JP2017079339A - 通信制御装置、無線端末、メモリーカード、集積回路および無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の端末への送達確認応答を高効率化して高スループット化を図ることができる無線通信制御システムを提供する。【解決手段】無線通信制御装置11は、無線通信部を有する無線通信装置で用いられる、複数の対象通信装置1A−4Aとの通信を制御する通信制御装置であって、制御部を備える。前記制御部は、前記複数の対象通信装置のそれぞれから、空間多重により送信されるフレームを、前記無線通信部を介して受信し、前記複数の対象通信装置から送信されたフレームの受信にそれぞれ成功したか否かの検査結果を含む送達確認応答フレームを、前記無線通信部を介して前記複数の対象通信装置1A−4Aに送信する制御部を備える。【選択図】図1
Description
この発明の実施形態は、通信制御装置、無線端末、メモリーカード、集積回路および無線通信方法に関する。
無線のアクセスポイントと無線端末間で通信を行う無線通信システムとして、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)を採用するIEEE802.11規格の無線LAN(Local Area Network)が広く知られている。IEEE802.11ac規格では、MIMO(Multi-Input Multi-Output)技術を拡張したダウンリンクマルチユーザMIMO (DL-MU-MIMO)技術が採用されている。ダウンリンクマルチユーザMIMOでは、アクセスポイントはビームフォーミングと呼ばれる技術を用いることで、各無線端末に対して空間的に直交したビームによりデータ送信が可能となるため、複数台の無線端末に対して、同時に別のデータを送信することが出来る。これにより、システムスループットの向上を図ることが出来る。
また、更なる高効率化を狙い、IEEE802.11ac規格の後継となる規格を検討するIEEE802.11 HEW(High Efficiency WLAN)と呼ばれるStudy Group(SG)が2013年5月に承認され、高効率化を目指した技術の検討が行われている。その中の候補技術の1つとして、アップリンクマルチユーザMIMO(UL-MU-MIMO)技術が挙げられる。アップリンクマルチユーザMIMOでは、複数の端末が同じタイミングでそれぞれ空間的に直交したビームによりデータ送信をアクセスポイントに対し行うことで、アップリンク送信の高効率化を図ることが可能となる。
アップリンクマルチユーザMIMO技術を採用した場合、アクセスポイントは複数の端末から同時にデータを受信する。そのため、アクセスポイントはデータ送信を行った各端末に対し、誤り無く受信出来たか否かを通知(送達確認応答)し、正しく受信出来なかったデータを送信した端末に対して再送要求を行うARQ(Automatic Repeat reQuest)の仕組みが必要となる。
アップリンクマルチユーザMIMOでは、同時にデータ受信した複数の端末に対し、送達確認応答を行う必要があるため、各端末に順次、送達確認応答を返信すると非効率となる。このため、複数端末に対する送達確認応答を効率的に返信する仕組みが望まれる。
例えば、アップリンクマルチユーザMIMOを前提とするものではないものの、複数の端末から順次アップリンク送信されたデータに対し、当該複数の端末への送達確認応答(ACK)フレームを1つのスーパーフレームとして集約(アグリゲート)し、返信する方法が知られている。この方法を用いることで、各端末に対して順次ACKフレームを返信する場合に比べ、フレーム間隔などの時間が省略できる。よって、複数端末に対するACK応答の効率化を図ることが出来る。
しかしながら、この方法は、従来のACKフレームを複数個、集約したのみであるため、スーパーフレームフォーマットには端末毎に重複した情報フィールドが存在するなど、オーバーヘッドとなる部分も残っている。このことは、高効率化ならびに高スループット化に向けた妨げとなる。
本発明の実施形態は、複数の端末への送達確認応答を高効率化して高スループット化を図ることを目的とする。
本発明の実施形態としての無線通信制御装置は、無線通信部を有する無線通信装置で用いられる、複数の対象通信装置との通信を制御する通信制御装置であって、制御部を備える。
前記制御部は、前記複数の対象通信装置のそれぞれから、空間多重により送信されるフレームを、前記無線通信部を介して受信する。
前記制御部は、前記複数の対象通信装置から送信された前記フレームの受信にそれぞれ成功したか否かの検査結果を含む送達確認応答フレームを、前記無線通信部を介して前記複数の対象通信装置に送信する。
以下、図面を参照しながら本実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る無線通信システムを示す。
図1は、第1の実施形態に係る無線通信システムを示す。
図1の無線通信システムは、アクセスポイント(AP)11と、複数の無線端末(ステーション)1、2、3、4とを具備した無線ネットワークである。アクセスポイント11も無線端末の一形態である。アクセスポイント11と各無線端末1〜4は、任意の無線通信方式に従って無線通信を行う。一例として、アクセスポイント11と各無線端末1〜4は、IEEE802.11規格に従って無線通信を行う。以下の説明では、主としてIEEE802.11規格の無線LANを想定した説明を行うが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
アクセスポイント11は、複数のアンテナを備える。図1の例では、アクセスポイント11は、4つのアンテナ12A、12B、12C、12Dを備える。アクセスポイント11は、無線通信装置(後述する図5参照)を搭載する。無線通信装置は、無線通信部と、複数の対象通信装置である複数の無線端末1〜4との通信を制御する通信制御装置とを備える。
各無線端末1〜4は、それぞれ1つまたは複数のアンテナを備える。図1の例では、各無線端末1〜4は、それぞれ1本のアンテナ1A、2A、3A、4Aを備える。各無線端末は、無線通信装置(後述する図6参照)を搭載する。無線通信装置は、無線通信部と、対象通信装置であるアクセスポイント11との通信を制御する通信制御装置とを備える。
アクセスポイント11は、各無線端末との間で無線ネットワーク(第1ネットワークと呼ぶ)を形成する。また、アクセスポイント11は、これとは別に、有線または無線の他のネットワーク(第2ネットワークと呼ぶ)に接続されてもよい。アクセスポイント11は、これら第1ネットワークおよび第2ネットワーク間や、無線端末間の通信を中継する。各無線端末1〜4で発生したデータフレームは、無線通信によりアクセスポイント11に送信され、アクセスポイント11は必要に応じて、該データフレームを第1ネットワークの他無線端末あるいは第2ネットワークに送信する。
各無線端末1〜4で発生したデータフレームをアクセスポイント11に送信する際、空間多重により送信を行う。空間多重の送信とは、同一の周波数帯域で複数のデータストリームを同時に送信することを意味する。具体的には、無線端末1〜4のうち複数の無線端末がそれぞれアクセスポイント11宛のデータフレームを同時にアップリンクマルチユーザMIMO送信する。アップリンクマルチユーザMIMO送信により、複数の端末がデータフレームを同時に送信することが出来るため、スループットを向上させることができる。
アクセスポイント11は、アップリンクマルチユーザMIMO送信による複数の端末からのデータフレームを受信した後、各受信したデータフレームのCRC(cyclic redundancy code)をチェックする。これにより、各端末からデータフレームが誤り無く、正しく受信できたか否かを検査する。アクセスポイント11は、各端末に対する検査の結果を含む送達確認応答フレームを送信する。各端末は、送達確認応答フレームで自装置の検査結果を確認することで、自装置が送信したデータフレームがアクセスポイントで正しく受信出来たかを把握する。検査結果が失敗を示す場合は、各端末は、必要に応じてデータフレームの再送を行う。送達確認応答の方法の詳細に関しては、後述する。
図1の例では、アクセスポイント11へ同時に送信可能なデータストリームの数が4であり、同時に通信する無線端末の台数も4であるが、本実施形態は、これに限定されない。例えばアクセスポイント11へ送信可能なデータストリームの数が4であり、同時に通信する無線端末の台数が3でもよい。この場合、3台のうちの1台の無線端末が複数のアンテナを備えて、当該無線端末はアクセスポイント11に対して2ストリームのMIMO送信を行ってもよい。なお、図1において、無線端末1〜4以外にも、アクセスポイント11と無線リンクを確立した他の端末が存在してもよい。
アップリンクマルチユーザMIMO送信では、アクセスポイント11が備えるアンテナの個数などにより、アクセスポイント11に同時に送信可能なデータストリーム数に制限がある。このため、各無線端末は予め自らの端末が送信してよいか否かを、把握しておく必要がある。また、データフレーム送信を行う各無線端末は、何らかの方法により送信タイミングを合わせる必要がある。
そのため、アップリンクマルチユーザMIMOでは、図2の例に示すように、予めアクセスポイント11が第1ネットワーク内に属する無線端末に対し、アップリンクマルチユーザMIMO送信を許可する無線端末を通知する情報(以下、許可端末情報)を送信する。また、アクセスポイント11は、通知した各無線端末がアップリンクマルチユーザMIMO送信を行うための送信タイミングを合わせるためのトリガとなる通知フレームを送信する。本実施形態ではこのトリガとなる通知フレームに、アップリンクマルチユーザMIMO送信の許可端末情報も含める。ただし、トリガとなる通知フレームとは別に、アップリンクマルチユーザMIMO送信の許可端末情報を含むフレームを送信してもよい。
具体的に、アップリンクマルチユーザMIMO送信を実現するために、まずアクセスポイント11は、アップリンクマルチユーザMIMO送信を許可する複数の無線端末を選定する。無線端末の選定方法はどのようなものでもよい。例えば、事前に送信要求があった無線端末の中から選定する方法や、無線リンクを確立している無線端末の中から順次ラウンドロビンで選定する方法などが考えられる。ただし、1度に選定する無線端末数はアクセスポイント11自らが備えるアンテナ数以下となる。
アクセスポイント11は、選定した無線端末に対しアップリンクマルチユーザMIMO送信を許可するため、選定した複数の無線端末を指定する許可端末情報を含んだ通知フレームを任意の1つのアンテナから送信する。なお、アクセスポイント11は、通知フレームを複数のアンテナから送信することも可能である。通知フレームの送信は、一例として、ブロードキャストで行う。ただし、通知フレームを、許可する無線端末が含まれるマルチキャストやユニキャストなど、ブロードキャスト以外の方法で送信してもよい。
なお、アクセスポイント11は、CSMA/CAに基づき、通知フレームの送信前にキャリアセンスを行い、送信権を獲得するものとする。送信権は、キャリアセンスを行っている間に、一定値レベル以上の信号が受信されなければ、キャリアセンス結果がアイドルとして、獲得される。キャリアセンスを行っている間、一定値レベル以上の信号が受信された場合は、キャリアセンス結果がビジーとして、送信権は獲得されない。この場合、再度、バックオフ時間をおいて、キャリアセンスを行えばよい。
図2の例では、無線端末として無線端末1〜4が選択された例となる。各無線端末1〜4は、アクセスポイント11から送信された通知フレームをそれぞれ受信する。無線端末1〜4は、通知フレーム内の許可端末情報(通知情報)を解析することで、アップリンクマルチユーザMIMO送信の対象として自装置が指定されたことを認識する。
アップリンクマルチユーザMIMO送信対象として指定された各無線端末1〜4は、通知フレーム受信から一定時間T1後に自らの送信バッファに保持されているデータフレームを、それぞれ同一の周波数帯域でアクセスポイント11に送信する。すなわち、各無線端末から、空間的に多重されたアップリンクマルチユーザMIMOによってデータフレームが伝送される。一定時間T1は、予め定められた一定時間であれば任意の値でよい。一例として、IEEE802.11無線LANのMACプロトコル仕様で規定されているフレーム間のタイムインターバルであるSIFS(Short Inter-frame Space)時間(=16μs)を用いることができる。
また、アップリンクマルチユーザMIMO送信対象として指定された各無線端末1〜4は、通知フレーム受信から一定時間T1後にデータフレーム送信を行う方法ではなく、通知フレーム内に送信すべきタイミングを記載し、各無線端末は通知フレーム受信により送信タイミングを把握し、指定されたタイミングで自らの送信バッファに保持されているデータフレームを送信する方法であってもよい。この方法の場合、通知フレーム内で通知する送信タイミングとしては、通知フレーム受信後からの経過時間として通知してもよいし、お互いに共有しているタイムスタンプ時間の値を通知してもよい。
いずれの方法であっても、各無線端末1〜4は送信タイミングを合わせることができ、同じタイミングにてデータフレームの送信が可能となる。すなわち、アップリンクマルチユーザMIMO送信が可能となる。
