以下、本発明の化粧板について、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<<化粧板>>
化粧板は、ビル、ホテル、マンションのロビーや、会議室、オフィス等の壁面等に取り付けることで、空間の見栄えを向上させることができるものである。また、化粧板は、例えば、不動産だけでなく、電車等の車両や、飛行機、船舶等の内装材として使用されるものであってもよい。
図1は、本発明の化粧板の好適な実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、化粧板(メラミン化粧板)100は、表面層11と芯材層12とを有している。
<表面層>
表面層(メラミン系樹脂層)11は、意匠面となる第1の面111側に、メラミン系樹脂を含むものである。
表面層11に含まれるメラミン系樹脂は、少なくとも、メラミン化合物とアルデヒド化合物とを構成成分として含む重合体である。
メラミン系樹脂を構成するメラミン化合物は、1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物で、トリアジン環に3つのアミノ基が導入された化合物である。
メラミン化合物の好ましい構造としては、例えば、下記式(3)で表されるもの等が挙げられる。
(式(3)中、R
1、R
2およびR
3は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数が1以上4以下の炭化水素基である。)
メラミン化合物としては、特に、式(3)のR1、R2およびR3がいずれも水素原子である化合物(メラミン)が好ましい。
これにより、化粧板100の硬度および加工性をより高いレベルで両立することができる。また、化粧板100を構成するメラミン系樹脂の合成をより効率よく行うことができる。
メラミン系樹脂を構成するアルデヒド化合物は、分子内にアルデヒド基(−CHO)を有するものであればよく、下記式(2)で表されるもの等が挙げられる。
(式(2)中、Rは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数が1以上10以下の炭化水素基である。)
アルデヒド化合物としては、特に、ホルムアルデヒドが好ましい。
これにより、化粧板100の硬度および加工性をより高いレベルで両立することができる。また、化粧板100を構成するメラミン系樹脂の合成をより効率よく行うことができる。
表面層11に含まれるメラミン系樹脂は、少なくとも、メラミン化合物とアルデヒド化合物とを構成成分として含む重合体であればよく、その他の構成成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、グアナミン化合物、スルホンアミド化合物等が挙げられる。
表面層11に含まれるメラミン系樹脂が構成成分としてグアナミン化合物を含むものであると、表面層(メラミン系樹脂層)11の硬度を十分に高いものとし、傷が十分に付き難いものとしつつ、化粧板100の加工性をより優れたものとすることができる。
グアナミン化合物は、1,3,5−トリアジン骨格を有する化合物で、トリアジン環に2つのアミノ基が導入された化合物である。
グアナミン化合物の好ましい構造としては、例えば、下記式(1)で表されるもの等が挙げられる。
(式(1)中、Rは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数が1以上10以下の炭化水素基である。)
グアナミン化合物としては、例えば、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ホルムグアナミン等が挙げられ、特に、式(1)のRがメチル基である化合物(アセトグアナミン)が好ましい。
これにより、化粧板100の硬度および加工性をより高いレベルで両立することができる。また、化粧板100を構成するメラミン系樹脂の合成をより効率よく行うことができる。
表面層11に含まれるメラミン系樹脂が構成成分としてスルホンアミド化合物を含むものであると、化粧板100の耐湿性、防汚性、耐久性等を特に優れたものとすることができる。
スルホンアミド化合物としては、例えば、p−トルエンスルホンアミド(CH3−C6H5−SO2NH2)、スルホンアミド、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、トルエン−4−スルホンアミド、4−クロロベンゼンスルホンアミド、4−アミノベンゼンスルホンアミド、N−ブチル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−ピリジン−2−イルベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(5−メチル−チアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−チアゾール−2−イル−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(5−メチル−イソキサゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