JP2017088141A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Kyoichi Tagami
杏一 田上
雅祐 岩瀬
Masahiro Iwase
雅祐 岩瀬
詠之 石丸
Eishi Ishimaru
詠之 石丸
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Abstract

【課題】操舵フィーリングの低下を抑制しつつ、装置外部の車両環境を考慮したアシスト力を付与することができる技術を提供する。【解決手段】操舵トルクに基づいて電動モータに供給する目標電流の基本となる基本目標電流を算出する基本目標電流算出部と、操舵角算出部が検出した操舵角に基づいて算出した目標操舵角速度と実際の操舵角速度との操舵角速度偏差に応じたベース操舵角速度偏差電流Ivbを算出するベース操舵角速度偏差電流算出部281を有し、車両に備えられたタイヤの空気圧に基づいてベース操舵角速度偏差電流Ivbを補正した操舵角速度偏差電流Ivを算出する操舵角速度偏差電流算出部28と、基本目標電流と操舵角速度偏差電流算出部28が算出した操舵角速度偏差電流Ivとに基づいて目標電流を決定する目標電流決定部と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
近年、電動パワーステアリング装置において、路面の変化に対する車両の走行安定性を向上する技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置は、路面からの反力度合いを考慮した補正電流を加える。すなわち、特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置は、舵角検出手段と、実舵角速度を演算する演算手段と、舵角に基づきベース修正舵角速度を演算する演算手段と、車速に基づき車速乗算係数値を演算する演算手段と、ベース修正舵角速度に車速乗算係数値を乗算し目標舵角速度を演算する演算手段と、目標舵角速度と実舵角速度との差に基づいてベース修正電流値を演算する演算手段と、アシストベース電流値に修正電流値を加えてアシスト目標電流とする演算手段とを備える。
特開2006−123827号公報
本発明は、操舵フィーリングの低下を抑制しつつ、装置外部の車両環境を考慮したアシスト力を付与することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、車両のステアリングホイールに加わる操舵力をアシストする電動モータと、前記ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルク検出手段と、前記ステアリングホイールの回転角度である操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記トルク検出手段が検出した操舵トルクに基づいて前記電動モータに供給する目標電流の基本となる基本目標電流を算出する基本目標電流算出手段と、前記操舵角検出手段が検出した操舵角に基づいて算出した目標操舵角速度と実際の操舵角速度との操舵角速度偏差に応じた偏差電流を算出する偏差電流算出手段を有し、前記車両に備えられたタイヤの空気圧に基づいて前記偏差電流を補正した補正電流を算出する補正電流算出手段と、前記基本目標電流算出手段が算出した前記基本目標電流と前記補正電流算出手段が算出した前記補正電流とに基づいて前記目標電流を決定する目標電流決定手段と、を備える電動パワーステアリング装置である。
本発明によれば、操舵フィーリングの低下を抑制しつつ、装置外部の車両環境を考慮したアシスト力を付与することができる。
実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す図である。 制御装置の概略構成図である。 制御部の概略構成図である。 基本目標電流算出部の概略構成図である。 操舵トルクおよび車速とベース電流との対応を示す制御マップの概略図である。 操舵角速度偏差電流算出部の概略構成図である。 ベース操舵角速度偏差電流算出部の概略構成図である。 操舵角および車速と目標操舵角速度との対応を示す制御マップである。 操舵角速度偏差とベース操舵角速度偏差電流との対応を示す制御マップである。 ラック軸力補正係数設定部の概略構成図である。 ラック軸力偏差とベースラック軸力補正係数との対応を示す制御マップである。 車速と車速補正係数との対応を示す制御マップである。 タイヤ空気圧補正係数設定部の概略構成図である。 (a)は、左前空気圧(右前空気圧)と左前空気圧補正係数(右前空気圧補正係数)との対応を示す制御マップである。(b)は、左後空気圧(右後空気圧)と左後空気圧補正係数(右後空気圧補正係数)との対応を示す制御マップである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、車両の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては車両の一例としての自動車1に適用した構成を例示している。
