とに重畳し、第1被当接部452Lには重畳しない。また、図11(C)に示すように、第1アーム402L及び第2アーム403Lが延伸限度まで延伸した状態にあっては、第1アーム402Lの他方端部426L及び軸カバー部材427Lが第1被当接部452Lに重畳し、第2被当接部453L及び第3被当接部454Lには重畳しない。
つまり、第1アーム402Lと第2アーム403Lとが相対的に回動する範囲のいずれの状態(可動体404が第1位置と第2位置との間の移動範囲にある状態)においても、第1アーム402Lの他方端部426L及び軸カバー部材427Lは、余地部434Lの一部に前後方向に重畳するため、第2アーム403Lが前後に傾倒した際には、該第2アーム403Lの余地部434Lの一部と第1アーム402Lの他方端部426L及び軸カバー部材427Lとが当接し、第2アーム403Lの傾倒が規制される。
図4及び図5に示すように、ベース部材401の下部左右両端には、演出用モータ408L,408Rが配置されている。この演出用モータ408L,408Rは、前後に延びる駆動軸416L,416R(図5参照)をそれぞれ有し、その駆動軸416L,416Rには、第1ギヤ413L,413Rが固定されている。また、ベース部材401の下部には、第1ギヤ413L,413Rよりも中央寄りの位置に第1ギヤ413L,413Rと噛合する第2ギヤ414L,414Rが前後方向を向く回動軸(図示略)を中心として回動可能に取付けられており、第2ギヤ414L,414Rよりもさらに中央寄りの位置には、第2ギヤ414L,414Rと噛合する第3ギヤ415L,415Rが前後方向を向く回動軸(図示略)を中心として回動可能に取付けられている。
また、ベース部材401の下部における第3ギヤ415L,415Rよりもさらに中央寄りの位置に前述した第1回動軸405L,405Rが設けられている。第3ギヤ415L,415Rの前方側には、第3ギヤ415L,415Rよりも大きな外径を有する回動盤417L,417Rが固着されており、その回動盤417L,417Rの前面における外側の所定位置(第3ギヤ415L,415Rの回動中心から外れた位置)には、前方側に延びる連結ピン418L,418Rが設けられている。この連結ピン418L,418Rは、第1アーム402L,402Rに設けられたスリット419L,419R内に挿入されるようになっている。
演出用モータ408L,408Rが駆動することにより、第1ギヤ413L,413R、第2ギヤ414L,414R、及び第3ギヤ415L,415Rが噛合して連動し、連結ピン418L,418Rが第3ギヤ415L,415Rの回動中心よりも外側を回動する。つまり、連結ピン418L,418Rは、第3ギヤ415L,415Rの回転周期の中で位置が変動し、スリット419L,419R内を移動して第1アーム402L,402Rを押し上げたり、引き下げたりすることで、第1アーム402L,402Rが第1回動軸405L,405Rを中心として回動する。
また、スリット419L,419Rは、連結ピン418L,418Rの移動範囲よりも大きく形成されている(図11参照)。これによれば、連結ピン418L,418Rがスリット419L,419Rの端部に当接せず、連結ピン418L,418Rが余裕を持ってスリット419L,419R内を移動できるため、第1アーム402L,402Rを押し上げたり、引き下げたりする際に、連結ピン418L,418Rや第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rにかかる負荷を抑えることができ、これらの部材が破損することを防止できるとともに、演出用モータ408L,408Rへの負荷を減らすことができる。
尚、本実施例では、ベース部材401に固定的に設けられる第1回動軸405L,405Rに対し、第1アーム402L,402Rが回動可能に取付けられる態様について説明したが、これに限られず、例えば、第1アーム402L,402Rは、ベース部材401に対し軸周りに回動可能に設けられた第1回動軸に対して固定されることで回動可能となっていてもよい。
また、ベース部材401には、その下部に演出用モータ408L,408R及び可動体404の各種駆動モータの制御を行う可動体制御基板424が取付けられている。この可動体制御基板424は、演出用モータ408L,408R及び可動体404の各種駆動モータに対し、回転数や回転方向(正方向及び逆方向)などの指示情報を与えるようになっている。また、ベース部材401は、その上部に正面視円弧状を成す合成樹脂材からなるガイド板420(ガイド部)が立設して設けられており、第1アーム402L,402Rの後面側に設けられた係止部421L,421R(図5参照)がガイド板420の外縁に沿ってガイドされるようになっている。これにより、第1アーム402L,402Rの第1回動軸405L,405Rを中心とした回動が安定して行われる。
また、ベース部材401の後面側には、金属などの剛性を有する板材から成る補強板422が固定されており、この補強板422によりガイド板420が補強されている。詳しくは、ガイド板420の上部の位置で補強板422の上部がネジN1により固定されており(図9(C)参照)、補強板422の下部はベース部材401におけるガイド板420以外の箇所に固定されている。
