JP2017074099A - メンタルヘルス・呼吸訓練システム、掛け軸型メンタルヘルス・呼吸訓練システムおよび面発光表示体 - Google Patents

メンタルヘルス・呼吸訓練システム、掛け軸型メンタルヘルス・呼吸訓練システムおよび面発光表示体 Download PDF

Info

Publication number
JP2017074099A
JP2017074099A JP2015201999A JP2015201999A JP2017074099A JP 2017074099 A JP2017074099 A JP 2017074099A JP 2015201999 A JP2015201999 A JP 2015201999A JP 2015201999 A JP2015201999 A JP 2015201999A JP 2017074099 A JP2017074099 A JP 2017074099A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
emitting display
mental health
training system
light
biological signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015201999A
Other languages
English (en)
Inventor
伊藤 祐一
Yuichi Ito
祐一 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2015201999A priority Critical patent/JP2017074099A/ja
Publication of JP2017074099A publication Critical patent/JP2017074099A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Abstract

【課題】被験者の呼吸、脈拍、脳波等の生体信号をモニターし、それらの状態や変化を発光する面発光表示装置の発光状態に反映し、その光に合わせた呼吸をすることによりリラックスでき、瞑想時や仰臥禅や坐禅時において効果的に訓練できるメンタルヘルス・呼吸訓練システムと面発光表示体を提供すること。【解決手段】適度な輝度と大きさを有し、意匠性に優れ有機的な発光をする有機ELシート等の面発光表示体および掛軸型面発光表示体を提供することにより、被験者や指導者が効果的に被験者の状態を視認でき、かつ被験者の生体信号に基づく暖白色から黄色の有機的な光の明暗の変動を面発光表示体でリアルタイムに作り出すことにより、その光の変動に合わせて被験者が呼吸することにより長い時間雑念を生じず、かつリラックスすることができるメンタルヘルス・呼吸訓練システムであることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、坐禅やヨーガ、瞑想、仰臥時等における呼吸、心拍、脳波等の生体信号のフィードバックによるメンタルヘルスや呼吸法訓練での自己訓練や指導に利用するメンタルヘルス・呼吸訓練システムおよびそれに使用する面発光表示体に関する。
近年、社会生活でのストレスや悩み、戦争や災害による恐怖や不幸、罪の意識等による不眠、うつ病、無気力等精神を患う人が増えメンタルヘルスケアの重要性が叫ばれている。
また、ストレスは自律神経の交感神経と副交感神経の緊張のバランスを崩し、色々な病気を誘発する。そこでストレスを発散し貯めないようにすることが重要で、他から邪魔されない空間で坐禅やヨーガを行ったり、ヒーリング音楽等を聴いて、何かに捕らわれた心を開放し心を自由にしてリラックスし、リフレッシュすることが行われている。
また、老齢化による慢性閉塞性肺疾患などで呼吸器の機能が衰え、息切れや酸素吸入が必要になる人も増えている。そのため呼吸器機能低下の予防や、お年寄りでも楽しくできる呼吸リハビリテーションの方法が求められている。
また、スポーツの勝負や大勢の人前で演奏や講演をする時等には、あがらずに集中力を長時間維持し十分実力を発揮するために、深呼吸することも良く行なわれている。
腹式呼吸で深い呼吸をすると副交感神経が優位になり、脈拍や血圧が下がりリラックスしストレスから解放される。また、ヨーガの瞑想では脳波のα波が強まり、集中力が高まり悩みやストレスからも解放されると言われている。
そこで坐禅や仰臥禅、瞑想中等の被験者の呼吸の速度と間隔、脳波(周波数によりα波β波θ波等がある)の強度や発生位置の変化や、心拍間隔、体温、血中酸素濃度などの生体信号の変化等を可視化し、被験者にフィードバックできれば、自己の体と精神の状態を容易に客観的に把握でき、集中力を高めたり、リラックスする訓練が効果的に行える。
また、坐禅やヨーガの上級者の呼吸法や生体信号の状態を記録し、その状態を再生、可視化できれば、上級者の呼吸法や脳波の状態を真似て訓練でき効果的に上達することも考えられる。
さらには、呼吸を整えることにより捕らわれた心から解放され悩みやストレスによる不眠を解消したいという要望もあった。
そのようなニーズに応えるものとしては、例えば特許文献1に、タイマーによりLEDランプのレベルインジケーターを点灯させ、呼吸のタイミングを合わせ訓練する装置が開示されている。しかし実際の呼吸や心拍をセンサーでモニターし、その状態をランプで表示、記録することに関しては記載がない。そのため呼吸の訓練の到達度を把握することはできなかった。
また表示装置がむき出しの点発光のLEDランプのレベルインジケーターのため、表示装置自体は意匠性が低く、また発光にバイタリティ(生命力)を感じられず使用者が雑念を抱かず集中して無心に光を見続ける対象としては相応しいとは言えなかった。
一方、近年脳科学の進展で脳波と集中度や瞑想度の関係が解明されつつあり、脳波で機
械をコントロールできるようにもなってきている。
脳波を解析し、メンタルヘルスコントロールの訓練に使う装置もニューロスカイ社等から市販されている。また指の血流で測った脈拍周期のリズムから自律神経の状態をLEDの3段階の発光色の変化やコンピュータ画面上のグラフで表示し呼吸法によるメンタルのフィードバック訓練に役立てる装置がハートマス社から販売されている。
また、ウエアラブルセンサー等により心電波形を計測し、心電図の隣接するR波(心臓が収縮する時の心電図の波形)間の周期のばらつきや、脈拍の脈動間隔をポアンカレプロット(脈拍の周期のばらつきを視覚的に表すためのグラフであり、ローレンツプロットとも言う。)を行いリラックスと緊張のメンタル面の変化をグラフ化し可視化する試みも行われている(非特許文献1、特許文献2−12参照)。
しかし、表示部が、LEDの3段階の色変化表示や、液晶ディスプレイ画面によるグラフ表示、またはLEDによるバー表示では、表示装置の光に心を集中するに相応しい対象とは感じられず、そのため集中力を維持して見つめ続けることができず、また半眼や黙想状態ではグラフ表示が見え難いこともあり、十分にフィードバックの効果を得ることができなかった。
さらには、大勢の坐禅者や瞑想者が集う坐禅会や瞑想の会において使う装置の場合、小さなLED表示器や、角度依存性が大きく輝度ムラが大きい液晶ディスプレイを使った装置では、大勢の坐禅者や瞑想者を相手に指導する際には視認性が悪く指導し難い問題があった。
そのような視認性の悪い液晶表示装置の例としては、例えばスマートフォン、タブレットコンピューター、パソコン、テレビ等に用いられるドットマトリクスで形成されたディスプレイであって、被験者と30cmから1m程度の距離を置いて使われる液晶ディスプレイ等が挙げられる。
これらの液晶ディスプレイはLEDバックライトが付いたドットマトリクス表示で、多様な文字や図柄の表示に優れている。しかし一般的には白色全面発光時のピーク輝度が数100cd/m以下の場合が多く坐禅、仰臥禅、瞑想での半眼状態や、瞼を軽く閉じた状態の際には光によるパワーを感じるには不十分である。
また、画素が荒いディスプレイを近距離で見た場合は、画素のドットが目立ち、月や蓮の花等の画像を表示した場合に実物感、実在感、バイタリティが得られない。
さらに液晶ディスプレイにおいては、照度の低い部屋や寝室ではバックライトからの光漏れによる黒表示部分のコントラスト低下と視角による輝度ムラが顕著に目立ち、表示体自体および表示体に表示した文字や絵柄の画像を集中して見る対象としては全く適さない。
また、有機ELシートと似た面発光表示体として分散型ELシートがある。分散型ELシートは高誘電率バインダー中に直径数十μmの硫化亜鉛系等の無機蛍光体粉末を分散したインクを透明電極フィルム上に塗布した発光層シートと、高誘電率なバインダー中にチタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウム等の高誘電率誘電体粉末を分散したインクをアルミ箔電極上に塗布した誘電体層シートとを加熱圧着し、防湿フィルムでラミネートした構造である。