ステアリング装置100は、自動車1の進行方向を変えるために運転者が操作する車輪(ホイール)状のステアリングホイール(ハンドル)101と、ステアリングホイール101に一体的に設けられたステアリングシャフト102とを備えている。また、ステアリング装置100は、ステアリングシャフト102と自在継手103aを介して連結された上部連結シャフト103と、この上部連結シャフト103と自在継手103bを介して連結された下部連結シャフト108とを備えている。下部連結シャフト108は、ステアリングホイール101の回転に連動して回転する。
また、ステアリング装置100は、転動輪としての左右の前輪150のそれぞれに連結されたタイロッド104と、タイロッド104に連結されたラック軸105とを備えている。また、ステアリング装置100は、ラック軸105に形成されたラック歯105aとともにラック・ピニオン機構を構成するピニオン106aを備えている。ピニオン106aは、ピニオンシャフト106の下端部に形成されている。これらラック軸105、ピニオンシャフト106などが、ステアリングホイール101の回転操作力を前輪150の転動力として伝達する伝達機構として機能する。ピニオンシャフト106は、前輪150を転動させるラック軸105に対して、回転することにより前輪150を転動させる駆動力(ラック軸力)を加える。
また、ステアリング装置100は、ピニオンシャフト106を収納するステアリングギヤボックス107を有している。ピニオンシャフト106は、ステアリングギヤボックス107内にてトーションバー112を介して下部連結シャフト108と連結されている。そして、ステアリングギヤボックス107の内部には、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対回転角度に基づいて、言い換えればトーションバー112の捩れ量に基づいて、ステアリングホイール101に加えられた操舵トルクTを検出するトルク検出手段の一例としてのトルクセンサ109が設けられている。
また、ステアリング装置100は、ステアリングギヤボックス107に支持された電動モータ110と、電動モータ110の駆動力を減速してピニオンシャフト106に伝達する減速機構111とを有している。減速機構111は、例えば、ピニオンシャフト106に固定されたウォームホイール(不図示)と、電動モータ110の出力軸に固定されたウォームギヤ(不図示)などから構成される。電動モータ110は、ピニオンシャフト106に回転駆動力を加えることにより、ラック軸105に前輪150を転動させる駆動力(ラック軸力)を加える。本実施の形態に係る電動モータ110は、電動モータ110の回転角度であるモータ回転角度θに連動した回転角度信号θsを出力するレゾルバ120を有する3相ブラシレスモータである。
また、ステアリング装置100は、電動モータ110の作動を制御する制御装置10を備えている。制御装置10には、上述したトルクセンサ109からの出力信号が入力される。また、制御装置10には、自動車1に搭載される各種の機器を制御するための信号を流す通信を行うネットワーク(CAN)を介して、自動車1の移動速度である車速Vcを検出する車速検出部170、自動車1に備えられた前輪150及び後輪のタイヤの空気圧を検出するタイヤ空気圧検出部190などからの出力信号が入力される。車速検出部170は、自動車1に備えられて車速Vcを検出するセンサからの出力信号を基に車速Vcを検知する。タイヤ空気圧検出部190は、自動車1に備えられて左右の前輪150及び後輪それぞれのタイヤの空気圧を検出するセンサからの出力信号を基にこれら4つのタイヤの空気圧を検知する。
以上のように構成されたステアリング装置100は、トルクセンサ109が検出した操舵トルクTに基づいて電動モータ110を駆動し、電動モータ110の駆動力(発生トルク)をピニオンシャフト106に伝達する。これにより、電動モータ110の発生トルクが、ステアリングホイール101に加える運転者の操舵力をアシストする。
次に、制御装置10について説明する。
図2は、制御装置10の概略構成図である。
制御装置10は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等からなる算術論理演算回路である。
制御装置10には、上述したトルクセンサ109にて検出された操舵トルクTが出力信号に変換されたトルク信号Td、車速検出部170からの車速Vcに対応する出力信号、タイヤ空気圧検出部190からのタイヤ空気圧Ptに対応する出力信号、レゾルバ120からの回転角度信号θsなどが入力される。
そして、制御装置10は、電動モータ110に供給する目標電流Itを算出(設定)する目標電流算出部20と、目標電流算出部20が算出した目標電流Itに基づいてフィードバック制御などを行う制御部30とを有している。
また、制御装置10は、電動モータ110のモータ回転角度θを算出するモータ回転角度算出部71と、モータ回転角度算出部71にて算出されたモータ回転角度θに基づいて、モータ回転速度Vmを算出するモータ回転速度算出部72と、ステアリングホイール101の回転角度である操舵角Raを算出する操舵角検出手段の一例としての操舵角算出部73と、を備えている。
先ずは、目標電流算出部20について詳述する。
目標電流算出部20は、トルク信号Tdおよび車速Vcに対応する出力信号に基づいて電動モータ110に供給する目標電流Itの基本となる基本目標電流Itfを算出(設定)する基本目標電流算出手段の一例としての基本目標電流算出部27を備えている。また、目標電流算出部20は、目標操舵角速度と実際の操舵角速度との操舵角速度偏差に応じて基本目標電流Itfを補正する電流である補正電流の一例としての操舵角速度偏差電流Ivを算出する補正電流算出手段の一例としての操舵角速度偏差電流算出部28と、基本目標電流Itfと操舵角速度偏差電流Ivとに基づいて最終的に目標電流Itを決定する目標電流決定手段の一例としての目標電流決定部29と、を備えている。
