JP2017065123A - 化粧シート及び化粧板 - Google Patents

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Abstract

【課題】化粧シートを厚くすることなく、コストの上昇を抑えつつ、基材から拡散される揮発性有機物による変色を防ぐことができる化粧シートを提供する。【解決手段】樹脂製の基材シート9の一方の面側に絵柄層11と透明熱可塑性樹脂層15とがこの順に形成され、基材シート9の他方の面側にプライマー層4が形成され、基材シート9とプライマー層4との間に、SiO2が蒸着されたPETフィルムである蒸着フィルム層5を形成する。更に、蒸着フィルム層5の両面に遮蔽層6A、6Bを形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧シート及び化粧板に関する。
化粧シートは、安価で加工性に優れた建材として、建築物の屋内、屋外及び家具や什器といった様々な用途に使用されている。
化粧シートは木質系基材に貼り付けられて使用されることも多いが、この場合、基材を構成する木材からのテルペンが化粧シートに拡散することが懸念される。特に、化粧シートの印刷用原反(基材シートなど)が淡色の場合、テルペンとしてのカリオレフィン(α‐カリオフィレンやβ‐カリオフィレン)によって上記淡色の印刷用原反若しくはその上の層(絵柄層など)が変色する懸念がある。ここで、カリオフィレンは、木質系の基材となる熱処理された圧縮木材から放出される揮発性有機化合物の一種である(例えば、特許文献1参照)。
ところで、木質系の基材と化粧シートとの間に中間層を設ける技術が公知になっている。このような中間層によれば、基材から印刷用原反若しくはその上の層(絵柄層など)へのテルペン等の拡散を抑え、化粧シートの変色を抑えることができる。その中間層は、バッカー層とも呼ばれており、通常、化粧シートに適度な厚さを与えて巻取りを容易にする目的等のために設けられるものである。基材と化粧シートとの間にバッカー層を設ける化粧板は、例えば、特許文献2に記載されている化粧板がある。
特開平7−215846号公報 特開2007−98855号公報
しかしながら、バッカー層は、耐衝撃性、耐傷付き性及び耐キャスター性等を目的として設けられる部材であるから、耐衝撃性などの目的に適うだけの厚さに設定される。また、バッカー層は、化粧板を構成する層のうち比較的高コストの部材である。このため、バッカー層を使って木質系基材から印刷用原反若しくはその上の層(絵柄層など)への揮発性有機物の拡散を防ごうとすると、化粧シートの厚さが厚くなり、化粧シートのコストを高めることになる。
更に、化粧板に対し画鋲を刺したりフック等用に穴あけしたときや、化粧板を切断したときの断面から印刷用原反の変色の原因と考えられるカリオフィレンが表面側に拡散・浸透することも抑制できることが好ましい。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、化粧シートを厚くすることなく、コストの上昇を抑えつつ、基材から拡散される揮発性有機物による変色を防ぐことができる化粧シート及び化粧板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様の化粧シートは、樹脂製の基材シートの一方の面側に、絵柄層と透明熱可塑性樹脂層とがこの順に形成され、上記基材シートの他方の面側に、蒸着フィルム層とプライマー層とがこの順に形成され、上記蒸着フィルム層は、金属若しくは金属酸化物が蒸着された熱可塑性樹脂フィルムからなり、更に、上記蒸着フィルム層の両面の少なくとも一方の面に、粉体状の多孔質材料を含有する樹脂から構成した遮蔽層を設けたことを特徴とする。
本発明の態様によれば、化粧シートの厚さを厚くすることなく、コストの上昇を抑えつつ、蒸着フィルム層及び遮蔽層によって、基材から拡散される揮発性有機物によるシートの変色を防ぐことが可能となる。
本発明の一実施形態の化粧シート及び化粧板を説明する断面図である。 本発明の一実施形態の化粧板と比較される比較例1の化粧シート及び化粧板の断面図である。 本発明の一実施形態の化粧板と比較される比較例2の化粧シート及び化粧板の断面図である。
以下、本発明の一実施形態の化粧シート及び化粧板について説明する。
図1は、本実施形態の化粧シート2を基材に貼り付けてなる化粧板1を示す模式的断面図である。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
<構成>
(化粧シート)
