JP2017058453A - コンタクトレンズ用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】(1)コンタクトレンズへの脂質付着の抑制と、(2)涙液の構造を乱さないことと、(3)コンタクトレンズ用液剤同士の接触や混合・併用により不溶物・沈殿物を生じないこと、の何れをも有利に達成することができる、新規なコンタクトレンズ用組成物を提供する。【解決手段】コンタクトレンズ用組成物が、多分散度が2.5以上かつ重量平均分子量30,000以下であるポリビニルアルコールを含んでいることを特徴とする。また、好適には、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴールのいずれか1つを含んでいるものである。【選択図】なし

Description

本発明は、例えばコンタクトレンズ装着液等として用いられるコンタクトレンズ用組成物に関するものである。
従来から、コンタクトレンズに対して用いられるコンタクトレンズ用組成物として、例えばコンタクトレンズ洗浄液、コンタクトレンズ保存液、コンタクトレンズ装着液、点眼液や洗眼液等、様々なものが考案されている。
ところで、このようなコンタクトレンズ用組成物は、コンタクトレンズの装用時に発生しがちな異物感や不快感を抑制することが求められる。例えば、特開2001−125052号公報(特許文献1)や特開平10−130448号公報(特許文献2)には、コンタクトレンズの濡れ性を向上させることにより、コンタクトレンズ装着時の装用感の改善を図ったコンタクトレンズ装着液が記載されている。特許文献1では増粘剤として、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)等を配合することにより、特許文献2では、平均重合度の低いポリビニルアルコールを用いることにより、コンタクトレンズ表面に濡れ性の向上達成されることが記載されている。
ところが、コンタクトレンズの濡れ性の向上を図っても、装用感の向上が未だ得られないこともある。この原因として、継続的な濡れ性を獲得できていないために、装用時間の経過とともに濡れ性が低下してきた結果、コンタクトレンズに汚れが付着しやすくなることが考えられる。即ち、コンタクトレンズ装着時の異物感や不快感は、コンタクトレンズそのものにより引き起こされるだけでなく、コンタクトレンズに付着した汚れが原因となっている場合がある。特に、近年、より酸素透過性に優れたレンズとしてシリコーンハイドロゲル製のソフトコンタクトレンズの普及が進んでいるが、このシリコーンハイドロゲル製のソフトコンタクトレンズは、従来のレンズよりも脂質汚れが付着しやすいという傾向がある。それ故、市場では、脂質汚れに起因する異物感や不快感を解消できるコンタクトレンズ用組成物に対する要望も高まってきている。
これに対して、特開2012−198538号公報(特許文献3)には、ポリビニルアルコールに加え、ヒプロメロース等を適切に配合することでコンタクトレンズへの脂質付着抑制が達成されることが記載されている。しかし、これらはヒプロメロースの低粘度品をある濃度(0.5w/v%)以上使うことが求められている。低粘度品は高粘度品に比べて製剤の界面活性能を高める働きがあり、それによりコンタクトレンズの濡れ性を向上させる効果や、脂質を可溶化する効果も大きいとされる。しかしながら、コンタクトレンズ用組成物として、濡れ性の付与や脂質の可溶化効果だけではなく、前眼部に投与された場合において涙液の安定性を維持することも重要であるものの、特許文献3では言及されていない。従って、コンタクトレンズの濡れ性付与や脂質汚れ付着抑制に加え、涙液の状態に悪影響を与えないことがコンタクトレンズ用組成物に求められる効果として要望されているのである。
一方、特開2003−57612(特許文献4)に記載の様にホウ酸(塩)とcis-ジオールを含む多糖類との錯形成により、架橋ゲルを生成させ、コンタクトレンズ表面に良好な濡れ性を付与させるコンタクトレンズ用組成物が開示されている。同様にcis−ジオール構造を形成するポリビニルアルコールもまた、ホウ酸(塩)と錯形成することが知られている。
ホウ酸(塩)やポリビニルアルコールはコンタクトレンズ保存液やコンタクトレンズ洗浄液、コンタクトレンズパッケージング用液(コンタクトレンズ流通保存液)、点眼剤等に広く配合されているが、前述のホウ酸(塩)とポリビニルアルコールによる錯形成による架橋ゲルの生成が、特許文献4に記載される正の作用の一方で、製剤の安定性を減弱させる負の作用も存在すると考えられる。したがって、ポリビニルアルコールを含む製剤と、ホウ酸(塩)を含む他の製剤との併用や接触により、不溶物・沈殿物が生成することのほか、ホウ酸(塩)とポリビニルアルコールとを併用する製剤と、他の製剤との併用や接触によっても不溶物・沈殿物が生成する恐れが考えられる。特にコンタクトレンズの使用においては、コンタクトレンズ流通保存液、コンタクトレンズ装着薬、点眼剤、コンタクトレンズすすぎ液(生理食塩液や水道水等)、コンタクトレンズ用多目的液剤(マルチパーパスソリューション;MPS)等複数の液剤を使用する場合が極めて多く、各液剤がコンタクトレンズ上、もしくは角膜上にて接触する場合も十分に想定される。その結果として、装用されるコンタクトレンズ上や角膜上にて不溶物・沈殿物が生成し、コンタクトレンズ装用時の異物感や不快感さらには眼刺激を引き起こす場合も懸念される。ところが、いずれの上記先行特許にも成分や製剤同士の相互作用から生じる、上記の様な負の作用や課題についての言及はなされていない。それ故、市場では各コンタクトレンズ用液剤の接触や混合・併用による沈殿物等の発生を未然に抑えることができるコンタクトレンズ組成物に対する要望も高まってきている。
従って、(1)コンタクトレンズへの脂質付着の抑制、(2)涙液の構造を乱さないこと、(3)コンタクトレンズ用液剤同士の接触や混合・併用により不溶物・沈殿物を生じないことの、何れをも達成してコンタクトレンズの装用感の更なる向上を図ることができるコンタクトレンズ組成物の提供は、未だ為されていないのが現状であった。
