JP2017083817A - ズレ量取得装置、撮像装置、およびズレ量取得方法 - Google Patents

ズレ量取得装置、撮像装置、およびズレ量取得方法 Download PDF

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Abstract

【課題】少ない演算量で高精度なズレ量取得を行う。【解決手段】ズレ量取得装置は、第1の画像に基づく所定の画素間隔の複数の画素の画像信号を含む第1の信号と、第2の画像に基づく前記所定の画素間隔の複数の画素の画像信号を含む第2の信号と、の間の前記相関量のデータ列である第1のデータ列を取得し、前記第1のデータ列の極値を与える変位量が前記閾値よりも小さいとき、前記第2の画像に基づく画像信号であって、前記所定の画素間隔の複数の画素の画像信号を含み、前記第2の信号とは異なる位置の画素において取得される信号に相当する第3の信号と、前記第1の信号と、の間の前記相関量のデータ列である第2のデータ列を取得する相関演算手段と、前記第1のデータ列と前記第2のデータ列に含まれるデータから求められる変位量と相関量の関係を表す近似関数の極値を与える変位量を、前記ズレ量として取得するズレ量取得手段と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、ズレ量取得装置、撮像装置、およびズレ量取得方法に関する。
デジタルスチルカメラやビデオカメラで複数の視点から撮影した画像信号を用いて距離を検出する手法が知られている(非特許文献1)。また、撮像素子の一部あるいは全部の画素に測距機能を有する測距画素を配置したカメラで撮影した画像信号より測距を行う手法が知られている(特許文献1)。一対のステレオ画像信号の相対的な位置のズレ量を算出し、三角測量により被写体までの距離を測定することができる。
一対の画像信号のズレ量が、画像信号を構成するデータの間隔(画素間隔)と異なるとき、測距精度が低下することが知られている。非特許文献1には、位置ズレ量の算出誤差を低減し、測距精度を向上させる手法が提案されている。具体的には、ステレオ画像の一方の画像信号から、撮像素子上の互いに異なる位置で取得した画像信号に相当する2つの画像信号を生成する。そして、2組のステレオ画像信号からそれぞれズレ量を算出し、両ズレ量を平均することで最終的なズレ量を算出する。
特開2002−314062号公報 米国特許第7599512号明細書 米国特許第8723926号明細書
Masao Shimizu and Masatoshi Okutomi, "Sub-Pixel Estimation Error Cancellation on Area-Based Matching", International Journal of Computer Vision, Vol. 63, No. 3, pp. 207-224, 2005
非特許文献1に記載の手法は、前述の2組の画像信号を用いることで、互いに逆方向かつ同程度の誤差を含む2つのズレ量が取得できることを利用している。2つのズレ量がこの条件を満たす場合には、これらのズレ量を平均することでズレ量の取得誤差が低減する。
しかしながら、ズレ量の誤差は、一対の画像信号のズレ量に応じて変化する。ズレ量が画像信号を構成するデータの間隔の整数倍あるいは半整数倍となるとき、2つのズレ量のうちの一方の誤差が非常に増大する。そのため、平均による改善効果が減少し、ズレ量の取得精度が低下し、測距精度が低下する。また、従来の手法では2組の画像信号について、それぞれズレ量の取得を行うため、演算負荷が大きくなる。
本発明は、上記課題に鑑み、少ない演算負荷で高精度な像ズレ量取得が可能なズレ量取得装置、距離検出装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、複数の画素を含む撮像素子で取得された視点の異なる第1の画像と第2の画像との相対的な位置のズレ量を取得するズレ量取得装置であって、
2つの画像信号を相対的に変位させたときの、各変位量に対する相関量のデータ列を取得する相関演算手段と、
相関量のデータ列から前記第1の画像と前記第2の画像の間の前記ズレ量を取得するズレ量取得手段と、
を備え、
前記相関演算手段は、
前記第1の画像に基づく画像信号であって、所定の画素間隔の複数の画素の画像信号を含む第1の信号と、前記第2の画像に基づく画像信号であって、前記所定の画素間隔の複数の画素の画像信号を含む第2の信号と、の間の前記相関量のデータ列である第1のデータ列を取得し、
前記第1のデータ列の極値を与える変位量が閾値よりも小さいとき、前記第2の画像に基づく画像信号であって、前記所定の画素間隔の複数の画素の画像信号を含み、前記第2の信号とは異なる位置の画素において取得される信号に相当する第3の信号と、前記第1の信号と、の間の前記相関量のデータ列である第2のデータ列を取得し、
前記ズレ量取得手段は、
前記第1のデータ列の極値を与える変位量が前記閾値よりも小さいとき、前記第1のデータ列と前記第2のデータ列に含まれるデータから求められる変位量と相関量の関係を表す近似関数の極値を与える変位量を、前記ズレ量として取得する、
ことを特徴とする。
本発明の第2の態様は、複数の画素を含む撮像素子で取得された視点の異なる第1の画像と第2の画像との相対的な位置のズレ量を取得する、ズレ量取得装置によって実行されるズレ量取得方法であって、
前記第1の画像に基づく画像信号であって、所定の画素間隔の複数の画素の画像信号を含む第1の信号と、前記第2の画像に基づく画像信号であって、前記所定の画素間隔の複数の画素の画像信号を含む第2の信号と、の間の前記相関量のデータ列である第1のデータ列を取得する工程と、
前記第1のデータ列の極値を与える変位量が閾値よりも小さいとき、前記第2の画像に基づく画像信号であって、前記所定の画素間隔の複数の画素の画像信号を含み、前記第2の信号とは異なる位置の画素において取得される信号に相当する第3の信号と、前記第1の信号と、の間の前記相関量のデータ列である第2のデータ列を取得する工程と、
前記第1のデータ列の極値を与える変位量が前記閾値よりも小さいとき、前記第1のデータ列と前記第2のデータ列に含まれるデータから求められる変位量と相関量の関係を表す近似関数の極値を与える変位量を、前記ズレ量として取得する工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、少ない演算負荷で高精度な像ズレ量取得が可能となる。
