JP2017081328A - 電動車両の駆動装置 - Google Patents

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Tomohiro Yamada
朋広 山田
直哉 室田
Naoya Murota
直哉 室田
光伸 寺田
Mitsunobu Terada
光伸 寺田
伊藤 亮
Akira Ito
亮 伊藤
田中 淳一郎
Junichiro Tanaka
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Abstract

【課題】組立や整備にともなうカバーの着脱時に支障がなく、アーム内に省スペースで収容できる電動車両の駆動装置を提案する。【解決手段】燃料電池二輪車1の駆動装置69は、後輪8を支持する中空なアーム72と、アーム72内に収容されるインバータ18と、アーム72内に収容されてインバータ18から供給される電力で後輪8を回転させるモータ3と、アーム72に着脱自在に固定されて、アーム72内にインバータ18およびモータ3を配置する開口を塞ぐカバー73と、カバー73に設けられてモータ3の回転角度を検出する回転角度センサ85と、回転角度センサ85の出力を伝送する第一信号線86と、第一信号線86の途中に設けられてアーム72内に収容される中継コネクタ87と、を備えている。【選択図】 図5

Description

本発明は、電動車両の駆動装置に関する。
中空のアーム内にインバータおよびインバータから供給される電力で駆動輪を回転させる電動機を収容する電動車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来の電動車両は、アーム内にインバータおよび電動機を配置する開口を塞ぐカバーを備えている。
特表2013−541451号公報
従来の電動車両のようにアーム内にインバータと電動機とを併設すると、カバーで塞がれるアーム内の空間には、インバータから電動機へ送電する送電線、インバータの制御信号を伝送する信号線、電動機の回転角度を検出する回転角度センサの出力を伝送する信号線などの電線が配線されて過密になる。また、回転角度センサをカバー側に配置する場合、回転角度センサの出力を伝送する信号線は、カバー側からアーム側に跨がって配線されることになる。
そうすると、カバーでアームを塞ぐ際に電線を適宜に収容することが難しかったり、カバーを外してアームを開ける際に回転角度センサの出力を伝送する信号線が邪魔になってカバーを開けづらくなったりしてしまう。
そこで、本発明は、組立や整備にともなうカバーの着脱時に支障がなく、アーム内に省スペースで収容できる電動車両の駆動装置を提案する。
前記の課題を解決するため本発明に係る電動車両の駆動装置は、駆動輪を支持する中空なアームと、前記アーム内に収容されるインバータと、前記アーム内に収容されて前記インバータから供給される電力で前記駆動輪を回転させる電動機と、前記アームに着脱自在に固定されて、前記アーム内に前記インバータおよび前記電動機を配置する開口を塞ぐカバーと、前記カバーに設けられて前記電動機の回転角度を検出する回転角度センサと、前記回転角度センサの出力を伝送する第一信号線と、前記第一信号線の途中に設けられて前記アーム内に収容される中継コネクタと、を備えている。
本発明によれば、組立や整備にともなうカバーの着脱時に支障がなく、アーム内に省スペースで収容できる電動車両の駆動装置を提供できる。
本発明の実施形態に係る駆動装置が適用される電動車両としての燃料電池二輪車の左側面図。 本発明の実施形態に係る駆動装置が適用される電動車両としての燃料電池二輪車の外装等を外した状態の左側面図。 本発明の実施形態に係る駆動装置が適用される電動車両としての燃料電池二輪車の外装等を外した状態の斜視図。 本発明の実施形態に係る駆動装置の概略図。 本発明の実施形態に係る燃料電池二輪車のスイングアームの左側面図。 本発明の実施形態に係る燃料電池二輪車のスイングアームの斜視図。 本発明の実施形態に係る燃料電池二輪車のスイングアームの分解斜視図。 本発明の実施形態に係る燃料電池二輪車のスイングアームの分解斜視図。
以下、本発明に係る電動車両の駆動装置の実施の形態について、図1から図8を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る駆動装置が適用される電動車両としての燃料電池二輪車の左側面図である。
図2は、本発明の実施形態に係る駆動装置が適用される電動車両としての燃料電池二輪車の外装等(カバーやシート)を外した状態を示す左側面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る駆動装置が適用される電動車両としての燃料電池二輪車の外装等(カバーやシート)を外した状態を示す斜視図である。
なお、本実施形態における前後上下左右の表現は、燃料電池二輪車1の搭乗者を基準にする。図1から図3中の実線矢印Fは燃料電池二輪車1の前方を表し、実線矢印Rは燃料電池二輪車1の後方を表している。
図1から図3に示すように、本実施形態に係る電動二輪車としての燃料電池二輪車1は、燃料電池2で発電し、この電力でモータ3を駆動させて走行する車両である。また、燃料電池二輪車1は、スクータ型の自動二輪車である。
燃料電池二輪車1は、前後に延びる車体5と、操舵輪としての前輪6と、前輪6を操舵自在に支えるステアリング機構7と、駆動輪としての後輪8と、後輪8を上下方向へ揺動自在に支えるスイングアーム9と、後輪8の駆動力を発生させるモータ3と、を備えている。
車体5は、車両の前後に延びるフレーム11と、フレーム11を覆う外装12と、フレーム11後半部の上方に配置されるシート13と、を備えている。
