JP2017075898A - 非常用貯水装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】緊急時において、少なくとも原子炉圧力容器、原子炉格納容器及び使用済燃料のいずれかを冷却する水を確実に送水することを可能にする非常用貯水装置を提供すること。【解決手段】原子炉建物50の屋上に設けられた非常用貯水槽2と、非常用貯水槽2に水を送り出す配管と、を有する非常用貯水装置1であって、非常用貯水槽2は、屋上の周囲に立設された防水構造の壁部50aと、屋上の防水構造の床50bとを有し、配管は、屋上の水を外部に排出する雨樋30を兼ねる。これにより、緊急時に、雨樋に冷却水を送り込むことにより、非常用貯水槽に送水することが可能になる。【選択図】図7

Description

本発明は、緊急時において、燃料プール又は原子炉ウェルに送水する、少なくとも原子炉圧力容器、原子炉格納容器及び使用済燃料冷却用の水を貯える非常用貯水装置に関する。
地震や津波等のような原子炉の安全性を損なうおそれのある自然災害が発生した場合には、原子炉冷却用補機を駆動させて原子炉の運転を速やかに停止する必要がある。しかし、原子炉冷却用補機が故障して原子炉冷却及び使用済燃料冷却ができなくなった場合には、原子炉圧力容器破損、原子炉格納容器破損及び使用済燃料破損が発生するおそれがある。
そこで、原子炉冷却用補機に不具合が生じた場合に備えて、従来、原子炉建物の近くに設置されている復水貯蔵タンクや補助復水貯蔵タンクの水を、原子炉圧力容器および原子炉格納容器、燃料プールに供給できるようにしている。また、発電所近くに河川がある場合には、その河川の淡水を汲み上げ、ろ過して原子炉圧力容器、原子炉格納容器や、燃料プールに供給したり、発電所近くに海がある場合には、海水を汲み上げて原子炉圧力容器、原子炉格納容器や、燃料プールに供給する体制も整えられている。
また、従来、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1によれば、自然災害等の非常時において、原子炉建物の屋上に設けられた炉外冷却水貯蔵プールから原子炉圧力容器の炉底部に冷却水が供給される注水系統について開示されている。
特開2013−145208号公報
しかしながら、原子炉冷却用補機が故障した場合には、炉心の冷却に、上記公報に記載された炉外冷却水貯蔵プールの冷却水だけでは足りないおそれがある。このため、上述したように、復水貯蔵タンクや補助復水貯蔵タンクの冷却水を供給し、それでも足りない場合には河川水や海水を供給せざる得ない場合がある。この場合、これらの水源は原子炉建物から離れているため、原子炉建物への送水に手間がかかる。
また、特許文献1に記載された技術によれば、炉外冷却水貯蔵プールに送水することにより、冷却水を炉底部に継続的に供給することが可能である。しかし、緊急時に、炉外冷却水貯蔵プールに送水するための配管経路を構築することは極めて困難である。
本発明は、このような問題点を解決し、緊急時において少なくとも原子炉圧力容器、原子炉格納容器及び使用済燃料冷却用の水を確実に送水することを可能にする非常用貯水装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備えている。
(1) 原子炉建物の屋上に設けられた非常用貯水槽と、当該非常用貯水槽に水を送り出す配管と、を備える非常用貯水装置であって、前記非常用貯水槽は、屋上の周囲に立設された防水構造の壁部と、屋上の防水構造の床とを有し、前記配管は、屋上の水を外部に排出する雨樋を兼ねることを特徴とする非常用貯水装置。
(1)によれば、原子炉建物内部の燃料プール,原子炉ウェルや蒸気乾燥器・気水分離器ピットの上方に、非常用貯水槽があるため、屋上の非常用貯水槽に貯められた冷却水を、少なくとも原子炉圧力容器、原子炉格納容器及び使用済燃料冷却用として、燃料プール、原子炉ウェル又は蒸気乾燥器・気水分離器ピットに直接送り出すような機構を容易に作成することが可能になる。また、雨樋に冷却水を送り込んで非常用貯水槽に送水するため、既存の設備を利用または強化して容易に非常用貯水槽に送水することが可能になる。
