JP2017083857A - 前面板一体型液晶表示パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】高温環境下での反り量が抑制される前面板一体型液晶表示パネルを提供する。
【解決手段】液晶セルの視認側に配置される前面板一体型偏光板と背面側に配置される背面側偏光板とのセットと、液晶セルとを備え、前面板一体型偏光板は前面側偏光板及びその視認側に配置され紫外線硬化型樹脂又は粘着剤を介して貼合されたヤング率が2GPa 以上の前面板からなり、前面側及び背面側偏光板は偏光子の少なくとも一方の面に透明高分子フィルムが積層された偏光板であり、前面側偏光板の偏光子の前面板から遠くなる面から液晶セルまでの距離d1が、背面側偏光板の偏光子の前面板に近くなる面から液晶セルまでの距離d2より大きく、d1は100μm以下であり、かつd2は5μm以上であり、前面側偏光板に設けられた透明高分子フィルムの総厚みが、背面側偏光板に設けられた透明高分子フィルムの総厚みより厚い前面板一体型液晶表示パネルである。
【選択図】図1

Description

液晶表示パネルとした際に高温環境下での反り量が抑制される前面板が一体化された前面板一体型偏光板と背面側偏光板からなる偏光板のセット、及びこれらを液晶セルに貼合した前面板一体型液晶表示パネルに関するものである。
液晶表示装置は、従来から卓上計算機、電子時計、パーソナルコンピューターなどに使用されているが、近年急激にその需要が増加しており、最近では携帯電話やタブレット型端末などにも使用されるなど、その用途も広がっている。これらの液晶表示装置は通常、液晶セルの表裏に一対の偏光板が配置されて液晶表示パネルとなる。
最近の市場では、画面が大型化した携帯電話やタブレット型端末等のモバイル機器の普及に伴い、その構成部材である液晶表示パネルの軽量化、薄型化が要求されており、液晶セルのガラスや前面板を薄くする傾向がある。また、界面における反射や光の散乱をなくして視認性を向上するために、前面板が粘着剤や紫外線硬化型樹脂で液晶表示パネルと一体化される傾向もある。
従来の液晶表示パネルでは、前面板及び液晶セルが厚いため、高温環境下でも偏光板の収縮による反りは抑制されていたが、上記のような近年の前面板の厚さや液晶セルに使用されているガラスを薄くする傾向に伴い、高温環境下での使用において液晶表示パネルの反りが発生し、最終製品の筐体に収まらないなどの問題がある。
このような液晶表示パネルの反りを抑制するために、以前から液晶セルの視認側と液晶セルの視認側とは反対側(背面側)に配置する偏光板の厚さを変更することで液晶表示パネルの反りを抑制する手法が開発されている。例えば、特開2012−58429 号公報(特許文献1)では、液晶セルの視認側に配置する偏光板の偏光膜(本発明でいう偏光子)の厚さを、液晶セルの背面側に配置する偏光膜より薄くすることで液晶表示パネルの反りを抑制する方法が記載されている。
しかし、高温環境下における液晶表示パネルの使用の際に発生する反りは、上記のとおり偏光子の厚さによる偏光板の収縮に起因するため、特許文献1のように視認側に配置する偏光板の偏光子の厚さを薄くした場合、特に視認性向上のために前面板を粘着剤や紫外線硬化型樹脂などで一体化させた液晶表示パネルの場合には、反りが発生することがあり、反りの抑制は、必ずしも満足のいくものではない。
また、特許第4666430 号(特許文献2)には、プラスチック基板液晶セルを使用した液晶表示素子(本発明でいう液晶表示パネル)において、液晶セルの視認側及び背面側の偏光板を構成する保護膜の厚さを変えることにより、プラスチック基板液晶セルの反り量が抑制された液晶表示素子について記載されている。この方法によると、液晶セルの反りを抑制するという目的は達成されているものの、視認性向上のために偏光板に前面板が一体化された状態で高温環境におかれた場合、特許文献2のように保護膜の厚さを変える方法では、保護膜の熱収縮に起因する液晶セルの反りが発生し、最終製品の筐体に収まらないという問題が生ずる場合がある。
特開2012−58429号公報 特許第4666430号公報(特開2002−221715号公報)
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、液晶表示パネルとした際に高温環境下での反り量が抑制される偏光板のセット、及びこの偏光板のセットを液晶セルに貼合してなる前面板一体型液晶表示パネルを提供することにある。
すなわち、本発明は、前面側偏光板及びその視認側に配置され紫外線硬化型樹脂又は粘着剤を介して点貼されたヤング率が2Gpa 以上の前面板とからなり、液晶セルの視認側に配置される前面板一体型偏光板と、前記液晶セルの背面側に配置される背面側偏光板とのセットであって、
前面板一体型偏光板の偏光子の前面板から遠くなる面から液晶セルまでの距離が、背面側偏光板の偏光子の前面板側に近くなる面から液晶セルまでの距離より大きいことを特徴とする、偏光板のセットである。
前面板一体型偏光板の偏光子の前面板から遠くなる面から液晶セルまでの距離(d1)とは、典型的には、前面板一体型偏光板の偏光子の前面板から遠くなる面に積層された少なくとも一つの透明高分子フィルムおよび少なくとも一つの粘着剤層からなる積層の厚みに相当し、背面側偏光板の偏光子の前面板側に近くなる面から液晶セルまでの距離(d2)とは、典型的には、背面側偏光板の偏光子の前面板側に近くなる面に積層された粘着剤層もしくは粘着剤層と透明高分子層との積層の厚みに相当する。
前面板一体型偏光板の偏光子の前面板から遠くなる面から液晶セルまでの距離(d1)、背面側偏光板の偏光子の前面板側に近くなる面から液晶セルまでの距離(d2)は、d1>d2の関係を満たすものであればよく、d1およびd2の上限値および下限値は、限定されないが、通常、d1は、100μm程度までであり、d2は、5μm以上である。d1とd2の差d1-d2は、好ましくは、95μm以下である。
