JP2017063578A - 超電導ケーブルの端末構造 - Google Patents

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祐一 芦辺
智男 三村
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智男 三村
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Osamu Maruyama
修 丸山
哲太郎 中野
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Abstract

【課題】冷媒の冷却負荷を低減できる超電導ケーブルの端末構造を提供する。
【解決手段】冷媒により低温に保持される超電導導体層を有するケーブルコアと、前記冷媒に接する低温側端部と、常温環境に接する常温側端部と、を有し、前記ケーブルコアが挿通される筒状のブッシングと、前記ケーブルコアとの間に前記冷媒の充填空間を形成する内管と、前記内管の外側に真空層を形成する外管と、を有し、前記ケーブルコアと前記ブッシングとの間で前記ブッシングの内側に一体化される内側断熱管と、前記内管と前記外管とを繋ぐループ状の導通経路を分断し、前記超電導導体層に流れる電流の誘導により前記導通経路に流れる誘導電流を遮断する絶縁連結部と、を備える超電導ケーブルの端末構造。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導ケーブルと、常温で利用される常電導ケーブルなどの常電導電力機器との間で電力の授受に利用される超電導ケーブルの端末構造に関する。
超電導ケーブルは、小型でありながら、大容量の電力を低損失で送電可能なことから、省エネルギー技術として期待されている。超電導ケーブルは、超電導導体層を有するケーブルコアと、このコアを収納し、上記超電導導体層を超電導状態に維持する冷媒(例えば液体窒素)が充填されるケーブル用断熱管と、を備える構成が代表的である。
超電導ケーブルと、常温で利用される常電導ケーブルなどの常電導電力機器とを接続する場合、上記ケーブルコアの超電導導体層と常電導電力機器との間に常電導導体部を介在させた端末構造を構築する。例えば、特許文献1は、一端がケーブルコアの超電導導体層にジョイント部を介して接続され、他端が常温環境に配置される端末用導体と、端末用導体が挿通配置されると共に冷媒が充填される断熱管と、断熱管の外周に配置される絶縁部(ブッシング)と、を備える端末構造を開示している。端末用導体は、接続スリーブで接続される超電導導体と常電導導体とを備える。
特開2005−341767号公報
超電導ケーブルの端末構造は、通常、大電流に対応した導体(端末用導体)が配置されているため、導体近傍に配置される部材は、導体からの磁場の影響を受ける虞がある。磁場の影響を受け得る部材が金属で構成されていると、その部材には、ジュール熱が生じることによる損失が発生する。例えば、上記部材が冷媒に接する場合、上記損失は、冷媒を冷却する冷凍機の負荷となる。そこで、導体からの磁場の影響によって損失が生じ得る部材に対して、冷凍機の負荷(冷却負荷)を低減できる端末構造の開発が望まれる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、冷媒の冷却負荷を低減できる超電導ケーブルの端末構造を提供することにある。
本発明の一態様に係る超電導ケーブルの端末構造は、ケーブルコアと、筒状のブッシングと、内側断熱管と、絶縁連結部と、を備える。ケーブルコアは、冷媒により低温に保持される超電導導体層を有する。筒状のブッシングは、前記冷媒に接する低温側端部と、常温環境に接する常温側端部と、を有し、前記ケーブルコアが挿通される。内側断熱管は、前記ケーブルコアとの間に前記冷媒の充填空間を形成する内管と、前記内管の外側に真空層を形成する外管と、を有し、前記ケーブルコアと前記ブッシングとの間で前記ブッシングの内側に一体化される。絶縁連結部は、前記内管と前記外管とを繋ぐループ状の導通経路を分断し、前記超電導導体層に流れる電流の誘導により前記導通経路に流れる誘導電流を遮断する。
上記の超電導ケーブルの端末構造は、冷媒の冷却負荷を低減できる。
実施形態1の超電導ケーブルの端末構造の概略縦断面である。 実施形態1の超電導ケーブルの端末構造に備える超電導ケーブルの一例を示す横断面である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明者らは、超電導ケーブルの端末構造において、導体近傍に配置される部材のうち、導体を内部に収納する断熱管(ブッシングの内部に配置される内側断熱管)に生じるジュール損について検討した。超電導ケーブルの端末構造に用いる断熱管は、液体窒素といった冷媒が充填されるため、一般的にステンレス鋼といった超電導ケーブルの運用温度に対する耐性に優れる材料から構成される。ステンレス鋼といった金属は、磁場が印加されると、ジュール熱が生じることによる損失が発生する。そこで、超電導ケーブルのケーブルコアから超電導導体層を露出して、超電導導体層と常電導導体部との接続処理を施し、超電導導体層に流れる電流によって生じる磁場が断熱管に印加される状況を模擬して、断熱管に生じる損失をFEM(Finite Element Method)解析によって調べた。その結果、超電導導体層に12kAの導体電流が流れる超電導ケーブルでは、断熱管に約300Aの電流が流れ、損失が約100Wと無視できない程大きいことがわかった。