(2) (1)において、前記雨樋の下端部に設けられる三方弁を更に備え、当該三方弁は、前記雨樋の下端部に接続される接続口、外部の給水設備から延びる給水用ホースの接続金具に接続される給水口、及び前記雨樋を通る水を排出する排出口を有する本体と、当該本体内に設けられ、当該本体の内部を流れる水の流路の切替を行う弁体とを有することを特徴とする非常用貯水装置。
(2)によれば、通常は、接続口から排出口に水が流れるように弁体を切り替えることによって、屋上の雨水を、雨樋を介して排水溝等に排出させることが可能になる。
また、緊急時には、排出口を閉じ、接続口と給水口との間で水の流通が可能になるように弁体を切り替え、この給水口に外部の給水設備(例えば、復水貯蔵タンクや補助復水貯蔵タンク)から延びる給水用ホースを接続することにより、給水設備の水を非常用貯水槽に送り出すことが可能になる。このように、屋外の作業で非常用貯水槽に送水することが可能になる。
(3) (1)、(2)において、原子炉建物の屋上に設置された排気装置が、原子炉建物の内部の気体を外部に放出可能な状態になった場合に、前記非常用貯水槽に貯えられた水が、前記排気装置を介して、蒸気乾燥器・気水分離器ピット、原子炉ウェル及び燃料プールのいずれかに直接送り出されることを特徴とする非常用貯水装置。
(3)によれば、原子炉建物の内部に溜まった蒸気あるいは水素ガス等が建物外に移動する際には、非常用貯水槽から原子炉建物内に移動する水に触れるため、気体に含まれる放射性物質が非常用貯水槽の水によって除去されてから、外部に放出される。これにより、放射性物質の飛散を抑えることが可能になる。
本発明によれば、緊急時において原子炉圧力容器、原子炉格納容器及び使用済燃料冷却用の水を確実に送水することを可能にする非常用貯水装置を提供することが可能になる。
原子力発電所の敷地内における各種の建物の配置例を示す平面図である。 原子炉建物50の内部を示す正面図である。 原子炉建物50の屋上を示す平面図である。 三方弁32の外観を示す説明図である。 三方弁32の内部構成を示す説明図である。 排気装置100の内部構成を示す説明図である。 非常用貯水装置1の使用した場合の冷却水の流れを示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[原子力発電所敷地内の建物の説明]
図1は、原子力発電所の敷地内における各種の建物の配置例を示す平面図である。図1に示すように、原子力発電所の敷地内には、原子炉建物50、タービン建物52、廃棄物処理建物54、制御室建物56、サービス建物58及び排気筒60等が建てられている。
原子炉建物50は、原子炉10(図2参照)や原子炉補機等を収容している。タービン建物52は、原子炉10によって加熱され、蒸気化した水によって回転するタービン、及びタービンの回転によって発電を行う発電機等を収容している。廃棄物処理建物54は、原子炉建物50、タービン建物52で発生した廃棄物を処理する設備を収容している。
例えば、建物の換気をした空気から塵埃を除去するフィルタや、排水をろ過するろ過装置等が廃棄物処理建物54に収容されている。制御室建物56は、原子力発電所の運転監視を行う中央制御装置を収納している。サービス建物58は、作業員が、放射線管理区域、例えば、原子炉建物50、タービン建物52、廃棄物処理建物54等に出入りするための装備に着替える設備、放射線管理区域から戻った際に装備を回収する設備等を収容している。
また、排気筒60は、原子炉建物50、タービン建物52、廃棄物処理建物54の換気用のダクトから送られてくる空気から放射性物質を除去したものを大気中に放出するものである。
[原子炉建物の屋内の説明]
図2は、原子炉建物50の内部を示す図である。図2(a)は原子炉建物50内の原子炉ウェル12の上方から原子炉ウェル12を投影した平面図、図2(b)は原子炉建物50の内部を示す図、図2(c)は図2(b)中の破線の丸で囲んだ領域を拡大して示す図、図2(d)は燃料プール16の水位上昇により「仕切と堰で囲まれた流路」を伝い冷却水が燃料プール16から原子炉ウェル12へ送水されていく様子を示す図である。