偏光板のセットは、以下の各種の態様それぞれ単独もしくは組合せた形をとりうる。
前記偏光板のセットにおいて、前記前面側偏光板及び前記背面側偏光板が、典型的には、ともに、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子の少なくとも一方の面に、透明高分子フィルムの保護膜が積層された偏光板である。
前記透明高分子フィルムは、面内位相差を有する透明高分子フィルムであってもよい。
前記偏光板のセットの前面側偏光板には、その偏光子の前面板から遠くなる側に透明高分子フィルムからなる他の位相差板が設けられていてもよい。
前記偏光板のセットの背面側偏光板は、その偏光子の前面板側から遠くなる側に透明高分子フィルム以外の光学フィルムが設けられていてもよい。
前記偏光板セットにおいて、前面側偏光板の有する透明高分子フィルムの総厚みが、背面側偏光板の有する透明高分子フィルムの総厚みより厚いことが好ましい。
前記偏光板のセットにおいて、前面側偏光板および背面側偏光板は、ともに長辺と短辺を有する方形形状を有し、前面側偏光板は、好ましくは、その吸収軸が短辺方向と略平行であり、背面側偏光板は、その吸収軸が長辺方向と略平行である。
前記偏光板のセットは、液晶セルの視認側に前記偏光板のセットを構成する前面板一体型偏光板がその偏光板側で貼着されており、液晶セルの背面側に前記偏光板のセットを構成する背面側偏光板が貼着された前面板一体型液晶表示パネルを形成する。かかる前面板一体型液晶表示パネルは、85℃にて240時間加熱したときの反り量が、絶対値で0.5mm以下の前面板一体型液晶表示パネルとなる。
本発明によれば、前面板を一体化した液晶表示パネルにおける高温環境下での反りを解消することができ、高温環境下での最終製品の筐体に収まる前面板一体型液晶表示パネルを得ることができる。
本発明に係る偏光板のセットにおける好ましい層構成の例を示す概略断面図である。 本発明に係る前面板一体型液晶表示パネルにおける好ましい層構成の例を示す概略断面図である。
以下、本発明に係る偏光板のセット及びこれを用いた前面板一体型液晶表示パネルについて適宜、図を用いて説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
本発明の偏光板のセットは、前面板一体型偏光板と背面側偏光板から構成される。図1は、本発明に係る偏光板のセットにおける好ましい層構成の例の概略断面図を示したものである。図1を参照してまず説明する。本発明の偏光板のセットを構成する前面板一体型偏光板30は、液晶セルの視認側に配置され、液晶セルから遠い側に配置される前面板10が、前面側偏光板30に紫外線硬化型樹脂又は粘着剤20を介して貼り合わされたものである。なお、前面側偏光板30は、前面側偏光板の偏光子37の両面に、前面側偏光板の透明保護膜35a,35bがそれぞれ貼合されたものである。また背面側偏光板50は、背面側偏光板の偏光子57の両面に、背面側偏光板の透明保護膜55a,55bがそれぞれ貼合されたものである。
前面板は、液晶セルの反りの抑制や保護する役割から、そのヤング率が2GPa 以上であるものとする。前面板は、前記のヤング率を満たすのであれば、単層もしくは積層された物であっても良い。上記のとおり液晶セルの視認側、具体的には最終製品において最外面に配置されることから、屋外又は半屋外での使用が想定される。したがって、耐久性の観点から、ガラス及び強化ガラス等の無機材料、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の有機材料などから構成されるのが好適である。上記前面板は、ヤング率が2GPa 以上であるものであれば、例えば、タッチパネルを構成している強化ガラスやフィルムであってもよい。タッチパネルの方式については、特に限定はなく、静電容量方式、表面弾性波方式、抵抗膜方式、電磁誘導方式、光センサー方式、赤外線方式などが例示される。前記前面板は、反射防止、防汚、電磁波遮蔽、近赤外線遮蔽、色調整、あるいはガラス飛散防止などの機能を有していてもよい。かかる機能を有する前面板は、例えば、これらの機能を有する少なくとも一つ以上のフィルム層を、上記前面板の少なくとも一方の面に積層したものでもよい。かかる多層からなる前面板は、例えば、上記のような有機材料もしくは無機材料の基板に上記機能を付与するために有効な剤を直接塗布する方法もしくは別途作成した上記のような機能を有する機能性のフィルムを貼合して作成してもよい。
前面板及び前面側偏光板を貼り合わせる紫外線硬化型樹脂又は粘着剤は、その屈折率が前面板に近い透明なものが好適である。そのような紫外線硬化型樹脂又は粘着剤を採用することで、前面板と偏光板との界面における反射や光の散乱を無くし、視認性を向上させることができる。
紫外線硬化性樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルやエポキシ樹脂などの一般的な紫外線硬化性液状物を使用することができる。また、粘着剤としては、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルなどをベースポリマーとしたものを用いることができる。なかでも、アクリル系粘着剤のように、光学的な透明性に優れ、透明性の高いアクリル系粘着剤を使用することが好ましい。ここで、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルのいずれでもよいことを意味し、その他、(メタ)アクリレートなどというときの「(メタ)」も同様の趣旨である。
