JP2017073936A - 回転子、永久磁石式回転電機及び回転子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易かつ少ない工数で製造できるとともに、高トルク化及びコギングトルクの十分な低減を実現できる、回転子、この回転子を備えた永久磁石式回転電機及び回転子の製造方法を提供する。【解決手段】回転子20は、複数の磁石スロット23を有する回転子コア21と、複数の磁石スロット23の各々の寸法よりも小さい寸法を有し、複数の磁石スロット23の各々に挿入されて各磁石スロット23との間に隙間25を形成する複数の固形永久磁石24と、複数の磁石スロット23の各々の隙間25に充填された、充填状態での残留磁束密度が固形永久磁石24よりも低い永久磁石粉末を含有する充填材26とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、回転子、この回転子を備えた永久磁石式回転電機及び回転子の製造方法に関し、特に簡易かつ少ない工数で製造できるとともに、高トルク化及びコギングトルクの十分な低減を実現できる、回転子、この回転子を備えた永久磁石式回転電機及び回転子の製造方法に関する。
一般に、永久磁石式回転電機ではコギングトルクと呼ばれる一種のトルク脈動が発生することがよく知られている。永久磁石式回転電機において、コギングトルクが大きい場合、その制御性能を悪化させたり、騒音を発生させたりするといった問題がある。
このコギングトルクは、回転子の回転に伴って磁気エネルギーが変化するために発生する。このため、回転子の回転による磁気エネルギーの変化が少なくなるようにすれば、コギングトルクを低減することができる。
従来、構造の工夫によりコギングトルクを低減する方法として、例えば、特許文献1に示す方法が知られている。
特許文献1に示す方法は、回転子にスキューを施すことにより、コギングトルクを減少させてトルクリップルの少ない永久磁石式回転電機を得るものである。つまり、永久磁石式回転電機において、軸方向に複数に分割した永久磁石を、同様に軸方向に複数に分割した回転子コアに埋設し、これら複数個の回転子コアを回転方向にずらして軸方向に一体にして回転子を構成している。これにより、磁気エネルギーを決定する要因の1つである永久磁石からの磁束が作る起磁力のうち高調波成分を打ち消すことができるため、コギングトルクを低減することができる。
特開平10−80079号公報
しかしながら、この従来の特許文献1に示すコギングトルクの低減方法にあっては、以下の問題点があった。
即ち、コギングトルクの低減のために回転子にスキューを施しても十分にコギングトルクが低減できない場合がある。
また、回転子にスキューを施す場合、スキュー角の管理を含めた複雑な工程が必要となる上、回転電機の定常トルクに寄与する起磁力の基本波成分も一部打ち消し合ってしまうため、定常トルクも減少してしまうという問題がある。
従って、本発明はこの従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、簡易かつ少ない工数で製造できるとともに、高トルク化及びコギングトルクの十分な低減を実現できる、回転子、この回転子を備えた永久磁石式回転電機及び回転子の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る回転子は、複数の磁石スロットを有する回転子コアと、前記複数の磁石スロットの各々の寸法よりも小さい寸法を有し、前記複数の磁石スロットの各々に挿入されて各磁石スロットとの間に隙間を形成する複数の固形永久磁石と、前記複数の磁石スロットの各々の前記隙間に充填された、充填状態での残留磁束密度が前記固形永久磁石よりも低い永久磁石粉末を含有する充填材とを備えたことを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る永久磁石式回転電機は、励磁コイルを巻装した固定子と、該固定子と所定の空隙を隔てて対向して回転自在に配置された、前述の回転子とを備えたことを要旨とする。
更に、本発明の別の態様に係る回転子の製造方法は、複数の磁石スロットを有する回転子コアを形成する工程と、前記複数の磁石スロットの各々に、各磁石スロットの寸法よりも小さい寸法を有する複数の固形永久磁石の各々を挿入して各磁石スロットとの間に隙間を形成する工程と、前記複数の磁石スロットの各々の前記隙間に、充填状態での残留磁束密度が前記固形永久磁石よりも低い永久磁石粉末を含有する充填材を充填する工程とを含むことを要旨とする。