基本目標電流算出部27、操舵角速度偏差電流算出部28および目標電流決定部29については後で詳述する。
図3は、制御部30の概略構成図である。
制御部30は、図3に示すように、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部31と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部32と、電動モータ110に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部33とを有している。
モータ駆動制御部31は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流Itと、モータ電流検出部33にて検出された電動モータ110へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部40と、電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部60とを有している。
フィードバック制御部40は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流Itとモータ電流検出部33にて検出された実電流Imとの偏差を求める偏差演算部41と、その偏差がゼロとなるようにフィードバック処理を行うフィードバック(F/B)処理部42とを有している。
フィードバック(F/B)処理部42は、目標電流Itと実電流Imとが一致するようにフィードバック制御を行うものであり、例えば、偏差演算部41にて算出された偏差に対して、比例要素で比例処理し、積分要素で積分処理し、加算演算部でこれらの値を加算する。
PWM信号生成部60は、フィードバック制御部40からの出力値に基づいて電動モータ110をPWM(パルス幅変調)駆動するためのPWM信号を生成し、生成したPWM信号を出力する。
モータ駆動部32は、所謂インバータであり、例えば、スイッチング素子として6個の独立したトランジスタ(FET)を備え、6個の内の3個のトランジスタは電源の正極側ラインと各相の電気コイルとの間に接続され、他の3個のトランジスタは各相の電気コイルと電源の負極側(アース)ラインと接続されている。そして、6個の中から選択した2個のトランジスタのゲートを駆動してこれらのトランジスタをスイッチング動作させることにより、電動モータ110の駆動を制御する。
モータ電流検出部33は、モータ駆動部32に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流Imの値を検出する。
モータ回転角度算出部71(図2参照)は、レゾルバ120からの回転角度信号θsに基づいてモータ回転角度θを算出する。
モータ回転速度算出部72(図2参照)は、モータ回転角度算出部71が算出したモータ回転角度θに基づいて電動モータ110のモータ回転速度Vmを算出する。
操舵角算出部73(図2参照)は、ステアリングホイール101、減速機構111などが機械的に連結されているためにステアリングホイール101の操舵回転角度(操舵角Ra)と電動モータ110のモータ回転角度θとの間に相関関係があることに鑑み、モータ回転角度算出部71にて算出されたモータ回転角度θに基づいて操舵角Raを算出する。操舵角算出部73は、例えば、モータ回転角度算出部71にて定期的(例えば1ミリ秒毎)に算出されたモータ回転角度θの前回値と今回値との差分の積算値に基づいて操舵角Raを算出する。
〔基本目標電流算出部〕
図4は、基本目標電流算出部27の概略構成図である。
基本目標電流算出部27は、基本目標電流Itfを設定する上でベースとなるベース電流Ibを算出するベース電流算出部21と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流Isを算出するイナーシャ補償電流算出部22と、電動モータ110の回転を制限するダンパー補償電流Idを算出するダンパー補償電流算出部23とを備えている。また、基本目標電流算出部27は、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23にて算出された値に基づいて基本目標電流Itfを決定する基本目標電流決定部25を備えている。また、基本目標電流算出部27は、トルクセンサ109にて検出された操舵トルクT(トルク信号Td)の位相を補償する位相補償部26を備えている。
図5は、操舵トルクTおよび車速Vcとベース電流Ibとの対応を示す制御マップの概略図である。
ベース電流算出部21は、位相補償部26にてトルク信号Tdが位相補償されたトルク信号Tsと、車速検出部170からの車速Vcに対応する出力信号とに基づいてベース電流Ibを算出する。つまり、ベース電流算出部21は、位相補償された操舵トルクTと、車速Vcとに応じたベース電流Ibを算出する。なお、ベース電流算出部21は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、位相補償された操舵トルクT(トルク信号Ts)および車速Vcとベース電流Ibとの対応を示す図5に例示した制御マップに、操舵トルクT(トルク信号Ts)および車速Vcを代入することによりベース電流Ibを算出する。