分散型ELシートは、100〜400V、数百〜数KHz程度の交流高電圧が印加され駆動される。無機半導体からなる蛍光体中では生じたホットエレクトロンにより電子と正孔が発生しドナー準位およびアクセプター準位に捕獲後、再結合するか、他の発光中心にエネルギー移動することにより発光する。または無機半導体蛍光体中のMnイオン等の発
光中心を直接衝突励起することにより発光する。しかし最高輝度は数十から数百cd/m程度と有機ELシートより1桁から2桁低く、光によるパワーを感じ、集中して見る対象としては輝度が足りず適さない。また交流駆動により音響ノイズが発生し、静寂な場での精神集中の妨げになり本発明の面発光表示体として相応しくなかった。
実案平3−50946号公報 特許第5148850号公報 特許第4938382号公報 特許第4885659号公報 特許第4885660号公報 特許第4965205号公報 特許第5101859号公報 特許第4943809号公報 特許第5043418号公報 特許第5173251号公報 特許第5192179号公報 特開2009−22478号公報
NTT技術ジャーナル、vol26、No5、p42(2014)
上記のような事情に鑑み、本発明は、呼吸、脈拍、脳波などの生体信号をモニターし、その変化をリアルタイムで可視化し、黙想して軽く瞼を閉じたり、半眼状態であっても、被験者に効果的にフィードバックし訓練でき、また、訓練の手本となるような呼吸や脳波等の生体信号データを記録し、面発光表示体で再生、可視化することで、それを目標として精神集中法や呼吸法を訓練することができるメンタルヘルス・呼吸訓練システムを提供することを課題とする。
上記の課題を解決する手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、被験者の生体信号を取得し、その生体信号に基づいた被験者の状態をリアルタイムに面発光表示装置の発光状態に反映させることにより、被験者自身や指導者が被験者の呼吸の状態や心拍、脈拍、血圧などのバイタル情報や脳波等によるメンタル状態を容易に視認でき、それらの情報を反映した発光を利用して心の状態を自己制御し集中力を養ったり、心の健康を増進するための呼吸訓練を行うためのメンタルヘルス・呼吸訓練システムであって、
人体の生体信号を取得するための生体信号センサー群と、
生体信号センサーから出力された生体信号を受信し、その生体信号に基づいた信号を出力する生体信号入力・受信装置と、
生体信号入力・受信装置から出力された信号を受けて演算処理し、且つ制御装置として機能する演算処理装置と、
演算処理装置から出力された信号に基づいて発光する面発光表示体群とを備えており、
人体信号センサー群は、生体信号入力・受信装置と有線接続したs台の人体信号センサーと、無線接続したm台の人体信号センサーとを備えており、
面発光表示体群は、発光面となる面発光表示部と情報を表示するためのサブ表示部とそれら表示部を駆動するための駆動回路とを備えた面発光表示体をn台備えており、
演算処理装置は、演算処理したデータを保存し、呼び出すことができるデータ保存再生
装置と、外部の装置と通信するための外部通信装置と、面発光表示体群に接続され、それらの装置を制御するメンタルヘルス・呼吸訓練システムにおいて、
外部通信装置にp台の音響出力装置と、t台のアロマ発生装置と、が接続されていることを特徴とするメンタルヘルス・呼吸訓練システムである。
ただし、s、m、n、p、tは、s+m≧1、n≧1、p≧0、t≧0を満たす整数である。
また、請求項2に記載の発明は、前記生体信号センサーとして、マイクロ波を使用したドップラーセンサーを使用して、非接触で被験者の生体信号を取得することを特徴とする請求項1に記載のメンタルヘルス・呼吸訓練システムである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに使用する面発光表示体であって、支持体である透明な基板の表面に形成された透明な陽極の上に、正孔注入輸送層と電子輸送性発光層とからなる有機EL媒体層、陰極とをこの順に備えた有機ELシートを用いた面発光表示体において、有機ELシートの有機EL媒体層中の少なくとも1層の厚さを、基板の中心部から周辺部に向って通常膜厚から徐々に厚い構成としたことにより、駆動電圧増大分に対する発光輝度増大分の比が、周辺部における値より中心部における値の方が50%以上大きいことを特徴とする面発光表示体である。
また請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに使用する面発光表示体であって、前記面発光表示体の前記面発光表示部の表面が、光拡散面または鏡面であって、かつ文字や絵柄が金属ナノ粒子を含むインクを用いて表面に描かれていることを特徴とする面発光表示体である。
また請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに使用する面発光表示体であって、前記面発光表示体の前記面発光表示部の表面が、光拡散面または鏡面を有し、かつその発光色がCIE−XYZ表色系のxy色度図上の白色、黄色、もしくは黄味橙色であることを特徴とする面発光表示体である。
また請求項6に記載の発明は、請求項1または2に記載のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに使用する面発光表示体であって、前記面発光表示体を形成した基板が四角形であり、その面発光表示体の前記面発光表示部以外に、同一基板上に少なくとも1つ以上のデータ表示するためのサブ表示部が形成されていることを特徴とする面発光表示体である。
また請求項に記載7の発明は、前記面発光表示部が有機ELシートであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の面発光表示体である。
また請求項8に記載の発明は、請求項1または2に記載のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに使用する面発光表示体であって、掛け軸において作品を掲示する部位である中回し部に請求項3〜7のいずれかの面発光表示体を設置したことを特徴とする掛け軸型面発光表示体である。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1または2に記載のメンタルヘルス・呼吸訓練システムであって、前記面発光表示体として請求項8に記載の掛け軸型面発光表示体を用いたことを特徴とする掛け軸型メンタルヘルス・呼吸訓練システムである。
本発明のメンタルヘルス・呼吸訓練システムによれば、被験者の呼吸動作による身体変位、心拍、血圧、心電波形、脈拍に伴う血流変化、血中酸素飽和度、脳波の周波数と電位
および脳波の発生位置、発汗量、電気抵抗、体温等の状態から選択された生体信号を生体信号センサーにより取得し、取得した生体信号およびそれらの生体信号を演算処理する事によって得た信号に基づいて、リアルタイムに面発光表示体の発光状態を変化させることができる。
そのため被験者は、自己の状態をリアルタイムに面発光状態の変化により視認でき、自己のメンタル状態を制御し、心の健康を増進するための訓練に役立てることができる。
また、従来から良く用いられていた被験者以外は視認できないLEDが内蔵されたメガネ型の発光表示体と異なり、本発明のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに用いる面発光表示体は、被験者以外からも被験者の状態を容易に視認できるため、指導者が大勢の被験者を同時に指導する際にも効果的に利用することができる。
さらに、記録された上級者の生体信号データを面発光表示体で再生することにより、初心者でも、その状態を目指して効果的に呼吸法等の訓練を行うことができるようになる。
また本発明のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに用いる面発光表示体に有機ELシートを用いることにより、その適度な輝度と美しく暖かい光の発光状態の変化や、その発光面に仏画などの絵柄や題目の文字等が浮き出るようにすることにより、光による一種独特の雰囲気や力を感じるようにすることが可能となる。そのため、光のみを心に受け入れられ雑念を捨て集中することが容易になり、より精神を安定させリラックスできるようになる。また落ち着いて睡眠できるようになる効果がある。
また面発光表示体に、可撓性の有機ELシートを用いた場合は、巻き取り可能な掛け軸に組み込むことができ、呼吸訓練などに相応しい雰囲気を作り出すことができると共に、持ち運び易い形態となり、また壁に掛けたり、天井に張り付けやすい形態となる。
また、本発明のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに用いる生体信号センサーにマイクロ波のドップラー効果を利用したドップラーセンサーを用いることにより、わずらわしい電線コードに繋がれず、非接触で呼吸や膜拍等の生体信号を取得できる。