特に、可動体404が第2位置にあるときには、第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rを支持するベース部材401から可動体404までの長さ(ベース部材401にかかるモーメントのアーム長)が長くなるため、可動体404と第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rが前方側に傾倒することによりベース部材401にかかるモーメントが大きくなるが、補強板422によりベース部材401が補強されているため、可動体404を安定して支持することができる。さらに、第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rと可動体404が前方側に傾倒した際にベース部材401に生じる負荷によりベース部材401のガイド板420等が破損することが防止される。
また、ベース部材401には、その前面に第1アーム402L,402Rを挟むように非透光性の合成樹脂材からなるベースカバー部材428が連結されているとともに、可動体404は、ベースカバー部材428の前面側に配置されている(図3参照)。これにより、可動体404が第2位置にあるときに、第1ギヤ413L,413R、第2ギヤ414L,414R、第3ギヤ415L,415R、及び後述する連動ギヤ423L,423Rが遊技者側(正面側)から視認困難とされている。
図13に示すように、ベースカバー部材428の前面側には、可動体404の脚部412L,412Rの後面側に突設されたピン455L,455Rをガイドするガイド溝456L,456R(図13において網点で示す領域)が設けられている。また、第1アーム402L,402Rの前面側には、第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rが延伸状態からある一定角度相対回動してから屈曲状態となるまでの間、ガイド溝456L,456Rと上下に連通するガイド溝457L,457R(図13において網点で示す領域)が設けられている。また、軸カバー部材427Lには、第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rが延伸状態においてガイド溝457Lの末端部を閉塞する凸部458が設けられている。
図13(A)に示すように、第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rを屈曲状態から延伸状態とした際に、ピン455L,455Rは、ガイド溝456L,456R及びガイド溝457L,457Rに沿って移動され、ピン455Lは、ガイド溝457Lの末端部において凸部458に当接してそれ以上の移動が規制されるとともに、ピン455Rは、ガイド溝457Rを越えて第1アーム402Rの外側に配置される。これによれば、第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rの延伸状態において、ピン455Lを介して可動体404が安定して支持されるとともに、ピン455Rは、規制されることなく自由な状態であるため、可動体404が動作時に脚部412L,412Rに負荷をかけずに動作させることができる。
また、図13(B)に示すように、第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rを延伸状態から屈曲状態とした際に、ピン455L,455Rは、ガイド溝457L,457R及びガイド溝456L,456Rに沿って移動され、ガイド溝456L,456Rの水平部459L,459Rにおいて互いに離間するように移動する。具体的には、脚部412L,412Rは、胴部410と接続される揺動軸を中心として水平方向を向くように揺動される。これにより、第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rの屈曲状態において、可動体404の脚部412L,412Rが第3回動軸407L,407Rとピン455L,455Rとによりベース部材401側に支持されるため、可動体404が安定して支持される。また、第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rの屈曲状態において、脚部412L,412Rが水平方向を向くため、可動体404の上下寸法が短寸となり、可動体404を第1位置において収容する遊技盤2の背面と演出表示装置5との間の下方領域を上下方向に大きく形成しなくて済む。
このように、可動体404の移動に応じて、該可動体404の一部である脚部412L,412Rを胴部410に対し動作させるためのガイド溝457L,457Rが、可動体404を移動させるための第1アーム402L,402Rに形成されているため、可動体404がベース部材401から離れた位置でも脚部412L,412Rをガイドすることができる。
また、第1アーム402L,402Rを回動可能に軸支するベース部材401に取付られるベースカバー部材428にガイド溝456L,456Rが形成されていることで、可動体404に駆動源等を設けなくても動作させることができる。