また、車体5は、燃料電池2と、燃料電池2で発電に使用される燃料としての水素の高圧ガスを貯蔵する燃料タンク15と、燃料電池2の電力を補助する二次電池16と、燃料電池2の出力電圧の調整と燃料電池2および二次電池16の電力の分配を制御する電力管理装置17と、電力管理装置17が出力する直流電力を三相交流電力に変換してモータ3へ出力し、モータ3を運転するインバータ18と、これらを統括的に管理する車両コントローラ19と、を備えている。
燃料電池二輪車1のパワートレインは、燃料電池2および二次電池16を有し、車両の走行状態、燃料電池2の発電状態、二次電池16の蓄電状態によって各電池の電力を適宜に使うシステムである。また、燃料電池二輪車1は、減速する際にモータ3で回生電力を発生させる。車両の電源である二次電池16および燃料電池2は、インバータ18に並列に接続されてモータ3へ電力を供給する。二次電池16は、燃料電池二輪車1が減速する際にモータ3で発生する回生電力および燃料電池2が発電する電力を蓄える。
フレーム11は、複数の鋼鉄製中空管を一体に組み合わせたものである。フレーム11は、前端上部に配置されるヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21の中央部から後ろ下がりに傾斜して延びる上部ダウンフレーム22と、ヘッドパイプ21の下方に配置され、後ろ下がりに傾斜して延びる下部ダウンフレーム23と、左右一対の下部フレーム24と、左右一対の上部フレーム25と、ピボット軸26と、上ブリッジフレーム27と、下ブリッジフレーム28と、ガードフレーム29と、搭載機器保護フレーム30と、を備えている。
ヘッドパイプ21は、ステアリング機構7を操舵自在、つまり車両の左右方向へ揺動自在に支持している。
左右一対の下部フレーム24は、下部ダウンフレーム23の左右に配置され、ヘッドパイプ21の下部に接続されている。また、左右一対の下部フレーム24は、ヘッドパイプ21との接続部分から下部ダウンフレーム23に沿って略平行に、かつ後ろ下がりに傾斜して延びる前側傾斜部分と、傾斜部分の下端で後方に向かって湾曲する前側の湾曲部分と、前側の湾曲部分の後端から略水平に車体5の後方へ向かって車体5の中央部分(車両の前後方向で中央部分)に達するまで直線状に延びる直線部分と、を有している。さらに、左右一対の下部フレーム24は、直線部分の後端部から後上方に向けて湾曲する後ろ側の湾曲部分と、この後ろ側の湾曲部分の上端部から後ろ上がりに傾斜して延びる後側傾斜部分を経て上部フレーム25に接続される上下フレーム接合部と、を有している。なお、左右の下部フレーム24の間隔は、上部フレーム25の間隔よりも広い。
また、左右それぞれの下部フレーム24は、前側の湾曲部分の外側に搭乗者が足を置くフットボード31を下方から支持するフットレストブラケット31aを備えている。
車体5の左側に配置される下部フレーム24は、サイドスタンドブラケット(図示省略)を備えている。サイドスタンドブラケット(図示省略)には、燃料電池二輪車1を左側へ傾けた状態で自立させるサイドスタンド(図示省略)が設けられている。サイドスタンドは、燃料電池二輪車1を自立させる起立位置と、走行の妨げとならないよう車体5に添う収納位置との間を揺動する。
左右一対の上部フレーム25は、車体5の前半部において下部フレーム24の前側の傾斜部分の上下方向の中央部に接続されている。左右一対の上部フレーム25は、下部フレーム24の前側の傾斜部分との接続部分から車体5の後方に向かって略水平に延びる水平部分と、左右一対の上部フレーム25の水平部分の後端であって、車体5の後半部、かつ後輪8の上方部分において後ろ上がりに大きく傾斜し、車体5の左右方向内側へ湾曲して後輪8の太さ(幅寸法)程度に接近する後端部と、を有している。
ピボット軸26は、車体5の後半部において左右の上部フレーム25間に架設されている。また、ピボット軸26は、上部フレーム25の下側、かつ上部フレーム25と下部フレーム24との合流部分(上下フレーム接合部)よりも後方であって、上部フレーム25の水平部分と下部フレーム24の後側傾斜部分とに接続されるブラケット26aに配置されている。
上ブリッジフレーム27は、左右の上部フレーム25の前端部に架設されている。上ブリッジフレーム27は、左右の上部フレーム25の間を実質的に車両の左右方向へ直線状に延びて、左右の上部フレーム25を連結している。
下ブリッジフレーム28は、左右の下部フレーム24の前側の屈曲部分に架設されている。下ブリッジフレーム28は、左右の下部フレーム24の間を実質的に車両の左右方向へ直線状に延びて、左右の下部フレーム24を連結している。
ガードフレーム29は、左右の下部フレーム24の後側の湾曲部分に架設されている。ガードフレーム29は、左右の下部フレーム24との接続部分から後下方に延びるとともに、フレーム11の内部空間を拡大するように後ろ下がりのU字形状に延びている。ガードフレーム29には、燃料電池二輪車1を直立状態で自立させるセンタースタンド33が設けられている。センタースタンド33は、燃料電池二輪車1を自立させる起立位置と、走行の妨げとならないよう車体5に添う収納位置との間を揺動する。
上部ダウンフレーム22は、ヘッドパイプ21と上ブリッジフレーム27との間に架設されている。
下部ダウンフレーム23は、左右の下部フレーム24の上部の間で実質的に車両の左右方向へ直線状に延びて架設されるヘッドパイプ近傍ブリッジフレーム34の車両の左右方向中央部に接続される上端部と、下ブリッジフレーム28の車両の左右方向中央部に接続される下端部とを有している。
搭載機器保護フレーム30は、上部フレーム25の後半部の上部に設けられている。搭載機器保護フレーム30は、燃料電池2を燃料電池二輪車1の車体に支持している。また、搭載機器保護フレーム30は、その一部を上部フレーム25に着脱できる。