(2,6−ジメトキシ−ピリミジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド、4−アミノ−6−クロロ−ベンゼン−1,3−ジスルホン酸ジアミド、6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−スルホン酸アミド、5−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−スルホン酸アミド、4−ナトリウムオキシ−ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ベンゼンスルホニルアミノ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド等が挙げられるが、中でも、p−トルエンスルホンアミドが好ましい。
これにより、化粧板100の耐湿性、防汚性、耐久性等をさらに優れたものとすることができる。また、化粧板100を構成するメラミン系樹脂の合成をより効率よく行うことができる。
表面層11は、前述したメラミン系樹脂以外の材料を含むものであってもよい。
例えば、2価以上のポリアルキレングリコールやその誘導体、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系共重合体、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、フッ素またはシリコンを含む構造の化合物、増粘剤、浸透促進剤、消泡剤等が挙げられる。
2価以上のポリアルキレングリコールやその誘導体を含む場合、硬化した樹脂の弾性率を下げ、加工性や靭性(割れにくさ)等をより優れたものとすることができる。
2価以上のポリアルキレングリコールおよびその誘導体の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシエチレン−オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン−オキシテトラメチレン)グリコール(以上、2価のポリアルキレングリコールまたはその誘導体)、ポリエチレングリコールグリセリルエーテル、ポリプロピレングリコールグリセリルエーテル、ポリブチレングリコールグリセリルエーテル、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)グリセリルエーテル、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)グリセリルエーテル(以上、3価のポリアルキレングリコール多価エーテル)、ポリエチレングリコールペンタエリスリトールエーテル、ポリプロピレングリコールペンタエリスリトールエーテル、ポリブチレングリコールペンタエリスリトールエーテル、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)ペンタエリスリトールエーテル(以上、4価のポリアルキレングリコール多価エーテル)等が挙げられる。
また、ウレタン系樹脂を含むことにより、表面層11と芯材層12との接合強度をより優れたものとすることができるとともに、化粧板100により優れた柔軟性を付与することができ、化粧板100の曲げ加工性をより優れたものとすることができる。
ウレタン系樹脂は、いかなる形態で含まれるものであってもよく、例えば、前述したメラミン系樹脂と混合された状態で含まれるものであってもよいが、表面層11中において粒子の状態で含まれるもの(特に、ウレタン系樹脂を含む材料で構成された粒子が溶剤に分散したエマルジョンを付与した後、溶剤を除去することにより得られたもの)であるのが好ましい。
これにより、表面層11と芯材層12との接合強度をさらに優れたものとすることができるとともに、化粧板100にさらに優れた柔軟性を付与することができ、化粧板100の曲げ加工性をさらに優れたものとすることができる。
前記粒子は、例えば、ウレタン系樹脂のみで構成されるものであってもよいが、ウレタン系樹脂とともにアクリル系樹脂を含むもの、特に、単一粒子内にアクリル系樹脂とウレタン系樹脂との異相構造を有する粒子(ウレタンアクリル複合粒子)であるのが好ましい。
ウレタン系樹脂とアクリル系樹脂とは、各々が芯材層12との接着強度に優れているため、ウレタンアクリル複合粒子を用いることで、芯材層12との良好な接着強度を発現することができる。さらに、ウレタン系樹脂が有する優れた特徴(優れた強靭性、弾性、柔軟性)という特徴と、アクリル系樹脂が有する優れた特徴(優れた透明性、耐久性、耐候性、耐薬品性、造膜性)とがともに効果的に発揮される。
なお、本明細書中において「異相構造」とは、1個の粒子内に異なる種類の樹脂からなる相が複数存在する構造を意味し、例えば、コアシェル構造、局在構造、海島構造等が挙げられる。
前述した中でも、前記ウレタンアクリル複合粒子は、アクリル成分をコアとし、ウレタン成分をシェルとするコアシェル構造を有するものであるのが好ましい。