図4及び図5に戻って、第1アーム402L,402Rの一方端部432L,432Rには、その外縁に互いに噛合する連動ギヤ423L,423Rが設けられており、第1アーム402L,402Rの回動時における連動性が高められている。また、第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426Rは、第2アーム403L,403Rの一方端部425L,425Rの後面側に配置され、第2回動軸406L,406Rが一方端部425L,425Rの貫通孔435L,435R(図8(B)参照)に挿入された状態で他方端部426L,426Rのボス孔436L,436Rに嵌合挿入されるとともに、軸カバー部材427L,427Rに設けられた連結軸429L,429Rが第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rの相対的な回動を阻害しない位置で他方端部426L,426Rに固定されることにより、第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとが第2回動軸406L,406Rを中心として相対的に回動可能に連結されている。
また、第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426Rの後面側には、板状の配線押えL,437Rが固定されており、この配線押えL,437Rと他方端部426L,426Rとの間には、断面視凹溝状の配線挿通部431L,431Rが形成されている(図9(B)参照)。この配線挿通部431L,431Rには、可動体404の各種駆動モータから第2アーム403L,403Rに沿って延び、可動体制御基板424に接続される図示しない配線が内部に収納されるようになっており、配線が第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rの背面側に沿って配置された状態を保持している。また、この配線押えL,437Rの後面側には、配線押えL,437Rよりも小さなプレート438L,438Rが固定されており、このプレート438L,438Rと配線押えL,437Rとにより、側方断面視略下向きコ字状の係止部421L,421Rが形成されている(図9(C)参照)。
第2アーム403L,403Rは、その他方端部433L,433Rが可動体404の頭部409の後面側に設けられた第3回動軸407L,407Rに対して回動可能に挿入されており、該第2アーム403L,403Rの後面側からカバー部材430が第3回動軸407L,407Rに対して固定されており、このカバー部材430により第2アーム403L,403Rが第3回動軸407L,407Rから外れることが防止されている。また、第2アーム403L,403Rの他方端部433L,433Rには、その外縁に互いに噛合する連動ギヤ439L,439Rが設けられており、第2アーム403L,403Rの回動時において連動するようになっている。
次に、演出装置400の動作態様について、図6〜図11を用いて説明する。図6は、可動体が第1位置にあるときの状態を示す正面図である。図7は、可動体が第2位置にあるときの状態を示す正面図である。図8は、(A)は屈曲状態時の第1アーム及び第2アームの連結部分近傍の概略図であり、(B)は図6のA−A断面図である。図9は、(A)は延伸状態時の第1アーム及び第2アームの連結部分近傍の概略図であり、(B)は図7のB−B断面図であり、(C)は図7のC−C断面図である。図10は、(A)は第1アーム及び第2アームの連結部分を示す概略断面図であり、(B)は(A)の状態から第2アームが前後方向に傾倒した状態を示す概略断面図である。図11は、(A)は第1アーム及び第2アームが屈曲限度まで屈曲した状態と、第2アームの余地部を示す概略図であり、(B)は(A)の状態から第1アーム及び第2アームが略45度延伸した状態を示す概略図であり、(C)は、第1アーム及び第2アームが延伸限度まで延伸した状態を示す概略図である。尚、図10は、説明の便宜上、第2アームの前後に形成される隙間を実際より大きく表示している。
図6に示すように、可動体404が第1位置にあるとき(第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとが屈曲した状態)には、連結ピン418L,418Rがその回動軌道における下方側に配置されており、この連結ピン418L,418Rにより第1アーム402L,402Rが引き下げられている。詳しくは、連結ピン418L,418Rが第1アーム402L,402Rを引き下げることにより、第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426Rが互いに離間するように回動する。そして、連動ギヤ439L,439Rにより第2アーム403L,403Rの他方端部433L,433Rが下方向に移動するように誘導され、可動体404が第2位置から第1位置に移動するようになる。
可動体404が第1位置にあるときには、軸カバー部材427L,427Rの側面が第2アーム403L,403Rの一方端部425L,425Rの前面側に設けられた段部440L,440Rに係止されることで、それ以上、第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとが屈曲しないようになっている。また、可動体404の下端部が、前述した遊技盤2の背面と演出表示装置5との間の下方領域を構成する底板に当接し、それ以上、第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとが屈曲しないようになっている。
