JP2017071321A - 車両用動力伝達装置の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両のエンジンが停止している場合であっても、電動式オイルポンプの作動が抑制され、車両システムの燃費の悪化、および、電動式オイルポンプの作動音発生期間が短縮される車両用動力伝達装置の制御装置を提供する。【解決手段】走行中の車両において、エンジン12の停止時に、一律に電動オイルポンプ42が作動させられるのではなく、動力伝達装置内で潤滑油欠乏状態となることが予測される場合に電動式オイルポンプ42が作動させられるので、エンジン12が停止している場合であっても動力伝達装置内で潤滑油欠乏状態が解消されるとともに、不要なときに電動式オイルポンプ42が起動させられないので、車両システムの燃費の悪化が抑制され、電動式オイルポンプ42の作動音が発生してハイブリッド車両10の搭乗者に違和感を与えることも抑制される。【選択図】図3
Description
本発明は、電動式オイルポンプを有する車両用動力伝達装置の制御装置に関し、電動式オイルポンプの起動に拘わらず低油温時に発生する潤滑不足を抑制する技術に関するものである。
エンジンによって直接的に回転駆動される機械式オイルポンプと、電力が供給されることで作動する電動式オイルポンプとを並列的に備え、それら機械式オイルポンプおよび電動式オイルポンプの一方から動力伝達装置へオイルが供給される形式の車両、たとえばハイブリッド車両が知られている。このような車両では、エンジンの停止期間は電動式オイルポンプが作動させられるとともに、再始動操作によってエンジンが完爆した場合、或いはエンジン停止後から所定期間経過した場合は、電動式オイルポンプの作動が停止させられる。たとえば、特許文献1に記載された車両用動力伝達装置の制御装置がその一例である。
上記のような車両用動力伝達装置の制御装置では、エンジンの停止時には一律に電動式オイルポンプが起動させられるため、電動式オイルポンプの作動が不要なときでもその電動式オイルポンプが起動させられて車両システムの燃費が悪化したり、エンジンが動作していないにも拘わらず電動式オイルポンプの作動音が発生して車両の搭乗者に違和感を与えるという不都合があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車両のエンジンが停止している場合であっても、電動式オイルポンプの作動が抑制され、車両システムの燃費の悪化、および、電動式オイルポンプの作動音発生期間が短縮される車両用動力伝達装置の制御装置を提供することにある。
本発明は、以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、車両のエンジンが停止している場合であっても、必ずしも一律に電動オイルポンプを作動させる必要はなく、動力伝達装置内での潤滑油欠乏状態となる場合において電動式オイルポンプを作動させることで、動力伝達装置内での潤滑が得られるとともに、不要なときに電動式オイルポンプが起動させられることによる車両システムの燃費の悪化が抑制されること、および、電動式オイルポンプの作動音が発生して車両の搭乗者に違和感を与えることも抑制されるということを見いだした。本発明はこのような知見に基づいてなされたものである。
すなわち、第1発明の要旨とするところは、(a)エンジンによって直接的に回転駆動される機械式オイルポンプと、電力が供給されることで作動する電動式オイルポンプとを並列的に備え、それら機械式オイルポンプおよび電動式オイルポンプの一方からオイルが供給される車両用動力伝達装置の、制御装置であって、(b)前記機械式オイルポンプおよび電動式オイルポンプの一方からのオイルは、前記動力伝達装置内に設けられた回転体の少なくとも一部に供給され、(c)前記エンジンの停止時において、前記動力伝達装置内に設けられた回転体の少なくとも一部で潤滑油欠乏状態となることが予測される場合に、前記電動式オイルポンプを作動させることにある。
第2発明の要旨とするところは、第1発明において、前記エンジンの停止時且つ前記オイルの温度が所定値未満の低油温状態である場合に、前記電動式オイルポンプを作動させることにある。
第3発明の要旨とするところは、第1発明において、前記エンジンの停止時で、前記オイルの温度が所定値以上の高温状態であり、且つ車速が所定値以上の高車速である場合に、前記電動式オイルポンプを作動させることにある。