特開2001−125052号公報 特開平10−130448号公報 特開2012−198538号公報 特開2003−57612号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、(1)コンタクトレンズへの脂質付着の抑制、(2)涙液の構造を乱さないこと、(3)コンタクトレンズ用液剤同士の接触や混合・併用により不溶物・沈殿物を生じないこと、の何れをも有利に達成することができる、新規なコンタクトレンズ用組成物を提供することにある。
本発明者等は、かかる課題を解決するために鋭意検討を重ねる中で、ポリビニルアルコールの多分散度と重量平均分子量に着目し、かかる多分散度と重量平均分子量を制御することにより、上記(1)〜(3)の効果を同時に奏することができることを新たに見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の第一の態様は、コンタクトレンズ組成物において、多分散度が2.5以上かつ重量平均分子量が30,000以下であるポリビニルアルコールを含むことを特徴とする。
本態様によれば、従来から増粘剤等としてコンタクトレンズ用組成物に用いられているポリビニルアルコールの多分散度を2.5以上かつ重量平均分子量が30,000以下に設定するという簡単な構成により、(1)コンタクトレンズへの脂質付着の抑制、(2)涙液の構造を乱さないこと、(3)コンタクトレンズ用液剤同士の接触や混合・併用により不溶物・沈殿物を生じないこと、を同時に達成することができるのである。なお、正常な涙液は油層・水層・ムチン層とで成り立っており、これらの層の安定な形成が涙液の安定性に大きく関与していると考えられる。本願における「涙液の構造を乱す」とは、涙液の安定性に影響を及ぼすこと、つまり、これらの層構造の乱れや、層の菲薄・薄弱化、乃至はそれらから惹起される涙液層破綻時間の低下を意味する。
ここで、ポリビニルアルコールの多分散度とは、コンタクトレンズ組成物に含有されるポリビニルアルコール全体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)により算出することができる。このようなポリビニルアルコールの多分散度や重量平均分子量の調節により、上述の効果が達成される技術的理由は未だ明らかではないが、ポリビニルアルコールのうち、比較的低分子のポリビニルアルコールはレンズ表面〜内部まで浸透し、レンズ内部まで浸透できない高分子のポリビニルアルコールとレンズ表面とをつなぐ、いわゆるアンカーのような役割をしていると推察される。これによりコンタクトレンズ表面に付着する脂質等からブロックすることが出来るのではと考えられる。また低分子量・高分子量のポリビニルアルコールがバランス良く混在することにより、涙液層を破壊するような表面張力や脂質可溶化能を製剤に与えない一方、ホウ酸(塩)との錯形成に起因する架橋ゲルや不溶物・沈殿物に対する分散力の両方を兼ね備えることが可能であると考えられる。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載されたコンタクトレンズ用組成物において、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンおよびマクロゴールのいずれか1つ以上を含むものである。
本態様によれば、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンおよびマクロゴールのいずれか1つ以上を含むことで、本発明の効果をより発揮できる。
なお、上記特定の多分散度や重量平均分子量のポリビニルアルコールは、公知のポリビニルアルコールの製造方法のうち、解重合反応条件等を適宜制御することで得られることのほか、市販のポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製 ゴーセノール(登録商標)など市販されるポリビニルアルコール)の、分子量等の異なる型番品を複数種混合することで得ることが出来る。
本発明に従うコンタクトレンズ用組成物によれば、含有されるポリビニルアルコールの多分散度を2.5以上かつ重量平均分子量が30,000以下に設定するという簡単な構成により、(1)コンタクトレンズへの脂質付着の抑制、(2)涙液の構造を乱さないこと、(3)コンタクトレンズ用液剤同士の接触や混合・併用により不溶物・沈殿物を生じないこと、を同時に達成することができ、従来よりも一層有利にコンタクトレンズの装用感を向上させることができる。なお、多分散度を2.5以上かつ重量平均分子量が30,000以下に設定されたポリビニルアルコールを配合したコンタクトレンズ用組成物とすることで、上記(1)〜(3)の効果を得る方法および/またはそれらの効果を得ることでコンタクトレンズの装用感を向上させる方法もまた本発明に含まれるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、コンタクトレンズ用組成物に関する本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明の一実施形態としてのコンタクトレンズ用組成物は、多分散度が2.5以上かつ重量平均分子量が30,000以下となるように調整されたポリビニルアルコールを含むことにより、コンタクトレンズへの脂質付着の抑制、涙液の構造を乱さないこと、更にはコンタクトレンズ用液剤同士の接触や混合・併用により不溶物・沈殿物を生じないことを実現し得るものである。より具体的には、本実施形態に従うコンタクトレンズ用組成物は、コンタクトレンズに直接又は間接的に接して用いられる各種の溶液、例えば、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ洗浄液、コンタクトレンズ保存液、コンタクトレンズすすぎ液、タンパク質処理剤、コンタクトレンズ用多目的液剤(MPS)、コンタクトレンズ消毒液、点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズパッケージング用液(コンタクトレンズ流通保存液)、コンタクトレンズ装着・点眼液等として用いられるものであるが、これらに限定されない。