通常、断熱管の両端部は金属製の封止部材で封止されているため、内管と外管とは導通状態で接続される。この状態で、断熱管の長手方向に電磁誘導を受けるような磁場が印加されると、内管と外管とを循環するループ状の電流が断熱管に流れると考えられる。具体的には、内管には超電導導体層に流れる導体電流と逆向きの誘導電流が流れ、外管には内管の誘導電流と逆向き(導体電流と同じ向き)の誘導電流が流れる。この理由は、内管と外管とで構成されるループに鎖交する磁場を遮蔽する向きに誘導電流(内管と外管とを循環する循環電流)が流れるためである。つまり、断熱管に生じる損失は、内管と外管とでループ状の導通経路が形成され、その導通経路に循環電流が流れたことで生じたジュール熱によるものと考えられる。断熱管に生じるジュール熱、特に内管に生じるジュール熱は、冷媒の冷却負荷の増大を招くため、この冷媒の冷却負荷を低減するために断熱管に生じる誘導電流を低減することが望まれる。そこで、内管と外管とを繋ぐループ状の導通経路に流れる誘導電流を遮断することで、冷媒の冷却負荷を低減できる、との知見を得て、本発明を完成するに至った。以下、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態に係る超電導ケーブルの端末構造は、ケーブルコアと、筒状のブッシングと、内側断熱管と、絶縁連結部と、を備える。ケーブルコアは、冷媒により低温に保持される超電導導体層を有する。筒状のブッシングは、前記冷媒に接する低温側端部と、常温環境に接する常温側端部と、を有し、前記ケーブルコアが挿通される。内側断熱管は、前記ケーブルコアとの間に前記冷媒の充填空間を形成する内管と、前記内管の外側に真空層を形成する外管と、を有し、前記ケーブルコアと前記ブッシングとの間で前記ブッシングの内側に一体化される。絶縁連結部は、前記内管と前記外管とを繋ぐループ状の導通経路を分断し、前記超電導導体層に流れる電流の誘導により前記導通経路に流れる誘導電流を遮断する。
上記の超電導ケーブルの端末構造は、絶縁連結部を備えることで、内側断熱管の内管と外管とを繋ぐループ状の導通経路において、絶縁連結部を挟む両側同士を電気的に絶縁することができる。そのため、超電導導体層に流れる電流の誘導により導通経路に流れる誘導電流を遮断することができる。よって、内側断熱管にジュール熱が生じることを抑制でき、冷媒を冷却する冷凍機の負荷(冷却負荷)を低減できる。
(2)上記の超電導ケーブルの端末構造の一例として、前記内側断熱管は、前記ブッシングの常温側端部から突出した突出部分を有し、前記絶縁連結部は、前記突出部分における前記外管に配置されている形態が挙げられる。
絶縁連結部が上記突出部分の外管に配置されていることで、絶縁連結部は常温環境に接する。そのため、絶縁連結部は、冷媒によって冷却されることによる熱伸縮が生じ難く、外管との接続性が低下することを抑制でき、内管と外管との間の真空層の低下を抑制できる。また、絶縁連結部は、ブッシングの外側に露出している箇所に設けることになるため、絶縁連結部を内側断熱管に容易に設けられる。
(3)上記の超電導ケーブルの端末構造の一例として、前記絶縁連結部は、繊維強化プラスチックで構成されている形態が挙げられる。
絶縁連結部が繊維強化プラスチックで構成されていることで、絶縁連結部を成形し易い上に、強度にも優れる。
(4)上記の超電導ケーブルの端末構造の一例として、前記超電導導体層に接続されて常温側の機器との送電路を形成する常電導導体部の一部が収納され、前記常電導導体部との間に前記冷媒の充填空間を形成する常温側冷媒容器と、前記常温側冷媒容器の外側に常温側真空層を形成する常温側真空容器と、を備える形態が挙げられる。常温側冷媒容器は、前記内管に接続され、常温側真空容器は、前記外管に接続される。
上記構成によれば、導通経路は、内管と常温側冷媒容器と常温側真空容器と外管とを繋ぐことになる。そのため、内管と外管とを繋ぐループ状の導通経路に流れる誘導電流を遮断することで、常温側冷媒容器及び常温側真空容器に流れる誘導電流も遮断できる。また、絶縁連結部は、内側断熱管(内管又は外管)に設ける以外に、常温側冷媒容器や常温側真空容器に設けることでも、上記導通経路に流れる誘導電流を遮断できるため、絶縁連結部の配置の自由度が高い。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態の詳細を、以下に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。図中の同一符号は、同一名称物を示す。
