JP2017063971A - 運動努力をトリガとした同期的磁気刺激を行うリハビリテーションシステム - Google Patents

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弘恭 金高
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建樹 八島
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Abstract

【課題】患者の運動努力と患者の麻痺肢の筋収縮とを神経生理学的に結びつけ脳の可塑性を活用して神経ネットワークを再構築する効果的なリハビリテーションを行うシステムを提供する。
【解決手段】筋肉の自発運動を検出する自発運動検出センサ1と、筋肉または筋肉を収縮させる運動神経を刺激するための末梢神経刺激コイル2と、該末梢神経刺激コイル2に電流を通電する末梢用磁気刺激電流供給装置10と、大脳の運動野を刺激するための脳刺激コイル5と、該脳刺激コイルに電流を通電する脳用磁気刺激電流供給装置11と、自発運動検出センサ1より検出された運動努力をトリガとして、前記末梢神経刺激コイル2から発生した磁気刺激パルスにより、筋肉または筋肉を収縮させる運動神経を磁気刺激し、その後、脳刺激コイル5から発生した磁気刺激パルスにより大脳の運動野を刺激するように各刺激コイル2、5の磁気刺激タイミングを制御する磁気刺激コントローラ9より構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、脳卒中の後遺症または脊髄損傷によって四肢に麻痺を持つ患者に対し、末梢および脳を磁気刺激することによってリハビリテーションを行う装置を用いたリハビリテーションシステムの開発に関する。
現在、脳卒中による片麻痺や脊髄損傷による四肢麻痺を有する患者数は130万人に達しており、日本の年齢構成の推移によって、その数はさらに増加している。脳損傷によって四肢の麻痺が長期間継続すると、廃用症候群によって筋肉の機能が著しく低下し、回復が困難な状態になる。片麻痺や四肢麻痺による廃用症候群を防止し、筋肉の機能を積極的に回復するために、運動療法によるリハビリテーションは最も重要な治療法である。
従来、成人の運動野は神経回路が固定しており、神経の再生やシナプス結合の変化は生じないと考えられてきた。しかし、1980年代に行われた、記憶学習とシナプス伝達効率に関連する研究から、運動野においてもシナプス結合の可塑的な変化が起こることが判明した。この過程は「脳の可塑性」と称される。
リハビリテーションによって、損傷した脳機能を回復させるために、脳の可塑性の積極的な活用が試みられている。新しいシナプス結合を脳の可塑性によって生じさせるには、他動的な運動よりも、自発的な運動を試みてその達成を実感することの効果が大きいとされている(非特許文献1)。しかしながら、麻痺した上下肢を自発的に運動させることは容易な作業ではない。そこで介助や機器による運動補助に加えて、脳や神経を電気的に刺激して運動を誘発する方法が開発されている。
筋収縮を電気的に起こす方法として、経皮電気的神経刺激TENSが広く用いられている。この原理は外部から電気的に運動神経を刺激することで、手や足を動かすことにより、運動機能を回復するものである。電気刺激法によって大きな筋収縮を得るためには、強い電気刺激を必要とする。この現象は感電と同じなので電気ショックによる不快感や痛みを伴う。ショックを少なくするために周波数や波形を改良するなど様々な研究が行われてきたが、電気的な刺激によって大きな筋収縮を実現することは困難な状況にある。
神経を電気的に刺激する他の方法として磁気刺激法がある。これは、神経の近くに置いたコイルにパルス電流を流した時に生じる誘導電流で、神経を刺激する方法である。この磁気刺激法は電極を貼り付ける、埋め込むなどの工程が不要であり、加えて感電のようなビリビリする電気ショックや痛みがほとんどない。この理由で、前記電気刺激法に比べて強い刺激が可能であり、大きな筋収縮が得られる利点がある。
磁気刺激法がリハビリテーションに有効なことは公知である。一例として、磁気刺激による誘発筋運動によって中枢神経系が再構築されることが知られている(非特許文献2参照)。また、脳血管障害としての片麻痺に対し、大脳運動野への磁気刺激が有効な治療方法であることが示されている(非特許文献3参照)。さらに、磁気刺激は、腹圧性尿失禁を治療する方法のひとつとしても実用化されている(特許文献1、2参照)。
筋肉の自発運動に連動して磁気刺激を行う方法として、本出願の発明者らは、運動機能改善を目的とする部位に、筋電位計の電極を取り付け、運動によって生じる筋電位をトリガ信号として用いる方法を開発した(特許文献3参照)。目的とする部位の筋肉が自発的にわずかに動くと、発生する筋電位をトリガとするパルス磁気刺激が生じて、この刺激により筋肉の動きが増強される。この過程を繰り返すことにより、新たな神経ネットワークが構築されて、運動機能が回復されると考えられる。
中央法規出版(株)「回復する身体と脳」、出江著、磁気刺激により麻痺が改善した例、P.183 医歯薬出版(株)「磁気刺激法の基礎と応用」、真野著、中枢神経の再構築、P.127 医歯薬出版(株)「磁気刺激法の基礎と応用」、出江著、脳血管障害、P.198
特開平9−276418号公報 特公表2001−526947号公報 特開2010−166971号公報
脳卒中の後遺症等で上下肢に麻痺のある患者の運動機能回復を目的として、患者の運動努力と患者の麻痺肢の筋収縮とを神経生理学的に結びつけ脳の可塑性を活用して神経ネットワークを再構築する効果的なリハビリテーションシステムを提供することが、本発明が解決しようとする課題である。より具体的には、患者の体内に運動意図のフィードバックループを生成することにより、磁気刺激によるリハビリテーションの効果増大を企図している。