本発明に係る回転子、永久磁石式回転電機及び回転子の製造方法によれば、簡易かつ少ない工数で製造できるとともに、高トルク化及びコギングトルクの十分な低減を実現できる、回転子、この回転子を備えた永久磁石式回転電機及び回転子の製造方法を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る回転子を備えた永久磁石式回転電機の概略構成を示す断面図である。 図1に示す永久磁石式回転電機における回転子の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る回転子の要部である磁極を示す断面図である。 変形例に係る回転子の要部である磁極を示す断面図である。 従来例の永久磁石式回転電機における起磁力波形を示すグラフである。 図1に示す永久磁石式回転電機における起磁力波形を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る回転子を備えた永久磁石式回転電機は、図1に示されており、永久磁石式回転電機1は、4極24スロットの埋込磁石型同期電動機である。なお、本発明は、極数やスロット数、その他の各部分の寸法などによって何ら制約を受けるものではない。
永久磁石式回転電機1は、図1に示すように、固定子10と、この固定子10の内周側に所定の空隙Gを隔てて対向して回転自在に配置された回転子20とを備えている。
ここで、固定子10は、円筒状のフレーム2と、フレーム2の内周側に配置された円筒状の固定子コア11とを備えている。固定子コア11の内周面側には、円周方向に等間隔で形成された24個のスロット12及び24個の磁極ティース13が形成される。各磁極ティース13には、スロット12内に巻装された励磁コイル14が巻回されている。
また、回転子20は、積層鉄心で形成された円柱状の回転子コア21と、この回転子コア21に設けられた4つの磁極22とを備えている。回転子20は、回転子コア21の中心部に嵌挿固定された回転軸3によって回転する。
4つの磁極22の各々は、回転子コア21の軸方向の両端にまで貫通する貫通孔で形成される磁石スロット23を備えている。各磁石スロット23は、図2に示すように、細長く直線状に延びる矩形状孔部と、この矩形状孔の長手方向両端から斜め外方に延びる一対の傾斜孔部とを備えている。そして、各磁石スロット23には、各磁石スロット23の寸法よりも小さい寸法を有する断面矩形状の固形永久磁石24が挿入されて各磁石スロット23との間に隙間25を形成する。即ち、固形永久磁石24は各磁石スロット23の矩形状孔部に挿入され、その矩形状孔部の両側にある一対の傾斜孔部が隙間25を構成する。この隙間25の一方の傾斜孔部は、固形永久磁石24の片側に形成された第1隙間25aを構成し、隙間25の他方の傾斜孔部は、固形永久磁石24の他側に形成された第2隙間25bを構成する。そして、固形永久磁石24は、各磁石スロット23の矩形状孔部に接着剤等によって固定される。固形永久磁石24は、回転子20の隣接する磁極22間において異なるように配置される。
ここで、固形永久磁石24は、1個の永久磁石で構成されてもよいし、あるいは複数の永久磁石で構成されてもよい。固形永久磁石24として複数の永久磁石を用いると、磁石中を流れる渦電流経路を断ち切ることができるため、磁石損を低減させることも可能である。また、固形永久磁石24は、焼結磁石、ボンド磁石などを使用できるが、高トルク化のためには残留磁束密度の高い焼結磁石が好ましい。固形永久磁石24の材料としては、Nd−Fe−B系、Sm−Co系、フェライト系など様々なものを使用することができる。
また、各磁石スロット23の隙間25には、充填状態での残留磁束密度が固形永久磁石24よりも低い永久磁石粉末を含有する充填材26が充填される。つまり、隙間25の第1隙間25a及び第2隙間25bの各々に、充填材26が充填される。
このように、各磁石スロット23の隙間25に、充填状態での残留磁束密度が固形永久磁石24よりも低い永久磁石粉末を含有する充填材26を充填することの利点について図5及び図6を参照して説明する。図5は、従来例の永久磁石式回転電機における起磁力波形を示すグラフである。図6は、図1に示す永久磁石式回転電機における起磁力波形を示すグラフである。なお、図5及び図6において、角度θは、図2に示すように、回転子20の円周方向の所定位置を基準とした円周方向の回転角度である。