より具体的には、例えば「医薬品製造販売指針 別冊 一般用医薬品製造販売承認基準 2012年版(株式会社じほう)」に記載の一般点眼薬、抗菌性点眼薬、人工涙液、洗眼薬、コンタクトレンズ装着液。「平成16年7月16日付厚生労働省医薬食品局長通知薬食発第0716006号」に記載ならびに規定されるコンタクトレンズ装着薬。「コンタクトレンズ用洗浄剤、保存剤、洗浄保存剤等に関する安全自主基準 改訂第6版」(一般社団法人コンタクトレンズ協会編,平成23年11月)に規定されるコンタクトレンズ保存液や、コンタクトレンズすすぎ液。「平成11年3月31日付厚生省医薬食品局審査管理課長通知医薬審第645号」に記載ならびに規定されるソフトコンタクトレンズ用消毒剤。あるいは、コンタクトレンズ流通保存液として、好適に用いられる。また、コンタクトレンズ装着液の機能を持ちつつ点眼も可能なコンタクトレンズ装着・点眼液や、洗眼薬とコンタクトレンズ装着液を組み合わせたコンタクトレンズ装着・洗眼薬、コンタクトレンズすすぎ液とコンタクトレンズ装着液とを組み合わせたコンタクトレンズすすぎ・装着液、さらには、コンタクトレンズ装着液とコンタクトレンズ保存液やコンタクトレンズ流通保存液を組み合わせた液剤としても好適に用いることが可能である。なお、本願においては、「コンタクトレンズ装着薬」と「コンタクトレンズ装着液」は区別することなく、一括して「コンタクトレンズ装着液」として示す。中でも、本実施形態に従うコンタクトレンズ用組成物は、当該組成物がコンタクトレンズと接触した状態で装用する、および/または装用中のコンタクトレンズと接触する(結膜嚢に残留する当該組成物と、コンタクトレンズとが接触することも含む)ことが望ましいことから、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ保存液、コンタクトレンズすすぎ液、コンタクトレンズ用多目的液剤(MPS)、コンタクトレンズ消毒液、点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズパッケージング用液から選ばれる少なくとも1 種であることが好ましい。
本実施形態に従うコンタクトレンズ用組成物は、各種の公知のコンタクトレンズに対して使用することができる。具体的には、平成21年4月28日付厚生労働省医薬食品局長通知薬食発第0428008号「コンタクトレンズ承認基準の改正について」に記載されるコンタクトレンズ承認基準に合致するハードコンタクトレンズ、ソフト(ハイドロゲル)コンタクトレンズ、非視力補正用ソフト(ハイドロゲル)コンタクトレンズ(所謂、おしゃれ用カラーコンタクトレンズ)が含まれる。さらには、ISO18369−1(2006およびAmendment1,2009)にてグループI〜Vとして分類されるハイドロゲル素材(hydrogel materials)のもの、ならびにグループI〜IVとして分類される非ハイドロゲル素材(non−hydrogel materials)のものも含まれる。また、眼の保護、前房の封鎖、薬剤の送達、角膜曲率の変更(オルソケラトロジー用コンタクトレンズを含む)、網膜の治療等に使用される治療用コンタクトレンズや検査用コンタクトレンズ、診断用コンタクトレンズ、視界のコントラストの増幅や低減、入射光線の低減や偏光、調光などの機能を持つサングラスコンタクトレンズも含む。なお、本発明に従うコンタクトレンズ用組成物は、コンタクトレンズに対する脂質付着抑制効果に優れることから、脂質汚れが課題であるシリコーンを含むコンタクトレンズ、つまり上記ISO18369−1(2006およびAmendment1,2009)にて分類されるソフトコンタクトレンズグループV(所謂、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ)や、非ハイドロゲル素材(non−hydrogel materials)グループII、グループIIIに分類されるに対して、好ましい。
コンタクトレンズの形状に関しても、角膜コンタクトレンズ、セミ強膜コンタクトレンズ、強膜コンタクトレンズ、ハイブリッドコンタクトレンズ(酸素透過性ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズとを組み合わせたコンタクトレンズなど、2種以上の素材を組み合わせてなるコンタクトレンズ)であってもよい。また、近視用、遠視用はもちろん、乱視用、遠近両用、近視抑制用コンタクトレンズといった如何なるコンタクトレンズデザインであってもよい。コンタクトレンズの使用形態も、1日以内又は1週間から数ヶ月間等の短期間のみ使用される使い捨て用のコンタクトレンズであってもよいし、より長期間使用される通常のコンタクトレンズであってもよい。
コンタクトレンズの製法については、スピンキャスト、キャストモールド等のモールド製法、片面モールド製法、切削法、切削研磨法、モールド製法と切削・研磨法を組み合わせたもの等、いずれの製法により得られるコンタクトレンズであってもよい。特に近年、ハードコンタクトレンズ・ソフトコンタクトレンズ問わずモールド製法によるコンタクトレンズが主流となってきており、本発明においてはモールド製法によるコンタクトレンズに対して好ましい。また表面処理の有無については、特に限定されないが、表面処理として例えば、酸素や窒素、炭酸ガス等、アルゴン等不活性ガスを用いたガスプラズマや空気中で処理される大気圧プラズマ、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法やプラズマPVD(Physical Vapor Deposition)によりダイヤモンドライクカーボンを生成する方法でもよい。表面処理のない場合、コンタクトレンズ内部に湿潤成分を含ませた相互網目構造として表面親水化や防汚化などを達成させるものでもよい。
コンタクトレンズ用組成物に配合されるポリビニルアルコールで、市販のポリビニルアルコールを複数種混合して用いる場合については、商業的に入手可能で眼科的に許容できるポリビニルアルコールから選ぶことができる。具体的には、例えば日本合成化学工業株式会社製のゴーセノールEG−05、NL−05、P−610、EG−22P、EG−30、NH−20、EG−40およびGH−20、和光純薬工業株式会社製のPVA1000およびPVA3500、日本酢ビ・ポバール株式会社製VP−18等が採用可能である。これらの入手可能な型番を2種以上混合して使用することができる。
