JP2017057906A - 車両用動力伝達装置のケース - Google Patents

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康弘 河合
誠司 引嶋
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誠司 引嶋
悟志 ▲高▼橋
悟志 ▲高▼橋
Satoshi Takahashi
祐貴 伊藤
Yuki Ito
祐貴 伊藤
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Abstract

【課題】ギヤ機構を収容する車両用トランスミッション10のケース12から発生するギヤの振動から発生する騒音を削減することのできるトランスミッション10のケース12を提供する。
【解決手段】トランスミッション10のケース12の一部を形成するオイルパン14に、軟質磁石16bを貼り付けることにより、オイルパン14から発生する騒音を効果的に抑制する。また、設置場所をオイルパン14の内部とし、オイルパン14の最大振幅箇所を含む位置とし、さらに磁石を樹脂中に磁性体を分散させた軟式磁石16bとすることで一層効果的に騒音を減少することを可能とする。また、軟式磁石16bの曲げ弾性率と硬度を選択することにより、なお一層効果的に騒音が減少できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ギヤの噛合いによって動力伝達を行うギヤ機構を収容する、車両用動力伝達装置のケースに関するものである。
一般に、ギヤ噛合いによって動力伝達を行うギヤ機構では、ギヤが噛み合った状態で回転することで動力が伝達されるときの噛合い部分から振動を発生し、この振動によって車両用動力伝達装置ケースが励振されて共振が生じることにより、騒音が増大させられることがある。とりわけ、ケースの一部に比較的平坦な部分を有するオイルパンによって構成する場合に、そのオイルパンの共振が問題となる場合が多い。
これに対して特許文献1には、ケースの共振を抑制するために、共振周波数帯域を調整する目的で、重錘部材をケースに着脱自在に取り付けられるものとし、さらに、質量の異なる重錘部材を選択して着脱する技術が開示されている。
特開2004−162754号公報
しかし、特許文献1においては、重錘部材をケースに固定する部材が必要となる。また、何らかの要因により想定されている共振周波数から外れた振動が発生した場合、たとえば、想定を超える極端な加減速が行われた場合などでは、発生した共振への振動抑制効果が抑制されると共に、一旦発生した共振への振動抑制効果もまた低いものとなる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ギヤ機構を収容する車両用動力伝達装置のケースであって、ギヤ機構から発生する振動による共振が抑制され、騒音を減少することのできる車両用動力伝達装置のケースを提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、ギヤの噛合いによって動力伝達を行うギヤ機構を収容する車両用動力伝達装置のケースであって、前記動力伝達装置のケースの一部を構成するオイルパンの少なくとも一箇所に軟質磁石を磁気的吸引力により貼り付けることを特徴とする。
第2発明の要旨とするところは、第1発明に係る前記車両用動力伝達装置のケースにおいて、前記軟質磁石は、前記オイルパンの内面に貼り付けることを特徴とする。
第3発明の要旨とするところは、請求項1または2の前記車両用動力伝達装置のケースにおいて、前記軟質磁石は、前記オイルパンの前記磁石設置前の振動振幅が最大の箇所を少なくとも含む位置に貼り付けることを特徴とする。
第4発明の要旨とするところは、請求項1乃至3のいずれかに係る前記車両用動力伝達装置のケースにおいて、前記軟質磁石は、樹脂中に磁性粉体が分散されたものであることを特徴とする。
第5発明の要旨とするところは、第4発明に係る前記車両用動力伝達装置ケースにおいて、前記軟質磁石は、曲げ弾性率が2500(Kgf/mm)以下、もしくはロックウェル硬さがHRM150以下の軟質磁石であることを特徴とする。
