JP2017058632A - 眼鏡用レンズの設計方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レンズ中心部に形成された眼球の回旋角が0度〜30度の範囲の第1領域22と、第1領域の外側で回旋角が45度以下の範囲に形成された第2領域24と、第2領域の外側の第3領域26と、を有し、第1領域及び第2領域にそれぞれ満たすべき光学性能を規定した眼鏡用レンズの設計方法であって、(a)屈曲面が何れも球面形状と仮定した球面設計にて光学性能のシミュレーションを行い、ベースカーブの値を設定するベースカーブ設定ステップと、(b)非球面の屈曲面形状を特定するための非球面の式に含まれる複数のパラメータのうち、頂点曲率半径を前記ベースカーブの値を用いて算出し、この頂点曲率半径の数値を反映させた非球面の式を用いてシミュレーションを行い、残りのパラメータの数値を設定する非球面形状設定ステップと、を備えている。
【選択図】 図1
Description
このような問題を解消するため、眼鏡用レンズの前面側の屈曲面と後面側の屈曲面の少なくとも何れか一面を非球面化して、レンズ中心部の領域で所定の光学性能を有する一方で、その外側の領域でレンズを薄く形成して、レンズの薄さと光学性能との両立を図るようになした眼鏡用レンズが提案されている。
しかしながら非球面レンズの形状を特定するために用いる非球面の式は、使用するパラメータの数が多く、レンズ内に設定した各領域において要求される光学性能を満たした上でレンズ厚を薄くするように各パラメータを最適化するのは難しい。
本発明は以上のような事情を背景とし、光学性能とレンズの薄さとを良好にバランスさせることが可能な眼鏡用レンズの設計方法を提供することを目的としてなされたものである。
BC2≦BC≦BC1 ・・・式(2)
ここでBC:ベースカーブ、n:屈折率、D:頂点屈折力、
BC1=(n−1)×(−0.00127D3−0.00834D2+0.941D+12.57)、
BC2=(n−1)×(0.00091D3+0.03928D2+0.613D+3.89)
光学性能とレンズの薄さとをバランスよく両立させるためには、以下で述べるようにこれら第1領域から第3領域の各領域ごとにそれぞれ満たすべき機能を規定することが望ましい。
また眼球運動だけで瞬時に情報受容できる領域は、水平約30度(左右各±15度)、垂直約20度(上8度、下12度)の範囲とされ、この領域は有効視野と呼ばれている。
これら弁別視野及び有効視野を含み、対象物の細かな構造の識別が要求される本発明の第1領域においては、特に平均度数誤差及び非点収差を所定範囲内に抑えることが有効である。このようにすることで正面視及び側方視におけるボケを感じにくくして瞬時にピントを合わせることができる。
主にこの安定注視野を含む本発明の第2領域においては、特に非点収差とともにプリズム値を所定範囲内に抑えることが有効である。これにより眼鏡用レンズの歪曲収差を低減することができ、揺れや歪みを大幅に抑えることができる。
また頭部を動かしたときに像が大きく変形することがなくなるため、目標の対象物に視線を合わせやすくなる。
また目や頭を動かしても揺れや歪みを感じにくくなるため、良好な掛け心地を提供することができる。
このため主に眼球の回旋角が45度を超える領域で構成される本発明の第3領域においては、特に光学性能は規定せず、この第3領域をレンズの厚みを薄くするための領域とすることが有効である。即ちこのような第3領域を設定することで、マイナスレンズにおいては球面設計のレンズに比べてレンズ縁部の厚みを薄くすることができ、プラスレンズにおいてはレンズ縁部の厚みを同じとした場合レンズ中心厚を球面設計のレンズに比べて薄くすることができる。
そこで本発明では上記パラメータのうち頂点曲率半径を優先して設定し、その後残りの非球面係数を設定する。
そしてこのベースカーブの値を用いて上記式(1)における頂点曲率半径Rを算出する。
尚、頂点曲率半径Rは、前面側の頂点曲率半径をR1、後面側の頂点曲率半径をR2とすると、それぞれ以下の式(3)、式(4)を用いて算出することができる。
BC2≦BC≦BC1 ・・・式(2)