これらポリビニルアルコールは、完全ケン化タイプでも良いし、中間ケン化タイプや部分ケン化タイプでも良いが、特に部分ケン化タイプが好ましい。なお商業的に入手可能な各タイプのポリビニルアルコールを適宜混合して使用することも出来る。配合されるポリビニルアルコール全体としてのケン化度(モル%)は、65%〜99%が好ましく、さらに好ましくは80%〜98%である。なお、ポリビニルアルコールのケン化度(モル%)は[ポリビニルアルコールに含まれる水酸基数/ポリビニルアルコールに含まれる水酸基数と酢酸基数の合計]×100にて示され、医薬品添加物規格2013「ポリビニルアルコール(部分ケン化物)」に記載される方法が用いられる。また、本発明によるコンタクトレンズ用組成物におけるポリビニルアルコールの配合量については、好ましくは0.001〜10.0%、特に好ましくは、0.01〜5.0%、さらに好ましくは0.05〜3.0%である。
本実施形態のコンタクトレンズ組成物に含有されるポリビニルアルコールとして、その多分散度が2.5以上かつ重量平均分子量が30,000以下、好ましくは多分散度が2.7以上かつ重量平均分子量が30,000以下、より好ましくは多分散度が2.7以上、3.6以下かつ重量平均分子量が30,000以下のものが用いられる。後述の実施例に示されるように、ポリビニルアルコールの「多分散度が2.5以上かつ重量平均分子量が30,000以下」という条件のうち、多分散度が2.5未満である場合、コンタクトレンズへの脂質付着の抑制、もしくは涙液の安定性が十分に発現されない。一方、重量平均分子量が30,000を超えて調整することは、他のコンタクトレンズ用液剤との混合によって不溶物・沈殿物が生成しやすくなり、さらには涙液安定性にも影響を及ぼす。なお、ポリビニルアルコールの多分散度は、コンタクトレンズ組成物に含有されるポリビニルアルコール全体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)により算出することができる。
また、本実施形態のコンタクトレンズ用組成物には、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンおよびマクロゴールのいずれか1つ以上が含有されていることが好ましい。これにより、本発明の効果をより発揮することができるからである。その配合量については前記各成分、すなわちヒプロメロース、ポリビニルピロリドンあるいはマクロゴールについて0.0001〜5.0%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜3.0%、特に好ましくは0.005〜1.5%である。ポリビニルアルコールに対するヒプロメロース、ポリビニルピロリドンあるいはマクロゴールの配合比は、前記配合範囲においてポリビニルアルコールが1に対し、0.00001〜300が好ましく、より好ましくは0.0001〜100、さらに好ましくは0.0005〜50である。
ヒプロメロースとしては、メトキシル基の置換度が27.0〜30.0%で、かつヒドロキシプロポキシル基の置換度が4.0〜12.0%のものが好ましく、その中でも置換度タイプが2910、2906のものがより好ましい。具体的には、例えば信越化学工業株式会社製のTC−5EおよびTC−5M、TC−5R、TC−5S、メトローズ60SH−50、60SH−1500、60SH−4000、65SH−15、65SH−50、65SH−100、65SH−1500、65SH−4000等が採用可能である。
ポリビニルピロリドンとしては、K値が5〜500であるものが好ましく、より好ましくは10〜200、特に好ましくは20〜150である。具体的には、例えば東京化成工業株式会社製のポリビニルピロリドン K30、ポリビニルピロリドン K60、ポリビニルピロリドン K90、株式会社日本触媒製のポリビニルピロリドン K−30、ポリビニルピロリドン K−85、ポリビニルピロリドン K−90、ポリビニルピロリドン K−30W、ポリビニルピロリドン K−85W、ポリビニルピロリドン K−90W等が採用可能である。
マクロゴールとしては、分子量が100〜50,000であるものが好ましく、より好ましくは300〜30,000、特に好ましくは1,000〜10,000である。具体的には、例えば医薬品添加物事典2007に収載されているマクロゴール4000、マクロゴール6000等が採用可能である。
また、本実施形態のコンタクトレンズ用組成物において、ポリビニルアルコール以外の残部には、本コンタクトレンズ用組成物によるコンタクトレンズへの脂質付着を抑制すること、涙液の構造を乱さないこと、コンタクトレンズ用液剤同士の接触や混合・併用により不溶物・沈殿物を生じない限りにおいて、公知のコンタクトレンズ用組成物に用いられる添加剤等が眼科的に許容される範囲で配合されていてもよい。具体的には、例えば公知の緩衝剤、pH調整剤、界面活性剤、増粘剤、等張化剤、キレート剤、湿潤剤、安定剤、香料又は清涼化剤、薬剤、抗菌剤、防腐剤・殺菌剤等が、一種又は二種以上組み合わされて配合され得る。
緩衝剤としては、例えばホウ酸、ホウ砂及びホウ酸塩緩衝剤、炭酸塩緩衝剤、クエン酸及びクエン酸塩緩衝剤、酢酸等のカルボン酸類、オキシカルボン酸等の酸やその塩、タウリン、アスパラギン酸(塩)、グリシン、アルギニン、グルタミン酸等のアミノ酸類、ε−アミノカプロン酸、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパン(AMP)緩衝剤、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)緩衝液、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)、リン酸及びリン酸塩緩衝剤、Good−Buffer等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば塩酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のリン酸塩、硫酸等が挙げられる。公知のとおり、これらの酸性度や塩基性度、pH調整前のpHおよび所望のpHやpH範囲を考慮して適宜選択される。またこれらを粉体や液体乃至は水溶液の状態にて所望のpHに調整することができる。
