JP2017061905A - 内燃機関の冷却システム、内燃機関、及び、内燃機関の冷却方法 - Google Patents

内燃機関の冷却システム、内燃機関、及び、内燃機関の冷却方法 Download PDF

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【課題】シリンダヘッドの内部に設けた排気ポートの周囲の冷却水路に冷却水を流通させて排気ガスを冷却する内燃機関において、内燃機関の排気ポートを流れる排気ガスに対する冷却能力を迅速に変更できて、排気ガス温度を所望の温度範囲に維持できる期間を拡大できる、内燃機関の冷却システム、内燃機関、及び、内燃機関の冷却方法を提供する。【解決手段】排気ポートの外側に冷却用流路を設けると共に、冷却用流路に供給する冷却用水の量の制御範囲に冷却用流路を流れる水量が蒸発しきる状態を含んで冷却用流路に冷却用水を供給する制御を行う制御装置を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の冷却システム、内燃機関、及び、内燃機関の冷却方法に関し、より詳細には、シリンダヘッド内における排気ポートを流れる排気ガスの温度を制御できる内燃機関の冷却システム、内燃機関、及び、内燃機関の冷却方法に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関においては、気筒内で燃焼した燃焼ガスを排気ガスとして、シリンダヘッドとピストン頂部のキャビティの間の燃焼空間から排気弁を経由して、排気ポートに流出させ、この排気ポートからの排気ガスを排気マニホールドに集めて排気通路に排出している。
この排気ポートは内燃機関の運転中は、燃焼直後の高温の排気ガスが流れるため、その周囲に設けたウォータージャケットと呼ばれる冷却水路にエンジン冷却水を循環させることで、排気ポートを冷却している。
しかしながら、排気ポートへの冷却効果が大きすぎて、排気ポートから排出される排気ガスの温度が低くなってしまうと、排気ガスが排気ポートから排気通路を経て排気ガス後処理装置に至るまでに、排気通路の配管などからの放熱などのより、さらに排気ガスの温度が低下するため、この排気ガスが流れる排気ガス後処理装置の触媒をその活性化温度以上に維持することができなくなり、排気ガスの浄化性能が低下するという問題がある。
一方、排気ポートの温度が高くなり過ぎると、シリンダヘッドの温度が高くなり、燃焼室の温度も高くなるので、シリンダ内における燃焼状態に影響が出ると共に、排気ガス後処理装置の触媒においても排気温度が高くなりすぎて触媒の活性度合いが低下したり、触媒が熱劣化するという問題がある。
そのため、エンジンの冷間始動時などでは、迅速に排気ガスの温度を上昇させるためには排気ポートにおける冷却能力を低下させ、加速時などの燃料増加により排気ガスの温度が急上昇する場合には、迅速に排気ポートにおける冷却能力を高めて、排気ガス温度をできるだけ、所望の温度範囲内に収めることが重要となる。
これに関連して、排気温度の低下に伴うターボ効率の低下を防止する目的で、排気ポートにおける排気温度の低下を抑制するために、複数経路の冷却水路のうち、少なくとも最も排気ポート側を通る冷却水路である排気ポート側冷却水路の冷却水量を、流量調整弁により冷却水量を低下させたり、電動の冷却水ポンプが圧送する冷却水量を低下させたりすることで、内燃機関の運転状態に基づいて低減させる内燃機関が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この内燃機関では冷却水ポンプの圧送量を低下させるだけであるので、圧送量をゼロにしたとしても、冷却水路内には、熱容量が大きい冷却水が充満しているため、冷却能力の低下には限度があり、また、応答性も悪い。