また、アップリンクマルチユーザMIMOによって伝送された各無線端末のデータフレームは、アクセスポイント11では同時に重ね合わさった信号として受信される。このため、アクセスポイント11では、これらの信号を空間的に分離する必要がある。具体的には、アクセスポイント11は、各無線端末が送信するデータフレームの先頭に付加されたプリアンブル部を利用して、各無線端末からアクセスポイント11へのアップリンクの無線伝搬路応答をそれぞれ推定する。プリアンブル部は、無線伝搬路推定に用いられる既知ビット列で構成される。アクセスポイント11は、推定したアップリンクの伝搬路応答を用いることで、各無線端末から受信したデータフレームのプリアンブルより後のフィールド(例えばデータフィールド)を正しく空間的に分離することが出来る。これは、公知の手法、例えばZF(Zero-Forcing)法、または、MMSE(Minimum Mean Square Error)法、または、最尤推定法等、任意の方法を用いて行うことができる。
ここで、アクセスポイント11が、各無線端末から送信されるデータフレームのプリアンブル部を用いて各無線伝搬路応答を推定する際、少なくともプリアンブル部は各無線端末間で互いに(空間以外で)直交した形で送信する必要がある。プリアンブル部が直交していないと、アクセスポイント11は各無線端末が混信したプリアンブル部を受信することになり、正しく無線伝搬路の推定が出来ない。この場合、プリアンブル部以降のフィールドを空間的に分離(直交化)出来ない。プリアンブル部が直交していることにより、アクセスポイント11は、各無線端末のプリアンブル部を正しく認識できる。それを利用して、アクセスポイント11は、各無線端末とアクセスポイント11間の無線伝搬路推定をそれぞれ行うことができる。
各無線端末の送信するデータフレームのプリアンブル部の直交化の方法として、時間的、周波数的、符号的のいずれの方法で直交していてもよい。時間直交の場合には、各無線端末が順次プリアンブル部を送信するため、ある時間には、いずれの無線端末のみがプリアンブル部を送信していることになる。周波数直交の場合には、各無線端末が異なる周波数を利用してプリアンブル部を送信する。符号直交の場合には、各無線端末がそれぞれ直交行列の互いに異なる行(または互いに異なる列)を利用した符号化パターンでプリアンブル部を送信する。直行行列の各行(または各列)は互いに直行の関係にある。いずれの直交化の方法でも、アクセスポイント11では各無線端末のプリアンブル部の識別が可能となる。プリアンブル部の直交化の方法がいずれであるかは、システムとして予め決まっているものとする。
また、各無線端末から送信するプリアンブル部を互いに直交させるために、どのように送信するかの情報を、各無線端末に与えておく必要がある、具体的には、時間直交の場合にはどの異なる時間タイミングでそれぞれプリアンブル部を送信するか、周波数直交の場合にはどの異なる周波数でそれぞれプリアンブル部を送信するか、符号直交の場合にはどの異なる符号化パターン(直交行列のどの行または列のパターン)でそれぞれプリアンブル部を送信するか、の情報が必要となる。例えば、周波数直交の場合に、2台以上の無線端末が同一の周波数でプリアンブル部を送信してしまうと、それらは直交していないため、アクセスポイント11では、それらを送信した無線端末との無線伝搬路の推定を正しく行えなくなるためである。この情報は、アクセスポイント11が通知フレームを利用してアップリンクマルチユーザMIMO送信を許可する無線端末のそれぞれに通知してもよい。あるいは、これとは別の方法で通知することにより、各無線端末にこの情報を与えてもよい。
いずれにしろ、各無線端末はアップリンクマルチユーザMIMOによりデータ送信を行う際には、それぞれが送信すべきプリアンブル部またはプリアンブル部の送信方法は、何らかの方法で把握出来ているものとする。各無線端末は、それぞれ把握したプリアンブル部を事前に把握して方法で送信することで、お互いプリアンブル部が直交したデータ送信が出来る。
図3に、通知フレームのフレームフォーマットの例を示す。例えばFrame Controlフィールド、Durationフィールド、RAフィールド、TAフィールド、共通情報フィールド、端末情報フィールド、FCSフィールドを含む。
Frame Controlフィールドには、フレームの種別などを表す情報が設定される。
Durationフィールドには、バーチャルキャリアセンスとして設定する時間が格納される。Durationフィールドに値が設定されたフレームを受信した装置は、このフィールドに設定されたこの時間が0になるまでカウントダウンし、0になるまでは、ビジーであると認識する。これをバーチャルキャリアセンスと呼ぶ。
RA(Receiver Address)フィールドには、通常、フレームの宛先(送信先)のMACアドレスが設定される。通知フレームは、複数の無線端末宛に送信されるため、RAフィールドには、ブロードキャストアドレスを設定してもよい。ただし、RAとして、ブロードキャストアドレスではなく、許可する無線端末を含むマルチキャストアドレスを設定してもよいし、無線端末のMACアドレス(ユニキャストアドレス)を設定してもよい。ユニキャストアドレスを設定する場合は、RAフィールドを複数設けることで、複数の宛先を指定してもよい。この場合、複数の宛先が設定されていることをFrame Controlフィールドで定義してもよい。
TA(Transmitter Address)フィールドには、フレーム送信元のMACアドレスが含まれる。通知フレームの場合、TAフィールドには、アクセスポイントのMACアドレスが設定される。
共通情報フィールドは、アップリンクマルチユーザMIMO送信を行うために必要な情報として、アップリンクマルチユーザMIMO送信を許可する各無線端末に対し、共通に通知すべき情報が設定される。例えば、選択したアップリンクマルチユーザMIMO送信を行う各無線端末に対し、通知フレームで送信タイミングを指定する方法の場合には、共通情報フィールドに、送信タイミングが設定される。通知フレーム受信から一定時間T1後にデータ送信を行う方法の場合は、T1の値は各無線端末で既知であるため、送信タイミングの通知は不要である。また、後述するように、端末情報フィールドの数は可変であるため、端末情報フィールドの数を、共通情報フィールドに設定してもよい。また、アップリンクマルチユーザMIMO送信で許可するデータフレーム長を、共通情報フィールドに設定するようにしてもよい。
端末情報フィールド(個別情報フィールド)は、アップリンクマルチユーザMIMO送信を許可する無線端末ごとに設けられる。端末情報フィールドの数は、アップリンクマルチユーザMIMOを許可する無線端末の数に応じて可変である。図2の例では、端末情報フィールド数は4つ設けられる。すなわち端末情報フィールド1、端末情報フィールド2、端末情報フィールド3、端末情報フィールド4が設けられる。
端末情報フィールドには、アップリンクマルチユーザMIMO送信対象となる無線端末の識別情報と、指定した各無線端末がアップリンクマルチユーザMIMO送信を行うために必要な情報として、当該無線端末に固有の個別情報(後述するようにプリアンブル部送信方法など)が含まれる。変形例として、アップリンクマルチユーザMIMO送信対象となる各無線端末の識別情報を、各端末情報フィールドではく、共通情報フィールドに設定することも考えられる。
各無線端末は、図3に示すようなフォーマットを有する通知フレームを受信し、自装置の識別情報が端末情報フィールドのいずれか(または共通情報フィールド)に含まれている場合は、自らがアップリンクマルチユーザMIMO送信を行うべき対象として指定されていることを把握することが出来る。図2の例では、端末情報フィールド1〜4にそれぞれ無線端末1〜4の識別情報が設定されている。
また、各無線端末がアップリンクマルチユーザMIMOでデータ送信を行う際のプリアンブル部の送信方法を通知フレームを用いて通知する場合には、各端末情報フィールドには各無線端末が実施すべきプリアンブル部送信方法(時間タイミングor周波数or直交行列符号パターン)がそれぞれ設定されている。各無線端末は、自装置の識別情報が含まれた端末情報フィールド内に指定されたプリアンブル部送信方法に従ってデータフレームを送信する。これにより、各無線端末が送信したデータフレームのプリアンブル部はそれぞれ直交した形で送信される。
また、アップリンクマルチユーザMIMO送信対象となる無線端末の指定の方法として、各端末情報フィールドにアップリンクマルチユーザMIMO送信対象となる無線端末の識別情報を設定する方法以外に、以下のようなグループ番号を通知する方法であってもよい。
アクセスポイント11は、無線リンクを確立した複数の無線端末の中から、事前にアップリンクマルチユーザMIMO送信を行う様々な端末の組み合わせのグルーピングを行っておく。例えば、グループ1として無線端末1,2,3,4の組み合わせ、グループ2として無線端末1,3,4の組み合わせ、グループ3として無線端末1,2,4,5などである。グループの種類はいくつあってもよく、また1台の無線端末が複数のグループに所属していてもよい。
アクセスポイント11は、グルーピングした結果を各無線端末に専用のフレームを用いて通知することで、各無線端末は自装置がいずれのグループ番号に属しているかを事前に把握することができる。アクセスポイント11は、適宜新たなグループを追加してもよく、また既に存在しているグループに所属している無線端末の組み合わせを変更してもよい。アクセスポイント11は、グループの追加あるいは変更を行う都度、専用のフレームを用いて通知する。
またその際に、グルーピングされた各無線端末のプリアンブル部の送信方法もそれぞれ通知するようになっていてもよい。この場合、同じグループに属する無線端末には互いに直交する形でプリアンブル部を送信するためのプリアンブル部送信方法を通知する。
各無線端末は、自装置がいずれのグループ番号に属しているか、ならびに自装置が属しているグループ番号ごとに自装置がどのようなプリアンブル部の送信を行えばよいかなどを事前に把握している。このため、アクセスポイント11は通知フレームではアップリンクマルチユーザMIMOを許可したい端末の組み合わせに応じて、グループ番号を通知するのみで、アップリンクマルチユーザMIMO送信を許可する端末を指定できる。通知フレームでグループ番号の通知を行う場合には、例えば共通情報フィールドにグループ番号を設定する。
各無線端末は、通知フレームを受信し、共通情報フィールドに設定されているグループ番号が、自装置が属するグループ番号であった場合には、自装置がアップリンクマルチユーザMIMO送信の対象端末であることを認識する。
この方法の場合には、都度、通知フレーム内で無線端末の識別情報を用いた通知は不要となる。
FCS(Frame Check Sequence)フィールドには、通知フレーム51のFCS情報が設定される。FCS情報は、受信装置側でフレーム誤り検出のため用いられる。
次に、アクセスポイント11が各無線端末からアップリンクマルチユーザMIMO伝送により送信されたデータフレームに対し、各無線端末に対する送達確認応答の方法について述べる。
アクセスポイント11は、アップリンクマルチユーザMIMO送信による複数端末からのデータフレームを受信した後、各受信データフレームのFCSフィールドを利用して誤り検出(CRCチェック)を行う。アクセスポイント11は、各受信データフレームにおける誤り検出の結果をビットマップの形で含む送信確認応答フレームを作成する。ビットマップでは、各ビットが1データフレームのCRC結果にそれぞれ対応する。アクセスポイント11は、図2に示すように、各受信データフレームの受信から一定時間T2後に該送達確認応答フレームを送信する。
アクセスポイント11による送達確認応答フレームの送信は、一例として、ブロードキャストで行う。ただし、通知フレームを、許可する無線端末を含むマルチキャストやユニキャストなど、ブロードキャスト以外の方法で送信してもよい。
一定時間T2は、予め定められた一定時間であれば任意の値でよい。一例として、IEEE802.11無線LANのMACプロトコル仕様で規定されているフレーム間のタイムインターバルであるSIFS(Short Inter-frame Space)時間(=16μs)を用いることができる。
また、アクセスポイント11が送信する送達確認応答フレームの送信タイミングとして、予め定められた一定時間T2後ではなく、任意の時間後であってもよい。この場合は、例えば通知フレームあるいは他フレームなどで、各無線端末に事前に送信タイミングを通知しておく。これにより、各無線端末は送達確認応答フレームを受信するタイミングを把握することが出来る。
また、アクセスポイント11は、CSMA/CAに基づき、送達確認応答フレームの送信前にキャリアセンスを行い、送信権を獲得後、送達確認応答フレームを送信するようにしてもよい。
図4に送達確認応答フレームのフレームフォーマットの例を示す。本フレームフォーマットは、例えばFrame Controlフィールド、Durationフィールド、RAフィールド、TAフィールド、Bitmap(ビットマップ)フィールド、FCSフィールドを含む。
送達確認応答フレームを複数の無線端末にブロードキャスト送信する場合は、RAフィールドには、ブロードキャストアドレスを設定する。ただし、マルチキャスト送信する場合は、RAフィールドには、ブロードキャストアドレスではなく、マルチキャストアドレスを設定してもよい。または、複数の無線端末のうちの1つの無線端末のMACアドレス(ユニキャストアドレス)を設定してもよい。この場合、無線端末は、通知フレームで自装置以外の指定された他の無線端末の情報を記憶しておき、このRAフィールドに自装置ではないが、当該指定された他の無線端末のアドレスが格納されている場合は、この送達確認応答フレームは自装置宛てでもあると解釈すればよい。