本発明の偏光板のセットにおいては、前面側偏光板を構成する偏光子37は、液晶セルの背面側に配置された背面側偏光板を構成する背面側偏光板の偏光子の厚さは、特に限定されないが、前面側偏光板を構成する偏光子の厚さは、典型的には、5μm以上30μm以下である。液晶セルの背面側偏光板の偏光子の厚さは、典型的には、3μm以上25μm以下である。
前面側及び背面側の偏光板に用いられる偏光子としては、上記の偏光子の厚さを満たす限り、任意の適切なものを用いることができる。偏光子としては、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向されたものが用いられる。偏光子を構成するポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニル及びこれと共重合可能な他の単量体の共重合体などが例示される。酢酸ビニルに共重合される他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などを挙げることができる。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%程度、好ましくは98モル%以上である。このポリビニルアルコール系樹脂はさらに変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用し得る。またポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000程度、好ましくは1,500〜5,000程度である。具体的なポリビニルアルコール系樹脂や二色性色素としては、例えば、特開2012−159778号に例示されているポリビニルアルコール系樹脂や二色性色素が挙げられる。
かかるポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光子の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は特に限定されるものでなく、公知の方法で製膜することもできる。ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルムの膜厚は特に限定されないが、例えば、1〜150μm 程度である。延伸のしやすさなども考慮すれば、その膜厚は、3μm以上75μm以下であるのが好ましい。
偏光子は、例えば、上記のようなポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程で延伸し、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色してその二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びこのホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て、最後に乾燥させて製造される。偏光子の製造工程におけるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの延伸、染色、ホウ酸処理、水洗工程、乾燥工程は、例えば、特開2012−159778号に記載されている方法に準じて行ってもよい。この文献記載の方法により、基材フィルムへのポリビニルアルコール系樹脂のコーティングにより、偏光子となるポリビニルアルコール系樹脂層を形成し、これに透明高分子フィルムの保護層を積層して偏光板を製造しても良い。偏光子の厚みは、通常、2μmから40μm程度であり、好ましくは、3μmから30μm程度である。
本発明で規定する前面側偏光板及び背面側偏光板はともに、上記のように製造される偏光子の少なくとも一方の面に透明高分子フィルムからなる保護膜(本明細書中において、透明保護膜とも記すことがある。)が積層されている。この透明保護膜としては、適宜の透明樹脂から形成されているものを用いることができる。具体的には、透明性や均一な光学特性、機械強度、熱安定性などに優れるポリマーからなるものを用いるのが好ましい。このような透明保護膜としては、例えば、トリアセチルセルロース及びジアセチルセルロース等のセルロース系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリメチル(メタ)アクリレート及びポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエーテルスルホン系フィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリノルボルネン系フィルムなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
前面側偏光板に適用される透明保護膜及び背面側偏光板に適用される透明保護膜は、同じものであってもよいし、それぞれ独立で、異なるものであってもよい。液晶セルに近い方の透明保護膜(図1においては、35bもしくは55a)の両者もしくは一方が無い形態でも良い。本発明では、少なくとも一方の偏光板における液晶セル側に設けられる透明保護膜が面内位相差を有することが好ましい。前面側透明保護膜(図1では、55a,55b)は、ともに面内位相差を有する位相差板であってもよい。
透明保護膜の面内位相差は、一軸延伸又は二軸延伸によって付与することができる。その面内位相差値は、適用される液晶セルの種類に合わせて適宜設定すればよいが、一般には30nm以上とするのが好ましい。面内位相差値の上限は、特に限定されないが、例えば300nm程度までで十分である。面内位相差値R0は、下記式:(I)

R0=(nx-ny)x d (I)

(式中、nxは、透明保護膜の面内遅相軸方向の屈折率を、nyは、面内進軸方向(面内遅相軸方向と直交する方向)の屈折率を表し、dは、透明保護膜の厚みを表す。)
で定義される。
