JP2017063780A - 蔦返し部材、及び防草蔦返しユニット - Google Patents

蔦返し部材、及び防草蔦返しユニット Download PDF

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Abstract

【課題】蔓植物の路面側への進入を抑制することができる蔦返し部材、及び防草蔦返しユニットを提供する。
【解決手段】蔦返し部材13は、施工面に固定される固定部13aと、当該固定部13aから起立した板状の起立部13bと、を備えた。また、起立部13bは、固定部13aから当該固定部13aとは反対側に向けて斜めに起立した。防草蔦返しユニット1は、蔦返し部材13と、地面に敷設されて、植物の繁茂を抑制する防草ボード2と、を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、蔦等の蔓植物が路面側に進入することを抑制する蔦返し部材、及び防草蔦返しユニットに関する。
道路や歩道などの舗装路面の外側(路肩や法面等)に舗装されていない地面がある場合、この地面で蔦等の蔓植物や雑草等の草木(植物)が繁茂すると、これらの草木が路面側に進入してくることがある。路面側に草木が張り出した場合、美観が損なわれるだけでなく、交通の障害となる可能性がある。例えば、歩道まで草木が張り出した場合、これらの草木が歩行の障害となり、転倒や怪我の要因となる可能性がある。このため、従来では、草木の育成を防止する防草シートを敷設し、釘状のアンカー部材等を用いて地面に固定していた(例えば、特許文献1)。
特開2011−208438号公報
しかしながら、防草シートが敷設されていない地面に発生した蔦等の蔓植物が、防草シート上を這って路面側に進出する虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、法面等に発生した蔓植物の路面側への進入を抑制することができる蔦返し部材、及び防草蔦返しユニットを提供することにある。
本発明は、上記した目的を達成するために提案されたもので、請求項1に記載のものは、施工面に固定される固定部と、
当該固定部から起立した板状の起立部と、
を備えたことを特徴とする蔦返し部材である。
請求項2に記載のものは、前記起立部は、前記固定部から当該固定部とは反対側に向けて斜めに起立したことを特徴とする請求項1に記載の蔦返し部材である。
請求項3に記載のものは、前記起立部の少なくとも一部は、前記固定部とは反対側に向けて湾曲したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蔦返し部材である。
請求項4に記載のものは、前記起立部には、板厚方向に貫通した通孔が複数開設されたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の蔦返し部材である。
請求項5に記載のものは、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の蔦返し部材と、
地面に敷設されて、植物の繁茂を抑制する防草ボードと、を備え、
前記施工面は、地面に敷設された前記防草ボードの表面であることを特徴とする防草蔦返しユニットである。
請求項6に記載のものは、前記防草ボードは、合成樹脂製の硬質な樹脂からなることを特徴とする請求項5に記載の防草蔦返しユニットである。
請求項7に記載のものは、前記防草ボードは、折曲線に沿って裏面側に折り曲げて地中へ埋没させる埋没部を有し、前記折曲線における樹脂板の裏面側に折曲溝を形成したことを特徴とする請求項5又は請求項6の何れか一項に記載の防草蔦返しユニットである。
請求項8に記載のものは、前記防草ボードは、内部に空気を内在する空気室が複数形成された中空板であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の防草蔦返しユニットである。
請求項9に記載のものは、前記防草ボードは、ポリプロピレンからなることを特徴とする請求項6から8の何れか一項に記載の防草蔦返しユニットである。
請求項10に記載のものは、前記防草ボード及び前記蔦返し部材を地面に固定する合成樹脂製のアンカー部材を備え、
前記アンカー部材は、軸の外周にねじ山を有し、先端から地面にねじ込まれるねじ本体と、該ねじ本体の後端側に設けられた頭部と、を備え、
前記ねじ本体は、前記防草ボードが地面に敷設され、当該防草ボード上に前記蔦返し部材の固定部が載置された状態で、当該防草ボード及び固定部に挿通して地面にねじ込むことが可能な長さに形成されたことを特徴とする請求項5から9の何れか一項に記載の防草蔦返しユニットである。
請求項11に記載のものは、前記軸の外周面には、前記ねじ山と交差しながら当該軸の長手方向に沿って延在する凸条が複数形成されていることを特徴とする請求項10に記載の防草蔦返しユニットである。
請求項12に記載のものは、前記軸の外周面には、前記ねじ山と交差しながら当該軸の長手方向に沿って延在する溝が複数形成されていることを特徴とする請求項10に記載の防草蔦返しユニットである。
請求項13に記載のものは、前記アンカー部材は、前記ねじ本体と前記頭部との間に接続部を備え、
前記接続部にワッシャーが回転可能な状態で保持されたことを特徴とする請求項10から請求項12の何れか一項に記載の防草蔦返しユニットである。
請求項14に記載のものは、前記接続部は、前記ワッシャーに形成された挿通孔に挿通される保持軸と、当該保持軸より先端側において外径が前記挿通孔の内径よりも大きく形成された先端側保持部と、前記保持軸より後端側において外径が前記挿通孔の内径よりも大きく形成された後端側保持部と、を備え、
前記ワッシャーは、前記先端側保持部と前記後端側保持部との間に、保持軸に対して相対的に回転可能な状態で保持されたことを特徴とする請求項13に記載の防草蔦返しユニットである。
請求項15に記載のものは、前記ワッシャーは、前記挿通孔の外周縁に後端側の面から先端側に向けて凹んだ収容空間を有し、
当該収容空間内に前記後端側保持部の少なくとも一部が収容されたことを特徴とする請求項14に記載の防草蔦返しユニットである。
請求項1に記載の発明によれば、蔦返し部材の起立部により、蔓植物の進出を食い止めることができる。
請求項2に記載の発明によれば、起立部が路面とは反対側に傾斜するように蔦返し部材を取り付けることで、路面側に進出してきた蔓植物を起立部に沿わせて路面とは反対側に返し易くなる。これにより、蔓植物の路面への進入を一層抑制することができる。また、起立部は固定部とは反対側に起立しているので、アンカー部材等により固定部を施工面上に固定する際に、起立部により固定作業が阻害されることを抑制できる。すなわち、アンカー部材等を固定部に挿通して蔦返し部材を固定する固定作業において、起立部が邪魔にならないため、固定作業が容易に行えるようになる。
請求項3に記載の発明によれば、起立部の湾曲した部分が路面とは反対側になるように蔦返し部材を取り付けることで、路面側に進出してきた蔓植物をこの湾曲した部分に沿わせて路面とは反対側により返し易くなる。これにより、蔓植物の路面への進入を更に抑制することができる。
請求項4に記載の発明によれば、通孔により起立部に当たる風や雨水等を抜け易くすることができる。その結果、風により蔦返し部材が吹き飛ばされることを抑制できる。また、蔦返し部材により仕切られた空間に雨水や土砂が溜まることを抑制でき、溜まった雨水や土砂が路面側にあふれることを抑制できる。
請求項5に記載の発明によれば、防草ボードにより食物の繁茂を抑制できる。また、路面から下り傾斜した法面に敷設した場合において、防草ボードから外れた位置に発生した蔓植物が防草ボード上を這って路面側に進出してきたとしても、蔦返し部材により路面への進入を抑制することができる。すなわち、蔦返し部材の起立部により、蔓植物の進出を食い止めることができる。また、蔦返し部材は固定部により防草ボード上に固定されるので、蔦返し部材の固定を強固にすることができる。