第1発明の車両用動力伝達装置の制御装置によれば、車両のエンジン停止時に、一律に電動オイルポンプが作動させられるのではなく、動力伝達装置内で潤滑油欠乏状態となることが予測される場合に電動式オイルポンプが作動させられるので、エンジンが停止している場合であっても動力伝達装置内で潤滑油欠乏状態が解消されるとともに、不要なときに電動式オイルポンプが起動させられないので、車両システムの燃費の悪化が抑制され、電動式オイルポンプの作動音が発生して車両の搭乗者に違和感を与えることも抑制される。
第2発明によれば、前記エンジンの停止時、且つ前記オイルの温度が所定値未満の低油温状態である場合に、前記電動式オイルポンプが作動させられることから、車両のエンジン停止時において前記動力伝達装置内に設けられた回転体の少なくとも一部で高粘性により潤滑油欠乏状態となることが予測される場合に前記電動式オイルポンプを作動させるので、車両システムの燃費の悪化が抑制され、電動式オイルポンプの作動音が発生して車両の搭乗者に違和感を与えることも抑制される。
第3発明によれば、前記エンジンの停止時で、前記オイルの温度が所定値以上の高油温状態であり、且つ車速が所定値以上の高車速である場合に、前記電動式オイルポンプが作動させることから、車両のエンジン停止時において前記動力伝達装置内に設けられた回転体の少なくとも一部で飛散による潤滑油欠乏状態となることが予測される場合に前記電動式オイルポンプを作動させるので、車両システムの燃費の悪化が抑制され、電動式オイルポンプの作動音が発生して車両の搭乗者に違和感を与えることも抑制される。また、第3発明によれば、電動式オイルポンプの作動音が、車両の高車速により発生する駆動音すなわち騒音により隠されるので、電動式オイルポンプの作動音が発生して車両の搭乗者に違和感を与えることが一層抑制される。
以下、本発明の電動機の支持装置の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されるハイブリッド車両10(以下、車両10という)の動力伝達装置11の概略構成を説明する図であると共に、動力伝達装置11の各部を制御する為に設けられた電子制御装置80を説明する図である。図1において、動力伝達装置11は、走行用の駆動力源としてのエンジン12から出力される動力を第1電動機MG1及び出力歯車14へ分配する動力分配機構16と、出力歯車14に連結される歯車機構18と、出力歯車14に歯車機構18を介して動力伝達可能に連結された第2電動機MG2とを有する変速部20を備えて構成されている。この変速部20は、例えば車両10において横置きされるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に用いられるものであり、変速部20(動力分配機構16)の出力回転部材としての出力歯車14とカウンタドリブンギヤ22とで構成されるカウンタギヤ対24、ファイナルギヤ対26、差動歯車装置(終減速機)28、エンジン12に作動的に連結されるダンパー30、そのダンパー30に作動的に連結される入力軸32等とで、車体に取り付けられる非回転部材としてのケース34内においてトランスアクスル(T/A)としての動力伝達装置36の一部を構成している。このように構成された動力伝達装置36では、ダンパー30及び入力軸32を介して入力されるエンジン12の動力や第2電動機MG2の動力が出力歯車14へ伝達され、その出力歯車14からカウンタギヤ対24、ファイナルギヤ対26、差動歯車装置28、一対の車軸等を順次介して一対の駆動輪38へ伝達される。
入力軸32は、その一端がダンパー30を介してエンジン12に連結されるとともに、その他端が潤滑油供給装置としての機械式オイルポンプ40に連結されており、機械式オイルポンプ40はエンジン12により直接的に回転駆動されて、動力伝達装置36内の各部、例えば第1電動機MG1、第2電動機MG2、動力分配機構16、歯車機構18、および不図示のボールベアリング等にオイル(潤滑油)が供給される。