尚、例えば、第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとが屈曲した状態において、第1アーム402L,402Rの一部に係止されるストッパー部をベース部材401に設け、そのストッパー部により、第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとがそれ以上屈曲しないようにしてもよい。また、前述した可動体制御基板424は、演出用モータ408L,408Rにかかる負荷を検出する図示しないセンサ(電流計)等を接続し、センサにより演出用モータ408L,408Rに一定以上の負荷がかかったことを検出した際に演出用モータ408L,408Rの駆動を強制的に停止させるようにしてもよい。
また、可動体404が第1位置にあるときには、図8(B)に示すように、第2アーム403Lの一方端部425Lが第1アーム402Lの他方端部426Lと軸カバー部材427Lとに近接して配置されるようになっている。詳しくは、第2アーム403Lの一方端部425L、第1アーム402Lの他方端部426L、及び軸カバー部材427Lは、後面側に開口する断面視コ字形状を成しており、第2アーム403Lの一方端部425Lの前面には、軸カバー部材427Lの外縁から後方に延びる延設片441が近接しているとともに、第2アーム403Lの一方端部425Lの外縁から後方に延びる延設片442には、第1アーム402Lの他方端部426Lの前面が近接している。尚、図示しないが、第2アーム403Rの一方端部425R、第1アーム402Rの他方端部426R、及び軸カバー部材427Rも同様の構成となっている。
このように、第2アーム403Lの一方端部425L、第1アーム402Lの他方端部426L、及び軸カバー部材427Lは、後面側に開口する断面視コ字形状に形成されていることで、第2アーム403Lの一方端部425Lの前面と軸カバー部材427Lとの接触面積と、第2アーム403Lの一方端部425Lと第1アーム402Lの他方端部426Lの前面との接触面積とが、面接触する場合に比べて小さくなるので、第1アーム402Lと第2アーム403Lの回動時における抵抗を極力小さくすることができる。
次いで図7に示すように、可動体404が第2位置にあるとき(第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとが延伸した状態)には、連結ピン418L,418Rがその回動軌道における上方側に配置されており、この連結ピン418L,418Rにより第1アーム402L,402Rが押し上げられている。詳しくは、連結ピン418L,418Rが第1アーム402L,402Rを押し上げることにより、第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426Rが互いに近接するように回動する。そして、連動ギヤ439L,439Rにより第2アーム403L,403Rの他方端部433L,433Rが上方向に移動するように誘導され、可動体404が第1位置から第2位置に移動するようになる。
可動体404が第2位置にあるときには、第2アーム403L,403Rの一方端部425L,425R同士(第2被当接部453L,453R同士)が当接するようになっており、これにより第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとが延伸した状態を保持できる。また、軸カバー部材427Rには、前面側に張り出す突出部443が設けられており、第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとが延伸した際に、突出部443に対し可動体404の脚部412Rが当接するようになっており、これにより、他方端部426L,426R同士が互いに近接する方向への第1アーム402L,402Rの回動が規制される。尚、この突出部443は、左側の軸カバー部材427Lに設けられてもよいし、左右の軸カバー部材427L,427Rの両方に設けられていてもよい。
また、図9(B)に示すように、第2アーム403Lの一方端部425L,425Rの前面には、軸カバー部材427Lの外縁から後方に延びる延設片441が近接しているとともに、第2アーム403Lの一方端部425Lの外縁から後方に延びる延設片442には、第1アーム402Lの他方端部426Lの前面が近接している。また、第2アーム403Lの一方端部425Lと第1アーム402Lの他方端部426L及び軸カバー部材427Lと重畳する領域は、第1アーム402Lと第2アーム403Lとが屈曲した状態よりも上下方向に大きくなっている。
よって、第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとが屈曲または延伸した状態において、第2アーム403L,403Rが可動体404の荷重により前後方向に傾倒したとしても、余地部434L,434Rが第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426Rと軸カバー部材427L,427Rに当接する。
詳しくは、図10(B)に示すように、第2アーム403Lが前方側に傾倒した際には、その一方端部425L(余地部434L)の後方側下端縁444が第1アーム402Lの他方端部426Lの前端面445に当接するとともに、一方端部425Lの前端面446が軸カバー部材427Lの上端縁447に当接する。また、第2アーム403Lが後方側に傾倒した際には、その一方端部425Lの前方側下端縁448が軸カバー部材427Lの後端面449に当接し、その一方端部425Lの後端面450が第1アーム402Lの他方端部426Lの上端縁451に当接する。