本実施形態に係る距離検出装置を有する撮像装置の一例を示す模式図 測距画素の感度特性と瞳領域を説明する図 本実施形態に係る距離検出方法のフローの一例を示す図 本実施形態に係る距離検出方法の画像信号の一例を示す図 本実施形態に係る距離検出方法のデータ列の一例を示す図 従来の距離検出方法の例を説明する図 本実施形態に係る距離検出方法の原理を示す図 本実施形態に係る距離検出方法の効果を示す図 本実施形態に係る距離検出装置を有する撮像装置の一例を示す模式図 本実施形態に係る距離検出方法のフローの一例を示す図
視差のある2つの画像から相対的な位置のズレ量を取得して、当該ズレ量に基づいて被写体の距離を検出する距離検出装置(ズレ量取得装置)の一実施形態を説明する。なお、以下の説明では、本発明の実施形態に係る距離検出装置を備えた撮像装置の一例として、デジタルスチルカメラを用いて説明するが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。例えば、本発明に係る距離検出装置は、デジタルビデオカメラやデジタル距離計測器などにも適用することができる。
なお、図を参照した説明においては、図番は異なっても原則として同一部位を示す部位には、同一の符号を付すこととし、なるべく重複した説明は避ける。
<距離検出装置>
図1(a)は、本実施形態に係る距離検出装置40を有する撮像装置の模式図である。この撮像装置は、距離検出装置40の他に、撮像素子10と結像光学系20と記録装置30とを有する。さらに、撮像装置は、結像光学系20の合焦のための駆動機構、シャッター、観賞用画像生成手段、画像確認用の液晶等のディスプレイ等を有している。
図1(b)は、撮像素子10の一例を示す模式図である。撮像素子10は、光電変換部11、12を含む測距画素13を複数有している(以下、測距画素のことを単に画素とも称する)。具体的には、CMOSセンサ(相補型金属酸化物半導体を用いたセンサ)や、CCDセンサ(電荷結合素子を用いたセンサ)等の固体撮像素子を撮像素子10として用いることができる。
図1(c)は、画素13の一例を示す断面模式図である。画素13の光電変換部11、12は基板14内に形成されている。画素13はマイクロレンズ15を有している。マイクロレンズ15は、射出瞳21と光電変換部11、12とが光学的に共役関係になるように配置されている。
図1(a)に示すように、結像光学系20は、外界の被写体の像を撮像素子10の面上に結像する。撮像素子10は、結像光学系20の射出瞳21を透過した光束を、マイクロレンズ15を介して画素13の光電変換部11または光電変換部12で取得し、電気信号に変換する。具体的には、射出瞳21の第1の瞳領域23(図2(b))を通過した光束は各画素13の光電変換部11で電気信号に変換される。また、射出瞳21の第1の瞳領域とは異なる第2の瞳領域24(図2(c))を通過した光束は各画素13の光電変換部12で電気信号に変換される。画素13は、電気信号を距離検出装置40に出力するために、フローティングディフュージョン(FD)部、ゲート電極、配線等を備えている。
撮像素子10の全画素が測距画素13であってよい。あるいは、撮像素子10は、単一の光電変換部を有する画素と測距画素13とを有してもよい。画素13の複数の光電変換部11、12で取得した信号を合算することで、単一の光電変換部を有する場合と同等の画像信号を作成することができる。あるいは、撮像素子10は、第1の瞳領域23を通過した光束を受光する光電変換部11のみを含む画素と、第2の瞳領域24を通過した光束を受光する光電変換部12のみを含む画素とを有してもよい。なお、画素13は、撮像素子10の中で離散的に配置されていてもよく、X方向とY方向で異なる間隔で配置されていてもよい。
距離検出装置40は、結像光学系20の射出瞳21の第1の瞳領域23を通過した光束に対応する第1の信号Sと、第2の瞳領域24を通過した光束に対応する第2の信号Sと、に基づき、被写体の距離を算出する機能を有している。具体的には、距離検出装置
40は、信号生成部41、相関演算部42、ズレ量算出部43、距離算出部44、の各機能部を備える。例えば、CPU、メモリを含む信号処理基板で構成され、CPUがプログラムを実行することによりこれらの機能が実現される。信号処理基板は、半導体素子を集積化した集積回路を用いて構成することができ、IC、LSI、システムLSI、マイクロ処理ユニット(MPU)、中央演算装置(CPU)等で構成することができる。
第1の信号Sは、各画素13の光電変換部11で生成された各電気信号の集合である。第1の信号Sにおいて、各画素13の撮像素子上の位置と各画素13の光電変換部11で生成された各電気信号とが対応付けられている。また、第2の信号Sは、各画素13の光電変換部12で生成された各電気信号の集合である。第2の信号Sにおいて、各画素13の撮像素子上の位置と各画素の光電変換部12で生成された各電気信号とが対応付けられている。画素13の光電変換部11、12で取得した信号を合算することで、単一の光電変換部を有する場合と同等の画像信号を作成することができる。
本実施形態においては、画素13の大きさに対して、結像光学系20と撮像素子10の間の距離が十分に長い。このため、結像光学系20の射出瞳21上の異なる位置を通過した光束は、異なる入射角の光束として撮像素子10の面上に入射する。光電変換部11、12には、射出瞳21の形状や像高(光束が到達する撮像素子上の位置)に応じて、所定の角度範囲22(図1(a))からの光束が入射する。
入射光束に対する光電変換部11、12の感度特性を、角度に応じて射出瞳上に射影したときの射出瞳上の感度分布を瞳透過率分布という。このときの瞳透過率分布の重心位置を瞳重心という。瞳重心は、以下の式(1)で算出することができる。式(1)において、rは射出瞳21上の座標であり、tは光電変換部11、12の瞳透過率分布を表し、積分範囲は射出瞳21上の領域である。
Figure 2017083817