ウレタンアクリル複合粒子が上記コアシェル構造であると、ウレタン系樹脂およびアクリル系樹脂の両方の特性を有しつつ、外郭にウレタン系樹脂の特性が付与される。
前述した説明では、表面層11中に含まれる粒子が、ウレタン系樹脂を含むものである場合について代表的に説明したが、その他の熱可塑性樹脂(例えば、酢酸ビニル系共重合体、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)等)で構成された粒子を含む場合であっても、前記と同様の効果が得られる。
表面層11が前記粒子を含む場合、当該粒子は、表面層11のうち第2の面112側に偏在しているのが好ましい。
これにより、前記粒子を含むことによる効果がより顕著に発揮されるとともに、前述したようなメラミン系樹脂を含む材料で構成されたことによる効果をより顕著に発揮させることができる。
また、前記粒子が、表面層11の第2の面112側における粒子間の配列状態は、特に限定されず、例えば、直鎖構造等が挙げられる。粒子の構造および粒子間の配列状態は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。
前記粒子の平均粒径は、30nm以上100nm以下であるのが好ましく、60nm以上90nm以下であることがより好ましい。
これにより、表面層11が後述するような表面層基材(繊維状物質を含む表面層基材)を含むものである場合に、粒子の繊維間への含浸性が向上し、表面層基材のより深い部位にまでエマルジョン樹脂粒子を含浸させることができるため、表面層11の柔軟性を特に優れたものとすることができる。
本明細書において、平均粒径とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒子径のことを指す。
ここで、粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−7000を用いて、水中に対象粒子を1分間超音波処理することにより分散させ、測定することができる。
また、表面層11は、繊維状物質を含むシート状の表面層基材を含むものであってもよい。
これにより、例えば、前述した樹脂材料(メラミン系樹脂、前記粒子を構成する樹脂等)を含浸させた状態で好適に担持することができ、化粧板100の耐久性等を特に優れたものとすることができる。特に、表面層基材を有することにより、表面層11の一方の面(第1の面111)側にメラミン系樹脂を偏在させ、かつ、他方の面(第2の面112)側に前記粒子を偏在させることができるため、これらが不本意に混合することを効果的に防止することができ、これらの機能をより効果的に発揮させることができる。また、表面層11が表面層基材を備えるものとすることにより、表面層基材として予め印刷等が施されたものを用いることにより、化粧板100の審美性(美的外観)を容易かつ確実に優れたものとすることができる。
表面層基材の材質は特に限定されず、例えば、パルプ、リンター、合成繊維、ガラス繊維等を用いることができる。また、必要に応じて、酸化チタン等の顔料を含有する酸化チタン含有化粧紙等を用いることができる。
また、表面層基材は、織物で構成されたものではないのが好ましい。これにより、化粧板100の表面の平滑性をより優れたものとすることができ、化粧板100の審美性をより優れたものとすることができる。
特に、表面層基材が酸化チタンを含有するものであると、表面層基材に設けられた印刷部の発色性をより優れたものとすることができ、化粧板100の審美性をより優れたものとすることができる。また、化粧板100の難燃性をより優れたものとすることができる。
表面層基材の坪量は、特に限定されないが、40g/m2以上150g/m2以下であることが好ましい。
坪量が前記下限値未満であると、表面層基材が樹脂を吸収するものである場合において、表面層基材に樹脂を含浸させる工程での切れ、しわの問題から、塗工処理が困難となり、さらに第1の面と第2の面それぞれに担持させる樹脂含浸量を調整することが困難になる可能性がある。
一方、坪量が前記上限値を超えると、表面層基材が樹脂を吸収するものである場合において、表面層基材が担持する樹脂の含浸量にムラが生じ易くなり、化粧板100の柔軟性を低下させるとともに、生産性低下、コスト高の原因となる場合がある。
表面層基材の厚さは、特に限定されないが、50μm以上300μm以下であるのが好ましく、80μm以上200μm以下であるのがより好ましく、90μm以上110μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、化粧板100の加工性をより優れたものとしつつ、前述したような表面層基材を備えることによる効果をより顕著に発揮させることができる。
表面層11を構成する表面層基材は、芯材層12に対向する第2の面112側に前述した粒子を担持するものであるのが好ましい。
これにより、表面層11と芯材層12との密着性を特に優れたものとすることができ、化粧板100の耐久性を特に優れたものとすることができるとともに、化粧板100の加工性を特に優れたものとすることができる。