先ず、図5に示す起磁力波形を示す従来例の永久磁石式回転電機は、図2を用いて説明すると、各磁石スロット23に固形永久磁石24のみを固定し、隙間25を空間として各磁極22を構成する。この場合、固形永久磁石24からの磁束が作る起磁力の波形は、図5に示すように、符号Aで示す矩形波形状となる。
これに対して、各磁石スロット23の隙間25(第1隙間25a及び第2隙間25b)に、充填状態での残留磁束密度が固形永久磁石24よりも低い永久磁石粉末を含有する充填材26を充填して各磁極22を構成した場合には、固形永久磁石24のみならず固形永久磁石24の両側に配置される一対の充填材26の永久磁石粉末からも磁束が発生し、固形永久磁石24及び永久磁石粉末からの磁束が作る起磁力の波形は、図6に示すように、固形永久磁石24の磁束が作る符号Aで示す矩形波形状の両側に永久磁石粉末の磁束が作る符号Bで示す小さな矩形波形状を加えた形状となる。即ち、固形永久磁石24及び永久磁石粉末からの磁束が作る起磁力の波形は、正弦波形状に近づくことになる。
このように、固形永久磁石24及び永久磁石粉末からの磁束が作る起磁力の波形が、正弦波形状に近づくと、起磁力の基本波成分が増加するとともに高調波成分が減少する。基本波成分の増加はトルクを増加させ、高調波成分の減少はコギングトルクやトルクリップルを減少させる。このため、当該隙間25に充填状態での残留磁束密度が固形永久磁石24よりも低い永久磁石粉末を含有する充填材26を充填することにより、高トルク化及びコギングトルクの十分な低減を実現することができる。
また、永久磁石粉末を含有する充填材26を隙間25に充填する方法は、充填材26を隙間25に充填するだけでよく、工数も少ないしその方法も簡易である。また、当該隙間25が複雑な形状をしていても充填材26を隙間25に充填することにより容易に製造することができる。なお、隙間25に、別途、固形永久磁石を挿入する方法を用いた場合、機種ごとの磁石スロット23の隙間25の形状に応じて複雑な形状の固形永久磁石を準備する必要性が生じてしまう。
ここで、充填材26は、1種の永久磁石粉末のみ、もしくは複数種を混合した永久磁石粉末のみから構成されてもよいし、永久磁石粉末とバインダとを混合してもよい。永久磁石粉末の原料としては、Nd−Fe−B系、Sm−Co系、フェライト系など様々なものを使用することができる。この永久磁石粉末の選定指針としては、充填状態での残留磁束密度を固形永久磁石4の残留磁束密度よりも低くすることが挙げられる。永久磁石粉末の充填状態での残留磁束密度が固形永久磁石4の残留磁束密度以上の高さを有すると、固形永久磁石24及び永久磁石粉末からの磁束が作る起磁力の波形は、図6において、符号Aで示す矩形波形状の両側に起磁力がAよりも大きい矩形波形状を加えた形状となる。即ち、固形永久磁石24及び永久磁石粉末からの磁束が作る起磁力の波形は、Aの両側に起磁力の大きな矩形波形状を加えた波形となり、正弦波形状に近づかず、基本波成分が増加できず、また、高調波成分が減少しない。
また、充填材26が、バインダを含有している場合には、充填材26を各磁石スロット23の隙間25に充填する際に、必要に応じてバインダを硬化させるだけで充填材26を隙間25内に固定することができるので、各磁石スロット23の隙間25への充填材26の充填を容易に行うことができる。また、充填材26に含有させるバインダの比率を調節することにより、起磁力を正弦波に近づけるための磁束量を調整することが可能となる。
更に、充填材26に含有される永久磁石粉末の保磁力は、固形永久磁石24の保磁力よりも高いことが好ましい。これにより、最も減磁しやすい磁石全体の端部、すなわち永久磁石粉末を含有する充填材26を充填させた部位のみに対して選択的に保磁力を高めるため、他の特性を可能な限り損なわずに減磁耐力を高めることができる。なお、一般に永久磁石の残留磁束密度と保磁力は、トレードオフの関係にあるため、仮に固形永久磁石24の保磁力を高めると、残留磁束密度の減少によりトルクも低下してしまう不都合がある。
次に、回転子20の製造方法について説明する。
回転子20の製造に際しては、先ず、複数の磁石スロット23を有する回転子コア21を形成する(回転子コア形成工程)。
回転子コア21は、所定の4つの箇所に磁石スロット23を形成するように所望の形状に打ち抜いた電磁鋼板やSPCCなどの構造材料を積層して溶接やカシメ等に積層間を固定して構成する。あるいは、S45Cなどの塊状の軟磁性構造材を所定の4つの箇所に磁石スロット23を形成するように所望の形状に削り出して回転子コア21を構成する。