請求項6に記載の発明によれば、防草ボードを施工した後の表面の撓みや皺の寄り等を防止できるため、地面への敷設後であっても表面が平らになる。すなわち、施工面が凹凸を抑えた平面形状になる。これにより、外観が美しくなるだけでなく、この防草ボード上に配置される蔦返し部材との間に隙間が生じることを抑制できる。その結果、防草ボード上に蔦返し部材をガタつくことなく、取り付けることができ、蔦返し部材の固定が一層強固になる。また、防草ボード表面の撓みや膨らみを防止できるため、路肩や法面等の構造を予定した寸法(規格通りの寸法)に設定することができる。さらに、合成樹脂製の樹脂板からなり、軽量であるため、施工しやすく、輸送コストも抑えることができる。また、ハサミやカッター等の工具を用いて、現場の構造に合わせた形状に容易に加工することができる。その結果、作業効率が向上する。
請求項7に記載の発明によれば、防草ボードが埋没部を有するため、埋没部にかかる土圧によって防草ボードが強固に固定される。また、防草ボードの一部を埋没させることで、地面と当該防草ボードとの間の隙間を無くし、この隙間に風が入り込むことを防止できる。その結果、風によって防草ボードが飛ばされる不具合を抑制できる。さらに、折曲線における樹脂板の裏面側に折曲溝を形成したので、埋没部を容易に折り曲げることができる。これにより、作業効率が一層向上する。
請求項8に記載の発明によれば、防草ボードが中空板であるため、中実樹脂板と比較してより軽量にすることができる。また、現場での加工が一層容易になる。その結果、作業効率が更に向上する。
請求項9に記載の発明によれば、ポリプロピレンを用いることで、強度を高めることができる。その結果、強度を保ったまま軽量化を図ることができる。また、耐熱性を有するため、気温が上昇する夏場でも使用が可能になる。
請求項10に記載の発明によれば、アンカー部材を締めることによって、地中にねじ山に対応するねじ谷(雌ねじ)を作りながら防草ボード及び蔦返し部材を地面に固定するので、ねじ山にかかる土圧によってアンカー部材が不用意に地面から抜けることを抑制できる。これにより、防草ボード及び蔦返し部材を地面に対して容易かつ強固に固定することができる。その結果、防草ボード及び蔦返し部材の軽量化を図ったとしても、敷設された防草ボードが風により飛ばされることを防止できる。
請求項11に記載の発明によれば、軸の外周面に突状が形成されたので、凸条と凸条の間に形成される溝に地中の土等が進入することにより、ねじ山にかかる土圧を大きくすることができると共に、軸の回転に対する抵抗を大きくすることができる。これにより、アンカー部材が不用意に地面から抜けることを一層抑制でき、防草ボード及び蔦返し部材の固定を一層強固にすることができる。また、凸条によって軸の強度を向上させることができるため、軸の径を小さくすることができ、ひいては、アンカー部材を小型化することができる。また、各凸条の厚さを一定に揃えることで、樹脂成型する際の凸条の厚さ方向における合成樹脂の収縮率を揃えることができ、ヒケによる歪み等を抑制できる。さらに、軸の内部に真空ボイドが発生することを抑制できる。
請求項12に記載の発明によれば、軸の外周面に溝が形成されたので、溝に地中の土等が進入することにより、ねじ山にかかる土圧を大きくすることができると共に、軸の回転に対する抵抗を大きくすることができる。これにより、アンカー部材が不用意に地面から抜けることを一層抑制でき、防草ボード及び蔦返し部材の固定を一層強固にすることができる。また、溝と溝との間に形成される凸条によって軸の強度を向上させることができるため、軸の径を小さくすることができ、ひいては、アンカー部材を小型化することができる。また、各凸条の厚さを一定に揃えることで、樹脂成型する際の凸条の厚さ方向における合成樹脂の収縮率を揃えることができ、ヒケによる歪み等を抑制できる。さらに、軸の内部に真空ボイドが発生することを抑制できる。
請求項13に記載の発明によれば、ワッシャーにより頭部より広い面積で地面を押圧することができる。また、ワッシャーが回転可能な状態で保持されているため、現場において、ねじ本体の軸に対してワッシャーを通す手間が省け、また、ワッシャーが軸から不用意に外れて落ちることも無いので、取り扱いが容易である。
請求項14に記載の発明によれば、ワッシャーは、先端側保持部と後端側保持部との間に、保持軸に対して相対的に回転可能な状態で保持されたので、簡単な構成でワッシャーを保持することが可能になる。
請求項15に記載の発明によれば、ワッシャーの収容空間内に後端側保持部の少なくとも一部が収容されたので、ワッシャーと後端側保持部との間の段差を小さくすることができる。これにより、アンカー部材を地面に設置した際において、当該段差で人が躓くことを抑制できる。また、アンカー部材の外観を美しくできる。
路肩及び法面に敷設された防草蔦返しユニットの斜視図である。 路肩及び法面に敷設された防草蔦返しユニットの断面図である。 防草ボードの説明図であり、(a)は平面図、(b)は底面図である。 図1(a)におけるA−A断面の模式図である。 樹脂板を説明する斜視図である。 蔦返し部材の説明図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右面図である。 アンカー部材の説明図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)はB−B断面図である。 C−C断面の要部拡大図である。 防草ボード間の接続を説明する模式図である。 他の実施形態における路肩及び法面に敷設された防草蔦返しユニットの断面図である。 他の実施形態における蔦返し部材の接続を説明する模式図である。 他の実施形態における路肩又は法面に敷設された蔦返し部材の断面図である。 他の実施形態における蔦返し部材が敷設された様子を説明する斜視図である。 他の実施形態における蔦返し部材が敷設された様子を説明する斜視図である。 他の実施形態における蔦返し部材の説明図であり、(a)は正面図、(b)は領域Dの拡大図である。 他の実施形態における防草ボードの斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各実施形態に示す防草ボード2、蔦返し部材13、及び、アンカー部材21の各部の寸法等は、実際の寸法、縮尺と異なる場合がある。
図1は、路肩43から下り傾斜した法面44に敷設された防草蔦返しユニット1を説明する模式図であり、一部を欠截した斜視図である。図2は、路肩43及び法面44に敷設された防草蔦返しユニット1の断面図である。本発明の防草蔦返しユニット1は、図1及び図2に示すように、遮光性を有する防草ボード2と、防草ボード2上に配置(固定)される蔦返し部材13と、防草ボード2及び蔦返し部材13を固定するアンカー部材21とを備えている。
まず、防草ボード2について図3〜図5を用いて詳しく説明する。図3は、防草ボード2の説明図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は底面図である。図4は、図1(a)におけるA−A断面の模式図である。図5は、防草ボード2を構成する樹脂板6を説明する斜視図である。
本実施形態における防草ボード2は、地面に敷設されて植物の繁茂を抑制する平らな板(ボード)であり、図4に示すように、樹脂板6と不織布7(本発明における粗面材に相当)とが積層されてなる。この不織布7は、防草ボード2(樹脂板6)の表側(敷設時において地面に対向する面とは反対側)に接着剤、両面テープ、熱溶着等の種々の方法で接合されている。本実施形態の防草ボード2は、例えば、長辺の長さが約2m、短辺の長さが約1.56m、厚さが約6mmに形成され、平面視において長方形状を呈している。なお、防草ボード2の寸法及び形状は、これに限られず、施工する地面の状態等に応じて適宜に形成し得る。
また、図1〜5に示すように、防草ボード2の裏面(敷設時において地面に対向する面)には、折曲溝8が長辺方向に沿って形成されている。例えば、図4及び図5に示すように、樹脂板6の裏面に断面V字状の折曲溝8が形成されている。これにより、防草ボード2の裏面側への折り曲げ(山折り)が容易にできるようになる。すなわち、防草ボード2の一部を折り曲げる折曲線における樹脂板6の裏面側に折曲溝8を形成し、折曲線に沿って裏面側へ折り曲げ易くしている。なお、この折曲溝8内の内面(表面)は、後述する防草ボード2の中間板6bの空気室10やこれらの間に形成される隙間が折曲溝8内に開放されないように、平坦な面に形成されている。すなわち、折曲溝8と干渉する部分の空気室10や隙間は、折曲溝8の内面で閉塞されている。これにより、雨水等が防草ボード2内に進入することを抑制でき、蚊等の害虫が発生することを抑制できる。なお、防草ボード2の端面においても、同様に防草ボード2内の空気室10や隙間が閉塞されることが望ましい。