このように、第2アーム403Lは、第1アーム402Lの他方端部426Lと軸カバー部材427Lとにより前後から挟まれていることで、第2アーム403Lが前方または後方へ傾倒した際に、第2アーム403Lの前後の部位が第1アーム402Lの他方端部426Lまたは軸カバー部材427Lにそれぞれ当接するため、第2アーム403Lの前方及び後方への傾倒を規制できる。
さらに、図11に示すように、第2アーム403Lの一方端部425Lは、余地部434Lが設けられていない仮想の一方端部(図11(A)の下図における2点鎖線部参照)に比べ、余地部434Lにより第1アーム402Lの他方端部426Lと軸カバー部材427Lと重畳する領域が大きいことで、第2アーム403Lが前後に傾倒した際に、余地部434Lが第1アーム402Lまたは軸カバー部材427Lに当接され、小さな傾倒幅で第2アーム403Lの傾倒を規制できる。これにより、第2アーム403Lが可動体404の荷重により前後方向に傾倒したとしても、前後に大きく傾倒することが防止され、可動体404が安定して支持される。尚、第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとは同一の構成であるため、ここでは、第1アーム402R及び第2アーム403Rの構成を省略する。
特に、第1アーム402Lと第2アーム403Lとが延伸した際には、第1アーム402Lと第2アーム403Lとが屈曲した際に比べ、余地部434Lの第1被当接部452Lが第1アーム402Lの他方端部426Lと軸カバー部材427Lと重畳する領域が上下方向に大きくなっていることで、第2アーム403Lの他方端部433Lが第2回動軸406Lを中心として前後に傾倒した際(垂直方向に傾倒した際)に、第1被当接部452の先端部が第1アーム402Lまたは軸カバー部材427Lに当接され、小さな傾倒幅で第2アーム403Lの傾倒を規制できる。特に、第1アーム402Lと第2アーム403Lとが延伸して上方に移動する可動体404を安定して支持できる。よって、例えば、可動体404が第1位置から第2位置に上昇移動する際に、可動体404が前後に傾倒して遊技盤2の背面や演出表示装置5に干渉することが防止される。
また、第1アーム402Lと第2アーム403Lとが屈曲した際には、第1アーム402Lと第2アーム403Lとが延伸した際に比べ、余地部434Lの第2被当接部453Lが第1アーム402Lの他方端部426Lと軸カバー部材427Lと重畳する領域が左右方向に大きくなっていることで、第2アーム403Lの他方端部433Lが第2回動軸406Lを中心として前後に傾倒した際(水平方向に傾倒した際)に、余地部434Lの第3被当接部454Lが第1アーム402Lまたは軸カバー部材427Lに当接され、第2アーム403Lの傾倒幅を小さくできる。したがって、第1アーム402Lと第2アーム403Lとが屈曲している状態でも可動体404を安定して支持できる。よって、例えば、可動体404が第2位置から第1位置に下降移動する際に、可動体404が前後に傾倒して遊技盤2の背面や演出表示装置5に干渉することが防止される。
また、図11に示すように、第1アーム402Lと第2アーム403Lとが相対的に回動する範囲において、第1アーム402Lの他方端部426L及び軸カバー部材427Lと余地部434Lの一部とが常に前後に重畳した状態となっているため、第1アーム402Lと第2アーム403Lとの相対的な回動のいずれの状態にあっても、可動体404が安定して支持される。
また、第2アーム403Lが前後に傾倒した場合であっても、第2アーム403Lの一方端部425Lと第1アーム402Lの他方端部426L及び軸カバー部材427Lとの接触が延設片441及び延設片442により線接触となっていることで、接触時の摩擦力を面接触と比べて小さくでき、これにより第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとの回動への影響が小さくなるので、小さな駆動力で第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとを相対的に回動させることができる。
また、第1アーム402Lの係止部421Lとガイド板420の外縁との係止により、第1アーム402L及び第2アーム403Lの前後の傾倒が規制されるため、可動体404が常に安定して支持される。
また、前記実施例では、可動体404は、第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとの相対的な回動により上下方向に移動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動体404は、第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとの相対的な回動により左右方向に移動してもよいし、円弧状に移動してもよく、本発明の第1アーム及び第2アームを用いれば、可動体404の移動方向や移動位置に関わらず、可動体404の前後の傾倒を規制して安定して支持することができる。
