JP2017072036A - コンプレッサ用ピストン及びそれを具備するコンプレッサ - Google Patents

コンプレッサ用ピストン及びそれを具備するコンプレッサ Download PDF

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英樹 新美
金光 博
Hiroshi Kanemitsu
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Abstract

【課題】摩擦の低減効果のばらつきを抑制することが可能なコンプレッサ用ピストンを提供する。
【解決手段】シリンダボア12aに対して軸線方向に摺動可能に配置される頭部44と、頭部44の摺動面に形成されるコーティング層46と、を具備し、コーティング層46は、頭部44の周方向に沿って延びるらせん状又は円環状の溝部46aと、前記軸線方向に隣り合う溝部46aの間において、隣接する溝部46aよりも拡径するように形成された山部46bと、を具備した。
【選択図】図4

Description

本発明は、コンプレッサ用ピストン及びそれを具備するコンプレッサの技術に関する。
従来、コンプレッサ用ピストン及びそれを具備するコンプレッサの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1には、外周面にコート層が形成されたコンプレッサ用のピストンが開示されている。当該コート層には多数の窪み部が設けられている。このようなピストンがシリンダ内を摺動する際には、窪み部によってピストンとシリンダとの接触面積を減らすことができ、摩擦の低減を図ることができる。また、各窪み部に潤滑油を保持し、摺動時に当該各窪み部から摺動面に潤滑油を供給することができるため、摩擦の低減を図ることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、窪み部が形成された部分と形成されていない部分とで摩擦の低減効果にばらつきが生じる場合がある。特に、通常、コンプレッサ用のピストンは、片当りをしながら(すなわち、摺動面の一部分でシリンダと強く接触しながら)、シリンダ内を摺動している。したがって、特許文献1に記載の技術では、片当りしている部分に窪み部がある場合とない場合とで、摩擦の低減効果にばらつきが生じることがある点で改善の余地があった。
特開2009−299647号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、摩擦の低減効果のばらつきを抑制することが可能なコンプレッサ用ピストン及びそれを具備するコンプレッサを提供することである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、シリンダボアに対して軸線方向に摺動可能に配置される本体部と、前記本体部の摺動面に形成されるコーティング層と、を具備し、前記コーティング層は、前記本体部の周方向に沿って延びるらせん状又は円環状の溝部と、前記軸線方向に隣り合う前記溝部の間において、隣接する前記溝部よりも拡径するように形成された山部と、を具備するものである。
請求項2においては、前記コーティング層は、前記本体部の先端に向かうにつれて前記山部が縮径するように形成されたテーパ部を具備するものである。
請求項3においては、前記テーパ部は、前記本体部の先端に向かうにつれて、前記軸線方向に隣り合う前記溝部のピッチが小さくなるように形成されているものである。
請求項4においては、前記溝部は、以下の式を満たすように形成されているものである。
1≦D≦20 ・・・ (1)
0.05≦P≦1.00 ・・・ (2)
ここで、Dは前記溝部の深さ(μm)、Pは軸線方向に隣り合う前記溝部のピッチ(mm)である。
請求項5においては、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のコンプレッサ用ピストンを具備するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、摩擦の低減効果のばらつきを抑制することができる。
請求項2においては、損傷の発生を抑制することができる。
請求項3においては、テーパ部を容易に形成することができる。
請求項4においては、摩擦の低減効果を高めることができる。