反射を起因とした運動でない限りは、すべての運動の起点は脳による運動意図である。この運動意図が脳から電気的な興奮(活動電位)の伝導という形で神経網を下降して伝わり、目的の筋肉につながる終盤まで達すると、神経伝達物質の放出が起こり、効果器である筋肉が収縮する。この筋収縮による神経の興奮は、今度は逆に神経網を遡上して脳に伝わり、脳は目的の筋肉が収縮したことを認知する。「麻痺」という状態は、まさにこの脳と末梢との間の神経興奮性のループが途中で途切れてしまっている状態に他ならず、この途切れてしまったループ(すなわち運動意図のフィードバックループ)を外部からの磁気刺激によって強制的かつ実質的に作りだしてしまうことにより患者の運動機能回復の促進を図ることが目的である。
上記の目的を達成するためには、単純に末梢神経(麻痺肢を動かすため運動神経)と脳を刺激するだけでは十分ではなく、運動意図と麻痺肢筋肉の収縮と筋収縮に対する脳の認知とを滞りなくループさせる必要がある。そのためには、「運動努力検出をトリガとした末梢磁気刺激」だけでも「末梢の刺激と脳皮質の刺激の連携」だけでも足りず、これらを有機的に連携させるシステム構成と運用が必要となる。
近年研究がおこなわれている連合性ペア刺激(PAS:Paired Associative Stimulation)は、まさに「末梢の刺激と脳皮質の刺激の連携」をめざしたものである。現在報告されているPASの研究は、脳皮質への刺激は磁気刺激であるが、末梢神経への刺激は電気刺激で行なっている。しかし、末梢への刺激に電気刺激を用いた場合、電気刺激は皮下直下の神経に対して強い刺激を与えやすいため、筋収縮に起因した神経興奮よりも皮下の痛覚神経の興奮が大きくなりやすい問題があり、我々の考える「運動意図のフィードバックループ」とはかけ離れた結果となってしまう問題があった。
以上の課題に鑑み、本願発明は、以下の技術を用いて上記の課題を解決した。請求項1に記載の発明(図1)は、
体の麻痺部分に設置され、筋肉の自発運動を検出する筋肉の自発運動検出センサ1と、
前記麻痺部分の筋肉または筋肉を収縮させる運動神経を刺激するための末梢神経刺激コイル2と、
該末梢神経刺激コイル2に電流を通電する末梢用磁気刺激電流供給装置10と、
前記麻痺部分の運動を司る大脳の運動野を刺激するための脳刺激コイル5と、
該脳刺激コイル5に電流を通電する脳用磁気刺激電流供給装置11と、
自発運動検出センサ1より検出された運動努力信号をトリガとして、前記末梢用磁気刺激電流供給装置10を作動させて前記末梢神経刺激コイル2に通電し、前記末梢神経刺激コイル2にて麻痺した筋肉または筋肉を収縮させる運動神経を該通電により発生した磁気刺激パルスにより磁気刺激し、その後(即ち、後述する神経伝導時間tの経過前又は経過時及び経過後)、前記脳用磁気刺激電流供給装置11を作動させて前記脳刺激コイル5に通電し、前記脳刺激コイル5にて大脳の運動野を該通電により発生した磁気刺激パルスにより磁気刺激し、大脳の運動野を刺激するように磁気刺激タイミングを制御する磁気刺激コントローラ9とで構成された、
ことを特徴とするリハビリテーションシステムである。
請求項2に記載の発明(図1)は、
頭部に設置され、体の麻痺部分に対する運動意図を脳内より検出する運動意図検出センサ7と、
前記麻痺部分の筋肉または筋肉を収縮させる運動神経を刺激するための末梢神経刺激コイル2と、
該末梢神経刺激コイル2に電流を通電する末梢用磁気刺激電流供給装置10と、
前記麻痺部分の運動を司る大脳の運動野を刺激するための脳刺激コイル5と、
該脳刺激コイル5に電流を通電する脳用磁気刺激電流供給装置11と、
運動意図検出センサ7より検出された運動努力信号をトリガとして、前記末梢用磁気刺激電流供給装置10を作動させて前記末梢神経刺激コイル2に通電し、前記末梢神経刺激コイル2にて麻痺した筋肉または筋肉を収縮させる運動神経を該通電により発生した磁気刺激パルスにより磁気刺激し、その後(即ち、後述する神経伝導時間tの経過前又は経過時及び経過後)、前記脳用磁気刺激電流供給装置11を作動させて前記脳刺激コイル5に通電し、前記脳刺激コイル5にて大脳の運動野を該通電により発生した磁気刺激パルスにより磁気刺激し、大脳の運動野を刺激するように磁気刺激タイミングを制御する磁気刺激コントローラ9とで構成された、
ことを特徴とするリハビリテーションシステムである。
請求項1および2の発明によれば、痛覚神経を刺激することなく、運動意図と麻痺肢筋肉の収縮と筋収縮に対する脳の認知とを連環的に作用させることが可能であり、運動意図のフィードバックループを生成することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、本リハビリテーションシステムの使用目的が運動の誘発であって、筋肉の末梢神経刺激コイル2からの磁気刺激による被刺激部位神経の興奮が神経回路を伝わり、大脳の運動野に到達するまでの時間を神経伝導時間tとした場合、前記末梢神経刺激コイル2により発生した磁気パルスによる磁気刺激から、脳刺激コイル5により発生した磁気パルスによる磁気刺激までの時間間隔をt〜t+10msの範囲で上記磁気刺激タイミングを磁気刺激コントローラ9に設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリハビリテーションシステムである。
請求項3の発明によれば、末梢刺激による神経興奮が脳の大脳皮質にたどり着いたタイミングで脳の運動野を刺激することになり、時間的空間的加重により神経を正しく興奮させることが可能となり、運動を誘発するためのフィードバックループを神経回路内に生成することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、本リハビリテーションシステムの使用目的が運動の抑制であって、筋肉の末梢神経刺激コイル2からの磁気刺激による被刺激部位神経の興奮が神経回路を伝わり、大脳の運動野に到達するまでの時間を神経伝導時間tとした場合、前記末梢神経刺激コイル2により発生した磁気パルスによる磁気刺激から、脳刺激コイル5により発生した磁気パルスによる磁気刺激までの時間間隔をt未満の範囲で設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリハビリテーションシステムである。