Frame Controlフィールド、Durationフィールド、TAフィールド、FCSフィールドは、通知フレームと同様であるため、説明を省略する。
以下、Bitmapフィールドに関して詳細を述べる。Bitmapフィールドは、アップリンクマルチユーザMIMOにより各無線端末から受信した各データフレームのCRC結果に基づき設定する。具体的には、ビットマップの1ビットが、1受信データフレームのCRC結果を表す。CRC=OK(受信成功)の場合には“1”、CRC=NG(受信失敗)の場合には“0”でそれぞれのビットを表す。“1”と“0”は逆の場合でもよい。そのため、Bitmapフィールドとして最低限必要なビットサイズは、アップリンクマルチユーザMIMO伝送にてデータ送信される無線端末数となる。図2の場合には、4台の無線端末からアップリンクマルチユーザMIMO伝送にてデータが送信されるため、Bitmapフィールドとして必要なビット数は最低4ビットである。ただし、1つの無線端末が複数のデータストリームを送信する場合で、かつ各データストリームで異なるデータフレームを送信する場合は、データストリームごとにビットが必要となる。この場合は、Bitmapフィールドとして必要なビット数は、アップリンクマルチユーザMIMO送信する無線端末の合計データストリーム数以上となる。以下では、1つの無線端末からは同時に1つのデータフレームを送信する場合を想定して説明を続ける。
Bitmapフィールドの長さは、アップリンクマルチユーザMIMO多重数に応じて可変であってもよいし、固定であってもよい。固定の場合には、例えばBitmapフィールドの長さは、予め決められているアップリンクマルチユーザMIMO伝送で送信可能な最大無線端末数(データフレーム数)と同じビット数とする。この場合、(送信可能な最大無線端末数−送信された端末数)と等しいビット数は、Bitmapフィールド内でリザーブのビット扱いとなる。
また、Bitmapフィールドの長さがバイト単位になるように、最低限必要なビット数に応じて、8ビット単位で切り上げて、Bitmapフィールドの長さが決まるようになっていてもよい。例えば、図2の場合には最低限必要なビット数は4ビットであるため、バイト単位で切り上げられ、Bitmapフィールドの長さは、8ビットになる。この場合、バイト単位で切り上げ時に付加されたビット数(図2の場合には4ビット)は、リザーブのビット扱いとなる。
なお、Bitmapフィールドの長さが可変の場合、あるいは8ビット単位で切り上げられる場合も、事前に送信される通知フレームで、アップリンク送信許可された無線端末数が把握可能であるため、各無線端末はBitmapフィールドの長さを把握出来る。また、図4には記されていないが、必要に応じて、Bitmapサイズを示すフィールドがBitmapフィールドの前に追加されてもよい。
送達確認応答フレーム内のBitmapフィールドは、アップリンクマルチユーザMIMO伝送にて受信した各無線端末のデータフレームのCRC結果を反映することについては上記で説明した。
次に、どの無線端末が送信したデータがBitmapフィールドのいずれのビット位置に反映するかについて説明する。
基本的に、ビット位置は、通知フレームで通知する端末情報フィールドに設定される端末情報と関連する。例えば、4台の無線端末(端末1〜4)にアップリンクマルチユーザMIMO送信を許可する場合、端末情報フィールドとして端末情報フィールド1、端末情報フィールド2、端末情報フィールド3、端末情報フィールド4が設けられている。各端末情報フィールドの無線端末の識別情報として、それぞれ順に無線端末1、無線端末2、無線端末3、無線端末4が設定されていた場合、送達確認応答フレーム内のBitmapフィールドも、それに対応して、Bitmapの最下位ビットから順に無線端末1が送信したデータフレームのCRC結果、無線端末2が送信したデータフレームのCRC結果、無線端末3が送信したデータフレームのCRC結果、無線端末4が送信したデータフレームのCRC結果を反映した形とする。例えば、無線端末1〜4が送信したデータフレームのCRC結果がそれぞれOK、NG、NG、OKだった場合には、Bitmapフィールドは最下位ビットから順に“1”、“0”、“0”、“1”と表される。
各端末情報フィールドの無線端末の識別情報として、それぞれ順に無線端末3、無線端末2、無線端末4、無線端末1が設定されていた場合には、送達確認応答フレーム内のBitmapフィールドは、Bitmapの最下位ビットから順に、無線端末3、無線端末2、無線端末4、無線端末1が送信したデータフレームのCRC結果を反映した形となる。
ここでは、最下位ビットから順にCRC結果が反映させる例を示したが、最上位ビットから順に反映させる形態でも構わない。また、最下位ビットまたは最上位ビットから順にCRC結果を反映させるのではなく、最下位ビットまたは最上位ビット、以外の所定ビットから、下位ビットまたは上位ビット方向にCRC結果を順に反映させてもかまわない。この場合、最上位ビットと最下位ビットが連続しているとみなして、無線端末は自装置のビットを特定してもよい。ここで述べた方法以外にも、無線端末の識別情報が各端末情報フィールドに設定された順序と、Bitmapフィールドのビット位置との対応が一意に定まる限り、任意の方法を用いることができる。
このように、各無線端末は、通知フレームを受信することで、自装置がアップリンクマルチユーザMIMO送信対象となる無線端末であることを把握すると共に、自装置が何番目の端末情報フィールドで通知されたかを把握する。これにより、各無線端末は、データフレーム送信に対する送達確認応答フレームにおいて、自装置が送信したデータフレームに対するCRC結果を反映した情報がBitmapのどのビット位置に対応しているかを把握することが出来る。
上述した例では、各無線端末の識別情報が各端末情報フィールドに設定された順序に応じて、Bitmapフィールドでの各無線端末のCRC結果の位置を特定したが、各無線端末のCRC結果の位置を、共通情報フィールドあるいは各端末情報フィールドで指定することも可能である。例えば無線端末1は最下位ビット、無線端末2は最下位ビットから3ビット目などのように指定することも可能である。この場合、Bitmapフィールドにおける各無線端末のビット位置と、各端末情報フィールドで設定された無線端末の識別情報の順序は必ずしも関連性はない。
アップリンクマルチユーザMIMO送信対象となる無線端末の指定の方法として、端末情報フィールドに個別の識別情報を設定する方法ではなく、事前のグルーピング化によるグループ番号を通知する場合には、以下のようにして各無線端末は自装置のビット位置を特定する。
一例として、Bitmap内のビット位置は、グルーピングした結果を各無線端末に専用のフレームを用いて通知する際、専用フレーム内で通知した順番に起因するものとする。例えばグループ番号1は、無線端末1、2、3、グループ番号2は、無線端末2、3、4として専用フレームで通知するとする。この場合、グループ番号1の場合は、Bitmap内の最下位ビットから順番に、無線端末1、2、3がこの順に割り当てられる。グループ番号2の場合は、Bitmap内の最下位ビットから順番に、無線端末2、3、4がこの順に割り当てられる。このように、通知フレームにてグループ番号を通知する場合でも、送達確認応答フレームのBitmapフィールド内でのビット位置が一意に決まることになる。ここでは最下位ビットから順番に割り当てる例を示したが、上述したように、最上位ビットから順番に割り当ててもよいし、これら以外のビットから割り当ててもよい。
図5は、アクセスポイント11の無線通信装置の機能ブロック図である。上述したように、アクセスポイント11は無線端末側のネットワーク(第1ネットワーク)に加え、これとは別のネットワーク(第2ネットワーク)に接続されてもよい。図5では、第1ネットワーク側の無線通信装置の構成を示している。
無線通信装置は、制御部101と、送信部102と、受信部103と、アンテナ12A、12B、12C、12Dと、バッファ104とを備えている。制御部101は、無線端末との通信を制御する通信制御装置に対応し、送信部102と受信部103は、一例として、無線通信部を形成する。制御部101あるいは通信制御装置の処理は、CPU等のプロセッサで動作するソフトウェア(プログラム)によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、これらのソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。
バッファ104は、上位層と制御部101との間で、データフレームを受け渡しするための記憶部である。上位層は、第2ネットワークから受信したフレームを第1のネットワークへの中継のためバッファ104に格納したり、第1ネットワークから受信したフレームを制御部101から受け取ったりする。上位層は、TCP/IPやUDP/IPなど、MAC層の上位の通信処理を行ってもよい。また、上位層は、データを処理するアプリケーション層の処理を行ってもよい。上位層の動作は、CPU等のプロセッサによるソフトウェア(プログラム)の処理によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。
制御部101は、主としてMAC層の処理、物理層の処理の一部(例えばMIMO関連の処理等)を行う。制御部101は、送信部102および受信部103を介して、フレームを送受信することで、第1ネットワークにおける各無線端末との通信の制御を行う。また制御部101は、定期的にビーコン信号フレームを送信するよう制御してもよい。制御部101は、クロックを生成するクロック生成部を含んでもよい。また制御部101は外部からクロックが入力されるように構成されてもよい。クロック生成部で生成したクロックまたは外部入力されたクロックによって、制御部101は内部時間を管理してもよい。制御部101は、クロック生成部で作ったクロックを、外部に出力してもよい。
制御部101は、無線端末からのアソシエーション要求を受けて、必要に応じて認証等のプロセスを経て、当該無線端末と無線リンクを確立する。制御部101は、バッファ104を定期的に確認する。または、制御部101は、バッファ104等の外部からのトリガによりバッファ104を確認する。制御部101は、何らかの判断により無線リンクを確立した無線端末の中からアップリンクマルチユーザMIMO送信を許可する複数の無線通信端末を選択し、これらの無線端末を指定する端末許可情報(通知情報)を含む通知フレームを生成する。また、制御部101は、必要に応じて、各無線端末にデータフレームの送信方法を指定するための情報(共通情報、個別情報、またはこれらの両方)を、通知フレームの共通情報フィールド、端末情報フィールドまたはこれらの両方に設定する。
制御部101は、生成した通知フレームを、使用する通信方式に従って、送信部102から送信する。一例としてキャリアセンスを行い、送信権を獲得できたら、制御部101は、生成した通知フレームを送信部102に出力する。送信部102は、各アンテナに対応する送信系統を含み、特定の送信系統を用いて、入力された通知フレームに変調処理や物理ヘッダの付加など、所望の物理層の処理を行う。また、物理層の処理後のフレームに対して、DA変換や、所望帯域の信号成分を抽出するフィルタ処理、周波数変換(アップコンバート)を行う。送信部102は、周波数変換された信号を増幅して、任意の1つのアンテナから空間に電波として放射する。なお、通知フレームを複数の送信系統に入力して、複数のアンテナから送信する構成も可能である。
各アンテナで受信された信号は、受信部103において、それぞれアンテナに対応する受信系統ごとに処理される。例えば、上述した通知フレームの送信後に、通知フレームで指定した複数の無線端末から返信されるデータフレームの信号が各アンテナで同時に受信される(アップリンクマルチユーザMIMO受信)。受信部103における各受信系統へ、各アンテナの受信信号が入力される。各受信信号は、それぞれ受信系統において増幅され、周波数変換(ダウンコンバート)され、フィルタリング処理で所望帯域成分が抽出される。各抽出された信号は、さらにAD変換によりデジタル信号に変換されて、復調等の物理層の処理を経た後、それぞれ制御部101に入力される。
制御部101は、各受信系統から入力された信号のプリアンブルに基づき、伝搬路推定を行うことで、アップリンクの伝搬路応答行列を取得する。制御部101は、推定により得たアップリンクの伝搬路応答行列に基づき、プリアンブル以降のデータ部を無線端末ごと(伝搬路情報フレームごと)に分離する。これにより、アクセスポイント11は複数の無線端末から同時に送信されたデータフレームを混信することなく受信が出来る。
また、制御部101は、各無線端末からアップリンクマルチユーザMIMOにより送信されたデータフレームの受信から一定時間後に、送達確認応答フレームを送信するよう制御する。制御部101は各無線端末から受信したデータフレームのCRCチェックをそれぞれ行い、各CRC結果をBitmap形式に反映し、該Bitmapを含む送達確認応答フレームを生成する。一例として、Bitmapにおいて、受信した各無線端末からのデータフレームのCRC結果をどのビット位置に反映するかは、通知フレームで無線端末を指定する順番と1対1の関係で決定する。具体的な方法は前述した通りである。