請求項5においては、摩擦の低減効果のばらつきを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るコンプレッサの全体的な構成を示した側面断面図。 ピストンの構成を示す側面図(一部拡大図)。 コーティング層の形状を示す側面断面拡大図。 シリンダボア内を摺動するピストンの様子を示した側面一部断面図(一部拡大図)。 シリンダボアに対して傾いたピストンの様子を示した側面一部断面図(一部拡大図)。
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F及び矢印Bで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向及び後方向と定義して説明を行う。
また以下の説明で用いる図は模式図であり、説明の便宜上、各部の寸法等を適宜誇張して示している。
以下では、図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態に係るコンプレッサ1の構成の概略について説明する。コンプレッサ1は、例えば車両用の空調装置等に用いられる斜板式のコンプレッサである。コンプレッサ1は、主としてハウジング10、回転軸20、斜板30、ピストン40及びシュー50を具備する。
図1に示すハウジング10は略箱状に形成される。ハウジング10の前後中途部にはシリンダブロック12が設けられる。
シリンダブロック12には、軸線方向を前後方向に向け、円形断面を有する複数のシリンダボア12aが形成される。
回転軸20は、軸線方向を前後方向に向けて配置される。回転軸20は、ハウジング10の中央部に回転可能に支持される。回転軸20の一端部(後端部)は図示しない駆動源に連結される。
斜板30は、円形平板状に形成される。斜板30の中央部分には、回転軸20が挿通される。斜板30は、回転軸20の軸線方向に対して傾斜した状態で、当該回転軸20の中途部に設けられる。
図1及び図2に示すピストン40は、シリンダブロック12に形成されたシリンダボア12aに対して摺動するものである。ピストン40は、主として係合部42、頭部44及びコーティング層46を具備する。
係合部42は、斜板30と係合される部分である。係合部42の後部の一側部(下部)には切欠部が形成される。
頭部44は、シリンダボア12aに対して摺動可能に配置される部分である。頭部44は、係合部42の前部に形成される。頭部44は軸線方向を前後方向に向け、円形断面を有するように形成される。頭部44の外径は、シリンダボア12aの内径と略同一となるように形成される。
図2に示すコーティング層46は、頭部44の外周面、すなわちシリンダボア12aとの摺動面を覆うように形成される。コーティング層46は、頭部44の外周面全域(前端から後端まで)に亘るように形成される。
このように構成されたピストン40は、複数のシリンダボア12aにそれぞれ配置される。具体的には、ピストン40の頭部44は、シリンダボア12a内に配置される。これによってピストン40の頭部44は、シリンダボア12aに対して軸線方向(前後方向)に摺動可能となる。ピストン40の係合部42は、前記切欠部が斜板30の外周端部を跨ぐように配置される。係合部42は、後述するシュー50を介して斜板30と係合される。
シュー50は、斜板30とピストン40(係合部42)とを係合するものである。シュー50は略半球状に形成される。シュー50は、斜板30の外周端部の前後にそれぞれ配置される。シュー50は、平面部分が斜板30と接するように配置される。シュー50は、球面部分が係合部42の切欠部に対して揺動可能となるように配置される。
このように構成されたコンプレッサ1において、回転軸20と共に斜板30が回転されると、斜板30の回転運動がシュー50を介してピストン40の直線運動に変換される。これによって、ピストン40がシリンダボア12a内を前後に摺動(往復動)する。ピストン40がシリンダボア12a内を後方に移動することによって、当該シリンダボア12a内に流体が吸入される。またピストン40がシリンダボア12a内を前方に移動することによって、当該シリンダボア12a内の流体が圧縮され、吐出される。
以下では、図2及び図3を用いて、ピストン40(特に、コーティング層46)の詳細な構成について説明する。
まず、ピストン40(頭部44及びコーティング層46)の材料について説明する。