脳神経は一度興奮状態になると、外部の神経回路から伝わってきた信号(活動電位)を一定時間受け付けなくなる性質がある。請求項4の発明によれば、末梢刺激による神経興奮が脳の大脳皮質にたどり着く前に大脳皮質を興奮させてしまうことで、運動意図のフィードバックを断ち切り、不要な筋肉の収縮を抑制することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、脳の活動を検出する脳活動検出センサ7による神経伝達時間tの計測に関し、末梢神経刺激コイル2から発生した磁気刺激パルスにより、ターゲットとする筋肉または筋肉を収縮させる運動神経を磁気刺激し、その刺激による被刺激部位神経の興奮の大脳運動野への到達を脳活動検出センサ7にて検出し、神経興奮の検出時間から磁気刺激を行った時間を差し引いた値を神経伝導時間tとして磁気刺激コントローラ9に設定することを特徴とする請求項3または4に記載のリハビリテーションシステムである。
請求項5の発明によれば、請求項3または4で求められる神経伝導時間tの値をより正確に決定することが可能となり、本リハビリテーションシステムの効果を確実なものとすることができる。
請求項6に記載の発明は、筋肉の自発運動検出センサ1として、光学式モーションキャプチャを使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリハビリテーションシステムである。
請求項7に記載の発明は、筋肉の自発運動検出センサ1として、筋電計を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリハビリテーションシステムである。
請求項8に記載の発明は、筋肉の自発運動検出センサ1として、電子ゴニオメーターを使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリハビリテーションシステムである。
請求項9に記載の発明は、筋肉の自発運動検出センサ1として、加速度計を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリハビリテーションシステムである。
請求項10に記載の発明は、筋肉の自発運動検出センサ1として、磁気式モーションキャプチャを使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリハビリテーションシステムである。
請求項11に記載の発明は、脳の運動意図検出センサ(又は、脳活動検出センサ)7として、Brain-Machine Interface(ブレインマシンインターフェース 以下、BMIとする。)或いは脳電位計を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリハビリテーションシステムである。
なお、BMIとは脳波などの脳活動を利用して機械を操作したり、カメラ映像などを脳への直接刺激によって感覚器を介さずに入力することを可能にするものである。換言すれば、信号源である脳と操作対象である機械を繋ぐ存在で、脳波を読み取る脳波センサや脳波を解析するプログラムなどの総称である。
請求項6〜11の発明によれば、運動意図のフィードバックループの起点となる患者の運動努力を確実に検出することが可能となる。
本リハビリテーションシステムの使用にあたっては電気刺激のようなショックや痛みを伴うことがないので、電気刺激よりも大きな筋収縮を繰り返し起こすことが可能である。 また、目的とする筋肉に特定した集中的な訓練を行うことができる、新規なリハビリテーション技術でもある。加えて本発明によるリハビリテーションシステムによれば、「運動努力検出をトリガとした末梢磁気刺激」や「末梢の刺激と脳皮質の刺激の連携」だけでは得られない運動意図のフィードバックループを麻痺した上下肢と脳の間に生成することが可能であり、この生成を繰り返すと、脳、神経の可塑性によって新しい神経回路形成が促進されるため、リハビリテーション効果が画期的に高められるという優れた特徴を有する。また、脳神経を興奮させるタイミングを早めて、このフィードバックループを意図的に断ち切ることにより、痙縮などに代表される不要な筋肉活動を抑制することも可能である。
本発明のリハビリテーションシステムの一実施例の概念図である。 本発明における運動意図のフィードバックループの構成図である。 磁気刺激間隔と磁気刺激効果の関係を示すグラフである。
以下、本発明を図1及び2にて詳述する。本発明のリハビリテーションシステムは筋肉の自発運動検出センサ1または脳の運動意図検出センサ(又は、脳活動検出センサ)7、末梢神経刺激コイル2、末梢用磁気刺激電流供給装置10、脳刺激コイル5、脳用磁気刺激電流供給装置11及び磁気刺激コントローラ9とで構成される。
筋肉の自発運動検出センサ1は、患者による目的の筋肉を動かしたいという運動努力を目的の部位(麻痺肢等)の自発運動より検出することを目的として体の麻痺部分に設置される。筋肉の自発運動検出センサ1は、患者による目的の筋肉を動かしたいという運動努力を目的の部位(麻痺肢等)の自発運動により検出することを目的とするもので、これには光学式モーションキャップチャ、筋電計、電子ゴニオメータ、加速度計又は磁気式モーションキャップチャなどが挙げられる。後述するように光学式モーションキャップチャや磁気式モーションキャップチャでは、患者の指の関節部分の体表面に取り付けられるマーカと、このマーカの動きを検出する検出装置で構成されている。
自発運動は、筋肉自体の収縮、または筋肉が収縮することによる目的の部位の変位や移動速度、移動加速度といった形で測定される。筋肉自体の収縮は、筋電位計を用いて筋電位を測定することで測定が可能である。目的の部位(例えば、指や手、足)の変位や変位速度を測定する場合、前述自発運動検出センサ1としては光学式/磁気式モーションキャプチャや加速度計、電子ゴニオメーターを使用することができる。