≪実施形態1≫
図1,2を参照して、実施形態1の超電導ケーブルの端末構造1を説明する。以下、超電導ケーブル100に近い側をケーブル側、超電導ケーブル100から離れる側を機器側と呼ぶ。
〔全体構成〕
本実施形態1の超電導ケーブルの端末構造1は、超電導ケーブル100のケーブルコア110に備える超電導導体層112(図2)と、常温環境で利用される常電導電力機器の導体と、を常電導材料から構成される常電導導体部70を介して電気的に接続する終端接続部に利用される。常電導電力機器は、保護機器や遮断器などで構成される変電設備、地中ケーブルや架空送電線などの常電導ケーブルなどが挙げられる。端末構造1は、ケーブルコア110が挿通される筒状のブッシング20と、ブッシング20の内周面26mに一体化される内側断熱管30と、を備える。さらに、端末構造1は、常電導導体部70の一部が収納されると共に、内側断熱管30と導通接続される常温側断熱層60を備える。
ケーブルコア110の超電導導体層112には大電流が流れるため、このケーブルコア110を収納する内側断熱管30には、上記超電導導体層112に流れる電流の誘導により大きな誘導電流が流れる。本実施形態1の超電導ケーブルの端末構造1の主たる特徴とするところは、上記誘導電流のうち、内側断熱管30の内管31と外管32とを繋ぐループ状の導通経路に流れる非常に大きな循環電流を遮断する絶縁連結部50を備えることにある。以下、図2を参照して、まず超電導ケーブル100を説明し、次に図1を参照して、端末構造1の詳細な構成、端末構造1の施工手順を説明する。
・超電導ケーブル
超電導ケーブル100は、超電導導体部と、超電導導体部を収納するケーブル断熱管120とを備える。この例に示す超電導導体部は、ケーブルコア110に備える超電導導体層112である。ケーブルコア110は、中心から順にフォーマ111、超電導導体層112、電気絶縁層113、遮蔽層114、保護層115を同軸状に備える。この超電導ケーブル100は、1本のケーブルコア110が一つのケーブル断熱管120に収納された単心ケーブルであると共に、超電導導体層112及び電気絶縁層113がケーブル断熱管120に収納されて、双方が液体冷媒130によって冷却される低温絶縁型のケーブルである。例えば、このような単心ケーブルを3本布設して、各ケーブルを各相の送電に利用する三相交流送電路や、単心ケーブルを2本布設して、一方のケーブルを往路、他方のケーブルを復路に利用する直流送電路などを構築することができる。超電導ケーブル100は公知の構成を利用できる。以下に、ケーブルコア110の一例を説明する。
・・ケーブルコア
・・・フォーマ
フォーマ111は、超電導導体層112を支持する機能を有する。この例では、冷媒130の流路(この例では復路)にも利用するため、フォーマ111を中空体としている。このようなフォーマ111の構成材料は、液体窒素などの冷媒温度で利用可能であり、薄くても強度に優れるステンレス鋼などの金属が挙げられる。その他の構成材料として、銅やその合金、アルミニウムやその合金といった常電導材料が挙げられる。常電導材料からなるフォーマ111は、柔らかく曲げ易い上に導電性に優れるため、例えば、事故電流の流路に利用できる。その他、フォーマ111は、複数の素線(銅線や、銅線の外周にエナメルなどの絶縁被覆を有する被覆銅線など)を撚り合わせた撚り線などの中実体としてもよい。
・・・超電導導体層
超電導導体層112は、フォーマ111の外周に複数の超電導線材を螺旋状に巻回して形成された少なくとも1層の線材層を備える。超電導線材は、例えばBi系銀シース線材やRE123系薄膜線材などの酸化物超電導相を備えるテープ状線材が挙げられる。この場合、液体冷媒130には、液体窒素が好適に利用できる。
・・・電気絶縁層
電気絶縁層113は、超電導導体層112とその外部との電気的絶縁を確保する。電気絶縁層113は、超電導導体層112の外周に絶縁テープ材を螺旋状に巻回して構成される。絶縁テープ材は、例えば、クラフト紙やPPLP(登録商標;Polypropylene Laminated Paper)といった半合成紙などの絶縁紙からなるテープ材が挙げられる。
・・・遮蔽層
遮蔽層114は、電気絶縁層113の外周に設けられて電界遮蔽を行う。遮蔽層114は、銅やアルミニウム、金属化紙、金属化カーボンといった常電導材料からなるテープや線材などを巻回して構成される。
・・・保護層
保護層115は、ケーブルコア110の最外周に配置され、その内側に配置された部材(特に超電導導体層112)の機械的保護、遮蔽層114とケーブル断熱管120との間の電気的絶縁の確保を目的として設けられる。保護層115は、上述の絶縁紙のテープ材を遮蔽層114の外周に螺旋状に巻回して構成される。
その他、ケーブルコア110は、電気絶縁層113の外周に外側超電導層(図示せず)を備えることができる。外側超電導層は、上述の超電導線材を螺旋状に巻回してなる巻回層を積層に備える。外側超電導層は、例えば、交流送電用途では磁気遮蔽層に利用できる上に、遮蔽層114の構成部材とすることができる。
