JP2017071871A - 消臭性布帛、これを備えた接着芯地、消臭性布帛の製造方法 - Google Patents

消臭性布帛、これを備えた接着芯地、消臭性布帛の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】消臭性能に優れると共に付与した消臭性能を持続させることが可能な消臭性布帛、及び、消臭性布帛の製造方法を提供する。
【解決手段】基材としての布帛10と、布帛10における少なくとも一方の面10Aに付着され、消臭性粒子R2が含有されているドット状の樹脂部20と、を備え、樹脂部20を形成する樹脂R1に対する消臭性粒子R2の含有率をA、布帛10に付着させる消臭性粒子R2の単位面積当りの付着量をBとしたとき、樹脂R1には、式(1)を満たす消臭性粒子R1が含有されており、布帛10には、式(2)及び(3)を満たすように樹脂部20が付着されている消臭性布帛1。25.0(質量%)≦A≦90.0(質量%)・・・(1)0.500(g/m)≦B≦150(g/m)・・・(2)6.00≦B/(1−A/100)≦800・・・(3)
【選択図】図1

Description

本発明は、消臭性布帛、これを備えた接着芯地、消臭性布帛の製造方法に関する。
衣料用素材及び産業用資材などに用いられる布帛には、快適、安全、健康などを考慮して様々な機能の付与が求められている。例えば、特許文献1(特開2011−1679号公報)には、二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物をバインダ樹脂とともに、ポリエステル繊維布帛の裏面に付与することで消臭機能を持たせた車両内装用布帛が開示されている。
しかしながら、酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物をバインダ樹脂とともに、ポリエステル繊維布帛の裏面に付与する上記特許文献1の布帛では、布帛の全面に上記バインダ樹脂が塗布されているため風合いが損なわれる。このような問題に対し、特許文献2に記載の接着基布では、消臭性粒子としての銅粉末を混合した共重合体コンパウンドを基布にドットコーティングすることにより、機能としての消臭(殺菌)効果を得ると共に風合いを維持した接着基布が、特許文献2(特開昭63−159583号)に記載されている。
特開2011−1679号公報 特開昭63−159583号公報
このような機能(消臭)性粒子がコーティングされる布帛においては、付与した消臭性能の低下を抑制することが求められる。特許文献2には、消臭性粒子の含有量を規定することにより所望の消臭性能を得ることができる旨記載されているものの、付与した消臭性能を持続させることについては考慮されていない。
そこで、本発明の目的は、消臭性能に優れると共に付与した消臭性能を持続させることが可能な消臭性布帛、及び、消臭性能及び消臭性能の持続性に優れる消臭性布帛を効率的に製造することができる消臭性布帛の製造方法を提供することにある。
本発明の消臭性布帛は、基材としての布帛と、布帛における少なくとも一方の面に付着され、消臭性粒子が含有されているドット状の樹脂と、を備え、樹脂に対する消臭性粒子の含有率をA、布帛に付着させる消臭性粒子の単位面積あたりの付着量をBとしたとき、樹脂には式(1)を満たす消臭性粒子が含有されており、布帛には式(2)及び(3)を満たすように樹脂が付着されている。
25.0(質量%)≦A≦90.0(質量%)・・・(1)
0.500(g/m)≦B≦150(g/m)・・・(2)
6.00≦B/(1−A/100)≦800・・・(3)
なお、ここでいう「布帛に付着させる消臭性粒子の単位面積あたりの付着量B」は、例えば、布帛の両面に消臭性粒子を付着させる場合には、両面に付着される消臭性粒子の付着量をいう。
この構成の消臭性布帛では、樹脂には式(1)を満たす消臭性粒子が含有され、布帛には式(2)を満たすように樹脂が付着されているので、布帛には消臭性能が付与される。また、この構成の消臭性布帛では、更に、布帛には式(3)を満たすように樹脂が付着されているので、付与された消臭性能を持続できる。この結果、消臭性能に優れると共に付与した消臭性能を持続させることができる。
本発明の消臭性布帛では、ドット状の樹脂のドット径は、50.0μm〜2000μmであってもよい。
特に優れた風合いが求められる布帛製品では、消臭の対象となる臭い発生源に接する機会が多く、かつ、消臭性能を低下させるおそれのある洗濯などが繰り返しなされるため、消臭性能、消臭性能の持続性及び風合いが高いレベルで両立される必要がある。この構成の消臭性布帛では、消臭性能、消臭性能の持続性及び風合いに優れる。
本発明の消臭性布帛では、布帛に対するドット状の樹脂の面積占有率は、0.0500%〜85.0%としてもよい。
