JP2017057926A - 油圧作業機における油圧ポンプ制御システム - Google Patents

油圧作業機における油圧ポンプ制御システム Download PDF

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【課題】オープンセンタ型の流量制御弁を用いるとともに、センタバイパス油路にネガコン絞りが設けられた油圧回路において、センタバイパス油路のブリードオフ流量を低減する仮想ブリードオフ制御を行えるようにするとともに、仮想ブリードオフ制御においてもオープンセンタ制御と同等に油圧アクチュエータを動作できるようにする。【解決手段】ネガコン絞り32L、32Rの上流側に配されて作動時にはセンタバイパス油路29、30を閉じるバイパスカット弁31L、31Rと、ネガコン圧を出力するネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rとを設けるとともに、仮想ブリードオフ制御を行う場合には、バイパスカット弁を作動させてブリードオフ流量を低減させる一方、ブリードオフ低減流量分のポンプ流量を低減させるようにネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rを作動させる構成にした。【選択図】図2

Description

本発明は、油圧ショベル等の油圧作業機における油圧ポンプ制御システムの技術分野に関するものである。
一般に、油圧ショベル等の油圧作業機に設けられる油圧回路においては、可変容量型の油圧ポンプと、該油圧ポンプから油圧アクチュエータへの供給流量を制御するオープンセンタ型の流量制御弁と、油圧ポンプから流量制御弁のブリードオフ開口を経由して油タンクに至るセンタバイパス油路と、ブリードオフ開口の下流側のセンタバイパス油路に配されてネガコン圧を発生するネガコン絞りとを備え、該ネガコン圧に応じて油圧ポンプのポンプ流量を増減制御するように構成したオープンセンタ制御システムが従来から広く知られている。
しかるに、前記オープンセンタ型の流量制御弁を用いてネガコン圧によりポンプ流量を制御するようにしたオープンセンタ制御システムでは、センタバイパス油路から油タンクに流れるブリードオフ流量が多く、省エネの妨げになるという問題があった。
そこで、センタバイパス油路にネガコン絞りを設けないとともに、流量制御弁に形成されるブリードオフ開口面積を小さくすることでブリードオフ流量を低減する一方、ネガコン絞りが設けられていると仮想した場合の仮想ネガコン圧算出手段を設け、該仮想ネガコン圧算出手段により算出される仮想ネガコン圧によりポンプ流量を制御するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−148174号公報
しかしながら、前記特許文献1のものは、油圧アクチュエータ用操作具(操作装置)の操作量と油圧ポンプの吐出圧とに基づいて仮想ネガコン圧を算出し、該仮想ネガコン圧を電磁比例弁から出力させて油圧ポンプの吐出量制御を行う構成になっており、このため、油圧ポンプの吐出圧を検出する圧力センサや、仮想ネガコン圧を出力する電磁比例弁が故障したような場合に、ポンプ流量を制御することができなくなって油圧アクチュエータを意図したとおりに作動させることができないという問題がある。また、特許文献1で用いられている流量制御弁は、ブリードオフ開口面積が小さく形成された特殊な流量制御弁であって、従来のオープンセンタ型の流量制御弁を用いた既存のオープンセンタ制御システムを、ブリードオフ流量を低減させるべく特許文献1の制御システムに変更しようとしても、上記特殊な流量制御弁を少なくとも油圧アクチュエータの数だけ用意しなければならず、変更が難しいうえコストもかかるという問題もある。
さらに、特許文献1の流量制御弁のブリードオフ開口面積は、従来のオープンセンタ型の流量制御弁のブリードオフ開口面積よりもかなり小さく設定されており、このためブリードオフ流量が少なくなって油圧システムのダンピングが悪くなると予想されるが、特許文献1では、圧力センサで検出された油圧ポンプの吐出圧をそのまま用いて仮想ネガコン圧や仮想ブリードオフ流量を算出しているため、ハンチングが発生しやすいという問題もある。さらにまた、油圧アクチュエータ操作具の操作量が少ない段階、つまり流量制御弁の油圧アクチュエータ供給用開口が殆ど開いていない段階でブリードオフ開口面積をかなり絞っているため、操作具をステップで操作した場合や、急激に反対方向に切換える切り返し操作をした場合に、ポンプ流量に対してブリードオフ開口面積が狭すぎ、ポンプ圧が急上昇して操作性が悪くなるというという問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、可変容量型の油圧ポンプと、該油圧ポンプから圧油供給される油圧アクチュエータと、中立位置でポンプ流量を油タンクに流すブリードオフ開口を有するとともに油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づいて油圧ポンプから油圧アクチュエータへの供給流量を制御するオープンセンタ型の流量制御弁と、油圧ポンプから流量制御弁のブリードオフ開口を経由して油タンクに至るセンタバイパス油路と、ブリードオフ開口の下流側のセンタバイパス油路に配されてネガコン圧を発生するネガコン絞りとを備えた油圧作業機の油圧回路において、前記ネガコン絞りの上流側に配され、非作動時にはセンタバイパス油路を全開し、作動時にはセンタバイパス油路を閉じるバイパスカット弁と、油圧ポンプの可変容量手段にネガコン圧を出力するべく作動するネガコン圧出力用バルブと、前記バイパスカット弁およびネガコン圧出力用バルブの作動を制御する制御手段と、ネガコン圧出力用バルブの非作動時にはネガコン絞りにより発生するネガコン圧を油圧ポンプの容量可変手段に導き、ネガコン圧出力用バルブの作動時にはネガコン圧出力用バルブから出力されるネガコン圧を油圧ポンプの容量可変手段に導くネガコン圧導入手段とを設けるとともに、前記制御手段は、油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づきバイパスカット弁を作動させてセンタバイパス油路から油タンクに流れるブリードオフ流量を低減する一方、該バイパスカット弁の作動時に、バイパスカット弁が設けられていないと仮想した場合の仮想ブリードオフ流量とバイパスカット弁が作動した場合の実ブリードオフ流量との差分をブリードオフ低減流量として求めるとともに、バイパスカット弁が設けられていないと仮想した場合の仮想ポンプ流量から前記ブリードオフ低減流量を減じてポンプ要求流量を求め、油圧ポンプの吐出流量を該ポンプ要求流量にするべくネガコン圧出力用バルブを作動させる仮想ブリードオフ制御を行うことを特徴とする油圧作業機における油圧ポンプ制御システムである。
請求項2の発明は、請求項1において、制御手段は、バイパスカット弁が設けられていないと仮想した場合の仮想ポンプ流量を、油圧アクチュエータ用操作具の操作信号と油圧ポンプのポンプ流量との関数テーブルを用いて、油圧アクチュエータ用操作具の操作量に応じて設定する一方、前記関数テーブルは、バイパスカット弁およびネガコン圧出力用バルブを非作動にした状態で、油圧アクチュエータ用操作具の操作信号を変化させたときにネガコン絞りにより発生するネガコン圧の検出値と、該ネガコン圧に対する所与のポンプ流量特性とに基づいて予め作成されることを特徴とする油圧作業機における油圧ポンプ制御システムである。
請求項3の発明は、請求項1または2において、制御手段は、流量制御弁のブリードオフ開口面積とバイパスカット弁の開口面積と油圧ポンプのポンプ圧とに基づいてブリードオフ低減流量を演算するとともに、該演算を行うにあたり、油圧ポンプの吐出圧を検出する圧力検出手段により検出されたポンプ検出圧力から油圧系固有振動数の周波数成分を抽出するバンドパスフィルタ処理を行い、ポンプ検出圧力から前記抽出された周波数成分を減じた圧力を油圧ポンプのポンプ圧として用いることを特徴とする油圧作業機における油圧ポンプ制御システムである。
請求項4の発明は、請求項3において、制御手段は、ポンプ要求流量を求めるにあたり、前記バンドパスフィルタ処理で抽出した周波数成分を圧力フィードバックすることを特徴とする油圧作業機における油圧ポンプ制御システムである。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか一項において、制御手段は、流量制御弁に設けられる油圧アクチュエータ圧油供給用開口とバイパスカット弁の開口との開閉タイミングを調整するためのレートリミッタ処理を行い、油圧アクチュエータ圧油供給用開口を開く場合には、流量制御弁に対してバイパスカット弁を遅く作動させ、油圧アクチュエータ圧油供給用開口を閉じる場合には、流量制御弁に対してバイパスカット弁を早く作動させることを特徴とする油圧作業機における油圧ポンプ制御システムである。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか一項において、制御手段は、ネガコン圧出力用バルブを制御するにあたり、ネガコン圧出力用バルブの出力圧を検出する圧力検出手段により検出される実ネガコン圧をフィードバックすることを特徴とする油圧作業機における油圧ポンプ制御システムである。
請求項1の発明とすることにより、ブリードオフ流量および油圧ポンプの吐出流量を低減することができて省エネに貢献できるとともに、仮想ブリードオフ制御においても従来のオープンセンタ制御システムと同等に油圧アクチュエータを動作させることができる。しかも、バイパスカット弁およびネガコン圧出力用バルブが非作動の状態では、ネガコン絞りにより発生するネガコン圧が油圧ポンプの容量可変手段に導かれることになるから、仮にバイパスカット弁やネガコン圧出力用バルブが故障したような場合であっても、ネガコン絞りにより発生するネガコン圧で油圧ポンプのポンプ流量制御を行うことができる。さらに、既存のオープンセンタ制御システムからの変更も容易で、コスト抑制に大きく貢献できる。
請求項2の発明とすることにより、仮想ブリードオフ制御における油圧アクチュエータの動作を、より確実にオープンセンタ制御と同等にすることができる。
請求項3の発明とすることにより、演算されるブリードオフ低減流量の周波数変動を抑制することができて、ポンプ圧のハンチングを防止できる。
請求項4の発明とすることにより、油圧系のダンピング係数が大きくなって、ハンチングの抑制に貢献できる。
請求項5の発明とすることにより、ポンプ圧の立ち上がりが滑らかになって操作性が向上するとともに、油圧アクチュエータ用操作具をステップで操作した場合や、急激に反対方向に切換える切り返し操作をしたような場合に、油圧ポンプの吐出油が閉じ込められてポンプ圧が急上昇してしまう不具合を回避できる。
請求項6の発明とすることにより、ネガコン圧出力用バルブのヒステリシスを低減できるとともに、応答性を向上させることができる。