シート13は、フレーム11の後半部上方を覆って前後に延びている。シート13はタンデム式であり、搭乗者を着座させる前半部13aと、同乗者を着座させる後半部13bとを一体的に備えている。また、シート13は、前半部13aと後半部13bとの間に傾斜部13cを備えている。
ここで、左右の上部フレーム25および左右の下部フレーム24で囲まれる空間をセンタートンネル領域35と呼び、上部フレーム25の後半部、外装12およびシート13で囲まれる空間を機器搭載領域36と呼び、センタートンネル領域35の後方かつ機器搭載領域36の下方の空間をタイヤハウス領域37と呼ぶ。
センタートンネル領域35は、燃料タンク15を収容している。本実施形態に係るスクータ型の燃料電池二輪車1では、センタートンネル領域35は、搭乗者が足を乗せる左右のフットボード31の間で、車両の前後方向に沿って配置され、フットボード31の足載せ領域を左右に分断するようにフットボード31から上方に***している。換言すると、センタートンネル領域35の左右には、足載せ領域となるフットボード31が配置され、左右のフットボード31の間に燃料タンク15が配置されている。
機器搭載領域36は、車体5の前側から順に二次電池16、電力管理装置17、燃料電池2を収容している。機器搭載領域36は、搭載機器保護フレーム30によって前端部、中央部、後端部、および中央部から後端部に渡る側部を保護されている。
搭載機器保護フレーム30は、機器搭載領域36を囲んで機器搭載領域36に搭載される機器を保護している。搭載機器保護フレーム30は、機器搭載領域36の前端部に配置されて左右の上部フレーム25の間で上に凸のアーチ状に架設される前保護フレーム30aと、機器搭載領域36の中央部であって、上部フレーム25と下部フレーム24との合流箇所よりも後ろ側に配置されて左右の上部フレーム25の間で上に凸のアーチ状に架設される中央保護フレーム30bと、機器搭載領域36の後端部に配置されて左右それぞれの上部フレーム25が内側に湾曲する部分に接続され、この湾曲部分から後ろ斜め上方へ延びる左右一対の後保護フレーム30cと、中央保護フレーム30bの左右それぞれから後方へ延びて後保護フレーム30cの上端部に接続され、さらに車体5の後端部へ到達する左右一対の側部保護フレーム30dと、左右の側部保護フレーム30dの後端部に架設されるブラケット30eと、を備えている。左右の上部フレーム25は、前保護フレーム30aの下端が接合される箇所で屈曲して車両の後方に向かって間隔を拡げ、中央保護フレーム30bの下端が接合される箇所で屈曲して車両の後方に延びている。このため、中央保護フレーム30bは、前保護フレーム30aよりも幅が広く、高さも高い。後保護フレーム30cおよび左右一対の側部保護フレーム30dは一体化されている。また、後保護フレーム30cおよび左右一対の側部保護フレーム30dは、中央保護フレーム30bおよび上部フレーム25に着脱自在に連結されて燃料電池2を支持している。
タイヤハウス領域37には後輪8が配置されている。
機器搭載領域36とタイヤハウス領域37との間には、それぞれの領域を分断する隔壁部材としてのリアフェンダ38が設けられている。
外装12は、車体5の前半部を覆うフロントレッグシールドカバー41と、車体5の中央上部に配置されてセンタートンネル領域35などの上部フレーム25の上方を覆うフロントフレームカバー42と、車体5の後半部に配置されて機器搭載領域36などの車体5の側面のうちシート13の下方部分を覆うフレームカバー43と、を備えている。
フレームカバー43は、シート13とともに機器搭載領域36を囲んでいる。機器搭載領域36は、シート13、フレームカバー43およびリアフェンダ38に囲まれる閉鎖的な空間である。機器搭載領域36は、フレームカバー43、もしくはリアフェンダ38の適宜の箇所に設けられる通気孔(図示省略)によって、燃料電池2への空気の流れを容易、かつ確実に制御し、また冷却が必要な装置へ冷却風としての空気の流れを容易、かつ確実に制御している。なお、機器搭載領域36は、各カバーの継ぎ目などから空気が入り込むことを許容する。
ステアリング機構7は、車体5の前方に配置されて、フレーム11のヘッドパイプ21を中心に左右方向へ揺動し前輪6の操舵を可能にする。ステアリング機構7は、頂部に設けられるハンドル45と、ハンドル45と前輪6とを連結し、若干後傾して上下に延びる左右一対のフロントフォーク46と、を備えている。左右のフロントフォーク46は、弾性的に伸縮自在なテレスコピック構造を備えている。左右のフロントフォーク46の下端部には、前輪6を回転自在に支持する車軸(図示省略)が架設されている。前輪6の上方には、フロントフェンダ47が配置されている。フロントフェンダ47は、左右のフロントフォーク46の間にあって、フロントフォーク46に固定されている。
前輪6は、左右のフロントフォーク46の下端部に架設されている車軸の周りに回転自在な従動輪である。
スイングアーム9は、車体5の左右へ延びている回転中心としてのピボット軸26の周りに上下方向へ揺動する。スイングアーム9は、車体5の左右で前後方向に延びる一対のアーム部の間に後輪8を回転自在に支持している。フレーム11とスイングアーム9との間には、リアサスペンション48が架設されている。リアサスペンション48の上端部は、上部フレーム25の後端部に揺動自在に支持されている。リアサスペンション48の下端部は、スイングアーム9の後端部に揺動自在に取り付けられている。リアサスペンション48は、スイングアーム9の揺動を緩衝する。
またスイングアーム9は、後輪8を回転駆動させるモータ3と、燃料電池2から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ3へ供給するインバータ18と、を収容している。