また、エンジンのシリンダヘッドにおいて、熱の溜まる過熱箇所にラジエータで冷却された冷却水を直接に噴射して、過熱箇所を効果的に冷却させるために、冷却水路(ウォーターギャラリー)において、冷却水の流れとは別に、別の冷たい冷却水を冷却水噴射ノズルによって噴射するシリンダヘッドの冷却構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このシリンダヘッドの冷却構造では、冷却水噴射ノズルのある流路は、シリンダヘッドの従来構造の冷却通路と連通しているため、冷却水噴射ノズルから噴射された冷却水が冷却水路を流れるエンジン冷却水と一旦衝突して混合してできた冷たくなった冷却水が加熱箇所に直接衝突する構成であり、冷却能力の増加及びその応答性は改善されてはいるものの十分とは言えない。
そのため、これらの提案されている内燃機関やシリンダヘッドの冷却構造では、エンジンの始動時や、アイドリングストップスタートが多い市街地での車両運転時や、冷房施設を有して車両停止時でもエンジン停止が困難で、アイドリング運転が必要な冷蔵配送車などでは、排気ガスの温度を早期に昇温したり、排気ガスの温度を排気ガス後処理装置における排気ガス浄化能力の維持に必要な高い温度に維持したりすることが難しいという問題がある。
特開2009−68398号公報 特開2009−191856号公報
これに対して、本発明者は、従来技術では冷却水の温度とその流量の調整によって冷却性能の変化を行っているのに対して、冷却水の蒸発熱を利用することで、大きな冷却能力と、冷却能力の迅速な変化、つまり、応答性と、冷却能力の変更範囲の拡大を図ることができるとの知見を得た。
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、シリンダヘッドの内部に設けた排気ポートの周囲に冷却水を流通させて排気ガスを冷却する内燃機関の冷却システムにおいて、内燃機関の排気ポートを流れる排気ガスに対する冷却能力を迅速に変更できて、排気ガス温度を所望の温度範囲に維持できる期間を拡大できる、内燃機関の冷却システム、内燃機関、及び、内燃機関の冷却方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関の冷却システムは、シリンダヘッドの内部に設けた排気ポートの周囲に冷却水を流通させて排気ガスを冷却する内燃機関の冷却システムにおいて、排気ポートの外側に設けられている冷却用流路と共に、この冷却用流路に供給する冷却用水の量の制御範囲にこの冷却用流路を流れる水量が蒸発しきる量を含んで、この冷却用流路に冷却用水を供給する制御を行う制御装置を備えて構成される。
この構成によれば、冷却用流路を流れる水量が蒸発しきる量、すなわち、冷却用流路を流れる水量がゼロになる量を含むことにより、この冷却用流路に供給された冷却用水が蒸発して液体から気体に相変化する際に吸熱する蒸発熱(気化熱)を利用できるので、少ない冷却用水の量で排気ポートを流れる排気ガスの冷却を効率よく行うことができる。この蒸発熱は液体状態における温度変化に比べて非常に大きな熱移動を実現できるので、冷却能力(冷却度合い:熱移動の大きさ)の増大だけでなく、その応答性を著しく高めることができる。
そして、エンジン始動時には、この冷却用流路への冷却用水の供給を止めて完全にゼロにすることで、この冷却用流路における冷却能力を著しく低下させることができるので、排気ポートから排出される排気ガスの温度を早期に昇温でき、また、エンジンの低負荷運転時には、排気ポートから排出される排気ガスの温度を比較的高温に維持できるので、排気通路に配置された排気ガス後処理装置の触媒において活性化温度以下となる時間を著しく短縮することができる。
また、加速時などの燃料の急激な増加による排気ガス温度の急上昇時においても、この冷却用流路への冷却用水の供給を行うことで、この冷却用流路における冷却能力を蒸発熱の利用により即座に上昇させることができるので、排気ポートから排出される排気ガスの温度を迅速に下降させることができ、排気通路に配置された排気ガス後処理装置の触媒における活性度合いの低下や熱劣化を防止することができる。
上記の内燃機関の冷却システムにおいて、前記冷却用流路を、排気ポートの外側に設けられていて、かつ、常時エンジン冷却水が循環しているウォータージャケットとは別の流路として構成していると、このウォータージャケットで平均的な冷却能力を確保して、穏やかな冷却能力の変化に対応させるとともに、冷却用流路に供給する冷却用水の水量と供給タイミングの制御により、短期間かつ高い応答性を要求される急激な冷却能力の変化に対応することができるようになるので、冷却用流路を小さくできるとともに、これに供給する冷却用水の水量を少なくできる。