イナーシャ補償電流算出部22は、トルク信号Tsと、車速Vcに対応する出力信号とに基づいて電動モータ110およびシステムの慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流Isを算出する。つまり、イナーシャ補償電流算出部22は、操舵トルクT(トルク信号Ts)と、車速Vcとに応じたイナーシャ補償電流Isを算出する。なお、イナーシャ補償電流算出部22は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、操舵トルクT(トルク信号Ts)および車速Vcとイナーシャ補償電流Isとの対応を示す制御マップに、操舵トルクT(トルク信号Ts)および車速Vcを代入することによりイナーシャ補償電流Isを算出する。
ダンパー補償電流算出部23は、トルク信号Tsと、車速Vcに対応する出力信号と、電動モータ110のモータ回転速度Vmとに基づいて、電動モータ110の回転を制限するダンパー補償電流Idを算出する。つまり、ダンパー補償電流算出部23は、操舵トルクT(トルク信号Ts)と、車速Vcと、電動モータ110のモータ回転速度Vmに応じたダンパー補償電流Idを算出する。なお、ダンパー補償電流算出部23は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、操舵トルクT(トルク信号Ts)、車速Vcおよびモータ回転速度Vmと、ダンパー補償電流Idとの対応を示す制御マップに、操舵トルクT(トルク信号Ts)、車速Vcおよびモータ回転速度Vmを代入することによりダンパー補償電流Idを算出する。
基本目標電流決定部25は、ベース電流算出部21にて算出されたベース電流Ib、イナーシャ補償電流算出部22にて算出されたイナーシャ補償電流Isおよびダンパー補償電流算出部23にて算出されたダンパー補償電流Idに基づいて基本目標電流Itfを決定する。基本目標電流決定部25は、例えば、ベース電流Ibに、イナーシャ補償電流Isを加算するとともにダンパー補償電流Idを減算して得た電流を基本目標電流Itfとして決定する。
〔操舵角速度偏差電流算出部〕
次に、操舵角速度偏差電流算出部28について詳述する。
図6は、操舵角速度偏差電流算出部28の概略構成図である。
操舵角速度偏差電流算出部28は、操舵角速度偏差電流Ivのベースとなるベース操舵角速度偏差電流Ivbを算出するベース操舵角速度偏差電流算出部281を備えている。また、操舵角速度偏差電流算出部28は、ラック軸105に生じる軸力に基づいてベース操舵角速度偏差電流算出部281が算出したベース操舵角速度偏差電流Ivbを補正するための補正係数であるラック軸力補正係数Krを設定するラック軸力補正係数設定部282を備えている。また、操舵角速度偏差電流算出部28は、自動車1に備えられた前輪150及び後輪のタイヤの空気圧に基づいてベース操舵角速度偏差電流算出部281が算出したベース操舵角速度偏差電流Ivbを補正するための補正係数であるタイヤ空気圧補正係数Ktを設定するタイヤ空気圧補正係数設定部283を備えている。また、操舵角速度偏差電流算出部28は、ベース操舵角速度偏差電流算出部281が算出したベース操舵角速度偏差電流Ivbと、ラック軸力補正係数設定部282が設定したラック軸力補正係数Krと、タイヤ空気圧補正係数設定部283が設定したタイヤ空気圧補正係数Ktとに基づいて操舵角速度偏差電流Ivを決定する操舵角速度偏差電流決定部284を備えている。
(ベース操舵角速度偏差電流算出部)
図7は、ベース操舵角速度偏差電流算出部281の概略構成図である。
ベース操舵角速度偏差電流算出部281は、操舵角算出部73にて算出された操舵角Raと車速検出部170からの車速Vcとに基づいて目標の操舵角速度である目標操舵角速度Vrtを算出する目標操舵角速度算出部281aと、実際の操舵角速度である実操舵角速度Vraを算出する実操舵角速度算出部281bとを備えている。また、ベース操舵角速度偏差電流算出部281は、目標操舵角速度算出部281aが算出した目標操舵角速度Vrtと実操舵角速度算出部281bが算出した実操舵角速度Vraとの操舵角速度偏差である操舵角速度偏差ΔVrを算出する操舵角速度偏差算出部281cと、操舵角速度偏差算出部281cが算出した操舵角速度偏差ΔVrに基づいてベース操舵角速度偏差電流Ivbを決定するベース操舵角速度偏差電流決定部281dとを備えている。
図8は、操舵角Raおよび車速Vcと目標操舵角速度Vrtとの対応を示す制御マップである。
目標操舵角速度算出部281aは、操舵角算出部73にて算出された操舵角Raと車速検出部170からの車速Vcとに応じた目標操舵角速度Vrtを算出する。目標操舵角速度算出部281aは、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、操舵角Raおよび車速Vcと目標操舵角速度Vrtとの対応を示す図8に例示した制御マップに、操舵角Raおよび車速Vcを代入することにより目標操舵角速度Vrtを算出する。
実操舵角速度算出部281bは、操舵角算出部73にて算出された操舵角Raに基づいて実際の操舵角Raに対する変化速度である実操舵角速度Vraを算出する。実操舵角速度算出部281bは、操舵角算出部73にて算出された操舵角Raを時間微分することにより操舵角Raにおける実操舵角速度Vraを算出する。