・・・ケーブル断熱管
ケーブル断熱管120は、内管121と外管122とを有する二重構造管であり、内管121と外管122との間の空間が真空引きされ、この空間に真空断熱層が形成された真空断熱管である。内管121の内部空間は、ケーブルコア110の収納空間であると共に、超電導導体層112の超電導状態を維持するための冷媒130(例えば、液体窒素など)が流通される流路(この例では往路)に利用される。内管121及び外管122は、コルゲート管やベローズ管とすると可撓性に優れ、フラット管とすると表面積が小さく、断熱性に優れ、冷媒の圧力損失も小さくできる。内管121及び外管122の構成材料は、フォーマの項で述べたようにステンレス鋼などの金属が挙げられる。この例に示すケーブル断熱管120は、内管121と外管122との間にスーパーインシュレーション(商品名)などの断熱材(図示せず)を備えており、より高い断熱性を有する。ケーブル断熱管120の外管122の外側には、ビニルやポリエチレンなどの防食材から構成される防食層124を備える。
〔超電導ケーブルの端末構造〕
超電導ケーブルの端末構造1は、超電導ケーブル100の端部においてケーブル断熱管120の端部から露出されるケーブルコア110の端部の外周を覆うように設けられるケーブル側断熱層40と、ブッシング20と、内側断熱管30と、常温側断熱層60と、を備える。各部材40,20,30,60とケーブルコア110との間に、冷媒130が充填される。以下、超電導ケーブルの端末構造1に備える各要素を順に説明する。
・ケーブルコア
ケーブル断熱管120の端部から露出されたケーブルコア110は、ケーブル断熱管120の近くで遮蔽層114及び保護層115(図2)が切断され、ケーブル断熱管120の開口部よりも先の領域では、概ね電気絶縁層113が露出されている。さらに、ケーブルコア110の先端部(後述するブッシングの常温側端部から突出された部分)が段剥ぎされて、フォーマ111、超電導導体層112が順に露出されている。なお、説明の便宜上、図1では、各層の段剥ぎ状態を図示していない。
露出された超電導導体層112と常電導導体部70とは、ハンダやロー材などの適宜な接合材によって接合されて、両者が電気的に接続されている。例えば、常電導導体部70の一端部にケーブルコア110の端部が挿入される挿入穴を有しており、この挿入穴にケーブルコア110の端部の超電導導体層112及びフォーマ111が挿入されて、上記の接合材によって超電導導体層112及びフォーマ111が挿入穴内に固定される。
・ブッシング
ブッシング20は、ケーブル断熱管120から露出されたケーブルコア110が挿通される部材であり、筒状の絶縁部22と、碍管(図示せず)に固定される固定部24と、を備える。ブッシング20は、内周面26mに後述する内側断熱管30が一体化されている。
絶縁部22は、ケーブルコア110と外部との間の電気的絶縁を行うと共に、電界緩和を行う。絶縁部22は、後述する内側断熱管30のケーブル側端部よりも突出しているため、冷媒130に接する低温側端部(ケーブル側端部)と、常温環境に接する常温側端部(機器側端部)と、を有する。低温側端部が冷媒130に接するため、絶縁部22の構成材料は、冷媒温度でも問題なく使用可能な絶縁材料が好ましい。上記構成材料は、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの各種の樹脂が挙げられる。特に、上記構成材料は、エポキシ樹脂などの樹脂成分とガラス繊維などの強化成分とを含む繊維強化プラスチック(FRP)などとすると、強度にも優れる。
絶縁部22の常温側端部は、機器側に向かって先細りした形状であり、この傾斜部分がストレスコーンとして機能する。絶縁部22中に金属箔(図示せず)を同心状に多層に設けることで、電界を調整できる。一方、絶縁部22の低温側端部は、その外周面が一様な筒状面であるが、その内周面は機器側からケーブル側(周縁)に向かって薄くなるように傾斜している。ケーブルコア110におけるケーブル断熱管120の端部近傍に、ストレスコーン部分を有する補強絶縁層(図示せず)を設けておき、補強絶縁層の常温側のストレスコーン部分を取り囲むように上記の傾斜した部分を配置すると、ブッシング20と補強絶縁層との双方によって電界を良好に緩和できる。
固定部24は、絶縁部22の外周(この例では長手方向の中央部分であって、ストレスコーン部分ではない領域)に上記の樹脂成分によって接合されている。固定部24は、絶縁部22の外方に延びるフランジ部を備える。ボルトなどによって、このフランジ部を碍管に締結することで、ブッシング20を碍管に固定できる。固定部24の構成材料は、適宜な金属や樹脂などが挙げられる。碍管の基本的構成は、公知の構成を利用できる。
・内側断熱管
内側断熱管30は、ブッシング20の内周面26mに一体化されている。内側断熱管30は、ケーブルコア110との間に冷媒130の充填空間を形成する内管31と、内管31の外側に真空層33を形成する外管32と、を備える。内管31及び外管32の構成材料は、ケーブル断熱管120で述べたようにステンレス鋼などの金属が挙げられる。