図2に示すように、原子炉建物50の屋内には、原子炉10と、原子炉ウェル12と、蒸気乾燥器・気水分離器ピット14と、燃料プール16と、が備えられている。
原子炉ウェル12を囲う壁面の上端には堰121が、蒸気乾燥器・気水分離器ピット14を囲う壁面の上端には堰141が、また燃料プール16を囲う壁面の上端には堰161が、それぞれ上端の一部から突出して設けられている(図2(a)、(b)参照)。
原子炉10は、原子炉格納容器20と、原子炉圧力容器22と、を備えている。原子炉格納容器20は、原子炉圧力容器22を格納する容器であり、上部に原子炉格納容器20を開閉するための上鏡20aを備えている。原子炉圧力容器22は、燃料集合体(図示せず)、制御棒(図示せず)及び、LPRM(図示せず)等からなる炉心24を収納する容器であり、上部に原子炉格納容器20を開閉するための蓋体を備えている。
原子炉ウェル12は、原子炉格納容器20の上部に配置され、原子炉格納容器20に直接つながるプールである。原子炉ウェル12の底部には、原子炉格納容器20の上鏡20aが配置されている。また、プラント運転中は遮へい機能のある蓋が配置されている。
蒸気乾燥器・気水分離器ピット14は、定期点検中に蒸気乾燥器と気水分離器とを仮置きするプールであり、プラント運転中は蓋が配置されている。
また、原子炉ウェル12と蒸気乾燥器・気水分離器ピット14との間には、仕切によって開閉される通路部17が設けられている。通常時は、通路部17には図2(b)に示すような仕切部材171が設置されているが、緊急時は、仕切部材171を取り除き、通路部17を開放させることにより、原子炉ウェル12と蒸気乾燥器・気水分離器ピット14とを連通させることができる。
燃料プール16は、原子炉10内の使用済燃料19を貯蔵するプールである。また、原子炉ウェル12と燃料プール16との間には、仕切によって開閉される通路部18が設けられている。通常時は、通路部18には図2(b)に示すような仕切部材181が設置されているが、緊急時は、仕切部材181を取り除き、通路部18を開放することにより、原子炉ウェル12と燃料プール16とを連通させることができる(図7参照)。
燃料プール16には蓋がなく、常時、水が張られた状態となっており、燃料プール16内に使用済燃料19が貯蔵されている。原子炉ウェル12及び蒸気乾燥器・気水分離器ピット14には、少なくとも定期点検時には水を張るようにしている。
定期点検時は、原子炉ウェル12に水を張る前に上鏡20aを取り外し、その後、原子炉格納容器20、原子炉ウェル12及び蒸気乾燥器・気水分離器ピット14内に水を注入し、原子炉格納容器20を満水にした後、原子炉圧力容器22の蓋体を開いて、原子炉圧力容器22の内部の点検を行っている。
図2(c)に示すように、堰121、堰141、堰161上端は、仕切部材171や仕切部材181の上端よりも高い。具体的には、仕切部材171及び仕切部材181上端の高さと、堰121、141、161上端の高さとでは、各堰が100mm以上高くなるように設定している。
そして、緊急時には、燃料プール18に冷却水を流し入れていくことにより、徐々に水位が上昇していき、仕切部材181の上端の高さを超えた時点で、図2(d)に示すように、燃料プール18から原子炉ウェル12に向かって冷却水が流れこむようになる。この仕切部材181の上端と、堰161の上端との高低差によって流路を形成している。
本発明においては、堰の上端と仕切部材の上端との高低差によってできる流路を「仕切と堰で囲まれた流路」と定義している。なお、原子炉ウェル12と、蒸気乾燥器・気水分離器ピット14との間でも、仕切部材171および堰141によって「仕切と堰で囲まれた流路」が形成されている。
[非常用貯水装置]
図3は、原子炉建物50の屋上を示す平面図である。原子炉建物50には、非常用貯水装置1が備えられている。非常用貯水装置1は、非常用貯水槽2と、雨樋30と、三方弁32(図4参照)と、を備えている。
