JP2017077046A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転子の回転方向に拘わらずに渦電流損失を低減可能な構成を提案する。【解決手段】ステータコア32のティース36の両側面における、最も内周側のコイル40と周方向で整合する位置に、ステータコア32の軸方向に延びる凹部37,38を形成する。これにより、凹部37,38によってコイル40とティース36との間に空隙が形成され、この間の磁気抵抗が大きくなるから、コイル40に鎖交する磁束を低減することができ、渦電流損失を低減することができる。そして、ティース36の両側面に凹部37,38を設けることにより、ロータ20の回転方向に拘わらず、渦電流損失を低減することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、回転電機に関する。
従来、この種の回転電機としては、円環状のヨークから複数のティースが周方向に間隔をおいて径方向内側に突出する固定子鉄心と各ティースにエッジワイズ巻に巻回された複数の集中巻コイルとを有する固定子と、固定子の内側に配置される回転子とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この回転電機では、車両の前進走行時の回転子の回転方向を主回転方向としたときに、固定子における、集中巻コイルの主回転方向の遅れ側コイル部分とティースの先端面との間の距離を、集中巻コイルの主回転方向の進み側コイル部分とティースの先端面との間の距離よりも長くする。これにより、集中巻コイルの主回転方向の遅れ側コイル部分を鎖交する磁束量を少なくして、渦電流損失を低減することができる。
上述の回転電機では、主回転方向(車両の前進走行時の回転子の回転方向)によって遅れ側コイル部分と進み側コイル部分とが定まることから、回転子が主回転方向とは反対方向に回転するときには、渦電流損失が増加する。このため、回転子の回転方向に拘わらずに、渦電流損失を低減可能な構成を提案することが要請されている。
本発明の回転電機は、回転子の回転方向に拘わらずに渦電流損失を低減可能な構成を提案することを主目的とする。
本発明の回転電機は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の回転電機は、
円環状のヨークから複数のティースが周方向に間隔をおいて径方向内側に突出するステータコアと、前記複数のティースの各々に巻回される複数のコイルと、を有するステータと、
前記ステータの内側に配置されるロータと、
を備える回転電機であって、
前記ティースの両側面における、最も内周側の前記コイルと前記周方向で整合する位置には、前記ステータコアの軸方向に延びる凹部が形成されている、
ことを特徴とする。
円環状のヨークから複数のティースが周方向に間隔をおいて径方向内側に突出するステータコアと、前記複数のティースの各々に巻回される複数のコイルと、を有するステータと、
前記ステータの内側に配置されるロータと、
を備える回転電機であって、
前記ティースの両側面における、最も内周側の前記コイルと前記周方向で整合する位置には、前記ステータコアの軸方向に延びる凹部が形成されている、
ことを特徴とする。
この本発明の回転電機では、ステータコアのティースの両側面における、最も内周側のコイルと周方向で整合する位置には、ステータコアの軸方向に延びる凹部が形成されている。この凹部によってコイルとティースとの間に空隙が形成され、この間の磁気抵抗が大きくなる。これにより、コイルに鎖交する磁束を低減することができ、渦電流損失を低減することができる。そして、ティースの両側面に凹部を設けることにより、ロータの回転方向に拘わらず、渦電流損失を低減することができる。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての回転電機10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、ステータコア32およびコイル40の一部を拡大した拡大図である。実施例の回転電機10は、図1に示すように、回転軸12に取り付けられたロータ20と、内周がロータ20の外周と対向するように配置されたステータ30と、を備える周知の三相交流電動機として構成されている。
ロータ20は、ロータコア22と、複数の永久磁石24と、を備える。ロータコア22は、電磁鋼板に打ち抜き加工などが施されて環状に形成されたロータ部材が複数積層されて構成されている。複数の永久磁石24は、ロータコア22の外周面付近を軸方向に貫通するように形成された複数の貫通孔に嵌挿されている。この複数の永久磁石24は、磁力線がロータ20の径方向に向くように且つ1個おきに磁極の向きが反転するように配置されている。
ステータ30は、ステータコア32と、複数のコイル40と、を備える。ステータコア32は、電磁鋼板に打ち抜き加工などが施されて環状に形成されたステータ部材が複数積層されて構成されている。このステータコア32は、円環状のヨーク34と、ヨーク34から周方向に間隔をおいて径方向内側に突出する複数のティース36と、を備える。各ティース36には、それぞれ、複数のコイル40が巻回されている。なお、各ティース36に巻回されるコイル40としては、カセットコイルを用いるものとしてもよい。また、図2に示すように、各ティース36の両側面における、最も内周側のコイル40と周方向で整合する位置には、ステータコア32の軸方向に延びる凹部37,38が形成されている。この凹部37,38は、径方向の幅Waが、コイル40の径方向の幅Wbよりも大きくなるように形成されている。
