JP2017062974A - 非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法および非水電解質二次電池用負極材料 - Google Patents
非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法および非水電解質二次電池用負極材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017062974A JP2017062974A JP2015188268A JP2015188268A JP2017062974A JP 2017062974 A JP2017062974 A JP 2017062974A JP 2015188268 A JP2015188268 A JP 2015188268A JP 2015188268 A JP2015188268 A JP 2015188268A JP 2017062974 A JP2017062974 A JP 2017062974A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- negative electrode
- secondary battery
- electrolyte secondary
- ceramic composite
- active material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
【課題】非水電解質二次電池用負極材料に使用したときに、優れた初期効率、放電容量およびサイクル特性(サイクル維持率)を発揮する非水電解質二次電池用負極活物質を提供する。【解決手段】SiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなり、CuKα特性X線を用いたX線回折における、前記金属珪素の(111)面回折線のピーク強度をb1、前記SiCの(111)面回折線のピーク強度をb2としたときに、b1/b2で表される比が0.20〜10.00であり、30MPaで圧縮したときの密度が1.2g/cm3〜1.8g/cm3であるセラミックス複合材料からなることを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質である。【選択図】なし
Description
本発明は、非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法および非水電解質二次電池用負極材料に関する。
リチウム二次電池等の非水電解質二次電池は、ハイパワーで高容量の二次電池として、携帯電話、パソコン、PDA(個人情報端末)等の可搬型機器類、予備電源、車両用の駆動用電源に多く使用され、今後もその需要が更に高くなると予想されている。
これらの用途では、小型・軽量化あるいは高容量化の要請が強くなっており、それらの要請に応えるため二次電池の各種パーツや材料の高性能化も活発に試みられ、中でも電池の性能を左右するものとして負極活物質の開発が重要度を増している。
これらの用途では、小型・軽量化あるいは高容量化の要請が強くなっており、それらの要請に応えるため二次電池の各種パーツや材料の高性能化も活発に試みられ、中でも電池の性能を左右するものとして負極活物質の開発が重要度を増している。
上記負極活物質としては、現在、カーボン(黒鉛)系の材料が主流であり、放電容量が350mAh/g〜360mAh/g程度と黒鉛の理論容量(372mAh/g)に近い値のものまで実用化されているが、黒鉛の理論容量を超えることは不可能である。
一方、金属珪素は理論容量が4200mAh/gと桁違いに大きいことから、黒鉛に代わり得る負極活物質として期待されるが、充放電に伴う膨張収縮により負極材が劣化し電池のサイクル寿命が短いという技術課題が存在していた。
一方、金属珪素は理論容量が4200mAh/gと桁違いに大きいことから、黒鉛に代わり得る負極活物質として期待されるが、充放電に伴う膨張収縮により負極材が劣化し電池のサイクル寿命が短いという技術課題が存在していた。
一方、放電容量を高めながら電池のサイクル特性を改善する目的で、シリコンオキシカーバイド(SiOC)セラミックスが注目されるようになっている。
SiOCセラミックスは、ケイ素含有有機物質および炭素源となる樹脂を用いて重合し、焼成することにより得られるケイ素化合物であり、大量生産可能で低コスト化が見込まれ、また、放電終了まで電圧が均一に変化するため、上記カーボン(黒鉛)系の材料と同様に電圧測定から電池の容量を直接得ることができる。
SiOCセラミックスは、ケイ素含有有機物質および炭素源となる樹脂を用いて重合し、焼成することにより得られるケイ素化合物であり、大量生産可能で低コスト化が見込まれ、また、放電終了まで電圧が均一に変化するため、上記カーボン(黒鉛)系の材料と同様に電圧測定から電池の容量を直接得ることができる。
一方、SiOCセラミックスからなる負極材は、金属珪素等からなる負極材に比較して初期効率や放電容量に劣り、特にリチウム二次電池の負極材として使用した場合に、放電電圧が3Vと高いために、十分な作動電圧を得るためには放電容量が不十分であることから、実用上十分な性能を発揮し得るものは提案されるに至っていない。
このため、金属珪素等をSiOCセラミックス等で被覆した非水電解液二次電池用負極材料が提案されてはいるものの(引用文献1(特開2004−335334号公報)参照)、引用文献1記載の負極材料からなる負極材を用いても十分な電池特性を発揮することができないばかりか、負極材料形成時におけるゲル化時間が長いため、製造コスト(リードタイムコスト)が高いという技術課題が存在していた。
このような状況下、本発明は、非水電解質二次電池用負極材料に使用したときに、優れた初期効率、放電容量およびサイクル特性(サイクル維持率)を発揮する非水電解質二次電池用負極活物質、当該非水電解質二次電池用負極活物質を簡便かつ低コストに工業的に大量生産し得る方法および上記非水電解質二次電池用負極活物質を含む非水電解質二次電池用負極材料を提供することを目的とするものである。
本発明者等が鋭意検討したところ、SiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなり、CuKα特性X線を用いたX線回折における、前記金属珪素の(111)面回折線のピーク強度をb1、前記SiCの(111)面回折線のピーク強度をb2としたときに、b1/b2で表される比が0.20〜10.00であり、30MPaで圧縮したときの密度が1.2g/cm3〜1.8g/cm3であるセラミックス複合材料からなる非水電解質二次電池用負極活物質により、上記技術課題を解決し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)SiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなり、
CuKα特性X線を用いたX線回折における、前記金属珪素の(111)面回折線のピーク強度をb1、前記SiCの(111)面回折線のピーク強度をb2としたときに、b1/b2で表される比が0.20〜10.00であり、
30MPaで圧縮したときの密度が1.2g/cm3〜1.8g/cm3である
セラミックス複合材料
からなることを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質、
(2)前記金属珪素の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50をd1とし、前記セラミックス複合材料の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50をd2としたときに、d1/d2で表される比が0.01〜0.40である上記(1)に記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(3)前記セラミックス複合材料の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50が、0.5μm〜50μmである上記(1)または(2)に記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(4)前記セラミックス複合材料の平均円形度が0.90〜1.0である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(5)前記セラミックス複合材料の窒素吸着比表面積が0.1m2/g〜50m2/gである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(6)前記セラミックス複合材料の1000回タッピングを行った際のタップ密度が0.4g/cm3〜1.3g/cm3である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(7)前記セラミックス複合材料が、さらにMn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子を1〜30質量%含む上記(1)〜(6)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(8)前記セラミックス複合材料の表面部が、中心部よりも炭素含有量が多いコアシェル構造を有する上記(1)〜(7)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(9)前記セラミックス複合材料が、表面に炭素膜を有するものである上記(1)〜(8)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(10)炭素前駆体と溶媒を混合してなる炭素前駆体溶液、珪素含有有機物および金属珪素粉末を混合した後、得られた混合液を重合処理し、さらに溶媒除去してセラミックス複合材料前駆体を得、次いで、400℃〜800℃で一次焼成し、粉砕、分級処理した後、1200℃〜1350℃で二次焼成してセラミックス複合材料を調製する
ことを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法、
(11)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質と、炭素活物質とを含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極材料
を提供するものである。
(1)SiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなり、
CuKα特性X線を用いたX線回折における、前記金属珪素の(111)面回折線のピーク強度をb1、前記SiCの(111)面回折線のピーク強度をb2としたときに、b1/b2で表される比が0.20〜10.00であり、
30MPaで圧縮したときの密度が1.2g/cm3〜1.8g/cm3である
セラミックス複合材料
からなることを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質、
(2)前記金属珪素の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50をd1とし、前記セラミックス複合材料の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50をd2としたときに、d1/d2で表される比が0.01〜0.40である上記(1)に記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(3)前記セラミックス複合材料の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50が、0.5μm〜50μmである上記(1)または(2)に記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(4)前記セラミックス複合材料の平均円形度が0.90〜1.0である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(5)前記セラミックス複合材料の窒素吸着比表面積が0.1m2/g〜50m2/gである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(6)前記セラミックス複合材料の1000回タッピングを行った際のタップ密度が0.4g/cm3〜1.3g/cm3である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(7)前記セラミックス複合材料が、さらにMn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子を1〜30質量%含む上記(1)〜(6)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(8)前記セラミックス複合材料の表面部が、中心部よりも炭素含有量が多いコアシェル構造を有する上記(1)〜(7)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(9)前記セラミックス複合材料が、表面に炭素膜を有するものである上記(1)〜(8)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質、
(10)炭素前駆体と溶媒を混合してなる炭素前駆体溶液、珪素含有有機物および金属珪素粉末を混合した後、得られた混合液を重合処理し、さらに溶媒除去してセラミックス複合材料前駆体を得、次いで、400℃〜800℃で一次焼成し、粉砕、分級処理した後、1200℃〜1350℃で二次焼成してセラミックス複合材料を調製する
ことを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法、
(11)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質と、炭素活物質とを含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極材料
を提供するものである。
本発明によれば、非水電解質二次電池用負極材料に使用したときに、優れた初期効率、放電容量およびサイクル特性(サイクル維持率)を発揮する非水電解質二次電池用負極活物質、当該非水電解質二次電池用負極活物質を簡便かつ低コストに工業的に大量生産し得る方法および上記非水電解質二次電池用負極活物質を含む非水電解質二次電池用負極材料を提供することができる。
先ず、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質について説明する。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質は、SiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなり、CuKα特性X線を用いたX線回折における、前記金属珪素の(111)面回折線のピーク強度をb1、前記SiCの(111)面回折線のピーク強度をb2としたときに、b1/b2で表される比が0.20〜10.00であり、30MPaで圧縮したときの密度が1.2g/cm3〜1.8g/cm3であるセラミックス複合材料からなることを特徴とするものである。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料は、SiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなるものである。
SiOCセラミックス中での金属珪素およびSiCの分散形態は特に制限されず、例えば、図1に模式的に示すように、SiOCセラミックスからなるマトリックス中に金属珪素(Si)およびSiCが均一分散している形態を挙げることができる。
SiOCセラミックス中での金属珪素およびSiCの分散形態は特に制限されず、例えば、図1に模式的に示すように、SiOCセラミックスからなるマトリックス中に金属珪素(Si)およびSiCが均一分散している形態を挙げることができる。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料は、SiOCセラミックスの含有割合が、30〜90質量%であるものが好ましく、 35〜85質量%であるものがより好ましく、40〜80質量%であるものがさらに好ましい。
また、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料は、金属珪素の含有割合が、1〜69質量%であるものが好ましく、3〜65質量%であるものがより好ましく、5〜60質量%であるものがさらに好ましく、5〜30質量%であるものが特に好ましい。
さらに、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料は、SiCの含有割合が、1〜40質量%であるものが好ましく、3〜35質量%であるものがより好ましく、5〜30質量%であるものがさらに好ましい。
また、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料は、金属珪素の含有割合が、1〜69質量%であるものが好ましく、3〜65質量%であるものがより好ましく、5〜60質量%であるものがさらに好ましく、5〜30質量%であるものが特に好ましい。
さらに、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料は、SiCの含有割合が、1〜40質量%であるものが好ましく、3〜35質量%であるものがより好ましく、5〜30質量%であるものがさらに好ましい。
上記セラミックス複合材料がSiOCセラミックスおよび金属珪素を上記割合で含有するものであることにより、非水電解質二次電池用負極活物質として使用したときに、優れた初期効率および放電容量を容易に達成することができる。
また、例えば有機ケイ素化合物および金属珪素を焼結して得られるSi/SiOC複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として使用した場合に、金属珪素が膨張し易くサイクル特性(サイクル維持率)を低下させ易くなるが、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質において、セラミックス複合材料がSiCを上記割合で含有するものであることにより、非水電解質二次電池用負極活物質として使用した場合に、金属珪素の膨張を抑制して優れたサイクル特性(サイクル維持率)を容易に達成することができる。