また、排気ポートの近傍の冷却用流路と、その他のウォータージャケットを別々に形成している構成にしているので、排気ポートから排出される排気ガスに対する冷却能力の大きさと、吸気ポートから燃焼室に供給される吸気に対する冷却能力の大きさとを別々に制御できる。そのため、ウォータージャケットは吸気ポートも冷却しているので、エンジン運転時に、吸気の冷却による燃焼温度の上昇の抑制と、排気ガスの冷却抑制による排気ガスの温度の下降の抑制を同時に別々に行うことができるようになる。また、冷却用流路への冷却用水の供給停止により排気ガスの温度の下降を回避しながら、ウォータージャケットによる冷却でシリンダヘッドの過熱を防止することもできる。
上記の内燃機関の冷却システムにおいて、前記冷却用流路に供給する冷却用水を排気ポートの外側に向かって噴射する噴射ノズルを備えている構成にしていると、この噴射ノズルから噴射された冷却用水を排気ポートの外側に拡散させた状態で吹き付けることができるので、非常に効率よく冷却用水を蒸発させることができ、少ない冷却用水で大きな冷却能力を得ることができるようになる。
上記の内燃機関の冷却システムにおいて、前記制御装置が、前記冷却用流路に冷却用水が流れている状態の制御において、前記排気ポート又は排気マニホールド又は排気通路に設けた排気ガス温度センサによる検出温度が、予め設定した設定温度より低いときは、前記冷却用流路に供給する冷却用水の量を少なくして供給するかあるいは供給停止し、前記排気ガス温度センサによる検出温度が、前記設定温度以上のときは、前記冷却用流路に供給する冷却用水の量を多くするかあるいは最大量で供給する制御を行う制御装置であると、排気ポートから排出される排気温度を設定温度に近い温度範囲になるように冷却能力を変化させることができる。
なお、この冷却用水の流量の調整は、エンジン冷却水を冷却用水として使用する場合には、エンジン冷却水を供給する冷却水ポンプの水圧の恒常的な増加と冷却用流路への供給通路に配置した流量供給弁(噴射ノズルでの兼用も可)の組み合わせや、冷却水ポンプからの水圧を増圧するための増圧用ポンプの増設と冷却用流路への供給通路に配置した流量供給弁の組み合わせや、エンジン冷却水の供給圧の増減を容易に実現できる電動式の冷却ポンプと冷却用流路への供給通路に配置した流量供給弁の組み合わせ等で、容易に行うことができる。
そして、上記の目的を達成するための本発明の内燃機関は、上記の内燃機関の冷却システムを備えて構成され、上記の内燃機関の冷却システムと同様の効果を奏することができる。
また、上記の目的を達成するための本発明の内燃機関の冷却方法は、シリンダヘッドの内部に設けた排気ポートの周囲に冷却水を流通させて排気ガスを冷却する内燃機関の冷却方法において、排気ポートの外側に設けた冷却用流路に冷却用水を供給する場合に、この冷却用水の量の制御範囲に前記冷却用流路を流れる水量が蒸発しきる量を含んで前記冷却用流路に冷却用水を供給することを特徴とする方法である。
また、上記の内燃機関の冷却方法において、前記冷却用流路に供給する冷却用水の量を調整すると共に、前記冷却用流路とは別に設けられている排気ポートの外側に設けられているウォータージャケットに供給するエンジン冷却水の量を調整する。
上記の内燃機関の冷却方法において、前記冷却用流路に供給する冷却用水を噴射ノズル排気ポートの外側に向かって噴射する。
上記の内燃機関の冷却方法において、前記冷却用流路に冷却用水が流れている状態において、前記排気ポート又は排気マニホールド又は排気通路における排気ガスの検出温度が、予め設定した設定温度より低いときは、前記冷却用流路に供給する冷却用水の量を少なくして供給するかあるいは供給停止し、前記排気ガスの検出温度が、前記設定温度以上のときは、前記冷却用流路に供給する冷却用水の量を多くするかあるいは最大量で供給する。
これらの内燃機関の冷却方法によれば、上記の内燃機関の冷却システムと同様の効果を奏することができる。
本発明の内燃機関の冷却システム、内燃機関、及び、内燃機関の冷却方法によれば、内燃機関のシリンダヘッド内の冷却用流路への冷却用水の量を調整することで、排気ポートにおける排気ガスに対する冷却能力を大きくしかも迅速に変化させることができる。