化粧シート2は、図1に示すように、印刷用原反としての基材シート9の表面に対し、絵柄層11と透明熱可塑性樹脂層15とがこの順に形成されると共に、基材シート9の裏面に、第1遮蔽層6A、蒸着フィルム層5、第2遮蔽層6B、及びプライマー層4がこの順に形成されている。
また、本実施形態の化粧シート2は、絵柄層11上に設けられるアンカーコート(AC:Anchor Coat)層13、及び透明熱可塑性樹脂層15上に設けられる表面保護層17を有している場合を例示している。図1に示す表面保護層17が、第1表面保護層171と第2表面保護層172の二層構造の場合を例示しているが、表面保護層17は1層構造であっても良い。
ここで、第1遮蔽層6A及び第2遮蔽層6Bのどちらか一方を省略しても良い。第1遮蔽層6A及び第2遮蔽層6Bのどちらか一方の遮蔽層を設ける場合には、第2遮蔽層6Bを設けることが好ましい。
〈基材シート〉
基材シート9は、化粧シート2の耐キャスター性を高める、あるいは巻取り適正を高めるために設けられる。本実施形態の基材シート9は、ポリエチレン等の樹脂を主剤とし、適宜、顔料等の着色剤が添加される。また、基材シート9には、主剤に対し、着色剤の他にも適宜無機フィラー、滑剤、熱可塑性エラストマー、相溶化剤等を添加することができる。
基材シート9の厚さは、透明熱可塑性樹脂層15と合わせて化粧板とした際の表面の各種耐性と、基材3に貼り合わせる前の化粧シート2としての巻き取り適性を考慮して決定される。本実施形態では、基材シート9の厚さを55μmとした。なお、本実施形態は、基材シート9の厚さを55μmに限定するものではなく、55μmから100μmの範囲で調整することが可能である。
〈絵柄層〉
絵柄層11は、所望の絵柄の意匠を付与するために設けられるものである。本実施形態では、絵柄層11を、ウレタン樹脂、塩酢ビニル樹脂及び顔料によって形成した。絵柄層11の絵柄は、特に限定されるものではなく、例えば木目柄、石目柄、布目柄、砂目柄、抽象柄、幾何学図形、文字又は記号、あるいはそれらの組み合わせ等が考えられる。また、絵柄層11の色彩は特に限定されるものではない。
本実施形態は、基材シート9の変色を防ぐことが可能であるので、表面から見て、白色に近い淡い色彩の化粧シート2に適用した場合により効果が顕著になる。
なお、絵柄層11は、印刷インキを使った印刷によって設けることが可能である。印刷インキ等の種類は特に限定されず、化粧シート用として公知の印刷インキを使用することができる。具体的には、例えば、上記したウレタン樹脂の他、ブチラール系、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、アルキド系、ポリアミド系等のバインダー樹脂に、有機又は無機の染料又は顔料や、必要に応じて体質顔料、充填剤、粘着付与剤、分散剤、消泡剤、安定剤その他の添加剤を適宜添加し、適当な希釈溶剤で所望の粘度に調整したものがインキとして使用できる。
〈アンカーコート層〉
アンカーコート層13は、化粧シート2の用途により必要に応じて設けられる層である。本実施形態は、ウレタン樹脂が乾いた状態で1.2g/mになるように塗布することによってアンカーコート層13を形成する。アンカーコート層13は、形成の目的に応じて、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤及び充填剤等の公知の添加剤の1種以上が添加されていてもよい。
〈透明熱可塑性樹脂層〉
透明熱可塑性樹脂層15は、基材シート9と共に化粧板1とした際の表面の各種耐性と、基材3に貼り合わされる以前の化粧シート2としての巻き取り適性とを高めるために設けられる。本実施形態の透明熱可塑性樹脂層15は、ポリオレフィン系樹脂を主剤とするものであり、用いるポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン樹脂を用いている。透明熱可塑性樹脂層15の厚さは80μmである。
また、本実施形態は、ポリプロピレン樹脂の他、ポリエチレン樹脂等を主剤とすることができる。また、本実施形態は、複数の種類の樹脂を主剤として透明熱可塑性樹脂層15を形成することもできる。さらに、本実施形態は、透明熱可塑性樹脂層15を単層とすることに限定されず、複数の層によって透明熱可塑性樹脂層15を形成することができる。
透明熱可塑性樹脂層15の膜厚は、80μmに限定されるものではなく、表面の耐性や巻取り適正の観点から50〜100μmが望ましい。また、透明熱可塑性樹脂層15には、表面に木目の導管等の凹部(図字せず)を施してもよい。
〈表面保護層〉