なお、本明細書中において、表面層基材が樹脂を担持するとは、樹脂が表面層基材(担体)の表面に付着し、または、表面層基材内部の空隙部に含浸され、表面層材料の成形後に担持させた樹脂の性能を発現することを可能にする状態であることを意味する。なお、樹脂は、表面層基材の表面および表面層基材の内部に均一に分布していなくてもよい。
また、表面層11は、シート状の表面層基材として、繊維状物質を含まないものを備えるものであってもよい。
例えば、表面層11は、表面層基材として、金属膜(例えば、金属箔)を含むものであってもよい。
これにより、化粧板100の外観を、高級感に優れた光沢を呈するものとすることができ、審美性の向上を図ることができる。
また、表面層11は、表面層基材として、樹脂材料で構成されたフィルム(シート)を含むものであってもよい。
これにより、インキのにじみがより少ない化粧板を提供することができ、審美性のさらなる向上を図ることができる。
表面層11は、第1の面111側に、メラミン系樹脂を含む樹脂が担持されてなるものである。
これにより、表面層11の第1の面111側の表面、すなわち、表面層11の表面に好適な表面硬度を付与することができる。
表面層11の第1の面111側に担持される樹脂中のメラミン系樹脂の含有量は、特に限定されないが、80質量%以上100質量%以下であるのが好ましく、95質量%以上100質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
表面層11の厚さは、特に限定されないが、50μm以上300μm以下であるのが好ましく、80μm以上200μm以下であるのがより好ましく、90μm以上110μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、化粧板100の形状の安定性、加工性のバランスを特に優れたものとすることができるとともに、化粧板100の硬度等も特に優れたものとすることができる。
表面層11の表面(第1の面111)のマルテンス硬度は、300N/mm2以上700N/mm2以下であるのが好ましく、350N/mm2以上650N/mm2以下であるのがより好ましく、400N/mm2以上600N/mm2以下であるのがさらに好ましい。
これにより、表面層11の硬度が十分に高いものとなり、傷が特に付き難いものになるとともに、化粧板100の加工性も特に優れたものとなる。
なお、本明細書におけるマルテンス硬度は、表面皮膜物性試験機(PICODENTOR HM−500、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製)を用いて測定される値であり、具体的な測定方法は次の通りである。この測定方法では、図5(a)に示されるダイヤモンド圧子(ビッカーズ圧子)を用いて、図5(b)に示すように測定試料にダイヤモンド圧子を押し込み、表面にできたピラミッド形のくぼみの対角線の長さからその表面積A(mm2)を計算し、試験荷重F(N)を割ることにより硬さを求める。押し込み条件は、室温(実験室環境温度)において、図5(c)に示される通り、先ず0〜5mNまでの負荷を10秒間で加え、次に5mNの負荷で5秒間保持し、最後に5〜0mNまでの除荷を10秒間で行う。そして、表面積A、試験荷重Fに基づきF/Aにより求められる硬度が前記マルテンス硬度である。なお、マルテンス硬度の測定は、例えば、表面層(メラミン系樹脂層)以外の層の硬度の影響を回避するために表面層(メラミン系樹脂層)の断面について行ってもよい。これに際し、化粧板を樹脂(冷間硬化タイプのエポキシ2液硬化樹脂)で埋包し、室温で24時間以上放置して硬化させた後、硬化した埋包サンプルを機械研磨して表面層(メラミン系樹脂層)の断面を露出させ、当該断面に(充填材等の微粒子が層中に含まれる場合には当該微粒子を避けた位置に)ダイヤモンド圧子を押し込むことにより断面のマルテンス硬度を測定することができる。後に説明する実施例では、このようにして、マルテンス硬度の測定を行った。
<芯材層>
本実施形態の化粧板100は、表面層(メラミン系樹脂層)11に加えて、難燃性の繊維シートを含む芯材層12をさらに有しており、芯材層12は、表面層11の第2の面112側に接合されている。
これにより、化粧板100の形状の安定性、耐久性が特に優れたものとなる。また、化粧板100全体としての難燃性を優れたものとすることができる。
芯材層12を構成する繊維シートは、難燃性を有するものであればよいが、具体的には、例えば、コーンカロリー燃焼試験をした際の化粧板100の発熱量が、8MJ/m2以下のものであるのが好ましく、7MJ/m2以下のものであるのがより好ましく、6MJ/m2以下のものであるのがさらに好ましい。
そして、芯材層12を構成する繊維シートは、以下の条件を満足するものである。すなわち、JIS L1913:2010(フラジール形法)に準じて測定される前記繊維シートの通気量(以下、単に「通気量」ともいう。)が2[cm3/(cm2・s)]以上220[cm3/(cm2・s)]以下である。
これにより、難燃性に優れるとともに、加工性に優れ、かつ、表面の平滑性に優れ、審美性に優れた化粧板を提供することができる。
これに対し、繊維シートの通気量が前記下限値未満であると、化粧板100の加工性(特に、曲げ加工性)が著しく低下する。