実施例の回転電機10では、このようにティース36の両側面に凹部37,38を形成することにより、最も内周側のコイル40とティース36との間に空隙が形成され、この間の磁気抵抗が大きくなる。これにより、磁束の流れが、凹部37,38を有しない比較例の構成での流れ(図2の太破線矢印参照)から凹部37,38を有する実施例の構成での流れ(図2の太実線矢印参照)に変化する。この結果、コイル40に鎖交する磁束を低減することができ、渦電流損失を低減することができる。そして、ティース36の両側面に凹部37,38を設けることにより、ロータの回転方向に拘わらず、渦電流損失を低減することができる。
以上説明した実施例の回転電機10では、ステータコア32のティース36の両側面における、最も内周側のコイル40と周方向で整合する位置には、ステータコア32の軸方向に延びる凹部37,38が形成されている。これにより、凹部37,38によってコイル40とティース36との間に空隙が形成され、この間の磁気抵抗が大きくなるから、コイル40に鎖交する磁束を低減することができ、渦電流損失を低減することができる。そして、ティース36の両側面に凹部37,38を設けることにより、ロータ20の回転方向に拘わらず、渦電流損失を低減することができる。
実施例の回転電機10では、ステータコア32のティース36は、内周側端部から周方向両側に突出する鍔部を有しないものとしたが、こうした鍔部を有するものとしてもよい。この場合でも、ステータコア32のティース36の両側面における最も内周側のコイル40と周方向で整合する位置に凹部37,38を形成することにより、鍔部が磁気飽和する場合などに、実施例と同様の効果を奏することができる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、ヨーク34と複数のティース36とを有するステータコア32が「ステータコア」に相当し、複数のコイル40が「複数のコイル」に相当し、ステータ30が「ステータ」に相当し、ロータ20が「ロータ」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、回転電機の製造産業などに利用可能である。
10 回転電機、12 回転軸、20 ロータ、22 ロータコア、24 永久磁石、30 ステータ、32 ステータコア、34 ヨーク、36 ティース、37,38 凹部、40 コイル。
Claims (1)
- 円環状のヨークから複数のティースが周方向に間隔をおいて径方向内側に突出するステータコアと、前記複数のティースの各々に巻回される複数のコイルと、を有するステータと、
前記ステータの内側に配置されるロータと、
を備える回転電機であって、
前記ティースの両側面における、最も内周側の前記コイルと前記周方向で整合する位置には、前記ステータコアの軸方向に延びる凹部が形成されている、
ことを特徴とする回転電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015201881A JP2017077046A (ja) | 2015-10-13 | 2015-10-13 | 回転電機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015201881A JP2017077046A (ja) | 2015-10-13 | 2015-10-13 | 回転電機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017077046A true JP2017077046A (ja) | 2017-04-20 |
Family
ID=58551637
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015201881A Pending JP2017077046A (ja) | 2015-10-13 | 2015-10-13 | 回転電機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017077046A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109004775A (zh) * | 2018-07-11 | 2018-12-14 | 珠海凌达压缩机有限公司 | 一种定子冲片、电机及压缩机 |
-
2015
- 2015-10-13 JP JP2015201881A patent/JP2017077046A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109004775A (zh) * | 2018-07-11 | 2018-12-14 | 珠海凌达压缩机有限公司 | 一种定子冲片、电机及压缩机 |
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