本実施形態における防草ボード2には、短辺方向における一側(図3(a)における上側)の端部側及び他側(図3(a)における下側)の端部側にそれぞれ折曲溝8が形成されている。図1に示すように、一側の折曲溝8は、法面44に敷設される法面部4と水平な路肩43に敷設される路肩部3との境界に形成され、地面への敷設時において法面部4あるいは路肩部3を折り曲げ易くするための溝である。一方、他側の折曲溝8は、法面部4と地中へ埋没される埋没部5との境界に形成され、地面への敷設時において埋没部5を折り曲げ易くするための溝である。なお、本実施形態における一側の折曲溝8から防草ボード2の一側の端までの寸法(すなわち、路肩部3の幅)は、約500mmに設定されている。また、本実施形態における他側の折曲溝8から防草ボード2の他側の端までの寸法(すなわち、埋没部5の幅)は、約60mmに設定されている。なお、これらの折曲溝8の位置は路肩幅等の地面の状態に応じて適宜に設定し得る。
さらに、図3及び図4に示すように、防草ボード2には、板厚方向に貫通した貫通孔9が複数形成されている。本実施形態では、長辺方向に沿って列設された貫通孔9の列が、路肩部3に2列、法面部4に3列、形成されている。これらの貫通孔9は、後述するアンカー部材21が挿通される孔であるため、少なくとも各部3、4の四隅に設けられることが望ましい。本実施形態における貫通孔9の直径は、アンカー部材21の軸25の直径よりも小さく形成されている。このため、貫通孔9は、アンカー部材21による固定時に、アンカー部材21がねじ込まれて、拡径される。
防草ボード2を構成する樹脂板6は、合成樹脂からなる硬質な板である。合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル樹脂、ポリエステル、ABS樹脂等を用いることができるが、製造のし易さ、耐熱性及び強度の面からポリプロピレンを用いることが望ましい。樹脂板6は、図5に示すように、板厚が約5mmの中空板であり、空気を内在する円筒形の空気室10が内部に複数形成されている。具体的に説明すると、樹脂板6は、底面側(裏面側)が開放された円筒形状の中空突起を複数備えた中間板6bと、中間板6bの表面側に張り合わされて複数の中空突起の頂部を接続する表面板6aと、中間板6bの裏面側に張り合わされて中空突起を開放側から密封する裏面板6cと、からなる三層構造の板である。このような構成を採用することで、中間板6bの中空突起と裏面板6cにより空気室10を形成することができる。
本実施形態の樹脂板6の表面(表面板6aの上面)には、中空突起の頂部に対応した円形の小凸部11が複数形成されている。この小凸部11は、樹脂板6の表面から僅かに***しており、中空突起に対応して規則正しく配列されている。この小凸部11の高さは、例えば、樹脂板6(表面板6a)の表面に不織布7が積層された状態において、視覚的に認知することが困難なように、例えば1mm以下に形成されている。なお、不織布7が積層された状態でも、当該不織布7が柔らかいため、不織布7の上から触接することで小凸部11を確認することができる。すなわち、この小凸部11によって、樹脂板6の表面の滑りに対する抵抗となり得る。これにより、より一層防草ボード2の表面の摩擦を増大させることができる。
なお、表面板6a、中間板6b及び裏面板6cの各板は、接着剤、両面テープ、熱溶着等の種々の方法で接合される。また、樹脂板6は、三層構造に限られず、一層で形成されてもよく、空気室10の無い内部が合成樹脂で充填された中実板で形成されてもよい。しかしながら、強度を保ちつつ軽量化を図ることができるため、樹脂板6は中空板であることが望ましい。
不織布7は、板厚が約1mmに形成された遮光性、耐候性、耐熱性のあるシートであり、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等の合成繊維のほか動物性繊維や植物性繊維等が用いられる。不織布7は、敷設時における自然との調和の観点或いは車を運転する運転手への刺激を低減する観点から、緑系統、茶色系統、灰色(グレー)系統等の色が望ましく、本実施形態ではグレーに着色されている。このように不織布7をグレーにすることで、道路のアスファルトとの色の調和を図ると共に、太陽光等の光の反射を防いで人の目への刺激を低減している。なお、不織布7の色は、これに限られず、道路や法面等における規格や設計思想に合わせて適宜に設定できる。
このような防草ボード2は、樹脂板6と不織布7からなり軽量であるため、地面への敷設後に風などによって飛散する可能性がある。このため、本発明の防草蔦返しユニット1では、防草ボード2を強固に固定するアンカー部材21を用いている。なお、アンカー部材21及びアンカー部材21を用いた施工方法については、後で詳しく説明する。
次に、防草ボード2に取り付けられる蔦返し部材13について説明する。図6は、本実施形態における蔦返し部材13の説明図であり、図6(a)は正面図、図6(b)は平面図、図6(c)は右面図である。この蔦返し部材13は、図1及び図2に示すように、防草ボード2上に固定されて使用される板材である。図6(a)に示すように、蔦返し部材13は、地面に敷設された防草ボード2の表面等の施工面に固定される固定部13aと、当該固定部13aから起立した板状の起立部13bと、を備えている。
固定部13aは、例えば、厚さ3mm、幅100mm、長さ1000mmに設定された薄板状の部材である。図6(b)に示すように、この固定部13aには、当該固定部13aを板厚方向に貫通させた固定部貫通孔15が複数形成されている。本実施形態における固定部貫通孔15は、固定部13aの長手方向に沿って等間隔に列設されている。この固定部貫通孔15の一部又は全部は、一の固定部貫通孔15を防草ボード2の対応する一の貫通孔9に位置合わせした状態で、その他の貫通孔9と重なるように形成されている。すなわち、貫通孔9の列の列設ピッチと固定部貫通孔15の列設ピッチとは、同じピッチ、或いは、整数倍のピッチに設定されている。なお、固定部貫通孔15は、等間隔に配置されていなくても良く、さらには列状に配置されていなくても良い。要は、固定部13aを防草ボード2上に配置した際に、固定部貫通孔15とこれに対応する貫通孔9とが少なくとも2組以上同じ位置に開設されていればよい。これにより、固定部貫通孔15及び貫通孔9にアンカー部材21を挿通すれば、蔦返し部材13を防草ボード2に位置合わせした状態で、蔦返し部材13及び防草ボード2を地面に固定することができる。
起立部13bは、固定部13aと連続して形成された板状の部材である。この起立部13bの厚さ及び長さは固定部13aと揃えられている。本実施形態における起立部13bは、固定部13aの一側(図6(a)における右側)の端部から当該固定部13aとは反対側に向けて、斜めに起立している。すなわち、図1及び図2に示すように、固定部13aを防草ボード2上に固定した状態で、起立部13bが法面44の傾斜方向に対して交差するように(法面の等高線にほぼ沿って)延在されている。図6(a)に示すように、この起立部13bの固定部13aに対する傾斜角度θは、例えば、110度に設定されている。また、起立部13bの先端部(上端部)は、固定部13aとは反対側に向けて湾曲したアーチ部14となっている。このアーチ部14のアールは、例えば、R40mm〜R60mmに設定されている。そして、起立部13bの高さ(すなわち、固定部13aに対して垂直な方向における起立部13bの下端から上端(アーチ部14の端)までの寸法)は、例えば、280mmに設定されている。なお、蔦返し部材13の各部(固定部13a、起立部13b、アーチ部14等)の寸法、角度等、は上記に例示した寸法、角度等に限られず、配置される路肩や法面等の地面の状態に応じて適宜に設定し得る。
また、起立部13bの下方には、板厚方向に貫通したスリット16(本発明における通孔に相当)が複数開設されている。本実施形態におけるスリット16は、3mm〜7mmの幅で、起立部13bの下端から高さ方向の途中まで起立部13bの起立方向に沿って延設されている。このようにスリット16の幅を3mm〜7mmにすることで、蔓植物50の茎がスリット16を挿通して起立部13bの反対側に抜けることを抑制しつつ、風や雨水、土砂等を抜け易くすることができる。そして、スリット16は下端が固定部13aに至っているので、固定部13aと起立部13bとの間のV溝部分に水が溜まることを防止でき、蚊や害虫の発生等の衛生上の問題の回避に寄与する。また、本実施形態におけるスリット16は、起立部13bの長手方向に沿って等間隔に列設されている。なお、スリット16は起立部13bの途中に設けても良く、その長さは適宜に設定しる。また、スリット16の数、間隔等も適宜に設定し得る。