また、繊維シートの通気量が前記上限値を超えると、表面層11の表面の平滑性が急激に低下し、化粧板100の審美性が著しく低下する。また、このような問題を解消するために、表面層11の厚さを大きくすることも考えられるが、このような場合、化粧板100の加工性(特に、曲げ加工性)が著しく低下する。また、化粧板100全体としての難燃性を十分に優れたものとすることが困難となる。
前述したように、芯材層を構成する繊維シートの通気量は、2[cm3/(cm2・s)]以上220[cm3/(cm2・s)]以下であればよいが、10[cm3/(cm2・s)]以上200[cm3/(cm2・s)]以下であるのが好ましく、75[cm3/(cm2・s)]以上190[cm3/(cm2・s)]以下であるのがより好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮され、難燃性、加工性、および、審美性のいずれをも、より高いレベルでより優れたものとすることができる。
芯材層12を構成する繊維シートは、不織布であるのが好ましい。
不織布は、繊維が規則的に配置され、繊維が重なる部位も規則的に存在する織物(例えば、ガラスクロス等)とは異なり、繊維の配置が不規則であり、繊維が重なる部位も不規則(ランダム)に位置することとなる。このため、面全体での平滑性を高いものとすることができ、繊維が重なる部位とそれ以外の部位とでの凹凸が視認されにくいものとなり、化粧板100の審美性をより優れたものとすることができる。
芯材層12を構成する繊維シートは、解繊処理が施されたものであるのが好ましい。
これにより、芯材層12を構成する繊維シートを、より容易かつ確実に、前述したような通気量の条件を満足するものとすることができる。
芯材層12に含まれる繊維シートは、難燃性の材料で構成されたものであればいかなる材料で構成されたものであってよいが、無機材料で構成された繊維を含むものであるのが好ましい。
難燃性の無機材料は、一般に、化学的安定性に優れており、化粧板100の耐久性をより優れたものとすることができる。
特に、前記繊維シートの繊維は、ガラス材料で構成されたものであるのが好ましい。
これにより、化粧板100の剛性等を特に優れたものとすることができる。また、ガラス材料は、比較的安価で入手が容易であるため、化粧板100のコスト低減や安定的な生産の観点からも有利である。
繊維シートを構成するガラスとしては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、Hガラス等が挙げられる。
これらの中でもTガラスが好ましい。
これにより、繊維シートの熱膨張係数を小さくすることができる。
そして、芯材層12に含まれる繊維シートは、以下の条件を満足するものであるのが好ましい。すなわち、繊維シートを構成する繊維の平均径(平均太さ)をA[μm]、前記繊維の平均長さをB[μm]、芯材層12に含まれる繊維シートの任意の面内方向である第1の方向についての引張強さをT[N/25mm]、芯材層12に含まれる繊維シートの面内方向であって、前記第1の方向に直交する第2の方向についての引張強さをY[N/25mm]としたとき、下記式[1]および下記式[2]の条件を満たすのが好ましい。
1000≦B/A≦2000 ・・・ [1]
0.4≦T/Y≦2.5 ・・・ [2]
これにより、化粧板100の加工性および審美性をより高いレベルで両立することができる。また、化粧板を壁面等に取り付ける際、通常、粘接着剤(粘着テープ等)を用いるが、上記のような条件を満足することにより化粧板と粘接着剤との密着性を優れたものとすることができ、化粧板と被着体(壁面等)との接合強度を優れたものとすることができる。
引張強さ(引張強度)は、JIS P 8113に準拠して、幅25mmのサンプルについての測定により求めることができ、引張試験機(例えば、卓上型横型引張試験機No.2000(熊谷理機工業社製)等)を用い、サンプル10点について測定を行い、その平均値を引張強さ(引張強度)として採用することができる。後に説明する実施例では、卓上型横型引張試験機No.2000(熊谷理機工業社製)を用いて、このような方法により、引張強さ(引張強度)の測定を行った。
上記のように、芯材層12に含まれる繊維シートを構成する繊維の平均径A[μm]、前記繊維の平均長さB[μm]との間では、1000≦B/A≦2000の関係を満足するのが好ましいが、特に、1100≦B/A≦1950の関係を満足するのがより好ましく、1200≦B/A≦1900の関係を満足するのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
また、上記のように、芯材層12に含まれる繊維シートの任意の面内方向である第1の方向についての引張強さT[N/25mm]、芯材層12に含まれる繊維シートの面内方向であって、前記第1の方向に直交する第2の方向についての引張強さY[N/25mm]との間では、0.4≦T/Y≦2.5の関係を満足するのが好ましいが、0.5≦T/Y≦2.0の関係を満足するのがより好ましく、0.67≦T/Y≦1.5の関係を満足するのがさらに好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