モータ3は、燃料電池2または二次電池16から供給される電力によって後輪8を回転駆動させる。モータ3は、スイングアーム9の後部に収容されて、後輪8の車軸と同軸に配置されている。モータ3はスイングアーム9に一体的に組み付けられてユニットスイング式スイングアームを構成している。
インバータ18は、スイングアーム9の前部に収容されて、ピボット軸26とモータ3との間に配置されている。
後輪8は、モータ3から駆動力が伝達される車軸(図示省略)によって支えられる駆動輪である。
燃料電池2は、燃料と酸化剤とを反応させて発電する。燃料電池2は、燃料として高圧ガス、例えば水素ガスを使用し、酸化剤として空気中の酸素を使用して発電し、空気を用いて冷却する空冷式燃料電池システムである。
燃料電池2は、機器搭載領域36の後半側に配置されている。さらに具体的には、燃料電池2は、シート13の前半部13aと後半部13bとの間の傾斜部から後半部13bの下方に渡って配置されている。つまり、車両の側面視で、燃料電池2は、同乗者を着座させるシート13の後半部13bと後輪8やスイングアーム9との間に配置されている。
燃料電池2は、車体5の前後方向に延びる長辺を有する直方体形状であって、吸気口2aが配置される正面を前斜め下方へ向け、排気口2bが配置される背面を後ろ斜め上方へ向ける姿勢で機器搭載領域36に配置されている。つまり、燃料電池2は、前方側が後方側よりも下方に位置する前傾姿勢でフレーム11に固定されている。詳細には、燃料電池2の上部は搭載機器保護フレーム30に固定され、燃料電池2の下部は上部フレーム25に固定されている。
燃料電池2は、正面側から背面側へ向かって連結される扁平な複数のモジュールを含んでいる。具体的には、燃料電池2は、正面側から順に積層状態に重ねられて連結されるフィルタ(図示省略)、吸気シャッタ(図示省略)、燃料電池スタック(図示省略)、ファン(図示省略)、排気シャッタ(図示省略)を有している。燃料電池2の天面には、燃料電池用制御部(図示省略)が設けられている。
吸気シャッタは、開閉自在な空気の吸気口2aを有し、吸気口2aを開閉して燃料電池スタックへの空気の導入量を制御することができるとともに、吸気口2aを閉じて燃料電池2内で空気を循環させる循環経路を形成することができる。排気シャッタは、開閉自在な空気の排気口2bを有し、排気口2bを閉じて燃料電池2内で空気を循環させる循環経路を形成することができる。換言すると、燃料電池2は、正面に開閉可能な吸気口2aを有し、背面に開閉可能な排気口2bを有し、吸気口2aと排気口2bを閉じることで燃料電池2内の空気を循環させることができる。
燃料電池スタックは、吸気口から吸い込まれる空気に含まれる酸素と燃料タンク15から供給される水素とを電気化学反応させて発電し、発電後に湿潤な余剰ガスを生成する。
ファンは、機器搭載領域36内の空気を吸気口から燃料電池2内に吸い込むための吸込負圧を発生させる一方で、燃料電池スタックから余剰ガスを吸い出して排気口から排気する。ファンが流動させる空気の流れは、燃料電池スタックで発電に用いられる他に、燃料電池2の冷却に利用される。
燃料電池2の後方には、排気ダクト52が設けられている。燃料電池2のファンは、余剰ガスを燃料電池スタックから吸い出して排気ダクト52へ排気する。排気ダクト52の前端部は、燃料電池2の箱体(詳細には、排気シャッタの枠体)に気密に接続されている。排気ダクト52は、車体5の後端で後下方と後上方に向かって開口される排気口52aを有している。排気ダクト52は、燃料電池2のファンから吐出される排気(余剰ガス)を、排気口52aへ導いて車体5の後方へ排出する。
排気ダクト52の排気口52aは、燃料電池2の排気面(背面)よりも上方であって、望ましくは排気ダクト52の後方上端部に配置されている。詳細には、燃料電池2の排気口よりも高い位置に排気口52aの上縁部が配置されている。排気ダクト52は、燃料電池2の排気面(背面)よりも上方に配置される排気口52aを有することによって、未反応の水素ガスを含む湿潤な余剰ガスを排気口52aに導いて車体5から確実に排気することができる。
燃料タンク15は高圧圧縮水素貯蔵システムである。燃料タンク15は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の、あるいはアルミライナ製複合容器である圧力容器55と、燃料充填口56を有する燃料充填用継手57と、燃料充填元弁58と、遮断弁(図示省略)とレギュレータ(図示省略)とを一体的に有する燃料供給元弁59と、を備えている。
圧力容器55は、燃料電池2の燃料としての水素ガスを貯蔵するアルミライナ製複合容器である。燃料タンク15は、例えば約70MPaの水素ガスを貯蔵する。圧力容器55は、円筒形状の胴部と、胴部の前後の端面にドーム状の鏡板と、を有している。圧力容器55は、円筒胴の中心線を車体5の前後方向へ沿わせてセンタートンネル領域35内に配置されている。圧力容器55は、一対の上部フレーム25、一対の下部フレーム24、下ブリッジフレーム28、およびガードフレーム29に周囲を囲まれて、燃料電池二輪車1の転倒や衝突による負荷に対して堅牢に保護されている。
また、圧力容器55は、車体5の一方側の側部に配置される上部フレーム25、例えば車体5の右側に配置される上部フレーム25と、車体5の他方側の側部に配置される下部フレーム24、例えば車体5の左側に配置される下部フレーム24との間に架設されるクランプバンド61によってセンタートンネル領域35に支持されている。詳細には、圧力容器55は、右側の上部フレーム25と左側の下部フレーム24との間に架設される下クランプバンド(クランプバンド61の下半部)に載置され、上クランプバンド(クランプバンド61の上半部)で締め付け挟持されている。なお、クランプバンド61は、車体5の左側に配置される上部フレーム25と、車体5の右側に配置される下部フレーム24との間に架設されていても良い。