油圧ショベルの側面図である。 油圧ショベルの油圧回路図である。 コントローラの入出力を示すブロック図である。 メインルーチンのフローチャート図である。 オープンセンタ制御のフローチャート図である。 仮想ポンプ流量設定用テーブル作成制御のフローチャート図である。 ポンプ・バルブ制御ブロックの構成を示すブロック図である。 流量制御弁制御ブロックの構成を示すブロック図である。 ブリードオフ開口面積設定ブロックの構成を示すブロック図である。 仮想ポンプ流量設定ブロックの構成を示すブロック図である。 バイパスカット弁設定ブロックの構成を示すブロック図である。 ポンプ流量制御ブロックの構成を示すブロック図である。 ネガコン圧出力用電磁比例弁制御ブロックの構成を示すブロック図である。 レートリミッタの構成を示すブロック図である。 流量制御弁とバイパスカット弁の開閉タイミングを示す図である。 (A)、(B)はオープンセンタ制御システムにおけるセンタバイパス油路のモデル図である。 仮想ブリードオフ制御システムにおけるセンタバイパス油路のモデル図である。 流量制御弁およびバイパスカット弁の開口特性図である。 ポンプ流量・ネガコン圧特性図である。 ゲイン補正器の特性を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の油圧作業機の一例である油圧ショベル1を示す図であって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2の上方に上部旋回体3が旋回自在に支持され、該上部旋回体3には、ブーム4、アーム5、バケット6からなるフロント作業部7が装着されているとともに、下部走行体2を走行せしめる左右の走行モータ8L、8R、上部旋回体3を旋回せしめる旋回モータ9、ブーム4、アーム5、バケット6をそれぞれ揺動せしめるブームシリンダ10、アームシリンダ11、バケットシリンダ12等の各種油圧アクチュエータを備えて構成されている。
図2は、前記油圧ショベル1に設けられる油圧回路を示す図であって、該油圧回路に本発明の油圧ポンプ制御システムが実施されているが、該図2において、8L、8R、9,10,11、12は前記左右の走行モータ、旋回モータ、ブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダ(これら左右の走行モータ8L、8R、旋回モータ9、ブームシリンダ10、アームシリンダ11、バケットシリンダ12は本発明の油圧アクチュエータに相当し、以下の説明において、油圧アクチュエータAと称する場合もある)であり、また、13、14はこれら油圧アクチュエータAの油圧供給源となる容量可変型の第一、第二メインポンプ(これら第一、第二メインポンプ13,14は本発明の油圧ポンプに相当するが、本実施の形態では、第一、第二メインポンプ13,14として斜板式ピストンポンプが採用されている)、13a、14aは第一、第二メインポンプ13、14の容量可変手段(本実施の形態では斜板制御手段)、15はパイロット油圧源となるパイロットポンプ、16は油タンクである。また、17は前記第一、第二メインポンプ13、14およびパイロットポンプ15を駆動せしめるエンジンである。
さらに図2において、18、19は第一、第二メインポンプ13、14の吐出油が供給される第一、第二吐出ラインであって、第一吐出ライン18には、左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用の各流量制御弁20〜23がそれぞれ接続されており、また、第二吐出ライン19には、右走行用、旋回用、第一速アーム用、第二速ブーム用の各流量制御弁24〜27がそれぞれ接続されている。
前記左走行用流量制御弁20、右走行用流量制御弁24は、左右の走行用操作具の前進側、後進側操作に基づいて、第一、第二メインポンプ13、14から左走行モータ8L、右走行モータ8Rへの供給流量、および左走行モータ8L、右走行モータ8Rから油タンク16への排出流量をそれぞれ制御するバルブであって、油の流れの方向を切換える方向制御弁の機能も有している。
また、バケット用流量制御弁21は、バケット用操作具のクローズ側、オープン側操作に基づいて、第一メインポンプ13からバケットシリンダ12への供給流量、およびバケットシリンダ12から油タンク16への排出流量を制御するバルブであって、油の流れの方向を切換える方向制御弁の機能も有している。
また、旋回用流量制御弁25は、旋回用操作具の左旋回側、右旋回側操作に基づいて、第二メインポンプ14から旋回モータ9への供給流量、および旋回モータ9から油タンク16への排出流量を制御するバルブであって、油の流れの方向を切換える方向制御弁の機能も有している。
また、第一速ブーム用流量制御弁22は、ブーム用操作具の上昇側、下降側操作に基づいて、第一メインポンプ13からブームシリンダ10への供給流量、およびブームシリンダ10から油タンク16への排出流量を制御するバルブであって、油の流れの方向を切換える方向制御弁の機能も有している。さらに、第二速ブーム用流量制御弁27は、ブーム用操作具の上昇側操作に基づいて、第二メインポンプ14からブームシリンダ10への供給流量を制御するバルブである。
また、第一速アーム用流量制御弁26は、アーム用操作具のイン側、アウト側操作に基づいて第二メインポンプ14からアームシリンダ11への供給流量、およびアームシリンダ11から油タンク16への排出流量を制御するバルブであって、油の流れの方向を切換える方向制御弁の機能も有している。さらに、第二速アーム用流量制御弁23は、アーム用操作具のイン側、アウト側操作に基づいて、第一メインポンプ13からアームシリンダ11への供給流量、およびアームシリンダ11から油タンク16への排出流量を制御するバルブであって、油の流れの方向を切換える方向制御弁の機能も有している。
尚、前記左右の走行用操作具、バケット用操作具、旋回用操作具、ブーム用操作具、アーム用操作具は、操作レバーや操作ペダルであって、図示しないが、以下の説明において、油圧アクチュエータ用操作具、または単に操作具と称する場合もあり、本発明の油圧アクチュエータ用操作具に相当する。
前記左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用、右走行用、旋回用、第一速アーム用、第二速ブーム用の各流量制御弁20〜27は、何れも操作具操作に基づいて対応するパイロット圧出力用電磁比例弁53(図2には、パイロット圧出力用電磁比例弁53は図示しないが、複数のパイロット圧出力用電磁比例弁53が組み込まれたパイロットバルブブロック28として図示する)から出力されるパイロット圧より切換わるパイロット作動式のスプール弁であって、パイロット圧が供給されていない状態では、油圧アクチュエータAへの圧油供給を行わない中立位置に位置しているが、パイロット圧が供給されることにより、スプールが変位して油圧アクチュエータAに対する圧油供給制御を行う作動位置に切換わって、第一、第二メインポンプ13、14から対応する油圧アクチュエータAへの圧油供給用開口(以降、PC開口と称する)、油圧アクチュエータAから油タンクへの油排出用開口(以降、CT開口と称する)を開くように構成されているとともに、これらPC開口、CT開口の開口面積はスプール変位量に応じて変化し、これにより第一、第二メインポンプ13、14から油圧アクチュエータAへの供給流量制御、油圧アクチュエータAから油タンク16への排出流量制御が行われるようになっている。尚、前記流量制御弁20〜27にパイロット圧を出力するパイロット圧出力用電磁比例弁53は後述するコントローラ50により制御されるが、該制御については後述する。
さらに、前記各流量制御弁20〜27は、オープンセンタ型のバルブであって、第一、第二メインポンプ13、14の吐出油を油タンク16に流すためのブリードオフ開口(PT開口)20a〜27aを有している。該ブリードオフ開口20a〜27aの開口面積は、図18に示すように、中立位置で最も大きく、スプール変位量が大きくなるにつれて開口面積が小さくなるように設定されている。尚、以下の説明において、左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用、右走行用、旋回用、第一速アーム用、第二速ブーム用の流量制御弁20〜27を流量制御弁CVと称し、また、各流量制御弁20〜27のブリードオフ開口20a〜27aをブリードオフ開口CVaと称する場合もある。
さらに、図2において、29、30は第一、第二センタバイパス油路であって、第一センタバイパス油路29は、第一吐出ライン18から分岐され、左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用の各流量制御弁20〜23のブリードオフ開口20a〜23aを直列状に通って油タンク16に至るように形成されており、また、第二センタバイパス油路30は、第二吐出ライン19から分岐され、右走行用、旋回用、第一速アーム用、第二速ブーム用の各流量制御弁24〜27のブリードオフ開口24a〜27aを直列状に通って油タンク16に至るように形成されている。
前記第一、第二センタバイパス油路29、30には、最も下流側に配される流量制御弁23、27(第一センタバイパス油路29では第二速アーム用流量制御弁23、第二センタバイパス油路30では第二速ブーム用流量制御弁27)の下流側に、第一、第二バイパスカット弁31L,31Rがそれぞれ配されており、さらに該第一、第二バイパスカット弁31L,31Rの下流側に、第一、第二ネガコン絞り32L、32Rと第一、第二ネガコン用リリーフ弁33L、33Rとがそれぞれ配されている。
前記第一、第二バイパスカット弁31L,31Rは、第一、第二ネガコン絞り32L、32Rの上流側において第一、第二センタバイパス油路29,30を開閉する電磁弁であって、後述するコントローラ50からの制御指令に基づいて、第一、第二センタバイパス油路29,30を全開する全開位置N(非作動状態)から、第一、第二センタバイパス油路29、30を可変に閉じる作動位置Xに切換わるとともに、該作動位置Xの開口面積はコントローラ50によって増減制御されるようになっている。
また、前記第一、第二ネガコン絞り32L、32Rは、前記第一、第二バイパスカット弁31L,31Rが全開しているとき(非作動状態のとき)に、第一、第二センタバイパス油路29,30を流れる圧油を絞ることで第一、第二ネガコン絞り32L、32Rの上流側に制御圧(ネガコン圧)を発生させるためのものであって、該第一、第二ネガコン絞り32L、32Rの上流側に発生したネガコン圧は、第一、第二ネガコンライン34L、34Rを経由して後述する第一、第二シャトル弁35L、35Rの一方の入力ポート35La、35Raに入力されるようになっている。
また、前記第一、第二ネガコン用リリーフ弁33L、33Rは、前記第一、第二ネガコン絞り32L、32Rと並列状に配されていて、第一、第二ネガコン絞り32L、32Rの上流側の第一、第二センタバイパス油路29,30の圧力が所定のリリーフ圧を超えた場合に、該第一、第二センタバイパス油路29,30の圧油を油タンク16に逃すように構成されている。