頭部44は、鉄系、銅系、アルミニウム系材料等によって製造される。また、頭部44の表面(コーティング層46との間)に、銅焼結、Cu、Al、Cu−Al溶射などの中間層を被覆してもよい。
コーティング層46は、平均径が5〜50μmである球状天然黒鉛粒子5〜60質量%を含有し、残部ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂の1種又は2種からなる樹脂系のコーティング層である。
但し、前記球状天然黒鉛粒子は、平均径の0.5倍以下である微粒子を除いた粒子の下記定義による平均形状係数(YAVE)が1〜4の範囲内、好ましくは1〜2.5の範囲内であって、かつ下記定義による形状係数(Y)=1〜1.5の範囲の粒子が個数割合で70%以上存在するものである。
AVE=total[[PM /4πA]]/i
Y=PM/4πA
ここで、totalは[]内の値のi個についての合計、PMは粒子1個の周囲長さ、Aは粒子1個当りの断面積、iは測定個数である。黒鉛粒子の円相当径及び黒鉛粒子の形状係数の測定方法は、ピストン40を任意の位置で切断し、切断面を倍率200倍、視野範囲0.37mm×0.44mmにて写真撮影し、コーティング層46を例えば株式会社ニコレ製LUZEX−FSを用いて2値化した画像の計測を行なう。
完全黒鉛結晶の黒鉛化度が1とする黒鉛化度で表して、本実施形態の球状黒鉛粒子は結晶化度が0.6以上であり、天然黒鉛自体であり、潤滑性及びなじみ性が優れているものである。好ましくは、球状黒鉛粒子の黒鉛化度が0.8以上である。なお、黒鉛化度(degree of graphitization)は、非特許文献:トライボロジスト第49巻第7号(2004)「炭素材料の使い方」第561頁に定義されているC.R.Housakaの式のとおりである。
球状黒鉛粒子はコーティング層46全体に対して、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%配合する。
上記した球状黒鉛粒子の残部は、ポリイミド(PI)及び/又はポリアミドイミド(PAI)樹脂からなる樹脂系バインダーである。ポリイミドとしては、液状もしくは固体粉末状のポリエステルイミド、芳香族ポリイミド、ポリエーテルイミド、ビスマレインイミドなどを使用することができる。
ポリアミドイミド樹脂としては、芳香族ポリアミドイミド樹脂を使用することができる。これらの樹脂は何れも耐熱性に優れ、摩擦係数が小さいという特長を有している。
さらにコーティング層46に、固体潤滑剤としてグラファイト(Gr)、二硫化モリブデン(MoS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二硫化タングステン(WS)、六方晶窒化硼素(h−BN)、フッ化黒鉛(CF)、フッ素系樹脂等を添加することも可能である。
本実施形態のコーティング層46は、固体潤滑剤として一般的なGr、MoS、PTFE、WS、h−BN、CFから選択される1種以上を1〜70質量%(但し、球状黒鉛との合計含有量で10〜80質量%)をさらに含有することができる。球状黒鉛と固体潤滑剤との含有量の合計が10質量%未満であると、その効果が少なく、固体潤滑剤単体で70質量%、あるいは球状黒鉛及び固体潤滑剤との合計で80質量%を超えると、コーティング層46の耐熱性や強度の低下などの欠点が現れる。固体潤滑剤の粒径は0.5〜50μmが好ましく、さらに好ましくは1〜20μmである。
また、本実施形態のコーティング層46には、硬質粒子として、アルミナ、シリカなどの酸化物、SiNなどの窒化物、SiCなどの炭化物、ZnSなどの硫化物を配合することができる。これら硬質粒子の配合量は0.2〜7質量%が好ましく、より好ましくは1〜5質量%である。また、硬質粒子の粒径は0.01〜3μmが好ましく、より好ましくは0.01〜1μmである。
次に、コーティング層46の形状について説明する。
コーティング層46は、主として溝部46a、山部46b及びテーパ部46cを具備する。
溝部46aは、コーティング層46の表面に形成される。溝部46aは、コーティング層46(頭部44)の外周面(摺動面)の周方向に沿って延びるように形成される。溝部46aは、らせん状又は円環状に形成される。
具体的には、溝部46aをらせん状に形成する場合、当該溝部46aはコーティング層46(頭部44)の外周面の周方向に対して若干傾いた方向に延びるように形成される。これによってコーティング層46には、当該コーティング層46の外周面を何周もしながら軸線方向に徐々に変位する1本の長い溝(溝部46a)が形成される。