送信部102は、複数の送信系統のうちの少なくとも任意の1つに送達確認応答フレームを入力する。当該送信系統では、入力された送達確認応答フレームを変調し、変調された信号に対して物理ヘッダの付加等の物理層の処理を行い、物理層の処理後の各フレームに対して、DA変換や、所望帯域の信号成分を抽出するフィルタ処理、周波数変換(アップコンバート)を行う。送信部102は、周波数変換された信号を増幅して、上記送信系統に対応するアンテナから空間に電波として放射する。なお、送達確認応答フレームを複数の送信系統に入力して、複数のアンテナから送信する構成も可能である。
上述した制御部101と送信部102の処理の切り分けは一例であり、別の形態も可能である。例えばデジタル領域の処理までは制御部101で行い、DA変換以降の処理を送信部102で行うようにしてもよい。制御部101と受信部103の処理の切り分けについても同様に、AD変換までの処理を受信部103で行い、その後の物理層の処理を含むデジタル領域の処理を制御部101で行うようにしてもよい。ここで述べた以外の切り分けを行ってもよい。
図6は、無線端末1に搭載される無線通信装置の機能ブロック図である。無線端末2〜4に搭載される無線通信装置も無線端末1と同様の構成を有するため、以下では無線端末1の説明によって、無線端末2〜4の説明に代える。
無線通信装置は、制御部201と、送信部202と、受信部203と、アンテナ1Aと、バッファ204とを備えている。制御部201は、アクセスポイント11との通信を制御する通信制御装置に対応し、送信部202と受信部203は、一例として、無線通信部を形成する。制御部201あるいは通信制御装置の処理は、CPU等のプロセッサで動作するソフトウェア(プログラム)によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、これらのソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。
バッファ204は、上位層と制御部201との間で、データフレームを受け渡しするための記憶部である。上位層は、他の無線端末、アクセスポイント11、またはサーバ等の他のネットワーク上の装置に送信するフレームを生成して、バッファ204に格納したり、第1ネットワークで受信したフレームを、バッファ201を介して受け取ったりする。上位層は、TCP/IPやUDP/IPなど、MAC層の上位の通信処理を行ってもよい。また、上位層は、データを処理するアプリケーション層の処理を行ってもよい。上位層の処理は、CPU等のプロセッサで動作するソフトウェア(プログラム)によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、これらのソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。
制御部201は、主としてMAC層の処理を行う。制御部201は、送信部202および受信部203を介して、アクセスポイント11とフレームを送受信することで、アクセスポイント11との通信を制御する。制御部201は、例えばアクセスポイント11から定期的に送信されるビーコン信号フレームを、アンテナ1Aおよび受信部203を介して受信する。制御部201は、クロックを生成するクロック生成部を含んでもよい。また制御部201は外部からクロックが入力されるように構成されてもよい。クロック生成部で生成したクロックまたは外部入力されたクロックによって、制御部201は内部時間を管理してもよい。制御部201は、クロック生成部で作ったクロックを外部に出力してもよい。
制御部201は、一例としてビーコン信号を受信してアクセスポイント11にアソシエーション要求を行い、必要に応じて認証等のプロセスを経て、当該アクセスポイント11と無線リンクを確立する。制御部201は、バッファ204を定期的に確認する。または、制御部201は、バッファ204等の外部からのトリガによりバッファ204を確認する。制御部201は、アクセスポイント11へ送信するフレームがあることを確認したら、当該フレームを読み出して、使用する通信方式に従って、送信部202およびアンテナ1Aを介して送信する。あるいは、アクセスポイント11から通知フレームを受信することにより、自装置がアップリンクマルチユーザMIMOにて送信許可されたタイミングで、当該フレームを読み出して、使用する通信方式に従って、送信部202およびアンテナ1Aを介して送信する。
送信部202は、制御部201から入力されたフレームに変調処理や物理ヘッダの付加など、所望の物理層の処理を行う。また、物理層の処理後のフレームに対して、DA変換や、所望帯域の信号成分を抽出するフィルタ処理、周波数変換(アップコンバート)を行う。送信部202は、周波数変換された信号を増幅して、アンテナから空間に電波として放射する。
アンテナ1Aで受信された信号は、受信部203において処理される。例えば、アクセスポイント11から通知フレームの信号が受信され、受信部203において処理される。受信信号は、受信部203において増幅され、周波数変換(ダウンコンバート)され、ファイルタリング処理で所望帯域成分が抽出される。各抽出された信号は、さらにAD変換によりデジタル信号に変換されて、復調等の物理層の処理を経た後、制御部201に入力される。
制御部201は、入力された信号に基づき通知フレームを検出した場合、通知フレームにおいて自装置がアップリンクマルチユーザMIMO送信の対象として指定されているかを、自装置の識別情報がいずれかの端末情報フィールドに格納されているかで確認する。また、制御部201は、自装置の識別情報が含まれている位置(順序)により、その後アクセスポイント11から送信される送達確認応答フレームにおけるBitmapフィールド内で自装置が送信したデータフレームのCRC結果が反映されるビット位置を確認する。
なお、制御部201は、共通情報フィールドに自装置の識別情報が格納されているかで、自装置がアップリンクマルチユーザMIMO送信の対象として指定されているかを確認する構成も可能である。この場合も、共通情報フィールドで自装置の識別情報が含まれている位置(順序)により、自装置のCRC結果が反映されているビット位置を確認する。
また、共通情報フィールドで指定されたグループ番号にて、自装置がアップリンクマルチユーザMIMO送信の対象として指定されているかで確認する構成も可能である。この場合、事前に自装置が属するグループ番号の通知をアクセスポイント11から受けておく。自装置が属するグループ番号が通知された際、グループ内で自装置の識別情報が指定された位置(順序)により、自装置のCRC結果が反映されているビット位置を確認する。
制御部201は、自装置がアップリンクマルチユーザMIMO送信の対象として指定されていることを確認した場合は、必要に応じて、自装置のアップリンクマルチユーザMIMOの送信方法に関する情報(共通情報、個別情報)が、共通情報フィールド、端末情報フィールドまたはこれらの両方のフィールドに格納されているかを確認する。格納されている場合は、該当するフィールドから送信方法に関する情報を読み出す。読み出した情報に、自装置のデータフレームの送信の際に使用するプリアンブルを特定するための情報が含まれる場合は、当該情報に基づき、使用するプリアンブルを特定する。なお、使用するプリアンブルが事前に与えられている場合は、そのプリアンブルを用いるようにしてもよい。
制御部201は、通知フレームにおいて自装置がアップリンクマルチユーザMIMO送信の対象として指定さている事を確認した場合、バッファ204に格納されているデータフレームを読み出し、必要に応じて特定した使用プリアンブルを指定し、通知フレームの受信から一定時間後にアクセスポイント11に送信するように制御する。データフレームは送信部202およびアンテナ1Aを介して送信される。送信部202の動作は上述した通りである。
また、通知フレームで、アップリンクマルチユーザMIMO送信のタイミングが指定されている場合には、指定されたタイミングでアクセスポイント11に送信するように制御する構成も可能である。
制御部201は、アップリンクマルチユーザMIMOによるデータフレームの送信後、アクセスポイント11から送信される送達確認応答フレームを待機する。制御部201は、受信部203から入力された信号に基づき、アクセスポイント11からの送達確認応答フレームの受信を検出した場合は、送達確認応答フレーム内のBitmapフィールドを確認する。制御部201は、Bitmapフィールド内の、自装置が送信したデータフレーム対するCRC結果が反映されたビット位置を特定する。制御部201は、該ビットが“0”あるいは“1”であるかにより、正しくデータフレームをアップリンクマルチユーザMIMO送信できたか否かを判断する。
制御部201は、アップリンクマルチユーザMIMOによりデータフレームを正しく送信出来ていたことを確認した場合は、送信処理を完了する。一方、データフレームが正しく送信出来ていなかったことが確認された場合は、必要に応じて、該データフレームの再送処理を行う。再送の方法はシステム構成に応じて任意の方法を用いることができる。例えば次回、通知フレームで自装置が指定された際に、アップリンクマルチユーザMIMOで再送のデータフレームを送信する方法や、送達確認応答フレームの受信完了からSIFS経過後に、再送のデータフレームをアップリンクマルチユーザMIMOで送信する方法でもよい。これら以外の方法で再送を行ってもよい。
なお、これまではアップリンクマルチユーザMIMOにより送信するフレームは、データフレームである場合を説明したが、データフレーム以外の各種管理フレームや制御フレームを、アップリンクマルチユーザMIMOにより送信を行うことも可能である。各種管理フレームや制御フレームに関しても、これらのフレームが必要に応じてバッファ204に格納されており、制御部201はバッファ204から読み出すことにより送信が可能である。
上述した制御部201と送信部202の処理の切り分けは一例であり、別の形態も可能である。例えばデジタル領域の処理までは制御部201で行い、DA変換以降の処理を送信部202で行うようにしてもよい。制御部201と受信部203の処理の切り分けについても同様に、AD変換までの処理を受信部203で行い、その後の物理層の処理を含むデジタル領域の処理を制御部201で行うようにしてもよい。ここで述べた以外の切り分けを行ってもよい。
以上のように、本実施形態では、アップリンクマルチユーザMIMO送信に対する各無線端末への送達確認応答として、複数の無線端末に対する送達確認応答を順次返信するのではなく、全無線端末に対し、1つの送達確認応答フレームでまとめて返信する。これにより、オーバーヘッドを削減し、効率化を図ることが可能となる。
更に、返信する送達確認応答フレームにおいては、各無線端末に対する送達確認応答の情報をビットマップ化することで、従来のような各無線端末に対する単体の送達確認応答フレームを集約したスーパーフレームで返信する場合に比べ、フレーム長を短縮出来る。このため、1つの集約したスーパーフレームで返信する場合よりも、効率化を図ることが出来る。
また、本実施形態では、Bitmapフィールドにおける各無線端末に対する送達確認応答のビット位置は、事前の通知フレーム内で各無線端末を指定した位置(順序)と1対1で対応付けを図る。これにより、各無線端末は、送達確認応答フレームを受信し、Bitmapフィールドを参照しただけで、自装置のCRC結果が格納されたビット位置を特定し、CRC結果を把握できる。そのため、Bitmapフィールドの各無線端末のビット位置に関する情報を含む情報フィールドを、通知フレームまたは送達確認応答フレームに追加する必要はない。よって、このような情報フィールドの追加などしなくても、様々な無線端末の組み合わせによるアップリンクマルチユーザMIMO送信に対応した送達確認応答を、効率的に実現できる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態は、通知フレームでアップリンクマルチユーザMIMO送信を許可した各無線端末からのフレーム送信は、1つの単体フレームのみを想定したものであった。第2の実施形態は、各無線端末からのフレーム送信は、単体フレームのみではなく、複数のフレームを集約したアグリゲーションフレーム(以下、スーパーフレームと呼ぶ)の送信を可能としたものである。
第1の実施形態は、通知フレームでアップリンクマルチユーザMIMO送信を許可した各無線端末からのフレーム送信は、1つの単体フレームのみを想定したものであった。第2の実施形態は、各無線端末からのフレーム送信は、単体フレームのみではなく、複数のフレームを集約したアグリゲーションフレーム(以下、スーパーフレームと呼ぶ)の送信を可能としたものである。
アクセスポイント11側と各無線端末1〜4側の基本的な処理は、第1の実施形態と同様である。アクセスポイント11から通知フレームを受信した各無線端末は、通知フレーム内で自装置がアップリンクマルチユーザMIMO送信を許可されていることを確認した場合、自装置内のバッファに格納された複数のデータフレームを集約したスーパーフレームを所定の送信タイミングで送信する。なお、スーパーフレームに集約するフレームは、データフレームに限定されず、管理フレームまたは制御フレームでもよいし、これら複数種類のフレームの組み合わせでもよい。