動力分配機構16は、第1サンギヤS1、第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転及び公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を回転要素(回転部材)として備える公知のシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、差動作用を生じる差動機構として機能する。この動力分配機構16においては、第1回転要素としての第1キャリヤCA1は入力軸32すなわちエンジン12に連結され、第2回転要素としての第1サンギヤS1は第1電動機MG1に連結され、第3回転要素としての第1リングギヤR1は出力歯車14に連結されている。これより、第1サンギヤS1、第1キャリヤCA1、第1リングギヤR1は、それぞれ相互に相対回転可能となることから、エンジン12の出力が第1電動機MG1及び出力歯車14に分配されると共に、第1電動機MG1に分配されたエンジン12の出力で第1電動機MG1が発電され、その発電された電気エネルギがインバータ50を介して蓄電装置52に蓄電されたりその電気エネルギで第2電動機MG2が回転駆動されるので、変速部20は例えば無段変速状態(電気的CVT状態)とされて、変速比γ0(=エンジン回転速度NE/出力回転速度NOUT)が連続的に変化させられる電気的な無段変速機として機能する。つまり、変速部20は、差動用電動機として機能する第1電動機MG1の運転状態が制御されることにより動力分配機構16の差動状態が制御される電動式差動部(電動式無段変速機)として機能する。これにより、変速部20は、例えば燃費が最も良くなるようなエンジン12の動作点(例えばエンジン回転速度NEとエンジントルクTEとで定められるエンジン12の動作状態を示す運転点、以下、エンジン動作点という)である燃費最適点にてエンジン12を作動させることができる。
歯車機構18は、第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転及び公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を回転要素として備える公知のシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この歯車機構18においては、第2キャリヤCA2は非回転部材であるケース34に連結されることで回転が阻止され、第2サンギヤS2は第2電動機MG2に連結され、第2リングギヤR2は出力歯車14に連結されている。そして、この歯車機構18は、例えば減速機として機能するように遊星歯車装置自体のギヤ比(歯車比=サンギヤS2の歯数/リングギヤR2の歯数)が構成されており、第2電動機MG2からトルク(駆動力)を出力する力行時には第2電動機MG2の回転が減速させられて出力歯車14に伝達され、そのトルクが増大させられて出力歯車14へ伝達される。尚、この出力歯車14は、動力分配機構16のリングギヤR1及び歯車機構18のリングギヤR2としての機能、及びカウンタドリブンギヤ22と噛み合ってカウンタギヤ対24を構成するカウンタドライブギヤとしての機能が1つのギヤに一体化された複合歯車となっており、出力部材として機能している。
第1電動機MG1及び第2電動機MG2は、電気エネルギから機械的な駆動力を発生させる発動機としての機能及び機械的な駆動力から電気エネルギを発生させる発電機としての機能のうち少なくとも一方を備えた例えば同期電動機であって、好適には、発動機又は発電機として選択的に作動させられるモータジェネレータである。例えば、第1電動機MG1はエンジン12の反力を受け持つ為のジェネレータ(発電)機能及び運転停止中のエンジン12を回転駆動するモータ(電動機)機能を備え、第2電動機MG2は走行用の駆動力源として駆動力を出力する走行用電動機として機能する為の電動機機能及び駆動輪38側からの逆駆動力から回生により電気エネルギを発生させる発電機能を備える。以上のように構成された変速部20或いは動力伝達装置11は、電気式無段の変速機として機能している。
図2は、上記動力伝達装置11内に設けられた種々の回転体の少なくとも一部、たとえば動力分配機構16の第1ピニオンP1、歯車機構18の第2ピニオンP2を潤滑するためのオイルの供給経路を説明する図である。電動式オイルポンプ42は、ケース34の外に配置され、モータにより回転駆動されるモータポンプ、電磁バイブレータにより往復駆動される電磁ポンプなどから構成される電力に基づいて駆動されるポンプであって、エンジン12の停止時に作動させられる。機械式オイルポンプ40と並列に設けられている。機械式オイルポンプ40および電動式オイルポンプ42は、ケース34内を還流したオイルを、ストレーナ44を介してそれぞれ吸引し、第1逆止弁V1および第2逆止V2をそれぞれ通して合流させた後、第1油路L1、水冷オイルクーラ46、第2油路L2を通して、第1電動機MG1及び第2電動機MG2へそれぞれ供給する。