尚、前述した左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用、右走行用、旋回用、第一速アーム用、第二速ブーム用の各流量制御弁20〜27、第一、第二バイパスカット弁31L,31R、第一、第二ネガコン絞り32L、32R、第一、第二ネガコン用リリーフ弁33L、33Rは、コントロールバルブ37としてユニット化された状態で組付けられている。
さらに、図2において、38L、38Rは第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁(本発明のネガコン圧出力用バルブに相当する)であって、該第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rは、後述するように仮想ブリードオフ制御において、コントローラ50からの制御指令に基づいてネガコン圧を出力するようになっているとともに、該出力圧は、前記第一、第二シャトル弁35L、35Rの他方の入力ポート35Lb、35Rbに入力されるようになっている。
また、前記第一、第二シャトル弁35L、35Rは、一方の入力ポート35La、35Raから入力される第一、第二ネガコンライン34L、34Rの圧力と、他方の入力ポート35Lb、35Rbから入力される第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rの出力圧とのうち高圧側を選択し、該選択した圧力をポンプ制御用のネガコン圧として、第一、第二メインポンプ13、14の容量可変手段13a、14aに出力する。そして、該容量可変手段13a、14aは、図19のポンプ流量・ネガコン圧特性図に示されるように、ネガコン圧が高くなるほどポンプ流量を少なくするネガティブコントロールを行うように構成されている。尚、前記第一、第二シャトル弁35L、35Rは、本発明のネガコン圧導入手段に相当する。
さらに、図2において、39L、39Rは第一、第二メインポンプ13、14の吐出圧を検出する第一、第二ポンプ圧センサ(本発明の油圧ポンプの吐出圧を検出する圧力検出手段に相当する)、40L、40Rは第一、第二シャトル弁35L、35Rから出力されるポンプ制御用ネガコン圧を検出する第一、第二ネガコン圧センサ(本発明のネガコン出力用バルブの出力圧を検出する圧力検出手段に相当する)であって、これらセンサ39L、39R、40L、40Rから出力される検出信号は、前記コントローラ50に入力されるようになっている。
尚、図2中、41はリターン回路に設けられる背圧チェック弁、42はオイルクーラーである。また、43は走行直進弁であって、該走行直進弁43は、左右の走行用操作具と他の油圧アクチュエータ用操作具とが同時に操作された場合に、走行の直進性を確保するべく中立位置Nから作動位置Nに切換わるようになっているが、本実施の形態では走行直進弁43が中立位置Nに位置している場合について説明するとともに、該走行直進弁43が中立位置Nに位置している状態では、左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用の各流量制御弁20〜23には第一メインポンプ13の吐出油が供給され、右走行用、旋回用、第一速アーム用、第二速ブーム用の各流量制御弁24〜27には第二メインポンプ14の吐出油が供給されるようになっている。さらに、図2において、44はブーム用再生弁、45は可変旋回優先弁、46はアーム用再生弁であり、47は第一、第二吐出ライン18、19に接続されるメインリリーフ弁である。
一方、前記コントローラ50は、本発明の制御手段に相当するが、図3のブロック図に示す如く、入力側に、各油圧アクチュエータ用操作具(左右の走行用操作具、バケット用操作具、旋回用操作具、ブーム用操作具、アーム用操作具)の操作方向および操作量をそれぞれ検出する操作検出手段51、前記第一、第二ポンプ圧センサ39L、39R、第一、第二ネガコン圧センサ40L、40R、後述するモードスイッチ52等が接続される一方、出力側には、前記左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用、右走行用、旋回用、第一速アーム用、第二速ブーム用の各流量制御弁20〜27にそれぞれパイロット圧を出力するパイロット圧出力用電磁比例弁53(左走行前進側電磁比例弁53−1a、左走行後進側電磁比例弁53−1b、バケットクローズ側電磁比例弁53−2a、バケットオープン側電磁比例弁53−2b、第一速ブーム上昇側電磁比例弁53−3a、第一速ブーム下降側電磁比例弁53−3b、第二速アームイン側電磁比例弁53−4a、第二速アームアウト側電磁比例弁53−4b、右走行前進側電磁比例弁53−5a、右走行後進側電磁比例弁53−5b、左旋回側電磁比例弁53−6a、右旋回側電磁比例弁53−6b、第一速アームイン側電磁比例弁53−7a、第一速アームアウト側電磁比例弁53−7b、第二速ブーム上昇側電磁比例弁53−8a)、前記第一、第二バイパスカット弁31L、31R、第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38R等が接続されているとともに、油圧ショベル1の運転室に配されるモニタ装置54に相互に入出力可能に接続されている。
ここで、前記モニタ装置54は、機体情報やカメラ情報等の各種情報を表示するディスプレイ54aを備えているとともに、画面切換えや各種設定、コントローラ50のメモリ書き換え等を行うための操作手段54b(タッチパネルや操作キー等)を備えている。
また、前記モードスイッチ52は、制御モードを切換えるためにオペレータが操作するスイッチであって、油圧ショベル1の運転室に配されている。そして、該モードスイッチ52によって、後述する『仮想ポンプ流量設定用テーブル作成モード』、『仮想ブリードオフ制御モード』、『オープンセンタ制御モード』の何れかの制御モードを任意に選択することができるようになっている。尚、本実施の形態では、モードスイッチ52はモニタ装置54とは別に設けられているが、モニタ装置54の操作手段を用いて制御モードを切換える構成にすることもできる。
次に、前記コントローラ50の行う制御について、図4〜図20にもとづいて説明する。
まず、図4にメインルーチンのフローチャート図を示すが、メインルーチンがスタートすると、コントローラ50は、まず、ステップS1で、前記第一、第二ポンプ圧センサ39L、39R、第一、第二ネガコン圧センサ40L、40R、操作検出手段51、モードスイッチ52の信号を読み込む。次いで、ステップS2で、流量制御弁制御を実行する。該流量制御弁制御は、後述する流量制御弁制御ブロック61で行われる制御であって、操作検出手段51から入力される油圧アクチュエータ用操作具の操作信号に基づいて各流量制御弁20〜27を制御するが、その詳細については後述する。さらにコントローラ50は、ステップS3で、モードスイッチ52により選択されたモードを判定する。そして、該選択されたモードに対応する制御、つまり、『仮想ポンプ流量設定用テーブル作成モード』が選択されている場合には『仮想ポンプ流量設定用テーブル作成制御』(ステップS4)、『仮想ブリードオフ制御モード』が選択されている場合には『仮想ブリードオフ制御』(ステップS5)、『オープンセンタ制御モード』が選択されている場合には『オープンセンタ制御』(ステップS6)をそれぞれ実行する。
ここで、前記『仮想ポンプ流量設定用テーブル作成制御』は、『仮想ブリードオフ制御』で用いる「操作信号vsポンプ流量」のテーブル(該「操作信号vsポンプ流量」のテーブルは、本発明の油圧アクチュエータ用操作具の操作信号と油圧ポンプのポンプ流量との関数テーブルに相当する)を作成するための制御であって、「操作信号vsポンプ流量」のテーブルは、各油圧アクチュエータAについてそれぞれ作成される。また、『仮想ブリードオフ制御』は、第一、第二バイパスカット弁31L、31Rを作動させてブリードオフ流量(第一、第二メインポンプ13、14から第一、第二センタバイパス油路29、30を経由して油タンク16に流れる流量)を低減する一方で、オープンセンタ制御時と同等に油圧アクチュエータAを作動させるためのポンプ流量制御を行う制御である。さらに、『オープンセンタ制御』は、油圧アクチュエータ用流量制御弁20〜27のブリードオフ開口20a〜27aの通過量に応じて発生するネガコン圧に基づいてポンプ流量制御を行うための制御である。
次に、前記『オープンセンタ制御』について、図5に示すフローチャート図に基づいて説明する。該『オープンセンタ制御』に移行すると、コントローラ50は、第一、第二バイパスカット弁31L、31Rに対して全開となるように制御指令を出力し、さらに、第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rに対して出力圧が最低圧(Min圧、タンク圧)となるように制御指令を出力する(ステップS6−1)。
そして、前記ステップS6−1で第一、第二バイパスカット弁31L、31Rが全開となることにより、第一、第二センタバイパス油路29、30を流れるブリードオフ流量は、全開の第一、第二バイパスカット弁31L、31Rを通過して第一、第二ネガコン絞り32L、33Rに供給される。これにより第一、第二ネガコン絞り32L、33Rの上流側には、油圧アクチュエータ用流量制御弁20〜27のブリードオフ開口20a〜27aの通過量に応じて増減するネガコン圧が発生し、該ネガコン圧が第一、第二ネガコンライン34L、34Rを経由して第一、第二シャトル弁35L、35Rの一方の入力ポート35La、35Raに入力される。一方、第一、第二シャトル弁35L、35Rの他方の入力ポート35La、35Raには第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rの出力圧が入力されるが、該出力圧は前記ステップS6−1で最低値となるように制御されるため、前記一方の入力ポート35La、35Raから入力されるネガコン圧が第一、第二シャトル弁35L、35Rから出力されて第一、第二メインポンプ13,14の容量可変手段13a、14aに入力される。これにより第一、第二メインポンプ13、14のポンプ流量は、油圧アクチュエータ用流量制御弁20〜27のブリードオフ開口20a〜27aの通過量に応じて発生するネガコン圧により増減制御される。
而して、『オープンセンタ制御』では、油圧アクチュエータ用流量制御弁20〜27のブリードオフ開口20a〜27aの通過量に応じて発生するネガコン圧によって、第一、第二メインポンプ13、14のポンプ流量が増減制御される。この場合、何れの油圧アクチュエータ用操作具も操作されていない場合には、ブリードオフ開口20a〜27aを通過するブリードオフ流量が最大となってネガコン圧が高くなり、これによりポンプ流量が最低流量となるように制御される一方、油圧アクチュエータ用操作具が操作されると、その操作量に応じてブリードオフ開口20a〜27aを通過するブリードオフ流量が減少してネガコン圧が低くなり、これによりポンプ流量が増大するように制御されるが、この制御は、従来から汎用的に採用されている制御であるため、詳細な説明は省略する。