この例では、内管31及び外管32はいずれもフラット管としている。フラット管とすると、コルゲート管などを利用する場合よりも絶縁部22の外径を小さくし易く、小型化に寄与できる。また、フラット管とすると、内管31では冷媒130の流通抵抗が小さい上に、ケーブルコア110を挿入し易く施工性に優れる、という効果も奏する。内管31及び外管32の双方をコルゲート管やベローズ管とすると、可撓性に優れるものの、施工性に劣る。ブッシング20部分には、過度な曲げが求められないことからフラット管でも問題ない。
また、この例では、内管31及び外管32は、機器側の一端が開口し、ケーブル側の他端が閉じられた有底筒状に構成されている。つまり、内管31のケーブル側端部と外管32のケーブル側端部とは、金属製の封止部34を介して接続されている。封止部34は、環状の板材である。
さらに、この例では、内管31は、常電導導体部70の一部が収納される常温側冷媒容器61(後述する)に接続され、外管32は、常温側冷媒容器61の外周に設けられる常温側真空容器62(後述する)に接続される。この例では、内管31が外管32よりも長く、内管31の端部が外管32の端部から突出している。この構成によって、内管31と常温側冷媒容器61との接続作業後に、外管32と常温側真空容器62との接続作業を行い易く、施工性に優れる。内管31と常温側冷媒容器61との接続、及び外管32と常温側真空容器62との接続は、それぞれ溶接などで行える。また、上述の接続によって、この例に示す端末構造1は、内管31と外管32との間の真空層33と、常温側冷媒容器61と常温側真空容器62との間の常温側真空層63と、が連通する。両真空層33,63が連通することで、冷媒130を断熱保持できる。内管31と外管32との間にスーパーインシュレーション(商品名)などの断熱材(図示せず)を備えると、より高い断熱性を有する。
外管32は、機器側端部の近傍において、その長手方向に外管32を分断する絶縁連結部50が装着される。つまり、外管32は、絶縁連結部50によって二つの分断外管32a,32bが接続されて構成されている。外管32と絶縁連結部50との接続構造については、後の絶縁連結部50の説明で詳述する。
・常温側断熱層
常温側断熱層60は、常電導導体部70の一部が収納され、常電導導体部70との間に冷媒130の充填空間を形成する常温側冷媒容器61と、常温側冷媒容器61の外側に常温側真空層63を形成する常温側真空容器62と、を備える。常温側冷媒容器61及び常温側真空容器62の構成材料は、ケーブル断熱管120で述べたようにステンレス鋼などの金属が挙げられる。
内側断熱管30と常温側断熱層60とは、以下の理由により、内管31及び外管32と、常温側冷媒容器61及び常温側真空容器62と、で導通経路が形成される。(1)上述したように、内管31と常温側冷媒容器61とは溶接によって接続され、外管32と常温側真空容器62とは溶接によって接続される。(2)内管31と外管32とは、ケーブル側端部において、金属製の封止部34を介して接続される。(3)常温側断熱層60の機器側端部は、常電導導体層70が引き出される金属製の筒状封止部が設けられており、常温側冷媒容器61と常温側真空容器62とが上記筒状封止部を介して接続される。上記の(1)〜(3)の各接続により、冷媒130の充填空間を形成する内管31及び常温側冷媒容器61と、冷媒130の断熱空間を形成する外管32及び常温側真空容器62とが、ケーブル側端部及び機器側端部の両端部で導通接続されることになる。
このとき、内管31及び常温側冷媒容器61内に収納された導体(超電導導体層112及び常電導導体部70)には大電流が流れるため、上記導通経路は、上記導体からの磁場の影響を受ける。特に、この例では、ケーブルコア110(超電導導体層112)と内側断熱管30との距離が短いため、上記導通経路(内側断熱管30)は、超電導導体層112からの磁場の影響を大きく受ける。内側断熱管30の長手方向に電磁誘導を受けるような磁場が印加されると、上記導通経路には誘導電流が流れる。具体的には、超電導導体層112にケーブル側から機器側に向かう方向に導体電流が流れると、内管31及び常温側冷媒容器61に導体電流と逆向き(機器側からケーブル側に向かう方向)の誘導電流が流れ、外管32及び常温側真空容器62に内管31及び常温側冷媒容器61の誘導電流と逆向き(導体電流と同じ向き)の誘導電流が流れる。つまり、内側断熱管30及び常温側断熱層60には、内管31及び常温側冷媒容器61と、外管32及び常温側真空容器62と、を循環するループ状の電流(循環電流)が流れる。本実施形態1の超電導ケーブルの端末構造1は、上記導通経路に絶縁連結部50を備えることで、上記循環電流を遮断することができる。
・絶縁連結部