本発明のメンタルヘルス・呼吸訓練システムの装置構成の一例を示す説明図。 本発明の面発光表示体に用いる有機ELシートの例を示した断面模式図。 本発明に用いる面発光表示体の形状および構成の例を示す説明図。 有機EL媒体の厚さが異なるEL素子の中心部と周辺部の輝度−電圧特性の例を示したグラフ。 面発光表示体を取り付ける前の本発明の掛け軸の背面図を示す説明図。 面発光表示体を取り付け後の本発明の掛け軸の背面図を示す説明図。 面発光表示体を取り付け後の本発明の掛け軸の前面図を示す説明図。 面発光表示体を取り付け後の別の場合の本発明の掛け軸の前面図を示す説明図。 面発光表示体を取り付け後の本発明の掛け軸の側断面を示す概略断面図。 フレキシブルな面発光表示体を取り付け丸めた後の本発明の掛け軸の側面図を示す概略断面図。 本発明の掛け軸に用いる面発光表示体の駆動電圧を変化させた際の発光状態の変化の例を示した説明図。 サブ表示部に線香型タイマーを用いた時の表示方法を示した説明図。 一般的な有機ELシートの素子構造の一例を示す概略断面図。 従来の透明陽極のパターンの例を示す説明図。
<メンタルヘルス・呼吸訓練システム>
本発明のメンタルヘルス・呼吸訓練システムの構成例を、図1に示す。なお、図1で、m、n、p、s、tは、s+m≧1、n≧1、p≧0、t≧0を満たす整数である。本発明のメンタルヘルス・呼吸訓練システム100は、被験者1の生体信号を取得するための少なくとも1台の生体信号センサー2、2’と、少なくとも生体信号入力、受信装置4、演算処理装置5、データ保存再生装置6、面発光表示体8、外部通信装置11を備えている。その他の構成要素として、少なくとも1台の音響出力装置12とアロマ発生装置13を備えていても良い。音響出力装置12は音楽や指導の声、呼吸時のリズムを取るための音等を流すためのもので各種のスピーカーを好適に使用することができる。アロマ発生装置13は、被験者が選択するか、制御装置である演算処理装置5が、予め設定した方法に基づいて被験者の状態に適合するように、香料やお香などの芳香物質を環境中に放散する装置である。矢印はデータの流れを表す。
(生体信号センサー)
生体信号センサーは、被験者の呼吸の速度・間隔、脳波、心拍間隔(脈拍)体温、血圧、血中酸素濃度などの生体信号を取得するためのセンサーであって、接触式でも非接触式でも良く、s台の有線接続用の生体信号センサー2およびm台の無線送信装置3を含む無線接続用の生体信号センサー2’とが被験者1の生体信号を取得するために備えられている。
ここで、複数台の生体信号センサー2や生体信号センサー2’を生体信号センサー群および複数台の面発光表示体8を面発光表示体群と呼ぶ。便宜上、1台の場合であっても、生体信号センサー群、または面発光表示体群と呼ぶことがある。
生体信号センサー2、2’には取得した信号を増幅するプリアンプを含んでも良い。それらのセンサーで得られた生体信号は、有線の場合はユニバーサル・シリアル・バス(USBと略)等による接続で、無線送信の場合はセンサーに接続された無線LANやブルートゥース、赤外線通信等の無線送信装置3を通して生体信号入力、受信装置4に送られる。送られた信号は演算処理装置5で演算処理され、逐次、データ保存再生装置6に保存される。
(生体信号入力、受信装置)
生体信号入力、受信装置4は、生体信号センサー2、2’から送信されてくる生体信号を受信し、演算処理装置5に送信する機能を備えており、異なる種類の複数の生体信号をリアルタイムで処理することが可能である。
(演算処理装置)
演算処理装置5は、生体信号入力、受信装置4から送信される生体信号と生体信号を使用して、予め設定した方法で演算処理した演算結果に基づく信号データを、データ保存再生装置6に保存する機能と、保存した信号データを面発光表示体8の駆動回路7に送って、面発光表示部9やサブ表示部10を駆動する機能を備えている。また、本発明のメンタルヘルス・呼吸訓練システム100の制御装置としての機能も備えており、生体信号入力、受信装置4、データ保存再生装置6、外部通信装置11などを制御する。また、被験者が情報を入力する機能も備えている。
測定された生体信号データは、演算処理装置5内のデジタルシグナルプロセッサ、または市販のスマートフォン、タブレット端末、パソコン等を演算処理装置5として利用し、各種指標となる値や演算値が計算される。
例えば、マイクロ波ドップラーセンサーで得られた生体信号はフーリエ展開されることにより周波数分析され、呼吸と脈拍に特有の周波数に信号が分離されることにより、それぞれに帰属され、呼吸や脈拍の回数や速度、間隔等の状態を知ることができる。
呼吸は、リラックスしている時はゆっくり深い腹式呼吸となり、脈拍は通常より低下する。逆にストレス時には呼吸が速く浅くなり胸式呼吸となり、脈拍や心拍が通常より増加する。
(面発光表示体)
面発光表示体8は、演算処理装置5から送られてくる信号を駆動回路7が受け、面発光表示部9が駆動回路7によって駆動され、表示される。また、サブ表示部10にも、情報が表示される。
演算処理装置5から、n台の面発光表示体8の駆動回路7に信号が送られ、面発光表示部9の発光状態を制御し表示する。
駆動回路7は面発光表示体8の筐体中に含まれていても良いし、外付けであっても良い。
面発光表示体8は、主要な面積を占める面発光表示部9を含み、データ表示用のサブ表示部10を備えていても良い。本発明で用いる面発光表示部9の形状は円形、楕円形の他、四角形、八角形等の多角形状も可能であるし、およびそれらの形を組み合わせた形や任意の形状としても良いが、月や仏の光背を象徴する円形を好ましく用いることができる。
また、面発光表示部9は、光拡散面または鏡面を有し、光拡散面と鏡面が混在していても良い。
また面発光表示部9の大きさは、被験者までの距離に応じて、面発光であることを認識できる視野角が確保できる面発光表示部9の大きさが望ましく、好ましくは満月の視野角に相当する0.5度以上、より好ましくは5度から30度である。0.4度以下では視野角が小さく面発光を感じ難くなり、眩しくない輝度での発光量も少なくなるため被験者へメンタルへのインパクトも小さくなる。30度より大きいと圧迫感を感じやすい。また直径40cmより大きい場合は消費電力が増大し、また高製造コストになる。
具体的な使用例では、面積7cm以上の円形の面発光表示体を被験者から20cm以上離して用いることが望ましい。例えば20〜30cmの距離で見る腕時計の風防ガラスや文字盤や懐中時計の蓋に内蔵させるには直径1.5cmから4cm、スマートフォンのカバーに内蔵させるには直径3cmから6cmが好適である。30cm以上離して見るタブレットパソコンのカバーや目覚まし時計に内蔵させる場合は、直径5cmから10cm、60cm以上離してみる掛け軸や衝立、鏡台へ取り付ける場合は直径15〜30cm、額等に入れ壁面に取り付け1m以上離れて見る場合や寝室の天井に下向きに貼りつけるかぶら下げ設置しベッドや床から仰臥して観る場合は直径20cmから40cmの大きさが適当である。
また面発光表示部9の最高輝度は、1500cd/m以上が相応しく、より好ましくは被験者と面発光表体8間の距離によるが、60cm以上の距離ならば3000cd/m以上かつ6000cd/m程度以下の輝度で発光できる面発光体を用いることがより好ましい。1500cd/m未満の場合は光によるパワーが感じ難く、6000cd/mより高輝度では暗所では瞳孔が開いているため距離が1m以下では目に眩しく感じ疲労する。
また面発光表示部9が白色発光する場合においては、強い輝線スペクトルを含まず450nmから700nm以上までの発光領域を含むブロードなスペクトルであることが目に優しく望ましい。
また面発光表示体8の面発光表示部9の発光色は、CIE(国際照明委員会)−XYZ表色系のxy色度図上の白色、黄色、もしくは黄味橙色の範囲が目に優しいため望ましく、色温度は、2000K以上6000K未満、より好ましくは2000K以上4000K以下、さらに好ましくは2000K以上3500K以下の電球色等の暖色が優しく暖かい光と感じられ、かつ暖色系の光に含まれる長波長の赤色光は瞼の透過率が高いと考えられ望ましい。
また面発光表示部9に最も相応しい光源は、有機ELシートが挙げられる。有機ELシートは有機発光材料のエレクトロルミネッセンス(ELと略)現象を利用した自発光型の薄型シート状光源で、有害な紫外線や赤外線を殆ど含まず目に優しく暖かみが感じられ本発明の面発光表示体8の面発光表示部9として望ましく用いることができる。
有機ELシート以外の他の適した面発光表示体8としては、表面を非光沢の低反射光拡散性処理をした無機の白色LED等を内蔵したバックライトユニットを利用することもできる。
しかし通常の白色LEDは、青色LEDの光の一部を黄色の蛍光体で変換している。そのため波長450nm付近に青色の強い輝線発光スペクトルを含むため長時間見続けると目を傷める恐れがある。そのためLEDを用いた面発光表示体を用いる場合は、400nmから460nm程度にある紫色から青色の強い輝線ピークの強度が、緑から赤の発光成分のピークの強度よりも低い暖色系の白色LEDを用いることが望ましい。
また、個別のLEDパッケージを基板上に配列して作るLED内蔵の面発光表示体パネルは、色ムラや輝度ムラが生じやすく、かつ可撓性のLEDパネルを作り難いため掛け軸のような巻物に組み込む場合には巻くことが困難になる。