界面活性剤としては、従来から公知のアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ジェミニ型界面活性剤(親水基・疎水基を分子内に複数含む界面活性剤)の何れもが、適宜に採用され得る。このような界面活性剤としては、例えばポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート類)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン水素添加ステロール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー(ポロクサマー類)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン置換エチレンジアミン(ポロクサミン類)、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル脂肪酸塩、アルキルリン酸塩、N−アシルタウリン塩、アルキルグルタミン酸塩、アルキルグリシン塩、アルキルアラニン塩、ココイル脂肪酸アルギニン、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸ベタイン型両面活性剤、ホスホリルコリンアルキルエーテル、アルキル−ポリアルキレングリコール付加ホスホリルコリン、ジラウロリン酸グルタミン酸リジン、テトラヒドロフタル酸ジラウリルエステル、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸ポリヘキサニド、塩化ポリドロニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、アルキルオキシヒドロキシプロピルアルギニン塩、ココイルアルギニンエチルPCA等が挙げられる。
増粘剤としては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸及び塩、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、Copolymer845(ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合ポリマー)、MPCポリマー(ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)共重合体)等の合成有機高分子化合物等や、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体や、スターチ誘導体、アルギン酸(塩)、ペクチン、キトサン及びそれらの塩、デキストラン70等のデキストラン類、カチオン化キトサン等のキトサン誘導体の多糖類、ジェランガム等ヘテロ多糖類や、ヒアルロン酸(塩)、コンドロイチン硫酸(塩)等のムコ多糖類等を加えてもよい。特に本発明のコンタクトレンズ用組成物を、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ装着・点眼液に適用する場合には、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種を配合することが、より好ましい。
等張化剤としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等の無機塩類、プロピレングリコール、グリセリン、D−マンニトール、トレハロース、ブドウ糖等の多価アルコール若しくはそのエーテル又はエステル等が挙げられる。
キレート剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩(エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム(EDTA・2Na)、エチレンジアミン四酢酸・3ナトリウム(EDTA・3Na)、エチレンジアミン四酢酸・4ナトリウム(EDTA・4Na)等)、フィチン酸、クエン酸等が挙げられる。
湿潤剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリトリトール、トレハロース、ブドウ糖、スクロース、マルトース、ラクトースなどの多価アルコールや糖、糖アルコール、グルコサミン(塩)、アセチルグルコサミン、ガラクトサミン、アセチルガラクトサミン等のアミノ糖、グルコシルトレハロースなどの糖誘導体、デキストラン70等のデキストラン類、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸及び塩、Copolymer845(ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合ポリマー)、ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)等のポリビニル化合物等、カチオン化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びメチルセルロース等のセルロース誘導体、エタノール、イソプロパノール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール等の低級あるいは高級アルコール類、アルモンド油、ラノリン、オリーブ油、オレイン酸及び/又はその塩、流動パラフィン、トリグリセリド、スクワラン、ワセリン、シリコン油、ゴマ油、シソ油、ダイズ油、ツバキ油、ホホバ油、トウモロコシ油、ヒマシ油等の油脂類等が挙げられる。