ここでBC1=(n−1)×(−0.00127D3−0.00834D2+0.941D+12.57)、
BC2=(n−1)×(0.00091D3+0.03928D2+0.613D+3.89)で、n:屈折率、Dは頂点屈折力、を表す。
一方、ベースカーブBCの値としてBC2を下回る値を選択した場合には、そのBC値で設計した第2領域における最大プリズム量が、上記のBC1の値で球面設計されたレンズの第2領域における最大プリズム量よりも大きくなり、歪曲収差を抑える効果が得られない。このためベースカーブBCの下限値はBC2とするのが望ましい。
例えば使用する眼鏡用フレームに関する情報が得られている場合には、請求項3に従って、眼鏡用レンズが取り付けられる眼鏡用フレームの玉型の大きさに対応して第2領域の大きさを変化させ、玉型内に、レンズの厚みを薄くするための第3領域を5mm以上設けることで、レンズの薄さを使用者に実感させることができる。
一般に高強度の屈折力を持つレンズにはレンズの厚みが厚くなること、レンズ周縁部での渦、歪みが強く感じられること、他人から見られた時に目が小さく見えたり(プラスレンズの場合は大きく見えたり)する等のデメリットがある。このようなデメリットを軽減するため高強度の(頂点屈折率の強度の絶対値が大きい)レンズを使用する場合は玉型の小さいフレームが選択される場合が多い。このため強度の絶対値が大きいレンズにおいて第2領域が大きい設計を行なうとレンズの第3領域が玉型内に入らなくなってしまうおそれがある。そこで請求項4に従って、レンズの強度の絶対値が所定の範囲内である場合には、絶対値が大きくなるに従って、第2領域の大きさが漸次小さくなるよう設計するのが有効である。
図1は、本実施形態の設計方法における適用対象としての眼鏡用レンズの概略図である。
同図において、10は眼鏡用レンズで、前面側(物体側)の屈曲面12及び後面側(眼球側)の屈曲面14が何れも非球面で構成されている単焦点レンズである。
図1(A)で示すように、この眼球用レンズ(以下単にレンズとする場合がある)10はレンズの中心部に第1領域22、第1領域22の外側に第2領域24、更に第2レンズ24の外側に第3領域26、が形成されている。
本例では回旋角αが0〜30度の範囲に対応するレンズ上の領域(外径約Φ30mm)を第1領域22、回旋角αが30超〜45度の範囲に対応するレンズ上の領域(外径約Φ50mm)を第2領域24、回旋角αが45度超〜レンズ縁部の範囲に対応するレンズ上の領域を第3領域26としている。
本例では第1領域22における平均度数誤差が±0.50ディオプタ(以降”D”とする場合がある)以内、また非点収差が±0.25D以内となるように設計されている。
また非点収差は、回旋角αに対応したレンズ10の位置における半径方向(メリジオナル方向)の屈折力と周方向(サジタル方向)の屈折力との差である。
ここでプリズム減少率は、本実施形態のレンズ10のプリズム値をPZD1、同じベースカーブの球面設計レンズのプリズム値をPZD0とすると、(PZD0−PZD1)/PZD0×100により求めることができる。
このためこの第3領域26については光学性能について特に規定せず、同じベースカーブの値を用いて球面設計を行なったレンズに比べてレンズの厚みを薄くすることを優先する。具体的にはマイナスレンズの場合レンズ縁部での縁厚減少率を5%以上とし、プラスレンズの場合レンズ中心での中心厚減少率を5%以上とする。
本実施形態では非球面レンズの面形状を下記式(5)、式(6)を用いて求める。
式中のXは光軸Pからの距離(0〜外径/2、単位:mm)、
R1は前面側の頂点曲率半径、R2は後面側の頂点曲率半径(単位:mm)、
k1、a1、b1、c1、d1は前面側の非球面係数、
k2、a2、b2、c2、d2は後面側の非球面係数、である。
これにより前面側の屈曲面12及び後面側の屈曲面14が非球面で構成された眼鏡用レンズ10の形状を特定することができる。
以下において、その設計手順を詳しく説明する。
本例ではレンズの非球面形状の設計に先立って、設計対象となるレンズ度数を有する眼球用レンズが球面形状であると仮定して、球面設計におけるベースカーブ(前面側屈曲面の面屈折力で、単位はDである)の値を変化させて、光学性能(平均度数誤差、非点収差、プリズム値)のシミュレーションを行う。