また、溝部46aを円環状に形成する場合、当該溝部46aはコーティング層46(頭部44)の外周面の周方向と完全に平行な方向に延びるように形成される。また溝部46aは、コーティング層46(頭部44)の軸方向に沿って複数形成される。
このようにらせん状又は円環状の溝部46aが形成されたコーティング層46を、当該コーティング層46(頭部44)の軸線と平行な断面(例えば、図3参照)で見ると、複数の溝部46aが当該軸線方向に沿って並ぶことになる。
山部46bは、コーティング層46の表面に形成される。山部46bは、コーティング層46に溝部46aを形成することで、側面断面視(図3参照)において隣接する溝部46aの間に形成される。これによって山部46bは、隣接する溝部46aよりも拡径するように(大きな外径を有するように)形成される。コーティング層46にらせん状の溝部46aを形成した場合には、らせん状の山部46bが形成されることになる。また、コーティング層46に円環状の溝部46aを形成した場合には、円環状の山部46bが形成されることになる。
このようにらせん状又は円環状の山部46bが形成されたコーティング層46を、当該コーティング層46(頭部44)の軸線と平行な断面(例えば、図3参照)で見ると、複数の山部46bが当該軸線方向に沿って並ぶことになる。また当該山部46bは、溝部46aと交互に並ぶことになる。
テーパ部46cは、コーティング層46(頭部44)の軸線と平行な断面視(例えば、図3参照)において、複数の山部46bが徐々に縮径するように形成された部分である。具体的には、テーパ部46cは、コーティング層46(頭部44)の前端(シリンダボア12a(図1参照)側の先端)から後方に向かって所定の範囲(前端部近傍)に亘って形成される。テーパ部46cにおいては、山部46bはコーティング層46の前端に向かうにつれて徐々に縮径するように形成される。側面断面視(図3参照)において、当該テーパ部46cの山部46bの頂点は、コーティング層46(頭部44)の軸線方向(前後方向)に対して所定の角度Rだけ傾いた直線上に位置するように形成される。
次に、コーティング層46に溝部46a、山部46b及びテーパ部46cを形成する方法の一例を説明する。
頭部44の表面にコーティング層46が形成された後で、当該コーティング層46に機械加工(切削加工)を施すことで、溝部46aが形成される。例えば、コーティング層46にらせん状の溝部46aを形成する場合、切削工具を用いて、コーティング層46(頭部44)の後端部から前方に向かってらせん状に当該コーティング層46を切削する。
この際、切削工具の送り量、すなわち、側面断面視(図3参照)における隣り合う溝部46a間の距離(溝部46aのピッチ)は、適宜設定される。具体的には、溝部46aのピッチは、コーティング層46の後端部から前端部近傍まで(テーパ部46cに達するまで)は、一定の値(Pf(mm))となるように設定される。この場合、溝部46aの深さも一定の値(Df(μm))となる。
なお本実施形態においては、溝部46aの深さとは、溝部46aの底部から、当該溝部46aの前方に隣接する山部46bの先端部(頂部)までの高さを意味している。
テーパ部46cにおいては、溝部46aのピッチは、前方に向かうにつれて徐々に小さくなるように設定される。例えば、図3に示す例においては、Pf>P1>P2>P3>P4となるように設定される。このように、前方に向かうにつれて徐々にピッチを小さくすることで、溝部46aの深さも徐々に浅くなる。例えば、図3に示す例においては、Df>D1>D2>D3>D4>D5となる。
このように、コーティング層46の前端部近傍において、ピッチを徐々に小さくするだけで、所定の角度Rのテーパ部46cを形成することができる。なお、円環状の溝部46aを形成する場合も同様に、コーティング層46の前端部近傍においてピッチを徐々に小さくすることで、テーパ部46cを形成することができる。
なお、本実施形態に係る溝部46aは、以下の式(1)及び式(2)を満たすように形成される。
1≦D≦20 ・・・ (1)
0.05≦P≦1.00 ・・・ (2)
ここで、Dは溝部46aの深さ(μm)であり、図3に示す例ではDf、D1、D2、D3、D4及びD5を意味する。
またPは軸線方向に隣り合う溝部46aのピッチ(mm)であり、図3に示す例ではPf、P1、P2、P3及びP4を意味する。