また、例えば有機ケイ素化合物および金属珪素を焼結して得られるSi/SiOC複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として使用した場合に、金属珪素が膨張し易くサイクル特性(サイクル維持率)を低下させ易くなるが、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質において、セラミックス複合材料がSiCを上記割合で含有するものであることにより、非水電解質二次電池用負極活物質として使用した場合に、金属珪素の膨張を抑制して優れたサイクル特性(サイクル維持率)を容易に達成することができる。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料において、SiOCセラミックス、金属珪素およびSiCの含有割合は、セラミックス複合材料の調製時に使用した原料量およびセラミックス複合材料のX線回折スペクトルから求めることができる。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料において、CuKα特性X線を用いたX線回折における、前記金属珪素の(111)面回折線のピーク強度をb1、前記SiCの(111)面回折線のピーク強度をb2としたときに、b1/b2で表される比が0.20〜10.00である。
上記b1/b2で表される比は、0.30〜8.00であることが好ましく、0.40〜6.00であることがより好ましい。
上記b1/b2で表される比は、0.30〜8.00であることが好ましく、0.40〜6.00であることがより好ましい。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料において、ピーク強度比b1/b2はSiCに対する金属珪素の存在割合を意味し、ピーク強度比b1/b2が上記範囲内にあることにより、金属珪素およびSiCを所望の比で含有することができ、このために、非水電解質二次電池用負極活物質として使用したときに、金属珪素の膨張収縮を抑制し、優れたサイクル維持率を達成することができるとともに、電極全体の抵抗や失活する活物質量を抑制し、負極全体の容量を容易に向上させることができる。
上記b1/b2で表される比が10.00超である場合には、セラミックス複合材料中のSiの膨張収縮を抑制し難く、サイクル維持率が低下し易くなり、上記b1/b2で表される比が0.2未満である場合には、電極全体の抵抗や失活する活物質量が増加し、負極全体の容量が低下し易くなる。
本出願書類において、CuKα特性X線を用いて測定されるX線回折スペクトルは、JIS K 0131:1996に規定される方法に準じて測定されるものを意味する。
具体的には、X線回折装置として試料水平型多目的X線回折装置((株)リガク製UltimaIV) を使用し、光源:CuKα線、発散スリット:2/3°、散乱スリット:2/3°、印加電圧:40kV、印加電流:40mA、発散制限スリット:10mm、受光スリット:0.3mmの測定条件で測定されるものを意味する。
具体的には、X線回折装置として試料水平型多目的X線回折装置((株)リガク製UltimaIV) を使用し、光源:CuKα線、発散スリット:2/3°、散乱スリット:2/3°、印加電圧:40kV、印加電流:40mA、発散制限スリット:10mm、受光スリット:0.3mmの測定条件で測定されるものを意味する。
また、本出願書類において、CuKα特性X線を用いたX線回折における、金属珪素の(111)面回折線のピーク強度b1/SiCの(111)面回折線のピーク強度b2で表される比は、具体的には以下の方法で算出されるものを意味する。
すなわち、図2に示す本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料のX線回折スペクトル例を用いて説明すると、同図に示すX線回折スペクトルは、隣接する2点間を3次スプライン関数で補間して求めたものであり、横軸がブラッグ角(2θ)、縦軸がX線回折強度(intenstiy/a.u.(arbitrary unit、任意単位))を示し、同図において「Si」で示すブラッグ角(2θ±2°)27°に観察される回折線ピークがSi結晶の(111)面回折線ピークであり、同図において「SiC」で示すブラッグ角(2θ±2°)35°に観察される回折線ピークが、SiC結晶(111)面回折線ピークと同定することができる。
そして、図2に示すX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±2°)27°に観察される金属珪素(Si結晶)の(111)面回折線ピークのベースラインからピークトップまでの高さをピーク強度b1とし、同じくブラッグ角(2θ±2°)35°に観察されるSiCの(111)面回折線ピークのベースラインからピークトップまでの高さをピーク強度b2として、両者の比b1/b2を求めることができる。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料は、30MPaで圧縮したときの密度が1.2g/cm3〜1.8g/cm3であるものであり、1.3g/cm3〜1.7g/cm3であるものが好ましく、1.4g/cm3〜1.6g/cm3であるものがより好ましい。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料の密度が上記範囲内にあることにより、一般的な炭素系活物質を使用しつつ、所望の電極密度を有する二次電池用負極電極を容易に作製することができる。
なお、本出願書類において、セラミックス複合材料の密度は、JIS Z 2058:2004に規定される内容に準じて測定した値を意味する。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料は、セラミックス複合材料中の金属珪素の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50をd1とし、セラミックス複合材料の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50をd2としたときに、d1/d2で表される比が、0.01〜0.40であるものが好ましく、0.02〜0.25であるものがより好ましく、0.03〜0.16であるものがさらに好ましい。
上記d1(金属珪素の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50)/d2(セラミックス複合材料の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50)で表される比が上述した範囲内にあることにより、セラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として使用したときに、充放電時における珪素粒子の膨張収縮の影響を抑制し、優れたサイクル特性(サイクル維持率)を容易に発揮することができる。
上記d1/d2で表される比が0.40超である場合には、金属珪素のセラミックス複合材料中に占める体積割合が大きくなり、金属珪素の膨張収縮によってセラミックス複合材料の構造が崩れ、微粉化等することによりサイクル維持率や充放電効率が低下し易くなる。
粒子径比d1/d2で表される比が0.01未満である場合には、金属珪素表面が酸化され導電性が低下し易くなるために電池特性が低下し易くなり、また、不活性ガス下でセラミックス複合材料を製造することが求められるため、生産コストの上昇を招き易くなる。
粒子径比d1/d2で表される比が0.01未満である場合には、金属珪素表面が酸化され導電性が低下し易くなるために電池特性が低下し易くなり、また、不活性ガス下でセラミックス複合材料を製造することが求められるため、生産コストの上昇を招き易くなる。
上記d1(金属珪素の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50)は、0.1〜5.0μmであることが好ましく、0.2〜4.0μmであることがより好ましく、0.3〜3.0μmであることがさらに好ましい。
また、上記d2(セラミックス複合材料の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50)は、0.5〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましく、5〜20μmであることがさらに好ましい。
また、上記d2(セラミックス複合材料の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50)は、0.5〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましく、5〜20μmであることがさらに好ましい。
d1が上記範囲内にあることにより、セラミック複合材料中における金属珪素の膨張収縮方向が均一化され、活物質全体での膨張収縮の影響が低減され、サイクル特性(サイクル維持率)が向上すると共に初期効率、容量が高いものを得ることができる。
また、d2が上記範囲内にあることにより、不可逆容量の増大や、充放電時における副反応を抑制するとともに、電極密度を向上させ易く、電極シートのプレス時におけるセラミックス複合材料粒子の破壊を抑制し微粉の発生を抑制し易くなる。
また、d2が上記範囲内にあることにより、不可逆容量の増大や、充放電時における副反応を抑制するとともに、電極密度を向上させ易く、電極シートのプレス時におけるセラミックス複合材料粒子の破壊を抑制し微粉の発生を抑制し易くなる。
なお、本出願書類において、d1およびd2は、JIS Z 8825−1:2001の規定に準じてレーザー回折式粒度分布測定装置により測定した値を意味する。
具体的には、水50mlに対し、原料として使用した金属珪素またはセラミックス複合材料を極小型スパーテル2杯分と、非イオン性界面活性剤(トリトン−X)2滴とを添加し、3分間超音波分散させたものを測定用試料とし、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所(株)製SALD2000)を使用して測定した値を意味する。
具体的には、水50mlに対し、原料として使用した金属珪素またはセラミックス複合材料を極小型スパーテル2杯分と、非イオン性界面活性剤(トリトン−X)2滴とを添加し、3分間超音波分散させたものを測定用試料とし、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所(株)製SALD2000)を使用して測定した値を意味する。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料は、平均円形度が、0.90〜1.0であるものが好ましく、0.91〜1.00であるものがより好ましく、0.92〜1.00であるものがさらに好ましい。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料の平均円形度が上記範囲内にあることにより、エッジ部の多いセラミックス複合材料粒子の増加を抑制し、セラミックス複合材料粒子同士の相互作用を抑制して、充填密度や電極密度を容易に向上させることができる。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料の平均円形度が上記範囲内にあることにより、エッジ部の多いセラミックス複合材料粒子の増加を抑制し、セラミックス複合材料粒子同士の相互作用を抑制して、充填密度や電極密度を容易に向上させることができる。
なお、本出願書類において、セラミックス複合材料の平均円形度は、セラミックス複合材料20mgに対し、1%界面活性剤(株式会社ライオン製ママレモン)水溶液を10滴添加しよく馴染ませたのち、精製水20gを加え、1分間超音波分散させたものを測定用試料とし、フロー式粒子像分析装置(シスメックス(株)製:型式FPIA−3000)を使用してセラミックス複合材料粒子の投影像の周囲長を測定し、当該投影像と同じ面積を持つ円の周囲長(円相当径)を求めた上で、下記式
円形度=円相当径/粒子の投影像の周囲長
によりセラミックス複合材料粒子20000〜30000個分の円形度を求めたときの算術平均値を意味する。
円形度=円相当径/粒子の投影像の周囲長
によりセラミックス複合材料粒子20000〜30000個分の円形度を求めたときの算術平均値を意味する。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料は、窒素吸着比表面積が、0.1m2/g〜50m2/gであるものが好ましく、0.5m2/g〜45m2/gであるものがより好ましく、1m2/g〜40m2/gであるものがさらに好ましい。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料において、窒素吸着比表面積が50m2/gを超えると相当量のバインダーを添加する必要が生じ、単位電極体積中において活物質であるセラミックス複合材料量が少なくなることから電池容量が低下し易くなる。
また、窒素吸着比表面積が50m2/gを超えると、セラミックス複合材料粒子の表面活性が高くなり、電解液の分解等によって、クーロン効率が低下し易くなる。
窒素吸着比表面積が0.1m2/g未満であると、充放電反応時における反応表面積が減少するため、充放電時の反応抵抗が増大し、入出力特性ならびに電池容量が低下し易くなる。
また、窒素吸着比表面積が50m2/gを超えると、セラミックス複合材料粒子の表面活性が高くなり、電解液の分解等によって、クーロン効率が低下し易くなる。
窒素吸着比表面積が0.1m2/g未満であると、充放電反応時における反応表面積が減少するため、充放電時の反応抵抗が増大し、入出力特性ならびに電池容量が低下し易くなる。
なお、本出願書類において、セラミックス複合材料の窒素吸着比表面積は、JIS Z 8830の規定に準じて測定した値を意味し、具体的には、(株)島津製作所製全自動表面積測定装置 ジェミニVを用い、窒素吸着等温線における、相対圧0.05〜0.2の範囲の6点におけるBET多点法により算出した値を意味する。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料は、1000回タッピングを行った際のタップ密度が、0.40g/cm3〜1.30g/cm3であるものが好ましく、0.45g/cm3〜1.00g/cm3であるものがより好ましく、0.50g/cm3〜0.80g/cm3であるものがさらに好ましい。
タップ密度が0.4g/cm3 未満になると電極シート作製時にセラミックス複合材料同士が凝集し易くなり、均一混合し難くなるばかりか、電極の極板密度が下がる為、エネルギー密度が低下し易くなる。
タップ密度が1.3g/cm3超になると、混合粉の圧縮時における密度が低下し易く、電極シートのプレス時に電極密度が上がり難くなり、導電パスが解離し易くなりエネルギー密度が低下し易くなる。
タップ密度が1.3g/cm3超になると、混合粉の圧縮時における密度が低下し易く、電極シートのプレス時に電極密度が上がり難くなり、導電パスが解離し易くなりエネルギー密度が低下し易くなる。
なお、本出願書類において、セラミックス複合材料のタップ密度は、JIS Z 2512:2012に準じて測定した値を意味する。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料は、さらにMn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子を1〜30質量%含むことが望ましく、Mn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子を2〜25質量%含むことがより望ましく、3〜20質量%含むことがさらに望ましい。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料がMn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子を上記割合で含むことにより、非水電解質二次電池用負極活物質として使用したときに、優れた導電性を容易に発揮するとともに、電極の充放電容量の低下を容易に抑制することができる。
Mn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子の含有割合が1質量%未満である場合は添加効果が少なく、30質量%超である場合は電池容量が低下し易くなる。
Mn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子の含有割合が1質量%未満である場合は添加効果が少なく、30質量%超である場合は電池容量が低下し易くなる。
本出願書類において、上記Mn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子の含有割合は、発光分光分析法(ICP−AES)により測定した値を意味する。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料は、当該セラミックス複合材料の表面部が、中心部よりも炭素含有量が多いコアシェル構造をとるものであることが好ましい。
本出願書類において、セラミックス複合材料の表面部(シェル部)は、平均厚さが10〜500nmであることが好ましく、2〜400nmであることがより好ましく、3〜300nmであることがさらに好ましい。
セラミックス複合材料の表面部(シェル部)が、中心部(コア部)よりも炭素含有量が多いものである場合、セラミックス複合材料の表面部(シェル部)は、中心部(コア部)よりも10質量%炭素含有量が多いことが好ましく、中心部(コア部)よりも20質量%炭素含有量が多いことがより好ましく、中心部(コア部)よりも30質量%炭素含有量が多いことがさらに好ましい。
セラミックス複合材料の表面部が、中心部よりも炭素含有量が多いものであることにより、セラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として利用したときに、電解液の分解を抑制することができるとともに、内部抵抗の損失を低減することができ、この結果、サイクル維持率および出入力特性を容易に向上させることができる。