この構成の消臭性布帛は、ドット加工の実施性に優れる。
本発明の消臭性布帛では、基材としての布帛は、織布であってもよい。
この構成の消臭性布帛は、織布に所望の性能を付与することができる。
本発明の接着芯地は、上記の消臭性布帛と、消臭性布帛の一方の面に付着される接着樹脂と、を備えている。
この構成の接着芯地では、消臭性能に優れると共に付与した消臭性能を持続させることが可能となる。
本発明の消臭性布帛の製造方法は、基材としての布帛と、布帛における少なくとも一方の面に付着させる樹脂と、樹脂に含有させる消臭性粒子と、を準備する準備工程と、式(1)を満たすように、樹脂に消臭性粒子を含有させる含有工程と、消臭性粒子が含有された樹脂を、式(2)及び(3)を満たすように、布帛における少なくとも一方の面にドット状に付着させる付着工程と、を含んでいる。
25.0(質量%)≦A≦90.0(質量%)・・・(1)
0.500(g/m)≦B≦150(g/m)・・・(2)
6.00≦B/(1−A/100)≦800・・・(3)
ただし、樹脂に対する消臭性粒子の含有率をA、布帛に付着させる消臭性粒子の単位面積あたりの付着量をBとする。
この消臭性布帛の製造方法では、樹脂には式(1)を満たす消臭性粒子が含有され、布帛には式(2)を満たすように樹脂が付着されるので、布帛に消臭性能を付与することができる。また、この構成の消臭性布帛では、更に、布帛には式(3)を満たすように樹脂が付着されるので、付与された消臭性能を維持できる。この消臭性布帛の製造方法では、式(3)に基づいて、消臭性能及び付与された消臭性能の持続性に優れた消臭性布帛を製造することができるので、樹脂及び消臭性粒子の種類及び/量を変更する度に試験を実施する必要がない。この結果、消臭性能及び付与された消臭性能の持続性に優れる消臭性布帛を効率的に製造することができる。
本発明の消臭性布帛の製造方法では、付着工程は、スクリーン捺染により行われてもよい。
この消臭性布帛の製造方法では、消臭性粒子を含有する樹脂を容易に布帛に付着させることができる。
本発明によれば、消臭性能に優れると共に付与された消臭性能を持続させることが可能な消臭性布帛、及び、消臭性能及び付与された消臭性能の持続性に優れる消臭性布帛を効率的に製造することができる消臭性布帛の製造方法を提供することができる。
一実施形態に係る消臭性布帛を示した断面図である。 実験例における実施例1〜10の評価結果の一覧である。 実験例における比較例1〜8の評価結果の一覧である。
以下、図面を参照して一実施形態に係る消臭性布帛1について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、一実施形態に係る消臭性布帛1の断面図である。図1に示すように、消臭性布帛1は、基材としての布帛10と、布帛10の一方の面10Aに付着した樹脂R1からなる樹脂部20と、を備えている。樹脂部20を形成する樹脂R1には、消臭性粒子R2が含有されている。
布帛10は、織布、編物、及び不織布などを用いることができる。布帛10の素材の例には、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維、及び無機繊維などが含まれる。合成繊維の例には、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、及びポリイミドなどが含まれる。半合成繊維の例には、アセテート、ジアセテート、トリアセテートなどが含まれる。再生繊維の例には、ポリノジック、レーヨン、リヨセル、及びキュプラなどが含まれる。天然繊維の例には、綿、麻、絹及び毛などが含まれる。無機繊維の例には、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、及びボロン繊維などが含まれる。布帛10としては、優れた風合いが求められる用途に用いられることが多いことから、ポリエステル又はポリアミドからなる布帛が好ましい。布帛10の目付(単位面積あたりの重量)は特に限定されないが、優れた風合いが求められる用途に用いられることが多いことから、10.0g/m〜100g/mであることが好ましい。