なお、眼に対して安全であり、しかもコンタクトレンズに対する影響を少なくすること、さらにはコンタクトレンズ用組成物の使用感を向上させるという理由から、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリトリトール、トレハロース、ブドウ糖、スクロース、マルトース、ラクトースなどの多価アルコールや糖、糖アルコール、グルコシルトレハロースなどの糖誘導体、デキストラン70等のデキストラン類、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸及び塩、Copolymer845(ポリビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合ポリマー)、ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)等のポリビニル化合物等、カチオン化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びメチルセルロース等のセルロース誘導体が選択されることが好ましい。
安定剤としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、シアノコバラミン、ピリドキシン塩酸塩、フラビンアデニンジヌクレオチド、エデト酸ナトリウム、シクロデキストリン、ポリソルベート類(ポリソルベート80等)、縮合リン酸、亜硫酸塩、クエン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。
香料又は清涼化剤としては、例えばアネトール、オイゲノール、カンフル、クロロブタノール、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、メントール、リモネン、リュウノウ、ウイキョウ油、クールミント油、ケイヒ油、スペアミント油、ハッカ水、ハッカ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油などが挙げられる。
薬剤としては、例えばクロモグリク酸、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、アンレキサノクス、イブジラスト、ペミロラストカリウム、フマル酸エメダスチン、フマル酸ケトチフェン、塩酸オロパタジン、エバスチン、レボカバスチン、塩酸セチリジン等の抗アレルギー剤や、グリチルリチン酸及びその塩、ε−アミノカプロン酸、アラントイン、アズレンスルホン酸ナトリウム、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、リゾチーム、フルオロメトロン等のステロイド系または非ステロイド系の消炎剤、エピネフィリン、塩酸エピネフィリン、塩酸エフェドリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸テトラヒドロゾリン等の血管収縮剤、メチル硫酸ネオスチグミン等のピント調節機能改善剤、ベタキソロール、チモロール、ジピベフリン、カルテオロール、ラタノプラスト、タフルプラスト、トラボプラスト、ニプラジロール、レボブノール等の眼圧降下剤、ジクアホソルナトリウム、レバミピド等の涙液/ムチン分泌産生促進剤等、ヒアルロン酸ナトリウム等の角膜上皮創傷治癒剤、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロール等のビタミン類、アスパラギン酸及びその塩、タウリン、コンドロイチン硫酸塩、アルギニン、アラニン、リジン、グルタミン酸等のアミノ酸類等が挙げられる。
抗菌剤としては、例えばスルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフィソキサゾール、スルフィソミジンナトリウム等のサルファ剤、オフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、トスフロキサシン、ロメフロキサシン、シプロフロキサシン等のニューキノロン系抗菌剤、トブラマイシン、ゲンタマイシン、ミクロノマイシン、ジベカシン、シソマイシン等のアミノグリコシド系抗菌剤、テトラサイクリン、ミノサイクリン等のテトラサイクリン系抗菌剤、エリスロマイシン等のマクロライド系抗菌剤、クロラムフェニコール等のクロラムフェニコール系抗菌剤、セフメノキシム等のセフェム系抗菌剤等が挙げられる。
防腐剤・殺菌剤としては、例えばソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸或いはその塩、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウム、塩酸ポリヘキサニド(ポリヘキサメチレンビグアニド;PHMB)、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩化セチルピリジニウム(CPC)、クロルヘキシジン、アレキシジン、クロルフェニラミン又はその塩、アラントイン、二酸化塩素、安定化二酸化塩素、過酸化水素、亜塩素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、塩化ポリドロニウム等のポリクオタニウム類等が挙げられる。
以上のように、本実施形態に従うコンタクトレンズ組成物によれば、多分散度が2.5以上かつ重量平均分子量が30,000以下となるように調整されたポリビニルアルコールを配合物として含んでいることにより、多分散度が2.5未満や重量平均分子量が30,000より大きいポリビニルアルコールを含む従来のコンタクトレンズ組成物に比して、コンタクトレンズへの脂質付着の抑制や涙液の構造を乱さないこと、更にはコンタクトレンズ用液剤同士の接触や混合・併用により不溶物・沈殿物を生じないことを有利に実現することができるのである。さらに、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドンおよびマクロゴールのいずれか1つ以上を含有することで、それらの効果をより一層高めることも可能となる。