そのため、エンジン始動時には、冷却用流路への冷却用水の量をゼロにして冷却能力を低下させて、排気通路に配置された排気ガス後処理装置に流入する排気ガスの温度を早期に昇温できると共に、内燃機関の低負荷運転時には、排気ガス後処理装置に流入する排気ガスの温度が高い状態を維持できる。
また、内燃機関の高負荷運転時には、冷却用流路への冷却用水の量を増加して冷却能力を高めて、排気ポートから排出される排気ガスによる排気ガス浄化装置の触媒の加熱を防止して、触媒における活性化範囲の高温側への逸脱と触媒の熱劣化の防止を図ることができる。
従って、内燃機関の排気ポートから排出される排気ガスの温度が低温であるときに、更なる低温化を抑制して、排気ガス後処理装置が担持する各触媒の浄化処理に必要な排気ガスの温度を確保でき、排気ガス後処理装置の触媒の温度が活性化範囲を外れている期間を短くして、排気ガス浄化性能を向上させることができる。
本発明に係る実施の形態の内燃機関の冷却システムの構成を模式的に示す図である。 シリンダヘッドの排気ポート周辺のウォータージャケットと冷却用流路と噴射ノズルの構成を模式的に示すシリンダヘッドの部分断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の内燃機関の冷却システム、内燃機関、及び、内燃機関の冷却方法について図面を参照しながら説明する。
最初に、図1を参照しながら、本発明に係る実施の形態の内燃機関の冷却システム10について説明する。この冷却システム10では、シリンダヘッド11とエンジンブロック12とが接合し、エンジンブロック12のシリンダ12aの内部にピストン13が挿入され、このピストン13とシリンダヘッド11の間に燃焼空間Rを形成している。
この燃料空間Rには、吸気バルブ14が対向して設けられ、吸気通路21からの吸気Aが、吸気バルブ14の開弁により、吸気ポート15と吸気マニホールド16を経由して、この燃焼空間Rに供給される。この燃焼空間Rに、図示しない燃料噴射弁により燃料Fが噴射され、吸気A中の酸素により燃焼し、燃料後の排気ガスGは、排気バルブ17の開弁により、排気ポート18と排気マニホールド19を経由して排気通路22に流出する。この排気ガスGeに一部がEGRガスGeとして必要に応じて、EGR通路23のEGRクーラー23aとEGRバルブ23bを経由して吸気Aに混入される。
そして、排気ポート18の周囲には、エンジン冷却水Weが循環するウォータージャケット(エンジン冷却水路)30が設けられ、このエンジン冷却水Weは、エンジンブロック2の内部の冷却水路(図示しない)からシリンダヘッド3の内部のウォータージャケット30に入り、エンジン本体を冷却して温度が上昇した後に、シリンダヘッド11の外に流出し、図示しないラジエータに入って冷却される。また、EGRクーラー23aが水冷式の場合には、このエンジン冷却水Weは、EGRクーラー23aにも循環され、EGRガスGeを冷却する。
そして、本発明では、このシリンダヘッド11の内部に設けた排気ポート18の周囲に冷却水Wjを流通させて排気ガスGを冷却する内燃機関の冷却システムにおいて、排気ポート18の外側に冷却用流路31を設ける。
この冷却用流路31は、ウォータージャケット30が、エンジン冷却水Weで満たされ、気体の部分が無いのに対して、この冷却用水Wjが水流として流れることがなく、この冷却用流路31に供給された冷却用水Wjは、排気ポート18の外側に触れて蒸発しきる量で供給される場合を含むように、冷却用水Wjの量が調整されて供給される。
つまり、この冷却用流路31に供給する冷却用水Wjの量を制御する流量調整装置33は、冷却用水Wjの量の制御範囲に冷却用流路31を流れる水量が蒸発しきる量、即ち、及び、冷却用流路31を流れる水量がゼロになる量を含んで制御する。この流れる水量が蒸発しきる量とは供給された冷却用水Wjが全て蒸発して気体(蒸気)になっている量である。なお、この蒸発した水蒸気は、自然冷却あるいはコンデンサー(図示しない)を経て車両のサブタンク(図示しない)に戻される。