また、第1逆止弁V1は、入力軸32内に設けられた第3油路L3へも独立してオイルを出力するように構成されており、オイルはその第3油路L3を通して第1電動機MG1、動力分配機構16、歯車機構18へ供給される。この第3油路は、2つの絞りOR1およびOR2を有し、第1逆止弁V1を通過した機械式オイルポンプ40からのオイルを、第1電動機MG1と、動力分配機構16及び歯車装置18へ供給する。動力分配機構16の第1ピニオンP1および歯車機構18の第2ピニオンP2は、高回転であるため貧潤滑となり易い。上記第3油路の2つの絞りOR1およびOR2の間の部分は、絞りOR3を通して1第1油路L1と接続されている。また、第1油路L1には、油温センサ70が設けられているとともに、圧力上昇を制限するための1対のリリーフ弁LV1およびLV2が設けられている。
また、車両走行中に差動歯車装置28によりケース34内の上部へ掻き上げられたオイルは、流れ落ちる過程で、第1電動機MG1及び第2電動機MG2や、カウンタギヤ対24を構成するカウンタギヤ機構、およびその軸受などへ供給される。なお、ケース34の一端は、リヤカバー47によって塞がれており、そのリヤカバー47には機械式オイルポンプ40のポンプカバー48が固定されている。
図1に戻って、車両10には、例えば変速部20などの車両10の各部を制御する車両10の制御装置としての電子制御装置80が備えられている。この電子制御装置80は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置80は、エンジン12、第1電動機MG1、第2電動機MG2などに関するハイブリッド駆動制御等の車両制御を実行するようになっており、必要に応じてエンジン12の出力制御用や電動機MG1,MG2の出力制御用等に分けて構成される。また、電子制御装置80には、車両10に設けられた各センサ(例えばクランクポジションセンサ60、出力回転速度センサ62、レゾルバ等の第1電動機回転速度センサ64、レゾルバ等の第2電動機回転速度センサ66、アクセル開度センサ68、油温センサ70、バッテリセンサ72など)により検出された各種入力信号、例えばエンジン回転速度NE(rpm)、車速V(km/h)に対応する出力歯車14の回転速度である出力回転速度NOUT(rpm)、第1電動機回転速度NM1(rpm)、第2電動機回転速度NM2(rpm)、アクセル開度Acc(%)、オイルの油温(潤滑油温)THOIL(℃)、蓄電装置52のバッテリ温度THBAT(℃)やバッテリ充放電電流IBAT(I)やバッテリ電圧VBAT(V)などが供給される。また、電子制御装置80からは、車両10に設けられた各装置(例えばエンジン12、インバータ50など)に各種出力信号(例えばエンジン制御指令信号や電動機制御指令信号(変速制御指令信号)等のハイブリッド制御指令信号SHVなど)が供給される。尚、電子制御装置80は、例えば上記バッテリ温度THBAT、バッテリ充放電電流IBAT、及びバッテリ電圧VBATなどに基づいて蓄電装置52の充電状態(充電容量)SOCを逐次算出する。
図3は、電子制御装置80による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図3において、ハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部82は、例えば第2電動機MG2のみを走行用の駆動源として走行するモータ走行を実行する為のモータ走行モード、エンジン12の動力に対する反力を第1電動機MG1の発電により受け持つことで出力歯車14(駆動輪38)にエンジン直達トルクを伝達すると共に第1電動機MG1の発電電力により第2電動機MG2を駆動することで出力歯車14にトルクを伝達して少なくともエンジン12を走行用の駆動源として走行するエンジン走行を実行する為のエンジン走行モード(定常走行モード)、このエンジン走行モードにおいて蓄電装置52からの電力を用いた第2電動機MG2の駆動力を更に付加して走行するアシスト走行モード(加速走行モード)等を、走行状態に応じて選択的に成立させる。