樹脂部20を形成する樹脂R1には、消臭性粒子、及びバインダ樹脂が含まれている。バインダ樹脂には、熱可塑性樹脂と、熱及び紫外線で硬化する硬化性樹脂と、が含まれるが、熱により架橋する熱硬化性樹脂がより好ましい。好ましいバインダ樹脂としては、ポリウレタン、アクリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、酢酸ビニル、エポキシ、及びポリビニルアルコール系樹脂などが挙げられ、耐水性が良好、かつ、安価に入手が可能という観点ではアクリル系樹脂が特に好ましい。アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ブチルヘキシル、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ブチルヘキシル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、のいずれか一つのモノマーを含む単独重合体もしくは2つ以上のモノマーを含む共重合体からなる樹脂が挙げられる。樹脂R1は、添加剤として、必要に応じて、重合開始剤、架橋剤、粘着付与剤、顔料、染料、乾燥抑制剤、増粘剤、及びその他改質剤の少なくとも1つを含んでも良い。樹脂R1が含む添加剤としては、付着を補助する機能があることから、架橋剤、重合開始剤、粘着付与剤を好ましく挙げることができる。
消臭性粒子R2の例には、消臭性能を有する有機系粒子、又は、無機系粒子が含まれ、消臭性能及び安全性が良好なことから、無機系粒子が好ましい。無機系粒子の例には、金属粒子、金属酸化物粒子、及び複合金属酸化物粒子が含まれ、例えば、銀粒子、二酸化ケイ素粒子、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子、及びこれらの複合粒子を用いることができる。これらの無機系粒子の中でも、消臭性能が良好で、かつ、安価に入手可能という観点で、二酸化ケイ素及び酸化亜鉛の複合粒子がより好ましい。消臭性粒子の、粒子径は特に限定されないが、例えば、体積平均粒子径が0.01μm〜50μmであることが挙げられ、体積平均粒子径が0.4μm〜8μmであることが好ましい。
樹脂部20は、ドット状に形成されている。樹脂部20は、樹脂部20を形成する樹脂R1中のバインダ樹脂が有する接着性により布帛の一方の面10Aに付着される。なお、「ドット状」とは、通常、複数の円状の点が規則的に配置されていることを意味するが、各点の形状又は配置態様は特に限定されない。例えば、各点の形状は、四角形状、六角形状、又は星形状などであってもよい。また、各点は、不規則的に配置されていてもよい。
ここで、樹脂部20を形成する樹脂R1に対する消臭性粒子R2の含有率をA、布帛10に付着させる消臭性粒子R2の単位面積あたりの付着量をBとする。樹脂部20を形成する樹脂R1には、式(1)を満たす消臭性粒子R2が含有されており、布帛10には、式(2)及び(3)を満たすように、樹脂部20が付着されている。
25.0(質量%)≦A≦90.0(質量%)・・・(1)
0.500(g/m)≦B≦150(g/m)・・・(2)
6.00≦B/(1−A/100)≦800・・・(3)
なお、樹脂R1に対する消臭性粒子R2の含有率Aと、布帛10に付着させる消臭性粒子R2の単位面積あたりの付着量Bとの関係は、式(4)を満たすことが好ましく、式(5)を満たすことがより好ましく、費用対効果の観点から、式(6)を満たすことがさらに好ましく、式(7)を満たすことが特に好ましく、式(8)を満たすことが最も好ましい。
6.00≦B/(1−A/100)≦500・・・(4)
7.00≦B/(1−A/100)≦300・・・(5)
8.00≦B/(1−A/100)≦250・・・(6)
9.00≦B/(1−A/100)≦150・・・(7)
10.0≦B/(1−A/100)≦90.0・・・(8)
また、樹脂部20を形成する樹脂R1に対する消臭性粒子R2の含有率Aは、式(9)を満たすことが好ましく、式(10)を満たすことがより好ましい。
30.0(質量%)≦A≦85.0(質量%)・・・(9)
40.0(質量%)≦A≦70.0(質量%)・・・(10)
また、布帛10に付着させる消臭性粒子R2の単位面積あたりの付着量Bは、式(11)を満たすことが好ましく、式(12)を満たすことがより好ましく、式(13)を満たすことがさらに好ましく、式(14)を満たすことが最も好ましい。
0.500(g/m)≦B≦80.0(g/m)・・・(11)
1.00(g/m)≦B≦50.0(g/m)・・・(12)
1.20(g/m)≦B≦40.0(g/m)・・・(13)
2.00(g/m)≦B≦25.0(g/m)・・・(14)
樹脂部20の大きさ(ドット径)は、例えば、50.0μm〜3000μmであり、風合いに優れることから、好ましくは、50.0μm〜2000μmであり、より好ましくは、60.0μm〜1200μmであり、さらに好ましくは、60.0μm〜450μmである。
樹脂部20の数は、8.00個〜500個/25.4mmである。なお、消臭性布帛1を接着芯地の基布として用いる場合、好ましくは、9.00個〜150個/25.4mmであり、より好ましくは、9.20個〜90.0個/25.4mmであり、さらに好ましくは、9.50個〜70.0個/25.4mmであり、特に好ましくは、11.0個〜47.0個/25.4mmであり、最も好ましくは12.0個〜40.0個/25.4mmである。