この冷却用水Wjの供給量が完全にゼロになると冷却用水Wjによる冷却効果が無くなる。一方、冷却用水Wjの供給量を、供給された冷却用水Wjが排気ポート18の壁の外側に触れると蒸発しきる程度の僅かな量とすると、冷却用水Wjが蒸発(気化)するときの蒸発熱(気化熱)を利用できるので、少ない冷却用水Wjで排気ポート18の冷却を効率よく行うことができる。それと共に、この蒸発熱は液体状態における温度変化に比べて非常に大きな熱移動を実現できるので、冷却能力(冷却度合い:熱移動の大きさ)の増大だけでなく、その応答性を著しく高めることができる。従って、非常に大きな冷却効果と応答性が著しく良い冷却能力を得ることができる。
また、冷却用水Wjの供給量が多く、供給された冷却用水Wjが排気ポート18の壁の外側に触れても蒸発しない程度とすると、蒸発熱(気化熱)は利用できないが、水温の冷却用水Wjの変化による、比較的穏やかに変化できる冷却能力を得ることができる。また、冷却用流路31を冷却用水Wjが流れている量の多少によっても、また、流速によっても、冷却能力を変化できる。従って、冷却能力の変化の幅を大きくできるようになる。
そして、この冷却用流路31に流れる冷却用水Wjの量を制御する制御装置40では、冷却用流路31に冷却用水Wjが流れている状態の制御において次の制御を行う。つまり、排気ポート18又は排気マニホールド19又は排気通路22(図1では排気通路22)に設けた排気ガス温度センサ24による検出温度Tmが、予め設定した設定温度Tcより低いときは、冷却用流路31に供給する冷却用水Wjの流量を少なくして供給するかあるいは供給停止する。また、排気ガス温度センサ24による検出温度Tmが、設定温度Tc以上のときは、冷却用流路31に供給する冷却用水Wjの流量を多くするかあるいは最大流量で供給する。これにより、排気ポート18から排出される排気温度Tgを設定温度Tcに近い温度範囲になるように冷却能力を変化させることができる。
なお、この冷却用水Wjの量の調整は、エンジン冷却水Weを冷却用水Wjとして使用する場合には、供給経路を別にするとともに、エンジン冷却水Weを供給する冷却水ポンプ(図示しない)の水圧の恒常的な増加と冷却用流路31への供給通路33に配置した流量調整装置34(噴射ノズルでの兼用も可)とを組み合わせることや、冷却水ポンプ(図示しない)からの水圧を増圧するための増圧用ポンプ(図示しない)の増設と冷却用流路31への供給通路33に配置した流量調整装置34とを組み合わせることや、エンジン冷却水Weの供給圧の増減を容易に実現できる電動式の冷却ポンプ(図示しない)と冷却用流路31への供給通路33に配置した流量調整装置34とを組み合わせること等で、容易に行うことができる。
そして、この冷却用流路31に供給する冷却用水Wjを排気ポート18の外側に向かって噴射する噴射ノズル32を設けて、この噴射ノズル32から噴射された冷却用水Wjを排気ポート18の外側に拡散させた状態で吹き付ける。これにより、非常に効率よく冷却用水Wjを蒸発させることができ、少ない冷却用水Wjの量で大きな冷却能力を得ることができるようになる。
また、この冷却用流路31は、常時エンジン冷却水Weが循環しているウォータージャケット30とは別に設ける。これにより、ウォータージャケット30で平均的な冷却能力を確保して、穏やかな冷却能力の変化に対応させるとともに、冷却用流路31に供給する冷却用水Wjの水量と供給タイミングの制御により、短期間かつ高い応答性を要求される急激な冷却能力の変化に対応させる。これにより、冷却用流路31を小さくできるとともに、これに供給する冷却用水Wjの水量を少なくできる。
また、排気ポート18の近傍の冷却用流路31と、その他のウォータージャケット30を別にして構成しているので、排気ポート18から排出される排気ガスGに対する冷却能力の大きさと、吸気ポート15から燃焼空間(燃焼室)Rに供給される吸気Aに対する冷却能力の大きさとを別々に制御できる。そのため、ウォータージャケット30は吸気ポート15も冷却しているので、エンジン運転時に、吸気Aの冷却による燃焼温度の上昇の抑制と、排気ガスGの冷却抑制による排気ガスGの温度の下降の防止を同時に別々に行うことができるようになる。また、冷却用流路31への冷却用水Wjの供給停止により排気ガスGの温度の下降を回避しながら、ウォータージャケット30による冷却でシリンダヘッド11の過熱を防止することもできる。