また、光電変換部で受光される光束が通過する射出瞳21上の領域のうち、瞳重心を含み、対応する光電変換部の感度が所定の閾値よりも高い領域を瞳領域という。また、2つの瞳領域の瞳重心を結ぶ方向を瞳分割方向といい、瞳重心間の長さを基線長という。本実施形態においては、瞳分割方向はx方向であり、この方向を第1の方向とし、x方向に垂直なy方向を第2の方向とする。このような構成により、互いに異なる視点からの被写体の画像信号SとSを取得することができる。画像信号SとSには視差があり、被写体像の位置がずれるので、このズレ量から被写体の距離を検出することができる。
また、本実施形態では、結像光学系20の結像面と撮像素子10の受光面との光軸方向(z方向)におけるズレ量をデフォーカス量と呼ぶ。
図2(a)は、xz平面内において入射した光束に対する、光電変換部11の感度特性16と光電変換部12の感度特性17を示す。横軸は、xz平面内における入射光束とz軸が成す角度を示し、縦軸は感度を表している。
図2(b)は、結像光学系20の射出瞳21、および光電変換部11に対応する瞳透過率分布25と瞳重心27と瞳領域23(第1の瞳領域)を示した図である。瞳領域23は、射出瞳21の中心から+x方向(第1の方向)に偏心した瞳領域である。各画素13の光電変換部11は、主として瞳領域23を通過した光束を受光するように構成されている
。この構成により、瞳領域23を通過した光束に対応する第1の信号Sが得られる。
図2(c)は、結像光学系20の射出瞳21、および光電変換部12に対応する瞳透過率分布26と瞳重心28と瞳領域24(第2の瞳領域)を示した図である。瞳領域24は、射出瞳21の中心から−x方向(第2の方向)に偏心した瞳領域である。各画素13の光電変換部12は、主として瞳領域24を通過した光束を受光するように構成されている。この構成により、瞳領域24を通過した光束に対応する第2の信号Sが得られる。
<距離検出方法>
図3は、距離検出装置40が行う、被写体までの距離を検出する距離検出方法のフローチャートの一例である。この距離検出方法は、信号生成工程(ステップS10)と相関演算工程(ステップS11)とズレ量算出工程(ステップS12)と距離算出工程(ステップS13)を有する。
図4(a)〜4(c)は各信号の一例を説明する図である。説明を簡便にするために、信号S及びSが図4(a)の撮像素子10のある行18で取得した一次元の信号である場合について説明する。図4(b)は、信号S、Sの例を示した図である。図の横軸は撮像素子10上の位置、縦軸は信号の強度を表している。各点は信号を構成するデータを表している。nは各データの撮像素子10上での位置を表すデータ番号であり、瞳分割方向(x方向)に順に割り振られた任意の実数である。信号S、S2は、行18の各
画素13の光電変換部で取得した電気信号からなり、画素13の大きさと同じデータ間隔Pを有している。
[信号生成工程]
信号生成工程(S10)では、信号生成部41が、信号Sと同じデータ間隔を有し、Sとは撮像素子10上の瞳分割方向において異なる位置で取得した信号に相当する信号Sを生成する。信号Sは、信号Sを取得した画素13の間の位置19(図4(a)参照)で取得した信号に相当する。信号Sは、例えば式(2)にしたがって、各データの周囲にある信号Sのデータ間を線形補間することで作成される。式(2)において、αは0より大きく1より小さい実数であり、信号Sと信号Sの各データの位置の瞳分割方向における距離を、データ間隔で規格化した係数である。
Figure 2017083817
図4(c)は信号Sの例を示す。図4(c)において、信号Sのデータは黒丸、信号Sのデータは白丸で示される。
なお、信号Sは、信号Sのデータ間を非線形補間することで生成しても良い。また、信号Sを算出する位置の周囲にある3つ以上の信号Sのデータを用いて補間してもよい。
以下、本実施形態では、信号Sの位置が信号Sの各データの丁度中間とする(式(2)においてα=0.5)。すなわち、信号Sは、信号Sを生成する画素13から瞳分割方向に画素間隔の0.5倍だけずれた位置にある画素(仮想的な画素)から取得された画像信号に相当する。
[相関演算工程]
相関演算工程(S11)では、相関演算部42が、2組の信号(SおよびSと、SおよびS)から、相関量のデータ列C12、C13を算出する。データ列C12及び
C13は、各組の信号間の相対的な位置(変位量)を変えたときの、各変位量における一対の信号の類似度の度合いを表す相関量からなるデータ配列である(図5)。
データ列C12は、信号SとSのx方向における相対的な位置を変えて相関量を演算することで求められる。データ列C13は、信号SとSのx方向における相対的な位置を変えて相関量を演算することで求められる。変位量は、画素間隔の倍数とする。また、変位の方向は、光電変換部11,12に対応する瞳重心27,28を結ぶ方向であり、本実施形態ではx方向である。
相関量として、例えばSAD(Sum of Absolute Difference)やSSD(Sum of Square Difference)を用いることができる。相関量としてSADやSSDを用いる場合は、相関量が小さいほど相関が高いことを意味する。
具体的には、データ列C12は、式(3)や式(4)によって求めることができる。ここで、dはデータ間隔で規格化した変位量(整数)、添え字iとjはそれぞれx方向とy方向のデータ番号であり、積分の範囲は任意に選ぶことができる。相関量の算出方法は、これらの手法に限定されるものではなく、他の手法を用いても良い。
Figure 2017083817
なお、信号Sを取得する画素位置は、信号S1の取得を取得する画素の位置からx方向に画素間隔のα倍だけずれているので、データ列C13は式(2)を考慮して以下の式(3’)や(4’)により表される。
Figure 2017083817
[ズレ量算出工程]
ズレ量算出工程(S12)では、ズレ量算出部43が、データ列C12とC13を用いて信号SとSのズレ量Naを算出する。
ズレ量算出部43は、まず、データ列C12とC13を合成し、データ列C123を作成する。データ列C123は、整数nおよびn+αの変位量に対して以下のように定義される。
C123(n)=C12(n)
C123(n+α)=C13(n+α)
図5は、データ列C123の例を示した図である。図の横軸はデータ間隔Pで規格化した変位量を表している。縦軸は相関量を表し、本実施形態では相関量が小さいほど相関が高いことを表している。図中の黒丸はデータ列C12、白丸はデータ列C13を表してい