絶縁連結部50は、図1の拡大図に示すように、内側断熱管30の長手方向の途中に組み込まれる。この例では、絶縁連結部50は、ブッシング20の常温側端部(機器側端部)から突出した突出部分における外管32に配置される。外管32は、その長手方向の途中が予め分断された二つの分断外管32a,32bを備える。絶縁連結部50は、二つの分断外管32a,32b間に配置されて、両外管32a,32b間を電気的に絶縁すると共に、両外管32a,32bを繋ぐ役割を果たす。
絶縁連結部50の構成材料は、電気絶縁性に優れる材料を利用できる。上記構成材料は、上記ブッシング20の絶縁部22で述べたように各種の樹脂が挙げられる。特に、繊維強化プラスチックとすると、絶縁連結部50の成形性に優れる上に、強度にも優れて好ましい。また、絶縁連結部50は、真空層33と接触するため、真空層33へのガスの侵入を抑制するために、上記構成材料は、ガスを透過し難いことが好ましい。例えば、電気絶縁性に優れる樹脂にセラミックや硬質ガラスなどのガス非透過性に優れる材料を絶縁連結部50の絶縁機能を損なわない程度に混合することが挙げられる。他に、アルミニウムなどの金属箔などのガス非透過性に優れる材料を絶縁連結部50に積層することが挙げられる。
絶縁連結部50は、二つの分断外管32a,32bの端部領域を跨ぐように配置される筒状ベース部52と、筒状ベース部52の長手方向の中央部分で内周面から突出し、分断外管32a,32b間に介在される環状の突出部54と、を備える。筒状ベース部52と突出部54とは、一体物である。
筒状ベース部52は、その内周面に外管32と嵌合する嵌合部52fを備える(図1の拡大図)。具体的には、嵌合部52fは、筒状ベース部52の突出部54以外の領域(突出部54を挟んだ両端部領域)の内周面にねじ部(雌ねじ部)を備え、凹凸形状になっている。同様に、外管32は、分割外管32a,32bの互いに対向する側の端部領域に嵌合部32fを備える(図1の拡大図)。外管32の嵌合部32fは、各分割外管32a,32bの外周面にねじ部(雄ねじ部)を備え、凹凸形状になっている。そして、筒状ベース部52の嵌合部52fと、各分割外管32a,32bの嵌合部32fと、が互いにねじ作用で嵌め合わさることで、外管32と絶縁連結部50とが接続された接続構造を構成する。
嵌合部32f,52fは、その軸方向の長さが長いほど、嵌合領域が長くなり、絶縁連結部50を外管32に強固に固定できる。また、上記嵌合領域が長いほど、絶縁連結部50と各分断外管32a,32bとの接触長さ(ねじの螺旋に沿った長さ)を長くでき、真空度の低下を抑制でき、断熱性の低下を抑制できる。一方、上記嵌合領域が長過ぎると、絶縁連結部50と外管32との接続構造の大型化を招く。嵌合部32f,52fは、絶縁連結部50を外管32に強固に固定できると共に、断熱性を維持できるように、その軸方向の長さを選択するとよい。
突出部54は、冷媒130に接する端面と、分割外管32a,32bの端面と接する当止面と、を備える。筒状ベース部52の嵌合部52fと、各分割外管32a,32bの嵌合部32fと、が互いにねじ作用で嵌合された状態において、突出部54の端面は、外管32の内周面と面一である。つまり、突出部54の突出長さは、外管32の厚みと同等程度とすることが好ましい。また、上記嵌合状態において、突出部54の当止面は、分割外管32a,32bの端部が当て止めされる。突出部54は、厚さ(分割外管32a,32b間の長さ)が厚いほど、上記嵌合状態とするにあたり、突出部に損傷が生じ難く、分割外管32a,32b間の絶縁を確保し易い。
この例では、絶縁連結部50を内側断熱管30の外管32に設けたが、上記導通経路を分断できれば、絶縁連結部50は導通経路上のどこに設けてもよい。例えば、絶縁連結部50を内側断熱管30の内管31に設けることもできる。
また、この例では、絶縁連結部50をねじ作用で外管32に接続したが、外管32を分断できれば、絶縁連結部50の接続方法は問わない。例えば、内側断熱管30にブッシング20の絶縁部22を一体成形すると同時に、分断外管32a,32b間に絶縁連結部50を一体成形することもできる。
・ケーブル側断熱層
超電導ケーブルの端末構造1は、ブッシング20の低温側端部(ケーブル側端部)の近傍の外周面27mに対向してケーブル側断熱層40を備える。ケーブル側断熱層40は、ケーブルコア110の一部と、ブッシング20の低温側端部領域の外周と、を覆う。ケーブル側断熱層40は、ケーブルコア110を冷却する冷媒130が充填されるケーブル側内管41と、ケーブル側内管41の外周を覆うように設けられるケーブル側外管42と、を備える。この例では、ケーブル側内管41とケーブル側外管42とは、両端部が封止栓44,46で封止されている。ケーブル側内管41とケーブル側外管42との間に形成されるケーブル側真空層43は、内側断熱管30の真空層33とは独立して形成されており、両真空層43,33は、ブッシング20の絶縁部22を介して部分的に重複して配置されている。この真空層43,33の重複によって、高い断熱性を確保できる。ケーブル側内管41及びケーブル側外管42の構成材料は、ケーブル断熱管120で述べたようにステンレス鋼などの金属が挙げられる。
〔超電導ケーブルの端末構造の製造方法〕
