JP2017066520A - ビスマスの精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】銅電解スライムから貴金属を回収した後に得られる液からビスマスを回収するビスマスの精製方法を提供する。
【解決手段】1)酸性溶液にアルカリを添加してpHを2.0以上3.0以下の範囲に調整し、次いで固液分離して中和濾液と中和澱物を得る中和処理工程、2)中和処理工程で得た中和澱物にアルカリを添加してアルカリ浸出液とアルカリ浸出残渣に分離するアルカリ浸出工程、3)アルカリ浸出残渣に硫酸を添加して硫酸浸出液と硫酸浸出残渣とに分離する硫酸浸出工程、4)硫酸浸出工程で得た硫酸浸出液を冷却し、硫酸ビスマスの結晶を得る冷却工程、5)冷却工程で得た硫酸ビスマスの結晶にアルカリを加え、酸化ビスマスを得ることを特徴とするビスマス酸化工程、6)ビスマス酸化工程で得た酸化ビスマスに酸溶液を添加して溶解し、得た溶解液を電解採取して金属ビスマスを得る電解工程からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ビスマスの精製方法に関する。さらに詳しくは、銅電解精製工程で発生する銅電解スライムから有価金属であるビスマスを回収する精製方法に関するものである。
銅を含有する鉱石から銅を回収する方法として、銅を含有する鉱石を選鉱工程に付して銅を濃縮した銅精鉱を得、次にこの銅精鉱を炉に投入して高温で熔融する乾式製錬に付して粗銅を得、次にこの粗銅をアノードとして硫酸酸性溶液に浸漬し、同時に面対して浸漬したステンレスや銅の板を用いたカソードとの間に電流を流し、アノードから溶解した銅を選択的にカソード上に電析させる電解精製に付すことを経て、高純度な電気銅を得る方法が一般的に用いられてきた。
上記の銅を含有する鉱石には、目的とする銅のほかに金銀などの貴金属やビスマスやヒ素やアンチモンやセレンや鉛や鉄やテルルなどの有価物でもあり不純物でもある多種多様な成分が含有されることが多い。これらの成分は、上記の乾式製錬でスラグとして分離されたり、電解精製では銅電解スライムとして貴金属とともに電解槽の底に沈積されたりするなどして銅と分離される。
上記の銅電解スライムは、前述するように多種多様な成分が含有されているため、このスライムを精製して目的とする有価物を回収する処理が必要となる。
スライムを精製する方法としてはいくつかの方法が知られているが、その中の一つの方法として、銅電解スライムに硫酸を添加して銅電解スライムに混在する銅を溶解して除去する脱銅工程を行い、次に脱銅して得た脱銅スライムを炉に入れて高温に加熱し、セレン、アンチモンを揮発して分離し、次に酸化して鉛を酸化物として分離し、その後に貴金属とビスマスを分離してする方法がある。
上記の方法は、大量の物量を取り扱うのには適した方法であるが、一方で大掛かりな設備が必要で、処理に要するエネルギーコストも大きく、また貴金属を回収できるのが工程の後半になるので仕掛り金利がかさむなどの課題があった。
そこで近年では、湿式方法を中心とした新しい処理プロセスが広く実用化されてきた。これら湿式処理プロセスは、セレン分離に湿式還元法を採用するか、焙焼法を採用するかにより、以下の二つの方法に大別される。
第一の方法は、非特許文献1や特許文献1あるいは特許文献2に示される方法である。
これらの方法では、銅電解スライムに硫酸と酸素を加えて高温高圧下でテルルの一部と銅を浸出する。次に浸出して得た残渣に塩酸及び過酸化水素あるいは塩素を加えて金、白金族元素、セレン、テルルを浸出する。
つぎに、この浸出液に有機抽出剤であるビス(2-ブトキシエチル)エーテル(以後DBCと表記する)を混合して金を抽出剤中に抽出し、その抽残液を二酸化硫黄で還元してセレン、テルル、白金族元素を回収する。セレン、テルル、白金族元素の混合物はメタル状態のまま蒸留することにより、セレンとテルル及び白金族元素とに分離される。塩素浸出残渣は、アンモニア水にて処理することにより銀を浸出し、この浸出液から銀が粉末として回収される。
第二の方法は、非特許文献2に示す方法である。すわなち、銅電解スライムを硫酸による加圧浸出に付して、脱銅、脱テルルを行なう工程までは上記第一の方法と同じであるが、その後残渣を硫酸と混合し、焙焼してセレンを揮発分離すると同時に、残渣中の銀を硫酸銀に変換する。そして硫酸焙焼残渣は、まず、硝酸カルシウム水溶液を用いて銀を浸出し、この浸出液を電解することにより銀メタルを回収する。