セラミックス複合材料の表面部が、中心部よりも炭素含有量が多いものであることにより、セラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として利用したときに、電解液の分解を抑制することができるとともに、内部抵抗の損失を低減することができ、この結果、サイクル維持率および出入力特性を容易に向上させることができる。
セラミックス複合材料の表面部(シェル部)が、中心部(コア部)よりも炭素含有量が多いとは、セラミックス複合材料の表面部(シェル部)が、中心部(コア部)よりもSiOCセラミックスおよびSiCの合計含有量が多いことを意味する。
この場合、セラミックス複合材料の表面部(シェル部)は、金属珪素を0.1〜50質量%含むものが望ましく、0.5〜45質量%含むものがより望ましく、1〜40質量%含むものがさらに好ましい。
セラミックス複合材料の表面部(シェル部)における金属珪素の含有割合が0.1質量%未満である場合には、セラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として利用したときに、放電容量が低下し易くなり、セラミックス複合材料の表面部における金属珪素の含有割合が50質量%超である場合には、セラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として利用したときに、サイクル特性(サイクル維持率)が低下し易くなる。
この場合、セラミックス複合材料の表面部(シェル部)は、金属珪素を0.1〜50質量%含むものが望ましく、0.5〜45質量%含むものがより望ましく、1〜40質量%含むものがさらに好ましい。
セラミックス複合材料の表面部(シェル部)における金属珪素の含有割合が0.1質量%未満である場合には、セラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として利用したときに、放電容量が低下し易くなり、セラミックス複合材料の表面部における金属珪素の含有割合が50質量%超である場合には、セラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として利用したときに、サイクル特性(サイクル維持率)が低下し易くなる。
セラミックス複合材料の中心部が、表面部よりも珪素含有量が多いものである場合、表面部および中心部の組成は、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)により測定することができる。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を構成するセラミックス複合材料は、外表面にさらに炭素膜が形成されたものであることが好ましい。
本出願書類において、炭素膜とは、炭素原子の質量割合が、好ましくは1〜100質量%、より好ましくは5〜99質量%、さらに好ましくは10〜98質量%である層状のものを意味する。
上記炭素膜は、SiOCセラミックスを含む物であってもよい。この場合、炭素膜は、Si原子の原子比が、10〜50%であるものが好ましく、12〜45%であるものがより好ましく、15〜40%であるものがさらに好ましい。上記Si原子の含有割合が50%を超えると、本発明の多孔質SiOCセラミックス複合材料を非水電解質二次電池の負極活物質として使用したときに、サイクル特性(サイクル維持率)が低下し易くなる。
シリコンオキシカーバイドセラミックスを含む炭素被膜は、O原子の原子比含有割合が、10〜50atm%であるものが好ましく、12〜45atm%であるものがより好ましく、15〜40atm%がさらに好ましい。
なお、本出願書類において、上記Si原子、O原子、炭素原子の原子比は、Solid state ionics,225 (2012)p.522-526記載の方法により特定される値を意味し、具体的には、カーボンアナライザー(LECO社、C−200)およびN/Oアナライザー(LECO社、TC−436)により、炭素原子および酸素原子量を同定し、残量をSi原子とすることにより算出した値を意味する。
上記炭素膜は、SiOCセラミックスを含む物であってもよい。この場合、炭素膜は、Si原子の原子比が、10〜50%であるものが好ましく、12〜45%であるものがより好ましく、15〜40%であるものがさらに好ましい。上記Si原子の含有割合が50%を超えると、本発明の多孔質SiOCセラミックス複合材料を非水電解質二次電池の負極活物質として使用したときに、サイクル特性(サイクル維持率)が低下し易くなる。
シリコンオキシカーバイドセラミックスを含む炭素被膜は、O原子の原子比含有割合が、10〜50atm%であるものが好ましく、12〜45atm%であるものがより好ましく、15〜40atm%がさらに好ましい。
なお、本出願書類において、上記Si原子、O原子、炭素原子の原子比は、Solid state ionics,225 (2012)p.522-526記載の方法により特定される値を意味し、具体的には、カーボンアナライザー(LECO社、C−200)およびN/Oアナライザー(LECO社、TC−436)により、炭素原子および酸素原子量を同定し、残量をSi原子とすることにより算出した値を意味する。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質において、セラミックス複合材料が、外表面にさらに炭素膜が形成されたものである場合、炭素膜の平均厚さは、10〜500nmが好ましく、2〜400nmがより好ましく、3〜300nmがさらに好ましい。
上記炭素膜の平均厚さは、本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)画像解析により測定することができる。
上記炭素膜の平均厚さは、本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)画像解析により測定することができる。
セラミックス複合材料が、外表面にさらに炭素膜が形成されたものであることにより、セラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として利用したときに、電解液の分解を抑制することができるとともに、内部抵抗の損失を低減することができ、この結果、サイクル維持率および出入力特性を容易に向上させることができる。
本発明によれば、非水電解質二次電池用負極材料に使用したときに、優れた初期効率、放電容量およびサイクル特性(サイクル維持率)を発揮する非水電解質二次電池用負極活物質を提供することができる。
次に、本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法について説明する。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法は、炭素前駆体と溶媒を混合してなる炭素前駆体溶液、珪素含有有機物および金属珪素粉末を混合した後、得られた混合液を重合し、さらに溶媒除去してセラミックス複合材料前駆体を得、次いで、400℃〜800℃で一次焼成し、粉砕、分級した後、1200℃〜1350℃で二次焼成してセラミックス複合材料を調製することを特徴とするものである。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法は、炭素前駆体と溶媒を混合してなる炭素前駆体溶液、珪素含有有機物および金属珪素粉末を混合した後、得られた混合液を重合し、さらに溶媒除去してセラミックス複合材料前駆体を得、次いで、400℃〜800℃で一次焼成し、粉砕、分級した後、1200℃〜1350℃で二次焼成してセラミックス複合材料を調製することを特徴とするものである。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、セラミックス複合材料の原料となる炭素前駆体としては、OH基を有する樹脂等を挙げることができ、OH基を有する樹脂としては、二以上のOH基を有する樹脂であることが好ましく、二以上のOH基を有する樹脂としては、レゾール型フェノール樹脂またはノボラック型フェノール樹脂等のフェノール樹脂や、フラン樹脂から選ばれる一種以上であることがより好ましい。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、炭素含有化合物がOH基を有する樹脂である場合、その質量平均分子量Mwは200〜20000であることが好ましく、500〜15000であることがより好ましく、1000〜3000であることがさらに好ましい。
上記質量平均分子量Mwが200未満である場合、樹脂同士の脱水縮合により生成した水により重合体がシリカ化するため、得られるセラミックスを非水電解質二次電池用負極活物質として使用したときに、負極材の放電容量が低下し易くなる。上記質量平均分子量Mwが20000を超える場合、溶媒に溶け難くなり、珪素含有有機物との重合反応を行い難くなる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、炭素前駆体を分散させる溶媒としては、炭素前駆体を分散し得るものであれば特に制限されず、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド 、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の極性溶媒、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のジオール類、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のソロセルブ類等から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
所望量の上記炭素前駆体に対し、当該炭素前駆体を溶解し得る量の溶媒を混合することにより、炭素前駆体溶液を調製することができる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、珪素含有有機物としては、シロキサン(主骨格として−O−Si−O−構造を有するケイ素含有有機化合物)を挙げることができ、主骨格として−O−Si−O−構造を有するケイ素含有有機化合物としては、二以上のアルコキシ基を有し主骨格が−O−Si−O−構造からなるアルコキシシラン化合物が好ましく、二以上のアルコキシ基を有し主骨格が−O−Si−O−構造からなるアルコキシシラン化合物としては、テトラアルコキシシランのモノマーまたはオリゴマーが好ましく、テトラメトキシシランモノマー、テトラエトキシシランモノマー、テトラメトキシシランオリゴマー、テトラエトキシシランオリゴマーから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
本発明の多孔質SiOCセラミックスの製造方法において、珪素含有有機物としては、SiO2換算量が28質量%以上であるものが好ましく、SiO2換算量が30質量%以上であるものがより好ましく、SiO2換算量が35質量%以上であるものがさらに好ましい。
本発明の多孔質SiOCセラミックスの製造方法において、珪素含有有機物としては、SiO2換算量が28質量%以上であるものが好ましく、SiO2換算量が30質量%以上であるものがより好ましく、SiO2換算量が35質量%以上であるものがさらに好ましい。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、金属珪素としては、粒子径が、1nm〜3μmであるものが好ましく、10nm〜2μmであるものがより好ましく、100nm〜1μmであるものがさらに好ましい。
金属珪素の粒子径が3μmを超える場合、SiOC構造中に珪素粒子が形成されず、得られるセラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として使用したときに、充放電における膨張収縮の電極に対する影響が大きくなり、サイクル特性が低下し易くなる。また、金属珪素の粒子径が1nmを下回る場合、粉砕コストが高くなり、また粒子表面が酸化され易いために、得られるセラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として使用したときに、特性低下が起こり易い。
金属珪素の粒子径は、非水溶媒を用いてボールミル中で粉砕するなどの粉砕処理および遠心分離やろ過などの分級処理を行うことにより調整することができる。
金属珪素の粒子径が3μmを超える場合、SiOC構造中に珪素粒子が形成されず、得られるセラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として使用したときに、充放電における膨張収縮の電極に対する影響が大きくなり、サイクル特性が低下し易くなる。また、金属珪素の粒子径が1nmを下回る場合、粉砕コストが高くなり、また粒子表面が酸化され易いために、得られるセラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として使用したときに、特性低下が起こり易い。
金属珪素の粒子径は、非水溶媒を用いてボールミル中で粉砕するなどの粉砕処理および遠心分離やろ過などの分級処理を行うことにより調整することができる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法においては、上記炭素前駆体溶液と珪素含有有機物および金属珪素粉末を混合する。
上記混合処理は、固形分換算で、珪素含有有機物100質量部に対し、炭素前駆体が、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは12〜75質量部、さらに好ましくは15〜50質量部となるように行うことが望ましい。
炭素前駆体の含有量が、珪素含有有機物100質量部に対し10質量部未満である場合、焼成後の導電性が低下してしまい、カーボンコート等の後処理が必要であり、珪素含有有機物100質量部に対し50質量部超である場合、低容量となるため負極材として使用し難くなる。
また、上記混合処理は、固形分換算で、珪素含有有機物および炭素前駆体の合計量を100質量部としたときに、金属珪素が、好ましくは1〜60質量部、より好ましくは5〜55質量部、さらに好ましくは10〜50質量部となるように混合することが望ましい。
珪素含有有機物および炭素前駆体の合計量を100質量部としたときの金属珪素の混合量が1質量部未満である場合、セラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として使用したときに、放電容量が低下し易くなり、珪素含有有機物および炭素前駆体の合計量を100質量部としたときの金属珪素の混合量が60質量部超である場合、セラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として使用したときに、サイクル維持率が低下し易くなる。
炭素前駆体の含有量が、珪素含有有機物100質量部に対し10質量部未満である場合、焼成後の導電性が低下してしまい、カーボンコート等の後処理が必要であり、珪素含有有機物100質量部に対し50質量部超である場合、低容量となるため負極材として使用し難くなる。
また、上記混合処理は、固形分換算で、珪素含有有機物および炭素前駆体の合計量を100質量部としたときに、金属珪素が、好ましくは1〜60質量部、より好ましくは5〜55質量部、さらに好ましくは10〜50質量部となるように混合することが望ましい。
珪素含有有機物および炭素前駆体の合計量を100質量部としたときの金属珪素の混合量が1質量部未満である場合、セラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として使用したときに、放電容量が低下し易くなり、珪素含有有機物および炭素前駆体の合計量を100質量部としたときの金属珪素の混合量が60質量部超である場合、セラミックス複合材料を非水電解質二次電池用負極活物質として使用したときに、サイクル維持率が低下し易くなる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、上記炭素前駆体溶液、珪素含有有機物および金属珪素粉末の混合は、せん断速度が、1/秒以上となるように行うことが好ましく、10/秒〜300,000/秒となるように行うことがより好ましい。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、上記炭素前駆体溶液、珪素含有有機物および金属珪素粉末の混合および後述する重合処理は、不活性雰囲気下で行うことが望ましい。
不活性雰囲気としては、窒素雰囲気やアルゴン雰囲気等の希ガス雰囲気等を挙げることができる。
雰囲気中に特に水分が存在すると、シリカ化が進行するために得られるセラミックス複合材料の特性が低下し易くなる。
不活性雰囲気としては、窒素雰囲気やアルゴン雰囲気等の希ガス雰囲気等を挙げることができる。
雰囲気中に特に水分が存在すると、シリカ化が進行するために得られるセラミックス複合材料の特性が低下し易くなる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、上記炭素前駆体溶液と珪素含有有機物および金属珪素粉末とを混合して得られた混合液を重合処理する。
上記重合処理時の温度は、0℃〜300℃が好ましく、10℃〜300℃がより好ましく、20℃〜300℃がさらに好ましい。
重合処理温度が0℃未満である場合には、重合速度が低下し易く、歩留りが低下し易くなる。
重合処理温度が0℃未満である場合には、重合速度が低下し易く、歩留りが低下し易くなる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、重合時間は1〜240時間が好ましく、2〜220時間がより好ましく、3〜200時間がさらに好ましい。重合時間が1時間以下では歩留まりが低くなり易く、240時間以上では製造コストが高くなる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法においては、上記重合処理終了後、混合液の溶媒除去を行ってセラミックス複合材料前駆体を得る。
溶媒除去は、真空下もしくは不活性雰囲気で行うことが望ましい。溶媒除去温度は30℃〜300℃が望ましく、50℃〜300℃がより望ましく、7℃〜300℃がさらに望ましい。溶媒除去温度が30℃未満であると溶媒を除去するのに長時間必要となるため、製造効率が低下し易くなる。