非常用貯水槽2は、屋上の周囲を囲むように立設している壁部50aと、屋上の床50bとによって構成される。
床50bの床面は、特定方向に緩やかに傾斜しており、この傾斜の下り側の壁部50aの根元部分に、壁部50aに沿って延びる溝部50cが形成されている。溝部50cの底面の所定部位に孔部50dが設けられている。
雨樋30は、孔部50dに流入した雨水を、地上に設けられた排水溝200(図4参照)に排出する配管である。雨樋30は、防蝕性が高い材質、例えばステンレスによって構成されている。雨樋30は、図2に示すように、原子炉建物50の屋外の壁面に、上下方向に延びるように設置されており、雨樋30の上端部は、孔部50dに連通している。この雨樋30の下端部には、三方弁32(図4参照)が設けられている。
図4は三方弁32の構成を示す説明図であり、図5は三方弁32における流路切替の態様を示す説明図である。
図4に示す三方弁32は、円筒管とこの円筒管の部分の中央からの延びる分岐管とを有するT字形の本体32aと、本体32aにおける円筒管の一方の端部に設けられ、雨樋30の下端部に接続される接続部32bと、本体32aにおける分岐管の端部に設けられ、給水用ホースの接続金具に連結される接続部32cと、を備えている。
なお、以下の説明の便宜上、本体32aにおける円筒管の一方の端部の配管口を接続口、本体32aにおける円筒管の他方の端部の配管口を排水口、本体32aにおける分岐管の端部の配管口を給水口と称することにする。
更に三方弁32は、図5に示すように内部に弁体に相当するボール弁33を備えており、更に図4に示すようにボール弁33を回転させるハンドル34を備えている。
ボール弁33は、直径方向に貫通する貫通孔33aと、ボール弁33の中心から貫通孔33aに対して垂直に延びる貫通孔33bとを備えている。そして、作業員がハンドル34を回転させることにより、本体32aの内部を流れる水の流路の切替が行われる。
以下に図5を用いて三方弁32を使用した流路の切替を説明する。
図5(a)は、接続口及び排水口が貫通孔33aに対向し、給水口が貫通孔33aに対向した状態を示すものである。この場合は、接続口、給水口及び排水口が全て開放され、接続口又は給水口から流入した水は、排水口から排出される。
図5(b)は、接続口が塞がれた状態を示すものであり、この状態においては、雨樋30が堰き止められるため、三方弁32から水が流出することはない。なお、図5(b)に示す状態を閉鎖状態と称することにする。この閉鎖状態においては、雨樋30に流入した水が排出されないため、仮に、全ての雨樋の三方弁32を閉鎖状態にした場合には、雨天時における屋上の雨水はそのまま非常用貯水槽2に貯水されることになる。
図5(c)は、接続口及び排水口が貫通孔33aに対向し、給水口が塞がれた状態を示すものである。この場合は、雨樋30を下方に流れる水は排水口から排出される。
図5(d)は、接続口が貫通孔33aに対向し、給水口が貫通孔33bに対向し、排水口は塞がれた状態を示すものである。この場合は、雨樋30を下方に流れる水は給水口から流出する。逆に、給水口から水が供給された場合には、雨樋30内において水が上方に送られ、非常用貯水槽2に送水されるようになる。なお、図5(d)に示す状態を給水状態と称することにする。
[排気装置]
図2に示すように、原子炉建物50の屋上には、排気装置100が設置されている。排気装置100は、原子炉建物50の最上階フロアに滞留した蒸気あるいは水素ガス等を外部に放出させるものである。
排気装置100は、放出部110と、放出ダクト112と、ワイヤ114とを備えている。
また図6は、排気装置100の内部構成を示す説明図であり、放出部110は、原子炉建物50の最上階の屋上に設置された箱形の部材である。
放出部110は、内部が原子炉建物50に連通しており、放出部110の側面には放出口110aが形成されている。また、放出部110は、図2に示すように、蒸気乾燥器・気水分離器ピット16の鉛直上方に配置されている。