また、前記実施例では、第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとが相対的に回動する範囲、つまり、可動体404が第1位置と第2位置との間で移動する際に、第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426R及び軸カバー部材427L,427Rと余地部434L,434Rの一部とが常に前後に重畳した状態となる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2アームの一方端部に余地部として前述した第1被当接部のみを設け、可動体404が第2位置にあるときのみ第1被当接部に第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426R及び軸カバー部材427L,427Rが前後に重畳するようにしてもよい。
これによれば、可動体404が第2位置以外の位置にある場合において、第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426R及び軸カバー部材427L,427Rが第2アームの一方端部に当接することが無く、第1アーム402L,402Rと該第2アームの相対的に回動を阻害しない。さらに、この場合には、可動体404が第2位置にあるときに第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426R及び軸カバー部材427L,427Rがそれぞれの第1被当接部に摺接するようにして、可動体404の安定性を高めるようにしてもよい。このように、余地部の形状や各被当接部の位置や形状は自由に変更してもよい。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、動作可能な可動体404と、可動体404を移動させるためのアームと、を備え、アームは、当接部としての第1アーム402Lの他方端部426L,426R及び軸カバー部材427L,427Rを有する第1アーム402L,402Rと、被当接部としての余地部434L,434Rを有し、第1アーム402L,402Rに第2回動軸406L,406Rを中心として回動可能に連結される第2アーム403L,403Rと、を少なくとも有し、第1アーム402Lの他方端部426L,426R及び軸カバー部材427L,427Rと余地部434L,434Rとの当接により、第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rの回動方向に対し交差する方向への可動体404の移動が規制される。
このようにすることで、可動体404は、第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rの回動方向に対し交差する方向への可動体404の傾倒が第1アーム402Lの他方端部426L,426R及び軸カバー部材427L,427Rと余地部434L,434Rとの当接により規制されるため、可動体404が安定して支持される。
特に可動体404は、図示しない胴部駆動モータや腕部駆動モータを有することで、これらを有しない可動体に比べて荷重が大きいため、可動体404が第1位置にあるときよりも第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとの屈曲角度が大きくなる第2位置において、可動体404が前後に傾倒しやすくなるが、このような重量物である可動体404を安定して支持できる。よって、可動体404が第2位置において前後に傾倒してぐらついたり、後方の演出表示装置5の表示領域に接触して傷つけたりすること等を回避できる。
また、可動体404は、第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426R及び軸カバー部材427L,427Rが第1被当接部452L及び第2被当接部453Lに対応しない第1位置と、第1アーム402Lの他方端部426L,426R及び軸カバー部材427L,427Rが第1被当接部452Lに対応する第2位置とに移動可能であることで、第1位置において第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426R及び軸カバー部材427L,427Rが第1被当接部452L及び第2被当接部453Lと当接して第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとの回動が阻害されることを防止できる。
また、可動体404は上方へ移動可能であり、可動体404の上方への移動に応じて第1アーム402L,402Rに対する第2アーム403L,403Rの屈曲角度が大きくなることで、可動体404の上方への移動に応じて第1アーム402L,402Rに対する第2アーム403L,403Rの屈曲角度が大きくなっても、可動体404の前後への傾倒が第1アーム402Lの他方端部426L,426R及び軸カバー部材427L,427Rと余地部434L,434Rとの当接により規制されるため、可動体404が安定して支持される。
また、第1アーム402L,402Rの回動方向に延設されるガイド部としてのガイド板420の周縁部と、第1アーム402L,402Rに設けられ、回動中においてガイド板420に係止される係止部421L,421Rと、を備え、ガイド板420と係止部421L,421Rとの係止により、第1アーム402L,402R及び第2アーム403L,403Rの前後の傾倒が規制されることで、可動体404が常に安定して支持される。