表面保護層17は、化粧板1の表面耐性を向上させるために適宜設けられる。本実施形態は、表面保護層17を、第1表面保護層171及び第2表面保護層172を含む二層構造とした。第1表面保護層171及び第2表面保護層172は、共にウレタン樹脂を乾いた状態で3g/mとなるように塗布して形成されている。ただし、本実施形態は、表面保護層17を二層構造にすることに限定されるものではなく、表面保護層17を単層にしてもよい。
表面保護層17に用いられる樹脂としては、紫外線硬化型樹脂や2液ウレタン系樹脂が好適に用いられ、これらにすべり性を考慮して公知の紫外線吸収剤、光安定剤、ガラスビーズ等を適宜添加してよい。
第1表面保護層171及び第2表面保護層172を設ける方法としては、ウレタン樹脂等を、透明熱可塑性樹脂層15上に乾燥後の塗布量としてそれぞれ3g/mとなる程度に塗布するものが好適である。ただし、本実施形態は、このような方法によって表面保護層17を形成することに限定されるものでなく、耐衝撃性や耐キャスター性の観点から好適な表面硬度が得られる方法によって表面保護層を形成する。
また、本実施形態の化粧シート2には、適宜、その表面にエンボスロールによるエンボス加工等による、凹凸模様(図示せず)を付与してもよい。またその凹部に着色樹脂を充填するワイピング処理等を行ってもよい。
<遮蔽層>
第1遮蔽層6A及び第2遮蔽層6Bは、粉体状の多孔質材料が添加された樹脂から構成される。樹脂は、例えば2液ウレタン樹脂が例示出来る。多孔質材料としては、B型シリカゲルやゼオライト等が例示出来る。多孔質材料の粒径は1μm以上30μm以下が塗工容易性の点で好ましい。多孔質材料の添加量は、例えば樹脂100質量部に対し0.1質量部以上5質量部以下とする。
第1遮蔽層6A及び第2遮蔽層6Bは、例えば上記樹脂を蒸着フィルム層5に塗布し乾燥することで形成する。遮蔽層6A、6Bは、例えば乾燥後の塗布量が2g/m以上6g/m以下とする。
遮蔽層6A、6Bは、カリオフィレンを物理、化学的に遮蔽する層である。
また、第1遮蔽層6Aと基材シート9との間に接着層を適宜設ける。接着剤層7は、ウレタン樹脂からなる接着剤を乾燥後の塗布量が5.5g/mとなるように塗布することによって形成する。ウレタン樹脂からなる接着剤としては、例えば、2液ウレタン樹脂接着剤等を用いることができる。
〈蒸着フィルム層5〉
蒸着フィルム層5は、PETフィルム52の表面に酸化珪素、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウム等の金属酸化物若しくは金属を蒸着して形成される。本実施形態の蒸着フィルム層5は、シリコン酸化物を蒸着してSiO層51を設けることによって形成される場合を例示する。
PETフィルム52は、上記したように、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる高分子フィルムである。SiO層51は、シリコン酸化物を真空中で気化させてPETフィルム52上に付着させたものである。本実施形態では、PETフィルム52の厚さを12μm、SiO層51の厚さを100nmとした。
ただし、SiO層51の厚さは、100nmに限定されるものでなく、30nm〜200nm程度の範囲が好適である。
SiO層51の形成は、物理的蒸着方法(PVD: Physical Vapor Deposition)または化学的蒸着方法(CVD:Chemical Vapor Deposition)によって行われる。金属酸化物であるSiO層51は、PVD法によっても、CVD法によっても同等の透明性やバリヤー性を得ることができる。
以下に、SiO層51の形成方法の一例を説明する。
SiOの蒸着は、減圧されたチャンバー内で行われる。チャンバー内には、SiOの蒸発源と、陽極とが互いに対向するように設置されていて、陽極の側にはPETフィルムが巻き回されたドラムが配置される。ドラムの周面は冷却されている。蒸発したSiOは陽極によってドラムの側に引き寄せられる。陽極に引き寄せられたSiOがPETフィルム上に堆積してSiO層51を形成する。
PETフィルムは、ドラムの回転によってドラムの周面を一定の速度で移動する。このため、SiO層51が形成された部位が順次送り出され、SiOが堆積されていないPETフィルム52の部位が順次蒸発源と対向する位置に来る。本実施形態は、このようにしてPETフィルム52の片面の全面にSiO層51を形成している。
なお、本実施形態は、蒸着フィルム層5の金属酸化物として、SiOを使用することに限定されるものでなく、例えば、酸化珪素、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウム等のうち、SiOやアルミナAl等、公知の金属酸化膜を適用することができる。