そして、エンジン始動時には、この冷却用流路31への冷却用水Wjの供給を止めることで、この冷却用流路31における冷却能力を著しく低下させることができるので、排気ポート18から排出される排気ガスGの温度を早期に昇温でき、また、エンジンの低負荷運転時には、排気ポート18から排出される排気ガスGの温度を比較的高温に維持できるので、排気通路22に配置された排気ガス後処理装置(図示しない)の触媒において活性化温度以下となる時間を著しく短縮することができる。
また、加速時などの燃料の急激な増加による排気ガスGの温度の急上昇時においても、この冷却用流路31への冷却用水Wjの供給を蒸発しきる量で行うことで、この冷却用流路31における冷却能力を即座に上昇させることができるので、排気ポート18から排出される排気ガスGの温度を早期に下降させることができ、排気通路22に配置された排気ガス後処理装置の触媒における活性度合いの低下や熱劣化を防止することができる。
そして、本発明の実施の形態の内燃機関は、この内燃機関の冷却システム10を備えて構成され、この内燃機関の冷却システム10と同様の効果を奏することができる。
次に、本発明の実施の形態の内燃機関の冷却方法について説明する。この方法は、シリンダヘッド11の内部に設けた排気ポート18の周囲に冷却水(Weおよび/またはWj)を流通させて排気ガスGを冷却する内燃機関の冷却方法であり、この方法において、排気ポート18の外側に設けた冷却用流路31に冷却用水Wjを供給する際に、この冷却用水Wjの量の制御範囲にこの冷却用流路31を流れる水量が蒸発しきる量を含んで、この冷却用流路31に冷却用水Wjを供給する方法である。
この冷却用流路31に供給する冷却用水Wjは噴射ノズル32から排気ポート18の外側に向かって噴射することが好ましく、これにより、冷却用水Wjを分散させて排気ポート18の外側に吹き付けることができるので、瞬時に供給した冷却用水Wjを蒸発させることができ、非常に応答性に優れた冷却システムにすることができる。また、分散するので排気ポート18の外壁の局所的な温度変化を緩和することができる。
また、この内燃機関の冷却方法において、冷却用流路31に供給する冷却用水Wjの量を調整すると共に、冷却用流路31とは別に設けられている排気ポート18の外側に設けられているウォータージャケット30に供給しているエンジン冷却水Weの量を調整すると、排気ポート18から排出される排気ガスGに対する冷却能力の大きさと、吸気ポートAから燃焼領域Rに供給される吸気Aに対する冷却能力の大きさとを別々に調整できる。
そして、冷却用流路31に冷却用水Wjが流れている状態において、排気ポート18又は排気マニホールド19又は排気通路22における排気ガスGの検出温度Tmが、予め設定した設定温度Tcより低いときは、冷却用流路31に供給する冷却用水Wjの量を少なくして供給するかあるいは供給停止し、排気ガスGの検出温度Tmが、設定温度Tc以上のときは、冷却用流路31に供給する冷却用水Wjの流量を多くするかあるいは最大量で供給すると、排気ポート18から排出される排気温度を設定温度Tcに近い温度範囲になるように冷却能力を変化させることができる。
上記の構成の本発明の内燃機関の冷却システム、内燃機関、及び、内燃機関の冷却方法によれば、シリンダヘッド11内の冷却用流路31への冷却用水Wjの量を制御することで、排気ポート18における排気ガスGに対する冷却能力を大きくしかも迅速に変化させることができる。
そのため、エンジン始動時には、冷却用流路31への冷却用水Wjの量を零にして冷却能力を低下させて、排気通路22に配置された排気ガス後処理装置(図示しない)に流入する排気ガスGの温度を早期に高い状態に昇温できると共に、内燃機関の低負荷運転時には、排気ガス後処理装置に流入する排気ガスGの温度を高い状態に維持できる。
また、エンジン高負荷運転時には、冷却用流路31への冷却用水Wjの量を増加して冷却能力を高めて、排気ポート18から排出される排気ガスGによる排気ガス浄化装置の触媒の加熱を防止して、触媒における活性化範囲の高温側への逸脱と触媒の熱劣化の防止を図ることができる。