布帛10に対する樹脂部20の面積占有率は、ドット加工の実施性の観点から、0.0500%〜85.0%であり、風合いに優れることから、好ましくは0.100%〜35.0%であり、より好ましくは0.150%〜25.0%であり、特に好ましくは0.300%〜20.0%である。
次に、消臭性布帛1の製造方法について説明する。本実施形態の消臭性布帛1の製造方法は、準備工程と、含有工程と、付着工程と、を含んでいる。
準備工程では、基材としての布帛10と、布帛10における一方の面10aに付着させる樹脂部20と、樹脂部20に含有させる消臭性粒子R2と、を準備する。含有工程では、式(1)を満たすように、樹脂部20を形成する樹脂R1に消臭性粒子R2を含有させる。
付着工程では、含有工程において用意された消臭性粒子R2が含有された樹脂R1を、式(2)及び(3)を満たすように、布帛10における一方の面10aに付着させて樹脂部20を形成する。本実施形態では、付着工程は、スクリーン捺染により実施される。付着工程は、その他、凸版印刷、凹版印刷、平板印刷、インクジェット、ディスペンサー、及びスプレーなどを用いることにより実施することができる。
以上に説明した一実施形態に係る消臭性布帛1では、樹脂部20を形成する樹脂R1には、式(1)を満たす消臭性粒子R2が含有され、布帛10には、式(2)を満たすように樹脂R1が付着され樹脂部20がドット状に形成されているので、布帛10には所望の消臭性能が付与される。また、この構成の消臭性布帛1では、更に、布帛10には、式(3)を満たすように樹脂R1が付着され樹脂部20が形成されているので、付与された消臭性能を持続できる。この結果、消臭性能に優れると共に付与した消臭性能を持続させることができる。
樹脂部20を形成する樹脂R1における消臭性粒子R2の含有率が高いほど、樹脂表面から露出する消臭性粒子R2の量が増大するため、消臭性能を発揮しやすくなる。この傾向は、樹脂部20の形状をドット状に形成し、樹脂部20の表面積を増大させることで特に顕著となる。一方で、樹脂部20を形成する樹脂R1における消臭性粒子R2の含有率の高い場合には、消臭性粒子R2を布帛10に付着させるための樹脂(バインダ樹脂)量が少なくなり、耐洗濯性などが低下する。すなわち、付与した消臭性能の持続性が低下する傾向がある。
上記実施形態に示す式(3)は、後述する実施例1〜9及び比較例1〜9に基づいて、樹脂R1に含有される消臭性粒子R2の含有率Aと、布帛10に付着させる消臭性粒子R2の単位面積あたりの付着量Bと、消臭性能及び付与された消臭性能の持続性との関係を示した式である。言い換えれば、上記実施形態に示す式(3)及び(13)は、樹脂R1に含有される消臭性粒子R2の含有率Aと、布帛10に付着させる消臭性粒子R2の単位面積あたりの付着量Bとの関係がどのような関係にあれば、消臭性能及び付与された消臭性能の持続性の両方を満足するか否かを判定するための式である。
次に、樹脂部20を形成する樹脂R1には、式(1)を満たす消臭性粒子R2が含有され、布帛10には、式(2)及び(3)を満たすように樹脂R1が付着され樹脂部20が形成された場合に、消臭性能に優れると共に付与した消臭性能を持続させることができる点について、下記に示す実施例1〜10及び比較例1〜9に基づいて説明する。なお、本発明の消臭性布帛は、以下に示す実施例1〜10によって製造される場合に限定されない。
実施例1〜10及び比較例1〜8において使用した消臭性粒子含有樹脂ペーストは、全て下記組成物を用いた。
バインダ樹脂:水系アクリル樹脂エマルション 固形分40重量%
消臭性粒子:酸化亜鉛および酸化ケイ素からなる複合物(ラサ工業株式会社製 KD211−G;レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置より算出された体積平均粒子径(D50)3〜5μm) 固形分100重量%
増粘剤:ポリアクリルアミド系増粘剤 固形分100重量%
(実施例1)
下記に示す組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数38.6個/25.4mm、ドット径280μm、ドット面積占有率14.2%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は5.00g/mであった。なお、消臭性粒子の付着量は、以下に示す乾燥重量を意味する。
バインダ樹脂:70.2重量%(乾燥時:64.2重量%)
消臭性粒子:14.1重量%(乾燥時:34.5重量%(=含有率A))
増粘剤:0.60重量%(乾燥時:1.30重量%)
水:14.1重量%(乾燥時:0重量%)
ドット数は、マイクロスコープ(キーエンス株式会社製 VHX−600)を用いて、ドット状に捺染された消臭性粒子含有樹脂ペーストを上面から観察し、その個数を数えることで測定することができる。