次いで、複数の磁石スロット23の各々に、各磁石スロット23の寸法よりも小さい寸法を有する複数の固形永久磁石24の各々を挿入して各磁石スロット23との間に隙間25を形成する(固形磁石挿入工程)。
ここで、固形永久磁石24は各磁石スロット23の矩形状孔部に挿入され、その矩形状孔部の両側にある一対の傾斜孔部が隙間25を構成する。この隙間25の一方の傾斜孔部は、固形永久磁石24の片側に形成された第1隙間25aを構成し、隙間25の他方の傾斜孔部は、固形永久磁石24の他側に形成された第2隙間25bを構成する。そして、固形永久磁石24は、各磁石スロット23の矩形状孔部に接着剤等によって固定される。固形永久磁石24は、回転子20の隣接する磁極22間において異なるように配置される。
固形永久磁石24は、前述したように、1個の永久磁石で構成されてもよいし、あるいは複数の永久磁石で構成されてもよい。また、固形永久磁石24は、焼結磁石、ボンド磁石などを使用できるが、高トルク化のためには残留磁束密度の高い焼結磁石が好ましい。固形永久磁石24の材料としては、Nd−Fe−B系、Sm−Co系、フェライト系など様々なものを使用することができる。
次いで、複数の磁石スロット23の各々の隙間25、即ち、第1隙間25a及び第2隙間25bのそれぞれに、充填状態での残留磁束密度が固形永久磁石24よりも低い永久磁石粉末を含有する充填材26を充填する(充填材充填工程)。
ここで、充填材26は、前述したように、1種の永久磁石粉末のみ、もしくは複数種を混合した永久磁石粉末のみから構成されてもよいし、永久磁石粉末とバインダとを混合してもよい。永久磁石粉末の原料としては、Nd−Fe−B系、Sm−Co系、フェライト系など様々なものを使用することができる。また、前述したように、永久磁石粉末の選定指針としては、充填状態での残留磁束密度を固形永久磁石4の残留磁束密度よりも低くすることが挙げられる。また、前述したように、充填材26に含有される永久磁石粉末の保磁力が、固形永久磁石24の保磁力よりも高い永久磁石粉末を選定することが好ましい。また、バインダとしては接着剤などのほか、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを使用することが可能である。
充填材26が1種の永久磁石粉末のみ、もしくは複数種を混合した永久磁石粉末のみから構成されている場合には、磁石粉が外部へ飛び出さないように、充填後に隙間25に蓋をする必要がある。蓋は、例えば、磁石スロット23の隙間25に合った形状の樹脂等を詰め込んでもよいし、接着剤等を塗布して固化させてもよい。また、回転子20を端版によって軸方向の両側から押えこんで固定する場合には、端版の一部を蓋の代用としてもよい。
また、充填材26がバインダを含有している場合には、必要に応じてバインダを硬化させるための熱処理を行う。
最後に、固形永久磁石24及び永久磁石粉末を含有する充填材26が配置された回転子20を外部磁化によって着磁する(着磁工程)。
なお、回転子コア21への回転軸3の取付けは、回転子コア21の形成直後に回転子コア21に回転軸3を圧入することによって行われるが、回転子コア21へ固形永久磁石24及び充填材26を配置した後に回転子コア21に回転軸3を圧入してもよい。
そして、以上のような方法で製造された回転子20に固定子10を組み合わせることで永久磁石式回転電機1を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る回転子について図3を参照して説明する。図3には、本発明の第2実施形態に係る回転子の要部である磁極22が示されている。
第2実施形態に係る回転子は、第1実施形態に係る回転子20と基本構成は同様であるが、第1隙間25a及び第2隙間25bの各々が回転子コア21の仕切壁21aによって複数(本実施形態にあっては2個)の隙間部25c又は25dに分割され、充填材26が、複数に分割された隙間部25c又は25dの各々に充填される点で第1実施形態に係る回転子20と相違している。
ここで、複数に分割された隙間部26c又は26dの各々に充填される充填材26は、永久磁石粉末の充填状態の残留磁束密度が固形永久磁石24の側から離れるに従って徐々に低くなるように構成されることが好ましい。つまり、第1隙間25aを考えた場合、固形永久磁石24と離れている側の隙間部26cに充填される充填材26の永久磁石粉末の充填状態の残留磁束密度が、固形永久磁石24側の隙間部26cに充填される充填材26の永久磁石粉末の充填状態の残留磁束密度よりも低くなるようにすることが好ましい。