ここで、前記第一、第二バイパスカット弁31L、31Rは、コントローラ50から制御指令が出力されない非作動状態で全開位置Nに位置し、また、第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rの出力圧は、コントローラ50から制御指令が出力されない非作動状態で最低圧(タンク圧)となるように構成されている。而して、第一、第二バイパスカット弁31L、31Rや第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rに何らかの不具合が生じて作動しない場合であっても、オープンセンタ制御を行うことができるようになっている。
また、図18に示すように、全開位置Nでの第一バイパスカット31の開口面積は、中立位置の流量制御弁CVのブリードオフ開口面積よりも小さく設定されているが、第一、第二バイパスカット弁31L、31Rが全開のときには、該全開の第一、第二バイパスカット弁31L、31Rによって第一、第二センタバイパス油路29、30を流れる圧油が絞られないように設定されており、これにより、『オープンセンタ制御』では、第一、第二バイパスカット弁31L、31Rが設けられていない場合と同等のネガティブコントロール制御が行われるようになっている。
次に、前記『仮想ポンプ流量設定用テーブル作成制御』について、図6に示すフローチャート図に基づいて説明する。該『仮想ポンプ流量設定用テーブル作成制御』に移行すると、コントローラ50は、第一、第二バイパスカット弁31L、31Rに対して全開となるように制御信号を出力し、さらに、第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rに対して出力圧が最低圧(Min圧、タンク圧)となるように制御信号を出力する(ステップS4−1)。このステップS4−1の処理は、前述した『オープンセンタ制御』のステップS6−1の制御と同じであり、これにより、第一、第二メインポンプ13、14のポンプ流量は、油圧アクチュエータ用流量制御弁20〜27のブリードオフ開口20a〜27aの通過量に応じて発生するネガコン圧によって増減制御されるオープンセンタ制御状態になる。
前記ステップS4−1の処理後、コントローラ50は、続けて、モニタ装置54のブィスプレイ54aに、作動させる何れか一つの油圧アクチュエータAと、該油圧アクチュエータAに応じたフロント作業部4の初期姿勢とを表示(ステップS4−2)して、オペレータに知らせる。そして、オペレータは、フロント作業部4をデイスプレイ54aの表示に従って初期姿勢にした後、モニタ装置54の操作手段54bに設けられた開始スイッチをON操作する。
次いで、コントローラ50は、前記開始スイッチがON操作されたか否かを判断する(ステップS4−3)。そして、該判断で「NO」の場合、つまり開始スイッチがON操作されていない場合には、フロント作業部4が初期姿勢にセットされていないと判断して、前記ステップS4−2の処理に戻る。
一方、前記ステップS4−3の判断で「YES」の場合、つまり開始スイッチがON操作された場合には、フロント作業部4が初期姿勢にセットされていると判断して、コントローラ50は、自動的にランプ状に信号を出力して、前記モニタ装置54に表示された油圧アクチュエータAの操作信号を一定速度でゼロから最大(フル操作)まで増加させる(ステップS4−4)。該操作信号に基づく流量制御弁CVの制御は、後述する流量制御弁制御ブロック61で行われる制御あって、その詳細は後述するが、ステップS4−4で油圧アクチュエータAの操作信号を一定速度で増加させることによって流量制御弁CVのスプールが変位し、これにより油圧アクチュエータAに圧油供給されるとともに流量制御弁CVのブリードオフ開口CVaの開口面積が減少して、ネガコン圧が減少していく。
そして、コントローラ50は、前記ステップS4−4で一定速度で増加させたときの操作信号と、そのときのネガコン圧の値とを記憶する(ステップS4−5)。
次いで、第一、第二メインポンプ13、14のポンプ流量・ネガコン圧特性を元に、ネガコン圧からポンプ流量を求める(ステップS4−6)。第一、第二メインポンプ13、14のポンプ流量・ネガコン圧特性(ネガコン圧に対する所与のポンプ流量特性)は図19に示されるようなものであって、予め設定されている。
次いで、操作信号が最大(フル操作)になったか否かを判断する(ステップS4−7)。そして、該判断で「NO」の場合、つまり操作信号が最大になっていない場合には、前記ステップS4−4に戻り、該ステップS4−4〜ステップS4−6の処理を繰り返す。
一方、前記ステップS4−7の判断で「YES」の場合、つまり操作信号が最大になった場合には、操作信号と、前記ステップS4−6で求めたポンプ流量とを用いて、「操作信号vsポンプ流量」の関数テーブルを作成し、メモリに記憶(ステップS4−8)してからリターンする。
而して、『仮想ポンプ流量設定用テーブル作成制御』では、ステップS4−1の処理でオープンセンタ制御状態とし、この状態で、「操作信号vsポンプ流量」のテーブルを作成することになる。そして、該作成された「操作信号vsポンプ流量」のテーブルは、後述する『仮想ブリードオフ制御』における仮想ポンプ流量設定に用いられる。
尚、図6に示すフローチャートには、一つの油圧アクチュエータ用の「操作信号vsポンプ流量」の作成手順を示したが、他の油圧アクチュエータ用の「操作信号vsポンプ流量」についても、同様の手順で順次作成される。
次に、『仮想ブリードオフ制御』について、図7〜図20に基づいて説明する。尚、該図7〜図13に示す制御ブロック図は、第一メインポンプ13、該第一メインポンプ13から圧油供給される左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用の流量制御弁20〜23、および第一バイパスカット弁31Lに関する制御を示すものであって、以下、これらの制御について説明するが、第二メインポンプ14、該第二メインポンプ14から圧油供給される右走行用、旋回用、第一速アーム用、第二速ブーム用の流量制御弁24〜27、および第二バイパスカット弁31Rに関する制御については、同様であるため図示および説明を省略する。
図7は、コントローラ50に設けられるポンプ・バルブ制御ブロック60を示す図であって、該ポンプ・バルブ制御ブロック60には、左走行、バケット、ブーム、アームの操作信号(操作検出手段51により検出される左走行用操作具、バケット用操作具、ブーム用操作具、アーム用操作具の操作信号)51−1、51−2、51−3、51−4に基づいて左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用の流量制御弁20〜23を制御する流量制御弁制御ブロック61、該流量制御弁制御ブロック61から出力されるパイロット圧出力用電磁比例弁指令値に基づいて各流量制御弁20〜23のブリードオフ開口面積(ブリードオフ開口20a〜23aの開口面積)を設定するブリードオフ開口面積設定ブロック62、上記操作信号51−1、51−2、51−3、51−4に基づいて仮想ポンプ流量を設定する仮想ポンプ流量設定ブロック63、操作信号51−1、51−2、51−3、51−4に基づいて第一バイパスカット弁31Lの開口面積を設定するバイパスカット弁設定ブロック64、第一ポンプ圧センサ39Lから入力される第一メインポンプ圧力信号39L−1と上記ブリードオフ開口面積設定ブロック62、仮想ポンプ流量設定ブロック63、バイパスカット弁設定ブロック64の出力信号とに基づいてネガコン圧指令を出力するポンプ流量制御ブロック65、第一ネガコン圧センサ40Lから入力される第一ネガコン圧力信号40L−1と上記ポンプ流量制御ブロック65から出力されるネガコン圧指令に基づいて第一ネガコン圧出力用電磁比例弁38Lを制御するネガコン圧出力用電磁比例弁制御ブロック66、モードスイッチ52で設定された制御モードに基づいてネガコン圧出力用電磁比例弁制御ブロック66の出力値とMin圧設定器67の出力値との何れか一方を選択する第一信号選択器68、モードスイッチ52で設定された制御モードに基づいてバイパスカット弁設定ブロック64の出力値と全開設定器69の出力値との何れか一方を選択する第二信号選択器70が設けられている。そして、前記流量制御弁制御ブロック61からは、パイロット圧出力用電磁比例弁53(左走行前進側電磁比例弁53−1a、左走行後進側電磁比例弁53−1b、バケットクローズ側電磁比例弁53−2a、バケットオープン側電磁比例弁53−2b、第一速ブーム上昇側電磁比例弁53−3a、第一速ブーム下降側電磁比例弁53−3b、第二速アームイン側電磁比例弁53−4a、第二速アームアウト側電磁比例弁53−4b)に制御指令が出力され、また、第一信号選択器68からは第一ネガコン圧出力用電磁比例弁38Lに制御指令が出力され、また、第二信号選択器70からは第一バイパスカット弁31Lに制御指令が出力されるようになっている。
尚、前記各ブロック61〜66の詳細については後述するが、流量制御弁制御ブロック61の制御は、前述したメインルーチンのステップS2で行われる制御であって、『仮想ポンプ流量設定用テーブル作成制御』、『仮想ブリードオフ制御モード』、『オープンセンタ制御モード』の全ての制御において実行される。
また、第一、第二信号選択器68、70は、モードスイッチ52で設定された制御モードに基づいて信号を切換えるものであって、『オープンセンタ制御モード』および『仮想ポンプ流量設定用テーブル作成制御』が設定されている場合には、これら第一、第二信号選択器68、70によって、Min圧設定器67から出力される第一ネガコン圧出力用電磁比例弁38Lの最低圧(Min圧、タンク圧)指令値、全開設定器69から出力される第一バイパスカット弁31Lの全開指令値がそれぞれ選択され、これにより前述したステップS6−1、ステップS4−1の処理が行われる。一方、『仮想ブリードオフ制御』が選択されている場合には、第一、第二信号選択器68、70によって、ネガコン圧出力用電磁比例弁制御ブロック66からの出力値、バイパスカット弁設定ブロック64からの出力値がそれぞれ選択されるようになっている。
次に、前記流量制御弁制御ブロック61について、図8に基づいて説明する。該図8において、61−1は左走行操作信号51−1に基づいて左走行前進側電磁比例弁53−1a、左走行後進側電磁比例弁53−1bに制御指令を出力する左走行用流量制御弁制御ブロックであって、該左走行用流量制御弁制御ブロック61−1は、左走行操作信号51−1のプラス側(前進側)信号を抽出するプラス側操作関数テーブル61−1aと、信号の上げ・下げの応答を調整するプラス側レートリミッタ61−1bと、該プラス側レートリミッタ61−1bからの出力信号を元に左走行前進側電磁比例弁53−1aに対する指令値を設定する左走行前進側電磁比例弁指令値テーブル61−1cと、左走行操作信号51−1のマイナス側(後進側)信号を抽出するマイナス側操作関数テーブル61−1dと、信号の上げ・下げの応答を調整するマイナス側レートリミッタ61−1eと、該マイナス側レートリミッタ61−1eからの出力信号を元に左走行後進側電磁比例弁53−1bに対する指令値を設定する左走行後進側電磁比例弁指令値テーブル61−1fの各要素を備えて構成されている。