芯材層12に含まれる繊維シートを構成する繊維の平均径Aは、6μm以上13μm以下であるのが好ましく、7μm以上12μm以下であるのがより好ましい。
これにより、表面層11の表面の平滑性、化粧板100の審美性をより優れたものとすることができるとともに、化粧板100の加工性をより優れたものとすることができる。
芯材層12に含まれる繊維シートが不織布である場合、当該不織布を構成する繊維の平均長さBは、6000μm以上25000μm以下であるのが好ましく、7000μm以上22000μm以下であるのがより好ましい。
これにより、表面層11の表面の平滑性、化粧板100の審美性をより優れたものとすることができるとともに、化粧板100の加工性をより優れたものとすることができる。
芯材層12に含まれる繊維シートの面内方向のうち引張強さが最大となる方向での引張強さは、150[N/25mm]以上であるのが好ましく、290[N/25mm]以上であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100の耐久性、加工性をより優れたものとすることができる。
芯材層12に含まれる繊維シートの面内方向のうち引張強さが最小となる方向での引張強さは、50[N/25mm]以上であるのが好ましく、140[N/25mm]以上であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100の耐久性、加工性をより優れたものとすることができる。
芯材層12に含まれる繊維シートの坪量は、特に限定されないが、15g/m2以上180g/m2以下であるのが好ましく、50g/m2以上110g/m2以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100の加工性、取扱いのし易さを特に優れたものとしつつ、化粧板100全体としての難燃性をより優れたものとすることができる。
芯材層12に含まれる繊維シートの厚さは、230μm以上800μm以下であるのが好ましく、240μm以上790μm以下であるのがより好ましく、300μm以上600μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、化粧板100の耐久性、加工性をより優れたものとすることができる。
芯材層12に含まれる繊維シートの密度は、0.12g/cm3以上0.14g/cm3以下であるのが好ましい。
これにより、表面層11の表面の平滑性、化粧板100の審美性をより優れたものとすることができるとともに、化粧板100の加工性、耐久性をより優れたものとすることができる。
芯材層12は、難燃性の繊維シートを含むものであればよいが、それ以外の成分を含むものであってもよい。
例えば、芯材層12は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の各種樹脂材料を含むものであってもよい。これにより、化粧板100の剛性、機械的強度をより優れたものとすることができる。また、化粧板100の難燃性をより優れたものとすることができる。
芯材層12に含まれる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。中でも、アクリル系樹脂および/またはウレタン系樹脂を用いるのが好ましい。
また、芯材層12に含まれる熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ユリア樹脂、マレイミド樹脂等が挙げられる。中でも、難燃性、耐熱性、密着性の観点からフェノール樹脂が好ましい。これらの樹脂は、単独または混合して用いることができる。
このような芯材層12は、例えば、繊維シートと樹脂材料とを含むプリプレグを用いて好適に形成することができる。
プリプレグとしては、特に限定されず、例えば、樹脂材料等を含有する樹脂組成物を上述の繊維シートに含浸してなるものを用いることができる。
プリプレグ中に含まれる樹脂組成物の含有量は、表面層11との層間接着強度が、化粧板100を形成するために十分であれば、特に限定されないが、熱可塑性樹脂を用いる場合は、プリプレグ中に固形分で1質量%以上20質量%以下含有することが好ましく、1質量%以上10質量%以下含有することがより好ましい。また、熱硬化性樹脂を用いる場合は、プリプレグ中に固形分で1質量%以上20質量%以下含有することが好ましく、2質量%以上10質量%以下含有することがより好ましい。これにより、表面層11と芯材層12との層間接着強度を向上させることができる。
プリプレグは、従来公知の方法により製造することができ、例えば、上述した繊維シートと同様の繊維シートに、樹脂を溶剤に溶解させたワニスを含浸、乾燥させることにより得られる。
また、芯材層には、表面層11の構成成分として前述したような粒子を含むものであってもよい。
これにより、表面層11と芯材層12との接合強度をより優れたものとすることができ、室温(25℃)付近での曲げ加工性等を特に優れたものとすることができる。