偏光子と保護膜との貼合は、接着剤や粘着剤を用いることができる。接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂やウレタン樹脂を主成分として含む水系接着剤や、紫外線硬化型樹脂(エポキシ系樹脂)のような光硬化型樹脂を含む光硬化型接着剤を用いることができる。粘着剤としては、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、あるいはポリエーテル等をベースポリマーとするものを用いることができる。
上記の透明保護膜は、偏光子への貼合に先立って、その貼合面に、ケン化処理、コロナ処理、プライマー処理、アンカーコーティング処理などの易接着処理が施されてもよい。
前面側偏光板及び背面側偏光板の透明保護膜の厚さは、通常、5〜200μm程度の範囲で、好ましくは10μm以上80μm以下、さらに好ましくは40μm 以下である。
前面側偏光板30が、偏光子37における前面板に近い側に積層される保護膜の層35aを備える場合、この保護膜の表面(前面板に近い側)には、必要に応じてハードコート層、反射防止層又は防眩層等の表面処理層を設けてもよい。ハードコート層は、偏光板表面の傷付き防止のために形成される表面処理層であり、主に紫外線硬化型樹脂、例えばアクリル系やシリコーン系などの樹脂から透明保護膜との密着性や硬度に優れるものが適宜に選定され、透明保護膜の表面に形成することができる。
反射防止層は、偏光板の表面において外光の反射防止を目的として形成される表面処理層であり、公知の方法で形成することができる。防眩層は、外光が偏光板の表面に映りこんで発生する視認性の阻害を防止するために形成される表面処理層であり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式等による粗面化方式や紫外線硬化型樹脂に透明微粒子を混合する方式などにより透明保護膜の表面が凸凹構成となるように形成されるのが一般的である。
上記の透明保護膜を、偏光子の少なくとも一方の面に貼合したものが偏光板となる。偏光板としては、上記の透明保護膜を、偏光子の両面に貼合したものであってもよい。偏光子と透明保護膜の貼合は、特に限定されるものではないが、エポキシ系ポリマーからなる接着剤や粘着剤などを用いて行なうことができる。かかる接着剤層又は粘着剤層は、水溶液の塗布乾燥層などとして形成されるものであるが、その水溶液の調整に際し、必要に応じて他の添加剤や酸等の触媒も配合することができる。
本発明の偏光板のセットの偏光板においては、透明高分子フィルムの他に以下のような機能を有する光学フィルムを一層又は二層以上積層して用いることができる。かかる光学フィルムとしては、例えば、反射層、半透過型反射層、輝度向上フィルムなどを挙げることができる。例えば、前記した偏光子と透明保護膜からなら偏光板に、さらに輝度向上フィルムが積層されている偏光板とすることもできる。
本発明の偏光板のセットの偏光板においては、位相差板を一層又は二層以上積層してもよい。例えば、前記した偏光子と透明保護膜からなる偏光板に、さらに位相差板が積層されている楕円偏光板又は円偏光板、前記した偏光子と透明保護膜からなる偏光板の片側(一つの保護層)が視野角補償フィルムとなっている偏光板が例示される。
位相差板は、特にモバイル用途の画像表示装置に使用される楕円偏光又は円偏光モードの複合偏光板を形成しうるλ板(1/2λ板又は1/4λ板)が、前記の保護膜上に積層され有効に用いられる。楕円偏光又は円偏光モードの複合偏光板は入射する偏光方向が直線偏光の場合は楕円偏光又は円偏光に、入射する偏光方向が楕円偏光又は円偏光の場合は直線偏光に変える機能を有している。特に楕円偏光又は円偏光を直線偏光に、直線偏光を楕円偏光又は円偏光に変えられる位相差板としては1/4λ板と呼ばれるものが使用される。また、1/2λ板は直線偏光の方向を変える機能を有している。
位相差板の具体例としては、ポリカーボネート系、ポリビニルアルコール系、ポリスチレン系、ポリメチルメタクリレート系、ポリプロピレンのようなポリオレフィン系、ポリアリレート系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリノルボルネン系等から選ばれるポリマーを延伸処理して得られる延伸フィルムが例示される。かかる延伸フィルムは、一軸や二軸等の適宜な方式で処理したものであってよい。また、熱収縮性フィルムとの接着下に収縮力及び/又は延伸力をかけることでフィルムの厚さ方向の屈折率を制御した複屈折性フィルムでもよい。
輝度向上フィルムは、液晶表示装置等における輝度の向上を目的として用いられ、その例としては、屈折率の異方性が互いに異なる薄膜フィルムを複数枚積層して反射率に異方性が生じるように設計された反射型偏光分離シート、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基材上に支持した円偏光分離シートなどが挙げられる。
上記の各種の光学フィルムは、粘着剤又は接着剤を用いて偏光板と一体化されるが、そのために用いられる粘着剤又は接着剤は、特に限定されるものではなく適宜のものを選択して使用すればよい。接着作業の簡便性や光学歪の発生防止などの観点から、粘着剤を使用することが好ましい。粘着剤には特に限定はなく、例えば、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルなどをベースポリマーとしたものを用いることができる。なかでも、アクリル系粘着剤のように、光学的な透明性に優れ、適度な濡れ性や凝集力を保持し、基材との接着性にも優れ、さらには耐熱性などを有し、高温環境下で浮きや剥がれ等の剥離問題を生じないものを選択して用いることが好ましい。