第6発明の要旨とするところは、第4発明に係る前記車両用動力伝達装置のケースにおいて、前記軟質磁石は、曲げ弾性率が1500(Kgf/mm)以下、もしくはロックウェル硬さがHRM100以下の軟質磁石であることを特徴とする。
第7発明の要旨とするところは、第4発明に係る前記車両用動力伝達装置のケースにおいて、前記軟質磁石は、曲げ弾性率が1000(Kgf/mm)以下、もしくはロックウェル硬さがHRM50以下の軟質磁石であることを特徴とする。
第1発明によれば、オイルパンが共振による振動を発生した際、貼り付けられた軟質磁石は、オイルパンと完全に一体となることなく吸着面で相互に摩擦しながらオイルパンと共に振動する。このときに発生する摩擦エネルギーによって、オイルパンの振動エネルギーの一部が消費され、オイルパンの振動が抑制されることとなり、オイルパンから発生する騒音が低減される。
第2発明によれば、前記軟質磁石は、前記オイルパンの内側に貼り付けられていることにより、万一オイルパンの所定の位置から脱落してもオイルパン内部に留まることとなる。またオイルパン外に離脱し車両用動力伝達装置の外部に設置された装置にダメージを与える恐れも無い。
第3発明によれば、前記軟質磁石は、前記オイルパンの前記軟質磁石設置前の振動振幅が最大の箇所を少なくとも含む位置に貼り付けられていることにより、軟質磁石の発生する摩擦エネルギーも大きくなり、効果的に振動が抑制される。
第4発明によれば、前記軟質磁石は、樹脂中に磁性粉体が分散されたものであり、その曲げ弾性率(Kgf/mm)、硬度(HRM)を調整することにより、軟質磁石の発生する摩擦エネルギーを大きくすることが可能となる。
第5発明によれば、前記軟質磁石を曲げ弾性率2500(Kgf/mm)以下、もしくはロックウェル硬さがHRM150以下の軟質磁石とすることにすることによって効果的に振動が抑制される。
第6発明によれば、前記軟質磁石を曲げ弾性率1500(Kgf/mm)以下、もしくはロックウェル硬さがHRM100以下の軟質磁石とすることにすることによってさらに効果的に振動が抑制される。
第7発明によれば、前記軟質磁石を曲げ弾性率1000(Kgf/mm)以下、もしくはロックウェル硬さがHRM50以下の軟質磁石とすることにすることによってなお一層効果的に振動が抑制される。
本発明の一実施例の動力伝達装置ケースの要部の構成を説明する概略図である。 硬質磁石、および軟質磁石を設置することによる振動抑制効果を説明する特性図である。 図2のオイルパンに硬質磁石を設置した場合の効果を説明する概念図である。 図2のオイルパンに軟質磁石を設置した場合の効果を説明する概念図である。 図1の動力伝達装置ケースの一部を構成するオイルパンの一部の質量を増加させることによる振動抑制効果を説明する特性図である。 図1のオイルパンの試験例の正面図である。 図1のオイルパンの他の試験例の正面図である。 図6、7のオイルパンの試験例による振動抑制効果を説明する特性図である。
以下、本発明の動力伝達装置のケースの一部を構成するオイルパンの一実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用されたトランスミッションケース12を車両の正面側から見た概略図である。トランスミッション10はギヤの噛合いによって動力伝達および変速を行っており、図示されていないギヤ機構がトランスミッションケース12に収納されている。トランスミッションケース12の一部を構成するオイルパン14は、有底の盆形状を有しており、その外縁に形成されている合わせ面18aがトランスミッションケース12に形成されている合わせ面18bと当接した状態で複数個のボルト20によって油密に締結されている。本実施例では、オイルパン14は、図示されていない車両の底面に対し垂直、すなわちオイルパン14の盆形状をなす底部が車両の底面に対し垂直に配置されているが、特に垂直である必要は無く、車両の底面に対し水平、すなわちトランスミッションケース12の底部に設置されても良い。また、オイルパン14は、軟質磁石16bを磁気的吸引力により貼り付けることのできる材質、例えば鉄系金属などの強磁性体から選択される。