溶媒除去は、真空下もしくは不活性雰囲気で行うことが望ましい。溶媒除去温度は30℃〜300℃が望ましく、50℃〜300℃がより望ましく、7℃〜300℃がさらに望ましい。溶媒除去温度が30℃未満であると溶媒を除去するのに長時間必要となるため、製造効率が低下し易くなる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法においては、混合液の溶媒除去を行って得られたセラミックス複合材料前駆体を、次工程の焼成工程に先立って平均粒子径100μm以下まで粉砕することが好ましい。
粉砕時に使用する粉砕機としては、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル、ベベルインパクター、ターボミル、ナイフハンマーミル、ロータリーカッターミル、ロールクラッシャー等の公知の機械的粉砕装置が使用できる。また、さらに風力式、機械式等の分級機を用いて分級処理を行ってもよい。
粉砕時に使用する粉砕機としては、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル、ベベルインパクター、ターボミル、ナイフハンマーミル、ロータリーカッターミル、ロールクラッシャー等の公知の機械的粉砕装置が使用できる。また、さらに風力式、機械式等の分級機を用いて分級処理を行ってもよい。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法においては、上記炭素前駆体溶液と珪素含有有機物および金属珪素粉末とを混合して得られた混合液を、上記温度下に重合処理することにより、炭素前駆体および珪素含有有機物を容易に均一重合することができ、その結果、歩留まりの高い重合物(セラミックス複合材料前駆体)を得ることができるとともに、さらに後述する焼成処理を行うことにより充電容量の高い焼成物を得ることができる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法においては、上記セラミックス複合材料前駆体を400℃〜800℃で一次焼成する。
上記一次焼成は、400℃〜800℃の温度条件下で行うことが好ましく、450℃〜750℃の温度条件下で行うことがより好ましく、400℃〜700℃の温度条件下で行うことがさらに好ましい。
一次焼成を上記温度範囲内で行うことにより、セラミックス複合材料前駆体を適度な硬さとすることができ、後述する粉砕時における歩留りを向上させることができる。
一次焼成を上記温度範囲内で行うことにより、セラミックス複合材料前駆体を適度な硬さとすることができ、後述する粉砕時における歩留りを向上させることができる。
一次焼成を行う際の焼成時間は、1分間〜48時間が好ましく、2分間〜20時間がより好ましく、3分間〜15時間がさらに好ましい。
一次焼成を行う際の雰囲気は不活性雰囲気または真空雰囲気であることが好ましく、不活性雰囲気としては、窒素雰囲気やアルゴン雰囲気等の希ガス雰囲気等を挙げることができる。
上記一次焼成は、トンネル炉、電気(電熱ヒーター)炉、誘導加熱炉、電磁波加熱炉、電気炉・電磁波ハイブリッド炉等の公知の焼成炉を用いて行うことができる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法においては、上記一次焼成処理して得られた一次焼成物を粉砕し、分級処理する。
上記一次焼成物の粉砕処理は、公知の粉砕機を用いて行うことができ、粉砕機としては、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル、ベベルインパクター、ターボミル、ナイフハンマーミル、ロータリーカッターミル、ロールクラッシャー等を挙げることができる。
本発明の製造方法においては、上記粉砕機を複数組み合わせて粉砕処理を行ってもよい。
粉砕条件は、所望特性等を有する粉末が得られるように適宜調整すればよい。
本発明の製造方法においては、上記粉砕機を複数組み合わせて粉砕処理を行ってもよい。
粉砕条件は、所望特性等を有する粉末が得られるように適宜調整すればよい。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法においては、上記粉砕処理して得られた粉砕物を、分級処理する。
分級装置としては、ローター式分級機、振動ふるい、気流式分級機等を挙げることができる。
分級装置としては、ローター式分級機、振動ふるい、気流式分級機等を挙げることができる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法においては、上記粉砕、分級処理をせん断、圧縮、衝突の応力を同時にかけることができる形状加工装置により行うこともでき、当該形状加工装置としては、例えば回転式のボールミルなどのボール型混練機、エッジランナーなどのホイール型混練機、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン(株)社製)、COMPOSI(日本コークス工業社製)などを挙げることができる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、上記粉砕処、分級処理は、得られる粉砕処、分級物において、上述したセラミックス複合材料の平均円形度の測定方法と同様の方法で測定される平均円形度が、0.90〜1.0になるように処理することが好ましく、0.91〜1.0になるように処理することがより好ましく、0.92〜1.0になるように処理することがさらに好ましい。
得ようとするセラミックス複合材料が、さらにMn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子を1〜30質量%含むものである場合、上記粉砕後、分級処理して得られる分級処理物に上記Mn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子を混合した後、後述する二次焼成を施すことにより調製することができる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、上記粉砕処、分級処理して得られる粉砕処、分級物は、次いで、1200℃〜1350℃で二次焼成処理される。
上記二次焼成時における焼成温度は、1200℃〜1350℃であり、1200℃〜1300℃が好ましく、1250℃〜1300℃であることがより好ましい。
二次焼成時における焼成温度が上記範囲内にあることにより、非水電解質二次電池用負極材料に使用したときに、優れた初期効率、および放電容量を発揮することができる。
二次焼成時における焼成温度が上記範囲内にあることにより、非水電解質二次電池用負極材料に使用したときに、優れた初期効率、および放電容量を発揮することができる。
二次焼成を行う際の焼成時間は、1分間〜48時間が好ましく、2分間〜20時間がより好ましく、3分間〜15時間がさらに好ましい。
二次焼成を行う際の雰囲気は不活性雰囲気または真空雰囲気であることが好ましく、不活性雰囲気としては、窒素雰囲気やアルゴン雰囲気等の希ガス雰囲気等を挙げることができる。また、不活性雰囲気中には、水素ガス等の還元性ガスが含まれていてもよい。
二次焼成は、トンネル炉、電気(電熱ヒーター)炉、誘導加熱炉、電磁波加熱炉、電気炉・電磁波ハイブリッド炉等の公知の焼成炉を用いて行うことができる。
上記二次焼成処理によって、SiOCセラミックスの一部がSiC化する。SiCの生成量は、二次焼成時における焼成温度、焼成時間等を調整することにより制御することができる。
このようにSiOCセラミックスの一部をSiC化し、セラミックス複合材料中に分散形成することにより、上述したように、非水電解質二次電池用負極活物質として使用した場合に、金属珪素の膨張を抑制して優れたサイクル特性(サイクル維持率)を容易に達成することができる。
このようにSiOCセラミックスの一部をSiC化し、セラミックス複合材料中に分散形成することにより、上述したように、非水電解質二次電池用負極活物質として使用した場合に、金属珪素の膨張を抑制して優れたサイクル特性(サイクル維持率)を容易に達成することができる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、得ようとするセラミックス複合材料の表面部(シェル部)が、中心部(コア部)よりも炭素含有量が多いコアシェル構造を有するものである場合、上記一次焼成処理して得られた一次焼成処理物や、一次焼成処理物を粉砕、分級処理して得られた粉砕、分級処理物に対し、一次焼成処理物や粉砕、分級処理物よりも炭素含有量が多くなるように配合した炭素前駆体、金属珪素および珪素含有有機物含有物を含有する被覆剤を被覆した後に、二次焼成処理を行う。
上記被覆剤を構成する炭素前駆体や珪素含有有機物としては、上述したものと同様のものを挙げることができる。
上記被覆剤の組成は、得ようとする表面部の組成に対応するように決定すればよく、また、上記被覆剤の被覆量は、得ようとする表面部の厚さに対応するように適宜決定すればよい。
上記被覆剤の組成は、得ようとする表面部の組成に対応するように決定すればよく、また、上記被覆剤の被覆量は、得ようとする表面部の厚さに対応するように適宜決定すればよい。
一次焼成処理物や粉砕、分級処理物に対する上記被覆剤の被覆は、一次焼成処理物や粉砕、分級処理物に対し、上記被覆剤を溶融混合することにより行うことができる。
上記溶融混合は、混合対象を加熱可能な公知の混合機により行うことができる。
溶融混合を行う混合機としては、内部に撹拌軸を有し該攪拌軸に攪拌翼を取り付けて混合を行うミキサーが好ましく、具体的には、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製)、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、レディゲミキサー((株)マツボー製)等を挙げることができる。また、溶融混合を行う混合機としては、ニーダーや万能混合機を挙げることもできる。
溶融混合時における処理温度は、被覆剤を構成する炭素前駆体バインダーの溶融温度以上炭化温度未満の温度であることが好ましく、具体的には、80℃〜180℃であることが好ましく、100℃〜160℃であることがより好ましい。
また、溶融混合時間は、1分間〜20分間が好ましく、1分間〜15分間がより好ましく、1分間〜10分間がさらに好ましい。
上記溶融混合は、混合対象を加熱可能な公知の混合機により行うことができる。
溶融混合を行う混合機としては、内部に撹拌軸を有し該攪拌軸に攪拌翼を取り付けて混合を行うミキサーが好ましく、具体的には、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製)、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、レディゲミキサー((株)マツボー製)等を挙げることができる。また、溶融混合を行う混合機としては、ニーダーや万能混合機を挙げることもできる。
溶融混合時における処理温度は、被覆剤を構成する炭素前駆体バインダーの溶融温度以上炭化温度未満の温度であることが好ましく、具体的には、80℃〜180℃であることが好ましく、100℃〜160℃であることがより好ましい。
また、溶融混合時間は、1分間〜20分間が好ましく、1分間〜15分間がより好ましく、1分間〜10分間がさらに好ましい。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、得ようとするセラミックス複合材料が、表面に炭素膜を有するものである場合、上記粉砕後、分級処理して得られる分級処理物の表面に樹脂層等の炭素質層を形成し、次いで二次焼成処理を行ったり、二次焼成処理して得られた二次焼成処理物に対し、さらに炭素膜の形成処理を行うことにより目的とする炭素膜を形成することができる。
炭素膜の形成方法としては、例えば、二次焼成物に対し、ピッチ等の有機物を混合する方法や、メタン等の有機化合物ガスを熱CVD処理する方法等を挙げることができる。
二次焼成物に対し、ピッチ等の有機物を混合する場合、上記有機物としては、コールタール、コールタールピッチ、石油系ピッチ、フリュードクラッキングボトムオイル(FCC−DO)、エチレンボトムオイル(EHC)等の、石油系、石炭系または合成系のピッチやタール類から選ばれる一種以上を挙げることができ、また、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリ(α−ハロゲン化アクリロニトリル)等のアクリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂や、糖類等から選ばれる一種以上を挙げることができる。上記有機物としては、ピッチまたはフェノール樹脂がコスト上または電池特性上好適に使用することができる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法において、得ようとするセラミックス複合材料が、さらにMn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子を1〜30質量%含むものである場合や、SiOCセラミックスを含むものである場合、上記有機物にさらにMn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子やSiOCセラミックスの形成原料として上述したものと同様のものを予め所望量混合した有機混合物を使用することが好ましい。
得ようとするセラミックス複合材料が、さらにMn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子を1〜30質量%含むものである場合、Mn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子を、二次焼成物100質量部に対して、2〜60質量部混合することが好ましく、5〜40質量部混合することがより好ましく、5〜20質量部混合することがさらに好ましい。
得ようとするセラミックス複合材料が、さらにMn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子を1〜30質量%含むものである場合、Mn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子を、二次焼成物100質量部に対して、2〜60質量部混合することが好ましく、5〜40質量部混合することがより好ましく、5〜20質量部混合することがさらに好ましい。
二次焼成物に対し、ピッチ等の有機物または有機混合物を混合する場合、混合処理は、加熱処理可能な公知の混合機により行うことが好ましく、このような混合機としては、内部に撹拌軸を有し該攪拌軸に攪拌翼を取り付けて混合を行うミキサーを挙げることができ、具体的には、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製)、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、レディゲミキサー((株)マツボー製)、ニーダー、万能混合機等を挙げることができる。
上記混合処理は、剪断速度が、1〜20000(1/秒)になるように行うことが好ましく、2〜17500(1/秒)になるように行うことがより好ましく、3〜15000(1/秒)になるように行うことがさらに好ましい。
上記混合処理は、加熱条件下または非加熱条件下で行うことができ、混合処理温度は、0℃〜200℃が好ましく、10℃〜200℃がより好ましく、20℃〜200℃がさらに好ましい。また、混合時間は0.01時間〜240時間が望ましく、0.05時間〜220時間がより望ましく、0.1時間〜200時間がさらに望ましい。
上記混合処理は、不活性雰囲気下で行うが好ましく、不活性雰囲気としては、窒素雰囲気やアルゴン雰囲気等の希ガス雰囲気等を挙げることができる。
上記混合処理は、不活性雰囲気下で行うが好ましく、不活性雰囲気としては、窒素雰囲気やアルゴン雰囲気等の希ガス雰囲気等を挙げることができる。
二次焼成物に対し、上記有機物または有機混合物を混合することにより、二次粒子表面に有機物または有機混合物からなる被覆層が形成され、加熱条件下または非加熱条件下で混合することにより、上記有機物または有機混合物が重合して好適に被覆膜を形成することができる。上記混合温度が0℃未満である場合、有機物または有機混合物の重合速度が低下し易くなる。
二次焼成物に対し、メタン等の有機化合物ガスを熱CVD処理する場合、有機化合物ガスとしては、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、ブタン、ブテン、ペンタン、イソブタン、ヘキサン等の炭化水素の単独もしくは混合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、ジフェニルメタン、ナフタレン、フェノール、クレゾール、ニトロベンゼン、クロルベンゼン、インデン、クマロン、ピリジン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素もしくはこれ等のいずれかの混合物から選ばれる一種以上が挙げられる。また、タール蒸留工程で得られるガス軽油、クレオソート油、アントラセン油、ナフサ分解タール油もしくはこれ等のいずれかの混合物から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記有機化合物ガスとしては、メタンまたはプロパンがコスト上または電池特性上好適に使用することができる。
上記有機化合物ガスとしては、メタンまたはプロパンがコスト上または電池特性上好適に使用することができる。
なお、上記熱CVD(熱化学蒸着処理)処理を行う反応装置としては、非酸化性雰囲気において加熱機構を有する反応装置が好ましく、さらに連続法、回分法での処理が可能なものがより好ましく、具体的には、流動層反応炉、回転炉、竪型移動層反応炉、トンネル炉、バッチ炉、ロータリーキルン等からその目的に応じ適宜選択することができる。また、熱CVD処理時の雰囲気は、有機化合物ガスのみであってもよいが、Ar 、He、H2、N2等の非酸化性ガス雰囲気下で処理することが好ましい。
本発明の製造方法で得られる非水電解質二次電池用負極活物質の詳細は、上述したとおりである。
本発明によれば、非水電解質二次電池用負極材料に使用したときに、優れた初期効率、放電容量およびサイクル特性(サイクル維持率)を発揮する非水電解質二次電池用負極活物質を簡便かつ低コストに工業的に大量生産し得る方法を提供することができる。