銀を浸出した残渣は、塩酸及び塩素にて金、白金族、セレン、及び残留しているテルルを浸出する。この浸出液にDBCを混合して金を抽出するが、この原理は第一の方法と同じである。更に、この抽残液をヒドラジン還元することにより、白金族元素とテルルとを金属粉として回収する。
なお、上記の第二の方法における硫酸焙焼残渣から銀を回収する法としては、上記第一の方法と同様に、アンモニアを使用する方法、亜硫酸ナトリウムを使用する方法も提案されている。
しかるに、上記2つの方法では、いくつかの有価物並びに不純物の分離方法として、例えばビスマスに関しては、湿式工程で回収することは示されていない。ビスマスは従来から行われてきた乾式工程を用いて熔融し、スラグから回収する方法が一般的である。しかし乾式工程を実現するためには炉を設けるための投資や使用するエネルギーなどの投資や費用が大きくなる等の問題があり好ましくなかった。
特開平9−316559号公報 特開平9−316561号公報
K. E. Sutliff et al, JOM, August(1996), pp42-44、J. E. Hoffmann et al, Proceedings of COPPER 95-COBRE 95 International Conference Volume III(1995)、The Metallurgical Societyof CIM, pp41-57 J. E. Hoffmann et al, HY DROMETALLURGY ’94, the Institutionof Mining andMetallurgy and the Society of Chemical Industry, CHAPMAN & HALL(1994), pp69-105
本発明は、銅電解スライムから貴金属を回収後に得られる液からビスマスを、湿式工程を主として用い炉等を極力用いずに、効率よく回収し精製する方法を提供することを目的とする。
第1発明は、銅と貴金属とビスマスと不純物とを含有する鉱物を製錬して得た粗銅を電解精製に付して銅を回収し、次に電解精製を行うことで生成した電解スライムから湿式法により貴金属を回収する工程において、貴金属を回収後に生成した酸性溶液を以下の工程に付すことを特徴とするビスマスの精製方法である。
1)前記酸性溶液にアルカリを添加してpHを2.0以上3.0以下の範囲に調整し、次いで固液分離して中和濾液と中和澱物を得る中和処理工程
2)前記中和澱物にアルカリを添加してアルカリ浸出液とアルカリ浸出残渣に分離するアルカリ浸出工程
3)前記アルカリ浸出残渣に硫酸を添加して硫酸浸出液と硫酸浸出残渣とに分離する硫酸浸出工程
4)前記硫酸浸出液を冷却し、硫酸ビスマスの結晶を得る冷却工程
5)前記硫酸ビスマスの結晶にアルカリを加え、酸化ビスマスを得るビスマス酸化工程
6)前記酸化ビスマスに酸溶液を添加して溶解し、得た溶解液を電解採取して金属ビスマスを得る電解工程
第2発明は、第1発明において、前記不純物が銅、鉄、鉛、ヒ素、テルルの1種以上であることを特徴とするビスマスの精製方法である。
第3発明は、第1発明において、前記アルカリ浸出工程で得たアルカリ浸出液を90℃以上に加熱し、次いで冷却してヒ素を含む結晶を得ることを特徴とするビスマスの精製方法である。
第4発明は、第1発明における前記硫酸浸出工程が、最初に低濃度の硫酸を接触させて浸出残渣を浸出して1次浸出液と1次浸出残差を分離し、次に1次浸出残渣に高濃度の硫酸を接触させて2次浸出液と2次浸出残渣とに分離し、得た2次浸出液を上記第1の発明の冷却工程に供給する2段階の浸出処理からなることを特徴とするビスマスの精製方法である。
第5発明は、第1発明における前記電解工程で用いる酸溶液が、硅フッ酸を含む溶液であることを特徴とするビスマスの精製方法である。
第6発明は、第1発明のアルカリ浸出工程において、中和澱物に添加するアルカリとして1mol/l以上5mol/l以下の濃度の水酸化ナトリウム溶液を使用し、スラリー濃度が10g/l以上100g/l以下の範囲になるように混合して溶解し、アルカリ浸出液とアルカリ浸出残渣を得ることを特徴とするビスマスの精製方法である。
第7発明は、第1発明の硫酸浸出工程において、硫酸を添加した後のスラリーのpHを0以上、3.5以下の範囲に調整して浸出し、浸出後に固液分離して硫酸浸出液と硫酸浸出残渣を得ることを特徴とするビスマスの精製方法である。