軟質磁石16bは、板片状であってオイルパン14の内側、すなわちトランスミッションケース12に収納されているギヤ機構側に、たとえば2個並んで設置されているが、振動抑制効果を高めるために2枚以上重ねて貼り付けられても良い。軟質磁石16bがオイルパン14の内側に貼り付けられている場合には、オイルパン14が油密なので、万一、軟質磁石16bが所定の位置から脱落しても軟質磁石16bはオイルパン14内部に留まることとなる。このため、軟質磁石16bがオイルパン14外に離脱しトランスミッションの外部の装置にダメージを与える恐れも無い。また、軟質磁石16bは、特に2個である必要は無く、振動の大きい場所に設置しやすく、また取り扱いの容易な大きさと個数、すなわち1個から複数の個数が選択される。
トランスミッションケース12では、ギヤの噛合い部分からの振動によって共振が発生することにより騒音が増大させられることがあり、とりわけ、ケースの一部を比較的平坦な部分を有するオイルパン14によって構成する場合に、オイルパン14の共振が問題となる場合がある。軟質磁石16bの設置位置は、オイルパン14の振動振幅が最大となる場所が選択される。本実施例では、オイルパン14の騒音を測定して周波数解析し、放射音(dB)が最大となる周波数帯域の放射音(dB)を特定し、この周波数帯域を最も強く発生させている箇所を振動振幅が最大である箇所として特定している。本実施例においては、放射音(dB)が最大である周波数は、2200Hzから2650Hzであり、この周波数帯域の放射音(dB)が最大となる場所を振動振幅が最大である場所とし、ここに軟質磁石16bを設置している。なお、振動振幅が最大である場所は、特に放射音で測定する必要は無く、たとえば、光学的な測定方法を用いて振動が最大である場所を特定しても良い。
図2は、硬質磁石16a、および軟質磁石16bを設置することによる振動抑制効果を説明する特性図である。図2において、オリジナルとして示されているのは、磁石16を設置しない状態で放射音の周波数特性を測定した値である。また、硬質磁石設置として示されているのは、硬質磁石16aをオイルパン14の振動振幅が最大となる箇所に、硬質磁石16aを設置した場合であり、軟質磁石設置として示されているのは、硬質磁石16bをオイルパン14の振動振幅が最大となる箇所に、軟質磁石16bを設置した場合である。また、2200Hzから2650Hzは、磁石16を設置しない場合のオイルパン14の最大の放射音を示す周波数帯域であり、また、ギヤの噛合い部分から発生する振動の典型的な周波数である為、ターゲット周波数と呼ぶこととし図2には、ターゲット周波数と表記されている。オリジナル、すなわち、磁石16を設置しない場合は、2200Hzから2650Hzの周波数帯域であるの放射音(dB)の最大値が93.6(dB)であるのに対して、硬質磁石16aを設置した場合は、最大値が92.6(dB)へ効果的に減少し、軟質磁石16bを設置した場合は、最大値が91.6(dB)へさらに効果的に減少している。
硬質磁石16aとは、焼結で製造されるフェライト磁石、および。鋳造、鍛造等で製造される金属磁石といった硬度が高く、荷重に対し変形の少ない磁石の総称である。金属磁石の代表的な材料として、アルニコ磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジウム磁石を含む希土類磁石が挙げられる。これらの硬質磁石16aは、一般的な材料では、ビッカース硬度が500から650(HV)、ヤング率が1x10から2x10(Kgf/mm)程度の数値を示す。一方、軟質磁石16bとは主に、ボンド磁石と呼ばれる、樹脂中に上記硬質磁石16aの材料として挙げられているような磁性体の粉を分散させた磁石であり、硬度が比較的低く、荷重に対する変形が比較的大きい磁石の総称である。一般的な材料では、曲げ弾性率で5x10(Kgf/mm)以下、ロックウェル硬度で200(HRM)以下程度の数値を示す。
軟質磁石16bを構成する樹脂は、主にゴムとプラスチックとに分類される。ゴムの中では、例えば、天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴム等が使用されることが多く、プラスチックでは、例えば、ナイロン、エポキシ樹脂、EEA(エチレンエチルアクリレート)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PA(ポリアミド)樹脂、PE(ポリエチレン)樹脂等が使用されることが多い。また、軟質磁石16bに磁性を付与する磁性材料は、一般的に硬質磁石16aを構成する材料の紛体が用いられ、フェライト磁石、アルニコ磁石、希土類磁石であるサマリウムコバルト磁石、ネオジウム磁石等が代表的な磁性材料であり、これらの材料が上記の樹脂に分散され、これを成型されることで軟質磁石16bが作られている。