次に、本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料について説明する。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料は、本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質と、炭素活物質とを含むことを特徴とするものである。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料は、本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質と、炭素活物質とを含むことを特徴とするものである。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料において、炭素活物質としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類、カーボンナノチューブ、カーボンファイバ、膨張黒鉛、人造黒鉛、天然黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の導電性黒鉛材料から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明に係る非水電解質負極材料は、本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質または本発明に係る製造方法で得られた非水電解質二次電池用負極活物質を、1〜30質量%含むものが好ましく、2〜25質量%含むものがより好ましく、3〜20質量%含むものがさらに好ましい。
また、本発明に係る非水電解質負極材量は、炭素活物質を、70〜99質量%含むものが望ましく、75〜98質量%含むものがより望ましく、80〜97質量%含むものがさらに望ましい。炭素活物質の含有割合が70質量%未満である場合は添加効果が少なく、99%質量%超では電池容量が低下してしまう。
また、本発明に係る非水電解質負極材量は、炭素活物質を、70〜99質量%含むものが望ましく、75〜98質量%含むものがより望ましく、80〜97質量%含むものがさらに望ましい。炭素活物質の含有割合が70質量%未満である場合は添加効果が少なく、99%質量%超では電池容量が低下してしまう。
本発明によれば、優れた初期効率、放電容量およびサイクル特性(サイクル維持率)を発揮する非水電解質二次電池用負極材料を提供することができる。
次に、本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料の実施態様について説明する。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料を用いた非水電解質二次電池用負極電極としては、例えば、負極集電体上に本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料と、バインダーとを含む膜が形成されてなるものを挙げることができる。
本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料を用いた非水電解質二次電池用負極電極としては、例えば、負極集電体上に本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料と、バインダーとを含む膜が形成されてなるものを挙げることができる。
上記バインダーとしては、特に制限されないが、フッ素系樹脂(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂等を例示することができる。
バインダーの使用量は、特に制限されるものではなく、非水電解質二次電池用負極活物質100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。
バインダーの使用量が前記範囲を外れると、例えば、集電体表面上へのセラミックス複合材料等の密着強度が不十分になり、また、電極内部抵抗が上昇する原因となる絶縁層が形成される場合がある。
バインダーの使用量は、特に制限されるものではなく、非水電解質二次電池用負極活物質100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。
バインダーの使用量が前記範囲を外れると、例えば、集電体表面上へのセラミックス複合材料等の密着強度が不十分になり、また、電極内部抵抗が上昇する原因となる絶縁層が形成される場合がある。
負極集電体上に形成される本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料とバインダーとを含む膜は、任意の添加剤を含有するものであってもよい。
上記添加剤としては、例えば、導電助剤や黒鉛等の負極活物質を挙げることができる。
上記導電助剤としては、カーボンブラック(ケッチェンブラック、アセチレンブラック等)、炭素繊維、カーボンナノチューブ、天然黒鉛(鱗片状、鱗状、板状もしくは塊状のもの)、人造黒鉛(石油コークス、石炭ピッチコークス、石油ニードルコークスまたはメソフェーズピッチを原料とするもの)等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
導電助剤の使用割合は特に制限されないが、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質100質量部に対して、5〜30質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。
負極集電体上に形成される本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料とバインダーとを含む膜が導電助剤を含むものであることにより、優れた導電性を発揮するとともに、電極の充放電容量の低下を抑制することができる。
また、負極電極は、その他任意の添加材として、黒鉛等を含有してもよく、黒鉛としては、鱗片、鱗状、板状および塊状の天然で産出される黒鉛、並びに石油コークス、石炭ピッチコークス、石油ニードルコークスおよびメソフェーズピッチを原料とする人造黒鉛等を挙げることができる。
上記添加剤としては、例えば、導電助剤や黒鉛等の負極活物質を挙げることができる。
上記導電助剤としては、カーボンブラック(ケッチェンブラック、アセチレンブラック等)、炭素繊維、カーボンナノチューブ、天然黒鉛(鱗片状、鱗状、板状もしくは塊状のもの)、人造黒鉛(石油コークス、石炭ピッチコークス、石油ニードルコークスまたはメソフェーズピッチを原料とするもの)等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
導電助剤の使用割合は特に制限されないが、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質100質量部に対して、5〜30質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。
負極集電体上に形成される本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料とバインダーとを含む膜が導電助剤を含むものであることにより、優れた導電性を発揮するとともに、電極の充放電容量の低下を抑制することができる。
また、負極電極は、その他任意の添加材として、黒鉛等を含有してもよく、黒鉛としては、鱗片、鱗状、板状および塊状の天然で産出される黒鉛、並びに石油コークス、石炭ピッチコークス、石油ニードルコークスおよびメソフェーズピッチを原料とする人造黒鉛等を挙げることができる。
負極集電体上に形成される非水電解質二次電池用負極材料とバインダーとを含む膜の膜厚は、例えば、10〜300μmであることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましい。電極の形成においては、必要に応じて端子を組み合わせてもよい。
なお、本出願書類において、上記本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料とバインダーとを含む膜の膜厚は、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)で50点を測定したときの算術平均値を意味し、具体的には、電解放射形走査電子顕微鏡(日本電子(JEOL)(株)製FE−SEM(JSM−6340F))を用い、測定用試料をイオンミリング(Gatan社製、model−691)により切断した断面を観察して、上記多孔質SiOCセラミックスとバインダーとを含む膜を特定し、50点の被膜厚さを測定したときの算術平均値を意味する。
負極集電体は、特に限定されるものではなく、具体的には、銅、ニッケルまたはこれ等の合金からなる板状物、メッシュ、箔等が挙げられる。
負極電極は、例えば、本発明の非水電解質二次電池用負極材料と、バインダーおよび溶媒とを混合してペースト状物を形成し、得られたペースト状物を、集電体上に圧着しあるいは集電体上に塗布した後、乾燥して電極とする方法等により作製することができる。
バインダーとして、具体的には、上述したものを挙げることができる。また、バインダーの使用量も、上述したバインダーの配合割合と同様である。
バインダー量が上記範囲外である場合、負極集電体表面上への密着強度が不十分になり易く、また、電極内部抵抗の上昇原因となる絶縁層が形成される場合がある。
バインダー量が上記範囲外である場合、負極集電体表面上への密着強度が不十分になり易く、また、電極内部抵抗の上昇原因となる絶縁層が形成される場合がある。
上記ペースト状物を形成する溶媒としては、通常、バインダーを溶解または分散可能な溶媒が使用され、具体的には、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒を例示することができる。
上記溶媒の使用量は、ペースト状物を形成し得る限り特に制限されず、例えば、本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質または本発明の製造方法で得られる非水電解質二次電池用負極活物質100質量部に対し、0.01〜500質量部であることが好ましく、0.01〜400質量部であることがより好ましく、0.01〜300質量部であることがさらに好ましい。
上記溶媒の使用量は、ペースト状物を形成し得る限り特に制限されず、例えば、本発明に係る非水電解質二次電池用負極活物質または本発明の製造方法で得られる非水電解質二次電池用負極活物質100質量部に対し、0.01〜500質量部であることが好ましく、0.01〜400質量部であることがより好ましく、0.01〜300質量部であることがさらに好ましい。
上記ペースト状物には、任意の添加材を配合してもよく、添加剤の具体例や添加剤の配合割合は、上述したとおりである。
上記ペースト状物の調製方法も特に制限されず、例えば、バインダーと溶媒との混合液(または分散液)に本発明に係る非水電解質二次電池用負極材料を混合する方法等を例示することができる。
負極集電体に塗布するペーストの膜厚は、30〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましい。
上記ペーストを塗布した後、適宜乾燥処理することが好ましく、係る乾燥手段は特に限定されるものではないが、加熱真空乾燥処理が好ましい。
上記ペーストを塗布した後、適宜乾燥処理することが好ましく、係る乾燥手段は特に限定されるものではないが、加熱真空乾燥処理が好ましい。
非水電解質二次電池は、上記負極電極とともに、リチウムを吸蔵・放出可能な正極電極、電解液、セパレータ、集電体、ガスケット、封口板、ケース等の電池構成要素を有するものを挙げることができ、これ等の電池構成要素は常法により組み立て、製造することができる。
非水電解質二次電池において、正極電極としては、特に制限されないが、例えば、正極集電体、正極活物質、導電材等により構成されたものを挙げることができる。
上記正極集電体としては、例えば、アルミニウム等を挙げることができる。
上記正極活物質としては、リチウムイオン等の電解液を吸蔵・脱離が可能なものであれば特に制限されず、例えば、TiS2、MoS3、NbSe3、FeS、VS2、VSe2等の層状構造を有する金属カルコゲン化物、CoO2、Cr3O5、TiO2、CuO、V3O6、Mo3O、V2O5(・P2O5)、Mn2O(・Li2O)、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4等の金属酸化物やリン酸鉄系材料等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記正極活物質としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4等のリチウム複合酸化物から選ばれる一種以上が好ましい。
正極活物質に用いられる導電材としては、上述したものと同様のものを挙げることができ、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンブラック等から選ばれる一種以上であることが好ましい。
上記正極活物質としては、リチウムイオン等の電解液を吸蔵・脱離が可能なものであれば特に制限されず、例えば、TiS2、MoS3、NbSe3、FeS、VS2、VSe2等の層状構造を有する金属カルコゲン化物、CoO2、Cr3O5、TiO2、CuO、V3O6、Mo3O、V2O5(・P2O5)、Mn2O(・Li2O)、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4等の金属酸化物やリン酸鉄系材料等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記正極活物質としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4等のリチウム複合酸化物から選ばれる一種以上が好ましい。
正極活物質に用いられる導電材としては、上述したものと同様のものを挙げることができ、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンブラック等から選ばれる一種以上であることが好ましい。
非水電解質二次電池において、電解液としては、特に制限されないが、有機溶媒に電解質を溶解させた溶液を挙げることができる。
上記電解質としては、例えば、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiClF4、LiAsF6、LiSbF6、LiAlO4、LiAlCl4、LiCl、LiI等のリチウム塩から選ばれる一種以上を例示することができる。
また、上記有機溶媒としては、例えば、カーボネート類(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等)、ラクトン類(γ−ブチロラクトン等)、鎖状エーテル類(1,2−ジメトキシエタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等)、環状エーテル類(テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン等)、スルホラン類(スルホラン等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ポリオキシアルキレングリコール類(ジエチレングリコール等)等の非プロトン性溶媒から選ばれる一種以上を例示することができる。
電解質濃度は、例えば、電解液1L中に、電解質0.3〜5モル含むものであることが好ましく、0.5〜3モル含むものであることがより好ましく、0.8〜1.5モル含むものであることがさらに好ましい。
上記電解質としては、例えば、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiClF4、LiAsF6、LiSbF6、LiAlO4、LiAlCl4、LiCl、LiI等のリチウム塩から選ばれる一種以上を例示することができる。
また、上記有機溶媒としては、例えば、カーボネート類(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等)、ラクトン類(γ−ブチロラクトン等)、鎖状エーテル類(1,2−ジメトキシエタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等)、環状エーテル類(テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン等)、スルホラン類(スルホラン等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ポリオキシアルキレングリコール類(ジエチレングリコール等)等の非プロトン性溶媒から選ばれる一種以上を例示することができる。
電解質濃度は、例えば、電解液1L中に、電解質0.3〜5モル含むものであることが好ましく、0.5〜3モル含むものであることがより好ましく、0.8〜1.5モル含むものであることがさらに好ましい。
非水電解質二次電池において、セパレータとしては、特に限定されるものではなく、例えば、多孔質ポリプロピレン製不織布、多孔質ポリエチレン製不織布等のポリオレフィン系の多孔質膜等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記非水電解質二次電池は、例えば、積層形、パック形、ボタン形、ガム形、組電池形、角形といった種々の形態を採ることができる。
上記非水電解質二次電池としては、リチウム二次電池、キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ(レドックスキャパシタ)、有機ラジカル電池、デュアルカーボン電池が例示され、特にリチウム二次電池が好ましい。
上記非水電解質二次電池は、本発明の非水電解質二次電池用負極材料を含有するものであることから、軽量かつ高容量で高エネルギー密度であるために、ビデオカメラ、パソコン、ワープロ、ラジカセ、携帯電話などの携帯用小型電子機器の電源や補助電源、車両用の駆動電源、及び補助電源として好適に使用することができる。
上記非水電解質二次電池としては、リチウム二次電池、キャパシタ、ハイブリッドキャパシタ(レドックスキャパシタ)、有機ラジカル電池、デュアルカーボン電池が例示され、特にリチウム二次電池が好ましい。