第1発明によれば、中和処理工程では、pHが2〜3であることで、不純物を水酸化物の形態で分離でき、ビスマスの濃度を最大化でき、固液分離によりビスマスを含む中和澱物と中和濾液に分離できる。アルカリ浸出工程では、ビスマスが残るアルカリ浸出残渣とアルカリ浸出液に分離できる。硫酸浸出工程ではビスマスを含む硫酸浸出液と硫酸浸出残渣とに分離できる。冷却工程では硫酸ビスマスの結晶を得ることができ、ビスマス酸化工程では酸化ビスマスを得ることができる。電解工程では酸化ビスマスに酸溶液を添加した溶解液を電解採取して、最終的に電析した金属ビスマスを得ることができる。
このように、本発明によれば、銅製錬から高純度な金属ビスマスを湿式工程によって回収でき、乾式では必要な大掛かりな設備を必要としないので、低コストで操業できる
第2発明によれば、銅、鉄、鉛、ヒ素、テルルの1種以上である不純物であれば、中和や電解精製等におけるビスマスとの挙動はある程度異なるので、本発明の方法を用いることで効率よく分離でき、それだけビスマスを濃縮できるので、ビスマス回収に支障をきたさない。
第3発明によれば、アルカリ浸出液を90℃以上に加熱し、次いで冷却してヒ素を含む結晶を得ることにより、ヒ素を選択的に分離し、ヒ素を再利用しやすくできる。
第4発明によれば、低濃度の硫酸を用いる1次処理をした後で高濃度の硫酸を用いる2次処理を行う2段階処理を行うと、ビスマスの溶解度が上昇してより濃縮しやすくなる。
第5発明によれば、硅フッ化ビスマスを含有する電解液を用いるので、不純物を充分に分離した高純度の金属ビスマスが得られる。
第6発明のアルカリ濃度とスラリー濃度によれば、ヒ素を分離する際の分離率を向上させることができ、かつ固液分離時のろ過性の低下の防止などの効率向上が図れる。
第7発明によれば、電解採取することでビスマスが回収できないロスを低減できる。
本発明に係るビスマス精製方法の工程図である。 図1のビスマス精製方法の各工程で得られる生成物の説明図である。
本発明に係る湿式法を用いたビスマス精製方法を、以下に説明する。
本発明は、銅と貴金属とビスマスと不純物とを含有する鉱物を製錬して得た粗銅を電解精製に付して銅を回収し、次に電解精製を行うことで生成した電解スライムから湿式法により貴金属を回収する工程において、貴金属を回収後に生成した酸性溶液を以下の工程に付すことを特徴とする。
図1はビスマス精製の各工程を示しており、図2は図1に示す各工程で得られる生成物の説明図である。下記符号1)〜6)は図中のものと一致している。
1)中和処理工程
貴金属の回収後に生成した前記酸性溶液にアルカリを添加してpHを2.0以上3.0以下の範囲に調整し、次いで固液分離して中和濾液と中和澱物を得る。
2)アルカリ浸出工程
前記中和処理工程で得た中和澱物にアルカリを添加してアルカリ浸出液とアルカリ浸出残渣に分離する。
3)硫酸浸出工程
前記アルカリ浸出工程で得たアルカリ浸出残渣に硫酸を添加して硫酸浸出液と硫酸浸出残渣とに分離する。
4)冷却工程
前記硫酸浸出工程で得た硫酸浸出液を冷却し、硫酸ビスマスの結晶を得る。
5)ビスマス酸化工程
前記冷却工程で得た硫酸ビスマスの結晶にアルカリを加え、酸化ビスマスを得る。
6)電解工程
前記ビスマス酸化工程で得た酸化ビスマスに酸溶液を添加して溶解し、得た溶解液を電解採取して金属ビスマスを得る。
本発明が適用される鉱物において、不純物に含まれるものは、鉄、鉛、ヒ素、テルルの1種以上である。これらの不純物であれば、中和や電解精製等におけるビスマスとの挙動がある程度異なるので、本発明の方法を用いることで効率よく分離でき、それだけビスマスを濃縮することができる。そのため、ビスマス回収に支障をきたすことがない。一方、前記以外の例えばアンチモンなどの不純物が高濃度に含まれていると、ビスマスとの挙動が似ているので、効率的に濃縮を図ることが難しくなる不具合が生ずる。
以下、本発明の各工程を詳細に説明する。
1).中和工程
電解スライムから前記湿式法により貴金属を回収した後の酸性溶液にアルカリを添加して、酸性溶液を中和する。
中和処理すると、溶解度積とpHの関係からそれぞれの元素に応じて水酸化物などの中和澱物を形成するものと、形成せずに溶解しづつける中和濾液に分離する。そのためpHを細かく調整することで中和濾液と中和澱物とに分離できる。
本発明の後工程であるアルカリ浸出工程や硫酸浸出工程では、不純物として含有されたアンチモンや鉄をビスマスから効果的に分離することは難しい。このため、中和工程で前もってアンチモンや鉄を十分に分離することが重要である。