しかしLEDエッジ光源付導光板シートに、光拡散シート、マイクロレンズアレイシート、マイクロプリズムアレイシート等を積層して用いることにより眩しさを抑え、可撓性にすることもできる。その場合、有機ELシートを用いた場合よりも厚くなるが、有機ELシートと同様の適度の輝度と発光の輝度と分布を実現でき本発明のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに面発光表示体8として使用することもできる。
またLEDの調光は電流−電圧特性が急峻なためON/OFFのパルス幅制御が行われることが多く、ちらつきの原因にもなっている。有機ELシートは無機のLEDよりもゆるやかな電流−電圧特性を有するため調光制御が簡単で、安価な電圧調整装置や電流調整装置による階調制御が容易で、1000cd/cm程度から6000cd/cm程度の輝度まで滑らかに調光でき、色温度3000K前後の優しく暖かい白色発光を得られる。
そのため面発光表示部9を直接見ても眩しくなく、坐禅や仰臥禅、瞑想時の半眼や軽く瞼を閉じた状態においても光のパワーを感じるのに最適な輝度に調整でき、かつ発光の変化やゆらぎにより高い癒し効果を得ることもできる。
(面発光表示体用有機ELシート)
次に本発明の面発光表示体として好ましく用いることができる有機ELシートについてさらに詳しく説明する。
有機ELシートは、光透過性の基板を用い、基板側からEL発光を取り出すボトムエミッション構造と、EL発光を基板と反対側の電極から透過するトップエミッション構造の素子の使用が可能であるが、一般的な有機ELシートに用いられるボトムエミッション素子の構造の一例を図13に示し、その製造方法の例を以下に説明する。
まず基板14はガラスや、表面に水蒸気や酸素のバリアフィルムを形成した可撓性のプラスチックフィルムやシート等の光透過性の基板が用いられる。可撓性のプラスチックフィルム製の基板を用いると、掛け軸のように繰り返し巻くことが可能となる。ガラス基板であってもガラス基板の厚さが0.05mm厚程度の場合には直径数cm程度の曲率半径で曲げ可能な可撓性を付与することができる。トップエミッション構造の素子の場合はステンレス箔上に絶縁膜を形成して用いることができる。
基板14上には、低抵抗化の必要に応じてスリット状、網目状等の金属膜やナノワーヤー等からなるバス電極が形成された後、ITO(インジウム錫複合酸化物)のスパッタ膜やPEDOT:PSS等の導電性ポリマーの塗布膜からなる透明陽極15が形成される。次に電極層の端部は、必要に応じて保護膜16でカバーされ電極端への電荷の集中による絶縁破壊やエッチングや拭き取り端の凸凹による素子の電気的な短絡が抑制される。
陽極上には有機EL媒体層である正孔注入輸送層17と電子輸送性発光層18が真空蒸着または塗布により積層される。正孔注入輸送層17は、正孔注入層と正孔輸送層に機能分離し積層しても良く、さらには正孔注入輸送層、正孔輸送層、電子ブロック層の3層に機能分離し積層することもできる。電子輸送性発光層18は、発光層、電子輸送層に機能分離し積層しても良く、さらには発光層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層の4層に機能分離し積層することもできる。
発光層中の発光物質は有機蛍光材料、有機りん光材料、熱活性化遅延蛍光(TADFと略)材料や無機半導体の量子ドットを含む材料等からなる。
また、白色発光は、赤、緑、青の発光材料の混合や、赤、緑、青の発光層の積層や、青緑と黄色の発光層を積層し得ることもできる。
そのように1ユニットの有機EL素子の発光層内において複数の発光材料の濃度勾配を付けた混合や発光層の積層により形成した有機ELシート38は、駆動電圧を変化させると正孔と電子の発光層への注入キャリアバランスの変化による発光層中での正孔と電子の再結合位置が変化することでEL発光色を変化させられる場合もある。
また、赤、青、緑の各有機EL素子ユニット間の電子注入層と正孔注入層の間に、中間膜として1nm以下の金属膜や、透明導電膜等の電荷発生層を挟みマルチフォトン素子とすることで、高効率で、かつ輝度による色変化の少ない白色発光を得ることもできる。
次に電子輸送性発光層18または電子輸送層(図示せず)または電子注入層(図示せず)の上にアルミニウムや銀等からなる陰極19が真空蒸着される。陰極19を光透過性にする場合は、10nm程度の厚さの金属層で形成するか、メッシュ状に形成する。その場合には透光性有機ELシートにすることもでき、ステンレス箔等の金属基板を用いた場合にはトップエミッション型の有機ELシートにすることもできる。
次に水蒸気バリアのため、必要に応じてバリア膜(図示せず)が成膜され、さらに封止シート20が接着され封止され本発明のシート状の面発光表示体が得られる。
光取り出し効率向上、発光色の視野角依存性の低減、鏡面反射の防止等のため発光面には光取り出しシート21を貼りつけても良い。光取り出しシート21はマイクロレンズアレイ、マイクロプリズムアレイ、光拡散シート等を積層して形成され有機ELシート38の内部で発光したEL発光が空気界面での全反射により損失することを低減し発光効率を向上できる。
光取り出しシート21が無い場合は、有機ELシート38の発光面は陰極19に光反射性金属を用いた場合は陰極を反映した鏡面状になるが、光拡散性の光取り出しシート21を貼りつけた場合の発光面は光拡散面になり、光取り出しシート21の表面または裏面に文字や絵柄が描かれるか印刷されていても良い。
有機ELシート38は、陽極端子部22と陰極端子部23間に3Vから10V程度の電圧を印加することにより正孔と電子が発光層の発光材料分子に注入され励起状態が作り出
され発光する。半導体の発光性量子ドットが発光層中に混合または積層されている場合は量子ドットへのキャリア注入やエネルギー移動により量子ドットからのスペクトル巾の狭い発光を得ることもできる。
有機ELシート38からは、1000cd/mから10000cd/m程度の高輝度発光を安定に得られる。また有機ELシート38は自発光素子のため非常にコントラストの高い表示が可能となる。
また、有機ELシート38は、主要な面積を占める面発光表示部9を作りこんだ同じ基板上に、ドットマトリクス表示やセグメント表示からなる時間やデータ表示用のサブ表示部10を作りこむこともできる(図1参照)。
また、複数枚の発光色の異なる透光性有機ELシートを直接またはスペースを空けて重ねた面発光表示体を用い、各有機ELシートに周波数別の脳波強度等の各生体信号データを割り当て表示することで、発光色の混合具合により被験者の状態を効果的にフィードバックすることができ、さらに前述の音の効果を併せてより効果的にメンタルヘルス・呼吸訓練を行うことができる。
有機ELシート38は直流駆動なため、蛍光灯のように交流の電灯線駆動によるチラつきを生じたりノイズを発生することが無く、白熱ランプのように熱線による目への悪影響も無い。またLED照明のようにスポット的な発光による眩しさや、過大なブルーライトによる目への悪影響やサーカディアンリズム(約24時間周期で変動する生理現象で、体内時計とも呼ばれる。)を乱す恐れも低い。
以上述べたように有機ELシート38は、本発明のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに用いる面発光表示体として相応しく用いることができる。
(サブ表示部)
次に、坐禅の経過時間や呼吸数や脈拍数などの情報を表示するサブ表示部10について説明をする(図1参照)。
サブ表示部としては、面発光表示体の最大面積を占める面発光表示部と同一基板に作られたセグメント型やドットマトリクス型のEL表示装置を用いるか、別の基板に作られたEL表示装置やバックライト付き液晶表示等を用いることができる。サブ表示部には、各種の情報を表示することができる。例えば、図12に示したような線香を模したタイマーとすることができる。ここでは、3×17セグメントの細長い表示とし、3列の中の列のセグメントを時間と共に上から順に赤色発光表示して火がついた線香の先端とし、両脇の列の緑色のセグメントの発光が上から時間と共に順に消灯する表示として線香が時間と共に短くなる様子を表示した例を示している。呼吸訓練などの開始前は、一番左に示したように線香に火が点いていない。訓練を開始すると、左から2番目に示した様に3列の中の列の上先端のセグメントが赤く表示される。時間の経過と共に、線香が短くなる。右から2番目は21分後、一番右は45分後の状態を示しており、あと一こまを残して線香が燃え尽きようとしている状態である。この様にして予め設定した時間が経過すると線香が燃え尽き、訓練の終了を告げる。サブ表示部にこのような表示をしている間、図1に示したアロマランプやディフューザー等のアロマ発生装置13から、線香やお香の香りを発するようにし、よりリラックス効果を高めることも可能である。また、サブ表示部は、複数備えていても良い。
次に図3に本発明に用いる面発光表示体8の発光面から見た例を示す。
図3(A)に示した面発光表示体8は、外形が四角形の基板で主な発光面積を占める円
形の面発光表示部9を有し、同じ基板上に面積の小さなデータ表示用のサブ表示部10が形成されている。演算処理装置が外付けの場合は、外付け演算処理装置からコネクター接続部35を通して面発光表示部9やサブ表示部10の内蔵された駆動回路へ制御信号が供給される。また、電源の供給は図示していないコネクターにより外部電源より供給されても良いし、面発光表示体8自身が電池を有していても良い。