粘着剤層には、必要に応じて光散乱性を示すための微粒子を含有させてもよく、ガラス繊維やガラスビーズ、樹脂ビーズ、金属粉やその他の無機粉末等からなる充填剤、顔料や着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが配合されていてもよい。紫外線吸収剤には、サリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などがある。
前記した偏光板を構成する保護膜又は偏光板上に設けられた透明高分子フィルム層には、液晶セル等の他部材と接着するために粘着剤層を設けることができる。その粘着剤層は、アクリル系等の従来から使用されている粘着剤を適宜使用して形成することができる。特に、高温環境下での剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や前面板一体型液晶表示パネルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶画像装置の形成などの観点より、耐熱性に優れる粘着剤層であることが好ましい。粘着剤層は必要に応じて必要な面に設ければよく、例えば、偏光子と透明保護膜からなる偏光板の透明保護膜について言及するならば、必要に応じて透明保護膜の片面又は両面に粘着剤層を設ければよい。なお、粘着剤層には、例えば、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等の適宜なものを用いることができる。
背面側偏光板50としては、液晶セル60とは反対側(前面板側から遠くなる側)の最表面に積層される前記のような光学フィルムの層を1層または2層以上有していることが好ましい。かかる光学フィルムとしては、輝度向上フィルムが挙げられる。
偏光板や光学フィルムに設けた粘着剤層は、その粘着剤層をフィルムの粘着に供するまの間、汚染防止等を目的にセパレータにて仮着カバーすることが好ましい。セパレータは、上記の透明保護膜等に準じた適宜な薄葉体に、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブテン等の適宜な剥離剤による剥離コートを設ける方式などにより形成することができる。
本発明の偏光板のセットは、液晶セルの短辺と前記前面側偏光板30の吸収軸とが成す角度は、通常、±45度以内であり、好ましくは±10度以内である。液晶セルの長辺と前記背面側偏光板の吸収軸とが成す角度は、通常、±45度以内であり、好ましくは±10度以内である。前面側偏光板30は、その吸収軸が液晶セルの短辺方向と略平行であり、背面側偏光板は、その吸収軸が液晶セルの長辺方向と略平行であることがより好ましい。
本発明に係る前面板一体型液晶表示パネルについて以下説明する。図2に前面板一体型液晶表示パネル80における好ましい層構成の例を概略断面図で示す。図2に示されるように、本発明の前面板一体型液晶表示パネル80は、図1の偏光板のセットを構成する前面板一体型偏光板40を液晶セル60の視認側に、背面側偏光板50を液晶セル60の背面側にそれぞれ粘着剤を介して貼合した構成である。
液晶セル60への前面板一体型偏光板40および背面側偏光板50の貼合は、それぞれ粘着剤25bおよび45aを用いて行うことができる。粘着剤としては、例えば、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、またはポリエーテル等をベースポリマーとするものが例示される。光学的な透明性に優れ、良好な耐熱性を有し、高温環境下で浮きや剥がれ等の剥離問題が生じにくく、熱膨張差等による光学特性の低下防止や前面板一体型液晶表示パネルの反りの抑制にも有利なアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。前面板一体型偏光板40及び背面側偏光板50は、それらの短辺が液晶セル60の短辺と平行になるように貼合される。
液晶セルの駆動モードとしては、VAモード、IPSモード、TNモードなどのような公知のいかなるモードであってもよく、前面板一体型偏光板及び背面側偏光板が貼合される液晶セル基板は、典型的には、ガラス、あるいは透明樹脂等からなるものである。
本発明の前面板一体型液晶表示パネルは、85℃にて240時間加熱したときの反り量が、絶対値で0.5mm以下、好ましくは0.3mm 以下のものとなる。したがって、高温環境下での反りが抑制され、最終製品の筐体に収まる前面板一体型液晶表示パネルとなる。
実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ない限り重量基準である。
[実施例1]
(1)偏光板のセットの作製
前面側偏光板は、次のように作製した。まず、厚さ30μm のポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が 0.05/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が8.5/8.5/100の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥し、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚さ11μm の偏光子を得た。次に、この偏光子の片側に、水100部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔(株)クラレから入手した商品名「KL−318」〕を3部溶解し、その水溶液に水溶性エポキシ樹脂であるポリアミドエポキシ系添加剤〔田岡化学工業(株)から入手した商品名「スミレーズレジン 650(30)」、固形分濃度30%の水溶液〕を 1.5部添加したエポキシ系接着剤を塗布し、透明高分子フィルムからなる保護膜として厚さ25μm のトリアセチルセルロースフィルム(TAC)〔コニカミノルタオプト(株)社製の商品名「KC2UA」〕を貼り合せ、その反対側には前記の接着剤を用いて、透明高分子フィルムで、面内位相差90nmを有する20μm厚のノルボルネン系樹脂層〔日本ゼオン(株)製の商品名「ZEONOR」〕を貼合した。