第1の実施形態と大きく異なる点として、アクセスポイント11が返信する送達確認応答フレームのフレームフォーマットがある。図7に第2の実施形態における送達確認応答フレームのフレームフォーマットの例を示す。図7に示すように、アクセスポイント11が通知フレームでアップリンクマルチユーザMIMO送信許可を行う無線端末の数だけBitmapフィールドが存在する。例えば、図2の場合には、Bitmapフィールドの数は4となる。
各Bitmapフィールドは、各無線端末が送信した集約したスーパーフレーム内の各データフレームのCRC結果をそれぞれ含んでいる。各Bitmapフィールドの配置順、すなわち各Bitmapフィールドがいずれの無線端末のCRC結果を反映しているかは、通知フレームで通知する端末情報フィールドに設定される端末情報と関連する。つまり、通知フレームで通知する無線端末の順番と1対1で対応している。すなわち、図7における送達確認応答フレームの各Bitmapフィールドは、第1の実施形態における送達確認応答フレームのBitmapフィールドの各ビットに対応していると考えることが出来る。
そのため、第2の実施形態における送達確認応答フレームのBitmapフィールドの数は、第1の実施形態と同様に、アップリンクマルチユーザMIMOで送信可能な無線端末(またはデータストリーム)の最大数となっていてもよい。または、無線端末が複数のデータストリームを送信可能で、かつストリーム毎に別にスーパーフレームを送信可能な場合は、送達確認応答フレームのBitmapフィールドの数は、アクセスポイントが送受信可能な最大ストリーム数となってもよい。
図7の各Bitmapフィールドは、それぞれの無線端末が送信したスーパーフレーム内の各データフレームのCRC結果を含むため、各BitmapフィールドのサイズはアップリンクマルチユーザMIMOにおいてスーパーフレームを送信する場合において、スーパーフレーム内に集約可能な最大データフレーム数とする。例えば、集約可能な最大フレーム数が8の場合には、各Bitmapフィールドのサイズは8ビットとなる。なお、集約可能な最大データフレーム数は、予め定められているものとする。集約可能な最大データフレーム数が無線端末で異なる構成も可能である。この場合、無線端末ごとにBitmapフィールドのサイズが異なってもよい
第2の実施形態における送達確認応答フレームでは、上記に加え、無線端末毎に開始シーケンス番号(Starting Sequence Number)を設定するフィールドが用意される。
シーケンス番号(Sequence Number)は、各データフレームに付加されたデータ識別情報であり、各無線端末がデータフレームを送信する都度、インクリメントされた番号が付加される。そのため、各無線端末がアップリンクマルチユーザMIMOにてスーパーフレームを送信した場合、スーパーフレーム内には複数のシーケンス番号が集約されていることになる。
例として、アップリンクマルチユーザMIMO送信を許可されたある無線端末が、シーケンス番号=3, 4, 5, 6のデータフレームを集約したスーパーフレームを送信した場合を考える。
アクセスポイント11が、該スーパーフレームを受信し、スーパーフレームをデアグリゲート(分割)後、分割した各データフレームのCRCチェックをそれぞれ行う。CRCチェックの結果、CRC=OKであった最も小さいシーケンス番号の値を、開始シーケンス番号フィールドに設定する。例えば、シーケンス番号=3, 4, 5, 6のCRC結果がそれぞれOK, NG, OK, OKだった場合には、開始シーケンス番号フィールドには、“3”が設定される。一方、シーケンス番号=3, 4, 5, 6のCRC結果がそれぞれNG, NG, OK, OKだった場合には、開始シーケンス番号フィールドには、“5”が設定される。
アクセスポイント11は、設定した開始シーケンス番号をBitmapフィールドの開始ビットに対応させ、以降のビットは、順次1ずつ増えたシーケンス番号のCRC結果を反映する。すなわち、Bitmapのビット位置nに該当する情報は、(開始シーケンス番号+n)のシーケンス番号に該当するデータフレームのCRC結果となる。
例えば、Bitmapフィールドのサイズが8ビットであり、シーケンス番号=3, 4, 5, 6のCRC結果がそれぞれOK, NG, OK, OKだった場合には、開始シーケンス番号フィールドには“3”が設定される。Bitmapフィールドは、シーケンス番号=3と5と6のビット位置に対応するビットが“1”となるため、10110000となる。一方、シーケンス番号=3, 4, 5, 6のCRC結果がそれぞれNG, NG, OK, OKだった場合には、開始シーケンス番号フィールドには、“5”が設定される。Bitmapフィールドは、シーケンス番号=5と6のビット位置に対応するビットが“1”となるため、11000000となる。
このように、Bitmap内のビット位置とシーケンス番号の関係は、開始シーケンス番号フィールドに設定された値により依存する。すなわち、開始シーケンス番号フィールドにより、Bitmapの各ビット位置に該当するシーケンス番号を特定することが出来る。
スーパーフレームを送信した無線端末は、該送達確認応答フレームを受信し、複数存在するBitmapフィールドの中から自装置のBitmapフィールドを特定する。無線端末は、自装置に対応する開始シーケンス番号フィールドに設定された値と、特定したBitmap情報とから、自らがスーパーフレームにて送信した各データフレームのCRC結果を把握する。
例えば、シーケンス番号=3, 4, 5, 6を集約したスーパーフレームを送信したにも関わらず、開始シーケンス番号フィールドに“5”が設定されていた場合には、Bitmapフィールドとしては、シーケンス番号=3, 4のCRC結果は反映されていないものの、シーケンス番号=3, 4のデータフレームは正しく送信出来なかったことを認識する。開始シーケンス番号フィールドならびにBitmapフィールドの参照により、正しく送信出来ていなかったことが確認されたデータフレームに関しては、必要に応じて、該データフレームの再送処理を行う。
このように、第2の実施形態における送達確認応答フレームの構成により、各無線端末がアップリンクマルチユーザMIMOにおいて複数のデータフレームを集約したスーパーフレームを送信した場合においても、各無線端末に対し、高効率に送達確認応答を行うことができる。
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係るアクセスポイントに搭載される無線通信装置のハードウェア構成例を示したものである。この構成例は一例であり、本実施形態はこれに限定されるものではない。図5に示した無線通信装置と基本的な動作は同じであるため、構成上の違いを中心に説明し、重複する説明は省略する。
図8は、第3の実施形態に係るアクセスポイントに搭載される無線通信装置のハードウェア構成例を示したものである。この構成例は一例であり、本実施形態はこれに限定されるものではない。図5に示した無線通信装置と基本的な動作は同じであるため、構成上の違いを中心に説明し、重複する説明は省略する。
本無線通信装置は、ベースバンド部111、RF部121と、アンテナ12A〜12Dとを備える。
ベースバンド部111は、制御回路(プロトコルスタック)112と、送信処理回路113と、受信処理回路114と、DA変換回路115、116と、AD変換回路117、118とを含む。RF部121とベースバンド部111は1チップのIC(Integrated Circuit:集積回路)で構成されてもよい。
ベースバンド部111は、一例としてベースバンドLSIまたはベースバンドICである。また、別の例として、ベースバンド部111がIC132とIC131とを備えてもよい。このとき、IC132が制御回路112と送信処理回路113と受信処理回路114とを含み、IC131が、DA変換回路115、116とAD変換回路117、118を含んでもよい。
制御回路112は、一例として、通信を制御する通信制御装置、または通信を制御する制御部に対応する。このとき無線通信部は、送信処理回路113と受信処理回路114を含んでもよい。さらに無線通信部は、送信処理回路113と受信処理回路114に加えて、DA115、116およびDA117、118を含んでもよい。さらに、無線通信部は、送信処理回路113、受信処理回路114、DA115、116およびDA117、118に加えて、送信回路122および受信回路123を含んでもよい。
または、IC132が、通信を制御する通信制御装置に対応してもよい。このとき無線通信部は、送信回路122および受信回路123を含んでもよい。さらに無線通信部は、送信回路122および受信回路123に加え、DA115、116およびDA117、118を含んでもよい。
ベースバンド部111における制御回路112は、図7のバッファ104を含み、またMAC層等の処理を行う。制御回路112はクロック生成部を含んでもよい。送信処理回路113は、変調処理や物理ヘッダの付加など、所望の物理層の処理を行う。DA変換回路115、117は、送信処理回路113で処理されたフレームをDA変換する。ここではDA変換回路は2系統設けられ、並列処理しているが、DA変換回路が1つでもよいし、アンテナの数だけ設けられていてもよい。
RF部121は、一例としてRFアナログICあるいは高周波ICである。RF部121における送信回路122は、DA変換後のフレームの信号から所望帯域の信号を抽出する送信フィルタ、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、フィルタリング後の信号を無線周波数にアップコンバートするミキサ、アップコンバート後の信号を増幅するプリアンプ(PA)等を含む。
RF部121における受信回路123は、アンテナで受信された信号を増幅するLNA(低雑音増幅器)、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、増幅後の信号をベースバンドにダウンコンバートするミキサ、ダウンコーバート後の信号から所望帯域の信号を抽出する受信フィルタ等を含む。
ベースバンド部111におけるAD変換回路117、118は、受信回路123からの入力信号をAD変換する。ここではAD変換回路は2系統設けられ、並列処理しているが、AD変換回路が1つでもよいし、アンテナの数だけ設けられていてもよい。受信処理回路114は、物理層の処理、復調処理等を行う。制御回路112は復調後のフレームに対してMAC層等の処理を行う。また制御回路112は、MIMOに関する処理を行う。例えば、伝搬路推定の処理、送信ウェイト計算処理、ストリームの分離処理等を行う。
なお、アンテナ12A〜12Dを、送信回路122および受信回路123のいずれか一方に切り換えるスイッチがRF部に配置されてもよい。スイッチ制御により、送信時にはアンテナ12A〜12Dを送信回路122に接続し、受信時には、アンテナ12A〜12Dを受信回路123に接続する。
上述した各部の処理の詳細は、図5の説明から自明であるため、重複する説明は省略する。
図9は、第3の実施形態に係る無線端末に搭載される無線通信装置のハードウェア構成例を示したものである。この構成例は一例であり、本実施形態はこれに限定されるものではない。図6に示した無線通信装置と基本的な動作は同じであるため、構成上の違いを中心に説明し、重複する説明は省略する。
本無線通信装置は、ベースバンド部211、RF部221と、アンテナ1Aとを備える。RF部221とベースバンド部211は1チップのICで構成されてもよい。
ベースバンド部211は、制御回路(プロトコルスタック)212と、送信処理回路213と、受信処理回路214と、DA変換回路215、216と、AD変換回路217、218とを含む。
ベースバンド部211は、一例としてベースバンドLSIまたはベースバンドICである。また、別の例として、ベースバンド部211が、IC232とIC231とを備えてもよい。このとき、IC232が制御回路212と送信処理回路213と受信処理回路214とを含み、IC231が、DA変換回路215、216とAD変換回路217、218を含んでもよい。
制御回路212は、一例として、通信を制御する通信制御装置、または通信を制御する制御部に対応する。このとき無線通信部は、送信処理回路213と受信処理回路214を含んでもよい。さらに無線通信部は、送信処理回路213と受信処理回路214に加えて、DA215、216およびDA217、218を含んでもよい。さらに、無線通信部は、送信処理回路213、受信処理回路214、DA215、216およびDA217、218に加えて、送信回路222および受信回路223を含んでもよい。
または、IC232が、通信を制御する通信制御装置に対応してもよい。このとき無線通信部は、送信回路222および受信回路223を含んでもよい。さらに無線通信部は、送信回路222および受信回路223に加え、DA215、216およびDA217、218を含んでもよい。
ベースバンド部211における制御回路212は、図8のバッファ204を含み、またMAC層等の処理を行う。制御回路212はクロック生成部を含んでもよい。送信処理回路213は、変調処理や物理ヘッダの付加など、所望の物理層の処理を行う。DA変換回路215、217は、送信処理回路213で処理されたフレームをDA変換する。ここではDA変換回路は2系統設けられ、並列処理しているが、DA変換回路が1つでもよい。