上記非水電解質二次電池は、本発明の非水電解質二次電池用負極材料を含有するものであることから、軽量かつ高容量で高エネルギー密度であるために、ビデオカメラ、パソコン、ワープロ、ラジカセ、携帯電話などの携帯用小型電子機器の電源や補助電源、車両用の駆動電源、及び補助電源として好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されるものではない。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。負極特性及び電池特性は以下の方法で測定し評価した。
(実施例1)
アルゴンガス流通下、ノボラック型フェノール樹脂(群栄化学工業(株)製、PSM4261)18.6gをポリエチレングリコール(和光純薬工業(wako)(株)製)60mlに溶解して炭素前駆体溶液を調製し、さらに2μmの金属珪素粒子(体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径(D50)2μm)10gを前記樹脂溶液に添加した後、約130rpmで撹拌しながら、テトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製、TEOS45)108.6gを滴下した。その後、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸(和光純薬工業(wako)(株)製)4.68gを加えて重合を開始した。このとき、重合処理に供した溶液の温度は85℃であった。
85℃まで加熱して同温度で20時間保持した後、120℃まで昇温し、真空中、24時間保持することにより加熱硬化するとともに脱溶媒処理を実施した。
(実施例1)
アルゴンガス流通下、ノボラック型フェノール樹脂(群栄化学工業(株)製、PSM4261)18.6gをポリエチレングリコール(和光純薬工業(wako)(株)製)60mlに溶解して炭素前駆体溶液を調製し、さらに2μmの金属珪素粒子(体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径(D50)2μm)10gを前記樹脂溶液に添加した後、約130rpmで撹拌しながら、テトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製、TEOS45)108.6gを滴下した。その後、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸(和光純薬工業(wako)(株)製)4.68gを加えて重合を開始した。このとき、重合処理に供した溶液の温度は85℃であった。
85℃まで加熱して同温度で20時間保持した後、120℃まで昇温し、真空中、24時間保持することにより加熱硬化するとともに脱溶媒処理を実施した。
(一次焼成、粉砕、分級、二次焼成)
脱溶媒処理して得られた重合体をアルゴンガス雰囲気中、600℃で1時間保持することにより、一次焼成を施した。焼成後、カッターミルで粉砕を行い、270メッシュの篩で分級を行うことにより、粗大粒子を除去した。粗大粒子を除去した分級処理物を、アルゴンガス雰囲気中1250℃で3時間保持して二次焼成を行うことにより、SiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる粉末状のセラミックス複合材料を得た。
脱溶媒処理して得られた重合体をアルゴンガス雰囲気中、600℃で1時間保持することにより、一次焼成を施した。焼成後、カッターミルで粉砕を行い、270メッシュの篩で分級を行うことにより、粗大粒子を除去した。粗大粒子を除去した分級処理物を、アルゴンガス雰囲気中1250℃で3時間保持して二次焼成を行うことにより、SiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる粉末状のセラミックス複合材料を得た。
(粉体特性)
この粉末状のセラミックス複合材料に対して、CuKα線を用いたX線回折測定(XRD測定)を行った。X線回折スペクトルを図2に示す。図2に示すように、SiおよびSiC由来のピークを複数観測した。ブラッグ角27°付近に観察される金属Siの(111)面回折線ピーク強度b1と、同じくブラッグ角35°付近に観察されるSiCの(111)面回折線ピーク強度b2から得られるピーク強度比b1/b2は0.48であった。
上記粉末状のセラミックス複合材料は、セラミックス複合材料の調製時に使用した原料量およびセラミックス複合材料のX線回折スペクトルから、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が6.5質量%、SiCの含有割合が13.5質量%であることが算出された。
また、上記粉末状のセラミックス複合材料は、圧力30MPaで圧縮したときの密度が1.49g/cm3、窒素吸着比表面積が8m2/g、体積基準積算粒度分布から得られた粒子径D50が13μm、1000回タッピングを行ったタップ密度が0.54g/cm3、フロー式粒子像解析より算出された円形度から得られた平均円形度が0.932であるものであった。
実施例1で得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を表1に示す。
この粉末状のセラミックス複合材料に対して、CuKα線を用いたX線回折測定(XRD測定)を行った。X線回折スペクトルを図2に示す。図2に示すように、SiおよびSiC由来のピークを複数観測した。ブラッグ角27°付近に観察される金属Siの(111)面回折線ピーク強度b1と、同じくブラッグ角35°付近に観察されるSiCの(111)面回折線ピーク強度b2から得られるピーク強度比b1/b2は0.48であった。
上記粉末状のセラミックス複合材料は、セラミックス複合材料の調製時に使用した原料量およびセラミックス複合材料のX線回折スペクトルから、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が6.5質量%、SiCの含有割合が13.5質量%であることが算出された。
また、上記粉末状のセラミックス複合材料は、圧力30MPaで圧縮したときの密度が1.49g/cm3、窒素吸着比表面積が8m2/g、体積基準積算粒度分布から得られた粒子径D50が13μm、1000回タッピングを行ったタップ密度が0.54g/cm3、フロー式粒子像解析より算出された円形度から得られた平均円形度が0.932であるものであった。
実施例1で得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を表1に示す。
<リチウムイオン二次電池の作製>
(負極の作製)
上記粉末状のセラミックス複合材料1gと炭素系活物質である人造黒鉛9gとを混合してリチウムイオン二次電池用負極材料とした。
上記負極材料に対し、アセチレンブラック0.71g、ポリフッ化ビニリデン8.33gおよび溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン6gを加え、5分間攪拌混合することにより、負極合材ペーストを調製した。
得られた負極合材ペーストを厚さ18μmの銅箔(集電体)上にドクターブレードで塗布し、真空中で130℃に加熱して溶媒を完全に揮発させて上記活物質を含む約50μmの電極シートを得た。
得られた電極シートをローラープレスで圧延し、ポンチで打ち抜いて、2cm2の負極(作用極)を作製した。活物質層の厚みをマイクロメーターで測定し、バインダーを除いた活物質の重量と活物質層の体積から、活物質層の密度を算出することにより、極板密度1.50g/cm3である負極(作用極)を作製した。
また、不活性雰囲気下、リチウム金属箔を、ポンチで打ち抜いた厚さ270μmのニッケルメッシュ(集電体)にめり込ませることにより、正極(対極)を作製した。
(負極の作製)
上記粉末状のセラミックス複合材料1gと炭素系活物質である人造黒鉛9gとを混合してリチウムイオン二次電池用負極材料とした。
上記負極材料に対し、アセチレンブラック0.71g、ポリフッ化ビニリデン8.33gおよび溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン6gを加え、5分間攪拌混合することにより、負極合材ペーストを調製した。
得られた負極合材ペーストを厚さ18μmの銅箔(集電体)上にドクターブレードで塗布し、真空中で130℃に加熱して溶媒を完全に揮発させて上記活物質を含む約50μmの電極シートを得た。
得られた電極シートをローラープレスで圧延し、ポンチで打ち抜いて、2cm2の負極(作用極)を作製した。活物質層の厚みをマイクロメーターで測定し、バインダーを除いた活物質の重量と活物質層の体積から、活物質層の密度を算出することにより、極板密度1.50g/cm3である負極(作用極)を作製した。
また、不活性雰囲気下、リチウム金属箔を、ポンチで打ち抜いた厚さ270μmのニッケルメッシュ(集電体)にめり込ませることにより、正極(対極)を作製した。
(評価用リチウム二次電池の作製)
電解液として、1mol/dm3のリチウム塩LiPF6を溶解したエチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)との1:1混合溶液を使用して、不活性雰囲気下、図3に簡略的に示すように、ケース1中に、上記ニッケルメッシュ(集電体)3にめり込ませた正極(対極)4、セパレータ5、上記負極(作用極)8、スペーサー7を積層させた状態で組付け、スプリング6を介して封口蓋(キャップ)2で封止することにより、図1に示す形態を有するボタン型の評価用リチウム二次電池aを作製し、以下に示す方法により、初期電池測定(1st放電容量、初期効率)およびサイクル特性(3回維持易率、50回維持率)を測定した。
その結果、1st放電容量は437mAh/g、初期効率は85%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が95%であった。結果を表2に併記する。
電解液として、1mol/dm3のリチウム塩LiPF6を溶解したエチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)との1:1混合溶液を使用して、不活性雰囲気下、図3に簡略的に示すように、ケース1中に、上記ニッケルメッシュ(集電体)3にめり込ませた正極(対極)4、セパレータ5、上記負極(作用極)8、スペーサー7を積層させた状態で組付け、スプリング6を介して封口蓋(キャップ)2で封止することにより、図1に示す形態を有するボタン型の評価用リチウム二次電池aを作製し、以下に示す方法により、初期電池測定(1st放電容量、初期効率)およびサイクル特性(3回維持易率、50回維持率)を測定した。
その結果、1st放電容量は437mAh/g、初期効率は85%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が95%であった。結果を表2に併記する。
<初期電池測定(1st放電容量、初期効率)の測定方法>
初期電池測定に関しては、0.405mA、終止電圧5mVで定電流充電を行った後、下限電流0.0405mAとなるまで定電位保持した。次いで、0.405mAにて終止電圧1.5Vまで定電流放電を行い、1サイクル終了後の放電容量を定格容量(可逆容量(mAh/g))とした。以上の計測を各6個の電池で行い、平均値を1st放電容量とした。
得られた評価用リチウム二次電池a初期効率は、1回目の充電容量と放電容量により下記式により求めた。
初期効率(%)=(1回目の放電容量(mAh/g)/1回目の充電容量(mAh/g))×100
初期電池測定に関しては、0.405mA、終止電圧5mVで定電流充電を行った後、下限電流0.0405mAとなるまで定電位保持した。次いで、0.405mAにて終止電圧1.5Vまで定電流放電を行い、1サイクル終了後の放電容量を定格容量(可逆容量(mAh/g))とした。以上の計測を各6個の電池で行い、平均値を1st放電容量とした。
得られた評価用リチウム二次電池a初期効率は、1回目の充電容量と放電容量により下記式により求めた。
初期効率(%)=(1回目の放電容量(mAh/g)/1回目の充電容量(mAh/g))×100
<サイクル特性(3回維持易率、50回維持率)の測定方法>
サイクル特性に関しては、初期測定で算出した定格容量を1Cとし、0.1Cにより終止電圧5mVで定電流充電を行った後、下限電流0.01Cとなるまで定電位保持した。次いで、0.1Cにて終止電圧1.5Vまで定電流放電を行い、50サイクルまで実施し、下記式により、各々3回維持率および50回維持率を算出した。なお、3回維持率および50回維持率は、各々2個の電池の測定値の平均値として算出した。
サイクル特性(3回維持率(%))=(3回目の放電容量(mAh/g)/1回目の放電容量(mAh/g))×100
サイクル特性(50回維持率(%))=(50回目の放電容量(mAh/g)/1回目の放電容量(mAh/g))×100
サイクル特性に関しては、初期測定で算出した定格容量を1Cとし、0.1Cにより終止電圧5mVで定電流充電を行った後、下限電流0.01Cとなるまで定電位保持した。次いで、0.1Cにて終止電圧1.5Vまで定電流放電を行い、50サイクルまで実施し、下記式により、各々3回維持率および50回維持率を算出した。なお、3回維持率および50回維持率は、各々2個の電池の測定値の平均値として算出した。
サイクル特性(3回維持率(%))=(3回目の放電容量(mAh/g)/1回目の放電容量(mAh/g))×100
サイクル特性(50回維持率(%))=(50回目の放電容量(mAh/g)/1回目の放電容量(mAh/g))×100
高入力特性に関しては、初期測定で算出した定格容量を1Cとし、0.1Cで終止電圧5mVもしくは終止時間10時間で定電流充電を行い、0.1C充電容量とした。次いで、0.1Cにて終止電圧1.5V、もしくは終止時間10時間で定電流放電を行った。
その後、1Cで終止電圧5mVもしくは終止時間1時間で定電流充電を行い1C充電容量とし、下記式より充電率を求めた。なお、高入力特性は各、4個の電池の測定の平均として算出した。
その後、1Cで終止電圧5mVもしくは終止時間1時間で定電流充電を行い1C充電容量とし、下記式より充電率を求めた。なお、高入力特性は各、4個の電池の測定の平均として算出した。
(実施例2)
二次焼成温度を1200℃に変更した以外は、実施例1と同様にしてSiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が11.3質量%、SiCの含有割合が8.7質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は458mAh/g、初期効率は85%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が93%であった。結果を表2に併記する。
二次焼成温度を1200℃に変更した以外は、実施例1と同様にしてSiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が11.3質量%、SiCの含有割合が8.7質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は458mAh/g、初期効率は85%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が93%であった。結果を表2に併記する。
(実施例3)
二次焼成温度を1300℃に変更した以外は、実施例1と同様にしてSiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が12.1質量%、SiCの含有割合が7.9質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は418mAh/g、初期効率は84%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が96%であった。結果を表2に併記する。
二次焼成温度を1300℃に変更した以外は、実施例1と同様にしてSiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が12.1質量%、SiCの含有割合が7.9質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は418mAh/g、初期効率は84%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が96%であった。結果を表2に併記する。
(実施例4)
二次焼成温度を1350℃に変更した以外は、実施例1と同様にしてSiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が3.3質量%、SiCの含有割合が16.7質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は410mAh/g、初期効率は84%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が98%であった。結果を表2に併記する。
二次焼成温度を1350℃に変更した以外は、実施例1と同様にしてSiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が3.3質量%、SiCの含有割合が16.7質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は410mAh/g、初期効率は84%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が98%であった。結果を表2に併記する。
(実施例5)
使用する金属珪素を粒子径D50が1μmのものに変更した以外は、実施例1と同様にしてSiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が11.9質量%、SiCの含有割合が8.1質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は452mAh/g、初期効率は88%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が97%であった。結果を表2に併記する。
金属珪素粒子を小粒径化することで、実施例1で得られたセラミックス複合材料に比較して、二次電池に使用したときに、Li拡散距離の減少に伴って初期効率が向上し、金属珪素の小粒径化により、金属珪素による膨張収縮の影響が低減し、サイクル維持率も向上することが分かる。