る。データ列C12とC13とは、信号SとSの各データの撮像素子10上の位置が異なる分だけ、互いにズレている。データ列C123は、データ列C12とC13の各々のデータを、各データを算出した変位量に応じて交互に配列したデータ列である。
ズレ量算出部43は、次に、合成したデータ列C123を用いてズレ量を算出する。データ列C123のうち、最も高い相関を表す相関量をデータ列C123の極値と呼ぶ。ズレ量算出部43は、データ列C123の極値を含む複数のデータを用いてズレ量を算出する。ズレ量算出に用いるデータは、データ列C123に含まれるデータのうち、極値をとるデータと、極値を与える変位量の近傍のデータとするとよい。
ここで、極値を与える変位量の近傍のデータとは、データ列C123の極値を与える変位量をiとしたときに、|i−i|≦thを満たす変位量iについてのデータ(C123(i))を意味する。ここで、thは近傍の範囲を決定するための閾値である。例えば、th=0.5(より一般的には、max(α,1−α))とすると、極値をとるデータに隣接する2つのデータが近傍のデータとなる。なお、極値を与える変位量の近傍のデータのことを、以下では単に、極値近傍のデータとも称する。
ズレ量の算出には公知の手法を用いることができる。例えば、米国特許第US7599512号明細書に記載されているように、まず、極値近傍の所定数個の相関量(例えば図5ではC12(1)、C13(0.5)、C13(1.5)の3個)を多項式で近似する。そして、多項式の極値を与える変位量(実数量)を信号Sと信号Sのズレ量Naとして算出する。なお、近似関数として多項式以外の関数を採用してもよい。
なお、上記の手法によるズレ量Naの算出は、多項式近似や極値算出を具体的に行うことなく、下記の式(5)を適用することで行える。式(5)において、C(0)はデータ列C123の極値、C(−1)およびC(+1)はC(0)の極値の隣の相関量、N0はC(0)に対応する変位量を表している。
Figure 2017083817
式(5)を用いて、変位量と相関量の関係を表す近似関数の極値を与える変位量をズレ量Naとして求めることができる。
ズレ量Naの算出手法の別の例は、米国特許第8723926号明細書に記載されているように、極値と極値の隣のデータを結ぶ直線の傾きから算出する手法である。例えば、式(6)を適用することでズレ量を算出することができる。なお、C1はC(−1)とC(+1)のうち相関量が高い方の相関値を表している。
Figure 2017083817
式(6)を用いる算出方法も、変位量と相関量の関係を表す近似関数の極値を与える変位量をズレ量Naとして求めていると捉えられる。
ズレ量Naは他の手法を用いて算出しても良い。相関量の演算に用いた手法に応じて、適切な方法でズレ量を算出すれば良い。
なお、上記ではデータ列C123を生成すると説明しているが、実際にデータ列C123を生成する(すなわち、データ列C12やC13と異なる配列を記憶装置に用意しデータを新たに格納する)必要はない。上記で説明した処理は、データ列C12およびC13からデータを適宜取得して利用することで実現可能である。例えば、ズレ量Naは、以下のようにして求めることができる。データ列C12とC13のそれぞれの極値を求め、両極値を比較することで、データ列C123の極値に相当する相関量を求める。そして、データ列C12およびC13から極値近傍の変位量と相関の関係を抽出し、前述の方法でズレ量を算出する。
[距離算出工程]
距離算出工程(S13)では、距離算出部(距離取得部)44が、ステップS12で算出したズレ量Naに基づいて距離情報を算出する。より具体的には、距離算出部44は、ズレ量Naからデフォーカス量を求め、デフォーカス量と結像光学系20の結像関係とから被写体の距離を算出する。例えば、デフォーカス量ΔLは、以下の式(7)により算出することができる。
Figure 2017083817

ここで、NaはステップS12で算出したズレ量であり、Kaはズレ量を距離に変換するための変換係数である。
デフォーカス量は結像光学系の結像関係を用いて実空間における被写体までの距離に容易に変更可能であるため、デフォーカス量は被写体までの距離情報であると捉えることができる。距離算出部44は、被写体までの距離情報として、デフォーカス量を出力してもよいし、実空間における距離を出力してもよい。距離算出部44が出力する距離情報は、フォーカス位置から被写体までの距離(相対距離)であってもよいし、撮影時の撮像装置から被写体までの距離(絶対距離)であってもよい。また、絶対距離あるいは相対距離は、像面側での距離、物体側での距離のどちらであってもよい。また、距離は、実空間の距離で表されてもよいし、デフォーカス量やズレ量など実空間の距離に換算できる量で表されてもよい。
このような距離検出方法により、少ない演算負荷で、被写体の距離を高精度に算出することができる。
<原理>
本手法により、少ない演算負荷で、被写体の距離を高精度に算出できる原理を述べる。
本手法では、一対の画像信号(SとSまたはSとS)のズレ量が以下のようにして算出される。まず、一対の画像信号の相対的な位置(変位量)を変化させ、各位置で両画像信号の相関量を算出することで相関量のデータ列が算出される。相関量のデータ列の極値近傍のデータから、変位量と相関量の関係を表す所定の関数を求め、この近似関数の極値を与える変位量が、ズレ量Naとして推定される。これにより、画像信号のデータ間隔よりも細かい精度でズレ量が算出される。以下の説明において、相関量のデータ列の近似に用いる関数を近似関数と呼ぶ。また、画像信号のズレ量及び相関演算における変位量は、画像信号のデータ間隔Pで規格化した量で説明する。
これに対して、従来の手法である非特許文献1では、以下のようにしてズレ量が算出される。まず、本実施形態の手法と同様に、ステレオ画像の一方の画像信号であり、撮像素子上の互いに異なる位置で取得した信号に相当する2つの画像信号(信号SとSに対
応)が生成される。次に、非特許文献1では、本手法とは異なり、各々の画像信号(SとSに対応)と、もう一方のステレオ画像信号(Sに対応)より各変位量に対する相関量のデータ列C12、C13が算出される。そして、データ列C12、C13からそれぞれ独立にズレ量Na12、Na13を推定し、これら2つのズレ量を平均することで最終的なズレ量Na(=0.5×(Na12+Na13))が算出される。