燃料充填用継手57は、センタートンネル領域35の外側、詳しくは後ろ上方であって、機器搭載領域36の前端部に配置されている。燃料充填用継手57は、二次電池16よりも上方、あるいは真上に配置されている。燃料充填用継手57は、搭載機器保護フレーム30の前保護フレーム30aの上部と中央保護フレーム30bの上部との間に架設される継手用ブラケット30fに固定されている。燃料充填用継手57は、燃料充填時に設備側の継手を車体の上方、かつ左側から差し込めるよう、車体5の上方、かつやや左側に向かって延びている。燃料充填用継手57は、シート13の前端部に設けられる燃料充填口用リッド62によって覆い隠されている。燃料充填口用リッド62は、ヒンジ機構(図示省略)を介してシート13に支持されており、揺動することで開閉できる。燃料充填用継手57は、燃料としての水素の高圧ガスを燃料タンク15に導き入れる入口としての燃料充填口56を有している。
燃料充填口56は、燃料充填用継手57の頂部に配置されている。また、燃料充填口56は、車体5の左上方を向いている。燃料タンク15に燃料を充填する際、燃料充填口用リッド62を開放した状態において、燃料充填口56の上方は、雰囲気に開放されている。したがって、高圧ガス(燃料、水素ガス)を燃料タンク15に充填する際、仮に高圧ガス(燃料、水素ガス)が漏洩しても、漏洩燃料は滞留することなく燃料電池二輪車1の上方へ拡散する。
燃料充填元弁58および燃料供給元弁59は、一体化されて圧力容器55の後方側の鏡板の頂部に設けられているタンクバルブ63に内蔵されている。燃料供給元弁59の遮断弁は、電磁弁を用いた開閉弁である。タンクバルブ63は、ガードフレーム29で囲まれた空間に配置されている。
二次電池16は、箱状のリチウムイオン電池である。二次電池16は、機器搭載領域36の前端部であって、圧力容器55の後半部、つまり円筒胴の後半部、および後方側の鏡板とシート13の前半部13aとの間に配置されている。
なお、燃料電池二輪車1は、二次電池16の他に、メータ類(図示省略)、ランプ類(図示省略)用の電源として、例えば12V系の電力を供給する第2二次電池(図示省略)を備えている。第2二次電池は、ヘッドパイプ21の周囲、例えば、ヘッドパイプ21の右側の側方に配置されている。
また、仮に燃料充填口56から燃料としての水素ガスが漏洩しても、空気より軽い水素ガスは上昇して、車内に滞留することなく車外に拡散する。また、仮に燃料充填元弁58または燃料供給元弁59から燃料としての水素ガスが漏洩しても、水素ガスはタイヤハウス領域37に向かって移動して、車内に滞留することなく車外に拡散する。
電力管理装置17は、機器搭載領域36内で二次電池16と燃料電池2との間に配置され、フレーム11に固定されている。なお、電力管理装置17は二次電池16と同じ防水ケース内に配置されていても良い。
燃料電池二輪車1は、二次電池16、電力管理装置17、および燃料電池2を上述のように配置することによって、電気的な接続関係が隣り合う装置を極力近接する位置に配置することが可能であり、装置間の配線長を短く、配線に係る重量を軽くすることができる。
車両コントローラ19は、燃料電池二輪車1内で比較的に高所となるヘッドパイプ21の周囲、例えば、12V系の電力を供給する第2二次電池の反対側にあたるヘッドパイプ21の左側の側方に配置されている。
次いで、燃料電池二輪車1の駆動装置について詳しく説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る駆動装置の概略図である。
図5は、本発明の実施形態に係る燃料電池二輪車のスイングアームの左側面図である。
図6は、本発明の実施形態に係る燃料電池二輪車のスイングアームの斜視図である。
図7および図8は、本発明の実施形態に係る燃料電池二輪車のスイングアームの分解斜視図である。
図5は、カバー73を省略して図示されている。図6は、右前方からスイングアーム9を見た斜視図であって、右側のアーム75を省略して図示されている。図7は、アーム72からカバー73を取り外した状態で図示されている。図8は、モータ3の回転子102、回転角度センサ85、およびキャップ104をカバー73から分解した状態で図示されている。
図4から図8に示すように、本実施形態に係る燃料電池二輪車1の駆動装置69は、スイングアーム9に設けられている。
ここで先ず、スイングアーム9は、前端部にあってピボット軸26を介してフレーム11に支えられるピボット部71と、ピボット部71のいずれか一方の側方、ここでは左側方から後方へ延びて後輪8の左側方に到達するアーム72と、アーム72の左側面を覆うカバー73と、ピボット部71のいずれか他方の側方、ここでは右側方から後方へ延びて後輪8の右側方に到達するアーム75と、を備えている。
ピボット部71は、フレーム11の内側の幅いっぱいに拡がっている。ピボット部71は、側面視においてピボット軸26が挿し通される部位を頂点にして下方へ拡がる三角形状あるいは扇形状の箱体であり、上下左右に適宜の重量軽減口を有している。
左側のアーム72とカバー73とは、モータ3およびインバータ18を収容する駆動ユニット収容部を構成している。アーム72とカバー73とは、車体5の上下方向に沿って前後に延びる分割面で分割され、組み合わされている。
アーム72は、ピボット部71に一体で成形されている。アーム72は、後輪8の側面(ここでは左側面)を臨む内側の壁面を有して車体5の左側へ開く空間を区画している。アーム72は、この空間内にモータ3およびインバータ18を収容している。
アーム72内の空間の後端部には、モータ3を収容するモータ室76が区画されている。モータ室76よりも前側、つまりモータ室76よりもピボット部71に近い側の空間には、インバータ18を収容するインバータ室77が区画されている。モータ室76およびインバータ室77は、カバー73によって閉じられて外気の流入を制限されている。