この中和工程では、銅や貴金属、ビスマスの外、鉄、鉛、ヒ素、テルル、アンチモン、ニッケルイオン等の不純物を含む酸性溶液を、まずアルカリを用いてpHを2.0〜3.0の範囲に調整し、次いで中和濾液と中和澱物とに固液分離する。pHが2.0未満ではビスマスの分離効率が弱く、またpHが3.0を超えると銅、アンチモン、ヒ素、ニッケル等がビスマスと同時に沈殿し始めるので、得られるビスマスの品位を低下させるなど好ましくない。pHが2.0〜3.0の範囲であると、高い濃度でビスマスのみを分離できる。
鉄やアンチモンなどの不純物は、水酸化物の形態で分離することが取扱いの面で最適であり、pHは2.0以上3.0以下、望ましくは2.4以上2.8以下の範囲に制御することでビスマス濃度を最大化できる。
固液分離には、ヌッチェと濾瓶、遠心分離機、フィルタープレス、デンバー濾過機などの公知の手法を用いることができ、中和状態の濾液と澱物に分けることができる。
2).アルカリ浸出工程
元素には、酸性側でもアルカリ側でも溶解するものがあるが、本発明ではアルカリを添加することで、アルカリ浸出液とアルカリ浸出残査に分離する。中和澱物にアルカリを添加すると、ヒ素など両性化合物のようにアルカリ性でも溶解する元素が溶解する現象が生じて、アルカリ浸出液とアルカリ浸出残渣に分けることができる。
後工程で硫酸を使った浸出を検討することを考慮すると、上記中和工程で生成され、残渣へ分配される鉄、鉛、ヒ素の割合は、これを50%以下に抑制することが必要となる。
添加するアルカリには、消石灰や水酸化ナトリウムを用いることができる。添加方法は消石灰を水に混合しスラリー状態としたり、水酸化ナトリウムを水に溶解した溶解液などの状態で定量ポンプを用いて添加したりする方法などを利用できる。消石灰を用いると硫酸カルシウム(石膏)が生成して回収ビスマスに対して不純物となることがあるので、中和後の生成物が水溶性である水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
アルカリ浸出工程の一例では、中和澱物に含有されたヒ素を水酸化ナトリウムを用いてアルカリ浸出液中に浸出する。浸出したヒ素は、アルカリ浸出液を90℃以上に加熱し、次いで冷却してヒ素を含む結晶を得る煮沸工程を経ることで分離できる。つまり、高温でヒ素の結晶構造が変ることを利用して、ヒ素を選択的に分離する。この煮沸工程を経ると、ヒ素を再利用しやすくできる利点が得られる。
ヒ素をより多く除去するためには、前記の中和澱物に水酸化ナトリウムの溶液を添加しスラリーとして反応させるとよい。水酸化ナトリウムの濃度や反応開始時のスラリー濃度は、中和澱物中に含有するヒ素の物量に応じて調整すればよい。
具体的には、1〜5mol/lの濃度の水酸化ナトリウム溶液を用い、スラリー濃度を10〜100g/lになるように添加することが好ましい。なお水酸化ナトリウム濃度は2mol/l前後の濃度とすることがさらに望ましい。
また反応温度は60℃前後が適当であり、それより低いと反応が遅くなる。一方60℃より高くても反応が過度に促進されることはなくエネルギーコストが余計にかかるなど好ましくない。
水酸化ナトリウムの濃度が1mol/lより低いと、ヒ素が除去しきれず、中和澱物中に一部が残存するなどの不都合がある。
また、水酸化ナトリウムの濃度が5mol/lを超えるなど過剰に高くなると、ヒ素以外のアンチモンや鉄などの不純物も浸出される。この場合、アルカリ浸出残渣に残留するビスマス純度が上昇するメリットがあるものの、水酸化ナトリウムの使用量が増加するためコストが増加し、さらにビスマスの一部までもがアルカリ浸出液中へ浸出されてロスが増加するなどの課題があり好ましくない。
スラリー濃度が10g/lより低いとアルカリ溶液に対する中和澱物の当量が少なすぎるので、相対的に溶解するビスマスの物量が増加してロスが増加するなどの不都合があり、100g/lより高いとアルカリ溶液に対する中和澱物の当量が多すぎるので、ヒ素を十分に溶解して除去できず、その結果ヒ素の除去効果が低下するなどの不都合がある。これに対し、スラリー濃度が10g/l以上100g/l以下であると、ビスマスのロスを抑制しつつ同時に効率よくヒ素が除去できるという利点が得られる。