図6(a)(b)(c)は一対の画像信号の正解のズレ量NcがそれぞれN、N+0.25、N+0.5のときに算出される相関量のデータ列C12と推定ズレ量Na12の例を示した模式図である。Nは任意の整数とする。横軸は変位量を表している。縦軸は相関量を表し、下にいくほど相関が高いことを表している。
図中の黒点は相関量のデータ列C12の各データを表している。実線L1は、データ列C12の近似関数、破線L2は正解の関数を表している。正解の関数は、近似関数と同じ形の関数を用いて、関数の頂点が正解のズレ量Ncとなる条件の元で求めた関数である。
縦線はそれぞれ正解のズレ量Ncと推定されるズレ量Na12を表している。通常、データ列C12を結ぶ関数と近似関数とは異なる特性を有する関数であるため、近似関数には誤差が含まれる。この誤差は、データ列C12が正解ズレ量Nc近傍のデータを含まないときほど大きくなる。正解ズレ量Ncがデータ間隔Pの整数倍Nから遠ざかるにつれて近似関数の誤差が増大し、図6(b)(c)のように、正解ズレ量Ncと推定ズレ量Na12の差が増大する。
図6(d)(e)(f)は、データ列C13と推定されるズレ量Na13の例を示した模式図である。図中の白点はC13の各データを表している。図6(d)は図6(a)と同様に正解ズレ量がN、図6(e)は図6(b)と同様に正解ズレ量がN+0.25、図6(f)は図6(c)と同様に正解ズレ量がN+0.5のときに算出される相関量のデータ列を示した図である。
図6(b)(e)のように、正解ズレ量NcがN+0.25のとき、2つの推定ズレ量Naは、正解ズレ量Ncを中心に互いに逆方向かつ同程度の誤差を含むため、平均すると推定ズレ量Naの算出誤差が低減する。
しかしながら、図6(a)(d)あるいは図6(c)(f)のように、正解ズレ量NcがNあるいはN+0.5のときは、データ列C12又はC13のいずれか一方は、正解ズレ量Nc近傍のデータを含まないため、近似関数の誤差が増大する。2つのズレ量Na12またはNa13のうちの一方の誤差が増大するので、他方のデータ列が正解ズレ量Nc近傍のデータを含み誤差が少なくても、これら2つのズレ量を平均したズレ量Naの算出誤差は大きくなる。また、各データ列C12、C13についてズレ量Na12、Na13の算出を行うため、演算負荷が大きくなる。
本実施形態にかかる距離検出装置40は、データ列C12とC13を合成したデータ列C123を作成し、データ列C123の極値とその周囲のデータに対して近似関数を算出し、当該近似関数に基づいてズレ量Naを算出する。図7(a)(b)(c)は、正解ズレ量NcがそれぞれN、N+0.25、N+0.5のときに算出されるデータ列C123と推定ズレ量Naの例を示した模式図である。
正解ズレ量NcがN+0.25のとき、データ列C12とC13は、互いに正解ズレ量Ncを中心に反転したデータ列となる。データ列C123のうち極値周囲のデータに対する近似関数を算出すると、近似関数はデータ列C12とC13の間の特性を有する関数となる。したがって、近似関数から算出される推定ズレ量Naは正解ズレ量Nc近傍の値と
なる(図7(b))。
正解ズレ量NcがNあるいはN+0.5のとき、データ列C123には、正解ズレ量Nc近傍のデータが含まれ、データ列C123は正解ズレ量Ncの近傍で極値をとる。この変位量を含むデータ列C123に対して近似関数を算出することで、近似関数の誤差を低減することができる。この近似関数を用いることで、ズレ量の算出誤差を低減することができる(図7(a)、(c))。
このように、データ列C12、C13を組み合わせたデータ列C123を用い推定ズレ量Naを算出することで、画像信号SとSがどのようなズレ量を有している場合であっても従来よりも高精度にズレ量を算出することができる。
なお、信号Sは、信号Sの瞳分割方向における各データの中間の位置における信号であることが望ましい。すなわち、式(2)においてα=0.5とすることが望ましい。こうすることで、正解ズレ量Ncを与える変位量と、データ列C123において当該変位量に最も近いデータの変位量との間の差を、小さくすることができる。具体的にはα=0.5とすることで、この差を常に0.25よりも小さくすることができる。すなわち、画像信号が有する正解ズレ量によらずに、データ列C123は正解ズレ量Ncの近傍の変位量に対する相関量のデータを得やすくなる。したがって、近似関数の誤差を小さくでき、前述の効果を最も得ることができる。
また、相関値のデータ列C12とC13を合成したデータ列C123を用いてズレ量dcを算出することで、非特許文献1の手法と比べてズレ量の算出回数を減らすことができ、演算負荷を軽減することができる。
ズレ量の算出精度は、同じ正解ズレ量を有する様々な画像信号からズレ量を算出し、それらの標準偏差を求めることで評価できる。図8は、様々な画像信号についてズレ量を算出し、算出したズレ量の標準偏差を評価した結果を表す図である。図の横軸は設定したズレ量、縦軸は標準偏差を表している。破線L3は非特許文献1の手法を用いた場合、実線L4は本実施形態の手法を用いた場合の結果を表す線である。図8のように、本手法により、標準偏差が低減し、ズレ量の算出精度が向上することが分かる。
上記のような理由により、本実施形態の方法を用いることで、少ない演算負荷で、高精度なズレ量の算出が可能となる。
<他の構成>
本実施形態において、撮像素子10は、図9(a)のように、一部のみに測距画素13が配置され、その他の画素に単一の光電変換部50を有する撮像専用の画素51が配置された構成であってもよい。また、撮像素子10は、図9(b)のように、画素13の光電変換部11のみを含む画素と光電変換部12のみを含む画素とが配置された構成でもよい。なお、画素13は、X方向とY方向で異なる間隔で配置されていてもよい。また、撮像素子10は、図9(c)のように全画素に測距画素13が配置され、距離検出装置40は一部の画素52(ハッチングを付した画素)で取得した信号を距離検出に用いても良い。いずれの構成においても、各光電変換部11及び12より信号S及びSを取得し、前述と同様の手法でズレ量を算出することで計算負荷が小さく、高精度な距離検出が可能となる。一部の画素で取得した信号を用いることで、ズレ量の算出に用いるデータ量を削減でき、計算負荷をより小さくすることができる。
信号生成工程S10において、信号生成部41が、信号Sを取得した画素13とは異なる位置にある画素13の光電変換部12で生成された電気信号を読み出すことで、信号