操舵角速度偏差算出部281cは、目標操舵角速度算出部281aが算出した目標操舵角速度Vrtから実操舵角速度算出部281bが算出した実操舵角速度Vraを減算することにより操舵角速度偏差ΔVrを算出する。
図9は、操舵角速度偏差ΔVrとベース操舵角速度偏差電流Ivbとの対応を示す制御マップである。
ベース操舵角速度偏差電流決定部281dは、操舵角速度偏差算出部281cにて算出された操舵角速度偏差ΔVrに応じたベース操舵角速度偏差電流Ivbを算出する。ベース操舵角速度偏差電流決定部281dは、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、操舵角速度偏差ΔVrとベース操舵角速度偏差電流Ivbとの対応を示す図9に例示した制御マップに、操舵角速度偏差ΔVrを代入することによりベース操舵角速度偏差電流Ivbを算出する。
(ラック軸力補正係数設定部)
図10は、ラック軸力補正係数設定部282の概略構成図である。
ラック軸力補正係数設定部282は、図10に示すように、ラック軸105に生じる規範となる軸力である規範ラック軸力Frmを算出する規範ラック軸力算出手段の一例としての規範ラック軸力算出部282aと、ラック軸105に生じる実際の軸力である実ラック軸力Fraを算出する実ラック軸力算出手段の一例としての実ラック軸力算出部282bとを備えている。また、ラック軸力補正係数設定部282は、規範ラック軸力算出部282aが算出した規範ラック軸力Frmと実ラック軸力算出部282bが算出した実ラック軸力Fraとの偏差であるラック軸力偏差ΔFrを算出するラック軸力偏差算出部282cと、ラック軸力偏差算出部282cが算出したラック軸力偏差ΔFrに基づいてラック軸力補正係数Krのベースとなるベースラック軸力補正係数Krbを設定するベースラック軸力補正係数設定部282dと、車速Vcに基づいてベースラック軸力補正係数Krbを補正するため車速補正係数Kvを設定する車速補正係数設定部282eと、ベースラック軸力補正係数Krbと車速補正係数Kvとに基づいてラック軸力補正係数Krを決定するラック軸力補正係数決定部282fとを備えている。
規範ラック軸力算出部282aは、操舵角算出部73にて算出された操舵角Raと車速検出部170からの車速Vcとに基づいて規範ラック軸力Frmを算出する。つまり、規範ラック軸力算出部282aは、操舵角Raと車速Vcとに応じた規範ラック軸力Frmを算出する。なお、規範ラック軸力算出部282aは、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、操舵角Raおよび車速Vcと規範ラック軸力Frmとの対応を示す制御マップ又は算出式に、操舵角Raおよび車速Vcを代入することにより規範ラック軸力Frmを算出する。
実ラック軸力算出部282bは、トルクセンサ109にて検出された操舵トルクTと、モータ回転角度算出部71にて算出されたモータ回転角度θと、モータ電流検出部33にて検出された実電流Imとに基づいて実ラック軸力Fraを算出する。
ここで、実ラック軸力Fraは、本実施の形態に係るステアリング装置100がピニオンアシスト装置であることから、ピニオンシャフト106から与えられる軸力に等しいとして、ピニオンシャフト106に加えられたピニオントルクTpに基づいて算出する。実ラック軸力Fraは、ピニオントルクTpをピニオン106aのピッチ円半径rpで除算した値である(Fra=Tp/rp)。
ピニオントルクTpは、ステアリングホイール101を介して運転者から加えられる操舵トルクTと、電動モータ110の出力軸トルクToが減速機構により増大されて加えられるモータトルクTmとを加算したトルクと推定することができる(Tp=T+Tm)。
操舵トルクTは、トルクセンサ109からのトルク信号Tdに基づいて把握することができる。
モータトルクTmは、出力軸トルクToに減速機構111の減速比(ギア比)Nを乗算した値である(Tm=To×N)。
出力軸トルクToは、モータ回転角度算出部71にて算出されたモータ回転角度θおよびモータ電流検出部33にて検出された実電流Imを、予めROMに記憶しておいた算出式に代入することにより算出することができる。なお、モータ回転角度算出部71にて算出されたモータ回転角度θを用いる代わりに、モータ逆起電力から所定の式により算出したモータ回転角度θを用いてもよい。また、ピニオンアシスト装置にかぎらずに、ラックアシスト装置であってもよい。この場合は、モータトルクTmからラック軸に設けられた回転変換機構のネジ径(送りピッチ)に基づいて、モータトルクTmによるラック軸力を算出して、さらに、操舵トルクTによるラック軸力とを加算して実ラック軸力Fraを算出できる。さらに、ラック軸に軸力検出センサを設けて直接実ラック軸力Fraを検知してもよい。
ラック軸力偏差算出部282cは、実ラック軸力算出部282bが算出した実ラック軸力Fraから規範ラック軸力算出部282aが算出した規範ラック軸力Frmを減算することによりラック軸力偏差ΔFrを算出する(ΔFr=Fra−Frm)。
図11は、ラック軸力偏差ΔFrとベースラック軸力補正係数Krbとの対応を示す制御マップである。