放出ダクト112は、一辺が約1mの四角筒形部材であり、図6に示すように、基端部が放出部110において放出口110aを覆うように固定されており、放出部110から水平方向に延びている。このため、原子炉建物50の最上階フロアに滞留した水素ガスは、放出部110、放出ダクト112を通って放出ダクト112の先端部から大気中に放出される。
排気装置100は、蓋体120と、130と、ワイヤ116とを更に備えている。
蓋体120と、130とは、放出ダクト112内に設置されている。放出ダクト112内には、放出口110a側(基端側)から開口端側(先端側)に向かって、蓋体130、蓋体120の順に部材が配置されている。
蓋体120と、130とは、平常時に放出ダクト112を封止して原子炉建物50からのガスが外部に移動することを規制するものである。この蓋体120、130の封止状態は、例えば、原子炉建物50内に水素ガスが充満しており、爆発の危険性があるといった緊急時において解除される。
また、蓋体120、130は、放出ダクト112の内部において所定の間隔を空けて設置されており、隣り合う蓋体120と蓋体130の間に密閉空間が形成される。この密閉空間内には、大気圧以上になるように気体、例えば窒素ガスが封止されている。
また、図6に示すように、ワイヤ114が、蓋体120の上部に連結されており、蓋体120と蓋体130との上部がワイヤ116によって連結されている。ここで、ワイヤ116は、張設された状態であることが望ましい。これにより、ワイヤ114を引っ張ることによって、蓋体120及び蓋体130が動作して放出ダクト112が開放される。なお、本実施形態においては、ワイヤ114の先端を蓋体120に連結し、蓋体120と蓋体130とをワイヤ116で連結しているが、それに限らず、蓋体120及び蓋体130が1本のワイヤ114に固定されてもよい。
また、作業員がワイヤ114を引っ張る場所については、適宜設定可能である。しかし、例えば地震のような緊急時においては、早めに避難する必要があるため、作業員が屋上に行って放出ダクト112を開放させる余裕がない。このため、ワイヤ114の巻き取り装置を屋外に設置する等、作業員が地上でワイヤ114を引っ張ることができるように構成することが望ましい。
[非常用貯水装置の使用例]
次に、非常用貯水装置1の使用例について説明する。
非常用貯水装置1は、非常時において、原子炉圧力容器、原子炉格納容器及び使用済燃料の冷却水として外部から供給される水を非常用貯水槽2に貯水するとともに、非常用貯水槽2から燃料プール16に冷却水を送り出すことに用いられる。また、非常用貯水槽2は、燃料プール16に送り出す冷却水の水圧を安定させるサージ槽としての機能を果たしている。
非常用貯水槽2に貯水する際には、作業員が、ハンドル34を操作して三方弁32を給水状態に切り替える。そして、作業員は、復水貯蔵タンクや補助復水貯蔵タンク等の外部の給水設備からポンプを介して延びる給水用ホース、河川の水を汲み上げるポンプ車から延びる給水用ホース等を、それぞれの三方弁32に接続する。ここで、給水用ホースが接続されない三方弁32については、作業員がハンドル34を操作して、三方弁32を閉鎖状態に切り替える。
そして、各ポンプを駆動することにより、給水用ホースから雨樋30に冷却水が供給され、雨樋30内の冷却水は、雨樋30の内部を上昇して、孔部50dから非常用貯水槽2に送り出される。このように、屋外の作業で非常用貯水槽2に送水することが可能になる。
地震や津波等の自然災害の発生により、原子炉の運転を停止する際に、原子炉冷却用補機が故障して原子炉冷却ができなくなった場合に、作業員は、上述した非常用貯水槽2に貯水する作業を行うとともに、ワイヤ114を引っ張って放出ダクト112を開放し、原子炉建物50内の気体を外部に放出可能な状態にする。また、原子炉格納容器20の上鏡20aを開放し、原子炉ウェル12から冷却水を導入可能な状態にする。