また、図3(B)の面発光表示体8は、四角形の外形の基板を用いた四角形の面発光表示部9を有する場合、また図3(C)の面発光表示体8は八角形の外形の基板を用いた円形の面発光表示部9を有する場合で、どちらもサブ表示部を同じ基板上に形成しない例であり、市販の照明用の有機ELパネルやフレキシブルなシートを用いることができる。
図3(B)、(C)のように、サブ表示部を面発光表示部9と同一の基板上に形成しないパネルやシートを用いる場合は、必要に応じてサブ表示部用の表示パネルやシートを別途用意し、面発光表示体8に筐体を設け、組み込むことができる。
なお、坐禅や瞑想中は面発光体の発光にのみ集中できるよう、発光型のサブ表示部10の場合は、表示、非表示が選択できることが望ましい。
これらの面発光表示体8およびメンタルヘルス・呼吸訓練システムは、時計、壁面、額、天井板、衝立、掛け軸、扉や襖、鏡台、神棚、仏壇、スマートフォンやタブレットコンピューターのカバー等に組み込むことができる。
(音声の保存・再生・出力)
さらには、外部通信装置11を通してスマートフォンや携帯音楽プレーヤーに保存されていたmp3形式等の音楽ファイルをデータ保存再生装置6に保存し、外部通信装置11を通してアンプやスピーカー、イコライザー等からなる音響出力装置12へ出力することもできる(図1参照)。ヒーリング効果の高い水音、波音、風音、尺八や笛の音、その他声明、ヒーリング音楽、ホーミー等の倍音を含む歌声、また生体信号センサー2、2’から得られた生体信号に応じてタイミングが制御された鐘や磬子(けいす)、おりん、シンギングボールの打音や水滴の残響音が本発明には相応しく用いられる。
また生体信号センサー2、2’で得られた被験者の深呼吸時や通常の呼吸時の初期データ値による音を基本音とし、さらに誘導したい値に応じた音の大きさ、共鳴周波数、減衰時間等を基本音から変化させ被験者に聴かせることで、目的とするリラックスした精神状態や呼吸リズムに誘導することもできる。
被験者の所望のメニューにより被験者毎の初期データを用いて誘導するデータを計算して発する音の種類とタイミング、周波数、減衰時間、残響、面発光表示体の輝度等を制御することができる。なお、被験者の所望のメニューは、演算処理装置5により選択することができる(図1参照)。
生体信号センサー2、2’以外の構成要素である、生体信号入力、受信装置4、演算処理装置5、データ保存再生装置6、面発光表示体8、外部通信装置11、音響出力装置12、アロマ発生装置13は、1つの筐体に納められていても良いし、個別に有線または無線で接続されていても良い。
また、生体信号入力、受信装置4、演算処理装置5、データ保存再生装置6は、専用装置の他に、市販のスマートフォン、タブレット端末、パソコン等の情報機器に置き換えて使用することもできる。
(データ保存再生装置)
データ保存再生装置6は、演算処理装置5によって保存命令されたデータ(生体信号入力、受信装置4から送信される信号や被験者が演算処理装置5に入力した情報など)を保存し、また演算処理装置5によって読み出し命令されたデータを読みだす機能を備えてい
る。
データ保存再生装置6は、情報機器内の内部メモリーであっても、USBメモリーやSDカード等の移動可能な外部メモリー装置を利用しても良い。
(外部通信装置)
外部通信装置11は、演算処理装置5によって命令された外部装置に信号を送って駆動させる機能を備えている。例えば、図1に示した音響出力装置12に信号を送ることによって音声を出力させることができる。またアロマ発生装置13に信号を送ることによって被験者に芳香を供給することができる。
また、外部通信装置11を通して、インターネット等を利用し遠隔地に生体信号を送信し、遠隔地の人とのコミュニケーションや指導ができるようにすることもできる。
(電源装置)
また本システムの電源装置は、図1に図示していないが、十分な電力を供給できるものであれば、特に限定するものではない。図1中の生体信号センサー2、2’や各装置は、各種の電池やACアダプター、USB等の有線給電、または人体表面に貼りつけた温度差発電装置や、体液を利用した燃料電池等を通して給電することが可能である。
(生体信号の取得方法)
生体信号センサー2、2’で得られた生体信号は、生体信号入力、受信装置4に入力される。
従来、呼吸の動きの測定はベルト式のロードセル(圧縮力・引張力等の荷重を感知し、電気信号に変換する変換器)が用いられたが、圧迫感があった。
そのため、できるだけ被験者の動きを束縛しない無線方式を利用することが望ましい。
そこで本発明のメンタルヘルス・呼吸訓練システム100では、呼吸と脈拍の同時測定用の生体信号センサーに、10.525GHz帯(屋内専用)または24.15GHz帯のマイクロ波を利用した、非接触で測定可能なドップラーセンサーを利用することが望ましい。
(ドップラーセンサー)
従来、呼吸測定用に用いられたレーザー光線を利用した非接触式のドップラーセンサーは着衣の場合は着衣で反射し正確には測定できない問題があった。しかしマイクロ波は着衣を透過し体表で反射することにより、直接人体と接触せずにセンサーから2〜3m程度離れた被験者の呼吸と脈拍の情報を含む信号を非接触測定できる。
<心電図の測定>
次に心電図を測定する場合について説明する。従来、胸に生体信号センサー2の電極を貼り、生体信号入力、受信装置4までの間を有線で結んでいたため、濡れた冷たい電極を貼る不快感や複数の太い電線により体の自由な動きが束縛される煩わしさがあった。
本発明のシステムでは、人体表面の電位変化を服を着たまま坐禅中に測定し心電図を得ることもできる。例えば表面を導電性繊維の布で作った坐禅座布団を基準電極として、心臓を挟んで左右の腕に導電性高分子を含浸させた炭素線維製の導電性伸縮性リストバンドをはめて電極とするか、左右の手の指に電極となる指輪をはめて電極とし、左右の電極の電位差から心電図を測定する生体信号センサー2’を用い、測定データを、無線送信装置3を通して無線で生体信号入力、受信装置4に送ることができる。
<測定データの演算処理>
次に心電図の測定データを例にして演算処理装置5での処理を説明する。
心電図中のR波間隔を検出し、ローレンツプロットを行なうと楕円状の散布図のプロッ
トが得られる。
ここで、京都大学の十一らは交感・副交感神経機能の個別評価が,ローレンツプロットを用いることで短時間の心拍測定(2分程度)から得られたことを報告している(J.Auton.Nerv.Syst.,62、p79−84、1997)。
ローレンツプロットで得たグラフの楕円の長軸の長さ(対称軸方向の標準偏差の4倍)と短軸方向の長さ(対称軸を横切る方向の標準偏差の4倍)の値をそれぞれLとTとする。
安静状態では交感神経活性の指標となるL/Tの値が大きくなり、集中、緊張状態では小さくなる。またlog(L×T)の値は副交感神経活性の指標となり腹式呼吸の際に大きくなるということが知られている。
そこで、L/T、またはlog(L×T)の値を選択し、その値の大きさに比例して面発光表示体8の面発光表示部9の発光状態を被験者の測定データに応じてリアルタイムで変動するように制御することにより被験者の状態を可視化でき、効果的にフィードバックすることができるようになる。
<各種の生体情報の測定技術>
(脈拍の測定)
また脈拍は血流の変動から測定することができる。例えば指先、腕、耳たぶ等をレーザードップラーセンサーやパルスオキシメーター(プローブを指先や耳などに付け、侵襲せずに脈拍数と経皮的動脈血酸素飽和度をモニターする医療機器)等の光学式脈拍センサーで測定できる。腕時計型の生体信号センサーの裏蓋側に脈拍センサーを搭載し無線で生体信号入力、受信装置4まで測定データを送信することができる。
名城大学の向井らは、耳たぶで脈拍と血流ゆらぎが観測でき、血流ゆらぎはリラックス状態(副交感神経優位)で増加すると報告している(日本生理人類学会誌、11巻、2号p81−86、2006)。
(血中酸素飽和度の測定)
パルスオキシメーターは血中酸素飽和度と脈拍を測定できる。血中酸素飽和度は指、耳たぶ、鼻等で赤外発光ダイオードの波長でのヘモグロビンと酸化ヘモグロビンの赤外吸収量の違いから計算し測定され、その変動から脈拍が計算される。
頭部の複数個所の血流を測定することにより、脳機能を高精度かつリアルタイムに測定できる。そのような装置としては島津製作所製近赤外光イメージング装置「NIRStation」や日立製作所製ウエアラブル光トポグラフィ装置「WOT−220」および頭部近赤外光計測装置「HOT121B」等があり、それらをヘッドセット型の生体信号センサーとして利用することもできる。
(脳波の測定)
また脳波は、磁気インピーダンス素子(MIセンサ)や原子磁気センサを利用した高感度な磁気センサを使って非接触で測定することができる。
脳波は周波数により周波数が高い方から以下のように分類されている。
γ波 31〜64Hz イライラしている状態、不安な状態(交感神経が優位)
β波 14〜30Hz 通常の覚醒時
α波 8〜13Hz リラックスしている状態、集中している状態(副交感神経優位)