モータ室76は、モータ3の外周を環状に囲んでいる。
インバータ室77を区画する壁面のうち、インバータ18を取り付ける壁面は、後輪8を臨む壁の内側の面であって、平坦な面である。この壁面は、後輪8の車軸(あるいは回転中心線)に直交している。アーム72の平坦な壁面とインバータ18との間には放熱グリス(図示省略)が埋められており、インバータ18とアーム72との熱的な接続が図られている。
さらに、アーム72は、後輪8を臨む内側の壁面に設けられて、後輪8の同心円を描いて円弧状に延びる複数の放熱フィン78を備えている。それぞれの放熱フィン78は、後輪8の回転中心からの距離を実質的な半径として円弧状に延びる壁であって、ほぼ等間隔に並んでいる。放熱フィン78は、アーム72の内側の壁面から後輪8に向かって突出している。
それぞれの放熱フィン78は、アーム72の天面および底面の少なくともいずれかに連続して延びている。それぞれの放熱フィン78は、後輪8の形状に準じて突出高さが異なるものを含んでいる。具体的には、放熱フィン78は、後輪8に干渉しない程度の隙間を隔てつつ、隙間を実質的に一定に保って、後輪8の形状に準じて突出している。
また、アーム72は、放熱フィン78に交差して、または放熱フィン78の端部に沿って、前後方向に延びる補強リブ81、82を備えている。
補強リブ81、82は、後輪8を臨む内側の壁面に設けられて、後輪8へ向かって突出している。補強リブ81、82の突出高さは、後輪8に干渉しない範囲で放熱フィン78よりも高い。補強リブ81は、アーム72の天面に連接し、放熱フィン78の上端部に沿って設けられている。補強リブ82は、アーム72の底面に連接し、放熱フィン78の下端部に沿って設けられている。
また、補強リブ81、82も放熱フィン78同様に、後輪8の形状に準じて突出高さが異なっている。具体的には、補強リブ81、82は、後輪8に干渉しない程度の隙間を隔てつつ、隙間を実質的に一定に保って、後輪8の形状に準じて突出している。
補強リブ81は、アーム72からピボット部71の背面に掛けて後輪8の前面を横切るように延びており、スイングアーム9の形状の不連続部分を補強している。
さらに、補強リブ81、82は、隣り合う放熱フィン78の間の空間に繋がる導風口83を有している。導風口83は、後輪8の回転にともなって発生する空気流を整流して、放熱フィン78の間の空間へ円滑に導き、また円滑に排出する。
カバー73は、アーム72に着脱自在に装着されて駆動ユニット収容部を塞ぐ蓋の役割を担っている。
なお、駆動ユニット収容部は、車体5の右側に配置されていても良く、この場合、駆動ユニット収容部は、右側のアーム75とカバー73との組合せになって左右の関係が逆転する。
右側のアーム75は、ボルトなどの締結部材(図示省略)によってピボット部71に固定されている。
そして、駆動装置69は、後輪8を支持する中空なアーム72と、アーム72内に収容されるインバータ18と、アーム72内に収容されてインバータ18から供給される電力で後輪8を回転させるモータ3と、アーム72に着脱自在に固定されて、アーム72内にインバータ18およびモータ3を配置する開口を塞ぐカバー73と、カバー73に設けられてモータ3の回転角度を検出する回転角度センサ85と、回転角度センサ85の出力を伝送する第一信号線86と、第一信号線86の途中に設けられてアーム72内またはカバー73内に収容される(駆動ユニット収容部に収容される)中継コネクタ87と、を備えている。
インバータ18は、インバータ回路88と、インバータ回路88を制御する制御回路89と、インバータ回路88からモータ3へ電力を導く電力線91を接続するモータ用端子台92と、を含んでいる。インバータ回路88、制御回路89、およびモータ用端子台92は、スイングアーム9のピボット部71に近い側から順に配置されている。つまり、モータ用端子台92は、モータ3に最も近い部位に配置されている。
制御回路89とモータ用端子台92との間には、燃料電池2または二次電池16から供給される電力をインバータ回路88へ導く電力用端子台95が設けられている。電力用端子台95は、インバータ18の下半側に配置されている。電力用端子台95には、燃料電池2または二次電池16から電力を導く電力線96が接続されている。電力線96は、正極側電力線96aと負極側電力線96bと、を有している。
制御回路89とモータ用端子台92との間であって、インバータ18の上半側には、制御回路89に接続される制御信号用コネクタ97が設けられている。
制御信号用コネクタ97には、車両コントローラ98との間で双方向に通信を伝達する制御信号線99が接続されている。制御信号線99は、束ねられた複数の素線(図示省略)を含んでいる。また、制御信号用コネクタ97には、第一信号線86も接続されている。
電力線96および制御信号線99は、制御回路89とモータ用端子台92との間からモータ用端子台92の側方を迂回してアーム72内を上方へ向かい、インバータ18の上方とアーム72の天面との隙間を通過してピボット部71へ向かい、車体5側へ渡って機器に配線されている。
モータ3は、アーム72内のモータ室76に固定される環状の固定子101と、固定子101の中心部に配置される円盤状の回転子102と、回転子102の中心を貫くモータ軸103と、を備えている。
モータ軸103は、回転子102に回転一体に固定されている。モータ軸103の一方の端部は、アーム72と後輪8との間に設けられる減速機(図示省略)に連結されて支持されている。モータ軸103の他方の端部は、カバー73に設けられるベアリング(図示省略)によって回転自在に支持されている。モータ軸103の他方の端部は、カバー73を貫通してカバー73の外側に到達している。モータ軸103の他方の端部は、カバー73に固定されるキャップ104に覆い隠されている。