RF部221は、一例としてRFアナログICあるいは高周波ICである。RF部221における送信回路222は、DA変換後のフレームの信号から所望帯域の信号を抽出する送信フィルタ、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、フィルタリング後の信号を無線周波数にアップコンバートするミキサ、アップコンバート後の信号を増幅するプリアンプ(PA)等を含む。
受信回路223は、アンテナで受信された信号を増幅するLNA(低雑音増幅器)、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、増幅後の信号をベースバンドにダウンコンバートするミキサ、ダウンコーバート後の信号から所望帯域の信号を抽出する受信フィルタ等を含む。
ベースバンド部211におけるAD変換回路217、218は、受信回路223からの入力信号をAD変換する。ここではAD変換回路は2系統設けられ、並列処理しているが、AD変換回路が1つでもよい。受信処理回路214は、物理層の処理、復調処理等を行う。制御回路212は復調後のフレームに対してMAC層等の処理を行う。
また無線端末がアンテナを複数備えて、MIMOに対応する場合には、制御回路212は、MIMOに関する処理も行う。例えば、伝搬路推定の処理、送信ウェイト計算処理、ストリームの分離処理等を行う。
なお、アンテナ1Aを、送信回路222および受信回路223のいずれか一方に切り換えるスイッチがRF部221に配置されてもよい。スイッチ制御により、送信時にはアンテナ1Aを送信回路222に接続し、受信時には、アンテナ1Aを受信回路223に接続する。
上述した各部の処理の詳細は、図6の説明から自明であるため、重複する説明は省略する。
(第4の実施形態)
図10(A)および図10(B)は、それぞれ第4の実施形態に係る無線機器の斜視図である。図10(A)の無線機器はノートPC301であり、図10(B)の無線機器は移動体端末321である。ノートPC301および移動体端末321は、それぞれ無線通信装置305、315を搭載している。無線通信装置305、315として、これまで説明してきた無線端末に搭載されていた無線通信装置(図6、図9等)、またはアクセスポイント11に搭載されていた無線通信装置(図5、図8等)を用いることができる。無線通信装置を搭載する無線機器は、ノートPCや移動体端末に限定されない。例えば、TV、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイス、タブレット、スマートフォン等にも搭載可能である。
図10(A)および図10(B)は、それぞれ第4の実施形態に係る無線機器の斜視図である。図10(A)の無線機器はノートPC301であり、図10(B)の無線機器は移動体端末321である。ノートPC301および移動体端末321は、それぞれ無線通信装置305、315を搭載している。無線通信装置305、315として、これまで説明してきた無線端末に搭載されていた無線通信装置(図6、図9等)、またはアクセスポイント11に搭載されていた無線通信装置(図5、図8等)を用いることができる。無線通信装置を搭載する無線機器は、ノートPCや移動体端末に限定されない。例えば、TV、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイス、タブレット、スマートフォン等にも搭載可能である。
また、無線端末またはアクセスポイント11に搭載されていた無線通信装置は、メモリーカードにも搭載可能である。当該無線通信装置をメモリーカードに搭載した例を図11に示す。メモリーカード331は、無線通信装置355と、メモリーカード本体332とを含む。メモリーカード331は、外部の装置(無線端末またはアクセスポイント11等)との無線通信のために無線通信装置335を利用する。なお、図11では、メモリーカード331内の他の要素(例えばメモリ等)の記載は省略している。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、第1〜4のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、バス、プロセッサ部、及び外部インターフェース部を備える。プロセッサ部及び外部インターフェース部は、バスを介してバッファと接続される。プロセッサ部ではファームウエアが動作する。このように、ファームウエアを無線通信装置に含める構成とすることにより、ファームウエアの書き換えによって無線通信装置の機能の変更を容易に行うことが可能となる。
第5の実施形態では、第1〜4のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、バス、プロセッサ部、及び外部インターフェース部を備える。プロセッサ部及び外部インターフェース部は、バスを介してバッファと接続される。プロセッサ部ではファームウエアが動作する。このように、ファームウエアを無線通信装置に含める構成とすることにより、ファームウエアの書き換えによって無線通信装置の機能の変更を容易に行うことが可能となる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態では、第1〜4のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、クロック生成部を備える。クロック生成部は、クロックを生成して出力端子より無線通信装置の外部にクロックを出力する。このように、無線通信装置内部で生成されたクロックを外部に出力し、外部に出力されたクロックによってホスト側を動作させることにより、ホスト側と無線通信装置側とを同期させて動作させることが可能となる。
第6の実施形態では、第1〜4のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、クロック生成部を備える。クロック生成部は、クロックを生成して出力端子より無線通信装置の外部にクロックを出力する。このように、無線通信装置内部で生成されたクロックを外部に出力し、外部に出力されたクロックによってホスト側を動作させることにより、ホスト側と無線通信装置側とを同期させて動作させることが可能となる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、第1〜4のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、電源部、電源制御部、及び無線電力給電部を含む。電源制御部は、電源部と無線電力給電部とに接続され、無線通信装置に供給する電源を選択する制御を行う。このように、電源を無線通信装置に備える構成とすることにより、電源を制御した低消費電力化動作が可能となる。
第7の実施形態では、第1〜4のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、電源部、電源制御部、及び無線電力給電部を含む。電源制御部は、電源部と無線電力給電部とに接続され、無線通信装置に供給する電源を選択する制御を行う。このように、電源を無線通信装置に備える構成とすることにより、電源を制御した低消費電力化動作が可能となる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態では、第7の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、SIMカードを含む。SIMカードは、無線通信装置における送信部(102または202)または受信部(103または203)または制御部(101または201)と接続される。このように、SIMカードを無線通信装置に備える構成とすることにより、容易に認証処理を行うことが可能となる。
第8の実施形態では、第7の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、SIMカードを含む。SIMカードは、無線通信装置における送信部(102または202)または受信部(103または203)または制御部(101または201)と接続される。このように、SIMカードを無線通信装置に備える構成とすることにより、容易に認証処理を行うことが可能となる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、第5の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、動画像圧縮/伸長部を含む。動画像圧縮/伸長部は、バスと接続される。このように、動画像圧縮/伸長部を無線通信装置に備える構成とすることにより、圧縮した動画像の伝送と受信した圧縮動画像の伸長とを容易に行うことが可能となる。
第9の実施形態では、第5の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、動画像圧縮/伸長部を含む。動画像圧縮/伸長部は、バスと接続される。このように、動画像圧縮/伸長部を無線通信装置に備える構成とすることにより、圧縮した動画像の伝送と受信した圧縮動画像の伸長とを容易に行うことが可能となる。
(第10の実施形態)
第10の実施形態では、第1〜4のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、LED部を含む。LED部は、送信部(102または202)または受信部(103または203)または制御部(101または201)と接続される。このように、LED部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
第10の実施形態では、第1〜4のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、LED部を含む。LED部は、送信部(102または202)または受信部(103または203)または制御部(101または201)と接続される。このように、LED部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
(第11の実施形態)
第11の実施形態では、第1〜4のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、バイブレータ部を含む。バイブレータ部は、送信部(102または202)または受信部(103または203)または制御部(101または201)と接続される。このように、バイブレータ部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
第11の実施形態では、第1〜4のいずれかの実施形態に係る無線通信装置(アクセスポイントの無線通信装置または無線端末の無線通信装置)の構成に加えて、バイブレータ部を含む。バイブレータ部は、送信部(102または202)または受信部(103または203)または制御部(101または201)と接続される。このように、バイブレータ部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態をユーザに容易に通知することが可能となる。
(第12の実施形態)
本実施形態では、[1]無線通信システムにおけるフレーム種別、[2]無線通信装置間の接続切断の手法、[3]無線LANシステムのアクセス方式、[4]無線LANのフレーム間隔について説明する。
[1]通信システムにおけるフレーム種別
一般的に無線通信システムにおける無線アクセスプロトコル上で扱うフレームは、大別してデータ(data)フレーム、管理(management)フレーム、制御(control)フレームの3種類に分けられる。これらの種別は、通常、フレーム間で共通に設けられるヘッダ部で示される。フレーム種別の表示方法としては、1つのフィールドで3種類を区別できるようにしてあってもよいし、2つのフィールドの組み合わせで区別できるようにしてあってもよい。
本実施形態では、[1]無線通信システムにおけるフレーム種別、[2]無線通信装置間の接続切断の手法、[3]無線LANシステムのアクセス方式、[4]無線LANのフレーム間隔について説明する。
[1]通信システムにおけるフレーム種別
一般的に無線通信システムにおける無線アクセスプロトコル上で扱うフレームは、大別してデータ(data)フレーム、管理(management)フレーム、制御(control)フレームの3種類に分けられる。これらの種別は、通常、フレーム間で共通に設けられるヘッダ部で示される。フレーム種別の表示方法としては、1つのフィールドで3種類を区別できるようにしてあってもよいし、2つのフィールドの組み合わせで区別できるようにしてあってもよい。
管理フレームは、他の無線通信装置との間の物理的な通信リンクの管理に用いるフレームである。例えば、他の無線通信装置との間の通信設定を行うために用いられるフレームや通信リンクをリリースする(つまり接続を切断する)ためのフレーム、無線通信装置でのパワーセーブ動作に係るフレームがある。
データフレームは、他の無線通信装置と物理的な通信リンクが確立した上で、無線通信装置の内部で生成されたデータを他の無線通信装置に送信するフレームである。データは本実施形態の上位層で生成され、例えばユーザの操作によって生成される。
制御フレームは、データフレームを他の無線通信装置との間で送受(交換)する際の制御に用いられるフレームである。無線通信装置がデータフレームや管理フレームを受信した場合にその送達確認のために送信される応答フレームは、制御フレームに属する。