芯材層12の厚さは、230μm以上800μm以下であるのが好ましく、240μm以上790μm以下であるのがより好ましく、300μm以上600μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、化粧板100の取扱いのし易さの低下や生産コストの増大を防止しつつ、化粧板100全体としての耐熱性、難燃性を特に優れたものとすることができる。
また、化粧板100は、全体厚さ(平均厚さ)が0.3mm以上3mm以下であるのが好ましく、0.4mm以上1.2mm以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100は、十分な機械的強度等を有しつつ、曲げ加工をより容易に行うことができるものとなる。
表面層11の第1の面111の表面粗さRaは、600μm以下であるのが好ましく、400μm以下であるのがより好ましい。
これにより、化粧板100の表面(第1の面111)の平滑性をより優れたものとすることができ、化粧板100の審美性をより優れたものとすることができる。
<<化粧板の製造方法>>
次に、前述した化粧板の製造方法について説明する。
図2は、本発明の化粧板の製造方法の好適な実施形態を示す断面図である。
まず、前述したメラミン系樹脂の未硬化物を含む材料で構成された第1の層11’を形成する(図2(1a)参照)。第1の層11’は、前述した表面層11となる層である。
特に、本実施形態では、第1の層11’は、表面層基材を含み、当該表面層基材の一方の面(意匠面となる第1の面111)にメラミン系樹脂を含有する樹脂を担持させ(付与工程)、他方の面に前述したようなエマルジョンの固形分を担持させることにより形成されたものである。
メラミン系樹脂を含有する樹脂を表面層基材に担持させる方法としては、例えば、メラミン系樹脂を含有する樹脂組成物を、スプレー装置、シャワー装置、キスコーター、コンマコーター等の公知の装置を用いて付与する方法等が挙げられる。
エマルジョンの固形分を表面層基材に担持させる方法としては、例えば、エマルジョンを、スプレー装置、シャワー装置、キスコーター、コンマコーター等の公知の装置を用いて付与する方法等が挙げられる。
次に、別途用意した難燃性の繊維シートを含む材料(芯材層材料)で構成された基体12’を、第1の層11’のメラミン系樹脂を含有する樹脂組成物が付与された側の面と対向するように配置する(図2(1b)参照)。基体12’は、前述した芯材層12となる層である。
次に、第1の層11’と基体12’とを接触させた状態で加熱する。これにより、第1の層11’と基体12’とが熱圧着し、表面層11と芯材層12とを有する化粧板100が得られる(図2(1c)参照)。また、この加熱により、第1の層11’中に含まれるメラミン系樹脂を含有する樹脂組成物が重合・硬化する(硬化工程)。これにより、化粧板100の硬度、耐久性は、特に優れたものとなる。
また、上記の加熱の条件は、特に限定されないが、加熱温度130℃以上150℃以下、圧力2MPa以上8MPa以下で行うのが好ましい。また、加熱時間は、10分間以上60分間以下であるのが好ましい。
また、化粧板100の成型時に、第1の層11’の第1の面側に、鏡面仕上げ板を重ねることにより鏡面仕上げとすることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述したものに限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本発明の化粧板は、図1に示した化粧板100の形態に限定されず、機械的強度等を付与したい場合には、図3に示すように、芯材層の下側にさらに別の芯材層材料を積層して芯材層を2層積層した、表面層11、芯材層12、芯材層14の三層構成としたものであってもよい。また、表面層および芯材層以外の別の層を有していてもよく、例えば、図4に示すように、意匠面側の最外層に保護層15を有していたり、芯材層側の最外層に支持層16を有していたりするものでもよい。
保護層15は、特に限定されず、例えば、坪量10g/m2以上50g/m2以下の紙基材に、メラミン系樹脂単独、あるいは、メラミン系樹脂に、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、あるいはシリカから選ばれる無機充填材を含有させた樹脂組成物を含浸させ、これを乾燥することにより得ることができる。
支持層16は、特に限定されず、例えば、表面層基材に用いられるものと同様の基材に、表面層の第1の面側または第2の面側に用いることができる樹脂を含浸させてなるプリプレグや、金属箔等を用いることができる。
また、本発明において、化粧板は、表面層と芯材層との間に中間層を有するものであってもよい。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