〈プライマー層4〉
プライマー層4は、基材3と基材シート9とを接着するために設けられる。本実施形態のプライマー層4は、シリカが混入されたウレタン樹脂層である。ただし、プライマー層4は、シリカが混入されたウレタン樹脂を材料とすることに限定されるものでなく、基材3の材料と、基材シート9に用いられるポリエチレン(PE:PolyEthylene)を主剤とした樹脂とを接着可能できるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、ポリカーボネート樹脂、公知の2液のウレタン変性ビニル樹脂からなる水性接着剤や1液酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤及び湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤等が使用可能である。また、熱可塑性樹脂ホットメルト接着剤も使用可能である。
プライマー層4は、基材3の表面に接着剤を塗布することで設けることが可能である。また、プライマー層4は、化粧シートの基材シート9側に接着剤を塗布して設けてもよいし、基材3と基材シート9との両方に塗布してから貼り合わせることによって設けられるものでもよい。
接着剤の塗布量は、乾燥後の重さが3g/m〜20g/m程度が接着性の観点から好適である。
(化粧板)
本実施形態の化粧板1は、図1に示すように、以上説明した化粧シート2を基材3に貼り付けて構成される。以下、本実施形態の化粧板1を貼り付ける基材3について説明する。
〈基材〉
上記の化粧シート2が貼り付けられる基材3としては、南洋材合板、針葉樹合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、日本農林規格に規定される普通合板が使用可能である。また、木紛添加オレフィン系樹脂からなる基材も使用可能である。厚さは3〜25mm程度が好適である。
ただし、本実施形態の化粧シート2は、熱処理圧縮木材から拡散されてくるβ‐カリオフィレンによる変色を防ぐものである。このような本実施形態の効果は、基材3として熱処理圧縮木材を用いた場合に顕著となる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を上記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
<作用その他>
本実施形態の化粧シート2を使用すると、薄いPETフィルムにSiOの薄膜を蒸着した蒸着フィルム層5によって基材3からのβ−カリオフィレンの基材シート(印刷用原反)若しくはその上の層(絵柄層など)への拡散を防ぐことができる。β−カリオフィレンの蒸着フィルム層5は薄く形成することができ、化粧シート2全体、ひいては化粧板1の厚さを薄型化することができる。
また、化粧板1に画鋲を刺したりフック等用の穴あけをしたりした場合や、化粧板1を切断する際に、上記の蒸着フィルム層5に穴があく場合がある。このような場合でも、蒸着フィルム層5と共に設けた遮蔽層6A、6Bの多孔質材料に、カリオフィレンなどの基材から拡散される揮発性有機物が吸着されることで、基材から拡散される揮発性有機物による基材シート(印刷用原反)若しくはその上の層(絵柄層など)の変色を防ぐことができる。特に、遮蔽層6A、6Bによって、カリオフィレン(α―カリオフィレン又は及びβ−カリオフィレン)、特にβ−カリオフィレンの拡散を防ぐことが出来る。
以上のように、本実施形態の化粧シート2を採用すると、遮蔽層6A、6B及び蒸着フィルム層5によって、たとえ蒸着フィルム層5に開口などが開いたとしても、基材から拡散される揮発性有機物、特にβ‐カリオフィレンによって化粧シートが変色することを防ぐことが出来る。
〈実施例1〉
次に、本発明の実施例1を説明する。なお、実施例1の化粧シートは、図1に示した構成と同様の構成を有している。このため、実施例1の化粧シートの図示を省く。実施例1の化粧シートは、シリカを加えたウレタン樹脂製のプライマー層、プライマー層上に設けられた蒸着フィルム層、蒸着フィルム層上に接着剤層を介して貼り付けられた基材シートを有している。また、実施例1の化粧シートは、蒸着フィルム層5の両面に遮蔽層を形成している。