また、ガイド板420の周縁部は、ベース部材401に形成されたガイド板420に形成され、ガイド板420には、該ガイド板420を補強する補強板422が設けられていることで、ガイド板420が補強されるので、可動体404を安定して支持できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
次に、演出装置の変形例について図12を用いて説明する。図12は、(A)は演出装置の変形例における第1アーム及び第2アームが正方向に屈曲した状態を示す正面図であり、(B)は、同じく第1アーム及び第2アームが延伸した状態を示す正面図であり、(C)は、同じく第1アーム及び第2アームが逆方向に屈曲した状態を示す正面図である。尚、本変形例の演出装置は、第1アーム502及び第2アーム503から構成される1つのアームにより可動体504を移動させるようになっているものを例に挙げ説明する。
図12に示すように、第1アーム502の一方端部532は、図示しないベース部材に第1回動軸505を中心として回動可能に取付けられている。また、第1アーム502の他方端部526には、第2回動軸506の軸心から所定寸法L4よりも大きな寸法L5で膨出する正面視略円形状を成す余地部534(当接部)を有している。また、この第1アーム502の他方端部526の中心に第2回動軸506により第2アーム503の一方端部525が回動可能に軸支されている。また、第2アーム503の他方端部533には、ある程度の重量を有する可動体504が固定されている。尚、ここでは、第1アーム502が第1回動軸505を中心に左回り(反時計回り)に回動し、第2アーム503が第2回動軸506を中心に右回り(時計回り)に回動して、第1アーム502と第2アーム503とが屈曲することを正方向の屈曲として説明する。
図12(A)に示すように、第1アーム502と第2アーム503とが正方向に屈曲した際には、余地部534の右側の一部と、第1アーム502のアーム延設部552の一部と、が第2アーム503(被当接部)の後方に重畳する。また、図12(B)に示すように、第1アーム502及び第2アーム503が延伸した際には、余地部534の上側の一部が第2アーム503の後方に重畳する。また、図12(C)に示すように、図12(B)の状態から第2アーム503が逆方向に略90度回動した際(第1アーム502及び第2アーム503が逆方向に屈曲した際)には、余地部534の左側の一部が第2アーム503の後方に重畳する。これにより、第2アーム503が可動体504の荷重により前後方向に傾倒したとしても、第2アーム503が第1アーム502の余地部534に当接して前後に大きく傾倒することが防止され、可動体504が安定して支持される。
このように、第1アーム502に対して余地部534を設けてもよい。また、余地部534が正面視略円形状を成すため、第1アーム502及び第2アーム503の相対的な回動の範囲において、それらが重畳する領域の寸法(第2回動軸506の軸心から余地部534の外縁までの寸法)が常に略一定に確保されるため、第1アーム502及び第2アーム503のどの回動状況においても、可動体504が安定して支持される。
また、前記実施例では、第2アーム403L,403Rの一方端部425L,425Rは、軸カバー部材427L,427Rと第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426Rとの間にそれぞれ隙間を空けて(遊びを設けて)配置されていることで、当接部としての第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426R及び軸カバー部材427L,427Rと、被当接部としての第2アーム403L,403Rの余地部434L,434Rとは、可動体404が前後に傾倒することで当接する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、可動体404が第1アームと第2アームの回動方向に対し交差する方向へ移動したときに、移動していないときよりも当接部が被当接部に強く当接するようになれば、当接部と被当接部とは常に当接していてもよい。この場合、可動体504の前後の傾倒がほとんど起こらず、可動体504の安定性が更に向上する。
また、前記実施例では、第2アーム403L,403Rと第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426R及び軸カバー部材427L,427Rとの接触が延設片441及び延設片442により線接触となっている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1アームまたは軸カバー部材の少なくともいずれか一方に第2アームの余地部に常に点接触する突起を設けてもよい。この場合、可動体504の前後の傾倒がほとんど起こらず、可動体504の安定性が更に向上するとともに、接触面積を極力減らして第1アーム及び第2アームの相対回動時の摩擦力を小さくできる。尚、第2アームの余地部に第1アームまたは軸カバー部材の少なくともいずれか一方に常に点接触する突起を設けてもよい。