を生成しても良い。例えば、図9(d)において画素13のうちの一部の画素52の光電変換部11,12で取得した信号よりS、Sを生成し、他の画素53の光電変換部12で取得した信号よりSを生成することができる。信号Sから演算(補間)によってSを生成する場合と比べて、より高精度な信号を得ることができ、より高精度に距離を検出することができる。
なお、本実施形態における撮像素子10は、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの波長を有する光に対して高い感度を有する画素(R画素、G画素、B画素)を配列した構成を有してもよい。この場合、測距画素13はRGBの各画素あるいは一部の画素に配置する。例えば、画像信号S、SはR、G、Bのいずれかの画素に配置した画素13から取得した信号を用いて生成できる。あるいは互いに近傍にあるRGBの各画素で取得した信号を加算あるいは輝度情報に変換することで、信号S、Sを生成できる。いずれの信号を用いても、前述と同様の手法を用いることで、計算負荷が小さく、高精度にズレ量を算出することができ、より高精度な距離検出が可能となる。
<距離検出方法の変形例1>
ズレ量は、データ列C12、C13のうち、極値を与える変位量およびその近傍でのデータに基づいて算出される。したがって、データ列C13はデータ列C12の全範囲に対応するように生成する必要はない。ここでは、データ列C13を一部の範囲内についてのみ生成して距離検出を行う方法を説明する。
本変形例では、相関演算工程(S11)において、相関演算部42が、次のようにデータ列C12、C13を算出する。まず、信号SとSのx方向における相対的な位置を変えて相関量を演算することでデータ列C12を算出する。次に、相関演算部42が、データ列C12の極値を与える変位量を求め、この変位量を含む近傍の範囲をデータ列C13の算出範囲として決定する。そして、相関演算部42が、決定した範囲内でデータ列C13を算出する。
ズレ量算出工程(S12)では、データ列C123の極値近傍のデータを用いてズレ量を算出する。そのため、データ列C13は、極値近傍の変位量に対するデータが必要となる。データ列C123の極値を与える変位量は、データ列C12の極値を与える変位量かデータ列C13の極値を与える変位量のいずれかであり、これらはいずれもほぼ等しい。したがって、データ列C12の極値の近傍範囲は、データ列C123の極値の近傍範囲とほぼ等しい。データ列C12を用いて高い相関が得られる変位量を予め把握し、この情報を元にデータ列C13の算出範囲を決定し、データ列C13を算出することで、不要な相関演算を低減し、計算負荷を更に軽減することができる。
<距離検出方法の変形例2>
正解ズレ量によっては、データ列C13を考慮しなくてもデータ列C12(信号SとSの相関)のみからズレ量あるいは距離を精度良く検出できる。本変形例では、まずデータ列C12の算出を行い、その結果を元に、残りの工程を行うか判断する。
図10は、本変形例に係る距離検出方法のフローチャートを示す。以下、図10を参照して、本変形例にかかる距離検出方法を説明する。なお、図3と同一の符号が付された処理は、上記実施形態と同様であるため説明を省略する。
第1の相関演算工程(ステップS17)では、相関演算部42が、信号S、Sよりデータ列C12の算出を行う。具体的な算出方法は上述したとおりである。
次に、評価工程(ステップS18)では、相関演算部42が、データ列C12を評価し
、正解ズレ量Ncがデータ間隔の整数倍に近いかどうかを評価する。この評価は、例えば、データ列C12の極値とその両隣のデータ(相関量)の大きさを比較することにより行える。正解ズレ量Ncがデータ間隔の整数倍に近いとき、データ列C12の極値は小さい値となり、両隣の相関量は大きな値となる。例えば、極値と両隣のデータの差が閾値よりも小さいとき、正解ズレ量Ncが非整数倍であると判断することができる。あるいは、極値の両隣のデータを、極値で除算した値が閾値よりも小さいとき、正解ズレ量Ncが非整数倍であると判断することができる。
評価工程S18で正解ズレ量Ncがデータ間隔の整数倍に近いと判断したときは、すなわち、データ列C12における極値と両隣のデータの値の差または比が閾値以上のときは、第2のズレ量算出工程(ステップS19)に進む。第2のズレ量算出工程S19は、データ列C12よりズレ量Naを算出する工程であり、公知の手法でズレ量を算出する。具体的には、データ列C12の極値近傍のデータを用いて、変位量と相関の関係を近似関数で近似し、この近似関数の極値を与える変位量をズレ量Naとして求めればよい。
評価工程S18で正解ズレ量Ncがデータ間隔の非整数倍と判断される場合は、信号生成工程(ステップS10)に進み、信号生成部41が信号Sを生成する。そして、第2の相関演算工程(ステップS20)において、相関演算部42が、データ列C13の算出を行い、ズレ量算出工程(ステップS12)においてズレ量算出部43が、データ列C12とC13に基づいてズレ量を算出する。距離算出工程S13は前述と同様である。
正解ズレ量Ncがデータ間隔の整数倍のときは、図6(a)に示すようにデータ列C12のみから高精度にズレ量を算出することができる。したがって、評価工程S18を設けることで、正解ズレ量Ncがデータ間隔の整数倍に近いときは、データ列C12のみを用いて高精度にズレ量を算出することができる。また、信号Sの生成や、データ列C13の生成を省略できるので、演算負荷をさらに少なくすることができる。一方、正解ズレ量Ncがデータ間隔の整数倍以外のときは、本発明の手法によって精度良くズレ量を算出できる。
<距離検出方法の変形例3>
上記の変形例2では、評価工程(ステップS18)においてデータ列C12から求まるズレ量がデータ間隔の整数倍に近いか否かを判断して、データ列C13を生成するか否かを切り替えている。本変形例では、変形例2とは異なる評価方法によってデータ列C13の生成要否を判断する。本変形例の処理は変形例2(図10)とほぼ同様であるので、以下では、異なる部分を主に説明する。
本変形例では、図10の評価工程(ステップS18)において、データ列C12を用いて正解ズレ量Ncの大きさを評価する。この評価は、データ列C12の極値を与える変位量の大きさを評価することで行える。この変位量が閾値よりも大きいとき、正解ズレ量Ncは大きいと評価され、閾値よりも小さいとき、正解ズレ量Ncは小さいと評価される。