上述の実施形態1の超電導ケーブルの端末構造1は、例えば、以下の工程を備える製造方法によって構築できる。以下、各工程の概略を説明する。
・準備工程
超電導ケーブル100は、その端部においてケーブル断熱管120から所定の長さのケーブルコア110を出して段剥ぎなどして、フォーマ111、超電導導体層112などを順に露出して、常電導導体部70を接続できるようにする。
内周面26mに内側断熱管30が一体化されたブッシング20を用意する。このとき、内側断熱管30は、内管31と外管32とが封止部34で接続された有底筒状に構成され、外管32の開口側端部の近傍に絶縁連結部50を備える。外管32と絶縁連結部50との接続方法は、以下である。まず、外管32の所望の絶縁箇所で、外管32を切断する。次に、切断された外管32(一対の分断外管32a,32b)の各端部に雄ねじ部を形成する。そして、各分断外管32a,32bの雄ねじ部と絶縁連結部50の雌ねじ部とを互いに嵌め合わせる。絶縁連結部50を挟む両側に接続される分断外管32a,32bは、一連の外管32を切断して分断外管32a,32bとしてもよいし、所望の長さを有する二つの外管を用意し、この二つの断熱管を分断外管32a,32bとしてもよい。
ケーブル側断熱層40を用意する。ケーブル側断熱層40は、ケーブル側内管41及びケーブル側外管42の両端部をそれぞれ封止栓44,46で封止して接合する。
・ケーブル側断熱管の配置工程
上記ケーブル側断熱管40をケーブルコア110の外側に嵌め込む。
・ブッシングの配置工程
内側断熱管30が一体化されたブッシング20をケーブルコア110の外側に嵌め、ブッシング20のケーブル側端部領域をケーブル側断熱層40内に嵌め込む。このとき、ケーブル側端部領域の外周面27mに接着剤を塗布した状態で、ケーブル側内管41の一部を重ね合わせるように嵌め込む。この嵌め込みは、ブッシング20の固定部24が、ケーブル側断熱管40の封止栓46に当て止めされるまで行う。
ブッシング20に一体化された内側断熱管30は、内管31及び外管32がいずれも、ケーブルコア110の先端が露出する程度の長さに調整している。こうすることで、後述する超電導導体層112と常電導導体部70との接続作業を行い易い上に、ケーブルコア110へのブッシング20(内側断熱管30)の嵌め込み作業時にケーブルコア110をガイドに利用できる。また、内管31が外管32よりも長く、内管31の端部が外管32の端部から突出するように調整している。こうすることで、後述する常温側断熱層60との接続作業を行い易い。
・コアと常電導導体との接続工程
ケーブルコア110の超電導導体層112と常電導導体部70とを電気的に接続する。接続には、適宜な接続部材(スリーブなど)が利用できる。
・常温側断熱層の配置工程
上述の超電導導体層112と常電導導体部70との接続箇所を含み、常電導導体部70を覆うように常温側断熱層60を構築する。まず常温側冷媒容器61の開口端と、内側断熱管30の内管31の端部と、を溶接によって接合する。次に、常温側冷媒容器61を覆うように常温側真空容器62を形成した後、常温側真空容器62の開口端と、内側断熱管30の外管32の端部と、を溶接によって接合する。なお、ブッシング20の常温側(機器側)端部の領域を覆うように碍管を設けて、適宜な時期に碍管内に絶縁流体を導入する。内側断熱管30の機器側端部は、碍管から突出させる。
・真空引き工程
ケーブル側内管41とケーブル側外管42との間、内管31と外管32との間、常温側冷媒容器61と常温側真空容器62との間、その他の真空容器内(図示せず)を真空引きして、ケーブル側真空層43、真空層33、常温側真空層63などの真空断熱層を形成する。この例では、真空層33と常温側真空層63とが連通しているため、まとめて真空引きできる。まとめて真空引きすると、真空装置の用意などが一度でよく、施工性に優れる。この真空引き工程は、内側断熱管30及び常温側断熱層60のいずれか、及びケーブル側断熱層40に設けられた真空ポート(図示せず)に真空装置を接続して行えばよい。ケーブル断熱管120は、予め工場などで真空引きを行える。
・冷媒充填工程
以上の工程を終えたら、液体冷媒130を導入する。液体冷媒130の充填によって、超電導導体層112を超電導状態に維持できて、超電導ケーブル100は、常電導機器との間で電力の授受を行える。
〔効果〕
実施形態1の超電導ケーブルの端末構造1は、内側断熱管30の長手方向の途中で外管32が分断され、この分断された分断外管32a,32b間を電気的に絶縁すると共に、両外管32a,32bを機械的に接続する絶縁連結部50を備えることで、外管32に流れる電流を遮断することができる。そのため、内管31と外管32とを繋ぐループ状の導通経路が形成されたとしても、外管32に設けられた絶縁連結部50によって、この導通経路には電流は流れない。このような絶縁連結部50を備える内側断熱管30であれば、内側断熱管30内に配置される超電導導体層112に流れる電流によって生じる磁場が内側断熱管30に印加したとしても、誘導電流が上記導通経路に流れることを防止できる。内側断熱管30に流れる誘導電流を遮断できることで、ジュール熱が生じることを抑制できる。内側断熱管30のうち、特に液体冷媒130に接する内管31のジュール熱を抑制できることで、冷媒を冷却する冷凍機の負荷(冷却負荷)を低減できる。