自発運動検出センサ1として光学式モーションキャプチャを使用する場合を代表して簡単に説明する。モーションキャプチャは、身体運動そのものを厳密に記録し再現する装置で、人体各部の3次元位置の時間的変化の様子を計測する装置である。一般的には患者の手、足や指の関節部分の体表面、爪に小さい球形の反射マーカを取り付け、赤外線ライト付きの複数の高精度ビデオカメラを配置し、反射マーカの反射光を撮像し、これを3次元解析することで身体運動をデータ化する。ひとつの対象物(ここでは反射マーカ)を位置が既知の2台のカメラで撮影すれば、この2枚の撮影像から対象物の3次元位置を知ることができるという原理を利用し、5本の指の関節及び手首の関節部分の体表面、爪(更には腕や足の関節部分の体表面)の反射マーカの動きを補足しようとする装置である。普通は6台から10台程度の複数のカメラを利用し、すべてのマーカが、常にどれか2台以上のカメラに捉えられているようにする。
いずれかの指(その他の部位)が動くと、この動きをいずれかのビデオカメラが撮影し、その信号を後述する例えばパーソナルコンピュータのような磁気刺激コントローラ9に出力する。磁気刺激コントローラ9は、後述するようにこの信号を解析してどの指等がどの程度、どの方向に動いたかを演算する。この演算値が磁気刺激コントローラ9内に設定されている設定値(この場合は反射マーカの移動距離)を超えた場合、当該指等が自発運動により動いたと判定して末梢用磁気刺激電流供給装置10にトリガ信号を出力し、このトリガ信号により末梢用磁気刺激用のパルス電流を末梢刺激コイル2に供給し、磁気パルスを生成させて当該指等の末梢神経を刺激し、後述する一定の時間が経過した後、脳用磁気刺激電流供給装置11にトリガ信号を出力し、脳刺激コイル5により大脳の運動野を刺激する。
他のセンサも基本的に同じ作用をするが、磁気式モーションキャプチャに付いて簡単に触れると、XYZの3次元空間において空間位置に依存するベクトル分布特性を持つ交流磁界が発生した計測空間内に、指の関節部分の体表面その他必要箇所にピックアップコイルを取り付けた人体の一部または全体を配置し、前記交流磁界がピックアップコイルに誘導する電圧信号、励磁した3次元の各成分の振幅を磁気刺激コントローラ9で演算処理することにより指その他の位置、方向、加速度等を求めるものである。
自発運動検出センサ1として筋電計を使用することもできる。筋電計とは、一般に対象とする筋近くの皮膚表面に電極を貼り、筋肉の収縮時に起こる筋電位の変化を読み取る機器である。本願においては、筋電計の検出電極を運動が麻痺した筋の近傍皮膚表面に貼り、その筋肉の収縮時に発生する筋電位を自発運動として検出する。筋電位の大きさがある設定値を超えた場合、当該筋肉が自発運動により動いたと判定して磁気刺激を開始する。
自発運動検出センサ1として電子ゴニオメータを使用することもできる。電子ゴニオメータは、2つの固定子とその間をつなぐフレキシブルチューブにより構成されている。フレキシブルチューブ内には歪センサが設置されており、この歪センサの信号によりフレキシブルチューブの曲がり角度を検出することができる。本願においては、この電子ゴニオメータの固定子を、例えば、麻痺肢の関節をまたぐように関節の両側の体表面に貼りつける。その後、運動開始前のゴニオメータの検出角度を基準としてその基準角度からの角度変化量を自発運動として検出する。角度変化がある設定値を超えた場合、ゴニオメータを取り付けた関節を介した自発運動が発生したと判定して磁気刺激を開始する。
自発運動検出センサ1として加速度センサを使用することもできる。加速度センサは、力学的自由度を持った電極間の静電容量変化や、力学的自由度をもった負荷と構造的につながった抵抗素子の電気抵抗変化により、加速度を検出するセンサである。近年は無線内蔵のセンサが主流であり、ワイヤレスで加速度の情報を授受できるものが多い。本願においては、このセンサを、自発運動を検出したい麻痺肢の体表面に取り付けることにより、その部位の加速度、速度、位置を測定し、自発運動として検出する。検出された加速度、速度、位置が規定の設定値を超えた場合、自発運動が発生したと判定して磁気刺激を開始する。
脳の運動意図検出センサ7は、患者による目的の筋肉を動かしたいという運動努力を脳内の運動意図という形で検出することを目的として、脳内に電極埋め込み設置される形式のものと、頭皮表面にセンサを貼り付ける形式のものとキャップ式で頭に被る形式のものがある。脳内の運動意図の検出はBMIや、脳電位計を用いることで行うことが可能である。
脳の運動意図検出センサ7としてBMIを使用した場合について記述する。脳波を読み取る脳波センサや脳波を解析するプログラムなどを総称してBMIと呼称する。脳の神経網を流れる微弱電流から出る脳波や脳の血流量変化などを測定するセンサを頭部表面に複数設置し、それらのセンサから得られる信号を複合的に解析することにより、脳内の意図を読み取ることが可能である。本願では、このBMIを四肢が麻痺した患者の頭部に設置し、麻痺肢の特定の運動意図に関連して生じる脳活動を検出し、所定の脳活動がモニターされた場合、脳内に運動意図が生じたと判断して、末梢神経刺激コイル2に通電して手の筋肉の末梢神経の磁気刺激を開始する。
脳の運動意図検出センサ7として脳電位計を使用した場合について記述する。本願において脳電位計とは、脳内特定部位に電極を埋め込み、その電極の電位変化を読み取るセンサを示す。本願では、麻痺肢の運動を司る大脳皮質の運動野または運動前野にこの電極を埋め込み設置し、その部位における脳電位の変化を運動意図として検出する。脳電位の大きさがある設定値を超えた場合、当該脳部位にて運動意図が発生したと判定して、末梢神経刺激コイル2に通電して手の筋肉の末梢神経の磁気刺激を開始する。
末梢神経刺激コイル2は、末梢神経または筋肉を磁気刺激することを目的としたコイルである。このコイルは、パルス電流を印加することで、コイル近傍に急速に変化する磁場を発生することができる。パルス電流は、一般的に数百A〜数千A程度の大きさで、パルス幅100から400μS(マイクロ秒)程度の電流が使用される。この電流によって、パルス電流とほぼ同じパルス幅の0.2〜2.0T(テスラ)程度大きさの磁気パルスがコイル近傍に発生する。この急速変化する磁場を生体にあてることによりその磁場を打ち消そうとする電位勾配が生体内に誘導される。この誘導電位により、末梢神経または筋肉に活動電位を発生させ興奮状態に遷移させることが可能である。筋肉や筋肉につながる運動神経に活動電位が生じると、筋収縮が誘発される。