ベースラック軸力補正係数設定部282dは、ラック軸力偏差算出部282cが算出したラック軸力偏差ΔFrに応じたベースラック軸力補正係数Krbを算出する。ベースラック軸力補正係数設定部282dは、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、ラック軸力偏差ΔFrとベースラック軸力補正係数Krbとの対応を示す図11に例示した制御マップに、ラック軸力偏差ΔFrを代入することによりベースラック軸力補正係数Krbを算出する。
なお、図11に示した制御マップにおいては、ラック軸力偏差ΔFrがプラス方向に大きくなるほど、言い換えれば、実ラック軸力Fraが規範ラック軸力Frmよりも大きいほどベースラック軸力補正係数Krbがプラス方向に大きくなるように設定されている。また、図11に示した制御マップにおいては、ラック軸力偏差ΔFrがマイナス方向に大きくなるほど、言い換えれば、規範ラック軸力Frmが実ラック軸力Fraよりも大きいほどベースラック軸力補正係数Krbがマイナス方向に大きくなるように設定されている。
図12は、車速Vcと車速補正係数Kvとの対応を示す制御マップである。
車速補正係数設定部282eは、車速Vcに応じた車速補正係数Kvを設定する。車速補正係数設定部282eは、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、車速Vcと車速補正係数Kvとの対応を示す図12に例示した制御マップに、車速Vcを代入することにより車速補正係数Kvを算出する。
ラック軸力補正係数決定部282fは、ベースラック軸力補正係数設定部282dが算出したベースラック軸力補正係数Krbと車速補正係数設定部282eが算出した車速補正係数Kvとを乗算することにより得た値に1を加算することにより得た値をラック軸力補正係数Krとして決定する(Kr=1+Krb×Kv)。
(タイヤ空気圧補正係数設定部)
図13は、タイヤ空気圧補正係数設定部283の概略構成図である。
タイヤ空気圧補正係数設定部283は、タイヤ空気圧検出部190から出力された左側の前輪150のタイヤの空気圧である左前空気圧Pt1に基づいて、左前空気圧補正係数Kt1を設定する左前空気圧補正係数設定部283aを備えている。また、タイヤ空気圧補正係数設定部283は、タイヤ空気圧検出部190から出力された右側の前輪150のタイヤの空気圧である右前空気圧Pt2に基づいて、右前空気圧補正係数Kt2を設定する右前空気圧補正係数設定部283bを備えている。また、タイヤ空気圧補正係数設定部283は、タイヤ空気圧検出部190から出力された左側の後輪のタイヤの空気圧である左後空気圧Pt3に基づいて、左後空気圧補正係数Kt3を設定する左後空気圧補正係数設定部283cを備えている。また、タイヤ空気圧補正係数設定部283は、タイヤ空気圧検出部190から出力された右側の後輪のタイヤの空気圧である右後空気圧Pt4に基づいて、右後空気圧補正係数Kt4を設定する右後空気圧補正係数設定部283dを備えている。また、タイヤ空気圧補正係数設定部283は、左前空気圧補正係数Kt1、右前空気圧補正係数Kt2、左後空気圧補正係数Kt3及び右後空気圧補正係数Kt4に基づいて全車輪(前後輪を含む)でのタイヤ空気圧補正係数Ktを決定するタイヤ空気圧補正係数決定部283eを備えている。
図14(a)は、左前空気圧Pt1(右前空気圧Pt2)と左前空気圧補正係数Kt1(右前空気圧補正係数Kt2)との対応を示す制御マップである。図14(b)は、左後空気圧Pt3(右後空気圧Pt4)と左後空気圧補正係数Kt3(右後空気圧補正係数Kt4)との対応を示す制御マップである。
左前空気圧補正係数設定部283aは、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、左前空気圧Pt1と左前空気圧補正係数Kt1との対応を示す図14(a)に例示した制御マップに、タイヤ空気圧検出部190から取得した左前空気圧Pt1を代入することにより左前空気圧補正係数Kt1を算出する。
右前空気圧補正係数設定部283bは、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、右前空気圧Pt2と右前空気圧補正係数Kt2との対応を示す図14(a)に例示した制御マップに、タイヤ空気圧検出部190から取得した右前空気圧Pt2を代入することにより右前空気圧補正係数Kt2を算出する。
左後空気圧補正係数設定部283cは、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、左後空気圧Pt3と左後空気圧補正係数Kt3との対応を示す図14(b)に例示した制御マップに、タイヤ空気圧検出部190から取得した左後空気圧Pt3を代入することにより左後空気圧補正係数Kt3を算出する。
右後空気圧補正係数設定部283dは、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、右後空気圧Pt4と右後空気圧補正係数Kt4との対応を示す図14(b)に例示した制御マップに、タイヤ空気圧検出部190から取得した右後空気圧Pt4を代入することにより右後空気圧補正係数Kt4を算出する。