ドット径は、マイクロスコープ(キーエンス株式会社製 VHX−600)を用いて、ドット状に捺染された消臭性粒子含有樹脂ペーストを上面から観察し、マイクロスコープに内蔵の面積計算ソフトを用いてドット毎の面積を測定し、その面積を円とした場合の直径として表すことができる。
ドット面積占有率は、消臭性布帛上の単位面積に占めるドット面積の割合であり、下記の式にて算出される。
ドット面積占有率=ドット面積/単位面積
ドット面積及び単位面積は、マイクロスコープ(キーエンス株式会社製 VHX−600)を用いて、ドット状に捺染された消臭剤ペーストを上面から観察し、マイクロスコープに内蔵の面積計算ソフトを用いて計測した。
乾燥重量は、乾燥され、消臭性粒子を含む樹脂が付着された状態の消臭性布帛中に存在する消臭性粒子の重量であり、下記の式で算出される。
乾燥重量=[消臭性布帛の重量(g/m)−消臭性粒子含有樹脂ペースト付与前の布帛(ポリエステル織物)の重量(g/m)]×[(消臭性粒子添加量×消臭性粒子の固形分率)/(各使用薬剤(消臭性粒子、バインダ樹脂、増粘剤)添加量×各使用薬剤の固形分率の和)]
また、各使用薬剤の添加量及び/又は固形分率などが不明な場合には、消臭性粒子を含む樹脂が付着された状態の消臭性布帛中に存在する消臭性粒子の重量は、消臭性粒子を分離することで測定することができる。例えば、消臭性粒子が無機系粒子であり、布帛が合成繊維等で形成された可燃性布帛の場合には、消臭性布帛を燃焼することなどで消臭性粒子を分離することができる。
消臭性布帛に付着された、消臭性粒子を含む樹脂に対する消臭性粒子の含有率は、下記の式で算出される。
消臭性粒子含有率=(消臭性粒子添加量×消臭性粒子の固形分率)/(各使用薬剤(消臭性粒子、バインダ樹脂、増粘剤)添加量×各使用薬剤の固形分率の和)
また、各使用薬剤の添加量及び/又は固形分率などが不明な場合には、消臭性布帛に付着された、消臭性粒子を含む樹脂に対する消臭性粒子の含有率は、消臭性布帛に付着された、消臭性粒子を含む樹脂の重量を測定し、消臭性粒子の乾燥重量を前述の方法で測定することで、(消臭性粒子の重量)/(消臭性粒子を含む樹脂の重量)により算出することができる。消臭性布帛に付着された、消臭性粒子を含む樹脂の重量は、布帛を溶解などで消臭性粒子を含む樹脂を分離することにより測定することができる。例えば、布帛がポリエステルの場合、濃硫酸に溶解することで、消臭性粒子を含む樹脂を分離することができる。
(実施例2)
実施例1と同様の組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数46.2個/25.4mm、ドット径500μm、ドット面積占有率64.9%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は、10.0g/mであった。
(実施例3)
下記に示す組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数9.80個/25.4mm、ドット径200μm、ドット面積占有率0.460%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は1.50g/mであった。なお、消臭性粒子の付着量は、以下に示す乾燥重量を意味する。
バインダ樹脂:46.5重量%(乾燥時:38.8重量%)
消臭性粒子:29.0重量%(乾燥時:60.5重量%(=含有率A))
増粘剤:0.30重量%(乾燥時:0.70重量%)
水:24.3重量%(乾燥時:0重量%)
(実施例4)
実施例3と同様の組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数65.2個/25.4mm、ドット径100μm、ドット面積占有率5.18%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は、5.00g/mであった。
(実施例5)
実施例3と同様の組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数9.40個/25.4mm、ドット径1000μm、ドット面積占有率10.8%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は、10.0g/mであった。
(実施例6)
実施例3と同様の組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数14.4個/25.4mm、ドット径1300μm、ドット面積占有率42.6%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は20.0g/mであった。