末梢用磁気刺激電流供給装置10は、前記末梢神経刺激コイルに磁気パルスを発生させるためのパルス電流を供給する装置であり、末梢神経刺激コイル2とは電流を供給するための電流ケーブルでつながっている。かなりの大電流を瞬間的に発生させるため、高電圧(数百〜数千ボルト)にてコンデンサを充電し、充電された電荷を、半導体スイッチにてコイル2にパルス電流として放電する方式が一般的に使用されている。そのため一度放電(パルス電流供給)を行うと次の放電を行うためには、コンデンサの再充電が必要となる。そのため、高頻度な磁気刺激発生を行うことは難しい。本発明における末梢用磁気刺激電流供給装置10は、任意のタイミングで磁気パルスを発生させるため、磁気パルスを発生させるトリガ信号を受け付けるトリガ端子を具備しており、このトリガ端子に一定の電圧を与えられることにより、末梢神経刺激コイル2への電流パルスの供給を行う。
脳刺激コイル5は、脳内神経を磁気刺激し興奮させることを目的としたコイルである。刺激の原理は末梢神経刺激コイル2と全く同じであり、急峻に変化する磁場による誘導電位によって脳内神経に活動電位を誘起する。一般的には、運動野のみならず感覚野や言語野などの刺激にも用いられるが、本発明にあっては、脳刺激コイル5は大脳皮質運動野の刺激にのみ用いる。大脳皮質運動野は末梢神経と比較して、脳内のより深い部分にあるため、脳刺激コイル5は末梢神経刺激コイルと比較してやや大きなサイズのものが用いられる。
脳用磁気刺激電流供給装置11は、前記脳刺激コイル5に磁気パルスを発生させるためのパルス電流を供給する装置であり、脳刺激コイル5とは電流を供給するための電流ケーブルでつながっている。その原理等は末梢用磁気刺激電流供給装置10と同一である。本発明における脳用磁気刺激電流供給装置11は、末梢用磁気刺激電流供給装置10と同様に、任意のタイミングで脳刺激コイル5から磁気パルスを発生させるためのトリガ端子を具備している。
磁気刺激コントローラ9は、上記機器を総合的にコントロールする機能を持ち、プログラミングコントローラやマイクロコンピュータ、デスクトップPCなどで構成される。また、少なくともいずれか一方のセンサ1,7からの信号が入力されるADコンバーターやUSBポート等、両磁気刺激電流供給装置10,11から磁気パルスを発生させるトリガ信号を送出するためのシリアル接続ポートやI/Oポート等を具備する。自発運動検出センサ1や運動意図検出センサ7からの信号を読み取り、その信号を解析し、解析結果をもとに、一定の時間間隔をもって、末梢用磁気刺激電流供給装置10および脳用磁気刺激電流供給装置11にトリガ信号を送出し、これら各磁気刺激電流供給装置10,11につながった各刺激コイル2,5より順次磁気パルスを発生させる機能を持つ。また、必要に応じて、脳活動検出センサ7からの信号を読み取り解析し、末梢用磁気刺激電流供給装置10へのトリガ信号送出時間を起点とした、指定の脳内部位の脳活動を記録する機能をもち、その記録を解析して神経伝導時間tを測定する機能を持つ。
患者の痛覚神経の興奮を抑制しながら、運動意図のフィードバックループを脳と麻痺肢の間に生成し、より効率的なリハビリテーションを行うことを目的とし、本発明者らは鋭意研究を行った。その結果、第1に運動努力をトリガとして末梢への刺激、次いで一定の時間経過後に大脳皮質への刺激を行うことにより運動意図のフィードバックループを脳と麻痺肢の間に生成することが可能となった。運動意図のフィードバックループの機序を図2に示す。このようにそれぞれのステップにおける生体の反応を有機的に結びつけることによりフィードバックループを閉じることができ、その結果として、麻痺肢の運動機能回復が促進される。第2に刺激は磁気刺激で行うことにより、痛覚神経を刺激することなく、運動意図のフィードバックループを生成することが可能となった。第3に、末梢への磁気刺激と脳皮質への磁気刺激の時間間隔を適正な値とすることで、確実に運動の誘発を引き出すこと、または逆に運動の抑制に働きかけることが可能となった。第4に、末梢刺激後の神経の興奮が脳皮質に届くまでの時間を計測することにより、運動意図のフィードバックループの生成をより確実に行うことが可能となった。
以下、本発明を図1に従って説明する。自発運動検出センサ1が筋電計や電子ゴニオメータ、加速度計である場合、患者8のモニターしたい部分(例えば、指や腕、足の関節の体表面、爪等)にこれらが装着される。自発運動検出センサ1が光学式又は磁気式モーションキャップチャの場合は反射器又はピックアップコイルが前記患者8のモニターしたい部分に固定される。そして、光学式モーションキャップチャを使用する場合、図示していないが、複数台(6〜10台程度)CCD高速度カメラが設置され、全ての反射器がCCD高速度カメラにてモニターされる。自発運動検出センサ1(CCD高速度カメラや筋電計、電子ゴニオメータ、加速度計)は磁気刺激コントローラ9に接続され、得たデータを信号に変えて磁気刺激コントローラ9に出力する。
末梢神経刺激コイル2は、末梢用磁気刺激電流供給装置10に接続され、患者8の自発運動を起こす筋肉に合致させてその部分の体表面に密着させて固定されている。
脳刺激コイル5は看者8の頭部に装着され、作動時、生起した磁気パルスによって大脳皮質運動野を刺激する。脳刺激コイル5は脳用磁気刺激電流供給装置11に接続されている。
脳内運動意図検出センサ(脳活動検出センサ)7及び磁気刺激コントローラ9は、前述の通りで、自発運動検出センサ1、末梢用磁気刺激電流供給装置10、脳用磁気刺激電流供給装置11及び脳内運動意図検出センサ(脳活動検出センサ)7に接続されている。