図7は、非常用貯水装置1の使用した場合の冷却水の流れを示す説明図である。外部から雨樋30を介して非常用貯水槽2が供給され、非常用貯水槽2への貯水が進むと、非常用貯水槽2内の冷却水は放出ダクト112内に流入し、放出部110を通って原子炉建物50内に送られる。ここで、放出部110は、燃料プール16の鉛直上方に位置しているため、放出部110を通過した冷却水は、原子炉建物50の中に落下して、燃料プール16に直接送られる。
更に、燃料プール16と原子炉ウェル12とは,上述した「仕切と堰で囲まれた流路」で連通していることから、燃料プール16に送られた冷却水は、原子炉ウェル12を通って原子炉格納容器20内に送られ、原子炉圧力容器22を冷却する(図2参照)。また,燃料プール16に貯蔵された使用済燃料19を同時に冷却する。
また、上述した「仕切と堰で囲まれた流路」を使用して、冷却水を送水してもよいが、原子炉ウェル12の水位が急激に低下した場合等、一層大量の冷却水を原子炉ウェル12内に供給する必要がある場合には、図7に示すように上部の仕切部材181を取り外して、燃料プール16と原子炉ウェル12とを連通させることで、燃料プール16から冷却水を供給してもよい。
原子炉圧力容器22を冷却することによって発生した蒸気あるいは水素ガス等は、原子炉建物50内の階上に移動し、更に、排気装置100の放出部110を通過して、大気中に放出される。この時、蒸気あるいは水素ガス等は、原子炉ウェル12内の冷却水及び非常用貯水槽2内の冷却水を通過するため、気体に含まれる放射性物質が冷却水によって除去されてから、外部に放出される。これにより、放射性物質の飛散を抑えることが可能になる。
上述したように構成された本実施形態によれば、原子炉建物50の内部の燃料プール16の上方に、非常用貯水槽2があるため、屋上の非常用貯水槽2に貯められた冷却水を直接的に燃料プール16に送り出すことが可能になり、燃料プール16に送水するための設備を組み立てる必要がなくなる。また、雨樋30に冷却水を送り込んで非常用貯水槽2に送水するため、既存の設備を利用して容易に非常用貯水槽2に送水することが可能になる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上述したものに限るものではない。例えば、上述した実施形態においては、非常用貯水槽2に貯められた冷却水を燃料プール16に送り出しているが、原子炉ウェル12あるいは蒸気乾燥器・気水分離器ピット14に送り出してもよい。
1 非常用貯水装置
2 非常用貯水槽
10 原子炉
12 原子炉ウェル
14 蒸気乾燥器・気水分離器ピット
16 燃料プール
121、141、161 堰
17、18 通路部
171、181 仕切部材
19 使用済燃料
20 原子炉格納容器
20a 上鏡
22 原子炉圧力容器
24 炉心
30 雨樋
32 三方弁
50 原子炉建物
60 排気筒
100 排気装置
110 放出部
110a 放出口
112 放出ダクト
114 ワイヤ

Claims (3)

  1. 原子炉建物の屋上に設けられた非常用貯水槽と、当該非常用貯水槽に水を送り出す配管と、を備える非常用貯水装置であって、前記非常用貯水槽は、屋上の周囲に立設された防水構造の壁部と、屋上の防水構造の床とを有し、前記配管は、屋上の水を外部に排出する雨樋を兼ねることを特徴とする非常用貯水装置。
  2. 前記雨樋の下端部に設けられる三方弁を更に備え、
    当該三方弁は、前記雨樋の下端部に接続される接続口、外部の給水設備から延びる給水用ホースの接続金具に接続される給水口、及び前記雨樋を通る水を排出する排出口を有する本体と、当該本体内に設けられ、当該本体の内部を流れる水の流路の切替を行う弁体とを有することを特徴とする請求項1記載の非常用貯水装置。
  3. 原子炉建物の屋上に設置された排気装置が、原子炉建物の内部の気体を外部に放出可能な状態になった場合に、前記非常用貯水槽に貯えられた水が、前記排気装置を介して、蒸気乾燥器・気水分離器ピット、原子炉ウェル及び燃料プールのいずれかに送り出されることを特徴とする請求項1又は2記載の非常用貯水装置。
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