図3は、図1のオイルパン14に硬質磁石16aを設置した場合の放射音の減少に対する効果を説明する概念図である。この概念図では、オイルパン14の振動振幅が最大となる箇所が硬質磁石16aの中央に重なるように、硬質磁石16aをオイルパン14に設置した例が示されている。オイルパン14の振動の開始前には、(a)図のようにオイルパン14と硬質磁石16aとはほぼ全面で接触している。オイルパン14の振動が開始され、(b)図のようにオイルパン14が図中の上方向に変形すると、硬質磁石16aの中央のみがオイルパン14と接触する。また、(c)図のようにオイルパン14が図中の下方向に変形すると、硬質磁石16aの両端のみがオイルパン14と接触し、オイルパン14の変形に伴って、オイルパン14と硬質磁石16aの両端との接触面で摩擦が生じることとなる。この摩擦によってオイルパン14の振動エネルギーの一部が消費され、放射音の減少がもたらされているものと推定している。
図4は、図1のオイルパン14に軟質磁石16bを設置した場合の放射音の減少に対する効果を説明する概念図である。この概念図では、オイルパン14の振動振幅が最大となる箇所が軟質磁石16bの中央に重なるように、軟質磁石16bをオイルパン14に設置した例が示されている。オイルパン14の振動の開始前には、(a)図のようにオイルパン14と軟質磁石16bとはほぼ全面で接触している。オイルパン14の振動が開始され、(b)図のようにオイルパン14が図中の上方向に変形すると、軟質磁石16bは、硬質磁石16aと比較して硬度が低く、また荷重に対する変形が大きいため、広い面積でオイルパン14と接触を維持し、また同時にオイルパン14の変形に伴って接触面で摩擦を生じることとなる。この摩擦は、振動が最大となる時点で摩擦力が最大となり、オイルパン14の振動振幅が最大に近づく時点では、軟質磁石16bを広げる方向に摩擦が生じ、最大を過ぎ、オイルパン14の振動振幅が減少に転じる時点では、軟質磁石16bを狭める方向に摩擦が生じることとなる。また、オイルパン14が(c)図のように図中の下方向に変形した場合にも、(b)と同様の摩擦が生じることとなり、振動振幅が最大となる時点で摩擦力が最大となり、オイルパン14の振動振幅が最大に近づく時点では、軟質磁石16bを広げる方向に摩擦が生じ、オイルパン14の振動振幅が最大を過ぎ、オイルパン14の振動振幅が減少に転じる時点では、軟質磁石16bを狭める方向に摩擦が生じることとなる。この摩擦によってオイルパン14の振動エネルギーの一部が効果的に消費され、放射音の減少がもたらされているものと推定している。
軟式磁石16bを、放射音(dB)が最大となる場所に設置したときの放射音の減少効果は、軟質磁石19bの曲げ弾性率(Kgf/mm)と、硬度(HRM)とによって変化する。軟式磁石16bが、硬質磁石16aと比較して、放射音の減少の差を生じ始めるのが、おおよそ、曲げ弾性率2500(Kgf/mm)以下、もしくはロックウェル硬度150HRM以下である。
さらに、放射音の減少効果を生じるには、好適には、軟式磁石16bは、曲げ弾性率硬度は1500(Kgf/mm)以下、もしくはロックウェル硬度100HRM以下であることが望ましい。
さらに、放射音の減少効果を生じるには、さらに好適には、軟式磁石16bは、曲げ弾性率硬度は1000(Kgf/mm)以下、もしくはロックウェル硬度50HRM以下であることがさらに望ましい。