そして、このような蔦返し部材13は、持ち運びやすく、風に吹かれても撓んで破損しないことから、軽量であり且つ靱性に富んだ合成樹脂から作製されることが望ましい。例えば、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル樹脂、ポリエステル、ABS樹脂等が望ましく、本実施形態では、塩化ビニルにより作製されている。また、蔦返し部材13は、容易に大量生産できることから、射出成形加工等により形成される。なお、蔦返し部材13は、防草ボード2の表面(不織布7)と同じ色に着色されることが望ましい。このようにすれば、施工後における防草ボード2と蔦返し部材13との色の調和を図ることができる。
アンカー部材21は、防草ボード2及び蔦返し部材13を地面に強固に固定するための部材である。図7及び図8は、アンカー部材21を説明する図である。図7(a)はアンカー部材21の正面図、図7(b)はアンカー部材21の平面図、図7(c)はアンカー部材21の底面図、図7(d)は図7(a)におけるB−B断面図である。また、図8はアンカー部材21の後端部分の構成を説明する断面図であり、図7(d)におけるC−C断面の要部を拡大した図である。
アンカー部材21は、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性を有する合成樹脂から成形され、ワッシャー35が離脱しない状態で組み付けられた(一体となった)雄ねじである。図7に示すように、このアンカー部材21は、軸25の外周にねじ山26を有し、先端から地面にねじ込まれるねじ本体22と、ねじ本体22の後端側に設けられた頭部23と、ねじ本体22と頭部23との間に形成された接続部38(図8参照)と、接続部38に回動可能な状態で保持されたワッシャー35と、を備えている。本実施形態のアンカー部材21は、長手方向の寸法(全長)が約20cm、ねじ本体22の直径(ねじ山26を含む径)が約2.5cmに形成されている。また、ワッシャー35の外径が約6cm、ワッシャー35の厚みが約0.75cmに形成されている。なお、このような合成樹脂製のアンカー部材21のワッシャー35以外の雄ねじ部分及びワッシャー35を成型する方法としては、例えば、加熱により合成樹脂を軟化させて金型に押し込み、その後、冷却により合成樹脂を固化させてから金型から取り出す射出成形加工等が好適である。
本実施形態のねじ本体22は、図7(a)に示すように、軸25の先端部25aが尖って(先細って)おり、この先端部25aの途中から軸25の後端(頭部23)側に亘ってねじ山26が形成されている。ねじ山26は、軸25の外周において螺旋状に形成されており、例えば、約1.5cmピッチで軸25の周りを約10周している。なお、ねじ山26のピッチ及び周回数は、アンカー部材21の全長や使用される地面の状態に応じて適宜に設定することができる。また、ねじ山26は、図7(c)等に示すように、軸25からの高さが先端側から軸25の途中まで徐々に高くなるように形成されている。本実施形態では、先端側から数えて1周目のねじ山26から約5周目のねじ山26まで徐々に高さが高くなっており、5周目以降のねじ山26は略同じ高さに揃えられている。これにより、地面に対してねじ本体22を先端からねじ込む際に、アンカー部材21に加える力を少なくでき、作業性が向上する。
ねじ本体22の軸25の後端部には、図7(a)及び図8に示すように、頭部23(あるいは後述する先端側保持部40)に向けて次第に拡径したテーパー部27が設けられている。換言すると、テーパー部27は、後端側(頭部23側)から先端側に向けて次第に縮径している。本実施形態のテーパー部27は、図8に示すように、内部にテーパー穴28が形成された筒状に構成されている。このテーパー穴28は、後述する頭部23の凹部24の底面に開口し、この開口縁からテーパー部27の先端側の近傍まで凹んだ穴である。そして、図8に示すように、テーパー穴28の内径は、テーパー部27の外径とほぼ同じ傾斜角度で先端側に向けて縮径している。これにより、テーパー穴28の内周面とテーパー部27の外周面との間の壁の厚さをほぼ一定に揃えることができる。すなわち、テーパー部27の偏肉を抑制することができる。その結果、樹脂成型する際における所謂ヒケ等による歪みを抑制できる。また、厚肉になると発生し易い真空ボイド(単にボイドともいう)を抑制することができる。これにより、テーパー部27の強度を確保することができる。なお、本実施形態では、テーパー部27の先端側の部分までねじ山26が形成されている。すなわち、テーパー部27の先端側の部分とねじ山26の後端部(最上部)とが重畳している。これにより、ねじ山26の他の部分と比べて強度が弱くなり易いねじ山26の最上部の強度を高めることができる。
また、図7及び図8に示すように、本実施形態におけるねじ本体22の軸25の断面は、十字状に形成されている。具体的には、先端部25aの途中であってねじ山26が形成された部分より先端側の部分からテーパー部27との境界に亘って断面十字状に形成されている。すなわち、軸25の断面において四方に突出した凸条31が形成され、この凸条31間に断面V字状の溝32が形成されている。そして、ねじ山26は、この凸条31及び溝32の周りを周回している。すなわち、軸25の外周面には、ねじ山26と交差しながら当該軸25の長手方向に沿って延在する凸条31が4つ形成されている。換言すると、軸25の外周面には、ねじ山26と交差しながら当該軸25の長手方向に沿って延在する溝32が4つ形成されている。なお、各凸条31の厚さは一定の厚さに揃えられている。これにより、樹脂成型する際におけるヒケ等による歪みを抑制できる。また、軸25の内部に真空ボイドが発生することを抑制でき、軸25の強度を確保することができる。その結果、太い軸25であっても樹脂成型によって容易に作成することが可能になる。
本実施形態の頭部23は、図7(b)に示すように、軸25の長手方向に沿って延在する六角柱状に形成されている。この頭部23の内部には、当該頭部23の頂面から先端側に向けて凹んだ凹部24が形成されている。この凹部24の断面形状(平面形状)は、図7(b)に示すように、頭部23の断面(平面視)において、頭部23の外周面の断面形状(平面形状)と相似形、すなわち六角形に形成され、かつ、位相が同じ方向に揃えられている。換言すると、凹部24の中心からみた内周面の各頂点は、頭部23の外周面の各頂点と同じ方向に揃えられている。これにより、内周面と外周面との間の壁の厚さをほぼ一定に揃えることができる。その結果、樹脂成型する際におけるヒケ等による歪みを抑制できる。また、内部に真空ボイドが発生することを抑制できる。なお、凹部24の底面には、上述したテーパー穴28が開口している。
図8に示すように、接続部38は、ワッシャー35を保持する保持軸39と、保持軸39より先端側に突条環状に形成された先端側保持部40と、保持軸39より後端側に鍔状あるいはフランジ状に形成された後端側保持部41と、を備えている。保持軸39は、ワッシャー35に形成された後述する挿通孔36に挿通されて、当該ワッシャー35を回転可能な状態で保持する部分であり、その外径は、ワッシャー35の挿通孔36の内径よりも小さく形成されている。例えば、挿通孔36の内径が約1.8cmに対し、保持軸39の外径は約1.73cmに形成される。これにより、挿通孔36の内周と保持軸39の外周との間に隙間が形成され、保持軸39に保持された状態でワッシャー35の回転が阻害されることを抑制できる。
先端側保持部40及び後端側保持部41は、ワッシャー35の挿通孔36の周縁部を上下から挟んで当該ワッシャー35が外れないようにする部分であり、それぞれの外径が挿通孔36の内径よりも大きく形成されている。特に、後端側保持部41の外径は、頭部23の外径よりも大きく、且つワッシャー35の後述する収容空間37の内径よりも小さく形成されている。一方、先端側保持部40の外径は、後端側保持部41の外径及び頭部23の外径よりも小さく形成されている。例えば、後端側保持部41の外径は約2.9cmに形成され、先端側保持部40の外径は約1.86cmに形成される。そして、先端側保持部40と後端側保持部41との間隔は、ワッシャー35の挿通孔36の周縁部における板厚よりも広く形成されている。例えば、挿通孔36の周縁部の板厚が約0.27cmに対し、先端側保持部40と後端側保持部41との間隔は約0.3cmに形成される。これにより、ワッシャー35は、先端側保持部40と後端側保持部41との間において、保持軸39に対して相対的に回転可能な状態で保持される。