また、61−2はバケット操作信号51−2に基づいてバケットクローズ側電磁比例弁53−2a、バケットオープン側電磁比例弁53−2bに制御指令を出力するバケット用流量制御弁制御ブロック、61−3はブーム操作信号51−3に基づいて第一速ブーム上昇側電磁比例弁53−3a、第一速ブーム下降側電磁比例弁53−3bに制御指令を出力する第一速ブーム用流量制御弁制御ブロック、61−4はアーム操作信号51−4に基づいて第二速アームイン側電磁比例弁53−4a、第二速アームアウト側電磁比例弁53−4bに制御指令を出力する第二速アーム用流量制御弁制御ブロックであって、これらバケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用の各流量制御弁制御ブロック61−2、61−3、61−4は、図示しないが、前記左走行用流量制御弁制御ブロック61−1と同様の各要素を備えて構成されている。
さらに、61−5は第二速アーム用制限テーブルであって、該第二速アーム用制限テーブル61−5は、ブーム上昇とアームインとの連動操作性向上のため、ブーム上昇側操作信号に基づいてアームイン操作信号を制限するためのものであって、該第二速アーム用制限テーブル61−5から出力される第二速アームイン制限信号は、Min(最小値)選択器61−6に入力される。そして、該Min選択器61−6は、上記第二速アーム用制限テーブル61−5から出力される第二速アームイン制限信号と、操作検出手段51により検出されるアームイン操作信号51−4とのうち最小値を選択し、該最小値をアームイン操作信号として前記第二速アーム用流量制御弁制御ブロック61−4に出力するようになっている。
次に、前記ブリードオフ開口面積設定ブロック62について、図9に基づいて説明する。該図9において、62−1は左走行用ブリードオフ開口面積設定ブロック、62−2はバケット用ブリードオフ開口面積設定ブロック、62−3は第一速ブーム用ブリードオフ開口面積設定ブロック、62−4は第二速アーム用ブリードオフ開口面積設定ブロックであって、これら各ブリードオフ開口設定ブロック62−1、62−2、62−3、62−3は、前記流量制御弁制御ブロック61から出力される各パイロット圧出力用電磁比例弁53の指令値を入力し、該指令値に基づいて左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用の流量制御弁20〜23のブリードオフ開口面積Aptiを求めて出力する。
前記各ブリードオフ開口設定ブロック62−1、62−2、62−3、62−3の構成について説明すると、左走行用ブリードオフ開口面積設定ブロック62−1は、左走行前進側電磁比例弁53−1a指令値を元に左走行用流量制御弁20のブリードオフ開口面積を求める左走行用前進側ブリードオフ開口面積テーブル62−1aと、左走行後進側電磁比例弁53−1b指令値に基づいて左走行用流量制御弁20のブリードオフ開口面積を求める左走行用後進側ブリードオフ開口面積テーブル62−1bと、これら左走行用前進側、後進用のブリードオフ開口面積テーブル62−1a、62−1bで求められたブリードオフ開口面積のうち最小値を選択するMin(最小値)選択器62−1cの各要素を備えて構成されており、Min選択器62−1cで選択された値を左走行用ブリードオフ開口面積Aptiとして出力する。
また、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用のブリードオフ開口面積設定ブロック62−2、62−3、62−4は、図示しないが、前記左走行用ブリードオフ開口面積設定ブロック62−1と同様の要素を備えていて、バケット用ブリードオフ開口面積設定ブロック62−2は、バケットクローズ側電磁比例弁53−2a指令値、バケットオープン側電磁比例弁53−2b指令値に基づいてバケット用流量制御弁21のブリードオフ開口面積(バケット用ブリードオフ開口面積Apti)を求めて出力し、また、第一速ブーム用ブリードオフ開口面積設定ブロック62−3は、第一速ブーム上昇側電磁比例弁53−3a指令値、第一速ブーム下降側電磁比例弁53−3b指令値に基づいて第一速ブーム用流量制御弁22のブリードオフ開口面積(第一速ブーム用ブリードオフ開口面積Apti)を求めて出力し、また、第二速アーム用ブリードオフ開口面積設定ブロック62−4は、第二速アームイン側電磁比例弁53−4a指令値、第二速アームアウト側電磁比例弁53−4b指令値に基づいて第二速アーム用流量制御弁23のブリードオフ開口面積(第二速アーム用ブリードオフ開口面積Apti)を求めて出力する。
次に、前記仮想ポンプ流量設定ブロック63について、図10に基づいて説明するが、該仮想ポンプ流量設定ブロック63は、左走行操作信号51−1、バケット操作信号51−2、ブーム操作信号51−3、アーム操作信号51−4の操作信号を入力し、該操作信号に基づいて仮想ポンプ流量を演算して出力する。
図10において、63−1は左走行用仮想ポンプ流量設定部、63−2はバケット用仮想ポンプ流量設定部、63−3は第一速ブーム用仮想ポンプ流量設定部、63−4は第二速アーム用仮想ポンプ流量設定部であって、これら仮想ポンプ流量設定部63−1、63−2、63−3、63−4には、前述した『仮想ポンプ流量設定用テーブル作成制御』で作成した左走行用、バケット用、ブーム用、アーム用の「操作信号vsポンプ流量」のテーブルが、仮想ポンプ流量設定用のテーブルとしてそれぞれ収納されている。そして、仮想ポンプ流量設定部63−1、63−2、63−3、63−4は、上記「操作信号vsポンプ流量」のテーブルを用いて、左走行操作信号51−1、バケット操作信号51−2、ブーム操作信号51−3、アーム操作信号51−4にそれぞれ対応するポンプ流量を求め、該ポンプ流量を仮想ポンプ流量として出力する。
また、63−5は第二速アーム用制限テーブルであって、該第二速アーム用制限テーブル63−5は、ブーム上昇とアームインとの連動操作性向上のため、ブーム上昇側操作信号に基づいてアームイン操作信号を制限するためのものであって、該第二速アーム用制限テーブルから出力される第二速アームイン制限信号は、Min(最小値)選択器63−6に入力される。そして、該Min選択器63−6は、上記第二速アーム用制限テーブル63−5から出力される第二速アームイン制限信号と、操作検出手段51により検出されるアームイン操作信号とのうち最小値を選択し、該最小値をアームイン操作信号として第二速アーム用仮想ポンプ流量テーブル63−4に出力するようになっている。
さらに、63−7はMax(最大値)選択器であって、該Max選択器63−7は、前記左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用の仮想ポンプ流量設定部63−1、63−2、63−3、63−4から出力される仮想ポンプ流量のうち最大値を選択する。そして、該選択された最大値は、油圧アクチュエータAの加速、減速性を調整するために設けられたレートリミッタ63−8によりポンプ流量の増加、減少速度の調整がなされてから、仮想ポンプ流量Qvpとして仮想ポンプ流量設定ブロック63から出力される。
次に、前記バイパスカット弁設定ブロック64について、図11、図18に基づいて説明する。図18は、流量制御弁CVのスプール変位量と、流量制御弁CVに形成されるPC開口面積(油圧アクチュエータAへの圧油供給用開口の開口面積)およびブリードオフ開口面積と、第一バイパスカット弁31Lの開口面積との関係の一例を示す特性図であって、『仮想ブリードオフ制御』においては、該図18に示すように、第一バイパスカット弁31Lをブリードオフ開口CVaよりも早めに閉じて、第一センタバイパス油路29を通って油タンク16に流れるブリードオフ流量をカットするようになっている。
一方、図11において、64−1は左走行用バイパスカット開口設定ブロック、64−2はバケット用バイパスカット開口設定ブロック、64−3は第一速ブーム用バイパスカット開口設定ブロック、64−4は第二速アーム用バイパスカット開口設定ブロックであって、これら各バイパスカット開口設定ブロック64−1、64−2、64−3、64−4は、左走行操作信号51−1、バケット操作信号51−2、ブーム操作信号51−3、アーム操作信号51−4に基づいて、対応する油圧アクチュエータAが作動したときの第一バイパスカット弁31Lの開口面積を設定する。
前記各バイパスカット開口設定ブロック64−1、64−2、64−3、64−4の構成について説明すると、左走行用バイパスカット開口設定ブロック64−1は、左走行操作信号51−1のプラス側(前進側)信号を抽出する前進側操作関数テーブル64−1aと、信号の上げ・下げの応答を応答を調整するプラス側レートリミッタ64−1bと、プラス側レートリミッタ64−1bからの出力信号を元に第一バイパスカット弁31Lの開口面積を設定する左走行前進側バイパスカット弁開口面積テーブル64−1cと、左走行操作信号のマイナス側(後進側)信号を抽出するマイナス側操作関数テーブル64−1dと、信号の上げ・下げの応答を応答を調整するマイナス側レートリミッタ64−1eと、マイナス側レートリミッタ64−1eからの出力信号を元に第一バイパスカット弁31Lの開口面積を設定する左走行後進側バイパスカット弁開口面積テーブル64−1fと、上記左走行前進側バイパスカット弁開口面積テーブル64−1cの出力信号と左走行後進側バイパスカット弁開口面積テーブル64−1fの出力信号とのうち最小値を選択するMin選択器64−1gの各要素を備えて構成されており、Min選択器64−1gで選択された最小値を左走行用バイパスカット弁開口面積として出力する。
また、バケット用バイパスカット開口設定ブロック64−2、第一速ブーム用バイパスカット開口設定ブロック64−3、第二速アーム用バイパスカット開口設定ブロック64−4は、図示しないが、前記左走行用バイパスカット開口設定ブロック64−1と同様の各要素を備えて構成されており、それぞれ、バケット操作信号51−2、ブーム操作信号51−3、アーム操作信号51−4を入力して、バケット用バイパスカット弁開口面積、第一速ブーム用バイパスカット弁開口面積、第二速アーム用バイパスカット弁開口面積を出力する。
また、64−5は第二速アーム用制限テーブルであって、該第二速アーム用制限テーブル64−5は、ブーム上昇とアームインとの連動操作性向上のため、ブーム上昇側操作信号に基づいてアームイン操作信号を制限するためのものであって、該第二速アーム用制限テーブル64−5から出力される第二速アームイン制限信号は、Min(最小値)選択器64−6に入力される。そして、該Min選択器64−6は、上記第二速アーム用制限テーブルから出力される第二速アームイン制限信号と、操作検出手段51により検出されるアームイン操作信号とのうち最小値を選択し、該最小値をアームイン操作信号として第二速アーム用バイパスカット開口設定ブロック64−4に出力するようになっている。