(実施例7)
下記に示す組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数12.6個/25.4mm、ドット径90.0μm、ドット面積占有率0.16%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は、1.00g/mであった。
バインダ樹脂:20.0重量%(乾燥時:18.4重量%)
消臭性粒子:35.2重量%(乾燥時:80.9重量%(=含有率A))
増粘剤:0.30重量%(乾燥時:0.70重量%)
水:44.5重量%(乾燥時:0重量%)
(実施例8)
実施例7と同様の組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数86.2個/25.4mm、ドット径280μm、ドット面積占有率70.8%)した。次に、120℃で3分間乾燥し消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は、26.0g/mであった。
(実施例9)
下記に示す組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付105g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数35.0個/25.4mm、ドット径500μm、ドット面積占有率37.2%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は、61.6g/mであった。
バインダ樹脂:52.8重量%(乾燥時:37.5重量%)
消臭性粒子:35.0重量%(乾燥時:62.1重量%(=含有率A))
増粘剤:0.20重量%(乾燥時:0.40重量%)
水:12.0重量%(乾燥時:0重量%)
(実施例10)
実施例3と同様の組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数10.0個/25.4mm、ドット径2100μm、ドット面積占有率53.7%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は、16.1g/mであった。
(比較例1)
下記に示す組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数16.2個/25.4mm、ドット径1000μm、ドット面積占有率32.0%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は、2.00g/mであった。
バインダ樹脂:79.9重量%(乾燥時:78.9重量%)
消臭性粒子:8.00重量%(乾燥時:19.6重量%(=含有率A))
増粘剤:0.60重量%(乾燥時:1.40重量%)
水:11.6重量%(乾燥時:0重量%)
(比較例2)
比較例1と同様の組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数95.0個/25.4mm、ドット径280μm、ドット面積占有率86.1%)し、消臭性布帛を得ようとしたが、理論上ドット同士が接触してしまうため、加工が困難であった。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)の理論値は、3.30g/mであった。
(比較例3)
実施例1と同様の組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数10.6個/25.4mm、ドット径280μm、ドット面積占有率1.07%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は、1.00g/mであった。
(比較例4)
実施例1と同様の組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数21.2個/25.4mm、ドット径280μm、ドット面積占有率4.62%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は、2.00g/mであった。
(比較例5)
実施例3と同様の組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数11.0個/25.4mm、ドット径60.0μm、ドット面積占有率0.0500%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は、0.500g/mであった。
(比較例6)