運動意図のフィードバックループの生成を行うため、まずは起点となる運動努力の検出を行う。患者の運動努力は「筋肉の自発運動」またはBMIや脳電位計等の脳活動検出センサ7による「脳内の運動意図」という形で検出可能である。「筋肉の自発運動」の検出のためには、前述の光学式または磁気式モーションキャプチャシステムや、電子ゴニオメーター、加速度計等の自発運動検出センサ1を用いる。これらの自発運動検出センサ1によって、患者8の麻痺肢の動きをモニターし、前記センサ1からの信号と、同時に脳内運動意図検出センサ7からの信号とを磁気刺激コントローラ9が演算することによって、患者8の運動意図に合致した筋肉収縮による麻痺部位の変位があった場合にそれらの運動とトリガとして次の段階である末梢の磁気刺激に移行する。
麻痺した筋肉や関節の自発運動から自発運動検出センサ1(光学式又は磁気式モーションキャップチャ他)にて検出される信号出力は、運動機能が低下している場合は微弱でありノイズも多い。その場合は、信号出力を任意に増幅し、信号処理によってノイズを除去することにより正しく運動野部位、方向、大きさを検出することができる。
それらの方策を講じても、筋肉の収縮の検出が難しい場合は、自発運動検出センサ1として筋電計を用いることもできる。その場合は、筋電計にて麻痺部位の筋電位をモニターし、運動意図に基づいた筋電位変化が生じた場合にその変化をトリガに次の磁気刺激に移行すればよい。
また、随意的な「筋肉の自発運動」がほとんど引き出せない患者の場合は、「脳内の運動意図」を検出することで運動努力を検出することになる。その場合、脳内運動意図検出センサ(又は、脳活動検出センサ)7として、BMI等を使用することができる。
自発運動検出センサ1及び脳内運動意図検出センサ(又は、脳活動検出センサ)7は、磁気刺激コントローラ9につながっており、運動意図に起因した自発運動の情報、あるいは脳の活動情報が運動努力検出センサである自発運動検出センサ1あるいは脳内運動意図検出センサ(又は、脳活動検出センサ)7から磁気刺激コントローラ9に伝えられる。その伝えられた情報が、目的とする運動に対する運動意図を意味していた場合(予め設定されていた移動量の設定値を超えた場合)、磁気刺激コントローラ9は、末梢用磁気刺激電流供給装置10を制御して、末梢神経刺激コイル2から磁気パルスを発する。末梢神経刺激コイル2は、そのコイル2から発生する磁気パルスが目的とする運動を誘発(或いは増幅)するような位置に固定されているため、発生した磁気パルスにより患者の意図していた運動が誘発(或いは増幅)される。この磁気刺激による末梢神経の興奮が、神経回路4を遡上してやがて大脳皮質の運動野に到着する。磁気刺激コントローラ9は、この神経興奮が大脳皮質に到着した瞬間に脳用磁気刺激電流供給装置11を制御して、その誘発(或いは増幅)した運動を司る大脳皮質の運動野部分を脳刺激コイル5にて磁気刺激する。ここまでの一連の仮定により、運動意図のフィードバックループが閉じられることになる。
そしてこのフィードバックループにおいて、末梢神経の興奮が、大脳皮質の運動野に到着する正確なタイミングで大脳皮質の関連する部分を磁気刺激する必要がある。脳の興奮性を即時にかつ位置も正確に検出する手段があればそれをトリガとするのが最良の方法であるが、現状そのような技術は存在しないため、大脳皮質への磁気刺激は、末梢と脳の磁気刺激の時間間隔を適正に設定することでタイミングを計る。具体的には、末梢の各部位から脳内の関連部位(例えば、大脳皮質運動野)までの神経伝導時間は過去の文献にておおよそ開示されているため、これを磁気刺激コントローラ9内にデータベースとして持たせておけば、例えば、被験者は「成人男子(18〜40歳)、身長は「170cm」、刺激部位は「橈側手根屈筋」等の情報をあらかじめ入力しておくことで、神経伝達時間は「20ms」というように神経伝達時間tを決定することができる。また、より望ましくは、あらかじめ目的とする麻痺部位に磁気刺激を行い、その磁気刺激に呼応して脳活動に変化が生じるまでの時間を測定する機能を磁気刺激コントローラ9に持たせておくことでより正確な神経伝導時間を得る事ができる。
大脳皮質への磁気刺激のタイミングは、それほど厳密ではなく猶予時間があり、末梢神経の興奮が同脳皮質にたどり着いた時間からおよそ10ms以内に大脳皮質への磁気刺激を行うことができれば、運動意図のフィードバックループの生成を行うことができたとみなすことができ、目的とした運動の機能回復が促される。よって、実際の使用上は大脳皮質へ末梢神経からの興奮が伝わったと考えられる時間より5ms程度遅れたタイミングで大脳皮質への磁気刺激を行うことが望ましいと考えられる。
また、逆に大脳皮質への磁気刺激のタイミングが早すぎる場合は、大脳皮質の神経が先に興奮状態になってしまうため、末梢神経の興奮という情報が大脳皮質に伝わることなく、運動意図のフィードバックループが途中で寸断される結果となってしまい、運動は抑制される方向となる。患者の状態によってはこのような磁気刺激が望ましい場合もある。例えば、患者が運動を意図していない筋肉の収縮がある場合は、このように大脳皮質への磁気刺激のタイミングを早めて運動意図のフィードバックループを断ち切り、意図しない運動を抑制する治療を行うことができる。
上記のように、運動意図の検出、末梢神経への磁気刺激、大脳皮質への磁気刺激を適正なタイミングを持って連環的に実行することにより、脳の可塑性を積極的に利用して新たな神経ネットワークを構築し、より効果的なリハビリテーションを行うことができる。この場合、新たな神経ネットワークを構築するということは、神経細胞の新生を意味するものではなく、損傷を受けていない神経を利用して神経相互の連絡を良くし、新たなネットワークを形成することを意味する。
次に、本発明の詳細を実施例に基づいて説明する。なお、この実施例は当業者の理解を容易にするためのものである。すなわち、本願発明は明細書の全体に記載される技術思想によってのみ限定されるものであり、本実施例によってのみ限定されるものでないことは理解されるべきことである。