以下では、図4及び図5を用いて、ピストン40がシリンダボア12a内で摺動する際の様子について説明する。
図4に示すように、ピストン40がシリンダボア12a内で摺動する際には、コーティング層46の山部46bの先端がシリンダボア12aの内周面と接することになる。すなわち、溝部46aを形成した部分はシリンダボア12aと接することがないため、当該シリンダボア12aとの摺動面積を減らすことができ、摩擦の低減を図ることができる。
また、溝部46a及び山部46bは、ピストン40の頭部44の周方向に沿って延びるように形成されているため、当該ピストン40の周方向において、略一様にシリンダボア12aと接することができる。これによって、ピストン40とシリンダボア12aとの接触具合のばらつきを抑制し、ひいては摩擦の低減効果のばらつきを抑制することができる。
特にピストン40は、通常、片当りをしながら(すなわち、摺動面の一部分でシリンダボア12aと強く接触しながら)シリンダボア12a内を摺動している。しかし、本実施形態のように溝部46a及び山部46bを形成することで、どの部分で片当りが生じたとしても、ピストン40は略一様にシリンダボア12aと接することができる。これによって、摩擦の低減効果のばらつきを抑制することができる。
また、溝部46a内に潤滑油を保持し、ピストン40の摺動時に当該溝部46aから山部46bに潤滑油を供給することができるため、摩擦の低減を図ることができる。特に本実施形態においては、ピストン40の摺動方向(ピストン40の軸線方向)に対して略直交する方向(ピストン40の周方向)に延びるように溝部46a及び山部46bを形成しているため、ピストン40が摺動したとしても、潤滑油を溝部46a内に保持し易い(いわゆる、ラビリンス効果)。また、このように形成された山部46bによってピストン40とシリンダボア12aとの間のシール性(気密性・液密性)を向上させることができ、シリンダボア12a内の流体(圧縮の対象となる流体)の漏れを抑制することができる。これによって、コンプレッサ1の効率の向上も図ることができる。
また、特に溝部46aが上述の式(1)及び式(2)を満たすように形成されることで、効果的に摺動面積を減らすと共に、適切な量の潤滑油を溝部46a内に保持することができるようになる。すなわち、溝部46aが上述の式(1)及び式(2)を満たすように形成されることで、摩擦の低減効果をより一層高めることができる。
また、図5に示すように、ピストン40がシリンダボア12aの軸線方向に対して傾いてしまった場合を想定する。この場合、ピストン40の前端部にはテーパ部46cが形成されているため、当該テーパ部46cの複数の山部46bとシリンダボア12aの内周面とを接触させることができる。すなわち、テーパ部46cを形成することで、ピストン40とシリンダボア12aとが局所的に当接するのを防止することができ、当該ピストン40及びシリンダボア12aの損傷(かじり)の発生を抑制することができる。
以上の如く、本実施形態に係るピストン40(コンプレッサ用ピストン)は、シリンダボア12aに対して軸線方向に摺動可能に配置される頭部44(本体部)と、頭部44の摺動面に形成されるコーティング層46と、を具備し、コーティング層46は、頭部44の周方向に沿って延びるらせん状又は円環状の溝部46aと、前記軸線方向に隣り合う溝部46aの間において、隣接する溝部46aよりも拡径するように形成された山部46bと、を具備するものである。
このように構成することにより、摩擦の低減効果のばらつきを抑制することができる。
すなわち、溝部46a(山部46b)を頭部44の周方向に沿って延びるように形成することで、ピストン40とシリンダボア12aとの当り方(接触する面積等)の変化を抑制することができ、ひいては摩擦の低減効果のばらつきを抑制することができる。
また、コーティング層46は、頭部44の先端に向かうにつれて山部46bが縮径するように形成されたテーパ部46cを具備するものである。
このように構成することにより、損傷の発生を抑制することができる。
すなわち、ピストン40がシリンダボア12aに対して傾いた際のかじりの発生を抑制することができる。また、ピストン40の頭部44ではなくコーティング層46にテーパ部46cを形成する(頭部44に加工等を施す必要がない)ため、当該テーパ部46cを比較的容易に形成することができる。
また、テーパ部46cは、頭部44の先端に向かうにつれて、前記軸線方向に隣り合う溝部46aのピッチが小さくなるように形成されているものである。