また、実施形態1の超電導ケーブルの端末構造1は、内側断熱管30と常温側断熱層60とが導通接続されているため、導通経路は、内管31と常温側冷媒容器61と常温側真空容器62と外管32とを繋ぐことになる。外管32に絶縁連結部50を備えることで、内管31と外管32とを繋ぐループ状の導通経路に流れる誘導電流を遮断することができると共に、常温側冷媒容器61及び常温側真空容器62に流れる誘導電流も遮断できる。
上記絶縁連結部50は、外管32(分断外管32a,32b)に対してねじ作用で嵌め合わせて固定されるため、簡易な構成であり、絶縁連結部50の嵌合部52fと外管32の嵌合部32fとを螺合することで、両者を容易にかつ強固に接続できて、施工性に優れる。
≪実施形態2≫
実施形態1では、絶縁連結部50を内側断熱管30の外管32に設ける形態を説明した。その他、絶縁連結部50は、内側断熱管30の内管31と外管32とを接続する接続部分に設けることができる。例えば、内管31と外管32とを接続する封止部34(図1を参照)を絶縁材料で構成することが挙げられる。この場合、内管31と外管32との開口端を塞ぐように封止部34を装着することで、容易に内管31と外管32とを電気的に絶縁すると共に、両管31,32を機械的に接続することができる。ただし、この場合、絶縁連結部50は、冷媒130に接触することから、絶縁連結部50の構成材料は、冷媒温度でも問題なく使用可能な絶縁材料であることが好ましい。
≪実施形態3≫
内側断熱管30と常温側断熱層60とが導通接続されている場合、絶縁連結部50は、常温側真空容器62に設けることができる。内側断熱管30と常温側断熱層60とが導通接続されている場合、導通経路は、内管31と常温側冷媒容器61と常温側真空容器62と外管32とを繋ぐことになる。そのため、常温側真空容器62の長手方向の途中で絶縁連結部50を介在させることで、上記導通経路が分断されることになり、この導通経路に流れる誘導電流を遮断することができる。絶縁連結部50を常温側真空容器62に設ける場合、絶縁連結部50は、実施形態1と同様のものを利用することができる。
本発明の超電導ケーブルの端末構造は、超電導ケーブルと常温環境に配置される常電導電力機器(代表的には常電導ケーブル)との接続箇所に好適に利用することができる。
1 超電導ケーブルの端末構造
20 ブッシング 22 絶縁部 24 固定部
26m 内周面 27m 外周面
30 内側断熱管 31 内管 32 外管 33 真空層
32a,32b 分断外管 32f 嵌合部
34 封止部
40 ケーブル側断熱層
41 ケーブル側内管 42 ケーブル側外管 43 ケーブル側真空層
44,46 封止栓
50 絶縁連結部 52 筒状ベース部 54 突出部
52f 嵌合部
60 常温側断熱層
61 常温側冷媒容器 62 常温側真空容器 63 常温側真空層
70 常電導導体部
100 超電導ケーブル 110 ケーブルコア
111 フォーマ 112 超電導導体層 113 電気絶縁層
114 遮蔽層 115 保護層
120 ケーブル断熱管
121 内管 122 外管 124 防食層
130 冷媒

Claims (4)

  1. 冷媒により低温に保持される超電導導体層を有するケーブルコアと、
    前記冷媒に接する低温側端部と、常温環境に接する常温側端部と、を有し、前記ケーブルコアが挿通される筒状のブッシングと、
    前記ケーブルコアとの間に前記冷媒の充填空間を形成する内管と、前記内管の外側に真空層を形成する外管と、を有し、前記ケーブルコアと前記ブッシングとの間で前記ブッシングの内側に一体化される内側断熱管と、
    前記内管と前記外管とを繋ぐループ状の導通経路を分断し、前記超電導導体層に流れる電流の誘導により前記導通経路に流れる誘導電流を遮断する絶縁連結部と、を備える超電導ケーブルの端末構造。
  2. 前記内側断熱管は、前記ブッシングの常温側端部から突出した突出部分を有し、
    前記絶縁連結部は、前記突出部分における前記外管に配置されている請求項1に記載の超電導ケーブルの端末構造。
  3. 前記絶縁連結部は、繊維強化プラスチックで構成されている請求項1又は請求項2に記載の超電導ケーブルの端末構造。
  4. 前記超電導導体層に接続されて常温側の機器との送電路を形成する常電導導体部の一部が収納され、前記常電導導体部との間に前記冷媒の充填空間を形成すると共に、前記内管に接続される常温側冷媒容器と、
    前記常温側冷媒容器の外側に常温側真空層を形成すると共に、前記外管に接続される常温側真空容器と、を備える請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の超電導ケーブルの端末構造。
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