θ波 4〜 7Hz うとうとしている状態 レム睡眠
δ波 1〜 3Hz 熟睡状態 ノンレム睡眠
自律神経には交感神経と副交感神経の二つがあり、代謝、消化吸収、体温の維持、睡眠と覚醒のリズム、免疫、血液循環、ホルモンバランスの調節など人間の体の機能の維持調節を行っている。慢性疾患の70〜80%は自律神経のバランスの崩れが原因と言われている。
副交感神経が優位な状態では、瞳孔が収縮、心拍数が低下、体温が低下、呼吸が深くなり呼吸数が低下するとともに、α波が増強されリラックスした状態になることが知られている。
逆に交感神経が優位な状態では、瞳孔が拡大、心拍数が増加、体温上昇、呼吸が浅くなり回数が増加するとともに、γ波が増強されストレスがある状態であることが知られている。
坐禅やヨーガの瞑想で、正しく深い呼吸を行うと副交感神経の働きを優位にすることができ、リラックスするとともにα波が増強される。リラックス後の睡眠時には熟睡でき強いδ波が発生することが知られている。
(血圧の測定)
また信州大学の高木らの報告(第12回日本生体医工学甲信越支部長野地区シンポジウム)によると、Fiber Bragg Grating(FBG)センサーにより、無拘束状態で血圧を測定することができ、本発明の生体信号センサーとして利用できる。
副交感神経が優位に働きリラックスしているときは血管が広がり血行が良くなり血圧が低下する。逆にストレス時には交感神経が優位になり血圧が上昇する。
(電気伝導率の測定)
また電気伝導率の測定法は、例えば単一矩形パルス(SSVPと略)法により測定を行う。
SSVP法では、関電極(マイナス極)を両手足の指にある井穴の左右合計28点のツボ(経穴)に配し、不関電極(プラス極)を外関穴の左右合計2点に配し直流3V、256μ秒のパルス電圧を印加し電流値を測定する。
測定系の固有電気伝導度を1μ秒後のピーク電流値で表しBPとし、BPは血流とも関係する。また分極後電流APは、皮膚基底膜での分極後も流れる定常電流値で、自律神経と関係してストレス時には交感神経が優位となり増加する。リラックスした時には副交感神経が優位となり減少する。本発明では分極後電流APを生体信号として測定し用いることができる。
(体表面温度の測定)
また体の表面温度は、サーモグラフィー装置により遠隔測定でき、生体信号として利用することができる。
<応用例:掛け軸型メンタルヘルス・呼吸訓練システム>
次に図3(A)の面発光表示体8を本発明のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに組み込んだ、月輪観または阿字観用の掛け軸を例にしてさらに具体的に説明する。
図5に面発光表示体8を取り付ける前の掛け軸24の背面図の例、図6に面発光表示体8を取り付けた後の掛け軸24の背面図の例、図7にその正面図を示す。図8には面発光表示体8として照明用有機ELシートを用い、サブ表示部10を別に設けた場合の掛け軸24の正面図の例を示し、破線は背面に設置した面発光表示体8と、サブ表示部10の大きさと位置を示す。
図9にはサブ表示部の無い場合の掛け軸24の側断面図の例を示す。
また、樹脂フィルムを基板に用いた可撓性の有機ELシートを用いた面発光表示体8を使用することにより、巻き取り可能な掛け軸とすることもでき、図10には、そのような掛け軸をゆるく巻いた状態の断面図の例を示す。
図5に示す本発明の掛け軸24の背面図の例では、面発光表示体の配線コード33やコネクター34等が前面から見えないよう、掛け軸24の背面に面発光表示体が四隅の留め糸25で固定され、中回し部29に設けられた面発光表示部用穴30やサブ表示部用穴31から表示を見るようになっている。
したがって、面発光表示部の形状が円形でなく四角形の照明用パネルを使った場合であっても、穴の形を面発光表示部の発光領域内で所望のデザインにすることにより、面発光表示部の発光形状を円形や八角形等の任意の形にすることができる。
また、サブ表示部用穴を設ける場合にも、四角形の他、円形、ハート型、砂時計型等の所望のデザインにすることができる。
また面発光表示部が鏡面になっている場合、意匠性を向上させたり、光拡散面にするため、面発光表示部用穴30の前面または背面に和紙や絹等の布や光拡散フィルムを貼り、それらを通した透過光を観察するようにしても良い。また和紙や絹布や光拡散フィルムには文字や絵や格子が描かれたり、印刷されていても良い。
また、面発光表示部用穴30とサブ表示部用穴31の背面の穴の周囲には、面発光表示体の表面との間に隙間が生じないよう、密着性が高く、かつ繰り返しの脱着が可能な粘着材層、密着用のシリコーン樹脂層、またはアクリルゲル樹脂層が形成されていても良い。
また、留め糸25を配置する位置は、面発光表示体8の外形により決められる(図6参照)。面発光表示体8を留める手段は本発明を限定するものでは無く、留め糸25以外にも掛け軸24の背面に設けたポケットやマジックテープ(登録商標)等の手段によっても良く、中回し部29の表側に面発光表示体8を色紙のように取り付けることも可能である。
横棒32の内部には、生体信号入力、受信装置4、演算処理装置5、データ保存再生装置6、外部通信装置11、音響出力装置12、アロマ発生装置13、電源等を内蔵することもできる。その際、横棒32から出る配線コード33に付いたコネクター34は、面発光表示体8のコネクター接続部35と接続され、面発光表示体8の筐体もしくは基板に内蔵された駆動回路7に駆動信号が送られ面発光表示部9やサブ表示部10が駆動される(図1、3、5および6参照)。
また、掛け軸24を吊るした際に傾かないよう横棒32の重心位置は横棒32の巾方向の中間線上になるように設計される。
生体信号入力、受信装置4、演算処理装置5、データ保存再生装置6、外部通信装置11、電池等が面発光表示体8の筐体内部に内蔵されている場合は、掛け軸24の中回し部29に穴を開けずに掛け軸24の表側に面発光表示体8を色紙のように掛けることもできる。しかし面発光表示体8の筐体が厚く重くなるため、それらの装置を横棒32に分離し面発光表示体8に有機ELシートを用いた場合のような可撓性を得ることは困難になる。
また、掛け軸24を吊るした際に傾かないよう面発光表示体8の重心位置は左右方向の巾の中間線上にあるように設計する。
図7および図8に示したように、本発明の掛け軸24は、台木26や壁面に取り付けた軸釘36等に、表木27に取り付けた啄木28で吊るされ用いられる。
また、被験者の仰臥状態に対応し、面発光表示部9が下向きになるように表木と軸棒を使って天井に貼りつけたり吊ることもできる。
図1に示したように、生体信号センサー2、2’から呼吸の深さに応じて得られた電流または電圧のアナログ信号は、必要に応じてアンプで増強されたり、アナログからデジタル変換され、有線または無線で生体信号入力、受信装置4に送られ、所望の発光パターンになるような信号を演算処理装置5で生成し、その信号を用いて出力電圧を制御する駆動回路7により面発光表示体8を駆動する。
図11は、台木上に生体信号センサー2、2’としてマイクロ波のドップラー効果を利用したセンサーを取り付けた例を示している。
マイクロ波のドップラー効果を利用したセンサーにより被験者の呼吸の状態を非接触で、被験者にセンサーを意識させずに測定でき、呼吸の深さに応じて面発光表示体9の輝度を変化させ被験者に呼吸の状態をフィードバックすることができる。
また、台木上には音響出力装置やアロマ発生装置が備えられていても良い。
また、通常の照明用の有機ELシートでは、電極の抵抗損失のために中心部の輝度が周辺部より低下し不自然に見える課題があったが、図11の(A)、(B)、(C)の順に示すように、面発光表示体9の駆動電圧を増大させた場合は、面発光表示体9の輝度は中心から増大し、逆に面発光表示体9の駆動電圧を低減させた場合は、周辺部から(C)、(B)、(A)の順に輝度が低下することが呼吸に対応したバイタリティの高い表現ができ、被験者が雑念を抱かず光の変化に合わせた呼吸に集中し易い点で望ましい。
その際の、円型の面発光表示体を例として、中心から輝度を増大させ、周辺から輝度を減少させる方法としては、図13に示した透明陽極15を図14に示すように中心から周辺部にかけて陽極引出線のついた中心部の円と円を取り囲む少なくとも1つ以上のC環状の円弧に分割しておき、中心部の駆動電圧を周辺部の円弧より高くすることで実現できるが、円弧の切れ目に設けた陽極の引出し部において発光が連続せず不自然になり、また、中心部の円と円弧間、および円弧間の境で滑らかな輝度のグラデーションが得られず不自然な発光になる。
図2に、本発明の面発光表示体に用いる有機ELシート37の断面模式図の例を示す。
この例では透明陽極15を中心部と周辺部で分割せず、有機EL媒体層である正孔注入輸送層17の円形の面発光表示部の周辺部の厚さを中心部より、通常膜厚から徐々に数倍程度まで厚くする構成としている。
この方法により中心部の電子輸送性発光層18に加わる電界は周辺部より高くなり、また中心部の有機EL媒体層である正孔注入輸送層17の電気抵抗は周辺部より低くなるため中心部の電流密度が増大する。