回転角度センサ85は、カバー73に設けられてキャップ104に覆い隠されている。回転角度センサ85は環形状であって、回転角度センサ85の中心部にはモータ軸103が嵌め込まれている。回転角度センサ85には、レゾルバや、ホールセンサや、ロータリーエンコーダなど、回転するモータ軸103と回転しないカバー73との間の回転の差分を検出できるセンサが適用される。
第一信号線86は、カバー73の外側から内側へ引き込まれて配線されている。カバー73の外側に配線される第一信号線86は、カバー73に固定されるキャップ104に覆い隠されている。第一信号線86は、束ねられた複数の素線を含んでいる。
中継コネクタ87は、分離と連結とが可能な第一半体106および第二半体107を有している。中継コネクタ87は、アーム72にカバー73を組み合わせた状態で、モータ3とインバータ18との間であって、モータ用端子台92より上方で、天面に近接する位置に配置されている。
第一半体106は、いわゆる接栓座であって、第一信号線86のうち回転角度センサ85に近い部分に接続され、第二半体107が車両の前方側から結合されるようにカバー73に固定されている。
第二半体107は、いわゆる接栓であって、第一信号線86のうち回転角度センサ85から遠い部分に接続されている。第二半体107は、第一半体106に結合した状態で、第一信号線86が第二半体107から車両の前方に向かって延びている。第二半体107は、アーム72とカバー73とが分離された状態では、アーム72側に属している。
第一半体106および第二半体107は、プラグおよびジャックの組合せであって、いずれがプラグであっても良く、いずれがジャックであっても良い。
なお、第一信号線86のうち回転角度センサ85に近い部分、つまり回転角度センサ85から中継コネクタ87の第一半体106までの部分をカバー側第一信号線86aと呼ぶ。また、第一信号線86のうち回転角度センサ85から遠い部分、つまり中継コネクタ87の第二半体107から制御信号用コネクタ97までの部分をアーム側第一信号線86bと呼ぶ。
第一信号線86のうち回転角度センサ85から遠い部分(アーム側第一信号線86b)は、カバー73をアーム72に着脱する際の余長を有している。この余長は、アーム72内の空間で中継コネクタ87から制御信号用コネクタ97までの距離の4分の1から3分の1程度の距離を折り返す折返収納部108が形成されるように、適宜の長さに設定されている。折返収納部108は側面視においてモータ3側に重なることなく、インバータ18側に配置されている。したがって、折返収納部108は、カバー73を閉める際にモータ3の回転子102との干渉を考慮することなく、インバータ18側で容易に収容可能な折り返し状態に、適宜、かつ容易に整理することができる。
また、駆動装置69は、アーム72内に配置される機器、例えば温度センサ109と、温度センサ109の出力を伝送する第二信号線111と、を備えている。
温度センサ109は、モータ3の固定子101に設けられている。温度センサ109は、例えば測温抵抗体や、熱電対や、サーミスタである。
第二信号線111は、第一信号線86と同様に制御信号用コネクタ97を介してインバータ18の制御回路89に接続されている。つまり、制御信号用コネクタ97は、車両コントローラ98に繋がる制御信号線99、回転角度センサ85に繋がる第一信号線86、および温度センサ109に繋がる第二信号線111を一括してインバータ18の制御回路89に接続している。
また、第二信号線111は、中継コネクタ87によって中継されている。第二信号線111は、アーム72側に設けられる温度センサ109を、同じくアーム72側に設けられる制御信号用コネクタ97に接続する一方で、カバー73側とアーム72側との第一信号線86を接続する中継コネクタ87を中継するために、カバー73側に折返配線部112を含んでいる。つまり、第二信号線111は、温度センサ109から中継コネクタ87までのアーム側上流第二信号線111aと、カバー73側に設けられる折返配線部112と、中継コネクタ87から制御信号用コネクタ97までのアーム側下流第二信号線111bと、を含んでいる。アーム側上流第二信号線111aおよびアーム側下流第二信号線111bは、中継コネクタ87の第二半体107に接続されている。他方、折返配線部112は、中継コネクタ87の第一半体106に接続されている。
さらに、第二信号線111のうちアーム側の部分、つまりアーム側上流第二信号線111aおよびアーム側下流第二信号線111bは、中継コネクタ87の第二半体107のうち、第一信号線86に割り当てられるピンあるいはソケットよりも、高さ方向におけるアーム72の中心に近い側にあるピンあるいはソケットに割り当てられている。これによって、第一信号線86よりも細い第二信号線111は、カバー73とアーム72との合わせ面から、より遠くに配置されることになり、カバー73でアーム72を塞ぐ際に合わせ面に挟み込まれるリスクが低減される。このような効果は、第二信号線111の温度センサ109側の根元が、高さ方向におけるアーム72の中心に向かって延伸するよう温度センサ109自体を傾斜させてモータ3に取り付けることで、さらに高まる。
本実施形態に係る燃料電池二輪車1の駆動装置69は、カバー73に回転角度センサ85を設けることによってアーム72側の空間的な余裕を確保し、かつ回転角度センサ85の配置を容易化できる。
また、本実施形態に係る燃料電池二輪車1の駆動装置69は、カバー73に回転角度センサ85を設け、回転角度センサ85とアーム72側のインバータ18とを繋げる第一信号線86を中継コネクタ87で分離可能にすることで、カバー73の着脱の容易化が図られ、ひいては組立性と整備性とを高めることができる。