表面層基材として厚さ100μm、坪量80g/m2の酸化チタン含有化粧紙(大日本印刷(株)製)を用い、前記酸化チタン含有化粧紙の第2の面側に、ウレタンアクリル複合粒子のエマルジョン(中央理化工業社製「SU−100」、平均粒径:84nm、分散媒:水)を固形分で40g/m2となるように塗工し、続いて前記化粧紙の第1の面側(意匠面側)に、メラミン系樹脂(反応モル比1.4、樹脂固形分50質量%)を50g/m2となる様に塗工した後、120℃の熱風乾燥機にて90秒乾燥し、樹脂比率が53質量%、揮発分率3質量%の表面層材料(第1の層)を得た。なお、前記メラミン系樹脂は反応釜に原料メラミンとホルマリンを所定配合比率で仕込み触媒添加後、沸点まで昇温して還流反応し、メラミン溶解が完了したことを確認した上で、反応終点に達したら脱水処理にて樹脂固形分を調整し冷却する方法により合成した。
得られた表面層材料(第1の層)の第2の面側に、繊維シートとしての難燃性のガラスクロスを基材とし、バインダーを含むプリプレグからなる芯材層材料で構成された基体を重ね合わせ、140℃、2MPaの条件で40分間加熱加圧成形して、表面層と芯材層とを有する厚さ0.18mmの化粧板(メラミン化粧板)を得た。
難燃性基材(繊維シート)としては、Tガラスのガラス繊維で構成され、当該ガラス繊維の平均径が7μm、密度が0.85g/cm3、厚さが81μm、坪量が69g/m2、通気量が95.4[cm3/(cm2・s)]のもの(ガラスクロス)を用いた。
(実施例2〜9)
芯材層を構成する繊維シートの条件、バインダーの条件を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして化粧板を製造した。
(実施例10)
表面層基材として厚さが40μmで、ウレタン系のプライマー処理を施したアルミニウム箔を用いた以外は、前記実施例5と同様にして化粧板を製造した。
(比較例1、2)
芯材層を構成する繊維シートの条件を表1に示すように変更した以外は、前記実施例と同様にして化粧板を製造した。
前記各実施例および比較例の化粧板の条件を表1にまとめて示した。なお、表1中、アクリル樹脂を「Ac」、メラミン系樹脂(実施例1の表面層の形成に用いたのと同様のもの)を「MF」、エポキシ樹脂を「EP」、ポリビニルアルコールを「PVA」で示した。また、前記各実施例の化粧板についての表面層の表面のマルテンス硬度は、いずれも、300N/mm2以上700N/mm2以下の範囲内の値であった。また、前記各実施例および比較例1、2の化粧板での芯材層を構成する繊維シートは、いずれも、コーンカロリー燃焼試験をした際の発熱量が、6MJ/m2以下のものであった。また、実施例1〜3では、ガラスクロスとして解繊処理を施したものを用いた。
また、前記各実施例および比較例1、2の化粧板の製造に用いた繊維シートについての表1に示した条件(通気量、繊維の平均長さ、繊維の平均径(太さ)、繊維シートの坪量、密度、厚さ、各方向での引張強さ)は、プリプレグの調整前(単独の状態での繊維シート)についての測定で求めた値と、化粧板製造後に、当該化粧板を焼成し、その後取り出した繊維シートについての測定で求めた値とは、一致していた。
[3]評価
前記のようにして製造された各実施例および比較例の化粧板について、以下の評価を行った。
[3.1]難燃性(不燃性)
日本建築総合試験場の業務標準「防耐火性能試験・評価業務方法書」4.10 不燃性能試験・評価方法における、(2)ii)4.10.2 の発熱性試験・評価方法により実施し、以下の基準に従い、化粧板の難燃性を評価した。
(総発熱量)
A:4.0MJ/m2未満
B:4.0MJ/m2以上8.0MJ/m2未満
C:8.0MJ/m2以上
(200kW/m2超過時間)
A:10秒未満
B:10秒以上
[3.2]曲げ加工性
JIS K 6902の曲げ成形性試験(A法)に準拠し、室温で、外曲げ変形(表面層が外側を向く変形)、内曲げ変形(表面層が内側を向く変形)を与えた際に、化粧板の表面層が設けられた面側から目視により観察した場合のクラックを伴わない最小Rを求め、以下の基準に従い、化粧板の曲げ加工性を評価した。
(外曲げ変形)
A:4.0R未満。
B:4.0R以上6.0R未満。
C:6.0R以上8.0R未満。
D:8.0R以上10.0R未満。
E:10.0R以上。
(内曲げ変形)
A:3.0R未満。
B:3.0R以上3.5R未満。
C:3.5R以上4.0R未満。
D:4.0R以上4.5R未満。
E:4.5R以上。
[3.3]表面の平滑性
表面層の表面粗さRaを求め、以下の基準に従い、化粧板の表面の平滑性を評価した。
A:表面粗さRaが400μm未満。
B:表面粗さRaが400μm以上600μm未満。
C:表面粗さRaが600μm以上700μm未満。
D:表面粗さRaが700μm以上800μm未満。
E:表面粗さRaが800μm以上。
[3.4]審美性
化粧板を表面層側から観察し、その審美性を以下の基準に従い評価した。
A:非常に優れた外観を有している。
B:優れた外観を有している。
C:良好な外観を有している。
D:表面の荒れが目立ち、審美性がやや劣っている。
E:表面の荒れが目立ち、審美性が非常に劣っている。
これらの結果を表2にまとめて示した。
表2から明らかなように、本発明では、加工性に優れ、かつ、表面の平滑性、審美性にも優れた化粧板を得ることができた。また、本発明では、加工後の化粧板において、ひび割れ等の欠陥の発生が効果的に防止されていた。これに対し、比較例では、満足な結果が得られなかった。