さらに、実施例1の化粧シートは、基材シート上に印刷によって形成された絵柄層、絵柄層上に塗布されたアンカーコート層、アンカーコート層上に形成された透明熱可塑性樹脂層及び透明熱可塑性樹脂層上に形成された二層の表面保護層を有している。実施例1の化粧シートは、基材に貼り合わされて化粧板となる。基材は厚さが25mmのパーティクルボードである。
蒸着フィルム層は、厚さが12μmのPET層上に100nmの厚さにSiO層を形成したものであり、SiO層が接着剤層の側に向くように積層される。
また、蒸着フィルム層の両面に、樹脂100質量部に対してB型シリカゲルを2質量部を添加した2液ウレタン樹脂を乾燥後の質量2g/m塗工して遮蔽層を形成した。
接着剤層は、乾燥した状態において5.5g/mになるように塗布されたウレタン樹脂によって形成される。基材シートは白色に着色されたポリエチレン樹脂であり、その厚さは55μmである。
絵柄層はウレタン樹脂と塩酸ビニル樹脂によって形成される。アンカーコート層は、乾燥した状態において1.2g/mとなるように塗布されたウレタン樹脂である。透明熱可塑性樹脂層は、厚さが80μmのポリプロピレン樹脂であり、二層の表面保護層は、いずれも乾燥した状態で3g/mとなるように塗布されたウレタン樹脂である。
〈比較例1〉
図2は、比較例1の化粧シートを説明するための図である。比較例1の化粧シート20は、プライマー層40、ポリブチレンテレフタレート(PBT:PolyButylene Terephthalate)樹脂製のバッカー層60、接着剤層81及びプライマー層482、基材シート90、絵柄層110、アンカーコート層130、透明熱可塑性樹脂層150、表面保護層170を有している。化粧シート20は、基材30に貼り合わされて化粧板10となる。基材30は厚さが25mmのパーティクルボードである。
プライマー層40は、シリカが混入されたウレタン樹脂製である。バッカー層60は、厚さが100μmのPBT樹脂シートである。接着剤層81、プライマー層82は、いずれもウレタン樹脂製である。基材シート90は、厚さが70μmのポリエチレン樹脂である。絵柄層110は、ウレタン樹脂、塩酢ビニル樹脂及び顔料によって形成される。透明熱可塑性樹脂層150は、厚さが55μmのポリプロピレン樹脂である。表面保護層170は、厚さが6μmのウレタン樹脂である。
このような比較例1の化粧シート20は、現行実用化されている化粧シートであり、化粧シートとして要求される条件を全て満たしている。
〈比較例2〉
図3は、比較例2の化粧シートを説明するための図である。図3において、図1に示した構成と同様の構成については同様の符号を付し、説明を一部略すものとする。比較例2の化粧シート21は、プライマー層4、基材シート91、絵柄層11、アンカーコート層13、透明熱可塑性樹脂層15及び表面保護層17を有している。基材シート91の厚さは70μmであって、基材シート9の厚さは55μmである。このような比較例2の化粧シート21は、図1に示した本実施形態の化粧シート2の基材シートを着色されたポリエチレン樹脂にし、かつ厚さを55μmから70μmにしたものである。化粧シート21は、基材3に貼り付けられて化粧板100になる。
このような比較例2の化粧シート21は、図1に示した本実施形態の化粧シート2から蒸着フィルム層5を除き、基材シートの厚さを55μmから70μmにしたものである。
<評価>
(試験1)
以下、実施例1、比較例1及び比較例2の化粧シートの試験を行い、実施例1の化粧シートの効果を確認した。以下、試験の結果について説明する。
〈β−カリオフィレンの透過性〉
本発明の発明者らは、実施例1の化粧シートと、比較例1の化粧シート20及び比較例2の化粧シート21についてβ−カリオフィレンの透過性を比較した。
表1の二行目は、実施例1の化粧シートと化粧シート20及び化粧シート21とのβ−カリオフィレンの透過量を計測した結果を示している。
表1によれば、実施例1の化粧シートのβ−カリオフィレンの透過量が0.81g/m・24hであり、この値は比較例1及び比較例2の化粧シートよりも低い値であった。
なお、上記の透過性の比較は、次のように行った。即ち、本発明の発明者らは、開口部の直径が182mmのガラス製容器にβ−カリオフィレンを5ml滴下し、ガラス製容器の開口部を上記した透過性の測定対象となる化粧シートで密閉した。そして、このような状態の化粧シートを60℃の環境下で24時間放置し、放置の前後で質量を測定し、質量の増加分をβ−カリオフィレンの単位面積(m)当たりの透過量に変換した。本試験においては、放置の前後で化粧シートの質量の変化が大きいものほどβ‐カリオフィレンの透過量が大きいことを示す。
Figure 2017065123
〈試験2〉