以上、本発明にかかるコンタクトレンズ用組成物の好適な実施態様を具体的に例示しつつ詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、上述の具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。例えば、本実施形態のコンタクトレンズ用組成物は、コンタクトレンズへの脂質付着の抑制や涙液の構造を乱さないこと、更にはコンタクトレンズ用液剤同士の接触や混合・併用により不溶物・沈殿物を生じないことに加えて、別途必要に応じて特定成分を含むことにより更なる機能を発揮するものも本発明に含まれることは当然である。
以下に、本発明の技術的意義を一層明確にするために、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって限定されるものではない。
一般に、ポリビニルアルコールは、特開平9−227623号公報などに記載される公知の方法により得ることができる。例えば、水酸化ナトリウムのメタノール溶液をポリ酢酸ビニル溶液中に導入し、加水分解を行う方法が挙げられる。本発明によるポリビニルアルコールはこのような方法で作製した分子量の異なるポリビニルアルコールを所定の割合で混合することにより、所望の多分散度や重量平均分子量に調整することで得られ、例えば、[表1]に記載のポリビニルアルコールを用い、[表2]に記載の混合割合に従い複数種類のポリビニルアルコールを混合して、所望の多分散度や重量平均分子量に調整することができる。さらには、上記ポリビニルアルコールの製造方法における反応条件を適宜選択することによって、種々の多分散度ならびに重量平均分子量を持つポリビニルアルコールを得ることもできる。
[ポリビニルアルコールの分子量および分散度測定]
各ポリビニルアルコール(PVA)の分子量および多分散度の測定は、以下の手順で行った。先ず、各ポリビニルアルコール全体の濃度が0.1w/w(%)となるように、0.1mol/Lの硝酸ナトリウム水溶液に溶解して、それぞれの試験溶液を作製した。そして、各試験溶液を用いてゲルろ過クロマトグラフィ(GPC)を行い、各試験溶液におけるポリビニルアルコールの分子量分布曲線を求めて、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を算出した。かかる測定を3回実施して、その平均値を算出することにより、ポリビニルアルコールのMw,Mnを決定した。その後、Mw/Mnを算出して、各ポリビニルアルコールの多分散度を決定した。結果を同じく[表1]、[表2]に示す。なお、比較例7、16、24、32、40、48、56、65、73のコンタクトレンズ組成物に配合されたポリビニルアルコールについての数平均分子量、重量平均分子量、および多分散度は以下の通りとなった。
数平均分子量:28000
重量平均分子量:70000
多分散度:2.5
Figure 2017058453
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なお、上記測定に際して、クロマトグラムの検出器としては、株式会社Waters製の示差屈折率検出器(2410 Alliance HPLCシステム用)を採用すると共に、カラムとして、昭和電工株式会社製の「OHpak SB−806mHQ 8mm×300mm」を採用して、流速1.0mL/分、温度30℃、注入量20mLの条件下で測定を行った。また、分子量が既知の化合物として、TOSO製の単分散ポリエチレンオキシドSE−5,SE−8,SE−30,SE−150(分子量は順に、46000,95000,250000,920000)を上記の条件でカラムに注入して、溶出時間−分子量の検量線を作成した。そして、この検量線を用いて、各試験溶液の溶出時間からヒプロメロースの分子量分布を求めた。その際、各試験溶液から得られたクロマトグラムについて、株式会社Waters製の解析ソフト「Empower2」を用いて、カラムの排除限界である11.0分までのデータを用いて解析を行った。
[実施例1〜63、比較例1〜74]
以下の表3〜表20の組成表に従って、表中の各成分を定法に準じて精製水に溶解したあと、精製水を適量加え、全量を100mLに合わせ、実施例1〜63および比較例1〜74のコンタクトレンズ用組成物を調製した。なお、表中の略語については以下の通りである。
PVA:ポリビニルアルコール
60SH−50: ヒプロメロース(METOLOSE(登録商標)60SH−50;信越化学工業(株)製)
60SH−4000: ヒプロメロース(METOLOSE(登録商標)60SH−4000;信越化学工業(株)製)
65SH−50: ヒプロメロース(METOLOSE(登録商標)65SH−50;信越化学工業(株)製)
65SH−400: ヒプロメロース(METOLOSE(登録商標)65SH−400;信越化学工業(株)製)
65SH−1500: ヒプロメロース(METOLOSE(登録商標)65SH−1500;信越化学工業(株)製)
65SH−4000: ヒプロメロース(METOLOSE(登録商標)65SH−400;信越化学工業(株)製)
TC−5E: ヒプロメロース(METOLOSE(登録商標)65SH−1500;信越化学工業(株)製)
PVP k90: ポビドン(ポリビニルピロリドンK90;東京化成工業(株)製)
マクロゴール6000: マクロゴール(マクロゴール6000;日油(株)製)
また、以下の実施例1〜63および比較例1〜74において、脂質付着抑制効果、涙液安定性、他液との相互作用について評価した。各試験の試験方法および効果の判定基準は以下のとおりである。なお、各試験の結果が全て○以上を満たすものを本発明の実施例とみなす。また、各溶液に対する各試験の結果において、評価の悪い結果が見られた場合には、各試験すべては実施せず、試験未実施の場合については「−」と表記した。
[脂質付着抑制評価]