上記エンジン走行モードにおける制御を一例としてより具体的に説明すると、ハイブリッド制御部82は、エンジン12を効率の良い作動域で作動させる一方で、エンジン12と第2電動機MG2との駆動力の配分や第1電動機MG1の発電による反力を最適になるように変化させて変速部20の変速比γ0を制御する。例えば、ハイブリッド制御部82は、アクセル開度Accや車速Vから車両10の目標出力(要求出力)を算出し、その目標出力と充電要求値(充電要求パワー)とから必要なトータル目標出力を算出し、そのトータル目標出力が得られるように伝達損失、補機負荷、第2電動機MG2のアシストトルク等を考慮して目標エンジンパワーPE*を算出する。そして、ハイブリッド制御部82は、その目標エンジンパワーPE*が得られるエンジン回転速度NEとエンジントルクTEとなるようにエンジン12を制御すると共に第1電動機MG1の発電量を制御する。
また、ハイブリッド制御部82は、エンジン12の停止時において、オイルの油温THOILが所定値未満の低油温状態であるためにその粘性が高い場合、或いは、エンジン12の停止時において、動力伝達装置11内のオイルの温度THOILが所定値未満の極低油温状態であり、且つ車速が所定値以上の高車速である場合に、電動式オイルポンプ42を作動させる。このため、ハイブリッド制御部82は、エンジン停止判定部84、潤滑油温判定部86、車速判定部88、および電動式オイルポンプ駆動制御部90を備えている。
エンジン停止判定部84は、運転中或いは作動中のエンジン12が停止したか否かを、たとえばエンジン12に対する停止指令が出されたこと、クランクポジションセンサ60により検出されたエンジン回転速度NEが所定の閾値以下となったことなどに基づいて判定する。潤滑油温判定部86は、油温センサ70により検出された動力伝達装置11内のオイルの温度THOILがたとえば−20〜−30℃程度に予め設定された低油温判定値(閾値)THOIL1未満の低油温状態であるか否かを判定する。このオイルの温度THOILは、必ずしもエンジン12の停止時に検出された温度でなくてもよく、エンジン停止指令の前の温度、エンジン停止指令後且つエンジン停止までの間の温度,エンジン停止判定後の温度であってもよい。車速判定部88は、出力回転速度センサ62により検出された車速Vがたとえば150km/h程度に予め設定された高車速判定値(閾値)VA1以上であるか否かを判定する。
電動式オイルポンプ駆動制御部90は、エンジン12の停止時にオイルの油温THOILが低油温判定値THOIL1を下まわる低油温状態であるためにその粘性が高い場合、および、エンジン12の停止時にオイルの温度THOILが所定値以上の高油温状態であり、且つ車速Vが高車速判定値VA1以上の高車速である場合に、電動式オイルポンプ42を作動させ、電動式オイルポンプ42から吐出させたオイルを、第1油路L1、水冷オイルクーラ46、第2油路L2を通して、第1電動機MG1及び第2電動機MG2へそれぞれ供給するとともに、第3油路L3を通して第1電動機MG1、動力分配機構16、歯車機構18へ供給させる。
図4は、電子制御装置80の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、繰り返し実行される。また、図5は電子制御装置80の制御作動の要部を説明するタイムチャートである。図4において、先ず、ステップS11(以下、ステップを省略する)において、エンジン12の運転中であるか否かが判断される。このS11の判断が否定されるうちはS11が繰り返し実行されることにより待機させられるが、このS11の判断が肯定されると、エンジン停止判定部84の機能に対応するS12において、運転中或いは作動中のエンジン12が停止したか否かが、たとえばエンジン12に対する燃料噴射量やクランクポジションセンサ60により検出されたエンジン回転速度NEなどに基づいて判断される。このS12の判断が否定されるうちはS12が繰り返し実行されることにより待機させられるが、このS12の判断が肯定されると、潤滑油温判定部86の機能に対応するS13において、油温センサ70により検出された動力伝達装置11内のオイルの温度THOILがたとえば−20〜−30℃程度に予め設定された低油温判定値THOIL1未満の低油温状態であるか否かが判定される。図5のt1時点はこの状態を示す。
このS13の判断が肯定されると、極低温であることからオイルの粘性が高く、貧潤滑状態となり易いので、電動式オイルポンプ駆動制御部90の機能に対応するS14において、それまでエンジン12により機械式オイルポンプ40が回転駆動されていたため停止させられていた電動式オイルポンプ42が作動させられて、本ルーチンが終了させられる。