シミュレーションは後述する光線追跡を用いて行うことができる。
尚、球面レンズの面形状は下記式(7)、式(8)を用いて求めることができる。
式中のXは光軸Pからの距離、R1は前面側の曲率半径、R2は後面側の曲率半径で、これらR1及びR2は先述の式(3)、式(4)で示すようにベースカーブの値に基づいて算出される。
同図で示すように、光学性能(平均度数誤差、非点収差、プリズム値)は、回旋角及びベースカーブの値により変化する。この例では回旋角0〜45度の範囲において、平均度数誤差、非点収差、プリズム値の何れも深いベースカーブ(3.07D又は4.08D)にて良好な結果が得られている。
上限値BC1を超えた値を設定してもレンズの厚みを薄くすることが難しく、光学性能と薄型化との両立を図ることが困難となる。また下限値BC2を下回る値を設定しても第2領域24における最大プリズム量が大きくなり、歪曲収差を抑える効果が得られないからである。
BC2≦BC≦BC1 ・・・式(2)
ここでBC:ベースカーブ、n:屈折率、D:頂点屈折力、
BC1=(n−1)×(−0.00127D3−0.00834D2+0.941D+12.57)、
BC2=(n−1)×(0.00091D3+0.03928D2+0.613D+3.89)
レンズ設計の前提条件として、レンズ度数(頂点屈折力)D、屈折率n、レンズ中心厚CT(単位:mm)、外径(単位:mm)を設定する。
上記シミュレーションの結果から、設計するレンズのベースカーブBCの値を、式(2)を満たす範囲で設定する。
上記で設定したベースカーブBCの値を用いて、式(3)、式(4)により、前面側の頂点曲率半径R1及び後面側の頂点曲率半径R2を求める。
次に非球面レンズの面形状を特定するため、式(5)、式(6)における必要な残りのパラメータ、即ち非球面係数(k1、a1、b1、c1、d1及びk2、a2、b2、c2、d2)の値を求める。
具体的には、上記で求めた頂点曲率半径R1、R2の値を反映させた非球面の式(5)、(6)を用いてシミュレーションを行い、目標とする光学性能及びレンズの厚みが得られるように非球面係数の数値を設定する。シミュレーションにおいては以下の光線追跡により光学性能の評価を行う。
同図においてレンズ中心を通る光軸Pの線上で、レンズ10の後面から25mmの位置に眼球20の回旋中心が位置している。
光線追跡は、まず眼球20の回旋中心を通る回旋角αの主光線について考える。
回旋角αで出射された主光線は、部分拡大図で示すようにレンズ後面の入射点において面の法線方向に対し入射角θ1で入射し、その際入射した主光線はレンズ後面でスネルの法則に従い屈折角θ2で屈折する。
レンズ後面で屈折した光は次にレンズ前面に入射し、入射した光はレンズ前面でスネルの法則に従い屈折する。
そしてレンズ前面より出射した主光線は、物体距離500mにあるスクリーンにぶつかる。ここではぶつかったスクリーン上の点を物点とする。
副光線は、レンズ前面の主光線通過ポイントを中心とした、光線半径0.1mm上の位置に入射するようにする。
尚、本実施形態のレンズ10は回転軸対象の非球面であるため、図3(B)で示す半径方向と接線方向の2方向だけ考えれば良い。そのため、4本の副光線(上下左右)について考える。
出射した副光線は、スネルの法則に従いレンズ前面→レンズ後面の順に屈折し、主光線と交わる。この主光線と交わる点を焦点とする。
ここで、主光線のレンズ前面の出射点から物点までの距離を前側焦点距離f1(単位:m)、主光線のレンズ後面入射点から焦点までの距離を後側焦点距離f2(単位:m)とすると、下記式(9)で示すようにそれぞれの逆数の和が屈折力P(単位:D)となる。
P=1/f1+1/f2 ・・・式(9)
求めたPmとPtから下記式(10)、(11)を用いて、非点収差As(単位:D)と平均度数MP(単位:D)を求める。
As=Pm−Pt ・・・式(10)
MP=(Pm+Pt)/2 ・・・式(11)
尚、第1領域22で規定する平均度数誤差は、回旋角αにおける平均度数MPと頂点屈折力との差である。
cosω=A・B/(|A|・|B|) ・・・式(12)
PZD=tanω/100 ・・・式(13)