また、例えば上記の中和澱物に原料やその処理工程に由来する塩化物(Cl)イオンが含有されている場合、ビスマスがオキシクロロビスマス(BiClO)のような硫酸に対して高い溶解度を持つ化合物として存在し、後述の冷却工程での硫酸ビスマスの析出を阻害することがある。しかし、本発明のアルカリ浸出を用いることでアルカリ浸出残渣中の塩化物イオンの品位を0.1%以下に抑制することができ、その結果、後述の冷却工程でのビスマスのロスを低減できる効果もある。
アルカリ浸出液中のヒ素濃度が高すぎると、浸出液中にヒ酸2水素ナトリウムの結晶が発生することがあり、発生に伴ってろ過性が悪化したり、発生した結晶を溶解して除去するために行う洗浄負荷が増加したりするなど好ましくない。
なお、アルカリ浸出工程で得られる残渣中のヒ素とビスマスはモル比(As/Bi)が0.1以下になるように浸出する。この比率になるように浸出することで、後述の硫酸浸出工程でビスマスを90%以上回収できる。
3).硫酸浸出工程
上記のアルカリ浸出工程で得たアルカリ浸出残渣に硫酸を添加して、硫酸濃度により溶解度に差が生じることを利用して硫酸浸出液と硫酸浸出残渣とに分離する。
なお、上述のように塩化物イオンが含有される場合、前記アルカリ浸出工程と硫酸浸出工程の間に、アルカリ浸出残渣を水で洗浄する洗浄工程(pH調整工程)を設けて残留塩化物品位をさらに低減する処理を行ってもよい。洗浄工程では、アルカリ浸出残渣に水を加えてスラリー状態にし、pHが2.5〜3.5、好ましくは3程度を示すまで洗浄することで、中和澱物中のビスマス成分の分散性が向上し、硫酸に浸出されやすくなる。
硫酸浸出工程では、硫酸濃度を変えて2段階の浸出処理を行うことが好ましい。つまり、最初に低濃度の硫酸を接触させて浸出残渣を浸出して1次浸出液と1次浸出残渣とに分離する1次処理を行い、次に前述の1次浸出残渣に高濃度の硫酸を接触させて2次浸出液と2次浸出残渣とに分離する2次処理を行うことが好ましい。
また、前述の2次浸出液は、上記冷却工程に供給することが好ましい。このような2段階の浸出処理を行うことで、ビスマスの溶解度が上昇して、濃縮しやすくなる。
本発明で低濃度の硫酸とは、溶液のpHが0〜3.5、好ましくはpH3前後の範囲である弱酸性の濃度の硫酸溶液を言い、高濃度の硫酸とは、pHが0未満となる強酸性の濃度の硫酸溶液のことを指し、具体的には7mol/l以上、好ましくは10mol/l程度の濃度となる。上述の高濃度の硫酸による浸出時は、スラリーの温度は30〜90℃の範囲とすることがよい。
具体的には、前記のアルカリ浸出残渣に硫酸を添加してpHが0〜3.5の範囲に調整したスラリーとし、銅や鉄を浸出する。pH0〜1の硫酸浸出工程において例えばアルカリ浸出残渣に含まれた銅の中で硫酸浸出液への銅の分配(浸出率)は50%以上となることが好ましい。分配が50%未満では、銅の除去が不十分でビスマス製品中の銅品位に悪影響を及ぼす。
またビスマスのアルカリ浸出残渣に含まれた中からの硫酸浸出液への分配(浸出率)は2%以下とすることが必要である。2%を超える分配では、処理全体でのビスマスのロスが無視できなくなる。
4).冷却工程
前記硫酸浸出工程で得た硫酸浸出液を冷却して硫酸ビスマスの結晶を晶析させて得る。この冷却工程は、溶解度の差を利用するもので、一般に溶解度は温度が下がるほど下がるので、液体で溶けきれなくなる。そのため、冷却することにより硫酸ビスマスの結晶を得ることができる。
冷却方法には、例えば上記の硫酸浸出液を満たした反応槽(冷却槽)の外部にジャケットを設けたり、反応槽内に蛇管を設置したりし、反応槽内を撹拌しつつジャケットや蛇管の中に水等の冷媒を流すことで行える。なお、冷却時に予め得た硫酸ビスマスの結晶を種として浸出液に添加してもよい。
冷却は低い温度まで行う方がよいが、冷却に要するコストや効率などを考えると、30℃未満の室温程度まで冷却するのがよい。また、冷却に要する時間は1時間程度とすることがよい。
5).ビスマス酸化工程
前記冷却工程で得た硫酸ビスマスの結晶にアルカリを加える。アルカリを加えると、ビスマス以外を溶解するので、酸化ビスマスを得ることができる。
具体的には、例えば1〜2mol/l程度の濃度の水酸化ナトリウム溶液をスラリー濃度が25g/l程度になるように上記の硫酸ビスマスの結晶と混合し、温度を60℃程度に維持しながら1時間程度撹拌すると、水酸化ビスマス(Bi(OH))が得られ、これを乾燥すると酸化ビスマス(Bi)が得られる。
6).電解工程