先ず、試験レンズとしてシリコーンハイドロゲル製のコンタクトレンズである株式会社メニコン社製「2WEEKメニコンプレミオ」(商品名;ソフトコンタクトレンズグループV)を準備した。試験レンズを各試験溶液4mLに1時間浸漬した後、試験レンズを取り出して、レンズ表面の余分な水分を日本製紙クレシア株式会社製の紙製ウエスである「キムワイプ」(商品名)で軽く拭いた。その後、0.01g/mLのズダンIで染色したオレイン酸(以下、ズダン染色オレイン酸)2mLに10分間浸漬後、試験レンズを取り出して、大過剰のリン酸緩衝生理食塩水(比較例7)で濯いだ。その濯いだ試験レンズ表面の水分を「キムワイプ」に吸水させ、2−プロパノール4mLに35℃で一晩浸漬し、ズダン染色オレイン酸を抽出した。その後、抽出液の478nmの吸光度を測定することにより、試験レンズに吸着したズダン染色オレイン酸の量を測定した。各試験溶液の脂質付着抑制率は以下の式より算出し、以下の判定基準により4段階で評価した。試験結果を[表3]〜[表20]に示す。
脂質付着抑制率(%)={1−(試験溶液の吸光度/比較例7の吸光度)}×100
[判定基準]
◎:90%以上
○:75%以上90%未満
△:50%以上75%未満
×:50%未満
[表3]〜[表20]の結果から明らかなように、ポリビニルアルコールの多分散度が2.5以上かつ重量平均分子量が30,000以下に調整されてなる実施例1〜63のコンタクトレンズ組成物では、何れも脂質付着を良好に抑制できることが分かった。
[涙液安定性評価]
生理食塩水8mL(水層)とズダン着色オレイン酸4mL(油層)から成る疑似涙液を調製し、ガラス製シャーレ(外径32mm×H15mm)に展開した。展開した疑似涙液上面より各試験溶液をスポイトで1滴滴下した。各試験溶液で3回ずつ行った。滴下後すぐに油層が破壊もしくは油層が試験溶液により押し出され、下層である水面が上面から観察できた場合を涙液不安定、油層の破壊もしくは押し出しが確認されず、水層が見えなかった場合を涙液安定と判断した。3回の試験のうち、すべて涙液安定が見られた場合を○、涙液不安定が1回だった場合を△、涙液不安定が2回以上だった場合を×とした。なお、ポジティブコントロールとしてリン酸緩衝生理食塩液(比較例8)、ネガティブコントロールとしてポリビニルアルコールを配合せず、界面活性剤としてポリソルベート80を0.5%配合した試験溶液(比較例9)を設定した。試験結果を[表3]〜[表20]に示す。
ポジティブコントロール(比較例8)において涙液安定性は良好であり、ネガティブコントロール(比較例9)においては涙液不安定性が確認された。したがって、本試験系は疑似涙液が試験溶液成分によって安定化もしくは不安定化されることを示しており、試験結果に及ぼすその他の要素はないと判断した。[表3]〜[表20]の結果から明らかなように、ポリビニルアルコールの多分散度が2.5以上かつ重量平均分子量が30,000以下に調整されてなる実施例1〜63のコンタクトレンズ組成物では、油層の破壊等が見られず、涙液安定性は良好であった。一方、配合されるポリビニルアルコールの多分散度が2.5未満のもの(比較例1、10、18、26、34、42、50、59、67)や、多分散度は2.5以上であるが重量平均分子量が30,000を超えるもの(比較例2〜7、比較例11〜16、比較例19〜24、比較例27〜32、比較例35〜40、比較例43〜48、比較例51〜57、比較例60〜65、比較例68〜73)は、涙液を不安定にすることが確認された。なお、ポリビニルアルコールを配合せず、ヒプロメロースやポリビニルピロリドン、マクロゴールを配合した試験溶液(比較例17,25,33,41,49,58,66,74)についても涙液不安定が確認された。したがって、本発明の第一の態様によるポリビニルアルコールが涙液安定性に寄与していることが示唆された。
[他液との相互作用]
ジョンソンエンドジョンソン社製「ワンデーアキュビュー」と株式会社シード社製「シード1DayPureうるおいプラス」のコンタクトレンズ流通保存液(ホウ酸緩衝系)のそれぞれ1mLに各試験溶液100μLを滴下し、滴下後の保存液の様子を目視で確認した。滴下後10分以内に不溶物生成による白濁が確認された場合を×、白濁が確認されなかった場合を〇とした。試験結果を[表3]〜[表20]に示す。
[表3]〜[表20]の結果から明らかなように、ポリビニルアルコールの多分散度が2.5以上かつ重量平均分子量が30,000以下に調整されてなる実施例1〜63のコンタクトレンズ組成物では、何れも不溶物生成による白濁を生じなかった。
以上の実施例から明らかなように、ポリビニルアルコールの多分散度が2.5以上かつ重量平均分子量が30,000以下に調整することにより、コンタクトレンズへの脂質付着の抑制や涙液の構造を乱さないこと、更にはコンタクトレンズ用液剤同士の接触や混合・併用により不溶物・沈殿物を生じないことを有利に実現することができるのである。
Figure 2017058453
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[処方例]
[表21]〜[表23]に記載の処方で、コンタクトレンズ用液剤(処方例1〜30)を調製した。なお、[表21]〜[表23]中、各配合成分の単位は特に指定のないものについては、g/100mLである。更に、処方例には、用途別にコンタクトレンズ装着液、点眼液、コンタクトレンズ保存液、コンタクトレンズすすぎ液、MPS(コンタクトレンズ用多目的液剤)などの処方を示したが、これらはハードコンタクトレンズまたはソフトコンタクトレンズに使用可能である。
Figure 2017058453
Figure 2017058453
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Claims (3)

  1. 多分散度が2.5以上かつ重量平均分子量が30,000以下であるポリビニルアルコールを含むことを特徴とするコンタクトレンズ用組成物。
  2. さらに、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン及びマクロゴールの何れか1つ以上を含む請求項1に記載のコンタクトレンズ用組成物。
  3. 多分散度が2.5以上かつ重量平均分子量が30,000以下であるポリビニルアルコールをコンタクトレンズ用組成物に含むことで、当該コンタクトレンズ用組成物に接触するコンタクトレンズ用剤との相互作用を防止する方法。
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