しかし、S13の判断が否定されると、車速判定部88の機能に対応するS15において、出力回転速度センサ62により検出された車速Vがたとえば150km/h程度に予め設定された高車速判定値VA1以上であるか否かが判定される。このS15の判断が否定された場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定された場合は、オイルの温度THOILはそれほど低くないが高車速走行であるので、電動式オイルポンプ駆動制御部90の機能に対応するS16において、それまで停止させられていた電動式オイルポンプ42が作動させられて、本ルーチンが終了させられる。図5のt2時点はこの状態を示している。
上述のように、本実施例の電子制御装置80によれば、走行中の車両において、エンジン12の停止時に、一律に電動オイルポンプ42が作動させられるのではなく、動力伝達装置11内で潤滑油欠乏状態となることが予測される場合に電動式オイルポンプ42が作動させられるので、エンジン12が停止している場合であっても動力伝達装置11内で潤滑油欠乏状態が解消されるとともに、不要なときに電動式オイルポンプ42が起動させられないので、車両システムの燃費の悪化が抑制され、電動式オイルポンプ42の作動音が発生して車両10の搭乗者に違和感を与えることも抑制される。
すなわち、本実施例の電子制御装置80によれば、走行中の車両において、エンジン12の停止時に、オイルの温度THOILが所定の油温判定値THOIL1値未満の低油温状態である場合に、電動式オイルポンプ42が作動させられることから、車両のエンジン12の停止時において動力伝達装置11内に設けられた回転体の少なくとも一部で高粘性により潤滑油欠乏状態となることが予測される場合に電動式オイルポンプ42を作動させるので、車両システムの燃費の悪化が抑制され、電動式オイルポンプの作動音が発生して車両10にの搭乗者に違和感を与えることも抑制される。
また、本実施例の電子制御装置80によれば、走行中の車両において、エンジン12の停止時に、オイルの温度THOILが所定の油温判定値THOIL1値以上の高温状態であり、且つ車速Vが車速判定値VA1以上の高車速である場合に、電動式オイルポンプ42が作動させることから、車両10のエンジン12の停止時において動力伝達装置11内に設けられた回転体の少なくとも一部で低粘度のオイルの飛散による潤滑油欠乏状態となることが予測される場合に電動式オイルポンプ42を作動させるので、車両システムの燃費の悪化が抑制され、電動式オイルポンプの作動音が発生して車両の搭乗者に違和感を与えることも抑制される。また、電動式オイルポンプ42の作動音が、車両10の高車速により発生する駆動音すなわち騒音により隠されるので、電動式オイルポンプ42の作動音が発生して車両10の搭乗者に違和感を与えることが一層抑制される。
図6は、電子制御装置80の制御作動の要部を説明するフローチャートの他の例を示している。図6のフローチャートは、前述の図4のフローチャートに比較して、S20〜S25の制御終了条件が付加されている点で相違する。以下、相違点を説明する。
図6にて、オイルが極低温と判断されたためにそれまでエンジン12により機械式オイルポンプ40が回転駆動されていたため停止させられていた電動式オイルポンプ42が作動させられるS14の後では、S20において、油温センサ70により検出された動力伝達装置11内のオイルの温度THOILが予め設定された低油温判定値THOIL1以上となったか否かが判断される。このS20の判断が否定される場合は、S21において電動式オイルポンプ42の作動が継続される。しかし、S20の判断が肯定された場合は、S22において電動式オイルポンプ42の作動が停止され、本ルーチンが終了させられる。
一方、オイルが極低温ではないが車両が高車速であると判断されたためにそれまでエンジン12により機械式オイルポンプ40が回転駆動されていたため停止させられていた電動式オイルポンプ42が作動させられるS16の後では、S23において、油温センサ70により検出された動力伝達装置11内のオイルの温度THOILが予め設定された低油温判定値THOIL1以上となったか否かが判断される。このS23の判断が否定される場合は、S24において電動式オイルポンプ42の作動が継続される。しかし、S23の判断が肯定された場合は、S25において電動式オイルポンプ42の作動が停止され、本ルーチンが終了させられる。本実施例においても、前述の実施例と同様の効果が得られる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の図4のS13では、S12においてエンジン12の停止が判定されたときに、油温センサ70により検出された動力伝達装置11内のオイルの温度THOILが予め設定された低油温判定値THOIL1未満の低油温状態であるか否かが判定されている。その動力伝達装置11内のオイルの温度THOILは、必ずしもエンジン12が停止したことに応答して検出された温度でなくてもよく、エンジン停止指令の前に検出された温度、エンジン停止指令後且つエンジン停止までの間に検出された温度、エンジン停止判定後の温度であってもよい。