また、本発明の発明者らは、実施例1の化粧シートが化粧シートとして要求される他の条件についても試験を行い、いずれの条件についても実用に適するとの結果を得た。具体的には、実施例1の化粧シートは、水蒸気透過量が0.3g/m・24h、酸素透過量が0.2g/m・24hであった。このような結果から、実施例1の化粧シートは、蒸着フィルム層5によって高いバリア性を有することが分かる。
また、本発明の発明者らは、実施例1の化粧シートの不燃性を調べるため、ISO5660−1に準拠したコーンカロリ燃焼試験を行った。本発明の発明者らは、実施例1の化粧シートを金属基板に貼着して化粧板を作製し、この化粧板の時間に対する総発熱量及び時間に対する発熱速度を求めた。この結果、実施例1の化粧シートを使用した場合は、(i)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下であり、(ii)加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えず、かつ(iii)加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないことを満たす不燃性を確保可能となることが分かった。
表2は、実施例1の化粧シートの、化粧シートとして要求される他の条件についてさらに試験を行った結果を示している。表2によれば、実施例1の化粧シートは、鉛筆硬度試験、コインスクラッチ試験、キャスター試験及び局部荷重試験において比較例1の化粧シートよりも良好な結果を得た。また、実施例1の化粧シートは、デュポン衝撃試験において500gの鉄球を30cmの高度から落とす条件以外の条件において、比較例1の化粧シートよりも良好な結果を得た。
さらに、実施例1の化粧シートは、汚染試験、溶剤ラビング試験、湿熱白化試験、二類浸漬試験及び環境試験において比較例1の化粧シートと同等の結果を得た。
Figure 2017065123
以上説明したように、実施例1は、現行の化粧シートよりもβ−カリオフィレンの透過量が少ない化粧シート及びこの化粧シートを使った化粧板を提供することができる。また、実施例1の化粧シートは、β−カリオフィレンの透過の他、化粧シートに要求される他の条件についても満たすことができる。
また、実施例1は、蒸着フィルムによって基材から化粧シートにおける基材シート(印刷用原反)若しくはその上の層(絵柄層など)へのβ−カリオフィレンの拡散を防いでいる。このため、実施例1は、比較例1のようにバッカー層を設けるよりも化粧シート全体の厚さを薄くすることができる。さらに、蒸着フィルムに係るコストはバッカー層を設けることに係るコストよりも低いため、実施例1は、化粧シート及び化粧板のコストの上昇を抑えることができる。
以上説明した本発明の化粧シート及び化粧基材は、揮発性有機化合物が発生し得る木質系基材が用いられる分野に好適である。
1 化粧板
2 化粧シート
3 基材
4 プライマー層
5 蒸着フィルム層
51 SiO
52 PETフィルム
6A 第1遮蔽層
6B 第2遮蔽層
7 接着剤層
9 基材シート
10 化粧板
11 絵柄層
13 アンカーコート層
15 透明熱可塑性樹脂層
17 表面保護層
171 第1表面保護層
172 第2表面保護層

Claims (5)

  1. 樹脂製の基材シートの一方の面側に、絵柄層と透明熱可塑性樹脂層とがこの順に形成され、上記基材シートの他方の面側に、蒸着フィルム層とプライマー層とがこの順に形成され、
    上記蒸着フィルム層は、金属若しくは金属酸化物が蒸着された熱可塑性樹脂フィルムからなり、
    更に、上記蒸着フィルム層の両面の少なくとも一方の面に、粉体状の多孔質材料を含有する樹脂から構成した遮蔽層を設けたことを特徴とする化粧シート。
  2. 上記多孔質材料は、B型シリカゲルであることを特徴とする請求項1に記載した化粧シート。
  3. 上記多孔質材料は、粒径が1μm以上30μm以下の粉体からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した化粧シート。
  4. 上記遮蔽層は、樹脂100質量部に対し多孔質材料を0.1質量部以上5質量部以下含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した化粧シート。
  5. 木質系の基材と、その基材の一方の面に張り合わされた請求項1から請求項4のいずれか1項に記載した化粧シートとを有することを特徴とする化粧板。
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