ここで、先端側保持部40の先端側の面は、合成樹脂製のワッシャー35の挿通孔36が当該先端側保持部40の先端側から保持軸39側に向けて通過可能なように、ねじ本体22の後端側から保持軸39側に向けて次第に拡径されている。具体的には、先端側保持部40の先端側の面は、テーパー部27の後端部分からこのテーパー部27よりも急峻な傾斜角度で保持軸39側に向けて拡径している。なお、テーパー部27の後端部分の外径、すなわちテーパー部27の最大外径は、ワッシャー35の挿通孔36の内径よりも小さく形成されている。例えば、テーパー部27の後端部分の外径は約1.6cmに形成される。これにより、ワッシャー35の挿通孔36をねじ本体22の軸25に挿通し、挿通孔36の縁がテーパー部27の後端部分において先端側保持部40の先端側の面に当接した状態で、当該ワッシャー35を保持軸39側に向けて強く押圧すれば、挿通孔36の縁及び内周面が僅かに撓み、ワッシャー35の保持軸39側への移動が許容されることになる。このようにして、ワッシャー35の挿通孔36を保持軸39に嵌めることができる。
ワッシャー35は、アンカー部材21と同じく合成樹脂によって成形された浅い椀状の部材であり、その中心に保持軸39に挿通される挿通孔36が形成されている。本実施形態のワッシャー35は、挿通孔36の外周縁に表面(後端側の面)から先端側に向けて凹んだ収容空間37を有している。すなわち、収容空間37の底面の略中央に挿通孔36が開口している。そして、この収容空間37内に後端側保持部41が収容されている。上述したように、この収容空間37の内径は、後端側保持部41の外径よりも大きく形成されている。例えば、収容空間37の内径は約3cmに形成される。これにより、収容空間37の内周と後端側保持部41の外周との間に隙間が形成され、ワッシャー35の回転が阻害されることを抑制できる。また、本実施形態の収容空間37の軸25の長手方向に沿った方向における寸法(深さ)は、後端側保持部41の厚さと略同じ寸法に形成されている。例えば、収容空間37の深さは約0.2cmに形成される。これにより、ワッシャー35が保持軸39に保持された状態で、収容空間37内に後端側保持部41の全体が収容され、ワッシャー35の後端側の面と後端側保持部41の後端側の面との位置を揃えることができる。なお、収容空間37内に後端側保持部41の全体を収容せずに、後端側保持部41の先端側の一部が収容されるように収容空間37の深さを設定することもできる。
また、本実施形態のワッシャー35は、各部の板厚が略同じになるように、収容空間37の表面からの凹みの分だけ、裏面(先端側の面であり、表面とは反対側の面)が先端側に突出している。すなわち、裏面側から見て、ワッシャー35の椀状空間内の底面が先端側に向けて円柱状に突出している。さらに、ワッシャー35の外周縁には、先端側に向けて湾曲した湾曲部35aが形成されている。この湾曲部35aの先端部は、椀状空間内の底面から突出した部分よりも先端側に延在している。なお、湾曲部35aの厚みもワッシャー35の他の部分の厚みと略同じに揃えられている。これにより、ワッシャー35を樹脂成型する際において、ヒケ等による歪みを抑制できる。また、内部に真空ボイドが発生することを抑制できる。
なお、アンカー部材21のねじ本体22の長さは、アンカー部材21が使用される地面の状態に応じて適宜に設定できる。要するに、ねじ本体22は、防草ボード2が地面に敷設され、当該防草ボード2上に蔦返し部材13の固定部13aが載置された状態で、当該防草ボード2及び固定部13aに挿通して地面にねじ込むことが可能な長さであれば、どのような長さであっても良い。また、ねじ山26の高さ、ねじ山26の周回数、頭部23の大きさ、ワッシャー35の大きさ、挿通孔36の大きさ等の各所の寸法も、適宜に設計することができる。
このような防草蔦返しユニット1の使用方法について、図1及び図2を参照して説明する。まず、防草ボード2を敷設して植物の繁茂を抑制したい路肩43及び法面44を平坦に均す。このとき、防草ボード2の埋没部5が埋設される部分を予め掘り下げておく。このように均された路肩43の上面に、防草ボード2の路肩部3を路肩部3と法面部4との間の折曲線(折曲溝8)が路肩43と法面44との境界になるように載置し、その後、折曲線(折曲溝8)に沿って法面部4を法面44側に折り曲げて、法面44の上面に防草ボード2の法面部4を載置する。或いは、均された法面44の上面に、法面部4を路肩部3と法面部4との間の折曲線(折曲溝8)が路肩43と法面44との境界になるように載置し、その後、折曲線(折曲溝8)に沿って路肩部3を路肩側に折り曲げて、路肩43の上面に防草ボード2の路肩部3を載置する。
同様に複数の防草ボード2を路肩43及び法面44に列状に並べて載置する。このとき、各防草ボード2の側面(側縁)同士を当接させて隙間無く配置する。そして、図9に示すように、断面凹状のフレーム18を防草ボード2間における路肩43側の端部に取り付ける。ここで、フレーム18は、防草ボード2が上下にずれて隣接する防草ボード2間に段差ができないようにするための部材であり、合成樹脂等によって形成されている。このフレーム18の凹状部18aの中に、一方の防草ボード2の端部とこれに隣接する他方の防草ボード2の端部とがお互いに当接した状態で挿入される。この状態で、図9に示すように、ビニールテープやガムテープ等の細長いシール部材19を隣接する防草ボード2の接続箇所に亘って貼り付けて、隣接する防草ボード2を固定する。このとき、シール部材19のフレーム18側の端部は、上方からフレーム18に貼り付けるようにしてもよいし、フレーム18の下方の防草ボード2に貼り付けて当該シール部材19をフレーム18で押さえるようにしてもよい。なお、フレーム18は、防草ボード2間における埋没部5側の端部にも取り付けることができる。この場合、フレーム18は、埋没部5と共に埋設される。また、フレーム18の取り付け、及びシール部材19の貼り付けは、アンカー部材21を挿通した後に行っても良い。さらに、フレーム18及びシール部材19は、必ずしも取り付けられる必要は無い。
次に、各防草ボード2の埋没部5を、埋没部5と法面部4との間の折曲線(折曲溝8)に沿って地面側に折り曲げ、地面の予め掘り下げておいた部分に挿入する。そして、埋没部5が挿入されている地面の掘り下がった部分に土やコンクリート等を入れ、埋没部5を地中に埋設する。その後、防草ボード2の各貫通孔9のうち蔦返し部材13が配置されない位置の貫通孔9にアンカー部材21を挿通し、スパナやレンチ或いは電動インパクト等を用いて右回りに回しながら地面にねじ込んでいく。これにより、アンカー部材21は、地中にねじ山26に対応するねじ谷(雌ねじ)を作りながら埋没(進入)し、防草ボード2が地面に対して固定される。なお、フレームが取り付けられる防草ボードの端部に貫通孔を設けると共に、フレームの当該貫通孔に対応する部分にフレーム側貫通孔を形成することで、防草ボードにフレームを取り付けた状態で、当該フレームのフレーム側貫通孔を介してアンカー部材21を地面に固定するようにしてもよい。このようにフレームを含めて固定すると、フレームが外れることをより確実に防止できる。