図14(a)に示した制御マップにおいては、左前空気圧Pt1(右前空気圧Pt2)がPf1以上Pf2以下の所定範囲である場合には左前空気圧補正係数Kt1(右前空気圧補正係数Kt2)が下限値1になるように設定されている。そして、左前空気圧Pt1(右前空気圧Pt2)がPf1よりも小さくなるに従って左前空気圧補正係数Kt1(右前空気圧補正係数Kt2)が1から前空気圧補正係数上限値Ktfmaxまで徐々に大きくなるように設定されている。また、左前空気圧Pt1(右前空気圧Pt2)がPf2よりも大きくなるに従って左前空気圧補正係数Kt1(右前空気圧補正係数Kt2)が1から前空気圧補正係数上限値Ktfmaxまで徐々に大きくなるように設定されている。
また、図14(b)に示した制御マップにおいては、左後空気圧Pt3(右後空気圧Pt4)がPr1以上Pr2以下の所定範囲である場合には左後空気圧補正係数Kt3(右後空気圧補正係数Kt4)が1になるように設定されている。そして、左後空気圧Pt3(右後空気圧Pt4)がPr1よりも小さくなるに従って左後空気圧補正係数Kt3(右後空気圧補正係数Kt4)が1から後空気圧補正係数上限値Ktrmaxまで徐々に大きくなるように設定されている。また、左後空気圧Pt3(右後空気圧Pt4)がPr2よりも大きくなるに従って左後空気圧補正係数Kt3(右後空気圧補正係数Kt4)が1から後空気圧補正係数上限値Ktrmaxまで徐々に大きくなるように設定されている。
タイヤ空気圧補正係数決定部283eは、左前空気圧補正係数設定部283aが設定した左前空気圧補正係数Kt1と、右前空気圧補正係数設定部283bが設定した右前空気圧補正係数Kt2と、左後空気圧補正係数設定部283cが設定した左後空気圧補正係数Kt3と、右後空気圧補正係数設定部283dが設定した右後空気圧補正係数Kt4とを乗算することにより得た値をタイヤ空気圧補正係数Ktとして決定する。
上述したPf1以上Pf2以下の所定範囲は、自動車1の前輪150のタイヤの空気圧として予め定められた適正範囲であることを例示することができる。また、Pr1以上Pr2以下の所定範囲は、自動車1の後輪のタイヤの空気圧として予め定められた適正範囲であることを例示することができる。
これにより、タイヤ空気圧補正係数設定部283は、自動車1の前輪150又は後輪のタイヤの空気圧が適正範囲から外れた場合、つまり適正範囲より小さい場合及び適正範囲より大きい場合にタイヤ空気圧補正係数Ktが1よりも大きくなるように設定する。言い換えれば、タイヤ空気圧補正係数設定部283は、タイヤの空気圧が適正範囲に対して過不足している場合にはタイヤ空気圧補正係数Ktが1よりも大きくなるように設定する。
なお、前空気圧補正係数上限値Ktfmaxは、後空気圧補正係数上限値Ktrmax以上であることを例示することができる。自動車1の前輪150と後輪とに同じ外力が生じたとしても、前輪150の方が後輪よりもステアリングホイール(ハンドル)101に与える影響が大きいからである。
(操舵角速度偏差電流決定部)
操舵角速度偏差電流決定部284は、ベース操舵角速度偏差電流算出部281が算出したベース操舵角速度偏差電流Ivbと、ラック軸力補正係数設定部282が設定したラック軸力補正係数Krと、タイヤ空気圧補正係数設定部283が設定したタイヤ空気圧補正係数Ktとを乗算することにより得た値を操舵角速度偏差電流Ivとして決定する(Iv=Ivb×Kr×Kt)。
操舵角速度偏差電流決定部284は、上述した手法にて算出した操舵角速度偏差電流IvをRAMなどの記憶領域に記憶する。
(目標電流決定部)
そして、目標電流決定部29は、RAMなどの記憶領域に記憶された、基本目標電流算出部27が算出した基本目標電流Itfと操舵角速度偏差電流算出部28が算出した操舵角速度偏差電流Ivとを加算した値を目標電流Itとして決定する。
以上のように構成された本実施の形態に係る目標電流算出部20においては、基本目標電流Itfに、目標操舵角速度Vrtと実操舵角速度Vraとの操舵角速度偏差に応じた操舵角速度偏差電流Ivが加算される。この操舵角速度偏差電流Ivは、路面からの反力度合いを考慮した電流であり、路面からの反力が小さい場合には操舵角速度偏差電流Ivの絶対値は小さく、路面からの反力が大きい場合には操舵角速度偏差電流Ivの絶対値は大きくなるように設定される。
加えて、本実施の形態に係る目標電流算出部20においては、ラック軸105に生じる実ラック軸力Fraが規範ラック軸力Frmよりも大きくなるほど、ラック軸力補正係数Krが大きくなるので、操舵角速度偏差電流Ivが大きくなるように補正されて、目標電流Itが増大する。他方、ラック軸105に生じる実ラック軸力Fraが規範ラック軸力Frmよりも小さい場合は、実ラック軸力Fraが規範ラック軸力Frmよりも小さくなるほど、マイナス方向にラック軸力補正係数Krが大きくなるので、操舵角速度偏差電流Ivが小さくなるように補正されて、目標電流Itが減少する。
それゆえ、本実施の形態に係る目標電流算出部20によれば、路面からの反力度合いを考慮した操舵角速度偏差電流Ivを加える制御を行うにあたっても、外乱入力を考慮した値にすることができる。そして、かかる構成によれば、不規則で連続的な外乱入力時など、外乱入力推定が不安定となり、ラック軸力偏差ΔFrが不安定な出力となる場合においても、操舵角速度偏差電流Ivが増減するのみであり、目標操舵角速度Vrtと実操舵角速度Vraとの操舵角速度偏差に応じた補正電流を加味する効果が増減するのみである。そのため、例えば、実ラック軸力Fraと規範ラック軸力Frmとの偏差に応じて補正電流を算出し、算出した補正電流を基本目標電流Itfに加算する構成である場合と比較すると、不規則で連続的な外乱が入力することに起因して操舵フィーリングが悪化することを抑制できる。