さらに、64−7はMin選択器であって、該Min選択器64−7は、前記前記左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用の各バイパスカット開口設定ブロック64−1、64−2、64−3、64−4から出力される左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用のバイパスカット弁開口面積のうち最小値を選択する。そして、該選択された最小値は、バイパスカット弁開口面積Abcとしてバイパスカット弁設定ブロック64から出力されるとともに、バイパスカット弁指令値テーブル64−8に入力され、該バイパスカット弁指令値テーブル64−8においてバイパスカット弁指令値に変換されて、バイパスカット弁設定ブロック64から出力される。そして、前述したようにモードスイッチ52により『仮想ブリードオフ制御モード』が選択されている場合には、上記バイパスカット弁設定ブロック64からの出力値が第二信号選択器70により選択されて、第一バイパスカット弁31Lを制御する。
ここで、図16、図17に、センタバイパス油路のモデル図を示す。図16(A)は、オープンセンタ制御システムを示すモデル図であって、該オーブンセンタ制御システムのセンタバイパス油路SBには、複数の流量制御弁のブリードオフ開口CVa(開口面積Apti)およびネガコン絞りNC(開口面積Anc)が直列に接続されているが、該直列に接続された複数のブリードオフ開口CVaは、図16(B)に示す如く等価ブリードオフ開口面積Aeptのブリードオフ開口CVaとして表すことができる(複数のブリードオフ開口CVaの開口面積Aptiと等価ブリードオフ開口面積Aeptとの関係は、後述する式(数1)で表される)。また、該等価ブリードオフ開口面積Aeptのブリードオフ開口CVaの上流側の圧力と、ネガコン絞りNCの下流側との圧力差がポンプ圧Ppとなる。一方、図17は、本発明の仮想ブリードオフ制御システムを示すモデル図であって、該仮想ブリードオフ制御システムのセンタバイパス油路SBには、ネガコン絞りNCの上流側にバイパスカット弁BC(開口面積Abc)が配されている。尚、図16、図17において、Pは油圧ポンプ、Tは油タンクである。
そして、仮想ブリードオフ制御システムでは、バイパスカット弁BCでセンタバイパス油路SBを操作具操作量が少ない段階で閉じてブリードオフ流量を削減する一方で、オープンセンタ制御システムと同等に油圧アクチュエータを動作させるために、以下の計算ステップ(1)〜(3)でポンプ流量を求める。
(1)流量制御弁のブリードオフ開口面積(等価ブリードオフ開口面積Aept)とネガコン絞り開口面積Ancとポンプ圧Ppとから、図16に示すオープンセンタ制御システムのブリードオフ流量を、バイパスカット弁BCが設けられていないと仮想した場合の仮想ブリードオフ流量として求める。
(2)流量制御弁のブリードオフ開口面積(等価ブリードオフ開口面積Aept)とネガコン絞り開口面積Ancとバイパスカット弁開口面積Abcとポンプ圧Ppとから、図17に示す仮想ブリードオフ制御システムのブリードオフ流量を、実ブリードオフ流量として求める。
(3)オープンセンタ制御システムと同等に油圧アクチュエータを動作させるために必要な仮想ブリードオフ制御システム時のポンプ流量(ポンプ要求流量)を、下記の式(式1)を用いて求める。
ポンプ要求流量=仮想ポンプ流量−ブリードオフ低減流量・・・(式1)
尚、(式1)の仮想ポンプ流量は、バイパスカット弁BCが設けられていないと仮想した場合のポンプ流量、つまりオープンセンタ制御システム時のポンプ流量である。そして、該仮想ポンプ流量は、前述した仮想ポンプ流量設定ブロック63から出力される仮想ポンプ流量Qvpを用いることができる。また、ブリードオフ低減流量は、上記(1)で求めた仮想ブリードオフ流量(オープンセンタ制御システム時のブリードオフ流量)と、(2)で求めた実ブリードオフ流量(仮想ブリードオフ制御システム時のブリードオフ流量)との差分(仮想ブリードオフ流量−実ブリードオフ流量)である。
そして、前記(1)、(2)、(3)のステップの計算は、後述するポンプ流量制御ブロック65において行われる。
次に、前記ポンプ流量制御ブロック65について、図12に基づいて説明すると、該ポンプ流量制御ブロック65には、前記ブリードオフ開口面積設定ブロック62から出力される左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用のブリードオフ開口面積Apti、仮想ポンプ流量設定ブロック63から出力される仮想ポンプ流量Qvp、バイパスカット弁設定ブロック64から出力されるバイパスカット弁開口面積Abc、および第一ポンプ圧センサ39Lにより検出される第一メインポンプ圧力信号39L−1が入力され、これら入力信号に基づいて、仮想ブリードオフ制御時のポンプ流量(ポンプ要求流量)を求める。
図12において、65−1は等価ブリードオフ開口面積演算ブロックであって、該等価プリードオフ開口面積演算ブロック65−1は、下記の式(数1)を用いて、直列に接続された左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用のブリードオフ開口面積Aptiから等価ブリードオフ開口面積Aeptを求める。
Figure 2017057926
また、65−3は仮想センタバイパス開口面積演算ブロックであって、該仮想センタバイパス開口面積演算ブロック65−3は、データ部65−2に収納されている第一ネガコン絞り32Lの開口面積Ancと、前記等価ブリードオフ開口面積演算ブロック65−1で求めた等価ブリードオフ開口面積Aeptとから、下記の式(数2)を用いて、第一バイパスカット弁31Lが設けられていないと仮想した場合の第一センタパイパス通路29の開口面積Avpt(仮想センタバイパス開口面積Avpt)を求める。
Figure 2017057926
また、65−4は実センタバイパス開口面積演算ブロックであって、該実センタバイパス開口面積演算ブロック65−4は、バイパスカット弁開口面積Abc
と、前記仮想センタバイパス開口面積演算ブロック65−3で求めた仮想センタバイパス開口面積Avptとから、下記の式(数3)を用いて、第一バイパスカット弁31Lがある場合の第一センタパイパス通路29の開口面積Aapt(実センタバイパス開口面積Aapt)を求める。
Figure 2017057926
また、65−5は第一減算器であって、該第一減算器65−5で、第一バイパスカット弁31Lが設けられていないと仮想した場合の仮想センタバイパス開口面積Avptから、第一バイパスカット弁31Lがある場合の実センタバイパス開口面積Aaptを引き、該引いた面積(Avpt−Aapt)を出力する。
一方、65−6はバンドパスフィルタであって、該バンドパスフィルタ65−6は、第一ポンプ圧センサ39Lにより検出される第一メインポンプ圧力信号39L−1から油圧系固有振動数の周波数成分を抽出する。そして、第二減算器65−7で、第一メインポンプ圧力信号39L−1から上記バンドパスフィルタ65−6で抽出された油圧系固有振動数の周波数成分を減じて、平滑化された安定したポンプ圧信号Ppにする。
さらに、平方根演算器65−8で、前記第二減算器65−7で求めた平滑化されたポンプ圧Ppの平方根を求め、該平方根にゲイン65−9で係数Cqを乗じる。さらに、第一乗算器65−10で、前記第一減算器65−5から出力された面積(Avpt−Aapt)とゲイン65−9の出力値とを乗じて、仮想ブリードオフ流量Qvboを求める。上記第一減算器65−5、平方根演算器65−8、ゲイン65−9、第一乗算器65−10の処理は、下記の式(数4)で表される。
Figure 2017057926
また、前記ゲイン65−9で用いる係数Cqは、下記の式(数5)で表される。
Figure 2017057926
尚、上記(数5)において、cは流量係数、ρは作動油の密度である。
さらに、65−11は第三減算器であって、該第三減算器65−11で、仮想ポンプ流量設定ブロック63から出力される仮想ポンプ流量Qvpから、前記第一乗算器65−10で求めた仮想ブリードオフ流量Qvboを引いて、ポンプ要求流量Qrqを求める。
一方、前記バンドパスフィルタ65−6で抽出された油圧系固有振動数の周波数成分は、フィードバックゲイン65−12で圧力フィードバックゲインKpを乗じる。また、65−13はゲイン補償器であって、該ゲイン補償器65−13は、前記等価ブリードオフ開口面積演算ブロック65−1から出力される等価ブリードオフ開口面積Aeptを元にゲイン補償係数を出力するものであり、図20に示すように、等価ブリードオフ開口面積Aeptが全閉のとき、および流量制御弁20〜23が全て中立位置で等価ブリードオフ開口面積Aeptが全開のときは、圧力フィードバックが不要であるのでゲイン補償係数はゼロに設定している。そして、第二乗算器65−14で、前記フィードバックゲイン65−12の出力値にゲイン補償器65−13の出力値を乗じる。さらに、第四減算器65−15で、前記第二乗算器65−14の出力値を、前記第三減算器65−11で求めたポンプ要求流量Qrqに圧力フィードバックして、ポンプ流量指令値Qpcdを設定する。さらに、所与のポンプ流量・ネガコン圧特性に基づいて作成されたネガコン圧指令テーブル65−16で、ポンプ流量指令値Qpcdをネガコン圧指令値に変換し、該ネガコン圧指令値がポンプ流量制御ブロック65から出力される。
次に、前記ネガコン圧出力用電磁比例弁制御ブロック66について、図13に基づいて説明する。該ネガコン圧出力用電磁比例弁制御ブロック66には、前記ポンプ流量制御ブロック65から出力されるネガコン圧指令と第一ネガコン圧センサ40Lにより検出される実ネガコン圧(第一ネガコン圧力信号40L−1)が入力される。
図13において、66−1は所与のネガコン圧指令値とネガコン圧出力用電磁比例弁指令値との関係が示された電磁比例弁特性テーブルであって、該電磁比例弁特性テーブル66−1を用いてネガコン圧指令値からネガコン圧出力用電磁比例弁指令値を求める。
さらに、減算器66−2で、ネガコン圧指令に対して第一ネガコン圧センサ40Lにより検出される実ネガコン圧をフィードバックし、制御器66−3でPID制御等の制御演算を行う。そして、加算器66−4で、前記電磁比例弁特性テーブル66−1の出力値と制御器66−3の出力値とを加算し、該加算値を第一ネガコン圧出力用電磁比例弁38L指令としてネガコン圧出力用電磁比例弁制御ブロック66から出力する。そして、前述したようにモードスイッチ52により『仮想ブリードオフ制御モード』が選択されている場合には、上記ネガコン圧出力用電磁比例弁制御ブロック66からの出力値が第一信号選択器68により選択されて、第一ネガコン圧出力用電磁比例弁38Lを制御する。
次に、前記流量制御弁制御ブロック61、仮想ポンプ流量設定ブロック63、バイパスカット弁設定ブロック64に用いられているレートリミッタ(流量制御弁制御ブロック61のプラス側、マイナス側レートリミッタ61−1b、61−1e、仮想ポンプ流量設定ブロック63のレートリミッタ63−8、バイパスカット弁設定ブロック64のプラス側、マイナス側レートリミッタ64−1b、64−1e)について、図14の演算ブロック図に基づいて説明する。尚、ここでは上記レートリミッタ61−1b、61−1e、63−8、64−1b、64−1eを、レートリミッタ71として説明する。