防草ボード2が地面に対して固定されたならば、蔓植物50の進入を防ぎたい部分に対応する防草ボード2上に蔦返し部材13を固定する。本実施形態では、図1及び図2に示すように、法面部4の上方に防草ボード2の並設方向に沿って蔦返し部材13を複数配置する。具体的には、固定部13aの底面にブチルゴム等の接着剤や両面テープ等を塗布した状態で、起立部13b及びアーチ部14が下方、固定部13aが上方になるように防草ボード2の法面部4上に載置する。このとき、蔦返し部材13の固定部貫通孔15が防草ボード2の貫通孔9に重なるように蔦返し部材13を配置する。そして、アンカー部材21を固定部13a上から固定部貫通孔15及び貫通孔9に挿通し、右回りに回しながら地面にねじ込んでいく。これにより、アンカー部材21は、地中にねじ山26に対応するねじ谷(雌ねじ)を作りながら埋没(進入)し、蔦返し部材13及び防草ボード2が地面に対して固定される。このように、接着剤等を用いて蔦返し部材13を仮固定することで、アンカー部材21の固定作業が容易になる。これに加えて、接着剤等とアンカー部材21とで、蔦返し部材13を固定できるので、蔦返し部材13の固定が一層強固になる。なお、蔦返し部材13は、隣接する防草ボード2間に亘って固定されることが望ましい。このようにすれば、並設された防草ボード2の固定を一層強固にできる。また、防草ボード2の並設方向に沿って、複数の蔦返し部材13を配置する場合、各蔦返し部材13は隙間なく配置されることが望ましい。これにより、蔓植物50の茎が蔦返し部材13の間をすり抜けて、路面側に進出することを抑制できる。
このようにして防草ボード2及び蔦返し部材13を敷設すると、防草ボード2により光を遮ることができるので、路肩43及び法面44における植物の繁茂を防止することができる。また、図2に示すように、防草ボード2から外れた下方の法面44に発生した蔓植物50が法面44の防草ボード2上を這って路肩43側(路面側)に進出してきたとしても、蔦返し部材13により路肩43への進入を抑制することができる。すなわち、蔦返し部材13の起立部13bが法面44の傾斜方向に対して交差する方向に延在しているため、蔓植物50の進出を食い止めることができる。また、蔦返し部材13は固定部13aにより防草ボード2上に固定されるので、蔦返し部材13の固定を強固にすることができる。
特に、本実施形態における蔦返し部材13は、固定部13aから当該固定部13aとは反対側に向けて斜めに起立した起立部13bを備え、この起立部13bを路肩43とは反対側になるように取り付けたので、すなわち、起立部13bを法面44の表面に対して傾斜するように取り付けたので、路肩43側に進出してきた蔓植物50を起立部13bに沿わせて法面44側(路肩43とは反対側)に返し易くなる。これにより、蔓植物50の路肩43側への進入を一層抑制することができる。また、起立部13bは固定部13aとは反対側に起立しているので、アンカー部材21等により固定部13aを防草ボード2上に固定する際に、起立部13bにより固定作業が阻害されることを抑制できる。すなわち、アンカー部材21を固定部13aに挿通して蔦返し部材13を固定する固定作業において、起立部13bが邪魔にならないため、固定作業が容易に行えるようになる。さらに、アーチ部14が路肩43とは反対側になるように蔦返し部材13を取り付けることで、路肩43側に進出してきた蔓植物50をこの湾曲したアーチ部14に沿わせて法面44側により返し易くなる。これにより、蔓植物50の路肩43側への進入を更に抑制することができる。また、起立部13bにスリット16が形成されたので、スリット16により起立部13bに当たる風や雨水等を抜け易くすることができる。その結果、風により蔦返し部材13やこれが固定される防草ボード2が吹き飛ばされることを抑制できる。また、蔦返し部材13により仕切られた空間(路肩43と起立部13bとの間の空間)に雨水や土砂が溜まることを抑制でき、溜まった雨水や土砂が路肩43側(ひいては路面)にあふれることを抑制できる。
また、本発明の防草ボード2によれば、硬質な樹脂板6を基材としているため、表面の撓みや皺の寄り等を防止でき、地面への敷設後であっても表面が平らになる。すなわち、施工面が凹凸を抑えた平面形状になる。これにより、外観が美しくなる。特に、路肩43と法面44との境界において直線状の稜線が形成されるため、外観がより美しくなる。これに加えて、蔦返し部材13との間に隙間が生じることを抑制できる。その結果、防草ボード2上に蔦返し部材13をガタつくことなく、取り付けることができ、蔦返し部材13の固定が一層強固になる。また、撓みや膨らみを防止できるため、路肩43や法面44等の構造を予定した寸法(規格通りの寸法)に設定することができる。さらに、合成樹脂製の樹脂板6からなり、軽量であるため、施工しやすく、輸送コストも抑えることができる。また、ハサミ、カッター、糸鋸等の工具を用いて、現場の構造に合わせた形状(例えば、電柱の外縁に沿うように円状に切欠いた形状等)に容易に加工することができる。その結果、作業効率が向上する。加えて、表面に不織布7が積層されているので、防草ボード2の表面の摩擦を増大させることができ、滑りを抑えることができる。これにより、敷設時に作業員が滑って転倒することを抑制できる。また、不織布7により光等を遮ることができ、樹脂板6、ひいては防草ボード2の耐候性を向上させることができる。
また、防草ボード2は地中へ埋没させる埋没部5を備えたので、埋没部5にかかる土圧によって防草ボード2を強固に固定することができる。また、防草ボード2の一部を埋没させることで、地面と当該防草ボード2との間の隙間を無くし、この隙間に風が入り込むことを防止できる。その結果、風によって防草ボード2が飛ばされる不具合を抑制できる。さらに、折曲線における樹脂板6の裏面側に折曲溝8を形成したので、埋没部5を容易に折り曲げることができる。これにより、作業効率が一層向上する。また、樹脂板6を中空板で構成したので、防草ボード2を中実樹脂板と比較してより軽量にすることができる。また、ハサミやカッター等の工具を用いて切断や折曲溝8の形成が容易になるため、現場での加工が一層容易になる。その結果、作業効率が更に向上する。加えて、樹脂板6をポリプロピレンで形成したので、防草ボード2の強度を高めることができる。その結果、強度を保ったまま軽量化を図ることができる。また、耐熱性を有するため、気温が上昇する夏場でも使用が可能になる。
さらに、本発明のアンカー部材21を締めることによって、地中にねじ山26に対応するねじ谷(雌ねじ)を作りながら防草ボード2及び蔦返し部材13を地面に固定するので、ねじ山26にかかる土圧によってアンカー部材21及び蔦返し部材13が不用意に地面から抜けることを抑制できる。これにより、防草ボード2及び蔦返し部材13を地面に対して容易かつ強固に固定することができる。すなわち、本実施形態のような軽量な防草ボード2及び蔦返し部材13であっても、風により飛散することなく、地面に敷設することができる。また、ワッシャー35は、アンカー部材21の接続部38に回転可能な状態で保持されているので、このワッシャー35により頭部23より広い面積で地面を押圧することができる。さらに、現場において、ねじ本体22の軸25にワッシャー35を通す手間が省け、また、ワッシャー35を手で支えなくても外れて落下することが無い。このため、アンカー部材21の取り扱いが容易になり、防草ボード2及び蔦返し部材13の敷設作業が一層容易になる。
また、本実施形態のアンカー部材21は、ねじ本体22の軸25の断面を十字状に形成したので、この軸25の溝32に地中の土等が進入することにより、ねじ山26にかかる土圧を大きくすることができると共に、軸25の回転に対する抵抗を大きくすることができる。これにより、アンカー部材21が不用意に地面から抜けることを一層抑制でき、防草ボード2及び蔦返し部材13の固定を一層強固にすることができる。また、凸条31によって軸25の強度を向上させることができるため、軸25の径を小さくすることができ、ひいては、アンカー部材21を小型化することができる。さらに、ワッシャー35は、アンカー部材21の先端側保持部40と後端側保持部41との間に、保持軸39に対して相対的に回転可能な状態で保持されたので、簡単な構成でワッシャー35を保持することが可能になり、アンカー部材21の取り扱いを容易ならしめる。また、ワッシャー35の収容空間37内にアンカー部材21の後端側保持部41の少なくとも一部が収容されたので、ワッシャー35と後端側保持部41との間の段差を小さくする(あるいは、無くす)ことができる。これにより、アンカー部材21を地面に設置した際において、当該段差で人が躓くことを抑制できる。さらに、アンカー部材21の外観を美しくできる。
加えて、アンカー部材21の先端側保持部40の先端側の面は、ワッシャー35の挿通孔36が当該先端側保持部40の先端側から保持軸39側に向けて通過可能なように、ねじ本体22の後端側から保持軸39側に向けて次第に拡径されたので、ねじ本体22とは別に成形されたワッシャー35の挿通孔36を保持軸39に容易に嵌めることができる。これにより、アンカー部材21の製造が容易になる。また、ねじ本体22の軸25の後端部には、先端側保持部40に向けて次第に拡径されたテーパー部27が形成されているため、アンカー部材21を地中に締め込む際に、このテーパー部27によって地表近くの土を斜め下方に強く押圧することができる。これにより、地中の土等を軸25の溝32内に積極的に進入させることができ、アンカー部材21が不用意に地面から抜けることを一層抑制できる。