尚、第2領域24で規定するプリズム減少率は、本実施形態のレンズ10のプリズム値をPZD1、同じベースカーブの球面設計レンズのプリズム値をPZD0とすると、(PZD0−PZD1)/PZD0×100により求めることができる。
尚、上記設計方法はマイナスレンズを対象として説明を行なったが、プラスレンズにおいては上記と同様の手順で得られた前面側の屈曲面と後面側の屈曲面とを光軸方向に接近移動させることでレンズ中心部の厚みを薄くすることが可能となる。
実施例1は、レンズ度数(頂点屈折力)がS−6.00Dで、両面が非球面の屈曲面で構成されたレンズを設計した例である。
具体的なレンズデータは以下の通りである。
頂点屈折力D −6.00D
屈折率n 1.668
設定BC 3.05D
BC1 4.61D
BC2 0.95D
外径 80mm
中心厚CT 1.10mm
非球面係数 k a b c d
前面 1.00 1.57E-07 −6.19E-11 4.52E-14 -1.43E-17
後面 1.00 -1.25E-07 −4.43E-10 5.10E-13 -1.73E-16
尚、前面及び後面の非球面係数a,b,c,dにおいて、E及びEの右側の数字は、10を基数としEの右側の数字を指数とする累乗を表している。
最大平均度数誤差(α:0〜30度) 0.26D
最大非点収差(α:0〜30度) −0.06D
最大非点収差(α:30超〜45度) 0.45D
球面プリズム値(α:45度) 18.29△
非球面プリズム値(α:45度) 16.64△
プリズム減少率 8.99%
球面縁厚 9.20mm
非球面縁厚 8.24mm
縁厚減少率 10.43%
また、図4に実施例1における旋回角αと各種光学性能との関係を示す。
同図において、平均度数誤差、非点収差、プリズム値については比較のために同じベースカーブの球面設計レンズの値を点線で示している。
実施例2は、レンズ度数(頂点屈折力)がS+4.00Dで、両面が非球面の屈曲面で構成されたレンズを設計した例である。
具体的なレンズデータは以下の通りである。
頂点屈折力D +4.00D
屈折率n 1.668
設定BC 5.26D
BC1 10.77D
BC2 4.70D
外径 70mm
縁厚 1.00mm
非球面係数 k a b c d
前面 1.00 -1.93E-07 4.83E-11 -2.25E-15 -3.84E-19
後面 1.00 4.08E-07 -1.14E-10 1.16E-14 1.03E-18
最大平均度数誤差(α:0〜30度) −0.20D
最大非点収差(α:0〜30度) 0.04D
最大非点収差(α:30超〜45度) −0.46D
球面プリズム値(α:45度) 13.96△
非球面プリズム値(α:45度) 11.51△
プリズム減少率 17.55%
球面中心厚 4.69mm
非球面中心厚 4.04mm
中心厚減少率 13.86%
尚、上記中心厚減少率はレンズの縁厚を共に1.00mmとした場合の球面及び非球面レンズの中心厚に基づいて算出したものである。
また、図5に実施例2における旋回角αと各種光学性能との関係を示す。
この実施例2においても上記レンズデータで示すように式(2)の条件を満たすベースカーブの値(設定BC:5.26D)を用いてレンズ設計を行なっており、第1領域及び第2領域における光学性能は何れも目標値を満たしている。
図6(A)は、眼鏡用レンズ10が取り付けられる眼鏡用フレームの玉型の大きさに対応して第2領域24の外径を変化させる設計方法の一例を示したものである。
本発明の設計方法では第2領域24の外側に第3領域26を設けることで従来(球面設計)よりもレンズの厚みを薄くすることを可能としているが、レンズ10が取り付けられる眼鏡用フレームの玉型の大きさは様々であるため、小さな玉型にレンズ10を取り付けた場合には、玉型内のレンズ10の第3領域26が小さくなってしまい本発明の効果を十分に発揮できなくなってしまう。
具体的には図7(B)で示すように、玉型32の大きさの如何に拘らず玉型32にレンズ10を取り付けた状態で、第3領域26を5mm以上残しておくことで、第3領域の効果、即ちレンズ縁部の薄さを使用者が実感することができる。