このように構成することにより、テーパ部46cを容易に形成することができる。
すなわち、切削加工により溝部46aを形成する際に、当該溝部46aのピッチを徐々に小さくすることでテーパ部46cを形成することができる。
また溝部46aは、以下の式を満たすように形成されているものである。
1≦D≦20 ・・・ (1)
0.05≦P≦1.00 ・・・ (2)
ここで、Dは溝部46aの深さ(μm)、Pは軸線方向に隣り合う溝部46aのピッチ(mm)である。
このように構成することにより、摩擦の低減効果を高めることができる。
また本実施形態に係るコンプレッサ1は、上述の如く構成されたピストン40を具備するものである。
このように構成することにより、摩擦の低減効果のばらつきを抑制することができる。
なお、本実施形態に係るピストン40は、本発明に係るコンプレッサ用ピストンの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る頭部44は、本発明に係る本体部の実施の一形態である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、らせん状の溝部46aを形成する場合、コーティング層46の外周面を何周もする1本の長い溝(溝部46a)となるように形成するものとしたが、例えば途中で分断された複数本の溝(溝部46a)となるように形成することも可能である。なおこの場合、ピストン40の全周に亘って略一様な摩擦の低減効果を得る観点から、当該らせん状の溝部46aはコーティング層46の外周面を少なくとも1周する程度の長さに形成することが望ましい。
また、溝部46a及び山部46bの形状(側面断面形状)は、本実施形態(図3等参照)に限るものではなく、任意に(例えば、切削工具の形状等によって)決定することができる。
また、本実施形態においては、溝部46aのピッチを変更することによってテーパ部46cを形成する例を示したが、溝部46aのピッチを変更することなくテーパ部46cを形成してもよい。例えば、適宜溝部46a及び山部46bの形状(切削加工を施す場合には、切削工具の刃先の形状等)を変更することで、溝部46aのピッチを変更することなくテーパ部46cを形成することができる。
また、テーパ部46cは、側面断面視において直線状に、すなわちテーパ部46cにおける山部46bの頂点が一直線上に位置するように形成されるものとしたが、例えば側面断面視において曲線状(例えば、径方向外側に向かって膨らむ曲線状)に形成することも可能である。
1 コンプレッサ
12 シリンダブロック
12a シリンダボア
40 ピストン
44 頭部
46 コーティング層
46a 溝部
46b 山部
46c テーパ部

Claims (5)

  1. シリンダボアに対して軸線方向に摺動可能に配置される本体部と、
    前記本体部の摺動面に形成されるコーティング層と、
    を具備し、
    前記コーティング層は、
    前記本体部の周方向に沿って延びるらせん状又は円環状の溝部と、
    前記軸線方向に隣り合う前記溝部の間において、隣接する前記溝部よりも拡径するように形成された山部と、
    を具備するコンプレッサ用ピストン。
  2. 前記コーティング層は、
    前記本体部の先端に向かうにつれて前記山部が縮径するように形成されたテーパ部を具備する、
    請求項1に記載のコンプレッサ用ピストン。
  3. 前記テーパ部は、
    前記本体部の先端に向かうにつれて、前記軸線方向に隣り合う前記溝部のピッチが小さくなるように形成されている、
    請求項2に記載のコンプレッサ用ピストン。
  4. 前記溝部は、以下の式を満たすように形成されている、
    請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のコンプレッサ用ピストン。
    1≦D≦20 ・・・ (1)
    0.05≦P≦1.00 ・・・ (2)
    ここで、Dは前記溝部の深さ(μm)、Pは軸線方向に隣り合う前記溝部のピッチ(mm)である。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のコンプレッサ用ピストンを具備するコンプレッサ。
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