従って、排気ポート18から排出される排気ガスGの温度が低温であるときに、更なる低温化を抑制して、排気ガス後処理装置が担持する各触媒の浄化処理に必要な排気ガスGの温度を確保でき、排気ガス後処理装置の触媒の温度が活性化温度以下の期間を短くして、排気ガス浄化性能を向上させることができる。
10 内燃機関の冷却システム
18 排気ポート
19 排気マニホールド
21 吸気通路
22 排気通路
24 排気ガス温度センサ
30 ウォータージャケット(エンジン冷却水路)
31 冷却用流路
32 噴射ノズル
33 供給通路
34 流量調整装置
A 吸気
G 排気ガス
R 燃焼空間
We エンジン冷却水
Wj 冷却用水

Claims (9)

  1. シリンダヘッドの内部に設けた排気ポートの周囲に冷却水を流通させて排気ガスを冷却する内燃機関の冷却システムにおいて、
    排気ポートの外側に設けられている冷却用流路と共に、この冷却用流路に供給する冷却用水の量の制御範囲にこの冷却用流路を流れる水量が蒸発しきる状態を含んで、この冷却用流路に冷却用水を供給する制御を行う制御装置を備えていることを特徴とする内燃機関の冷却システム。
  2. 前記冷却用流路を、排気ポートの外側に設けられていて、かつ、常時エンジン冷却水が循環しているウォータージャケットとは別の流路としている請求項1に記載の内燃機関の冷却システム。
  3. 前記冷却用流路に供給する冷却用水を排気ポートの外側に向かって噴射する噴射ノズルを備えている請求項1又は2に記載の内燃機関の冷却システム。
  4. 前記制御装置が、前記冷却用流路に冷却用水が流れている状態の制御において、前記排気ポート又は排気マニホールド又は排気通路に設けた排気ガス温度センサによる検出温度が、予め設定した設定温度より低いときは、前記冷却用流路に供給する冷却用水の量を少なくして供給するかあるいは供給停止し、前記排気ガス温度センサによる検出温度が、前記設定温度以上のときは、前記冷却用流路に供給する冷却用水の量を多くするかあるいは最大量で供給する制御を行う制御装置である請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却システムを備えていることを特徴とする内燃機関。
  6. リンダヘッドの内部に設けた排気ポートの周囲に冷却水を流通させて排気ガスを冷却する内燃機関の冷却方法において、
    排気ポートの外側に設けた冷却用流路に冷却用水を供給する場合に、この冷却用水の量の制御範囲に前記冷却用流路を流れる水量が蒸発しきる状態を含んで前記冷却用流路に冷却用水を供給することを特徴とする内燃機関の冷却方法。
  7. 前記冷却用流路に供給する冷却用水の量を調整すると共に、前記冷却用流路とは別に設けられている排気ポートの外側に設けられているウォータージャケットに供給するエンジン冷却水の量を調整する請求項6に記載の内燃機関の冷却方法。
  8. 前記冷却用流路に供給する冷却用水を噴射ノズル排気ポートの外側に向かって噴射する請求項6又は7に記載の内燃機関の冷却方法。
  9. 前記冷却用流路に冷却用水が流れているに状態おいて、前記排気ポート又は排気マニホールド又は排気通路における排気ガスの検出温度が、予め設定した設定温度より低いときは、前記冷却用流路に供給する冷却用水の量を少なくして供給するかあるいは供給停止し、前記排気ガスの検出温度が、前記設定温度以上のときは、前記冷却用流路に供給する冷却用水の量を多くするかあるいは最大量で供給する請求項6〜8のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却方法。
JP2015188462A 2015-09-25 2015-09-25 内燃機関の冷却システム、内燃機関、及び、内燃機関の冷却方法 Pending JP2017061905A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7459804B2 (ja) 2021-01-07 2024-04-02 トヨタ自動車株式会社 過給エンジンの冷却装置

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