これら3種類のフレームは、物理層で必要に応じた処理を経て物理パケットとしてアンテナを経由して送出される。なお、接続確立の手順においては、接続要求フレームと接続受付フレームが管理フレームであり、接続受付フレームへの確認フレームは制御フレームの応答フレームを用いることができる。
[2]無線通信装置間の接続切断の手法
接続の切断には、明示的な手法と暗示的な手法とがある。明示的な手法としては、接続している無線通信装置のいずれか一方が切断のためのフレームを送信する。このフレームは管理フレームに分類される。切断のためのフレームは、例えば接続をリリースするという意味でリリースフレームと呼ぶことがある。通常、リリースフレームを送信する側の無線通信装置ではリリースフレームを送信した時点で、リリースフレームを受信する側の無線通信装置ではリリースフレームを受信した時点で、接続の切断と判定する。その後、通信フェーズでの初期状態、例えば通信相手の無線通信装置を探索する状態に戻る。これは、切断のためのフレームを送信する際には、接続先の無線通信装置と通信距離が離れて無線信号が受信不可あるいは復号不可になるといった、物理的な無線リンクが確保できないことがあるからである。
接続の切断には、明示的な手法と暗示的な手法とがある。明示的な手法としては、接続している無線通信装置のいずれか一方が切断のためのフレームを送信する。このフレームは管理フレームに分類される。切断のためのフレームは、例えば接続をリリースするという意味でリリースフレームと呼ぶことがある。通常、リリースフレームを送信する側の無線通信装置ではリリースフレームを送信した時点で、リリースフレームを受信する側の無線通信装置ではリリースフレームを受信した時点で、接続の切断と判定する。その後、通信フェーズでの初期状態、例えば通信相手の無線通信装置を探索する状態に戻る。これは、切断のためのフレームを送信する際には、接続先の無線通信装置と通信距離が離れて無線信号が受信不可あるいは復号不可になるといった、物理的な無線リンクが確保できないことがあるからである。
一方、暗示的な手法としては、一定期間接続を確立した接続相手の無線通信装置からフレーム送信(データフレーム及び管理フレームの送信、あるいは自装置が送信したフレームへの応答フレームの送信)を検知しなかった場合に、接続状態の切断の判定を行う。このような手法があるのは、上述のように接続の切断を判定するような状況では、接続先の無線通信装置と通信距離が離れて無線信号が受信不可あるいは復号不可になるなど物理的な無線リンクが確保できない状態が考えられるからである。すなわち、リリースフレームの受信を期待できないからである。
暗示的な方法で接続の切断を判定する具体例としては、タイマを使用する。例えば、送達確認応答フレームを要求するデータフレームを送信する際、当該フレームの再送期間を制限する第1のタイマ(例えばデータフレーム用の再送タイマ)を起動し、第1のタイマが切れるまで(つまり所望の再送期間が経過するまで)当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行う。当該フレームへの送達確認応答フレームを受信すると第1のタイマは止められる。
一方、送達確認応答フレームを受信せず第1のタイマが切れると、例えば接続相手の無線通信装置がまだ(通信レンジ内に)存在するか(言い換えれば、無線リンクが確保できているか)を確認するための管理フレームを送信し、それと同時に当該フレームの再送期間を制限する第2のタイマ(例えば管理フレーム用の再送タイマ)を起動する。第1のタイマと同様、第2のタイマでも、第2のタイマが切れるまで当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行い、第2のタイマが切れると接続が切断されたと判定する。
あるいは接続相手の無線通信装置からフレームを受信すると第3のタイマを起動し、新たに接続相手の無線通信装置からフレームを受信するたびに第3のタイマを止め、再び初期値から起動する。第3のタイマが切れると前述と同様に接続相手の無線通信装置がまだ(通信レンジ内に)存在するか(言い換えれば、無線リンクが確保できているか)を確認するための管理フレームを送信し、それと同時に当該フレームの再送期間を制限する第2のタイマ(例えば管理フレーム用の再送タイマ)を起動する。この場合も、第2のタイマが切れるまで当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行い、第2のタイマが切れると接続が切断されたと判定する。後者の、接続相手の無線通信装置がまだ存在するかを確認するための管理フレームは、前者の場合の管理フレームとは異なるものであってもよい。また後者の場合の管理フレームの再送を制限するためのタイマはここでは第2のタイマとして前者の場合と同じものを用いたが、異なるタイマを用いるようにしてもよい。
[3]無線LANシステムのアクセス方式
例えば複数の無線通信装置と通信または競合することを想定した無線LANシステムがある。IEEE802.11(拡張規格なども含む)無線LANではCSMA/CAをアクセス方式の基本としている。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了から固定時間を置いて送信を行う方式では、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置で同時に送信を行うことになり、その結果、無線信号が衝突してフレーム送信に失敗する。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了からランダム時間待つことで、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置での送信が確率的に分散することになる。よって、ランダム時間の中で最も早い時間を引いた無線通信装置が1つなら無線通信装置のフレーム送信は成功し、フレームの衝突を防ぐことができる。ランダム値に基づき送信権の獲得が複数の無線通信装置間で公平になることから、Carrier Avoidanceを採用した方式は、複数の無線通信装置間で無線媒体を共有するために適した方式であるということができる。
例えば複数の無線通信装置と通信または競合することを想定した無線LANシステムがある。IEEE802.11(拡張規格なども含む)無線LANではCSMA/CAをアクセス方式の基本としている。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了から固定時間を置いて送信を行う方式では、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置で同時に送信を行うことになり、その結果、無線信号が衝突してフレーム送信に失敗する。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了からランダム時間待つことで、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置での送信が確率的に分散することになる。よって、ランダム時間の中で最も早い時間を引いた無線通信装置が1つなら無線通信装置のフレーム送信は成功し、フレームの衝突を防ぐことができる。ランダム値に基づき送信権の獲得が複数の無線通信装置間で公平になることから、Carrier Avoidanceを採用した方式は、複数の無線通信装置間で無線媒体を共有するために適した方式であるということができる。
[4]無線LANのフレーム間隔
IEEE802.11無線LANのフレーム間隔について説明する。IEEE802.11無線LANで用いられるフレーム間隔は、distributed coordination function interframe space(DIFS)、arbitration interframe space(AIFS)、point coordination function interframe space(PIFS)、short interframe space(SIFS)、extended interframe space(EIFS)、reduced interframe space(RIFS)の6種類ある。
IEEE802.11無線LANのフレーム間隔について説明する。IEEE802.11無線LANで用いられるフレーム間隔は、distributed coordination function interframe space(DIFS)、arbitration interframe space(AIFS)、point coordination function interframe space(PIFS)、short interframe space(SIFS)、extended interframe space(EIFS)、reduced interframe space(RIFS)の6種類ある。
フレーム間隔の定義は、IEEE802.11無線LANでは送信前にキャリアセンスアイドルを確認して開けるべき連続期間として定義されており、厳密な前のフレームからの期間は議論しない。従ってここでのIEEE802.11無線LANシステムでの説明においてはその定義を踏襲する。IEEE802.11無線LANでは、CSMA/CAに基づくランダムアクセスの際に待つ時間を固定時間とランダム時間との和としており、固定時間を明確にするためこのような定義になっているといえる。
DIFSとAIFSとは、CSMA/CAに基づき他の無線通信装置と競合するコンテンション期間にフレーム交換開始を試みるときに用いるフレーム間隔である。DIFSは、トラヒック種別による優先権の区別がないとき、AIFSはトラヒック種別(Traffic Identifier:TID)による優先権が設けられている場合に用いる。
DIFSとAIFSとで係る動作としては類似しているため、以降では主にAIFSを用いて説明する。IEEE802.11無線LANでは、MAC層でフレーム交換の開始などを含むアクセス制御を行う。さらに、上位層からデータを渡される際にQoS(Quality of Service)対応する場合には、データとともにトラヒック種別が通知され、トラヒック種別に基づいてデータはアクセス時の優先度のクラス分けがされる。このアクセス時のクラスをアクセスカテゴリ(Access Category;AC)と呼ぶ。従って、アクセスカテゴリごとにAIFSの値が設けられることになる。
PIFSは、競合する他の無線通信装置よりも優先権を持つアクセスができるようにするためのフレーム間隔であり、DIFS及びAIFSのいずれの値よりも期間が短い。SIFSは、応答系の制御フレームの送信時あるいは一旦アクセス権を獲得した後にバーストでフレーム交換を継続する場合に用いることができるフレーム間隔である。EIFSはフレーム受信に失敗した場合に発動されるフレーム間隔である。
RIFSは一旦アクセス権を獲得した後にバーストで同一無線通信装置に複数のフレームを連続して送信する場合に用いることができるフレーム間隔であり、RIFSを用いている間は送信相手の無線通信装置からの応答フレームを要求しない。
ここでIEEE802.11無線LANにおけるランダムアクセスに基づく競合期間のフレーム交換の一例を図12に示す。
ある無線通信装置においてデータフレーム(W_DATA1)の送信要求が発生した際に、キャリアセンスの結果、媒体がビジーである(busy medium)と認識する場合を想定する。この場合、キャリアセンスがアイドルになった時点から固定時間のAIFSを空け、その後ランダム時間(random backoff)空いたところで、データフレームW_DATA1を通信相手に送信する。
ランダム時間は0から整数で与えられるコンテンションウィンドウ(Contention Window:CW)の間の一様分布から導かれる擬似ランダム整数にスロット時間をかけたものである。ここで、CWにスロット時間をかけたものをCW時間幅と呼ぶ。CWの初期値はCWminで与えられ、再送するたびにCWの値はCWmaxになるまで増やされる。CWminとCWmaxとの両方とも、AIFSと同様アクセスカテゴリごとの値を持つ。W_DATA1の送信先の無線通信装置では、データフレームの受信に成功するとその受信終了時点からSIFS後に応答フレーム(W_ACK1)を送信する。W_DATA1を送信した無線通信装置は、W_ACK1を受信すると送信バースト時間制限内であればまたSIFS後に次のフレーム(例えばW_DATA2)を送信することができる。
AIFS、DIFS、PIFS及びEIFSは、SIFSとスロット時間との関数になるが、SIFSとスロット時間とは物理層ごとに規定されている。また、AIFS、CWmin及びCWmaxなどアクセスカテゴリごとに値が設けられるパラメータは、通信グループ(IEEE802.11無線LANではBasic Service Set(BSS))ごとに設定可能であるが、デフォルト値が定められている。