本発明を実施するため、筋肉の自発運動検出センサとして赤外線式モーションキャプチャを用い、末梢神経刺激コイル、末梢用磁気刺激電流供給装置、脳刺激コイル、脳用磁気刺激電流供給装置及び磁気刺激コントローラとで本発明のリハビリテーションシステムを構成した。本実施例で用いた末梢神経刺激コイル+末梢用磁気刺激電流供給装置の組み合わせでは、最大磁束密度0.9T、パルス幅350μsの磁気パルスを発生することが可能であり、脳刺激コイル+脳用磁気刺激電流発生装置の組み合わせでは、最大磁束密度0.9T、パルス幅250μsの磁気パルスを発生することが可能である。磁気刺激コントローラは、本実施例用に開発した制御ソフトウェアがインストールされたノートパソコンとこのパソコンに接続されたI/Oポートユニットにて構成した。ノートパソコンにはモーションキャプチャからの信号がUSBポートを通じて入力されており、I/Oポートユニットにはトリガ信号用ケーブル2本の片端が接続され、ケーブルもう一方の片端は末梢用磁気刺激電流供給装置と脳用磁気刺激電流供給装置のトリガ端子に各1本づつ接続されている。
まず本発明を使用する前の被験者(性別:男性、年齢:30代)の運動機能を評価するため、大脳皮質運動野の手首の屈曲運動を司る部位を脳刺激コイルにて磁気刺激した。この部位を磁気刺激することで、被験者自身の運動意図によらない手首の屈曲運動を誘発させることができる。このような方法で誘発される運動の大きさを評価することにより、被験者の脳と末梢神経間の神経回路の回復の度合いを測ることができる。磁気刺激の強度は、安静時において主動作筋であるExtensor Carpi Radialis(橈側手根伸筋 以下、ECRと言う。)に50%以上の確率でMEP振幅を誘発できる最低の刺激強度(安静時運動設定値)の130%にあたる強度とした。この刺激強度の磁気パルスを被験者の脳に計12発与え、その際に誘発される運動の方向と大きさを測定し、解析した。その結果、上記部位の磁気刺激によって平均して1.468度の手首の「屈曲」運動が誘発されていた。
その後、本発明によるリハビリテーションシステムを用いた磁気刺激を実施した。被験者の手首の運動をモーションキャプチャにて磁気刺激コントローラに取り込み、手首がわずかでも「伸展」された場合に即時、磁気刺激コントローラから末梢用磁気刺激電流供給装置にトリガ信号を送出し、末梢神経刺激コイルから磁気パルスを発生して、ECRを刺激し、上記にて誘発された誘発運動とは逆に手首を「伸展」する方向の筋肉を刺激した。末梢への磁気刺激より「25ms」後に大脳皮質運動野の手首の「屈曲」運動を司る部位を脳刺激コイルにて磁気刺激した。この磁気刺激を20秒に1回の頻度で、90回繰り返した。末梢神経刺激コイルからの磁気刺激の強度は、ECRの運動設定値の80%、脳刺激コイルからの磁気刺激の強度は、ECRの安静時運動設定値の70%とした。また、健常男性成人の手首から大脳皮質までの神経伝導時間が、一般的に約20msであることから、末梢における神経の興奮が脳に到達してから5ms後に脳への磁気刺激が行われる様、磁気刺激の間隔を20+5=25msとした。
25msの磁気刺激間隔での末梢と脳への連続磁気刺激を実施後、磁気刺激前と同様に大脳皮質運動野への磁気刺激により誘発される運動の評価を行った。刺激部位は、連続磁気刺激以前では、手首の屈曲運動が刺激により誘発されていた部位とし、ECRの安静時運動設定値の130%の磁気刺激強度にて、12発の磁気刺激を行い、誘発された運動の方向と大きさを測定し、解析した。その結果、上記部位の磁気刺激によって平均して0.825度の手首の「伸展」運動が誘発されることがわかった。つまり、この25msの磁気刺激間隔での末梢と脳への連続磁気刺激により、1.468度の手首の「屈曲」運動を誘発する脳と末梢の神経回路の運動記憶を0.825度の手首の「伸展」運動に書き換えられていることが確認できた。すなわち、脳内の運動意図と特定の自発運動とのフィードバックループを生成し、それらの結び付きを強めることが可能であることが明らかになった。
次に全く実施例1と全く同一のシステムで、磁気刺激間隔を10msとして発明を実施した。発明の実施の前に磁気刺激前の誘発運動の評価を行った。実施例1と同一の被験者(性別:男性、年齢:30代)に対して、その運動機能を評価するため、大脳皮質運動野の手首の屈曲運動を司る部位を脳刺激コイルにて磁気刺激した。なお、磁気刺激の効果のキャリーオーバーの影響をなくすため、実施例1と実施例2の実施の間には十分な時間間隔(24時間以上)を設けている。実施例1と同様に磁気刺激の強度は、ECRの安静時運動設定値の130%にあたる強度とした。この刺激強度の磁気パルスを被験者の脳に計12発与え、その際に誘発される運動の方向と大きさを測定し、解析した。その結果、上記部位の磁気刺激によって平均して1.162度の手首の「屈曲」運動が誘発されていた。
その後、本発明によるリハビリテーションシステムを用いた磁気刺激を実施した。被験者の手首の運動をモーションキャプチャにて磁気刺激コントローラに取り込み、手首がわずかでも「伸展」された場合に即時、磁気刺激コントローラから末梢用磁気刺激電流供給装置にトリガ信号を送出し、末梢神経刺激コイルから磁気パルスを発生して、ECRを刺激し、上記にて誘発された誘発運動とは逆に手首を「伸展」する方向の筋肉を刺激した。末梢への磁気刺激より「10ms」後に大脳皮質運動野の手首の「屈曲」運動を司る部位を脳刺激コイルにて磁気刺激した。この磁気刺激を20秒に1回の頻度で、90回繰り返した。末梢神経刺激コイルからの磁気刺激の強度は、ECRの運動設定値の80%、脳刺激コイルからの磁気刺激の強度は、ECRの安静時運動設定値の70%とした。また、健常男性成人の手首から大脳皮質までの神経伝導時間が、一般的に約20msであることから、末梢における神経の興奮が脳に到達する前に脳を磁気刺激して脳神経を興奮させることを意図して、磁気刺激の間隔を10msとした。
10msの磁気刺激間隔での末梢と脳への連続磁気刺激を実施後、磁気刺激前と同様に大脳皮質運動野への磁気刺激により誘発される運動の評価を行った。刺激部位は、連続磁気刺激以前では、手首の屈曲運動が刺激により誘発されていた部位とし、ECRの安静時運動設定値の130%の磁気刺激強度にて、12発の磁気刺激を行い、誘発された運動の方向と大きさを測定し、解析した。その結果、上記部位の磁気刺激によって平均して0.602度の手首の「屈曲」運動が誘発されることがわかった。つまり、この10msの磁気刺激間隔での末梢と脳への連続磁気刺激では、手首の「屈曲」運動を誘発する脳活動と末梢における手首の「伸展」運動とがしっかりとは結び付いておらず、脳神経の興奮によって運動意図のフィードバックループの形成が一部阻害されていると考えられる。