さらに、本実施形態に係る燃料電池二輪車1の駆動装置69は、中継コネクタ87の第一半体106をカバー73側に固定することで、アーム72内のモータ3、インバータ18、各種の信号線や電力線に邪魔されることなく、カバー73の開閉に都合の良い適宜の箇所に中継コネクタ87を配置することができる。
さらにまた、本実施形態に係る燃料電池二輪車1の駆動装置69は、回転角度センサ85から中継コネクタ87までの第一信号線86、つまりカバー側第一信号線86aの両端をカバー73側に固定しておくことができるので、当該箇所の断線を防ぐことができる。 また、本実施形態に係る燃料電池二輪車1の駆動装置69は、カバー73の開閉にともなって曲げ伸ばしする必要のある信号線や電力線を、アーム側第一信号線86bの余長(折返収納部108)に集中させることで、カバー73の開閉にともなって断線する可能性のある範囲を限定し、ひいては保守性を高め、万一断線した場合の交換費用を抑制できる。
さらに、本実施形態に係る燃料電池二輪車1の駆動装置69は、アーム72側の機器、例えば温度センサ109を、カバー73側へ迂回するように中継コネクタ87で中継することで、カバー73側の機器(回転角度センサ85)とアーム72側の機器(温度センサ109)とを単一の中継コネクタ87で中継することが可能であり、ひいてはインバータ18の制御回路89についてもカバー73側の機器(回転角度センサ85)とアーム72側の機器(温度センサ109)とを単一の制御信号用コネクタ97で接続することができる。これによって、本実施形態に係る燃料電池二輪車1の駆動装置69は、カバー73側の機器(回転角度センサ85)とアーム72側の機器(温度センサ109)とを別々のコネクタで接続する場合に比べてコネクタ数を削減し、アーム72内の空間に占めるコネクタの容積を小さくして省スペース化に寄与できる。
したがって、本発明に係る燃料電池二輪車1の駆動装置69によれば、組立や整備にともなうカバー73の着脱時に支障がなく、アーム72内に省スペースで収容できる。
1…燃料電池二輪車、2…燃料電池、2a…吸気口、2b…排気口、3…モータ、5…車体、6…前輪、7…ステアリング機構、8…後輪、9…スイングアーム、11…フレーム、12…外装、13…シート、13a…前方部、13b…後方部、13c…傾斜部、15…燃料タンク、16…二次電池、17…電力管理装置、18…インバータ、19…車両コントローラ、21…ヘッドパイプ、22…上部ダウンフレーム、23…下部ダウンフレーム、24…下部フレーム、25…上部フレーム、26…ピボット軸、26a…ブラケット、27…上ブリッジフレーム、28…下ブリッジフレーム、29…ガードフレーム、30…搭載機器保護フレーム、30a…前保護フレーム、30b…中央保護フレーム、30c…後保護フレーム、30d…側部保護フレーム、30e…ブラケット、30f…継手用ブラケット、31…フットボード、31a…フットレストブラケット、33…センタースタンド、34…ヘッドパイプ近傍ブリッジフレーム、35…センタートンネル領域、36…機器搭載領域、37…タイヤハウス領域、38…リアフェンダ、41…フロントレッグシールドカバー、42…フロントフレームカバー、43…フレームカバー、45…ハンドル、46…フロントフォーク、47…フロントフェンダ、48…リアサスペンション、52…排気ダクト、52a…排気口、55…圧力容器、56…燃料充填口、57…燃料充填用継手、58…燃料充填元弁、59…燃料供給元弁、61…クランプバンド、62…燃料充填口用リッド、63…タンクバルブ、69…駆動装置、71…ピボット部、72…アーム、73…カバー、75…アーム、76…モータ室、77…インバータ室、78…放熱フィン、81、82…補強リブ、83…導風口、85…回転角度センサ、86…第一信号線、86a…カバー側第一信号線、86b…アーム側第一信号線、87…中継コネクタ、88…インバータ回路、89…制御回路、91…電力線、92…モータ用端子台、95…電力用端子台、96…電力線、96a…正極側電力線、96b…負極側電力線、97…制御信号用コネクタ、98…車両コントローラ、99…制御信号線、101…固定子、102…回転子、103…モータ軸、104…キャップ、106…第一半体、107…第二半体、108…折返収納部、109…温度センサ、111…第二信号線、111a…アーム側上流第二信号線、111b…アーム側下流第二信号線、112…折返配線部。

Claims (3)

  1. 駆動輪を支持する中空なアームと、
    前記アーム内に収容されるインバータと、
    前記アーム内に収容されて前記インバータから供給される電力で前記駆動輪を回転させる電動機と、
    前記アームに着脱自在に固定されて、前記アーム内に前記インバータおよび前記電動機を配置する開口を塞ぐカバーと、
    前記カバーに設けられて前記電動機の回転角度を検出する回転角度センサと、
    前記回転角度センサの出力を伝送する第一信号線と、
    前記第一信号線の途中に設けられて前記アーム内に収容される中継コネクタと、を備える電動車両の駆動装置。
  2. 前記中継コネクタは、分離および連結が可能な第一半体および第二半体を有し、
    前記第一半体は、前記第一信号線のうち前記回転角度センサに近い部分に接続され、かつ前記カバーに固定され、
    前記第二半体は、前記第一信号線のうち前記回転角度センサから遠い部分に接続され、
    前記第一信号線のうち前記回転角度センサから遠い部分は、前記カバーを前記アームに着脱する際の余長を有する請求項1に記載の電動車両の駆動装置。
  3. 前記アーム内に配置される機器と、
    前記機器の出力を伝送する第二信号線と、を備え、
    前記第二信号線は、前記中継コネクタによって中継されている請求項1または2に記載の電動車両の駆動装置。
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