加えて、本実施の形態に係る目標電流算出部20においては、自動車1の前輪150又は後輪のタイヤの空気圧が適正範囲を外れている場合には、タイヤ空気圧補正係数Ktが1より大きくなるので、操舵角速度偏差電流Ivの絶対値が大きくなるように補正されて、目標電流Itの絶対値が増大する。
それゆえ、本実施の形態に係る目標電流算出部20によれば、路面からの反力度合いを考慮した操舵角速度偏差電流Ivを加える制御を行うにあたっても、タイヤの空気圧の過不足により、例えば悪路走行等によるハンドルの取られやすさが増大するような状況においても操舵角速度偏差電流Ivを変更することができる。つまり、ステアリングホイール101への外乱がより多くなる場合に制御出力である操舵角速度偏差電流Ivが増加するので、制御効果をより向上させることができる。また、タイヤの空気圧の過不足を考慮して目標電流Itを決定することを、自動車1に従来より備えられている既存の情報であるタイヤの空気圧検知機能(タイヤ空気圧検出部190がタイヤの空気圧を検知する機能)を単に利用することで実現することができる。
そして、本実施の形態に係る目標電流算出部20においては、タイヤ空気圧補正係数設定部283が設定したタイヤ空気圧補正係数Ktを、ベース操舵角速度偏差電流算出部281が算出したベース操舵角速度偏差電流Ivbに乗算する。かかる構成によれば、タイヤの空気圧の過不足によりステアリングホイール101への外乱が増大する場合においても、操舵角速度偏差電流Ivが増大するのみであり、目標操舵角速度Vrtと実操舵角速度Vraとの操舵角速度偏差に応じた補正電流を加味する効果が増大するのみである。そのため、例えば、タイヤの空気圧の過不足に応じて補正電流を算出し、算出した補正電流を基本目標電流Itfに加算する構成である場合と比較すると、タイヤの空気圧の過不足に起因して操舵フィーリングが悪化することを抑制できる。
以上説明したように、本実施の形態に係るステアリング装置100によれば、操舵フィーリングの低下を抑制しつつ、装置外部の車両環境、例えばタイヤの空気圧を考慮したアシスト力を付与することができる。
10…制御装置、20…目標電流算出部、21…ベース電流算出部、27…基本目標電流算出部、28…操舵角速度偏差電流算出部、29…目標電流決定部、30…制御部、100…電動パワーステアリング装置、110…電動モータ、281…ベース操舵角速度偏差電流算出部、282…ラック軸力補正係数設定部、283…タイヤ空気圧補正係数設定部、284…操舵角速度偏差電流決定部

Claims (5)

  1. 車両のステアリングホイールに加わる操舵力をアシストする電動モータと、
    前記ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルク検出手段と、
    前記ステアリングホイールの回転角度である操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記トルク検出手段が検出した操舵トルクに基づいて前記電動モータに供給する目標電流の基本となる基本目標電流を算出する基本目標電流算出手段と、
    前記操舵角検出手段が検出した操舵角に基づいて算出した目標操舵角速度と実際の操舵角速度との操舵角速度偏差に応じた偏差電流を算出する偏差電流算出手段を有し、前記車両に備えられたタイヤの空気圧に基づいて前記偏差電流を補正した補正電流を算出する補正電流算出手段と、
    前記基本目標電流算出手段が算出した前記基本目標電流と前記補正電流算出手段が算出した前記補正電流とに基づいて前記目標電流を決定する目標電流決定手段と、
    を備える電動パワーステアリング装置。
  2. 前記補正電流算出手段は、前記タイヤの空気圧が所定範囲よりも大きい場合に前記補正電流の絶対値が大きくなるように補正する
    請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記補正電流算出手段は、前記タイヤの空気圧が所定範囲よりも小さい場合に前記補正電流の絶対値が大きくなるように補正する
    請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記補正電流算出手段は、
    前記操舵角検出手段が検出した操舵角と車速とに基づく、転動輪を転動させるラック軸に生じる軸力の規範となる規範ラック軸力と、前記ラック軸に生じる実際の軸力との偏差に基づいて前記補正電流を変更する
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記補正電流算出手段は、前記タイヤの空気圧に基づいて設定した補正係数と、前記規範ラック軸力と前記実際の軸力との偏差に基づいて設定した補正係数とを、前記偏差電流に乗算することで前記補正電流を算出する
    ことを特徴とする請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
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CN112550438A (zh) * 2019-09-26 2021-03-26 株式会社捷太格特 转向控制装置

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