実施例7と同様の組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数9.00個/25.4mm、ドット径50.0μm、ドット面積占有率0.0200%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は、0.200g/mであった。
(比較例7)
下記に示す組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数9.00個/25.4mm、ドット径300μm、ドット面積占有率0.890%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は1.00g/mであった。
バインダ樹脂:4.00重量%(乾燥時:2.91重量%)
消臭性粒子:53.0重量%(乾燥時:96.5重量%(=含有率A))
増粘剤:0.30重量%(乾燥時:0.600重量%)
水:42.7重量%(乾燥時:0重量%)
(比較例8)
比較例8と同様の組成の消臭性粒子含有樹脂ペーストを準備し、ポリエステル織物(目付41.3g/m)に消臭性粒子含有樹脂ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染(ドット数13.0個/25.4mm、ドット径300μm、ドット面積占有率1.85%)した。次に、120℃で3分間乾燥させて消臭性布帛を得た。このとき、消臭性粒子の付着量(付着量B)は2.00g/mであった。
上記実施例1〜10及び上記比較例1〜8のそれぞれの消臭性布帛について、消臭性能、消臭性能の持続性、風合い及びドット加工性について、以下の方法で評価を行った。
(1)消臭性能
10cm×10cmにカットした、上記実施例1〜10及び上記比較例1〜8の消臭性布帛をそれぞれ5Lテドラーバックに入れ、3Lの空気を封入した後、初発濃度A1が200ppmとなるようにアンモニアガスを注入した。2時間後、残存アンモニアガス濃度B1を、ガス検知管(ガステック社製)を用いて測定し、式(15)により消臭量を算出した。消臭量が100ppm以上である場合に、「消臭性能が良好」と評価した。なお、ドット加工が不良な場合には、消臭性能の評価を行わなかった。
消臭量(ppm)=B1−A1・・・(15)
(2)消臭性能の持続性
上記実施例1〜10及び上記比較例1〜8の消臭性布帛に対して、「SEKマーク繊維製品の洗濯方法(一般社団法人 繊維評価技術協議会編)」に記載の「高温加速洗濯法の洗濯50回規定の製品の洗濯方法」に準じた方法で洗濯を実施した。その後、上記(1)と同様の方法で消臭性能の評価を実施した。そして、消臭量が100ppm未満又は1/2以上低下した場合には、消臭性能の持続性がない、消臭量が100ppm以上又は1/2以下に低下しなかった場合には、消臭性能の持続性があると評価した。なお、樹脂部20のドット加工が不良な場合には、消臭性能の持続性の評価を行わなかった。
(3)風合い
上記実施例1〜10及び上記比較例1〜8の消臭性布帛をそれぞれ素手で握った感覚を元に、特に柔らかい、柔らかい、ふつう又は硬いと評価した。なお、ドット加工が不良な場合には、風合いの評価を行わなかった。
(4)ドット加工性
ポリエステル織物に消臭剤ペーストをドットの模様状にスクリーン捺染した場合に、問題なくドット加工ができるか否かを評価した。
実施例1〜10及び比較例1〜8の消臭性布帛について評価した結果を図2及び図3に示す。なお、図2及び図3に示す、(1)消臭性能、(2)消臭性能の持続性、(3)風合い及び(4)ドット加工性の各欄に記載の数値及び記号は、それぞれ以下の通りである。
(1)消臭性能
図2及び図3に示す数値は、消臭量(ppm)を示している。
(2)消臭性能の持続性
×:消臭性能の持続性がない
○:消臭性能の持続性がある
(3)風合い
◎:特に柔らかい
〇:柔らかい
△:ふつう
×:硬い
(4)ドット加工性
〇:問題なくドット加工が可能
×:ドット加工が不能
実施例1〜10の消臭性布帛は、アンモニアガスに対し、いずれも70ppm以上の消臭量であった。つまり、優れた消臭性能を発揮したといえる。また、実施例1〜10の消臭性布帛は、洗濯による消臭性能の低下も見られず、消臭性性能の優れた持続性を発揮した。更に、実施例1〜9の消臭性布帛は、風合いも硬くなかった。一方、実施例10は風合いが硬かった。ここで、ドット径が2000μm以下の場合、風合いが硬くなく、ドット径が1200μm以下、且つドット面積占有率が35.0%以下の場合は、風合いがより柔らかく、ドット径が450μm以下、且つドット面積占有率が25.0%以下の場合は、特に柔らかかった。
比較例1は、樹脂R1に含有される消臭性粒子R2の含有率Aが適切ではなかった。具体的には、樹脂R1に含有される消臭性粒子R2の含有率Aが、式(1)を満たしていなかった。これにより、所望の消臭性能を得ることができなかった。なお、比較例1は、樹脂R1に含有される消臭性粒子R2の含有率Aと布帛10に付着させる消臭性粒子R2の単位面積あたりの付着量Bとの関係も、式(3)を満たしていなかった。