前記ビスマス酸化工程で得た酸化ビスマスに酸溶液を添加して溶解する。このように酸溶液を加えると、ビスマスがイオンとして溶解するが、得た溶解液を電解採取すると、つまり溶解液に電極を入れて通電するとビスマスイオンが電子を受けてカソード上に単体の金属ビスマスとして電析する。
電解に用いる酸溶液には塩酸なども用いることができるが、ビスマスの溶解度が十分に高く電解に好都合なビスマス濃度が確保でき、しかも共存する不純物との分離性が高いことから硅フッ酸溶液が好ましい。硅フッ酸を含有する溶液を用いた電解浴とすることで、硅フッ化ビスマスの形で存在する電解液中から不純物を充分に分離した金属ビスマスが得られる。
金属ビスマスを得る具体的な電解条件としては、例えば、硅フッ酸濃度が300〜350g/lの溶液を用いて酸化ビスマスを溶解し、ビスマス濃度が80〜100g/lの電解始液を得、この電解始液をカソードにハステロイ、アノードにカーボンを用いた電解槽に供給し、液温を40〜50℃、好ましくは50℃以下、に維持しつつ、80〜120A/mのカソード電流密度で通電することで、カソード上に金属ビスマスを電析させることができる。電流密度が200A/mを超えると電着表面の状態が荒れて粒上析出物が生じやすく電解液が巻き込まれるなど好ましくない。
電解の終了は例えば電解液中のビスマス濃度が20〜30g/l程度まで低下した時点とすれば、析出するビスマスの表面状態の悪化を抑止でき、電解液の巻き込みなどの影響のない表面平滑なビスマスメタルを得ることができて好ましい。
なお、電解始液にビスマスメタルを添加し、浸漬させて電解始液に含有された銀イオンをビスマスメタル上に析出させるセメンテーション反応に付した後の液を電解に付すとビスマスメタル中の銀品位を低減することができて好ましい。セメンテーション反応は、電解始液の酸化還元電位(ORP)が銀・塩化銀電極を参照電極とする値で400〜518mVの範囲あるいはそれ以下に低減するように、ビスマスメタルを添加して行うことがよい。
また、電解終了後はカソードを引き上げて電着したビスマスを剥ぎ取り、水で洗浄し、ついで炉の中に入れて不活性雰囲気下でビスマスの融点(271℃)を若干上回る300℃くらいの温度で熔解することで、不純物や酸化物を取り除き、インゴット等の形状のビスマスメタルを得ることができる。
(実施例1)
銅精鉱を炉に入れて高温で熔解して不純物を分離した粗銅を鋳造して得たアノードを硫酸酸性溶液が張られた電解槽中に浸漬し、同時に面対して装入された銅ないしステンレス製のカソードとの間に通電し、カソード表面上に電気銅を電着させる公知の銅の電解精製方法を用いて、金や銀などの貴金属などを含有する銅電解スライムを得、この銅電解スライムに公知の方法を用いて塩素ガス等の酸化剤を作用させて銅電解スライムから浸出された貴金属が含有された酸性溶液を用意した。
次にこの酸性溶液に常温で水酸化ナトリウムを添加し、pHを2.6に調整したスラリーを得た。次いで、このスラリーをヌッチェと濾瓶を用い、5Cのろ紙を使用して中和澱物と中和濾液とに固液分離した(中和処理工程)。元液に含有されたビスマス、鉄、鉛、ヒ素の各成分が中和澱物に分配した割合を求めると、ビスマス;90%、鉄;40%、鉛;40%、ヒ素;40%となり、ビスマス以外の成分の半分以上の量を分離できた。
(実施例2)
上記実施例1と同じ貴金属を含有する銅電解スライムから貴金属を浸出した酸性溶液を使用し、水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを2.6に調整し、実施例1と同じ方法で中和澱物と中和濾液を得た(中和処理工程)。
次に、中和澱物に濃度2mol/lの水酸化ナトリウムを添加して浸出しアルカリ浸出残渣を得た(アルカリ浸出工程)。得たアルカリ浸出残渣にさらに低濃度の硫酸を添加しスラリー濃度を100g/lに調整し1時間撹拌して硫酸浸出液を得た(硫酸浸出工程)。硫酸添加後のスラリーのpHを0.8に調整した。
硫酸浸出液への銅の浸出率は53%となった。一方、ビスマスの浸出は0.7%に抑制でき目標を達成できた。
得られた残渣に10mol/L濃度の硫酸を添加してスラリーとし温度を60℃に維持して残渣中のBiを浸出した。
残渣を分離後、浸出液を室温まで冷却し、硫酸ビスマスの結晶を得た(冷却工程)。得られた結晶をpH14の苛性ソーダ溶液に投入後撹拌し、酸化ビスマスの結晶を得た。得た結晶を濃度が336g/lの硅フッ酸溶液に溶解してビスマス濃度が100g/lになるように調整し、またこの溶解液に別途用意したビスマスメタルを浸漬してセメンテーション反応により溶解液の銀濃度を13mg/lから分析下限の5mg/l未満まで脱銀した液を電解始液とした(ビスマス酸化工程)。