評価工程S18で正解ズレ量Ncが大きいと判断した場合は、第2のズレ量算出工程(ステップS19)に進み、データ列C12に基づいてズレ量を算出する。評価工程S18で正解ズレ量Ncが小さいと判断される場合は、信号生成工程(ステップS10)及び第2の相関演算工程(ステップS20)及びズレ量算出工程(ステップS12)に進み、データ列C13も利用してズレ量を算出する。
上記(段落0056)の説明において、データ列C12を結ぶ関数と近似関数とが異なる特性を有する関数であるため、近似関数には誤差が含まれ、この誤差がズレ量の算出誤差の原因となることを述べた。この近似関数の誤差は、画像に高い空間周波数が含まれる
ほど誤差が大きくなる。正解ズレ量が大きいときは、デフォーカス量が大きく、画像に高周波の信号が含まれる可能性が低いため、この誤差が小さくなる。一方、正解ズレ量が小さいときは、デフォーカス量が小さく、画像に高周波の信号が含まれる可能性が高いため、この誤差が大きくなる。
したがって、評価工程S18を設けることで正解ズレ量Ncの大きさを評価し、正解ズレ量が大きいときは、データ列C12のみから高精度にズレ量を算出することができる。また、正解ズレ量Ncが小さいときは、前述と同様にデータ列C12とC13を用いて高精度にズレ量を算出することができる。また、正解ズレ量が大きいときに、信号Sの生成や、データ列C13の生成を省略できるので、演算負荷をさらに少なくすることができる。
<距離検出方法の変形例4>
距離算出工程S13では、例えば、式(8)のように、ズレ量Ncと被写体距離Lを結びつける変換係数Kbを用いて、被写体の距離Lを直接算出してもよい。
Figure 2017083817
あるいは式(9)にしたがってデフォーカス量ΔLを算出し、デフォーカス量ΔLから被写体距離を算出してもよい。ここで、Kcは変換係数、Hは射出瞳21と撮像素子10までの距離を表している。このような式を用いることにより、より高精度にデフォーカス量及び距離を算出することができる。
Figure 2017083817
<測距結果>
本発明の距離検出装置の測距結果は、例えば、結像光学系の焦点検出に用いることができる。本発明の距離検出装置によって、高速かつ高精度に被写体の距離を測定することができ、被写体と結像光学系の焦点位置とのズレ量を知ることができる。結像光学系の焦点位置を制御することで、被写体に対して高速かつ高精度に焦点位置を合わせることができる。本実施形態の距離検出装置を備えてデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置を構成でき、距離検出装置の距離検出結果に基づき、光学系の焦点検出を行うことができる。また、本発明の距離検出装置で、撮像素子10上の複数の位置で距離を算出することで、距離マップを生成することができる。
<その他の実施例>
なお、ステレオ画像信号S、Sを取得する画像取得手段は、上述の実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、複数のカメラもしくは単体のカメラで異なる撮影位置から撮影することで、画像信号S、Sを取得し、これらの画像信号のズレ量を算出し、距離の検出を行っても良い。例えば、2つの結像光学系と2つの撮像素子を有し、それぞれの撮像素子から視点の異なるステレオが像信号を取得する構成を採用可能である。このような構成でも、ステレオ画像信号を取得することができ、前述と同様の手法でズレ量を算出することで計算負荷が小さく、高精度なズレ量の算出が可能となり、高精度な距離検出が可能となる。
上述した実施形態では被写体までの距離を算出する例について示したが、ズレ量に対応する視差量(被写体方向の角度差)を検出する視差量検出装置にも本発明を提供すること
ができる。例えば、視差量検出装置では、ズレ量に基づいて、合焦位置近傍の被写体を画像から切り出すなどの処理を施すことができる。なお、視差量とは、2つの信号のズレ量であってもよく、またはそれらに関連した物理量であってもよい。
この視差量検出装置は、実施形態1の距離検出装置40の距離算出部44の代わりに、2つの信号のズレ量に対応する視差量を算出する視差量算出部を有する構成とすれば、その他の構成は距離検出装置40と同じでよい。さらに、視差量検出装置は、視差量(ズレ量)に応じて、所定の視差量の被写体を画像から抽出する抽出部を有していてもよい。
視差量検出装置における視差量検出方法は、図3のフローチャートにおいて、距離算出工程S13の代わりに視差量の算出工程を行うようにすれば、その他の処理工程は、図3と同じでよい。なお、視差量の算出は、信号のズレ量を算出してもよいし、それらに関連した物理量を算出するようにしてもよい。
この視差量検出装置も実施形態1の距離検出装置と同様に撮像装置の一部として用いることができる。
本発明は、距離検出装置や視差量検出装置の他にコンピュータプログラムをも包含する。本実施形態のコンピュータプログラムは、距離の算出あるいは視差量の算出のために、コンピュータに所定の工程を実行させるものである。
本実施形態のプログラムは、距離検出装置、視差量検出装置またはそのいずれかを備えるデジタルカメラ等の撮像装置のコンピュータにインストールされる。インストールされたプログラムがコンピュータによって実行されることで上記の機能が実現し、高速で高精度な距離検出、視差量検出が可能なものとすることができる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
40 距離検出装置
42 相関演算部
43 ズレ量算出部

Claims (15)

  1. 複数の画素を含む撮像素子で取得された視点の異なる第1の画像と第2の画像との相対的な位置のズレ量を取得するズレ量取得装置であって、
    2つの画像信号を相対的に変位させたときの、各変位量に対する相関量のデータ列を取得する相関演算手段と、
    相関量のデータ列から前記第1の画像と前記第2の画像の間の前記ズレ量を取得するズレ量取得手段と、
    を備え、
    前記相関演算手段は、
    前記第1の画像に基づく画像信号であって、所定の画素間隔の複数の画素の画像信号を含む第1の信号と、前記第2の画像に基づく画像信号であって、前記所定の画素間隔の複数の画素の画像信号を含む第2の信号と、の間の前記相関量のデータ列である第1のデータ列を取得し、