ところで、上記した実施形態では、蔦返し部材13を法面44(法面部4)の上方に取り付けたが、これには限られない。例えば、図10に示す他の実施形態のように、蔦返し部材13を路肩43(路肩部3)に取り付けることもできる。この場合、起立部13bが路肩43の表面に対して当該路肩43とは反対側に傾斜するように取り付ける。そして、この場合でも、起立部13bが法面44の傾斜方向に対して交差するように延在されている。これにより、本実施形態でも路肩43側に進出してきた蔓植物50を起立部13bに沿わせて法面44側に返し易くなる。その結果、蔓植物50の路肩43側への進入を一層抑制することができる。
また、上記した防草蔦返しユニット1では、防草ボード2の折曲溝8を法面部4と路肩部3との境界及び法面部4と埋没部5との境界に形成したが、これには限られない。少なくとも、法面部4と埋没部5との境界における防草ボード2に折曲溝8が形成されていればよく、その他の折曲溝は路肩や法面の構造によって適宜に設定される。例えば、法面の傾斜の角度が途中から変化するような場合、角度が変化する境界における防草ボードに折曲溝を設けて、傾斜に沿って防草ボードの法面部を更に折り曲げるようにしてもよい。また、このような折曲溝は、地面の状態に応じて、カッター等の工具を用いて現場で形成することもできる。
また、上記した実施形態では、防草蔦返しユニット1を路肩43とこの路肩43から下り傾斜した法面44とに敷設したがこれには限られない。防草蔦返しユニット1を平坦な面に敷設することもできる。この場合において、防草ボードに埋没部を設けず、折曲溝を形成しなくてもよい。また、防草蔦返しユニット1を路肩から上り傾斜した平坦な法面上に敷設することもできる。このような上り傾斜した法面において、本発明の防草ボード2を用いることで、雪崩の発生を抑えることができる。すなわち、上り傾斜した法面において、防草ボードの表面に不織布がなく、摩擦が少ない防草ボードをこの法面に施工すると、当該防草ボードの上に雪が定着しないため、この防草ボードよりも上方の法面に雪が積もると、雪崩が起きる虞がある。要するに、法面の上方の方が、防草ボードが敷設された下方よりも積もった雪の量が多くなるため、上方に積もった雪が自重によって崩れてくる虞がある。しかしながら、本発明の防草ボード2は、表面に不織布7が積層されているので、雪が定着し易く、このような雪崩の発生を抑えることができる。
さらに、上記した実施形態における防草ボード2間では、隣接する防草ボード2の端部同士を当接させた状態でフレーム18を取り付けたが、これには限られない。例えば、図11に示す、他の実施形態における防草ボード2の敷設方法では、隣接する防草ボード2の端部を重ね、この重なった部分をアンカー部材21で固定する方法が採用されている。具体的に説明すると、図11に示すように、一方(図11における右側)の防草ボード2の端部を、地面に敷設された他方(図11における左側)の防草ボード2の端部の上方に配置し、この防草ボード2の重なったところ(重ね代)にアンカー部材21を打ち込んで固定する。このように、防草ボード2同士を接続することで、防草ボード2同士の接続が強固になると共に、防草ボード2の敷設が容易になる。なお、この重ね代の幅は、例えば、4cm〜10cmに設定される。また、図11に示すように、蔦返し部材13は、この重ね代から外れた部分に固定される。
さらに、上記した実施形態における蔦返し部材13は、防草ボード2上に配置され、防草蔦返しユニット1の一部として用いられたが、これには限られない。蔦返し部材13は、単独で使用することもできる。例えば、図12(a)及び図12(b)に示す、他の実施形態では、路肩43及び法面44に施工された現場打ちコンクリート46上に蔦返し部材13が直接取り付けられている。具体的には、図12(a)に示す実施形態では、法面44に施工された現場打ちコンクリート46上に、蔦返し部材13がアンカー部材21で固定されている。また、図12(b)に示す実施形態では、路肩43に施工された現場打ちコンクリート46上に、蔦返し部材13がアンカー部材21で固定されている。なお、何れの場合でも、蔦返し部材13が配置される箇所には、アンカー部材21が挿入される挿入穴(図示せず)が形成されている。この挿入穴は、現場打ちコンクリート46を施工する際に形成しても良いし、施工後にドリル等で形成しても良い。また、蔦返し部材13は、アンカー部材21による固定だけでなく、接着剤により現場打ちコンクリート46上へ固定されることが望ましい。これにより、アンカー部材21の固定がより強固になる。また、ボルト等を用いて、蔦返し部材13をコンクリート46に固定しても良い。さらに、現場打ちコンクリート46を施工する際に、蔦返し部材13の固定部13aを現場打ちコンクリート46内に埋め込むこともできる。その他、現場打ちコンクリート46に変えてブロックを敷設し、これらブロック上に蔦返し部材13を設置しても良い。
また、蔦返し部材13は、車道の車線間や車道と歩道等との境界に設けられるブロック等に設置することもできる。例えば、図13に示す他の実施形態では、車道60の車線を往復方向別に分離する中央分離帯61に設けられた縁石62上に蔦返し部材13が取り付けられている。この縁石62は、中央分離帯61の外縁を区画する部分に配置されたコンクリート等からなるブロックである。本実施形態における中央分離帯61の縁石62に囲まれた内部には、緑化のための植物63が植えられている。また、本実施形態では、蔦返し部材13は、起立部13bが中央分離帯61側(車道60側とは反対側)に傾斜した状態で、車道60の延在方向に沿って隙間なく複数配置されている。蔦返し部材13の固定部13aは、ボルト64により縁石の上面に固定されている。これにより、中央分離帯61に植えられた植物63(或いは意図せず繁茂した植物)が車道60にはみ出すことを抑制できる。
また、蔦返し部材13は、車道と歩道や花壇等の他の領域との境界に設けられた境界ブロック上に取り付けることもできる。例えば、図14に示す他の実施形態では、車道60と植物63が繁茂した路肩65との境界に沿って配置された境界ブロック66上に蔦返し部材13が取り付けられている。本実施形態においても、蔦返し部材13は、起立部13bが車道60側とは反対側に傾斜した状態で、車道60の延在方向に沿って隙間なく複数配置されている。また、蔦返し部材13の固定部13aは、ボルト64により境界ブロック66の上面に固定されている。これにより、路肩65に植えられた植物63(或いは意図せず繁茂した植物)が車道60にはみ出すことを抑制できる。なお、その他、側溝の脇に形成される境界ブロックや、歩道と緑地等との境界に配置される境界ブロック等に蔦返し部材13を配置することも可能である。要するに、蔦返し部材13は、植物(蔓植物に限らず、植物全般)が繁茂した、或いは、繁茂しそうな領域と当該領域の外側の領域との境界に配置され、植物が外側にはみ出すことを抑制する。このとき、蔦返し部材13は、植物が繁茂した、或いは、繁茂しそうな領域側に向けて起立部13bが傾斜した状態で固定されることが望ましい。
なお、上記した蔦返し部材13では、起立部13bの先端部が湾曲してアーチ部14を構成したが、これには限られない。起立部の中央部から先端部にかけて湾曲させても良いし、起立部の全体を湾曲させても良い。要するに、起立部の少なくとも一部が湾曲されていればよい。また、起立部13bには、通孔として縦長なスリット16を形成したが、これには限られない。例えば、円形や多角形状の通孔であってもよい。この場合、通孔の径を3mm〜7mmにすることで、蔓植物の茎が挿通して起立部の反対側に抜けることを抑制できる。さらに、上記した蔦返し部材13では、固定部13aの端部から起立部13bを起立させたが、すなわち、起立部13bに対して片側(一方の面側)に固定部13aを備えたが、これには限られない。起立部の両側(両方の面側)に固定部を備えるようにしても良い。例えば、固定部の幅方向(短手方向)における中央部から起立部を起立させるようにしても良い。この場合、起立部の両側に形成された固定部に固定部貫通孔を設け、この固定部貫通孔にアンカー部材を挿通して固定部を固定するようにすれば、防草ボード及び蔦返し部材の固定が一層強固になる。