また、前述の実施例の電動式オイルポンプ42は、電動モータとポンプとを備え、その電動モータによりポンプが回転駆動される所謂モータポンプや、電磁バイブレータとポンプとを備え、その電磁バイブレータによりポンプが往復駆動される所謂電磁ポンプなどから構成される。要するに、独立したポンプ駆動源を有して電力に基づいて駆動されるポンプであればよい。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:ハイブリッド車両
11:動力伝達装置
12:エンジン
40:機械式オイルポンプ
42:電動式オイルポンプ
80:電子制御装置(制御装置)
11:動力伝達装置
12:エンジン
40:機械式オイルポンプ
42:電動式オイルポンプ
80:電子制御装置(制御装置)
Claims (1)
- エンジンによって直接的に回転駆動される機械式オイルポンプと、電力が供給されることで作動する電動式オイルポンプとを並列的に備え、それら機械式オイルポンプおよび電動式オイルポンプの一方からオイルが供給される車両用動力伝達装置の、制御装置であって、
前記機械式オイルポンプおよび前記電動式オイルポンプの一方からのオイルは、前記動力伝達装置内に設けられた回転体の少なくとも一部に供給され、
前記エンジンの停止時において、前記動力伝達装置内に設けられた回転体の少なくとも一部で潤滑油欠乏状態となることが予測される場合に、前記電動式オイルポンプを作動させる
ことを特徴とする車両用動力伝達装置の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015199792A JP2017071321A (ja) | 2015-10-07 | 2015-10-07 | 車両用動力伝達装置の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015199792A JP2017071321A (ja) | 2015-10-07 | 2015-10-07 | 車両用動力伝達装置の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017071321A true JP2017071321A (ja) | 2017-04-13 |
Family
ID=58539063
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015199792A Pending JP2017071321A (ja) | 2015-10-07 | 2015-10-07 | 車両用動力伝達装置の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017071321A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10604145B2 (en) | 2018-03-23 | 2020-03-31 | Honda Motor Co., Ltd. | Hybrid vehicle drive system |
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2015
- 2015-10-07 JP JP2015199792A patent/JP2017071321A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10604145B2 (en) | 2018-03-23 | 2020-03-31 | Honda Motor Co., Ltd. | Hybrid vehicle drive system |
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