比較例3〜6は、樹脂R1に含有される消臭性粒子R2の含有率Aと布帛10に付着させる消臭性粒子R2の単位面積あたりの付着量Bとの関係が適切ではなかった。具体的には、樹脂R1に含有される消臭性粒子R2の含有率Aと、布帛10に付着させる消臭性粒子R2の単位面積あたりの付着量Bとの関係が、式(3)を満たしていなかった。これにより、所望の消臭性能を得ることができなかった。
比較例7及び8は、樹脂R1に含有される消臭性粒子R2の含有率Aと布帛10に付着させる消臭性粒子R2の単位面積あたりの付着量Bとの関係が適切ではなかった。具体的には、樹脂R1に含有される消臭性粒子R2の含有率Aと、布帛10に付着させる消臭性粒子R2の単位面積あたりの付着量Bとの関係が、式(3)を満たしていなかった。これにより、所望の消臭性能を得ることはできたものの、付与された消臭性の維持ができなかった。
比較例2は、樹脂部20の面積占有率が高すぎて、ドットが互いに接触してしまうため、加工が困難であった。比較例6は、ドット径が小さすぎて、スクリーン捺染をする場合のスクリーンに目詰まりが生じ、加工が困難であった。
以上、一実施形態及び実施例1〜10について説明したが、本発明は、上記実施形態及び実施例に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態の消臭性布帛1では、布帛10の一方の面10Aに、消臭性粒子R2が含有された樹脂R1からなる樹脂部20が形成された例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。布帛10の両方の面に、消臭性粒子R2が含有された樹脂R1からなる樹脂部20を形成してもよい。この場合、布帛10に付着させる消臭性粒子R2の単位面積あたりの付着量Bは、布帛10の両方の面に形成された樹脂部20に含まれる消臭性粒子R2を付着量の対象としてもよい。
上記実施形態では、消臭性布帛1を例に挙げて説明したが、例えば、上記実施形態の消臭性布帛1と、消臭性布帛1の一方の面に設けられた接着樹脂と、を備える、接着芯地としてもよい。この場合であっても、消臭性能に優れると共に付与した消臭性能を持続させることができる接着芯地を提供することができる。
1…消臭性布帛、10…布帛、20…樹脂部、R1…樹脂、R2…消臭性粒子。

Claims (7)

  1. 基材としての布帛と、
    前記布帛における少なくとも一方の面に付着され、消臭性粒子が含有されているドット状の樹脂と、
    を備え、
    前記樹脂に対する前記消臭性粒子の含有率をA、前記布帛に付着させる前記消臭性粒子の単位面積あたりの付着量をBとしたとき、
    前記樹脂には、式(1)を満たす消臭性粒子が含有されており、
    前記布帛には、式(2)及び(3)を満たすように、前記樹脂が付着されている、消臭性布帛。
    25.0(質量%)≦A≦90.0(質量%)・・・(1)
    0.500(g/m)≦B≦150(g/m)・・・(2)
    6.00≦B/(1−A/100)≦800・・・(3)
  2. 前記ドット状の樹脂のドット径は、50.0μm〜2000μmである、請求項1記載の消臭性布帛。
  3. 前記布帛に対する前記ドット状の樹脂の面積占有率は、0.0500%〜85.0%である、請求項1又は2に記載の消臭性布帛。
  4. 前記布帛は、織布である、請求項1〜3の何れか一項記載の消臭性布帛。
  5. 請求項1〜4の何れか一項記載の消臭性布帛と、
    前記消臭性布帛の一方の面に設けられた接着樹脂と、
    を備える、接着芯地。
  6. 基材としての布帛と、前記布帛における少なくとも一方の面に付着させる樹脂と、前記樹脂に含有させる消臭性粒子と、を準備する準備工程と、
    式(1)を満たすように、前記樹脂に前記消臭性粒子を含有させる含有工程と、
    前記消臭性粒子が含有された前記樹脂を、式(2)及び(3)を満たすように、前記布帛における少なくとも一方の面にドット状に付着させる付着工程と、
    を含む、消臭性布帛の製造方法。
    25.0(質量%)≦A≦90.0(質量%)・・・(1)
    0.500(g/m)≦B≦150(g/m)・・・(2)
    6.00≦B/(1−A/100)≦800・・・(3)
    ただし、前記樹脂に対する前記消臭性粒子の含有率をA、前記布帛に付着させる前記消臭性粒子の単位面積あたりの付着量をBとする。
  7. 前記付着工程は、スクリーン捺染により行われる、請求項6記載の製造方法。
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