次にこの電解始液を電解槽に入れ、液温度を45〜50℃に維持した。電解槽にハステロイ製のカソードとカーボン製のアノードを面間距離が50mmになるように並べた。次に電解槽から排出される電解液をポンプを用いて電解槽に再度給液することで循環させながら、100A/mとなるカソード電流密度で通電した(電解工程)。電解槽から排出される電解液のビスマス濃度を分析し、ビスマス濃度が25g/l以下まで低下した時点で、通電を止めた。
次いでカソードを引揚げ、電着したビスマスメタルをカソードから剥ぎ取り、ビスマスメタルを水で洗浄し、乾燥させた。
得られたビスマスメタルの量を通電電流量から算出した理論電着量で除した電流効率は99.6%だった。
次に、得たビスマスメタルをGDMS(グロー放電質量分析装置)を用いて分析した。その結果、主な不純物である銀が70ppm程度で、セメンテー所の反応を行わなかった場合の1300ppmに比べて大幅に低減でき、ビスマス品位として99.993%に達する高純度なビスマスメタルが得られた。
また、アルカリ浸出工程で得た、浸出液並びに洗浄液を90℃の温度に煮沸したところ、ヒ酸2水素ナトリウムの結晶を得られ、ろ過することでヒ素を固体として分離し回収できた。
(実施例3)
上記実施例1および2と同じ酸性溶液を用い、この酸性溶液に常温で水酸化ナトリウムを添加し、pHを2.6に調整したスラリーを得、次いで、実施例1および2と同じ方法を用いて中和澱物と中和濾液とに固液分離した(中和処理工程)。この中和澱物中に含有されたビスマス品位は19重量%、塩化物イオンの品位は11重量%だった。
次にこの中和澱物に濃度2mol/lの水酸化ナトリウム溶液を加えてスラリー濃度を100g/lとし、スラリーの温度を60℃に維持しつつ1時間撹拌した(アルカリ浸出工程)。次に撹拌終了後のスラリーを固液分離し、得たアルカリ浸出残渣を水で洗浄し、再度固液分離した洗浄後のアルカリ浸出残渣を分析した。その結果、ビスマス品位が28.1重量%に対して塩化物イオンの品位は0.01重量%と塩化物を大幅に低減できた。
次に上記の洗浄後のアルカリ浸出残渣を上記実施例2と同様の処理を行い、10mol/l濃度の硫酸で浸出してビスマス濃度3.7g/lの浸出液を得、この浸出液を60℃から室温(25℃)まで冷却し、固液分離するとビスマス濃度1.0g/lの濾液が得られ、浸出液中に含まれたビスマスの73%を回収することができた。
(実施例4)
上記実施例3と同じ方法でアルカリ浸出残渣を得、このアルカリ浸出残渣に濃度が8mol/lの硫酸を加えてビスマスを浸出した浸出液を得た。次いで得た浸出液を実施例3と同じ方法で冷却すると浸出液に含まれたビスマスの80%を回収することができた。
(実施例5)
上記実施例2と同じ方法でアルカリ浸出残渣を得、このアルカリ浸出残渣にスラリー濃度が100g/lとなるように硫酸と水を添加してpHを3.0に調整し、1時間撹拌を継続した。固液分離後、得た残渣に濃度10mol/lの硫酸と水を添加してスラリーとし、60℃に維持しつつ2時間浸出した。得た浸出液のビスマス濃度は3.0g/lと十分に浸出されたことが確認された。
(比較例1)
pHを3.8に調整した以外は、上記実施例1と同じ装置及び同じ酸性溶液を用い、同じ方法で中和した。中和澱物へ分配した割合は、ビスマスは95%と良好だったものの、鉄;80%、鉛;60%、ヒ素40%となりビスマス品位は52%程度のものしか得られなかった。
(比較例2)
上記実施例2と同様に作成した中和澱物を、アルカリ浸出することなく、実施例1と同条件で硫酸浸出を行ったところ、ビスマスの浸出率は60%だった。浸出液中のビスマス濃度は4.0g/lとなった。しかし、浸出後の残渣を再度同じ条件で硫酸浸出したが、ビスマスは殆ど浸出しなかった。また、浸出液を冷却しても硫酸ビスマスの結晶を得ることはほとんどできなかった。
(比較例3)
上記実施例2と同様に作成した中和澱物を、水酸化ナトリウムでpH3.5に調整してアルカリ浸出し、その硫酸溶液を添加してpHを1.2に調整した以外は、上記実施例2と同等の方法で処理した。液中へのビスマスの分配は1.5%と十分な範囲だったが、銅の分配(浸出率)は45%と不足した。
(比較例4)