使用する金属珪素を粒子径D50が1μmのものに変更した以外は、実施例1と同様にしてSiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が11.9質量%、SiCの含有割合が8.1質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は452mAh/g、初期効率は88%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が97%であった。結果を表2に併記する。
金属珪素粒子を小粒径化することで、実施例1で得られたセラミックス複合材料に比較して、二次電池に使用したときに、Li拡散距離の減少に伴って初期効率が向上し、金属珪素の小粒径化により、金属珪素による膨張収縮の影響が低減し、サイクル維持率も向上することが分かる。
(実施例6)
使用する金属珪素を粒子径D50が0.5μmのものに変更した以外は、実施例1と同様にしてSiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が14質量%、SiCの含有割合が6質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は449mAh/g、初期効率は87%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が98%であった。結果を表2に併記する。
金属珪素粒子を小粒径化することで、実施例1で得られたセラミックス複合材料に比較して、二次電池に使用したときに、Li拡散距離の減少に伴って初期効率が向上し、金属珪素の小粒径化により、金属珪素による膨張収縮の影響が低減し、サイクル維持率も向上することが分かる。
使用する金属珪素を粒子径D50が0.5μmのものに変更した以外は、実施例1と同様にしてSiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が14質量%、SiCの含有割合が6質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は449mAh/g、初期効率は87%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が98%であった。結果を表2に併記する。
金属珪素粒子を小粒径化することで、実施例1で得られたセラミックス複合材料に比較して、二次電池に使用したときに、Li拡散距離の減少に伴って初期効率が向上し、金属珪素の小粒径化により、金属珪素による膨張収縮の影響が低減し、サイクル維持率も向上することが分かる。
(実施例7)
一次焼成後にカッターミルで粉砕を行い、270メッシュの篩に代えて精密空気分級機(日清エンジニアリング(株)製ターボクラシファイア)で分級して粗大粒子を除去したこと以外は、実施例1と同様にしてSiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が6.9質量%、SiCの含有割合が13.1質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は440mAh/g、初期効率は86%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が95%であった。結果を表2に併記する。
一次焼成、粉砕後の分級条件を変更したことで、実施例1で得られたセラミックス複合材料に比較して、二次電池に使用したときに、分子全体の比表面積を低減して、初期効率が向上していることが分かる。
一次焼成後にカッターミルで粉砕を行い、270メッシュの篩に代えて精密空気分級機(日清エンジニアリング(株)製ターボクラシファイア)で分級して粗大粒子を除去したこと以外は、実施例1と同様にしてSiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が6.9質量%、SiCの含有割合が13.1質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は440mAh/g、初期効率は86%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が95%であった。結果を表2に併記する。
一次焼成、粉砕後の分級条件を変更したことで、実施例1で得られたセラミックス複合材料に比較して、二次電池に使用したときに、分子全体の比表面積を低減して、初期効率が向上していることが分かる。
(実施例8)
一次焼成後にカッターミルに代えて、スーパーローターで粉砕して粗大粒子を除去し、二次焼成温度を1200℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてSiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が11.3質量%、SiCの含有割合が8.7質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は460mAh/g、初期効率は84%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が95%であった。結果を表2に併記する。
一次焼成後の粉砕条件を変更して粒子形状を変化させたことで、実施例1で得られたセラミックス複合材料に比較して、二次電池に使用したときに、活物質粒子間の導電パスが広がり、1st放電容量が向上していることが分かる。
一次焼成後にカッターミルに代えて、スーパーローターで粉砕して粗大粒子を除去し、二次焼成温度を1200℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてSiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が11.3質量%、SiCの含有割合が8.7質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は460mAh/g、初期効率は84%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が95%であった。結果を表2に併記する。
一次焼成後の粉砕条件を変更して粒子形状を変化させたことで、実施例1で得られたセラミックス複合材料に比較して、二次電池に使用したときに、活物質粒子間の導電パスが広がり、1st放電容量が向上していることが分かる。
(実施例9)
実施例1と同様にして重合処理し脱溶媒処理した後、実施例1と同様にして脱溶媒処理して得られた重合体を、一次焼成、粉砕・分級処理して分級処理物を得た。
上記分級処理して得られた分級処理物に対し、炭酸リチウムをその含有割合が10質量%になるように添加し、2000rpm(回転/分間)で90秒間乾式混合を行った後、アルゴンガス雰囲気中1250℃で3時間保持して二次焼成を行い、SiOCセラミックス中に金属珪素、SiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が72質量%、金属珪素の含有割合が5.8質量%、SiCの含有割合が12.2質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は450mAh/g、初期効率は90%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が95%であった。結果を表2に併記する。
実施例1と同様にして重合処理し脱溶媒処理した後、実施例1と同様にして脱溶媒処理して得られた重合体を、一次焼成、粉砕・分級処理して分級処理物を得た。
上記分級処理して得られた分級処理物に対し、炭酸リチウムをその含有割合が10質量%になるように添加し、2000rpm(回転/分間)で90秒間乾式混合を行った後、アルゴンガス雰囲気中1250℃で3時間保持して二次焼成を行い、SiOCセラミックス中に金属珪素、SiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が72質量%、金属珪素の含有割合が5.8質量%、SiCの含有割合が12.2質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は450mAh/g、初期効率は90%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が95%であった。結果を表2に併記する。
(実施例10)
実施例1と同様にして重合処理し脱溶媒処理した後、実施例1と同様にして脱溶媒処理して得られた重合体を、一次焼成処理して一次焼成物を得た。
一方、アルゴンガス流通下、ノボラック型フェノール樹脂(群栄化学工業(株)製、PSM4261)18.6gをポリエチレングリコール(和光純薬工業(wako)(株)製)20mlに溶解して炭素前駆体溶液を調製し、約130rpmで撹拌しながら、テトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製、TEOS45)1.86gを滴下した。その後、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸(和光純薬工業(wako)(株)製)0.75gを加えて重合を開始した。85℃まで加熱して同温度で20時間保持した後、上記一次焼成物を投入し、スターラーで30分間撹拌させ、その後120℃まで昇温し、真空中で24時間保持することにより加熱硬化するとともに脱溶媒処理を実施した。
上記加熱効果および脱溶媒処理して得られた処理物に対し、実施例1と同様にして、粉砕、分級、二次焼成処理を施すことにより、SiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が6.0質量%、SiCの含有割合が14.0質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られたセラミックス複合材料は、その表面部が中心部よりも炭素含有量が多いコアシェル構造を有するものであった。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は430Ah/g、初期効率は86%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が98%であった。結果を表2に併記する。
実施例1と同様にして重合処理し脱溶媒処理した後、実施例1と同様にして脱溶媒処理して得られた重合体を、一次焼成処理して一次焼成物を得た。
一方、アルゴンガス流通下、ノボラック型フェノール樹脂(群栄化学工業(株)製、PSM4261)18.6gをポリエチレングリコール(和光純薬工業(wako)(株)製)20mlに溶解して炭素前駆体溶液を調製し、約130rpmで撹拌しながら、テトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製、TEOS45)1.86gを滴下した。その後、酸触媒としてp−トルエンスルホン酸(和光純薬工業(wako)(株)製)0.75gを加えて重合を開始した。85℃まで加熱して同温度で20時間保持した後、上記一次焼成物を投入し、スターラーで30分間撹拌させ、その後120℃まで昇温し、真空中で24時間保持することにより加熱硬化するとともに脱溶媒処理を実施した。
上記加熱効果および脱溶媒処理して得られた処理物に対し、実施例1と同様にして、粉砕、分級、二次焼成処理を施すことにより、SiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が6.0質量%、SiCの含有割合が14.0質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られたセラミックス複合材料は、その表面部が中心部よりも炭素含有量が多いコアシェル構造を有するものであった。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は430Ah/g、初期効率は86%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が98%であった。結果を表2に併記する。
(実施例11)
実施例1と同様にして重合処理し脱溶媒処理した後、実施例1と同様にして脱溶媒処理して得られた重合体を、一次焼成、粉砕・分級処理して分級処理物を得た。
一方、ノボラック型フェノール樹脂(群栄化学社製、PSM4261)10gに対し、メタノールを100gで溶解させ、さらに硬化剤として塩酸1g添加して室温で1時間撹拌することにより樹脂コート液を調製した。得られた樹脂コート液に対し、上記分級処理物100gを添加し、30分撹拌して含浸させることにより、分級処理物の表面に樹脂層を形成した。フィルターで樹脂コート液を除去することにより表面に樹脂層を形成した分級処理物を単離し、次いで200℃で4時間硬化処理を行い、アルゴンガス雰囲気中1250℃で3時間保持して二次焼成を行った後、カッターミルで解砕し、270メッシュの篩で分級処理を行うことにより、SiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が6.6質量%、SiCの含有割合が13.4質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られたセラミックス複合材料は、表面に平均厚さ100nmの炭素膜を有するものであった。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は436mAh/g、初期効率は88%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が97%であった。結果を表2に併記する。
実施例1と同様にして重合処理し脱溶媒処理した後、実施例1と同様にして脱溶媒処理して得られた重合体を、一次焼成、粉砕・分級処理して分級処理物を得た。
一方、ノボラック型フェノール樹脂(群栄化学社製、PSM4261)10gに対し、メタノールを100gで溶解させ、さらに硬化剤として塩酸1g添加して室温で1時間撹拌することにより樹脂コート液を調製した。得られた樹脂コート液に対し、上記分級処理物100gを添加し、30分撹拌して含浸させることにより、分級処理物の表面に樹脂層を形成した。フィルターで樹脂コート液を除去することにより表面に樹脂層を形成した分級処理物を単離し、次いで200℃で4時間硬化処理を行い、アルゴンガス雰囲気中1250℃で3時間保持して二次焼成を行った後、カッターミルで解砕し、270メッシュの篩で分級処理を行うことにより、SiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなる、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が6.6質量%、SiCの含有割合が13.4質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られたセラミックス複合材料は、表面に平均厚さ100nmの炭素膜を有するものであった。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は436mAh/g、初期効率は88%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が97%であった。結果を表2に併記する。
(比較例1)
二次焼成温度を1100℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が20質量%、SiCの含有割合が0質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
比較例1においては、二次焼成温度が1100℃と低いためにSiCの生成が少なく、金属珪素の(111)面回折線のピーク強度b1/SiCの(111)面回折線のピーク強度b2で表される比は10.7となった。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は448mAh/g、初期効率は85%、サイクル特性は3回維持率が98%、50回維持率が88%であった。結果を表2に併記する。
二次焼成温度を1100℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が20質量%、SiCの含有割合が0質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
比較例1においては、二次焼成温度が1100℃と低いためにSiCの生成が少なく、金属珪素の(111)面回折線のピーク強度b1/SiCの(111)面回折線のピーク強度b2で表される比は10.7となった。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は448mAh/g、初期効率は85%、サイクル特性は3回維持率が98%、50回維持率が88%であった。結果を表2に併記する。
(比較例2)
二次焼成温度を1500℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が1.8質量%、SiCの含有割合が18.2質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は370mAh/g、初期効率は77%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が90%であった。結果を表2に併記する。
二次焼成温度を1500℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、SiOCセラミックスの含有割合が80質量%、金属珪素の含有割合が1.8質量%、SiCの含有割合が18.2質量%である粉末状のセラミックス複合材料を作製した。
得られた粉末状のセラミックス複合材料において、XRDのピーク強度比b1/b2、圧力30MPaで圧縮したときの密度(g/cm3)、金属珪素の粒子径D50(d1)、セラミックス複合材料の粒子径D50(d2)、粒子径比d1/d2、窒素吸着比表面積(m2/g)、1000回タッピングを行ったときのタップ密度(g/cm3)および平均円形度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
次いで、得られた粉末状のセラミックス複合材料を用いて実施例1と同様にして評価用リチウム二次電池を作製し、実施例1と同様に評価した。
その結果、1st放電容量は370mAh/g、初期効率は77%、サイクル特性は3回維持率が100%、50回維持率が90%であった。結果を表2に併記する。