その後、ZEONOR面側に15μm厚の粘着材〔リンテック(株)製の商品名「#3」〕を貼合し、スチレン−無水マレイン酸系共重合樹脂〔ノヴァケミカル社製の商品名「ダイラークD332」〕をコア層とし、平均粒径200nmのアクリル系ゴム粒子が約20%配合されているメタクリル系樹脂〔住友化学(株)製の商品名「テクノロイS001」〕をスキン層として3層共押出を行ない、コア層の両面にスキン層が形成された3層構造の積層フィルムを延伸して得た透明高分子フィルムで面内位相差値が60nmである厚み25μmの位相差フィルムを貼合した。
その後、位相差フィルム面側に25μm厚の粘着剤〔リンテック(株)製の商品名「P-119E」〕を貼合した。
このようにして前面側偏光板として、前面板に貼合される透明保護膜(TAC)/偏光子/位相差板(Zeonor)/粘着剤/位相差板/粘着剤(25/11/20/15/25/25、数値はそれぞれ対応する層の厚みを表し、単位はμm)と言う順に積層された偏光板が製作された。
ここで、前面側偏光板を構成する透明高分子フィルム(TACおよび二つの位相差板の厚みの合計)の総厚みは70μmであった。
背面側偏光板は、前記前面側偏光板と同様の方法で偏光子を作成し、前面側偏光板と同様の方法で透明高分子フィルムの保護膜として厚さ25μm のトリアセチルセルロースフィルム〔コニカミノルタオプト(株)社製の商品名「KC2UA」〕を貼り合せ、その反対側には前記の接着剤を用いて、透明高分子フィルムとして、延伸されていない23μm厚のノルボルネン系樹脂〔日本ゼオン(株)製の商品名「ZEONOR」”〕フィルムを貼合した。その後、TAC面側に5μm厚の粘着材〔リンテック(株)製の商品名「#L2」〕を貼合し、そこに26μm厚の輝度向上フィルム(3M製の商品名「Advanced Polarized Film, Version 3」)を貼合した。その後、ノルボルネン系樹脂側に25μm厚の粘着剤〔リンテック(株)製の商品名「P-119E」〕を貼合した。
このようにして、背面側偏光板は、前面板側偏光板に近いほうから、粘着剤/透明保護膜(「ZEONOR」日本ゼオン(株)製の商品名)/偏光子/透明保護膜(TAC)/粘着剤/輝度向上フィルム(25/23/11/25/5/26、数値はそれぞれ対応する層の厚みを表し、単位はμm)という順に積層された偏光板として製作された。
ここで、背面側偏光板を構成する透明高分子フィルム(TACおよび未延伸のノルボルネン系樹脂フィルムの厚みの合計)の総厚みは48μmであった。
(前面板一体型液晶表示パネルの作成)
上記で作製した偏光板のセットを次のようなやり方で液晶セルに貼合し、前面板一体型液晶表示パネルを作製した。
前面側偏光板を液晶セルの短辺に対して偏光子の吸収軸が平行になるように5インチサイズに裁断し、背面側偏光板を液晶セルの長辺に対して偏光子の吸収軸が平行になるように5インチサイズに裁断した。次いで、裁断した偏光板をそれぞれ粘着剤側で液晶セルに貼り合せ、前面側偏光板のトリアセチルセルロースフィルム側に紫外線硬化型光学弾性樹脂〔デクセリアス(株)製の商品名「Super View Resin」〕を塗布し、その上にヤング率が70GPaで、厚さが0.55mmの前面板〔コーニング社製の商品名「Gorilla」〕を積層した。その後、前面板側から紫外線を照射〔フュージョンUVシステムズ社製の「Dバルブ」、積算光量1200mJ/cm2 〕を実施し、前面板一体型液晶セルを作製した。
(反り量の測定)
上記で作製した前面板一体型液晶表示パネルについて、高温環境下における反り量を次の方法で測定した。まず、作製した前面板一体型液晶表示パネルを、85℃の環境下に240時間静置した後、前面板を上側にして(株)ニコン製の二次元測定器「NEXIV VMR-12072 」の測定台上に置いた。次いで、測定台の表面に焦点を合わせ、そこを基準とし、前面板一体型液晶表示パネルの4角部、4辺の各中央及び前面板一体型液晶表示パネル表面の中央に焦点を合わせ、基準とした焦点からの距離を測定した後、測定台からの距離が絶対値で最も長い距離を反り量とした。測定結果を表1の「反り量」の欄に示した。
[実施例2]
前面側偏光板は、次のように作製した。まず、基材フィルム上にポリビニルアルコール水溶液を塗布し、乾燥して、偏光子製造用の原反となる積層フィルムを作製した。ここでは、厚さ110μm で融点163℃のポリプロピレンフィルムを基材フィルムとした。
次に平均重合度1,100でケン化度99.5モル%のアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール粉末(日本合成化学工業(株)製の商品名「ゴーセファイマー Z-200」)を、95℃の熱水に溶解し、3%濃度の水溶液を調製した。この水溶液に架橋剤として、水溶性ポリアミドエポキシ樹脂(田岡化学工業(株)製の商品名「スミレーズレジン650」、固形分濃度30%の水溶液)を、ポリビニルアルコールの固形分6部あたり5部の割合で混合し、プライマー用塗工液とした。
そして、先のポリプロピレンからなる基材フィルムにコロナ処理を施した後、そのコロナ処理面に、プライマー用塗工液をマイクログラビアコーターで塗工し、80℃で10分間乾燥して、厚さ0.2μmのプライマー層を形成した。
次に平均重合度 2400でケン化度98.0〜99.0モル%のポリビニルアルコール粉末((株)クラレから入手した商品名「PVA124」)を、95℃の熱水に溶解し、8%濃度のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液を、前記基材フィルムのプライマー層上にリップコーターを用いて室温で塗工し、80℃で20分間乾燥して、基材フィルム/プライマー層/ポリビニルアルコール層からなる積層フィルムを作製した。