また、前記実施例では、可動体404が第1位置と第2位置とを含む移動範囲にあるとき、当接部としての第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426R及び軸カバー部材427L,427Rは、常に第2アーム403L,403Rの余地部434L,434Rにおける第1被当接部452L,452R、第2被当接部453L,453R、第3被当接部454L,454Rのいずれかに重畳(対応)する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、可動体が移動範囲内の所定位置にあるときに、第1アームの当接部が第2アームの被当接部に対応しないようにしてもよい。
この場合、例えば、前記実施例における第1位置など、第2位置に比べて可動体404が前後に傾倒しにくいまたは遊技者から視認されにくく傾倒しても問題がない位置にて、当接部と被当接部とが対応しないようにすることが好ましい。このように、傾倒を防止する必要がない位置において当接部と被当接部とが対応しないようにすることで、第1アームと第2アームとの回動が当接により阻害されることを回避できる。
また、前記実施例では、被当接部としての第2アーム403L,403Rの余地部434L,434Rが、当接部としての第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426Rと、該第1アーム402L,402Rとは別部材の軸カバー部材427L,427Rとにより前後から挟まれる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1アーム402L,402Rと軸カバー部材427L,427Rとを一体的に形成してもよい。これによれば、第1アーム402L,402Rと軸カバー部材427L,427Rとの連結強度が高まる。
また、前記実施例では、被当接部としての第2アーム403L,403Rの余地部434L,434Rが、当接部としての第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426Rと軸カバー部材427L,427Rとにより前後から挟まれる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、軸カバー部材427L,427Rを設けずに、第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426Rの前面側または後面側に第2アーム403L,403Rの余地部434L,434Rが対応するようになっていればよい。これによれば、軸カバー部材427L,427Rを省略した分の製造コストを減らすことができる。
尚、上記のように軸カバー部材427L,427Rを省略する場合には、本実施例においては、可動体404が前方側に傾倒しやすくなっているため、第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426Rの前面側に第2アーム403L,403Rの余地部434L,434Rを対応させることが好ましい。また、可動体404が後方側に傾倒しやすくなっている場合には、第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426Rの後面側に第2アーム403L,403Rの余地部434L,434Rを対応させることが好ましい。これによれば、第2アーム403L,403Rの余地部434L,434Rの下端部を即座に第1アーム402L,402Rの他方端部426L,426Rに当接させ、可動体404の傾倒幅をできるだけ小さくできる。
また、前記実施例では、可動体を移動させるためのアームは、第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとを有する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも第1アームと第2アームとを有していれば、第3アームなど3以上のアームを有していてもよい。この場合、複数のうち互いに回動可能に連結された少なくとも2つのアームについて、当接部と被当接部とが設けられていればよい。
また、前記実施例では、ガイド部としてのガイド板420は、第1アーム402L,402Rの回動方向に延設され、第1アーム402L,402Rの回動中において係止部421L,421Rは常に係止される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも第1アーム402L,402Rの回動範囲の一部(例えば、可動体404が第2位置へ移動したときなど)にて係止されるようにしてもよい。このようにすることで、特に可動体404が不安定な所定の位置において該可動体404の前後の傾倒を規制して安定的に支持できる。
また、前記実施例では、可動体404は、第1アーム402L,402Rと第2アーム403L,403Rとの回動により上下方向へ移動する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、左右方向や前後方向へ移動可能に設けられてもよい。また、演出装置400は、演出表示装置5の下方に設けられていたが、演出表示装置5の上方や左右側方など、任意の位置に配置可能である。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。