ちなみに、図5はオイルパン14の振動振幅が最大となる箇所に、硬質磁石16aとほぼ同等の重量を持つ板状の金属部材を溶接することによる振動抑制効果を説明する特性図である。図5において、オリジナルとして示されているのは、磁石16を設置しない状態で放射音の周波数特性を測定した値である。また、質量溶接として示されているのは、硬質磁石16aとほぼ同等の重量を持つ板状の金属部材をオイルパン14の振動振幅が最大となる箇所に溶接した場合である。オリジナル、すなわち、金属部材を溶接しない場合は、2200Hzから2650Hzの放射音(dB)の最大値が93.6(dB)であるのに対して、金属部材を溶接した場合にも、2200Hzから2650Hzの周波数帯域での放射音(dB)の最大値は、オリジナル、すなわち金属部材を溶接しない場合と同じ、93.6(dB)であった。したがって、硬質磁石16aと類似の質量を溶接によりオイルパン14から動かない形で振動部に設置しても、放射音の減少効果が乏しいことが示されている。
また、図6および図7は、オイルパン14の振動振幅が最大となる箇所に帯状の突出部が形成されたオイルパン14を示している。この突出部は、一般にリブ22a、22bと呼ばれ、オイルパン14を金属板からプレスによって成型する際に、オイルパン14の外形の一部として一体に成型されたものである。リブは金属板の剛性を改善する場合に用いられることがあり、図6、7のリブも剛性の改善による2200Hzから2650Hzの周波数帯域における放射音(dB)の減少効果を確認することを目的として形成されている。図6と図7のリブ22a、22bは、共に、水平と垂直方向に形成されたリブの交点の一つが、オイルパン14の振動振幅が最大となる箇所を含む位置に形成されている。図6のリブ22aは、図7のリブ22bの垂直方向に延びるリブをリブの交点を越えて延長した形状である点でリブ22bと異なっている。
図8は、図6および図7のリブ22a、22bによる振動抑制効果を説明する特性図である。図8においてオリジナルとして示されているのは、リブを設置しない状態で放射音の周波数特性を測定した値である。また、リブ対策1として示されているのは、図6のリブ22aを持つオイルパン14の放射音の周波数特性であり、また、リブ対策2として示されているのは、図7のリブ22bを持つオイルパン14の放射音の周波数特性である。オリジナル、すなわちリブを設置しない状態での放射音の最大値は、2370Hzにおいて放射音87.8dBである。一方、同一条件で測定された、リブを形成したリブ対策1における放射音の最大値は、2115Hzにおいて88.0dBであり、2200Hzから2650Hzの周波数帯域を外れ、またオリジナルよりわずかに放射音が大きい結果であった。また、リブ対策2における放射音の最大値は、2040Hzにおいて89.0dBであり、2200Hzから2650Hzの周波数帯域を外れ、またオリジナルよりわずかに放射音が大きい結果であった。したがって、リブの形成による剛性の改善では、放射音は減少せず、放射音の最大値の周波数が低周波数側に移動する結果となった。したがって、オイルパン14の振動振幅が最大となる箇所に帯状のリブを形成することによる、放射音の減少効果は乏しいことが示されている。
このように、本実施例における車両用トランスミッションケース12において、オイルパン14に金属部材を溶接すること、および、リブ22a、22bを形成してオイルパンの剛性を改善することによっては減少できなかったオイルパン14から発生する放射音が、軟質磁石16bをオイルパン14に磁気的吸引力により貼り付けることにより、効果的に減少されている。軟質磁石16bをオイルパン14に貼り付けることにより、軟質磁石16bは、オイルパン14と完全には一体化せず吸着面で相互に摩擦しながらオイルパン14と共に振動する。このとき発生する摩擦エネルギーによってオイルパン14の振動エネルギーの一部が消費され、オイルパン14の振動が抑制されることにより、オイルパン14から発生する放射音が減少するものと推定している。
さらに、軟質磁石16bは、オイルパン14の内側に貼り付けることにより、万一オイルパン14が設置した位置から脱落しても、所定の量のオイルを貯留する構造となっているオイルパン14内部に留まることなり、トランスミッション10外部に設置された装置等にダメージを与える恐れも無い。
また、軟質磁石16bの貼り付け位置が貼り付け前のオイルパン14の振動振幅が最大の箇所を少なくとも含むことにより、軟質磁石16bとオイルパン14との摩擦が大きくなり、効果的にオイルパン14の振動が抑制され、オイルパン14から発生する放射音が効果的に減少する。
さらに、主にゴム、プラスチックといった樹脂中に磁性体を分散させて成型した、いわゆる軟質磁石16bを設置することにより軟質磁石16bとオイルパン14との摩擦が大きくなり、オイルパン14から発生する放射音がさらに効果的に減少する。