    前記第1のデータ列の極値を与える変位量が閾値よりも小さいとき、前記第2の画像に基づく画像信号であって、前記所定の画素間隔の複数の画素の画像信号を含み、前記第2の信号とは異なる位置の画素において取得される信号に相当する第3の信号と、前記第1の信号と、の間の前記相関量のデータ列である第2のデータ列を取得し、
    前記ズレ量取得手段は、
    前記第1のデータ列の極値を与える変位量が前記閾値よりも小さいとき、前記第1のデータ列と前記第2のデータ列に含まれるデータから求められる変位量と相関量の関係を表す近似関数の極値を与える変位量を、前記ズレ量として取得する、
    ことを特徴とするズレ量取得装置。
  2. 前記ズレ量取得手段は、
    前記変位量が前記閾値よりも大きいとき、前記第2のデータ列を用いずに前記第1のデータ列から前記ズレ量を取得する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のズレ量取得装置。
  3. 前記ズレ量取得手段は、前記第1のデータ列と前記第2のデータ列に含まれるデータのうち、相関量が極値をとるデータと当該極値を与える変位量の近傍のデータとを用いて、前記ズレ量を取得する、
    請求項1または2に記載のズレ量取得装置。
  4. 前記相関演算手段は、前記第1のデータ列の極値を与える変位量とその近傍の変位量のみについて、前記第2のデータ列を取得する、
    請求項3に記載のズレ量取得装置。
  5. 前記第3の信号は、前記第2の信号が取得される画素の位置から、前記所定の画素間隔の0.5倍だけ異なる位置で取得される信号に相当する画像信号である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のズレ量取得装置。
  6. 前記第2の信号から演算によって前記第3の信号を生成する信号生成手段を、さらに備える、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のズレ量取得装置。
  7. 前記第2の信号は、前記撮像素子の一部の画素から読み出された画像信号を含み、
    前記第3の信号は、前記撮像素子の前記一部の画素とは異なる画素から読み出された画像信号を含む、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のズレ量取得装置。
  8. 前記第1のデータ列の極値と該第1のデータ列の該極値の近傍の変位量に対応する相関量との差が閾値より小さいとき、前記相関演算手段は前記第2のデータ列を取得し、前記ズレ量取得手段は前記第1のデータ列と前記第2のデータ列に基づいて前記ズレ量を取得し、
    前記第1のデータ列の極値と該第1のデータ列の該極値の近傍の変位量に対応する相関量との差が前記閾値以上のとき、前記ズレ量取得手段は、前記第2のデータ列を用いずに前記第1のデータ列から前記ズレ量を取得する、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のズレ量取得装置。
  9. 前記第1のデータ列の極値を該第1のデータ列の該極値の近傍の変位量に対応する相関量で除算した値が閾値より小さいとき、前記相関演算手段は前記第2のデータ列を取得し、前記ズレ量取得手段は前記第1のデータ列と前記第2のデータ列に基づいて前記ズレ量を取得し、
    前記第1のデータ列の極値を該第1のデータ列の該極値の近傍の変位量に対応する相関量で除算した値が前記閾値以上のとき、前記ズレ量取得手段は、前記第2のデータ列を用いずに前記第1のデータ列から前記ズレ量を取得する、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のズレ量取得装置。
  10. 前記ズレ量から被写体の距離情報を取得する距離取得部をさらに備える、
    請求項1から9のいずれか1項に記載のズレ量取得装置。
  11. 前記第1の画像と前記第2の画像を取得する画像取得手段と、
    請求項1から10のいずれか1項に記載のズレ量取得装置と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  12. 前記画像取得手段は、結像光学系の射出瞳の第1の瞳領域を通過した光束に対応する第1の画像信号と、前記射出瞳の前記第1の瞳領域とは異なる第2の瞳領域を通過した光束に対応する第2の画像信号とを取得する画素で構成された撮像素子を有する、
    請求項11に記載の撮像装置。
  13. 前記画像取得手段は、前記第1の画像信号を取得するための第1の結像光学系と第1の撮像素子を含む第1の撮像手段と、前記第2の画像信号を取得するための第2の結像光学系と第2の撮像素子を含む第2の撮像手段とを有する、
    請求項11に記載の撮像装置。
  14. 複数の画素を含む撮像素子で取得された視点の異なる第1の画像と第2の画像との相対的な位置のズレ量を取得する、ズレ量取得装置によって実行されるズレ量取得方法であって、
    前記第1の画像に基づく画像信号であって、所定の画素間隔の複数の画素の画像信号を含む第1の信号と、前記第2の画像に基づく画像信号であって、前記所定の画素間隔の複数の画素の画像信号を含む第2の信号と、の間の相関量のデータ列である第1のデータ列を取得する工程と、
    前記第1のデータ列の極値を与える変位量が閾値よりも小さいとき、前記第2の画像に基づく画像信号であって、前記所定の画素間隔の複数の画素の画像信号を含み、前記第2の信号とは異なる位置の画素において取得される信号に相当する第3の信号と、前記第1の信号と、の間の相関量のデータ列である第2のデータ列を取得する工程と、
    前記第1のデータ列の極値を与える変位量が前記閾値よりも小さいとき、前記第1のデータ列と前記第2のデータ列に含まれるデータから求められる変位量と相関量の関係を表す近似関数の極値を与える変位量を、前記ズレ量として取得する工程と、
    を含むことを特徴とするズレ量取得方法。
  15. 請求項14に記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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