また、図15に示す他の実施形態のように、蔦返し部材13′の固定部13a′における起立部13b′とは反対側の端面を斜めに形成することもできる。なお、図15(a)は、他の実施形態における蔦返し部材13′の正面図、図15(b)は、図15(a)における領域Dの拡大図である。図15(b)に示すように、本実施形態における蔦返し部材13′の固定部13a′の端面は、上面側(起立部13b′が起立している側)から下面側(防草ボード2に当接する側)に向けて下り傾斜している。このように、固定部13a′の起立部13b′とは反対側の端面を傾斜面としたので、蔦返し部材13′を固定する際に、傾斜面を路面側(法面側とは反対側)に向けて配置することで、路面から法面に向けて流れる水の流れを円滑にすることができる。その結果、固定部13a′と防草ボード2との間の段差に雨水や土砂が溜まることを抑制できる。
さらに、上記した防草ボード2では、樹脂板6に積層される粗面材として不織布7を使用したが、これには限られない。例えば、織布、フェルト、毛布等の起毛シート等を粗面材として樹脂板に積層してもよい。また、防草ボードとしては、粗面材(不織布7)を備えないものも採用できる。例えば、図16に示す他の実施形態における防草ボード52では、表面に不織布が配置されていない。すなわち、合成樹脂製の硬質な樹脂のみから構成されている。
具体的には、本実施形態における防草ボード52は、図16に示すように、上記した実施形態の樹脂板6と同様に、空気を内在する円筒形の空気室53が内部に複数形成された中空板である。より詳しく説明すると、防草ボード52は、底面側(裏面側)が開放された円筒形状の中空突起を複数備えた中間板52bと、中間板52bの表面側に張り合わされて複数の中空突起の頂部を接続する表面板52aと、中間板52bの裏面側に張り合わされて中空突起を開放側から密封する裏面板52cと、からなる三層構造の板である。このような構成を採用することで、中間板52bの中空突起と裏面板52cにより空気室53を形成することができる。そして、このような防草ボード52は、上記した実施形態の樹脂板6と同様に、合成樹脂により形成される。なお、表面板52a及び裏面板52cを構成する合成樹脂には、添加剤として耐候剤が添加(含有)されている。これにより、防草ボード52の劣化を抑制することができる。また、本実施形態における防草ボード52の表面には、上記した実施形態の樹脂板6の小凸部11のような凹凸が形成されていない。すなわち、表面板52aの上面は、略平坦になっている。なお、その他の構成は、上記した実施形態の防草ボード2(樹脂板6)とほぼ同じであるため説明を省略する。
さらに、防草ボード2にはアンカー部材21が挿通される貫通孔9が形成され、蔦返し部材13にはアンカー部材21が挿通される固定部貫通孔15が形成されたが、これには限られない。例えば、防草ボードに貫通孔を設けず、アンカー部材が挿通される位置にマーク等を設けておき、施工現場において電動インパクト等を用いて、当該マークの位置に防草ボードを貫通しながらアンカー部材を打ち込んでもよい。同様に、蔦返し部材に固定部貫通孔を設けず、アンカー部材が挿通される位置にマーク等を設けておき、施工現場において電動インパクト等を用いて、当該マークの位置に蔦返し部材及び防草ボードを貫通しながらアンカー部材を打ち込んでもよい。
そして、本発明は上記した実施形態に限らず、特許請求の範囲内での全ての変更が含まれる。
1 防草蔦返しユニット
2 防草ボード
3 路肩部
4 法面部
5 埋没部
6 樹脂板
6a 表面板
6b 中間板
6c 裏面板
7 不織布
8 折曲溝
9 貫通孔
10 空気室
11 小凸部
13 蔦返し部材
13a 固定部
13b 起立部
14 アーチ部
15 固定部貫通孔
16 スリット
18 フレーム
18a 凹状部
19 シール部材
21 アンカー部材
22 ねじ本体
23 頭部
24 凹部
25 軸
25a 先端部
26 ねじ山
27 テーパー部
28 テーパー穴
31 凸条
32 溝
35 ワッシャー
35a 湾曲部
36 挿通孔
37 収容空間
38 接続部
39 保持軸
40 先端側保持部
41 後端側保持部
43 路肩
44 法面
44 法面
46 現場打ちコンクリート
50 蔓植物
60 車道
61 中央分離帯
62 縁石
63 植物
64 ボルト
65 路肩
66 境界ブロック

Claims (15)

  1. 施工面に固定される固定部と、
    当該固定部から起立した板状の起立部と、
    を備えたことを特徴とする蔦返し部材。
  2. 前記起立部は、前記固定部から当該固定部とは反対側に向けて斜めに起立したことを特徴とする請求項1に記載の蔦返し部材。
  3. 前記起立部の少なくとも一部は、前記固定部とは反対側に向けて湾曲したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蔦返し部材。
  4. 前記起立部には、板厚方向に貫通した通孔が複数開設されたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の蔦返し部材。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の蔦返し部材と、
    地面に敷設されて、植物の繁茂を抑制する防草ボードと、を備え、
    前記施工面は、地面に敷設された前記防草ボードの表面であることを特徴とする防草蔦返しユニット。
  6. 前記防草ボードは、合成樹脂製の硬質な樹脂からなることを特徴とする請求項5に記載の防草蔦返しユニット。
  7. 前記防草ボードは、折曲線に沿って裏面側に折り曲げて地中へ埋没させる埋没部を有し、前記折曲線における樹脂板の裏面側に折曲溝を形成したことを特徴とする請求項5又は請求項6の何れか一項に記載の防草蔦返しユニット。
  8. 前記防草ボードは、内部に空気を内在する空気室が複数形成された中空板であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の防草蔦返しユニット。
  9. 前記防草ボードは、ポリプロピレンからなることを特徴とする請求項6から8の何れか一項に記載の防草蔦返しユニット。
  10. 前記防草ボード及び前記蔦返し部材を地面に固定する合成樹脂製のアンカー部材を備え、
    前記アンカー部材は、軸の外周にねじ山を有し、先端から地面にねじ込まれるねじ本体と、該ねじ本体の後端側に設けられた頭部と、を備え、
    前記ねじ本体は、前記防草ボードが地面に敷設され、当該防草ボード上に前記蔦返し部材の固定部が載置された状態で、当該防草ボード及び固定部に挿通して地面にねじ込むことが可能な長さに形成されたことを特徴とする請求項5から9の何れか一項に記載の防草蔦返しユニット。
  11. 前記軸の外周面には、前記ねじ山と交差しながら当該軸の長手方向に沿って延在する凸条が複数形成されていることを特徴とする請求項10に記載の防草蔦返しユニット。
  12. 前記軸の外周面には、前記ねじ山と交差しながら当該軸の長手方向に沿って延在する溝が複数形成されていることを特徴とする請求項10に記載の防草蔦返しユニット。
  13. 前記アンカー部材は、前記ねじ本体と前記頭部との間に接続部を備え、
    前記接続部にワッシャーが回転可能な状態で保持されたことを特徴とする請求項10から請求項12の何れか一項に記載の防草蔦返しユニット。
  14. 前記接続部は、前記ワッシャーに形成された挿通孔に挿通される保持軸と、当該保持軸より先端側において外径が前記挿通孔の内径よりも大きく形成された先端側保持部と、前記保持軸より後端側において外径が前記挿通孔の内径よりも大きく形成された後端側保持部と、を備え、
    前記ワッシャーは、前記先端側保持部と前記後端側保持部との間に、保持軸に対して相対的に回転可能な状態で保持されたことを特徴とする請求項13に記載の防草蔦返しユニット。
  15. 前記ワッシャーは、前記挿通孔の外周縁に後端側の面から先端側に向けて凹んだ収容空間を有し、
    当該収容空間内に前記後端側保持部の少なくとも一部が収容されたことを特徴とする請求項14に記載の防草蔦返しユニット。
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