上記実施例2と同様に作成した中和澱物を、水酸化ナトリウムでpHを3.5に調整してアルカリ浸出し、その後pHが0未満となる高濃度の硫酸を用いた以外は、実施例2と同等の方法で処理した。その結果、液中への銅の溶出は55%で満足する結果だったが、ビスマスが3%も浸出され、目標のビスマスの浸出率に抑えることが出来なかった。
(参考例1)
上記実施例4と同じ方法でアルカリ浸出残渣を得、このアルカリ浸出残渣に濃度が6mol/lの硫酸を加えてビスマスを浸出した浸出液を得た。次いで得た浸出液を実施例4と同じ方法で冷却すると浸出液に含まれたビスマスの45%しか回収できなかった。
(参考例2)
上記実施例5と同じ方法でアルカリ浸出残渣を得、このアルカリ浸出残渣をpH調整することなく濃度10mol/lの硫酸と水を添加してスラリーとし、60℃に維持しつつ2時間浸出した。得た浸出液のビスマス濃度は1.2g/lと不十分な浸出しか得られなかった。
(参考例3)
上記実施例5と同じ方法でアルカリ浸出残渣を得、このアルカリ浸出残渣にスラリー濃度が100g/lとなるように硫酸と水を添加してpHを5に調整し、1時間撹拌を継続した。固液分離後、得た残渣に濃度10mol/lの硫酸と水を添加してスラリーとし、60℃に維持しつつ2時間浸出した。得た浸出液のビスマス濃度は2.5g/lと不十分な浸出にとどまった。
(参考例4)
上記実施例5と同じ方法でアルカリ浸出残渣を得、このアルカリ浸出残渣にスラリー濃度が100g/lとなるように硫酸と水を添加してpH0に調整し、1時間撹拌を継続した。固液分離後、得た残渣に濃度10mol/lの硫酸と水を添加してスラリーとし、60℃に維持しつつ2時間浸出した。得た浸出液のビスマス濃度は2.5g/lと不十分な浸出にとどまった。
1 中和処理工程
2 アルカリ浸出工程
3 硫酸浸出工程
4 冷却工程
5 ビスマス酸化工程
6 電解工程

Claims (7)

  1. 銅と貴金属とビスマスと不純物とを含有する鉱物を製錬して得た粗銅を電解精製に付して銅を回収し、次に電解精製を行うことで生成した電解スライムから湿式法により貴金属を回収する工程において、貴金属を回収後に生成した酸性溶液を以下の工程に付す
    ことを特徴とするビスマスの精製方法。
    1)前記酸性溶液にアルカリを添加してpHを2.0以上3.0以下の範囲に調整し、次いで固液分離して中和濾液と中和澱物を得る中和処理工程
    2)前記中和澱物にアルカリを添加してアルカリ浸出液とアルカリ浸出残渣に分離するアルカリ浸出工程
    3)前記アルカリ浸出残渣に硫酸を添加して硫酸浸出液と硫酸浸出残渣とに分離する硫酸浸出工程
    4)前記硫酸浸出液を冷却し、硫酸ビスマスの結晶を得る冷却工程
    5)前記硫酸ビスマスの結晶にアルカリを加え、酸化ビスマスを得るビスマス酸化工程
    6)前記酸化ビスマスに酸溶液を添加して溶解し、得た溶解液を電解採取して金属ビスマスを得る電解工程
  2. 前記不純物が銅、鉄、鉛、ヒ素、テルルの1種以上である
    ことを特徴とする請求項1記載のビスマスの精製方法。
  3. 前記アルカリ浸出工程で得たアルカリ浸出液を90℃以上に加熱し、次いで冷却してヒ素を含む結晶を得る煮沸工程を有する
    ことを特徴とする請求項1記載のビスマスの精製方法。
  4. 前記硫酸浸出工程が、最初に低濃度の硫酸を接触させて浸出残渣を浸出して1次浸出液と1次浸出残差とに分離し、次に1次浸出残渣に高濃度の硫酸を接触させて2次浸出液と2次浸出残渣とに分離する2段階の浸出処理からなり、得た前記2次浸出液を前記冷却工程に供給する
    ことを特徴とする請求項1記載のビスマスの精製方法。
  5. 前記電解工程で用いる酸溶液が硅フッ酸を含む溶液である
    ことを特徴とする請求項1記載のビスマスの精製方法。
  6. 前記アルカリ浸出工程において、中和澱物に添加するアルカリが1mol/l以上5mol/lモル以下の濃度の水酸化ナトリウム溶液であり、該水酸化ナトリウム溶液を使用してスラリー濃度が10g/l以上100g/l以下の範囲になるように混合して溶解し、アルカリ浸出液とアルカリ浸出残渣を得る
    ことを特徴とする請求項1記載のビスマスの精製方法。
  7. 前記硫酸浸出工程において、硫酸を添加した後のスラリーのpHが0以上、1以下の範囲に調整し、固液分離して硫酸浸出液と硫酸浸出残渣を得る
    ことを特徴とする請求項1記載のビスマスの精製方法。
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