これにより、固形永久磁石24及び永久磁石粉末からの磁束が作る起磁力の波形は、固形永久磁石24の磁束が作る矩形波形状の両側に、固形永久磁石24側の隙間部26cに充填される充填材26の永久磁石粉末の磁束が作る小さな矩形波形状を加え、更に、当該小さな矩形波形状の両側に、固形永久磁石24と離れた側の隙間部26cに充填される充填材26の永久磁石粉末の磁束が作る更に小さな矩形波形状を加えたものとなる。このため、固形永久磁石24及び永久磁石粉末からの磁束が作る起磁力の波形は、第1実施形態の場合よりも更に正弦波形状に近づくことになる。
これにより、更に起磁力の基本波成分が増加するとともに高調波成分が減少し、更なる高トルク化及びコギングトルクの十分な低減を実現することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、隙間25は、固形永久磁石24の両側に一対形成された第1隙間25aと第2隙間25bとからなる必要は必ずしもなく、例えば、図4に示すように、固形永久磁石24の片側のみに形成されていてもよい。この場合、充填材26は、固形永久磁石24の片側のみに形成された隙間25に充填される。
また、隙間25は、固形永久磁石24が挿入される矩形状孔部の端部から延びる傾斜孔部である必要は必ずしもなく、矩形状孔部の端部から延びる任意の形状をとることができ、例えば、図4に示すように、矩形状孔部の形をそのまま延長するものであってもよい。
更に、充填材26に含有される永久磁石粉末の保磁力は、固形永久磁石24の保磁力よりも高い必要は必ずしもない。
1 永久磁石式回転電機
2 フレーム
3 回転軸
10 固定子
11 固定子コア
12 スロット
13 磁極ティース
14 励磁コイル
20 回転子
21 回転子コア
21a 仕切壁
22 磁極
23 磁石スロット
24 固形永久磁石
25 隙間
25a 第1隙間
25b 第2隙間
25c 隙間部
25d 隙間部
26 充填材

Claims (8)

  1. 複数の磁石スロットを有する回転子コアと、
    前記複数の磁石スロットの各々の寸法よりも小さい寸法を有し、前記複数の磁石スロットの各々に挿入されて各磁石スロットとの間に隙間を形成する複数の固形永久磁石と、
    前記複数の磁石スロットの各々の前記隙間に充填された、充填状態での残留磁束密度が前記固形永久磁石よりも低い永久磁石粉末を含有する充填材とを備えたことを特徴とする回転子。
  2. 前記充填材が、バインダを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
  3. 前記充填材に含有される前記永久磁石粉末の保磁力が、前記固形永久磁石の保磁力よりも高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転子。
  4. 前記隙間が前記固形永久磁石の両側に一対形成された第1隙間と第2隙間とからなり、前記充填材が、前記第1隙間及び第2隙間の各々に充填されることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の回転子。
  5. 前記第1隙間及び第2隙間の各々が前記回転子コアの仕切壁によって複数の隙間部に分割され、前記充填材が、複数に分割された前記隙間部の各々に充填されることを特徴とする請求項4に記載の回転子。
  6. 複数に分割された前記隙間部の各々に充填される充填材は、永久磁石粉末の充填状態の残留磁束密度が固形永久磁石の側から離れるに従って徐々に低くなるように構成されることを特徴とする請求項5に記載の回転子。
  7. 励磁コイルを巻装した固定子と、該固定子と所定の空隙を隔てて対向して回転自在に配置された、請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の回転子とを備えたことを特徴とする永久磁石式回転電機。
  8. 複数の磁石スロットを有する回転子コアを形成する工程と、
    前記複数の磁石スロットの各々に、各磁石スロットの寸法よりも小さい寸法を有する複数の固形永久磁石の各々を挿入して各磁石スロットとの間に隙間を形成する工程と、
    前記複数の磁石スロットの各々の前記隙間に、充填状態での残留磁束密度が前記固形永久磁石よりも低い永久磁石粉末を含有する充填材を充填する工程とを含むことを特徴とする回転子の製造方法。
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