その結果、有機EL素子の輝度−電圧特性は図4に示すような非線形特性を有するため、電圧を増大させた場合には中心部からより高輝度になり、駆動電圧増大分に対する発光輝度増大分の比の値を、発光表示領域の周辺部における値より、発光表示領域の中心部の値を50%以上大きくすることができる。逆に電圧を下げる場合には中心部から暗くなり、有機的な自然な発光が実現できる。
また、本発明の面発光表示体の発光部は、陰極層による鏡面のままでも、光拡散フィルムを貼ったり、光拡散塗料を塗布するなどした光拡散面にしても良い。発光色は月の光や黄金の輝きに近い国際照明委員会のXYZ表色系のxy色度図上の白色か黄色もしくは黄味橙色の発光を基本とする。さらに面発光表示体の発光面上または面発光表示部用穴に貼った紙や布またはフィルム上に金箔や銀箔を貼り装飾したり、題目や阿字等の文字を描いたり、満月および蓮の花や果托等の所望の絵を描いたり、写真を印刷することもできる。
それらの絵を描く際に、銀や金等の金属ナノ粒子、およびそれらの複合金属からなる赤、ピンク、橙、黄、緑、青、紺、茶色等のナノ粒子を含むインクを用いると、高い着色力と透明性、耐光性が得られ、通常の顔料インクを用いた場合よりも面発光体からの光を透過できるため、綺麗な発色が得られ、高い耐久性が得られる。そのため、有機ELシートの駆動時には、輝度や色の周囲との違いにより、文字や絵柄がより浮き出して見える効果がある。
また、掛け軸の中回し部に設けた穴の上に透光性の和紙、絹布を張り、背後に本発明の面発光表示体を配置することで、和紙や絹布の表面に面発光表示体表面に描かれたり、印刷された別の絵が影絵のように浮き出るようにすることもできる。
また文字や絵柄の輝度を高めるため有機ELシートの文字や絵柄になる領域にある正孔輸送層等の有機EL媒体層の膜厚をその他の部分より薄くすることで、文字や絵柄になる領域の発光層に流れる電流値を周辺部の地の部分より高め、高輝度化することができる。
また有機EL媒体層材料の屈折率や光散乱性添加物の濃度を地となる周辺部と変え光干渉効果や散乱効果により発光色や輝度を変えることで文字や絵柄を浮き出させることも可能である。
以上に説明したように、本発明のメンタルヘルス・呼吸訓練システムにより、被験者に負担を与えないように、非接触でも呼吸、脈拍、脳波などの生体信号をモニターすることを可能とし、その生体信号の変化をリアルタイムで可視化することにより、黙想して軽く瞼を閉じたり、半眼状態であっても、効果的に、被験者に自身の状態をフィードバックすることが可能となる。
また、本発明のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに使用する面発光表示体は、生体信号に応じて発光強度が明るくなる時は中心部から周辺部に向って放射状に明るくなり、暗くなる時は周辺部から中心部に向って暗くなる、という一種独特の発光が可能であり、これにより効果的な訓練が可能となる。また薄型で可撓性を有する有機ELシートを好ましく用いることができる。更に、掛け軸型メンタルヘルス・呼吸訓練システムは、坐禅や瞑想の訓練により一層、効果的に活用でき、さらに絵柄を面発光表示部の表面に描くことでより効果を高めることができる。
1・・・被験者
2・・・生体信号センサー
2'・・・生体信号センサー
3・・・無線送信装置
4・・・生体信号入力、受信装置
5・・・演算処理装置
6・・・データ保存再生装置
7・・・駆動回路
8・・・面発光表示体
9・・・面発光表示部
10・・・サブ表示部
11・・・外部通信装置
12・・・音響出力装置
13・・・アロマ発生装置
14・・・基板
15・・・透明陽極
16・・・保護膜
17・・・正孔注入輸送層
18・・・電子輸送性発光層
19・・・陰極
20・・・封止シート
21・・・光取り出しシート
22・・・陽極端子部
23・・・陰極端子部
24・・・掛け軸
25・・・留め糸
26・・・台木
27・・・表木
28・・・啄木
29・・・中回し部
30・・・面発光表示部用穴
31・・・サブ表示部用穴
32・・・横棒
33・・・配線コード
34・・・コネクター
35・・・コネクター接続部
36・・・軸釘
37、38・・・有機ELシート
100・・・メンタルヘルス・呼吸訓練システム

Claims (9)

  1. 被験者の生体信号を取得し、その生体信号に基づいた被験者の状態をリアルタイムに面発光表示装置の発光状態に反映させることにより、被験者自身や指導者が被験者の呼吸の状態や心拍、脈拍、血圧等のバイタル情報や脳波等によるメンタル状態を容易に視認でき、それらの情報を反映した発光を利用して心の状態を自己制御し、集中力を養ったり、心の健康を増進するための呼吸訓練を行うためのメンタルヘルス・呼吸訓練システムであって、
    人体の生体信号を取得するための生体信号センサー群と、
    生体信号センサーから出力された生体信号を受信し、その生体信号に基づいた信号を出力する生体信号入力・受信装置と、
    生体信号入力・受信装置から出力された信号を受けて演算処理し、且つ制御装置として機能する演算処理装置と、
    演算処理装置から出力された信号に基づいて発光する面発光表示体群とを備えており、
    人体信号センサー群は、生体信号入力・受信装置と有線接続したs台の人体信号センサーと、無線接続したm台の人体信号センサーとを備えており、
    面発光表示体群は、発光面となる面発光表示部と情報を表示するためのサブ表示部とそれら表示部を駆動するための駆動回路とを備えた面発光表示体をn台備えており、
    演算処理装置は、演算処理したデータを保存し、呼び出すことができるデータ保存再生装置と、外部の装置と通信するための外部通信装置と、面発光表示体群に接続され、それらの装置を制御するメンタルヘルス・呼吸訓練システムにおいて、
    外部通信装置にp台の音響出力装置と、t台のアロマ発生装置と、が接続されていることを特徴とするメンタルヘルス・呼吸訓練システム。
    ただし、s、m、nは、s+m≧1、n≧1、p≧0、t≧0を満たす整数である。
  2. 前記生体信号センサーとして、マイクロ波を使用したドップラーセンサーを使用して、非接触で被験者の生体信号を取得することを特徴とする請求項1に記載のメンタルヘルス・呼吸訓練システム。
  3. 請求項1または2に記載のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに使用する面発光表示体であって、支持体である透明な基板の表面に形成された透明な陽極の上に、正孔注入輸送層と電子輸送性発光層とからなる有機EL媒体層、陰極とをこの順に備えた有機ELシートを用いた面発光表示体において、前記有機EL媒体層中の少なくとも1層の厚さを、基板の中心部から周辺部に向って通常膜厚から徐々に厚い構成としたことにより、駆動電圧増大分に対する発光輝度増大分の比が、周辺部における値より中心部における値の方が50%以上大きいことを特徴とする面発光表示体。
  4. 請求項1または2に記載のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに使用する面発光表示体であって、前記面発光表示体の前記面発光表示部の表面が、光拡散面または鏡面であって、かつ文字や絵柄が金属ナノ粒子を含むインクを用いて表面に描かれていることを特徴とする面発光表示体。
  5. 請求項1または2に記載のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに使用する面発光表示体であって、前記面発光表示体の前記面発光表示部の表面が、光拡散面または鏡面を有し、かつその発光色がCIE−XYZ表色系のxy色度図上の白色、黄色、もしくは黄味橙色であることを特徴とする面発光表示体。
  6. 請求項1または2に記載のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに使用する面発光表示体であって、前記面発光表示体を形成した基板が四角形であり、その面発光表示体の前記面発光表示部以外に、同一基板上に少なくとも1つ以上のデータ表示するためのサブ表示部
    が形成されていることを特徴とする面発光表示体。
  7. 前記面発光表示部が有機ELシートであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の面発光表示体。
  8. 請求項1または2に記載のメンタルヘルス・呼吸訓練システムに使用する面発光表示体であって、
    掛け軸において作品を掲示する部位である中回し部に請求項3〜7のいずれかの前記面発光表示体を設置したことを特徴とする掛け軸型面発光表示体。
  9. 請求項1または2に記載のメンタルヘルス・呼吸訓練システムであって、前記面発光表示体として請求項8に記載の掛け軸型面発光表示体を用いたことを特徴とする掛け軸型メンタルヘルス・呼吸訓練システムである。