図14において、71−1は減算器、71−2は減算器71−1の出力を制限するリミッタ、71−3はリセット機能付き積分器である。リミッタ71−2のプラス側制限値を大きくすると出力が速く立ち上がり、小さくすると立ち上がりが遅くなる。また、リミッタ71−2のマイナス側制限値を小さくすると出力が速く中立に戻り、大きくすると中立への戻りが遅くなる。リセット機能付き積分器71−3は、反対側の信号が立ち上がると積分がリセットされる。例えば、アームイン操作から急激にアームアウト操作をしたとき、アーム操作信号がアウト側に立ち上がるとアームイン側の信号が強制的にゼロにされ、迅速に切り返しできるようにしている。尚、ポンプ流量は逆方向の信号がないので、仮想ポンプ流量設定ブロック63に用いられるレートリミッタ処理器63−8の積分器には、リセット機能は不要である。
そして、本実施の形態では、流量制御弁制御ブロック61およびバイパスカット弁設定ブロック64に設けられたレートリミッタ71が行うレートリミッタ処理によって、流量制御弁CVと第一バイパスカット弁31Lの開閉タイミングを調整しており、その結果を図15に示す。
図15の下図において、点線はレートリミット処理を行わない場合、実線はレートリミット処理を行った場合を示す。レートリミット処理を行わない場合は、油圧アクチュエータ用操作具をステップ状に操作した場合に、流量制御弁CVのPC開口(油圧アクチュエータAへの圧油供給用開口)が十分に開かないうちに第一バイパスカット弁31Lが閉まる。また、操作具を中立位置に戻したときにPC開口がほとんど閉まった時点で第一バイパスカット弁31Lが開く。このため、第一メインポンプ13の吐出油が閉じ込められ、ポンプ圧が急上昇してメインリリーフ弁47が噴く不具合が生じる。
そこで、流量制御弁CVのPC開口と第一バイパスカット弁31Lの開閉タイミングを調整するレートリミッタ処理を行う。つまり、操作具を中立位置側からフル操作側に操作する場合(PC開口を開く場合)には、流量制御弁CVに対して第一バイパスカット弁31Lを遅く作動させる一方、操作具をフル操作側から中立位置側に操作する場合(PC開口を閉じる場合)には、流量制御弁CVに対して第一バイパスカット弁31Lを速く作動させる(図15では、PC開口を閉じる場合、流量制御弁CVも第一バイパスカット弁31Lもレートリミッタ処理しない場合よりも遅く作動させているが、第一バイパスカット弁31Lの方が遅くなる度合いが小さく、これにより、相対的に流量制御弁CVに対して第一バイパスカット弁31Lを速く作動させている)ように、レートリミッタ処理する。このようなレートリミッタ処理を行うと、操作具をステップ状に操作しても、流量制御弁CVのPC開口面積が十分に開いた状態で第一バイパスカット弁31Lが閉まる。また、操作具を中立位置に戻したときに第一バイバスカット弁31Lが十分に開いた状態でPC開口が閉まり、これにより、第一メインポンプ13の吐出油が閉じ込められてポンプ圧が急上昇する不具合を確実に解消できる。
而して、『仮想ブリードオフ制御』では、コントローラ50から出力される制御指令により、油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づいて第一バイパスカット弁31Lが作動して第一センタバイパス油路29を閉じ、これにより第一センタバイパス油路29のブリードオフ流量が低減される。一方、第一ネガコン圧出力用バルブ31Lからネガコン圧が出力され、該ネガコン圧が第一シャトル弁35Lにより第一メインポンプ13の容量可変手段13aに導かれて第一メインポンプ13のポンプ流量を増減制御する。この場合に、コントローラ50は、第一バイパスカット弁31Lが設けられていないと仮想した場合の仮想ブリードオフ流量と第一バイパスカット弁31Lが作動した場合の実ブリードオフ流量との差分をブリードオフ低減流量として求めるとともに、第一バイパスカット弁31Lが設けられていないと仮想した場合の仮想ポンプ流量から前記ブリードオフ低減流量を減じてポンプ要求流量を求め、油圧ポンプの吐出流量を該ポンプ要求流量にするべく第一ネガコン圧出力用バルブ38Lを制御する。これにより、『仮想ブリードオフ制御』においても、オープンセンタ制御時と同等のポンプ流量が油圧アクチュエータAに供給されて、油圧アクチュエータAを同等に動作させることができるようになっている。
叙述の如く構成された本形態において、油圧ショベル1の油圧回路は、可変容量型の第一、第二メインポンプ13、14と、第一、第二メインポンプ13、14から圧油供給される油圧アクチュエータA(左右の走行モータ8L、8R、旋回モータ9、ブームシリンダ10、アームシリンダ11、バケットシリンダ12)と、中立位置でポンプ流量を油タンク16に流すブリードオフ開口CVa(ブリードオフ開口20a〜27a)を有するとともに油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づいて第一、第二メインポンプ13、14から油圧アクチュエータAへの供給流量を制御するオープンセンタ型の流量制御弁CV(左走行用、バケット用、第一速ブーム用、第二速アーム用、右走行用、旋回用、第一速アーム用、第二速ブーム用の流量制御弁20〜27)と、第一、第二メインポンプ13,14から流量制御弁CVのブリードオフ開口CVaを経由して油タンク16に至る第一、第二センタバイパス油路29、30と、ブリードオフ開口CVaの下流側の第一、第二センタバイパス29、30油路に配されてネガコン圧を発生する第一、第二ネガコン絞り32L、32Rとを備えて構成されているが、さらに、上記第一、第二ネガコン絞り32L、32Rの上流側に配され、非作動時には第一、第二センタバイパス油路29、30を全開し、作動時には第一、第二センタバイパス油路29、30を閉じる第一、第二バイパスカット弁31L、31Rと、第一、第二メインポンプ13、14の可変容量手段13a、14aにネガコン圧を出力するべく作動する第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rと、上記第一、第二バイパスカット弁31L、31Rおよび第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rの作動を制御するコントローラ50と、第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rの非作動時には第一、第二ネガコン絞り32L、32Rにより発生するネガコン圧を第一、第二メインポンプ13、14の容量可変手段13a、14aに導き、第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rの作動時には該第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rから出力されるネガコン圧を第一、第二メインポンプ13、14の容量可変手段13a、14aに導く第一、第二シャトル弁35L、35Rとが設けられている。そして、前記コントローラ50は、油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づき第一、第二バイパスカット弁31L、31Rを作動させて第一、第二センタバイパス油路29、30から油タンク16に流れるブリードオフ流量を低減する一方、該第一、第二バイパスカット弁31L、31Rの作動時に、第一、第二バイパスカット弁31L、31Rが設けられていないと仮想した場合の仮想ブリードオフ流量と第一、第二バイパスカット弁31L、31Rが作動した場合の実ブリードオフ流量との差分をブリードオフ低減流量として求めるとともに、第一、第二バイパスカット弁31L、31Rが設けられていないと仮想した場合の仮想ポンプ流量から前記ブリードオフ低減流量を減じてポンプ要求流量を求め、第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量を該ポンプ要求流量にするべく第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rを作動させる仮想ブリードオフ制御を行うことになる。
この結果、前記コントローラ50の行う仮想ブリードオフ制御によって、第一、第二センタバイパス油路29、30から油タンク16に流れるブリードオフ流量を低減することができるとともに、第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量をブリードオフ低減流量分少なくすることができて、省エネに貢献できる。しかも、油圧アクチュエータAへの供給流量は、第一、第二バイパスカット弁31L、31Rが設けられていない従来のオープンセンタ制御システムにおける油圧アクチュエータAへの供給流量と同等になり、而して、仮想ブリードオフ制御においてもオープンセンタ制御と同等に油圧アクチュエータAを動作させることができる。
さらにこのものでは、仮想ブリードオフ制御に用いる第一、第二バイパスカット弁31L、31Rおよび第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rが非作動の場合には、第一、第二ネガコン絞り32L、32Rにより発生するネガコン圧が第一、第二メインポンプ13、14の容量可変手段13a、14aに導かれる構成になっているから、仮想ブリードオフ制御においてコントローラ50からの指令で作動する第一、第二バイパスカット弁31L、31Rや第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38R、あるいは第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rから出力されるネガコン圧を制御するために必要なセンサ等が故障したような場合、または、油圧アクチュエータ用操作具を殆どフル操作させるためにブリードオフ流量が少量であるような場合には、第一、第二バイパスカット弁31L、31Rおよび第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rを非作動にすることにより、第一、第二ネガコン絞り32L、32Rにより発生するネガコン圧でポンプ流量を制御するオープンセンタ制御にすることができる。而して、仮に第一、第二バイパスカット弁31L、31Rや第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38R、あるいはセンサ等が故障したような場合であっても、何ら支障なくオープンセンタ制御で油圧アクチュエータAを動作させることができることになる。