脊髄損傷や脳卒中の後遺症により上下肢の麻痺のある患者は、現在130万人にのぼるとされる。本発明によるリハビリテーションシステムを用いることにより、そのような麻痺に苦しむ患者の早期の運動機能回復を促すことが可能である。
1:自発運動検出センサ
2:末梢神経刺激コイル
3:末梢刺激部位
4:神経回路
5:脳刺激コイル
6:脳刺激部位
7:脳内運動意図検出センサ(または脳活動検出センサ)
8:患者
9:磁気刺激コントローラ
10:末梢用磁気刺激電流供給装置
11:脳用磁気刺激装電流供給置

Claims (11)

  1. 体の麻痺部分に設置され、筋肉の自発運動を検出する筋肉の自発運動検出センサと、
    前記麻痺部分の筋肉または筋肉を収縮させる運動神経を刺激するための末梢神経刺激コイルと、
    該末梢神経刺激コイルに電流を通電する末梢用磁気刺激電流供給装置と、
    前記麻痺部分の運動を司る大脳の運動野を刺激するための脳刺激コイルと、
    該脳刺激コイルに電流を通電する脳用磁気刺激電流供給装置と、
    自発運動検出センサより検出された運動努力信号をトリガとして、前記末梢用磁気刺激電流供給装置を作動させて前記末梢神経刺激コイルに通電し、前記末梢神経刺激コイルにて麻痺した筋肉または筋肉を収縮させる運動神経を該通電により発生した磁気刺激パルスにより磁気刺激し、その後、前記脳用磁気刺激電流供給装置を作動させて前記脳刺激コイルに通電し、前記脳刺激コイルにて大脳の運動野を該通電により発生した磁気刺激パルスにより磁気刺激し、大脳の運動野を刺激するように磁気刺激タイミングを制御する磁気刺激コントローラとで構成されたことを特徴とするリハビリテーションシステム。
  2. 頭部に設置され、体の麻痺部分に対する運動意図を脳内より検出する運動意図検出センサと、
    前記麻痺部分の筋肉または筋肉を収縮させる運動神経を刺激するための末梢神経刺激コイルと、
    該末梢神経刺激コイルに電流を通電する末梢用磁気刺激電流供給装置と、
    前記麻痺部分の運動を司る大脳の運動野を刺激するための脳刺激コイルと、
    該脳刺激コイルに電流を通電する脳用磁気刺激電流供給装置と、
    運動意図検出センサより検出された運動努力信号をトリガとして、前記末梢用磁気刺激電流供給装置を作動させて前記末梢神経刺激コイルに通電し、前記末梢神経刺激コイルにて麻痺した筋肉または筋肉を収縮させる運動神経を該通電により発生した磁気刺激パルスにより磁気刺激し、その後、前記脳用磁気刺激電流供給装置を作動させて前記脳刺激コイルに通電し、前記脳刺激コイルにて大脳の運動野を該通電により発生した磁気刺激パルスにより磁気刺激し、大脳の運動野を刺激するように磁気刺激タイミングを制御する磁気刺激コントローラとで構成されたことを特徴とするリハビリテーションシステム。
  3. 筋肉の末梢神経刺激コイルからの磁気刺激による被刺激部位神経の興奮が神経回路を伝わり、大脳の運動野に到達するまでの時間を神経伝導時間tとした場合、前記末梢神経刺激コイルにより発生した磁気パルスによる磁気刺激から、脳刺激コイルにより発生した磁気パルスによる磁気刺激までの時間間隔をt〜t+10msの範囲で上記磁気刺激タイミングを磁気刺激コントローラに設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリハビリテーションシステム。
  4. 筋肉の末梢神経刺激コイルからの磁気刺激による被刺激部位神経の興奮が神経回路を伝わり、大脳の運動野に到達するまでの時間を神経伝導時間tとした場合、前記末梢神経刺激コイルにより発生した磁気パルスによる磁気刺激から、脳刺激コイルにより発生した磁気パルスによる磁気刺激までの時間間隔をt未満の範囲で設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリハビリテーションシステム。
  5. 脳の活動を検出する脳活動検出センサを更に備え、末梢神経刺激コイルから発生した磁気刺激パルスにより、ターゲットとする筋肉または筋肉を収縮させる運動神経を磁気刺激し、その刺激による被刺激部位神経の興奮の大脳運動野への到達を脳活動検出センサにて検出し、神経興奮の検出時間から磁気刺激を行った時間を差し引いた値を神経伝導時間tとして磁気刺激コントローラに設定することを特徴とする請求項3または4に記載のリハビリテーションシステム。
  6. 筋肉の自発運動検出センサとして、光学式モーションキャプチャを使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリハビリテーションシステム。
  7. 筋肉の自発運動検出センサとして、筋電計を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリハビリテーションシステム。
  8. 筋肉の自発運動検出センサとして、電子ゴニオメーターを使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリハビリテーションシステム。
  9. 筋肉の自発運動検出センサとして、加速度計を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリハビリテーションシステム。
  10. 筋肉の自発運動検出センサとして、磁気式モーションキャプチャを使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリハビリテーションシステム。
  11. 脳の運動意図検出センサとして、ブレインマシンインターフェース或いは脳電位計を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のリハビリテーションシステム。
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