この図6(B)の例では、頂点屈折力の絶対値が4.0以下、即ちレンズの度数が小さい場合は第2領域24の外径を50mm(回旋角45度に相当)とし、頂点屈折力の絶対値が4.0超から12.0までの範囲にあるレンズを設計する場合には絶対値が大きくなるに従って、第2領域24の大きさを漸次小さくなるよう設計している。また頂点屈折力の絶対値が12.0以上大きくなっても以降第2領域24の外径は40mmで一定としている。
一方、玉型サイズの大きなフレームが選択された場合、第3領域26がフレームに含まれる割合が大きくなるため、より大きな薄型化の効果を得ることができる。
例えば上記実施形態においては、前面側及び後面側の屈曲面が何れも非球面で構成されていたが、本発明の設計方法は、前面側及び後面側の屈曲面の何れか一面が非球面で構成された眼鏡用レンズに適用することも可能である。
また上記実施形態においては非球面の式(1)の第2項として、4次、6次、8次、10次についての非球面係数を求めているが、場合によってはこれとは異なる次数の非球面係数を求めるようにすることも可能である。
また乱視度数のあるレンズの場合、まず球面度数の前面側及び後面側の屈曲面について設計を行なう。その後、設計した前面側の屈曲面を同一とし、レンズ設計の前提条件のうち頂点屈折力を球面度数に乱視度数を加えた度数として後面側の屈曲面の設計を行なう。こうして得られた球面度数の頂点曲率半径と非球面係数、及び球面度数に乱視度数を加えた度数の頂点曲率半径と非球面係数から後面側の屈曲面を形成することで、乱視度数のあるレンズであっても、本発明の設計方法を適用することが可能である等、その趣旨を逸脱しない範囲において様々変更を加えた形態で構成可能である。
12,14 屈曲面
22 第1領域
24 第2領域
26 第3領域
32 玉型
α 回旋角
Claims (4)
- 前面側の屈曲面と後面側の屈曲面の少なくとも何れか一面が非球面で構成され、
レンズ中心部に形成された眼球の回旋角が0度〜30度の範囲の第1領域と、該第1領域の外側で眼球の回旋角が45度以下の範囲に形成された第2領域と、該第2領域の外側でレンズ縁部を含む第3領域と、を有し、前記第1領域及び第2領域にそれぞれ満たすべき光学性能を規定した眼鏡用レンズの設計方法であって、
(a)前記前面側及び後面側の屈曲面が何れも球面形状と仮定して行う球面設計にて、前記前面側の屈曲面のベースカーブを変化させて光学性能のシミュレーションを行い、それらベースカーブと光学性能との関係に基づいて該ベースカーブの値を設定するベースカーブ設定ステップと、
(b)非球面の屈曲面形状を特定するための下記非球面の式(1)に含まれる複数のパラメータのうち、頂点曲率半径を前記ベースカーブの値を用いて算出し、算出された該頂点曲率半径の数値を反映させた下記非球面の式(1)を用いてシミュレーションを行い、目標とする光学性能及びレンズの厚みが得られるように残りのパラメータの数値を設定する非球面形状設定ステップと、
を備えていることを特徴とする眼鏡用レンズの設計方法。
- 請求項1において、下記式(2)を満たすように前記ベースカーブの値を設定することを特徴とする眼鏡用レンズの設計方法。
BC2≦BC≦BC1 ・・・式(2)
ここでBC:ベースカーブ、n:屈折率、D:頂点屈折力、
BC1=(n−1)×(−0.00127D3−0.00834D2+0.941D+12.57)、
BC2=(n−1)×(0.00091D3+0.03928D2+0.613D+3.89) - 請求項1,2の何れかにおいて、前記眼鏡用レンズが取り付けられる眼鏡用フレームの玉型の大きさに対応して前記第2領域の大きさを変化させ、該玉型内に前記第3領域を5mm以上配置させるように設計することを特徴とする眼鏡用レンズの設計方法。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記眼鏡用レンズの頂点屈折力の強度の絶対値が所定の範囲内である場合に、該絶対値が大きくなるに従って、前記第2領域の大きさが漸次小さくなるように設計することを特徴とする眼鏡用レンズの設計方法。
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