得られた積層フィルムを、温度160℃で 5.8倍に自由端縦一軸延伸した。こうして得られた積層延伸フィルムの全体厚さは28.5μmであり、ポリビニルアルコール層の厚さは5.0μmであった。
得られた積層延伸フィルムを、水/ヨウ素/ヨウ化カリウムの重量比 100/0.35/10の水溶液に26℃で90秒間浸漬して染色した後、10℃の純水で洗浄した。次にこの積層フィルムを、水/ホウ酸/ヨウ化カリウムの重量比 100/9.5/5の水溶液に76℃で300秒間浸漬して、ポリビニルアルコールを架橋させた。引き続き、10℃の純水で10秒間洗浄し、最後に80℃で200秒間の乾燥処理を行った。以上の操作により、ポリプロピレン基材フィルム上に、ヨウ素が吸着配向しているポリビニルアルコール層からなる偏光子が形成されている偏光性積層フィルムを作製した。
上記で作製した偏光性積層フィルムの基材フィルムとは反対面(偏光子面)に、水100部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔(株)クラレから入手した商品名「KL−318」〕を3部溶解し、その水溶液に水溶性エポキシ樹脂であるポリアミドエポキシ系添加剤〔田岡化学工業(株)から入手した商品名「スミレーズレジン 650(30)」、固形分濃度30%の水溶液〕を 1.5部添加したエポキシ系接着剤を塗布し、透明高分子フィルムの保護膜として厚さ25μm のトリアセチルセルロースフィルム(TAC)〔コニカミノルタオプト(株)社製の商品名「KC2UA」〕を貼り合せ、基材フィルムのみを剥離することによって、TAC/ポリビニルアルコール系偏光子/プライマー層からなる偏光板を得た。
次にプライマー面側にエポキシ化合物と光カチオン重合開始剤を含む紫外線硬化型接着剤を塗工し、透明高分子フィルムであるノルボルネン系樹脂で延伸されていないフィルム〔日本ゼオン(株)製の商品名「ZEONOR」〕を貼合し、ノルボルネン系樹脂側から紫外線を照射〔フュージョンUVシステムズ社製の「Dバルブ」、積算光量1200mJ/cm2 〕を実施し、接着剤を硬化させることにより、TAC/ポリビニルアルコール系偏光子/プライマー層/ノルボルネン系樹脂層の偏光板を得た。
その後、ノルボルネン系樹脂層(23μm)側に25μm厚の粘着剤〔リンテック(株)製の商品名「P-119E」〕を貼合した。ここで、前面側偏光板を構成する透明高分子フィルム(TACおよびモルボルネン系樹脂層の厚みの合計)の総厚みは48μmであった。
背面側偏光板は、次のように作製した。上記前面側偏光板と同様の方法で、TAC/ポリビニルアルコール系偏光子/プライマー層からなる偏光板を得た後、TAC面側に5μm厚の粘着材〔リンテック(株)製の商品名「#L2」〕を貼合し、そこに26μm厚の輝度向上フィルム(3M製の商品名「 Advanced Polarized Film, Version 3」)を貼合した。
そして、偏光子に直接25μm厚の粘着剤〔リンテック(株)製の商品名「P-119E」〕を貼合した。ここで、背面側偏光板を構成する透明高分子フィルム(TACの厚み)の総厚みは25μmであった。
上記で作製した偏光板のセットを実施例1と同様に液晶セルに貼合し前面板一体型液晶表示パネルを作成し、高温環境下での反り量を測定した。結果を表1に示した。
[実施例3]
前面側偏光板は、次のように作成した。まず、透明高分子フィルムで、面内位相差90nmを有する20μm厚のノルボルネン系樹脂〔日本ゼオン(株)製の商品名「ZEONOR」〕に、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド80部、メチルアクリレート20部の割合で混合されている溶液に光ラジカル重合開始剤を〔BASF社製の商品名「 イルガキュア 907」〕3部及び、シリコーン系レベリング剤〔東レ・ダウコーニング(株)社製の商品名「SH710」〕を0.2部加えた硬化性樹脂を1μm厚で塗布した。次いで、この透明高分子フィルムに、スチレン−無水マレイン酸系共重合樹脂〔ノヴァケミカル社製の商品名「ダイラークD332」〕をコア層とし、平均粒径200nmのアクリル系ゴム粒子が約20%配合されているメタクリル系樹脂〔住友化学(株)製の商品名「テクノロイS001」〕をスキン層として3層共押出を行ない、コア層の両面にスキン層が形成された3層構造の積層フィルムを延伸して得た透明高分子フィルムで面内位相差60nmを有する厚み25μmの位相差フィルムを貼合した。さらに、得られた積層体にノルボルネン系樹脂側から、紫外線照射〔フュージョンUVシステムズ社製の「Dバルブ」、積算光量250mJ/cm2 〕し、硬化性樹脂を硬化させて46μm厚の透明高分子フィルムである複合位相差板を作製した。
次に、厚さ30μm のポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が 0.05/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が8.5/8.5/100の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥し、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚さ11μm の偏光子を得た。次に、この偏光子の片側に、水100部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール〔(株)クラレから入手した商品名「KL−318」〕を3部溶解し、その水溶液に水溶性エポキシ樹脂であるポリアミドエポキシ系添加剤〔田岡化学工業(株)から入手した商品名「スミレーズレジン 650(30)」、固形分濃度30%の水溶液〕を 1.5部添加したエポキシ系接着剤を塗布し、透明高分子フィルムの保護膜として厚さ25μm のトリアセチルセルロースフィルム(TAC)〔コニカミノルタオプト(株)社製の商品名「KC2UA」〕を貼り合せ、その反対側には前記の接着剤を用いて、上記複合位相差板を貼合した。