例えば、802.11acの規格策定では、SIFSは16μs、スロット時間は9μsであるとして、それによってPIFSは25μs、DIFSは34μs、AIFSにおいてアクセスカテゴリがBACKGROUND(AC_BK)のフレーム間隔はデフォルト値が79μs、BEST EFFORT(AC_BE)のフレーム間隔はデフォルト値が43μs、VIDEO(AC_VI)とVOICE(AC_VO)のフレーム間隔はデフォルト値が34μs、CWminとCWmaxとのデフォルト値は、各々AC_BKとAC_BEとでは31と1023、AC_VIでは15と31、AC_VOでは7と15になるとする。なお、EIFSは、SIFSとDIFSと最も低速な必須の物理レートで送信する場合の応答フレームの時間長の和である。本実施形態では、このようなフレーム間隔のパラメータを用いる無線通信システムを通信レンジの広い干渉システムとして想定する。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1:アクセスポイント(無線端末)
12A、12B、12C、12D:アンテナ
1、2、3、4:無線端末
1A、2A、3A、4A:アンテナ
21、22、23、24:ビーム
51:通知フレーム
T1、T2:期間
101、201:制御部
102、202:送信部
103、203:受信部
104、204:バッファ
111、211:ベースバンド部
121、221:RF部
122、222:送信回路
123、223:受信回路
112、212:制御回路
113、213:送信処理回路
114、214:受信処理回路
115、116、215、216:DA変換回路
117、118、217、218:AD変換回路
301:ノートPC
305、315、355:無線通信装置
321:移動体端末
331:メモリーカード
332:メモリーカード本体
12A、12B、12C、12D:アンテナ
1、2、3、4:無線端末
1A、2A、3A、4A:アンテナ
21、22、23、24:ビーム
51:通知フレーム
T1、T2:期間
101、201:制御部
102、202:送信部
103、203:受信部
104、204:バッファ
111、211:ベースバンド部
121、221:RF部
122、222:送信回路
123、223:受信回路
112、212:制御回路
113、213:送信処理回路
114、214:受信処理回路
115、116、215、216:DA変換回路
117、118、217、218:AD変換回路
301:ノートPC
305、315、355:無線通信装置
321:移動体端末
331:メモリーカード
332:メモリーカード本体
Claims (37)
- 無線通信部を有する無線通信装置で用いられる、複数の対象通信装置との通信を制御する通信制御装置であって、
前記複数の対象通信装置のそれぞれから、空間多重により送信されるフレームを、前記無線通信部を介して受信し、
前記複数の対象通信装置から送信されたフレームの受信にそれぞれ成功したか否かの検査結果を含む送達確認応答フレームを、前記無線通信部を介して前記複数の対象通信装置に送信する制御部
を備えた通信制御装置。 - 前記制御部は、前記複数の対象通信装置を指定する通知情報を含む第1フレームを、前記無線通信部を介して前記複数の対象通信装置に送信し、前記通知情報で指定した前記複数の対象通信装置から前記空間多重により送信される前記フレームを受信する
請求項1に記載の通信制御装置。 - 前記送達確認応答フレームは、前記複数の対象通信装置から送信された前記フレームの受信に成功したか否かの検査結果をビットで表したビットマップを含む
請求項2に記載の通信制御装置。 - 前記第1フレームの前記通知情報は、前記複数の対象通信装置の識別情報を第1の順序で指定しており、
前記制御部は、各対象通信装置の検査結果を、前記第1の順序に応じて前記ビットマップに割り当てる
請求項2に記載の通信制御装置。 - 前記制御部は、各対象通信装置の検査結果を、前記第1の順序に応じて、前記ビットマップ内の所定位置のビットから、下位または上位ビット方向に順番に割り当てる
請求項4に記載の通信制御装置。 - 前記複数の対象通信装置は同一のグループに属し、
前記制御部は、前記複数の対象通信装置が属するグループのグループ番号を配置し、前記グループに属する前記複数の対象通信装置の識別情報を第2の順序で配置した第2フレームを送信し、
前記第1フレームの前記通知情報は、前記複数の対象通信装置が属するグループのグループ番号を指定し、
前記制御部は、各対象通信装置の検査結果を、前記第2の順序に応じて、前記ビットマップに割り当てる
請求項3に記載の通信制御装置。 - 前記制御部は、各対象通信装置の検査結果を、前記第2の順序に応じて、前記ビットマップ内の所定位置のビットから、下位または上位ビット方向に順番に割り当てる
請求項6に記載の通信制御装置。 - 前記所定位置のビットは、前記ビットマップの最下位または最上位ビットである
請求項5または7に記載の通信制御装置。 - 前記送達確認応答フレームの宛先アドレスは、ブロードキャストアドレス、または前記複数の対象通信装置が属するマルチキャストアドレスである
請求項1ないし8に記載の通信制御装置。 - 前記送達確認応答フレームの宛先アドレスは、前記複数の対象通信装置のうちいずれか1つの対象通信装置のユニキャストアドレスである
請求項1ないし8に記載の通信制御装置。 - 前記送達確認応答フレームにおけるビットマップフィールドのサイズは、前記第1フレームで指定可能な通信装置の最大数、もしくは前記無線通信部が形成可能な最大データストリーム数のビット以上である
請求項3ないし8のいずれか一項に記載の通信制御装置。 - 前記第1フレームの前記通知情報は、前記複数の対象通信装置の識別情報を第1の順序で指定し、
各対象通信装置から、各々シーケンス番号を付与された複数のフレームを集約したアグリゲーションフレームが送信され、
前記送達確認応答フレームは、前記アグリゲーションフレーム毎に、前記アグリゲーションフレーム内で受信が成功したフレームのうち最も小さいシーケンス番号を特定するための特定情報と、前記最も小さいシーケンス番号以降のシーケンス番号のフレームの検査結果をビットにより表したビットマップとを、それぞれ前記第1の順序に応じて配置した
請求項2に記載の通信制御装置。 - 前記制御部は、前記最も小さいシーケンス番号以降のシーケンス番号のフレームの検査結果を、前記ビットマップの所定位置のビットから下位または上位ビット方向へシーケンス番号順に設定する
請求項12に記載の通信制御装置。 - 前記所定位置のビットは、前記ビットマップの最下位または最上位ビットである
請求項13に記載の通信制御装置。 - 前記送達確認応答フレームにおけるビットマップフィールド数は、前記第1フレームで指定可能な最大の通信装置数もしくは前記無線通信部が形成可能な最大データストリーム数以上であり、
前記ビットマップフィールドのサイズは、前記アグリゲーションフレーム内の集約可能な最大のフレーム数のビット以上である
請求項12ないし14のいずれか一項に記載の通信制御装置。 - 前記制御部は、IEEE802.11規格に従って通信を制御する
請求項1ないし15のいずれか一項に記載の通信制御装置。 - 請求項1ないし16のいずれか一項に従った通信制御装置と、
前記無線通信部と、
少なくとも1つのアンテナと
を備えた無線端末。 - 請求項1ないし16のいずれか一項に従った通信制御装置と、
前記無線通信部と、
少なくとも1つのアンテナと
を備えたメモリーカード。 - 請求項1ないし16のいずれか一項に従った通信制御装置を含む集積回路。
- 請求項1ないし16のいずれか一項に従った通信制御装置と、
前記無線通信部と
を含む集積回路。 - 無線通信部を有する無線通信装置で用いられる、対象通信装置との通信を制御する通信制御装置であって、
前記複数の無線通信装置のうち他の無線通信装置が送信するフレームの信号と直交するように、前記対象通信装置に前記無線通信部を介してフレームを送信し、
前記対象通信装置で前記無線通信装置を含む複数の対象通信装置から送信されたフレームの受信にそれぞれ成功したか否かの検査結果を含む送達確認応答フレームを、前記無線通信部を介して前記対象通信装置から受信し、
前記送達確認応答フレームから前記無線通信装置が送信したフレームに対する検査結果を特定し、特定した検査結果に基づき、前記対象通信装置に送信したフレームが前記対象通信装置で受信に成功したか否かを判断する
制御部
を備えた通信制御装置。 - 前記制御部は、前記対象通信装置から前記無線通信装置を含む複数の無線通信装置を指定する通知情報を含む第1フレームを、前記無線通信部を介して受信し、前記第1フレームを受信してから、予め定めた第1時間の経過後に、前記フレームを送信する
請求項21に記載の通信制御装置。 - 前記第1フレームの前記通知情報は、前記無線通信装置を含む複数の無線通信装置の識別情報を第1の順序で指定し、
前記送達確認応答フレームは、前記無線通信装置を含む複数の無線通信装置から送信されたフレームの受信に成功したか否かの検査結果をビットで表したビットマップを含み、
前記制御部は、前記第1の順序内の前記無線通信装置の識別情報の順位に応じたビット位置を前記ビットマップにおいて特定し、特定したビット位置のビットに基づき、前記検査結果を特定する
請求項22に記載の通信制御装置。 - 前記無線通信装置を含む複数の対象通信装置は同一のグループに属し、
前記制御部は、前記無線通信装置を含む複数の無線通信装置が属するグループのグループ番号を配置し、前記グループに属する前記無線通信装置を含む複数の無線通信装置の識別情報を第2の順序で配置した第2フレームを送信し、
前記第1フレームの前記通知情報は、前記複数の対象通信装置が属するグループのグループ番号を指定し、
前記送達確認応答フレームは、前記無線通信装置を含む複数の無線通信装置から送信された前記フレームの受信に成功したか否かの検査結果をビットで表したビットマップを含み、
前記制御部は、前記第2の順序内の前記無線通信装置の識別情報の順位に応じたビット位置を前記ビットマップにおいて特定し、特定したビット位置のビットに基づき、前記検査結果を特定する
請求項22に記載の通信制御装置。 - 前記ビットマップの所定位置のビットから、下位または上位ビット方向に、前記無線通信装置の識別情報の順位に応じた数だけ移動した位置のビットに基づき、前記検査結果を特定する
請求項23または24に記載の通信制御装置。 - 前記所定位置のビットは、前記ビットマップの最下位または最上位ビットである
請求項25のいずれか一項に記載の通信制御装置。 - 前記第1フレームの前記通知情報は、前記無線通信装置を含む複数の無線通信装置の識別情報を第1の順序で配置しており、
前記制御部は、各々シーケンス番号を付与された複数のフレームを集約したアグリゲーションフレームを送信し、
前記送達確認応答フレームは、前記アグリゲーションフレーム毎に、前記アグリゲーションフレーム内で受信が成功したフレームのうち最も小さいシーケンス番号を特定するための特定情報と、前記最も小さいシーケンス番号以降のシーケンス番号のフレームの検査結果をビットにより表したビットマップとを、それぞれ前記第1の順序に応じて配置しており、
前記制御部は、前記第1の順序内の前記無線通信装置の識別情報の順位に応じて、前記無線通信装置に対する前記特定情報と前記ビットマップとを特定する
請求項22に記載の通信制御装置。 - 前記制御部は、前記特定情報により特定されるシーケンス番号以降のシーケンス番号のフレームの検査結果を、前記特定したビットマップ内の所定位置のビットから下位または上位ビット方向へ、順番に特定する
請求項27に記載の通信制御装置。 - 前記所定位置のビットは、前記ビットマップの最下位または最上位ビットである
請求項28に記載の通信制御装置。 - 前記制御部は、前記送達確認応答フレームの宛先アドレスが、前記第1フレームの通知情報で指定された他の無線通信装置のユニキャストアドレスである場合は、前記送達確認応答フレームを前記無線通信装置宛であると判断する
請求項22ないし29に記載の通信制御装置。 - 前記制御部は、IEEE802.11規格に従って通信を制御する
請求項21ないし30のいずれか一項に記載の通信制御装置。 - 請求項21ないし31のいずれか一項に従った通信制御装置と、
前記無線通信部と、
少なくとも1つのアンテナと
を備えた無線端末。 - 請求項21ないし31のいずれか一項に従った通信制御装置と、
前記無線通信部と、
少なくとも1つのアンテナと
を備えたメモリーカード。 - 請求項21ないし31のいずれか一項に従った通信制御装置を含む集積回路。
- 請求項21ないし31のいずれか一項に従った通信制御装置と、
前記無線通信部と
を含む集積回路。 - 無線通信部を有する無線通信装置で用いられる、複数の対象通信装置との通信を制御する通信制御方法であって、
前記複数の対象通信装置のそれぞれから、空間多重により送信されるフレームを受信するステップと、
前記複数の対象通信装置から送信されたフレームの受信にそれぞれ成功したか否かの検査結果を含む送達確認応答フレームを、前記複数の対象通信装置に送信するステップと
を備えた無線通信方法。 - 無線通信装置による無線通信方法であって、
複数の無線通信装置のうち他の無線通信装置が送信するフレームの信号と直交するように、前記対象通信装置にフレームを送信するステップと、
前記対象通信装置で前記無線通信装置を含む複数の対象通信装置から送信された前記フレームの受信にそれぞれ成功したか否かの検査結果を含む送達確認応答フレームを前記対象通信装置から受信するステップと、
前記送達確認応答フレームから前記無線通信装置が送信したフレームに対する検査結果を特定し、特定した検査結果に基づき、前記対象通信装置に送信したフレームが前記対象通信装置で受信に成功したか否かを判断するステップと
を備えた無線通信方法。
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