軟質磁石16bは、樹脂の種類、量、磁性体の種類、粒度、量等を調整することで、その曲げ弾性率(Kgf/mm)と硬度(HRM)を調整することが可能となる。またその特性は、曲げ弾性率は2500(Kgf/mm)以下、もしくはロックウェル硬さはHRM150以下が望ましい。また、曲げ弾性率は1500(Kgf/mm)以下、もしくはロックウェル硬さはHRM100以下がさらに望ましく、曲げ弾性率は1000(Kgf/mm)以下、もしくはロックウェル硬さはHRM50以下がなお一層望ましい。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の様態においても適用される。
例えば、前述の実施例では、オイルパン14を車両の底面に対し垂直、あるいは車両の底面に対して水平としたが、必ずしもこれに限定されるものでなく、車両の底面に一定の角度を形成するものであっても良い。
また、オイルパン14の振動振幅が最大となる場所を、放射音(dB)の強度、もしくは、光学的方法で特定するとしたが、必ずしもこれに限定されるものでなく、そのほかの方法、たとえば、振動面との接触によって機械的に振動幅を測定する方法を用いても良い。
また、軟質磁石16bを構成する樹脂は、主にゴムとプラスチックとに分類され、ゴムの中では、例えば、天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴム等、プラスチックでは、例えば、ナイロン、エポキシ樹脂、EEA(エチレンエチルアクリレート)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PA(ポリアミド)樹脂、PE(ポリエチレン)樹脂等としたが、特にこれに限定されない。
また、軟質磁石16bに磁性を付与する磁性材料は、フェライト磁石、アルニコ磁石、希土類磁石であるサマリウムコバルト磁石、ネオジウム磁石等としたが特にこれに限定されない。
オイルパン14において、軟質磁石16bが設置される部分を平面として説明したが、特に平面である必要は無く、軟質磁石16bによってオイルパン14の振動が効果的に抑制されるのであれば、例えば、曲面、もしくは多平面からなる箇所をオイルパン14に形成し、その部分に軟質磁石16bが設置されていても構わない。
なお、上述したのはあくまでも一実施例であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた様態で実施することができる。
10: トランスミッション(車両用動力伝達装置)
12:トランスミッションケース(ケース)
14: オイルパン
16b:軟質磁石

Claims (7)

  1. ギヤの噛合いによって動力伝達を行うギヤ機構を収容する車両用動力伝達装置のケースであって、
    前記動力伝達装置のケースの一部を構成するオイルパンと前記オイルパンの少なくとも一箇所に軟質磁石を磁気的吸引力により貼り付けたことを特徴とする車両用動力伝達装置のケース。
  2. 前記軟質磁石は、前記オイルパンの内面に貼り付けられている請求項1の車両用動力伝達装置のケース。
  3. 前記軟質磁石は、前記オイルパンの前記軟質磁石設置前の振動振幅が最大の箇所を少なくとも含む位置に貼り付けられている請求項1または2の車両用動力伝達装置のケース。
  4. 前記軟質磁石は、樹脂中に磁性粉体が分散されたものである請求項1乃至3のいずれか1の車両用動力伝達装置のケース。
  5. 前記軟質磁石は、曲げ弾性率が2500(Kgf/mm)以下、もしくはロックウェル硬さがHRM150以下の軟質磁石16bである請求項4の車両用動力伝達装置のケース。
  6. 前記軟質磁石は、曲げ弾性率が1500(Kgf/mm)以下、もしくはロックウェル硬さがHRM100以下の軟質磁石16bである請求項4の車両用動力伝達装置のケース。
  7. 前記軟質磁石は、曲げ弾性率が1000(Kgf/mm)以下、もしくはロックウェル硬さがHRM50以下の軟質磁石16bである請求項4の車両用動力伝達装置のケース。
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