その後、複合位相差板側に25μm厚の粘着剤〔リンテック(株)製の商品名「P-119E」〕を貼合した。
このようにして前面板側偏光板は、前面板に貼合される側から、透明保護膜(TAC)/偏光子/位相差板/UV接着層/位相差板/粘着剤(25/11/20/1/25/25、数値はそれぞれ対応する層の厚みを表し、単位はμm)という順に積層した偏光板として製作される。
ここで、得られた前面板側偏光板を構成する透明高分子フィルム(TACおよび二つの位相差板の厚みの合計)の総厚みは71μmであった。
このようにして製造された前面側偏光板と、背面側偏光板としては、実施例2で作成した背面側偏光板を用い、実施例1と同様に前面板一体型液晶表示パネルを作成し、高温環境下での反り量を測定した。結果を表1に示した。
[比較例1]
液晶セルに貼合する前面側偏光板として、実施例1で用いた背面側偏光板のTAC面側の粘着剤および輝度向上フィルムを取り除いた物、即ち、粘着剤/透明保護膜(「Zeonor」日本ゼオン(株)製の商品名)/偏光子/透明保護膜(TAC)(25/23/11/25、数値はそれぞれ対応する層の厚みを表し、単位はμm)という順に積層した偏光板を前面側偏光板として用い、そのTAC面を実施例1と同じように紫外線硬化型光学弾性樹脂を介して前面板に貼合せ、前記積層体の粘着剤を介して液晶セルに貼合せた。
液晶セルに貼合する背面側偏光板として、実施例1で用いた前面側偏光板のTAC面側に5μm厚の粘着材〔リンテック(株)製の商品名「#L2」〕を貼合し、そこに26μm厚の輝度向上フィルム(3M製の商品名「Advanced Polarized Film, Version 3」)を貼合したものを用い、実施例1で用いたのと同じ粘着剤で、液晶セルの前記前面板側の偏光板の反対側に貼合した。かくして製作された液晶パネルを、実施例1と同様にして、高温環境下に曝し、パネルの反り量を測定した。結果を表1の「反り量」の欄に示した。

前面側:前面板側偏光板の偏光子の前面板から遠くなる面から液晶セルまでの距離。
背面側:背面側偏光板の偏光子の前面板に近くなる面から液晶セルまでの距離。
実施例1から4の前面板一体型液晶表示パネルは、液晶セルの前面側の偏光板の85℃にて240時間加熱したときの表示パネルの反り量が0.30mm以下である。また、実施例1から4では、前面側偏光板を構成する透明高分子フィルムの総厚みが、背面側偏光板を構成する透明高分子フィルムの総厚みよりも厚くなっている。
10:前面板
20:粘着剤又は紫外線硬化型樹脂
25a、25b:粘着剤
30:前面側偏光板
35a,35b:前面側偏光板の透明保護膜
37:前面側偏光板の偏光子
40:前面板一体型偏光板
45a、45b:粘着剤
50:背面側偏光板
55a,55b:背面側偏光板の透明保護膜
57:背面側偏光板の偏光子
58:輝度向上フィルム
60:液晶セル
80:前面板一体型液晶表示パネル
1:前面板側偏光板の偏光子の前面板から遠くなる面から液晶セルまでの距離
2:背面側偏光板の偏光子の前面板に近くなる面から液晶セルまでの距離

Claims (6)

  1. 偏光板のセットと、液晶セルとを備え、
    前記偏光板のセットは、液晶セルの視認側に配置される前面板一体型偏光板と、液晶セルの背面側に配置される背面側偏光板とのセットであり、
    前面板一体型偏光板は、前面側偏光板及びその視認側に配置され紫外線硬化型樹脂又は粘着剤を介して貼合されたヤング率が2GPa 以上の前面板からなり、
    前面側偏光板及び背面側偏光板は、ともに、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子の少なくとも一方の面に透明高分子フィルムが積層された偏光板であり、
    前面側偏光板の偏光子の前面板から遠くなる面から液晶セルまでの距離d1が、背面側偏光板の偏光子の前面板に近くなる面から液晶セルまでの距離d2より大きく、
    1は100μm以下であり、かつd2は5μm以上であり、
    前面側偏光板に設けられた透明高分子フィルムの総厚みが、背面側偏光板に設けられた透明高分子フィルムの総厚みより厚い、前面板一体型液晶表示パネル。
  2. 前面側偏光板の偏光子の前面板から遠くなる側及び背面側偏光板の偏光子の前面板に近くなる側の少なくとも一方の面に面内位相差を有する透明高分子フィルムからなる透明保護膜が積層されている請求項1に記載の前面板一体型液晶表示パネル。
  3. 前面側偏光板は、その偏光子の前面板から遠くなる側に透明高分子フィルムからなる他の位相差板をさらに含む請求項2に記載の前面板一体型液晶表示パネル。
  4. 背面側偏光板には、その偏光子の前面板側から遠くなる側に他の光学フィルムが積層されている請求項1から3のいずれか1項に記載の前面板一体型液晶表示パネル。
  5. 前面側偏光板および背面側偏光板は、ともに長辺と短辺を有する方形形状を有し、前面側偏光板は、その吸収軸が短辺方向と略平行であり、背面側偏光板は、その吸収軸が長辺方向と略平行である請求項1から4のいずれか1項に記載の前面板一体型液晶表示パネル。
  6. 85℃にて240時間加熱したときの反り量が、絶対値で0.5mm以下である請求項1から5のいずれか1項に記載の前面板一体型液晶表示パネル。
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