表1および表2より、実施例1〜実施例11で得られた非水電解質二次電池用負極活物質は、SiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなり、 CuKα特性X線を用いたX線回折における、金属珪素の(111)面回折線のピーク強度をb1、SiCの(111)面回折線のピーク強度をb2としたときに、b1/b2で表される比が0.20〜10.00であり、30MPaで圧縮したときの密度が1.2g/cm3〜1.8g/cm3であることにより、非水二次電池用負極材料に使用したときに、優れた初期効率、放電容量およびサイクル特性(サイクル維持率)を発揮するものであることが分かる。
表1および表2より、比較例1で得られた非水電解質二次電池用負極活物質は、二次焼成温度が低くSiCの生成量が少ないために、上記ピーク強度比b1/b2が10を超え、充放電初期の段階で劣化が始まり、サイクル特性が低下することが分かる。
また、表1および表2より、比較例2で得られた非水電解質二次電池用負極活物質は、SiC量が多く、上記ピーク強度比b1/b2が0.20未満であるために、1st放電容量が大きく低下し、また、副反応等により初期効率も大きく低下することが分かる。
本発明によれば、非水電解質二次電池用負極材料に使用したときに、優れた初期効率、放電容量およびサイクル特性(サイクル維持率)を発揮する非水電解質二次電池用負極活物質、当該非水電解質二次電池用負極活物質を簡便かつ低コストに工業的に大量生産し得る方法および上記非水電解質二次電池用負極活物質を含む非水電解質二次電池用負極材料を提供することができる。
1 ケース
2 封口蓋(キャップ)
3 集電体
4 正極電極
5 セパレータ
6 スプリング
7 スペーサー
8 負極電極
9 ガスケット
2 封口蓋(キャップ)
3 集電体
4 正極電極
5 セパレータ
6 スプリング
7 スペーサー
8 負極電極
9 ガスケット
Claims (11)
- SiOCセラミックス中に金属珪素およびSiCが分散してなり、
CuKα特性X線を用いたX線回折における、前記金属珪素の(111)面回折線のピーク強度をb1、前記SiCの(111)面回折線のピーク強度をb2としたときに、b1/b2で表される比が0.20〜10.00であり、
30MPaで圧縮したときの密度が1.2g/cm3〜1.8g/cm3である
セラミックス複合材料
からなることを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質。 - 前記金属珪素の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50をd1とし、前記セラミックス複合材料の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50をd2としたときに、d1/d2で表される比が0.01〜0.40である請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
- 前記セラミックス複合材料の体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒子径D50が、0.5μm〜50μmである請求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
- 前記セラミックス複合材料の平均円形度が0.90〜1.0である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
- 前記セラミックス複合材料の窒素吸着比表面積が0.1m2/g〜50m2/gである請求項1〜請求項4のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
- 前記セラミックス複合材料の1000回タッピングを行った際のタップ密度が0.4g/cm3〜1.3g/cm3である請求項1〜請求項5のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
- 前記セラミックス複合材料が、さらにMn、Fe、Co、NiおよびLiから選ばれる少なくとも1種の金属原子を1〜30質量%含む請求項1〜請求項6のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
- 前記セラミックス複合材料の表面部が、中心部よりも炭素含有量が多いコアシェル構造を有する請求項1〜請求項7のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
- 前記セラミックス複合材料が、表面に炭素膜を有するものである請求項1〜請求項8のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
- 炭素前駆体と溶媒を混合してなる炭素前駆体溶液、珪素含有有機物および金属珪素粉末を混合した後、得られた混合液を重合処理し、さらに溶媒除去してセラミックス複合材料前駆体を得、次いで、400℃〜800℃で一次焼成し、粉砕、分級処理した後、1200℃〜1350℃で二次焼成してセラミックス複合材料を調製する
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。 - 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質と、炭素活物質とを含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015188268A JP2017062974A (ja) | 2015-09-25 | 2015-09-25 | 非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法および非水電解質二次電池用負極材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015188268A JP2017062974A (ja) | 2015-09-25 | 2015-09-25 | 非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法および非水電解質二次電池用負極材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017062974A true JP2017062974A (ja) | 2017-03-30 |
Family
ID=58430226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015188268A Pending JP2017062974A (ja) | 2015-09-25 | 2015-09-25 | 非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法および非水電解質二次電池用負極材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017062974A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019107336A1 (ja) * | 2017-12-01 | 2019-06-06 | Dic株式会社 | 負極活物質及びその製造方法 |
JP2020138895A (ja) * | 2019-03-01 | 2020-09-03 | Jnc株式会社 | シリコン系微粒子/シリコン含有ポリマー複合体、SiOC構造体、並びにSiOC構造体を用いた負極用組成物、負極及び二次電池 |
CN112467140A (zh) * | 2020-08-14 | 2021-03-09 | 珠海中科兆盈丰新材料科技有限公司 | 一种高安全性石墨硅碳复合材料及其制备方法 |
US11127952B2 (en) | 2018-06-25 | 2021-09-21 | Jnc Corporation | Core-shell structure and production method therefof, composition for negative electrode using the core-shell structure as negative electrode active material, negative electrode and secondary battery |
CN113826246A (zh) * | 2020-12-28 | 2021-12-21 | 宁德新能源科技有限公司 | SiOC复合材料及其制备方法和应用 |
CN114207884A (zh) * | 2021-03-30 | 2022-03-18 | 宁德新能源科技有限公司 | 硅基复合材料及其制备方法和应用 |
JP7074273B1 (ja) * | 2020-12-08 | 2022-05-24 | Dic株式会社 | 負極活物質及び非水電解質二次電池 |
WO2022124172A1 (ja) * | 2020-12-08 | 2022-06-16 | Dic株式会社 | 負極活物質及び非水電解質二次電池 |
WO2024048288A1 (ja) * | 2022-09-01 | 2024-03-07 | Dic株式会社 | 負極活物質前駆体、負極活物質、二次電池および負極活物質の製造方法 |
WO2024101263A1 (ja) * | 2022-11-08 | 2024-05-16 | Dic株式会社 | 二次電池用複合活物質、及び二次電池 |
-
2015
- 2015-09-25 JP JP2015188268A patent/JP2017062974A/ja active Pending
Cited By (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7288198B2 (ja) | 2017-12-01 | 2023-06-07 | Dic株式会社 | 負極活物質及びその製造方法 |
EP4020636A1 (en) * | 2017-12-01 | 2022-06-29 | DIC Corporation | Negative electrode active material and production method therefor |
KR20200093528A (ko) * | 2017-12-01 | 2020-08-05 | 디아이씨 가부시끼가이샤 | 음극 활물질 및 그 제조 방법 |
JPWO2019107336A1 (ja) * | 2017-12-01 | 2020-12-03 | Dic株式会社 | 負極活物質及びその製造方法 |
CN111406334A (zh) * | 2017-12-01 | 2020-07-10 | Dic株式会社 | 负极活性物质及其制造方法 |
TWI766129B (zh) * | 2017-12-01 | 2022-06-01 | 日商Dic股份有限公司 | 負極活性物質及其製造方法 |
US11876224B2 (en) | 2017-12-01 | 2024-01-16 | Dic Corporation | Negative electrode active material and production method therefor |
KR102627149B1 (ko) * | 2017-12-01 | 2024-01-23 | 디아이씨 가부시끼가이샤 | 음극 활물질 및 그 제조 방법 |
WO2019107336A1 (ja) * | 2017-12-01 | 2019-06-06 | Dic株式会社 | 負極活物質及びその製造方法 |
US11127952B2 (en) | 2018-06-25 | 2021-09-21 | Jnc Corporation | Core-shell structure and production method therefof, composition for negative electrode using the core-shell structure as negative electrode active material, negative electrode and secondary battery |
JP2020138895A (ja) * | 2019-03-01 | 2020-09-03 | Jnc株式会社 | シリコン系微粒子/シリコン含有ポリマー複合体、SiOC構造体、並びにSiOC構造体を用いた負極用組成物、負極及び二次電池 |
CN112467140A (zh) * | 2020-08-14 | 2021-03-09 | 珠海中科兆盈丰新材料科技有限公司 | 一种高安全性石墨硅碳复合材料及其制备方法 |
CN112467140B (zh) * | 2020-08-14 | 2022-07-01 | 珠海中科兆盈丰新材料科技有限公司 | 一种高安全性石墨硅碳复合材料及其制备方法 |
WO2022124172A1 (ja) * | 2020-12-08 | 2022-06-16 | Dic株式会社 | 負極活物質及び非水電解質二次電池 |
JP7074273B1 (ja) * | 2020-12-08 | 2022-05-24 | Dic株式会社 | 負極活物質及び非水電解質二次電池 |
CN113826246A (zh) * | 2020-12-28 | 2021-12-21 | 宁德新能源科技有限公司 | SiOC复合材料及其制备方法和应用 |
WO2022204979A1 (zh) * | 2021-03-30 | 2022-10-06 | 宁德新能源科技有限公司 | 硅基复合材料及其制备方法和应用 |
CN114207884A (zh) * | 2021-03-30 | 2022-03-18 | 宁德新能源科技有限公司 | 硅基复合材料及其制备方法和应用 |
WO2024048288A1 (ja) * | 2022-09-01 | 2024-03-07 | Dic株式会社 | 負極活物質前駆体、負極活物質、二次電池および負極活物質の製造方法 |
WO2024101263A1 (ja) * | 2022-11-08 | 2024-05-16 | Dic株式会社 | 二次電池用複合活物質、及び二次電池 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2017062974A (ja) | 非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法および非水電解質二次電池用負極材料 | |
JP5476411B2 (ja) | 非水系二次電池用黒鉛質複合粒子、それを含有する負極活物質材料、負極及び非水系二次電池 | |
JP7099325B2 (ja) | 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 | |
KR101970023B1 (ko) | 비수계 이차 전지용 탄소재, 그 탄소재를 사용한 부극 및 비수계 이차 전지 | |
JP5390336B2 (ja) | 非水電解質二次電池用負極材料、非水電解質二次電池用負極材の製造方法並びに非水電解質二次電池用負極及び非水電解質二次電池 | |
JP6154380B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用負極材料 | |
WO2015080203A1 (ja) | 非水系二次電池負極用炭素材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 | |
JP5064728B2 (ja) | 非水系二次電池用黒鉛質複合粒子、それを含有する負極活物質材料、負極及び非水系二次電池 | |
JP6939979B2 (ja) | シリコンナノ粒子及びそれを用いた非水二次電池負極用活物質並びに二次電池 | |
KR20130094853A (ko) | 리튬 이온 2차 전지용 부극 재료, 리튬 이온 2차 전지 부극 및 리튬 이온 2차 전지 | |
JP2012216545A (ja) | 非水系二次電池用黒鉛粒子及びその製造方法、負極並びに非水系二次電池 | |
TW201931645A (zh) | 鋰離子二次電池用負極材及鋰離子二次電池用負極材之製造方法 | |
JP6409377B2 (ja) | 非水系二次電池負極用炭素材、それを用いた非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 | |
JP6362006B2 (ja) | 多孔質シリコンオキシカーバイドセラミックス、その製造方法、多孔質シリコンオキシカーバイド複合材料および非水電解質二次電池 | |
JP6283937B2 (ja) | 多孔質シリコンオキシカーバイドセラミックスの製造方法および多孔質シリコンオキシカーバイドセラミックス複合材料の製造方法 | |
TWI744137B (zh) | 鋰離子二次電池之負極用碳材料及其製造方法,以及使用其之負極及鋰離子二次電池 | |
WO2019189800A1 (ja) | 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 | |
JP6379565B2 (ja) | 非水系二次電池負極用炭素材、及び、非水系二次電池 | |
WO2023017694A1 (ja) | 二次電池用材料、負極活物質および二次電池 | |
JP6422208B2 (ja) | 非水系二次電池負極用炭素材、それを用いた非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 | |
CN114902446A (zh) | 含低氧型纳米硅粒子的浆料、负极活性物质、负极及锂离子二次电池 | |
JP5885919B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用負極、およびリチウムイオン二次電池 | |
JP2020107405A (ja) | 電池電極用黒鉛材料及びその製造方法 | |
JP6492407B2 (ja) | 非水系二次電池負極用炭素材、及び、非水系二次電池 | |
KR102334493B1 (ko) | 리튬 이온 이차 전지의 음극용 탄소 재료 및 그의 제조 방법, 및 그것을 이용한 음극 및 리튬 이온 이차 전지 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20170612 |