JP2015201999A 2015-10-13 2015-10-13 メンタルヘルス・呼吸訓練システム、掛け軸型メンタルヘルス・呼吸訓練システムおよび面発光表示体 Pending JP2017074099A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015201999A JP2017074099A (ja) 2015-10-13 2015-10-13 メンタルヘルス・呼吸訓練システム、掛け軸型メンタルヘルス・呼吸訓練システムおよび面発光表示体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015201999A JP2017074099A (ja) 2015-10-13 2015-10-13 メンタルヘルス・呼吸訓練システム、掛け軸型メンタルヘルス・呼吸訓練システムおよび面発光表示体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017074099A true JP2017074099A (ja) 2017-04-20

Family

ID=58549515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015201999A Pending JP2017074099A (ja) 2015-10-13 2015-10-13 メンタルヘルス・呼吸訓練システム、掛け軸型メンタルヘルス・呼吸訓練システムおよび面発光表示体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017074099A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107184190A (zh) * 2017-05-27 2017-09-22 惠州学院 一种禅修数据采集处理***
CN108495421A (zh) * 2018-05-25 2018-09-04 昆山人因健康工程研发中心有限公司 一种基于脑血氧参数的色温调节照明***
CN109107016A (zh) * 2018-08-17 2019-01-01 贵州优品睡眠健康产业有限公司 体感振动音乐助眠***
WO2019049530A1 (ja) * 2017-09-05 2019-03-14 コニカミノルタ株式会社 データ処理装置、ケアサポートシステムおよびデータ処理方法
JP2019088433A (ja) * 2017-11-14 2019-06-13 株式会社Kyowaエンジニアリング・ラボラトリー 身体情報表示システム
KR102020476B1 (ko) * 2018-11-14 2019-09-10 가천대학교 산학협력단 다중감각을 활용한 주의집중력 강화 시스템
JP2019150546A (ja) * 2018-03-01 2019-09-12 株式会社東芝 生体情報処理装置、生体情報処理方法、コンピュータプログラム及びマインドフルネス支援装置
CN110279927A (zh) * 2019-05-28 2019-09-27 深圳前海冰寒信息科技有限公司 一种智能睡眠眼镜
JP2019208876A (ja) * 2018-06-05 2019-12-12 株式会社東芝 呼吸センサ、呼吸検出装置、生体情報処理装置、生体情報処理方法、コンピュータプログラム及びマインドフルネス支援装置

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107184190A (zh) * 2017-05-27 2017-09-22 惠州学院 一种禅修数据采集处理***
WO2019049530A1 (ja) * 2017-09-05 2019-03-14 コニカミノルタ株式会社 データ処理装置、ケアサポートシステムおよびデータ処理方法
JP2019088433A (ja) * 2017-11-14 2019-06-13 株式会社Kyowaエンジニアリング・ラボラトリー 身体情報表示システム
JP2019150546A (ja) * 2018-03-01 2019-09-12 株式会社東芝 生体情報処理装置、生体情報処理方法、コンピュータプログラム及びマインドフルネス支援装置
CN108495421A (zh) * 2018-05-25 2018-09-04 昆山人因健康工程研发中心有限公司 一种基于脑血氧参数的色温调节照明***
CN108495421B (zh) * 2018-05-25 2024-04-05 昆山人因健康工程研发中心有限公司 一种基于脑血氧参数的色温调节照明***
JP2019208876A (ja) * 2018-06-05 2019-12-12 株式会社東芝 呼吸センサ、呼吸検出装置、生体情報処理装置、生体情報処理方法、コンピュータプログラム及びマインドフルネス支援装置
JP2022002802A (ja) * 2018-06-05 2022-01-11 株式会社東芝 呼吸センサ、呼吸検出装置、生体情報処理装置、生体情報処理方法、コンピュータプログラム及びマインドフルネス支援装置
JP7273924B2 (ja) 2018-06-05 2023-05-15 株式会社東芝 呼吸センサ、呼吸検出装置、生体情報処理装置、生体情報処理方法、コンピュータプログラム及びマインドフルネス支援装置
CN109107016A (zh) * 2018-08-17 2019-01-01 贵州优品睡眠健康产业有限公司 体感振动音乐助眠***
CN109107016B (zh) * 2018-08-17 2021-05-25 贵州优品睡眠健康产业有限公司 体感振动音乐助眠***
KR102020476B1 (ko) * 2018-11-14 2019-09-10 가천대학교 산학협력단 다중감각을 활용한 주의집중력 강화 시스템
CN110279927A (zh) * 2019-05-28 2019-09-27 深圳前海冰寒信息科技有限公司 一种智能睡眠眼镜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017074099A (ja) メンタルヘルス・呼吸訓練システム、掛け軸型メンタルヘルス・呼吸訓練システムおよび面発光表示体
US7722212B2 (en) Nightlight for phototherapy
US6902296B2 (en) Nightlight for phototherapy
EP3024546B1 (en) System for providing light therapy and modifying circadian rhythm
EP2670481B1 (en) Spectacles for light therapy
US20200289321A1 (en) Circadian Rhythm Adjustment System
US9207647B2 (en) Personal alarm system
RU2707365C2 (ru) Система и способ проведения светотерапии и изменения циркадного ритма
US20200113513A1 (en) Electronic device, server, data structure, physical condition management method, and physical condition management program
TW201446302A (zh) 醫療設備、系統及方法
US20210023332A1 (en) Systems and methods for user entrainment
US20100331606A1 (en) Relaxation system
JP7256170B2 (ja) 心拍数調整装置
AU2024204146A1 (en) Stress Reduction And Sleep Promotion System
US20150375008A1 (en) Portable illuminating device for manipulating the circadian clock of a subject
WO2021261947A1 (ko) 수면 유도 장치
WO2021142292A1 (en) Systems and methods for lighting an e-paper display
KR101138256B1 (ko) 바이오피드백에 의한 조명제어 장치
JP2009082263A (ja) 生体リズム調整方法及び調整装置
US10765884B1 (en) Methods to trigger high amplitude oscillations or resonance in the cardiovascular system of a patient using electromagnetic stimulation
US20230077519A1 (en) System and method for providing context-based light and/or auditory stimulus experience
JP2013215334A (ja) 自律神経活動レベル表示装置
KR20110012030U (ko) 뇌파 감시 및 각성 기능이 탑재된 책상
CN208641486U (zh) 基于生物反馈的手持式心理减压装置
KR20170080742A (ko) 스마트 스탠드 시스템