しかもこのものは、従来から設けられているオープンセンタ制御システムの油圧回路に、第一、第二バイパスカット弁31L、31Rと第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rとを設けるとともに、第一、第二バイパスカット弁31L、31Rおよび第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rの非作動時には第一、第二ネガコン絞り32L、32Rにより発生するネガコン圧を第一、第二メインポンプ13、14の容量可変手段13a、14に導き、第一、第二バイパスカット弁31L、31Rおよび第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rの作動時には第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rから出力されるネガコン圧を容量可変手段13a、14に導く第一、第二シャトル弁35L、35Rを設けただけの簡単な構成であって、オープンセンタ制御システムの流量制御弁をそのまま用いて仮想ブリードオフ制御を行う構成であるから、既存のオープンセンタ制御システムからの変更も容易で、コスト抑制にも大きく貢献できる。
しかも、前記コントローラ50は、第一、第二バイパスカット弁31L、31Rが設けられていないと仮想した場合の仮想ポンプ流量を、油圧アクチュエータ用操作具の操作信号と第一、第二メインポンプ13、14のポンプ流量との関数テーブル(「操作信号vsポンプ流量」のテーブル)を用いて、油圧アクチュエータ用操作具の操作量に応じて設定する一方、上記関数テーブルは、第一、第二バイパスカット弁31L、31Rおよび第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rを非作動にした状態、つまりオープンセンタ制御状態で、油圧アクチュエータ用操作具の操作信号を変化させたときに第一、第二ネガコン絞り32L、32Rにより発生するネガコン圧の検出値と、該ネガコン圧に対する所与のポンプ流量特性とに基づいて予め作成される構成であるから、仮想ポンプ流量は、オープンセンタ制御における実際のポンプ流量に即したものとなり、よって、仮想ブリードオフ制御における油圧アクチュエータの動作を、より確実にオープンセンタ制御と同等にすることができる。
さらに、前記コントローラ50は、流量制御弁CVのブリードオフ開口面積CVaと第一、第二バイパスカット弁31L、31Rの開口面積と第一、第二メインポンプ13、14のポンプ圧とに基づいてブリードオフ低減流量を演算することになるが、この場合に、第一、第二ポンプ圧センサ39L、39Rにより検出されたポンプ検出圧力から油圧系固有振動数の周波数成分を抽出するバンドパスフィルタ処理を行い、ポンプ検出圧力から上記抽出された周波数成分を減じた滑らかな安定した圧力を第一、第二メインポンプ13、14のポンプ圧として用いる構成になっており、これにより、演算されるブリードオフ低減流量の周波数変動を抑制することができて、ポンプ圧のハンチングを防止できる。
さらに、前記コントローラ50は、ポンプ要求流量を求めるにあたり、前記バンドパスフィルタ処理で抽出した周波数成分を圧力フィードバックする構成になっており、これにより、ポンプ流量と油圧アクチュエータ速度とのあいだの伝達関数におけるダンピング係数が大きくなって油圧系が安定し、ハンチングの抑制に貢献できる。
さらに、前記コントローラ50は、流量制御弁CVに設けられる油圧アクチュエータ圧油供給用開口(PC開口)と第一、第二バイパスカット弁31L、31Rの開口との開閉タイミングを調整するためのレートリミッタ処理を行って、PC開口を開く場合には、流量制御弁CVに対して第一、第二バイパスカット弁31L、31Rを遅く作動させ、PC開口を閉じる場合には、流量制御弁CVに対して第一、第二バイパスカット弁31L、31を早く作動させる構成になっており、これにより、第一、第二メインポンプ13、14のポンプ圧の立ち上がりが滑らかになって操作性が向上するとともに、操作具をステップで操作した場合や、急激に反対方向に切換える切り返し操作をしたような場合に、第一、第二メインポンプ13、14の吐出油が閉じ込められてポンプ圧が急上昇しリリーフ圧に達してしまう不具合を回避できる。
さらに、前記コントローラ50は、第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rを制御するにあたり、第一、第二ネガコン圧センサ40L、40Rにより検出される実ネガコン圧をフィードバックする構成になっており、これにより、ヒステリシスを低減できるとともに、応答性を向上させることができて、第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁38L、38Rの制御性が向上する。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、例えば、上記実施の形態では、二つの油圧ポンプ(第一、第二メインポンプ)が設けられており、これに対応してセンタバイパス油路、ネガコン絞り、バイパスカット弁、ネガコン圧出力用バルブ(第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁)、シャトル弁もそれぞれ二つずつ設けられているが、油圧ポンプの数は単数、或いは三つ以上の複数であっても本発明を実施でき、この場合には、センタバイパス油路、ネガコン絞り、バイパスカット弁、ネガコン圧出力用バルブ、シャトル弁もそれぞれ単数、或いは三つ以上設けられる。
また、本発明は、油圧ショベルに限定されることなく、各種油圧作業機の油圧ポンプ制御に実施できることは勿論である。
本発明は、油圧ショベル等の油圧作業機における油圧ポンプの制御に利用することができる。
8R、8L、9〜12 油圧アクチュエータ
13、14 第一、第二メインポンプ
13a、14a 第一、第二メインポンプの容量可変手段
16 油タンク
20〜27 流量制御弁
20a〜27a 流量制御弁のブリードオフ開口
29、30 第一、第二センタバイパス油路
31L、31R 第一、第二バイパスカット弁
32L、32R 第一、第二ネガコン絞り
35L、35R 第一、第二シャトル弁
38L、38R 第一、第二ネガコン圧出力用電磁比例弁
39L、39R 第一、第二ポンプ圧センサ
40L、40R 第一、第二ネガコン圧センサ
50 コントローラ
64−1b、64−1e、71 レートリミッタ
65−6 バンドパスフィルタ

Claims (6)

  1. 可変容量型の油圧ポンプと、該油圧ポンプから圧油供給される油圧アクチュエータと、中立位置でポンプ流量を油タンクに流すブリードオフ開口を有するとともに油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づいて油圧ポンプから油圧アクチュエータへの供給流量を制御するオープンセンタ型の流量制御弁と、油圧ポンプから流量制御弁のブリードオフ開口を経由して油タンクに至るセンタバイパス油路と、ブリードオフ開口の下流側のセンタバイパス油路に配されてネガコン圧を発生するネガコン絞りとを備えた油圧作業機の油圧回路において、
    前記ネガコン絞りの上流側に配され、非作動時にはセンタバイパス油路を全開し、作動時にはセンタバイパス油路を閉じるバイパスカット弁と、油圧ポンプの可変容量手段にネガコン圧を出力するべく作動するネガコン圧出力用バルブと、前記バイパスカット弁およびネガコン圧出力用バルブの作動を制御する制御手段と、ネガコン圧出力用バルブの非作動時にはネガコン絞りにより発生するネガコン圧を油圧ポンプの容量可変手段に導き、ネガコン圧出力用バルブの作動時にはネガコン圧出力用バルブから出力されるネガコン圧を油圧ポンプの容量可変手段に導くネガコン圧導入手段とを設けるとともに、
    前記制御手段は、
    油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づきバイパスカット弁を作動させてセンタバイパス油路から油タンクに流れるブリードオフ流量を低減する一方、該バイパスカット弁の作動時に、バイパスカット弁が設けられていないと仮想した場合の仮想ブリードオフ流量とバイパスカット弁が作動した場合の実ブリードオフ流量との差分をブリードオフ低減流量として求めるとともに、バイパスカット弁が設けられていないと仮想した場合の仮想ポンプ流量から前記ブリードオフ低減流量を減じてポンプ要求流量を求め、油圧ポンプの吐出流量を該ポンプ要求流量にするべくネガコン圧出力用バルブを作動させる仮想ブリードオフ制御を行うことを特徴とする油圧作業機における油圧ポンプ制御システム。
  2. 請求項1において、制御手段は、バイパスカット弁が設けられていないと仮想した場合の仮想ポンプ流量を、油圧アクチュエータ用操作具の操作信号と油圧ポンプのポンプ流量との関数テーブルを用いて、油圧アクチュエータ用操作具の操作量に応じて設定する一方、前記関数テーブルは、バイパスカット弁およびネガコン圧出力用バルブを非作動にした状態で、油圧アクチュエータ用操作具の操作信号を変化させたときにネガコン絞りにより発生するネガコン圧の検出値と、該ネガコン圧に対する所与のポンプ流量特性とに基づいて予め作成されることを特徴とする油圧作業機における油圧ポンプ制御システム。
  3. 請求項1または2において、制御手段は、流量制御弁のブリードオフ開口面積とバイパスカット弁の開口面積と油圧ポンプのポンプ圧とに基づいてブリードオフ低減流量を演算するとともに、該演算を行うにあたり、油圧ポンプの吐出圧を検出する圧力検出手段により検出されたポンプ検出圧力から油圧系固有振動数の周波数成分を抽出するバンドパスフィルタ処理を行い、ポンプ検出圧力から前記抽出された周波数成分を減じた圧力を油圧ポンプのポンプ圧として用いることを特徴とする油圧作業機における油圧ポンプ制御システム。
  4. 請求項3において、制御手段は、ポンプ要求流量を求めるにあたり、前記バンドパスフィルタ処理で抽出した周波数成分を圧力フィードバックすることを特徴とする油圧作業機における油圧ポンプ制御システム。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項において、制御手段は、流量制御弁に設けられる油圧アクチュエータ圧油供給用開口とバイパスカット弁の開口との開閉タイミングを調整するためのレートリミッタ処理を行い、油圧アクチュエータ圧油供給用開口を開く場合には、流量制御弁に対してバイパスカット弁を遅く作動させ、油圧アクチュエータ圧油供給用開口を閉じる場合には、流量制御弁に対してバイパスカット弁を早く作動させることを特徴とする油圧作業機における油圧ポンプ制御システム。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項において、制御手段は、ネガコン圧出力用バルブを制御するにあたり、ネガコン圧出力用バルブの出力圧を検出する圧力検出手段により検出される実ネガコン圧をフィードバックすることを特徴とする油圧作業機における油圧ポンプ制御システム。
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